JP2013001796A - ストレッチラベル用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】自己伸縮性、剛性およびフィルム製膜時の加工性に優れるストレッチラベル用フィルムを提供する。
【解決手段】下記要件(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50重量%以上90重量%以下と、下記要件(b1)、(b2)および(b3)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)10重量%以上50重量%以下とを含むストレッチラベル用フィルム。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
(a1)流動の活性化エネルギーが40kJ/mol以上。
(a2)分子量分布が5以上25以下。
(a3)メルトフローレートが0.9g/10分以上3g/10分以下。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(b1)流動の活性化エネルギーが35kJ/mol以下。
(b2)メルトフローレートが2g/10分以上10g/10分以下。
(b3)密度が900kg/m以上915kg/m以下。
【選択図】なし

Description

本発明は、ストレッチラベル用フィルムに関するものである。
エチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルムは、包装用フィルムとして広く使用されている。例えば、特許文献1には、物性の異なる2種類のエチレン−α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物からなるフィルムが記載されている。
特開2007―262280号公報
包装用フィルムの一種として、プラスチックボトルに装着されるラベルに用いられるストレッチラベル用フィルムがあり、エチレン−α−オレフィン共重合体からなるストレッチラベル用フィルムも知られている。ストレッチラベルをボトルにたるみなく密着させるために、ストレッチラベル用フィルムは、室温で引き伸ばされた後によく収縮すること(自己伸縮性)と、剛性に優れることが求められるが、例えば特許文献1に記載された樹脂組成物からなるフィルムは、ストレッチラベルに用いるには、剛性が十分ではなく、フィルム製膜時の加工性についても改良が求められていた。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、自己伸縮性、剛性およびフィルム製膜時の加工性に優れるストレッチラベル用フィルムを提供することにある。
本発明は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50重量%以上90重量%以下と、
エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(b1)、(b2)および(b3)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)10重量%以上50重量%以下と
を含む(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%とする)ストレッチラベル用フィルムである。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
(a1)流動の活性化エネルギーが40kJ/mol以上であること。
(a2)分子量分布が5以上25以下であること。
(a3)メルトフローレートが0.9g/10分以上3g/10分以下であること。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
(b1)流動の活性化エネルギーが35kJ/mol以下であること。
(b2)メルトフローレートが2g/10分以上10g/10分以下であること。
(b3)密度が900kg/m以上915kg/m以下であること。
本発明によれば、自己伸縮性、剛性およびフィルム製膜時の加工性に優れるストレッチラベル用フィルムを提供することができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1-ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンであり、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンである。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99.5重量%である。また、α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の全重量(100重量%)に対して、通常0.5〜50重量%である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくは、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、40kJ/mol以上である。エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の流動の活性化エネルギーは、自己伸縮性に優れるという観点から、好ましくは50kJ/mol以上であり、より好ましくは60kJ/mol以上であり、さらに好ましくは65kJ/mol以上である。また、好ましくは90kJ/mol以下であり、より好ましくは85kJ/mol以下であり、さらに好ましくは80kJ/mol以下であり、特に好ましくは75kJ/mol以下である。
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位はPa・secである。)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、5以上25以下である。押出負荷を低減させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のMw/Mnは、より好ましくは7以上であり、さらに好ましくは8以上である。また、高速で製膜加工できるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のMw/Mnは、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは15以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法によって得られる分子量分布曲線から、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除することにより得られる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、0.9g/10分以上3g/10分以下である。該メルトフローレートは、Tダイ成形でフィルムを成形しやすいという観点から、好ましくは1.2g/10分以上である。また、好ましくは2.5g/10分以下であり、より好ましくは2.3g/10分以下である該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、フィルムの剛性が高いという観点から、好ましくは910kg/m以上である。また、好ましくは926kg/m以下であり、より好ましくは920kg/m以下である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により変更することができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート比(以下、「MFRR」と記載することがある。)は、押出負荷を低減させるという観点から、好ましくは30以上であり、より好ましくは50以上であり、更に好ましくは70以上である。また、高速で製膜加工できるという観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該MFRRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重211.82N、温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(以下、「H−MFR」と記載することがある。)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値である。また、MFRRは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度により変更することができ、水素濃度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRRが小さくなる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、例えば、助触媒である有機亜鉛化合物を粒子状化合物に担持させてなる固体粒子状物を助触媒成分(以下、成分(イ)と記す。)として用い、アルキレン基やシリレン基等の架橋基で2つのシクロペンタジエニル型アニオン骨格が結合した構造を持つ配位子を有する遷移金属化合物(以下、成分(ロ)と記す。)を触媒成分として用いてなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。
上記成分(イ)としては、メチルアルモキサンを多孔質シリカと混合させた成分、ジエチル亜鉛と水とフッ化フェノールを多孔質シリカと混合させた成分等をあげることができる。
上記成分(イ)のより具体例として、成分(a)ジエチル亜鉛、成分(b)フッ素化フェノール、成分(c)水、成分(d)多孔質シリカおよび成分(e)1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(((CH33Si)2NH)を接触させてなる助触媒成分(以下、成分(イ)−2と記す。)をあげることができ、好ましい。
成分(b)のフッ素化フェノールとしては、ペンタフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール等をあげることができ、好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)、分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点から、フッ素数の異なる2種類のフッ素化フェノールを用いることが好ましく、この場合、フッ素数が多いフェノールとフッ素数が少ないフェノールとのモル比としては、通常、20/80〜80/20であり、フッ素数が少ないフェノールのモル比が高い方が好ましい。
上記成分(a)、成分(b)および成分(c)の使用量としては、各成分の使用量のモル比率を成分(a):成分(b):成分(c)=1:y:zとすると、yおよびzが下記の式を満足することが好ましい。
|2−y−2z|≦1
上記の式におけるyとして、好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数である。
成分(a)に対して使用する成分(d)の量としては、成分(a)と成分(d)との接触により得られる粒子に含まれる亜鉛原子のモル数が、該粒子1gあたり0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。成分(d)に対して使用する成分(e)の量としては、成分(d)1gあたり成分(e)0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましい。
上記成分(ロ)としては、エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのインデニル基が結合したジルコノセン錯体;エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのメチルインデニル基が結合したジルコノセン錯体(架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体);エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのメチルシクロペンタジエニル基が結合したジルコノセン錯体;エチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基などの架橋基で2つのジメチルシクロペンタジエニル基が結合したジルコノセン錯体等をあげることができる。また、成分(ロ)の金属原子としては、ジルコニウムとハフニウムが好ましく、さらに金属原子が有する残りの置換基としては、ジフェノキシ基やジアルコキシ基が好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体の流動活性化エネルギー(Ea)を大きくするという観点から、成分(ロ)として、架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体を用いることが好ましく、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシドを用いることがより好ましい。
上記の成分(イ)と成分(ロ)とを用いてなる重合触媒においては、適宜、有機アルミニウム化合物を助触媒成分として併用してもよく、該有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム等をあげることができる。
上記成分(ロ)の使用量は、上記成分(イ)1gあたり、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また有機アルミニウム化合物の使用量として、好ましくは、上記メタロセン錯体の金属原子1モルあたり、有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子が1〜2000モルとなる量である。
また、上記の成分(イ)と成分(ロ)とを用いてなる重合触媒においては、適宜、電子供与性化合物を触媒成分として併用してもよく、該電子供与性化合物としては、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミン等をあげることができる。
上記成分(b)のフッ素化フェノールとしてフッ素数の異なる2種類のフッ素化フェノールを用いる場合は、電子供与性化合物を併用することが好ましい。
電子供与性化合物の使用量としては、上記の助触媒成分として用いられる有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル数に対して、通常0.1〜10mol%であり、MFRRならびに分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点から、該使用量は多い方が好ましい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、より具体的には、上記成分(イ)−2、架橋型ビスインデニルジルコニウム錯体および有機アルミニウム化合物を接触させてなる触媒の存在下、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の重合方法として、好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体の粒子の形成を伴う連続重合方法であり、例えば、連続気相重合、連続スラリー重合、連続バルク重合であり、好ましくは、連続気相重合である。気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に攪拌翼が設置されていてもよい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の気相重合やスラリー重合における重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度よりも低く、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点ならびにMFRRを大きくするという観点からは、重合温度は高い方が好ましい。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、有機アルミニウム化合物、電子供与性化合物を導入してもよい。
バルク重合における重合温度としては、通常、150〜300℃である。
溶液重合における重合温度は通常150〜300℃である。
重合時間としては(連続重合反応である場合は平均滞留時間として)、通常1〜20時間である。エチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を大きくするという観点からは、重合時間(平均滞留時間)は長い方が好ましい。
また、共重合体の溶融流動性を調節する目的で、重合反応ガスに水素を分子量調節剤として添加してもよく、重合反応ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。重合反応ガス中のエチレンのモル濃度に対する重合反応ガス中の水素のモル濃度は、重合反応ガス中のエチレンのモル濃度100モル%として、通常、0.1〜3mol%である。該重合反応ガス中の水素のモル濃度を高くすることにより、得られるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を大きくすることができ、またMFRRを大きくすることができる傾向があるが、水素濃度を過度に高くしすぎると、耐衝撃性が低下する。
重合反応ガス中にα−オレフィン濃度を低くすると、密度の高いエチレン−α−オレフィン共重合体を得ることができ、剛性を向上させることができる。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造に用いられる重合触媒の各成分を反応槽に供給する方法としては、通常、窒素やアルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。重合触媒の各成分は個別に供給してもよく、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、遷移金属化合物と助触媒成分と、必要に応じて、更に、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体成分を、重合用触媒成分または重合用触媒として用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、エチレン単独で用いられ、またはエチレンとα−オレフィンとが併用される。更に好ましくは、エチレン単独で用いられ、または1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとが併用される。
予備重合固体成分中の予備重合された重合体の含有量は、助触媒成分1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続気相重合法である。予備重合を行う重合反応槽に、遷移金属化合物と助触媒成分と、必要に応じて、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを投入する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が用いられる。
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの助触媒成分の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)として、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体であり、好ましくは、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体であり、より好ましくは、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数4〜8のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含む共重合体である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体である。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、35kJ/mol以下である。該流動の活性化エネルギーは25kJ/mol以上であることが好ましい。
該流動の活性化エネルギーは、後述する製造方法において、例えば、重合温度を高くすることにより大きくなることがある。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、2g/10分以上10g/10分以下である。該メルトフローレートは、Tダイ成形でフィルムを成形しやすいという観点から、好ましくは8g/10分以下であり、より好ましくは6g/10分以下であり、さらに好ましくは4g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートが大きくなる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、900kg/m以上915kg/m以下である。本発明のフィルムの自己伸縮性が優れるという観点から、該密度は、好ましくは910kg/m以下である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)中のα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量を増減することにより調整できる。α−オレフィンに基づく単量体単位の含有量を増加することにより密度を低下させることができる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレート比(以下、「MFRR」と記載することがある。)は、押出負荷を低減させるという観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは14以上であり、更に好ましくは18以上である。また高速で製膜加工できるという観点から、好ましくは45以下であり、より好ましくは40以下であり、さらに好ましくは30以下である。該MFRRは、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重211.82N、温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(以下、「H−MFR」と記載することがある。)を、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18Nおよび温度190℃の条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で除した値である。また、MFRRは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度により変更することができ、水素濃度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMFRRが小さくなる。
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、3〜9である。押出負荷を低減させるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のMw/Mnは、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上である。また、高速で製膜加工できるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のMw/Mnは、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは7以下である。なお、該分子量分布(Mw/Mn)の値は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ法によって得られる分子量分布曲線から、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、MwをMnで除することにより得られる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の製造方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系触媒等のオレフィン重合触媒を用いて、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法、高圧重合法等の重合方法によって製造する方法があげられる。また、該重合法は、回分重合法、連続重合法のいずれでもよく、2段階以上の多段重合法でもよい。
上記のチーグラー・ナッタ系触媒としては、例えば、チタン原子、マグネシウム原子及びハロゲン原子を含有するオレフィン重合用固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒があげられ、より具体的には、特開平11−322833号公報に記載された触媒があげられる。
メタロセン系触媒としては、例えば、次の(1)〜(4)の触媒等があげられる。
(1)シクロペンタジエン形骨格を有する基を有する遷移金属化合物を含む成分と、アルモキサン化合物とを含む成分からなる触媒
(2)前記遷移金属化合物を含む成分と、トリチルボレート、アニリニウムボレート等のイオン性化合物とを含む成分からなる触媒
(3)前記遷移金属化合物を含む成分と、前記イオン性化合物を含む成分と、有機アルミニウム化合物とを含む成分からなる触媒
(4)前記の各成分をSiO2、Al23等の無機粒子状担体や、エチレン、スチレン等のオレフィン重合体等の粒子状ポリマー担体に担持または含浸させて得られる触媒
上記の有機金属化合物としては、例えば、ブチルリチウム、トリエチルアルミニウム、などがあげられる。
本発明で用いるポリエチレン系樹脂組成物中の各成分の含有量としては、該樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%として、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が50重量%以上90重量%以下であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の含有量が10重量%以上50重量%以下である。自己伸縮性に優れるという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量は好ましくは58重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上である。製膜時に引取りやすいという観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量は80重量%以下であり、さらに好ましくは70重量%以下である。
本発明で用いるポリエチレン系樹脂組成物の、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)とをブレンドする方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなど回転式のブレンダーによるドライブレンド;単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、熱ロールなどによるメルトブレンドなどがあげられる。
本発明では、必要に応じて前記した樹脂組成物と添加剤を共に用いることができる。
該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー、酸素吸収剤、離型剤があげられる。
フィルムの成形方法としては、インフレーション成形法やTダイ成形法などの押出成形法、カレンダー成形法などをあげることができる。
本発明のストレッチラベル用フィルムは、単層フィルムでもよく、多層フィルムでもよい。多層フィルムの場合は、全ての層が、それぞれ、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)を50重量%以上90重量%以下含有し、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)を10重量%以上50重量%以下含有することが好ましい。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を用いたストレッチラベル用フィルムは、プラスチックボトルに装着されるストレッチラベルの用途に好適である。
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。本発明は以下の実施例には限定されない。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
[重合体の物性]
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(2)密度(単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(7)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(1)装置:Water製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH−HT
(3)測定温度:145℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(4)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素下
[フィルムの物性]
(5)残留歪み(単位:%)
フィルム成形時のフィルム流れ方向をMD方向、MD方向と直交する方向をTD方向とした。長手方向がTD方向、幅方向がMD方向となるように、長さ110mm、幅15mmの短冊形試験片を採取し、標線間距離を50mmとした。引張試験機に試験片をチャック間距離50mmで取り付け、300mm/分の速度で引っ張り、歪みが25%となるまで(チャック間距離が62.5mmとなるまで)変形した後、チャックから試験片を外し、その直後に標線間距離T(mm)を23℃の条件で測定し、下記式により残留歪みを求めた。この値が小さいほど自己伸縮性に優れるといえる。
残留歪み={(T−50)÷50}×100
(6)剛性(1%SM)(単位:MPa)
長手方向がフィルム成形時のMD方向またはTD方向となるように、長さ0.12m、幅0.02mの短冊形試験片をそれぞれ採取し、該試験片を用いて、チャック間0.06m、引張速度5mm/minの条件で引張試験を行い、応力−歪曲線を測定した。該応力−歪曲線から、1%伸び時の荷重(単位:N)を求め、下記式から1%SMを算出した。1%SMの値が大きいほど、剛性に優れるといえる。
1%SM = [F/(t×l)]/[s/L0]/106
F :1%伸び時の荷重(単位:N)
t :試験片厚み (単位:m)
l :試験片幅 (単位:m,0.02)
L0:チャック間距離 (単位:m,0.06)
s :1%歪み (単位:m,0.0006)
(7)フィルム製膜時の押出機内での溶融樹脂の圧力(単位:MPa)
フィルム製膜時の押出機内での溶融樹脂の圧力を、SHIモダンマシナリー(株)社製のTダイフィルム成形機に備えつけられた樹脂圧力センサーにて計測した。この値が小さいほど、フィルム製膜時の樹脂の押出負荷が少なく、加工性に優れるといえる。
[実施例1]
(1)固体触媒成分(X)の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、反応器を5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、反応器内の成分を5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、洗浄した固体生成物にトルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌し、混合物を得た。その後、混合物を5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、反応器内の成分を5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、反応器内の成分を22℃に冷却し、H2O0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、反応器内の成分を22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌し、スラリーを得た。室温にて、スラリーの量が16Lとなるまでスラリーの上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌し、スラリーを得た。室温にて、スラリーから上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、洗浄した固体成分を乾燥することにより、固体触媒成分(X)を得た。
(2)予備重合触媒成分の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド109mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温してオートクレーブ内の成分を2時間撹拌した。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、上記固体触媒成分(X)0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム158mmolを投入してエチレンの重合を開始した。エチレンを0.7kg/Hrで連続供給しながら30分経過した後、オートクレーブの温度を50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/Hrと10.2リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給することによって合計4時間、エチレンを重合した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体触媒成分(X)1g当り15gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
(3)エチレン−1−ヘキセン共重合体(A−1)の製造
上記予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとを共重合して、共重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を80℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を0.4%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンモル比を1.6%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量を80kgに維持した。平均重合時間4hrであった。得られた共重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
(4)両外層用の混合物C−1−aの作製
上記A−1 60.6重量%と、スミカセンE FV401(エチレン-α-オレフィン共重合体、Ea=35kJ/mol、MFR=4g/10min、密度=905kg/m3、Mw/Mn=2.8、MFRR=18.3、住友化学(株)製、以下、B−1と略記する。物性は表2に示す。)22.8重量%と、スミカセンE FV402(エチレン-α-オレフィン共重合体、Ea=32kJ/mol、MFR=4g/10min、密度=913kg/m3、Mw/Mn=3.2、MFRR=17.2、住友化学(株)製、以下、B−2と略記する。物性は表2に示す。)16.6重量%と、下記添加剤とを、タンブラーブレンダーにてペレットブレンドし、混合物C−1−aを得た。混合物C−1−aに用いた添加剤は、混合物C−1−aに含まれる前記A−1とB−1とB−2の合計量を100重量部としたときに、滑剤であるエルカ酸アミド(以下、SA−1と略記する。)0.06重量部、滑剤であるエチレンビスオレイン酸アミド(以下、SA−2と略記する。)0.05重量部、ブロッキング防止剤である平均粒子径が5μmである合成アルミノシリケート粒子(以下、AB−1と略記する。)0.7重量部、酸化防止剤であるスミライザーGP(住友化学(株)製、以下、AO−1と略記する。)0.1重量部であった。得られた混合物C−1−aの組成を表3に示した。
(5)中間層用の混合物C−1−bの作製
上記A−1 60.1重量%と、B−1 29.7重量%と、B−2 10.2重量%と、下記添加剤とを、タンブラーブレンダーにてペレットブレンドし、混合物C−1−bを得た。混合物C−1−bに用いた添加剤は、混合物C−1−bに含まれる前記A−1とB−1とB−2の合計量を100重量部としたときに、SA−1 0.06重量部、SA−2 0.05重量部、AO−1 0.1重量部であった。得られた混合物C−1−bの組成を表3に示した。
(6)フィルムの加工
前記混合物C−1−aと混合物C−1−bとを用いて、SHIモダンマシナリー(株)社製のTダイフィルム成形機にて多層フィルムを製造した。直径50mm、L/Dが32(Lは押出機のシリンダーの長さ、Dは押出機のシリンダーの直径)の押出機のブレーカープレート(φ51mm)に、焼結フィルター(日本精線社製MFF NF06、ろ過径:10μm)を、80メッシュの金網で挟む構成でセットした。なお、前記押出機は3台備え付けられている。外層1用の押出機と、外層2用押出機に、それぞれ前記混合物C−1−aを投入し、中間層用押出機に前記混合物C−1−bを投入し、それぞれ230℃にて溶融混練した後、前記焼結フィルターを通して230℃に温調したTダイ(600mm幅)へ供給し、該Tダイから外層1C−1−a/中間層C−1−b/外層2C−1−aをそれぞれ1/2/1の層比(厚み比)で押し出した後、50℃のチルロールで引き取ることによって冷却固化し、80μm厚みのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示した。
[実施例2]
(1)両外層用の混合物C−2−aの作製
上記A−1を80.8重量%、B−1を2.6重量%とする以外は実施例1の両外層用混合物C−1−aと同様にブレンドし、混合物C−2−aを得た。得られた混合物C−2−aの組成を表3に示した。
(2)中間層用の混合物C−2−bの作製
A−1を80.2重量%、B−1を9.6重量%とする以外は実施例1の中間層用混合物C−1−bと同様にブレンドし、混合物C−2−bを得た。得られた混合物C−2−bの組成を表3に示した。
(3)フィルムの加工
前記混合物C−2−aと混合物C−2−bとを用いて、実施例1と同様の方法で、80μm厚みのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示した。
[比較例1]
(1)両外層用の混合物C−3−aの作製
A−1を30.3重量%、B−1を53.1重量%とする以外は実施例1の両外層用混合物C−1−aと同様にブレンドし、混合物C−3−aを得た。得られた混合物C−3−aの組成を表3に示した。
(2)中間層用の混合物C−3−bの作製
上記A−1を30.1重量%、B−1を59.7重量%とする以外は実施例1の中間層用混合物C−1−bと同様にブレンドし、混合物C−3−bを得た。得られた混合物C−3−bの組成を表3に示した。
(3)フィルムの加工
前記混合物C−3−aと混合物C−3−bとを用いて、実施例1と同様の方法で、80μm厚みのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示した。
[比較例2]
(1)エチレン−1−ヘキセン共重合体(A−2)の製造
実施例1に記載の予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ヘキセンとを共重合して、共重合体パウダーを得た。エチレンに対する水素モル比を1.59%、エチレンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ヘキセンモル比を1.25%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量を80kgに維持した。平均重合時間4hrであった。得られた共重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン共重合体(A−2)を得た。得られた共重合体の物性を表1に示した。
(2)両外層用の混合物C−4−aの作製
上記A−2 61.8重量%と、B−2 38.2重量%と、下記添加剤とを、タンブラーブレンダーにてペレットブレンドし、混合物C−4−aを得た。混合物C−4−aに用いた添加剤は、混合物C−4−aに含まれる前記A−2とB−2の合計量を100重量部としたときに、SA−1 0.06重量部、SA−2 0.05重量部、AB−1 0.7重量部、AO−1 0.1重量部であった。得られた混合物C−4−aの組成を表3に示した。
(3)中間層用の混合物C−4−bの作製
上記A−2 61.1重量%と、B−2 38.9重量%と、下記添加剤とを、タンブラーブレンダーにてペレットブレンドし、混合物C−4−bを得た。混合物C−4−bに用いた添加剤は、混合物C−4−bに含まれる前記A−2とB−2の合計量を100重量部としたときに、SA−1 0.06重量部、SA−2 0.05重量部、AO−1 0.1重量部であった。得られた混合物C−4−bの組成を表3に示した。
(4)フィルムの加工
前記混合物C−4−aと混合物C−4−bとを用いて、実施例1と同様の方法で、80μm厚みのフィルムを得た。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示した。
Figure 2013001796
Figure 2013001796
Figure 2013001796

Claims (1)

  1. エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(a1)、(a2)および(a3)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50重量%以上90重量%以下と、
    エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含み、下記要件(b1)、(b2)および(b3)の全てを充足するエチレン−α−オレフィン共重合体(B)10重量%以上50重量%以下と
    を含む(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計量を100重量%とする)ストレッチラベル用フィルム。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(A)
    (a1)流動の活性化エネルギーが40kJ/mol以上であること。
    (a2)分子量分布が5以上25以下であること。
    (a3)メルトフローレートが0.9g/10分以上3g/10分以下であること。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
    (b1)流動の活性化エネルギーが35kJ/mol以下であること。
    (b2)メルトフローレートが2g/10分以上10g/10分以下であること。
    (b3)密度が900kg/m以上915kg/m以下であること。
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