JP2013032795A - ステアリング装置用トルク伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヨーク10とシャフト11とをセレーション係合させる。このセレーション係合部の構造として、前記衝撃荷重が加わる前の状態では回転方向のがたつきを生じないが、加わった後の状態では回転方向のがたつきを生じる様になる構造を採用する。このがたつきが生じる前後で、ステアリングホイールの遊び量が変化する為、前記衝撃荷重が加わった事が分かる。
【選択図】図1
Description
特に、本発明のステアリング装置用トルク伝達装置に於いては、前記第一、第二両トルク伝達部材は、回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に結合されており、且つ、軸方向に関し所定量相対変位する事に基づいて、回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能に結合された状態に変化する。
又、前記第一、第二両トルク伝達部材が、回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に結合された状態を、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の軸方向に関する互いの位置関係が、正規の位置関係にある状態で、前記外径側係合部と前記内径側係合部とが回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に係合した状態とする。
又、前記第一、第二両トルク伝達部材が、回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能に結合された状態を、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の軸方向に関する互いの位置関係が、前記正規の位置関係から前記作用方向に所定量ずれた位置関係にある状態で、前記外径側係合部と前記内径側係合部とが回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能に係合した状態とする。
更に、前記第一、第二両トルク伝達部材同士の間に、前記結合孔から前記結合杆部が抜け出る事を防止する為の抜け止め構造部を設ける。
更に、これらの場合に、より具体的には、例えば請求項7に記載した発明の様に、前記抜け止め構造部を、前記第一、第二両トルク伝達部材の一部分同士が軸方向に機械的に係合する事に基づいて、前記結合孔から前記結合杆部が抜け出る事を防止するものとする。
即ち、前記結合部に上述の様な衝撃荷重が加わる事に基づいて、前記第一、第二両トルク伝達部材同士の軸方向に関する位置規制力(例えば、嵌合部の締め代や溶接に基づく位置規制力)が低下若しくは喪失すると、その後、前記結合部に走行時の操舵トルクが繰り返し加わる等によって、前記第一、第二両トルク伝達部材同士が、軸方向に関して所定量相対変位する。これに伴い、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の結合状態が、回転方向のがたつきを生じる事なくトルク伝達を可能な状態から、回転方向のがたつきを介在させてトルク伝達を可能な状態に変化する。この結果、このがたつきの分だけ、ステアリングホイールの遊び(操舵輪の舵角変化に結び付かない操作範囲)が増加すると共に、場合によっては、前記がたつきに基づいて生じる振動が前記ステアリングホイールに伝わったり、このがたつきに基づいて生じる異音が車室内に響いたりする様になる。この様な状況の変化は、運転者が容易に感じ取れる為、運転者は、この様な状況の変化に基づいて、上述の様な衝撃荷重が加わった事実を容易に認識できる。この為、運転者に、修理を促す事ができて、損傷した車両の運行を継続する事に伴う危険を回避できる。
図1〜6は、請求項1〜3、7〜9に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、自在継手を構成するヨーク10とシャフト11(ステアリングシャフト又は中間シャフト)との結合部に、本発明の構造を適用した例である。尚、図1〜4は、前記ヨーク10とシャフト11との間に回転方向や軸方向の相対的な衝撃荷重が作用する前の状態である、正常時の状態を、図5〜6は、この衝撃荷重が作用した後の状態である、異常時の状態を、それぞれ示している。又、前記ヨーク10を含む自在継手の構造及び作用に就いては、従来から周知であるから、図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図7〜11は、請求項1、2、4、7〜9に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、ヨーク10aの基端部に設けた結合孔12aの断面形状と、シャフト11aの先端部に設けた結合杆部16aの断面形状とを、それぞれ略小判形としている。即ち、外径側係合部である、前記結合孔12aの内周面は、互いに平行な1対の平面部23a(23b)、23a(23b)と、これら両平面部23a(23b)、23a(23b)の端部同士を連結する、それぞれが前記結合孔12aの中心軸を中心とする部分円筒状の凹曲面部24、24とから成る。又、この様な結合孔12aは、軸方向先半部(図7、9に於ける左半部)を、前記両平面部23a、23aの間隔が比較的狭い幅狭孔部25とし、軸方向基半部(図7、9に於ける右半部)を、前記両平面部23b、23bの間隔が比較的広い幅広孔部26としている。一方、内径側係合部である、前記結合杆部16aの外周面は、互いに平行な1対の平面部27a(27b)、27a(27b)と、これら両平面部27a(27b)、27a(27b)の端部同士を連結する、それぞれが前記結合杆部16aの中心軸を中心とする部分円筒状の凸曲面部28、28とから成る。この様な結合杆部16aは、軸方向先端部(図7、9に於ける左端部)を、前記両平面部27a、27aの間隔が比較的狭い幅狭杆部29とし、軸方向中間部乃至基端部(図7、9に於ける右端部)を、前記両平面部27b、27bの間隔が比較的広い幅広杆部30としている。
この様な本例のステアリング装置用トルク伝達装置の場合も、運転者は、上述の様ながたつきの存在に基づいて、前記衝撃荷重が加わった事実を容易に認識できる。
図12〜16は、請求項1、2、5、7〜9に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ヨーク10bの基端部に設けた結合孔12bと、シャフト11bの先端部に設けた結合杆部16bとを、キー係合させる構成を採用している。即ち、本例の場合、外径側係合部である、前記結合孔12bの内周面は、軸方向に関して径寸法が変化しない外径側円筒面部31と、この外径側円筒面部31の周方向一部分から内径側に突出する状態で設けられた、軸方向に長いキー32とから成る。このキー32は、軸方向先半部(図12、13、15に於ける左半部)を、周方向幅が比較的広い幅広キー部33とし、軸方向基半部(図12、13、15に於ける右半部)を、周方向幅が比較的狭い幅狭キー部34としている。一方、内径側係合部である、前記結合杆部16bの外周面は、軸方向に関して径寸法が変化しない内径側円筒面部35と、この内径側円筒面部35の周方向一部分に設けられた、軸方向に長いキー溝36とから成る。このキー溝36は、軸方向先端部(図12、13、15に於ける左半部)を、周方向幅が比較的広い幅広溝部37とし、軸方向中間部乃至基端部(図12、13、15に於ける右端部)を、周方向幅が比較的狭い幅狭溝部38としている。
この様な本例のステアリング装置用トルク伝達装置の場合も、運転者は、上述の様ながたつきの存在に基づいて、前記衝撃荷重が加わった事実を容易に認識できる。
図17〜21は、請求項1、2、6〜9に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合も、ヨーク10cの基端部に設けた結合孔12cと、シャフト11cの先端部に設けた結合杆部16cとを、キー係合させる構成を採用している。本例の場合、外径側係合部である、前記結合孔12cの内周面の周方向一部分に軸方向に長いキー32aを、内径側に突出する状態で設けている。このキー32aの周方向幅は、軸方向に関して変化していない。又、前記結合孔12cの内周面のうちで、このキー32aから外れた部分は、段付円筒状である。即ち、この結合孔12cの内周面のうちで、このキー32aから外れた部分は、軸方向先半部(図17、18、20に於ける左半部)を、径寸法が比較的小さい外径側小径円筒部39とし、軸方向中間部乃至基半部(図17、18、20に於ける右半部)を、径寸法が比較的大きい外径側大径円筒部40としている。一方、内径側係合部である、前記結合杆部16cの外周面は、周方向一部分に軸方向に長いキー溝36aを設けている。このキー溝36aの周方向幅も、軸方向に関して変化していない。又、前記結合杆部16cの外周面のうちで、このキー溝36aから外れた部分は、段付円筒状である。即ち、この結合杆部16cの外周面のうちで、このキー溝36aから外れた部分は、軸方向先端部(図17、18、20に於ける左端部)を、比較的径寸法の小さい内径側小径円筒部41とし、軸方向中間部乃至基端部(図17、18、20に於ける右端部)を、比較的径寸法が大きい内径側大径円筒部42としている。
この様な本例のステアリング装置用トルク伝達装置の場合も、運転者は、上述の様ながたつきの存在に基づいて、前記衝撃荷重が加わった事実を容易に認識できる。
図22は、請求項1〜3、7〜9に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、シャフト11dを、円管状としている。これと共に、このシャフト11dの先端部に設けた結合杆部16dの先端縁部分を、ローリングかしめ加工により外径側に曲げ起こす事で、この曲げ起こした部分を、抜け止めの為のかしめ部20dとしている。その他の部分の構造及び作用は、前述の図1〜6に示した実施の形態の第1例の場合と同様である。この為、同等部分には同一符号を付して、重複する図示並びに説明は省略する。
図23は、請求項1〜3、7〜9に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、ヨーク10dの基端部に設けた結合孔12dの内側に、シャフト11eの先端部に設けた結合杆部16eを挿入するのに先立って、この結合杆部16eの外周面の先端部に、第二大径雄セレーション部43を設けている。この第二大径雄セレーション部43のピッチ円直径は、前記結合杆部16eの外周面の基端部に設けた大径雄セレーション部19のピッチ円直径よりも、少しだけ大きくしている。
又、本発明を実施する場合、第一、第二両トルク伝達部材同士の溶接部の強度は、任意の大きさに設定できるが、この溶接部の強度を大きくする程、衝撃荷重に対する耐久性を確保する事ができ、衝撃荷重を受けた後の安全走行を継続し易くできる。この場合にも、想定を上回る大きさの衝撃荷重が加わる事により、前記溶接部が破損した場合には、本発明による衝撃荷重の検知機能が働く(回転方向のがたつきを介在させて、トルクの伝達を可能な結合状態に移行する)。
又、本発明を実施する場合に、第一、第二両トルク伝達部材同士の溶接を省略する場合には、据え切り操作時を含めて、平常運転時に於ける、第一、第二両トルク伝達部材同士の間でのトルク伝達、並びに、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の軸方向に関するずれ止めを、外径側係合部と内径側係合部との係合に基づいて行える様に、各部の形状及び寸法等を適切に規制する。
又、上述した各実施の形態では、第一、第二両トルク伝達部材同士の結合部の、正常状態から異常状態への移行方向を、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の結合部の伸長方向とした。但し、本発明を実施する場合には、当該移行方向を、この結合部の収縮方向(反伸長方向)とする事もできる。この場合には、例えば、前記各実施の形態の構造で、外径側係合部及び内径側係合部の構造を軸方向に関して反転させる。更には、当該移行方向を両方向に設定した構造、即ち、前記結合部が伸長方向に移行した場合に異常を知らせる構造と、同じく収縮方向に移行した場合に異常を知らせる構造とを、両方備えた構造を採用する事もできる。
2 ステアリングコラム
3 ステアリングシャフト
4 ステアリングホイール
5a、5b 自在継手
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤユニット
8 入力軸
9 タイロッド
10、10a〜10d ヨーク
11、11a〜11e シャフト
12、12a〜12d 結合孔
13 雌セレーション部
14 小径雌セレーション部
15 大径雌セレーション部
16、16a〜16e 結合杆部
17 雄セレーション部
18 小径雄セレーション部
19 大径雄セレーション部
20、20a〜20d かしめ部
21 段部
22 溶接金属
23a、23b 平面部
24 凹曲面部
25 幅狭孔部
26 幅広孔部
27a、27b 平面部
28 凸曲面部
29 幅狭杆部
30 幅広杆部
31 外径側円筒面部
32、32a キー
33 幅広キー部
34 幅狭キー部
35 内径側円筒面部
36、36a キー溝
37 幅広溝部
38 幅狭溝部
39 外径側小径円筒部
40 外径側大径円筒部
41 内径側小径円筒部
42 内径側大径円筒部
43 第二大径雄セレーション部
Claims (9)
- 互いに同心に配置されてトルクの伝達方向に関して互いに直列に接続された、第一、第二両トルク伝達部材を備え、ステアリングホイールの動きをステアリングギヤユニットの入力軸に伝達するトルク伝達機構の途中に設けられて、前記ステアリングホイールとこの入力軸との間でのトルク伝達に供されるステアリング装置用トルク伝達装置に於いて、前記第一、第二両トルク伝達部材は、回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に結合されており、且つ、軸方向に関し所定量相対変位する事に基づいて、回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能に結合された状態に変化する事を特徴とするステアリング装置用トルク伝達装置。
- 前記第一トルク伝達部材は、結合孔と、この結合孔の内周面に設けられた外径側係合部とを有するものであり、
前記第二トルク伝達部材は、前記結合孔の内側に挿入した結合杆部と、この結合杆部の外周面に設けられた、前記外径側係合部に対してトルクの伝達を可能に係合させた内径側係合部とを有するものであり、
前記第一、第二両トルク伝達部材が、回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に結合された状態とは、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の軸方向に関する互いの位置関係が、正規の位置関係にある状態で、前記外径側係合部と前記内径側係合部とが回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に係合した状態であり、前記第一、第二両トルク伝達部材が、回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能に結合された状態とは、これら第一、第二両トルク伝達部材同士の軸方向に関する互いの位置関係が、前記正規の位置関係から前記作用方向に所定量ずれた位置関係にある状態で、前記外径側係合部と前記内径側係合部とが回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能に係合した状態であり、
前記第一、第二両トルク伝達部材同士の間に、前記結合孔から前記結合杆部が抜け出る事を防止する為の抜け止め構造部が設けられている、
請求項1に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。 - トルクの伝達を可能にする前記外径側係合部と前記内径側係合部との係合態様がセレーション係合である、請求項2に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
- トルクの伝達を可能にする前記外径側係合部と前記内径側係合部との係合態様が非円形嵌合である、請求項2に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
- トルクの伝達を可能にする前記外径側係合部と前記内径側係合部との係合態様がキー係合である、請求項2に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
- 回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能にする前記外径側係合部と前記内径側係合部との係合態様が摩擦係合であり、同じく回転方向のがたつきを介在させてトルクの伝達を可能にする係合態様が、セレーション係合と非円形嵌合とキー係合とのうちの何れかである、請求項2に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
- 前記抜け止め構造部は、前記第一、第二両トルク伝達部材の一部分同士が軸方向に機械的に係合する事に基づいて、前記結合孔から前記結合杆部が抜け出る事を防止するものである、請求項2〜6のうちの何れか1項に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
- 前記第一トルク伝達部材と前記第二トルク伝達部材とのうちの一方のトルク伝達部材が自在継手のヨークであって、前記結合孔がこのヨークの基端部に形成されており、同じく他方のトルク伝達部材がシャフトであって、前記結合杆部がこのシャフトの端部に設けられている、請求項2〜7のうちの何れか1項に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
- 前記第一、第二両トルク伝達部材が、回転方向のがたつきを生じる事なくトルクの伝達を可能に結合されている状態で互いに溶接されている、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したステアリング装置用トルク伝達装置。
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