JP2013053644A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転方向が変化しなくても、トルク入力方向が変化すれば締結状態、解放状態が切り替わるワンウェイクラッチを提供する。
【解決手段】入力部材101と出力部材102の間にロック部材103が配置され、ロック部材103が入力部材101に対して周方向の一方側に変位するとロック部材103が入力部材101と出力部材102の間に挟み込まれて締結状態となるワンウェイクラッチにおいて、入力部材101及び出力部材102に対して相対回転変位可能で、かつ入力部材101へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときに入力部材101に対して相対回転変位することによりロック部材103を入力部材101に対して周方向の一方側へ変位させる保持器100を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、トルク感応式のワンウェイクラッチに関する。
ワンウェイクラッチの一例として、特許文献1には、入力部材としてのアウターレースと出力部材としてのインナーレースの間に、複数のスプラグを周方向に所定間隔で配置する構成が開示されている。このワンウェイクラッチでは、アウターレースが所定方向に回転するとスプラグがアウターレース及びインナーレースに接触し、所定方向とは反対に回転するとスプラグはアウターレースとは接触するがインナーレースとは非接触状態となる。これにより、所定方向に回転した場合にのみトルクを伝達する。
特開2009−156412号公報
特許文献1のワンウェイクラッチは、入力部材の回転方向に応じて締結と解放が切り替わる回転感応式である。したがって、ある一方向への回転が入力されれば締結状態となり、その反対方向の回転が入力されれば解放状態となる。しかし、回転方向が変わらなければ、例えば入力トルクの大きさが変化しても締結と解放が切り替わることはない。
このようなワンウェイクラッチを、例えば、車両の駆動源側からのドライブトルク入力を駆動輪側へ伝達し、駆動輪側からのコーストトルク入力を遮断するために介装する場合を考える。この場合、入力部材の慣性モーメントが大きいと、コーストトルク入力からドライブトルク入力へとトルク入力の方向が変化しても、入力部材の回転方向が変化するまでは解放状態から締結状態へ切り替わらない。このため、入力部材の回転方向が変化するまではドライブトルク入力を駆動輪側へ伝達することができない。
そこで、本発明では、回転方向が変化しなくても、トルク入力方向が変化すれば締結状態、解放状態が切り替わるワンウェイクラッチを提供することを目的とする。
本発明のワンウェイクラッチは、入力部材と出力部材の間にロック部材が配置され、ロック部材が入力部材に対して周方向の一方側に変位するとロック部材が入力部材と出力部材の間に挟み込まれて締結状態となる。そして、入力部材及び出力部材に対して相対回転変位可能で、かつ入力部材へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときに入力部材に対して相対回転変位することによりロック部材を入力部材に対して周方向の一方側へ変位させる保持器を備える。
本発明によれば、保持器は入力部材及び出力部材のいずれに対しても相対回転可能なので、入力部材へのトルク入力方向が切り替わっても、保持器は慣性力の作用により回転し続けようとする。また、保持器は、入力部材へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときに、入力部材に対して相対回転変位することにより、ロック部材を入力部材に対して周方向の一方側へ変位させる。すなわち、本発明のワンウェイクラッチは、入力部材へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときに、保持器が慣性力の作用によってロック部材を入力回転部材に対して相対回転変位させて締結状態となる。このように、トルク入力方向の変化に応じて解放状態から締結状態へ切り替わる。
本発明の第1実施形態に係るワンウェイクラッチの構成図であり、(A)は解放状態、(B)は締結状態を示す。 第1実施形態に係るワンウェイクラッチの、他の例の解放状態を示す構成図である。 第1実施形態に係るワンウェイクラッチを適用するトルク伝達装置の一例を示す図である。 トルク伝達装置の、錘部分の正面図である。 トルク伝達装置の動きを説明するための図である。 (A)はθがゼロ〜180度の場合におけるトルクについて、(B)はθが180〜360度の場合におけるトルクについて、それぞれ説明するための図である。 トルク伝達装置の作用について説明する為の図であり、(A)は入力部材の回転数、(B)は錘の回転により発生する振動トルク、(C)はワンウェイクラッチにより取り出される出力軸トルクについて示す図である。 本発明の第1実施形態に係るワンウェイクラッチのさらに他の例を示す構成図であり、(A)は解放状態、(B)は締結状態を示す。 本発明の第2実施形態に係るワンウェイクラッチの構成図であり、(A)は解放状態、(B)は締結状態を示す。 本発明の第2実施形態に係るワンウェイクラッチの入力部材を軸方向から見た図である。 本発明の第3実施形態に係るワンウェイクラッチの構成図であり、(A)は解放状態、(B)は締結状態を示す。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るワンウェイクラッチの一例を示す構成図であり、図1(A)は解放状態、図1(B)は締結状態を示している。
このワンウェイクラッチは、入力部材101に時計回り方向のトルクが入力されたときに解放状態となり、反時計回り方向のトルクが入力されたときに締結状態となる。具体的には、以下に説明するような構成となっている。
入力部材101は、外周部が複数の傾斜部101Aで形成される部材である。各傾斜部101Aは、時計回り方向に進むにつれて徐々に出力部材102に接近するよう設けられている。隣り合う傾斜部101Aの境界には壁面101Bが設けられている。
出力部材102は、入力部材101の外周側に所定の隙間をもって設けられる部材である。
入力部材101と出力部材102の間には、ボール103と円環状の保持器100が設けられる。ボール103は、各傾斜部101Aに一つずつ配置される。ボール103と保持器100は、いずれも入力部材101及び出力部材102に対して自由に移動可能である。ボール103は保持器100に回転自在に保持される。ボール103の径は、傾斜部101Aと出力部材102の内周面との間隔の最小値から最大値の間の大きさである。なお、ボール103に代えて、円筒状のころを用いてもよい。
保持器100は、径方向内側に突出する複数の突起部100Aを備える。この突起部100Aは、入力部材101の壁面101Bと同じ間隔で設けられている。そして、保持器100は、壁面101Bとボール103の間に突起部100Aが位置するように設けられる。
上記のようなワンウェイクラッチの、締結状態と解放状態の切り替わりのメカニズムについて説明する。ここでは、入力部材101にトルク入力用の入力側回転部材が連結され、出力部材102にトルク出力用の出力側回転部材が連結されているものとして説明する。
入力部材101に時計回り方向のトルクが入力されると、入力部材101は時計回り方向に回転する。このとき、壁面101Bは突起部100Aを介してボール103を押すことになる。つまり、突起部100Aの一方の面が壁面101Bに接し、他方の面がボール103に接した状態で、入力部材101、保持器100、及びボール103は一体として入力部材101の軸周りに回転する。したがって、ボール103は出力部材102に接することはなく、解放状態となる。仮にボール103が遠心力により径方向へ移動して、入力部材101から離れて出力部材102と接触したとしても、ボール103が保持器100に保持された状態で自転することにより、入力部材101と出力部材102の差回転は吸収される。
一方、入力部材101に反時計回り方向のトルクが入力されると、入力部材101のみが反時計回り方向に回転する。これにより、突起部100Aは壁面101Bから離れて、ボール103を傾斜部101Aに沿って押し上げることになる。そして、ボール103が傾斜部101Aと出力部材102とに挟まれると、締結状態となり、入力部材101から出力部材102へトルクが伝達される。
ところで、本実施形態のワンウェイクラッチでは、解放状態から締結状態に切り替わるためには、入力部材101が反時計回り方向に回転する必要はなく、トルクの入力方向が切り替われば十分である。例えば、時計回り方向のトルクが入力されて、入力部材101が時計回り方向に回転している解放状態から、トルクの入力方向が反時計回り方向に切り替わる場合を考える。
トルクの入力方向が反転すると入力部材101の回転速度はただちに低下するが、入力部材101に固定されていない保持器100及びボール103は、慣性力の働きによって、そのまま回転し続けようとする。これにより、ボール103が自らの慣性力及び保持器100により傾斜部101Aに沿って押し上げられ、入力部材101と出力部材102に挟み込まれる。その結果、入力部材101と出力部材102の相対回転がなくなり、締結状態となる。
つまり、入力部材101へのトルク入力方向が時計回り方向から反時計回り方向へ切り替わると、入力部材101の回転方向が時計周り方向のままでも、解放状態から締結状態へと切り替わる。
また、締結状態で入力部材101へのトルク入力方向が再び時計周り方向へ切り替わると、相対的には入力部材101だけが時計回り方向に回転するので、ボール103の挟み込みが解除されて、解放状態に切り替わる。
上記のようにトルクの入力方向の変化に応じて締結状態と解放状態とが切り替わるワンウェイクラッチであれば、入力部材の慣性が大きい場合でも、トルクの入力方向の変化に応じて解放状態から締結状態に切り替えることができる。
図2は、図1(A)、図1(B)に示したワンウェイクラッチと機能は同じであるが、入力部材101と出力部材102の位置関係が異なるワンウェイクラッチの一例を示す図である。なお、図2は解放状態を示している。
図1(A)、図1(B)では入力部材101が内周側、出力部材102が外周側という構成であったが、図2ではその逆で、入力部材101が外周側、出力部材102が内周側となっている。このため、傾斜部101Aは内周側にある出力部材102に徐々に近づくよう形成されている。
締結状態と解放状態の切り替わりのメカニズムは図1(A)、図1(B)の構成と同様である。すなわち、入力部材101が時計回り方向のトルクによって回転すると、壁面101Bが突起部100Aを介してボール103を周方向に押す。このとき、入力部材101と保持器100及びボール103とは同じ回転速度で回転するので、ボール103は出力部材102に接触せず、解放状態となる。
そして、入力部材101へ入力されるトルクが反時計回り方向に変化すると、保持器100の慣性によってボール103が入力部材101と出力部材102に挟まれて締結状態となる。締結状態でトルク入力方向が時計回りに切り替わると、ボール103の挟み込みが解除されて、再び解放状態に切り替わる。このようなワンウェイクラッチを、以下の説明ではトルク感応式ワンウェイクラッチと称する。これに対して、回転方向が切り替わらないと締結状態と解放状態が切り替わらない構造のワンウェイクラッチを、回転感応式ワンウェイクラッチと称する。
次に、上述したワンウェイクラッチの使用例について説明する。
図3は、内燃機関や電動モータ等といった駆動源から入力された駆動力を、ドライブシャフト等を介して車輪に伝達するトルク伝達装置OTCの断面図である。図4はトルク伝達装置OTCの錘7部分の正面図である。
トルク伝達装置OTCは、駆動源から入力されるトルクにより回転軸周りに回転するヨーク4と、変速機または車体等に固定される筒状の固定軸31を備える。ヨーク4には筒状のトルク伝達軸10がベアリング13を介して回転可能に、かつヨーク4の回転軸と同軸に支持されている。固定軸31の内周側には、出力軸30がベアリング32を介して回転可能かつヨーク4の回転軸と同軸に支持されている。また、出力軸30は、ベアリング20を介してトルク伝達軸10の内周側にも回転可能かつヨーク4の回転軸と同軸に支持されている。出力軸30とトルク伝達軸10の間には、ベアリング20の他に第1ワンウェイクラッチ11が介装されている。固定軸31とトルク伝達軸10は少なくとも一部がヨーク4の回転軸方向で重なり、重なる部分については、固定軸31の方がトルク伝達軸10より小径である。そして重なる部分において、固定軸31とトルク伝達軸10の間には第2ワンウェイクラッチ12が介装されている。この第2ワンウェイクラッチ12として、トルク感応式のワンウェイクラッチを使用する。具体的には、図2に示した構成のものを用い、トルク伝達軸10と入力部材101、固定軸31と出力部材102を、それぞれ嵌合させる。なお、第1ワンウェイクラッチ11は回転感応式で構わない。
第1ワンウェイクラッチ11は、後述する振動トルクが入力回転と同方向(以下、この方向を正の方向とする)に作用する場合に締結して、その振動トルクを出力軸30に伝達する。振動トルクが負の方向に作用する場合、第2ワンウェイクラッチ12が締結してトルク伝達軸10が固定軸31に固設されて回転が止められるとともに、第1ワンウェイクラッチ11の締結が解除されるので出力軸30はそれまでの回転の慣性で回転を続ける。
トルク伝達軸10の外周部には、偏心軸9Aと偏心軸9Bが、ヨーク4の回転軸方向に並んで固定されている。偏心軸9Aと偏心軸9Bの偏心方向は180°ずれている。偏心軸9Aには、ベアリング16Aを介して錘7Aが回転可能に支持されている。同様に、偏心軸9Bにはベアリング16Bを介して錘7Bが回転可能に支持されている。
錘7Aは、錘7Aをヨーク4の回転軸方向に貫通するピン孔33を備える。そして、ピン孔33に挿通されたピン19Aの両端はヨーク4に固定される。錘7Bについても同様に、ピン19Bが挿通している。
ピン孔33のヨーク4の回転軸方向から見た開口部は、図4に示すようにピン19A、19Bが摺動可能な長穴形状となっている。
偏心軸9A、9Bの、トルク伝達軸10の回転軸に対する偏心量は等しいが、偏心方向はトルク伝達軸10を挟んで反対方向である。すなわち、錘7の数をN個とした場合に、ヨーク4の回転方向で360/N度間隔の各方向に分布する回転軸まわりのイナーシャの大きさが等しくなるように複数の錘7を設ける。
なお、本説明において、個別の錘または偏心軸を示す場合にはそれぞれ7A、7B、または9A、9Bとして区別し、両者を総称する場合には単に7または9とする。後述するヨークシャフト5、リンク6についても同様とする。
錘7は、ベアリング16に嵌合している側が、相対的に軸方向長さが短い薄部17A、リンク6に連結される側が、相対的に軸方向長さが長い厚部17Bとなっている。
錘7Aと錘7Bは同形状であり、トルク伝達装置OTCが停止した状態では互いの厚部17Bが偏心軸9の中心軸を挟んで反対側に位置するよう配置される。また、錘7Aは厚部17Bが負荷側に伸びる向きで、錘7Bは厚部17Bが駆動源側に伸びる向きで、互いの薄部17A同士が軸方向に対向するよう接近して配置される。ただし、厚部17Bは、一対となる錘7をトルク伝達軸10方向で接近させた場合に、他方の薄部17Aと干渉しないように設定する。
次に、トルク伝達装置OTCの動作について説明する。
駆動源から回転が入力されると、ヨーク4が回転軸を中心として回転し、ヨーク4にピン19を介して連結されている錘7も回転する。ただし、錘7は偏心軸9の中心を回転軸として回転する。すなわち、錘7が回転することで生じる遠心力は、トルク伝達軸10の径方向からずれた方向に作用することとなり、トルク伝達軸10を回転させるトルクが発生する。このトルク発生のメカニズムについては後述する。
ここで、図5を参照して各部品の動きについて説明する。図5は、図4と同様に錘7部分を正面から見た図である。トルク伝達軸10の回転軸をO、ピン19の中心軸をB、錘7の重心をC、偏心軸9の中心をDとする。また、CからB方向のベクトルをR2、DからC方向のベクトルをR3、OからD方向のベクトルをR4、ベクトルR3とベクトルR4のなす角をθとする。
ピン19の中心軸Bは、入力回転とは異なる角速度ωin2で運動し、その軌跡は回転軸Oを中心とすると、真円にはならない。錘7の重心Cも同様である。これらの軌跡が真円にならないのは、トルク伝達軸10と偏心軸9の中心が偏心しているためである。偏心しているにもかかわらずトルク伝達軸10及び偏心軸9が回転できるのは、ピン19がピン孔33に沿ってスライドすることで、偏心量を吸収するからである。中心軸B及び重心Cの軌跡は、偏心軸9の中心Dを中心とすると真円となる。
偏心軸9の中心Dは、トルク伝達軸10の回転と等しい角速度で運動し、その軌跡は回転軸Oを中心とする真円となる。
角θはベクトルR3とベクトルR4のなす角なので、ベクトルの内積の式(1)から求めることができる。
Figure 2013053644
次に、トルク伝達軸10を回転させるトルクが発生するメカニズムについて説明する。
図6(A)及び図6(B)は、遠心力FとトルクTの関係を示す図である。なお、ここでは簡単の為、錘7がリンク6による制限を受けずに回転できるものとしている。
錘7が回転することで発生する遠心力は、式(2)で表される。
Figure 2013053644
図6(A)、図6(B)に示すように、遠心力Fは、偏心軸9の中心Dに、ベクトルR3方向に作用する。そして、回転軸Oには、式(3)で表されるトルクTが作用することになる。
Figure 2013053644
ベクトルR3が図中のY軸と一致する状態のθをゼロ度とし、図中の時計回り方向を正とすると、θがゼロから180度の間にある場合には、図6(A)に示すように、トルクTは図中の時計回り方向、つまり正の方向に作用する。一方、θが180度から360度の間にある場合には、図6(B)に示すように、トルクTは反時計回り方向、つまり負の方向に作用する。
図7(A)、図7(B)、図7(C)は、トルク伝達装置OTCにより伝達されるトルクについて説明するためのタイムチャートである。図7(A)はトルク伝達装置OTCに入力される回転について、図7(B)はそれにより発生するトルクTについて、図7(C)は出力軸30に伝達されるトルクについてのチャートである。
図7(A)に示すように一定速度の回転が入力されて錘7が回転することによって、トルクTの大きさ及び作用方向が周期的に変化する。この変化は、式(3)から明らかなように、図7(B)に示すように正弦波で表すことができる。
そして、上述した第1ワンウェイクラッチ11及び第2ワンウェイクラッチ12により、図7(C)に示すようにトルクTが正方向に作用する場合のみ、出力軸30にトルクが伝達される。
より具体的には、正方向のトルクTが入力されている場合には、第1ワンウェイクラッチ11はトルク伝達軸10と出力軸30の相対回転を禁止し、第2ワンウェイクラッチ12はトルク伝達軸10を固定軸31に対して自由に回転させる。これにより、出力軸30から駆動輪へトルクが伝達される。
一方、負方向のトルクTが入力されている場合には、第1ワンウェイクラッチ11はトルク伝達軸10に対して出力軸30を自由に回転させ、第2ワンウェイクラッチ12は固定軸31に対するトルク伝達軸10の差回転を禁止する。これにより、出力軸30はそれまでの回転の慣性で回転を続ける。また、出力軸30が車輪の連れ回りによって回転することも許容される。
上述した錘7の回転による遠心力FをトルクTに変換して伝達するトルク伝達装置OCTでは、トルク伝達経路中で摩擦が発生するのがベアリング13、16と第1ワンウェイクラッチ11及び第2ワンウェイクラッチ12だけである。このため、一般的な車両のクラッチよりも伝達効率が高い。また、錘7の遠心力を利用するので、一般的なトルクコンバータと同様に駆動力増幅作用も持ち合わせている。さらに、一般的なトルクコンバータと同様に、制御不要で速度比ゼロから1までカバーできる。
ところで、第2ワンウェイクラッチ12として回転感応式のものを用いても、トルク伝達装置OCTはその機能を果たすことはできる。しかし、以下に説明するように、第2ワンウェイクラッチ12をトルク感応式にする方が、伝達効率をより高くすることができる。
第2ワンウェイクラッチ12を回転感応式にすると、トルクTの作用方向が負に切り替わってからトルク伝達軸10の回転方向が切り替わるまでは解放状態のままとなる。そしてトルク伝達軸10の回転方向が切り替わるまでは、回転感応式の第1ワンウェイクラッチ11は締結状態のままである。このため、トルクTの作用方向が負になってから、第2ワンウェイクラッチ12が締結状態に切り替わるまでの間は、第1ワンウェイクラッチ11を介して出力軸30に入力されるトルクが徐々に小さくなる。換言すると、第2ワンウェイクラッチ12が締結状態になるまでは、出力軸30の回転にブレーキがかけられることになる。特に、図3に示すトルク伝達装置OCTのように錘7の回転によりトルクを発生させる構成では、トルク伝達軸10に作用する慣性力が大きいため、トルクTの入力方向が負に切り替わってからトルク伝達軸10の回転方向が切り替わるまでに時間を要する。
一方、トルク伝達装置OCTは、上述したようにトルク伝達軸10に入力されるトルクTが負の場合は、トルク伝達軸10と出力軸30のトルク伝達を遮断する。トルク伝達を遮断している間は、出力軸30は慣性力により回転することになる。したがって、トルク伝達が遮断されている間の出力軸30の回転速度を高く維持するためには、トルク伝達が遮断されるタイミング、つまり第1ワンウェイクラッチ11が解放状態になるタイミングにおける出力軸30の回転速度は、より高いことが望ましい。しかし、第2ワンウェイクラッチ12を回転感応式にすると、上述したように第2ワンウェイクラッチ12が締結状態になるまでの間に、出力軸30の回転にブレーキがかけられてしまう。
これに対して、第2ワンウェイクラッチ12がトルク感応式であれば、トルクTの入力方向が負に切り替わると速やかに締結状態となり、トルク伝達軸10が固定軸31に固定される。一方、出力軸30は慣性力により回転し続けるので、両者の相対的な回転方向が反転して、第1ワンウェイクラッチ11が解放状態となる。これにより、トルクTの入力方向が負に切り替わった後に、出力軸30の回転にブレーキがかけられることを回避できる。その結果、トルク伝達軸10へのトルクTの入力方向が負になる期間中における出力軸30の回転速度の低下を抑制して、より高い伝達効率を発揮することができる。
なお、図1に示したトルク感応式のワンウェイクラッチにおいて、ボール103に代えて図8(A)、図8(B)に示すような楔104を用いてもよい。図8(A)、図8(B)は、図1(A)、図1(B)と同様にワンウェイクラッチの構成を示しており、図8(A)は解放状態、図8(B)は締結状態を示している。図1(A)、図1(B)との相違点は、ボール103が楔104になっている点のみである。
楔104は、突起部100Aと対向する基端面104Aと、傾斜部101Aと対向する摺動面104Bと、出力部材102の内周面と対向する傾斜面104Cを含んで構成される。
このような構成でも、ボール103の場合と同様のメカニズムで締結状態と解放状態が切り替わる。すなわち、入力部材101に時計回り方向のトルクが入力されると、壁面101Bが突起部100Aを介して楔104の基端面104Aを押し、これらが一体となって回転する。その結果、楔104は出力部材102と接触せず、解放状態となる。そして、トルクの入力方向が反時計回りに切り替わると、保持器100が楔104を傾斜部101Aに沿って押し上げ、楔104が入力部材101と出力部材102に挟みこまれて、締結状態となる。
以上のように、本実施形態のワンウェイクラッチは、入力部材101及び出力部材102に対して相対回転変位可能で、かつ入力部材101へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときにボール103を入力部材101に対して周方向の一方側へ変位させる保持器100を備える。これにより、入力部材101へのトルク入力方向が変化すると、回転方向が変化しなくても、解放状態から締結状態へ切り替わる。
より具体的には、保持器100は、入力部材101へのトルク入力方向が一方のときは、入力部材101に付勢されながら入力部材101と一体となって回転する。そして、入力部材101へのトルク入力方向が反転すると、慣性力によりボール103を入力部材101に対して周方向の一方側へ変位させる。
このようなトルク入力方向に感度を有するワンウェイクラッチは、入力部材101の慣性が大きい装置において、トルク入力方向の変化に応じて解放状態と締結状態を速やかに切り替えたい場合に特に有用である。
(第2実施形態)
図9(A)、図9(B)は、本発明の第2実施形態に係るワンウェイクラッチを側方から見た図であり、図9(A)は解放状態、図9(B)は締結状態を示している。図10は、図9(B)のX−X線に沿った断面図である。
本実施形態のワンウェイクラッチは、入力側回転部材200の先端に取り付けられた円盤状の入力部材101と、出力側回転部材201の先端に取り付けられた円盤状の出力部材102が対峙している。互いの対峙している面(以下、この面を表面と呼ぶ)にボール103が挟み込まれることで締結状態となるのは第1実施形態と同様である。
入力部材101の表面は、周方向に所定数(図10では6)の区画に分割されており、各区画は同一周方向に進むにつれて出力部材102に近づく傾斜部101Aとなっている。各傾斜部101Aの境界には壁面101Bが設けられている。
入力部材101と出力部材102の間には、保持器100が両者に対して回転自由に配置されている。保持器100は各区画の径方向に伸びる枝部100Bを有し、各枝部100Bはボール103を保持している。ボール103は枝部100Bの壁面101Bとは反対側に保持されている。
入力部材101にトルクが図10中で反時計回り方向のトルクが入力され、入力部材101が時計回り方向に回転すると、図9(A)に示すように、壁面101Bが保持器100を介してボール103を押し、ボール103と出力部材102は接触しない。これにより、解放状態となる。
一方、解放状態で回転中に、入力部材101へのトルクの入力方向が図10中で時計回りに切り替わると、入力部材101の回転速度は低下するが、保持器100及びボール103は慣性力によってそのまま回転し続けようとする。その結果、保持器100がボール103を傾斜部101Aに沿って押し上げ、図9(B)に示すように、ボール103が入力部材101と出力部材102とに挟み込まれて締結状態となる。また、締結状態のときに入力部材101へのトルクの入力方向が反時計回りに切り替わると、入力部材101がトルクの入力方向に回転することによって、ボール103の挟み込みが解消され、解放状態に切り替わる。
以上のように本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、トルクの入力方向の切り替わりに応じて速やかに解放状態と締結状態とが切り替わる。
なお、本実施形態においても、ボール103に代えて楔104を用いてもよい。
(第3実施形態)
図11(A)、図11(B)は、本発明の第3実施形態に係るワンウェイクラッチを側方から見た図であり、図11(A)は解放状態、図11(B)は締結状態を示している。
入力部材101は、外周部に複数の傾斜部101Aを備える部材である。傾斜部101Aは、時計回り方向に進むにつれて徐々に出力部材102に接近するよう設けられている。隣り合う傾斜部101Aの境界には壁面101Bが設けられている。傾斜部101Aと壁面101Bがなす角は鋭角になっている。
出力部材102は、入力部材101の外周側に所定の隙間をもって設けられる部材である。
入力部材101と出力部材102の間には、楔105と円環状の保持器100が設けられる。楔105は、各傾斜部101Aに一つずつ配置され、各楔105は保持器100にピン106を軸として回転可能に保持されている。ピン106は、図11中において楔105の右端付近に位置することが好ましい。
保持器100は、いずれも入力部材101及び出力部材102に対して自由に移動可能である。また、保持器100は楔105を外周方向へ押圧する機構を備える。例えば、ピン106を軸として巻き回されたつるまきバネの一端を楔105、他端を保持器100にそれぞれ係止することで、つるまきバネの弾性力を楔105に対して外周方向に付勢することができる。また、板バネを用いてもよいし、油圧機構等を用いてもよい。
楔105の、ピン106で支持された側とは反対側の端面105A(以下、後端面という)は、壁面101Bと対向するよう傾斜している。また、楔105の外周側の面は、入力部材101と出力部材102とに挟まれたときに、出力部材102の内周面との接触面積が広くなるような形状が望ましい。
次に、本実施形態のワンウェイクラッチの、締結状態と解放状態の切り替わりのメカニズムについて説明する。
入力部材101に時計回り方向のトルクが入力されて回転し、壁面101Bが楔105の後端面105Aに接すると、壁面101Bと楔105の後端面105Aが対向するように傾斜していることから、図11(A)に示すように楔105は内周側に押し付けられる。これにより、楔105と出力部材102が接触しなくなり、解放状態となる。
そして、入力部材101へのトルクの入力方向が反時計回り方向へ切り替わると、入力部材101は回転速度が低下するのに対して、保持器100が慣性力によってそのまま回転し続けようとする。その結果、楔105が入力部材101と出力部材102に挟まれる。さらに、楔105の後端面105Aと壁面101Bが離れることにより、楔105はピン106を軸として外周方向へ押圧されて、楔105の外周面と出力部材102の内周面とが接触する。これにより締結状態となる。
なお、楔105と出力部材102の互いの接触面に、摩擦材を貼り付けたり、摩擦係数を高めるような加工を施したりしてもよい。接触面の摩擦係数を高めることで、接触面積を小さくしても締結力を確保することが可能となり、ひいては締結容量を確保しつつワンウェイクラッチを小型化することができる。
以上のように本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、トルクの入力方向の切り替わりに応じて速やかに解放状態と締結状態とが切り替わる。また、摩擦材の貼り付け等を施すことにより、ワンウェイクラッチの小型化を図ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 駆動源
2 負荷
3 ケース
4 ヨーク
5 ヨークシャフト
6 リンク
7 錘
9 偏心軸
10 トルク伝達軸
11 第1ワンウェイクラッチ
12 第2ワンウェイクラッチ
16 ベアリング
19 ピン
30 出力軸
31 固定軸
100 保持器
101 入力部材
102 出力部材
103 ボール(ロック部材)
104 楔(ロック部材)
105 楔(ロック部材)
106 ピン

Claims (5)

  1. 入力部材と出力部材の間にロック部材が配置され、前記ロック部材が前記入力部材に対して周方向の一方側に変位すると前記ロック部材が前記入力部材と前記出力部材の間に挟み込まれて締結状態となるワンウェイクラッチにおいて、
    前記入力部材及び前記出力部材に対して相対回転変位可能で、かつ前記入力部材へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときに前記入力部材に対して相対回転変位することにより前記ロック部材を前記入力部材に対して周方向の一方側へ変位させる保持器を備えることを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記ロック部材は、前記入力部材と前記出力部材の回転差を吸収するよう回転する転動体である請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記ロック部材は、楔状の部材である請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記ロック部材と前記出力部材の互いの接触面に、摩擦材を設けるか、または摩擦係数を高める処理を施す請求項1から3のいずれかに記載のワンウェイクラッチ。
  5. 前記保持器は、前記入力部材へのトルク入力方向が一方のときは前記入力部材と一体に回転し、前記入力部材へのトルク入力方向が一方から他方へ変化したときには、慣性力により前記ロック部材を前記入力部材に対して周方向の一方側へ変位させる請求項1から4のいずれかに記載のワンウェイクラッチ。
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