JP2013087175A - 縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
(B)(B−1)1分子中にSiH基を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び/又は
(B−2)1分子中に珪素原子に直接結合した加水分解性基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキサン、
(C)Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、W及びBiから選ばれる化合物の縮合反応触媒、
(D)炭素原子1〜3個を介して窒素原子と酸素原子及び/又は硫黄原子とが結合した構造を含む有機化合物助触媒
を含む縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物。
【効果】本発明によれば、非錫系金化合物触媒を用いても優れた硬化性、剥離特性を達成でき、安全性、環境負荷に問題が指摘されている錫化合物を含まないため、付加反応硬化型では応用が困難であった用途へ使用範囲が拡大された。
【選択図】なし
Description
そのため、従来から触媒の非錫化が検討されてきた。特開昭59−176326号公報(特許文献4)では水酸化第4ホスホニウム化合物、国際公開第2008/081890号パンフレット(特許文献5)では第4級アンモニウムイオン化合物、米国特許第3,719,633号明細書(特許文献6)、米国特許第4,180,462号明細書(特許文献7)、特表2011−506584号公報(特許文献8)にはグアニジン等の有機物が提案され、特表2011−510103号公報(特許文献9)にはカオリン等の天然鉱物の利用も紹介されている。
[1] (A)1分子中に少なくとも2個のシラノール基を含むオルガノポリシロキサン
100質量部、
(B)(B−1)1分子中に珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜20質量部、及び/又は
(B−2)1分子中に珪素原子に直接結合した加水分解性基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキサン0.1〜20質量部であって、(B)成分中の活性基であるSiH基及び加水分解性基のモル数が(A)成分のシラノール基のモル数の1〜200倍に相当する量、
(C)マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、タングステン及びビスマスから選ばれる化合物の縮合反応触媒
触媒量、
(D)炭素原子1〜3個を介して窒素原子と酸素原子及び/又は硫黄原子とが結合した構造を含む有機化合物助触媒 1〜20質量部
を含むことを特徴とする縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物。
[2] (D)成分が、(I)分子量が10000以下であるか、(II)分子内に珪素原子を含む置換基を持つものであるか、又は(I)及び(II)の双方を有するものである[1]記載の組成物。
[3] (D)成分が、下記i〜ivに示す有機化合物及びこれらのうちの2種以上が反応して生成する有機化合物から選ばれるものである[1]又は[2]記載の組成物。
i.イソシアネート基含有化合物、及びそれらの縮合物
ii.イソシアネート基含有化合物と水酸基及び/又はアミノ基含有化合物との反応物
iii.アミノ基含有化合物とエポキシ化合物との開環反応物
iv.アミノ基含有化合物とオキセタン化合物との開環反応物
[4] (D)成分として、上記有機化合物中の酸素原子の一部又は全てが硫黄原子に置き換わった化合物を単独で又はこれと上記有機化合物とを組み合わせて用いる[3]記載の組成物。
[5] (C)成分の縮合反応触媒が、アルミニウム三価、鉄三価、コバルト三価、亜鉛二価、ジルコニウム四価又はビスマス三価の化合物であって、配位子として有機酸、アルコキシド又はキレート剤を結合した化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] (C)成分の縮合反応触媒が、アルミニウム三価、鉄三価又はビスマス三価の化合物であって、配位子として有機酸又はキレート剤を結合した化合物である[5]記載の組成物。
[7] 更に、(E)有機溶剤を含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] トルエン1900質量部に(A)〜(D)成分を上記配合量範囲内で溶解させたときの25℃における24時間経時後の粘度が初期粘度の2倍以下である[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
形成された硬化皮膜は、各種の基材に対して良好な密着性を示す。また、シェルフライフ及びポットライフが良好で、作業性にも優れており、安定な特性が得られる。
(A)成分は、1分子中に珪素原子に直接結合するヒドロキシ基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。珪素原子に直接結合するヒドロキシ基以外の一価の有機基については特に限定されるものではなく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、プロペニル等のアルケニル基等の炭素数1〜10の一価炭化水素基が挙げられるが、本発明においては、特に水酸基以外の有機基の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。分子構造も特に限定されるものではないが、基本的には直鎖が工業的には好ましいが、分岐構造を有するものも同様に使用可能である。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の絶対粘度は、50mPa・s以上のものが好ましく、より好ましくは50〜100000mPa・sである。
本発明の(B)成分として用いることのできる(B−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に珪素原子に直接結合する水素原子を少なくとも3個、好ましくは4〜1000個有することが必要である他は特に限定されず、分子構造は直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれであってもよい。本発明の(B−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの回転粘度計により測定される25℃における絶対粘度は、数mPa・s〜数万mPa・sの範囲であればよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例として下記のものを挙げることができる。
本発明の(B−2)成分として使用できるオルガノポリシロキサンは、1分子中に珪素原子に結合する加水分解性基を少なくとも3個、好ましくは3〜1000個有するものである。加水分解性基としては、珪素原子に直接結合したメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、イソプロペノキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基が挙げられるが、一部、エチルアミノ基等のアミノ基、アミド基、エチルメチルブタノキシム基等のオキシム基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を有するものが混在してもよい。
本発明の組成物に使用する(C)成分としての触媒は、(A)成分と(B)成分のいわゆる架橋反応を促進し、硬化皮膜を形成するために用いられる縮合反応硬化触媒である。マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、タングステン、及びビスマスから選ばれる金属の化合物などが縮合反応触媒として使用できる。アルミニウム三価、鉄三価、コバルト三価、亜鉛二価、ジルコニウム四価、ビスマス三価の有機酸塩、アルコキシド、キレート化合物などの金属化合物が好ましく挙げられる。例えば、オクチル酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの有機酸塩、プロポキシド、ブトキシドなどのアルコキシド、カテコール、クラウンエーテル、多価カルボン酸やヒドロキシ酸及びそれらのエステルの共役塩基、1,3−ジケトン類の共役塩基、β−ケト酸エステル類の共役塩基などキレート化合物が挙げられ、一つの金属に複数種類の配位子が結合していてもよい。
特に、配合や使用条件が多少異なっても安定した硬化性が得られ易いアルミニウム、鉄、ビスマス化合物が使いやすく望ましい。
本発明の組成物の(D)成分は、炭素原子(C)1〜3個を介して窒素原子(N)と酸素原子(O)が結合した構造を有する有機化合物である。炭素原子を1個介して結合した−O−C−N−の構造を持つものとしては、シアネート基−O−C≡N、その3量体シアヌレート基、イソシアネート基−N=C=O、その2量体ウレトジオン基、3量体イソシアヌレート基、アミド基−CO−NH−、カルバメート基−O−CO−NH2、ウレタン基−O−CO−NH−、尿素基−NH−CO−NH−、
ビウレット基
[測定条件]
展開溶媒:トルエン
流量:0.35mL/分
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:品名 TSKgel−G2000H×2本、G3000H×1本、G4000H×1本、TSKgurdcolumnH−L×1本(東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度1質量%のトルエン溶液)
i.イソシアネート基含有化合物、及びそれらの縮合物
ii.イソシアネート基含有化合物と水酸基及び/又はアミノ基含有化合物との反応物
iii.アミノ基含有化合物とエポキシ化合物との開環反応物
iv.アミノ基含有化合物とオキセタン化合物との開環反応物
本発明の組成物の(E)成分の有機溶剤は、処理浴安定性、各種基材に対する塗工性の向上、塗工量及び粘度の調整を目的として配合される成分であり、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、IPA、ヘキサン、ヘプタン等の、組成物を均一に溶解できる任意量の有機溶剤が使用でき、(A)成分100質量部に対して10〜1900質量部含有することができるが、塗工方法によっては(E)成分は配合されなくてもよい。
本発明の組成物には、必要に応じて滑り性付与剤、密着向上剤、剥離力コントロール剤、顔料、レベリング剤、バスライフ延長剤として公知のものを配合することもできる。
本発明の組成物は、錫触媒を含有しないことにより従来の縮合反応硬化型組成物よりもポットライフが良好であるという特徴を有するが、十分なポットライフを確保するため、(C)成分はコーティングをする直前に添加混合した方がよい。
(A)成分として、回転粘度計により測定される25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が10000mPa・sであり、分子鎖の両末端がジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格はジメチルシロキサン単位で構成されているオルガノポリシロキサンを100質量部、(E)成分として、トルエンを1800質量部取り、20〜40℃で撹拌溶解した。得られた溶液に、(B−1)成分として、これに分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、MeHSiO2/2で表される単位を95モル%含有し、絶対粘度が25mPa・sであるメチルハイドロジエンポリシロキサンを3質量部、(D)成分として、下記式
で示される化合物を10質量部加え、20〜40℃で1時間撹拌混合した。
これをメイヤーバーを用いてグラシン紙へ均一に塗工し、所定条件(150℃で30秒間)にてキュアーして、塗工量が固形分で1.0g/m2の評価用試料を作製した。評価は下記の硬化皮膜特性の評価方法の記載に従い、その結果を表1に示した。
実施例1において、(D)成分として下記化合物を10質量部用いた以外は同様に組成物を調製した。
実施例1において(C)成分としてテトラアセチルアセトナート鉄をFe換算量3質量%対(A)成分とした以外は同様に実施した。
実施例1において(A)成分として、25℃における30質量%トルエン溶液の粘度が15000mPa・sであり、分子鎖の両末端はジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され、主骨格はジメチルシロキサン単位99.9モル%、ヒドロキシメチルシロキサン単位0.01モル%で構成されているオルガノポリシロキサンを100質量部、(B−2)成分として、MeSi(OMe)3の部分加水分解縮合物で、粘度が10mPa・sであるメチルメトキシポリシロキサンを5質量部とした以外は同様に実施した。
実施例8において、(C)成分としてテトラアセチルアセトナートアルミニウムをAl換算量3質量%対(A)成分とした以外は同様に実施した。
実施例8において、(C)成分としてテトラアセチルアセトナート鉄をFe換算量3質量%対(A)成分とした以外は同様に実施した。
実施例8において、(C)成分としてテトラアセチルアセトナートアルミニウムをAl換算量1.5質量%対(A)成分、3価Biカルボン酸塩をBi換算量1.5質量%で配合した以外は同様に実施した。
実施例8において、(C)成分としてテトラアセチルアセトナート鉄をFe換算量1.5質量%対(A)成分、3価ビスマスカルボン酸塩をBi換算量1.5質量%で配合した以外は同様に実施した。
実施例1において、(D)成分を配合しない以外は同様に実施し、評価用試料を作製した。
実施例1において、(D)成分を配合せず、(C)成分としてジオクチル錫ジカルボン酸塩を錫換算量で3質量%配合した以外は同様に実施した。
実施例8において、(D)成分を配合せず、(C)成分としてジオクチル錫ジカルボン酸塩を錫換算量で3質量%対(A)成分配合した以外は同様に実施した。
1)硬化性
触媒添加したシリコーン組成物をPEラミネート紙に固形分で1.0g/m2塗布し、130℃の熱風循環式乾燥機で30秒間加熱処理して硬化皮膜を形成し、評価用試料を作製した。
試料の硬化皮膜表面を指でこすり、皮膜表面のくもり度合を観察し、以下の基準で評価した。
○:130℃×30秒加熱でくもり生じない。
△:薄くくもりが生ずる。
×:濃いくもりが生ずる、あるいは未硬化の状態。
触媒添加したシリコーン組成物をPEラミネート紙に固形分で1.0g/m2塗布し、150℃の熱風循環式乾燥機で30秒間加熱処理して硬化皮膜を形成し、評価用試料を作製した。
試料を25℃,50%RH×1日放置後、硬化皮膜表面を指でこすり、皮膜表面の脱落の度合を観察し、以下の基準で評価した。
○:脱落が全くない。
△:部分的に脱落が生ずる。
×:容易に脱落が生ずる。
上記2)密着性の評価と同様に評価用試料を作製し、その硬化皮膜表面にアクリル系溶剤型粘着剤〔オリバインBPS−5127(東洋インキ製造(株)製)〕を塗布して100℃で3分間熱処理し、次いで、この処理面に坪量64g/m2の上質紙を貼り合わせて2kgローラーで1往復圧着し、25℃で20時間エージングさせた。この試料を5cm幅に切断し、引張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/分で貼合わせ紙を引張り、剥離するのに要する力(N)を測定した。測定はオートグラフDCS−500(島津製作所株式会社製)を使用した。
セパレータの硬化皮膜表面にポリエステルテープ〔ニットー31B(日東電工(株)製)〕を貼合わせ、20gf/cm2の荷重をかけた状態で70℃、20時間エージングした後、テープを剥がし、ステンレス板に貼付けた。次いで、このテープをステンレス板表面に対し180°の角度で剥離速度0.3m/分で剥がし、剥離するのに要する力を測定した。一方、テフロン(登録商標)板表面に上記のポリエステルテープを貼合わせ、同様の条件でエージングし、同様にしてテープを剥離するのに要する力(N)を測定し、前者の後者に対する比率が90%以上のものを○、80〜89%を△、79%以下を×とした。
実施例及び比較例で調製した塗工液を25℃×1日放置した後、外観を観察した。良好なものを○、増粘やゲル化、沈殿生成しているものを×とした。
Claims (8)
- (A)1分子中に少なくとも2個のシラノール基を含むオルガノポリシロキサン
100質量部、
(B)(B−1)1分子中に珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜20質量部、及び/又は
(B−2)1分子中に珪素原子に直接結合した加水分解性基を少なくとも3個有するオルガノポリシロキサン0.1〜20質量部であって、(B)成分中の活性基であるSiH基及び加水分解性基のモル数が(A)成分のシラノール基のモル数の1〜200倍に相当する量、
(C)マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、タングステン及びビスマスから選ばれる化合物の縮合反応触媒
触媒量、
(D)炭素原子1〜3個を介して窒素原子と酸素原子及び/又は硫黄原子とが結合した構造を含む有機化合物助触媒 1〜20質量部
を含むことを特徴とする縮合反応硬化型シリコーン剥離コーティング組成物。 - (D)成分が、(I)分子量が10000以下であるか、(II)分子内に珪素原子を含む置換基を持つものであるか、又は(I)及び(II)の双方を有するものである請求項1記載の組成物。
- (D)成分が、下記i〜ivに示す有機化合物及びこれらのうちの2種以上が反応して生成する有機化合物から選ばれるものである請求項1又は2記載の組成物。
i.イソシアネート基含有化合物、及びそれらの縮合物
ii.イソシアネート基含有化合物と水酸基及び/又はアミノ基含有化合物との反応物
iii.アミノ基含有化合物とエポキシ化合物との開環反応物
iv.アミノ基含有化合物とオキセタン化合物との開環反応物 - (D)成分として、上記有機化合物中の酸素原子の一部又は全てが硫黄原子に置き換わった化合物を単独で又はこれと上記有機化合物とを組み合わせて用いる請求項3記載の組成物。
- (C)成分の縮合反応触媒が、アルミニウム三価、鉄三価、コバルト三価、亜鉛二価、ジルコニウム四価又はビスマス三価の化合物であって、配位子として有機酸、アルコキシド又はキレート剤を結合した化合物である請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- (C)成分の縮合反応触媒が、アルミニウム三価、鉄三価又はビスマス三価の化合物であって、配位子として有機酸又はキレート剤を結合した化合物である請求項5記載の組成物。
- 更に、(E)有機溶剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
- トルエン1900質量部に(A)〜(D)成分を上記配合量範囲内で溶解させたときの25℃における24時間経時後の粘度が初期粘度の2倍以下である請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
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