JP2013088322A - 流速及び流量の計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度センサを必要としない相関法による流速の計測方法を提供する。
【解決手段】流路の流体の流速を相関法を使用して求める流速の計測方法であって、流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する過程と、流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する過程と、第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数から伝播時間差を求める過程と、第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、超音波信号の順方向伝播時間を求める過程と、第2の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、超音波信号の逆方向伝播時間を求める過程と、流路の2点間の距離、超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて超音波信号の音速を計算する過程と、流路の2点間の距離、伝播時間差、音速などに基づいて流体の流速を計算する過程。と、を含む。
【選択図】図8

Description

本発明は、流体の流速や流量等の計測に適用可能な超音波を用いた計測方法の改良に関する。特に、相関法により所定の流路を順方向に伝播する超音波信号と当該流路を逆方向に伝播する超音波信号の伝播時間差を直接求める流速(あるいは流量)計測方法の改良に関する。
配管等の流路を流れる流体の流量を測定するため、例えば、超音波流量計等が使用される。超音波流量計にはいくつかの種類があるが、超音波信号の伝播時間差に着目した方法を用いる超音波流量計では、流体中を上流側から下流側(順方向)に伝播する超音波信号と下流側から上流側(逆方向)に伝播する超音波信号との伝播時間差Δtと、超音波信号の伝播速度Cなどから流体の流速を算出する(伝播時間差法)。この流速と流路の断面積から流量を計算する。
しかし、超音波信号の上流側への伝播時間及び下流側への伝播時間を所要の時間精度で検出することは容易ではない。
そこで、例えば、先行例の特開2005−181268号公報(特許文献1)の段落0003、0014及び図3には、相関法により伝播時間差Δtを直接求めることが記載されている。相関法は、順方向の超音波信号の受信信号波形全体と逆方向の超音波信号の受信信号波形全体との相互相関値を求め、その相関値のピークから時間差Δtを直接求めるものである。この時間差Δtと超音波信号の音速Cとから後に詳述する式(V=(C2/2Lcosθ)Δt)により流速Vを計算する。ここで、Lは流路上の2点間の距離、θは流体の流れ方向と超音波信号の伝播方向とのなす角度である。音速Cは、例えば、測定対象の流体が常圧の空気の場合、次式のように温度Tの関数として求められる。
C=331.5+0.61T [m/S]
特開2005−181268号公報
しかしながら、上述の相関法を用いる伝播時間差法では、流体の流速を計算するために超音波信号の伝播時間差Δtのほかに流体中における音速Cを求めなければならない。音速Cを計算するため流体の温度Tを検出する温度センサが必要である。これにより流速計(あるいは流量計)のコストが増え、また、計器に温度センサを設置するスペースを確保するために流速計のサイズが大きくなる。更に、音速は流体温度のほかにも流体の成分や圧力などによっても変化する傾向があり、その場合には上記Cの計算式では誤差が生じる。
よって、本発明の課題は、伝播時間差法(相関法)による流速計測方法において温度センサ(あるいは温度計測)を必要としない流速計測方法を提供することである。
また、本発明の課題は、伝播時間差法(相関法)による流量計測方法において温度センサを必要としない流量計測方法を提供することである。
上記課題を解決する本発明の一態様は、流路の流体の流速を相関法を使用して求める流速の計測方法であって、上記流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する過程と、上記流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する過程と、上記第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数(相互相関演算)から伝播時間差を求める過程と、上記第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、上記流路の2点間における超音波信号の順方向伝播時間を求める過程と、上記第2の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、上記流路の2点間における超音波信号の逆方向伝播時間を求める過程と、上記流路の2点間の距離、上記超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて上記超音波信号の音速を計算する過程と、上記流路の2点間の距離、上記伝播時間差、上記音速に基づいて上記流体の流速を計算する過程と、を含む。
かかる構成とすることによって、2つの超音波信号の信号データの相互相関演算(後述)によって伝播時間差が直接求められる。また、信号データから順方向及び逆方向の信号伝播時間を求め、音速を計算することができる。伝播時間差、音速などから流速が計算される。この結果、温度計を必要としない利点がある。
超音波信号のセンサ間の伝播時間は極めて短時間であり超音波信号の伝播時点を直接検出できるような時間分解能で信号をA/D変換することは事実上できず、特別に構成されたアナログ検出回路が必要となるが、相関法では信号全体を比較するため信号波形の特徴を失わない程度に信号のサンプリング間隔を長く設定することができるので、市販のA/D変換器を使用することが出来る。そして、2つの超音波信号の信号データの相互相関演算によって伝播時間差が直接求められる。
更に、発明者が種々検討をした結果、相関法のために取得した信号データはA/D変換における時分解能が相対的に低いので、後述の参考例のような超音波信号の伝播時間を直接検出して「流速を計算」する検出方式の場合には使えないが、「音速を計算」するための「伝播時間」を求める場合には使用可能であることを見出した。それにより、相関法のために取得した信号データを活用して音速を計算により求め、温度センサ等を必要としない流速の計測が可能となる。
望ましくは、上記音速を求める過程は、上記音速をC、上記2点間の距離をL、上記順方向伝播時間をt1、上記逆方向伝播時間t2、として、
C=(L/2){(1/t1)+(1/t2)}
を計算することによって音速Cを求める。
望ましくは、上記流体の流速を計算する過程は、上記流体の流速をV、上記音速をC、上記伝播時間差をΔt、上記流体の流れ方向と上記超音波信号の伝播方向とのなす角度を
θとして、V≒(C2/2Lcosθ)Δtを計算することによって流速Vを得る。
望ましくは、上記順方向伝播時間及び逆方向伝播時間を求める過程は、検出された上記超音波信号の波形の特徴点の時間軸上の位置から予め定められた値を補正するものである。
また、本発明の流量の計測方法は、上記流速の計算方法によって求められた流速Vに上記流路の断面積Sを乗じて流量Qを求める。
本発明の一態様は、流路の流体の流速を相関法を使用して求める超音波流速計であって、上記流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する手段と、上記流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する手段と、上記第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数から伝播時間差を求める手段と、上記第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、上記流路の2点間における超音波信号の順方向伝播時間を求める手段と、上記第2の超音波信号の波形から特徴点を抽出し、上記流路の2点間における超音波信号の逆方向伝播時間を求める手段と、上記流路の2点間の距離、上記超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて上記超音波信号の音速を求める手段と、上記流路の2点間の距離、上記伝播時間差、上記音速に基づいて上記流体の流速を計算する手段と、を備える。
かかる構成とすることによって、温度センサを必要としない流速計を得ることが可能となる。発明者は、相関法で得られた信号データはA/D変換における時分解能が相対的に低いので、超音波信号の伝播時間を直接検出するような検出方式での流速検出(計算)には使用できないが、音速の算出には使用できることを見出した。信号データを再利用して音速を計算することにより、音速を計算するための温度センサ等を必要としない流速計の構成が可能となる。
本発明の一態様の流量計は流路の流体の流速を相関法を使用して求める超音波流量計であって、上記流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する手段と、上記流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する手段と、上記第1及び第2の超音波信号の波形データを記憶する記憶手段と、上記第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数から伝播時間差を求める手段と、検出された上記第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、上記流路の2点間における超音波信号の順方向伝播時間を求める手段と、上記第2の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、上記流路の2点間における超音波信号の逆方向伝播時間を求める手段と、上記流路の2点間の距離、上記超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて上記超音波信号の音速を求める手段と、上記流路の2点間の距離、上記伝播時間差、上記音速に基づいて上記流体の流速を求める手段と、求められた上記流速に上記流路の断面積を乗じて流量を求める手段と、を備える。
かかる構成とすることによって、温度センサを必要としない相関法の流量計を得ることが可能となる。
望ましくは、上記流速計あるいは流量計における音速を求める手段は、上記音速をC、上記2点間(送信器と上記受信器間)の距離をL、上記順方向伝播時間をt1、上記逆方向伝播時間t2、として、C=(L/2){(1/t1)+(1/t2)}を計算することによって上記超音波信号の音速Cを得る。それにより、計測済みの波形のデータで音速を計算することができる。また、音速の計算に温度センサを必要としない。
望ましくは、上記流体の流速を得る手段は、上記流体の流速をV、上記音速をC、上記順方向伝播時間及び上記逆方向伝播時間の時間差をΔt、上記流体の流れ方向と上記超音波信号の伝播方向とのなす角度をθとして、V≒(C2/2Lcosθ)Δtを計算することによって流速Vを得る。
それにより、計測済みの信号波形のデータを用いて音速Cを上記式により計算するので、流速Vを計算するために温度センサを必要としない流速(流量)の計測が可能となる。
望ましくは、上記順方向伝播時間及び逆方向伝播時間を取得する手段は、相関法において取得した上記超音波信号の信号波形データから波形の特徴点を判別し、この特徴点の時間軸上の位置から予め定められた値を補正するものである。超音波信号の伝播時間(受信時点)から特徴点までの時間差は略一定であることから、予め補正値を計測しておくことによって特徴点から伝播時間を求めることができる。
望ましくは、上記超音波信号の信号波形の特徴点が、波形の最大振幅値の所定割合を閾値として設定し、波形が該閾値を越えた後の最初のゼロクロス点である。それにより、波形パターンに対応して閾値を設定し、ノイズによる影響の少ないゼロクロス点を抽出することが可能となる。
望ましくは、上記流路の2点は2つの送受信器により設定される。それにより、送信器及び受信器の計測装置内における占有空間を減少することができる。
本発明によれば、所定流路における流速Vの検出において、順方向及び逆方向の2つの超音波信号の伝播時間差Δtを相関法(相互相関演算)により2つの超音波信号の波形データから直接計算する。更に、この2つの超音波信号の波形テータから超音波信号の順方向及び逆方向の伝播時間t1,t2をそれぞれ求め、これ等の伝播時間から音速Cを計算する。得られた音速C、伝播時間差Δtに基づいて流速Vを計算するので、温度、流体成分、圧力などを計測する必要がない。回路コスト削減や装置サイズの小型化などの面でも都合が良い。
流体の流速(あるいは流量)を測定する装置構成を説明する説明図である。 流路に配置された一組の送受信器で順方向及び逆方向を信号伝播時間を測定する例を説明する説明図である。 相関法により伝播時間差を求める例を説明する説明図である。 温度と音速の関係(媒体が水の場合)を説明するグラフである。 受信信号の特徴点から伝播時間を計算する第一の例を説明する説明図である。 受信信号の特徴点から伝播時間を計算する第二の例を説明する説明図である。 受信信号の特徴点から伝播時間を計算する第三の例を説明する説明図である。 流体の流速(あるいは流量)を測定する手順を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態においては、流路に所定距離で配置された一組の超音波送受信器により同一流路を順方向及び逆方向に伝播する2つの超音波信号を電気信号とし、A/D変換器によってデータ化して信号波形全体の信号データをメモリに取り込む。そして、順方向の超音波信号の波形データと逆方向の超音波信号の波形データとの相互相関演算(相関法)を行い、相関関数から伝搬時間差Δtを直接求める。
更に、相互相関演算のために取り込んだ順方向及び逆方向の超音波信号の信号データからMPU(マイクロコンピュータ)が信号波形の特徴点を抽出して流路の順方向における伝播時間t1及び逆方向における伝播時間t2を求める。この伝播時間t1及びt2から音速Cを計算する。計算された音速C、伝播時間差Δtに基づいて流体の流速Vを計算する。更に、流速Vと流路の断面積Sに基づいて流量Qを計算する。この結果、相関法において温度パラメータを使用せずに音速を求めことができる。
説明の便宜のため以下の項目の順序で説明する。
(実施例の構成)
(伝播時間差法と相関法の説明)
(温度計)
(音速計算)
(受信信号波形からの伝播時間算出法)
(ゼロクロス法)
(最大振幅法)
(閾値とゼロクロス法の組合せ)
(計測手順)
(実施例の効果の説明)
(比較例)
(流速を算出する場合の時間精度)
(音速を算出する場合の時間精度)
(実施例の構成)
図1は、本発明の流速計測方法が使用される超音波流速計(あるいは流量計)の例を説明する説明図である。
同図に示すように、超音波流速計は、大別してコントローラ10、送信系20、センサ系30、及び受信系40によって構成される。
送信系20は、送信信号をパワー増幅する増幅器21及び送信信号の供給先を切り替える信号切替器22を含む。
センサ系30は水や空気などの流体が流れる配管(流路)31の管壁面に設けられた超音波送受信器32及び33を含んでいる。後述するように、送受信器32は流路の上流側に、送受信器33は流路の下流側に設けられる。送受信器32及び33相互間のセンサ間距離はL[m]に設定され、センサ間を結ぶ線分と配管の管軸とがなす角度はθに設定されている。
超音波送受信器32及び33は高周波電圧の印加により機械的振動を発生し、また、印加圧力に応じて電圧を発生する電気機械変換器(例えば、圧電素子)によって構成される。なお、超音波送受信器32(あるいは33)を、高周波信号を機械振動に変換する送信器と超音波振動を電気信号に変換する受信器とによって別体で構成しても良い。送受信器と送信器又は受信器は実質的に同じ意味を持つ。
受信系40は、超音波送受信器32及び33の受信信号を選択する切替器41、受信信号をレベル増幅する増幅器42、受信信号を所定周期でサンプリングして受信データ(受信信号の波形データ)を得るA/D変換器43、受信データを記憶するメモリ44等を含んでいる。A/D変換器43及びメモリ44はコントローラ10から供給されるクロック信号に同期して動作する。
なお、増幅器42は受信信号のレベルに応じて増幅率を変える(例えば、自動利得調整)こととしても良い。この場合、増幅率を変えることによって出力信号の位相が変化する場合があるので予め増幅率に対する位相の変化を把握しておき、補正するようにする。また、別途MPU(マイクロプロセッサ)による信号処理(適宜な補完法等)によってメモリ44に記憶された離散的な受信データのデータ間隔にデータを補い、より平滑な波形としても良い。
コントローラ10は、高速動作のMPU、DSP(デジタル信号処理プロセッサ)、メモリ、タイマ、インタフェースなどの公知のコンピュータシステムによって構成されている。コントローラ10にはプロセスパラメータやプロセス状態などを表示する表示器11が接続されている。
コントローラ10は図示しない制御プログラムによって動作する。例えば、コントローラ10は、切替器22を制御して送信信号の送り先を選択すると共に、切替器41を制御して受信信号の供給元を選択する。それにより、送受信器32に送信信号を送信させ、送受信器33に当該信号を受信させて流路の順方向における超音波信号の伝播を検出する。また、送受信器33に送信信号を送信させ、送受信器32に当該信号を受信させて流路の逆方向における超音波信号の伝播を検出する。上述のように、検出された各受信信号はメモリ44に記憶される。
また、コントローラ10は、相関法のプログラム(相互相関演算)によって順方向における受信信号(超音波信号)の波形データと逆方向における受信信号(超音波信号)の波形データから相関値を計算し、相関値の変化(波形)から伝播時間差を求める。また、受信信号の波形データにおける特徴点を抽出する波形解析プログラム(信号処理プログラム)を実行する。また、数式演算処理プログラム等を実行して検出したパラメータに基づいて流速や流量を計算する。
(伝播時間差法と相関法の説明)
次に、図2を参照しながら、伝播時間差法による超音波流速検出と相関法による伝播時間差の検出について説明する。
図2(A)は、上流側の送受信器32から下流側の送受信器33に向かって超音波信号を送信した例(順方向の計測)を示している。図2(B)は、下流側の送受信器33から上流側の送受信器32に向かって超音波信号を送信した例(逆方向の計測)を示している。両図において、求めるべき流体の流速をV[m/S]、超音波信号の速度をC[m/S]、送受信器32及び33間の距離をL[m]、流体の流れ方向と超音波信号の伝播方向とのなす角度をθ、流路の断面積をS[m2]、下流側への伝播時間t1[S]、上流側への伝播時間t2[S]とする。
上流側の送受信器32から発せられて下流側の送受信器33で受けられた超音波信号の伝播時間t1は以下のように表される。
1=L/(C+Vcosθ) 式(1)
下流側の送受信器33から発せられて上流側の送受信器32で受信した超音波信号の伝播時間t2は以下のように表される。
2=L/(C−Vcosθ) 式(2)
式(1)及び(2)より、伝播時間差Δtを求めると、
Δt=t2−t1
=L{(C+Vcosθ)−(C−Vcosθ)}/(C−Vcosθ)(C+Vcosθ)
この式において、C>>Vの条件を当てはめると、伝播時間差Δtは
Δt≒2LVcosθ/C2
これより、流体の流速Vは次式で求められる(伝播時間差法)。
V≒(C2/2Lcosθ)Δt 式(3)
更に、流量Qは、流路の断面積をS、流量補正係数をkとすると、次式で表される。
Q=kSV 式(4)
流量補正係数kは、超音波伝播経路での平均流速に対する管断面の平均流速の比であり、流路形状、超音波伝播経路、レイノルズ数によって異なる。流路形状、超音波伝播経路が固定の場合はレイノルズ数の関数となる。
ところで、受信信号のサンプリングにより信号の伝播時間t1,t2を所要の数値で検出することは現在のA/D変換器の時間分解能では難しい。このため、伝播時間t1,t2を検出するために、例えば、高速動作するアナログ検出回路などを独自に組み立てるか、又は、相関法により(伝播時間t1,t2を求めることなく)伝播時間差Δtを直接求めることになる。前者の例としては、例えば、特開平10−332452号公報、特開2001−141537号公報に記載の超音波流量計がある(後述の比較例で説明する)。本発明は後者の相関法を採用する。
本発明の実施例では、上記式(3)として示される伝播時間差法の計算式において、2つの受信信号の信号波形のデータから相関法により上記伝播時間差Δtを求める。また、相関法のために取得した受信信号の信号波形のデータを活用して音速Cを計算により求め(後述の式(5))、これを式(3)に当てはめて流速Vを計算する。これ等の計算はコントローラ10で行われる。
実施例では、上記式(3)における伝播時間差Δtを相関法(相互相関演算)によって求める。例えば、相互相関関数Rxy(t)は2つの信号x(t),y(t)のうち一方のy(t)波形をτだけ遅延させたときのずらし量τの関数で、次式のように定義される。
これを超音波信号の伝播波形に当てはめると、図3に示すように、同図(A)に示す、順方向に伝播する信号のある時間範囲の波形全体(数1のx(t)に相当)と、同図(B)に示す、逆方向に伝播する信号のある時間範囲の波形全体(数1のy(t)に相当)との相互相関(数1のRxy(t)に相当)を計算するものである。同図(C)は、同図(A)中に点線部で示された順方向に伝播する超音波信号の立ち上がり部分を拡大して示したものである。同図(D)は、同図(B)中に点線部で示された逆方向に伝播する超音波信号の立ち上がり部分を拡大して示したものである。
図(E)は両信号波形の相互相関関数の相関値の変化(相関値のグラフ)を示しており、両信号の立ち上がり相当部分の相互相関関数を拡大して示している。図(E)において、時間差0.0の部分から相関関数(余弦波形)のピーク部分(時間差0.5[μS])までが伝播時間差Δtに相当している。このように、相関法を用いることによって2つの伝播信号の伝播時間差Δtを相関関数から直接的に求めることができる。
相関法では、ある時間幅に存在する波形全体の相関をとるため、一般的に波形の乱れがあっても波形全体に与える影響が小さく、気泡などによる誤差が少ない。これは、相関法に用いる信号波形のデータが比較的に時間分解能の低いサンプリングによるデータでも良いことを意味する。実施例では市販のA/D変換器を使用している。
(温度計)
図4に水中における音速と温度の関係の一例を示す。上述した式(3)から明らかなように、流速Vを求めるためには流体中の音速Cを予め知っていることが必要である。音速Cは、流体の種類や成分、温度、圧力などにより変化する。測定用途によっては音速Cを一定とみなせる場合もあるが、音速Cを変化するものとしなければならない場合もある。
例えば、温水や冷水を使って冷暖房を行う空調機用の流量計を考える。流体は水とし、圧力による音速Cの変化は必要とする精度の範囲外であるとする。このような条件では、音速Cは温度の関数となる。
そこで、予めコントローラ10に図4に示す温度と音速の関係を記憶しておけば、流体の温度から音速を求めることができる。例えば、流路内に図示しない温度センサを流量計に近接して配置して計測した流体温度から音速を求めることができる。
しかしながら、流体を用いるシステム(暖房やプラントなど)の自由度や部品の交換などの事情から流量計と温度センサとは場所を離さなければならないこともある。さらに、水はさびなどで汚れてきたり不凍液が混入されたりすることもあり、温度と音速の関係は図3に示す曲線から外れてくることも考えられる。この場合、汚れや不凍液の混入量を測定し音速を算出することが必要になるが、汚れや不凍液の種類が必ずしも同じではないのでこのような計算は一般に困難である。
そこで、実施例では、流体中における音速Cを温度計測(温度計)によらずに先の相関法に用いた信号波形のデータから計算によって求める。
(音速計算)
上述した伝播時間差法において、順方向における伝播時間の式(1)と逆方向における伝播時間の式(2)とをVcosθを相殺するように組み合わせると、音速Cは次式により表される。
C=(L/2){(1/t1)+(1/t2)} 式(5)
実施例では、式(5)によって音速Cを求め、この音速Cを流速の式(3)に当てはめる。
(受信信号波形からの伝播時間算出法)
本発明の実施例では、上記式(5)により音速Cを求めて、式(3)により流体の流速を求める。既述した相関法では、式(5)に使用する伝播時間t1,t2は求められていない。そこで、相関法用にメモリに記憶された超音波信号のデータ群(信号波形)から伝播時間t1,t2を求めることを考える。信号データは、必要によりMPUによって線形補完、曲線補完などを行い、信号データを増やして波形を滑らかにすることができる。
(ゼロクロス法)
図5は、ゼロクロス法を説明する説明図である。同図(A)は流路の順方向における超音波信号の受信波形を示している。同図(B)は、逆方向における超音波信号の受信波形を示している。各図において、横軸は時間軸、縦軸は信号(電圧)レベルを示している。
図5(A)に示すように、例えば、超音波信号波形の+側の極大点の数を数えて4つ目の直後のゼロクロス点(特徴点)に着目すると、波形からゼロクロス点の時刻t1’が求まる。伝播時間t1とゼロクロス時刻t1’との間には超音波の駆動周波数から決まる固定値d1だけの差が生じている。同様に、同図(B)に示される逆方向の超音波信号の信号伝播についても波形からゼロクロス時刻t2’が求まる。伝播時間t2とゼロクロス時刻t2’との間には超音波の駆動周波数から決まる固定値d2だけの差が生じている。
予め工場出荷時などにおいてd1、d2をコントローラ(あるいは流量計装置)に記憶させておく。測定時にはMPUによって受信波形から特徴点を検出し、時間t1’からd1を引くことで順方向伝播時間t1を求めることができる。また、t2’からd2を引くことで逆方向伝播時間t2を求めることができる。
(最大振幅法)
図6は、超音波信号波形の最大振幅に着目した例について説明する。なお、同図は順方向伝播における超音波信号の波形のみを示している。逆方向伝播における超音波信号の波形も同様であるので図示を省略している。
一般に、超音波信号の最大振幅までの波形の形は温度や流速などによって変化しないので、順方向における信号波形が最大値を取る時間t1’は超音波の伝播時間t1に固定値d1を足した時間となる。同様に、逆方向における信号波形が最大値を取る時間t2’は超音波の伝播時間t2に固定値d2を足した時間となる。
予め工場出荷時などにおいてd1、d2をコントローラに記憶させておく。測定時にはMPUによって受信波形から特徴点(最大値)を検出し、時間t1’からd1を引くことで順方向伝播時間t1を求めることができる。また、時間t2’からd2を引くことで逆方向伝播時間t2を求めることができる。
(閾値とゼロクロス法の組合せ)
図7は、超音波信号の波形が所定の閾値を越えた後の最初のゼロクロス点に着目した例(順方向伝播の波形)を示している。上述した図5の例では、信号波形が「特定の波数経過後のゼロクロス点を通過する時間」に着目している。この例では、「波形の最大値Maxに固定値(例えば、0.8)を乗じた値0.8Maxを閾値とし、波形の振幅がこの閾値を越えた直後のゼロクロス点を通る時間」に着目している。実施例では、受信信号の波形全体がメモリに記憶されているので、上記閾値を複数のピークを持つ振動波形全体での最大振幅値に基づいて設定することができる。閾値を最大振幅値の何パーセントに設定するかは、超音波信号波形を観察して適宜に決定すれば良く、上記「0.8」に限定されるものではない。波形全体の最大値に基づいて閾値を設定することによってノイズとの区別がより容易になる。また、流体中の気泡や異物、乱れなどによって超音波信号の波形パターンが部分的に変化(減衰)する場合にもよりエラーの少ない判別基準とすることが可能となる。
この実施例においても予め工場出荷時などにおいて、時間差d1、d2をコントローラに記憶させておく。測定時にはMPUによって受信波形から特徴点(ゼロクロス点)を検出し、時間t1’からd1を引くことで順方向伝播時間t1を求めることができる。また、同様に、時間t2’からd2を引くことで逆方向伝播時間t2を求めることができる(図示せず)。
(計測手順)
次に、図8を参照して図1に示した超音波流速計(流量計)におけるコントローラ(MPU)の制御動作について説明する。
まず、図示しないスイッチなどの操作やタイマの周期的な出力等によって計測開始指令のイベントが発生すると、コントローラ10に内蔵されたMPUは予め記憶装置に記憶された本制御ルーチン(サブルーチン)の制御プログラムを実行する(ステップS10)。
MPUは順方向の超音波信号を受信するために、切替信号を切替器22及び41に供給する。切替器22に送受信器32を選択させて送受信器32を超音波信号の送信器として機能させる。また、切替器41に送受信器33を選択させて送受信器33を受信器として機能させる。MPUはコントローラ10のインタフェースから送信信号を出力し、増幅器21によりパワー増幅して送受信器32を駆動する。それにより、送受信器32から送受信器33に向かって超音波信号が送信される。MPUは送信信号の送出と同時にA/D変換器43、メモリ44にクロック信号を供給してこれ等の部分を動作させる。送受信器32が受信した受信信号(超音波信号)は増幅器42で増幅され、A/D変換器43でサンプリングされて、例えば、図5(A)に示すような受信信号の波形全体がメモリ44にデータとして記憶される(ステップS12)。
同様に、MPUは逆方向の超音波信号を受信するために、切替信号を切替器22及び41に供給する。切替器22に送受信器33を選択させて送受信器33を超音波信号の送信器として機能させる。また、切替器41に送受信器32を選択させて送受信器32を受信器として機能させる。MPUはコントローラ10のインタフェースから送信信号を出力し、増幅器21によりパワー増幅して送受信器33を駆動する。それにより、送受信器33から送受信器32に向かって超音波信号が送信される。MPUは送信信号の送出と同時にA/D変換器43、メモリ44にクロック信号を送って動作させる。送受信器32が受信した受信信号(超音波信号)は増幅器42で増幅され、A/D変換器43でサンプリングされて、例えば図5(B)に示すような超音波信号の波形全体がメモリ44に記憶される(ステップS14)。
MPUは、相関法により、メモリ44に記憶された順方向の超音波信号の波形データ全体と逆方向の超音波信号の波形データ全体との相互相関関数を計算して伝播時間差Δtを求める(ステップS16)。
MPUは、メモリ44に記憶された順方向の超音波信号の波形データから既述のようにゼロクロスポイント等の特徴点の時間t1’を抽出し,これよりd1を減じて伝播時間t1を計算する。また、計測された逆方向の超音波信号の波形データから既述のようにゼロクロスポイント等の特徴点の時間t2’を抽出し,これよりd1を減じて伝播時間t2を計算する。特徴点の抽出に際しては、既述したいずれの方法も使用可能である。ノイズ対応などの点では「ピーク値に関連した閾値+ゼロクロス法」(図7)が望ましい(ステップS18)。
MPUは、既知のセンサ間距離L、伝播時間t1、伝播時間t2から上述した式(5)により音速Cを計算する(ステップS20)。
MPUは、求めた音速C、既知の距離L、伝播時間差Δtから上述した式(3)により、流体の流速Vを計算する(ステップS22)。
MPUは、求めた流速V、係数k、配管の断面積Sから既述式(4)により、流量Qを計算する(ステップS24)。
MPUは計算した、流速V、流量Qを表示器11に表示する。あるいは計測した流速V、流量Qのデータを図示しないネットワークを介してプロセスコントローラ(コンピュータ)等に送出する(ステップS26)。
このようにしてMPUはイベントの発生の度に流速、流量の計算を行って出力する。
(実施例の効果の説明)
上述した実施例によれば、メモリに記憶した超音波信号波形から伝播時間t1,t2を求めて音速Cを計算し、伝播時間差法の式(3)に当てはめて流速Vを計算する。このため、音速Cを求めるための温度計や、変換マップ(図4)、流体の材質に応じた修正等を必要としない利点がある。
(比較例)
既述した特開平10−332452号公報、特開2001−141537号公報に記載の超音波流量計(比較例)では、本願とは異なる「伝播時間逆数差方式」により流束を求めている。伝播時間逆数差方式は下式により流速を計算する。同式における記号の意味は式(3)の場合と同様である。
V=(L/2cosθ){(1/t1)−(1/t2)} 式(6)
伝播時間逆数差方式により計算する場合には、本実施例のように音速Cを計算しないで済む。伝播時間t1,t2を求めてこれ等の逆数の差から流速Vを求める。
しかしながら、この際に必要となる時間精度は一般にサブナノ秒のオーダーであり(例えば、0.3n秒程度であってA/D変換器を使用できない)、特別な構成のアナログ検出回路を用いて特徴点における時間t1’,t2’を直接検出し、これを補正して伝播時間t1,t2を求めている。別言すれば、比較例は信号検出の主要部分をアナログ回路やゲート回路等で構成するもので、受信信号データをデジタル信号処理する構成ではない。
これに対して、本実施例の相関法では2つの信号の信号波形全体で相関性を評価するので、受信信号のサンプリングインターバルは数10nS(例えば、20nS)であり、A/D変換器によって信号データを得てデジタル処理することが可能である。これは、相関法では「伝搬時間逆数差方式」に要求される時間分解能に比べてサンプリングにおける必要な時分解能が2桁も大きい(サンプリング間隔が長い)ことに起因する。
本発明では、上記比較例と比べて相関演算で伝搬時間差Δtを求めるためにサンプリングした超音波信号の波形データを活用して流速V及び音速Cを十分な精度で算出できる利点がある。
次に、本発明による検出方法で相関法のために取得した信号データを活用して音速を計算するが、当該取得信号データでも音速を十分な精度で検出できることについて説明する。
(流速を算出する場合の時間精度)
まず、次のような仕様の流速計を仮定する。
「超音波周波数:1[MHz]、最大流速時の伝播時間差:1[μS](超音波信号の1周期分)、最小流速:最大流速の1/100、許容誤差:±3%RD」
伝播時間差は流速に比例するので(式(3)参照)、最小流速での伝播時間差は最大流速での伝播時間差(1[μS])の1/100の10nSとなる。したがって、最小流速での±3%RDの誤差は伝播時間差では±0.3nSとなる。この例のように伝播時間差には一般にサブnSの精度が必要となる。なお、伝播時間逆数差方式を使う場合でも伝播時間の測定はサブnS程度の精度が必要となる。
(音速を算出する場合の時間精度)
式(3)を音速Cで微分すると、
(dV/dC)=(C/Lcosθ)ΔT 式(7)
となる。なお、ΔTは、相関法によりにより別途測定されていると考える。
音速の変化δCに対する流速の変化δVは
δV=(C/Lcosθ)ΔTδC
と表される。この式を式(3)で割ると、
(δV/V)=2(δC/C) 式(8)
となる。
温度を算出する式(5)は2つの伝播時間t1,t2の関数となっているが、t2を固定しておきt1と音速の関係に着目する。
式(5)をt1について微分すると、(dC/dt1)=−(L/2)(1/t1 2)となるので、伝播時間の変化δt1に対する音速の変化δCは、
δC=−(L/2)(1/t1 2)δt1
である。流速Vに対して音速Cが十分に早い場合にはt1とt2はほぼ等しく、式(5)はC≒(L/t1)となるので、上式をこれで割ると
(δC/C)=−(1/2)(δt1/t1) 式(9)
式(8)、式(9)より
δV/V=−(δt1/t1) もしくは|δV/V|=|δt1/t1| 式(10)
となる。
すなわち、「音速を算出する場合」に関しては流速の変化率と伝播時間の変化率の大きさ(絶対値)は等しい。t1を固定しておきt2を変化させた場合も符号が異なるだけで同様な結果が得られる。
「流速を算出する場合」と同じ仮定で、流速の精度が±3%RD(許容誤差)であるとすると、
|δV/V|=|δt1/t1|=3/100 となる。
例えば、超音波の伝播経路Lが10[cm]で音速Cが1500[m/S]であるとすると、伝播時間は67[μS]になる。この時、流速精度3%RDに相当する伝播時間の変化は、 |δt1|=(3/100)×67[μS]=2[μS] となる。
すなわち、流速の精度±3%RDを得るためには、音速に関しては伝播時間のばらつきが2[μS]以内であれば良いことになる。これは流速を算出する場合に必要となる許容ばらつきの6000倍以上である。また、時間分解能としても20[nS](=0.02[μS])のサンプリングで十分であるといえる。
以上説明したように、本発明の実施例によれば、流路に送受信器を配置した伝播時間差法(相関法)による流速(あるいは流量)の計測方法において、流路の順方向及び逆方向における受信信号の波形全体の信号データをメモリに記憶し、2つの受信信号の信号データの相互相関演算から伝播時間差Δtを求め、また、メモリに記憶した受信信号の信号データの波形から特徴点を抽出して伝播時間t1,t2を求め、伝播時間t1,t2から音速Cを求め、伝搬時間差Δtと音速Cから伝播時間差法による式(3)によって流速V(流量Q)の算出を行う構成としているので、温度計を使用せずに流速、流量を計算することが可能となる。
なお、上記発明の実施の形態を通じて説明された実施例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得る。
本発明は、流体の流速の計測、流体の流量の計測、超音波流速計、超音波流量計等に用いて好都合である。また、流速計や流量計を用いる装置あるいは制御システムに適用することが可能である。
10 コントローラ
11 表示器
20 送信系
21 増幅器
22 信号切替器
31 配管(流路)
32 送受信器
33 送受信器
41 信号切替器
42 増幅器
43 A/D変換器
44 メモリ

Claims (7)

  1. 流路の流体の流速を相関法を使用して求める流速の計測方法であって、
    前記流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する過程と、
    前記流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する過程と、
    前記第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数から伝播時間差を求める過程と、
    前記第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、前記流路の2点間における超音波信号の順方向伝播時間を求める過程と、
    前記第2の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、前記流路の2点間における超音波信号の逆方向伝播時間を求める過程と、
    前記流路の2点間の距離、前記超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて前記超音波信号の音速を計算する過程と、
    前記流路の2点間の距離、前記伝播時間差、前記音速に基づいて前記流体の流速を計算する過程と、
    を含む流速の計測方法。
  2. 前記音速を計算する過程は、
    前記音速をC、前記2点間の距離をL、前記順方向伝播時間をt1、前記逆方向伝播時間t2、として、
    C=(L/2)((1/t1)+(1/t2))
    を計算することによって音速Cを求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の流速の計測方法。
  3. 前記流体の流速を計算する過程は、
    前記流体の流速をV、前記音速をC、前記伝播時間差をΔt、前記流体の流れ方向と前記超音波信号の伝播方向とのなす角度をθとして、
    V≒(C2/2Lcosθ)Δt
    を計算することによって流速Vを得る、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の流速の計測方法。
  4. 前記順方向伝播時間及び逆方向伝播時間を求める過程は、
    取得した前記超音波信号の波形データから波形の特徴点を判別し、この特徴点の時間軸上の位置から予め定められた値を補正するものである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流速の計測方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の流速の計算方法によって求められた流速に前記流路の断面積を乗じて流量を求める、流量の計測方法。
  6. 流路の流体の流速を相関法を使用して求める超音波流速計であって、
    前記流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する手段と、
    前記流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する手段と、
    前記第1及び第2の超音波信号の波形データを記憶する記憶手段と、
    前記第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数から伝播時間差を求める手段と、
    前記第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、前記流路の2点間における超音波信号の順方向伝播時間を求める手段と、
    前記第2の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、前記流路の2点間における超音波信号の逆方向伝播時間を求める手段と、
    前記流路の2点間の距離、前記超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて前記超音波信号の音速を計算する手段と、
    前記流路の2点間の距離、前記伝播時間差、前記音速に基づいて前記流体の流速を計算する手段と、
    を備える流速計。
  7. 流路の流体の流速を相関法を使用して求める超音波流量計であって、
    前記流路の2点間を順方向に伝播する第1の超音波信号の波形データを取得する手段と、
    前記流路の2点間を逆方向に伝播する第2の超音波信号の波形データを取得する手段と、
    前記第1及び第2の超音波信号の波形データを記憶する記憶手段と、
    前記第1及び第2の超音波信号の波形データ相互の相関関数から伝播時間差を求める手段と、
    前記第1の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、前記流路の2点間における超音波信号の順方向伝播時間を求める手段と、
    前記第2の超音波信号の波形データから波形の特徴点を抽出し、前記流路の2点間における超音波信号の逆方向伝播時間を求める手段と、
    前記流路の2点間の距離、前記超音波信号の順方向伝播時間及び逆方向伝播時間に基づいて前記超音波信号の音速を計算する手段と、
    前記流路の2点間の距離、前記伝播時間差、前記音速に基づいて前記流体の流速を計算する手段と、
    得られた流速に前記流路の断面積を乗じて流量を求める手段と、
    を備える流量計。
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