JP2013038377A - 積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト及びこれを利用した積層セラミック電子部品 - Google Patents

積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト及びこれを利用した積層セラミック電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト及びこれを利用した積層セラミック電子部品に関する。
【解決手段】内部電極用導電性ペーストに窒化シリコーン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物を添加して内部電極の収縮開始温度を上昇させることで、上記内部電極用導電性ペーストを利用した積層セラミック電子部品の信頼性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト及びこれを利用した積層セラミック電子部品に関し、具体的には、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を製造するための内部電極用導電性ペースト及びこれを利用した積層セラミック電子部品に関する。
電子機器の小型化及び高性能化が急速に進み、電子機器の核心的な受動部品である積層型セラミックキャパシタも高容量化及び超薄層化の傾向にある。
一般的に積層型セラミック電子部品は、セラミック誘電体シート上に内部電極を印刷し、内部電極が印刷されたセラミック誘電体シートを積層し、焼成した後、外部電極を形成する。
内部電極が印刷されたセラミック誘電体シートにおいて、印刷された内部電極は焼結開始温度が低いため、セラミック誘電体シートより低い温度で焼結が始まる。
その結果、内部電極は過剰焼成され、金属成分が偏在した状態で凝集する。焼成後の電極には、内部電極に連続しない部分が生じて内部電極の連続性が著しく低下し、これにより、静電容量も低下することがある。
また、焼成の際、セラミック誘電体と内部電極は収縮挙動が異なるため、誘電体層の剥離やクラックなどの内部欠陥が生じ得る。
上記問題点を解決するために、内部電極用ペーストにチタン酸バリウムを添加したり、ニッケル粒子の表面に酸化物をコーティングすることで、内部電極の主材料として用いられるニッケルの収縮開始温度を高温にしようという試みがあった。
しかしながら、内部電極用ペーストにチタン酸バリウムを添加すると、添加されたチタン酸バリウムが、焼結過程において、誘電体層に浸透して誘電体層に存在するチタン酸バリウム粒子の粒子成長を促進させて、絶縁破壊電圧(BDV、breakdown voltage)が低下するという問題があり得る。
また、ニッケル表面に酸化物をコーティングする場合は、セラミックと反応してセラミックの特性を変化させる副効果が発生することがあり、完全に分散されず、凝集したニッケル粒子の周りにコーティング層が形成されると、コーティング層内部に存在するニッケル粒子は、元の低い温度で収縮を開始するようになり、コーティング層が破壊されて焼結が急速に行われ、酸化物が焼結体の外部に圧出されてニッケル焼結抑制効果が発揮できないという問題があり得る。
本発明は、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を製造するための積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト及びこれを利用した積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態である積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペーストは、導電性金属と、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物とを含むことができる。
上記窒化物の含量は上記導電性金属100重量部に対し、5から20重量部であることができる。
上記導電性金属はニッケル、パラジウム、銅、金、銀及びこれらの合金からなる群から選択されるいずれか1つであることができる。
上記導電性金属の粒子の大きさは80から120nmであることができる。
上記窒化物の粒子の大きさは30から50nmであることができる。
上記内部電極用導電性ペーストの収縮開始温度は700℃以上で、セラミック誘電体の収縮開始温度以下であることができる。
本発明の他の実施形態である積層セラミック電子部品はセラミック本体と、上記セラミック本体の外部面に形成された外部電極と、上記セラミック本体の内部に形成され、上記外部電極と接続され、導電性金属と窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物を有する内部電極とを含むことができる。
上記窒化物の含量は上記導電性金属100重量部に対し、5から20重量部であることができる。
上記導電性金属はニッケル、パラジウム、銅、金、銀及びこれらの合金からなる群から選択されるいずれか1つであることができる。
上記導電性金属の粒子の大きさは80から120nmであることができる。
上記窒化物の粒子の大きさは30から50nmであることができる。
上記内部電極の収縮開始温度は700℃以上で、セラミック誘電体の収縮開始温度以下であることができる。
本発明による内部電極用導電性ペーストを利用して製造された積層セラミック電子部品は、内部電極の収縮開始温度を高温に変えて、セラミック誘電体シートと内部電極の間の熱膨脹差による応力差を改善し、内部電極の凝集現象及び連結性改善、積層セラミック電子部品の層間剥離改善、積層セラミック電子部品の信頼性を改善することができる。
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の斜視図(a)及びA−A'線に沿って切開した断面図(b)である。 相安定性の実験を行った窒化チタンに対するX−線回折分析結果である。 本発明の一実施形態で用いられる窒化ケイ素の含量による内部電極用導電性ペーストの焼結収縮挙動を示すグラフである。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。
また、本発明の実施形態は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。従って、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上に同じ符号で示される要素は同じ要素である。
積層セラミック電子部品には積層セラミックキャパシタ、チップインダクター、チップビーズなどがあり、以下では積層セラミックキャパシタを例に挙げて本発明について具体的に説明する。
図1は本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の斜視図及びA−A'線に沿って切開した断面図である。
図1を参照すると、積層セラミックキャパシタはセラミック本体10と、外部電極20、21と、内部電極31からなることができる。
セラミック本体10は高い誘電率を有するセラミック材料からなることができ、これに制限されないが、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料などを使用することができる。
上記セラミック本体10は複数のセラミック誘電体層40を積層してから焼結させたもので、隣接する誘電体層40同士は境界が確認できないほど一体化されていることができる。
外部電極20、21は導電性金属で形成され、これに制限されないが、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、パラジウム及びこれらの合金などからなることができる。
外部電極20、21は上記キャパシタ本体の両側面に形成されることができる。この際、上記外部電極20、21は上記セラミック本体10の一面に露出するように形成された内部電極31と電気的に連結されるように形成されることができる。
内部電極31は一端が上記セラミック本体10の一面に露出するように形成されることができる。ある内部電極の一端が上記セラミック本体10の一面に露出するように形成されると、それと隣接する内部電極の一端は上記セラミック本体10の反対側面に露出するように形成されることができる。
内部電極31は導電性金属及び窒化物を含むことができる。
導電性金属は特に制限されないが、ニッケル(Ni)またはニッケル合金などを使用することができる。
導電性金属の粒子の大きさは80から120nmであることができる。
導電性粒子の大きさが80nm未満では焼結過程で収縮を制御することが困難で、120nmを超えると内部電極を薄膜状に形成することが困難である。
窒化物は窒化ケイ素(Si)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)及び窒化バナジウム(VN)からなる群から選択される1つ以上であることができる。
窒化物は工業的に多く用いられる。窒化ケイ素(Si)、窒化チタン(TiN)、窒化ホウ素(BN)、窒化バナジウム(VN)、窒化タンタル(TaN)などは強度が大きいため、工具鋼またはセラミック構造材料として用いられ、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)などはIII−V族半導体であって、発光素子などの電子材料分野で多く用いられる。
上記窒化物のうち積層セラミック電子部品用内部電極に適用できるものとしては窒化ケイ素(Si)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)及び窒化バナジウム(VN)などを挙げることができる。これは相(phase)安定性評価により選定され、相安定性実験は次のように実施することができる。
チタン酸バリウムと窒化物候補物質のうち窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化バナジウム、窒化タンタルなどの試片をチューブ炉(furnace)に入れて窒素ガスを流しながら、600℃で36時間熱処理することができる。熱処理した各窒化物粉末に対し、X−線回折分析を行って窒化物が分解されて新たな相(副産物)が形成されたか否かを確認し、各窒化物の相安定性を評価することができる。
表1に窒化物候補物質に対する相安定性評価の結果を示した。
Figure 2013038377
表1を参照すると、サンプル1は窒化ケイ素、サンプル2は窒化ホウ素、サンプル4は窒化アルミニウム、サンプル6は窒化バナジウムの場合であり、上記実験条件において、全て相変化が発生せず、分解されず副産物も発生しなかった。よって、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化バナジウムは上記実験条件で安定することが分かる。
サンプル3は窒化チタンの場合で、窒化チタンが分解されて酸化チタンという副産物が発生し、サンプル5は窒化ガリウムの場合で、窒化ガリウムが分解されて酸化ガリウムという副産物が発生し、サンプル7は窒化タンタルの場合であり、窒化タンタルが分解されて酸化タンタルという副産物が発生した。
上記結果から、窒化物候補物質のうち窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化バナジウムは熱処理後にも相変化が起きず安定したが、窒化チタン、窒化ガリウム、窒化タンタルは相変化が起き、副産物として酸化物が発生した。
図2に相安定性実験を行った窒化チタンに対するX−線回折分析の結果を示した。特に、窒化チタンの場合、分解されたチタンが窒素雰囲気内に存在する少量の酸素と反応してアナターゼ(anatase)構造及びルチル(rutile)構造の酸化物を形成することが分かる。
窒化物が分解されて副産物として発生する酸化物は、セラミック積層体の焼結の際、誘電体層と反応して積層セラミックキャパシタの誘電特性を変化させることがある。
相安定性評価の結果によると、窒化物のうち窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化バナジウムがセラミック電子部品に適用できる材料であることが分かる。
内部電極ペーストに窒化物を添加することで、内部電極の収縮開始温度をさらに高くすることができる。
収縮開始温度は、収縮が5%行われた時の温度と定義することができる。
上記窒化物は窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上であることができる。内部電極ペーストに上記1種の窒化物のみを添加することも、2種以上の窒化物を混合して添加することもできる。
内部電極の収縮開始温度の上昇に対しては、次のように説明できる。
焼結は次のようなメカニズムにより行われることができる。即ち、粉末粒子同士が接触していると、全体的に粒子の表面積が大きいため、熱力学的にエネルギー状態の高い不安定な状態であるといえる。上記表面積を減少させて、さらに低いエネルギー状態に移動しようとする動き、即ち、表面積を減少させようとする動きが焼結が起きる駆動力(driving force)になることができる。
温度が増加するほど、粒子内に存在する原子のエネルギー状態が高くなり、一定温度になると、接触している粒子内に存在する原子が移動して両粒子が併合されることができる。
しかしながら、内部電極ペーストに窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物を添加すると、窒化物がニッケルなどの導電性粒子の間に位置することができ、これにより、導電性金属粒子が互いに接触する確率が減少し、焼結が遅延されることがある。
また、焼結が行われても窒化物はそのまま異物として存在するため、導電性金属粒子の成長を抑制することができる。
上記窒化物の含量は、導電性金属100重量部に対し、5重量部から20重量部であることができる。
窒化物の含量が5重量部未満では内部電極の収縮開始温度の上昇効果が僅かで、20重量部を超えると窒化ケイ素の体積が大きくなるため、内部電極の連結性が低下し、結局、キャパシタの静電容量の低下に繋がる恐れがある。
窒化物粒子は球状であることができ、球状であれば特に制限されず、楕円立体又は球形であってよい。
窒化物の粒子は平均粒径が30から50nmであることができる。30nm未満では収縮開始温度の上昇効果が僅かで、10nmを超えると内部電極の電気的特性を減少させることがある。
内部電極31は導電性金属と、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物の他に、バインダー及び溶剤を含んでもよい。
内部電極31は内部電極用ペーストを誘電体グリーンシート上に印刷してから焼成して形成することができる。内部電極31はスクリーン印刷又はグラビア印刷などの方法により誘電体グリーンシート上に形成することができる。
バインダーとしてはポリビニルブチラール、エチルセルロースなどの高分子樹脂を用いることができる。
内部電極用導電性ペーストの溶剤は特に制限されず、例えば、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシンなどを用いることができる。
本発明の他の実施形態である積層セラミック電子部品はセラミック本体10と、上記セラミック本体10の外部面に形成された外部電極20、21と、上記セラミック本体の内部に形成され、上記外部電極と接続され、導電性金属と窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物を有する内部電極31とを含むことができる。
内部電極はニッケル、パラジウム、銅、金、銀及びこれらの合金からなる群から選択されるいずれか1つであることができ、粒子の大きさは80から120nmであることができる。
窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物の含量は、導電性金属100重量部に対し、5から20重量部であることができ、粒子の大きさは30から50nmであることができる。
内部電極の収縮開始温度は700℃以上で、セラミック本体の収縮開始温度以下であることができる。
上記セラミック本体、外部電極、内部電極、導電性金属及び窒化物に係る内容は上述と同様である。
積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペーストは次のような方法で製造した。
平均粒子の大きさが120nmのニッケル粉末と、平均粒子の大きさが30nmの窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウム粉末を用意し、上記窒化物をニッケル粉末100重量部に対して、0、2.5、5.0、10.0、20.0重量部を秤量して混合した。
ニッケルと窒化物の混合粉末に、エチルセルロース(EC、Ethyl cellulose)系バインダーとテルピネオール(terpineol)を入れ、3ロールミルで分散して積層セラミックキャパシタの内部電極用導電性ペーストを製造した。
積層セラミックキャパシタは次のような方法で製造した。
チタン酸バリウム系セラミック粉末、バインダーのポリビニルブチラル系樹脂、溶剤のエチルアルコールを混合し、これをボールミルなどの方法を用い、湿式混合及び分散を行ってセラミックスラリーを製造した。
ドクターブレード方法によりセラミックスラリーをポリマーフィルム上に塗布し乾燥してセラミックグリーンシートを製造した。
セラミックグリーンシート上に電極セラミックキャパシタ内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷して内部電極パターンを形成し、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、圧着及び切断してグリーンチップを製造した。
グリーンチップを250℃、窒素雰囲気で熱処理する脱バインダー工程を行った後、100〜1200℃、還元雰囲気で焼結して焼成チップを製造した。
窒化物の代わりに平均粒径30nmのチタン酸バリウムを添加したことを除き、上記と同じ方法で比較例を用意した。
窒化物の種類及び含量別に内部電極ペーストの収縮開始温度、内部電極の連結性を測定して評価し、積層セラミックキャパシタの層間剥離及び内部電極とセラミック層のチタン酸バリウムとの反応性について評価した。
内部電極用ペーストの収縮挙動は次のように測定した。
内部電極用ペーストを乾燥した後、金属モールドを用いてペレットに成形し、これを還元雰囲気でTMA(thermal mechanical analysis)を利用し収縮挙動を測定した。
収縮開始温度は収縮率が5%になる温度と定義することができる。
収縮開始温度はTMA(Thermal Mechanical Analysis)により決めることができる。
内部電極の連結性は「理想的な総電極長さ」に対する「実際総電極長さ」の比率、即ち「電極連結性」=「実際総電極長さ」/「総電極長さ」と定義することができる。
「理想的な総電極長さ」は内部電極一層の長さに内部電極の層数を掛け算して計算することができ、「実際総電極長さ」は電極の連結が切れた部分を除く残りの部分の長さで計算することができる。
具体的には、内部電極の積層面に垂直する断面に対する高倍率の顕微鏡写真に基づき、画素(ピクセル、pixel)の個数をカウントし、画素個数の相対的な比率を計算して内部電極の連結性を計算することができる。
内部電極の連結性が大きいとは、空いた空間がほとんどなく内部電極が形成されたことであるため、大きい静電容量が確保できる。逆に、内部電極の連結性が小さい場合には静電容量を形成する有効面が減少するため、静電容量の形成に不利である。
層間分離(delamination)とは、積層セラミック電子部品において、内部電極とセラミック層が分離する現象である。層間分離が発生すると、積層セラミック電子部品の電気的特性及び機械的特性が低下することがある。
内部電極とセラミック層のチタン酸バリウムとの反応性とは、内部電極に添加される物質とセラミック層に存在するチタン酸バリウムとの反応有無に関することである。
内部電極に添加される物質がセラミック層に存在するチタン酸バリウムと反応し、結果的に、積層セラミック電子部品の性能が低下することもある。
表2には窒化物の含量による収縮開始温度、内部電極の連結性、積層セラミック電子部品の層間分離の発生有無及び内部電極とセラミック層のチタン酸バリウムとの反応性に関する結果を示した。
Figure 2013038377
*:比較例を示す。
表2を参照すると、サンプル1は内部電極用ペーストにチタン酸バリウム10重量部を添加した場合で、収縮開始温度は850℃と700℃を超えており、内部電極の連結性は95.4%と90%を超えており、層間分離も発生しなかった。但し、内部電極に添加されたチタン酸バリウムがセラミック層に存在するチタン酸バリウムと反応した。
収縮開始温度が700℃を超える場合を基準としたが、これは信頼性に問題のない温度である。また、内部電極連結性の基準は90%以上としたが、これは適切な静電容量を確保するためのものである。
サンプル2から4は、内部電極用ペーストに窒化ケイ素を5重量部、10重量部、20重量部添加した場合であって、収縮開始温度はそれぞれ780℃、830℃、835℃と全て700℃を超えており、内部電極の連結性は95.2%、96.1%、92.3%と全て90%を超えており、層間分離は発生しなかった。また、内部電極に添加された窒化ケイ素とセラミック層に存在するチタン酸バリウムとの反応も起きなかった。
サンプル5及び6は、内部電極用ペーストに窒化アルミニウムを5重量部、10重量部添加した場合であって、収縮開始温度はそれぞれ790℃、810℃と700℃を超えており、内部電極連結性はそれぞれ91.4%、92.6%と全て90%を超えており、層間分離は発生しなかった。また、内部電極に添加された窒化アルミニウムとセラミック層に存在するチタン酸バリウムとの反応も起きなかった。
サンプル7及び8は、内部電極用ペーストに窒化ホウ素を5重量部、10重量部添加した場合であって、収縮開始温度はそれぞれ850℃、864℃と700℃を超えており、内部電極連結性はそれぞれ93.2%、94.5%と全て90%を超えており、層間分離は発生しなかった。また、内部電極に添加された窒化アルミニウムとセラミック層に存在するチタン酸バリウムとの反応も起きなかった。
サンプル9及び10は、内部電極用ペーストに窒化バナジウムを10重量部、20重量部添加した場合であって、収縮開始温度はそれぞれ700℃、845℃と700℃以上であり、内部電極連結性はそれぞれ94.2%、90.1%と全て90%を超えており、層間分離は発生しなかった。また、内部電極に添加された窒化バナジウムとセラミック層に存在するチタン酸バリウムとの反応も起きなかった。
表2を参照すると、窒化物の含量が増加するほど、内部電極用ペーストの収縮開始温度も上昇することが分かる。
収縮開始温度が上昇する理由は、温度が上昇することにより微粒のニッケル粉末が比表面積を減らすために連結された粒子が併合されて成長するが、ニッケル粒子が成長する際、窒化物がニッケル粒子の間に存在してニッケル粒子間の直接的な接触の割合を低くするため、焼結開始温度が上昇すると解釈することができる。
以下では、内部電極に含まれる窒化ケイ素の含量による内部電極の焼結挙動について説明する。
表3には本実施例のうち窒化ケイ素(Si)の含量(0、2.5、5、10、20重量部)による内部電極用導電性ペーストの収縮開始温度及び内部電極の連結性を示した。
図3には本実施例のうち窒化ケイ素(Si)の含量(0、2.5、5、10、20重量部)による内部電極用導電性ペーストの焼結収縮挙動を示した。
Figure 2013038377
表3を参照すると、サンプル1は内部電極用導電性ペーストに窒化ケイ素を添加しない場合(a)で、サンプル2は窒化ケイ素を2.5重量部添加した場合(b)であって、両方とも収縮開始温度は500℃と700℃未満であり、内部電極の連結性はそれぞれ64.5%、85.2%と全て90%未満であった。
窒化ケイ素を約2.5重量部添加しただけでは、収縮開始温度の上昇に及ぼす影響が僅かであることが確認できる。
内部電極用導電性ペーストに窒化ケイ素を5、10、20重量部添加した場合(c、d、e)、収縮開始温度はそれぞれ780℃、830℃、835℃と全て700℃を超えており、内部電極の連結性はそれぞれ96.1%、92.3%と全て90%を超えた。
一方、窒化ケイ素の含量が20重量部を超える場合には、窒化ケイ素の体積が大きくなるため、内部電極の連結性が低下し、結局、静電容量が低下することがある。
図3を参照すると、内部電極用導電性ペーストに窒化ケイ素を添加しない場合(a)には、収縮開始温度を過ぎてグラフが急激に減少し、その後は略一定に保持される傾向を見せる。
内部電極の急激な収縮が発生した場合、内部電極とセラミック誘電体層の寸法差による応力が内部に存在し、これによりクラックや層間分離が発生することがある。クラックや層間分離が発生しなくても、後の実装過程などにおける衝撃や熱により、クラックなどが発生しやすい。
一方、窒化ケイ素を添加した場合(b、c、d、e)には、全体的な温度範囲にわたってグラフが徐々に減少する傾向を示す。これは内部電極に添加された窒化ケイ素により内部電極の急激な収縮が抑制されていると解釈できる。
また、窒化ケイ素の含量が増加するほど(b→c→d→e)、グラフが緩くなるが、このことから窒化ケイ素の含量が増加するほど、窒化ケイ素の焼結抑制効果が増大することが分かる。
本発明は上述した実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求の範囲により限定される。従って、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能で、これも本発明の範囲に属する。
10 セラミック本体
20、21 外部電極
31 内部電極
40 誘電体層

Claims (7)

  1. 導電性金属と、
    窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化バナジウムからなる群から選択される1つ以上の窒化物と
    を含む積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト。
  2. 前記窒化物の含量は前記導電性金属100重量部に対し、5から20重量部である請求項1に記載の積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト。
  3. 前記導電性金属はニッケル、パラジウム、銅、金、銀及びこれらの合金からなる群から選択されるいずれか1つである請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト。
  4. 前記導電性金属の粒子の大きさは80から120nmである請求項1から3の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト。
  5. 前記窒化物の粒子の大きさは30から50nmである請求項1から4の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト。
  6. 収縮開始温度が700℃以上で、セラミック誘電体の収縮開始温度以下である請求項1から5の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペースト。
  7. セラミック本体と、
    前記セラミック本体の外部面に形成された外部電極と、
    請求項1から6の何れか1項に記載の積層セラミック電子部品の内部電極用導電性ペーストにより、前記セラミック本体の内部に形成された内部電極と
    を含む積層セラミック電子部品。
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