JP2013065660A - 発光モジュールおよび発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】出射する光の偏光方向を制御することで照射面での反射を制御し、照射面の眩しさを軽減する。
【解決手段】発光素子1bと、この発光素子1bを覆うとともに、発光素子1bから照射された光の波長を変換する蛍光体層1dを備える。蛍光体層1dの前面には、相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤ2aを有する偏光制御部2を有する。
【選択図】図1
【解決手段】発光素子1bと、この発光素子1bを覆うとともに、発光素子1bから照射された光の波長を変換する蛍光体層1dを備える。蛍光体層1dの前面には、相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤ2aを有する偏光制御部2を有する。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、偏光制御部を有する発光モジュールおよび発光装置に関する。
一般に、照射物を斜め方向から角度をつけて照射した場合、照射物の表面反射は大きくなるため眩しさを感じやすくなる。このため、作業用や店舗のディスプレイ用等を照明する分野では照射面の反射を抑制した発光装置が望まれている。
光の偏光方向、すなわち振動方向と反射率との間には相関関係があることが知られており、例えば、水平面及び垂直面での反射を抑え、視認性を高めることができる照明装置用偏光フィルターが知られている(例えば、「特許文献1」参照)。
また、メタルナノワイヤを用いた偏光発光ダイオードが知られている(例えば、「特許文献2」参照)。
しかしながら、一般に偏光フィルターは透過率が低く、照明用途としての使用には適していない。
本発明が解決しようとする課題は、偏光方向を制御するとともに外方へ照射される光量を増加させることができる発光モジュール及び発光装置を提供することである。
実施形態の発光モジュールは、発光素子と、この発光素子を覆うとともに、発光素子から照射された光の波長を変換する蛍光体層を備える。蛍光体層の前面には、相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤを有する偏光制御部を有する。
本発明によれば、偏光方向を制御した光を照射するとともに外方へ照射される光量を増加させることが期待できる。
以下、第1の実施形態を、図1を参照して説明する。
図1に示すように、発光モジュール10は、基台1aに実装された発光素子としての青色光を出射するLEDチップ1b、LEDチップ1bを囲う土手1c、土手1c内に充填されLEDチップを覆う蛍光体層1dを有するLEDパッケージ1を具備する。蛍光体層1dは、LEDチップ1bから照射された光の波長を変換するもので、LEDチップ1bから照射された青色光を黄色光に波長変換する。そして、発光モジュール10は、青色光を出射するLEDチップ1bと青色光を黄色光に波長変換する蛍光体層1dとで白色光を照射するように構成されている。
蛍光体層の前面には、偏光制御部2が配設されている。偏光制御部2は、通常ワイヤーグリッド偏光素子と呼ばれるものであり、ナノワイヤ2aとナノワイヤ2aが配設される透光性の基体2bで構成される。ナノワイヤ2aは、基体2b上で相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する機能を有する。
ナノワイヤ2aは、アルミニウム、金、銀、ステンレス等の金属性で構成されており、断面形状は例えば四角形状、多角形状、円形状に形成される。
基体2bは、例えば透光性でフィルム状の樹脂、誘電体、ガラス等を用いることができる。
次に、本実施形態の発光モジュールの作用について説明する。まず、LEDチップ1bから出射した青色光は蛍光体層1dで波長変換されて黄色光となり、他の青色光とともに偏光制御部2に入射する。このとき、蛍光体層1dで生成される光は、無偏光の光、すなわち、任意の偏光が均一に分布された光である。そして、偏光方向がこの配列方向と平行な光、言い換えると振動方向がナノワイヤ2aの長手方向と平行な光(s偏光)が入射されると、ナノワイヤ2aの自由電子が長手方向に振動し、金属的に機能することで入射光の大部分が反射される。一方、偏光方向がナノワイヤ2aの配列の幅方向と平行な光、言い換えると振動方向がナノワイヤ2aの幅方向と平行な光(p偏光)はそのまま透過する。これによって、偏光制御部2からは、所定の偏光方向の光が出射する。また、偏光制御部2で反射されたs偏光の光は蛍光体層1dに入射することで偏光が解消され、一部は再発光に利用され、残りは偏光制御部2に入射する。この繰り返しによって、外方に放射される光量を増加させることができる。
このように本実施形態の発光モジュールによれば、偏光した光を照射することができるとともに、偏光制御部2とLEDチップ1bとの間に蛍光体層1dが形成されていない場合に比べて外方に照射する光量を増加させることができる。
次に第2の実施形態を図2ないし図4を参照して説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の発光モジュールを用いた発光装置であり、発光モジュールの詳細な説明は省略する。
図2に示すように、発光装置100は、装置本体120、装置本体120に設けられた発光モジュール110、発光モジュール110の前面に設けられた透明カバー130を具備する。
装置本体120は、底面部120a及び底面部120aの周囲を囲む側面部120bを有し、底面部120aに複数の発光モジュール110が実装された基板110aが配設され、側面部120bで形成される光出射側の開口部120cを透明カバー130が覆っている。なお、側面部120bの一部または全部を透明カバー130の一部として構成してもよい。
このように構成された発光装置100は、発光モジュール110から偏光した光が出射され、透明カバー130を透過して偏光を維持したまま外方へ出射される。
図3は、照射面への入射角と反射率との関係を偏光方向毎に示すグラフである。グラフの横軸は照射面に対する入射角、縦軸は反射率を示している。ここで、照射面に対する入射角は、照射面に直交する方向と入射光とが成す角度を示している。図3から明らかなようにs偏光の光に比べてp偏光の光の反射率の方が相対的に小さいことがわかる。特に、入射角が20°〜90°の範囲でp偏光の反射率がs変更の光に比べて小さい。すなわち、図4の模式図に示すように、p偏光の光が照射面に入射しても反射光が少ないため、反射方向から照射面を視認しても眩しさを感じ難くなる。
このように、本実施形態の発光装置100によればp偏光させた光を照射することができ、照射面における反射率を低下させることで反射方向から照射面を視認したときに眩しさを感じ難くすることができる。
なお、透明カバー130が拡散性を有している場合には偏光が消失しやすくなり、結果的に照射面での反射率が高くなるため、透明カバー130は拡散性が低い部材で構成することが好ましい。
次に、第3の実施形態の発光装置について図5を参照して説明する。第3の実施形態は、発光モジュールとして第1の実施形態のLEDパッケージ1と同様の構成を使用したものであり、発光モジュールに偏光制御部を備えていない点、発光装置の装置本体に透明カバーに通る光部材および偏光制御部が設けられている点が第2の実施形態と相違している。また、偏光制御部の構成は、第1の実施形態の偏光制御部と同様であるため詳細な説明は省略する。
図5に示すように、発光装置200は、装置本体220、装置本体220に設けられた発光モジュール210、発光モジュール210の前面に設けられた透光部材240を具備する。
装置本体220は、底面部220a及び底面部220aの周囲を囲む側面部220bを有し、底面部220aに複数の発光モジュール210が実装された基板210aが配設されている。透光部材240は、拡散性を有し、発光モジュール210の前面に所定間隔を有して装置本体に設けられ、側面部220bで形成される光出射側の開口部220cを覆っている。さらに、透光部材240の前面側には、偏光制御部2が配設されている。ここで、偏光制御部2は、発光モジュール側の全面に透光部材240が配設されていることが好ましい。
発光モジュール210から出射された光は無偏光の光であり、透光部材240を透過して偏光制御部2に入射するとナノワイヤの長手方向に振動する光、すなわちs偏光の光が反射され、ナノワイヤの幅方向、すなわちp偏光の光が透過する。反射されたs偏光の光は透光部材240に入射して拡散することで偏光が消失し無偏光の光になるとともに、再度偏光制御部2に入射する。反射と入射を繰り返すことで、p偏光の光が出射するとともに外方へ照射される光量が増加する。
このように、第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様にp偏光させた光を照射することができ、照射面における反射率を低下させることで反射方向から照射面を視認したときに眩しさを感じ難くすることができる。
第4の実施形態の発光装置について、図6を参照して説明する。なお、第4の実施形態は、第3の実施形態の透光部材を透明カバーおよび反射体に変えたものである。
図6に示すように、発光装置300は、装置本体320、装置本体320に設けられた発光モジュール310、発光モジュール310の前面に設けられた透明カバー330、透明カバー330の前面に配設された偏光制御部2、発光モジュール310と前記偏光制御部2との間の周囲に配設された反射体350を具備する。
発光モジュール310は、第3の実施形態と同様に偏光制御部を具備しないLEDパッケージで構成されており、無偏光の白色光を出射する。
反射体350は、装置本体320の外周から前方に向かって拡開し、前方に開口部350aを有する。透明カバー330は、拡散性が低い例えば透明な部材で構成され、発光モジュール310の前面に所定間隔を有して開口部350aを覆うように設けられる。偏光制御部2は、発光モジュール側の全面に透明カバー330が配設されていることが好ましい。
発光モジュール310から出射された光は無偏光の光であり、透光部材330を透過して偏光制御部2に入射するとナノワイヤの長手方向に振動する光、すなわちs偏光の光が反射され、ナノワイヤの幅方向、すなわちp偏光の光が透過する。反射されたs偏光の光は透明カバー330を透過し、反射体350で囲まれる空間内で反射を繰り返すことで偏光が消失し無偏光の光になるとともに、一部は再度偏光制御部2に入射する。反射と入射を繰り返すことで、p偏光の光が出射するとともに外方へ照射される光量が増加する。
このように、第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様にp偏光させた光を照射することができ、照射面の反射率を低下させることで反射方向から照射面を視認したときに眩しさを感じ難くすることができる。
これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…偏光制御部、2a…ナノワイヤ、1b…発光素子、10…発光モジュール、100、200、300…発光装置、120、220、320…装置本体、240、340…透光部材
Claims (4)
- 発光素子と;
前記発光素子を覆うとともに、前記発光素子から照射された光の波長を変換する蛍光体層と;
この蛍光体層の前面に相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤを有する偏光制御部と;
を具備したことを特徴とする発光モジュール。 - 装置本体と;
この装置本体に設けられ、発光素子、この発光素子を覆うとともに、前記発光素子から照射された光の波長を変換する蛍光体層、この蛍光体層の前面に相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤを有する偏光制御部、を有する発光モジュールと;
を具備したことを特徴とする発光装置。 - 装置本体と;
この装置本体に設けられ、発光素子、この発光素子を覆うとともに、前記発光素子から照射された光の波長を変換する蛍光体層を有する発光モジュールと;
この発光モジュールの前面に所定間隔を有して前記装置本体に設けられ、拡散性を有する透光部材と;
前記透光部材の前面に相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤを有する偏光制御部と;
を具備したことを特徴とする発光装置。 - 装置本体と;
この装置本体に設けられ、発光素子、この発光素子を覆うとともに、前記発光素子から照射された光の波長を変換する蛍光体層を有する発光モジュールと;
前記発光モジュールの前面に所定間隔を有して設けられ、相互に平行に配列されて、偏光方向がこの配列方向と平行な光が入射したときは反射し、偏光方向が前記配列の幅方向と平行な光が入射したときは透過する金属製のナノワイヤを有する偏光制御部と;
前記発光モジュールと前記偏光制御部との間の周囲に配設された反射体と;
を具備したことを特徴とする発光装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2011
- 2011-09-16 JP JP2011202905A patent/JP2013065660A/ja not_active Withdrawn
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