JP2013001338A - 直流電気鉄道の電力貯蔵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】早朝、夜間時において、回生電力ではないき電電力の吸収を抑制すると共に、走行電気車の回生失効を抑制する直流電気鉄道の電力貯蔵装置を提供する。
【解決手段】早朝,夜間時において電気車が存在しない場合、および、電気車は存在するが回生電流が無い場合は、き電電圧Vdcの上昇に応じて、充電基準電圧Vdcrefを上昇させる。一方、早朝,夜間時において、電気車が存在し、その電気車から回生電流が発生した時は、電力貯蔵装置と電気車の距離と、回生電流に応じて充電基準電圧Vdcrefを設定する。
【選択図】図9
【解決手段】早朝,夜間時において電気車が存在しない場合、および、電気車は存在するが回生電流が無い場合は、き電電圧Vdcの上昇に応じて、充電基準電圧Vdcrefを上昇させる。一方、早朝,夜間時において、電気車が存在し、その電気車から回生電流が発生した時は、電力貯蔵装置と電気車の距離と、回生電流に応じて充電基準電圧Vdcrefを設定する。
【選択図】図9
Description
本発明は、直流電気鉄道に係り、特に、き電線の電圧安定化のために電圧補償装置として利用される電力貯蔵装置に関する。
直流電気鉄道においては、電気車の力行,回生時に発生するき電電圧の電圧降下,電圧上昇を抑制するため、電力貯蔵装置が設けられている。この電力貯蔵装置は、蓄電手段としての電気二重層キャパシタ(以下、EDLCと称する)を有し、このEDLCには電気車からの回生電力が双方向チョッパを介して充電されるようになっている。
早朝,夜間時においては、走行電気車が少ない(または、存在しない)ため、昼間と比べてき電線の電力消費が極端に少なく、き電電圧が上昇する。また、早朝,夜間は、昼間と比べて電気車,鉄道以外の一般の電力消費も減少するため、鉄道変電所への送電系統電圧が昼間よりも上昇することがあり、き電電圧がさらに上昇することとなる。このように、き電電圧が上昇することにより、以下の問題が発生する。
早朝,夜間の無負荷時にき電電圧が上昇し、き電電圧が充電基準電圧を超えると、回生車が存在しないのにもかかわらず、電力貯蔵装置は回生吸収動作を行ってしまう。すなわち、早朝,夜間時の無負荷時における充電動作は、回生電力の吸収ではなく、き電線電力の吸収を行ってしまうこととなり、不要動作となる。
また、その解決策として、早朝,夜間時に電力貯蔵装置を停止し、き電線電力の吸収を抑制する方法が考えられる。しかしながら、走行電気車が存在しない場合は問題ないが、走行電気車が存在する場合は、電力貯蔵装置が停止しており、かつ、き電電圧が上昇しているため、電気車の回生に対応できない。すなわち、早朝,夜間時において、電力貯蔵装置を停止した場合、電気車は回生失効に至り易い。また、機械ブレーキの動作も増加するため、機械ブレーキにおけるブレーキディスク等の部品の磨耗が顕著となり、部品の短寿命化につながってしまう。
以上示したようなことから、早朝、夜間時において、回生電力ではないき電電力の吸収を抑制すると共に、走行電気車の回生失効を抑制する直流電気鉄道の電力貯蔵装置を提供することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、き電電圧が充電基準電圧以上の場合、き電電圧を双方向チョッパを介して蓄電手段に充電し、き電電圧が放電基準電圧以下の場合は、双方向チョッパを介して蓄電手段からき電線に放電することにより、当該き電電圧の電圧降下,電圧上昇を抑制する直流電気鉄道の電力貯蔵装置であって、前記双方向チョッパの制御部は、早朝,夜間時において電気車が存在しない場合、および、電気車は存在するが回生電流が発生しない場合は、き電電圧の上昇に応じて、充電基準電圧を上昇させ、早朝,夜間時において、電気車が存在し、その電気車から回生電流が発生した場合は、電力貯蔵装置と電気車の距離と回生電流に応じて、充電基準電圧を設定することを特徴とする。
また、前記双方向チョッパの制御部は、早朝,夜間時において、電気車が存在しない場合、および、電気車は存在するが、回生電流が発生しない場合は、充電基準電圧を下記(2)式により算出しても良い。
また、前記双方向チョッパの制御部は、早朝,夜間時において、電気車が存在しない場合、および、電気車は存在するが、回生電流が発生しない場合は、充電基準電圧を下記(4),(5)式により算出しても良い。
また、前記双方向チョッパの制御部は、走行電気車または司令所からの情報により走行電気車の有無を判断し、走行電気車が存在しない場合は、充電を開始しないように設定しても良い。
本発明によれば、早朝,夜間時において、回生電力ではないき電電力の吸収を抑制すると共に、走行電気車の回生失効を抑制する直流電気鉄道の電力貯蔵装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態1,2における直流電気鉄道の電力貯蔵装置を図面等に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、電力貯蔵装置10を直流電気鉄道に用いた場合の概略図である。図1には、き電線1と、き電線1から電力が供給され、レール2を走行する電気車3と、き電線1とレール2との間に介挿された電力貯蔵装置10と、が図示されている。
図1は、電力貯蔵装置10を直流電気鉄道に用いた場合の概略図である。図1には、き電線1と、き電線1から電力が供給され、レール2を走行する電気車3と、き電線1とレール2との間に介挿された電力貯蔵装置10と、が図示されている。
電力貯蔵装置10は、直流/直流変換手段としての双方向チョッパ部11と、蓄電手段(例えば、EDLC:以下、EDLCと称する)14と、を備えている。
前記双方向チョッパ部11は、き電線1とレール2との間に直列接続された半導体スイッチング素子12a,12b(例えば、IGBT等)と、一端が半導体スイッチング素子12a,12bの共通接続点に接続された平滑リアクトル13と、を備えている。また、EDLC14は、平滑リアクトル13の他端とレール2との間に介挿されている。
また、電力貯蔵装置10は、図2に示すように、フィルタ用リアクトル16と、フィルタ用コンデンサ17と、き電電流検出器15と、き電電圧検出器18と、EDLC電圧検出器19と、EDLC電流検出器20と、を備えている。フィルタ用リアクトル16およびフィルタ用コンデンサ17は、き電線1とレール2との間に直接接続されている。
上記のように構成された電力貯蔵装置10が適用された直流電気鉄道においては、図1に示すように、電気車3が回生ブレーキを動作させると、回生電力によりき電線1の電圧(以下、き電電圧と称する)が上昇する。特に、無負荷の場合は、急激に上昇することとなる。そして、き電電圧が上昇すると電力貯蔵装置10が充電を開始し、回生電力を吸収する。
一方、電気車3が力行するときは、電気車3が大きな負荷となる。その結果、き電電圧が低下するため、電力貯蔵装置10は放電を開始し、これにより電力を補償する。
図3は、電力貯蔵装置10における運転モードの設定手順を示すフローチャートである。まず、電力貯蔵装置き電電圧Vdcが充電基準電圧Vdcref以上か否かを判断し(S1)、充電基準電圧Vdcref以上の場合、S2の充電動作(回生吸収動作)へ移行し、この充電動作を運転モードとして設定する(S3)。
一方、電力貯蔵装置き電電圧Vdcが充電基準電圧Vdcref以上でない場合は、S4へ移行し、電力貯蔵装置き電電圧Vdcが放電基準電圧以下か否かを判定する。ここで、き電電圧が放電基準電圧以下の場合は放電動作(電力補償動作)へ移行し(S5)、この放電動作を運転モードとして設定する。また、S4でき電電圧が放電基準電圧以下でないと判断された場合は、待機動作(S6)へ移行し、この待機動作が運転モードとして設定される(S3)。
すなわち、電力貯蔵装置10は、電力貯蔵装置き電電圧Vdcが充電基準電圧Vdcrefを超えると回生吸収(充電)を行ってき電電圧を一定に保つように動作し、EDLC14に充電する。一方、電力貯蔵装置き電電圧Vdcが放電基準電圧より下がると、EDLC14より放電し、き電電圧を一定に保つように動作する。
次に、直流電気鉄道における回生ブレーキ6と機械ブレーキ7の協調制御を、図4に基づいて説明する。図4に示すように、ブレーキハンドル4からのブレーキ指令は、ブレーキ制御装置5に出力される。ブレーキ制御装置5では、ブレーキ指令から回生ブレーキにおける回生トルク発生量信号を減算し、回生ブレーキ6のみでは不足するブレーキ力を算出する。そして、この不足するブレーキ力を機械ブレーキ7により補足している。
そのため、き電電圧が高い時ほど機械ブレーキ7の割合が増加し、き電電圧がある電圧(回生失効電圧)以上になると、機械ブレーキ7のみでブレーキ力をまかなうこととなる。
次に、電気車3と電力貯蔵装置10の協調動作例を、図5(分散方式),図6(集中方式)に基づき説明する。
図5に示す分散方式は、機器(電気車3,電力貯蔵装置10)毎に情報を交換し、その情報に基づいて機器毎に制御値を判断し制御する方式である。一方、図6に示す集中方式は、機器(電気車3,電力貯蔵装置10)の情報を、運転を管理する司令所8に一旦集め、司令所8において前記情報に基づいて制御値を判断し、指令所8から各機器に制御値を出力する方式である。
ここで、電気車3から出力される情報としては、位置情報(GPS,軌道信号等),回生電流,パンタ点電圧,回生絞り開始電圧,回生失効電圧,回生絞りノッチ(回生中)等が挙げられる。また、電力貯蔵装置10から出力される情報としては、EDLC14の充電率,充電電流等が挙げられる。さらに、制御値としては充電基準電圧,ブレーキノッチ上限等が挙げられる。
図7は、実施形態における双方向チョッパ部11の半導体スイッチング素子12a,12bを制御する制御部50の構成図である。また、図11は従来の制御部50の構成図である。
図7において、前記き電電圧検出部18で検出された電力貯蔵装置10のき電電圧検出値Vdcと、充電基準電圧値Vdcrefとの偏差を減算部51で求め、規格化演算部52において、その偏差を定格値で除算して規格演算出力値(例えば、定格電圧2000Vで、入力電圧1000Vの場合、規格演算出力値として0.5となる)を得る。この規格演算出力値は、PIアンプ53に入力されて出力に電流指令値を得る。この電流指令値は、リミッタ54に入力されて「0〜1」に制限処理される。
このリミッタ54により制限処理された電流指令値と、フィルタ56によりEDLC14の内部抵抗値を考慮して電流指令値を絞りこんだ新たな電流指令値とを比較器55により比較して、小さい方の電流指令値を充電電流指令値として出力する。
この充電電流指令値は、(Iedlc+(Vedlc_max−Vedlc)/Redlc)/Iedlc_maxにより算出される。なお、IedlcはEDLC14に流れる電流であり、Vedlc_maxはEDLC電圧Vedlcの最大値であり、Iedlc_maxはEDLC電流Iedlcの最大値である。
前記比較器55から出力された充電電流指令値とEDLC14の充電電流検出値(EDLC電流検出値20で検出)との偏差を偏差部57で求め、その偏差出力がPIアンプ58に出力される。このPIアンプ58により双方向チョッパ部11のデューティを決めるPI制御出力が送出される。
PIアンプ58から送出されたPI制御出力は、リミッタ59で「0〜1」に制限処理されてDutyアンプ60に出力される。Dutyアンプ60は双方向チョッパ部11のデューティ比を決定する。そして、このDutyアンプ60から出力されるデューティ比に見合ったPWM信号をCMP生成部61で生成する。
AND回路62には、例えば図3において充電動作を運転モードに設定した時に電力貯蔵装置10が発生する充電許可条件信号と、ゲート許可条件信号(充放電許可モード)と、走行電気車3(または、司令所8)からの情報により判断した走行電気車有無条件信号と、が供給され、これら充電許可条件信号とゲート許可条件信号と走行電気車有無条件信号が満たされたとき、そのAND回路部62の出力信号が、AND回路63の第1入力端子に供給される。一方、従来の制御部50におけるAND回路62は、充電許可条件信号とゲート許可条件信号のみを入力信号としており、ここが本実施形態と異なる。
また、CMP生成部61で生成されたPWM信号がAND回路63の第2入力端子に供給される。これら両入力端子に信号が供給された時に、AND回路63からは双方向チョッパ部11を制御するゲート信号が送出され、そのゲート信号により双方向チョッパ部11が制御されてEDLC14への充電電流が制御される。
ここで、本実施形態1の通常時における充電基準電圧Vdcrefの設定方法について説明する。通常時は、電気車3の回生絞りが電力貯蔵装置10の充電絞りよりも先に動作するように、最も遅い場合でも同時に動作するように充電基準電圧Vdcrefを設定する。そのためには、EDLC電圧Vedlcが電力貯蔵装置10の充電絞り開始電圧Vedlc充電絞り開始に到達する前に、電気車3のき電電圧Vtrainが回生絞りの動作開始電圧Voffsetを超える必要がある(または、同時に到達する必要がある)。すなわち、充電基準電圧Vdcrefを、下記(1)式のように設定している。
なお、上記(1)式中のa1は、EDLC14の内部抵抗とEDLC電流検出器20が検出するEDLC14の充電電流との乗算で求められる電圧から、当該電圧の加算によりEDLC14が過電圧とならないように決定される変数である。また、Vdc2は、電気車3の回生絞りを電圧貯蔵装置10の充電絞りよりも先に動作させるための設定値である。
図8を用いて、上記(1)式をさらに説明する。図8は上記(1)式を説明するための図面であり、縦軸に充電基準電圧Vdcrefをとり、横軸にEDLC電圧Vedlcをとっている。
傾きに相当するa1に(Vedlc−Vedlc充電絞り開始)を乗算し、Vdc2を加算することにより、図8における2本の斜め線(一方がVdc2>Voffset,他方がVdc2=Voffset)に相当した値となる。ここで、Vdc2は前記斜め線と充電絞り開始電圧を示す直線の交点となる。そのため、Vdc2>Voffsetの場合は、必ず電気車3の回生絞りが電力貯蔵装置10の充電絞りよりも先に動作し、Vdc2=Voffsetの場合は、Dte=0で電気車3の回生絞りと電力貯蔵装置10の充電絞りが同時に動作することとなる。
次に、早朝,夜間時において、き電電圧が上昇している時間帯の電力貯蔵装置10の動作を“電気車有り”、“電気車無し”に場合分けして説明する。
[電気車無しの場合]
電力貯蔵装置10は、前記分散方式(図5)、または、集中方式(図6)によって、電気車3(または司令所8)からの情報を得ることにより、電気車3の有無を知ることができる。電力貯蔵装置10は電気車3が存在しない場合、充電開始電圧Vdcrefを、き電電圧Vdcの上昇に従って上昇させることにより回生吸収動作を抑制する。
電力貯蔵装置10は、前記分散方式(図5)、または、集中方式(図6)によって、電気車3(または司令所8)からの情報を得ることにより、電気車3の有無を知ることができる。電力貯蔵装置10は電気車3が存在しない場合、充電開始電圧Vdcrefを、き電電圧Vdcの上昇に従って上昇させることにより回生吸収動作を抑制する。
また、前述したとおり、AND回路62の入力信号に電気車有無条件信号を付加する。これにより、仮に電力貯蔵装置き電電圧Vdcの上昇に対して充電基準電圧Vdcrefの上昇が間に合わない場合でも、電気車3が存在しない場合はAND回路62の条件が成立しないため、回生吸収動作を防止することが可能となる。
[電気車有りの場合]
電力貯蔵装置10は、前記分散方式(図5)、または、集中方式(図6)によって、電気車3(または、司令所8)からの情報を得ることにより、電気車3の有無、および、電気車回生電流Iregの有無を知ることができる。そこで、電力貯蔵装置10は“電気車有り”で“回生電流無し”の場合は、充電基準電圧Vdcrefを、き電電圧Vdcの上昇に従って上昇させることにより、回生吸収動作を防止する。
電力貯蔵装置10は、前記分散方式(図5)、または、集中方式(図6)によって、電気車3(または、司令所8)からの情報を得ることにより、電気車3の有無、および、電気車回生電流Iregの有無を知ることができる。そこで、電力貯蔵装置10は“電気車有り”で“回生電流無し”の場合は、充電基準電圧Vdcrefを、き電電圧Vdcの上昇に従って上昇させることにより、回生吸収動作を防止する。
ここで、図9に基づき、早朝や夜間時において、“電気車無し”または、“電気車有り”で“回生電流無し”の場合における充電基準電圧Vdcrefの設定方法について説明する。この場合には、上記(1)式の代わりに下記(2)式を用いて、充電基準電圧Vdcrefを設定する。
上記(2)式は、上記(1)式のVdcsにVoff2を加算したものである。Voff2は電力貯蔵装置き電電圧Vdcの測定値Vdc測定値から、無負荷時における電力貯蔵装置き電電圧Vdcの基準値Vdc無負荷基準値を減算した値である。すなわち、Voff2は、電力貯蔵装置き電電圧Vdcの上昇に伴って上昇する値である。そのため、充電基準電圧VdcrefとしてVdcs+Voff2が出力されている場合、充電基準電圧Vdcrefは、電力貯蔵装置き電電圧Vdcの上昇に伴って上昇することとなる。
また、充電基準電圧Vdcrefとして、a1×(Vedlc−Vedlc充電開始)+Vdc2が出力されている場合は、(1)式と同様に、Vdc2>Voffsetの場合は、必ず電気車3の回生絞りが電力貯蔵装置10の充電絞りよりも先に動作し、Vdc=Voffsetの場合は、Dte=0で電気車3の回生絞りと電力貯蔵装置10の充電絞りが同時に動作することとなる。
一方、電力貯蔵装置10は、“電気車有り”で“回生電流有り”の場合、電気車3と電力貯蔵装置10との距離Dteと回生電流Iregに応じて適切な充電基準電圧Vdcrefを設定する。
この場合の充電基準電圧Vdcrefは、例えば下記(3)式により算出することができる。
上記(3)式に示すように、充電基準電圧Vdcrefを設定することにより、回生電力を電力貯蔵装置10に吸収させることができる。
本実施形態1のように、充電基準電圧Vdcrefを設定することにより、電気車3が存在しない場合、または、電気車3が存在し、回生電流Iregが無い場合は、充電基準電圧Vdcrefは、電力貯蔵装置き電電圧Vdcの上昇に伴って上昇するため、回生電力でないき電電圧の吸収を行う不要動作を抑制することができる。
また、電力貯蔵装置き電電圧Vdcの上昇に対して充電基準電圧Vdcrefの上昇が間に合わない場合でも、電気車3が存在しない時は、AND回路62の条件が成立しないため、回生電力でないき電電圧の吸収を行う不要動作を防止することができる。
さらに、電気車3が回生し、電力貯蔵装置き電電圧Vdcが高い場合は、回生電力を電力貯蔵装置10に吸収させることができる。その結果、電気車3の回生失効を抑制すると共に、機械ブレーキ動作が増加し、ブレーキディスク等の部品の磨耗を抑制することが可能となる。
[実施形態2]
本実施形態2における電力貯蔵装置10について説明する。本実施形態2における電力貯蔵装置10は、早朝や夜間時において、“電気車無し”または“電気車有り”で“回生電流無し”の場合における充電基準電圧Vdcrefの設定方法以外は、実施形態1と同様である。
本実施形態2における電力貯蔵装置10について説明する。本実施形態2における電力貯蔵装置10は、早朝や夜間時において、“電気車無し”または“電気車有り”で“回生電流無し”の場合における充電基準電圧Vdcrefの設定方法以外は、実施形態1と同様である。
本実施形態2は、EDLC電圧VedlcがVedlc2よりも大きい場合、充電基準電圧Vdcrefを下記(4)式とし、EDLC電圧VedlcがVedlc2よりも小さい場合は充電基準電圧Vdcrefを下記(5)式とするものである。なお、Vedlc2は、下記(4)式を選択するか、下記(5)式を選択するかの基準点であり、予め設定された値とする。
上記(4)式のVoffset−(Vdcs+Voff2)/Vedlc−Vedlc2は、図10の斜め線の傾きに相当する。この傾きにVedlc−Vedlc充電絞り開始を乗算し、Vdcs+Voff2を加算することにより、図10のグラフの斜め線に相当した値となる。なお、本実施形態2では、Vdc2=Voffsetとなるため、電気車3の回生絞り開始と電力貯蔵装置10の充電絞り開始はDte=0で同時に動作することとなる。
上記(5)式の場合、実施形態1と同様に、充電基準電圧Vdcrefは、き電電圧Vdcの上昇に伴って引き上げられることとなる。
このように、充電開始電圧Vdcrefを設定することにより、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
例えば、実施形態2では、Vdc2=Voffsetとなるように、充電基準電圧Vdcrefを設定したが、Vdc2≧Voffsetとなるように充電基準電圧Vdcrefを設定しても良い。
1…き電線
3…電気車
10…電力貯蔵装置
11…双方向チョッパ
14…蓄電手段(EDLC)
50…制御部
Vdc…き電電圧
Vdcref…充電基準電圧
Ireg…回生電流
Dte…電力貯蔵装置‐電気車間距離
3…電気車
10…電力貯蔵装置
11…双方向チョッパ
14…蓄電手段(EDLC)
50…制御部
Vdc…き電電圧
Vdcref…充電基準電圧
Ireg…回生電流
Dte…電力貯蔵装置‐電気車間距離
Claims (4)
- き電電圧が充電基準電圧以上の場合、き電電圧を双方向チョッパを介して蓄電手段に充電し、き電電圧が放電基準電圧以下の場合は、双方向チョッパを介して蓄電手段からき電線に放電することにより、当該き電電圧の電圧降下,電圧上昇を抑制する直流電気鉄道の電力貯蔵装置であって、
前記双方向チョッパの制御部は、
早朝,夜間時において電気車が存在しない場合、および、電気車は存在するが回生電流が発生しない場合は、き電電圧の上昇に応じて、充電基準電圧を上昇させ、
早朝,夜間時において、電気車が存在し、その電気車から回生電流が発生した場合は、電力貯蔵装置と電気車の距離と回生電流に応じて、充電基準電圧を設定することを特徴とする直流電気鉄道の電力貯蔵装置。 - 前記双方向チョッパの制御部は、
走行電気車または司令所からの情報により走行電気車の有無を判断し、走行電気車が存在しない場合は、充電を開始しないことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の直流電気鉄道の電力貯蔵装置。
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