JP2013004336A - セパレータおよびそれを有する電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャットダウン機能と耐熱収縮性を持つ低融点熱可塑性樹脂の微粒子は、ポリエチレンを加熱して成膜しているため、加熱時にポリエチレンが溶融し空隙が埋まる。空隙が埋まることによりイオンの移動が妨げられるため、サイクル特性が劣化する課題を有していた。また、ポリエチレン微粒子を保持する強度も低く、異物により、セパレータが貫通し、短絡してしまう課題を有していた。
【解決手段】140℃以下の低融点熱可塑性樹脂の微粒子を極細繊維で担持されたセパレータとすることにより、140℃以下の低融点熱可塑性樹脂の微粒子は、形状を維持したまま担持されており、透気度は低下せず、イオンの移動がスムーズになるため、ハイレートでのサイクル特性の劣化を抑制することができる。また、極細繊維が強度を保持するため、異物により、セパレータが貫通し、短絡することを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池に用いるセパレータに関する。具体的には電池の安全性を高めるセパレータに関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される電池は、例えば携帯電話やノートパソコンといった携帯用電子機器の主電源として広範に普及している。このような電池においては、さらなるエネルギーの密度化、高容量化、高出力化を達成すべく技術開発が進められており、今後もこの要求はさらに高まることが予想される。このような要求に応えていくためにも、電池の高度な安全性を確保する技術がより一層重要となってきている。
一般的に、電池のセパレータには、ポリエチレンやポリプロピレンからなる微多孔膜が用いられている。このセパレータには、電池の安全性を確保する目的で、シャットダウン機能と呼ばれる機能が備わっている。このシャットダウン機能とは、電池温度が上昇してある温度に達したときに、著しく抵抗が増大する機能を言う。このシャットダウン機能により、電池が何らかの原因で発熱したときに、セパレータによって電流を遮断することができ、電池のさらなる発熱を防止することができる。
このようなシャットダウン機能は、セパレータを構成する材料が溶融し、セパレータの孔を閉塞することを作動原理としている。そのため、例えば、ポリエチレンからなるセパレータの場合はポリエチレンの融点近傍の140℃程度でシャットダウン機能が作動し、ポリプロピレンからなるセパレータの場合は165℃程度でシャットダウン機能が作動する。このシャットダウン機能は、確実に電池の安全性を確保するという観点からも、比較的に低温で作動することが好ましく、このためポリエチレンの方が一般的に用いられている。
セパレータとしてのポリエチレンの微多孔膜は、押出しながら一方向に延伸することにより得られる。しかし、温度上昇時に延伸時の残留応力も解放されるため、シャットダウン機能以外にもポリエチレンの熱収縮が生じることで大きな空孔が生じる。そのため、電池内部で短絡が生じ、これに伴って大きな熱が発生してしまう場合がある。
そこで、微粒子状のポリエチレンを使用することで熱収縮の無いシャットダウン機能を有する方法が例示されている(例えば、特許文献1参照。)。
図3は、特許文献1に記載のセパレータの構成を示す図である。
特許文献1のセパレータは、ポリエチレンの微粒子1を、図3に示すように配置して構成している。特許文献1では、微粒子状のポリエチレンを加熱して成膜することで、セパレータを形成している。
特開平1−167948号公報
しかしながら、特許文献1の従来セパレータは、ポリエチレンを加熱して成膜しているため、加熱時にポリエチレンが溶融し空隙が埋まることがある。空隙が埋まることにより、セパレータの透気度が低下してイオンの移動が妨げられ、サイクル特性が劣化する場合があるという課題を有している。また、特許文献1の従来のセパレータでは、ポリエチレン微粒子を保持する強度も低く、異物によりセパレータが貫通し、短絡してしまう可能性があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、機械的強度およびサイクル特性に優れたセパレータおよびそれを有する電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のセパレータは、熱可塑性樹脂の粒子を繊維材料で担持したことを特徴とする。
以上のように、本発明によると、機械的強度およびサイクル特性に優れたセパレータおよびそれを有する電池を提供することができる。
本発明の実施の形態のセパレータの構成を示す図 本発明の実施の形態のセパレータの製造方法のフローチャート 特許文献1に記載のセパレータの構成を示す図
本発明は、140℃以下の低融点熱可塑性樹脂の微粒子を繊維材料で担持したことを特徴とするセパレータである。この構成により、シャットダウン機能、熱収縮性、機械的強度、サイクル特性に優れたセパレータを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態のセパレータの構成を示す図である。
図1に示すように、本発明のセパレータの構成は、低融点熱可塑性樹脂の微粒子2と該微粒子2が担持されている繊維材料3により、セパレータ4が構成されている。ここで、微粒子2は、140℃以下の低融点熱可塑性の樹脂である。
このセパレータ4の作製方法について、図2のフローチャートを用いて説明する。
図2に示すように、本実施の形態のセパレータ4は、まず、微粒子2と繊維材料3を、攪拌機により溶剤に溶解および分散させて、溶液を作成する(ステップS01)。続いて、ステップS01で作成した溶液を、常温下で、高電圧を印加しながら射出することで、電界紡糸法(エレクトロスピニング法)を用いて、図1に示すような構造を形成する(ステップS02)。このようにして、セパレータを作成する。
微粒子2としては、電池として用いる場合は、特性上、融点が140℃以下の低融点熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリアミドが好ましい。なお、本実施の形態においては、微粒子2の粒子径は、0.1〜6μmであることが好ましい。その詳細については、後述する。
繊維材料3としては、溶剤に溶解できるものであれば特に限定されない。このような材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、アンモニウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドポリ酢酸ビニルが好ましい。なお、電界紡糸後の繊維材料3は極細繊維であり、その繊維径が0.05〜1μmであることが好ましい。その詳細については、後述する。
溶剤としては、繊維材料3が溶解可能な溶剤であれば特に限定されない。このような溶剤としては、例えば、繊維材料3が有機系極細繊維材料の場合は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましい。また、繊維材料3が水系極細繊維材料の場合は、水または温水が好ましい。
微粒子2と繊維材料3を溶剤に分散させて溶液を製作する方法は、特に限定されない。このような方法としては、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザー等を用いることができる。これらを単独、或いは組み合わせて使用することも可能である。溶剤中の微粒子2と繊維材料3の配合比は、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計からなる体積を100%とした場合に、微粒子2の体積比率が30%以上80%以下の範囲とすることが好ましい。この範囲が好ましい詳細については、後述する。また、溶剤の分散時に、各種無機粒子、分散剤、界面活性剤、安定剤等を、必要に応じて添加することも可能である。
以下、本発明の具体的な実施例について、さらに詳しく説明する。なお、本発明における粒子径は、微粒子2が球形である場合にはその直径をいい、微粒子2が非球形である場合には、同じ体積を有する球の直径を粒子径とする。また、本発明における繊維径は、繊維材料3の繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、繊維材料3の繊維の横断面形状が非円形である場合には、同じ断面積を有する円の直径を繊維径とする。
用いる微粒子2としては、均一な孔径を形成できるように、粒子間の粒子径がほぼ同じものが好ましい。つまり、微粒子2間の粒子径分布の標準偏差値σを、微粒子2間の平均粒子径dで除した値σ/dが0.2以下(好ましくは0.18以下)であるのが好ましい。なお、全ての微粒子2間の粒子径が同じである場合には、標準偏差値σが0になるため、値σ/dの下限値は0である。平均粒子径dは、電子顕微鏡写真で撮影した写真における100個以上の微粒子2間の粒子径を計測し、その計測した粒子径を平均した値をいう。また、微粒子2の標準偏差値σは、計測した繊維径χを基に、以下の(式1)から算出した値をいう。
Figure 2013004336
ここで、nは測定した微粒子2の個数を意味し、χはそれぞれの粒子間の粒子径を意味する。
また、用いる繊維材料3としては、均一な孔径を形成できるように、繊維材料3間の繊維径がほぼ同じものが好ましい。つまり、繊維材料3の繊維径分布の標準偏差値σを、繊維材料3の平均繊維径dで除した値σ/dが0.2以下(好ましくは0.18以下)であるのが好ましい。なお、全ての繊維材料3の繊維径が同じである場合には標準偏差値σが0になるため、値σ/dの下限値は0である。この平均繊維径dは、不織布を電子顕微鏡写真で撮影した写真における100本以上の繊維材料3の繊維径を計測し、この繊維径を平均した値をいう。また、繊維材料3の標準偏差値σは、計測した繊維径χを基に、次の(式2)から算出した値をいう。
Figure 2013004336
ここで、nは測定した繊維材料3の本数を意味し、χはそれぞれの繊維材料3の繊維径を意味する。
本発明に係る実施例についての測定項目である、熱収縮率、ガーレ値(透気度)、突刺し強度の測定方法は、以下の方法を用いた。
熱収縮率は、次のように測定した。まず、MD方向(流れ方向)18cm×TD方向(垂直方向)6cmでサンプルを切り出す。TD方向を2等分にする線上に上部から2cm、17cmの箇所(点A、点B)に印をする。また、MD方向を2等分する線上に左から1cm、5cmの箇所(点C、点D)に印をする。これにクリップをつけて120℃に調整したオーブンの中に吊るし、無張力下で30分間熱処理する。2点AB間、CD間長さを熱処理前後で測定し、以下の式から熱収縮率を求めた。
MD方向熱収縮率={(熱処理前のAB間長さ−熱処理後のAB間長さ)/熱処理前のAB間長さ}×100
TD方向熱収縮率={(熱処理前のCD間長さ−熱処理後のCD間長さ)/熱処理前のCD間長さ}×100
ガーレ値(透気度)は、JIS P8117に従い測定した。
突刺し強度は、カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突刺し試験を行い、最大突刺し荷重を突刺し強度とした。ここでサンプルはΦ11.3mmの穴が開いた金枠(試料ホルダー)にシリコンゴム製のパッキンも一緒に挟み固定して測定を行った。
以下の条件による実施例1〜16と比較例1〜2について、これらの測定の結果を、セパレータの作成条件を様々に変えて測定し、表1にまとめた。
(実施例1)
実施例1は、130℃の融点を有する粒子径1μmのポリエチレンの微粒子2と、電界紡糸後に繊維径0.2μmとなるポリフッ化ビニリデンの繊維材料3とを用いている。そして、微粒子2(ポリエチレン)と繊維材料3(ポリフッ化ビニリデン)の樹脂全体の合計体積を100%とした場合に、微粒子2の体積比率が50%となる配合で、溶剤としてN−ジメチルアセトアミドを用い、ホモミキサーに分散および溶解させて溶液を作成した。ここで、微粒子2(ポリエチレン)と繊維材料3の樹脂全体の合計からなる体積を100%とした場合に、微粒子2の体積比率が30%以上80%以下の範囲とした。このようにして作成した溶液を常温で溶融させて電界紡糸することで、20μmのセパレータを作成した。
(実施例2)
実施例2は、微粒子2の粒子径を0.1μmとした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例3)
実施例3は、微粒子2の粒子径を0.08μmとした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例4)
実施例4は、微粒子2の粒子径を6μmとした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例5)
実施例5は、微粒子2の粒子径を8μmとした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例6)
実施例6は、電界紡糸後に繊維材料3の繊維径が0.05μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例7)
実施例7は、電界紡糸後に繊維材料3の繊維径が0.03μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例8)
実施例8は、電界紡糸後に繊維材料3の繊維径が1μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例9)
実施例9は、電界紡糸後に繊維材料3の繊維径が1.5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例10)
実施例10は、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を30%とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例11)
実施例11は、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を20%とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例12)
実施例12は、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を80%とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例13)
実施例13は、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を90%とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例14)
実施例14は、微粒子2の粒径を6μmとし、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を30%とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例15)
実施例15は、微粒子2の粒径を0.1μmとし、電界紡糸後に繊維材料3の繊維径が1μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(実施例16)
実施例16は、電界紡糸後に繊維材料3の繊維径が0.05μmとなるようにし、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を80%とした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを作成した。
(比較例1)
比較例1は、130℃の融点を有する粒子径1μmの微粒子1(ポリエチレン)をポリビニルアルコールで溶解し、溶剤として純水を用い、ホモミキサーに分散および溶解させて溶液を作成した。このようにして作製した溶液をダイコートで20μmの膜に成膜後、水を蒸発させ、乾燥させ、加圧加熱した。条件は1kg/mの加圧で、180℃で10秒の加熱を行い、セパレータを作成した。すなわち、比較例1として、図1のように微粒子2と繊維材料3とが配置された本発明のセパレータでなく、図3に示すような従来のセパレータを作成した。
(比較例2)
比較例2は、130℃の融点を有するポリエチレンのペレットを180℃で溶解させて、押し出しながら一方向に延伸させて、セパレータを作成した。
Figure 2013004336
(熱収縮率の評価)
まず、実施例1〜16、比較例1〜2について、熱収縮率に基づいて評価を行った。
セパレータの120℃における熱収縮率としては、MD方向およびTD方向ともに、5%以下であることが好ましい。これは、発明者らの考察により、熱収縮率が5%を超えると、熱収縮を抑制することが困難になり、大きな空孔が生じることが分かったためである。電池内部においては、大きな空孔が生じることで短絡が生じ、これに伴って大きな熱が発生してしまうことがあるため、熱収縮率は5%以下が望ましい。
比較例2では、温度上昇時に延伸時の残留応力も解放されるため熱収縮が大きく、熱収縮率は、MD方向21%、TD方向14%であった。
また、粒子径が6μmの実施例4では、熱収縮率は、MD方向2.8%、TD方向2.4%であった。だが、実施例5のように粒子径が8μmとなる場合には、セパレータの膜厚方向におけるポリエチレン粒子(微粒子2)の個数が減少するため熱収縮が大きくなり、熱収縮率は、MD方向3.8%、TD方向3.0%であった。
また、微粒子2の体積比率が30%となる実施例10では、熱収縮率は、MD方向2.7%、TD方向1.9%であった。だが、実施例11のように微粒子2の体積比率が20%となる場合には、ポリエチレン粒子(微粒子2)の全体の個数が減少するため熱収縮が大きくなり、熱収縮率は、MD方向3.9%、TD方向2.9%であった。
さらに、微粒子2の粒子径を6μmとし、微粒子2の体積比率が30%とした実施例14の場合にも、熱収縮率は、MD方向3.0%、TD方向2.0%であった。
以上の結果より、微粒子2の粒子径は6μm以下が望ましく、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率は30%以上が望ましいことが分かった。
(ガーレ値(透過度)の評価)
次に、実施例1〜16、比較例1〜2について、ガーレ値(透過度)に基づいて評価を行った。
発明者らの考察により、ガーレ値が35s/100cc・μmを超えると、イオン透過性が不十分となり、セパレータの抵抗が高くなるという不具合が生じることが分かった。
比較例1では、ポリエチレンを加熱して成膜しているため、加熱時にポリエチレンが溶融し空隙が埋まる。空隙が埋まることによりガーレ値が高くなり、比較例1のガーレ値は48s/100cc・μmであった。
また、実施例2のように粒子径が0.1μmの場合のガーレ値は、24s/100cc・μmであった。だsが、実施例3のように粒子径が0.08μmとなる場合には、空隙が小さくなるため、ガーレ値が28s/100cc・μmであった。
また、電界紡糸後の繊維径が1.0μmとなる実施例8のガーレ値は23s/100cc・μmであった。だが、電界紡糸後の繊維径が1.5μmとなる実施例9の場合、流体の抵抗を受けやすくなるため、ガーレ値は29s/100cc・μmであった。
さらに、微粒子2の粒子径が0.1μmで、電界紡糸後の繊維径が1.0μmとなる実施例15の場合、ガーレ値は25s/100cc・μmであった。
以上の結果より、微粒子2の粒子径は0.1μm以上が望ましく、繊維材料3の繊維径は1.0μm以下が望ましいことが分かった。
(突刺し強度の評価)
次に、実施例1〜16、比較例1〜2について、突刺し強度に基づいて評価を行った。
発明者らの考察により、セパレータの突刺し強度は、少なくとも250g以上であることが好ましいことが分かった。これは、この突刺し強度が250g未満となると、電池内部の短絡を防止するというセパレータの本質的な機能を損ない、安全性確保が困難となる場合があることがあるためである。
比較例1では、塗膜を保持する繊維成分がないため、強度が低く、突刺し強度は192gであった。
また、電界紡糸後の繊維径が0.05μmとなる実施例6では、突刺し強度が364gであった。だが、電界紡糸後の繊維径が0.03μmとなる実施例7の場合、繊維径が小さくなったために強度が低下して、突刺し強度が321gであった。
また、微粒子2の体積比率が80%となる実施例12では、突刺し強度が351gであった。だが、実施例13のように微粒子2と繊維材料3の体積比率が90%となる場合には、繊維材料3の割合が低下したために突刺し強度311gとなった。
さらに、繊維径が0.05μmとなり、微粒子2の体積比率が80%の実施例16の場合、突刺し強度は350gであった。
以上の結果より、電界紡糸後の繊維材料3の繊維径は0.05μm以上となることが望ましく、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率は80%以下が望ましいことが分かった。
以上の結果より、140℃以下の低融点熱可塑性樹脂であると共に粒子径が0.1〜6μmである微粒子2を用い、電界紡糸後の繊維径が0.05〜1μmとなる繊維材料3を用い、微粒子2と繊維材料3の樹脂全体の合計体積を100%とした場合の微粒子2の体積比率を30%以上かつ80%以下とすることで、安全性に優れたセパレータを提供できることが分かった。
本発明に係るセパレータは、安全性に優れているので、ポータブル機器等の電池のセパレータとして有用である。
1,2 微粒子
3 繊維材料
4 セパレータ

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂の粒子を繊維材料で担持したことを特徴とする
    セパレータ。
  2. 前記粒子の融点が、140℃以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記粒子の粒子径が0.1〜6μmであることを特徴とする
    請求項1または2に記載のセパレータ。
  4. 電界紡糸によって前記粒子を前記繊維材料で担持したことを特徴とする
    請求項1から3いずれか1項に記載のセパレータ。
  5. 前記繊維材料の繊維径が0.05〜1μmであることを特徴とする
    請求項1から4いずれか1項に記載のセパレータ。
  6. 前記粒子と前記繊維材料の樹脂全体の合計からなる体積を100%とした場合に、前記粒子の体積比率が30%以上かつ80%以下であることを特徴とする
    請求項1から5いずれか1項に記載のセパレータ。
  7. 請求項1から6いずれか1項に記載のセパレータを有する
    電池。
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