JP2013006656A - 負圧作用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的小型に製造でき、連続的に対象物の負圧処理を行える負圧作用装置を提供する。
【解決手段】内部で対象物Fを負圧処理する負圧作用部12と、負圧作用部12に負圧を形成する負圧形成装置14と、負圧作用部12内で対象物Fを搬送する搬送装置16と、負圧を保持させた状態で外部EXから負圧作用部12内に対象物Fを投入する投入装置18と、負圧を保持させた状態で負圧作用部12内から外部EXに対象物Fを排出する排出装置20と、を備えた負圧作用装置10からなる。投入装置18と排出装置20は、液体Lを介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様と、に切り換える切換手段38を備え、これらの態様を切換ながら対象物Fを外部から負圧作用部内へ投入又は負圧作用部内から外部へ排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物を負圧処理するのに利用される負圧作用装置に関する。
大気圧より低い負圧、真空を利用する技術は、食品、医薬品、金属材料、電子部品や半導体、化学製品の製造や加工、保存、乾燥処理等、広い分野で利用されている。従来、真空や負圧を形成する装置としては、処理対象の密封容器内の空気を強制的に排気して圧力を下げる真空ポンプや、特許文献1に開示された吸引装置等が知られている。特許文献1の吸引装置は、高所に設置された密閉式の真空タンク1aに水を満杯にし、その下側排水口から配管を貯水槽2へ通ずることで、真空タンク1a内は貯水槽2との水位差により負圧となるものであった。そして、特許文献1添付図面の図4に示すように、真空タンク1aを下水処理設備12等の目的の負圧処理装置に接続して、真空タンク1aの負圧を汚水の処理に利用していた。なお、番号は特許文献1記載のものである。
また、本出願人らは、特許文献2において連続的に対象物の負圧処理を行える負圧作用装置を提案した。特許文献2の負圧作用装置は、上方を開放し内部に作用液が溜められた貯液槽と、上端を閉鎖し下端を開口して縦長く形成された中空管からなり、下端開口を貯液槽内の作用液中に浸して配置され、管内作用液と貯液槽内の作用液に対する大気圧とのバランスにより上部に負圧空間を形成させた負圧形成管と、複数の対象物を順次連続的に搬送し負圧形成管の下端開口から負圧形成管内の上部に形成させた負圧空間まで上下往復移動させつつ負圧形成管外へ搬出する連続搬送機構と、を備えたものであった。
特開2005−344698号公報 特許第4640527号公報
従来では、目的の対象物を負圧処理する際には、真空ポンプや吸引装置を処理目的の負圧処理装置に接続して使用するものであり、真空ポンプ等に接続された密封容器内に対象物を入れ、該容器を気密密封した状態で真空ポンプ等を介して排気して負圧を形成することにより対象物を所望の負圧処理した後、密封容器を大気圧に戻して対象物を取り出すといったバッチ処理を行っていた。したがって、多くの対象物を負圧処理する場合には、密封容器への対象物の出し入れや負圧形成、大気圧への復帰等の繰り返し行われる作業が煩雑であるとともに、負圧形成に大幅に時間がかかり効率性に劣る問題があった。また、特許文献1の吸引装置はそれ自体で大型に構成されているが、対象物に負圧作用させるための密封容器等を別個に設ける必要があるので設置スペースの利用効率も悪かった。一方、特許文献2の負圧作用装置では、連続搬送機構によって連続的に対象物を処理できる点で優れている。しかしながら、特許文献2では、例えば10m程度の高い負圧形成管内に対象物を通して管内上部に形成させた負圧空間まで上下往復移動させるものであることから、対象物を長距離間すなわち長時間かけて通過させるものであった。したがって、負圧作用装置を設置する際には、高さ方向に高く形成する必要があるので、装置全体が大型化し設置場所が制限されるおそれがあるとともに、対象物の投入から排出までの時間が長くなるものであった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、比較的小型に製造でき、連続的又は断続的に対象物の負圧処理を行える負圧作用装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、内部22で対象物Fを負圧処理する負圧作用部であり、一部に外部と連通する対象物Fの投入口24を設けるとともに、他部に外部と連通する対象物Fの排出口26を設けた負圧作用部12と、負圧作用部12内の気体を排気して所定の負圧を形成する負圧形成装置14と、負圧作用部12内に設置され、投入口24側から排出口26側に向けて対象物Fを搬送する搬送装置16と、負圧作用部12の投入口24に外部EXと負圧作用部12内とに跨って設けられ、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で外部EXから負圧作用部12内に対象物Fを投入する投入装置18と、負圧作用部12の排出口26に外部EXと負圧作用部12内とに跨って設けられ、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で負圧作用部12内から外部EXに対象物Fを排出する排出装置20と、を備え、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、液体Lを介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様と、に切り換える切換手段38を備えており、投入装置18は、外部側開放態様で外部EXから対象物Fを受け入れて、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えることで負圧作用部12の負圧を保持させた状態で負圧作用部12内に対象物Fを投入し、排出装置20は、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様として負圧作用部12から対象物Fを受け入れて、外部側開放態様に切り換えることで負圧作用部12の負圧を保持させた状態で外部EXに対象物Fを排出することを特徴とする負圧作用装置10から構成される。
また、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、筒状周壁の外部EXに臨む一部分と負圧形成部12に臨む一部分に対象物Fが通過する開口48、49が設けられた筒状ケース42と、筒状ケース42の中心に軸支された回転軸44と該回転軸44からケース内壁に向けて突出して回転軸44周りに回転する複数の羽根50とを有する回転扉46であり、複数の羽根50がケース内部を、外部側及び負圧作用部側とは閉鎖する閉鎖空間と、外部に臨む空間と、負圧作用部に臨む空間と、に分割して仕切る回転扉46と、を含み、切換手段38は、閉鎖空間に液体を充満させるとともに回転扉46を回転軸44周りに回転させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることとしてもよい。
また、負圧作用部12内には、所定の高さで液体Lを貯留し、投入装置18又は排出装置20から負圧作用部12内に排出される液体Lを受ける貯液部28が形成されており、投入装置18又は排出装置20のケース内部の複数の羽根50で仕切られた閉鎖空間と負圧作用部12の貯液部28とを接続し、負圧作用部の貯液部の液体を該ケースの閉鎖空間に充填するための充填経路54と、充填経路54に介設されて液体を圧送する充填ポンプ62と、が設けられたこととしてもよい。
また、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、一端を外部に配置するとともに他端を負圧作用部に配置し、内部に対象物Fを通過させる中空のケース74と、ケース74の負圧作用部側に設置され、該負圧作用部側を開閉させる負圧側開閉扉76と、ケース74の外部側に設置され、該外部側を開閉させる外部側開閉扉78と、を有し、切換手段38は、ケース74内部に液体Lを充満させるとともに、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることとしてもよい。
また、負圧作用部12の内部には負圧側開閉扉76を液体中に没する所定の高さで液体Lが貯留されており、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、ケース74の外部側に接続され、対象物Fを出し入れ可能な開口が設けられるとともに、外部側開閉扉78が没するように液体Lを貯留する貯液槽80を有し、切換手段38は、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78を液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることとしてもよい。
また、投入装置18及び/又は排出装置20には、対象物Fを搬送し、負圧作用部12内の搬送装置16と受け渡しする移送装置82が設置されたこととしてもよい。
本発明の負圧作用装置によれば、内部で対象物を負圧処理する負圧作用部であり、一部に外部と連通する対象物の投入口を設けるとともに、他部に外部と連通する対象物の排出口を設けた負圧作用部と、負圧作用部内の気体を排気して所定の負圧を形成する負圧形成装置と、負圧作用部内に設置され、投入口側から排出口側に向けて対象物を搬送する搬送装置と、負圧作用部の投入口に外部と負圧作用部内とに跨って設けられ、負圧作用部の負圧を保持させた状態で外部から負圧作用部内に対象物を投入する投入装置と、負圧作用部の排出口に外部と負圧作用部内とに跨って設けられ、負圧作用部の負圧を保持させた状態で負圧作用部内から外部に対象物を排出する排出装置と、を備え、投入装置と排出装置はそれぞれ、液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様と、に切り換える切換手段を備えており、投入装置は、外部側開放態様で外部から対象物を受け入れて、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えることで負圧作用部の負圧を保持させた状態で負圧作用部内に対象物を投入し、排出装置は、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様として負圧作用部から対象物を受け入れて、外部側開放態様に切り換えることで負圧作用部の負圧を保持させた状態で外部に対象物を排出することから、液体を利用して圧力差がある外部と負圧作用部の負圧空間とを遮断させて、良好に負圧作用部の負圧を保持した状態で、対象物を投入、排出することができる。その結果、対象物を連続的又は断続的に負圧処理することができ、大量の対象物を効率的に短時間で負圧処理することができる。
また、投入装置と排出装置はそれぞれ、筒状周壁の外部に臨む一部分と負圧形成部に臨む一部分に対象物が通過する開口が設けられた筒状ケースと、筒状ケースの中心に軸支された回転軸と該回転軸からケース内壁に向けて突出して回転軸周りに回転する複数の羽根とを有する回転扉であり、複数の羽根がケース内部を、外部側及び負圧作用部側とは閉鎖する閉鎖空間と、外部に臨む空間と、負圧作用部に臨む空間と、に分割して仕切る回転扉と、を含み、切換手段は、閉鎖空間に液体を充満させるとともに回転扉を回転軸周りに回転させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える構成であるから、回転扉を回転させながら3つの態様の切換えをスムーズに行わせて、効率良く対象物の投入又は排出を行える。さらに、投入装置及び排出装置を簡単な構成で、低コストで具体的に実現できる。
また、負圧作用部内には、所定の高さで液体を貯留し、投入装置又は排出装置から負圧作用部内に排出される液体を受ける貯液部が形成されており、投入装置又は排出装置のケース内部の複数の羽根で仕切られた閉鎖空間と負圧作用部の貯液部とを接続し、負圧作用部の貯液部の液体を該ケースの閉鎖空間に充填するための充填経路と、充填経路に介設されて液体を圧送する充填ポンプと、が設けられた構成とすることにより、負圧保持に利用した液体を負圧作用部から再び投入装置又は排出装置に循環させて負圧保持に利用することで、液体を充満させる構成を簡単に製造できるとともに、負圧作用部内の液体を略一定に保ち負圧空間を保持できる。また、例えば、負圧作用部で負圧作用させる際に、対象物に含浸させる含浸液や、洗浄する洗浄液として負圧形成用の液体を兼用できる。
また、投入装置と排出装置はそれぞれ、一端を外部側に配置するとともに他端を負圧作用部側に配置し、内部に対象物を通過させる中空のケースと、ケースの負圧作用部側に設置され、該負圧作用部側を開閉させる負圧側開閉扉と、ケースの外部側に設置され、該外部側を開閉させる外部側開閉扉と、を有し、切換手段は、ケース内部に液体を充満させるとともに、負圧側開閉扉と外部側開閉扉とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える構成であるから、2つの開閉扉を開閉させながら3つの態様の切換えをスムーズに行わせて、効率良く対象物の投入又は排出を行える。さらに、投入装置及び排出装置を簡単な構成で、低コストで具体的に実現できる。
また、負圧作用部の内部には負圧側開閉扉を液体中に没する所定の高さで液体が貯留されており、投入装置と排出装置はそれぞれ、ケースの外部側に接続され、対象物を出し入れ可能な開口が設けられるとともに、外部側開閉扉が没するように液体を貯留する貯液槽を有し、切換手段は、負圧側開閉扉と外部側開閉扉を液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉と外部側開閉扉とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える構成であるから、ケース内に液体を常に充満させて液体の充填工程等を不要とし、負圧側開閉扉と外部側開閉扉の開閉制御だけで3つの態様を円滑に切り換えることができる。よって、投入装置及び排出装置の部材点数を少なくして簡単な構造で、低コストで製造することができる。
また、投入装置及び/又は排出装置には、対象物を搬送し、負圧作用部内の搬送装置と受け渡しする移送装置が設置された構成とすることにより、負圧を保持した状態でスムーズに対象物を負圧作用部へ投入、又は負圧作用部から排出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る負圧作用装置の概略説明図である。 図1の負圧作用装置の投入装置を介して対象物を負圧作用部へ投入する際のフローチャートである。 図1の負圧作用装置の排出装置を介して対象物を負圧作用部から排出する際のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る負圧作用装置の概略説明図である。
以下添付図面を参照しつつ本発明の負圧作用装置の実施形態について説明する。本発明に係る負圧作用装置は、負圧作用部に負圧を形成保持し、例えば、食品、医薬品、機械部品等の対象物を効率的に負圧処理する負圧処理装置である。図1ないし図3は、本発明の負圧作用装置の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態において、負圧作用装置10は、対象物Fを負圧処理する負圧作用部12と、負圧作用部12の負圧形成装置14と、負圧作用部12内に設置された搬送装置16と、負圧作用部12への対象物Fの投入装置18と、負圧作用部12からの対象物Fの排出装置20と、を備えている。なお、本実施形態では、負圧作用装置10で負圧作用させる対象物Fは、例えば、食品等の固形物又は固形状物を適用した場合で説明する。
負圧作用部12は、内部22で対象物Fを負圧処理する負圧作用手段である。図1に示すように、本実施形態では、負圧作用部12は、例えば、耐圧素材で形成され、複数の対象物Fを収容可能な大きさの中空内部22を有する横長中空箱体又は中空筒状体からなる。負圧作用部12は、横長方向の一端側(図1上、左側)に外部EXと連通する対象物Fの投入口24が設けられるとともに、他端側(図1上、右側)に外部EXと連通する排出口26が設けられている。そして、投入口24に投入装置18が設けられ、排出口26に排出装置20が設けられている。投入口24と排出口26は、例えば、負圧作用部12の略平行に対向する側壁に互いに対向して設けられ、投入口24の高さ位置は後述の搬送装置16より高い位置に設定されるとともに、排出口26の高さ位置は該搬送装置16と略同じ高さ位置に設定されている。負圧作用部12には、内部22を負圧にする負圧形成装置14が接続されているとともに、外部EXと連通する投入口24、排出口26をそれぞれ投入装置18、排出装置20により気密保持させて、内部22に形成する負圧を保持できるようになっている。負圧作用部12には、内部22の上下方向の中間位置となる所定の高さで液体Lが貯留されており、貯液部28が形成されている。よって、負圧作用部12の内部22は、上部側は大気圧より低い圧力の負圧空間となり、下部側は液体Lが溜められた貯留部28を構成している。液体Lは、例えば、水からなり、後述のように投入装置18及び排出装置20の負圧保持に利用される液体手段として利用される。貯留部28は、投入装置18と排出装置20から内部22に流出される液体Lを受ける。負圧作用部12には、必要に応じて液体を内部22に供給するための供給管29aが開閉弁を介設して接続される。また、負圧作用部12には、必要に応じて液体を内部22から排出するための排液管29bが開閉弁を介設して接続されている。なお、液体Lは、水に限らず、対象物Fの種類等に応じて種々変更してもよい。例えば、対象物Fが食品の場合には液体Lを調味液や着色液等としたり、対象物が電気電子部品の場合には液体を絶縁剤や洗浄液としたり、対象物が機械部品の場合には液体を潤滑油としたり、対象物が木材の場合には液体を防腐剤としたりしてもよく、その他処理目的に応じて任意の組み合わせで選択するとよい。
負圧形成装置14は、負圧作用部12の内部22の気体を強制的に排気することで所定の負圧を形成する負圧形成手段である。負圧形成装置14は、例えば、真空ポンプ30を含む。真空ポンプ30は、例えば、負圧作用部12の天壁に一端を接続して内部連通された接続管32の他端に該ポンプの吸気口を接続されている。接続管32の負圧作用部12と真空ポンプ30との中間位置には、開閉弁34が介設されている。開閉弁34を開いた状態で真空ポンプ30を駆動させると、真空ポンプのポンプ作用により負圧作用部内部22の気体を吸気口から吸入して該内部22に所定の負圧(例えば、大気圧と比較して真空に近い低圧力)を形成する。所定の真空が形成されたら真空ポンプ30を停止するとともに開閉弁34を閉じると負圧作用部の内部22の負圧は保持される。なお、負圧作用部12で負圧処理中に常時又は断続的に真空ポンプを駆動しておいてもよい。真空ポンプ30は、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、揺動ピストン型ポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ等、その他種々の真空ポンプでもよいし、複数の真空ポンプを組み合わせたものでもよい。また、真空形成装置14は、真空ポンプに限らず、負圧作用部12に真空を形成させるものであれば任意のものでも良い。
図1に示すように、搬送装置16は、負圧作用部12の内部22に設置され、該内部22において投入口24から排出口26に向けて対象物Fを搬送する搬送手段である。本実施形態では、搬送装置16は、例えば、無端状のベルトを2つのプーリに巻き掛けて構成されたベルトコンベアからなる。搬送装置16は、例えば、ベルトコンベアの一端を投入口24に近接させて配置されているとともに、他端を排出口26に近接させて配置されている。搬送装置16は、例えば、複数の対象物Fをベルト上に載せて連続的又は断続的に横方向に向けて略直線状に搬送しながら対象物Fを所定時間負圧処理させることができる。搬送装置16の搬送速度を調整して対象物Fの負圧処理時間を設定してもよい。
なお、搬送装置16は、例えば、負圧作用部12の内部22において、液体の液面より上方の負圧空間位置に上昇して液体とは接触しない位置(図1の実線)と、貯液部28内下降して液体中に没する位置(図1の破線)と、に上下変位するように設けられていてもよい。搬送装置16は、例えば、シリンダ等の上下駆動機構36で支持されるとともに、図示しないガイド等を介して安定した状態で上下移動を案内される。搬送装置16と上下駆動機構36は、例えば、制御部66に電気的に接続されて制御される。搬送装置16は、例えば、負圧空間の上昇位置に設定して、対象物Fを液体に接触させない態様とすれば、対象物Fに付着する液体が少ない又はほとんど無い状態となるので対象物Fを扱いやすく、乾燥処理や食品の解凍処理等に有利である。また、搬送装置16は、例えば、液体中となる下降位置に設定して、対象物Fを液体Lに所定の時間接触させて搬送する態様とすれば、食品への調味液等の浸透処理、含浸処理や半導体部品の洗浄処理等に有利である。なお、搬送装置16は、負圧作用部12内で対象物Fが常時液体に触れないような位置に固定的に設置してもよいし、逆に、対象物が常時液体中に没するような位置に固定的に設置してもよいし、あるいは、搬送装置16の一部分を液体に触れない位置とするとともに他の一部分を液体中に没する位置に固定的に設置してもよい。
投入装置18は、負圧作用部12の投入口24に外部EXと該負圧作用部12の内部22とに跨って設けられており、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で未処理の対象物Fを外部EXから負圧作用部内に投入する負圧保持機能付きの投入手段である。一方、排出装置20は、負圧作用部12の排出口26に外部EXと該負圧作用部12の内部22とに跨って設けられており、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で処理済みの対象物Fを負圧作用部内から外部EXに排出する負圧保持機能付きの排出手段である。この負圧保持機能付きの投入装置18と排出装置20を備えたことにより、負圧作用部12の負圧を保持した状態で複数の対象物Fの連続的又は断続的な負圧処理を実現している。
本実施形態では、投入装置18と排出装置20とは、略同じ構成で設けられている。投入装置18と排出装置20は、例えば、対象物Fを出し入れ可能な中空内部を有している。中空内部では、外部EXに連通する外部側と、負圧作用部12内に連通する他端部となる負圧作用部側と、を開放又は閉鎖できるようになっている。投入装置18と排出装置20はそれぞれ、外部側と負圧作用部側をともに閉鎖して中空内部に液体を充満させることにより液体Lを介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様(第1態様)と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様(第2態様)と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様(第3態様)と、に切り換える切換手段38を備えている。切換手段38は、上記3つの態様を切り換えることで液体を利用して負圧作用部の負圧を保持する負圧保持機構40を構成している。
本実施形態では、図1に示すように、投入装置18及び排出装置20は、例えば、一部を外部EXに臨ませるとともに他部を負圧作用部12に臨ませた中空の筒状ケース42と、筒状ケース42の内部を複数の空間に分割するとともに筒状ケース中心に軸支された回転軸44回りに回転する回転扉46と、を含む。筒状ケース42は、例えば、断面が円形となる中空円筒状ケースからなり、円筒状周壁の外部側EXに臨む一部分と負圧形成部12に臨む一部分に対象物Fが通過する開口48、49が設けられている。回転扉46は、例えば、水平方向に軸支された回転軸44と回転軸44から半径方向すなわち円筒状ケース内壁に向けて突出し回転軸周りに90度間隔で配置された4つの羽根50とを有している。羽根50は、例えば、筒状ケース42の中空内部空間を右上、右下、左上、左下の4つの同じ大きさの扇形状空間に分割しており、羽根先端側には筒状ケース内壁に接摺して水密と気密を保持するパッキンが取り付けられている。投入装置18では、右上空間と左下空間が外部EX及び負圧作用部12とは気密閉鎖された閉鎖空間となり、左上空間が外部EXに臨む空間となり、右下空間が負圧作用部12に臨む空間となっている。そして、回転扉46が回転軸44中心に右回りに90度ずつ回転するごとに、これらの4つの空間の位置が切り換えられることとなる。一方、排出装置20では、右上空間と左下空間が外部側及び負圧作用部とは気密閉鎖された閉鎖空間となり、右下空間が外部EXに臨む空間となり、左上空間が負圧作用部12に臨む空間となっている。そして、回転扉46が回転軸44中心に左回りに90度ずつ回転するごとに、これらの4つの空間の位置が切り換えられることとなる。
さらに、投入装置18及び排出装置20の筒状ケース42の右上閉鎖空間には、液体充填機構52を利用して液体Lが充満される。すなわち、回転扉46の回転により右上閉鎖空間から負圧作用部12に臨む空間に切り換える前に、該閉鎖空間内の大気を液体に置換し、この液体を利用して外部EXと負圧作用部12とを遮断することにより負圧作用部12の負圧を保持させる。また、液体遮断態様では、圧力差がある外部EXと負圧作用部12との間に対象物Fを通過させるための一種のバッファ手段として機能しうるともいえる。液体充填機構52は、例えば、所定の液体源から負圧保持用の液体を筒状ケース42の右上閉鎖空間に充填する供給管からなる充填経路54と、充填経路54に介設された給液弁56と、一端を閉鎖空間に接続し他端を外部に開放した排気管58と、排気管58に介設された排気弁60と、充填経路54に介設され液体を圧送する充填ポンプ62と、を含む。液体源としては、例えば、負圧作用部12の貯留部28に貯留された液体Lが利用される。よって、充填経路54は、一端を負圧作用部12の貯留部28に接続させ、他端を筒状ケース42の右上閉鎖空間に接続している。排気管58には液体が閉鎖空間内で満杯になるのを感知する水位センサ70が取り付けられている。なお、図1では、排出装置20から外部EXに排出された対象物Fを受けて搬送する外部搬送装置64が設けられている。外部搬送装置64は、例えば、例えば、無端状のベルトを2つのプーリに巻き掛けて構成されたベルトコンベアからなる。
給液弁56及び排気弁60をともに開放した状態で充填ポンプ62を駆動すると、負圧作用部12の貯留部28の液体Lは充填経路54を通って筒状ケース42の右上閉鎖空間内に充填される。そして、該閉鎖空間内に液体が充満すると水位センサ70が感知して充填ポンプ62を停止し、給液弁56及び排気弁60を閉めることで、該閉鎖空間に液体遮断態様を構成することができる。液体遮断態様を形成した状態で、回転扉46を90度回転させて、該空間を負圧作用部12に連通させると、液体が負圧作用部12内に流出されるが、大気が入ることがなく、負圧作用部12の負圧が保持される。したがって、筒状ケース42と、回転扉46と、液体充填機構52と、が切換手段38及び負圧保持機構40を構成している。そして、投入装置18では、4つに分割された筒状ケース42において、左上の空間が外部側開放態様、右上の閉鎖空間が液体遮断態様、右下の空間の負圧側開放態様となるとともに、排出装置20では、4つに分割された筒状ケース42において、左上の空間が負圧側開放態様、右上の閉鎖空間が液体遮断態様、右下の空間の外部側開放態様となる。液体充填機構52と協働しつ回転扉46の回転に伴って、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることにより、負圧作用部の負圧を保持しながら対象物Fを投入及び排出することができる。すなわち、切換手段38は、筒状ケース42内に複数の(少なくとも3つの)空間を形成し、それぞれの空間に液体遮断態様、外部開放態様、負圧側開放態様を割り当てるとともに、それらの態様を空間ごとに切り換えるようになっている。さらに、負圧保持用の液体Lは、負圧作用部12の貯留部28から充填経路54を通り、投入装置18又は排出装置20の筒状ケース42に充填され、負圧作用部12に流出されて貯留部28に戻って循環するようになっており、該液体Lが負圧作用部12に充満されずに負圧を保持できるようになっている。
なお、液体の供給源は負圧作用部以外の外部に設置した貯液槽等としてもよい。また、例えば、上述のような液体充填機構の代わりに、筒状ケース42の外部EXに臨む部分に、対象物Fを出し入れできる開口を有して液体Lを貯留した貯液槽を連通して設け、貯液槽から常に該空間に液体が充填されるように構成してもよい。また、回転扉46の羽根50の数は、3枚以上であれば任意でよく、円筒状ケース42内を少なくとも3つの空間に分割するような構成であればよい。また、回転扉46は、一方向にのみ回転する態様に限らず、正逆両方向に回転して液体遮断態様、外部側開放態様、負圧側開放態様を切り換えるように設けても良い。
本実施形態では、例えば、搬送装置16、投入装置18、排出装置20は、それぞれ制御部66によって投入、搬送、排出等を自動的または半自動的に制御される。制御部66は、例えば、投入装置18及び排出装置20の回転扉46、給液弁54、排気弁60、充填ポンプ62、水位センサ70と電気的に接続されており、制御信号に応じて、回転扉46の回転制御や液体充填制御が行なわれる。また、制御部66は、搬送装置16や上下駆動機構36のシリンダ等に電気的に接続されており、制御信号に応じて対象物の搬送、停止制御や上下移動制御が行なわれる。なお、排気弁、給液弁等は、制御部で自動制御する構成に限らず、手動で操作することとしてもよい。また、制御部66には、例えば、負圧作用部12の負圧を図る真空センサ68が電気的に接続されており、負圧が所定の範囲であるかどうかを監視する。
次に、図2、図3をも参照しつつ本実施形態に係る負圧作用装置10の作用すなわち負圧処理方法について説明する。まず、負圧作用部12の内部に中間位置まで液体Lを貯留し、負圧形成装置14により負圧作用部12の内部20の気体を排気して負圧空間を形成保持させる。負圧作用部12内に投入装置18から対象物Fを投入する場合には、図2に示すように、投入装置18では、大気圧状態となる外部側開放態様の筒状ケース42の左上の外部側に臨む空間で対象物Fを受け入れる(S10)。回転扉46を90度回転すると対象物Fが入れられた前記空間は筒状ケース42の右上の閉鎖された空間に移動する。投入装置18の給液弁56、排気弁60を開放した状態で(S12)、充填ポンプ62を駆動して負圧作用部の液体を該右上の閉鎖空間に充填する(S14)。該右上の閉鎖空間内に液体が充満すると(S16)、充填ポンプ62を停止し(S18)、給液弁56、排気弁60を閉鎖して、該右上の閉鎖空間は外部側と負圧作用部側をともに閉鎖しつつ内部に充満させた液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様となる(S20)。その後、液体遮断態様を形成した状態から回転扉46を90度回転すると、液体が充満した空間は右下の負圧作用部12と連通した空間となり負圧側開放態様に切り換えられ、液体が負圧作用部12内に流出すると同時に、対象物Fは負圧作用部12の搬送装置16に移動される(S22)。これにより、負圧作用部12の負圧を保持しながら外部EXから負圧作用部12内で対象物を投入できる。その後、回転扉46を90度回転させると、空になった右下の空間は負圧の状態で左下の閉鎖空間を経て(S24)、さらに回転扉46を90度回転させると1周して左上の空間に戻る。このような工程を繰り返して、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物Fを外部EXから負圧作用部12に投入する。
負圧作用部12に投入された対象物Fは、搬送装置16を介して排出口26に向かって搬送されながら、所定の時間、負圧処理される。なお、必要に応じて搬送装置16を上下に移動させて、液体に接触しない状態と作用液に接触した状態とを切り換えることによって、予め設定した所定の短時間だけ対象物を液体に接触させてもよい。
負圧作用部12で負圧作用処理を受けた処理済みの対象物Fを外部側EXに排出する場合には、図3に示すように、排出装置20では、上記同様に右上の閉鎖空間で排出装置20の給液弁56、排気弁60を開放した状態で(S30)、充填ポンプ62を駆動して筒状ケース42の右上の閉鎖空間内に液体を充填する(S32)。該右上の閉鎖空間内に液体が充満したら(S34)充填ポンプ62を停止して(S36)、排出装置20の給液弁56、排気弁60を閉鎖して(S38)、該右上の閉鎖空間は外部側と負圧作用部側をともに閉鎖しつつ内部に充満させた液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様となる。回転扉46を左回りに90度回転すると、液体が充満された空間が左上に移動して負圧作用部12に連通して負圧側開放態様に切り換えられ、液体が負圧作用部内に流出されるが、大気が負圧作用部内には侵入することなく負圧が保持される(S40)。回転扉46が搬送装置16から処理済みの対象物Fを受け入れると(S42)、回転扉46を90度回転して負圧状態で左下の閉鎖空間へ移動し(S44)、さらに回転扉82を90度回転すると、対象物Fが入った空間が外部側に連通して外部開放態様に切り換えられて対象物Fを外側に排出する(S46)。このような工程を繰り返して、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物を負圧作用部から外部に排出する。なお、大量の対象物Fを連続的又は断続的に処理する場合には、投入装置18による投入と排出装置20による排出のタイミングを同期するようにしてもよい。また、負圧作用部12の内部で対象物Fを負圧作用処理させていると、対象物中の空気やガス等が脱気されたり水分が蒸発して、内部20の圧力が次第に上がって真空度が下がってくる。その場合には、再度、真空形成装置14により負圧作用部に所定の負圧を形成するとよい。また、真空形成装置14を常時駆動しておいて対象物からのガス等を排気するようにしてもよい。
上述のように、負圧作用部12の内部で、複数の対象物Fを連続的又は断続的に負圧作用させるとともに、負圧作用部12の負圧を保持した状態で対象物Fを外部EXから負圧作用部12へ投入、及び負圧作用部12から外部EXへ排出することができ、大量の対象物を効率良く、円滑に短時間で負圧処理することができる。なお、本実施形態では食品等の固形物を負圧処理する態様で説明したがそれに限るものではなく、例えば、食品、医薬品、化学製品、金属材料、電子・電気部品、半導体、機械部品、木製品の、製造、加工、保存、乾燥、液体含浸処理等で負圧作用する際にも適用することができる。また、負圧処理装置は、例えば、機械や精密機器類、又は繊維製品の洗浄にも適用できる。
次に、図4を参照しつつ、本発明の第2実施形態の負圧作用装置10−2について説明する。上記した第1実施形態と同一構成、同一部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図4に示すように、本実施形態でも上記実施形態同様に、負圧作用部12と、負圧形成装置14と、搬送装置16と、投入装置18と、排出装置20と、を備える。本実施形態では、負圧作用部12の投入口24と排出口26は、対向する側壁にそれぞれ同じ高さで設けられている。負圧作用部12の内部には、液体がある程度高い中間位置まで貯留されており、投入口24及び排出口26が液体中に没するようになっている。搬送装置16は、負圧作用部12内に液体中に没して高さ位置を固定させて配置されている。よって搬送装置16は、対象物Fを負圧作用部12内で液体に接触して搬送する。
投入装置18と排出装置20は上記実施形態とは異なる構成となっており、例えば、それぞれ、内部に対象物Fを通過させることが可能な中空内部72を形成したケース74と、ケース72の負圧作用部側端部を開閉する負圧側開閉扉76と、ケース72の外部側端部を開閉する外部側開閉扉78と、を有する。すなわち、ケース74の入口と出口に開閉扉76、78を設けた二重扉型構造となっている。さらに、投入装置18と排出装置20は、外部EXに配置されてケース74の外部側端部に接続され、内部に液体が貯留される貯液槽80を有している。
ケース74は、例えば、負圧作用部12の投入口24又は排出口26に外部EXと負圧空間内と跨って設けられた中空箱状又は筒状のケースからなる。ケース74は、一端部を外部EXに配置し、他端部を負圧作用部12内に配置して、負圧作用部12の側壁に接続されている。ケース74は、横方向に対向する1対の側面を開放しており、一端に外部EXに連通させる開口を有し、他端に負圧空間内部に連通する開口が形成されている。そして、ケース74の一端の外部側開口部分に外部側開閉扉78が設置され、他端の負圧側開口部分に負圧側開閉扉76が設置されている。ケース74の中空内部72は、例えば、対象物Fを1個ないし数個投入できるような比較的小さな空間で形成されている。ケース74の中空内部72は、負圧作用部12と同じ液体(例えば、水等)が充満されている。
負圧側開閉扉76は、ケース74の負圧作用部12側となる負圧側開口に設けられており、閉鎖時には中空内部72と負圧作用部12とを気密閉鎖するとともに、開放時には中空内部72と負圧作用部12とを連通させる。外部側開閉扉78は、ケース74の外部EX側となる外部側開口に設けられており、閉鎖時には中空内部72と外部EXとを気密閉鎖するとともに、開放時には中空内部72と外部EXとを連通させる。負圧側開閉扉76及び外部側開閉扉78は、例えば、ケース74の開口全体を閉鎖、開放するように設けられ、上下方向又は左右方向にスライドして開閉するスライド式のシャッタからなり、図示しないガイド等に案内されてシリンダやモータ等の任意の駆動機構により開閉駆動される。
貯液槽80は、例えば、対象物Fを入れたり出したりできる開口81を上面側に有し、内部に負圧作用部12及びケース74内の液体と同じ液体(例えば、水等)を溜める有底の槽体からなる。貯液槽80は、槽体側壁の下部側にケース74の一端部を貫通させており、槽体内部にケース74の外部側開口の外部側開閉扉78を臨ませるように該貯液槽80とケース74とが接続されている。貯液槽80内には、外部側開閉扉78が液体中に没するような高さまで該液体が貯留される。
上記のように投入装置18及び排出装置20では、ケース74の内部空間には液体が充満されるとともに、負圧側開閉扉76は負圧作用部12内の液体に没するように設けられ、外部側開閉扉78は貯液槽80内の液体に没するように設けられている。よって、負圧側開閉扉76及び外部側開閉扉78をともに閉鎖することで、外部側と負圧作用部側をともに閉鎖しつつ中空内部に液体を充満させることにより液体Lを介して外部EXと負圧作用部12とを遮断した液体遮断態様を構成する。また、負圧側開閉扉76を閉じて外部側開閉扉78を開けてケース74の外部側開口を開放することで外部側開放態様に切換えられる。この際、ケース74内の液体には、貯液槽80の開口81から大気による圧力が作用するが負圧側開閉扉76が閉鎖されていることにより負圧作用部12の負圧が保持される。一方、外部側開閉扉78を閉じて負圧側開閉扉76を開けてケース74の負圧側開口を開放することで負圧側開放態様に切換えられる。この際、外部側開閉扉78が閉鎖されていることによりケース74内の液体には貯液槽80の開口81から大気による圧力が作用することがないので、負圧作用部の負圧が保持される。このように、ケース74の中空内部を負圧作用部12に連通する前に液体を充満させておくことで、該液体を利用して外部EXと負圧作用部12とを遮断することにより負圧作用部12の負圧を保持させる。すなわち、本実施形態では、液体が充満されるケース74と負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78と貯液槽80とにより切換手段38及び負圧保持機構40が構成される。そして、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78が液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78を所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える。また、切換手段38はケース74内の一つの中空空間を2つの開閉扉を利用して、液体遮断態様、外部開放態様、負圧側開放態様を切り換える二重シャッタ構造となっている。
図4に示すように、ケース74の中空内部72には、移送装置82が設けられている。移送装置82は、例えば、搬送装置16と同じ高さ位置に設置され、無端状のベルトを2つのプーリに巻き掛けて構成されるベルトコンベア等からなる。投入装置18の移送装置82では、対象物Fを中空内部72内で横方向に搬送させ、負圧側開閉扉76が開いた際に該移送装置82から負圧作用部12内の搬送装置16へ対象物Fを受け渡して投入させる。同様に、排出装置20の移送装置82では、負圧側開閉扉76が開いた際に負圧作用部12内の搬送装置16から移送装置68へ処理済みの対象物Fを受け取って負圧作用部12から排出し、対象物Fを中空内部72で横方向に移動させる。さらに、貯液槽80内にもベルトコンベア等からなる外部移送装置84が設けられている。外部移送装置84は、ケース74内の移送装置82と略同じ高さ位置に配置されている。外部移送装置84は、外部側開閉扉78が開いた際に、対象物Fを移送装置84と受け渡しする。なお、移送装置82、外部移送装置84は、投入装置18、排出装置20のいずれか一方のみに設けることとしても良い。また、移送装置82、外部移送装置84の構成はベルトコンベアに限らず、レールや転動体、ピストン等により対象物を移動させる構成等その他任意の構成でもよい。また、投入装置18、排出装置20は、例えば、対象物を滑り落とすシュータ等の構造を有していても良い。
次に、本実施形態に係る負圧作用装置10−2の作用すなわち負圧処理方法について説明する。まず、負圧作用部12の内部に投入装置18及び排出装置20の負圧側開閉扉76が液体に没するように高さ中間位置まで液体Lを貯留し、負圧形成装置14により負圧作用部12の内部22の気体を排気して負圧空間を形成保持させる。同時に貯液槽80内にも外部側開閉扉78が液体に没するように高さで液体を貯留するとともに、ケース74内にも液体を充満させておく。負圧作用部12内に投入装置18から対象物Fを投入する場合には、投入装置18では、貯液槽80の開口81から対象物Fを槽内に投入し、外部搬送装置84上に載せる。外部開閉扉78を開いて外部側開放態様に切り換え、外部搬送装置84からケース内の移送装置82に対象物Fを受けいれる。そして、外部開閉扉78を閉じて液体遮断態様に切り換える。その後、負圧側開閉扉76を開いて負圧側開放態様に切り換え、移送装置82から負圧作用部12内の搬送装置16に対象物Fを受け渡し、負圧側開閉扉76を閉じる。このような工程を繰り返しながら、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物Fを負圧作用部12内へ投入できる。
負圧作用部12に投入された対象物Fは、搬送装置16を介して排出口26に向かって搬送されながら、液体中で負圧処理される。搬送中は、対象物Fは液体に接触された状態で負圧処理される。負圧作用部12で負圧作用処理を受けた処理済みの対象物Fを負圧作用部12から外部側EXに排出する場合には、排出装置20では、負圧側作用扉76を開いて負圧側開放態様に切り換えて、搬送装置16からケース74内の移送装置82に対象物Fを受け入れる。そして、負圧側作用扉76を閉じて液体遮断態様に切り換える。その後、外部側開閉扉78を開いて外部側開放態様に切換え、移送装置82から外部移送装置84へ対象物Fを受け渡す。外部側開閉扉78を閉じて、貯液槽80の上面の開口から対象物Fを取り出す。このような工程を繰り返しながら、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物Fを外部EXへ排出できる。本実施形態も上記実施形態同様に、複数の対象物Fを連続的又は断続的に負圧作用させるとともに、負圧作用部12の負圧を保持した状態で対象物Fを外部EXから負圧作用部12へ投入、及び負圧作用部12から外部EXへ排出することができる結果、大量の対象物を効率良く、円滑に短時間で負圧処理することができる。
なお、負圧作用部12は液体を負圧側開閉扉76に接触させないような高さで液体を貯留することとしてもよい。また、搬送装置16を液体に接触しないように配置してもよい。この場合、負圧作用部12では対象物Fを液体に接触させずに負圧処理することもできる。また、本実施形態では、外部EXに貯液槽80を設けてケース74内に常時液体を充満させておく構成としたがこの構成に限るものではない。例えば、図4の構成で、貯液槽80を設けずに外部側開閉扉78を大気に臨ませ、ケース74内への液体の出し入れと負圧側開閉扉76及び外部側開閉扉78の開閉とを所定のタイミングで行うことで、ケース内を大気圧状態と、液体充満状態と、負圧状態と、に切り換えるようにしてもよい。例えば、外部側EXから投入装置18に対象物Fを入れる際及び排出装置20から外部側に対象物Fを取り出す際には、ケース内には液体を投入せずに外部側開放態様とする。投入装置18から負圧作用部12に対象物Fを投入する際及び負圧作用部12から排出装置20へ対象物Fを排出する際には、ケース内に任意の液体充填機構を介して液体を充満させて液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えるようにしてもよい。
以上説明した本発明の負圧作用装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の負圧作用装置は、例えば、食品、医薬品、化学製品、金属材料、電子・電気部品や半導体、機械部品、木製品、繊維製品の製造や加工、保存、洗浄、乾燥処理等に利用できる。
10 負圧作用装置
12 負圧作用部
14 真空形成装置
16 搬送装置
18 投入装置
20 排出装置
22 負圧作用部の内部
24 投入口
26 排出口
28 貯留部
38 切換手段
42 筒状ケース
44 回転軸
46 回転扉
48、49 開口
50 羽根
56 充填経路
62 充填ポンプ
72 中空内部
74 ケース
76 負圧側開閉扉
78 外部側開閉扉
80 貯液槽
82 移送装置
F 対象物
EX 外部
L 液体
本発明は、対象物を負圧処理するのに利用される負圧作用装置に関する。
大気圧より低い負圧、真空を利用する技術は、食品、医薬品、金属材料、電子部品や半導体、化学製品の製造や加工、保存、乾燥処理等、広い分野で利用されている。従来、真空や負圧を形成する装置としては、処理対象の密封容器内の空気を強制的に排気して圧力を下げる真空ポンプや、特許文献1に開示された吸引装置等が知られている。特許文献1の吸引装置は、高所に設置された密閉式の真空タンク1aに水を満杯にし、その下側排水口から配管を貯水槽2へ通ずることで、真空タンク1a内は貯水槽2との水位差により負圧となるものであった。そして、特許文献1添付図面の図4に示すように、真空タンク1aを下水処理設備12等の目的の負圧処理装置に接続して、真空タンク1aの負圧を汚水の処理に利用していた。なお、番号は特許文献1記載のものである。
また、本出願人らは、特許文献2において連続的に対象物の負圧処理を行える負圧作用装置を提案した。特許文献2の負圧作用装置は、上方を開放し内部に作用液が溜められた貯液槽と、上端を閉鎖し下端を開口して縦長く形成された中空管からなり、下端開口を貯液槽内の作用液中に浸して配置され、管内作用液と貯液槽内の作用液に対する大気圧とのバランスにより上部に負圧空間を形成させた負圧形成管と、複数の対象物を順次連続的に搬送し負圧形成管の下端開口から負圧形成管内の上部に形成させた負圧空間まで上下往復移動させつつ負圧形成管外へ搬出する連続搬送機構と、を備えたものであった。
特開2005−344698号公報 特許第4640527号公報
従来では、目的の対象物を負圧処理する際には、真空ポンプや吸引装置を処理目的の負圧処理装置に接続して使用するものであり、真空ポンプ等に接続された密封容器内に対象物を入れ、該容器を気密密封した状態で真空ポンプ等を介して排気して負圧を形成することにより対象物を所望の負圧処理した後、密封容器を大気圧に戻して対象物を取り出すといったバッチ処理を行っていた。したがって、多くの対象物を負圧処理する場合には、密封容器への対象物の出し入れや負圧形成、大気圧への復帰等の繰り返し行われる作業が煩雑であるとともに、負圧形成に大幅に時間がかかり効率性に劣る問題があった。また、特許文献1の吸引装置はそれ自体で大型に構成されているが、対象物に負圧作用させるための密封容器等を別個に設ける必要があるので設置スペースの利用効率も悪かった。一方、特許文献2の負圧作用装置では、連続搬送機構によって連続的に対象物を処理できる点で優れている。しかしながら、特許文献2では、例えば10m程度の高い負圧形成管内に対象物を通して管内上部に形成させた負圧空間まで上下往復移動させるものであることから、対象物を長距離間すなわち長時間かけて通過させるものであった。したがって、負圧作用装置を設置する際には、高さ方向に高く形成する必要があるので、装置全体が大型化し設置場所が制限されるおそれがあるとともに、対象物の投入から排出までの時間が長くなるものであった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、比較的小型に製造でき、連続的又は断続的に対象物の負圧処理を行える負圧作用装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、内部22で対象物Fを負圧処理する負圧作用部であり、一部に外部と連通する対象物Fの投入口24を設けるとともに、他部に外部と連通する対象物Fの排出口26を設けた負圧作用部12と、負圧作用部12内の気体を排気して所定の負圧を形成する負圧形成装置14と、負圧作用部12内に設置され、投入口24側から排出口26側に向けて対象物Fを搬送する搬送装置16と、負圧作用部12の投入口24に外部EXと負圧作用部12内とに跨って設けられ、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で外部EXから負圧作用部12内に対象物Fを投入する投入装置18と、負圧作用部12の排出口26に外部EXと負圧作用部12内とに跨って設けられ、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で負圧作用部12内から外部EXに対象物Fを排出する排出装置20と、を備え、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、筒状周壁の外部EXに臨む一部分と負圧作用部12に臨む一部分に対象物が通過する開口48、49が設けられた筒状ケース42と、筒状ケース42の中心に軸支された回転軸44と該回転軸44からケース内壁に向けて突出して回転軸44周りに回転する複数の羽根50とを有する回転扉46であり、複数の羽根50が筒状ケース内部を、外部側及び負圧作用部側とは閉鎖する閉鎖空間と、外部に臨む空間と、負圧作用部に臨む空間と、に分割して仕切る回転扉46と、回転扉46を回転して筒状ケースの該回転扉により仕切られたそれぞれの空間を切り換えるとともに、該筒状ケース内部の閉鎖空間に液体Lを充満させて該液体Lを介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様を該筒状ケース内部に形成させる切換手段38と、を含み、さらに、排出装置20は、筒状ケースの閉鎖空間に接続され、回転扉46を回転させて筒状ケースの仕切られた空間を閉鎖空間から負圧作用部に臨む空間に切り換えるに先立って、該閉鎖空間の空気を外部EXに排気させながら該閉鎖空間に液体を充満させて該閉鎖空間の空気と液体とを置換させる液体充填機構52を有しており、投入装置18は、外部に臨む空間で対象物を受け入れて、回転扉46を回転させて閉鎖空間に切り換え、その閉鎖空間に液体を充満させて液体遮断態様とした後に、さらに回転扉を回転させて負圧作用部に臨む空間に切り換えて負圧作用部12に対象物Fを液体とともに投入することにより、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で負圧作用部内に対象物Fを投入し、排出装置20は、筒状ケースの閉鎖空間に液体を充満させて液体遮断態様とした後に、回転扉46を回転させその閉鎖空間を負圧作用部に臨む空間に切り換えて液体を負圧作用部に排出し、負圧作用部12から対象物を受け入れてさらに回転扉46を回転させて外部に臨む空間に切り換えることにより、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で外部EXに対象物Fを排出することを特徴とする負圧作用装置10から構成される。
また、液体充填機構52は、所定の液体源から該筒状ケースの閉鎖空間に液体を充填するための充填手段と、一端を該閉鎖空間に接続し他端を外部に開放した排気管58と、該排気管58に設けられた排気弁60と、を有することとしてもよい。
また、負圧作用部内12には、所定の高さで液体Lを貯留し、投入装置18又は排出装置20から負圧作用部12内に排出される液体Lを受ける貯液部28が形成されており、投入装置18又は排出装置20のケース内部の複数の羽根50で仕切られた閉鎖空間と負圧作用部12の貯液部28とを接続し、負圧作用部の貯液部28の液体を該ケースの閉鎖空間に充填するための充填経路54と、充填経路54に介設されて液体を圧送する充填ポンプ62と、が設けられたこととしてもよい。
さらに本発明は、内部22で対象物Fを負圧処理する負圧作用部であり、一部に外部と連通する対象物Fの投入口24を設けるとともに、他部に外部と連通する対象物Fの排出口26を設けた負圧作用部12と、負圧作用部12内の気体を排気して所定の負圧を形成する負圧形成装置14と、負圧作用部12内に設置され、投入口24側から排出口26側に向けて対象物Fを搬送する搬送装置16と、負圧作用部12の投入口24に外部EXと負圧作用部12内とに跨って設けられ、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で外部EXから負圧作用部12内に対象物Fを投入する投入装置18と、負圧作用部12の排出口26に外部EXと負圧作用部12内とに跨って設けられ、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で負圧作用部12内から外部EXに対象物Fを排出する排出装置20と、を備え、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、液体Lを介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様と、に切り換える切換手段38を備えており、投入装置18は、外部側開放態様で外部EXから対象物Fを受け入れて、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えることで負圧作用部12の負圧を保持させた状態で負圧作用部12内に対象物Fを投入し、排出装置20は、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様として負圧作用部12から対象物Fを受け入れて、外部側開放態様に切り換えることで負圧作用部12の負圧を保持させた状態で外部EXに対象物Fを排出するものであり、さらに、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、一端を外部に配置するとともに他端を負圧作用部に配置し、内部に対象物Fを通過させる中空のケース74と、ケース74の負圧作用部側に設置され、該負圧作用部側を開閉させる負圧側開閉扉76と、ケース74の外部側に設置され、該外部側を開閉させる外部側開閉扉78と、を有し、切換手段38は、ケース74内部に液体Lを充満させるとともに、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることを特徴とする負圧作用装置10から構成される。
また、負圧作用部12の内部には負圧側開閉扉76を液体中に没する所定の高さで液体Lが貯留されており、投入装置18と排出装置20はそれぞれ、ケース74の外部側に接続され、対象物Fを出し入れ可能な開口が設けられるとともに、外部側開閉扉78が没するように液体Lを貯留する貯液槽80を有し、切換手段38は、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78を液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることとしてもよい。
また、投入装置18及び/又は排出装置20のケース74内には、対象物Fを搬送し、負圧作用部12内の搬送装置16と受け渡しする移送装置82が設置されたこととしてもよい。
本発明の負圧作用装置によれば、内部で対象物を負圧処理する負圧作用部であり、一部に外部と連通する対象物の投入口を設けるとともに、他部に外部と連通する対象物の排出口を設けた負圧作用部と、負圧作用部内の気体を排気して所定の負圧を形成する負圧形成装置と、負圧作用部内に設置され、投入口側から排出口側に向けて対象物を搬送する搬送装置と、負圧作用部の投入口に外部と負圧作用部内とに跨って設けられ、負圧作用部の負圧を保持させた状態で外部から負圧作用部内に対象物を投入する投入装置と、負圧作用部の排出口に外部と負圧作用部内とに跨って設けられ、負圧作用部の負圧を保持させた状態で負圧作用部内から外部に対象物を排出する排出装置と、を備え、投入装置と排出装置はそれぞれ、液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様と、に切り換える切換手段を備えており、投入装置は、外部側開放態様で外部から対象物を受け入れて、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えることで負圧作用部の負圧を保持させた状態で負圧作用部内に対象物を投入し、排出装置は、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様として負圧作用部から対象物を受け入れて、外部側開放態様に切り換えることで負圧作用部の負圧を保持させた状態で外部に対象物を排出することから、液体を利用して圧力差がある外部と負圧作用部の負圧空間とを遮断させて、良好に負圧作用部の負圧を保持した状態で、対象物を投入、排出することができる。その結果、対象物を連続的又は断続的に負圧処理することができ、大量の対象物を効率的に短時間で負圧処理することができる。
また、投入装置と排出装置はそれぞれ、筒状周壁の外部に臨む一部分と負圧作用部に臨む一部分に対象物が通過する開口が設けられた筒状ケースと、筒状ケースの中心に軸支された回転軸と該回転軸からケース内壁に向けて突出して回転軸周りに回転する複数の羽根とを有する回転扉であり、複数の羽根がケース内部を、外部側及び負圧作用部側とは閉鎖する閉鎖空間と、外部に臨む空間と、負圧作用部に臨む空間と、に分割して仕切る回転扉と、を含み、切換手段は、閉鎖空間に液体を充満させるとともに回転扉を回転軸周りに回転させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える構成であるから、回転扉を回転させながら3つの態様の切換えをスムーズに行わせて、効率良く対象物の投入又は排出を行える。さらに、投入装置及び排出装置を簡単な構成で、低コストで具体的に実現できる。
また、負圧作用部内には、所定の高さで液体を貯留し、投入装置又は排出装置から負圧作用部内に排出される液体を受ける貯液部が形成されており、投入装置又は排出装置のケース内部の複数の羽根で仕切られた閉鎖空間と負圧作用部の貯液部とを接続し、負圧作用部の貯液部の液体を該ケースの閉鎖空間に充填するための充填経路と、充填経路に介設されて液体を圧送する充填ポンプと、が設けられた構成とすることにより、負圧保持に利用した液体を負圧作用部から再び投入装置又は排出装置に循環させて負圧保持に利用することで、液体を充満させる構成を簡単に製造できるとともに、負圧作用部内の液体を略一定に保ち負圧空間を保持できる。また、例えば、負圧作用部で負圧作用させる際に、対象物に含浸させる含浸液や、洗浄する洗浄液として負圧形成用の液体を兼用できる。
また、投入装置と排出装置はそれぞれ、一端を外部側に配置するとともに他端を負圧作用部側に配置し、内部に対象物を通過させる中空のケースと、ケースの負圧作用部側に設置され、該負圧作用部側を開閉させる負圧側開閉扉と、ケースの外部側に設置され、該外部側を開閉させる外部側開閉扉と、を有し、切換手段は、ケース内部に液体を充満させるとともに、負圧側開閉扉と外部側開閉扉とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える構成であるから、2つの開閉扉を開閉させながら3つの態様の切換えをスムーズに行わせて、効率良く対象物の投入又は排出を行える。さらに、投入装置及び排出装置を簡単な構成で、低コストで具体的に実現できる。
また、負圧作用部の内部には負圧側開閉扉を液体中に没する所定の高さで液体が貯留されており、投入装置と排出装置はそれぞれ、ケースの外部側に接続され、対象物を出し入れ可能な開口が設けられるとともに、外部側開閉扉が没するように液体を貯留する貯液槽を有し、切換手段は、負圧側開閉扉と外部側開閉扉を液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉と外部側開閉扉とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える構成であるから、ケース内に液体を常に充満させて液体の充填工程等を不要とし、負圧側開閉扉と外部側開閉扉の開閉制御だけで3つの態様を円滑に切り換えることができる。よって、投入装置及び排出装置の部材点数を少なくして簡単な構造で、低コストで製造することができる。
また、投入装置及び/又は排出装置には、対象物を搬送し、負圧作用部内の搬送装置と受け渡しする移送装置が設置された構成とすることにより、負圧を保持した状態でスムーズに対象物を負圧作用部へ投入、又は負圧作用部から排出することができる。
本発明の第1の実施形態に係る負圧作用装置の概略説明図である。 図1の負圧作用装置の投入装置を介して対象物を負圧作用部へ投入する際のフローチャートである。 図1の負圧作用装置の排出装置を介して対象物を負圧作用部から排出する際のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る負圧作用装置の概略説明図である。
以下添付図面を参照しつつ本発明の負圧作用装置の実施形態について説明する。本発明に係る負圧作用装置は、負圧作用部に負圧を形成保持し、例えば、食品、医薬品、機械部品等の対象物を効率的に負圧処理する負圧処理装置である。図1ないし図3は、本発明の負圧作用装置の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態において、負圧作用装置10は、対象物Fを負圧処理する負圧作用部12と、負圧作用部12の負圧形成装置14と、負圧作用部12内に設置された搬送装置16と、負圧作用部12への対象物Fの投入装置18と、負圧作用部12からの対象物Fの排出装置20と、を備えている。なお、本実施形態では、負圧作用装置10で負圧作用させる対象物Fは、例えば、食品等の固形物又は固形状物を適用した場合で説明する。
負圧作用部12は、内部22で対象物Fを負圧処理する負圧作用手段である。図1に示すように、本実施形態では、負圧作用部12は、例えば、耐圧素材で形成され、複数の対象物Fを収容可能な大きさの中空内部22を有する横長中空箱体又は中空筒状体からなる。負圧作用部12は、横長方向の一端側(図1上、左側)に外部EXと連通する対象物Fの投入口24が設けられるとともに、他端側(図1上、右側)に外部EXと連通する排出口26が設けられている。そして、投入口24に投入装置18が設けられ、排出口26に排出装置20が設けられている。投入口24と排出口26は、例えば、負圧作用部12の略平行に対向する側壁に互いに対向して設けられ、投入口24の高さ位置は後述の搬送装置16より高い位置に設定されるとともに、排出口26の高さ位置は該搬送装置16と略同じ高さ位置に設定されている。負圧作用部12には、内部22を負圧にする負圧形成装置14が接続されているとともに、外部EXと連通する投入口24、排出口26をそれぞれ投入装置18、排出装置20により気密保持させて、内部22に形成する負圧を保持できるようになっている。負圧作用部12には、内部22の上下方向の中間位置となる所定の高さで液体Lが貯留されており、貯液部28が形成されている。よって、負圧作用部12の内部22は、上部側は大気圧より低い圧力の負圧空間となり、下部側は液体Lが溜められた貯留部28を構成している。液体Lは、例えば、水からなり、後述のように投入装置18及び排出装置20の負圧保持に利用される液体手段として利用される。貯留部28は、投入装置18と排出装置20から内部22に流出される液体Lを受ける。負圧作用部12には、必要に応じて液体を内部22に供給するための供給管29aが開閉弁を介設して接続される。また、負圧作用部12には、必要に応じて液体を内部22から排出するための排液管29bが開閉弁を介設して接続されている。なお、液体Lは、水に限らず、対象物Fの種類等に応じて種々変更してもよい。例えば、対象物Fが食品の場合には液体Lを調味液や着色液等としたり、対象物が電気電子部品の場合には液体を絶縁剤や洗浄液としたり、対象物が機械部品の場合には液体を潤滑油としたり、対象物が木材の場合には液体を防腐剤としたりしてもよく、その他処理目的に応じて任意の組み合わせで選択するとよい。
負圧形成装置14は、負圧作用部12の内部22の気体を強制的に排気することで所定の負圧を形成する負圧形成手段である。負圧形成装置14は、例えば、真空ポンプ30を含む。真空ポンプ30は、例えば、負圧作用部12の天壁に一端を接続して内部連通された接続管32の他端に該ポンプの吸気口を接続されている。接続管32の負圧作用部12と真空ポンプ30との中間位置には、開閉弁34が介設されている。開閉弁34を開いた状態で真空ポンプ30を駆動させると、真空ポンプのポンプ作用により負圧作用部内部22の気体を吸気口から吸入して該内部22に所定の負圧(例えば、大気圧と比較して真空に近い低圧力)を形成する。所定の真空が形成されたら真空ポンプ30を停止するとともに開閉弁34を閉じると負圧作用部の内部22の負圧は保持される。なお、負圧作用部12で負圧処理中に常時又は断続的に真空ポンプを駆動しておいてもよい。真空ポンプ30は、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、揺動ピストン型ポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ等、その他種々の真空ポンプでもよいし、複数の真空ポンプを組み合わせたものでもよい。また、負圧形成装置14は、真空ポンプに限らず、負圧作用部12に真空を形成させるものであれば任意のものでも良い。
図1に示すように、搬送装置16は、負圧作用部12の内部22に設置され、該内部22において投入口24から排出口26に向けて対象物Fを搬送する搬送手段である。本実施形態では、搬送装置16は、例えば、無端状のベルトを2つのプーリに巻き掛けて構成されたベルトコンベアからなる。搬送装置16は、例えば、ベルトコンベアの一端を投入口24に近接させて配置されているとともに、他端を排出口26に近接させて配置されている。搬送装置16は、例えば、複数の対象物Fをベルト上に載せて連続的又は断続的に横方向に向けて略直線状に搬送しながら対象物Fを所定時間負圧処理させることができる。搬送装置16の搬送速度を調整して対象物Fの負圧処理時間を設定してもよい。
なお、搬送装置16は、例えば、負圧作用部12の内部22において、液体の液面より上方の負圧空間位置に上昇して液体とは接触しない位置(図1の実線)と、貯液部28内下降して液体中に没する位置(図1の破線)と、に上下変位するように設けられていてもよい。搬送装置16は、例えば、シリンダ等の上下駆動機構36で支持されるとともに、図示しないガイド等を介して安定した状態で上下移動を案内される。搬送装置16と上下駆動機構36は、例えば、制御部66に電気的に接続されて制御される。搬送装置16は、例えば、負圧空間の上昇位置に設定して、対象物Fを液体に接触させない態様とすれば、対象物Fに付着する液体が少ない又はほとんど無い状態となるので対象物Fを扱いやすく、乾燥処理や食品の解凍処理等に有利である。また、搬送装置16は、例えば、液体中となる下降位置に設定して、対象物Fを液体Lに所定の時間接触させて搬送する態様とすれば、食品への調味液等の浸透処理、含浸処理や半導体部品の洗浄処理等に有利である。なお、搬送装置16は、負圧作用部12内で対象物Fが常時液体に触れないような位置に固定的に設置してもよいし、逆に、対象物が常時液体中に没するような位置に固定的に設置してもよいし、あるいは、搬送装置16の一部分を液体に触れない位置とするとともに他の一部分を液体中に没する位置に固定的に設置してもよい。
投入装置18は、負圧作用部12の投入口24に外部EXと該負圧作用部12の内部22とに跨って設けられており、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で未処理の対象物Fを外部EXから負圧作用部内に投入する負圧保持機能付きの投入手段である。一方、排出装置20は、負圧作用部12の排出口26に外部EXと該負圧作用部12の内部22とに跨って設けられており、負圧作用部12の負圧を保持させた状態で処理済みの対象物Fを負圧作用部内から外部EXに排出する負圧保持機能付きの排出手段である。この負圧保持機能付きの投入装置18と排出装置20を備えたことにより、負圧作用部12の負圧を保持した状態で複数の対象物Fの連続的又は断続的な負圧処理を実現している。
本実施形態では、投入装置18と排出装置20とは、略同じ構成で設けられている。投入装置18と排出装置20は、例えば、対象物Fを出し入れ可能な中空内部を有している。中空内部では、外部EXに連通する外部側と、負圧作用部12内に連通する他端部となる負圧作用部側と、を開放又は閉鎖できるようになっている。投入装置18と排出装置20はそれぞれ、外部側と負圧作用部側をともに閉鎖して中空内部に液体を充満させることにより液体Lを介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様(第1態様)と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様(第2態様)と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様(第3態様)と、に切り換える切換手段38を備えている。切換手段38は、上記3つの態様を切り換えることで液体を利用して負圧作用部の負圧を保持する負圧保持機構40を構成している。
本実施形態では、図1に示すように、投入装置18及び排出装置20は、例えば、一部を外部EXに臨ませるとともに他部を負圧作用部12に臨ませた中空の筒状ケース42と、筒状ケース42の内部を複数の空間に分割するとともに筒状ケース中心に軸支された回転軸44回りに回転する回転扉46と、を含む。筒状ケース42は、例えば、断面が円形となる中空円筒状ケースからなり、円筒状周壁の外部側EXに臨む一部分と負圧作用部12に臨む一部分に対象物Fが通過する開口48、49が設けられている。回転扉46は、例えば、水平方向に軸支された回転軸44と回転軸44から半径方向すなわち円筒状ケース内壁に向けて突出し回転軸周りに90度間隔で配置された4つの羽根50とを有している。羽根50は、例えば、筒状ケース42の中空内部空間を右上、右下、左上、左下の4つの同じ大きさの扇形状空間に分割しており、羽根先端側には筒状ケース内壁に接摺して水密と気密を保持するパッキンが取り付けられている。投入装置18では、右上空間と左下空間が外部EX及び負圧作用部12とは気密閉鎖された閉鎖空間となり、左上空間が外部EXに臨む空間となり、右下空間が負圧作用部12に臨む空間となっている。そして、回転扉46が回転軸44中心に右回りに90度ずつ回転するごとに、これらの4つの空間の位置が切り換えられることとなる。一方、排出装置20では、右上空間と左下空間が外部側及び負圧作用部とは気密閉鎖された閉鎖空間となり、右下空間が外部EXに臨む空間となり、左上空間が負圧作用部12に臨む空間となっている。そして、回転扉46が回転軸44中心に左回りに90度ずつ回転するごとに、これらの4つの空間の位置が切り換えられることとなる。
さらに、投入装置18及び排出装置20の筒状ケース42の右上閉鎖空間には、液体充填機構52を利用して液体Lが充満される。すなわち、回転扉46の回転により右上閉鎖空間から負圧作用部12に臨む空間に切り換える前に、該閉鎖空間内の大気を液体に置換し、この液体を利用して外部EXと負圧作用部12とを遮断することにより負圧作用部12の負圧を保持させる。また、液体遮断態様では、圧力差がある外部EXと負圧作用部12との間に対象物Fを通過させるための一種のバッファ手段として機能しうるともいえる。液体充填機構52は、例えば、所定の液体源から負圧保持用の液体を筒状ケース42の右上閉鎖空間に充填する供給管からなる充填経路54と、充填経路54に介設された給液弁56と、一端を閉鎖空間に接続し他端を外部に開放した排気管58と、排気管58に介設された排気弁60と、充填経路54に介設され液体を圧送する充填ポンプ62と、を含む。液体源としては、例えば、負圧作用部12の貯留部28に貯留された液体Lが利用される。よって、充填経路54は、一端を負圧作用部12の貯留部28に接続させ、他端を筒状ケース42の右上閉鎖空間に接続している。排気管58には液体が閉鎖空間内で満杯になるのを感知する水位センサ70が取り付けられている。なお、図1では、排出装置20から外部EXに排出された対象物Fを受けて搬送する外部搬送装置64が設けられている。外部搬送装置64は、例えば、例えば、無端状のベルトを2つのプーリに巻き掛けて構成されたベルトコンベアからなる。
給液弁56及び排気弁60をともに開放した状態で充填ポンプ62を駆動すると、負圧作用部12の貯留部28の液体Lは充填経路54を通って筒状ケース42の右上閉鎖空間内に充填される。そして、該閉鎖空間内に液体が充満すると水位センサ70が感知して充填ポンプ62を停止し、給液弁56及び排気弁60を閉めることで、該閉鎖空間に液体遮断態様を構成することができる。液体遮断態様を形成した状態で、回転扉46を90度回転させて、該空間を負圧作用部12に連通させると、液体が負圧作用部12内に流出されるが、大気が入ることがなく、負圧作用部12の負圧が保持される。したがって、筒状ケース42と、回転扉46と、液体充填機構52と、が切換手段38及び負圧保持機構40を構成している。そして、投入装置18では、4つに分割された筒状ケース42において、左上の空間が外部側開放態様、右上の閉鎖空間が液体遮断態様、右下の空間の負圧側開放態様となるとともに、排出装置20では、4つに分割された筒状ケース42において、左上の空間が負圧側開放態様、右上の閉鎖空間が液体遮断態様、右下の空間の外部側開放態様となる。液体充填機構52と協働しつ回転扉46の回転に伴って、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることにより、負圧作用部の負圧を保持しながら対象物Fを投入及び排出することができる。すなわち、切換手段38は、筒状ケース42内に複数の(少なくとも3つの)空間を形成し、それぞれの空間に液体遮断態様、外部開放態様、負圧側開放態様を割り当てるとともに、それらの態様を空間ごとに切り換えるようになっている。さらに、負圧保持用の液体Lは、負圧作用部12の貯留部28から充填経路54を通り、投入装置18又は排出装置20の筒状ケース42に充填され、負圧作用部12に流出されて貯留部28に戻って循環するようになっており、該液体Lが負圧作用部12に充満されずに負圧を保持できるようになっている。
なお、液体の供給源は負圧作用部以外の外部に設置した貯液槽等としてもよい。また、例えば、上述のような液体充填機構の代わりに、筒状ケース42の外部EXに臨む部分に、対象物Fを出し入れできる開口を有して液体Lを貯留した貯液槽を連通して設け、貯液槽から常に該空間に液体が充填されるように構成してもよい。また、回転扉46の羽根50の数は、3枚以上であれば任意でよく、円筒状ケース42内を少なくとも3つの空間に分割するような構成であればよい。また、回転扉46は、一方向にのみ回転する態様に限らず、正逆両方向に回転して液体遮断態様、外部側開放態様、負圧側開放態様を切り換えるように設けても良い。
本実施形態では、例えば、搬送装置16、投入装置18、排出装置20は、それぞれ制御部66によって投入、搬送、排出等を自動的または半自動的に制御される。制御部66は、例えば、投入装置18及び排出装置20の回転扉46、給液弁54、排気弁60、充填ポンプ62、水位センサ70と電気的に接続されており、制御信号に応じて、回転扉46の回転制御や液体充填制御が行なわれる。また、制御部66は、搬送装置16や上下駆動機構36のシリンダ等に電気的に接続されており、制御信号に応じて対象物の搬送、停止制御や上下移動制御が行なわれる。なお、排気弁、給液弁等は、制御部で自動制御する構成に限らず、手動で操作することとしてもよい。また、制御部66には、例えば、負圧作用部12の負圧を図る真空センサ68が電気的に接続されており、負圧が所定の範囲であるかどうかを監視する。
次に、図2、図3をも参照しつつ本実施形態に係る負圧作用装置10の作用すなわち負圧処理方法について説明する。まず、負圧作用部12の内部に中間位置まで液体Lを貯留し、負圧形成装置14により負圧作用部12の内部20の気体を排気して負圧空間を形成保持させる。負圧作用部12内に投入装置18から対象物Fを投入する場合には、図2に示すように、投入装置18では、大気圧状態となる外部側開放態様の筒状ケース42の左上の外部側に臨む空間で対象物Fを受け入れる(S10)。回転扉46を90度回転すると対象物Fが入れられた前記空間は筒状ケース42の右上の閉鎖された空間に移動する。投入装置18の給液弁56、排気弁60を開放した状態で(S12)、充填ポンプ62を駆動して負圧作用部の液体を該右上の閉鎖空間に充填する(S14)。該右上の閉鎖空間内に液体が充満すると(S16)、充填ポンプ62を停止し(S18)、給液弁56、排気弁60を閉鎖して、該右上の閉鎖空間は外部側と負圧作用部側をともに閉鎖しつつ内部に充満させた液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様となる(S20)。その後、液体遮断態様を形成した状態から回転扉46を90度回転すると、液体が充満した空間は右下の負圧作用部12と連通した空間となり負圧側開放態様に切り換えられ、液体が負圧作用部12内に流出すると同時に、対象物Fは負圧作用部12の搬送装置16に移動される(S22)。これにより、負圧作用部12の負圧を保持しながら外部EXから負圧作用部12内で対象物を投入できる。その後、回転扉46を90度回転させると、空になった右下の空間は負圧の状態で左下の閉鎖空間を経て(S24)、さらに回転扉46を90度回転させると1周して左上の空間に戻る。このような工程を繰り返して、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物Fを外部EXから負圧作用部12に投入する。
負圧作用部12に投入された対象物Fは、搬送装置16を介して排出口26に向かって搬送されながら、所定の時間、負圧処理される。なお、必要に応じて搬送装置16を上下に移動させて、液体に接触しない状態と作用液に接触した状態とを切り換えることによって、予め設定した所定の短時間だけ対象物を液体に接触させてもよい。
負圧作用部12で負圧作用処理を受けた処理済みの対象物Fを外部側EXに排出する場合には、図3に示すように、排出装置20では、上記同様に右上の閉鎖空間で排出装置20の給液弁56、排気弁60を開放した状態で(S30)、充填ポンプ62を駆動して筒状ケース42の右上の閉鎖空間内に液体を充填する(S32)。該右上の閉鎖空間内に液体が充満したら(S34)充填ポンプ62を停止して(S36)、排出装置20の給液弁56、排気弁60を閉鎖して(S38)、該右上の閉鎖空間は外部側と負圧作用部側をともに閉鎖しつつ内部に充満させた液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様となる。回転扉46を左回りに90度回転すると、液体が充満された空間が左上に移動して負圧作用部12に連通して負圧側開放態様に切り換えられ、液体が負圧作用部内に流出されるが、大気が負圧作用部内には侵入することなく負圧が保持される(S40)。回転扉46が搬送装置16から処理済みの対象物Fを受け入れると(S42)、回転扉46を90度回転して負圧状態で左下の閉鎖空間へ移動し(S44)、さらに回転扉82を90度回転すると、対象物Fが入った空間が外部側に連通して外部開放態様に切り換えられて対象物Fを外側に排出する(S46)。このような工程を繰り返して、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物を負圧作用部から外部に排出する。なお、大量の対象物Fを連続的又は断続的に処理する場合には、投入装置18による投入と排出装置20による排出のタイミングを同期するようにしてもよい。また、負圧作用部12の内部で対象物Fを負圧作用処理させていると、対象物中の空気やガス等が脱気されたり水分が蒸発して、内部20の圧力が次第に上がって真空度が下がってくる。その場合には、再度、負圧形成装置14により負圧作用部に所定の負圧を形成するとよい。また、負圧形成装置14を常時駆動しておいて対象物からのガス等を排気するようにしてもよい。
上述のように、負圧作用部12の内部で、複数の対象物Fを連続的又は断続的に負圧作用させるとともに、負圧作用部12の負圧を保持した状態で対象物Fを外部EXから負圧作用部12へ投入、及び負圧作用部12から外部EXへ排出することができ、大量の対象物を効率良く、円滑に短時間で負圧処理することができる。なお、本実施形態では食品等の固形物を負圧処理する態様で説明したがそれに限るものではなく、例えば、食品、医薬品、化学製品、金属材料、電子・電気部品、半導体、機械部品、木製品の、製造、加工、保存、乾燥、液体含浸処理等で負圧作用する際にも適用することができる。また、負圧処理装置は、例えば、機械や精密機器類、又は繊維製品の洗浄にも適用できる。
次に、図4を参照しつつ、本発明の第2実施形態の負圧作用装置10−2について説明する。上記した第1実施形態と同一構成、同一部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図4に示すように、本実施形態でも上記実施形態同様に、負圧作用部12と、負圧形成装置14と、搬送装置16と、投入装置18と、排出装置20と、を備える。本実施形態では、負圧作用部12の投入口24と排出口26は、対向する側壁にそれぞれ同じ高さで設けられている。負圧作用部12の内部には、液体がある程度高い中間位置まで貯留されており、投入口24及び排出口26が液体中に没するようになっている。搬送装置16は、負圧作用部12内に液体中に没して高さ位置を固定させて配置されている。よって搬送装置16は、対象物Fを負圧作用部12内で液体に接触して搬送する。
投入装置18と排出装置20は上記実施形態とは異なる構成となっており、例えば、それぞれ、内部に対象物Fを通過させることが可能な中空内部72を形成したケース74と、ケース72の負圧作用部側端部を開閉する負圧側開閉扉76と、ケース72の外部側端部を開閉する外部側開閉扉78と、を有する。すなわち、ケース74の入口と出口に開閉扉76、78を設けた二重扉型構造となっている。さらに、投入装置18と排出装置20は、外部EXに配置されてケース74の外部側端部に接続され、内部に液体が貯留される貯液槽80を有している。
ケース74は、例えば、負圧作用部12の投入口24又は排出口26に外部EXと負圧空間内と跨って設けられた中空箱状又は筒状のケースからなる。ケース74は、一端部を外部EXに配置し、他端部を負圧作用部12内に配置して、負圧作用部12の側壁に接続されている。ケース74は、横方向に対向する1対の側面を開放しており、一端に外部EXに連通させる開口を有し、他端に負圧空間内部に連通する開口が形成されている。そして、ケース74の一端の外部側開口部分に外部側開閉扉78が設置され、他端の負圧側開口部分に負圧側開閉扉76が設置されている。ケース74の中空内部72は、例えば、対象物Fを1個ないし数個投入できるような比較的小さな空間で形成されている。ケース74の中空内部72は、負圧作用部12と同じ液体(例えば、水等)が充満されている。
負圧側開閉扉76は、ケース74の負圧作用部12側となる負圧側開口に設けられており、閉鎖時には中空内部72と負圧作用部12とを気密閉鎖するとともに、開放時には中空内部72と負圧作用部12とを連通させる。外部側開閉扉78は、ケース74の外部EX側となる外部側開口に設けられており、閉鎖時には中空内部72と外部EXとを気密閉鎖するとともに、開放時には中空内部72と外部EXとを連通させる。負圧側開閉扉76及び外部側開閉扉78は、例えば、ケース74の開口全体を閉鎖、開放するように設けられ、上下方向又は左右方向にスライドして開閉するスライド式のシャッタからなり、図示しないガイド等に案内されてシリンダやモータ等の任意の駆動機構により開閉駆動される。
貯液槽80は、例えば、対象物Fを入れたり出したりできる開口81を上面側に有し、内部に負圧作用部12及びケース74内の液体と同じ液体(例えば、水等)を溜める有底の槽体からなる。貯液槽80は、槽体側壁の下部側にケース74の一端部を貫通させており、槽体内部にケース74の外部側開口の外部側開閉扉78を臨ませるように該貯液槽80とケース74とが接続されている。貯液槽80内には、外部側開閉扉78が液体中に没するような高さまで該液体が貯留される。
上記のように投入装置18及び排出装置20では、ケース74の内部空間には液体が充満されるとともに、負圧側開閉扉76は負圧作用部12内の液体に没するように設けられ、外部側開閉扉78は貯液槽80内の液体に没するように設けられている。よって、負圧側開閉扉76及び外部側開閉扉78をともに閉鎖することで、外部側と負圧作用部側をともに閉鎖しつつ中空内部に液体を充満させることにより液体Lを介して外部EXと負圧作用部12とを遮断した液体遮断態様を構成する。また、負圧側開閉扉76を閉じて外部側開閉扉78を開けてケース74の外部側開口を開放することで外部側開放態様に切換えられる。この際、ケース74内の液体には、貯液槽80の開口81から大気による圧力が作用するが負圧側開閉扉76が閉鎖されていることにより負圧作用部12の負圧が保持される。一方、外部側開閉扉78を閉じて負圧側開閉扉76を開けてケース74の負圧側開口を開放することで負圧側開放態様に切換えられる。この際、外部側開閉扉78が閉鎖されていることによりケース74内の液体には貯液槽80の開口81から大気による圧力が作用することがないので、負圧作用部の負圧が保持される。このように、ケース74の中空内部を負圧作用部12に連通する前に液体を充満させておくことで、該液体を利用して外部EXと負圧作用部12とを遮断することにより負圧作用部12の負圧を保持させる。すなわち、本実施形態では、液体が充満されるケース74と負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78と貯液槽80とにより切換手段38及び負圧保持機構40が構成される。そして、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78が液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉76と外部側開閉扉78を所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換える。また、切換手段38はケース74内の一つの中空空間を2つの開閉扉を利用して、液体遮断態様、外部開放態様、負圧側開放態様を切り換える二重シャッタ構造となっている。
図4に示すように、ケース74の中空内部72には、移送装置82が設けられている。移送装置82は、例えば、搬送装置16と同じ高さ位置に設置され、無端状のベルトを2つのプーリに巻き掛けて構成されるベルトコンベア等からなる。投入装置18の移送装置82では、対象物Fを中空内部72内で横方向に搬送させ、負圧側開閉扉76が開いた際に該移送装置82から負圧作用部12内の搬送装置16へ対象物Fを受け渡して投入させる。同様に、排出装置20の移送装置82では、負圧側開閉扉76が開いた際に負圧作用部12内の搬送装置16から移送装置82へ処理済みの対象物Fを受け取って負圧作用部12から排出し、対象物Fを中空内部72で横方向に移動させる。さらに、貯液槽80内にもベルトコンベア等からなる外部移送装置84が設けられている。外部移送装置84は、ケース74内の移送装置82と略同じ高さ位置に配置されている。外部移送装置84は、外部側開閉扉78が開いた際に、対象物Fを移送装置84と受け渡しする。なお、移送装置82、外部移送装置84は、投入装置18、排出装置20のいずれか一方のみに設けることとしても良い。また、移送装置82、外部移送装置84の構成はベルトコンベアに限らず、レールや転動体、ピストン等により対象物を移動させる構成等その他任意の構成でもよい。また、投入装置18、排出装置20は、例えば、対象物を滑り落とすシュータ等の構造を有していても良い。
次に、本実施形態に係る負圧作用装置10−2の作用すなわち負圧処理方法について説明する。まず、負圧作用部12の内部に投入装置18及び排出装置20の負圧側開閉扉76が液体に没するように高さ中間位置まで液体Lを貯留し、負圧形成装置14により負圧作用部12の内部22の気体を排気して負圧空間を形成保持させる。同時に貯液槽80内にも外部側開閉扉78が液体に没するように高さで液体を貯留するとともに、ケース74内にも液体を充満させておく。負圧作用部12内に投入装置18から対象物Fを投入する場合には、投入装置18では、貯液槽80の開口81から対象物Fを槽内に投入し、外部搬送装置84上に載せる。外部開閉扉78を開いて外部側開放態様に切り換え、外部搬送装置84からケース内の移送装置82に対象物Fを受けいれる。そして、外部開閉扉78を閉じて液体遮断態様に切り換える。その後、負圧側開閉扉76を開いて負圧側開放態様に切り換え、移送装置82から負圧作用部12内の搬送装置16に対象物Fを受け渡し、負圧側開閉扉76を閉じる。このような工程を繰り返しながら、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物Fを負圧作用部12内へ投入できる。
負圧作用部12に投入された対象物Fは、搬送装置16を介して排出口26に向かって搬送されながら、液体中で負圧処理される。搬送中は、対象物Fは液体に接触された状態で負圧処理される。負圧作用部12で負圧作用処理を受けた処理済みの対象物Fを負圧作用部12から外部側EXに排出する場合には、排出装置20では、負圧側作用扉76を開いて負圧側開放態様に切り換えて、搬送装置16からケース74内の移送装置82に対象物Fを受け入れる。そして、負圧側作用扉76を閉じて液体遮断態様に切り換える。その後、外部側開閉扉78を開いて外部側開放態様に切換え、移送装置82から外部移送装置84へ対象物Fを受け渡す。外部側開閉扉78を閉じて、貯液槽80の上面の開口から対象物Fを取り出す。このような工程を繰り返しながら、負圧作用部12の負圧を保持しながら対象物Fを外部EXへ排出できる。本実施形態も上記実施形態同様に、複数の対象物Fを連続的又は断続的に負圧作用させるとともに、負圧作用部12の負圧を保持した状態で対象物Fを外部EXから負圧作用部12へ投入、及び負圧作用部12から外部EXへ排出することができる結果、大量の対象物を効率良く、円滑に短時間で負圧処理することができる。
なお、負圧作用部12は液体を負圧側開閉扉76に接触させないような高さで液体を貯留することとしてもよい。また、搬送装置16を液体に接触しないように配置してもよい。この場合、負圧作用部12では対象物Fを液体に接触させずに負圧処理することもできる。また、本実施形態では、外部EXに貯液槽80を設けてケース74内に常時液体を充満させておく構成としたがこの構成に限るものではない。例えば、図4の構成で、貯液槽80を設けずに外部側開閉扉78を大気に臨ませ、ケース74内への液体の出し入れと負圧側開閉扉76及び外部側開閉扉78の開閉とを所定のタイミングで行うことで、ケース内を大気圧状態と、液体充満状態と、負圧状態と、に切り換えるようにしてもよい。例えば、外部側EXから投入装置18に対象物Fを入れる際及び排出装置20から外部側に対象物Fを取り出す際には、ケース内には液体を投入せずに外部側開放態様とする。投入装置18から負圧作用部12に対象物Fを投入する際及び負圧作用部12から排出装置20へ対象物Fを排出する際には、ケース内に任意の液体充填機構を介して液体を充満させて液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えるようにしてもよい。
以上説明した本発明の負圧作用装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の負圧作用装置は、例えば、食品、医薬品、化学製品、金属材料、電子・電気部品や半導体、機械部品、木製品、繊維製品の製造や加工、保存、洗浄、乾燥処理等に利用できる。
10 負圧作用装置
12 負圧作用部
14 負圧形成装置
16 搬送装置
18 投入装置
20 排出装置
22 負圧作用部の内部
24 投入口
26 排出口
28 貯留部
38 切換手段
42 筒状ケース
44 回転軸
46 回転扉
48、49 開口
50 羽根
56 充填経路
62 充填ポンプ
72 中空内部
74 ケース
76 負圧側開閉扉
78 外部側開閉扉
80 貯液槽
82 移送装置
F 対象物
EX 外部
L 液体

Claims (6)

  1. 内部で対象物を負圧処理する負圧作用部であり、一部に外部と連通する対象物の投入口を設けるとともに、他部に外部と連通する対象物の排出口を設けた負圧作用部と、
    負圧作用部内の気体を排気して所定の負圧を形成する負圧形成装置と、
    負圧作用部内に設置され、投入口側から排出口側に向けて対象物を搬送する搬送装置と、
    負圧作用部の投入口に外部と負圧作用部内とに跨って設けられ、負圧作用部の負圧を保持させた状態で外部から負圧作用部内に対象物を投入する投入装置と、
    負圧作用部の排出口に外部と負圧作用部内とに跨って設けられ、負圧作用部の負圧を保持させた状態で負圧作用部内から外部に対象物を排出する排出装置と、を備え、
    投入装置と排出装置はそれぞれ、液体を介して外部と負圧作用部とを遮断した液体遮断態様と、外部側を開放して負圧作用部側を閉鎖した外部側開放態様と、外部側を閉鎖して負圧作用部側を開放した負圧側開放態様と、に切り換える切換手段を備えており、
    投入装置は、外部側開放態様で外部から対象物を受け入れて、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様に切り換えることで負圧作用部の負圧を保持させた状態で負圧作用部内に対象物を投入し、
    排出装置は、液体遮断態様とした後に、負圧側開放態様として負圧作用部から対象物を受け入れて、外部側開放態様に切り換えることで負圧作用部の負圧を保持させた状態で外部に対象物を排出することを特徴とする負圧作用装置。
  2. 投入装置と排出装置はそれぞれ、筒状周壁の外部に臨む一部分と負圧形成部に臨む一部分に対象物が通過する開口が設けられた筒状ケースと、
    筒状ケースの中心に軸支された回転軸と該回転軸からケース内壁に向けて突出して回転軸周りに回転する複数の羽根とを有する回転扉であり、複数の羽根がケース内部を、外部側及び負圧作用部側とは閉鎖する閉鎖空間と、外部に臨む空間と、負圧作用部に臨む空間と、に分割して仕切る回転扉と、を含み、
    切換手段は、閉鎖空間に液体を充満させるとともに回転扉を回転軸周りに回転させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることを特徴とする請求項1記載の負圧作用装置。
  3. 負圧作用部内には、所定の高さで液体を貯留し、投入装置又は排出装置から負圧作用部内に排出される液体を受ける貯液部が形成されており、
    投入装置又は排出装置のケース内部の複数の羽根で仕切られた閉鎖空間と負圧作用部の貯液部とを接続し、負圧作用部の貯液部の液体を該ケースの閉鎖空間に充填するための充填経路と、
    充填経路に介設されて液体を圧送する充填ポンプと、が設けられたことを特徴とする請求項2記載の負圧作用装置。
  4. 投入装置と排出装置はそれぞれ、一端を外部側に配置するとともに他端を負圧作用部側に配置し、内部に対象物を通過させる中空のケースと、
    ケースの負圧作用部側に設置され、該負圧作用部側を開閉させる負圧側開閉扉と、
    ケースの外部側に設置され、該外部側を開閉させる外部側開閉扉と、を有し、
    切換手段は、ケース内部に液体を充満させるとともに、負圧側開閉扉と外部側開閉扉とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることを特徴とする請求項1記載の負圧作用装置。
  5. 負圧作用部の内部には負圧側開閉扉を液体中に没する所定の高さで液体が貯留されており、
    投入装置と排出装置はそれぞれ、ケースの外部側に接続され、対象物を出し入れ可能な開口が設けられるとともに、外部側開閉扉が没するように液体を貯留する貯液槽を有し、
    切換手段は、負圧側開閉扉と外部側開閉扉を液体中に没した状態を保持しながら、負圧側開閉扉と外部側開閉扉とを所定のタイミングで開閉させることにより、液体遮断態様と外部側開放態様と負圧側開放態様とを切り換えることを特徴とする請求項4記載の負圧作用装置。
  6. 投入装置及び/又は排出装置には、対象物を搬送し、負圧作用部内の搬送装置と受け渡しする移送装置が設置されたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の負圧作用装置。
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