JP2013074979A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに関するものである。
テープタイプ使い捨ておむつは、透液性トップシートと、その裏面側に位置する液不透過性シートと、これら透液性トップシートと液不透過性シートとの間において、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部まで延在する吸収体と、背側の両側部に設けられたファスニングテープとを備え、ファスニングテープを腹側外面に係止することで装着を行うものであり、内面における幅方向両側部にいわゆる立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在されるとともに、外面が不織布からなる外装シートにより覆われている構造が一般的となっている(例えば特許文献1参照)。
また、このようなテープタイプ使い捨ておむつでは、ファスニングテープの基部が、おむつの外面を構成する外装シートと、立体ギャザーを構成するギャザーシートとの間に挟まれ、ホットメルト接着剤により外装シート及びギャザーシートに固定されており、液不透過性シートがファスニングテープの基部までは達していない構造が一般的であるが、ファスニングテープの基部を液不透過性シートの側部と重なる位置まで延在させることも提案されている(特許文献2参照)。
しかし、いずれにせよ、ファスニングテープを柔軟にするために基材を薄く柔軟な不織布で形成した場合、テープ自体の強度が低下してしまい、ファスニングテープを強く引っ張ったときにテープ自体が千切れやすくなるという問題点があり、この問題点がファスニングテープの柔軟性向上、ひいてはテープタイプ使い捨ておむつ全体の柔軟性の向上を図る上で一つの障壁となっていた。
そこで、本発明の主たる課題は、ファスニングテープの柔軟性及び強度を両立することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
背側の両側部に設けられたファスニングテープが腹側外面に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、内側テープと、この内側テープの外側に位置する外側テープとを有しており、
前記内側テープは、前記背側の両側部に固定された内側テープ取付部と、この内側テープ取付部から突出する内側テープ本体部とを有しており、
前記外側テープは、前記内側テープ取付部と一部又は全部が重なる外側テープ取付部と、この外側テープ取付部から突出するとともに内側テープ本体部と一部又は全部が重なる外側テープ本体部とを有しており、
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、幅方向の引張強さが10〜150N/50mmかつ剛軟度が20〜150mm/20mmの不織布でそれぞれ形成されている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
<請求項1記載の発明>
背側の両側部に設けられたファスニングテープが腹側外面に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、内側テープと、この内側テープの外側に位置する外側テープとを有しており、
前記内側テープは、前記背側の両側部に固定された内側テープ取付部と、この内側テープ取付部から突出する内側テープ本体部とを有しており、
前記外側テープは、前記内側テープ取付部と一部又は全部が重なる外側テープ取付部と、この外側テープ取付部から突出するとともに内側テープ本体部と一部又は全部が重なる外側テープ本体部とを有しており、
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、幅方向の引張強さが10〜150N/50mmかつ剛軟度が20〜150mm/20mmの不織布でそれぞれ形成されている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、ファスニングテープを内側テープ及び外側テープの二重構造とするとともに、内側テープ及び外側テープの個々の素材として柔軟な素材を用いたことにより、ファスニングテープ全体が柔軟なものでありながら、内側テープ及び外側テープの両方を摘まんで引っ張ったときに、内側テープ及び外側テープの両者に力が分散し、ファスニングテープ全体としての強度の低下を抑制することができ、千切れを効果的に防止することができる。
本発明では、ファスニングテープを内側テープ及び外側テープの二重構造とするとともに、内側テープ及び外側テープの個々の素材として柔軟な素材を用いたことにより、ファスニングテープ全体が柔軟なものでありながら、内側テープ及び外側テープの両方を摘まんで引っ張ったときに、内側テープ及び外側テープの両者に力が分散し、ファスニングテープ全体としての強度の低下を抑制することができ、千切れを効果的に防止することができる。
<請求項2記載の発明>
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、それぞれ繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2のスパンボンド不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布、又はスパンレース不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、それぞれ繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2のスパンボンド不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布、又はスパンレース不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
内側テープ及び外側テープの素材は特に限定されないが、このような不織布であると好ましい。
内側テープ及び外側テープの素材は特に限定されないが、このような不織布であると好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記外側テープ本体部の内面における前記内側テープ本体部と重なる部分に、腹側外面に対して係止されるフック材が設けられるとともに、前記内側テープ本体部における前記フック材と重なる部分に露出孔が形成されており、
前記フック材のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部が前記内側テープ本体部により被覆された被覆部分とされるとともに、これら被覆部分の間が前記露出孔から露出する露出部分とされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
前記外側テープ本体部の内面における前記内側テープ本体部と重なる部分に、腹側外面に対して係止されるフック材が設けられるとともに、前記内側テープ本体部における前記フック材と重なる部分に露出孔が形成されており、
前記フック材のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部が前記内側テープ本体部により被覆された被覆部分とされるとともに、これら被覆部分の間が前記露出孔から露出する露出部分とされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
ファスニングテープは、背側の両側部に固定されたテープ取付部、このテープ取付部から突出するテープ本体部、及びこのテープ本体部に設けられたメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(オス材)を有し、フック材がテープ本体部の上下縁(ウエスト側及び股間側の端)まで存在しているものが一般的である。
しかしながら、この従来一般的なものでは、フック材を有する部分ではファスニングテープの縁部まで非常に硬く、ファスニングテープの縁に肌が触れるとフック材の角や縁が当たってチクチクしたり、肌を傷付けたりするおそれがあった。
この問題点に対し、本発明の内側テープ及び外側テープの二重構造を利用し、上述のように外側テープにフック材を設け、その縁部(角部含む)を内側テープで被覆するように構成すると、フック材の角や縁の当たりを防止することができる。しかも、本発明の場合、被覆部分を構成する内側テープ本体部は柔軟な素材であるため、フック材を露出させるための露出口の縁も柔軟となり、フック材と内側テープ本体部との一体感も高いものとなる。
ファスニングテープは、背側の両側部に固定されたテープ取付部、このテープ取付部から突出するテープ本体部、及びこのテープ本体部に設けられたメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(オス材)を有し、フック材がテープ本体部の上下縁(ウエスト側及び股間側の端)まで存在しているものが一般的である。
しかしながら、この従来一般的なものでは、フック材を有する部分ではファスニングテープの縁部まで非常に硬く、ファスニングテープの縁に肌が触れるとフック材の角や縁が当たってチクチクしたり、肌を傷付けたりするおそれがあった。
この問題点に対し、本発明の内側テープ及び外側テープの二重構造を利用し、上述のように外側テープにフック材を設け、その縁部(角部含む)を内側テープで被覆するように構成すると、フック材の角や縁の当たりを防止することができる。しかも、本発明の場合、被覆部分を構成する内側テープ本体部は柔軟な素材であるため、フック材を露出させるための露出口の縁も柔軟となり、フック材と内側テープ本体部との一体感も高いものとなる。
<請求項4記載の発明>
前記内側テープ本体部と前記外側テープ本体部とは食み出すことなく重なっており、かつこの重なり部分のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部は、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着されていない非接着部分とされるとともに、これら非接着部分の間に、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着された接着部分を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
前記内側テープ本体部と前記外側テープ本体部とは食み出すことなく重なっており、かつこの重なり部分のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部は、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着されていない非接着部分とされるとともに、これら非接着部分の間に、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着された接着部分を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
内側テープ及び外側テープは見栄えを良くするため及び摘む等の取り扱いを容易にするためには食み出すことなく重ねて貼り合わせることが望ましい。しかし、その貼り合わせに接着剤を用いると接着部分において素材の柔軟性は損なわれてしまう。よって、全体を接着剤により貼り合わせるのではなく、上述のように、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部(ファスニングテープの肌触りに対する影響が大きい)は非接着部分とし、柔軟性を損ねないようにするのは一つの好ましい形態である。
内側テープ及び外側テープは見栄えを良くするため及び摘む等の取り扱いを容易にするためには食み出すことなく重ねて貼り合わせることが望ましい。しかし、その貼り合わせに接着剤を用いると接着部分において素材の柔軟性は損なわれてしまう。よって、全体を接着剤により貼り合わせるのではなく、上述のように、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部(ファスニングテープの肌触りに対する影響が大きい)は非接着部分とし、柔軟性を損ねないようにするのは一つの好ましい形態である。
以上のとおり、本発明によれば、ファスニングテープの柔軟性及び強度が両立するようになる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
<構造の例>
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
<構造の例>
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、図中の符号Xはファスニングテープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示しており、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤の塗布部分を示している。
このテープタイプ使い捨ておむつは、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収要素50が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEとを有するものである。
また、このテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体の側縁よりも側方に延出する一対のサイドフラップ部SF,SFを有しており、背側におけるサイドフラップ部SF,SFにはファスニングテープ13がそれぞれ設けられている。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに各サイドフラップ部SF,SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、およびトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する立体ギャザー60,60が設けられており、この立体ギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、トップシート30の両側部上から各サイドフラップ部SF,SFの内面までの範囲に固着されている。
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した***物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、***物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した***物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
トップシート30を透過した***物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、***物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した***物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(立体ギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
この立体ギャザー60は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向に沿って伸長状態で固定された糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材からなる立体ギャザー弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、立体ギャザー弾性伸縮部材63は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材からなる平面ギャザー弾性伸縮部材64がそれぞれ設けられている。
脚周りにおいては、立体ギャザー60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力により立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する立体ギャザー60、60を設けるのは好ましい。
この立体ギャザー60は、実質的に幅方向に連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向に沿って伸長状態で固定された糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材からなる立体ギャザー弾性伸縮部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、立体ギャザー弾性伸縮部材63は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固着始端を有し、この固着始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部にホットメルト接着剤などにより固着されている。この固着部分のうち固着始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材からなる平面ギャザー弾性伸縮部材64がそれぞれ設けられている。
脚周りにおいては、立体ギャザー60の固着始端より幅方向内側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力が作用するので、立体ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力により立体ギャザー60が起立して脚周りに密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
図示形態と異なり、ギャザーシート62の幅方向内側の部分における前後方向両端部を、幅方向外側の部分から幅方向内側に延在する基端側部分とこの基端側部分の幅方向中央側の端縁から身体側に折り返され幅方向外側に延在する先端側部分とを有する二つ折り状態で固定し、その間の部分を非固定の自由部分とすることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1.0〜16.0dtex、好ましくは1.0〜10.0dtex、さらに好ましくは1.0〜5.0dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1.0〜16.0dtex、好ましくは1.0〜10.0dtex、さらに好ましくは1.0〜5.0dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(ファスニングテープ)
図1、図2及び図7に示されるように、ファスニングテープ13,14は、内側テープ13と、この内側テープ13の外側に位置する外側テープ14とからなる二重構造とされている。内側テープ13は、背側のサイドフラップ部SFに固定された内側テープ取付部13Cと、この内側テープ取付部13Cから突出する内側テープ本体部13Bとを有している。また、外側テープ14は、内側テープ取付部13Cと一部又は全部が重なる外側テープ取付部14Cと、この外側テープ取付部14Cから突出するとともに内側テープ本体部13Bと一部又は全部が重なる外側テープ本体部14Bとを有している。
図1、図2及び図7に示されるように、ファスニングテープ13,14は、内側テープ13と、この内側テープ13の外側に位置する外側テープ14とからなる二重構造とされている。内側テープ13は、背側のサイドフラップ部SFに固定された内側テープ取付部13Cと、この内側テープ取付部13Cから突出する内側テープ本体部13Bとを有している。また、外側テープ14は、内側テープ取付部13Cと一部又は全部が重なる外側テープ取付部14Cと、この外側テープ取付部14Cから突出するとともに内側テープ本体部13Bと一部又は全部が重なる外側テープ本体部14Bとを有している。
そして、内側テープ13における内側テープ取付部13C及び内側テープ本体部13Bの素材、並びに外側テープ14における外側テープ取付部14C及び外側テープ本体部14Bの素材は、幅方向の引張強さが10〜150N/50mmかつ剛軟度が20〜150mm/20mmの柔軟な不織布でそれぞれ形成される。また、このような引張強さ及び剛軟度の不織布は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるシート基材から適宜選択すれば良いが、それぞれ繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2のスパンボンド不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布、又はスパンレース不織布であるとより好ましい。このように、ファスニングテープ13,14を内側テープ13及び外側テープ14の二重構造とするとともに、内側テープ13及び外側テープ14の個々の素材として柔軟な素材を用いたことにより、ファスニングテープ13,14全体が柔軟なものでありながら、内側テープ13及び外側テープ14の両方を摘まんで引っ張ったときに、内側テープ13及び外側テープ14の両者に力が分散し、ファスニングテープ13,14全体としての強度の低下を抑制することができ、千切れを効果的に防止することができる。
内側テープ13における内側テープ取付部13C及び内側テープ本体部13Bの部分、並びに外側テープ14における外側テープ取付部14C及び外側テープ本体部14Bの部分は、図7(a)及び図8(a)(b)に示すように別体の不織布を貼り合わせて形成することもできるが、図7(b)に示すように一枚の不織布を2つ折りし、折り目を挟んで一方を内側テープ13とし、他方を外側テープ14とするのも好ましい形態である。この場合、内側テープ13及び外側テープ14の伸び特性が同じとなり、常に内側テープ13及び外側テープ14にバランス良く力を分散することができるようになる。これに対して、伸び特性が異なると、ファスニングテープ13,14を強く引っ張ったときに、先ず破断伸びの小さな方に力が集中して(この時破断伸びの大きな方は未だ伸びることが可能なため、殆ど力が加わらない)破断した後、今度は破断伸びの大きな方に力が集中して破断することになる。また、柔軟性や強度も同じになるため、手で触った時の違和感も少ない。
内側テープ本体部13Bと外側テープ本体部14Bとは、図8(c)に示すように全体が非接合であっても良いが、図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示すように接着により貼り合わせると、見栄えが良くなるとともに摘む等の取り扱いが容易になる。ただし、内側テープ本体部13Bと外側テープ本体部14Bとの貼り合わせに接着剤を用いると接着部分において素材の柔軟性は損なわれてしまう。よって、全体を接着剤により貼り合わせるのではなく、図12(a)に示すように、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部(ファスニングテープの肌触りに対する影響が大きい)は非接着部分とし、柔軟性を損ねないようにし、それらの相抱の部分を接着部分14Mとするのは一つの好ましい形態である。
内側テープ13及び外側テープ14の寸法及び形状は適宜定めることができ、少なくとも一方を異ならしめることもできるが、図示例のように全く同じにし、食み出すことなく重なるように構成すると、見栄え及び肌触りが良いため好ましい。
腹側外面に対して係止される係止部13Aは、図8(c)に示すように内側テープ本体部13Bの内面に設けられていても良いが、係止部13Aがメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(オス材)である場合には、図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示すように、外側テープ本体部14Bの内面における内側テープ本体部13Bと重なる部分に係止部13Aを設けるとともに、内側テープ本体部13Bにおける係止部13Aと重なる部分に露出孔13Hを形成し、係止部13Aのうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部(図示例では周縁部全体14V)を内側テープ本体部13Bの露出孔13Hの縁部13Vにより被覆するとともに、この被覆部分14Vの間を露出孔13Hから露出し、腹側外面に対する係止機能を発揮するように構成すると、係止部13Aとしてのフック材の角や縁の当たりを防止することができる。しかも、本発明の場合、被覆部分を構成する内側テープ本体部13Bは柔軟な素材であるため、係止部13Aとしてのフック材を露出させるための露出孔13Hの縁も柔軟となり、係止部13Aとしてのフック材と内側テープ本体部13Bとの一体感も高いものとなる。この形態では、露出孔13Hの縁部13Vと係止部13Aの被覆部分14Vとを接着剤を用いて接着しても良いが、係止部13Aの係止機能を利用して係止するに留める方が好ましい。
係止部13Aとしては、メカニカルファスナーのフック材が好適である。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。ファスニングテープ13,14の係止部13Aは粘着材層により形成することもできる。また、係止部13Aは図12(a)に示すように、ファスニングテープ13,14の上下縁(ウエスト側及び股間側の端)まで延在させず、ファスニングテープ13,14の上下縁部に不職布のみの部分を形成する他、図12(b)に示すように、ファスニングテープ13,14の上下縁まで延在させる一般的な形態を採用することができるが、係止部13Aとしてフック材を使用する場合は、前者の方がファスニングテープ13,14の上下縁部が柔軟となるため好ましい。
乳幼児用おむつDPにおいては、内側テープ取付部13C及び外側テープ取付部14Cの寸法のうち、おむつDPの幅方向の長さは10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さは、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、内側テープ本体部13B及び外側テープ本体部14Bの寸法のうち、おむつDPの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ13,14の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ13,14の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。
また、内側テープ取付部13C及び外側テープ取付部14Cが重なる部分は、ファスニングテープ13,14以外のシートが三層以上設けられており、これらと内側テープ取付部13C及び外側テープ取付部14Cが重なり且つ相互に接着された五層以上の積層接着部分15が構成されていると好ましく、さらにこの積層接着部分15において、内側テープ取付部13C及び外側テープ取付部14Cの間に、ファスニングテープ13,14以外のシートが一層以上挟まれているとより好ましい。
液不透過性シート11の側縁とファスニングテープ13,14の基端とが離間していると、この離間部分が低強度となるため、ファスニングテープ13,14の基端に沿う破断が発生し易くなるが、背側の両側部にこのような構造の積層接着部分15を有する場合、液不透過性シート11の側縁とファスニングテープ13,14の基端とが離間しないため、そのようなファスニングテープ13,14の基端に沿う破断も効果的に防止される。また、内側テープ取付部13C及び外側テープ取付部14Cの間にファスニングテープ13,14以外のシートが一層以上挟まれていると、内側テープ取付部13C及び外側テープ取付部14Cの接着面積が増加するため、ファスニングテープ13,14の外れにくさがより一層のものとなる。
この積層接着部分15の積層形態は適宜定めることができ、図2及び図5に示すように背側伸縮シート70(後述する)を有する場合、図7及び図8(b)(c)に示すように下から順に外装シート12、外側テープ取付部14C、内側テープ取付部13C、背側伸縮シート70及びギャザーシート62を積層する他、図8(a)に示すように下から順に外装シート12、外側テープ取付部14C、背側伸縮シート70、内側テープ取付部13C及びギャザーシート62を積層することができる。
一方、図9及び図10に示すように背側伸縮シート70(後述する)を有しない形態では、図11(a)に示すように下から順に外装シート12、液不透過性シート11、外側テープ取付部14C、内側テープ取付部13C及びギャザーシート62を積層する他、図11(b)に示すように下から順に外装シート12、外側テープ取付部14C、液不透過性シート11、内側テープ取付部13C及びギャザーシート62を積層することができる。
おむつDPの装着に際しては、背側のサイドフラップ部SFを腹側のサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープ13,14の内側テープ13内面の係止部13Aを腹側F外面の適所に係止する。ファスニングテープ13,14の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつDPにおいては、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
ファスニングテープ13,14は、背側のエンドフラップ部EFと吸収要素の境界線上にファスニングテープ13,14の内側テープ取付部13Cが重なるように取り付けられていると、おむつDP装着時に左右のファスニングテープ13,14の内側テープ取付部13C間に働く張力により、吸収要素の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ13,14の内側テープ取付部13Cが、おむつDPの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつDP装着時に左右のファスニングテープ13,14の内側テープ取付部13C間に働く張力がおむつDPの背側端部にまで及ばないため、おむつDPの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側のエンドフラップ部の前後方向長さは、ファスニングテープ13,14の内側テープ取付部13Cの前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
他方、ギャザーシート62が、繊度1.2〜3.5dtex、目付け8〜35g/m2のエアスルー不織布、スパンボンド不織布、又はスパンレース不織布であり、外装シート12が、繊度1.2〜3.5dtex、目付け8〜35g/m2のスパンボンド不織布、又はスパンボンド不織布層間にメルトブローン不織布層を挟んだ積層不織布であると、サイドフラップ部SF,SFが柔軟な風合いとなるため好ましいが、ギャザーシート62及び外装シート12がこのような柔軟な不織布である場合、具体的にはギャザーシート62の幅方向破断伸びが40〜100%程度、幅方向引張強さが5〜15N/50mm、幅方向引裂強さが2〜5Nであり、外装シート12の幅方向破断伸びが40〜100%程度、幅方向引張強さが3〜8N/50mm、幅方向引裂強さが2〜5Nである場合、ファスニングテープ13,14の基端に沿う破断が発生し易い。よって、このような素材を用いる場合、前述の積層接着部分15の積層構造が特に有効である。
(ターゲットシート)
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
背側エンドフラップBEの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
背側エンドフラップBEの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ13,14間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13,14の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13,14の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸長した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62の上に設けても良い。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
図9及び図10に示すように、上述の背側伸縮シート70は省略することもできる。
図示形態では、両ファスニングテープ13,14間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13,14の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13,14の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸長した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62の上に設けても良い。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
図9及び図10に示すように、上述の背側伸縮シート70は省略することもできる。
<吸収性物品の製造方法の例>
図13は、図7に示される構造の使い捨ておむつの製造方法例を示しており、図中の黒塗り矢印はホットメルト接着剤の塗布を示している。この製造方法の製造ラインは、吸収要素製造パート100、表側製造パート110、裏側製造パート130、及び組立・仕上げパート140から構成されている。以下、各パートについて順に説明する。
図13は、図7に示される構造の使い捨ておむつの製造方法例を示しており、図中の黒塗り矢印はホットメルト接着剤の塗布を示している。この製造方法の製造ラインは、吸収要素製造パート100、表側製造パート110、裏側製造パート130、及び組立・仕上げパート140から構成されている。以下、各パートについて順に説明する。
吸収要素製造パート100では、図示しない原反ロールから帯状の包装シート58を繰り出して長手方向に沿って移送し、次にこの包装シート58上の幅方向中間部に吸収体56を流れ方向に間欠的に載せていく。図示形態は、ロールパルプ56Fをガーネットシリンダー101で解砕して高吸収性ポリマー粒子56Pと混合した後、積繊ドラム102で所定形状に積繊して得られる吸収体56を包装シート58上に供給するように構成している。包装シート58上に載置した吸収体56は包装シート58ともに一対のプレスロール103間で挟んで押し固めた後、包装シート58における吸収体56の幅方向(CD方向)両側に食み出す部分を包装シートセーラー104により吸収体56の上側に折り畳み、吸収体56を包装シート58で包み込み、包装シート圧着ローラ105で圧着する。この包装シート58で包み込まれた吸収体56は、次に吸収要素カッター装置106により吸収体56間の位置でライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の吸収要素50(吸収体56を包装シート58で包装したもの)を形成し、この吸収要素50を組立・仕上げパート140に供給する。
一方、表側製造パート110では、吸収要素50よりも表側の要素が組み立てられ、組立・仕上げパート140に供給される。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状のシート基材を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、スリッター111により左右各一本のギャザーシート62に分割した後、各ギャザーシート62に対して立体ギャザー弾性伸縮部材63を繰り出して伸長状態で貼り付けるとともに、立体ギャザーセーラー112により立体ギャザー弾性伸縮部材63を挟むようにギャザーシート62を折り返して立体ギャザー60を形成し、これらをテープ貼り付け装置115に供給する。
また、図示しない原反ロールから帯状の不織布16を繰り出して、その長手方向がMD方向に沿うように移送しつつ、テープセーラー120によりCD方向中央を挟んで一方の部分を他方の部分上に折り畳むとともに、おむつ内面となる面に露出するように係止部13Aとしてのフック材を設ける。より詳細には、図7(b)に示されるフローでは、図14(a)に示すように折り畳みに先立って、外側テープ14となる他方の部分14におけるフック材取付位置にフック材13Aを間欠的に取り付け、必要に応じてフック材13Aの幅方向(CD方向)両端部をテープエンボスロール113により圧着するとともに、露出孔カッター119により内側テープ13となる一方の部分におけるフック材取付位置と対応する位置に露出孔13Hを間欠的に打ち抜いた後、折り畳みにより、他方の部分14上のフック材13Aのうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部(図示例では周縁部全体)を一方の部分13の露出孔13Hの縁部により被覆し、これら被覆部分の間を対応する露出孔13Hから露出させるようにする。しかる後に、これを更に移送しつつテープラウンドカッター114により波状の切断線114L(図14参照)でCD方向に二分割し、左右各一本のファスニングテープ13,14の連続帯(内側テープ13が縦方向に連なった状態のもの)を形成し、これらをテープ貼り付け装置115に供給する。したがって、製造される使い捨ておむつでは、左右いずれか一方が図7(a)に示される構造となり、他方が図7(b)に示される構造となる。
テープ貼付け装置115では、ファスニングテープ13,14の連続帯をカッターユニット116により個別のファスニングテープ13,14に切断(切断線115Lを図14に仮想線により示した)するとともに、そのファスニングテープ13,14を別途供給される立体ギャザーに貼り付け、次にテープ折りベルト117によりファスニングテープ13,14の内面を立体ギャザーの基部上に折り返し、その折り返し部分をフック材により立体ギャザーに貼り付けた後、必要に応じてピンエンボス加工118を行い、フック材とファスニングテープ13,14との接合を補強する。
次いで、ファスニングテープ13,14が取り付けられた立体ギャザーは、トップシート30及び中間シート40の積層体に貼り付けられる。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状の中間シート40を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、穿孔ロール121により多数の開口を形成する一方で、図示しない原反ロールから帯状のトップシート30を繰り出し、中間シート張り合わせロール122により、穿孔後の中間シート40をトップシート30に張り合わせてトップシート30及び中間シート40の積層体を形成した後、この積層体のトップシート30の表面に、ファスニングテープ13,14が取り付けられた立体ギャザー60を貼り付ける。図示形態では、更にこの後、立体ギャザー60の裏面に、平面ギャザー弾性伸縮部材64を繰り出して伸長状態で貼り付けてから、これらを表側の要素として組立・仕上げパート140に供給する構成となっている。
他方、裏側製造パート130では、吸収要素50よりも裏側の要素が組み立てられ、組立・仕上げパート140に供給される。より詳細には、図示しない原反ロールから帯状の外装シート12を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、この外装シート12に対して、先ずターゲットシート12Tを貼り付け、次に液不透過性シート11を貼り付けた後、これらを裏側の要素として組立・仕上げパート140に供給する構成となっている。特に図示形態では、ターゲットシート12T連続帯をターゲットシートカッターユニット131により個別のターゲットシート12Tに切断するとともに、そのターゲットシート12Tをターゲットシート貼り付けロール132により外装シート12の外面に貼り付けた後、帯状の液不透過性シート11を液不透過性シートカッターユニット133により個別の液不透過性シート11に切断するとともに、その液不透過性シート11を液不透過性シート貼り付けロール134により外装シート12の内面に貼り付ける構成となっている。
さらに、この外装シート系統とは別に、図示しない原反ロールから帯状のシート基材71を繰り出して長手方向に沿って移送しつつ、このシート基材71に対して背側弾性伸縮部材72を繰り出して伸長状態で貼り付けるとともに、背側伸縮シートセーラー135により背側弾性伸縮部材72を挟むようにシート基材72を折り返して背側伸縮シートを形成し、この背側伸縮シートにおける背側弾性伸縮部材72の一部を必要に応じて弾性伸縮部材カッター136により細かく切断して、収縮力が作用しないようにした後、背側伸縮シートカッター装置137によりライン流れ方向に間欠的に切断し、個別の背側伸縮シート70を形成し、この吸収要素をターナー138により90度回転させて組立・仕上げパート140に供給する。
そして、組立・仕上げパート140では、組立ドラム141により、裏側製造パートから順次供給される裏側の要素の内面上に、同じく順次供給される背側伸縮シート70を貼り付け、その上に吸収要素製造パートから順次供給される吸収要素50を貼り付け。更にその上に上側製造パートから供給される表側の要素(トップシート、中間シート、立体ギャザー、ファスニングテープ、及び平面ギャザー弾性伸縮部材の半製品)を貼り付けた後、脚周りダイカッター142によりCD方向両側縁を流れ方向に間欠的に脚周りに沿う曲線状に切断し、次いでサイドフラップ部セーラー143によりCD方向両側部を内面側に折り畳んでから、製品カッター装置144によりライン流れ方向に間欠的に切断し、個別のおむつDPを形成する。図示しないが、個別化されたおむつDPは前後方向中央を折り目として表面同士が合わさるように二つ折りした後、所定数積層し、包装袋に入れて包装する。
上記製造フローは、図7に示される構造の使い捨ておむつDPの製造方法例であるが、表側製造パート110においてファスニングテープ13,14を形成するにあたり、内側テープ13を形成するための不織布と、外側テープ14を形成するための不職布とを別々に用意し、これを貼り合わせるようにすることで、左右のファスニングテープ13,14がともに図7(a)に示される構造の使い捨ておむつを製造することができる。また、図13の製造フローにおける背側伸縮シート70製造パート139を省略することにより、図11(a)に示される構造の使い捨ておむつを製造することができる。さらに、図14(b)に示すように、フック材13Aを連続供給することにより、図12(b)に示される構造の使い捨ておむつを製造することができる。
<用語の説明>
用語「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分と背側部分を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に幅方向と直交する方向を意味する。
また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
さらに、用語「引張強さ」とは、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」のJIS法(A法)に準じて測定される切断時の強さを意味する。ただし、試験片の幅は50mm、つかみ間隔は150mm、引張速度は300mm/minとする。
また、「引裂強さ」は、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」のA1法(シングルタング法)に準じて測定される値を意味する。ただし、試験片の幅×長さは60mm×70mm、切れ目の長さは30mm、引張速度は100mm/minとする。
さらに、用語「剛軟度」とは、JIS−L−1096(45度カンチレバー法)に準じて測定される剛軟度を意味する。
用語「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分と背側部分を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に幅方向と直交する方向を意味する。
また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
さらに、用語「引張強さ」とは、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」のJIS法(A法)に準じて測定される切断時の強さを意味する。ただし、試験片の幅は50mm、つかみ間隔は150mm、引張速度は300mm/minとする。
また、「引裂強さ」は、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」のA1法(シングルタング法)に準じて測定される値を意味する。ただし、試験片の幅×長さは60mm×70mm、切れ目の長さは30mm、引張速度は100mm/minとする。
さらに、用語「剛軟度」とは、JIS−L−1096(45度カンチレバー法)に準じて測定される剛軟度を意味する。
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに利用可能なものである。
11…液不透過性シート、12…外装シート、13,14…ファスニングテープ、13…内側テープ、13A…係止部、13B…内側テープ本体部、13C…内側テープ取付部、13H…露出孔、14…外側テープ、14B…外側テープ本体部、14C…外側テープ取付部、14V…被覆部分、15…積層接着部分、30…トップシート、40…中間シート、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、63…立体ギャザー弾性伸縮部材、64…平面ギャザー弾性伸縮部材、70…背側伸縮シート、12T…ターゲットシート、100…吸収要素製造パート、101…ガーネットシリンダー、102…積繊ドラム、103…プレスロール、104…包装シートセーラー、105…包装シート圧着ローラ、106…吸収要素カッター装置、113…テープエンボスロール、114…テープラウンドカッター、115…テープ貼り付け装置、116…テープカッターユニット、117…テープ折りベルト、118…ピンエンボスロール、119…露出孔カッター、120…テープセーラー、122…中間シート張り合わせロール、130…裏側製造パート、131…ターゲットシートカッターユニット、132…ターゲットシート貼り付けロール、133…液不透過性シートカッターユニット、134…液不透過性シート貼り付けロール、135…背側伸縮シートセーラー、136…弾性伸縮部材カッター、137…背側伸縮シートカッター装置、138…ターナー、142…脚周りダイカッター、143…サイドフラップ部セーラー、144…製品カッター装置、DP…おむつ、SF…サイドフラップ部。
Claims (4)
- 背側の両側部に設けられたファスニングテープが腹側外面に係止されることで装着されるように構成された、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ファスニングテープは、内側テープと、この内側テープの外側に位置する外側テープとを有しており、
前記内側テープは、前記背側の両側部に固定された内側テープ取付部と、この内側テープ取付部から突出する内側テープ本体部とを有しており、
前記外側テープは、前記内側テープ取付部と一部又は全部が重なる外側テープ取付部と、この外側テープ取付部から突出するとともに内側テープ本体部と一部又は全部が重なる外側テープ本体部とを有しており、
前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、幅方向の引張強さが10〜150N/50mmかつ剛軟度が20〜150mm/20mmの不織布でそれぞれ形成されている、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記内側テープにおける内側テープ取付部及び内側テープ本体部、並びに前記外側テープにおける外側テープ取付部及び外側テープ本体部は、それぞれ繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2のスパンボンド不織布、SMS不織布、ポイントボンド不織布、又はスパンレース不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記外側テープ本体部の内面における前記内側テープ本体部と重なる部分に、腹側外面に対して係止されるフック材が設けられるとともに、前記内側テープ本体部における前記フック材と重なる部分に露出孔が形成されており、
前記フック材のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部が前記内側テープ本体部により被覆された被覆部分とされるとともに、これら被覆部分の間が前記露出孔から露出する露出部分とされている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記内側テープ本体部と前記外側テープ本体部とは食み出すことなく重なっており、かつこの重なり部分のうち、少なくともウエスト側の縁部及び脚周り側の縁部は、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着されていない非接着部分とされるとともに、これら非接着部分の間に、前記内側テープ本体部及び前記外側テープ本体部が接着された接着部分を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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