JP2013041754A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】接地電極と貴金属チップの溶接強度を向上させたスパークプラグにおいて、さらに、着火性を向上させる。
【解決手段】スパークプラグは、放電面に平行な面に投影された貴金属チップの面積のうち80%以上の面積が溶融部と重なり合い、接地電極の幅方向に垂直な平面によって切断された第1の断面において、貴金属チップと溶融部との境界のうち接地電極の最も先端部側に位置する点をAとし、溶融部および接地電極のうち接地電極の最も先端部側に位置する部位を最先端部Bとし、最先端部Bを基準として軸線と平行な方向に引いた仮想直線LBと、点Aを基準として仮想直線LBの垂直方向に引いた仮想直線LAとの交点をCとし、点Aと交点Cとを結んだ第1の線分と、点Aと最先端部Bとを結んだ第2の線分とから形成される角度をθ1、点Aから交点Cまでの距離をLとした場合、0.05mm≦L≦1.00mm、かつ、5°≦θ1≦85°の条件を満たす。
【選択図】図4

Description

本発明は、スパークプラグに関する。
従来、スパークプラグの接地電極に貴金属チップを接合する方法として、例えば、抵抗溶接やYAGレーザ溶接を用いることが知られている。また、近年のエンジン高出力化よるスパークプラグの使用環境の高温化に伴って、貴金属チップの溶接強度をより向上させるために、ファイバーレーザ溶接を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4619443号公報 特開2011−34826号公報 特開2005−123166号公報 特開2002−237365号公報
ファイバーレーザ溶接を用いて、スパークプラグの接地電極に貴金属チップを接合する技術においては、接地電極と貴金属チップの溶接強度は向上している。しかし、従来から、スパークプラグには、燃費向上や未燃焼ガスの低減のために、着火性を向上させたいという更なる要望があった。
本発明は、接地電極と貴金属チップの溶接強度を向上させたスパークプラグにおいて、さらに、着火性を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、
前記主体金具の先端部に取り付けられる基部と、前記中心電極の先端部と対向する先端部とを有する接地電極と、
前記接地電極の前記先端部に設けられ、前記中心電極との間で間隙を形成する放電面を有する貴金属チップと、
前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部に設けられ、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶け合って形成された溶融部と、
を備えるスパークプラグであって、
前記貴金属チップおよび前記溶融部を前記放電面に平行な面に投影した場合に、投影された前記貴金属チップの面積のうち80%以上の面積が、投影された前記溶融部と重なり合っており、
前記放電面に垂直な平面であって、前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な平面によって切断された第1の断面において、
前記貴金属チップと前記溶融部との境界のうち、前記接地電極の最も先端部側に位置する点をAとし、
前記溶融部および前記接地電極のうち、前記接地電極の最も前記先端部側に位置する部位を最先端部Bとし、
前記最先端部Bを基準として前記軸線と平行な方向に引いた仮想直線LBと、前記点Aを基準として前記仮想直線LBの垂直方向に引いた仮想直線LAとの交点をCとし、
前記点Aと前記交点Cとを結んだ第1の線分と、前記点Aと前記最先端部Bとを結んだ第2の線分とから形成される角度をθ1[°]、前記点Aから前記交点Cまでの距離をL[mm]とした場合に、
0.05≦L≦1.00
5≦θ1≦85
の条件を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このような構成とすれば、放電面に平行な面に投影された貴金属チップの面積のうち80%以上の面積が、投影された溶融部と重なり合っており、貴金属チップから最先端部までの水平距離である距離Lは、0.05mm以上、1.00mm以下であり、接地電極の火花ギャップ側の端部の角度である角度θ1は、5°以上、85°以下であるため、接地電極と貴金属チップの溶接強度を向上させたスパークプラグにおいて、さらに、着火性を向上させることができる。
[適用例2]
適用例1記載のスパークプラグであって、
前記第1の断面において、
前記接地電極の先端部側かつ前記貴金属チップが設けられる側の反対側に位置する、前記接地電極の端点をDとし、
前記仮想直線LBと、前記端点Dを基準として前記仮想直線LBの垂直方向に引いた仮想直線LDとの交点をEとし、
前記最先端部Bと前記端点Dを結んだ第3の線分と、前記端点Dと前記交点Eを結んだ第4の線分とから形成される角度をθ2[°]とした場合に、
30≦θ2≦90
の条件を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このような構成とすれば、接地電極の外側端部の角度である角度θ2は、30°以上、90°以下であるため、適用例1記載のスパークプラグにおいて、さらに着火性を向上させることができる。
[適用例3]
適用例1または2記載のスパークプラグであって、
前記第1の断面において、
前記溶融部のうち、前記点Aを基準として軸線方向に引いた仮想直線LOよりも前記接地電極の前記最先端部B側に位置する部分の硬度をA1[Hv]とし、
前記溶融部のうち、前記仮想直線LOよりも前記接地電極の前記基部側に位置する部分の硬度をA2[Hv]とし、
前記接地電極のうち、前記仮想直線LOよりも前記接地電極の前記最先端部B側に位置する部分の硬度をA3[Hv]とした場合に、
0.6≦A2/A1≦1.7
の条件と、
0.5≦A3/A1≦1.8
の条件を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
このような構成とすれば、溶融部のうち接地電極の最先端部側に位置する太径部分の硬度A1と、溶融部のうち接地電極の基部側に位置する細径部分の硬度A2と、接地電極のうち接地電極の最先端部側に位置する外側部分の硬度A3とが、0.6≦A2/A1≦1.7、かつ、0.5≦A3/A1≦1.8という条件を満たすため、適用例1または2記載のスパークプラグにおいて、さらに接地電極と貴金属チップの溶接強度をより向上させることができる。
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか一項記載のスパークプラグであって、
前記貴金属チップの前記中心電極と対向する面には、前記溶融部が形成されていないことを特徴とする、スパークプラグ。
このような構成とすれば、貴金属チップの中心電極と対向する面には、溶融部が形成されていないため、適用例1〜3記載のスパークプラグにおいて、さらに耐火花消耗性の低下を抑制することができる。
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれか一項記載のスパークプラグであって、
前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
このような構成とすれば、溶融部は、接地電極と貴金属チップとの境界に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されているため、接地電極と貴金属チップの境界を奥深くまで溶融させることが可能であり、接地電極と貴金属チップとを強固に接合することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、スパークプラグの製造方法および製造装置、製造システム等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としてのスパークプラグの部分断面図である。 スパークプラグの中心電極の先端部付近の拡大図である。 接地電極の先端部の放電面に平行な面に対する投影図である。 図3におけるX−X断面において接地電極チップから最先端部までの水平距離を説明するための説明図である。 図3におけるX−X断面において接地電極の先端部の角度を説明するための説明図である。 図3におけるX−X断面において接地電極の先端部付近の硬度を説明するための説明図である。 第2実施形態におけるスパークプラグの中心電極の先端部付近の拡大図である。 第3実施形態におけるスパークプラグの接地電極の先端部の放電面に平行な面に対する投影図である。 第4実施形態におけるスパークプラグのX−X断面において接地電極チップ80が設けられる位置を説明するための説明図である。 接地電極チップの溶融部に対する重なり率に関する耐剥離性評価試験の結果を示す図である。 酸化スケール発生割合について説明するための説明図である。 接地電極チップから最先端部までの水平距離に関する着火性評価試験の結果を示す図である。 接地電極の火花ギャップ側端部の角度に関する着火性評価試験の結果を示す図である。 接地電極の外側端部の角度に関する着火性評価試験の結果を示す図である。 接地電極の先端部の硬度に関する耐剥離性評価試験の結果を示す図である。
次に、本発明の一態様であるスパークプラグの実施の形態を、以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
(A−1)スパークプラグの構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1において、スパークプラグ100の軸線方向ODを図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ100の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ100は、絶縁碍子10と、主体金具50と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40とを備えている。中心電極20は、絶縁碍子10内に軸線方向ODに延びた状態で保持されている。絶縁碍子10は、絶縁体として機能しており、主体金具50は、この絶縁碍子10を保持している。端子金具40は、絶縁碍子10の後端部に設けられている。なお、中心電極20と接地電極30の構成については、図2において詳述する。
絶縁碍子10は、アルミナ等を焼成して形成され、軸中心に軸線方向ODへ延びる軸孔12が形成された筒形状を有する。軸線方向ODの略中央には外径が最も大きな鍔部19が形成されており、それより後端側(図1における上側)には後端側胴部18が形成されている。鍔部19より先端側(図1における下側)には、後端側胴部18よりも外径の小さな先端側胴部17が形成され、さらにその先端側胴部17よりも先端側に、先端側胴部17よりも外径の小さな脚長部13が形成されている。脚長部13は先端側ほど縮径され、スパークプラグ100が内燃機関のエンジンヘッド200に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。脚長部13と先端側胴部17との間には支持部15が形成されている。
主体金具50は、低炭素鋼材より形成された円筒状の金具であり、スパークプラグ100を内燃機関のエンジンヘッド200に固定する。そして、主体金具50は、絶縁碍子10を内部に保持しており、絶縁碍子10は、その後端側胴部18の一部から脚長部13にかけての部位を主体金具50によって取り囲まれている。
また、主体金具50は、工具係合部51と、取付ねじ部52とを備えている。工具係合部51は、スパークプラグレンチ(図示せず)が嵌合する部位である。主体金具50の取付ねじ部52は、ねじ山が形成された部位であり、内燃機関の上部に設けられたエンジンヘッド200の取付ねじ孔201に螺合する。
主体金具50の工具係合部51と取付ねじ部52との間には、鍔状のシール部54が形成されている。取付ねじ部52とシール部54との間のねじ首59には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、スパークプラグ100をエンジンヘッド200に取り付けた際に、シール部54の座面55と取付ねじ孔201の開口周縁部205との間で押し潰されて変形する。このガスケット5の変形により、スパークプラグ100とエンジンヘッド200間が封止され、取付ねじ孔201を介したエンジン内の気密漏れが防止される。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、薄肉の加締部53が設けられている。また、シール部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に、薄肉の座屈部58が設けられている。主体金具50の工具係合部51から加締部53にかけての内周面と、絶縁碍子10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材6,7が介在されている。さらに両リング部材6,7間にタルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53を内側に折り曲げるようにして加締めると、絶縁碍子10は、リング部材6,7およびタルク9を介して主体金具50内の先端側に向け押圧される。これにより、絶縁碍子10の支持部15は、主体金具50の内周に形成された段部56に支持され、主体金具50と絶縁碍子10とは、一体となる。このとき、主体金具50と絶縁碍子10との間の気密性は、絶縁碍子10の支持部15と主体金具50の段部56との間に介在された環状の板パッキン8によって保持され、燃焼ガスの流出が防止される。座屈部58は、加締めの際に、圧縮力の付加に伴い外向きに撓み変形するように構成されており、タルク9の圧縮ストロークを稼いで主体金具50内の気密性を高めている。なお、主体金具50の段部56よりも先端側と絶縁碍子10との間には、所定寸法のクリアランスCLが設けられている。
図2は、スパークプラグ100の中心電極20の先端部22付近の拡大図である。中心電極20は、電極母材21の内部に芯材25を埋設した構造を有する棒状の電極である。電極母材21は、インコネル(登録商標)600または601等のニッケルまたはニッケルを主成分とする合金から形成されている。芯材25は、電極母材21よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金から形成されている。通常、中心電極20は、有底筒状に形成された電極母材21の内部に芯材25を詰め、底側から押出成形を行って引き延ばすことで作製される。芯材25は、胴部分においては略一定の外径をなすものの、先端側においては縮径部が形成される。また、中心電極20は、軸孔12内を後端側に向けて延設され、シール体4およびセラミック抵抗3(図1)を経由して、端子金具40(図1)に電気的に接続されている。端子金具40には、高圧ケーブル(図示せず)がプラグキャップ(図示せず)を介して接続され、高電圧が印加される。
中心電極20の先端部22は、絶縁碍子10の先端部11よりも突出している。中心電極20の先端部22の先端には、中心電極チップ90が接合されている。中心電極チップ90は、軸線方向ODに伸びた略円柱形状を有しており、耐火花消耗性を向上するため、高融点の貴金属によって形成されている。中心電極チップ90は、例えば、イリジウム(Ir)や、Irを主成分として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)のうち、1種類あるいは2種類以上を添加したIr合金によって形成される。
接地電極30は、耐腐食性の高い金属から形成され、例えば、インコネル(登録商標)600または601等のニッケル合金から形成されている。この接地電極30の基部32は、溶接によって、主体金具50の先端部57に接合されている。また、接地電極30は屈曲しており、接地電極30の先端部33は、中心電極20の先端部22と対向しており、さらに、中心電極チップ90の先端面92とも対向している。
さらに、接地電極30の先端部33には、溶融部85を介して接地電極チップ80が接合されている。接地電極チップ80の放電面82は、中心電極チップ90の先端面92と対向しており、接地電極チップ80の放電面82と、中心電極チップ90の先端面92との間には、火花ギャップGが形成されている。なお、接地電極チップ80は、中心電極チップ90と同様の材料で形成することができる。なお、接地電極チップ80は、特許請求の範囲における「貴金属チップ」に相当する。
(A−2)各部の形状および寸法:
図3は、接地電極30の先端部33の、放電面82に平行な面に対する投影図である。図4は、図3におけるX−X断面において、接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離を説明するための説明図である。なお、X−X断面は、接地電極チップ80の重心を通り、放電面82に垂直な平面であり、かつ、接地電極30の幅方向に垂直な平面である。X−X断面は、特許請求の範囲における「第1の断面」に相当する。
接地電極チップ80は、四角柱状を有し、接地電極30に形成された溝部分34(図4)に埋設された状態で、溶接されている。接地電極チップ80と接地電極30との間の少なくとも一部には、溶融部85が形成されている。溶融部85は、X−X断面において、接地電極30の先端部33から基部32へ向けて先細りとなるテーパー形状を有している。溶融部85は、接地電極チップ80と接地電極30とが溶け合って形成されており、接地電極チップ80と接地電極30の成分の中間的な組成を有している。
溶融部85は、接地電極30と接地電極チップ80との境界に対して略並行な方向LL(図4)から高エネルギービームを照射することによって形成することができる。このようにすれば、接地電極チップ80の中心電極チップ90と対向する面(すなわち放電面82)には、溶融部85が形成されない。溶融部85は、接地電極チップ80と比較して耐火花消耗性に劣るため、耐火花消耗性の低下を抑制する観点からは、このように、放電面に溶融部85が存在しないことが好ましい。また、溶融部85を形成するための高エネルギービームとしては、例えば、ファイバーレーザや電子ビームを用いることが好ましい。特に、ファイバーレーザは、接地電極30と接地電極チップ80の境界を奥深くまで溶融させることが可能であり、接地電極30と接地電極チップ80とを強固に接合可能な点において特に好ましい。
なお、図3では、説明の便宜上、溶融部85を実際よりも大きく図示している。実際のスパークプラグ100では、軸線方向ODに沿った方向からは溶融部85の大部分は見えない。また、図4では、説明の便宜上、接地電極チップ80と接地電極30との境界に破線を図示している。実際のスパークプラグ100では、溶融部85が形成されている部分は接地電極チップ80と接地電極30とが溶融して一体となっており、境界の破線は消滅している。これらのことは、後述の図においても同様である。
ここで、図3に示すように、接地電極30の接地電極チップ80を、放電面82に平行な面に投影した場合の、投影された接地電極チップ80の面積をPDとする。また、接地電極チップ80の面積PDについて、放電面82に平行な面に投影された溶融部85と重なり合っている部分の割合を「接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率(%)」、または「溶融部重なり率(%)」と呼ぶ。このとき、接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率は、80%以上であることが好ましい。なお、本条件を「第1の条件」とも呼ぶ。
スパークプラグ100が第1の条件を満たすことが好ましい理由について説明する。溶融部85は、接地電極チップ80と接地電極30とが溶け合って形成されていることから、放電面82に平行な面に投影された接地電極チップ80のうち、溶融部85と重なっている部分は、すなわち、接地電極チップ80が接地電極30と接合されている部分とみなすことができる。接地電極チップ80の面積PDのうちの80%以上が接地電極30と接合されていれば、高出力エンジンの高温環境下でスパークプラグ100が使用された場合であっても、接地電極チップ80の溶接強度を確保し、接地電極チップ80の剥離を抑制することが可能となる。
さらに、図4に示すように、溶融部85および接地電極30のうち、接地電極30の最も先端部33側に位置する部位である最先端部86(点B)を基準として、軸線方向ODと平行な方向に引いた仮想直線をLBとする。接地電極チップ80と溶融部85の境界のうち、接地電極30の最も先端部33側に位置する端点83(点A)を基準として、軸線方向ODの垂直方向(換言すれば、仮想直線LBの垂直方向)に引いた仮想直線をLAとする。このとき、端点83(点A)から、仮想直線LBと仮想直線LAとの交点Cまでの距離Lは、
0.05mm≦L≦1.00mm
であることが好ましい。なお、本条件を「第2の条件」とも呼ぶ。また、距離Lを「接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離」とも呼ぶ。
スパークプラグ100が第2の条件を満たすことが好ましい理由について説明する。スパークプラグ100は、互いに対向するように配置された中心電極チップ90と接地電極チップ80との間に高電圧を印加することによって、火花ギャップGに火花放電を発生させる。燃焼室では、スパークプラグ100の火花放電をきっかけとして、火花ギャップGの近傍の領域に火炎核と呼ばれる火種が生じ、その火炎核が成長することによって、混合気が燃焼する。従って、着火性向上のためには、火花ギャップG近傍に生じた火炎核の成長を阻害しないように、接地電極チップ80の近傍に適度な空間が存在することが好ましい。以上の理由によって、接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離である距離Lは、0.05mm以上、1.00mm以下であることが好ましい。
図5は、図3におけるX−X断面において、接地電極30の先端部33の角度を説明するための説明図である。端点83(点A)と、最先端部86(点B)と、交点Cとは、図4で説明した通りである。図5に示すように、端点83(点A)と交点Cとを結んだ線分LN1と、端点83(点A)と最先端部86(点B)とを結んだ線分LN2とから形成される角度をθ1とする。このとき、θ1は、
5°≦(θ1)≦85°
であることが好ましい。なお、本条件を「第3の条件」とも呼ぶ。また、角度θ1を「接地電極30の火花ギャップ側端部の角度」とも呼ぶ。
スパークプラグ100が第3の条件を満たすことが好ましい理由は、上述した第2の条件を満たすことが好ましい理由と同じである。すなわち、接地電極30の火花ギャップ側端部の角度θ1を5°以上、85°以下とすれば、接地電極チップ80の近傍に適度な空間を確保することができるため、スパークプラグ100の着火性を向上させることができる。
さらに、図5に示すように、接地電極30のうち、先端部33側かつ接地電極チップ80が設けられる側の反対側に位置する端点36(点D)を基準として、軸線方向ODの垂直方向(換言すれば、仮想直線LBの垂直方向)に引いた仮想直線をLDとする。また、仮想直線LBと仮想直線LDとの交点をEとする。最先端部86(点B)と端点36(点D)とを結んだ線分LN3と、端点36(点D)と交点Eとを結んだ線分LN4とから形成される角度をθ2とする。このとき、θ2は、
30°≦θ2≦90°
であると、より好ましい。なお、本条件を「第4の条件」とも呼ぶ。また、角度θ2を「接地電極30の外側端部の角度」とも呼ぶ。
スパークプラグ100が第4の条件を満たすことが好ましい理由は、上述した第2の条件を満たすことが好ましい理由と同じである。すなわち、θ2を30°以上、90°以下とすれば、接地電極チップ80の近傍に適度な空間を確保することができるため、スパークプラグ100の着火性を、より向上させることができる。
なお、線分LN1は特許請求の範囲における「第1の線分」に相当する。同様に、線分LN2は特許請求の範囲における「第2の線分」に、線分LN3は特許請求の範囲における「第3の線分」に、線分LN4は特許請求の範囲における「第4の線分」に、それぞれ相当する。
図6は、図3におけるX−X断面において、接地電極30の先端部33付近の硬度を説明するための説明図である。端点83(点A)と、最先端部86(点B)とは、図4で説明した通りである。図6に示すように、溶融部85のうち、端点83(点A)を基準として軸線方向ODに引いた仮想直線LOよりも最先端部86(点B)側に位置する、溶融部85の太径部分AR1の硬度をA1[Hv]とする。また、溶融部85のうち、仮想直線LOよりも接地電極30の基部32(図2)側に位置する、溶融部85の細径部分AR2の硬度をA2[Hv]とする。また、接地電極30のうち、仮想直線LOよりも最先端部86(点B)側に位置する、外側部分AR3の硬度をA3[Hv]とする。このとき、上記各部の硬度A1、A2、A3は、
0.6≦A2/A1≦1.7
の条件と、
0.5≦A3/A1≦1.8
の条件を満たすと、より好ましい。なお、本条件を「第5の条件」とも呼ぶ。
なお、硬度[Hv]は、ビッカース硬度であり、日本工業規格(JIS)の「Z 2244」に規定された硬度測定方法によって、試験力を1.961N、保持時間を15秒とした際に得られる値である。また、太径部分AR1の硬度は、太径部分AR1に含まれる複数個所における硬度を測定し、それらの平均値とすることが好ましい。細径部分AR2、外側部分AR3についても同様である。なお、図6では、太径部分AR1は斜線ハッチング、細径部分AR2はクロスハッチング、外側部分AR3は点線ハッチングを用いて示す。
スパークプラグ100が第5の条件を満たすことが好ましい理由について説明する。一般に、接地電極チップ80と接地電極30とをレーザ溶接すると、接地電極チップ80と溶融部85の境界付近に、溶接後に残留応力が発生する。本実施形態のスパークプラグ100では、溶融部85の形状が、接地電極30の先端部33から基部32へ向けて(換言すれば、太径部分AR1から細径部分AR2へ向けて)先細りとなるテーパー形状である。このため、特に、太径部分AR1において、熱膨張差から残留応力が集中し、接地電極チップ80が剥離しやすくなる。そこで、溶融部85の太径部分AR1の硬度A1と、細径部分AR2の硬度A2と、接地電極30の外側部分AR3の硬度A3とを上記のようにすれば、各部分の硬度を好ましい関係とすることができ、接地電極チップ80の剥離を抑制することができる。
B.第2実施形態:
本発明の第2実施形態では、いわゆる横放電型のスパークプラグについて説明する。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を有する部分についてのみ説明する。図中において第1実施形態と同様の構成部分については先に説明した第1実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は、第2実施形態におけるスパークプラグ100aの中心電極20の先端部22付近の拡大図である。図2に示した第1実施形態との違いは、中心電極チップ90に代えて胴長に形成された中心電極チップ90aを備える点と、接地電極30に代えて接地電極30aを備える点のみであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
接地電極30aの基部32aは、溶接によって、主体金具50の先端部57に接合されている。また、接地電極30aは屈曲しており、接地電極30aの先端部33aは、中心電極チップ90aの側面部91aと対向している。すなわち、このスパークプラグ100aはいわゆる横放電型プラグであり、放電方向は軸線方向ODに対して垂直である。
接地電極30aの先端面31aに形成された溝部分34aには、四角柱状を有する接地電極チップ80aが、埋設された状態で溶接されている。接地電極チップ80aと接地電極30aとの間の少なくとも一部には、溶融部85aが形成されている。溶融部85aは、X−X断面において、スパークプラグ100aの先端側から後端側へ向けて先細りとなるテーパー形状を有している。溶融部85aは、接地電極チップ80aと接地電極30aとが溶け合って形成されており、接地電極チップ80aと接地電極30aの成分の中間的な組成を有している。第2実施形態のスパークプラグ100aにおいて、溶融部85aの形状と、接地電極30aの形状との関係は、向きが90度回転している点を除いては、第1実施形態のスパークプラグ100と同様である。従って、第2実施形態のスパークプラグ100aは、第1実施形態において示した条件のうち、少なくとも第1〜第3の条件を満たしている。
C.第3実施形態:
本発明の第3実施形態では、円柱状の接地電極チップを備えるスパークプラグについて説明する。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を有する部分についてのみ説明する。図中において第1実施形態と同様の構成部分については先に説明した第1実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8は、第3実施形態におけるスパークプラグ100bの接地電極30の先端部33の、放電面82bに平行な面に対する投影図である。図3に示した第1実施形態との違いは、四角柱状の接地電極チップ80に代えて、円柱状の接地電極チップ80bを備える点のみであり、他の構成は第1実施形態と同じである。第3実施形態のスパークプラグ100bにおいて、溶融部85の形状と、接地電極30の形状との関係は、第1実施形態のスパークプラグ100と同様である。従って、第3実施形態のスパークプラグ100bは、第1実施形態において示した条件のうち、少なくとも第1〜第3の条件を満たしている。
D.第4実施形態:
本発明の第4実施形態では、接地電極チップが設けられる位置が異なるスパークプラグについて説明する。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を有する部分についてのみ説明する。図中において第1実施形態と同様の構成部分については先に説明した第1実施形態と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は、第4実施形態におけるスパークプラグ100cのX−X断面において、接地電極チップ80が設けられる位置を説明するための説明図である。図4に示した第1実施形態との違いは、溝部分34を有する接地電極30に代えて、溝部分を有しない接地電極30cに対して接地電極チップ80が溶接されている点のみであり、他の構成は第1実施形態と同じである。第4実施形態のスパークプラグ100cにおいて、溶融部85の形状と、接地電極30cの形状との関係は、第1実施形態のスパークプラグ100と同様である。従って、第4実施形態のスパークプラグ100cは、第1実施形態において示した条件のうち、少なくとも第1〜第3の条件を満たしている。
E.接地電極チップの溶融部に対する重なり率に関する実験例:
図10は、接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率に関する耐剥離性評価試験の結果を示す図である。図11は、酸化スケール発生割合について説明するための説明図である。耐剥離性評価試験では、接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率と、酸化スケールの発生割合との関係を調べるために冷熱試験を実施した。なお、以降では「接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率」を「溶融部重なり率」とも呼ぶ。
耐剥離性評価試験では、溶融部重なり率(図3)が異なる6つのスパークプラグ100のサンプル#11〜#16を用意した。サンプル#11〜#15は、第1実施形態(図1〜図6)として示したスパークプラグ100であって、さらに、距離L(図4)が0.05mm、角度θ1(図5)が5°のものである。サンプル#16は、第1実施形態(図1〜図6)として示したスパークプラグ100であって、さらに、距離L(図4)が0mm、角度θ1(図5)が90°のものである。
耐剥離性評価試験では、サンプル#11〜#16のそれぞれに対して、以下の手順1aおよび手順2aを1サイクルとした作業を1000サイクル繰り返した後、溶融部85付近に発生したクラック(裂け目)の長さを半断面から計測した。そして、計測されたクラックの長さから、酸化スケール発生割合を求めた。
手順1a)接地電極30をバーナーで熱し、接地電極30の温度を900℃まで上昇させた状態を2分間保持する。
手順2a)手順1aの後、バーナーを切り、接地電極30を1分間徐冷する。
酸化スケール発生割合とは、接地電極チップ80の長さLGに対する、溶融部85付近に発生したクラック(裂け目)の長さの割合を示し、次式で求めることができる。
酸化スケール発生割合(%)=クラックの長さ/接地電極チップ80の長さLG×100
なお、図11(A)のように、溶融部85付近に互いに重ならない複数のクラックが発生した場合、上記式における「クラックの長さ」は、当該複数のクラックのそれぞれの長さの和とする。すなわち、図11(A)の場合は、「クラックの長さ」は、クラックCK1の長さCL1+クラックCK2の長さCL2となる。また、図11(B)のように、溶融部85付近に重なった複数のクラックが発生した場合、上記式における「クラックの長さ」は、当該複数のクラックのうち、長い方のクラックの長さとする。すなわち、図11(B)の場合は、「クラックの長さ」は、クラックCK2の長さCL2となる。
図10に示す耐剥離性評価試験の結果において、横軸は接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率(%)を、縦軸は酸化スケール発生割合(%)を、それぞれ示している。この評価試験において、酸化スケール発生割合が50%より大きいサンプルは、接地電極チップ80の剥離が起こる恐れがあるという理由から、判定を「不可」とした。
この評価試験の結果より、溶融部重なり率が大きくなるにしたがって、酸化スケール発生割合が低下することがわかる。これは、換言すれば、接地電極チップ80の面積のうち、接地電極30と接合されている部分の面積の割合が大きくなるにしたがって、接地電極チップ80が剥離しにくくなる(すなわち、溶接強度が向上する)ことを示している。ここで、溶融部重なり率が80%、距離L(図4)が0.05mm、角度θ1(図5)が5°のサンプル#14は、酸化スケール発生割合が50%以下で、判定が「可」である。一方、溶融部重なり率が同じく80%、距離L(図4)が0mm、角度θ1(図5)が90°のサンプル#16は、酸化スケール発生割合が僅かに50%を超過し、判定が「不可」である。
以上より、スパークプラグの接地電極チップの剥離を抑制し、接地電極チップの溶接強度を確保するためには、溶融部重なり率(接地電極チップ80の溶融部85に対する重なり率)が80%以上であること、すなわち、第1の条件を満たすことが好ましいことがわかる。さらに、サンプル#16の試験結果より、距離Lに関する第2の条件と、角度θ1に関する第3の条件を満たした場合、接地電極チップの溶接強度がより向上することがわかる。この点については後述する。
F.接地電極チップから最先端部までの水平距離に関する実験例:
図12は、接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離に関する着火性評価試験の結果を示す図である。本着火性評価試験では、接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離Lと、混合気の着火性との関係を調べる。
着火性評価試験では、接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離L(図4)が異なる4つのスパークプラグ100のサンプル#21〜#24を用意した。サンプル#21〜#24は、第1実施形態(図1〜図6)として示したスパークプラグ100であって、さらに、角度θ1(図5)が5°のものである。
着火性評価試験では、排気量2000cc、6気筒のDOHC型ガソリンエンジンにサンプル#21〜#24で示したスパークプラグをそれぞれ装着した上で、吸気圧−350mmHg、2000rpmでアイドリング運転を行った。そして、1000回の火花放電中に放電異常(失火等)が発生した回数を計測するという作業を、空燃比を徐々に増加させつつ繰り返し実施した。なお、「空燃比」とは、混合気における空気の質量を燃料の質量で除した値(A/F)である。着火性評価試験では、上述の手順で、1000回の火花放電中に10回以上の放電異常を計測した際の空燃比を、限界空燃比として記録した。限界空燃比は、その値が高いほど、スパークプラグによる混合気の着火性に優れることを意味している。
図12に示す着火性評価試験の結果において、横軸は距離L(mm)を、縦軸は限界空燃比(A/F)を、それぞれ示している。この評価試験の結果より、距離Lが1.00mm以下であるサンプル#21、#22、#23では、距離Lの増加に伴って緩やかに限界空燃比が低下していることがわかる。また、距離Lが1.50mmであるサンプル#24では、距離Lが1.00mm以下のサンプルに比べて、急激に限界空燃比が低下していることがわかる。これは、換言すれば、距離Lが小さいほど接地電極チップ80の近傍の空間が大きくなるため、限界空燃比が高くなる(すなわち、着火性に優れる)ことを示している。
以上より、スパークプラグの着火性向上のためには、距離L(接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離)が1.00mm以下であることが好ましいことがわかる。さらに、距離Lが0mmであるサンプル#21に関しては、着火性には優れるものの、先述の耐剥離性評価試験(図10)のサンプル#16の試験結果より、溶接強度が不足するため、好ましくないことがわかる。従って、接地電極チップの溶接強度を向上させつつ、スパークプラグの着火性を向上させるためには、接地電極チップ80から最先端部86までの水平距離Lは、0.05mm以上、1.00mm以下であること、すなわち、第2の条件を満たすことが好ましいことがわかる。
G.接地電極の火花ギャップ側端部の角度に関する実験例:
図13は、接地電極30の火花ギャップ側端部の角度に関する着火性評価試験の結果を示す図である。本着火性評価試験では、接地電極30の火花ギャップ側端部の角度θ1と、混合気の着火性との関係を調べる。
着火性評価試験では、接地電極30の火花ギャップ側端部の角度θ1(図5)が異なる5つのスパークプラグ100のサンプル#31〜#35を用意した。サンプル#31〜#35は、第1実施形態(図1〜図6)として示したスパークプラグ100であって、さらに、距離L(図4)が1.00mmのものである。本着火性評価試験では、図12で説明した方法と同様の方法を用いて、サンプル#31〜#35のそれぞれに対して、限界空燃比(A/F)を求めた。
図13に示す着火性評価試験の結果において、横軸は角度θ1(°)を、縦軸は限界空燃比(A/F)を、それぞれ示している。この評価試験の結果より、角度θ1が0°であるサンプル#31と、5°であるサンプル#32とは、限界空燃比に殆ど差異が見られないことがわかる。また、角度θ1が5°を超えてからは、角度θ1の大きさに比例して限界空燃比が上昇していくことがわかる。これは、換言すれば、角度θ1が大きいほど、接地電極チップ80の近傍の空間が大きくなるため、限界空燃比が高くなる(すなわち、着火性に優れる)ことを示している。
以上より、スパークプラグの着火性向上のためには、角度θ1(接地電極30の火花ギャップ側端部の角度)は5°以上であることが好ましいことがわかる。さらに、角度θ1が90°である場合、図13の試験結果から着火性には優れることが推定されるものの、先述の耐剥離性評価試験(図10)のサンプル#16の試験結果より、溶接強度が不足するため、好ましくないことがわかる。従って、接地電極チップの溶接強度を向上させつつ、スパークプラグの着火性を向上させるためには、接地電極30の火花ギャップ側端部の角度θ1は、5°以上、85°以下であること、すなわち、第3の条件を満たすことが好ましいことがわかる。
H.接地電極の外側端部の角度に関する実験例:
図14は、接地電極30の外側端部の角度に関する着火性評価試験の結果を示す図である。本着火性評価試験では、接地電極30の外側端部の角度θ2と、混合気の着火性との関係を調べる。
着火性評価試験では、接地電極30の外側端部の角度θ2(図5)が異なる3つのスパークプラグ100のサンプル#41〜#43を用意した。サンプル#41〜#43は、第1実施形態(図1〜図6)として示したスパークプラグ100であって、さらに、距離L(図4)が1.00mm、角度θ1(図5)が5°のものである。本着火性評価試験では、図12で説明した方法と同様の方法を用いて、サンプル#41〜#43のそれぞれに対して、限界空燃比(A/F)を求めた。
図14に示す着火性評価試験の結果において、横軸は角度θ2(°)を、縦軸は限界空燃比(A/F)を、それぞれ示している。この評価試験の結果より、角度θ2が30°であるサンプル#41は、他のサンプルに比べて限界空燃比が僅かに高いことがわかる。また、角度θ2が40°であるサンプル#42と、90°であるサンプル#43とは、限界空燃比に殆ど差異が見られないことがわかる。これは、換言すれば、角度θ2が小さいほど、接地電極チップ80の近傍の空間が大きくなるため、限界空燃比が高くなる(すなわち、着火性に優れる)ことを示している。
一方で、角度θ2を90°以上に形成した場合、接地電極30の外側部分が大きくなるため、着火性が悪化する。また、角度θ2を30°以下にした場合、接地電極30の外側部分が細くなりすぎるため、熱膨張差による残留応力を吸収しきれなくなり、接地電極チップ80が剥離しやすくなる。
以上より、スパークプラグの着火性をより向上させるためには、角度θ2(接地電極30の外側端部の角度)は30°以上、90°以下であること、すなわち、第4の条件を満たすことが好ましいことがわかる。
I.接地電極の先端部の硬度に関する実験例:
図15は、接地電極30の先端部33付近の硬度に関する耐剥離性評価試験の結果を示す図である。耐剥離性評価試験では、接地電極30の先端部33付近の硬度と、酸化スケールの発生割合との関係を調べるために冷熱試験を実施した。
対剥離性評価試験では、溶融部85の太径部分AR1(図6)の硬度A1と、溶融部85の細径部分AR2(図6)の硬度A2と、接地電極30の外側部分AR3(図6)の硬度A3とが、それぞれ異なる9つのスパークプラグ100のサンプル#51〜#59を用意した。サンプル#51〜#59は、第1実施形態(図1〜図6)として示したスパークプラグ100である。なお、各サンプルにおける硬度は、上述の通りビッカース硬度であり、硬度A1は溶融部85の太径部分AR1に含まれる任意の3箇所における硬度の平均値を採用した。硬度A2、硬度A3についても同様に、任意の3箇所における硬度の平均値である。
耐剥離性評価試験では、サンプル#51〜#59のそれぞれに対して、以下の手順1bおよび手順2bを1サイクルとした作業を1000サイクル繰り返した後、溶融部85付近に発生したクラックの長さを半断面から計測した。そして、計測されたクラックの長さから、酸化スケール発生割合を求めた。なお、酸化スケール発生割合の求め方については、図10、図11で説明した通りである。
手順1b)接地電極30をバーナーで熱し、接地電極30の温度を1000℃まで上昇させた状態を2分間保持する。
手順2b)手順1bの後、バーナーを切り、接地電極30を1分間徐冷する。
図15では、各サンプルについて、サンプル番号と、硬度A1と、硬度A2と、硬度A3と、硬度A1と硬度A2の硬度比と、硬度A1と硬度A3の硬度比と、酸化スケール発生割合の判定結果と、を表形式で示している。この評価試験において、酸化スケール発生割合が30%より小さいサンプルは、接地電極チップ80の剥離が起こる恐れが極めて小さいことから、判定を「A」とした。また、酸化スケール発生割合が30%以上、50%以下であるサンプルは、接地電極チップ80の剥離が起こる恐れが小さいことから、判定を「B」とした。また、酸化スケール発生割合が50%より大きいサンプルは、接地電極チップ80の剥離が起こる恐れがあることから、判定を「C」とした。
この評価試験の結果より、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が0.6、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が0.4であるサンプル#52では、酸化スケール発生割合が50%を超過し、C判定となることがわかる。一方、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が0.6、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が0.5であるサンプル#53では、酸化スケール発生割合が50%以下となり、B判定となることがわかる。従って、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)の下限は0.5とすることが好ましいことがわかる。また、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が0.3、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が0.5であるサンプル#51では、酸化スケール発生割合が50%を超過し、C判定となることがわかる。一方、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が0.6、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が0.5であるサンプル#53では、酸化スケール発生割合が50%以下となり、B判定となることがわかる。従って、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)の下限は0.6とすることが好ましいことがわかる。
さらに、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が1.7、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が1.8であるサンプル#57では、酸化スケール発生割合が50%以下となり、B判定となることがわかる。一方、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が1.7、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が1.9であるサンプル#58では、酸化スケール発生割合が50%を超過し、C判定となることがわかる。従って、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)の上限は1.8とすることが好ましいことがわかる。また、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が1.7、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が1.8であるサンプル#57では、酸化スケール発生割合が50%以下となり、B判定となることがわかる。一方、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が2、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が1.8であるサンプル#59では、酸化スケール発生割合が50%を超過し、C判定となることがわかる。従って、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)の上限は1.7とすることが好ましいことがわかる。
また、本耐剥離性評価試験において、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が0.9、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が0.8であるサンプル#54と、硬度A1と硬度A2の硬度比(A2/A1)が1.1、かつ、硬度A1と硬度A3の硬度比(A3/A1)が1であるサンプル#55と、においては、酸化スケール発生割合が30%より小さくなり、特に良好な結果を得ることができた。なお、サンプル#52と、#58においては、接地電極30の外側先端が平坦な場合、すなわち、接地電極30の外側端部の角度θ2が90°である場合に限り、B判定を得ることができた。
以上より、スパークプラグの接地電極チップの剥離を抑制し、接地電極チップの溶接強度を確保するためには、溶融部85の太径部分AR1(図6)の硬度A1と、溶融部85の細径部分AR2(図6)の硬度A2と、接地電極30の外側部分AR3(図6)の硬度A3とが、次に示す第5の条件を満たすことが好ましいことがわかる。
0.6≦A2/A1≦1.7
0.5≦A3/A1≦1.8
上記実験例E〜Iを総合すると、スパークプラグの接地電極チップの溶接強度を確保しつつ、着火性を向上させるためには、第1〜第3の条件を少なくとも満たすことが好ましいことがわかる。また、スパークプラグの着火性をより一層向上させるためには、付加的に第4の条件を満たすことが好ましいことがわかる。さらに、スパークプラグの接地電極チップの溶接強度をより一層高めるためには、付加的に第5の条件を満たすことが好ましいことがわかる。
J.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
J1.変形例1:
上記実施形態では、縦放電型のスパークプラグと、横放電型のスパークプラグを例として、スパークプラグの構成の一例について説明した。しかし、接地電極の先端部と、中心電極の先端部との位置関係は、スパークプラグの用途や、必要とされる性能等に応じて適宜設定することが可能である。また、1つの中心電極に対して複数の接地電極が設けられる構成とすることもできる。
J2.変形例2:
上記実施形態では、接地電極チップは、四角柱状、もしくは、円柱状を有するものとして説明した。しかし、上述した接地電極チップの形状は、あくまで一例であり、様々な形状を採用することができる。
3…セラミック抵抗
4…シール体
5…ガスケット
6…リング部材
8…板パッキン
9…タルク
10…絶縁碍子
11…先端部
12…軸孔
13…脚長部
15…支持部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…鍔部
20…中心電極
21…電極母材
22…先端部
25…芯材
30、30a〜c…接地電極
31、31a…先端面
32、32a…基部
33、33a…先端部
34、34a…溝部分
36…端点
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ねじ部
53…加締部
54…シール部
55…座面
56…段部
57…先端部
58…座屈部
59…ねじ首
80、80a〜c…接地電極チップ
82、82b…放電面
83…端点
85、85a…溶融部
86…最先端部
90、90a…中心電極チップ
91a…側面部
92…先端面
100、100a〜c…スパークプラグ
200…エンジンヘッド
201…孔
205…開口周縁部

Claims (5)

  1. 軸線方向に貫通する軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔の先端側に設けられた中心電極と、
    前記絶縁体を保持する筒状の主体金具と、
    前記主体金具の先端部に取り付けられる基部と、前記中心電極の先端部と対向する先端部とを有する接地電極と、
    前記接地電極の前記先端部に設けられ、前記中心電極との間で間隙を形成する放電面を有する貴金属チップと、
    前記接地電極と前記貴金属チップとの間の少なくとも一部に設けられ、前記接地電極と前記貴金属チップとが溶け合って形成された溶融部と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記貴金属チップおよび前記溶融部を前記放電面に平行な面に投影した場合に、投影された前記貴金属チップの面積のうち80%以上の面積が、投影された前記溶融部と重なり合っており、
    前記放電面に垂直な平面であって、前記貴金属チップの重心を通り、前記接地電極の幅方向に垂直な平面によって切断された第1の断面において、
    前記貴金属チップと前記溶融部との境界のうち、前記接地電極の最も先端部側に位置する点をAとし、
    前記溶融部および前記接地電極のうち、前記接地電極の最も前記先端部側に位置する部位を最先端部Bとし、
    前記最先端部Bを基準として前記軸線と平行な方向に引いた仮想直線LBと、前記点Aを基準として前記仮想直線LBの垂直方向に引いた仮想直線LAとの交点をCとし、
    前記点Aと前記交点Cとを結んだ第1の線分と、前記点Aと前記最先端部Bとを結んだ第2の線分とから形成される角度をθ1[°]、前記点Aから前記交点Cまでの距離をL[mm]とした場合に、
    0.05≦L≦1.00
    5≦θ1≦85
    の条件を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  2. 請求項1記載のスパークプラグであって、
    前記第1の断面において、
    前記接地電極の先端部側かつ前記貴金属チップが設けられる側の反対側に位置する、前記接地電極の端点をDとし、
    前記仮想直線LBと、前記端点Dを基準として前記仮想直線LBの垂直方向に引いた仮想直線LDとの交点をEとし、
    前記最先端部Bと前記端点Dを結んだ第3の線分と、前記端点Dと前記交点Eを結んだ第4の線分とから形成される角度をθ2[°]とした場合に、
    30≦θ2≦90
    の条件を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  3. 請求項1または2記載のスパークプラグであって、
    前記第1の断面において、
    前記溶融部のうち、前記点Aを基準として軸線方向に引いた仮想直線LOよりも前記接地電極の前記最先端部B側に位置する部分の硬度をA1[Hv]とし、
    前記溶融部のうち、前記仮想直線LOよりも前記接地電極の前記基部側に位置する部分の硬度をA2[Hv]とし、
    前記接地電極のうち、前記仮想直線LOよりも前記接地電極の前記最先端部B側に位置する部分の硬度をA3[Hv]とした場合に、
    0.6≦A2/A1≦1.7
    の条件と、
    0.5≦A3/A1≦1.8
    の条件を満たすことを特徴とする、スパークプラグ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項記載のスパークプラグであって、
    前記貴金属チップの前記中心電極と対向する面には、前記溶融部が形成されていないことを特徴とする、スパークプラグ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項記載のスパークプラグであって、
    前記溶融部は、前記接地電極と前記貴金属チップとの境界に対してファイバーレーザまたは電子ビームが照射されることによって形成されていることを特徴とする、スパークプラグ。
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