JP2013011255A - 排気浄化システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気浄化システム2は、エンジン1の排気管4に設けられた選択還元触媒43と、駆動パルスが印加されると選択還元触媒43の上流側に尿素水を噴射するインジェクタ45と、エンジンの運転状態及び選択還元触媒43の状態の少なくとも何れかに応じて、選択還元触媒43へ供給すべき尿素水の単位時間当りの噴射量を所定の演算周期毎に算出する指示噴射量演算部31と、演算周期毎に算出された噴射量を積算し、未噴射量積算値を算出する指示噴射量積算部32、噴射済み分積算部34及び未噴射量積算部36と、未噴射量積算値が予め設定された噴射量閾値を上回ったときに、噴射量閾値に相当する量の尿素水が噴射されるような駆動パルスを発生する駆動パルス発生部33と、を備える。
【選択図】図1
Description
この図に示すように、駆動パルスのON/OFFに応じて、弁開度は所定の時間をかけて変化するため、噴射量も所定の時間をかけて変化する。また、インジェクタを構成するニードル弁は、これを直接的に駆動する電磁的なアクチュエータだけでなく、コイルやスプリングなどの複数の機械部品で動作するため、開弁速度や閉弁速度に物ばらつきや劣化の影響が生じ易い。したがって、1つの駆動パルス当りの噴射量のうち、物ばらつきや劣化を要因とした誤差の占める割合は、駆動パルス幅が短くなるに従い大きくなるといえる。
このように、演算周期毎に算出された噴射量そのものを逐次用いるのではなく、これを積算して得られる噴射量積算値に応じて駆動パルスを発生することにより、前回の噴射から次回の噴射までの間に行われた複数回の噴射量の演算の全てを次回の噴射に反映させることができるので、還元剤等の噴***度を向上できる。
本発明では、噴射量積算値が予め定められた噴射量閾値を上回ったときに駆動パルスを発生しインジェクタから還元剤等を噴射させることにより、従来のPWM制御のように予め定められたPWM周期分だけ時間が経過するのを待つ必要がないので、還元剤等の噴射の応答性も向上することができる。
また本発明では、噴射量積算値が噴射量閾値を上回ったときには、この時における噴射量積算値に相当する量ではなく、予め定められた噴射量閾値に相当する量の還元剤等が噴射されるような駆動パルスを発生する。つまり、インジェクタからは毎回決まった量の還元剤等が噴射されることとなる。このため、インジェクタから噴射された還元剤等を微粒化したり均質化したりするためのミキサを選択還元触媒の上流側に設ける場合には、このミキサの形状や設置場所等の最適化を容易にすることができる。つまり、インジェクタからの還元剤等の噴射態様が毎回異なる場合には、上記ミキサの形状や設置場所はこれら全ての噴射態様に合わせて最適化する必要があるのに対し、本発明ではこのような最適化の工程を容易にすることができる。
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気浄化システム2の構成を示す模式図である。エンジン1は、リーンバーン運転方式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、図示しない車両に搭載されている。
DPF42は、排気がフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気中の炭素を主成分とする粒子状物質(以下、「PM(Particulate Matter)」という)を、フィルタ壁の表面及びフィルタ壁中の孔に堆積させることによって捕集する。
インジェクタ45は、後述の制御装置3で発生した駆動パルスが印加されると開弁し、図示しないポンプにより圧送された尿素水を排気管4内の選択還元触媒43の上流側に噴射する。インジェクタ45により噴射された尿素水は、排気の熱により熱分解又は加水分解されて還元剤としてのアンモニアが生成される。生成されたアンモニアは、選択還元触媒43に供給され、これらアンモニアにより、排気中のNOxが選択的に還元される。
NOxセンサ51は、排気管4のうち、インジェクタ45により尿素水が噴射される場所よりも上流側の排気中のNOx濃度[ppm]を検出し、検出値に略比例した信号を制御装置3に送信する。
NH3センサ52は、排気管4のうち、選択還元触媒43の下流側の排気中のNH3濃度[ppm]を検出し、検出値に略比例した信号を制御装置3に送信する。
未噴射量積算部36は、指示噴射量積算部32により算出された噴射量積算値から、後述の噴射済み分積算値[mg]を減算することにより、噴射量積算値に相当する量の尿素水のうち未だインジェクタ45から噴射していない分に相当する未噴射量積算値[mg]を算出する。
図4は、本実施形態の尿素水噴射制御と従来のPWM制御の制御例を示すタイムチャートである。なお、図4には、従来のPWM制御として、PWM制御周期を、指示噴射量の演算周期の5倍の長さに設定した場合を示す。
図5は、指示噴射量と噴射量誤差との関係について、本実施形態の尿素水噴射制御と従来のPWM制御とを比較する図である。
本実施形態では、未噴射量積算値が予め定められた噴射量閾値を上回ったときに駆動パルスを発生しインジェクタから還元剤等を噴射させることにより、従来のPWM制御のように予め定められたPWM制御周期分だけ時間が経過するのを待つ必要がないので、還元剤等の噴射の応答性も向上することができる。
また本実施形態では、未噴射量積算値が噴射量閾値を上回ったときには、この時における噴射量積算値に相当する量ではなく、予め定められた噴射量閾値に相当する量の尿素水が噴射されるような駆動パルスを発生する。つまり、インジェクタからは決まった量の尿素水が噴射されることとなる。このため、ミキサの形状や設置場所等の最適化を容易にすることができる。
次に、本発明の第2実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る排気浄化システム2Aの構成を示す模式図である。本実施形態は、制御装置3Aの噴射量設定部35Aの構成が第1実施形態と異なる。
また、駆動パルスの発生後、高噴射設定時間内に未噴射量積算値が高噴射量用閾値を上回らなかった場合には、低噴射量用閾値に相当する比較的短い幅の駆動パルスを発生する(時刻t1、t3、及びt7参照)。そして、駆動パルスの発生後、高噴射設定時間内に未噴射量積算値が高噴射量用閾値を上回った場合、換言すれば駆動パルスの発生後における未噴射量積算値の増加速度が所定の高噴射判定速度(例えば、高噴射量用閾値[mg]/高噴射設定時間[s]に相当)以上である場合には、尿素水の急な要求に応えるべく、高噴射量用閾値に相当する比較的長い幅の駆動パルスを発生する(時刻t4参照)。
図8は、噴射周期(駆動パルスの発生間隔)と指示噴射量との関係を模式的に示す図である。図8において、破線は第1実施形態における噴射周期の特性を示し、実線は第2実施形態における噴射周期の特性を示す。
第1実施形態では、噴射量閾値は一定であり、駆動パルスの幅も一定である。従ってその噴射周期は指示噴射量に反比例することとなる。特に、指示噴射量が大きくなると、噴射周期も短くなるため、インジェクタの駆動回数が多くなってしまう。
これに対し第2実施形態では、指示噴射量が大きくなると、未噴射量積算値の増加速度も速くなるため、高噴射量用閾値に相当する長い幅の駆動パルスを発生する機会が多くなると考えられる。このため、第2実施形態における噴射周期は、実線で示すように、指示噴射量が大きくなる領域において第1実施形態よりも長い周期に維持されることとなる。これは、第2実施形態によれば、第1実施形態と比較してインジェクタの駆動回数を抑制できることを意味する。また、第1実施形態では小分けに噴射していたところ、第2実施形態ではこれをまとめて噴射することにより、噴***度も向上することができる。
(5)本実施形態では、未噴射量積算値の増加速度が高噴射判定速度以上である場合には駆動パルスの幅が長くなるように、噴射量閾値を低噴射量用閾値と高噴射量用閾値との何れかの値に設定することにより、インジェクタの駆動回数を必要最小限に留めることができる。なお、未噴射量積算値が噴射量閾値を上回るまでにかかる時間は、未噴射量積算値の増加速度が高噴射判定速度以上であれば、噴射量閾値を高噴射量用閾値に設定したとしても大きく変わらないと考えられる。したがって、本実施形態によれば、尿素水の噴***度の向上と応答性の向上とを両立しながら、加えてインジェクタの駆動回数を低減することができる。
例えば、インジェクタからは尿素水を供給せずに、アンモニアガスを直接供給するシステムに本発明を適用しても効果的である。また、NOxを還元するための還元剤はアンモニアに限るものではない。本発明は、NOxを還元するための還元剤として、アンモニアの代わりに、例えば炭化水素を用いた排気浄化システムに適用することもできる。
2…排気浄化システム
3…制御装置
31…指示噴射量演算部(噴射量算出手段)
32…指示噴射量積算部(積算手段)
33…駆動パルス発生部(駆動手段)
34…噴射済み分積算部(積算手段)
36…未噴射量積算部(積算手段)
4…排気管(排気通路)
43…選択還元触媒
45…インジェクタ
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路に設けられた選択還元触媒と、
駆動パルスが印加されると前記選択還元触媒の上流側に還元剤又はその前駆体を噴射するインジェクタと、
前記内燃機関の運転状態及び前記選択還元触媒の状態の少なくとも何れかに応じて、当該選択還元触媒へ供給すべき還元剤又は前駆体の単位時間当りの噴射量を所定の演算周期毎に算出する噴射量算出手段と、を備えた排気浄化システムであって、
前記演算周期毎に算出された噴射量を積算し、噴射量積算値を算出する積算手段と、
前記噴射量積算値が予め設定された噴射量閾値を上回ったときに、当該噴射量閾値に相当する量の還元剤又は前駆体が噴射されるような駆動パルスを発生する駆動手段と、を備えることを特徴とする排気浄化システム。 - 前記駆動手段は、前記噴射量積算値が前記噴射量閾値を上回るまでは、駆動パルスを発生しないことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化システム。
- 前記駆動手段は、前記噴射量積算値が前記噴射量閾値を上回る度に同じ幅の駆動パルスを発生することで、1つの駆動パルス当りの還元剤又は前駆体の噴射量及び噴射時間を一定にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化システム。
- 前記噴射量閾値は、1つの駆動パルス当りの還元剤又は前駆体の噴射量が、当該噴射量に対する誤差の許容範囲内で最小となる値に設定されることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の排気浄化システム。
- 前記噴射量積算値の増加速度が所定速度以上である場合には前記駆動手段により発生させる駆動パルスの幅が長くなるように、前記噴射量閾値を低噴射量用閾値と当該低噴射量用閾値よりも大きな高噴射量用閾値との何れかの値に設定する噴射量閾値設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化システム。
- 前記噴射量閾値設定手段は、駆動パルスの発生後所定時間が経過するまでの間は前記噴射量閾値を前記高噴射量用閾値に設定し、前記所定時間が経過した後は前記噴射量閾値を前記低噴射量用閾値に変更することを特徴とする請求項5に記載の排気浄化システム。
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JP2016130067A (ja) * | 2015-01-13 | 2016-07-21 | トヨタ自動車株式会社 | レジスタ |
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