JP2013100775A - 車両のアクセル開度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別なヒステリシス発生手段を設けずに,常により良好なアクセル操作フィーリングを得ることを可能にした構造簡単な車両のアクセル開度検出装置を提供する。
【解決手段】棒状の操向ハンドルHに固定されるセンサケース5に,操向ハンドルHを囲む環状のばね収容溝12を形成して,このばね収容溝12にゼンマイばね20を収容し,このゼンマイばね20で戻しばねを構成すべく,その外周端をセンサケース5に,またその内周端をロータ6にそれぞれ係止して,該ゼンマイばね20の拡張方向のセット荷重によりロータ6を初期位置へ付勢するようにし,ばね収容溝12に,ゼンマイばね20の弾性帯板同士を常に摺接可能な積層状態に保持する狭隘部12aを設け,ゼンマイばね20を構成する弾性帯板の一側面に,合成樹脂よりなる摩擦調整材35を付設して,この摩擦調整材35が狭隘部12aで弾性帯板の他側面に摺接するようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】棒状の操向ハンドルHに固定されるセンサケース5に,操向ハンドルHを囲む環状のばね収容溝12を形成して,このばね収容溝12にゼンマイばね20を収容し,このゼンマイばね20で戻しばねを構成すべく,その外周端をセンサケース5に,またその内周端をロータ6にそれぞれ係止して,該ゼンマイばね20の拡張方向のセット荷重によりロータ6を初期位置へ付勢するようにし,ばね収容溝12に,ゼンマイばね20の弾性帯板同士を常に摺接可能な積層状態に保持する狭隘部12aを設け,ゼンマイばね20を構成する弾性帯板の一側面に,合成樹脂よりなる摩擦調整材35を付設して,この摩擦調整材35が狭隘部12aで弾性帯板の他側面に摺接するようにした。
【選択図】 図3
Description
本発明は,棒状の操向ハンドルに固定されるセンサケースと,前記操向ハンドルに回動可能に付設されるアクセルグリップに連結されて前記センサケースに隣接配置されるロータと,前記センサケース内に収容保持されて前記ロータの初期位置から回動角度を検出するアクセル開度センサと,前記センサケース及びロータ間に接続されて該ロータを初期位置へ付勢する戻しばねとを備える,車両のアクセル開度検出装置の改良に関する。
かゝる車両のアクセル開度検出装置は,下記特許文献1に開示されるように既に知られていいる。かゝる車両のアクセル開度検出装置において,アクセル開度センサは,アクセルグリップの開度を検出したとき,それに対応した検出信号を車両の電子制御ユニットに出力し,電子制御ユニットは,その信号に応じてエンジンの電動式スロットル弁を制御したり,燃料噴射弁の燃料噴射量や点火装置の点火時期を制御する。
ところで,かゝる車両のアクセル開度検出装置には,アクセルグリップの開き操作時と閉じ操作時とで操作荷重に差を付けるヒステリシスを生じさせることが,アクセルグリップの操作フィーリングを良好にするために要求される。そこで,特許文献1記載のものでは,ロータをアクセルグリップの閉じ方向に付勢する戻しばねとしてゼンマイばねを使用し,アクセルグリップを開き方向に回転してゼンマイばねを巻き込むとき,それに伴ないゼンマイばねの弾性帯板同士が摩擦接触し,その摩擦抵抗により上記のようなヒステリシスを発生させるようにしている。
こうしたものは,戻しばね自体がヒステリシス特性を持つことになるので,ヒステリシス発生手段を特別に設ける必要がなく,アクセル開度検出装置の構造の簡素化を図ることができるものゝ,アクセルグリップの全閉位置もしくはその近傍においては,ゼンマイばねは,その弾性帯板同士が非接触となる拡張状態に置かれるため,所望のヒステリシスを得ることができない。したがってアクセルグリップの全操作領域に亙り良好なアクセル操作フィーリングを得ることは困難である。
そこで,本出願人は,特別なヒステリシス発生手段を設けずに,良好なアクセル操作フィーリングを得ることを可能にした構造簡単な車両のアクセル開度検出装置を提供すべく,センサケースに,操向ハンドルを囲む環状のばね収容溝を形成して,このばね収容溝に,弾性帯板を複数巻きしてなるゼンマイばねを収容し,このゼンマイばねで前記戻しばねを構成すべく,その外周端を前記センサケースに,またその内周端を前記ロータにそれぞれ係止して,該ゼンマイばねの拡張方向のセット荷重により前記ロータを初期位置へ付勢するようにしてなるアクセル開度検出装置を既に提案している(特願2011−71112号)。
しかしながら,上記提案のアクセル開度検出装置においては,ゼンマイばねの巻き始め時,ゼンマイばねを構成する弾性帯板同士間の摩擦が静摩擦力から動摩擦力に推移する間に,スティックスリップ現象による摩擦振動が発生し,これがヒステリシス特性を不安定にさせると共に,アクセルグリップの操作フィーリングを悪化させることが本発明者によって究明された。上記スティックスリップ現象は,前記弾性帯板同士間の静摩擦力と動摩擦力との差が特に大きい場合に生じ易い。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,特別なヒステリシス発生手段を設けずに,常により良好なアクセル操作フィーリングを得ることを可能にした構造簡単な車両のアクセル開度検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,棒状の操向ハンドルに固定されるセンサケースと,前記操向ハンドルに回動可能に付設されるアクセルグリップに連結されて前記センサケースに隣接配置されるロータと,前記センサケース内に収容保持されて前記ロータの初期位置から回動角度を検出するアクセル開度センサと,前記センサケース及びロータ間に接続されて該ロータを初期位置へ付勢する戻しばねとを備える,車両のアクセル開度検出装置において,前記センサケースに,前記操向ハンドルを囲む環状のばね収容溝を形成して,このばね収容溝に,弾性帯板を複数巻きしてなるゼンマイばねを収容し,このゼンマイばねで前記戻しばねを構成すべく,その外周端を前記センサケースに,またその内周端を前記ロータにそれぞれ係止して,該ゼンマイばねの拡張方向のセット荷重により前記ロータを初期位置へ付勢するようにし,前記ばね収容溝に,前記ゼンマイばねの弾性帯板同士を常に摺接可能な積層状態に保持する狭隘部を設け,前記弾性帯板の一側面に,合成樹脂よりなる摩擦調整材を付設して,この摩擦調整材が前記狭隘部で前記弾性帯板の他側面に摺接するようにしたことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記弾性帯板の一側面に,複数の摩擦調整材を間隔を置いて付設し,これら摩擦調整材により前記弾性帯板の一側面上に画成される複数の溝に潤滑剤を保持させたことを第2の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,センサケースに形成されるばね収容溝の狭隘部において,ゼンマイばねは,常に弾性帯板同士が摺接する積層状態に保持されるので,アクセルグリップの全閉位置から全開位置に亙る全操作領域において,狭隘部でゼンマイばねの摩擦抵抗が発生し,これよりアクセルグリップの開き操作時と閉じ操作時との操作荷重に差をもたらすヒステリシス特性を得ることができる。しかも,このように戻しばねを構成するゼンマイばね自体でヒステリシス特性を得ることができるので,ヒステリシス手段を特別に設ける必要がなく,アクセル開度検出装置の構造の簡素化を図ることができる。
その上,ゼンマイばねを構成する弾性帯板の一側面に,合成樹脂よりなる摩擦調整材を付設して,この摩擦調整材が狭隘部で弾性帯板の他側面に摺接するようにしたので,ゼンマイばねの巻き始め時でも,弾性帯板同士の摺接が摩擦調整材によって滑らかになって,スティックスリップ現象が抑制され,ゼンマイばねの摩擦振動を防ぐことができ,ヒステリシス特性を安定させ,アクセルグリップの操作フィーリングを一層良好にすることができる。
本発明の第2の特徴によれば,弾性帯板の一側面に,複数の摩擦調整材を間隔を置いて付設し,これら摩擦調整材により前記弾性帯板の一側面上に画成される複数の溝に潤滑剤を保持させたので,弾性帯板同士の摺接が摩擦調整材と潤滑材とによって一層滑らかになって,スティックスリップ現象を効果的に抑制して,ゼンマイばねの摩擦振動を確実に防ぐことができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に基づいて以下に説明する。
先ず,図1〜図3に示す本発明の第1実施形態の説明より始める。
図1において,自動二輪車の棒状の操向ハンドルHの右端部にアクセルグリップGと,このアクセルグリップGの内端に隣接するスイッチケース1とが取り付けられる。このスイッチケース1には,図示しないがスタータスイッチ,エンジンキルスイッチ等,各種スイッチが取り付けられる。アクセルグリップGは,操向ハンドルHに回転可能に嵌合されるグリップパイプ2と,このグリップパイプ2の外周に被着されるグリップラバー3とで構成され,操向ハンドルHの外端には,グリップパイプ2の操向ハンドルHからの抜け出しを阻止する栓体4が圧入される。
図1〜図3において,スイッチケース1は,操向ハンドルHの直径方向に分割された上部ケース半体1a及び下部ケース半体1bとよりなっており,その両ケース半体1a,1bは,ボルト8,8で相互に結合して操向ハンドルHを挟持することで操向ハンドルHに固定される。このスイッチケース1内には,アクセルグリップGを,その全閉位置から全開位置に向かって回転するとき,その回転角度,即ちアクセル開度を検出するアクセル開度検出装置Dが配設される。
アクセル開度検出装置Dは,センサケース5と,グリップパイプ2に連結されてセンサケース5に回転可能に支持されるロータ6と,このロータ6の回転を可能にしながらセンサケース5及びロータ6間を連結するケースカバー7とを備える。これらセンサケース5,ロータ6及びケースカバー7は何れも合成樹脂製である。
センサケース5は,操向ハンドルHの外周面に内周面を嵌合する円筒状のハブ5aと,このハブ5aを同心状に囲繞する円筒状のケース筒5bと,これらハブ5a及びケース筒5bの一端部間を一体に連結する側壁5cとを一体成形してなるもので,側壁5cの外側面には位置決め突起10が一体に突設され,この位置決め突起10が,前記スイッチケース1に設けられる位置決め孔11に嵌合することで,センサケース5の操向ハンドルH上での回転が阻止される。
図3に示すように,ハブ5aと,これを囲繞するケース筒5bとの間に環状のばね収容溝12が画成される。そのハブ5aには,その略一半周側に厚肉部5a1が,略他半周側に厚肉部5a1より肉厚が小なる薄肉部5a2が形成される。しかもその厚肉部5a1は,その肉厚が厚肉部5a1の周方向中央部に向かって増加するように形成される。前記ばね収容溝12には,この厚肉部5a1の周方向中央部により溝幅が最も狭い狭隘部12aが設けられる。
厚肉部5a1の,ロータ6と反対側の端面にはセンサ取り付け凹部13が設けられ,また厚肉部5a1のロータ6側の端面には,操向ハンドルHと同心状で略180°に亙り延びるガイド溝14が設けられる。
図1に示すように,ロータ6は,操向ハンドルH及び前記ハブ5aの外周面に回転可能に嵌合する段付きの内周面を持ったハブ6aと,このハブ6aから半径方向に広がるフランジ6bとを一体成形してなるもので,フランジ6bの内側面には,前記ガイド溝14内を回動し得る円弧状の可動突起15が一体に突設される。フランジ6bは,前記ケース筒5bの開口端部に形成される環状の位置決め段部16に回転可能に係合してケース筒5bの開口端を閉鎖する。ハブ6aの外周には,前記グリップパイプ2の内端部がスプライン17を介して遊嵌される。したがって,アクセルグリップGの回転を適度な遊びをもってロータ6に伝達することができる。
アクセルグリップGの全閉位置から全閉位置までの回転角度を規定するロータ6の回転角度は,ロータ6の可動突起15がセンサケース5のガイド溝14の一方の内端面14aとの当接位置から,他方の内端面14bとの当接位置までの範囲に限定され,図示例では90°弱となっている。
ケースカバーは,前記フランジ6bの外側面に当接する押え壁7aと,この押え壁7aの外周端から円筒状に延びてセンサケース5の外周面に嵌合する外筒7bとを一体成形してなるもので,その外筒7bは,先端部に半径方向内向きに突出して周方向に並ぶ複数の係止爪18を有しており,これら係止爪18が,前記センサケース5の外周に形成された複数の係止凹部19にスナップ係合することにより,ケースカバー7はセンサケース5に固定される。その際,ケースカバー7の押え壁7aは,ロータ6のフランジ6bの回転を阻害しない。
前記環状のばね収容溝12には,鋼板製の弾性帯板を複数巻きしてなるゼンマイばね20が収容され,前記狭隘部12aにおいては,ゼンマイばね20は,その弾性帯板同士が摺接する積層状態に保持される。
またゼンマイばね20は,その外周端に固定フック20a,内周端に可動フック20bを有しており,固定フック20aは,センサケース5のケース筒5bに設けられる係止孔21に係合され,可動フック20bは,ロータ6のフランジ6b内側面に突設される係止突起22に係合される。その際,ゼンマイばね20は,ロータ6をアクセルグリップGの閉じ方向に付勢すべく拡張方向のセット荷重が付与され,戻しばねとして機能する。而して,アクセルグリップGを開き方向に回転すると,ゼンマイばね20は巻き込まれていくようになっている。
上記ゼンマイばね20を構成する弾性帯板の一側面には,その略全長にわたり,合成樹脂(例えばポリアミド)よりなる多数の短冊状の摩擦調整材35が間隔をおいてコーティングされると共に,これら摩擦調整材35により前記弾性帯板の一側面上に画成される多数の溝36に潤滑剤37,望ましくはグリースが保持される。而して,上記摩擦調整材35は,前記弾性帯板が渦巻き状に巻かれたとき,その弾性帯板の他側面に摺接可能に対向することになる。
また前記狭隘部12aのゼンマイばね20が摺接する壁面,特にゼンマイばね20が,その巻き込み時に強く圧接する内周側の壁面は凹凸面38に形成されると共に,その凹凸面38では潤滑剤39,望ましくはグリースが保持される。図4に,その凹凸面38の具体的構造例が示される。
即ち,図4(A)の凹凸面38は,前記壁面にセンサケース5の軸方向に延びる複数の突条40及び凹溝41を交互に並ぶように設けることで形成され,各凹溝41には潤滑剤39が保持される。その際,凹凸面38における単位面積当たりの潤滑剤39の保持量が狭隘部12aの中心Yに近づくほど増加するように,凹溝41の溝幅が狭隘部12aの中心Yに近づくほど増加し,且つ/又は隣接する凹溝41,41間の間隔が狭隘部12aの中心Yに近づくほど狭くなるように設定される。上記突条40及び凹溝41は,センサケース5の射出成形又はダイカスト鋳造時に型成形が可能であるから,特別な加工が不要で生産性が良い。
図4(B)の凹凸面38は,前記壁面に多数のディンプル42を分布させるように設けることで形成され,各ディンプル42には潤滑剤39が保持される。その際,凹凸面38における単位面積当たりの潤滑剤保持量が狭隘部12aの中心Yに近づくほど増加するように,ディンプル42の分布密度が狭隘部12aの中心Yに近づくほど増加するように設定される。
図4(C)の凹凸面38は,前記壁面にサンドブラスト等による梨地処理を施して梨地面に形成し,この梨地面の微細な凹部には,潤滑剤39が保持される。
再び図1及び図2において,ロータ6の前記可動突起15にはマグネット24がインサート成形により埋設され,このロータ6と共に回転するマグネット24の回転角度をアクセルグリップGの開度として検出するアクセル開度センサ25がセンサケース5の前記センサ取り付け凹部13に収容されると共に,それを所定位置に固定する封止樹脂28がセンサ取り付け凹部13に充填される。アクセル開度センサ25は,ホール素子26,26と,これらホール素子26,26の出力電圧をアクセル開度信号に変換して自動二輪車の図示しない電子制御ユニットに出力するセンサ回路基板27とで構成される。こうして,アクセル開度センサ25及びマグネット24は,ゼンマイばね20の半径方向内側に配置される。
以上において,潤滑剤37,39は同種の潤滑剤とすることが可能である。
次に,この第1実施形態の作用について説明する。
アクセルグリップGを全閉位置から全開位置に向かって回転すると,そのアクセルグリップGと共にロータ6もマグネット24を伴なって回転し,センサケース5に設けられるアクセル開度センサ25のホール素子26,26の出力電圧が上記マグネット24の回転角度の変化に応じて変化し,その変化をセンサ回路基板27が信号に変換して図示しない電子制御ユニットに出力し,それを受けた電子制御ユニットは,従来同様に,エンジンの電動式スロットル弁や燃料噴射弁,点火装置等の作動を制御する。
またアクセルグリップGを全閉位置から全開位置に向かって回転する間にゼンマイばね20は巻き込まれながら反発力を増加させていくが,このゼンマイばね20は,これを収容するばね収容溝12の狭隘部12aにおいて,ゼンマイばね20の弾性帯板同士が常に摺接する積層状態に保持されるので,アクセルグリップGの全閉位置から全開位置に亙る全操作領域において,狭隘部12aでゼンマイばね20の摩擦抵抗が発生し,これによりアクセルグリップGの開き操作時と閉じ操作時との操作荷重に差をもたらすヒステリシス特性が得られ,アクセルグリップGの操作フィーリングを常に良好にすることができる。
ところで,ゼンマイばね20の巻き始め時には,狭隘部12aにおいて,ゼンマイばね20を構成する弾性帯板同士の摺接部の摩擦が静摩擦力から動摩擦力に推移する間に,スティックスリップ現象が発生しようとするが,前記弾性帯板の一側面には,合成樹脂よりなる多数の摩擦調整材35が間隔をおいてコーティングされるので,それら摩擦調整材35が弾性帯板の他側面に摺接することになり,弾性帯板同士の摺接がこれら摩擦調整材35によって滑らかになって,スティックスリップ現象が抑制される。また多数の摩擦調整材35により弾性帯板の一側面上に形成される多数の溝36には潤滑剤37が保持されるので,上記弾性帯板相互間の摩擦係数の減少によりスティックスリップ現象が一層抑制され,ゼンマイばね20の摩擦振動を防ぐことができ,特に,上記潤滑剤37としてグリースが保持される場合には,グリースの高粘性によるダンパ効果によりゼンマイばね20の摩擦振動を効果的に抑えることができる。
またゼンマイばね20の巻き始め時には,ゼンマイばね20とばね収容溝12の狭隘部12a壁面との間においても,摩擦が静摩擦力から動摩擦力に推移する間に,スティックスリップ現象が発生しようとするが,狭隘部12aのゼンマイばね20が摺接する壁面,特にゼンマイばね20が強く圧接する内周側の壁面は凹凸面38に形成されるので,その凹凸面38ではゼンマイばね20との接触面積の減少により,スティックスリップ現象が抑制される。また上記凹凸面38には潤滑剤39が保持されるので,凹凸面38の摩擦係数の減少によりスティックスリップ現象が一層抑制され,ゼンマイばね20の摩擦振動を防ぐことができ,特に,上記潤滑剤39としてグリースが保持される場合には,グリースの高粘性によるダンパ効果によりゼンマイばね20の摩擦振動を効果的に抑えることができ,またばね収容溝12の壁面から摩耗粉が発生した場合には,その摩耗粉がグリースに付着することで,周囲への飛散を防ぐことができる。
また上記凹凸面38における単位面積当たりの潤滑剤保持量が前記狭隘部12aの中心に近づくほど増加するように前記凹凸面38は形成されるので,前記狭隘部12aの中心部で凹凸面38の潤滑剤保持量が最大となり,摩擦係数は最小となり,したがってゼンマイばね20の巻き込みにより,前記狭隘部12aの中心部の凹凸面38にゼンマイばね20が強く圧接しても,スティックスリップ現象によるゼンマイばね20の摩擦振動を抑えることができる。
かくして,ヒステリシス特性を安定させ,アクセルグリップGの操作フィーリングを一層良好にすることができる。しかも,このようにゼンマイばね20,即ち戻しばね自体でヒステリシス特性を得ることができるので,特別にヒステリシス手段を設ける必要がなく,アクセル開度検出装置Dの構造の簡素化を図ることができる。
またホール素子26,26及びセンサ回路基板27よりなるアクセル開度センサ25と,マグネット24とは,ゼンマイばね20の半径方向内側のデッドスペースに配置されるので,センサケース5内部のスペース効率がよく,センサケース5のコンパクト化,延いてはアクセル開度検出装置Dのコンパクト化を図ることができる。
アクセル開度検出装置Dの組み立てに当たっては,センサケース5内にゼンマイばね20を収容した後,その開口端をロータ6のフランジ6bで閉鎖し,次いでケースカバー7をセンサケース5の外周面に嵌合して,その押え壁7aでロータ6のフランジ6b外側面を押える。そのとき,ケースカバー7の係止爪18をケースカバー7の係止凹部19にスナップ係合することにより,センサケース5及びケースカバー7間の内側スペースにロータ6を回動可能に収容してなるアクセル開度検出装置Dを一つの組立体に構成することができる。したがって,このアクセル開度検出装置Dを操向ハンドルHに一挙に取り付けることができる。
またこのアクセル開度検出装置Dは,操向ハンドルHに固着されるスイッチケース1内に収容されるので,このアクセル開度検出装置Dの他物との接触による損傷を防ぐことができる。しかもスイッチケース1は,操向ハンドルHの半径方向に沿って一対のケース半体1a,1bに分割され,この両ケース半体1a,1bはボルト結合すると共に前記操向ハンドルHに固着されるので,スイッチケース1へのアクセル開度検出装置Dの収容を容易に行うことができる。
その上,スイッチケース1及びセンサケース5には,互いに係合してセンサケース5の回転を阻止する位置決め突起10及び位置決め孔11がそれぞれ設けられるので,センサケース5の回り止めを簡単に行うことができる。
またロータ6のハブ6aとグリップパイプ2とのスプライン17を介しての嵌合部には遊びが設けられるので,アクセル開度検出装置D及びアクセルグリップG間の多少の製作誤差や,操向ハンドルHの撓み等があっても,その誤差や撓みは上記遊びに吸収されることになり,アクセルグリップG及びロータ6間の回転伝達を常にスムーズに行うことができる。
次に,図5に示す本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では,ゼンマイばね20は,鋼板製の弾性帯板と共に,その弾性帯板より低摩擦係数の合成樹脂(例えばポリアセタール)よりなる低摩擦帯板44を渦巻き状に巻いて構成される。その低摩擦帯板44には多数のディンプル45又は透孔が設けられ,それらのディンプル45又は透孔に潤滑剤46,望ましくはグリースが保持される。その他の構成は,前実施形態と同様であるので,図5中,前実施形態と対応する部分には同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。
この第2実施形態によれば,ゼンマイばね20において,弾性帯板の重畳部に低摩擦帯板44が介在することで,弾性帯板の相互間の摩擦係数が減少することになるから,ゼンマイばね20の巻き始め時,弾性帯板相互のスティックスリップ現象が抑制され,ゼンマイばね20の摩擦振動を防ぐことができる。また低摩擦帯板44は,潤滑剤46を保持する多数のディンプル45又は透孔を有するので,その潤滑剤46によりスティックスリップ現象が一層抑制される。特に,上記潤滑剤46としてグリースが保持される場合には,そのグリースの高粘性によるダンパ効果によりゼンマイばね20の摩擦振動を効果的に抑えることができる。かくして,ヒステリシス特性を安定させ,アクセルグリップGの操作フィーリングを一層良好にすることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,前記狭隘部12aの外周側の壁面をも凹凸面38に形成することもできる。また上記実施形態においては,アクセル開度センサ25の信頼性を高めるためにホール素子26を一対設けたが,これを一個とすることもできる。また本発明は,自動二輪車以外の車両にも,棒状の操向ハンドルを備えるものであれば,適用可能であり,勿論,電動車両にも適用可能である。
D・・・・・アクセル開度検出装置
G・・・・・アクセルグリップ
H・・・・・操向ハンドル
5・・・・・センサケース
6・・・・・ロータ
6a・・・・ハブ
6b・・・・フランジ
12・・・・ばね収容溝
12a・・・狭隘部
20・・・・ゼンマイばね
25・・・・アクセル開度センサ
35・・・・摩擦調整材
36・・・・溝
37・・・・潤滑剤
G・・・・・アクセルグリップ
H・・・・・操向ハンドル
5・・・・・センサケース
6・・・・・ロータ
6a・・・・ハブ
6b・・・・フランジ
12・・・・ばね収容溝
12a・・・狭隘部
20・・・・ゼンマイばね
25・・・・アクセル開度センサ
35・・・・摩擦調整材
36・・・・溝
37・・・・潤滑剤
Claims (2)
- 棒状の操向ハンドル(H)に固定されるセンサケース(5)と,前記操向ハンドル(H)に回動可能に付設されるアクセルグリップ(G)に連結されて前記センサケース(5)に隣接配置されるロータ(6)と,前記センサケース(5)内に収容保持されて前記ロータ(6)の初期位置から回動角度を検出するアクセル開度センサ(25)と,前記センサケース(5)及びロータ(6)間に接続されて該ロータ(6)を初期位置へ付勢する戻しばねとを備える,車両のアクセル開度検出装置において,
前記センサケース(5)に,前記操向ハンドル(H)を囲む環状のばね収容溝(12)を形成して,このばね収容溝(12)に,弾性帯板を複数巻きしてなるゼンマイばね(20)を収容し,このゼンマイばね(20)で前記戻しばねを構成すべく,その外周端を前記センサケース(5)に,またその内周端を前記ロータ(6)にそれぞれ係止して,該ゼンマイばね(20)の拡張方向のセット荷重により前記ロータ(6)を初期位置へ付勢するようにし,前記ばね収容溝(12)に,前記ゼンマイばね(20)の弾性帯板同士を常に摺接可能な積層状態に保持する狭隘部(12a)を設け,前記弾性帯板の一側面に,合成樹脂よりなる摩擦調整材(35)を付設して,この摩擦調整材(35)が前記狭隘部(12a)で前記弾性帯板の他側面に摺接するようにしたことを特徴とする,車両のアクセル開度検出装置。 - 請求項1記載の車両のアクセル開度検出装置において,
前記弾性帯板の一側面に,複数の摩擦調整材(35)を間隔を置いて付設し,これら摩擦調整材(35)により前記弾性帯板の一側面上に画成される複数の溝(36)に潤滑剤(37)を保持させたことを特徴とする,車両のアクセル開度検出装置。
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ID=48621585
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2011
- 2011-11-09 JP JP2011245232A patent/JP2013100775A/ja active Pending
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