JP2013035968A - 偏光板形成用光硬化性接着剤および偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを構成層とし、保護フィルムと偏光子との接着性に優れ、耐熱性、接着性に優れる偏光板を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系偏光子3の両面が、光硬化性接着剤を硬化してなる接着層2,4を介して保護フィルム1,5でそれぞれ被覆されてなる偏光板であって、前記光硬化性接着剤が、ラジカル重合性化合物(A)およびカチオン重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含み、前記ラジカル重合性化合物(A)がノルボルナン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)またはアダマンタン骨格を有するラジカル重合性化合物(a2)を含むことを特徴とする光硬化性接着剤組成物および該接着剤を具備してなる偏光板。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられる該偏光板形成用の光硬化性接着剤及び偏光板に関するものである。
時計、携帯電話、個人用の携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開されている。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TV等の用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光板においてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
液晶表示関連分野などに用いられる偏光子は、通常ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素や染料を吸着させたものを一軸延伸して製造される。このポリビニルアルコール系偏光子は、熱や水分により収縮し、偏光性能の低下をきたす。そこで、PVA系偏光子の表面に保護フィルムを貼合せたものが偏光板として用いられる。
偏光子に保護フィルムを貼着するための接着剤としては、従来からポリビニルアルコール系樹脂の水溶液(PVA系接着剤)が広く使用されている(特許文献1、2参照)。
また、特許文献3には、水性ウレタン系接着剤を用いてなる偏光板が開示されている。しかし水性接着剤は塗工後に乾燥工程が必要であり、PVA系偏光子の耐熱性が低いため低温で長時間の乾燥が必要になり生産効率が悪い。
上記のような理由から、水系接着剤の代わりに、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤を使用することが提案されている(特許文献4参照)。
しかし、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤は、紫外線照射後に暗反応があるので、長尺の硬化物を巻取りロール状にした場合、保管時に巻き癖がつきやすいという問題がある。しかも、カチオン重合性紫外線硬化型接着剤は、硬化時の湿度や接着剤およびフィルム中の水分の影響を受けやすく、硬化状態がバラつきやすいという問題がある。そこで、均一な硬化状態を発現するためには、環境湿度は言うに及ばず、接着剤やPVA系偏光子の含水率を厳しく管理する必要がある。
ラジカル重合性紫外線硬化型接着剤には、このような問題が比較的少ないという点で優れるが、一般的に硬化収縮が大きく十分な接着性を確保するのが難しい。
ところで、液晶表示装置は、その用途が拡大するにつれて、さまざまな環境で使用されるようになり、液晶表示装置を構成する偏光板には高い耐熱性が要求されている。
例えば、カーナビゲーション等の車載型の液晶表示装置では、高い耐熱耐久性が要求されている。
高温環境下では接着性が弱いとPVA系偏光子と保護フィルムの熱収縮率の違いにより、PVA系偏光子と保護フィルムが剥がれてPVA系偏光子の収縮や偏光板の反り、PVA偏光子に割れが発生することがある。
特許文献5には、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物および光開始剤を含む光硬化性接着剤が提案されているが、ガラス転移温度が−80℃〜0℃のラジカル重合性化合物を主成分としているため、高温環境下では接着剤が軟化し十分な接着性が得られず、PVA系偏光子の収縮や偏光板の反り、PVA偏光子に割れが発生することがあった。
すなわち、偏光板の使用環境がさらに過酷になっている今日、従来の偏光板を更に上回る耐熱性を持った偏光板が望まれているのが実情である。
特開平09−258023号公報 特開2005−208456号公報 特開2004−37841号公報 特開2008−233874号公報 特開2011−076067号公報
本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを構成層とし、保護フィルムと偏光子との接着性に優れ、従来の偏光板に比して耐熱性に優れる偏光板用光硬化性接着剤および偏光板を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光板により前記目標達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを接着するための光硬化接着剤組成物であって、
該光硬化型接着剤組成物が少なくともラジカル重合性化合物(A)およびカチオン重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有し、
前記ラジカル重合性化合物(A)が2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)を含むことを特徴とする光硬化性接着剤組成物に関する。
また本発明は、上記ラジカル重合性化合物(a1)が、ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)であることを特徴とする光硬化性接着剤組成物に関する。
また本発明は、上記ラジカル重合性化合物(a1)が、ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)のノルボルネンおよび/またはノルボルナン骨格以外に更に1個以上のシクロアルカンおよび/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1−1A)であることを特徴とする上記光硬化性接着剤組成物に関する。
また本発明は、上記、ラジカル重合性化合物(a1)が、アダマンタン誘導体であり、更に、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−2)であることを特徴とする上記光硬化性接着剤組成物に関する。
また本発明は、ラジカル重合性化合物(A)が水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)をさらに含むことを特徴とする上記光硬化性接着剤組成物に関する。
さらに本発明は、水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)が、炭素数が2〜18であるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であることを特徴とする上記光硬化性接着剤組成物に関する。
さらに本発明は、上記光硬化性接着剤組成物を用いてポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に保護フィルムを接着してなることを特徴とする偏光板に関する。
さらに本発明は、前記偏光板の保護フィルムの少なくとも1つがアセチルセルロース系樹脂フィルムまたはノルボルネン系樹脂フィルム,アクリル系樹脂フィルム,カーボネート系樹脂フィルムであることを特徴とする上記偏光板に関する。
本発明により、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを構成層とし、保護フィルムと偏光子との接着性に優れ、従来の偏光板に比して耐熱性に優れる偏光板用光硬化性接着剤および偏光板を提供することができるようになった。
本発明の偏光板の一例を示す断面図(イメージ)である。 本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図(イメージ)である。
本発明の光硬化性接着について説明する。
光硬化性接着剤は、ラジカル重合性成分(A)とカチオン重合性成分(B)と光重合開始剤(C)とを含む。
ラジカル重合性成分(A)は、2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格、および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)を必須成分とする。
本発明はラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物の2つの硬化系を使用することで、それぞれの欠点である
ラジカル重合性化合物:硬化収縮が大きいことによる接着性不良
カチオン重合性化合物:湿度や接着剤、フィルム中の水分による硬化不良
を補うことができ、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物を単独で使用する場合より高い接着力を得ることができる。更に2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格、および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物を成分とすることで、高い接着性を維持したまま耐熱性を飛躍的に向上させることができる。
[ラジカル重合性化合物(A)]
ラジカル重合性化合物(A)としては2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格、および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)を必須成分として、更に水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)やその他のラジカル重合性分を含んでよい。
[2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)]
2個以上のシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格と、1個以上のエチレン性不飽和二重結合等のラジカル重合性官能基を有する化合物であり、2個以上の環構造を有するシクロアルケン骨格および/またはシクロアルケン骨格は環構造と環構造がアルキル基やエーテル基、エステル基などにより離れていてもよいし、ノルボルナンやノルボルネン,アダマンタン構造のようにシクロ環の橋かけ構造でもよいが、耐熱性に優れることよりノルボルナンやノルボルネン、アダマンタン骨格が好ましい。
環構造と環構造が離れているラジカル重合性化合物としては水添ビッフェノールAのジアクリレートや3,3-ジシクロプロピルアクリレートなどがある。
[ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)]
ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)としては、ノルボルネンおよび/またはノルボルナン骨格とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有していればよく、例えばジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
[ノルボルネンおよび/またはノルボルナン骨格以外に更に1個以上のシクロアルカンおよび/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1−1A)]
上記ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)は、更に1個以上のシクロアルカンおよび/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物であることが好ましい。つまり3個以上の環状骨格を有するラジカル重合性化合物にすることで耐熱性が向上するだけでなく、嵩高さをますことで硬化収縮を抑制し接着力の向上もみられる。具体的な化合物としてはジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどがある。
[アダマンタン誘導体と更に、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−2)]
アダマンタン骨格とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する化合物で、上記のノルボルネンおよび/またはノルボルナン骨格以外に更に1個以上のシクロアルカンおよび/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1−1A)と同様の3個以上の環状骨格を有するラジカル重合性化合物であり、耐熱性および接着性の向上が見られる。具体的な化合物としては3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ) アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ) アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル (メタ)アクリレート、2-プロピル-2-アダマンチル (メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1,3−アダマンチルジオールジ(メタ)アクリレート、1,3,5−アダマンチルトリ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,5−アダマンチルジ(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられるが、接着性が優れる点でラジカル重合性官能基であるエチレン性不飽和二重結合が1個の3-ヒドロキシ-1-アダマンチルアクリレート、2-メチル-2-アダマンチルアクリレート、2-エチル-2-アダマンチルアクリレートが好ましい。
本発明における光硬化性接着剤は、これらの材料を適宜組み合わせて使うことができる。
ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)と、アダマンタン誘導体とエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−2)は単独で使用することもできるし、併用して使用することもできる。
[水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)]
ラジカル重合性化合物(A)には水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)を含むことが好ましい。水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)の水酸基はPVA系偏光子との接着性を向上させるとともにカチオン重合性化合物(B)と反応し硬化性を上げることができる。
水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)としては1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ少なくとも1個有する化合物であって、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18の2価アルコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコールさらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)としては接着性やカチオン重合性化合物(B)との反応性が良好であることより炭素数2〜18であるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、シクロヘキサンジメタノールアクリレートが特に好ましい。
ラジカル重合性成分(A)は、2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)、水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)以外のラジカル重合性成分(a5)を含有してもよく、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロドデシル(メタ)アクリレ−ト、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等のトリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有ラジカル重合性化合物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するラジカル重合性化合物、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ラジカル重合性化合物、アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和基を1分子中に2個以上有するラジカル重合性化合物、分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のリン酸基を有する重合性不飽和モノマー等が挙げられ、これらを単独または併用して使用することができる。
[カチオン重合性化合物(B)]
カチオン重合性化合物(B)としては例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートなどの脂環式エポキシ基を有する化合物やビスフェノールAのグリシジルエーテル、ビスフェノールFのグリシジルエーテル、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル、酸含有化合物のグリシジルエステルなどのグリシジル基を有する化合物、3-エチル‐3‐ヒドロキシメチルオキセタン、1,4‐ビス[(3‐エチル‐3‐オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、ジ(1‐エチル‐3‐オキセタニル)メチルエーテル、3-エチル‐3‐(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル‐3‐(2‐エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、3‐エチル‐{(3‐トリエトキシシリルプロポキシ)メチル}オキセタンなどのオキセタニル基を有する化合物、ビニルエーテルなどが挙げられる。
カチオン重合性化合物(B)は、反応性が良好なことより、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートまたはビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、ビスフェノールFのグリシジルエーテルを使用することが好ましいく、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノールFのグリシジルエーテルが特に好ましい。
また、ラジカル重合性官能基とカチオン重合性官能基の両方をもつ化合物を使用することもできる。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレートなどがある。
本発明における光硬化性接着剤の、ラジカル重合性成分(A)とカチオン重合性成分(B)の比率は合計100重量部とした場合、ラジカル重合成分(A)/カチオン重合成分(B)=5〜95重量部/95〜5重量部であり、好ましくは10〜90重量部/90〜10重量部、より好ましくは20〜80重量部/80〜20重量部である。一般的にラジカル重合性分はカチオン重合成分よりも硬化収縮が大きいため、ラジカル重合成分が95重量部より多いと硬化収縮により接着性が低下する。またカチオン成分が95重量部より多いと湿度や接着剤およびフィルム中の水分により硬化不良が起きやすい。
またラジカル重合性化合物(A)中の2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)と、水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)、その他のラジカル重合性化合物(a5)の比率はラジカル重合性化合物(A)を100重量部とした場合、(a1)/(a4)/(a5)=1〜100重量部/0〜90重量部/0〜99重量部である。好ましくは(a1)/(a4)/(a5)=10〜90重量部/10〜80重量部/0〜80重量部であり、(a1)/(a4)/(a5)=20〜90重量部/20〜60重量部/0〜60重量部が特に好ましい。
2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)が1重量部より少ないと耐熱性が悪くなり、更に水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)を10重量部以上含むことでPVA系偏光子との接着性およびカチオン重合性化合物(B)との硬化性が向上しより好ましい。
本発明における光硬化性接着剤は、光重合開始剤(C)を含む。
光重合開始剤(C)としては光ラジカル重合開始剤と光カチオン開始剤があり、光ラジカル開始剤としては、例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)などがある。
これらの中でも広い波長で反応する2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドや相溶性に優れる1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンが好ましい。
また、光カチオン重合開始剤としては、例えばUVACURE1590(ダイセル・サイテック製)、CPI−110P(サンアプロ製)、などのスルホニウム塩やIRGACURE250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、WPI−113(和光純薬製)、Rp−2074(ローディア・ジャパン製)等のヨードニウム塩が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤の配合割合は、ラジカル重合性化合物(A)及びカチオン重合性化合物(B)の合計100重量部に対して、光ラジカル開始剤/光カチオン開始剤=0〜10重量部/0.1〜10重量部であり、好ましくは光ラジカル開始剤/光カチオン開始剤=0.3〜7重量部/0.3〜7重量部であり、より好ましくは光ラジカル開始剤/光カチオン開始剤=0.5〜5重量部/0.5〜5重量部である。
光開始剤(C)が0.1重量部より少ないと硬化性が悪く接着性不良になり、20重量部より多いと、硬化後の接着剤層が黄変する。
光硬化性接着剤は、上記ラジカル重合性成分(A)、カチオン重合性成分(B),光重合開始剤(C)以外に、重合禁止剤、重合開始助剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、レベリング剤、シランカップリング剤、消泡剤、可塑剤等の各種の公知の添加剤を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で含むことができる。
本発明における光硬化性接着剤は、実質的に有機溶剤を含まず粘度は1〜200mPa・sであり、好ましくは10〜130mPa・sであり、20〜100mPa・sであることがより好ましい。粘度が200mPa・sより高いと基材に塗工した場合、薄膜塗工ができずに透過率等の光学的特性が悪化してしまう。1mPa・sより低いと接着剤の膜厚制御が困難になる。
本発明の光硬化性接着剤は、実質的に有機溶剤を含まない。有機溶剤を全く含まないほうが好ましいが、光重合開始剤はラジカル重合性成分やカチオン重合性成分に難溶性のことが多い。そのため光重合開始剤を溶解するため少量の有機溶剤は含んでもよい。光硬化性接着剤中の有機溶剤の含有量は5重量%以内である。
光硬化性接着剤を硬化してなる接着層の厚みは0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。0.1μmよりも薄くなると接着力が低くなる。10μmよりも厚くなると光の透過率等の光学特性が悪化する。
光硬化性接着剤の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばダイコート法、ロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、スピンコート法などが挙げられる。
[偏光子]
本発明の偏光板に用いられるポリビニルアルコール系偏光子(3)について説明する。
偏光子を形成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体などが挙げられるが、耐水性の点から、エチレン・ビニルアルコール共重合体が好ましい。ポリビニルアルコールとしては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコールや、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールや、水酸基が変性された変性ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。ポリビニルアルコール系樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を併用することもできる。
上記ポリビニルアルコールの具体例としては、(株)クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業(株)製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1.400)などが挙げられる。ポリビニルアルコールは、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルの重合体を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。
上記エチレン・ビニルアルコール共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものであり、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されない。
偏光子は、上述のポリビニルアルコール系樹脂をキャスティング成形法等の方法によって、成形することにより得られる。前記偏光子は、ホウ酸等による架橋や、延伸をされたものであってもよい。偏光子の形状としては、特に限定されないが、例えば、フィルム等が挙げられる。なお、本明細書において、「フィルム」の語は、厚みが小さいもの(厚みが1mm未満のもの)の他、厚手のシート(例えば、厚みが1〜5mmのもの)も含むものとする。偏光子の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜40μm程度が好ましい。
[保護フィルム]
本発明の偏光板に用いられる保護フィルムについて説明する。
保護フィルムは特に限定されず、具体的には、現在偏光板の保護フィルムとして最も広く用いられているトリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂フィルムや、トリアセチルセルロースよりも透湿度の低い透明樹脂フィルムを用いることができる。
トリアセチルセルロースよりも透湿度の低い保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、シクロオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルムが挙げられる。
[アセチルセルロース系樹脂フィルム]
アセチルセルロース系樹脂フィルムは、セルロースの部分または完全エステル化物のフィルムであって、たとえば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、それらの混合エステルなどからなるフィルムを挙げることができる。より具体的には、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルムなどが挙げられる。
アセチルセルロース系樹脂フィルムとしては、種々の製品が市販されている。具体例としては、フジタックTD80(富士フィルム(株)製)、フジタックTD80UF(富士フィルム(株)製)、フジタックTD80UZ(富士フィルム(株)製)、KC8UX2M(コニカミノルタオプト(株)製)、KC8UY(コニカミノルタオプト(株)製)、KC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)などが挙げられる。
[シクロオレフィン系樹脂フィルム]
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などが挙げられ、ノルボルネン系樹脂が好ましい。ノルボルネン系樹脂フィルムは、特開2005−164632号公報、特開2006−201736号公報、特開2008−233279号公報等に記載された公知の方法により得ることができる。
シクロオレフィン系樹脂フィルムとしては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」などが挙げられる。
[アクリル系樹脂フィルム]
アクリル系樹脂フィルムは、ポリメチルメタクリレートをはじめ、メチルメタクリレートやブチルメタクリレート等のアルキルエステル類の(メタ)アクリレートを主成分とする樹脂(=共重合体)である。場合によっては、他の樹脂とブレンドされて、フィルム化される。アクリル系フィルムは、特開2002−361712号公報等に記載された公知の方法により得ることができる。
アクリル系樹脂フィルムは、種々の製品が市販されている。具体例としては、三菱レイヨン社製の商品名「アクリプレン」や、カネカ社製の商品名「サンデュレン」などが挙げられる。
[ポリカーボネート系樹脂フィルム]
ポリカーボネート系樹脂フィルムは、炭酸とグリコール又は2価フェノールとのポリエステルであり、通常炭酸と2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称ビスフェノール−A)とを構造単位とする芳香族ポリカーボネートが多様されている。本発明ではこれに限定されるわけではなく、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類からなる群から選択される少なくとも1種の2価フェノールをモノマー成分とする共重合ポリカーボネート、ホモポリマー、フェノール−Aをモノマー成分とするポリカーボネートとの混合物、上記2価フェノールとビスフェノール−Aとをモノマー成分とする共重合ポリカーボネートを使用することができる。
ポリカーボネート系樹脂フィルムは、種々の製品が市販されている。具体例としては、カネカ社製の商品名「エルメック」などが挙げられる。
本発明の偏光板に使用される保護フィルムは、(1)、(5)の両面とも同一組成であっても異なっていても良い。例えば、(1)にシクロオレフィン系樹脂フィルムを使用し、(5)に、アクリル系樹脂フィルムを使用しても何ら差し支えは無い。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
本発明の偏光板は、以下のようにして得ることができる。
即ち、第1の保護フィルム(1)の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルム(5)の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の各面に、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を、同時に/または順番に重ね合わせ、
第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造することが好ましい。
以下、図2に基づいて、工程ごとに説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、図2の(a)に示されるように、保護フィルム(1)および(5)のそれぞれ片面に、接着剤層形成用の光硬化性接着剤を塗布し、必要に応じて乾燥等を行って、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を具備する積層体(1’)、(5’)を得る工程である。
[工程(b)]
工程(b)は、図2の(b)に示されるように、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面(図では上面)に、保護フィルム(1)と硬化性接着剤層(2’)とを具備する積層体(1’)を、
ポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面(図では下面)に、保護フィルム(5)と硬化性接着剤層(4’)とを具備する積層体(5’)を、それぞれ重ね合わせる工程である。
[工程(c)]
工程(c)は、図2の(c)に示されるように、活性エネルギー線(6)を照射することにより、保護フィルム(1)、(5)とポリビニルアルコール系偏光子(3)とに挟まれた硬化性接着剤層(2’)、(4’)を硬化させ、接着剤層(2),(4)を形成させる工程である。
図では、保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線(6)を照射する場合を示すが、保護フィルム(1)の側から活性エネルギー線(6)を照射してもよいし、両側から同時に、または順次活性エネルギー線(6)を照射してもよい。
活性エネルギー線の照射量は、特に限定されるものではないが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜5000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。照射量が10mJ/cmより低い場合、紫外線硬化性組成物の硬化が促進せず、欲する性能が発揮できないことがあり、照射量が5000mJ/cmより高い場合は、照射時間が非常に長くなり、生産性に問題がある。
照射する活性エネルギー線の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等が挙げられるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
活性エネルギー線(6)照射後、室温で1週間程度エージングすることもできる。
工程(c)を経ることにより、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を硬化させて接着剤層(2),(4)とし、偏光子(3)と保護フィルム(1)および(5)とが接着剤層(2),(4)を介して接着されてなる偏光板が完成する(図1、図2中の(d)参照)。
また、本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、形成された第1の硬化性接着剤層(2’)の表面を第1の保護フィルム(1)で覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、形成された第2の硬化性接着剤層(4’)の表面を第2の保護フィルム(2)で覆い、それから、第2の保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造することもできる。
[実施例]
[ポリビニルアルコール系偏光子]の製造例
ホウ酸20重量部、ヨウ素0.2重量部、ヨウ化カリウム0.5重量部を水480重量部に溶解させて染色液を調整した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVA偏光子を得た。
[実施例1]
保護フィルム(1)として、富士フィルム(株)製の紫外線吸収剤含有トリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用い、保護フィルム(5)として、紫外線吸収剤を含有しないトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「TACPHAN N882GL」(厚み80μm)を使用し、それぞれその表面に300W・min/mの放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、表1に示す光重合組成物をワイヤーバーコーター#3を用いて塗工し、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を形成し、その硬化性接着剤層(2’)と(4’)との間に上記のPVA偏光子を挟み、保護フィルム(1)/硬化性接着剤層(2’)/PVA系偏光子/硬化性接着剤層(4’)/保護フィルム(5)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度500mW/cm2、積算光量800mJ/cmの紫外線を保護フィルム(5)側から照射して、偏光板を作製した。
各接着剤層の厚みは、3μmとした。
[実施例2〜16]、[比較例1〜5]
光硬化性重合組成物を表1、2のように変えた以外は実施例1と同様にして偏光板を作製し、後述する方法に従って、その性能を評価した。
[実施例17]
保護フィルム(1)三菱レイヨン(株)製のアクリルフィルム(商品名「HDB−002:50μm」)に代えた以外は、実施例1と同様にして偏光板を得、同様に評価した。
[実施例18]
保護フィルム(1)をカネカ(株)製のポリカーボネート系樹脂フィルム:商品名「R−140:43μm」に代えた以外は、実施例1と同様にして偏光板を得、同様に評価した。
<接着力>
得られた偏光板を、25mm×150mmのサイズにカッターを用いて裁断してサンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(東洋インキ製造株式会社製DF8712S)により金属板上に貼り付けた。サンプル(偏光板)には、保護フィルムと偏光子の間に予め剥離のキッカケを設けておき、23℃、50%RH環境下で、ピール速度:300mm/minにて測定した。表中の接着力は、
保護フィルムの破壊・・・◎
1.5(N/25mm)以上〜保護フィルムが破壊しない・・・○
1.0(N/25mm)以上〜1.5(N/25mm)未満・・・△
1.0(N/25mm)未満・・・×
<耐熱試験>
得られた偏光板を、50mm×40mmのサイズに切断し80℃で1000時間暴露した。暴露後偏光板の外観を目視評価した。
変化なし無し:◎
PVA系偏光子が1mm未満収縮している:○
PVA系偏光子が1mm以上収縮している:△
PVA系偏光子に割れが発生している:×

Figure 2013035968
Figure 2013035968
実施例1〜18は十分な接着力および耐熱性を有しているが特に、実施例4〜15、17、18はラジカル重合性化合物として水酸基を有するラジカル重合性化合物を含んでいるため、実施例1〜3、16と比べて接着力に優れている。
比較例1,2はカチオン重合性成分を含んでいないため硬化収縮が大きく、接着性が不良である。そのため耐熱性もPVA系偏光子と保護フィルムが接着していないため不良になっている。
比較例3はカチオン重合性成分のみの場合であるが、接着性が不良である。これは接着剤やPVA系偏光子中の水分によりカチオン硬化性が悪化したためと考察している。
比較例4,5は1つの脂環または芳香環を有するラジカル重合性化合物の場合であるが、2個以上の環構造を有するシクロアルカン(シクロアルケン)骨格、すなわちノルボルナンまたはアダマンタン骨格を有するラジカル重合性化合物に比べ耐熱性に劣る。
・ 保護フィルム
(1’)保護フィルム(1)と硬化性組成物からなる層(2’)との積層体
(2)第一の接着剤層
(2’)硬化性組成物からなる層
・ ポリビニルアルコール系偏光子
・ 第二の接着剤層
(4’)硬化性組成物からなる層
・ 保護フィルム
(5’)保護フィルム(5)と硬化性組成物からなる層(4’)との積層体
(6)活性エネルギー線



Claims (8)

  1. ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを接着するための光硬化接着剤組成物であって、
    該光硬化型接着剤組成物が少なくともラジカル重合性化合物(A)およびカチオン重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有し、
    前記ラジカル重合性化合物(A)が2個以上の環構造を有するシクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1)を含むことを特徴とする光硬化性接着剤組成物。
  2. 上記ラジカル重合性化合物(a1)が、ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)であることを特徴とする請求項1記載の光硬化性接着剤組成物。
  3. 上記ラジカル重合性化合物(a1)が、ノルボルネンおよび/またはノルボルナン誘導体であり、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−1)のノルボルネンおよび/またはノルボルナン骨格以外に更に1個以上のシクロアルカンおよび/またはシクロアルケン骨格を有するラジカル重合性化合物(a1−1A)であることを特徴とする請求項2記載の光硬化性接着剤組成物。
  4. 上記ラジカル重合性化合物(a1)が、アダマンタン誘導体であり、更に、エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物(a1−2)であることを特徴とする請求項1記載の光硬化性接着剤組成物。
  5. ラジカル重合性化合物(A)が水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の光硬化性接着剤組成物。
  6. 水酸基を有するラジカル重合性化合物(a4)が、炭素数が2〜18であるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であることを特徴とする請求項5記載の光硬化性接着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性接着剤組成物を用いてポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に保護フィルムを接着してなることを特徴とする偏光板。
  8. 前記偏光板の保護フィルムの少なくとも1つがアセチルセルロース系樹脂フィルムまたはノルボルネン系樹脂フィルム,アクリル系樹脂フィルム,カーボネート系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項7記載の偏光板。



























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