JP2013096299A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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智洋 村上
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惣吉 日比野
Suguru Hirota
英 廣田
Shiro Hayashi
志郎 林
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Abstract

【課題】最小吐出容量での圧縮が行われたときの容量可変型斜板式圧縮機からの潤滑油の流出を防止することができるとともに、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときの容量可変型斜板式圧縮機の効率の低下を抑えることができる容量可変型斜板式圧縮機を提供すること。
【解決手段】逆止弁52は、弁座55cに対し接離する弁体63と、この弁体63を弁座55cに着座する方向へ付勢する第1バネ68と、弁体63の内側に配設された可動部材69と、この可動部材69を、弁体63に当接する方向へ付勢する第2バネ72とを有する。そして、第1バネ68と第2バネ72による付勢力が、最小吐出容量で圧縮が行われるときに弁体63に作用する開弁方向の付勢力より大きく設定されるとともに、第1バネ68及び第2バネ72それぞれの付勢力は、最小吐出容量で圧縮が行われるときに弁体63に作用する閉弁方向の付勢力より小さく設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、クラッチレス方式の動力伝達機構を介して外部駆動源から駆動軸の回転駆動力を得るとともに、駆動軸と一体回転する斜板を収容したクランク室の圧力を制御することで吐出容量を変更可能であり、吐出通路に逆止弁を有する容量可変型斜板式圧縮機に関する。
車両空調装置の冷媒回路に組み込まれるクラッチレス式の容量可変型斜板式圧縮機は、車両空調装置のエアコンスイッチのOFF時であっても、車両エンジン(外部駆動源)の駆動中は駆動されている。また、容量可変型斜板式圧縮機は、エアコンスイッチのOFF時であっても斜板が傾斜角0度ではない最小傾斜角を持っており、車両エンジンの駆動中は、最小吐出容量での圧縮が行われている。このため、クラッチレス式の容量可変型斜板式圧縮機においては、エアコンスイッチのOFF時に、冷媒ガスの吐出に伴った容量可変型斜板式圧縮機内から外部冷媒回路への潤滑油の流出を防止するため、吐出通路上に逆止弁が配置されている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、逆止弁80は、圧縮機の吐出通路85上の収納室85aに配設される筒状の弁座部材81と、この弁座部材81の先端に嵌着される有底筒状のケース82と、このケース82内に摺動可能に設けられた弁体83と、ケース82内で弁体83を弁座部材81に向けて付勢するバネ84と、からなる。
弁座部材81には、吐出通路85と連通する流路81aが貫設されるとともに、弁座部材81の先端における流路81a周りには座部81bが設けられている。また、ケース82の周壁には、連通口82aが形成されるとともに、ケース82の底壁には、ボス部82bが突設されている。弁体83は、弁座部材81に対向する一端面に、座部81bに接離するシール面83aを有する。バネ84は、弁体83におけるシール面83aと反対側の面と、ケース82のボス部82bとの間に保持されている。バネ84のバネ荷重は、最小吐出容量での圧縮が行われたときであっても、バネ84により弁体83を座部81bに着座させることができる値に設定されている。
そして、車両エンジンが駆動されるのに伴い容量可変型斜板式圧縮機が駆動され、かつエアコンスイッチがONされると、斜板の傾斜角が最小傾斜角より大きい範囲で制御され、吐出容量が制御される。逆止弁80では、吐出通路85の高圧の冷媒ガスによって弁体83が押圧され、バネ84のバネ荷重(付勢力)に打ち勝って弁体83を移動させる。すると、シール面83aが座部81bから離間し、冷媒ガスが吐出通路85を経て外部冷媒回路に吐出される。
また、車両エンジンが駆動される間であっても、エアコンスイッチがOFFされると、斜板の傾斜角が最小傾斜角となり、吐出容量が最小吐出容量となる。すると、逆止弁80では、バネ84の付勢力により弁体83のシール面83aが座部81bに着座して、冷媒ガスの外部冷媒回路への吐出が抑制される。その結果、容量可変型斜板式圧縮機において、最小吐出容量の圧縮が行われるときであっても、容量可変型斜板式圧縮機内から外部冷媒回路への潤滑油の流出が防止される。
特開2000−346241号公報
ところが、特許文献1の逆止弁80は、エアコンスイッチのOFF時に、最小吐出容量での圧縮が行われたとき、車両エンジンの全回転数領域で開弁しないように、バネ84に所定のバネ荷重を必要とする。このため、エアコンスイッチがONされ、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われたときは、逆止弁80のバネ荷重が抵抗になって、逆止弁80により吐出通路85が絞られるとともに流路抵抗損失が大きくなり、容量可変型斜板式圧縮機の効率が低下してしまう。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、最小吐出容量での圧縮が行われたときの容量可変型斜板式圧縮機からの潤滑油の流出を防止することができるとともに、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときの容量可変型斜板式圧縮機の効率の低下を抑えることができる容量可変型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、吐出圧領域と吸入圧領域とが外部冷媒回路に接続され、クラッチレス方式の動力伝達機構を介して外部駆動源から駆動軸の回転駆動力を得るとともに、前記駆動軸と一体回転する斜板を収容したクランク室の圧力を制御することで吐出容量を変更可能であり、吐出通路に逆止弁を有する容量可変型斜板式圧縮機に関する。
前記逆止弁は前記弁座を取り囲むように前記吐出通路に配設される弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に移動可能に収容され、前記弁座に対し接離するシール部、及び該シール部と反対側に第1受圧部を有する弁体と、前記逆止弁の下流側の前記吐出通路と連通して、吐出圧力を前記第1受圧部に作用させる吐出圧力導入室と、前記弁ハウジングの周壁に形成され、前記吐出通路と前記吐出圧力導入室とを常時連通させる吐出用導入路と、前記弁体を、前記シール部が前記弁座に着座する方向へ付勢する第1バネと、前記第1受圧部に対向配置され、前記第1受圧部に対し接離する作用部、及び該作用部と反対側に第2受圧部を有する可動部材と、前記第1受圧部と前記作用部との当接状態で、前記作用部に前記吐出圧力を作用させるために前記第1受圧部及び前記作用部の少なくとも一方に形成された吐出圧力導入通路と、前記可動部材を、前記作用部が前記第1受圧部に当接する方向へ付勢する第2バネと、前記弁ハウジングの底壁から立設され、前記可動部材を摺動可能に収容するとともに、前記吐出圧力より低圧の圧力領域の圧力が導入される背圧室を区画し、かつ前記背圧室を前記吐出圧力導入室から隔離する隔壁と、前記弁ハウジングの底壁に形成され、前記背圧室を前記吐出圧領域より低い圧力領域と常時連通させる背圧用導入路と、を有する。
さらに、前記第1バネと第2バネによる閉弁方向の付勢力が、最小吐出容量で圧縮が行われるときに前記弁体に作用する開弁方向の付勢力より大きく設定されるとともに、前記第1バネ及び第2バネそれぞれの閉弁方向の付勢力は、最小吐出容量で圧縮が行われるときに前記弁体に作用する開弁方向の付勢力より小さく設定されている。
これによれば、第1バネと第2バネによる閉弁方向の付勢力が、最小吐出容量で圧縮が行われるときに弁体に作用する開弁方向の付勢力より大きいため、逆止弁の閉弁状態を確実に維持することができる。このため、最小吐出容量で圧縮が行われても、逆止弁によって弁孔が閉じられ、吐出通路を経た容量可変型斜板式圧縮機内から外部冷媒回路への潤滑油の流出を防止することができる。
逆止弁が閉弁状態にあるとき、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われ、吐出圧領域の吐出圧力が上昇するとともに吸入圧領域の吸入圧力が低下すると、弁体に吐出圧力が作用するとともに、圧力差により逆止弁が開弁する。すると、吐出用導入路を介して吐出圧力導入室に吐出圧力が導入され、この吐出圧力は、弁体の第1受圧部に作用する。また、吐出圧力は、吐出圧力導入通路によって可動部材の作用部にも作用する。さらに、吐出圧力より低い圧力領域の圧力が、背圧用導入路を介して背圧室に導入されると、この圧力が可動部材の第2受圧部に作用する。このとき、吐出圧力の方が、背圧室の圧力より高いため、可動部材は吐出圧力を受けて弁体から離間する。すると、逆止弁においては、弁体のみが第1バネの付勢力のみで弁座に着座する。よって、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときは、第1バネの付勢力のみが閉弁方向の付勢力となるため、第1バネと第2バネによる付勢力が閉弁方向の付勢力となっていたときと比べると、閉弁方向の付勢力を小さくすることができる。よって、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるとき、逆止弁の閉弁方向の付勢力による流路抵抗を低減させて容量可変型斜板式圧縮機の効率の低下を抑えることができる。
また、前記吐出圧力より低圧の圧力領域は、前記吸入圧領域である。
これによれば、吸入圧領域の吸入圧力は、クランク室の圧力のように、吐出圧力より大きくなることはないため、可動部材を吐出圧力によって弁体から離間する方向へ安定して移動させることができる。
また、前記第1バネのバネ荷重は、前記第2バネのバネ荷重より小さくてもよい。
これによれば、最小吐出容量で圧縮が行われるときの逆止弁の閉弁方向の付勢力は、第1バネと第2バネの付勢力となる。よって、第1バネと第2バネそれぞれのバネ荷重は、最小吐出容量で圧縮が行われるときの逆止弁の閉弁方向の付勢力より小さくなる。そして、第1バネと第2バネのうち第1バネのバネ荷重を第2バネより小さくすることにより、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときの、逆止弁の閉弁方向の付勢力をより小さくすることができる。
また、前記弁体は、有蓋筒状に形成されるとともに蓋側に前記シール部及び前記第1受圧部が設けられ、前記弁体の内側と、前記隔壁の外側との間に前記吐出圧力導入室を形成する吐出圧力導入空間が環状に区画されていてもよい。
これによれば、弁体の第1受圧部に、吐出圧力を環状に作用させることができる。
本発明によれば、最小吐出容量での圧縮が行われたときの容量可変型斜板式圧縮機からの潤滑油の流出を防止することができるとともに、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときの容量可変型斜板式圧縮機の効率の低下を抑えることができる。
実施形態の容量可変型斜板式圧縮機を示す断面図。 (a)は逆止弁を示す断面図、(b)は弁体及び可動部材を示す平面図、(c)は弁体を示す斜視図。 最大吐出容量を越えた吐出容量での圧縮直後の逆止弁を示す断面図。 最大吐出容量を越えた吐出容量での圧縮時の逆止弁を示す断面図。 エアコンスイッチのOFF直後の逆止弁を示す断面図。 吐出圧力導入室の別例を示す部分断面図。 背景技術の逆止弁を示す断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、容量可変型斜板式圧縮機10(以下、単に圧縮機10と記載する)のハウジングにおいて、シリンダブロック12の一端には、フロントハウジング11が接合されるとともに、シリンダブロック12の他端には、リヤハウジング13が、弁・ポート形成体14を介して接合されている。フロントハウジング11とシリンダブロック12とに囲まれた空間にはクランク室15が区画形成されている。フロントハウジング11とシリンダブロック12には、駆動軸16がラジアルベアリング30を介して回転可能に支持されるとともに、駆動軸16はクランク室15を貫通するように支持されている。
フロントハウジング11の外壁面には、プーリ17がベアリング18を介して回転可能に支持されるとともに、このプーリ17は駆動軸16の先端に連結されている。プーリ17はベルト19を介して、外部駆動源としての車両エンジン20に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介することなく直結されている。よって、車両エンジン20の駆動時には、動力伝達機構としてのベルト19及びプーリ17を介して駆動力が伝達されることで、駆動軸16が回転される。すなわち、駆動軸16は、クラッチレス方式の動力伝達機構を介して車両エンジン20から回転駆動力を得る。
クランク室15において、駆動軸16には回転支持体22が一体回転可能に止着されるとともに、回転支持体22はスラストベアリング44を介してフロントハウジング11に支持されている。また、駆動軸16には、斜板23が、駆動軸16に対してその中心軸L方向へスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。回転支持体22と斜板23との間には、ヒンジ機構24が介在されている。そして、斜板23は、回転支持体22との間でのヒンジ機構24の介在により、駆動軸16の中心軸Lに対して傾動可能でかつ駆動軸16と一体的に回転可能となっている。
回転支持体22と斜板23との間には、バネ26が駆動軸16周りを囲むように装着されるとともに、このバネ26は、斜板23をシリンダブロック12側に傾動するように付勢する。また、駆動軸16において、斜板23よりシリンダブロック12側には規制リング28が止着されるとともに、この規制リング28と斜板23の間にはバネ28aが駆動軸16周りに囲むように装着されている。このバネ28aは、斜板23を回転支持体22側に傾動するように付勢する。
そして、斜板23が回転支持体22側へ傾動し、斜板23の半径方向中央が回転支持体22に当接した状態では、斜板23のそれ以上の傾動が規制され、この規制された状態では斜板23は最大傾斜角となる。一方、斜板23がシリンダブロック12側へ傾動し、最小傾斜角となったときは、斜板23は0°よりも僅かに大きな傾斜角となる。
シリンダブロック12には複数のシリンダボア12aが駆動軸16の周囲に配列されるとともに、各シリンダボア12aには片頭型のピストン36が往復動可能に収容されている。ピストン36は、シュー37を介して斜板23の外周部に係留されるとともに、ピストン36は、斜板23の回転運動によりシリンダボア12a内で往復運動される。
リヤハウジング13と弁・ポート形成体14の間には、吐出圧領域である吐出室39が環状に区画形成されるとともに、この吐出室39の内側に、吐出室39(吐出圧力)より低圧の領域である吸入圧領域としての吸入室38が区画形成されている。また、弁・ポート形成体14には、吸入室38に連通する吸入ポート40、及び吸入ポート40を開閉する吸入弁41が形成されるとともに、吐出室39に連通する吐出ポート42、及び吐出ポート42を開閉する吐出弁43が形成されている。
そして、吸入室38の冷媒ガスは、ピストン36の上死点から下死点への移動により、吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボア12aに吸入される。シリンダボア12aに吸入された冷媒ガスは、ピストン36の下死点から上死点への移動により所定の圧力にまで圧縮されるとともに、吐出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出される。
リヤハウジング13には、吐出室39に連通する吐出通路50が形成されるとともに、この吐出通路50には、吐出通路50を開閉する逆止弁52が配設されている。また、リヤハウジング13には、吸入室38に連通する吸入通路32が形成されている。吐出通路50と、吸入通路32とは外部冷媒回路75により接続されている。外部冷媒回路75は、吐出通路50を介して吐出室39に接続された凝縮器76、この凝縮器76に接続された膨張弁77、及び膨張弁77に接続された蒸発器78を備えるとともに、蒸発器78には吸入通路32が接続されている。そして、圧縮機10は、冷凍サイクルに組み込まれている。
シリンダブロック12及びリヤハウジング13には、吸入室38とクランク室15を接続する抽気通路34が形成されている。また、シリンダブロック12及びリヤハウジング13には、吐出室39とクランク室15を接続する給気通路48が形成されるとともに、この給気通路48には容量制御弁49が配設されている。容量制御弁49は電磁弁よりなり、ソレノイド(図示せず)の励磁・消磁によって給気通路48を開閉する。
そして、容量制御弁49が給気通路48を開閉することで、吐出室39からクランク室15への高圧冷媒ガスの供給量が変更され、抽気通路34を介したクランク室15から吸入室38への冷媒ガスの排出量との関係から、クランク室15の圧力が変更される。その結果、クランク室15とシリンダボア12aとのピストン36を介した圧力差が変更され、斜板23の傾斜角が変更されて吐出容量が調節される。
具体的には、容量制御弁49のソレノイドの励磁・消磁は制御コンピュータ66によって制御されるとともに、この制御コンピュータ66にはエアコンスイッチ67が信号接続されている。制御コンピュータ66は、エアコンスイッチ67がOFFされると、容量制御弁49のソレノイドを消磁する。すると、容量制御弁49によって給気通路48が開かれ、吐出室39とクランク室15とが連通される。したがって、吐出室39の高圧な冷媒ガスが給気通路48を介してクランク室15へ供給される。さらに、クランク室15の圧力が抽気通路34を介して吸入室38に抜ける。その結果、クランク室15の圧力とシリンダボア12aの圧力とのピストン36を介した差が変更され、斜板23の傾斜角が最小となって吐出容量が最小となる。
斜板23の傾斜角が最小となり、最小吐出容量となると、吐出通路50において、後述の逆止弁52が吐出通路50を閉塞する。その結果、吐出室39から外部冷媒回路75への冷媒ガスの流出が阻止されるとともに、外部冷媒回路75の冷媒循環が停止される。
斜板23の最小傾斜角は0°ではないため、斜板23の傾斜角が最小の状態においてもシリンダボア12aから吐出室39への吐出は行われている。また、吸入室38の冷媒ガスは、シリンダボア12aへ吸入されて吐出室39へ吐出される。すなわち、斜板23の傾斜角が最小の状態では、吐出室39、給気通路48、クランク室15、抽気通路34、吸入室38及びシリンダボア12aを経由する循環通路が圧縮機10の内部に形成されている。冷媒ガスと共に流動する潤滑油は、循環経路を経由して圧縮機10内を潤滑する。また、吐出室39、クランク室15及び吸入室38は、均圧化され、斜板23が最小傾斜角で安定的に保持される。
一方、エアコンスイッチ67がONされ、ソレノイドが励磁されると容量制御弁49によって給気通路48の開度が小さくなり、クランク室15の圧力が抽気通路34を介した吸入室38への放圧に基づいて低下していく。この減圧により、斜板23が最小傾斜角から離脱されて傾斜角が大きくなり、圧縮機10では、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われる(通常運転)。
次に、逆止弁52について詳細に説明する。
図2(a)に示すように、吐出通路50において、吐出室39に連通する位置には、第1収容室53aが吐出通路50の一部を拡径して形成されるとともに、この第1収容室53aには円筒状をなす弁座形成体55が圧入されている。さらに、吐出通路50において、冷媒ガスの流通方向における第1収容室53aより下流側には、第1収容室53aより小径をなす第2収容室53bが形成されるとともに、この第2収容室53bには有底円筒状をなす弁ハウジング54が圧入されている。そして、第1収容室53aの内周面に嵌着されたサークリップ56により、弁座形成体55及び弁ハウジング54の第1収容室53a及び第2収容室53bからの抜け出しが規制されている。
弁座形成体55の弁ハウジング54側の外周面には、係止溝55aが凹設されるとともに、弁座形成体55内には、吐出室39に連通する弁孔55bが貫設されている。また、弁座形成体55における弁ハウジング54側の円環状の端面は、弁孔55b周りに位置する弁座55cとなっている。
弁ハウジング54は、底壁57と、この底壁57の周縁に立設された円筒状の周壁58とからなる。そして、周壁58の開口側(弁座形成体55側)の内周面には、係止突部58aが全周に亘って形成されるとともに、この係止突部58aが弁座形成体55の係止溝55aに係止されることで、弁ハウジング54と弁座形成体55が一体に組み付けられている。また、周壁58の開口側(弁座形成体55側)には、一対の連通孔58bが周壁58の径方向の対向する位置に形成されている。
また、弁ハウジング54の周壁58において、底壁57側には吐出用導入路58cが形成されるとともに、この吐出用導入路58cは、リヤハウジング13に形成された吐出用連通路59を介して逆止弁52の下流側の吐出通路50と連通している。さらに、弁ハウジング54の底壁57には、圧入部57aが外方に向けて突設されるとともに、この圧入部57aの外周面にはシール部材60が嵌着されている。また、底壁57には、弁座形成体55に向けて円筒状に延びる隔壁62が突設されている。
さらに、底壁57及び圧入部57aには、背圧用導入路としての吸入用導入路57bが貫設されるとともに、この吸入用導入路57bは、リヤハウジング13に形成された吸入用連通路61を介して吸入室38と連通している。したがって、隔壁62内には、吸入用連通路61及び吸入用導入路57bを介して吸入圧力が導入されている。
弁ハウジング54内には、有蓋円筒状をなす弁体63が収容されている。図2(a)〜(c)に示すように、弁体63は、円板状の蓋部64と、この蓋部64の周縁から、弁ハウジング54の底壁57に向けて延設された円筒状の壁部65とからなる。そして、弁体63は、壁部65の外周面が、弁ハウジング54の周壁58の内周面に摺接可能な状態で弁ハウジング54に収容されている。よって、弁体63は、弁ハウジング54の周壁58によって弁座55cに対し接離する方向へ移動可能にガイドされるようになっている。
蓋部64において、弁孔55b及び弁座55cに対向する面は、シール部64aを構成し、このシール部64aの反対側の面は、第1受圧部64bを構成する。また、蓋部64の第1受圧部64bには、吐出圧力導入通路としての矩形溝状のガイド溝64cが凹設されている。そして、ガイド溝64c内に吐出圧力が導入されると、ガイド溝64cの内底面も第1受圧部64bとして機能する。
弁ハウジング54の底壁57において、隔壁62の周囲には、第1バネ68の一端が支持されるとともに、この第1バネ68の他端には弁体63の蓋部64(第1受圧部64b)が当接支持されている。そして、弁体63は、第1バネ68のバネ荷重による付勢力により、シール部64aが弁座55cに着座する方向(閉弁方向)へ付勢されている。第1バネ68のバネ荷重による付勢力は、最小吐出容量での圧縮が行われているときに弁体63に作用する開弁方向の付勢力より小さくなっている。
また、弁体63の壁部65の先端(底壁57側)には、切欠溝65aが形成されるとともに、この切欠溝65aによって弁体63の内と外が連通している。そして、弁体63における壁部65の内側と、弁ハウジング54の隔壁62の外側との間には、環状の吐出圧力導入空間74が形成される。この吐出圧力導入空間74は、切欠溝65a、吐出用導入路58c、及び吐出用連通路59を介して逆止弁52の下流側の吐出通路50に連通している。このため、弁体63の第1受圧部64bには逆止弁52の下流側の吐出圧力が作用し、吐出圧力導入空間74によって、吐出圧力を第1受圧部64bに作用させる吐出圧力導入室が構成されている。
弁ハウジング54内には、有蓋円筒状をなす可動部材69が収容されている。可動部材69は、円板状の蓋部70と、この蓋部70の周縁から延設された円筒状のガイド壁71とからなる。そして、可動部材69は、蓋部70を、弁体63の蓋部64に対向させつつ、ガイド壁71の外周面が隔壁62の内周面に摺接可能な状態で収容されている。蓋部70において、第1受圧部64bに対向する面は、作用部70aを構成し、この作用部70aの反対側の面は、第2受圧部70bを構成する。
弁ハウジング54の底壁57において、隔壁62の内側には、第2バネ72の一端が支持されるとともに、この第2バネ72の他端には可動部材69の蓋部70(第2受圧部70b)が当接支持されている。そして、可動部材69は、第2バネ72のバネ荷重により、作用部70aが弁体63の第1受圧部64bに当接する方向(弁体63の閉弁方向)へ付勢されている。なお、第1バネ68のバネ荷重は、第2バネ72のバネ荷重より小さくなっている。また、第2バネ72のバネ荷重による付勢力は、最小吐出容量での圧縮が行われているときに弁体63に作用する開弁方向の付勢力より小さくなっている。そして、第1バネ68と第2バネ72を合わせたバネ荷重による閉弁方向の付勢力は、最小吐出容量での圧縮が行われているときに弁体63に作用する開弁方向の付勢力より大きくなっている。
なお、可動部材69の作用部70aが、弁体63の第1受圧部64bに当接した状態では、ガイド溝64cは可動部材69の蓋部70によって閉鎖されず、弁体63の内側に開口して、ガイド溝64cは吐出圧力導入空間74に連通している。また、弁ハウジング54の底壁57と、隔壁62と、可動部材69とによって囲まれる空間に、背圧室73が区画されている。この背圧室73には、吸入用導入路57b及び、吸入用連通路61を介して吸入室38の吸入圧力が導入されている。この吸入圧力は、可動部材69の第2受圧部70bに作用する。
本実施形態では、弁ハウジング54と、弁座形成体55と、弁体63と、第1バネ68と、可動部材69と、第2バネ72と、から逆止弁52が構成されている。
この逆止弁52は、車両エンジン20が停止して圧縮機10が停止し、エアコンスイッチ67のOFF状態では、弁体63は第1バネ68の付勢力によって弁座55cに向けて(閉弁方向へ)付勢されている。また、第2バネ72の付勢力によって弁体63に向けて付勢された可動部材69の作用部70aは、弁体63の第1受圧部64bに当接し、第2バネ72の付勢力は弁体63に作用している。そして、この第2バネ72の付勢力により、弁体63は弁座55cに向けて付勢されている。よって、圧縮機10の停止時は、弁体63は、第1バネ68と第2バネ72のバネ荷重を合わせた閉弁方向への付勢力によって弁座55cに着座させられ、弁孔55bを閉鎖している(閉弁状態)。
次に、上記構成の逆止弁52の作用を動作と共に説明する。
車両エンジン20が駆動されるとともに圧縮機10が駆動された状態で、エアコンスイッチ67がOFF状態にあるときは、圧縮機10は最小吐出容量で圧縮を行う。このとき、吐出室39からは僅かに冷媒ガスが吐出されるが、この吐出圧力は僅かであり、吸入室38と略同じ圧力であるため、逆止弁52は、第1バネ68と第2バネ72を合わせた閉弁方向の付勢力によって弁座55cに着座し、弁孔55bを閉鎖している。そして、最小吐出容量で圧縮が行われるときは、冷媒ガス及び潤滑油は、圧縮機10内の循環経路を循環し、圧縮機10内を潤滑するとともに、潤滑油が外部冷媒回路75に流出することが阻止される。
エアコンスイッチ67がONされると、容量制御弁49のソレノイドが励磁されるとともに、エアコンの要求温度に合わせて給気通路48の開度が調節される。すると、クランク室15の圧力が低下し、斜板23が最小傾斜角から離脱されて、圧縮機10では、最小吐出容量を越えた吐出容量での圧縮が行われる。そして、吸入室38の冷媒ガスは、ピストン36の下死点から上死点への移動によりシリンダボア12aに吸入され、シリンダボア12aの冷媒ガスは所定の圧力にまで圧縮された後、吐出室39に吐出される。
吐出室39から吐出通路50へ冷媒ガスが吐出されると、吐出室39の吐出圧力が最小吐出容量時より上昇し、弁体63に作用する開弁方向の付勢力が第1バネ68と第2バネ72を合わせた付勢力を上回ると、弁体63及び可動部材69が弁座55cから離間する方向へ移動する。そして、図3に示すように、弁体63は、壁部65の先端が、底壁57に当接するまで移動するとともに、可動部材69は、ガイド壁71の先端が、底壁57に当接するまで隔壁62内に没入し、弁体63及び可動部材69が弁座55cから最も離間した位置に移動する。その結果、逆止弁52が開弁され、弁孔55bが開放されるとともに、弁孔55bが連通孔58bを介して逆止弁52の下流側の吐出通路50に連通し、吐出室39の冷媒ガスが逆止弁52を経て外部冷媒回路75へ吐出される。
その後、吐出通路50に冷媒ガスが吐出されるに連れて、逆止弁52の下流側の吐出通路50は吐出圧領域となるとともに、吐出通路50の吐出圧力は上昇する。一方、吸入室38の吸入圧力は低下し、吐出圧力と吸入圧力の圧力差が大きくなる。また、逆止弁52の下流側の吐出通路50の吐出圧力は、吐出用連通路59、吐出用導入路58c、及び切欠溝65aを介して弁ハウジング54内の吐出圧力導入空間74に導入される。このため、逆止弁52の開弁後、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときには、弁体63のシール部64a及び第1受圧部64bそれぞれには吐出圧力が作用するが、弁体63に作用する吐出圧力は相殺されるとともに、可動部材69の作用部70aにも吐出圧力が作用する。
また、逆止弁52の背圧室73には、吸入用導入路57b及び吸入用連通路61を介して吸入室38の吸入圧力が導入されるとともに、この吸入圧力が可動部材69の第2受圧部70bに作用する。このため、可動部材69においては、作用部70aに吐出圧力が作用するとともに、第2受圧部70bには吸入圧力が作用する。吐出圧力は吸入圧力より大きいため、可動部材69は、吐出圧力を受けて隔壁62内に没入した状態を維持している。
よって、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときは、弁体63は、吐出圧力及び可動部材69(第2バネ72)の影響を受けず、第1バネ68の付勢力のみが弁体63を弁座55cに付勢する力(閉弁方向の付勢力)となる。その結果、逆止弁52の閉弁方向の付勢力は、第1バネ68の付勢力(バネ荷重)だけとなり、逆止弁52の閉弁方向の付勢力による流路抵抗が小さくなる。
そして、図4に示すように、最小吐出容量を越えた圧縮が行われるときは、冷媒ガスの流量に依存して弁体63の押圧量、すなわち、逆止弁52の開弁量が調節され、圧縮機10の吐出容量に合わせて逆止弁52の開弁量が調節される。具体的には、逆止弁52の開弁量は、吐出容量が大きく、吐出通路50での流量が大きいほど大きく、吐出容量が小さく、吐出通路50での流量が小さいほど小さくなる。
エアコンスイッチ67がOFFされると、容量制御弁49のソレノイドが消磁され、容量制御弁49によって給気通路48が全開状態となる。すると、斜板23が最小傾斜角に向けて傾動し、吐出容量が小さくなり、最終的には、斜板23が最小傾斜角となるとともに、最小吐出容量になり、吐出圧力は低下する。
エアコンスイッチ67がOFFされた直後は、逆止弁52より下流側の吐出通路50は高圧の吐出圧力にあるため、吐出圧力導入空間74には高圧の吐出圧力が導入される。このため、エアコンスイッチ67のOFF直後からある程度迄の間(吐出圧力が低下する迄の間)は、弁体63の第1受圧部64b及び可動部材69の作用部70aそれぞれには高圧の吐出圧力が作用する。また、吐出室39から吐出される冷媒ガスの量は減少し、シール部64aには低圧の吐出圧力が作用する。
このため、図5に示すように、弁体63は、第1受圧部64bに作用する吐出圧力を受けて弁座55cに着座する方向へ付勢され、弁座55cに着座する。また、逆止弁52の背圧室73にも、吸入室38の吸入圧力が導入されるが、吐出圧力の方が吸入圧力より大きいため、可動部材69は、吐出圧力を受けて弁体63から離間したまま、隔壁62内に没入している。よって、エアコンスイッチ67のOFF直後は、逆止弁52は、高圧の吐出圧力を受けて閉弁状態となる。
そして、逆止弁52より下流の吐出通路50の吐出圧力が低下するとともに、吸入室38の吸入圧力が上昇し、吐出圧力と吸入圧力が同じ圧力になると、可動部材69が第2バネ72の付勢力によって弁座55cに向けて移動するとともに、作用部70aが弁体63の第1受圧部64bに当接する。その結果、逆止弁52は、第1バネ68と第2バネ72を合わせた閉弁方向の付勢力によって弁座55cに着座し、弁孔55bを閉鎖する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)クラッチレス方式の動力伝達機構を介して車両エンジン20に作動連結された圧縮機10において、吐出通路50に逆止弁52を設けた。この逆止弁52は、弁座55cに対し接離する弁体63と、この弁体63を弁座55cに着座する方向へ付勢する第1バネ68と、弁体63の内側に配設された可動部材69と、この可動部材69を、弁体63に当接する方向へ付勢する第2バネ72とを有する。そして、第1バネ68と第2バネ72による閉弁方向の付勢力が、最小吐出容量で圧縮が行われるときに弁体63に作用する開弁方向の付勢力より大きく設定されている。このため、最小吐出容量で圧縮が行われても、逆止弁52の閉弁状態を確実に維持して、圧縮機10内から外部冷媒回路75への潤滑油の流出を防止することができる。
(2)逆止弁52の弁体63は、弁座55cに接離するシール部64a、及びこのシール部64aの反対側に第1受圧部64bを有する。そして、シール部64aには、逆止弁52の下流側の吐出通路50の吐出圧力が作用し、第1受圧部64bには、弁ハウジング54の吐出用導入路58c、弁体63の切欠溝65a及び吐出圧力導入空間74を介して吐出圧力が作用する。このため、逆止弁52の開弁後は、弁体63に作用する吐出圧力は相殺される。また、可動部材69の作用部70aにも、吐出用導入路58c、切欠溝65a及び吐出圧力導入空間74を介して吐出圧力が作用するとともに、可動部材69の第2受圧部70bには、吸入用導入路57b及び吸入用連通路61を介して吸入室38の吸入圧力が作用する。吸入圧力より吐出圧力が大きいため、可動部材69は吐出圧力を受けて弁体63から離間する方向へ付勢される。よって、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときは、逆止弁52の閉弁方向の付勢力は、第1バネ68の付勢力のみとなり、開弁前の付勢力(第1バネ68と第2バネ72を合わせた付勢力)に比べて小さくなる。したがって、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときは、逆止弁52の閉弁方向の付勢力による流路抵抗を低減することができ、圧縮機10の効率低下を抑えることができる。
(3)弁体63の第1受圧部64bには、ガイド溝64cが形成されている。そして、逆止弁52の開弁直後に、弁体63の第1受圧部64bに、可動部材69の作用部70aが当接していても、ガイド溝64cにより、可動部材69の作用部70aに吐出圧力を作用させることができる。したがって、逆止弁52の開弁後に、可動部材69を吐出圧力によって弁体63から離間させることができる。
(4)逆止弁52において、可動部材69の背圧室73には、吐出圧力より低圧の圧力領域である吸入室38の吸入圧力が導入される。吸入圧力は、クランク室15の圧力のように、吐出圧力より大きくなることはないため、可動部材69を吐出圧力によって弁体63から離間する方向へ安定して移動させることができる。
(5)第1バネ68のバネ荷重は、第2バネ72のバネ荷重より小さくなっている。このため、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われるときに、弁体63に作用する第1バネ68の付勢力をより小さくすることができ、逆止弁52の閉弁方向の付勢力による流路抵抗をより一層低減することができる。
(6)弁体63は、有蓋筒状に形成され、その壁部65の内側には、隔壁62が筒状に立設されている。そして、壁部65の内側と、隔壁62の間に吐出圧力導入空間74が環状に区画されている。このため、環状の吐出圧力導入空間74によって吐出圧力を第1受圧部64bに環状に作用させることができ、第1受圧部64bの周方向のほぼ全体に作用させることができる。
(7)圧縮機10が、最小吐出容量での圧縮が行われる状態に切り換えられた直後(エアコンスイッチ67をONからOFFした直後)は、逆止弁52より下流側の吐出通路50は、未だ高圧であるため、吐出圧力導入空間74には、高圧の吐出圧力が導入される。このため、第1バネ68のバネ荷重が小さく設定されても、高圧の吐出圧力により弁体63を弁座55cに着座する方向へ付勢して、逆止弁52を閉弁状態とすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、弁体63における壁部65の内側と、隔壁62の外側との間に吐出圧力導入空間74を環状に区画し、この吐出圧力導入空間74に連通する切欠溝65aを弁体63に形成したが、これに限らない。例えば、図6に示すように、隔壁62内に環状の収容溝62aを凹設するとともに、収容溝62a内に第1バネ68を収納し、弁体63が弁座55cから離間する方向へ移動したとき、弁体63の壁部65の内周面が、隔壁62の外周面に摺接するように形成する。そして、隔壁62(又は弁体63の壁部65)に切欠溝65aに連通する吐出用導入溝62bを形成し、この吐出用導入溝62bと切欠溝65aとで吐出圧力導入室を構成してもよい。
○ 実施形態では、吐出圧力導入通路として弁体63の第1受圧部64bに形成したガイド溝64cに具体化したが、これに限らない。第1受圧部64bと作用部70aとの当接状態で、作用部70aに吐出圧力を作用させることができるのであれば、吐出圧力導入通路は可動部材69の作用部70aに形成してもよいし、第1受圧部64b及び作用部70aの両方に形成してもよい。
○ 実施形態では、第1バネ68のバネ荷重を、第2バネ72のバネ荷重より小さくしたが、第1バネ68と第2バネ72のバネ荷重は同じでもよいし、第1バネ68のバネ荷重が、第2バネ72のバネ荷重より大きくてもよい。
○ 実施形態では、吐出圧領域より低圧の圧力領域として吸入圧領域(吸入室38)としたが、クランク室15に変更してもよい。
○ 実施形態では、外部駆動源として車両エンジン20に具体化したが、車両エンジン20以外のモータ等に変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記弁体の壁部には、前記吐出圧力導入室に連通する切欠溝が形成されている請求項4に記載の容量可変型斜板式圧縮機。
10…容量可変型斜板式圧縮機、15…クランク室、16…駆動軸、17…動力伝達機構を構成するプーリ、19…動力伝達機構を構成するベルト、20…外部駆動源としての車両エンジン、23…斜板、38…吸入圧領域としての吸入室、39…吐出圧領域としての吐出室、50…吐出通路、52…逆止弁、54…弁ハウジング、55c…弁座、57…底壁、57b…背圧用導入路としての吸入用導入路、58…周壁、58c…吐出用導入路、62…隔壁、63…弁体、64a…シール部、64b…第1受圧部、64c…吐出圧力導入通路としてのガイド溝、68…第1バネ、69…可動部材、70a…作用部、70b…第2受圧部、72…第2バネ、73…背圧室、74…吐出圧力導入室を構成する吐出圧力導入空間、75…外部冷媒回路。

Claims (4)

  1. 吐出圧領域と吸入圧領域とが外部冷媒回路に接続され、クラッチレス方式の動力伝達機構を介して外部駆動源から駆動軸の回転駆動力を得るとともに、前記駆動軸と一体回転する斜板を収容したクランク室の圧力を制御することで吐出容量を変更可能であり、吐出通路に逆止弁を有する容量可変型斜板式圧縮機において、
    前記逆止弁は弁座を取り囲むように前記吐出通路に配設される弁ハウジングと、
    前記弁ハウジング内に移動可能に収容され、前記弁座に対し接離するシール部、及び該シール部と反対側に第1受圧部を有する弁体と、
    前記逆止弁の下流側の前記吐出通路と連通して、吐出圧力を前記第1受圧部に作用させる吐出圧力導入室と、
    前記弁ハウジングの周壁に形成され、前記吐出通路と前記吐出圧力導入室とを常時連通させる吐出用導入路と、
    前記弁体を、前記シール部が前記弁座に着座する方向へ付勢する第1バネと、
    前記第1受圧部に対向配置され、前記第1受圧部に対し接離する作用部、及び該作用部と反対側に第2受圧部を有する可動部材と、
    前記第1受圧部と前記作用部との当接状態で、前記作用部に前記吐出圧力を作用させるために前記第1受圧部及び前記作用部の少なくとも一方に形成された吐出圧力導入通路と、
    前記可動部材を、前記作用部が前記第1受圧部に当接する方向へ付勢する第2バネと、
    前記弁ハウジングの底壁から立設され、前記可動部材を摺動可能に収容するとともに、前記吐出圧力より低圧の圧力領域の圧力が導入される背圧室を区画し、かつ前記背圧室を前記吐出圧力導入室から隔離する隔壁と、
    前記弁ハウジングの底壁に形成され、前記背圧室を前記吐出圧領域より低い圧力領域と常時連通させる背圧用導入路と、を有し、
    前記第1バネと第2バネによる閉弁方向の付勢力が、最小吐出容量で圧縮が行われるときに前記弁体に作用する開弁方向の付勢力より大きく設定されるとともに、前記第1バネ及び第2バネそれぞれの閉弁方向の付勢力は、最小吐出容量で圧縮が行われるときに前記弁体に作用する閉弁方向の付勢力より小さく設定されている容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記吐出圧力より低圧の圧力領域は、前記吸入圧領域である請求項1に記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記第1バネのバネ荷重は、前記第2バネのバネ荷重より小さい請求項1又は請求項2に記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記弁体は、有蓋筒状に形成されるとともに蓋側に前記シール部及び前記第1受圧部が設けられ、前記弁体の内側と、前記隔壁の外側との間に前記吐出圧力導入室を形成する吐出圧力導入空間が環状に区画されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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