JP2013063938A - メラニン産生促進剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞のメラニン産生量を増加させる素材の提供。
【解決手段】ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とするメラニン産生促進剤。
【選択図】なし
【解決手段】ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とするメラニン産生促進剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、メラニン産生促進剤、皮膚褐色化剤、ならびに白髪の予防又は改善剤に関する。
人の皮膚や毛髪の色調は、皮膚及び毛髪の色素メラニンの量によって決定される。メラニンは、皮膚や毛髪の毛球部に存在する色素細胞(メラノサイト)において、酵素チロシナーゼやドーパオキシダーゼによってチロシンから生合成されることから、メラノサイトの活性化又はチロシナーゼの活性化によりメラニン産生が亢進すれば、皮膚は褐色化し、毛髪は黒色化する。
皮膚においては、シミ、ソバカスの原因の一つとして、皮膚の紫外線暴露による刺激、ホルモンの異常又は遺伝的要素等によって皮膚内に存在するメラノサイトが活性化されメラニン産生が盛んになることが知られていることから、従来、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン産生を抑制したり、産生したメラニンを減少させたりする美白剤が開発されてきた。
しかし一方で、褐色の肌への需要も多く、日光浴や屋内での紫外線照射により肌を積極的に日焼けさせることが従来行われてきた。しかし、過度の紫外線照射は皮膚に大きなダメージを与え、皮膚癌の発生を招くおそれがある。肌を褐色化させる手段としてはまた、ジヒドロキシアセトンを主成分とするサンレスタンニング剤が利用されている。しかし、ジヒドロキシアセトンを用いたタンニング剤は、角層のメイラード反応により皮膚を褐色化させるため色合いが安定せず、且つ紫外線防御能がないため皮膚のダメージを防御できないという問題があった。
メラノサイトに直接作用してその活性を高めることによりメラニン量を増加させる成分が見出されれば、本来メラニンが持つ生体防御能を促進させて皮膚のダメージを予防すると共に、肌の褐色化や白髪の防止又は改善が実現できると考えられる。
ササフラス(Sassafras albidum又はSassafras officinale)は、クスノキ科に属する樹木で、その幹は燻製用のチップとして使用されており、根は精油原料として使用されている。また、クイーンズデライト(Stillingia sylvatica)は、トウダイグサ科の草木で、その根は去痰剤として使用されている。特許文献1にはクイーンズデライト抽出物を含有する育毛養毛剤が記載されている。
しかし、ササフラス又はクイーンズデライトがメラニン産生や皮膚の褐色化に関与することは知られていない。
しかし、ササフラス又はクイーンズデライトがメラニン産生や皮膚の褐色化に関与することは知られていない。
本発明は、皮膚及び毛髪のメラニン量を増加し、皮膚の褐色化及び白髪の予防又は改善等に有用なメラニン産生促進剤、皮膚褐色化剤及び白髪予防改善剤の提供に関する。
本発明者らは、皮膚及び毛髪におけるメラニン産生量を増加させる素材を探索したところ、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物に細胞のメラニン産生量を促進させる作用があり、皮膚の褐色化及び白髪の予防又は改善に有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とするメラニン産生促進剤を提供する。
また本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とする皮膚褐色化剤を提供する。
また本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とする白髪の予防又は改善剤を提供する。
一態様において、上記抽出物は、水又はエタノール水溶液の抽出物である。
別の一態様において、上記抽出物は、常圧又は減圧下で溶媒を留去されたものである。
また本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とする皮膚褐色化剤を提供する。
また本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とする白髪の予防又は改善剤を提供する。
一態様において、上記抽出物は、水又はエタノール水溶液の抽出物である。
別の一態様において、上記抽出物は、常圧又は減圧下で溶媒を留去されたものである。
本発明によれば、皮膚のメラニン産生を有意に亢進させることができ、皮膚の褐色化や白髪の予防又は改善を図ることができる。
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
本明細書において、「白髪の予防」とは、髪の色が淡くならないようにするか、あるいは淡くなる速度を遅らせることをいい、「白髪の改善」とは、淡くなった髪の色がさらに淡くならないようにするか、さらに淡くなる速度を遅らせるか、髪色が濃くなるようにすることをいう。
本明細書において、「ササフラス」とは、クスノキ科のSassafras albidum又はSassafras officinaleを指し、「クイーンズデライト」とは、トウダイグサ科のStillingia sylvaticaを指す。本発明においてこれらの植物を使用する場合、当該植物の任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、幹、木質部、樹皮、根、根茎、種子、果実、若しくは樹脂等、又はそれらの組み合わせを用いればよいが、好ましくは、ササフラスにおいては幹、木質部、樹皮、根、根皮が、クイーンズデライトにおいては根が用いられる。
なお、ササフラスの木質部、根皮、樹皮は、それぞれ、「ササフラスウッドチップ」、「ササフラスルートバーク」、「ササフラスツリーバーク」との名称で呼ばれ、又は市販されることが多い。これらはいずれも、本明細書の「ササフラス」に含まれる。
なお、ササフラスの木質部、根皮、樹皮は、それぞれ、「ササフラスウッドチップ」、「ササフラスルートバーク」、「ササフラスツリーバーク」との名称で呼ばれ、又は市販されることが多い。これらはいずれも、本明細書の「ササフラス」に含まれる。
上記植物の抽出物は、市販されているものを利用してもよく、あるいは当該植物の上記に挙げた部位を、そのまま、又は必要に応じて粉砕、切断若しくは乾燥した後に、常法により抽出にかけることによって調製してもよい。例えば、上記植物の抽出物は、当該植物を室温若しくは加温下にて溶媒抽出するか、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。当該抽出物は、各種溶剤抽出物、又はその希釈液、その濃縮液、その乾燥末、その凍結乾燥処理物、ペースト若しくはその活性炭処理したもの等であってもよい。
上記植物の抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。このうち、水、アルコール類、エタノール水溶液等の水−アルコール混合液、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水−ブチレングリコール混合液を用いるのが好ましく、水、エタノール水溶液、ブチレングリコール水溶液を用いるのがより好ましい。
抽出溶剤が水−アルコール混合液である場合、液中のアルコール濃度は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは50〜95質量%の範囲であり得る。
本発明で用いられる抽出物を得るための抽出条件については、使用する溶剤によって異なり特に制限はない。
抽出物を得る抽出手段としては、例えば、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等が挙げられ、特に制限されない。
抽出の温度は、0℃〜溶媒沸点であればよいが、例えば溶媒が水の場合、抽出温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃であり得、また例えば溶媒がエタノール水溶液の場合、抽出温度は0〜70℃、好ましくは15〜50℃であり得る。
抽出の時間は、1分間〜2ヶ月間程度であればよいが、10分〜6週間程度が好ましく、1時間〜4週間程度がより好ましい。
抽出条件の例としては、0℃〜溶媒沸点(好ましくは25〜70℃)下で1時間〜4週間の浸漬又は加熱還流が挙げられる。
また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、0℃〜溶媒沸点(好ましくは25〜70℃)下、100〜1000rpmで30〜300分間の攪拌が挙げられる。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
抽出物を得る抽出手段としては、例えば、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等が挙げられ、特に制限されない。
抽出の温度は、0℃〜溶媒沸点であればよいが、例えば溶媒が水の場合、抽出温度は0〜100℃、好ましくは10〜80℃であり得、また例えば溶媒がエタノール水溶液の場合、抽出温度は0〜70℃、好ましくは15〜50℃であり得る。
抽出の時間は、1分間〜2ヶ月間程度であればよいが、10分〜6週間程度が好ましく、1時間〜4週間程度がより好ましい。
抽出条件の例としては、0℃〜溶媒沸点(好ましくは25〜70℃)下で1時間〜4週間の浸漬又は加熱還流が挙げられる。
また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、0℃〜溶媒沸点(好ましくは25〜70℃)下、100〜1000rpmで30〜300分間の攪拌が挙げられる。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
あるいは、ササフラスにおいては、抽出物からさらにサフロール等の揮発性物質及び低沸点物質を除去することが望ましい。当該揮発性物質及び低沸点物を除去する方法としては、特に制限はないが、例えば、常圧又は減圧下で溶媒留去、凍結乾燥処理等が挙げられる。当該常圧又は減圧下での溶媒留去の方法としては、例えば、抽出物に水やアルコールなどの溶媒を加え減圧下で溶媒を留去する方法、抽出物をそのまま減圧下において溶媒を留去する方法、抽出物を加熱して蒸留条件で溶媒を留去する方法等が挙げられる。これらのうち、抽出物に水を加え減圧下で溶媒を留去する方法が好ましい。減圧の条件は100トル(torr)以下であればよい。
後記実施例に示すように、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物は、細胞内における前駆体チロシンからのメラニンの生合成に関与する酵素であるドーパオキシダーゼ活性を増強し、且つ細胞のメラニン産生量を増加させ、しかも細胞に毒性を及ぼさない。従って、上記植物又はその抽出物は、メラニン産生促進剤、あるいは皮膚褐色化剤や白髪の予防又は改善剤として有用である。
すなわち、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物は、細胞のメラニン産生促進のため、皮膚褐色化のため、あるいは白髪の予防又は改善のために使用することができる。ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物は、各々単独で使用されてもよく、あるいは組み合わせて使用されてもよい。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する組織、器官、細胞における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
従って、一態様として、本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有するメラニン産生促進剤を提供する。
別の態様として、本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有する皮膚褐色化剤を提供する。
また別の態様として、本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有する白髪の予防又は改善剤を提供する。
一態様として、上記の剤は、本質的にササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物から構成される。
別の態様として、本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有する皮膚褐色化剤を提供する。
また別の態様として、本発明は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有する白髪の予防又は改善剤を提供する。
一態様として、上記の剤は、本質的にササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物から構成される。
ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物は、細胞のメラニン産生促進のため、皮膚褐色化のため、あるいは白髪の予防又は改善のための組成物、医薬、医薬部外品、化粧料、飲食品、飼料、又は飲食品の製造のために使用することができる。当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料、飲食品、飼料等もまた、本発明の範囲内である。
上記組成物、医薬、医薬部外品、化粧料、飲食品、飼料等は、ヒト又は非ヒト動物用として製造され、又は使用され得る。ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物は、当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料、飲食品、飼料等に素材として配合され、細胞のメラニン産生促進のため、皮膚褐色化のため、あるいは白髪の予防又は改善のための有効成分であり得る。
上記医薬又は医薬部外品は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有する。当該医薬又は医薬部外品は、任意の投与形態で投与され得る。投与は経口でも非経口でもよい。経口投与のための剤型としては、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形投薬形態、ならびにエリキシロール、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態が挙げられ、非経口投与のための剤型としては、注射、輸液、局所、外用剤、経皮、経粘膜、経鼻、経腸、吸入、坐剤、ボーラス、貼布剤等が挙げられる。
上記医薬又は医薬部外品は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を単独で若しくは組み合わせて含有していてもよく、又はさらに薬学的に許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該医薬や医薬部外品は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物のメラニン産生促進作用が失われない限り、他の有効成分や薬理成分を含有していてもよい。
上記医薬又は医薬部外品は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や薬理成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該医薬又は医薬部外品における上記植物又はそれらの抽出物の含有量は、当該植物の抽出物の乾燥重量として、0.00001〜20質量%含まれるのが好ましく、0.00001〜10質量%含まれるのがより好ましく、0.001〜5質量%含まれることが特に好ましい。
上記化粧料は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分として含有する。当該化粧料は、当該植物又はそれらの抽出物を単独で若しくは組み合わせて含有していてもよく、又はさらに化粧料として許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該化粧料は、当該植物又はそれらの抽出物のメラニン産生促進作用が失われない限り、他の有効成分や化粧成分、例えば、保湿剤、美白剤、紫外線保護剤、細胞賦活剤、洗浄剤、角質溶解剤、メークアップ成分(例えば、化粧下地、ファンデーション、おしろい、パウダー、チーク、口紅、アイメーク、アイブロウ、マスカラ、その他)等を含有していてもよい。化粧料とする場合の形態としては、クリーム、乳液、ローション、懸濁液、ジェル、パウダー、パック、シート、パッチ、スティック、ケーキ等、化粧料に使用され得る任意の形態が挙げられる。
上記化粧料は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や化粧成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該化粧料における上記植物又はそれらの抽出物の含有量は、当該植物の抽出物の乾燥重量として、0.00001〜20質量%とするのが好ましく、0.0001〜5質量%含まれるのがより好ましく、0.001〜5質量%含まれることが特に望ましい。
上記飲食品及び飼料は、細胞のメラニン産生促進、皮膚褐色化、あるいは白髪の予防又は改善等の機能を得ることを企図し、当該機能を必要に応じて表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品、ペットフード等であり得る。
上記飲食品の種類は特に限定されない。飲料としては、例えば、果汁飲料、炭酸飲料、茶系飲料、コーヒー飲料、乳飲料、アルコール飲料、清涼飲料等、あらゆる飲料が挙げられる。食品の形態は、固形、半固形、液状等の任意の形態であってもよく、また錠剤形態、丸剤形態、タブレット、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。例えば、食品としては、パン類、麺類、パスタ、ゼリー状食品、各種スナック類、ケーキ類、菓子類、アイスクリーム類、スープ類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、その他加工食品、調味料、サプリメント等が挙げられる。上記飼料の種類も特に限定されず、任意の動物のための飼料であってよく、その形態も上記食品の場合と同様に任意の形態であり得る。
上記飲食品及び飼料は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を単独で含有していてもよく、又は他の食材や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等の添加剤を組み合わせて含有していてもよい。当該飲食品又は飼料中の上記植物又はそれらの抽出物の含有量は、当該抽出物の乾燥重量として、0.0001〜10質量%が好ましく、0.0001〜5質量%がより好ましく、0.001〜1質量%がさらに好ましい。
また本発明は、細胞のメラニン産生を促進する方法を提供する。当該方法は、メラニン産生能を有し且つメラニン産生を促進させたい細胞に、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を添加する工程を含む。
本発明においてメラニン産生を促進する「細胞」は、天然又は遺伝子工学的に改変されたメラニン発現能を有する細胞であれば特に限定されない。好ましくは、細胞としては、上皮系由来細胞が挙げられ、より好ましくはケラチノサイト、メラノサイト、またはその組み合わせが挙げられる。
あるいは、当該「細胞」は、上記で挙げた細胞の細胞片または細胞分画物であってもよく、あるいは上記で挙げた細胞を含む組織又は上記で挙げた細胞に由来する培養物であってもよい。例えば、ケラチノサイトとメラノサイトの共培養物が挙げられる。細胞が細胞培養物の場合、好ましくは、当該細胞は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物の存在下で培養される。
添加されるササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物の濃度は、細胞が細胞培養物の場合、培養物中での最終濃度として、当該植物の抽出物の乾燥重量換算で、0.0001〜2%(w/v)であり、好ましくは0.0003〜0.5%(w/v)であり、より好ましくは0.0005〜0.1%(w/v)である。
あるいは、当該「細胞」は、上記で挙げた細胞の細胞片または細胞分画物であってもよく、あるいは上記で挙げた細胞を含む組織又は上記で挙げた細胞に由来する培養物であってもよい。例えば、ケラチノサイトとメラノサイトの共培養物が挙げられる。細胞が細胞培養物の場合、好ましくは、当該細胞は、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物の存在下で培養される。
添加されるササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物の濃度は、細胞が細胞培養物の場合、培養物中での最終濃度として、当該植物の抽出物の乾燥重量換算で、0.0001〜2%(w/v)であり、好ましくは0.0003〜0.5%(w/v)であり、より好ましくは0.0005〜0.1%(w/v)である。
また本発明において、ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物は、細胞のメラニン産生促進のため、皮膚褐色化のため、あるいは白髪の予防又は改善のために、それらを必要とする対象に有効量で投与され得る。
一態様において、当該投与は、健康増進又は美容目的により非治療的に行われる。
投与の対象としては、細胞のメラニン産生促進を所望する動物、皮膚褐色化を所望する動物、あるいは白髪の予防又は改善を所望する動物が挙げられる。動物は、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
一態様において、当該投与は、健康増進又は美容目的により非治療的に行われる。
投与の対象としては、細胞のメラニン産生促進を所望する動物、皮膚褐色化を所望する動物、あるいは白髪の予防又は改善を所望する動物が挙げられる。動物は、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
好ましい投与量は、対象の種、体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔、及び摂取の量や間隔は、当業者によって適宜決定され得る。例えば、投与量は、ササフラス又はクイーンズデライトの抽出物の乾燥重量換算で、成人(60kg)1人当たり、0.001〜1000mg/日とすることが好ましく、0.01〜100mg/日がより好ましい。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
(製造例1)ササフラス抽出物の調製
生薬(ササフラスウッドチップ(木質部)、American botanicals社より入手)40gに50%エタノール溶液400mLを加え室温で17日間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液304.55mLを得た(蒸発残分0.50%v/v)。評価には固形分濃度が1.0(w/v)%に濃度を調整したものを使用した。
生薬(ササフラスウッドチップ(木質部)、American botanicals社より入手)40gに50%エタノール溶液400mLを加え室温で17日間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液304.55mLを得た(蒸発残分0.50%v/v)。評価には固形分濃度が1.0(w/v)%に濃度を調整したものを使用した。
(製造例2)クイーンズデライト抽出物の調製
生薬(クイーンズデライト(根)、American botanicals社より入手)40gに50%エタノール溶液400mLを加え室温で22日間抽出後、ろ過し、クイーンズデライト抽出液293.48mLを得た(蒸発残分1.95%v/v)。評価には固形分濃度が1.0(w/v)%に濃度を調整したものを使用した。
生薬(クイーンズデライト(根)、American botanicals社より入手)40gに50%エタノール溶液400mLを加え室温で22日間抽出後、ろ過し、クイーンズデライト抽出液293.48mLを得た(蒸発残分1.95%v/v)。評価には固形分濃度が1.0(w/v)%に濃度を調整したものを使用した。
各ササフラス抽出物の調製
(製造例3−1)
生薬(ササフラスウッドチップ(木質部)、新和物産株式会社より入手)100gに50%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液853mLを得た(蒸発残分0.50%v/v)。当該抽出液におけるサフロール含有量は、0.5ppmであった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−2)
製造例3−1で得られた抽出液50mL(45.75g)を、減圧下、溶液総重量が20gになるまで濃縮した。その後、蒸留水50mLを加え、再度、溶液総重量が20gになるまで5トルの減圧下で濃縮するという操作を2回繰り返して行った。その後、得られた溶液にエタノール25mL及び蒸留水5mLを加えた抽出液(蒸発残分0.46%v/v)を得た。当該抽出液におけるサフロール含有量は、検出限界値以下であった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−3)
生薬(ササフラスウッドチップ(木質部)、新和物産株式会社より入手)100gに95%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液889mLを得た(蒸発残分0.30%)。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、95%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−4)
生薬(ササフラスルートバーク(根皮)、新和物産株式会社より入手)15gに蒸留水150mLを加え70℃で5時間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液111mLを得た(蒸発残分0.35%v/v)。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−5)
生薬(ササフラスルートバーク(根皮)、新和物産株式会社より入手)100gに50%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液801mLを得た(蒸発残分2.50%v/v)。当該抽出液におけるサフロール含有量は、7.3ppmであった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−6)
製造例3−5で得られた抽出液50mL(46.19g)を、減圧下、溶液総重量が20gになるまで濃縮した。その後、蒸留水50mLを加え、再度、溶液総重量が20gになるまで5トルの減圧下で濃縮するという操作を2回繰り返して行った。その後、得られた溶液にエタノール25mL及び蒸留水5mLを加えた抽出液(蒸発残分2.50%v/v)を得た。当該抽出液におけるサフロール含有量は、検出限界値以下であった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−7)
生薬(ササフラスルートバーク(根皮)、新和物産株式会社より入手)100gに95%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液854mLを得た(蒸発残分1.58%v/v)。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、95%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−8)
生薬(ササフラスツリーバーク(樹皮)、新和物産株式会社より入手)101.86gに蒸留水1400mLを加え70℃で5時間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液1227mLを得た(蒸発残分0.46%v/v)。評価には、さらに以下の操作により調製した溶液を用いた。得られた抽出液20mLの溶媒を5トルの減圧下、40℃で留去後、再度、残渣をエタノール20mLに溶解し、減圧下、40℃で溶媒を留去した。その後、蒸留水20mLを加え、凍結乾燥後に得られた残渣72.9mgを50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液とした。
(製造例3−9)
生薬(ササフラスツリーバーク(樹皮)、新和物産株式会社より入手)100.15gに50%エタノール950mLを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液746mLを得た(蒸発残分1.31%v/v)。評価には、さらに以下の操作により調製した溶液を用いた。得られた抽出液20mLの溶媒を5トルの減圧下、40℃で留去後、再度、残渣をエタノール20mLに溶解し、減圧下、40℃で溶媒を留去した。その後、蒸留水20mLを加え、凍結乾燥後に得られた残渣262.2mgを50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液とした。
(製造例3−10)
生薬(ササフラスツリーバーク(樹皮)、新和物産株式会社より入手)100.27gに95%エタノール950mLを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液792mLを得た(蒸発残分0.88%v/v)。評価には、さらに以下の操作により調製した溶液を用いた。得られた抽出液20mLの溶媒を5トルの減圧下、40℃で留去後、再度、残渣をエタノール20mLに溶解し、減圧下、40℃で溶媒を留去した。その後、蒸留水20mLを加え、凍結乾燥後に得られた残渣176.4mgを50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が1.0(w/v)%の溶液とした。
(製造例3−1)
生薬(ササフラスウッドチップ(木質部)、新和物産株式会社より入手)100gに50%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液853mLを得た(蒸発残分0.50%v/v)。当該抽出液におけるサフロール含有量は、0.5ppmであった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−2)
製造例3−1で得られた抽出液50mL(45.75g)を、減圧下、溶液総重量が20gになるまで濃縮した。その後、蒸留水50mLを加え、再度、溶液総重量が20gになるまで5トルの減圧下で濃縮するという操作を2回繰り返して行った。その後、得られた溶液にエタノール25mL及び蒸留水5mLを加えた抽出液(蒸発残分0.46%v/v)を得た。当該抽出液におけるサフロール含有量は、検出限界値以下であった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−3)
生薬(ササフラスウッドチップ(木質部)、新和物産株式会社より入手)100gに95%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液889mLを得た(蒸発残分0.30%)。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、95%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−4)
生薬(ササフラスルートバーク(根皮)、新和物産株式会社より入手)15gに蒸留水150mLを加え70℃で5時間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液111mLを得た(蒸発残分0.35%v/v)。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−5)
生薬(ササフラスルートバーク(根皮)、新和物産株式会社より入手)100gに50%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液801mLを得た(蒸発残分2.50%v/v)。当該抽出液におけるサフロール含有量は、7.3ppmであった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−6)
製造例3−5で得られた抽出液50mL(46.19g)を、減圧下、溶液総重量が20gになるまで濃縮した。その後、蒸留水50mLを加え、再度、溶液総重量が20gになるまで5トルの減圧下で濃縮するという操作を2回繰り返して行った。その後、得られた溶液にエタノール25mL及び蒸留水5mLを加えた抽出液(蒸発残分2.50%v/v)を得た。当該抽出液におけるサフロール含有量は、検出限界値以下であった。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−7)
生薬(ササフラスルートバーク(根皮)、新和物産株式会社より入手)100gに95%エタノール溶液1Lを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液854mLを得た(蒸発残分1.58%v/v)。評価には、抽出液の溶媒を窒素フロー下で留去後、95%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液を使用した。
(製造例3−8)
生薬(ササフラスツリーバーク(樹皮)、新和物産株式会社より入手)101.86gに蒸留水1400mLを加え70℃で5時間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液1227mLを得た(蒸発残分0.46%v/v)。評価には、さらに以下の操作により調製した溶液を用いた。得られた抽出液20mLの溶媒を5トルの減圧下、40℃で留去後、再度、残渣をエタノール20mLに溶解し、減圧下、40℃で溶媒を留去した。その後、蒸留水20mLを加え、凍結乾燥後に得られた残渣72.9mgを50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液とした。
(製造例3−9)
生薬(ササフラスツリーバーク(樹皮)、新和物産株式会社より入手)100.15gに50%エタノール950mLを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液746mLを得た(蒸発残分1.31%v/v)。評価には、さらに以下の操作により調製した溶液を用いた。得られた抽出液20mLの溶媒を5トルの減圧下、40℃で留去後、再度、残渣をエタノール20mLに溶解し、減圧下、40℃で溶媒を留去した。その後、蒸留水20mLを加え、凍結乾燥後に得られた残渣262.2mgを50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が2.0(w/v)%の溶液とした。
(製造例3−10)
生薬(ササフラスツリーバーク(樹皮)、新和物産株式会社より入手)100.27gに95%エタノール950mLを加え40℃で1週間抽出後、ろ過し、ササフラス抽出液792mLを得た(蒸発残分0.88%v/v)。評価には、さらに以下の操作により調製した溶液を用いた。得られた抽出液20mLの溶媒を5トルの減圧下、40℃で留去後、再度、残渣をエタノール20mLに溶解し、減圧下、40℃で溶媒を留去した。その後、蒸留水20mLを加え、凍結乾燥後に得られた残渣176.4mgを50%エタノール水溶液に溶解し、固形分濃度が1.0(w/v)%の溶液とした。
実施例1:ササフラス抽出物及びクイーンズデライト抽出物によるドーパオキシダーゼ活性の促進
(1)細胞培養
正常ヒト新生児表皮由来ケラチノサイト(NHEKs;クラボウ社)及び正常ヒト新生児表皮由来メラノサイト(NHEMs;クラボウ社)は37℃、5%CO2下にて培養した。ケラチノサイトの培地には増殖用添加剤(Humedia−KG2)を含むEpilifeを、メラノサイトの培地には増殖用添加剤(HMGS)を含むMedium 254を用いた。
正常ヒト新生児表皮由来ケラチノサイトを96ウェルプレートに1×104細胞/ウェル(100μL/ウェル)の細胞密度で播種し、翌日、正常ヒト新生児表皮由来メラノサイトを2×104細胞/ウェル(100μL/ウェル)の細胞密度で播種した。さらにその翌日に、ササフラス抽出物(製造例1)又はクイーンズデライト抽出物(製造例2)を表1に記載の終濃度となるように添加し、37℃、5%CO2の条件下で3日間培養を行った。培地には、試験用培地としてhEGFを含まないEpilifeを用いた。コントロールとしては、同量の50%エタノール水溶液を添加した。
(1)細胞培養
正常ヒト新生児表皮由来ケラチノサイト(NHEKs;クラボウ社)及び正常ヒト新生児表皮由来メラノサイト(NHEMs;クラボウ社)は37℃、5%CO2下にて培養した。ケラチノサイトの培地には増殖用添加剤(Humedia−KG2)を含むEpilifeを、メラノサイトの培地には増殖用添加剤(HMGS)を含むMedium 254を用いた。
正常ヒト新生児表皮由来ケラチノサイトを96ウェルプレートに1×104細胞/ウェル(100μL/ウェル)の細胞密度で播種し、翌日、正常ヒト新生児表皮由来メラノサイトを2×104細胞/ウェル(100μL/ウェル)の細胞密度で播種した。さらにその翌日に、ササフラス抽出物(製造例1)又はクイーンズデライト抽出物(製造例2)を表1に記載の終濃度となるように添加し、37℃、5%CO2の条件下で3日間培養を行った。培地には、試験用培地としてhEGFを含まないEpilifeを用いた。コントロールとしては、同量の50%エタノール水溶液を添加した。
(2)ドーパオキシダーゼ活性の測定
培養終了後、培地を100μL/ウェルずつ除去し、アラマーブルー(インビトロジェン社)試薬を10μL/ウェルで添加し、1時間インキュベートした後、培地の蛍光強度を測定して細胞呼吸活性を測定した。その後、細胞をPBSで洗浄し、抽出バッファー(0.1M Tris−HCL(pH7.2)、1% NP−40、0.01%SDS、100μM PMSF、1μg/mL アプロチニン)を20μL/ウェル、Assay Buffer(4%ジメチルホルムアミド、100mM Sodium phosphate−buffered(pH7.1))を20μL/ウェル添加し、4℃、2時間インキュベートして細胞を可溶化した。この可溶化した細胞のドーパオキシダーゼ活性を測定した。ドーパオキシダーゼ活性測定は、MBTH法(Winder A. et al., 1991, Eur.J. Biochem. 198:317-326)を参考に、以下の手順で行った。
可溶化した細胞溶液の各ウェルに、上記Assay Bufferを80μL、20.7mM MBTH(3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン)溶液を60μL、基質として5mM L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)溶液を40μL、それぞれ加え、37℃で30〜60分反応させた後、その呈色反応を505nmの吸光度で測定した(N=3)。測定値をコントロールの結果に対する相対値として表した。
培養終了後、培地を100μL/ウェルずつ除去し、アラマーブルー(インビトロジェン社)試薬を10μL/ウェルで添加し、1時間インキュベートした後、培地の蛍光強度を測定して細胞呼吸活性を測定した。その後、細胞をPBSで洗浄し、抽出バッファー(0.1M Tris−HCL(pH7.2)、1% NP−40、0.01%SDS、100μM PMSF、1μg/mL アプロチニン)を20μL/ウェル、Assay Buffer(4%ジメチルホルムアミド、100mM Sodium phosphate−buffered(pH7.1))を20μL/ウェル添加し、4℃、2時間インキュベートして細胞を可溶化した。この可溶化した細胞のドーパオキシダーゼ活性を測定した。ドーパオキシダーゼ活性測定は、MBTH法(Winder A. et al., 1991, Eur.J. Biochem. 198:317-326)を参考に、以下の手順で行った。
可溶化した細胞溶液の各ウェルに、上記Assay Bufferを80μL、20.7mM MBTH(3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン)溶液を60μL、基質として5mM L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)溶液を40μL、それぞれ加え、37℃で30〜60分反応させた後、その呈色反応を505nmの吸光度で測定した(N=3)。測定値をコントロールの結果に対する相対値として表した。
(3)結果
結果を表1に示す。ササフラス及び、クイーンズデライトの抽出物によって細胞のドーパオキシダーゼ活性が促進された。アラマーブルー法による細胞呼吸活性の測定から、表1に示す濃度のササフラス又はクイーンズデライトの抽出物の添加が細胞増殖に影響を及ぼさないことを確認した。
結果を表1に示す。ササフラス及び、クイーンズデライトの抽出物によって細胞のドーパオキシダーゼ活性が促進された。アラマーブルー法による細胞呼吸活性の測定から、表1に示す濃度のササフラス又はクイーンズデライトの抽出物の添加が細胞増殖に影響を及ぼさないことを確認した。
実施例2 ササフラス抽出物及びクイーンズデライト抽出物によるメラニン産生の促進
(1)細胞培養
正常ヒト新生児表皮由来ケラチノサイトを6ウェルプレートに1×105細胞/ウェル(2mL/ウェル)の細胞密度で播種し、翌日、正常ヒト新生児表皮由来メラノサイトを2×105細胞/ウェル(1mL/ウェル)の細胞密度で播種した。さらにその翌日に、ササフラス抽出物(製造例3−1〜3−10)又はクイーンズデライト抽出物(製造例2)を表2、表3に記載の終濃度となるように添加し、37℃、5%CO2の条件下で7日間培養を行った。培地には、試験用培地としてhEGFを含まないEpilifeを用いた。コントロールとしては、同量の50%又は95%エタノール水溶液を添加した。なお、培地交換は3日に1度行った。
(1)細胞培養
正常ヒト新生児表皮由来ケラチノサイトを6ウェルプレートに1×105細胞/ウェル(2mL/ウェル)の細胞密度で播種し、翌日、正常ヒト新生児表皮由来メラノサイトを2×105細胞/ウェル(1mL/ウェル)の細胞密度で播種した。さらにその翌日に、ササフラス抽出物(製造例3−1〜3−10)又はクイーンズデライト抽出物(製造例2)を表2、表3に記載の終濃度となるように添加し、37℃、5%CO2の条件下で7日間培養を行った。培地には、試験用培地としてhEGFを含まないEpilifeを用いた。コントロールとしては、同量の50%又は95%エタノール水溶液を添加した。なお、培地交換は3日に1度行った。
(2)メラニン産生量の測定
培養終了後、細胞の培養プレートをPBSで洗浄し、セルスクレーパーを用いてエッペンドルフチューブに細胞を回収した。各エッペンドルフチューブに2M NaOHを150μL加えた後100℃にて細胞を溶解させ、遠心処理によって得られた上清について405nmの測定波長で吸光度を測定し(N=2)、メラニン量を算出した。各抽出物での細胞内メラニン量は、コントロールの結果を100%とした相対値として表した。
培養終了後、細胞の培養プレートをPBSで洗浄し、セルスクレーパーを用いてエッペンドルフチューブに細胞を回収した。各エッペンドルフチューブに2M NaOHを150μL加えた後100℃にて細胞を溶解させ、遠心処理によって得られた上清について405nmの測定波長で吸光度を測定し(N=2)、メラニン量を算出した。各抽出物での細胞内メラニン量は、コントロールの結果を100%とした相対値として表した。
(3)結果
7日培養後の細胞ペレットの写真を図1、図2に、及びメラニン量測定結果を表2、表3に示す。ササフラス又はクイーンズデライトの抽出物の添加により、細胞の黒化促進効果が視覚的に認められ(図1(A)、(B)、(C)、及び図2)、細胞内メラニン量が増加した(表2、3)。
7日培養後の細胞ペレットの写真を図1、図2に、及びメラニン量測定結果を表2、表3に示す。ササフラス又はクイーンズデライトの抽出物の添加により、細胞の黒化促進効果が視覚的に認められ(図1(A)、(B)、(C)、及び図2)、細胞内メラニン量が増加した(表2、3)。
Claims (9)
- ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とするメラニン産生促進剤。
- 前記抽出物が水又はエタノール水溶液の抽出物である、請求項1記載のメラニン産生促進剤。
- 前記抽出物が常圧又は減圧下で溶媒を留去されたものである、請求項1又は2記載のメラニン産生促進剤。
- ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とする皮膚褐色化剤。
- 前記抽出物が水又はエタノール水溶液の抽出物である、請求項4記載の皮膚褐色化剤。
- 前記抽出物が常圧又は減圧下で溶媒を留去されたものである、請求項4又は5記載の皮膚褐色化剤。
- ササフラス、クイーンズデライト又はそれらの抽出物を有効成分とする白髪の予防又は改善剤。
- 前記抽出物が水又はエタノール水溶液の抽出物である、請求項7記載の白髪の予防又は改善剤。
- 前記抽出物が常圧又は減圧下で溶媒を留去されたものである、請求項7又は8記載の白髪の予防又は改善剤。
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- 2011-09-20 JP JP2011204221A patent/JP2013063938A/ja active Pending
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JPN6015018024; 木島 正夫他: 'サッサフラスノキ' 廣川 薬用植物事典 , 1991, p.153 * |
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