JP2013069761A - 光電変換装置、および光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板から下部電極層が剥離し難い光電変換装置を提供する。
【解決手段】基板と、該基板上に配されている導電層および該導電層上に配されている光電変換層を有する複数の光電変換セルとを備えている光電変換装置が採用される。該光電変換装置では、複数の光電変換セルは、各列で一方向に電気的に直列に接続されているとともに互いに並んで配置された複数のセル列を構成しており、該複数のセル列のうち隣り合う一方のセル列と他方のセル列との間に両者を電気的に分離する分離領域が配されており、該分離領域に基板と導電層との境界部を覆う被覆部が配されている。
【選択図】図1
【解決手段】基板と、該基板上に配されている導電層および該導電層上に配されている光電変換層を有する複数の光電変換セルとを備えている光電変換装置が採用される。該光電変換装置では、複数の光電変換セルは、各列で一方向に電気的に直列に接続されているとともに互いに並んで配置された複数のセル列を構成しており、該複数のセル列のうち隣り合う一方のセル列と他方のセル列との間に両者を電気的に分離する分離領域が配されており、該分離領域に基板と導電層との境界部を覆う被覆部が配されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光電変換装置および該光電変換装置の製造方法に関する。
化合物半導体などから成る光吸収層を具備した光電変換装置がある。この光電変換装置では、例えば、ガラス製の基板上に、複数の光電変換セルが平面的に配列されている。
ここで、各光電変換セルでは、例えば、ガラス製の基板上に、Moから成る下部電極層が配され、この下部電極層の上に化合物半導体から成る光吸収層が配されている。さらに、その光吸収層の上には、硫化亜鉛または硫化カドミウムなどから成るバッファ層と、酸化亜鉛などから成る透明の上部電極層とがこの順に積層されている。
また、光電変換装置における出力電圧を増大させるために、複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの上部電極層と他方の光電変換セルの下部電極層とが接続導体によって接続されることで、電気的に直列に接続されている。
そして、このような光電変換装置について、複数の光電変換セルが一方向に直列に接続されることでセル列が形成され、さらに一方向と直交する他方向において複数のセル列が等間隔で配列されている光電変換装置が提案されている(例えば、特許文献1など)。この光電変換装置では、隣り合うセル列の間に、セル列どうしを電気的に分離するための一方向に沿った溝部(セル列間溝部とも言う)が配されている。そして、このセル列間溝部は、例えば、レーザー光によるスクライブによって形成され得る。
ところで、セル列間溝部の形成時におけるレーザー光の出力の調節は容易でない。例えば、レーザー光の出力が過度に小さければ、セル列間溝部に下部電極層の一部が残存して、隣り合うセル列の間で短絡が生じ易い。一方、レーザー光の出力が過度に大きければ、基板も加工され、基板と下部電極層との界面近傍に不要な突起(バリとも言う)が生じ易い。
基板と下部電極層との界面近傍にバリが存在していれば、セル列間溝部の形成後における各種加工が行われる際に、基板と下部電極層との界面近傍に不要な応力が掛かり易く、基板から下部電極層が剥離し易い。例えば、セル列間溝部に封止用の樹脂が充填される際に、バリに不要な応力が掛かり易い。また、セル列間溝部の形成後における各種加工が行われる際には、下部電極層のうちの基板から剥離した部分(剥離部とも言う)および該剥離部の近傍の部分の上に配されている光吸収層に不具合が生じ得る。その結果、光電変換セルの発電性能が低下し得る。
また、下部電極層の剥離部を起点とした光電変換セルの劣化が生じ易く、光電変換装置の耐久性および信頼性が低下し得る。
そこで、基板から下部電極層が剥離し難い光電変換装置およびその製造方法が望まれている。
上記課題を解決するために、一態様に係る光電変換装置は、基板と、該基板上に配されている導電層および該導電層上に配されている光電変換層を有する複数の光電変換セルとを備えている。そして、該光電変換装置において、前記複数の光電変換セルは、各列で一方向に電気的に直列に接続されているとともに互いに並んで配置された複数のセル列を構成している。さらに、該光電変換装置において、前記複数のセル列のうち隣り合う一方のセル列と他方のセル列との間に両者を電気的に分離する分離領域が配されており、該分離領域に前記基板と前記導電層との境界部を覆う被覆部が配されている。
他の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、基板上に導電層を形成する工程と、前記導電層を一方向に分離する第1分離領域と、該第1分離領域と交差し且つ前記導電層を前記一方向とは異なる他方向に分離する第2分離領域とを形成する工程と、前記導電層の上ならびに前記第1および第2分離領域内に半導体層を形成する工程とを有している。そして、該光電変換装置の製造方法は、前記半導体層のうちの前記第2分離領域内に配されている部分を除去することで、前記一方向に電気的に直列に接続されている複数の光電変換セルをそれぞれ含み、且つ平面視したときに、前記第2分離領域を介して並んでいる複数のセル列を形成し、前記第2分離領域において前記半導体層の一部を残存させて前記基板と前記導電層との境界部を覆う被覆部を形成する工程を有している。
その他の一態様に係る光電変換装置の製造方法は、基板上に導電層を形成する工程と、前記導電層を一方向に分離する第1分離領域と、該第1分離領域と交差し且つ前記導電層を前記一方向とは異なる他方向に分離する第2分離領域とを形成する工程と、前記第2分離領域において、前記基板と前記導電層との境界部を覆う被覆部を形成する工程と、前記導電層上ならびに前記第1分離領域内に半導体層を形成する工程とを有している。そして、該光電変換装置の製造方法は、前記半導体層を前記第2分離領域に沿って除去することで、前記一方向に電気的に直列に接続されている複数の光電変換セルをそれぞれ含み、且つ平面視したときに、前記第2分離領域を介して並んでいる複数のセル列を形成する工程を有している。
上記一態様に係る光電変換装置によれば、基板から下部電極層が剥離し難い。
他の一態様に係る光電変換装置の製造方法、ならびにその他の一態様に係る光電変換装置の製造方法の何れによっても、基板から下部電極層が剥離し難い光電変換装置が製造され得る。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係などは正確に図示されたものではない。なお、図1から図4、図6から図17、図19および図20には、各セル列10gにおける光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
<(1)光電変換装置の構成>
<(1−1)光電変換装置の概略構成>
図1、図2および図3で示されるように、光電変換装置100は、基板1と、該基板1の上に平面的に並べられた複数の光電変換セル10とを備えている。複数の光電変換セル10は、一方向としてのX軸方向ならびに他方向としてのY軸方向に沿って行列状に配列されている。つまり、複数の光電変換セル10は、2列以上の光電変換セル10の列(セル列とも言う)10gを構成している。また、各セル列10gでは、2以上の光電変換セル10が、一方向としてのX軸方向に直線状に並べられているとともに、該2以上の光電変換セル10が、電気的に直列に接続されている。そして、複数のセル列10gが他方向としてのY軸方向に相互に隣り合うように並べられている。
<(1−1)光電変換装置の概略構成>
図1、図2および図3で示されるように、光電変換装置100は、基板1と、該基板1の上に平面的に並べられた複数の光電変換セル10とを備えている。複数の光電変換セル10は、一方向としてのX軸方向ならびに他方向としてのY軸方向に沿って行列状に配列されている。つまり、複数の光電変換セル10は、2列以上の光電変換セル10の列(セル列とも言う)10gを構成している。また、各セル列10gでは、2以上の光電変換セル10が、一方向としてのX軸方向に直線状に並べられているとともに、該2以上の光電変換セル10が、電気的に直列に接続されている。そして、複数のセル列10gが他方向としてのY軸方向に相互に隣り合うように並べられている。
また、複数のセル列10gのうちの隣り合う一方のセル列10gと他方のセル列10gとの間には、該一方のセル列10gと該他方のセル列10gとを電気的に分離する領域(分離領域とも言う)としての溝部P4が配されている。換言すれば、複数のセル列10gのうちの隣り合う一方のセル列10gと他方のセル列10gとが、溝部P4を介して離間している。具体的には、溝部P4は、隣り合う一方のセル列10gと他方のセル列10gとの間においてX軸方向に延在している。溝部P4の幅は、例えば、40μm以上で且つ1000μm以下程度であれば良い。
さらに、各セル列10gでは、2以上の光電変換セル10のうちの隣り合う一方の光電変換セル10と他方の光電変換セル10との間に、該一方の光電変換セル10と該他方の光電変換セル10とを分離する領域としての溝部P3が配されている。換言すれば、該一方の光電変換セル10と該他方の光電変換セル10とが、溝部P3を介して離間している。具体的には、溝部P3は、隣り合う一方の光電変換セル10と他方の光電変換セル10との間においてY軸方向に延在している。そして、溝部P3は、光電変換セル10の+Z側の主面(上面とも言う)から下部電極層2の上面に至るまで配されている。溝部P3の幅は、例えば、40μm以上で且つ1000μm以下程度であれば良い。
なお、各溝部P3,P4には、光電変換装置100がモジュール化される際に、例えば、樹脂などの絶縁材料が入り込む。
図1、図2および図3では、図示の都合上、3列のセル列10gならびに各セル列10gに3つの光電変換セル10が配されている一構成例が示されている。但し、光電変換セル10の配列数については、これに限られるものではない。例えば、光電変換装置100には、2列以上のセル列10gが配されており、各セル列10gに2以上の光電変換セル10が配されていれば良い。また、例えば、2以上のセル列10gは、電気的に直列に接続されても良いし、並列に接続されても良い。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものである。基板1に含まれる主な材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属などが採用され得る。本実施形態では、基板1が青板ガラス(ソーダライムガラス)である例が示されている。また、基板1の厚さは、1mm以上で且つ3mm以下程度であれば良い。さらに、例えば、基板1の形状は平板状であれば良く、基板1の+Z側の主面(上面とも言う)は略平坦であれば良い。なお、例えば、金属製の基板上に絶縁性の被膜が被覆されたものが、基板1として採用されても良い。
<(1−2)光電変換セルの構成>
各光電変換セル10は、導電層としての下部電極層2、光電変換層3、上部電極層4および線状導電部5を備えている。また、各光電変換セル10には、溝部P2が配されている。そして、本実施形態に係る光電変換装置100では、上部電極層4が配されている側の主面が受光面となっている。
各光電変換セル10は、導電層としての下部電極層2、光電変換層3、上部電極層4および線状導電部5を備えている。また、各光電変換セル10には、溝部P2が配されている。そして、本実施形態に係る光電変換装置100では、上部電極層4が配されている側の主面が受光面となっている。
下部電極層2は、基板1の上面上に配されている導電層である。下部電極層2に含まれる主な材料としては、例えば、モリブデン、アルミニウム、チタン、タンタルおよび金などの導電性を有する各種金属などが採用され得る。また、下部電極層2の厚さは、例えば、0.2μm以上で且つ1μm以下程度であれば良い。下部電極層2は、例えば、スパッタリング法または蒸着法などによって形成され得る。
また、下部電極層2には、溝部P1,P4が配されている。溝部P1は、Y軸方向に直線状に延在している。図1では、溝部P1の外縁が破線で示されている。下部電極層2に1以上の溝部P1が配されていることで、下部電極層2が、X軸方向に複数の下部電極層2に分離されている。溝部P1の幅は、例えば、50μm以上で且つ400μm以下程度であれば良い。また、溝部P4は、X軸方向に直線状に延在している。下部電極層2に1以上の溝部P4が配されていることで、下部電極層2が、Y軸方向に複数の領域に分離されている。つまり、下部電極層2に1以上の溝部P1と1以上の溝部P4とが配されていることで、下部電極層2が行列状に複数の下部電極層2に分離されている。図1、図2および図3には、X軸方向ならびにY軸方向においてそれぞれ3つに分離された下部電極層2が示されている。
ところで、光電変換装置100では、溝部P4において、基板1と下部電極層2との境界の部分(境界部とも言う)2bを覆う被覆部20が配されている。このような構成により、基板1から下部電極層2が剥離し難い。その結果、基板1からの下部電極層2の剥離部を起点とした光電変換セル10の劣化が生じ難く、光電変換装置100の耐久性および信頼性が向上し得る。
光電変換層3は、下部電極層2上に配されている。該光電変換層3は、光吸収層31とバッファ層32とを備えている。光吸収層31およびバッファ層32は、この順に下部電極層2上に積層されている。
光吸収層31は、下部電極層2の+Z側の主面(上面とも言う)上に配されている。ここで、下部電極層2に配されている各溝部P1には、直上に配されている光吸収層31の延在部分が埋入している。これにより、各セル列10gでは、溝部P1を介して隣り合う一方の下部電極層2と他方の下部電極層2とが電気的に分離されている。
また、光吸収層31は、第1導電型を有する半導体を主に含んでおり、光を吸収して電荷を生じる。ここで、第1導電型を有する半導体としては、例えば、カルコパイライト系の化合物半導体であるI−III−VI族化合物半導体などが採用され得る。なお、第1導電型は、例えば、p型の導電型であれば良い。
I−III−VI族化合物半導体とは、I−III−VI族化合物を主に含む半導体である。なお、I−III−VI族化合物を主に含む半導体とは、半導体がI−III−VI族化合物を70mol%以上含むことを言う。以下の記載においても、「主に含む」は「70mol%以上含む」ことを意味する。I−III−VI族化合物は、I−B族元素(11族元素とも言う)とIII−B族元素(13族元素とも言う)とVI−B族元素(16族元素とも言う)とを主に含む化合物である。
I−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)Se2(CIGSとも言う)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(CIGSSとも言う)、およびCuInSe2(CISとも言う)などが採用され得る。なお、Cu(In,Ga)Se2は、CuとInとGaとSeとを主に含む化合物である。また、Cu(In,Ga)(Se,S)2は、CuとInとGaとSeとSとを主に含む化合物である。本実施形態では、光吸収層31が、CIGSを主に含む。
なお、光吸収層31がI−III−VI族化合物半導体を主に含んでいれば、光吸収層31の厚さが10μm以下であっても、光吸収層31による光電変換の効率が高めら得る。このため、光吸収層31の厚さは、例えば、1μm以上で且つ3μm以下程度であれば良い。
光吸収層31は、スパッタリング法または蒸着法などといった真空プロセスによって形成され得る。また、光吸収層31は、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによっても形成され得る。塗布法あるいは印刷法では、例えば、光吸収層31に主に含まれる金属元素を含む溶液が下部電極層2の上面上に塗布され、その後、乾燥および熱処理が行われる。該塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスが用いられることで、光電変換装置100の製造に要するコストが低減され得る。
バッファ層32は、光吸収層31の+Z側の主面(上面とも言う)上に配されており、光吸収層31の第1導電型とは異なる第2導電型を有する半導体を主に含む。ここで、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体である。そして、第2導電型は、例えば、n型の導電型であれば良い。なお、光吸収層31の導電型がn型であり、バッファ層32の導電型がp型であっても良い。ここでは、光吸収層31とバッファ層32との間にヘテロ接合領域が形成されている。このため、光電変換セル10では、ヘテロ接合領域を形成する光吸収層31とバッファ層32とにおいて光電変換が生じ得る。
バッファ層32は、化合物半導体を主に含む。バッファ層32に含まれる化合物半導体としては、例えば、CdS、In2S3、ZnS、ZnO、In2Se3、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)および(Zn,Mg)Oなどが採用され得る。そして、バッファ層32が1Ω・cm以上の抵抗率を有していれば、リーク電流の発生が抑制され得る。
バッファ層32は、例えば、化学浴槽堆積(CBD)法などによって形成され得る。バッファ層32の厚さは、例えば、10nm以上で且つ200nm以下であれば良い。バッファ層32の厚さが100nm以上で且つ200nm以下であれば、バッファ層32上に上部電極層4がスパッタリング法などで形成される際に、バッファ層32においてダメージが生じ難くなる。
上部電極層4は、光電変換層3の+Z側の主面(上面とも言う)上に配されている。そして、上部電極層4は、例えば、n型の導電型を有する透明の導電層であれば良い。上部電極層4は、光電変換層3において生じた電荷を取り出す電極となる。上部電極層4は、バッファ層32よりも低い抵抗率を有する材料を主に含んでいれば良い。上部電極層4には、いわゆる窓層と呼ばれるものが含まれても良いし、窓層と透明の導電層とが含まれても良い。
上部電極層4は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば、ZnO、ZnOの化合物、ならびにSnが含まれたITOおよびSnO2などの金属酸化物半導体が採用され得る。ZnOの化合物は、例えば、Al、B、Ga、InおよびFのうちの何れか1つの元素が含まれたものであれば良い。
上部電極層4は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法などによって形成され得る。上部電極層4の厚さは、例えば、0.1μm以上で且つ2.0μm以下程度であれば良い。ここで、上部電極層4が、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有していれば、上部電極層4を介して光電変換層3から電荷が良好に取り出され得る。
ここで、バッファ層32および上部電極層4が、光吸収層31が吸収し得る光の波長帯域に対して、光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有していれば、光吸収層31における光の吸収効率の低下が抑制され得る。また、上部電極層4の厚さが0.05μm以上で且つ0.5μm以下であれば、上部電極層4における光透過性が高められ、光電変換によって生じた電流が上部電極層4によって良好に伝送され得る。さらに、上部電極層4の絶対屈折率とバッファ層32の絶対屈折率とが略同一であれば、上部電極層4とバッファ層32との界面で光が反射することで生じる入射光のロスが低減され得る。
線状導電部5は、上部電極層4の+Z側の主面(上面とも言う)上に配されている。該線状導電部5は、例えば、金属ペーストが上部電極層4の上面上に塗布された後に乾燥されて該金属ペーストが固化されることで形成され得る。金属ペーストは、例えば、透光性を有する樹脂などのバインダーに光反射率が高く且つ導電性を有する粒子が添加されることで作製され得る。ここで、透光性を有する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂などが採用され得る。また、金属ペーストに含まれる粒子としては、例えば、Cu、Al、NiならびにZnとAgとの合金などの金属粒子が採用され得る。この場合、線状導電部5には、導電性を有する多数の粒子が含まれており、該多数の粒子が相互に接触し合うことで、線状導電部5における良好な導電性が確保され得る。
線状導電部5は、複数の集電部5aと連結部5bと垂下部5cとを備えている。
複数の集電部5aは、Y軸方向に離間しており、各集電部5aがX軸方向に延在している。集電部5aは、光電変換層3において発生して上部電極層4において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電部5aが配されていることで、上部電極層4における導電性が補われるため、上部電極層4の薄層化が可能となる。その結果、電荷の取り出し効率の確保と、上部電極層4における光透過性の向上とが両立し得る。
連結部5bは、Y軸方向に延在している。そして、該連結部5bには、各集電部5aが電気的に接続されている。垂下部5cは、連結部5bの下部に接続され、溝部P2を通って+X方向に配されている隣の光電変換セル10の下部から延伸されている下部電極層2に接続されている。つまり、垂下部5cによって、連結部5bと隣の光電変換セル10の下部から延伸されている下部電極層2とが電気的に接続され得る。なお、線状導電部5は、連結部5bを有さない態様が採用されても良い。このような線状導電部5としては、例えば、集電部5aと垂下部5cとが直に電気的に接続されている態様がある。
ここで、溝部P2は、Y軸方向に直線状に延在している。そして、溝部P2は、上部電極層4の上面から下部電極層2の上面に至るまで配されている。このため、溝部P2は、1つの光電変換セル10内において、光電変換層3と上部電極層4とが積層された積層体をX軸方向に分離している。なお、溝部P2内に、上部電極層4の垂下部と垂下部5cとが配されている構成が採用されても良い。
また、受光面の上方(ここでは+Z側)から各光電変換セル10を平面透視した場合、+X方向に溝部P1と溝部P2と溝部P3とがこの順に配されている。このため、各セル列10gにおいて隣り合う一方の光電変換セル10と他方の光電変換セル10との間で、下部電極層2が、該他方の光電変換セル10の下部から該一方の光電変換セル10の下部まで延伸している。そして、該一方の光電変換セル10においては、X軸方向に隣り合う一方の下部電極層2と他方の下部電極層2との間において、該一方の下部電極層2の上から溝部P1を越えて、該他方の下部電極層2の上に至るまで光電変換層3が配されている。ここで、該他方の下部電極層2は、他方の光電変換セル10の下部から一方の光電変換セル10の下部に延伸している下部電極層2である。
また、受光面の上方(ここでは+Z側)から各光電変換セル10を平面透視した場合、各光電変換セル10には、溝部P2を包含して溝部P1と溝部P3とに挟まれた領域と、溝部P1が配されている領域と、残余の領域とがある。そして、該残余の領域が、各光電変換セル10において発電に寄与する領域となる。
なお、本実施形態では、各光電変換セル10において、光電変換層3が、下部電極層2の上から隣の下部電極層2の上にかけて配されていたが、これに限られない。例えば、光電変換層3が、下部電極層2の上から溝部P1の内部に至るまで配されていれば良い。
上記構成を有する光電変換セル10では、上部電極層4および複数の集電部5aによって集電された電荷が、連結部5bと垂下部5cとを通じて、+X方向に配されている隣の光電変換セル10に伝達される。これにより、各セル列10gにおいて隣り合う光電変換セル10が電気的に直列に接続されている。
また、集電部5aの幅が50μm以上で且つ400μm以下であれば、隣接する光電変換セル10の間における良好な導電が確保され、光吸収層31への光の入射量の低下が抑制され得る。1つの光電変換セル10に配されている複数の集電部5aのY方向における間隔は、例えば、2.5mm程度であれば良い。
<(1−3)溝部P4における被覆部>
図4では、図3における1つの溝部P4およびその近傍の構成が模式的に示されている。図4で示されるように、溝部P4内において、被覆部20が、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆っている。
図4では、図3における1つの溝部P4およびその近傍の構成が模式的に示されている。図4で示されるように、溝部P4内において、被覆部20が、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆っている。
被覆部20は、光電変換層3と同一の材料を含む。該被覆部20は、例えば、次のようにして形成され得る。まず、下部電極層2において、第1分離領域としての溝部P1と、溝部P4に対応する第2分離領域としての溝部P4aとが形成される。次に、溝部P1,P4aが形成された下部電極層2の上面上に、光電変換層3と上部電極層4とがこの順に積層されている積層体が形成される。この際、光吸収層31が溝部P4a内にも形成される。その後、該積層体のうちの溝部P4a内および溝部P4a上に形成された部分が機械的に削られる。この際、該積層体に含まれている光吸収層31のうちの一部が残存することで、被覆部20が形成され得る。このとき、該被覆部20には、主に光吸収層31と同一の材料が含まれ得る。このような構成が採用されると、被覆部20が容易に形成され得る。
<(2)光電変換装置の製造プロセス>
ここで、上記構成を有する光電変換装置100の製造プロセスの一例について説明する。図5は、光電変換装置100の製造フローを例示するフローチャートである。図6から図9および図11から図16は、光電変換装置100の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。なお、図8は、図10の一点鎖線VIII−VIIIで示した位置におけるXZ断面を示す図である。また、図9は、図10の二点鎖線IX−IXで示した位置におけるYZ断面を示す図である。
ここで、上記構成を有する光電変換装置100の製造プロセスの一例について説明する。図5は、光電変換装置100の製造フローを例示するフローチャートである。図6から図9および図11から図16は、光電変換装置100の製造途中の様子を模式的に示す断面図である。なお、図8は、図10の一点鎖線VIII−VIIIで示した位置におけるXZ断面を示す図である。また、図9は、図10の二点鎖線IX−IXで示した位置におけるYZ断面を示す図である。
まず、図5のステップSp1では、基板1(図6参照)が準備される。基板1は、例えば、略矩形の盤面を有する平板状のものであれば良い。
ステップSp2では、基板1上に、導電層としての下部電極層2(図7参照)が形成される。下部電極層2は、例えば、洗浄された基板1の一主面の略全面上に、スパッタリング法または蒸着法などが用いられて形成され得る。
ステップSp3では、下部電極層2の上面のうちの所定の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、他方向(ここではY軸方向)に直線状に延在する第1分離領域としての溝部P1(図8および図10参照)が形成される。また、下部電極層2の上面のうちの所定の形成対象位置からその直下の基板1の上面にかけて、一方向(ここではX軸方向)に直線状に延在する第2分離領域としての溝部P4a(図9および図10参照)が形成される。該溝部P4aは、溝部P4に対応する位置に形成される。つまり、下部電極層2を一方向としてのX軸方向に分離する溝部P1と、該溝部P1と交差し且つ下部電極層2を一方向とは異なる他方向としてのY軸方向に分離する溝部P4aとが形成される。なお、溝部P1,P4aは、例えば、YAGレーザーまたはその他のレーザーの光が走査されつつ所定の形成対象位置に照射されることで形成され得る。
ステップSp4では、下部電極層2上に、光吸収層31に主に含まれる金属元素を含有している皮膜310(図11および図12参照)が形成される。皮膜310は、例えば、光吸収層31に主に含まれる金属元素を含有している溶液が下部電極層2上に塗布された後に乾燥される処理が行われることで形成され得る。このとき、皮膜310は、溝部P1,P4a内および溝部P1,P4a上にも形成される。
ステップSp5では、皮膜310に対する加熱処理が行われることで、皮膜310における化合物半導体の結晶化が進み、光吸収層31(図11および図12参照)が形成される。このとき、光吸収層31は、溝部P1,P4a内および溝部P1,P4a上にも形成される。つまり、下部電極層2上ならびに溝部P1,P4a内に半導体層としての光吸収層31が形成される。
ステップSp6では、光吸収層31上にバッファ層32(図13参照)が形成される。これにより、光吸収層31とバッファ層32とが積層されている光電変換層3が形成される。バッファ層32は、例えば、化学浴槽堆積(CBD)法によって形成され得る。具体的には、例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とがアンモニアに溶解させられることで作製された溶液に光吸収層31が浸漬されることで、CdSを主に含むバッファ層32が形成され得る。
ステップSp7では、光電変換層3上に上部電極層4(図14参照)が形成される。これにより、溝部P4a内から溝部P4a上にかけて、光電変換層3と上部電極層4との積層体が形成される。上部電極層4は、例えば、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法などで形成され得る。具体的には、例えば、バッファ層32上に、Alが添加されたZnOを主に含む透明な上部電極層4が形成される。
ステップSp8では、上部電極層4の上面のうちの所定の形成対象位置から下部電極層2の上面に至る領域に、一方向(ここではY軸方向)に直線状に延在する溝部P2(図15参照)が形成される。溝部P2は、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビングなどによって形成され得る。
ステップSp9では、上部電極層4の上面のうちの所定の形成対象位置から溝部P2の内部にかけて線状導電部5(図16参照)が形成される。線状導電部5は、例えば、金属ペーストが所定のパターンを有するように印刷され、印刷後の金属ペーストが乾燥によって固化されることで形成され得る。
ステップSp10では、上部電極層4の上面のうちの所定の形成対象位置から下部電極層2の上面に至る領域に、一方向(ここではY軸方向)に直線状に延在する溝部P3(図1および図2参照)が形成される。
ステップSp11では、ステップSp4〜Sp7において溝部P4a内から溝部P4a上にかけて形成された光電変換層3と上部電極層4との積層体が除去されることで、溝部P4(図1および図3参照)が形成される。これにより、光電変換装置100が形成され得る。なお、ステップSp11では、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビングなどによって、溝部P4が形成され得る。このとき、ステップSp5で形成された光吸収層31のうちの溝部P4a内に配されている部分が除去される。これにより、溝部P4aを含む溝部P4を介して並んでいる複数のセル列10g(図1参照)が形成される。別の観点から言えば、光電変換装置100が上部電極層4側から平面視された場合、溝部P4aを介して複数のセル列10gが並んでいる。なお、該各セル列10gには、一方向としてのX軸方向に電気的に直列に接続されている複数の光電変換セル10がそれぞれ含まれている。また、このとき、溝部P4aにおいて、光吸収層31の一部を残存させることで、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆う被覆部20(図1および図3参照)が形成される。
<(3)一実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態に係る光電変換装置100では、溝部P4内において、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆う被覆部20が配されている。これにより、基板1から下部電極層2が剥離し難い。その結果、基板1から下部電極層2が剥離した部分を起点とした光電変換セル10の劣化が生じ難く、光電変換装置100の耐久性および信頼性が確保され得る。また、被覆部20が光電変換層3に含まれる光吸収層31と同一の材料を含むことで、被覆部20が容易に形成され得る。
以上のように、本実施形態に係る光電変換装置100では、溝部P4内において、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆う被覆部20が配されている。これにより、基板1から下部電極層2が剥離し難い。その結果、基板1から下部電極層2が剥離した部分を起点とした光電変換セル10の劣化が生じ難く、光電変換装置100の耐久性および信頼性が確保され得る。また、被覆部20が光電変換層3に含まれる光吸収層31と同一の材料を含むことで、被覆部20が容易に形成され得る。
また、光電変換装置100の製造工程では、下部電極層2に溝部P4aが形成された後に、該下部電極層2上に光電変換層3が形成される。その後、該光電変換層3のうちの溝部P4a内および溝部P4a上に配されている部分が除去されて複数のセル列10gが形成される。このとき、溝部P4a内に光吸収層31の一部を残存させることで、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆う被覆部20が形成される。このような製造方法によって、基板1から下部電極層2が剥離し難い光電変換装置100が形成され得る。
<(4)変形例>
なお、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
なお、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
◎例えば、上記一実施形態では、被覆部20が光吸収層31と同一の材料で主に構成されていたが、これに限られない。例えば、図17で示されるように、被覆部20がさらに上部被覆部21に覆われても良い。この構成が採用される場合、例えば、上記一実施形態と同様な製造方法によって被覆部20が形成された後に、該被覆部20を覆う上部被覆部21が形成されれば良い。上部被覆部21の材料としては、例えば、シリコーン樹脂およびポリミイド樹脂などの防水性を有する各種樹脂が採用され得る。また、上部被覆部21は、例えば、樹脂の塗布および乾燥などによって形成され得る。なお、シリコーン樹脂の線膨張係数は、200〜300ppm/℃であり、ポリミイド樹脂の線膨張係数は、30〜50ppm/℃である。
◎また、上記一実施形態では、被覆部20が半導体を主に含んでいたが、これに限られない。例えば、被覆部20に含まれる材料が、絶縁性および導電性の何れかの性質を有する材料であっても良い。ここで、絶縁性を有する材料としては、シリコーン樹脂およびポリミイド樹脂などの各種樹脂が採用され得る。この場合、例えば、溝部P4または溝部P4a内において、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆うように樹脂が塗布されれば良い。また、導電性を有する材料としては、各種金属が採用され得る。この場合、例えば、溝部P4内または溝部P4a内に、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆うように金属が蒸着されれば良い。このとき、溝部P4内または溝部P4aに絶縁体が配されていれば、溝部P4を挟んで隣り合う下部電極層2間で短絡が生じ難い。
また、被覆部20は、透湿性が小さい、すなわち、防水性を有していれば、基板1から下部電極層2が剥離した部分を起点とした光電変換セルの劣化がさらに生じ難く、光電変換装置100の耐久性および信頼性がより向上し得る。
ここで、光電変換装置100が用いられた太陽電池モジュールが製造される際には、溝部P4にエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などの封止用の樹脂が充填され得る。このため、防水性を有する被覆部20の材料としては、例えば、封止用の樹脂の線膨張係数と近い線膨張係数を有する樹脂が採用され得る。EVAの線膨張係数は、140ppm/℃である。そして、EVAの線膨張係数と近い線膨張係数を有する樹脂としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどの樹脂が採用され得る。ポリエチレンの線膨張係数は、130ppm/℃であり、ポリプロピレンの線膨張係数は、110ppm/℃である。
なお、基板1の線膨張係数と、封止用の樹脂の線膨張係数との中間付近の線膨張係数を有する材料が、防水性を有する被覆部20の材料として採用されても良い。例えば、線膨張係数が9ppm/℃である青板ガラスが基板1の材料である場合、線膨張係数が70ppm/℃の塩化ビニルが防水性を有する被覆部20の材料として採用され得る。
◎また、上記一実施形態では、上部電極層4の形成後に、溝部P2が形成されたが、これに限られない。例えば、溝部P2の形成後に、上部電極層4が形成されても良い。但し、上部電極層4の形成後に、溝部P2が形成された方が、各セル列10gにおいて隣り合う光電変換セル10の間の電気的な接続における電気抵抗が低減され得る。
◎また、上記一実施形態では、溝部P4a内に光吸収層31の一部を残存させることで、被覆部20が形成されたが、これに限られない。例えば、溝部P4aの形成後であって、光吸収層31の形成前に、被覆部20が形成されても良い。以下、この被覆部20の形成方法について、具体例を挙げて説明する。
図18は、一変形例に係る光電変換装置100Aの製造フローを例示するフローチャートである。図19および図20は、一変形例に係る光電変換装置100Aの製造途中の様子を模式的に示す図である。
まず、図18のステップSp21〜Sp23では、図5のステップSp1〜Sp3と同様な工程が順に実施される。このとき、基板1上に下部電極層2が形成され、該下部電極層2を一方向としてのX軸方向に分離する溝部P1と、該溝部P1と交差し且つ下部電極層2を一方向とは異なる他方向としてのY軸方向に分離する溝部P4aとが形成される。
次に、ステップSp24では、ステップSp23で形成された溝部P4a(図9および図10参照)において、基板1と下部電極層2との境界部2bを覆う被覆部20(図19および図20参照)が形成される。ここでは、例えば、ガラス材料を用いたゾル・ゲル法などによって被覆部20が形成され得る。この被覆部20の材料としては、シリカなどのガラスが採用され得る。
ステップSp25〜Sp31では、図5のステップSp4〜Sp10と同様な工程が順に実施される。このとき、下部電極層2上ならびに溝部P4a内に半導体層としての光吸収層31が形成される。
ステップSp32では、ステップSp25〜Sp28において溝部P4a内から溝部P4a上にかけて形成された光電変換層3と上部電極層4との積層体が、溝部P4aに沿って除去されることで、溝部P4が形成される。これにより、光電変換装置100Aが形成され得る。ここでは、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビングなどによって、溝部P4が形成され得る。このとき、光吸収層31が溝部P4aに沿って除去されることで、複数のセル列10gが形成される。そして、溝部P4内には、ステップSp24で形成された被覆部20が残存している。なお、複数のセル列10gは、溝部P4aを含む溝部P4を介して並んでいる。別の観点から言えば、光電変換装置100Aが上部電極層4側から平面視された場合、溝部P4aを介して複数のセル列10gが並んでいる。また、該各セル列10gには、一方向としてのX軸方向に電気的に直列に接続されている複数の光電変換セル10がそれぞれ含まれている。
◎なお、上記一実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1 基板
2 下部電極層
2b 境界部
3 光電変換層
4 上部電極層
5 線状導電部
10 光電変換セル
10g セル列
20 被覆部
21 上部被覆部
31 光吸収層
32 バッファ層
100,100A 光電変換装置
P1,P2,P3,P4,P4a 溝部
2 下部電極層
2b 境界部
3 光電変換層
4 上部電極層
5 線状導電部
10 光電変換セル
10g セル列
20 被覆部
21 上部被覆部
31 光吸収層
32 バッファ層
100,100A 光電変換装置
P1,P2,P3,P4,P4a 溝部
Claims (6)
- 基板と、
該基板上に配されている導電層および該導電層上に配されている光電変換層を有する複数の光電変換セルとを備え、
前記複数の光電変換セルは、各列で一方向に電気的に直列に接続されているとともに互いに並んで配置された複数のセル列を構成しており、
該複数のセル列のうち隣り合う一方のセル列と他方のセル列との間に両者を電気的に分離する分離領域が配されており、
該分離領域に前記基板と前記導電層との境界部を覆う被覆部が配されている光電変換装置。 - 前記被覆部が、前記光電変換層と同一の材料を含む請求項1に記載の光電変換装置。
- 前記被覆部が、防水性を有する請求項1に記載の光電変換装置。
- 基板上に導電層を形成する工程と、
前記導電層を一方向に分離する第1分離領域と、該第1分離領域と交差し且つ前記導電層を前記一方向とは異なる他方向に分離する第2分離領域とを形成する工程と、
前記導電層の上ならびに前記第1および第2分離領域内に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層のうちの前記第2分離領域内に配されている部分を除去することで、前記一方向に電気的に直列に接続されている複数の光電変換セルをそれぞれ含み、且つ平面視したときに、前記第2分離領域を介して並んでいる複数のセル列を形成し、前記第2分離領域において前記半導体層の一部を残存させて前記基板と前記導電層との境界部を覆う被覆部を形成する工程とを備える光電変換装置の製造方法。 - 前記被覆部を形成する工程の後に、前記被覆部を覆う上部被覆部を形成する工程をさらに備える請求項4に記載の光電変換装置の製造方法。
- 基板上に導電層を形成する工程と、
前記導電層を一方向に分離する第1分離領域と、該第1分離領域と交差し且つ前記導電層を前記一方向とは異なる他方向に分離する第2分離領域とを形成する工程と、
前記第2分離領域において、前記基板と前記導電層との境界部を覆う被覆部を形成する工程と、
前記導電層上ならびに前記第1分離領域内に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層を前記第2分離領域に沿って除去することで、前記一方向に電気的に直列に接続されている複数の光電変換セルをそれぞれ含み、且つ平面視したときに、前記第2分離領域を介して並んでいる複数のセル列を形成する工程とを備える光電変換装置の製造方法。
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JP2011205959A JP2013069761A (ja) | 2011-09-21 | 2011-09-21 | 光電変換装置、および光電変換装置の製造方法 |
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JP (1) | JP2013069761A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2018150905A1 (ja) * | 2017-02-17 | 2019-11-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 太陽電池モジュール |
-
2011
- 2011-09-21 JP JP2011205959A patent/JP2013069761A/ja not_active Withdrawn
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