JP2013016009A - 入力デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】文字等の情報をペンで入力する際に、そのペンを持つ手の影内に、ペン先が位置しないようにすることができ、しかも、上記手の小指等の不要部分を感知すると、その不要部分の情報を排除することができる入力デバイスを提供する。
【解決手段】入力デバイスAは、長方形状の入力用中空部Sを有する四角枠状に形成されており、四角枠状の光導波路Wと、この光導波路Wに接続される2個の発光素子51,52および2個の受光素子61,62と、入力デバイスAを制御するCPUとを備えている。入力用中空部Sでは、左斜め下方向の出射光H1 と縦方向の出射光H2 とが斜めに交差するようになっている。上記CPUには、入力用中空部Sにおいて、ペン先Pによる遮光面積よりも広い、ペンを持つ手Qによる遮光面積を感知した際に、その遮光面積の違いから広い方の遮光部分を不要情報と認識するプログラムが組み込まれている。
【選択図】図2
【解決手段】入力デバイスAは、長方形状の入力用中空部Sを有する四角枠状に形成されており、四角枠状の光導波路Wと、この光導波路Wに接続される2個の発光素子51,52および2個の受光素子61,62と、入力デバイスAを制御するCPUとを備えている。入力用中空部Sでは、左斜め下方向の出射光H1 と縦方向の出射光H2 とが斜めに交差するようになっている。上記CPUには、入力用中空部Sにおいて、ペン先Pによる遮光面積よりも広い、ペンを持つ手Qによる遮光面積を感知した際に、その遮光面積の違いから広い方の遮光部分を不要情報と認識するプログラムが組み込まれている。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学的な位置検出手段を備えた入力デバイスに関するものである。
従来より、入力デバイスとして、複数の発光素子および受光素子を備えた光学的位置検出装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。このものは、四角枠状に形成され、その四角枠を構成する一対のL字状部分の一方に、発光素子を複数並設し、他方に、上記発光素子に対向する受光素子を複数並設したものとなっている。そして、その四角枠状の光学的位置検出装置は、四角形のディスプレイの周縁に沿って設置され、その四角枠内でペンを移動させることにより、文字等の情報を入力し、上記ディスプレイに表示することができるようになっている。
すなわち、上記四角枠内では、上記複数の発光素子により、光が格子状に走った状態になっており、その四角枠内でペンを移動させると、上記発光素子からの光がペン先により遮光され、その遮光を、上記発光素子に対向する受光素子が感知することにより、上記ペン先の軌跡(文字等の入力情報)を検知するようになっている。そして、その軌跡を信号として上記ディスプレイに出力するようになっている。
しかしながら、上記四角枠状の光学的位置検出装置は、上記ディスプレイの周縁に沿って設置されるため、上記四角枠内が広くなっている。そのため、上記四角枠内に文字等を上記ペンで入力しようとすると、そのペン先だけでなく、そのペンを持つ手の小指やその付け根部分(小指球)等も、上記四角枠内において、上記ディスプレイの表面に接触する。この場合、上記四角枠内において、上記ディスプレイの表面に接触した部分全体が感知されるため、不要部分(上記小指やその付け根部分等)も感知され、それにより、その不要な情報も上記ディスプレイに表示されるという問題がある。そこで、上記小指やその付け根部分等が上記ディスプレイの表面に接触しないようにして、上記ペンで文字等を入力しようとすると、今度は、その文字等が乱れ、適正に入力することができないという問題が起こる。
しかも、図17に示すように、上記光学的位置検出装置Zの枠内に、通常にペンを持って入力すると、ペンを持つ手Qの影Uの内側に、ペン先Pが位置する場合が多く、そのような場合は、そのペン先Pを感知することができないため、そのペン先Pの移動による入力情報をディスプレイに表示することができない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、文字等の情報をペンで入力する際に、そのペンを持つ手の影内に、ペン先が位置しないようにすることができ、しかも、上記手の小指等の不要部分を感知すると、その不要部分の情報を排除することができる入力デバイスの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の入力デバイスは、枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、上記入力用中空部において出射光が交差するように上記枠状板に設けられた第1および第2の発光手段と、これら第1および第2の発光手段からの出射光を受光する受光手段とを備え、上記入力用中空部における入力体の先端入力部による上記出射光の遮光部分を入力情報とする入力デバイスであって、上記入力体の先端入力部による遮光面積よりも広い遮光面積を感知した際に、その遮光面積の違いから広い方の遮光部分を不要情報と認識する不要部分認識手段と、上記入力体の先端入力部が、上記広い方の遮光部分をつくる、上記入力体を持つ手の影内に位置しないよう、上記出射光の交差を斜めに設定する設定手段とを備えているという構成をとる。
本発明者らは、光学的な位置検出手段を利用して、ペン等の入力体を手に持って文字等の情報を入力する際に、ペン先等の先端入力部が、その入力体を持つ手の影内に位置しないようにすべく、光の方向について研究を重ねた。その結果、従来のように出射光を格子状にするのではなく、出射光の交差を斜めにすると、ペン先等が手の影内に位置しないようになることを見出し、本発明に到達した。
なお、本発明における上記出射光の「交差」とは、出射光同士が衝突する交差だけでなく、互いに高さ方向に距離をおいて走る出射光が平面視で交差した状態になっている場合も含む意味である。
本発明の入力デバイスは、入力用中空部において、第1の発光手段からの出射光と第2の発光手段からの出射光との交差が、斜めになっているため、ペン等の入力体を手に持って、入力用中空部内の領域に文字等の情報を入力する際に、ペン先等の先端入力部が、その入力体を持つ手の影内に位置しないようにすることができる〔図2(a)参照〕。そのため、先端入力部を適正に感知することができる。このとき、入力情報に不要な上記手の小指等も感知されるが、本発明の入力デバイスは、不要部分認識手段を備えているため、遮光面積の違いから、遮光面積の小さい先端入力部と遮光面積の大きい手の小指等(不要部分)とを区別することができ、遮光面積が広い方の遮光部分を不要情報と認識することができる。これにより、その不要情報は、排除され、例えば、ディスプレイに表示されないようにしたり、データとして保存されないようにしたりすることができる。
特に、上記出射光の斜めの交差が、縦方向の出射光と斜め下方向の出射光との斜めの交差である場合には、出射光の斜めの交差の設定を容易にすることができる。
なかでも、上記斜め下方向の出射光の出射角度が、横方向に対し下方向に5〜60°の範囲内に設定されている場合には、より確実に、先端入力部が入力体を持つ手の影内に位置しないようにすることができるようになる。
また、上記第1および第2の発光手段が、発光素子と、この発光素子に接続された、光導波路の複数の光出射用コアとからなり、上記受光手段が、受光素子と、この受光素子に接続された、光導波路の複数の光入射用コアとからなり、上記光出射用コアの先端部と上記光入射用コアの先端部とが対向した状態で、上記第1および第2の発光手段からの出射光が斜めに交差している場合には、上記枠状板上に上記光導波路が形成され、その光導波路は薄く形成することができるため、入力体で入力する際に、本発明の入力デバイスが、入力体の使用の妨げにならず、入力し易くなっている。
一方、上記第1および第2の発光手段が、複数の発光素子からなり、上記受光手段が、複数の受光素子からなり、上記複数の発光素子と上記複数の受光素子とが、上記枠状板の内側縁に位置決めされた状態で対向している場合には、上記発光素子および上記受光素子がある程度厚みを有するため、本発明の入力デバイスも全体的にある程度厚く形成され、その入力デバイスを剛性および強度のあるものとすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の入力デバイスの第1の実施の形態を示す斜視図であり、図2(a)は、その平面図、図2(b)は、図2(a)のD−D断面の拡大図である。この実施の形態の入力デバイスAは、図1に示すように、長方形状の入力用中空部(窓部)Sを有する四角枠状に形成されている。その入力デバイスAの内部には、図2(a),(b)に示すように、上記入力用中空部Sよりも広い平行四辺形状の走光用中空部(窓部)Rを有する四角枠状の光導波路Wと、この光導波路Wの2個所の角部に接続される発光素子(図では「V」で示す)51,52および他の2個所の角部に接続される受光素子(図では「C」で示す)61,62を有する制御手段とを備えている。これら光導波路Wと制御手段とは、上記入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板(枠状板)30の表面に設けられているとともに、上記入力用中空部Sを有する四角枠状の保護板40で覆われている。
そして、上記光導波路Wでは、その走光用中空部Rにおいて、左斜め下方向〔図2(a)では右から左斜め下に向かう方向〕と縦方向〔図2(a)では下から上に向かう方向〕とに光が出射され、それら出射光H1 ,H2 が斜めに交差するようになっている。上記左斜め下方向の出射光H1 は、図2(a)において、対向する一対の縦方向の帯状の光導波路部分のうち、右側の光導波路部分のコア2aの先端部(光出射部)を斜め下方向に形成すること(設定手段)により、実現している。そして、上記斜め下方向の出射光H1 を入射する左側の光導波路部分のコア2bの先端部(光入射部)は、斜め上方向に形成されている。なお、上記光導波路Wは、四角枠状のアンダークラッド層1と、このアンダークラッド層1の表面に所定パターンに形成されたコア2a,2bと、このコア2a,2bを被覆した状態で、上記アンダークラッド層1の表面に形成された四角枠状のオーバークラッド層3とからなっている。上記アンダークラッド層1は、上記四角枠状の保持板30の表面に貼着されている。
また、上記制御手段は、上記発光素子51,52,受光素子61,62に加え、上記入力デバイスAを制御するCPU(中央処理装置)(図示せず)も備えており、そのCPUには、入力用中空部Sにおいて、ペン(入力体)のペン先(先端入力部)Pによる上記光の遮光面積よりも広い遮光面積(ペンを持つ手Qの小指等による上記光の遮光面積)を感知した際に、その遮光面積の違いから広い方の遮光部分を不要情報と認識するプログラム(不要部分認識手段)が組み込まれている。
より詳しく説明すると、上記四角枠状の光導波路Wは、図3に示すように、その四角枠形状の各辺の帯状の光導波路部分を個別に作製し、それを四角枠状に接続したものとなっている。この実施の形態では、上記帯状の各光導波路部分の両端縁が段部に形成されており、その段部を利用して位置決めした状態で、隣接し合う光導波路部分と光導波路部分とが接続されている。上記4本の帯状の光導波路部分のうち、隣り合う2本が光出射側、それに対向する残りの隣り合う2本が光入射側となっている。
そして、光出射側の各帯状の光導波路部分では、上記四角枠状の外周縁部に対応する部分に上記発光素子51,52が1個接続され、その接続部分から、その枠状の内周縁部に対応する部分に、光出射用のコア2aが複数に分岐された状態で形成されている。そのうちの1本(図3では右側)の帯状の光導波路部分では、先に述べたように、上記光出射用のコア2aの先端部(光出射部)が斜め下方向に形成されており、それにより、斜め下方向に光が出射されるようになっている。もう一本(図3では下側)の帯状の光導波路部分は、略直角三角形状に形成され、その傾斜辺部分に上記光出射用のコア2aの先端部(光出射部)が上向きに形成されており、それにより、上方向に光が出射されるようになっている。
一方、光入射側の各帯状の光導波路部分では、上記四角枠状の外周縁部に対応する部分に上記受光素子61,62が接続され、その接続部分から、その枠状の内周縁部に対応する部分に、複数の光入射用のコア2bが並列状態で形成されている。そのうち、上記光を斜め下方向に出射する光導波路部分に対向する、1本〔図2(a)では左側〕の帯状の光導波路部分では、上記光入射用のコア2bの先端部(光入射部)が斜め上方向に形成されており、それにより、上記斜め下方向の出射光H1 を入射するようなっている。もう一本(図3では上側)の帯状の光導波路部分は、略直角三角形状に形成され、その傾斜辺部分に上記光入射用のコア2bの先端部(光入射部)が下向きに形成されており、それにより、上記上方向の出射光H2 を入射するようなっている。
すわなち、光出射側では、先端部が斜め下方向に形成された複数の光出射用のコア2aとそれら光出射用のコア2aに接続された1個の上記発光素子51とから第1の発光手段が構成され、隣の1本の帯状の光導波路部分の複数の光出射用のコア2aとそれら光出射用のコア2aに接続された別の1個の上記発光素子52とから第2の発光手段が構成されている。また、光入射側では、先端部が斜め下方向に形成された複数の光入射用のコア2bとそれら光入射用のコア2bに接続された1個の上記受光素子61とから第1の受光手段が構成され、隣の1本の帯状の光導波路部分の複数の光入射用のコア2bとそれら光入射用のコア2bに接続された別の1個の上記受光素子62とから第2の受光手段が構成されている。そして、上記第1および第2の各発光手段により、互いに平行な複数の出射光H1 ,H2 からなる平行光群が2組構成され、上記第1の発光手段からの平行光群(左斜め下方向の出射光H1 )と、上記第2の発光手段からの平行光群(縦方向の出射光H2 )とが、上記平行四辺形状の走光用中空部Rにおいて、同一平面上で衝突した状態で、斜めに交差するように形成されている。そして、上記第1の発光手段からの平行光群は、上記第1の受光手段で受光され、上記第2の発光手段からの平行光群は、上記第2の受光手段で受光される。
そして、この実施の形態では、図2(a)に示すように、上記平行四辺形状の走光用中空部Rの一部が、上記長方形状の入力用中空部Sになっている。これにより、その入力用中空部Sにおいて、上記第1の発光手段からの平行光群が、上記入力用中空部Sの長方形状の横方向(X軸方向)に対し斜め下方向に出射され、上記第2の発光手段からの平行光群が、上記長方形状の縦方向(Y軸方向)に沿って(X軸方向に対し直角)に出射された状態になっている。
このように、上記2組の平行光群を斜めに交差させることにより、上記入力用中空部S内の領域に文字等の情報をペンで入力する際に、ペン先Pが、そのペンを持つ手Qの影Uの内側に位置しないようにすることができる。特に、より確実に、ペン先Pがペンを持つ手Qの影Uの内側に位置しないようにすることができる観点から、光の出射方向は、横方向(X軸方向)に対し下方向に5〜60°(図示の角度θ)の範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは10°〜45°の範囲内である。なお、この実施の形態では、入力デバイスを右利きの人用としており、左利きの人用とする場合は、左斜め下方向の出射光H1 を、右斜め下方向の出射光にすればよい。
ここで、この実施の形態では、上記四角枠の内周縁に位置決めされているコア2a,2bの先端部が、平面視形状が略1/2円弧状の曲面を有する凸状のレンズ部に形成され、そのレンズ部を被覆するオーバークラッド層3の先端部が、側断面形状が略1/4円弧状の曲面を有する凸状のレンズ部3aに形成されている。そして、上記入力デバイスAにおいて、上記発光素子51,52からの光は、上記光出射用のコア2aを通り、その先端のレンズ部を経て、それを被覆するオーバークラッド層3のレンズ部3aの表面から出射される。この出射光H1 ,H2 は、上記光出射用のコア2aの先端のレンズ部およびそれを被覆するオーバークラッド層3のレンズ部3aの屈折作用により、発散が抑制されている。そして、この状態で、光導波路Wの入力用中空部S内の領域でペンを移動させることにより、文字,図,印等の情報を入力することができる。すなわち、上記光導波路Wの入力用中空部S内の領域で上記ペンを移動させると、上記出射光H1 ,H2 は、上記ペンのペン先Pにより遮光され、その遮光が上記受光素子61,62により感知されることにより、上記ペンの先端の軌跡(文字等の入力情報)が検知される。なお、図2(a)では、コア2a,2bを鎖線で示しており、鎖線の太さがコア2a,2bの太さを示している。また、図2(a),(b)では、コア2a,2bの数を略して図示している。
一方、上記制御手段は、上記発光素子51,52,受光素子61,62および上記CPU(図示せず)に加え、上記光導波路Wの入力用中空部S内の領域に入力した情報(ペン先Pの移動軌跡の情報)を出力する出力モジュール(図示せず),その情報を記憶する記憶手段(図示せず),電源となる電池(図示せず)等も備えている。そして、上記発光素子51,52,上記受光素子61,62,上記CPU,上記出力モジュール,上記記憶手段,上記電池等は、回路基板に搭載され、電気的に適正に接続されている。
そして、上記CPUには、先に述べたように、入力用中空部Sにおいて、ペン先Pによる上記光の遮光面積よりも広い遮光面積(ペンを持つ手Qの小指等による上記光の遮光面積)を感知した際に、その遮光面積の違いから広い方の遮光部分を不要情報と認識するプログラムが組み込まれている。すなわち、上記入力用中空部Sにペンで入力する際には、入力情報に不要な上記ペンを持つ手Qの小指等も感知されるが、上記CPUに組み込まれているプログラムにより、遮光面積の違いから、遮光面積の小さいペン先Pと遮光面積の大きい手Qの小指等(不要部分)とを区別することができ、遮光面積が広い方の遮光部分を不要情報と認識することができる。これにより、その不要情報は、排除され、例えば、ディスプレイに表示されないようにしたり、データとして保存されないようにしたりすることができる。
ここで、上記遮光部分の位置は、受光素子61,62からの検出電圧の変化量がピークを示す位置により判断することができ、上記遮光面積は、そのピーク幅により判断することができる。そのため、図2(a)に示す入力デバイスAでは、右利きの人の場合、最も左かつ最も上の位置の上記ピークをペン先Pと判断するすることも可能である(左利きの人の場合、最も右かつ最も上の位置)。また、右利きの人が上記入力デバイスAを使用中に、左手等が上記入力用中空部Sで感知された場合、最もピーク幅の狭いものをペン先Pと判断することも可能である。
さらに、上記CPUに追加するプログラムとして、例えば、始めの少しの一定時間は、ペン先Pでも手Qでも感知したものを無効としてもよい。これにより、始めに手Qだけが感知された場合に、それをペン先Pと認識しないようにすることができる。また、入力用中空部S内にゴミ等があると、そのゴミ等もペン先Pと同様のものと感知するため、その状態でペンによる入力があると、2個所以上で感知されることとなる。このような場合、アラームを出すようにしてもよい。そのようにすると、上記入力用中空部S内にゴミ等があることを、知ることができる。さらに、入力デバイスAの使用環境が非常に明るい場合(屋外等)、ペン先Pで遮光しても、外部から強い光が光入射用のコア2bの先端部から入射し、ペン先P(遮光部分)を感知できないため、そのように強い光を感知した場合は、アラームを出すようにしてもよい。
このような入力デバイスAは、例えば、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)とともに使用される。すなわち、上記パソコンのディスプレイに資料等の情報を表示し、その表示された情報に、文字,図,印等の情報を加えたい場合、上記入力デバイスAをテーブル上やテーブル上の紙上等に載置し、その入力デバイスAの入力用中空部S内の領域に、上記文字等の情報をペンで入力する。これにより、そのペンの先端部の軌跡が、上記入力デバイスAにより、検知されるとともに、信号として上記パソコンに無線または接続ケーブルで伝達され、上記ディスプレイに表示することができる。これにより、上記ディスプレイには、上記資料等の情報に、上記入力デバイスAで入力した文字等の情報が重ね合わさった状態で表示される。
ここで使用される上記パソコンには、上記入力デバイスAの入力用中空部Sで入力した文字等を、その入力した位置に対応するディスプレイの位置に表示させるために、入力デバイスAの入力用中空部S内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスAで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が組み込まれている。
なお、上記資料等の情報は、通常、上記パソコン内のハードディスクや外部のUSBメモリ等の情報記憶媒体に予め記憶させておき、その情報記憶媒体から出力される。そして、上記ディスプレイに表示された、上記資料等の情報と上記入力デバイスAで入力した文字等の情報とが重ね合わさった情報は、上記情報記憶媒体に記憶することができる。
このように、この実施の形態の入力デバイスAは、光導波路Wが1枚でペン先Pの位置感知が可能であるため、薄型化が可能であり、また、設計や座標変換が容易にできる。
つぎに、上記入力デバイスAの作製方法の一例について説明する。この実施の形態では、四角枠状の光導波路Wの作製は、その四角枠形状の各辺の帯状の光導波路部分を個別に作製し、それを四角枠状に接続することにより行われる。なお、光導波路Wの作製方法の説明に引用する図4(a)〜(c),図5(a)〜(c)は、図2(a)のD−D断面に相当する部分を図示している。
まず、帯状の光導波路部分を形成するための基板10〔図4(a)参照〕を準備する。この基板10の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。
ついで、図4(a)に示すように、上記基板10の表面に、帯状のアンダークラッド層1を形成する。このアンダークラッド層1は、感光性樹脂を形成材料として、フォトリソグラフィ法により形成することができる。アンダークラッド層1の厚みは、例えば、5〜50μmの範囲内に設定される。
つぎに、図4(b)に示すように、上記アンダークラッド層1の表面に、フォトリソグラフィ法により前記パターンの光出射用のコア2aおよび光入射用のコア2bを形成する。これらコア2a,2bの形成材料としては、上記アンダークラッド層1および下記オーバークラッド層3〔図5(b)参照〕の形成材料よりも屈折率が高い感光性樹脂が用いられる。
ここで、図4(c)に示すように、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する成形型20を準備する。この成形型20には、オーバークラッド層3〔図5(b)参照〕の表面形状に対応する型面を有する凹部21が形成されている。そして、その凹部21を上にして、成形型20を成形ステージ(図示せず)の上に設置し、その凹部21に、オーバークラッド層3の形成材料である感光性樹脂3Aを充填する。
ついで、図5(a)に示すように、上記アンダークラッド層1の表面にパターン形成したコア2a,2bを、上記成形型20の凹部21に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層1を上記成形型20に押圧し、上記オーバークラッド層3の形成材料である感光性樹脂3A内に、上記コア2a,2bを浸す。そして、この状態で、紫外線等の照射線を、上記成形型20を透して上記感光性樹脂3Aに照射し、その感光性樹脂3Aを露光する。これにより、上記感光性樹脂3Aが硬化し、コア2a,2bの先端部に対応するオーバークラッド層3の部分がレンズ部3aに形成されたオーバークラッド層3が形成される。
つぎに、図5(b)〔図5(a)とは上下を逆に図示している〕に示すように、上記成形型20〔図5(a)参照〕から、上記オーバークラッド層3を、上記基板10,アンダークラッド層1およびコア2a,2bと共に脱型する。
そして、図5(c)に示すように、上記基板10〔図4(b)参照〕をアンダークラッド層1から剥離し、アンダークラッド層1,コア2a,2bおよびオーバークラッド層3からなる帯状の光導波路部分を得る。
一方、別工程で、回路基板(図示せず)を準備し、それに、発光素子51,52(図3参照),受光素子61,62(図3参照),上記入力デバイスA(図1参照)を制御するCPU(図示せず),上記光導波路W(図1参照)の入力用中空部S内の領域に入力した情報を出力する出力モジュール(図示せず),上記記憶手段(図示せず),電池(図示せず)等を搭載し、前記制御手段を作製する。
ここで、図6に平面図で示すように、入力用中空部Sを有する四角枠状の保持板30を準備する。この保持板30の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。なかでも、平面性の保持に優れている点で、ステンレスが好ましい。
そして、図7に平面図で示すように、上記四角枠状の保持板30の表面に、上記帯状の光導波路部分を貼着し、四角枠状の光導波路Wを作製する。つぎに、上記発光素子51,52を光出射用のコア2aに接続し、上記受光素子61,62を光入射用のコア2bに接続する。
その後、上記オーバークラッド層3のレンズ部3aを除く頂面および外周側面と、上記制御手段の全体とを、保護板40〔図2(a),(b)参照〕で覆う。この保護板40の形成材料としては、例えば、樹脂,金属,ガラス,石英,シリコン等があげられる。保護板40の厚みは、例えば、金属製であれば、0.5mm程度、樹脂製であれば、0.8mm程度に設定される。このようにして、上記入力デバイスA〔図2(a),(b)参照〕を作製することができる。
図8は、本発明の入力デバイスの第2の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、上記第1の実施の形態(図3参照)における第2の発光手段からの光(縦方向の光)を、上記長方形状の縦方向(Y軸方向)に対し、斜め左方向に出射するようにしたものである。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このようにしても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
図9(a)〜(c)は、本発明の入力デバイスの第3の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、図9(b),(c)に示す2枚の光導波路W1 ,W2 が、それぞれのアンダークラッド層1〔図5(c)参照〕の裏面で接着されて積層されてなるもの〔図9(a)参照〕が用いられている。両光導波路W1 ,W2 は、長方形状の走光用中空部Rを有する四角枠状に形成されている。そして、積層されているうちの一方(上側,下側のどららでもよい)の(第1の)光導波路W1 が、斜め下方向に光を出射し、他方の(第2の)光導波路W2 が、縦方向に光を出射するよう形成されている。また、この実施の形態では、上記長方形状の走光用中空部Rの大きさで、長方形状の入力用中空部Sが形成されている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態(図3参照)と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
より詳しく説明すると、上記四角枠状の第1の光導波路W1 は、図9(b)に示すように、その四角枠形状を構成する一対のL字状部分のうち、一方〔図9(b)では右上側〕が光出射側、他方〔図9(b)では左下側〕が光入射側になっている。そして、光出射側では、そのL字状部分の角部に、1個の発光素子51が接続され、その接続部分から、光出射用のコアが複数に分岐され、先端部(光出射部)が斜め下方向に形成されている。その複数の光出射用のコアと上記1個の発光素子51とから第1の発光手段が構成されている。また、光入射側では、そのL字状部分の角部に、1個の受光素子61が接続され、その接続部分から、複数の光入射用のコアが並列状態で形成され、先端部(光入射部)が斜め上方向に形成されている。その複数の光入射用のコアと上記1個の受光素子61とから第1の受光手段が構成されている。
一方、上記四角枠状の第2の光導波路W2 は、図9(c)に示すように、その四角枠形状を構成する4辺のうち、縦方向で対向する一対の辺の、一方〔図9(c)では下側〕が光出射側、他方〔図9(c)では上側〕が光入射側になっている。光出射側の1辺は、上記第1の光導波路W1 の光入射側に対応する側に設定され、光入射側の1辺は、上記第1の光導波路W1 の光出射側に対応する側に設定されている。そして、光出射側では、その1辺の一端部に、別の1個の発光素子52が接続され、その接続部分から、光出射用のコアが複数に分岐されている。その複数の光出射用のコアと上記1個の発光素子52とから第2の発光手段が構成されている。また、光入射側では、その1辺の一端部に、別の1個の受光素子62が接続され、その接続部分から、複数の光入射用のコアが並列状態で形成されている。その複数の光入射用のコアと上記1個の受光素子62とから第2の受光手段が構成されている。
そして、上記入力用中空部Sにおいて、上記第1の発光手段からの(第1の光導波路W1 における)斜め下方向の平行光群と、上記第2の発光手段からの(第2の光導波路W2 における)縦方向の平行光群とは、高さ方向に距離をおいて走っており、平面視では斜めに交差した状態になっている。
この実施の形態では、斜め下方向の出射光H1 の角度を大きく(走光用中空部Rの対角線と同じ角度)設定できるため、より確実に、ペン先Pがペンを持つ手Qの影Uの内側に位置しないようにすることができる。また、入力用中空部Sと走光用中空部Rとを同じ大きさにできるため、四角枠状の保護板40の額縁幅を狭くすることができ、走光用中空部Rを有効利用することができる。さらに、入力用中空部S(走光用中空部R)が長方形であり、その短辺から出射した光は長辺に入射し、長辺から出射した光は短辺に入射することから、出射および入射が辺で対応し、制御し易くなっている。
図10(a)〜(c)は、本発明の入力デバイスの第4の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、上記第3の実施の形態〔図9(a)〜(c)参照〕において、受光素子61の接続位置が変わったものである。すなわち、第1の受光手段(第1の光導波路W1 )では、L字状部分の両端にそれぞれ1個の受光素子61,62が接続され、そのうちの1個(図では左上角部)の受光素子62は、第2の受光手段(第2の光導波路W2 )にも接続(第1および第2の受光手段で共有)されている。その第2の受光手段は、上記第3の実施の形態と同様である。それ以外の部分は、上記第3の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このようにしても、上記第3の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
なお、上記のように、受光素子62を上下の光導波路W1 ,W2 の光入射用のコアに接続する場合は、上側の接続位置と下側の接続位置とが水平方向にずれているように設定する。または、発光素子51,52の発光タイミングを変え、上側の光入射用のコアに光が入射したときは、上側の光導波路W1 のデータとし、下側の光入射用のコアに光が入射したときは、下側の光導波路W2 のデータとする。
図11(a)〜(c)は、本発明の入力デバイスの第5の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、上記第3の実施の形態〔図9(a)〜(c)参照〕において、第1の発光手段からの(第1の光導波路W1 における)斜め下方向の出射光H1 の角度を小さくしている。そして、第1の受光手段(第1の光導波路W1 )では、受光素子62が、角部に加えて、L字状部分の一端(図では左上角部)にも接続され、その加えられた受光素子62は、第2の受光手段(第2の光導波路W2 )にも接続(第1および第2の受光手段で共有)されている。その第2の受光手段は、上記第3の実施の形態と同様である。それ以外の部分は、上記第3の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このようにしても、上記第3の実施の形態と同様、四角枠状の保護板40の額縁幅を狭くすることができ、走光用中空部Rを有効利用することができる。
図12は、本発明の入力デバイスの第6の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、上記第1の実施の形態(図3参照)において、走光用中空部Rを長方形状にし、第1の発光手段からの(第1の光導波路W1 における)斜め下方向の出射光H1 のうち、両端側(図では上下端側)の出射光H1 の角度を、両端側にいくにつれて小さくしたものである。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この実施の形態では、走光用中空部Rを長方形状にしたため、その走光用中空部Rと入力用中空部Sとを同じ大きさにできる。そのため、四角枠状の保護板40の額縁幅を狭くすることができ、走光用中空部Rを有効利用することができる。また、光導波路Wが1枚でペン先Pの位置感知が可能であるため、薄型化が可能である。さらに、入力用中空部S(走光用中空部R)が長方形であり、その短辺から出射した光は短辺に入射し、長辺から出射した光は長辺に入射することから、制御し易くなっている。
図13(a)〜(c)は、本発明の入力デバイスの第7の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、上記第3の実施の形態〔図9(a)〜(c)参照〕において、第1の発光手段(第1の光導波路W1 )のL字状部分の2辺からの斜め下方向の出射光H1 を、第1の受光手段(第1の光導波路W1 )のL字状部分の縦方向の1辺に入射させるようにしている。そのため、入力用中空部S(走光用中空部R)の上端側では、出射光H1 の分布密度を高くし、入力用中空部S(走光用中空部R)の下端側では、出射光H1 の角度を小さくしている。それ以外の部分は、上記第3の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
この実施の形態でも、上記第3の実施の形態と同様、四角枠状の保護板40の額縁幅を狭くすることができ、走光用中空部Rを有効利用することができる。また、斜め下方向の出射光H1 が1辺の長辺に入射することから、制御し易くなっている。
図14(a)〜(c)は、本発明の入力デバイスの第8の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、上記第7の実施の形態〔図13(a)〜(c)参照〕において、第1の発光手段からの(第1の光導波路W1 における)出射光H1 の角度を均一にするとともに、出射光H1 のうち、入力用中空部S(走光用中空部R)の下端側の出射光H1 を除いたものである。それ以外の部分は、上記第7の実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。このようにしても、上記第7の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
図15(a)〜(c)は、本発明の入力デバイスの第9の実施の形態における光導波路等を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスAは、積層されている2枚の光導波路W1 ,W2 うちの一方(上側,下側のどららでもよい)の(第1の)光導波路W1 で、2組の平行光群を斜めに交差させ、他方の(第2の)光導波路W2 で、2組の平行光群を格子状に交差させている。そして、第1の発光手段(第1の光導波路W1 )の角部(図では右上角部)に、1個の発光素子51が接続され、第2の発光手段(第2の光導波路W2 )の角部(図では右上角部)に、別の1個の発光素子52が接続されている。また、第1の受光手段(第1の光導波路W1 )の2本の光導波路部分にそれぞれ1個ずつの受光素子61,62が接続され、それら受光素子61,62は、第2の受光手段(第2の光導波路W2 )の2本の光導波路部分にもそれぞれ1個ずつ接続(第1および第2の受光手段で共有)されている。
この実施の形態では、入力用中空部Sに入力する際に、入力用中空部Sにペンを持つ手Qがある場合は、光が斜めに交差する第1の発光手段の発光素子51を発光させ、入力用中空部Sにペンを持つ手Qがない場合は、光が格子状に交差する第2の発光手段の発光素子52を発光させるよう、上記2個の発光素子51,52を切り換えることができる。また、四角枠状の保護板40の額縁幅を狭くすることができ、走光用中空部Rを有効利用することができる。さらに、設計や座標変換が容易にできる。
なお、以上の各実施の形態では、入力デバイスAの四角枠状の光導波路Wにおいて、入力用中空部S内での光伝送効率を向上させるために、光出射用のコア2aの先端部および光入射用のコア2bの先端部をレンズ部に形成するとともに、それを被覆するオーバークラッド層3の先端部もレンズ部3aに形成したが、入力用中空部S内での光伝送効率が充分であれば、上記レンズ部は、コア2a,2bまたはオーバークラッド層3の一方のみに形成してもよいし、両方とも形成しなくてもよい。また、上記レンズ部を形成しない場合、別体のレンズ体を準備し、上記光導波路Wの入力用中空部S内の周縁縁に沿って設置してもよい。
また、以上の各実施の形態では、斜め下方向の光を出射する設定手段として、コア2aの先端部(光出射部)を斜め下方向に形成したが、光が出射されるオーバークラッド層3の部分の前方にレンズ体を設け、そのレンズ体を上記設定手段として、光を斜め下方向に出射させるようにしてもよい。
図16は、本発明の入力デバイスの第10の実施の形態を示す平面図である。この実施の形態の入力デバイスBは、前記第1の実施の形態〔図2(a),(b)参照〕において、光導波路Wならびにそれに接続される発光素子51,52および受光素子61,62に代えて、複数の発光ダイオード(発光手段)11,複数のフォトダイオード(受光手段)12を用い、入力用中空部S内の領域において、出射光H1 ,H2 を斜めに交差させるようにした入力デバイスBである。この第10の実施の形態の入力デバイスBも、前記第1の実施の形態と同様にして使用され、同様の作用・効果を奏する。
また、前記第2〜9の実施の形態においても、上記第10の実施の形態と同様にして、光導波路Wならびにそれに接続される発光素子51,52および受光素子61,62に代えて、発光ダイオード11およびフォトダイオード12を用いてもよい。
なお、上記各実施の形態では、入力体としてペン(筆記具)を使用したが、その入力体は、入力用中空部S内で文字等を入力するために用いる道具であり、紙に記入する必要がなければ、入力体として、先の細い棒体等を使用してもよい。
さらに、上記各実施の形態では、入力デバイスA,Bをパソコンとともに使用し、上記入力デバイスへの入力情報を上記パソコンのディスプレイに表示したが、上記各実施の形態におけるパソコンの機能と同様の機能を、上記入力デバイスA,Bまたは上記ディスプレイに付与し、パソコンを使用することなく、ディスプレイに表示するようにしてもよい。
つぎに、実施例について説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔実施例1〕
〔アンダークラッド層の形成材料〕
成分A:脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、EHPE3150)75重量部。
成分B:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0150M)25重量部。
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−200K)4重量部。
これら成分A〜Cを、紫外線吸収剤(チバジャパン社製、TINUVIN479)5重量部とともに、シクロヘキサノン(溶剤)に溶解することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
〔アンダークラッド層の形成材料〕
成分A:脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製、EHPE3150)75重量部。
成分B:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0150M)25重量部。
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製、CPI−200K)4重量部。
これら成分A〜Cを、紫外線吸収剤(チバジャパン社製、TINUVIN479)5重量部とともに、シクロヘキサノン(溶剤)に溶解することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
〔コアの形成材料〕
成分D:BisA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、157S70)85重量部。
成分E:BisA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)5重量部。
成分F:エポキシ基含有スチレン系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0250SP)10重量部。
これら成分D〜Fと上記成分C4重量部とを、乳酸エチルに溶解することにより、コアの形成材料を調製した。
成分D:BisA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、157S70)85重量部。
成分E:BisA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、エピコート828)5重量部。
成分F:エポキシ基含有スチレン系ポリマー(日油社製、マープルーフG−0250SP)10重量部。
これら成分D〜Fと上記成分C4重量部とを、乳酸エチルに溶解することにより、コアの形成材料を調製した。
〔オーバークラッド層の形成材料〕
成分G:脂環骨格を有するエポキシ樹脂(アデカ社製、EP4080E)100重量部。
この成分Gと上記成分C2重量部とを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
成分G:脂環骨格を有するエポキシ樹脂(アデカ社製、EP4080E)100重量部。
この成分Gと上記成分C2重量部とを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
〔光導波路の作製〕
ステンレス製基板(厚み50μm)の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料を塗布した後、160℃×2分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。ついで、上記感光性樹脂層に対し、紫外線を照射して積算光量1000mJ/cm2 の露光を行い、厚み10μmのアンダークラッド層(波長830nmにおける屈折率1.510)を形成した。
ステンレス製基板(厚み50μm)の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料を塗布した後、160℃×2分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。ついで、上記感光性樹脂層に対し、紫外線を照射して積算光量1000mJ/cm2 の露光を行い、厚み10μmのアンダークラッド層(波長830nmにおける屈折率1.510)を形成した。
ついで、上記アンダークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を塗布した後、170℃×3分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。つぎに、フォトマスクを介して(ギャップ100μm)、紫外線を照射し、積算光量3000mJ/cm2 の露光を行った。つづいて、120℃×10分間の加熱処理を行った。その後、現像液(γ−ブチロラクトン)を用い現像することにより、未露光部分を溶解除去した後、120℃×5分間の乾燥処理を行い、幅30μm×高さ50μmのコア(波長830nmにおける屈折率1.570)をパターン形成した。
ここで、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する成形型を準備した。この成形型には、オーバークラッド層の表面形状に対応する型面を有する凹部が形成されている。そして、その凹部を上にして、成形型を成形ステージの上に設置し、その凹部に、上記オーバークラッド層の形成材料を充填した。
ついで、上記アンダークラッド層の表面にパターン形成したコアを、上記成形型の凹部に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層を上記成形型に押圧し、上記オーバークラッド層の形成材料内に、上記コアを浸した。そして、この状態で、紫外線を、上記成形型を透して上記オーバークラッド層の形成材料に照射して積算光量8000mJ/cm2 の露光を行い、コアの先端部に対応するオーバークラッド層の部分が凸状のレンズ部に形成されたオーバークラッド層を形成した。その凸状のレンズ部は、側断面形状が略1/4円弧状のレンズ曲面(曲率半径1.4mm)を有するものであった。
つぎに、上記成形型から、上記オーバークラッド層を、上記基板,アンダークラッド層およびコアと共に脱型した。
そして、上記基板をアンダークラッド層から剥離し、アンダークラッド層,コアおよびオーバークラッド層からなる帯状の光導波路部分(総厚1mm)を得た。
〔入力デバイスの作製〕
つぎに、回路基板を準備し、それに、発光素子(Optowell社製、SM85−2N001),受光素子(浜松ホトニクス社製、S−10226),CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,2個のコイン型リチウム電池(CR1216:厚み1.6mm、直径1.25mm、電圧3V)等を搭載し、制御手段を作製した。
つぎに、回路基板を準備し、それに、発光素子(Optowell社製、SM85−2N001),受光素子(浜松ホトニクス社製、S−10226),CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,2個のコイン型リチウム電池(CR1216:厚み1.6mm、直径1.25mm、電圧3V)等を搭載し、制御手段を作製した。
ここで、四角枠状のステンレス製保持板(厚み0.5mm)を準備した。この保持板の入力用中空部は、縦20cm×横30cmの長方形とした。そして、上記保持板の表面のうち、上記入力用中空部の外側部分に、上記帯状の光導波路部分を貼着し、四角枠状の光導波路を作製するとともに、上記制御手段を固定した。このとき、上記発光素子を光出射用のコアに接続し、上記受光素子を光入射用のコアに接続した。その後、上記オーバークラッド層のレンズ部を除く頂面と、上記制御手段の固定部分とを、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、第1の実施の形態〔図2(a)参照〕と同様の入力デバイスを得た。
〔実施例2〕
〔入力デバイスの作製〕
上記実施例1と同様の四角枠状の保持板を準備し、その入力用中空部の対向する一方の周縁に、複数の発光ダイオード(シャープ社製、GL4800E0000F)を並設し、他方の周縁に、複数のフォトダイオード(シャープ社製、PD411PI2E00P)を並設した。また、上記実施例1〜3と同様に、回路基板に、CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,2個のコイン型リチウム電池等を搭載して制御手段を作製し、それを上記保持板に固定した。ここで、上記発光ダイオード,フォトダイオード,制御手段を、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、第10の実施の形態(図16参照)と同様の入力デバイスを得た。
〔入力デバイスの作製〕
上記実施例1と同様の四角枠状の保持板を準備し、その入力用中空部の対向する一方の周縁に、複数の発光ダイオード(シャープ社製、GL4800E0000F)を並設し、他方の周縁に、複数のフォトダイオード(シャープ社製、PD411PI2E00P)を並設した。また、上記実施例1〜3と同様に、回路基板に、CMOS駆動CPU,水晶振動子,無線モジュール,2個のコイン型リチウム電池等を搭載して制御手段を作製し、それを上記保持板に固定した。ここで、上記発光ダイオード,フォトダイオード,制御手段を、四角枠状のステンレス製保護板(厚み0.5mm)で被覆し、第10の実施の形態(図16参照)と同様の入力デバイスを得た。
〔入力デバイスの作動確認〕
パソコンを準備した。なお、上記パソコンには、上記入力デバイスの四角枠状の光導波路の入力用中空部内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が、組み込まれている。また、上記パソコンは、上記入力デバイスの無線モジュールからの電波(情報)を受信できるよう受信手段を備えており、上記パソコンと入力デバイスとを、無線で情報伝達可能に接続した。
パソコンを準備した。なお、上記パソコンには、上記入力デバイスの四角枠状の光導波路の入力用中空部内の領域の座標を、ディスプレイの画面の座標に変換し、入力デバイスで入力した文字等をディスプレイに表示するソフトウェア(プログラム)が、組み込まれている。また、上記パソコンは、上記入力デバイスの無線モジュールからの電波(情報)を受信できるよう受信手段を備えており、上記パソコンと入力デバイスとを、無線で情報伝達可能に接続した。
そして、上記実施例1,2の入力デバイスを、そのステンレス製保持板を下にして、紙の上に載置した。ついで、上記入力用中空部内の領域から露呈する上記紙に、ペンで文字を記入した。その結果、その文字が、上記ディスプレイに表示された。
また、前記第2〜9の実施の形態と同様の入力デバイスを作製し、それを用いても、上記実施例1と同様の結果を得た。さらに、上記実施例2のように、前記第2〜9の実施の形態に対応する入力デバイスを作製し、それを用いても、上記実施例2のように、入力デバイスを作製し、それを用いても、上記実施例2と同様の結果を得た。
本発明の入力デバイスは、ディスプレイに表示された資料等に、文字,図,印等の新たな情報を書き加えたり、その情報を消去したりすることに利用可能である。
A 入力デバイス
S 入力用中空部
W 光導波路
51,52 発光素子
61,62 受光素子
H1 ,H2 出射光
S 入力用中空部
W 光導波路
51,52 発光素子
61,62 受光素子
H1 ,H2 出射光
Claims (5)
- 枠に囲まれた空間が入力用中空部になっている枠状板と、上記入力用中空部において出射光が交差するように上記枠状板に設けられた第1および第2の発光手段と、これら第1および第2の発光手段からの出射光を受光する受光手段とを備え、上記入力用中空部における入力体の先端入力部による上記出射光の遮光部分を入力情報とする入力デバイスであって、上記入力体の先端入力部による遮光面積よりも広い遮光面積を感知した際に、その遮光面積の違いから広い方の遮光部分を不要情報と認識する不要部分認識手段と、上記入力体の先端入力部が、上記広い方の遮光部分をつくる、上記入力体を持つ手の影内に位置しないよう、上記出射光の交差を斜めに設定する設定手段とを備えていることを特徴とする入力デバイス。
- 上記出射光の斜めの交差が、縦方向の出射光と斜め下方向の出射光との斜めの交差である請求項1記載の入力デバイス。
- 上記斜め下方向の出射光の出射角度が、横方向に対し下方向に5〜60°の範囲内に設定されている請求項2記載の入力デバイス。
- 上記第1および第2の発光手段が、発光素子と、この発光素子に接続された、光導波路の複数の光出射用コアとからなり、上記受光手段が、受光素子と、この受光素子に接続された、光導波路の複数の光入射用コアとからなり、上記光出射用コアの先端部と上記光入射用コアの先端部とが対向した状態で、上記第1および第2の発光手段からの出射光が斜めに交差している請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力デバイス。
- 上記第1および第2の発光手段が、複数の発光素子からなり、上記受光手段が、複数の受光素子からなり、上記複数の発光素子と上記複数の受光素子とが、対向している請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力デバイス。
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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