好適実施例の詳細な説明
本発明について、複数の実施例を示す添付図面を参照しながら、ここからより詳細な説明を行う。しかし本発明は、多数の形態で実施可能であり、以下に挙げる実施例に制限されるものではない。むしろこれらの実施例は本発明の例であり、請求項の文面により完全な範囲が示される。類似番号は、類似または対応する要素に言及する。
本発明の文脈において、以下の定義および略称を使用する:
RFは無線周波数(radio frequency)、sccmは標準立方センチメートル毎分(standard cubic centimeters per minute)を指す。
本発明の文脈における用語「少なくとも」は、前述用語の後に続く整数「以上」であることを意味する。用語「からなる」はその他の要素または手順が含まれる場合があり、単数形物質は別途指定がない限り複数である場合がある。
「第1」および「第2」または類似の、例えば処理 ステーションまたは処理機器を指す用語は、存在する処理ステーションまたは機器の最低数を示すが、必ずしも処理 テーションおよび機器の順番または合計数を表すものではない。これらの用語は、処理ステーションまたは各ステーションで行われる特定の処理の数を制限するものではない。
本発明の目的において、「有機ケイ素前駆体」は以下の結合を少なくとも1つ有する化合物である:
当該結合は、酸素原子1つおよび有機炭素原子1つ(有機炭素原子は少なくとも1つの水素原子と結合する炭素原子)と結合する四価ケイ素原子である。PECVD装置内で蒸気として供給される前駆体として定義される揮発性有機ケイ素前駆体が、望ましい有機ケイ素前駆体である。好ましくは当該有機ケイ素前駆体は、線状シロキサン、単環シロキサン、多環シロキサン、ポリシルセスキオキサン、アルキルトリメトキシシラン、線状シラザン、単環シラザン、多環シラザン、ポリシルセスキアザン、およびこれらの前駆体2つ以上の複合体からなる群から選択される。
本発明の文脈において、一部の実施例のガス状反応物質について「本質的に無酸素」または(同意語として)「実質上無酸素」の表現が追加されている。 これは、一部の残存大気中酸素が反応空間に存在する場合があり、前手順で供給され完全に排出されなかった残存酸素が反応空間に存在する場合があるという意味であり、本質的に酸素が存在しないことを定義する。特にガス状反応物質が1 vol%未満のO2からなる場合、より好ましくは0.5 vol%未満のO2からなる場合、さらにより好ましくはO2を一切含んでいない場合、酸素は当該ガス状反応物質内に事実上存在しない。また酸素が当該ガス状反応物質に一切追加されない場合、またはPECVD中に酸素の存在が一切認められない場合もまた、「実質的に無酸素」の範疇に入る。
本発明の文脈における「容器」は、少なくとも1つの開口部と内面を定義する壁を有するあらゆる種類の容器である場合がある。本発明の文脈における用語「少なくとも」は、前述用語の後に続く整数「以上」であることを意味する。したがって、本発明の文脈における容器は、1つ以上の開口部を有する。検体管の開口部(1つ)またはシリンジバレルの開口部(2つ)のように、1つまたは2つの開口部が望ましい。当該容器が2つの開口部を有する場合、それらは同一または異なるサイズである場合がある。開口部が1つ以上である場合、1つの開口部は本発明に記載のPECVD被覆法のガス吸入のために使用し、その他の開口部は蓋をするか開口状態にすることが可能である。本発明に記載の容器は、例えば血液、尿などの生物学的流体を採取/保管する検体管、 生物学的に活性な化合物または組成物(薬剤または医薬組成物)を保管/搬送するシリンジ(またはシリンジバレルなどその一部)、生体物質または生物学的に活性な化合物または組成物を保管するバイアル、生体物質または生物学的に活性な化合物または組成物を搬送する導管(例えばカテーテル)、流体例えば生体物質または生物学的に活性な化合物または組成物を把持するキュベットである可能性がある。
容器はあらゆる形状をとる場合があり、少なくとも1つの開口端に隣接する実質上シリンダー状の壁を有する容器が望ましい.通常、当該容器の内部壁は、例えば検体管またはシリンジバレルのようにシリンダー状の形状をしている。検体管またはシリンジまたはその一部(例えばシリンジバレル)が特に望ましい。
本発明の文脈における「疎水性被覆材」は、前述被覆材で被覆される表面のぬれ張力を、非被覆表面と比較して低下させる被覆材を意味する。疎水性は、したがって、非被覆基板および被覆の両方の機能である。適切な変更を伴う同様のことが、用語 「疎水性」が使用されるその他の文脈に適用される。用語「親水性」はその反対を意味し、すなわち参照検体と比較してぬれ張力が増大することを意味する。本発明の文脈において特定の疎水性被覆材は、経験的公式または総和公式SiwOxCyHz(wは1、xは0.5〜2.4、yは0.6 〜3、およびzは2〜9)を有する被覆材である場合がある。
「ぬれ張力」とは、表面の疎水性または親水性の特定の測定値である。本発明の文脈における望ましいぬれ張力の測定方法は、ASTM D 2578またはASTM D 2578内で説明される方法の改良法である。当該方法では、標準のぬれ張力溶液(ダイン溶液と呼ばれる)を使用して、当該溶液が2秒間でプラスチック膜表面の湿潤状態にどれだけ近づくかを判定する。これが当該膜のぬれ張力である。 本明細書内で使用される手順はASTM D 2578のものとは異なり、当該基板は平板プラスチック膜ではなく、「PET管を成形するためのプロトコル」に従い製造され(対照を除き)「管内部を疎水性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従い被覆された管である(実施例9を参照)。
本発明に記載の「潤滑性被覆材」は、非被覆表面より摩擦抵抗が低い潤滑性被覆材を指す。言い換えれば、非被覆の参照表面と比較して被覆表面の摩擦抵抗を低下させる被覆材である。「摩擦抵抗」は、静的摩擦抵抗 および/または動的摩擦抵抗である場合がある。本発明の望ましい実施例の1つに、潤滑性被覆材で被覆されたシリンジの部品、例えばシリンジバレルまたはプランジャーが挙げられる。この望ましい実施例において、本発明の文脈における静的摩擦抵抗は本明細書で定義する起動力であり、本発明の文脈における動的摩擦抵抗は本明細書で定義するプランジャースライド力である。例えば、本明細書で定義し決定するプランジャースライド力は、当該被覆材がシリンジまたはシリンジ部品、例えばシリンジバレル内壁に塗布されるときはいつでも、本発明の文脈における潤滑性被覆材の有無および潤滑性特性を決定するのに適する。当該起動力は、充填済みシリンジに対する被覆材作用の評価に特定の関連があり、すなわち、被覆後に充填され当該シリンジを再び動かす(「起動」する)まで長期保存(数カ月または数年)されるシリンジに関する。
本発明の文脈における「プランジャースライド力」は、例えば吸引または投与の際にシリンジバレル内でのプランジャーの移動を維持するのに必要な力である。これは有利に、本明細書内で述べるおよび当技術分野で周知のISO 7886-1:1993試験を利用して決定される。当技術分野で使用される「プランジャースライド力」の類義語として、「プランジャー力」または「プッシュ力」が挙げられる。
本発明の文脈における「起動力」は、シリンジ内(例えば充填済みシリンジ内)のプランジャーの移動に必要な初期動力である。
「プランジャー スライド力」と「起動力」およびそれらの測定方法は、後続セクションでより詳細に説明する。
「スライド可能に」とは、当該プランジャーをシリンジバレル内でスライドできる状態であることを指す。
本発明の文脈において、「実質上固定」とは、いかなる当該組立部品も互いに大幅に位置を変えることなしに、当該組立部品(以下でさらに説明するポート、ダクト、筺体)を1つのユニットとして移動可能であることを意味する。具体的には、ホースまたは通常の使用において当該部品同士の実質的な相対的移動を引き起こす類似部材により、接続されている部品はないということである。実質上固定状態のこれらの部品の提供により、当該容器ホルダー上の装填済み容器の位置が、当該筺体に固定されているこれらの部品の位置とほぼ同様に既知かつ正確であることが可能となる。
以下において、まず本発明を実行する装置を説明し、その後当該被覆法、被覆材と被覆容器、本発明に記載の使用法について説明する。
I. 複数処理ステーションと複数容器ホルダーを有する容器処理システム
I.容器処理システムが第1処理ステーション、第2処理ステーション、多数の容器ホルダー、およびコンベヤーからなると考えられる。当該第1処理ステーションは、開口部および内面を定義する壁を有する容器を処理するよう設定される。当該第2処理ステーションは、当該第1処理ステーションから離れて設置され、開口部および内面を定義する壁を有する容器を処理するよう設定される。
I.一部の、随意にすべての当該容器ホルダーは、第1処理ステーションにおいて当該容器ポート経由で装填済み容器の内面を処理するために、当該容器開口部を収受し装填するよう設定される容器ポートを含む。当該コンベヤーは、第2処理ステーションにおいて当該容器ポート経由で装填済み容器の内面を処理するために、第1処理ステーションから第2処理ステーションへと一連の当該容器ホルダーおよび装填済み容器を搬送するよう設定される。
I.まず図1を参照にして、容器処理システム(通常20)を示す。当該容器処理システムは、より広範には処理機器と考えられる処理ステーションを含む。図示する当該実施例の容器処理システム20は、射出成形機22(処理ステーションまたは機器と見なされる場合あり)、追加の処理ステーションまたは機器24、26、28、30、32、および34、および出力36(処理ステーションまたは機器と見なされる場合あり)を含む。最低要件として、当該システム20は少なくとも第1処理ステーション(例えば ステーション28)、および第2処理ステーション(例えば30、32、または34)を有する。
I.図示する当該実施例の処理ステーション22〜36のいずれかを第1処理ステーションに、別の処理ステーションを第2処理ステーションに、と設定可能である。
I.図1に図示する当該実施例 は、以下の8つの処理 ステーションまたは機器を含む:22、24、、26、28、30、32、34、および36。当該模範的容器処理システム20は、射出成形機22、モールド後検査ステーション24、被覆前検査ステーション26、被覆ステーション28、被覆後検査ステーション30、被覆材層厚決定のための光学源透過ステーション32、被覆材欠陥検出のための光学源透過ステーション34、出力ステーション36を含む。
I.当該システム20は、容器を当該射出成形機22から容器ホルダー38へと移動させるための搬送機構72を含む。当該搬送機構72は、例えば当該容器成形機22から当該容器80を取り出して容器ホルダー(38など)に設置するための、当該容器の位置付け、移動、把持、搬送、適合、装填、解除を行うロボットアームとして設定可能である。
I.当該システム20はまた、処理ステーション74において、当該装填済み容器(80など)の内面を処理し、その後当該容器を1つ以上の容器ホルダー(66など)から取り出すための搬送機構を含む(図1)。当該容器80は、したがって、当該容器ホルダー66から包装、保管またはその他の適切な領域または処理手順(通常36)へと移動可能である。当該搬送機構74は、例えば当該容器成形機38などから当該容器80を取り出して当該ステーション36のその他の機器上に装填するための、当該容器の位置付け、移動、把持、搬送、適合、装填、解除を行うロボットアームとして設定可能である。
I.図1に示す当該処理ステーションまたは機器32、34、および36は、個々の容器80を当該容器ホルダー64などから取り出した後に、被覆および検査システム20の終盤工程で随意に1つ以上の適切な手順を実行可能である。当該ステーションまたは機器32、34、および36の機能の限定されない実施例の一部には以下が含まれる:
処理装置に向けての、当該処理済または検査済み容器80のコンベヤー上への留置、
当該容器への化学物質の添加、
当該容器への蓋の添付、
適切な処理ラックへの当該容器の留置、
当該容器の包装、および
当該包装済み容器の滅菌。
I.図1に示す当該容器処理システム20はまた、多数の容器ホルダー(または「パック」、一部実施例内のものがホッケーパックに類似しているため)(それぞれ38〜68)および1つ以上の当該容器ホルダー38〜68、 したがって容器80などを当該処理ステーション22、24、26、28、30、32、34、および36へと/から搬送するための循環調帯70で通常表されるコンベヤーを含む。
I.当該処理 ステーションまたは機器22は、当該容器80を成形するための機器である場合がある。1つの考えられる機器22として、射出成形機が挙げられる。別の考えられる機器22として、ブロー成形機が挙げられる。真空モールド機、流し成形機、裁断機またはフライス盤、ガラスまたはその他の流し成形可能素材用のガラス流し機、またはその他の種類の容器成形機もまた考えられる。随意に、容器が既に成形済みである場合、当該容器成形ステーション22は省略可能である。
II. 容器ホルダー
II.A. 当該容器処理の間、開口部を有する容器を把持および搬送するため、当該携帯型容器ホルダー38〜68を用意する。当該容器ホルダーは、容器ポート、第2ポート、ダクト、搬送可能筺体を包含する。
II.A. 当該容器ポートは、相互に通過可能な状態で容器開口部を装填するよう設定される。当該第2ポートは、外気供給を受入または放出するよう設定される。当該ダクトは、容器ポート上に装填済みの容器開口部と第2ポートの間で1種以上のガスを通気させるよう設定される。当該容器ポート、第2ポート、およびダクトは、当該搬送可能筺体に実質上固定状態で装着される。随意に、当該携帯型容器ホルダーの重量は5ポンド未満である。 容器ホルダーを軽量化することで、1つの処理ステーションから次の処理ステーションへとより容易に搬送可能となる。
II.A. 当該容器ホルダーの特定の実施例において、当該ダクトはより具体的には、真空ダクトであり、そして当該第2ポートは、より具体的にには真空ポートである。当該真空ダクトは、容器ポート上に装填済みの容器内部から容器ポート経由でガスを吸引するよう設定される。当該真空ポートは、当該真空ダクトと外部真空源の間の通過が可能となるよう設定される。当該容器ポート、真空ダクト、および真空ポートは、当該搬送可能筺体に実質上固定状態で装着可能である。
II.A. 実施例II.A.およびII.A.1.の当該容器ホルダーは、例えば図2に示される。当該容器ホルダー50は、当該容器80の開口部収受し装填するよう設定される容器ポート82を有する。装填済み容器80の内面を、当該容器ポート82経由で処理可能である。当該容器ホルダー50には、当該容器ポート92上に装填済みの容器80からガスを吸引するためのダクト、例えば真空ダクト94が含まれる。当該容器ホルダーには、当該真空ダクト94と外部真空源、例えば真空ポンプ98の間を通過する第2ポート、例えば真空ポート96が含まれる。当該容器ポート92および真空ポート96は封止素子、例えば オーリング隣接密閉部(それぞれ100および102)を有する、または当該容器ポート82のシリンダー状の内/外壁と当該容器80のシリンダー状の内/外壁の間の側密閉部を有する場合があり、それにより当該容器80または外部真空源98と共に密閉部を収受し成形しながら、当該ポートを通しての通過を可能とする。ガスケットまたはその他の密閉装備もまた、使用可能である。
II.A. 当該容器ホルダー50などはあらゆる素材、例えば熱可塑性素材および/または非導電性素材で作成可能である。または、当該容器ホルダー50などは、一部をまたは大部分を導電性素材から作成可能であり、特に当該容器ポート92、真空ダクト94、および真空ポート96より定義される当該経路において非導電素材と対面させることが可能である。当該容器ホルダー50に適切な素材の例は以下の通り:ポリアセタール(例えばデラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont De Nemours and Companyが販売するDelrin(登録商標)アセタールl素材)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えばデラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont De Nemours and Companyが販売するTeflon(登録商標) PTFE、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、またはその他の当技術分野で既知のまたは新開発された素材。
II.A. 図2により、 当該容器ホルダー50などが、当該ポート92上に接近するまたは装填済みである当該容器80をセンタリングするための、カラー116を有する場合があることも図示される。
容器ホルダーの配列
II.A. 部品を製造システム内で処理、検査、および/または移動するためのさらなる別のアプローチとして、容器ホルダーの配列を使用することが可能である。当該配列は個々のパックから、または当該機器を装填する間断ない配列からなる場合がある。配列により、1つ以上の機器、随意に多数の機器で同時に試験、搬送、処理/被覆を実行可能である。当該配列は、例えばグループ化して線状ラックを形成する一次元式、またはタブやトレーに類似の二次元式である場合がある。
II.A. 図4、5、および58は、3配列のアプローチを示す。図4は、当該機器または容器80が装填される間断ない配列120を示す。この場合、当該機器または容器80が間断ない 配列として当該製造処理内を移動し、しかしながら製造処理の間にそれらを取り出して個別の容器ホルダーへと搬送可能である。単一容器ホルダー120は、ユニットとして移動する装填済み容器80などの配列を搬送するための、複数の容器ポート122などを有する。本実施例においては、真空源98の配列を収受するために複数の個別真空ポート96などを提供可能である。または、当該容器ポート96などに接続する単一真空ポートを提供可能である。複数ガス吸入プローブ108なども配列に提供可能である。当該ガス吸入プローブまたは真空源の配列は、多数の容器80などを同時にユニットとして移動させるために装着可能である。または、当該複数容器ポート122などは、処理ステーション内で一列/複数列ごとに同時に、または個別に処理可能である。当該配列内の機器の数は、単一手順でモールドされる機器の数、または処理中に当該作業効率化のためのその他の試験または手順に関する場合がある。配列を処理/被覆する場合、当該電極は(より大きな電極へと)カップリングする場合、またはそれぞれの電力供給装置を有する個別の電極である場合がある。上述アプローチはすべて、さらに(当該電極形状、周波数などの観点から)適用可能である。
II.A. 図5において、個別のパックまたは容器ホルダー(上述)は、外部フレーム130で包囲されて一配列へとまとめられる。この装備により、所望の場合は図4の間断ない配列の利点が 提供され、また当該容器80を異なる配列でまたは個別に処理するその他の処理手順のために、当該配列を分解することも可能である。
II.A. 図58はリニアラックを示すか、または図4に類似の図である。線状ラックを使用する場合、上述手順に加えて別のオプションとして、処理ステーションにおいて当該ラックを一列縦隊で搬送し当該容器を逐次処理することが挙げられる。
II.B. オーリング装備を含む容器ホルダー
II.B. 図42および43は順に容器ホルダー450の断片詳細縦断面図および詳細図であり、当該容器ホルダーは、容器ホルダー上に容器を装填するために例えば図2、3、6、7、19、12、13、16、18、19、30、および43の容器ホルダー実施例と併用可能な、代替の密閉装備を有する。図42を参照して、当該容器ホルダー450に装填済みの容器、例えばシリンジバレル438は、通常溝付き釘(および一般に面取りをしたまたは円形の)縁452、および通常シリンダー状の側壁454により定義される、後開口部442を有する。医学的流体採集管には一般に、同類の縁452はあるがフランジ440はない。したがって、代わりに容器ホルダー450上に装填可能である。
II.B. 図示する本実施例の当該容器ホルダー450には通常シリンダー状の内面456が含まれ、当該内面は図示する本実施例において、当該シリンジバレル438の当該通常シリンダー状の側壁454を収受するガイド面として機能する。当該壁はさらに、当該シリンジバレル438が当該容器ホルダー450上に装填済みである場合に当該溝付き釘縁452が当接する、通常溝付き釘である当接部458により定義される。当該内面456により成形される通常溝付き釘であるポケット部または溝460は、当該封止素子、例えばオーリング462を保持するために提供される。当該ポケット部460の半径方向深さは、当該封止素子、例えばオーリング462(図42に図示)の半径方向断面未満であり、当該オーリング462の内径は当該溝付き釘縁452の外径よりやや小さいことが好ましい。
II.B. 当該相対的寸法により、当該オーリング462の半径方向断面は図42に示すように、少なくとも当該ポケット部460の外壁464 および当該シリンジバレル438の通常シリンダー状の側壁454の間を、図42に示すように容器438などが装填済みである場合に、水平方向に圧迫する。この圧迫により、当該オーリング462の支持面が平板化され、少なくとも当該ポケット部460の外壁464および当該シリンジバレル438の通常シリンダー状の側壁454の間に密閉部が成形される。
II.B. 当該ポケット部460は随意に、当該オーリング462の寸法と関連させて、当該底壁466/頂壁468と当該側壁454との間2つ以上の密閉部を、当該頂壁468と底壁466の距離を対応する当該オーリング462の半径方向断面と同等に離すことにより、成形可能である。当該オーリング462が当該外壁464と当該ポケット部460の当該通常シリンダー状の側壁454の間で圧搾される場合、図43に示すように、その復元力により上下方向への拡張が起こり、したがって、当該頂壁466および底壁464に係合しそれらに当たって平板化する。当該オーリング462は随意に、したがって垂直および水平方向に変形し、通常円形の断面が四角形になる傾向がある。また、当接部458に装填済みの当該溝付き釘縁452は、PECVD処理反応物質および、後開口部442を通して/隣接して導入されるその他のガスと素材の流量を制限する。
II.B. 本オプション構造の結果として、図43に示すように、当該オーリング462の右下角にあるギャップのみが、当該オーリングの外部にあり、したがって当該容器438の内部に導入される/で生成される処理ガス、プラズマなどに曝露する。本構造は、不要なPECVD堆積および当該プラズマ内の活性化学種から当該オーリング462および(当該側壁438の外面の)当該隣接面を保護する。また当該容器438は、当該当接部458の硬表面によりさらに確実に位置されており、その他の図内で図示する当該オーリングへの直接の当該溝付き釘縁452の当接装填により提示される当該弾性表面とは対照的である。さらには、当該容器438を拘束し多大な揺動を阻止しているため、当該オーリング462の主要周辺に対応する部位への力は一様に分配される。
II.B. または、当該ポケット部460は、図43に示す当該当接部458の上に、その底壁466で成形可能である。別の実施例において、二重またはより高レベルの密閉部を提供するため、および当該容器438が当該当接部458に対して装填済みである場合に揺動に対する拘束を強化するため、1つ以上の軸方向乖離ポケット部460を提供可能である。
II.B. 図45は、例えば図1、2、3、6〜10、12〜16、18、19、21、22、26、28、33〜35、および37〜44の実施例と併用可能な容器ホルダー482の別の構造である。当該容器ホルダー482は、結合部488で結合する上部484および底部486からなる。密閉部、例えばオーリング490(当該リングの右側はそれを保持する当該ポケット部を説明するよう切除されている)は、当該結合部488にある当該上部484と当該底部486の間で拘束される。図示する当該実施例において当該オーリング490は、当該上部484が当該底部486へと結合する場合に当該オーリングを位置付けるために、溝付き釘ポケット部492内に収受される。
II.B. 本実施例において当該オーリング490は、この場合当該ネジ498および500により捕捉され、当該上部484および当該底部486が結合する場合に、当該ポケット部492の一部を定義する当該放射状に伸延する壁496および放射状に伸延する当接部表面494を支持する。当該オーリング490はしたがって、当該上部484と底部486の間に装填される。当該上部484と底部486の間に捕捉される当該オーリング490はまた、当該容器80(その他の特徴図示を明確にするため本図においては省略)を収受し、図42の当該容器後開口部442のオーリング密閉部装備に類似している、当該容器80開口部の当該容器ポート502の第1オーリング密閉部を成形する。
II.B. 本実施例において、必須ではないが、当該容器ポート502は第1オーリング490密閉部と第2軸方向乖離オーリング504密閉部の両方を有し、どちらも当該容器ポート502と容器80などの間を密閉するための容器80などの(図43の当該側壁454 に類似している )外径を収受するサイズの内径506などを有する。当該オーリング490および504の間の空間により、軸方向に乖離する2つの地点で容器80などの支持体が提供され、当該容器80などの当該オーリング490および504または当該容器ポート502による歪曲を防止する。本実施例において、必須ではないが、当該放射状に伸延する当接部表面494は、当該オーリング490および506密閉部および真空ダクト508の周囲の近位部に位置する。
III. 容器の搬送方法 - 容器ホルダーに装填済みの容器の処理
III.A. 処理ステーションへの容器ホルダーの搬送
III.A.図1、2、および10は、容器80の処理方法を示す。当該方法は以下の通り実行可能である。
III.A.開口部82および内面88を定義する壁86を有する容器80を用意可能である。一実施例として、当該容器80をモールド22など内で成形し、その後取除去することが可能である。随意に、当該モールドからの容器の除去後60秒以内、30秒以内、25秒以内、20秒以内、15秒以内、10秒以内、5秒以内、3秒以内、1秒以内に、または処理中に歪曲されることなし(高温で製造され漸進的に冷却されると想定)に当該容器80を除去した直後に、当該容器 開口部82を該容器ポート92上に装填可能である。当該容器80を当該モールド22から当該容器ポート92へと迅速に移動させることで、当該表面88に付着する粉塵またはその他の不純物を削減し、遮断膜またはその他の種類の被覆材90への付着を遮蔽または防止する。また、製造後すぐに当該容器80に真空を引くほど、粒子状不純物が当該内面88に付着する可能性を低下させることができる。
III.A.容器ポート92からなる容器ホルダー50などを用意可能である。当該容器80の開口部82を容器ポート92上に装填可能である。当該容器80の開口部82を当該容器ポート92上に装填する前、最中、後に、(例えば図6内の)当該容器ホルダー40などを 搬送して1つ以上の当該支持面220〜240と係合させ、当該処理機器またはステーション24などに関して当該容器ホルダー40を位置付けることが可能である。
III.A.図6に示す当該ステーション24により図示されるように、1つ、1つ以上、またはすべての当該処理ステーション24〜34などは、当該処理ステーションまたは機器24などにおいて当該装填済み容器80の内面88を処理する間に、1つ以上の容器ホルダー40などを所定の位置で支持するための支持面、例えば1つ以上の当該支持面220、222、224、226、 228、230、232、234、236、238、または240を含む。これらの支持面は、例えば当該容器ホルダー40などを容器処理中にガイドし位置付ける行路またはガイドといった、定常構造または運動性構造の一部である場合がある。例えば、当該下向き支持面222および224は当該容器ホルダー40を位置付け、反応面のように機能して、当該プローブ108が当該容器ホルダー40に挿入されている場合の当該容器ホルダー40の上方への移動を防止する。当該反応面236は当該容器ホルダーを位置付け、当該真空源98(図2)が当該真空ポート96上に装填済みである場合の当該容器ホルダー40の左側への移動を防止する。当該支持面220、226、228、232、238、および240は同様に、当該容器ホルダー40を位置付け、処理中の水平移動を防止する。当該支持面230および234は同様に、当該容器ホルダー40などを位置付け、垂直方向への位置ずれを防止する。したがって、第1支持面、第2支持面、第3支持面、またはそれ以降は、各当該処理ステーション24〜34などに提供される可能性がある。
III.A.当該装填済み容器80の内面88を第1処理ステーションにおける容器ポート92経由で処理可能であり、1つの例として、図2で示す遮断膜塗布またはその他の種類の被覆材塗布の被覆ステーションである場合がある。当該容器ホルダー50および装填済み容器80は、第1処理ステーション28から第2処理ステーション、例えば処理ステーション32へと搬送される。当該装填済み容器80の内面88を、第2処理ステーション32などにおける容器ポート92経由で処理可能である。
III.A.上記方法のいずれも、第2処理ステーションまたは機器における当該装填済み容器80の内面88の処理の後に、当該容器ホルダー66などから当該容器80を除去する、さらなる手順を含む場合がある。
III.A.上記方法のいずれも、当該除去手順の後に、開口部82および内面88を定義する壁86を有する第2容器80を提供する、さらなる手順を含む場合がある。当該第2容器80などの開口部82を、別の容器ホルダー38などの容器ポート92上に装填可能である。当該装填済み第2容器80の内面を、第1処理ステーションまたは機器24などにおける容器ポート92経由で処理可能である。当該容器ホルダー38などおよび装填済み第2容器80は、第1処理ステーションまたは機器24から第2処理ステーションまたは機器26などへと搬送可能である。当該装填済み第2容器80を、第2処理ステーションまたは機器26により容器ポート92経由で処理可能である。
III.B. 容器ホルダーへの処理機器の搬送またはその逆。
III.B.または、当該処理ステーションはより広範には処理機器である可能性があり、当該容器ホルダーの当該処理機器に応じた搬送、当該処理機器の当該容器ホルダーに応じた搬送、または各装備の一部の任意システム内での提供のいずれかが可能である。また別の装備において当該容器ホルダーは、1つ以上のステーションへと搬送可能であり、1つ以上の処理機器は少なくとも1つの当該ステーションへと/に隣接して配置可能である。したがって、当該処理機器と処理ステーションの間の相関的通信は必要ない。
III.B.複数部品を含む容器の処理方法が考えられる。第1処理機器、例えば当該プローブ108(図2)および第2処理機器、例えば光源170(図10)を、処理容器80などのために用意する。開口部82および内面88を定義する壁86を有する容器80を用意する。容器ポート92からなる容器ホルダー50を用意する。当該容器80の開口部82を容器ポート92上に装填する。
III.B.当該第1処理機器、例えばプローブ108を移動させ、容器ホルダー50と動作可能に係合させる、またはその逆を行う。当該装填済み容器80の内面88を、第1処理機器またはプローブ108を使用して容器ポート92経由で処理する。
III.B.第2処理機器170など(図10)をその後移動させ、容器ホルダー50と動作可能に係合させる、またはその逆を行う。当該装填済み容器80の内面88を、第2処理機器、例えば光源170を使用して容器ポート92経由で処理する。
III.B.随意に、複数の追加処理手順を提供可能である。例えば、第3処理機器34を、容器80の処理のために提供可能である。第3処理機器34を移動させ、容器ホルダー50と動作可能に係合させる、またはその逆を行う。装填済み容器80の内面を、第3処理機器34を利用して当該容器ポート92経由で処理可能である。
III.B.容器処理の別の方法において、開口部82および内面88を定義する壁86を有する容器80を用意可能である。容器ポート92からなる容器ホルダー50などを用意可能である。当該容器80の開口部82を容器ポート92上に装填可能である。当該装填済み容器80の内面88を第1処理機器により容器ポート92経由で処理可能であり、1つの例として、図2で示す遮断膜またはその他の種類の被覆材の被覆機器28である場合がある。当該容器ホルダー50および装填済み容器80は、第1処理機器28から第2処理機器、例えば図1および10に示す処理機器34へと搬送される。当該装填済み容器80の内面88を、第2処理機器34などにより容器ポート92経由で処理可能である。
III.C. 被覆ステーションへと/から管を搬送するための把持部の使用法
III.C.さらなる別の実施例は、複数手順を含む、第1容器のプラズマ促進化学蒸着(PECVD)処理の方法である。開口端、閉口端、内面を有する第1容器を用意する。第1把持部は少なくとも、当該第1容器の閉口端を選択的に把持および解除するよう設定する。当該第1容器の閉口端を第1把持部で把持し、第1把持部を利用しながら、第1容器開口端を装填するよう設定される容器ホルダー付近へと搬送する。その後、第1把持部を利用して第1容器を軸方向に前進させ、その開口端を容器ホルダー上に装填し、当該容器ホルダーと当該第1容器内の間の通過密閉を確立する。
III.C.当該第1容器内に少なくとも1種類のガス状反応物質を当該容器ホルダーを通して導入する。第1容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下で、プラズマを第1容器内で生成する。
III.C.その後容器ホルダー上の第1容器の装填を解除し、第1把持部または別の把持部を利用しながら、当該第1容器を当該容器ホルダーから軸方向に離れるよう移動させる。その後、当該容器ホルダーから軸方向に離れるよう移動させるのに使用した把持部から、第1容器を解除する。
III.C.再び図16および49を参照し、本明細書内に記載の装置および処理を通して、数把持部204などを支持および搬送するために一連のコンベヤー538を使用可能である。当該把持部204を当該一連のコンベヤー538に動作可能に接続し、少なくとも2つの容器80を当該容器ホルダー48の付近へと連続的に搬送するよう、および本明細書に記載の浄化方法のその他の手順を実行するよう設定する。
IV. 容器製造のためのPECVD装置
IV.A. 容器ホルダー、内部電極、反応チャンバとしての容器を含むPECVD装置
IV.A.別の実施例は、容器ホルダー、内部電極、外部電極、電力供給装置からなるPECVD装置である。当該容器ホルダーに装填済みの容器は、随意に真空チャンバである、プラズマ反応チャンバを定義する。随意に、真空源、反応性ガス源、ガス供給装置、またはこれら2つ以上の組合せを用意可能である。随意に、必ずしも真空源をを含まないガス排出管を提供し、当該ポートに装填済みの容器内部から/へとガスを移送して閉口チャンバを定義する。
IV.A. 当該PECVD装置は外気圧PECVDのために使用可能であり、その場合、当該プラズマ反応チャンバは真空チャンバとして機能する必要はない。
IV.A.図2に図示する当該実施例において、当該容器ホルダー50は当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送するためのガス吸入ポート104からなる。当該ガス吸入ポート104は、少なくとも1つのオーリング106または一連の2つのオーリングまたは一連の3つのオーリングにより提供されるスライド式密閉部を有し、当該密閉部はシリンダー状のプローブ108が当該ガス吸入ポート104を通して挿。当該プローブ108は、ガス供給ポートの遠位端110へと伸延するガス吸入導管である場合がある。図示する当該実施例の当該遠位端110は、1つ以上のPECVD反応物質およびその他の処理ガスを提供するために、当該容器80の奥へと挿入可能である。
IV.A.随意に、図2に図示する当該実施例において、またはより一般に、例えば図1〜5、8、9、12〜16、18、19、21、22、26〜28、33〜35、37〜49、または52〜55の実施例といった いかなる開示実施例において、および具体的に図55で開示される通り、 プラズマ遮蔽体610は、通常当該プラズマ遮蔽体610を超える容量で当該容器80内で生成されるプラズマを収容するために提供される。当該プラズマ遮蔽体610は導電性の多孔質材であり、複数の実施例において、スチールウール、多孔質焼結金属、または導電性素材で被覆されたセラミック材であり、金属(例えば真鍮)またはその他の導電性素材を原料とする小孔性プレートまたはディスクである。実施例は、当該ガス吸入部108を通すサイズである中央部孔を有有する2つの金属ディスクであり、当該ディスクはさらに、中心間距離0.04インチ(1 mm)で乖離する半径0.02インチ(0.5mm)の孔を有し、当該孔は当該ディスクの表面積の22%に当たる開口領域を提供する。
IV.A. 当該プラズマ遮蔽体610は、特に当該プローブ108が対向電極としても機能する実施例については、当該管の開口部82、シリンジバレル、またはその他の処理対象容器80にある/付近にある当該ガス吸入部108に対して密接な電気接触をもたらす可能性がある。あるいは、当該プラズマ遮蔽体610は接地される場合があり、好ましくは当該ガス吸入部108と共通の電位を有する。当該プラズマ遮蔽体610は、当該容器ホルダー50およびその内部経路と接続(例:真空ダクト94、ガス吸入ポート104、オーリング106付近、真空ポート96、オーリング102、およびその他当該ガス吸入108に隣接する装置)内のプラズマを低減または消滅させる。同時に、当該プラズマ遮蔽体が多孔性であるため、当該容器80から当該真空ポート96および終盤工程装置への処理ガス、大気、および類似体の流量が可能となる。
IV.A.図3に図示する被覆ステーション28において、当該容器ホルダー112は、順に(プローブ108経由で)容器ポート92に装填済みの容器80へとガスを搬送するおよび(真空源98経由で)容器ポート92に装填済みの容器からガスを引き出すための、合成ガス吸入ポートおよび真空ポート96からなり、これらは当該容器ポート92と連絡する。本実施例において、当該ガス吸入プローブ108および真空源98は、合成プローブとして提供可能である。当該2つのプローブは、所望通りにユニットとしてまたは個別に前進させることが可能である。本装備により第3密閉部106の必要性がなくなり、至るところで当接密閉部を使用できるようになる。当接密閉部により、オーリングを変形させて当該容器80および真空源98を確実に装填するための軸力の適用、例えば当該容器80内に真空を引くことが可能となる。当該オーリングは、その両側の密閉表面のむらの有無により残されるギャップを閉じようとする傾向がある。図3の実施例において、当該容器ホルダー112上の容器80および真空源98により適用される軸力は、反対に、当該容器80および当該容器ホルダー112をともに把持しそれぞれの当接密閉部を維持する傾向がある。
IV.A.図13は、図2に類似の 本開示のまた別の実施例に記載の被覆ステーション内の容器ホルダー48であり、当該容器80は当該処理ステーションの容器ホルダー48上に装填可能である。これは、容器ホルダー48などと共に移動しない容器80の処理に使用可能である。または、装填済み容器80を別の装置へと当該システム20により搬送する前に当該容器80を容器ホルダー48などに装填する、遮断膜またはその他の種類の膜の被覆ステーション28において使用可能である。
IV.A.図13は、図2および9のU字型電極の代替としての、50Hz〜1GHzの周波数に適したシリンダー状電極160を示す。当該容器ホルダー(または当該電極)は、当該電極を下方にまたは当該容器ホルダーを上方に動かして有効化する前に、場所を移動可能である。または、垂直面における当該容器ホルダーおよび電極の移動は、クラムシェル型(当該容器ホルダーが定位置にあり処理/被覆準備完了である場合に対向側にある2つの半シリンダーが合わさる形)で構成される電極160を作成することで回避可能である。IV.A.随意に、真空を引き当該プローブ108を通してガスを導入する一方で当該被覆ステーション28などにおいて当該管を移動させる当該処理が継続的な処理である場合、当該被覆ステーション28において当該真空源98は、当該容器ホルダーの移動中に維持可能であるパックまたは容器ホルダー50を伴う密閉部を作成する。または、当該パックまたは容器ホルダー50を静止位置へと移動させるのに定常処理を利用して、その時点で当該プローブ108を当該機器へと押し上げ、当該ポンプまたは真空源98を当該真空ポート96で結合して真空状態を創出するために活性化させることが可能である。当該プローブ108が定位置につき真空状態が創出されたら、当該パック/容器ホルダー50および当該管/その他の容器80から独立している外部固定電極160を有する当該管または容器80内でプラズマを生成可能である。
IV.A.図53は、被覆ステーション28の追加オプション詳細図を示し、当該ステーションは例えば図1、2、3、 6〜10、12〜16、18、19、21、22、26〜28、30、33〜35、37〜44、および52の実施例と併用可能である。当該被覆ステーション28はまた、当該圧力センサー152へと繋がる真空管路576内にメイン真空弁574を有している。手動バイパス弁578を当該バイパス管路580内に用意する。通気弁582は当該通気孔404からの流量を制御する。
IV.A.当該PECVDガス源144からの流量は、当該メイン反応物供給管路586を通して流量を調整するメイン反応性ガス弁584により制御される。当該ガス源144の一構成要素として、有機ケイ素流体貯留層588が挙げられる。当該貯留層588の内容物は、所望の流量率を提供するのに適した長さで提供される当該有機ケイ素キャピラリー線590を通して引かれる。有機ケイ素蒸気の流量は、当該有機ケイ素遮断弁592により制御される。当該流体貯留層588のヘッドスペース614に圧力を適用し、例えば 圧力管路618により当該ヘッドスペース614へと接続される圧搾空気といった圧力源616からの0〜15psi(0〜78cm.Hg)の範囲の圧力を適用して、気圧(およびその振動)に依存しない反復可能な有機ケイ素流体供給を確立する。当該貯留層588は密閉されており、当該キャピラリー接続620は当該貯留層588の底部にあり、(当該ヘッドスペース614からの加圧ガスではなく)純有機ケイ素流体のみが当該キャピラリー管590を流れるよう確保している。当該有機ケイ素流体は、随意に、温度、有機ケイ素蒸気生成のため当該有機ケイ素流体を蒸発させることが必須または望ましい場合は、気温以上に加熱可能である。質量流量制御装置598で制御され酸素遮断弁600が搭載される酸素供給管路596経由で、当該酸素タンク594から酸素を提供する。
IV.A.図 7の実施例において、当該ステーションまたは機器26は、当該真空ポート96上に装填するよう適合される真空源98、当該プローブ108に接続のサイドチャネル134、または両方(図示)を含む場合がある。図示する当該実施例において、当該サイドチャネル134はプローブポート138と真空ポート140の間の流量を調整する遮断弁136を含む。図示する当該実施例において、当該選択弁136は少なくとも2つの状態を有する:当該ポート138および140が接続されガスが流れる2つの並行経路が提供される(したがって当該ポンプ率が上昇するか当該ポンプ作業が減少する)真空状態、および当該ポート138および140が分離される遮断状態。随意に、当該選択弁136は、例えばガス源144からPECVD反応/処理ガスを導入するPECVDガス吸入ポート142としての、第3ポートを有する。本手段により、同一の真空供給およびプローブ108の漏出/透過試験のための使用、または遮断膜またはその他の種類の被覆材塗布のための使用が可能となる。
IV.A.図示する当該実施例において、当該真空源98への当該真空管路146なども、遮断弁148を含む。当該遮断弁136および148は、当該プローブ108および真空源98が容器ホルダー44などに接続されていないため、当該サイドチャネル134および当該真空管路146を、1つの容器ホルダー44を別のものへと移動するときに当該容器80から離して当該弁136および148側で真空にする必要がない場合に、閉鎖可能である。当該プローブ108を当該ガス吸入ポート104から軸方向に取り外すのを促進するため、たわみ管路150を提供して、当該ポート96に関する当該真空管路146に依存しない当該プローブ108の軸方向移動を可能にしている。
IV.A.図7はまた、いかなる実施例とも併用可能な別のオプション機能 - 弁406により制御される外気へと通じる通気孔404を示す。当該容器80の当該容器ホルダー44からの解除、当該真空ポート96の当該容器ホルダー44の当該真空源98からの解除、または随意にその両方のいずれかを行うため、当該容器80の処理後即座に当該弁406を開口して当該真空状態を解除可能である。
IV.A.図示する当該実施例において(ここでも図7を参照 )、当該プローブ108はまた圧力計152に接続可能であり、当該容器80の内部154と連絡可能であるため、当該容器80内の圧力を測定可能である。
IV.A.図1の装置において、当該容器被覆ステーション28は、さらに後に説明するように、例えば、図2に示すようにSiOx遮断膜またはその他の種類の被覆材90を容器80の内面88に堆積するのに適した条件下で動作する、PECVD装置である場合がある。
IV.A.特に図1および2を参照にして、当該処理ステーション28は、処理中に当該容器80内にプラズマを生成するための電界を提供するための無線周波電力供給装置162により供給を受ける、電極160を含む場合がある。この実施例において、当該プローブ108はまた導電性でありかつ接地されており、当該容器80内に対向電極を提供する。あるいはいかなる実施例においても、当該外部電極160は接地可能であり、当該プローブ108は当該電力供給装置162へと直接接続可能である。
IV.A.図 2の実施例において、当該外部電極160は、図2および8に図示するように通常シリンダー状であるか、図2および9に図示するように通常U字型である 場合がある(図 8および9は、図2の切断線A−Aに沿った断面図の代替実施例である)。各図示実施例は、1つ以上の側壁164および166などを、随意に、上端部168を有し、それらすべては当該容器80に近接して付帯する。
IV.A., IV.B.図12〜19は、前述の当該容器被覆ステーションまた機器28のその他の異型を示す。1つ以上の当該異型のいずれも、図1〜5に示す容器被覆ステーションまたは機器28に置換可能である。
IV.A.図12は、1GHz以上の周波数で(同一容器ホルダーおよびガス吸入部を使用する前述方法と同様に)使用可能である代替電極システムを示す。当該周波数において、当該電力供給装置からの電気エネルギーを、当該エネルギーを吸収するまたは当該エネルギーに共鳴する空洞部に接続される1つ以上の導波管を通して当該管内部へと搬送可能である。当該エネルギーの共鳴により、当該ガスとのカップリングが可能となる。当該容器80が当該空洞部と相互に作用してその共鳴ポイントを変化させ被覆および/または処理用のプラズマを生成するため、異なる周波数および容器80などで使用するための、異なる空洞部を提供可能である。
IV.A.図12は、内部でプラズマを生成する対象容器80を少なくとも一部包囲するよう、導波管192経由でマイクロ波をマイクロ波空洞部194へと配向するマイクロ波電力供給装置190を、当該被覆ステーション28が含む場合があることを示す。当該マイクロ波空洞部194を当該マイクロ波の周波数、および当該部品圧力やさまざまなガスに合わせて調整して、マイクロ波を吸収し当該プラズマ生成ガスとカップリングさせることが可能である。図13において、いかなる図示する当該実施例と同様に、小ギャップ196を当該容器80と当該空洞部194(または電極、検出器または、周辺構造)の間に残して当該容器80への擦過またはその他の損傷を防止可能である。また図13において、当該マイクロ波空洞部194は平端壁198を有するため、当該ギャップ196は、特に当該端壁198の円形縁の反対側は、幅が不均一である。随意に、当該端部198は曲線状であり、実質上均一なギャップ196.IV.A.を提供する。図 44は、図2に類似の 代替ガス供給管/内部電極470を示す図であり、例えば図 1、2、3、8、9、12〜16、18〜19、21〜22、33、37〜43、46〜49、および52〜54の実施例と併用可能である。図44に示すように、当該内部電極470の遠位部472は、当該内部電極内の内部経路476を封入する伸長多孔質側壁474からなる。当該内部経路476は、当該容器80の外部に伸延する当該内部電極470の近位ポート478により、当該ガス供給装置144へと接続される。当該内部電極470の遠位端480は、随意に多孔質である場合がある。当該多孔質側壁474および当該多孔質遠位端480(存在する場合)の多孔性であるため、当該ガス供給装置144から供給を受ける当該反応性ガスの少なくとも一部が、当該経路476から横方向に逃散して反応性ガスを当該容器80の内面の隣接部へと供給する。本実施例において、当該多孔質側壁474の多孔質部が、当該容器80内の当該内部電極470の全長を伸延する。 しかしながら、当該多孔質部は広範ではなく、当該内部電極470の長さ分しか作動しない場合がある。本明細書内の別箇所で示すように、当該内部電極470は、当該容器80の長さとの関連で、図44に示すものより長いまたは短い場合があり、当該多孔質部は継続的または非継続的である場合がある。
IV.A.当該内部電極470の外径は、横方向に隣接する当該容器内径の大きさの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%である場合がある。より大きな半径の内部電極470の利用により、当該容器80の内径に関連して、特に当該電極470が当該容器80と同心である場合には、当該内部電極470の外部と当該容器80の隣接内面88の間の距離が削減され、当該プラズマをより狭い領域へと封入してより均一化できる。また、より大きな半径の内部電極470の利用により、当該内面80に沿って当該反応性ガスおよび/または搬送ガスをより均一に配分できる。なぜなら、初期反応の位置に極めて近い当該内面88の長さに沿った近接間隔点で当該プラズマへと新鮮なガスが導入されるためであり、当該内面88に関する単一点からの流量とは対照的である。
IV.A.ある考えられる装備において、実線で示される、当該電力供給装置162は当該電極200への1つの電力接続を有しており、当該電力接続は当該電極200に沿ったいかなる点にもあることが可能であり、当該プローブ108は接地可能である。本設定において、当該容器80内でプラズマを生成するために、容量性負荷を利用可能である。別の考えられる装備において、仮想線で示される(および実線で示される当該接続を除外)、当該電力供給装置162のそれぞれの配線部は当該コイル200のそれぞれの端部に接続し、便宜上、再び本明細書内の「電極」として見なすことが可能である。本設定において、当該容器80内でプラズマを生成するために、誘導性負荷を利用可能である。代替実施例において、誘導性負荷および容量性負荷を組合わせて使用することも可能である。
IV.A.図46〜48は、2つ以上のガス供給管108、510および512など(図2に表示)の配列を示し、それらは内部電極でもある。当該配列は線状または円形である場合がある。円形配列により、当該電極を定期的に再利用可能である。
IV.A.図46〜48はまた、当該ガス供給管/内部電極108、510、および512を1つ以上の容器ホルダー50または48などへと/から挿入および除去するための、内部電極伸延・格納機514を示す。当該機能は、当該ガス供給管使用のためのオプション手段である。
IV.A.図示する当該実施例において、図46〜48および53を参照にして、当該内部電極108、510、512は、それぞれたわみホース516、518および520により共通ガス供給144へと遮断弁522、524、および526経由で接続される。(当該たわみホースは図46〜48においては当該たわみ部を省略して短縮されている)。簡潔に図56を参照して、当該たわみホース516、518、および520は代替として独立したガス源144へと接続される場合がある。内部電極108などを伸延・格納するための機構514を提供する。当該内部電極伸延機・格納機は、当該容器ホルダーについて前進位置、中間位置、格納位置の間で内部電極を移動させるよう設定する。
IV.A.図46および56において、当該内部電極108は当該容器ホルダー50および容器80内の動作位置へと伸延し、その遮断弁522は開口している。また図46において、当該待機内部電極510および512は格納され、当該遮断弁524および526は閉口されている。図示する当該実施例において、1つ以上の当該待機内部電極510および512は電極浄化機器またはステーション528内に付帯する。当該ステーション528内で1つ以上の電極を浄化可能であり、その他の随意に置換可能である。当該浄化作業は、化学反応または溶媒処理を利用して堆積を除去可能であり、制限されない実施例として、物理的に堆積を除去するためのフライス加工、または堆積を本質的に焼散させるプラズマ処理などがある。
IV.A.図47において、当該動作内部電極108が当該容器80から格納される一方で、当該待機内部電極510および512は以前どおりその遠位端が当該容器ホルダー50に残され、その弁522は閉鎖される。本条件において、当該容器80は除去可能であり、当該容器80による当該電極108への接触の危険性なしに、当該容器ホルダー50に装填済みの新規容器を除去および置換可能である。当該容器80置換後に、当該内部電極108を図46および56の位置へと前進可能であり、当該遮断弁522を再開口して、以前と同様に当該内部電極108を使用して新規容器80の被覆を開始可能である。したがって、一連の当該容器80を当該容器ホルダー50上に装填する/から除去する装備において、当該容器80は当該内部電極108が使用される当該ステーションにおける当該容器ホルダー50に/からの設置/除去されるため、当該内部電極108は何度も伸延されかつ一部格納されることが可能である。
IV.A.図48において、当該容器ホルダー50およびその容器80は新規容器ホルダー48および別の容器80に置換される。図1を参照にして、この種の実施例において、各容器80はその容器ホルダー50または48などの上に残り、内部電極108などは容器ホルダーが当該被覆ステーションに到達するにしたがい各容器へと挿入される。
IV.A.また図48において、当該内部電極108、510、および512は完全に格納され、当該内部電極108、510、および512の配列は、図47の各位置と比較して、当該容器ホルダー48および電極浄化ステーション528に対して右側へと移動されるため、当該内部電極108は定位置から外され、当該内部電極510は当該容器ホルダー48に関する位置へと移動される。
IV.A.当該内部電極の配列の移動は当該容器ホルダーの移動に依存しない可能性があることを理解されたい。これらの配列は共にまたは個別に移動して、新規容器ホルダーおよび/または新規内部電極へと同時にまたは個別に切替え可能である。
IV.A.図46〜48は、2つ以上のガス供給管108、510および512など(図2に表示)の配列を示し、それらは内部電極でもある。当該配列は線状または円形である場合がある。円形配列により、当該電極を定期的に再利用可能である。
IV.A.図46〜48はまた、当該ガス供給管/内部電極108、510、および512を1つ以上の容器ホルダー50または48などへと/から挿入および除去するための、内部電極伸延・格納機514を示す。当該機能は、当該ガス供給管使用のためのオプション手段である。
IV.A.図示する当該実施例において、図46〜48および53を参照にして、当該内部電極108、510、512は、それぞれたわみホース516、518および520により共通ガス供給144へと遮断弁522、524、および526経由で接続される。(当該たわみホースは図46〜48においては当該たわみ部を省略して短縮されている)。内部電極108などを伸延・格納するための機構514を提供する。当該内部電極伸延機・格納機は、当該容器ホルダーについて前進位置、中間位置、格納位置の間で内部電極を移動させるよう設定する。
IV.A.図46および56において、当該内部電極108は当該容器ホルダー50および容器80内の動作位置へと伸延し、その遮断弁522は開口している。また図46および56において、当該待機内部電極510および512は格納され、当該遮断弁524および526は閉口されている。図示する当該実施例において、当該待機内部電極510および512は電極浄化ステーション528内に付帯する。当該ステーション528内で1部の電極を浄化可能であり、その他の随意に置換可能である。当該浄化作業は、化学反応または溶媒処理を利用して堆積を除去可能であり、制限されない実施例として、物理的に堆積を除去するためのフライス加工、または堆積を本質的に焼散させるプラズマ処理などがある。
IV.A.図47において、当該動作内部電極108が当該容器80から格納される一方で、当該待機内部電極510および512は以前どおりその遠位端が当該容器ホルダー50に残され、その弁522は閉鎖される。本条件において、当該容器80は除去可能であり、当該容器80による当該電極108への接触の危険性なしに、当該容器ホルダー50に装填済みの新規容器を除去および置換可能である。当該容器80置換後に、当該内部電極108を図46および56の位置へと前進可能であり、当該遮断弁522を再開口して、以前と同様に当該内部電極108を使用して新規容器80の被覆を開始可能である。したがって、一連の当該容器80を当該容器ホルダー50上に装填する/から除去する装備において、当該容器80は当該内部電極108が使用される当該ステーションにおける当該容器ホルダー50に/からの設置/除去されるため、当該内部電極108は何度も伸延されかつ一部格納されることが可能である。
IV.A.図48において、当該容器ホルダー50およびその容器80は新規容器ホルダー48および別の容器80に置換される。図1を参照にして、この種の実施例において、各容器80はその容器ホルダー50または48などの上に残り、内部電極108などは容器ホルダーが当該被覆ステーションに到達するにしたがい各容器へと挿入される。
IV.A.また図48において、当該内部電極108、510、および512は完全に格納され、当該内部電極108、510、および512の配列は、図47の各位置と比較して、当該容器ホルダー48および電極浄化ステーション528に対して右側へと移動されるため、当該内部電極108は定位置から外され、当該内部電極510は当該容器ホルダー48に関する位置へと移動される。
IV.A.当該内部電極の配列の移動は当該容器ホルダーの移動に依存しない可能性があることを理解されたい。これらの配列は共にまたは個別に移動して、新規容器ホルダーおよび/または新規内部電極へと同時にまたは個別に切替え可能である。
IV.A.個別の結合ガス供給管/内部電極108、510、および512は場合によっては、一連の容器80などの被覆に使用する際に重合反応性ガスまたはその他の種類の堆積を蓄積する傾向があるため、2つ以上の内部電極108、510、および512の配列は有用である。当該堆積は、当該被覆率または被覆均一性を損なうレベルまで蓄積する場合があり、好ましくない場合がある。均一な処理を維持するには、当該内部電極を設備から定期的に取り外し、置換または浄化する、および新規または浄化済み電極を設備に取り付けることが可能である。例えば図 46から図48に進むと、当該内部電極108は新規または調整済み内部電極510で置換されており、当該容器ホルダー48および当該容器80へと伸延して当該新規容器内部被覆材を塗布する準備が整っている。
IV.A.したがって、内部電極駆動530は当該内部電極伸延機・格納機514を併用して動作可能であり、第1 内部電極108を伸延位置から格納位置へと取り外し、当該第1内部電極108の代わりに第2内部電極510を取り付け、当該第2内部電極510を伸延位置へと前進させることができる(図 46および56と類似。電極の置換を除く)。
IV.A.図46〜48のガス供給管の配列および内部電極駆動530は、例えば図 1、2、3、8、9、12〜16、18〜19、21〜22、26〜28、33〜35、37〜45、49、および52〜54の実施例と併用可能である。46〜48図の当該伸延・格納機構514は、 例えば図 2、3、8、9、12〜16、18〜19、21〜22、26〜28、33〜35、37〜45、49、および52〜54のガス供給管実施例と併用可能であり、また図 6および7の容器検査装置のプローブとも併用可能である。
IV.A 図2に示す電極160は、当該ページへの長さを有する「U」字型チャネルである場合があり、当該パックまたは容器ホルダー50は当該活性(電力)電極を通して当該処理/被覆工程中に移動可能である。外部および内部電極が使用されているため、本装置は、電力供給装置162から当該U字型チャネル電極160に対して適用される周波数50Hz〜1GHzの間で利用可能であることに、注意されたい。当該プローブ108は当該電気回路を完了させるため接地可能であり、それにより、電流が当該容器80内の低圧ガスを通るようになる。当該電流の生成するプラズマにより、当該機器の内面88の選択処理および/または被覆が可能となる。
IV.A 図2に示す電極は、パルス電力供給装置を動力源電力としている場合もある。パルスにより、反応性ガスの空乏、活性化前の副産物の除去、(再度の)反応性ガスの空乏が可能となる。パルス電力システムは通常、当該電界(および、したがってプラズマが)存在する時間を決定する負荷サイクルにより特徴付けられる。電力投入時間は電源遮断時間と相対関係にある。例えば10%の負荷サイクルは、当該電力が当該時間の90%の間遮断されているサイクルの10%の時間の電力に相当する場合がある。特定の実施例として、当該電力は0.1秒間投入され、1秒間遮断される場合がある。パルス電力システムは、当該遮断時間により処理時間が増加するため、任意の電力供給装置162の有効電力入力を低減する。当該システムがパルスされる場合、生成される被覆材が極めて純粋となる場合がある(副産物/汚染なし)。パルスシステムによる別の結果として、原子層堆積(ALD)の可能性が挙げられる。この場合、当該負荷サイクルを調整して、当該 電源投入時間により好ましい素材の単層堆積を生成可能である。本手法において、単一原子層が各サイクルで堆積されると考えられる。本アプローチにより、高度に純粋で高度に化学構造された被覆材を生成可能である(ただし、ポリマー表面への堆積に必要な温度については、好ましくは低温(100℃未満)に保つものとし、および低温度被覆材は非晶質である場合がある)。
IV.A.代替被覆ステーションは図12に開示されており、外部電極の代わりにマイクロ波空洞部を利用している。適用エネルギーは、例えば2.45GHzのマイクロ波周波数である場合がある。
IV.B. 被覆ステーションへと/から管を搬送するための把持部を使用するPECVD装置
IV.B.別の実施例は、前述の把持部を利用する容器のPECVD処理のための装置である。図15および16は、開口端82、閉口端84、表面88により定義される内腔を有する第1容器80のPECVD処理のための装置(通常202)を示す。本実施例には、容器ホルダー48、少なくとも第1把持部204(本実施例においては、例えば、吸着カップ)、当該容器ホルダー48上の当該容器ポート92により定義される装填部、反応物質供給装置144、当該電極108および160に代表されるプラズマ生成装置、通気弁534などである場合がある容器解除装置、および同一把持部204または第2把持部(事実上、随意に第2把持部204)が含まれる。
IV.B.第1把持部204および図示されるいかなる把持部204も、容器80の閉口端84を選択的に把持および解除するよう設定される。当該容器の閉口端84を把持しながら、当該第1把持部204は当該容器を当該容器ホルダー48付近へと搬送する場合がある。図示する当該実施例において、当該搬送機能は、当該把持部204が複数装着される一連のコンベヤー538により促進される。
IV.B.当該容器ホルダー48は別の実施例との関連において前述済みであり、容器80の開口端82を装填するよう設定される。容器ポート92により定義される装填部は別の実施例との関連において前述済みであり、当該容器ホルダー48と当該第1容器(この場合いかなる容器80)の内腔88の間の通過密閉を確立するよう設定される。当該反応物質供給装置144 は別の実施例との関連において前述済みであり、当該容器ホルダー48を通して少なくとも1種のガス状反応物質を当該第1容器80へと導入するよう、動作可能に接続される。電極108および160により定義される当該プラズマ生成装置は別の実施例との関連において前述済みであり、第1容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下で、第1容器内でプラズマを生成するよう設定される。
IV.B.当該容器解除装置534または別の手段、例えば反応性ガス、搬送ガス、または圧縮窒素や圧縮空気といった低廉ガスを当該装填済み容器80内へと導入する手段を使用して、当該第1容器80を当該容器ホルダー48から装填解除可能である。
IV.B.当該把持部204は、第1容器80を当該容器ホルダー48から軸方向に離して搬送し、その後、把持部48および容器端部84の間から吸引を解除することにより、第1容器80の装填を解除するよう設定される。
IV.B.図15および16はまた、複数手順からなる第1容器のPECVD処理の方法を示す。開口端82、閉口端84、内面88を有する第1容器80を提供する。少なくとも第1把持部204を提供し、当該第1容器80の閉口端84を選択的に把持および解除するよう設定する。当該第1容器80の閉口端84を第1把持部204で把持し、それにしたがい、第1容器開口端を装填するよう設定される容器ホルダー48付近へと搬送する。図16の実施例において、2つの容器ホルダー48を提供し、2つ同時に当該容器80を前進させ当該容器ホルダー48上に装填させることが可能となる。したがって製造効率を2倍高めることができる。次に、第1把持部204を利用して第1容器80を軸方向に前進させ、その開口端82を容器ホルダー上48に装填し、当該容器ホルダー48と当該第1容器内の間の通過密閉を確立する。次に、当該第1容器内に少なくとも1種のガス状反応物質を当該容器ホルダーを通して導入し、随意に前述実施例の通りに行う。
IV.B.引き続き、第1容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下で、第1容器内にプラズマを生成し、随意に前述実施例の通りに行う。当該第1容器を当該容器ホルダーから装填解除し、随意に前述実施例の通りに行う。第1把持部またはその他の把持部を使用して、随意に前述実施例の通りに行い、第1容器を当該容器ホルダーから軸方向に離して搬送する。その後、当該容器ホルダーから軸方向に離れるよう移動させるのに使用した把持部から、第1容器を解除し、随意に前述実施例の通りに行うことが可能である。
IV.B.本方法に従い実行可能なさらなるオプション手順には、当該第1容器とは異なる反応容器の提供、開口端と内腔を有する当該反応容器の提供、当該容器ホルダー上への当該反応容器の当該開口端の装填、当該容器ホルダーと当該反応容器の内腔の間の通過密閉の確立が含まれる。PECVD反応物質導管を当該内腔内に提供可能である。プラズマを、PECVD反応生成物の堆積の少なくとも一部を当該反応物質導管から除去するのに効果的な条件下で、当該反応容器の内腔内で生成可能である。当該反応条件は前述実施例に関連して説明済みである。その後当該容器ホルダー上の反応容器の装填を解除し、当該容器ホルダーから離れるよう移動させることが可能である。
IV.B.本方法のいずれかの実施例に従い実行可能なさらなるオプション手順には以下が含まれる:
少なくとも1つの第2把持部の提供;
少なくとも第1および第2把持部の一連のコンベヤーへの動作可能な接続;
開口端、閉口端、内面を有する第2容器の提供;
当該第2容器の閉口端を選択的に把持および解除するよう設定される把持部の提供;
当該把持部を有する当該第2容器の閉口端の把持;
当該把持部を利用しての、第2容器開口端を装填するよう設定される容器ホルダー付近への第2容器の搬送;
当該把持部を利用しての、第2容器を軸方向への前進、その開口端の容器ホルダー上への装填、当該容器ホルダーと当該第2容器内部の間の通過密閉の確立;
当該容器ホルダーを通しての少なくとも1種のガス状反応物質の当該第2容器への導入;
第2容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下での、第2容器内でのプラズマの生成;
当該容器ホルダーからの第2容器の装填解除;および
第2把持部またはその他の把持部の使用しての、第2容器の当該容器ホルダーから軸方向に離しての搬送;および
当該容器ホルダーから軸方向に離れるよう移動させるのに使用した把持部からの第2容器の解除。
IV.B.図16は、製造ライン/システム内を移動可能である(本実施例において)検体採取管の端部を把持するための、吸着カップタイプの機器を使用する実施例である。本明細書内に示す特定の実施例は、被覆/処理の可能な手順(前述および後述される多くの可能な手順)の1つである。当該管は当該被覆手順/領域へと移動可能であり、当該管は当該容器ホルダーおよび(本実施例においては)当該シリンダー状電極へと下方向に位置付け可能である。当該容器ホルダー、検体採取管、および吸着カップは、その後共に、当該電極が動力を受け当該処理/被覆が実施される次の手順へと移動可能である。上記種類の電極はいずれも、本実施例において利用可能である。
IV.B.したがって、図15および16は、 当該容器80を当該被覆ステーション28へと/から移動させる容器搬送装置(通常202)を利用する、図13に類似の被覆ステーション28における容器ホルダー48を示す。当該容器搬送装置202は把持部204と共に提供可能であり、図示する搬送装置202は吸着カップである場合がある。粘着性パッド、活性真空源(当該把持部からの空気吸込用ポンプで活発に真空状態を生成)、またはその他の手段も、当該把持部として利用可能である。当該容器搬送装置202は、例えば当該容器80を当該容器ポート92の装填済み位置へと下げて、被覆のために当該容器80を位置付けるために使用可能である。当該容器搬送装置202はまた、当該ステーション28での処理完了後に、当該容器80を当該容器ポート92から引き上げるためにも使用可能である。当該容器搬送装置202はまた、当該容器 80と容器搬送装置48をステーションへと共に前進させる前に、当該容器80を装填するためにも使用可能である。当該容器搬送装置はまた、当該容器80を当該容器ポート92上の装填部へと強制移動するためにも使用可能である。また図15は上記により当該容器80の垂直方向の移動を示すよう適合可能であるが、当該容器搬送装置202が当該容器80の下にありそれを下から支持するという反転した適合が可能である、または考えられる。
IV.B.図16は、容器搬送装置202、例えば吸着カップ204により、当該容器80を水平方向に搬送しステーションから次のステーションへと移動する、および(代わりに)垂直方向に搬送しステーション28などの外側に出すおよび入れる方法の実施例を示す。当該容器80は、あらゆる方向に持ち上げおよび搬送可能である。図16は、したがって、複数手順からなる第1容器80のPECVD処理の方法を示す。
IV.B.図13の実施例において、当該外部電極160は通常開口端を有するシリンダー状であり、定常である可能性がある。開口部82を容器ポート96上に装填するまで、当該容器80を外部電極160を通して前進させることが可能である。本実施例において、当該プローブ108は随意に、恒久的にモールドするまたはその他の方法で当該ガス吸入ポート104内に確保することが可能であり、ワイピング密閉部により当該ポート104と当該プローブ108の間の相対運動が可能であるのとは対照的である。
IV.B.図14は、電気エネルギーを50Hz〜1GHzのプラズマへとカップリングするための追加の代替方法を示す。これは、所定位置に下げられる可能性があるコイル、または所定位置に押し上げられる可能性がある(機器を有する)当該容器ホルダーからなる場合がある。コイル電極は誘導性カップリング機器として見なされており、プラズマが生成される当該機器の内部へと磁性成分を付与可能である。
IV.B.プローブ108はさらに、図2および図13で述べたように使用可能である。当該容器ホルダーまたは上述の容器ホルダー48のその他の態様は、同様のままである。
IV.B.例えば図49が示すように、当該第1容器80とは異なる反応容器532を提供可能であり、また当該反応容器は開口端540および当該内面542により定義される内腔を有する。当該容器80と同様に、当該反応容器532は当該容器ホルダー48上に開口端540を有し、当該容器ホルダー48と当該反応容器の内腔542の間の通過密閉を確立することが可能である。
IV.B.図49は、図16に類似の処理対象容器80および浄化反応器532をPECVD被覆材装置へと搬送する機構を示す図である。本実施例において、当該内部電極108は随意に、当該容器ホルダー48から取り外すことなしに浄化可能である。
IV.B.図49は、前述被覆のために提供される容器80の代わりに当該反応容器が当該容器ホルダー48上に装填済みである場合、前述当該PECVD反応物質導管108が当該反応容器532の内腔542内の場所に位置していることを示す。図49は、当該導管108が外部部位および内部遠位端を有するにもかかわらず、本設定内の当該反応物質導管108を示す。当該反応物質導管108の少なくとも一部が当該容器80または532へと伸延する場合、本目的および当該請求項を満たす。
IV.B.図49の機構は、図示の通り、例えば少なくとも、図1および15〜16の実施例と併用可能である。当該浄化反応器532はまた、代替実施例において、容器ホルダー48などの上に移動された装填済みのシンプルな容器として提供可能である。本設定において、当該浄化反応器532は、例えば少なくとも図1〜3、8、9、12-15、18、19、21、22、26〜28、33〜35、37〜48、および52〜54の装置と併用可能である。
IV.B.電極108および160により定義されるプラズマ生成装置は、PECVD反応生成物の堆積の少なくとも一部を当該反応物質導管108から除去するのに効果的な条件下で、当該反応容器532の内腔内でプラズマを生成するよう設定可能である。当該内部電極およびガス源108は導電性管、例えば金属管である可能性があり、当該反応容器532は適切な素材から、好ましくは熱可塑性容器より高熱に耐えるセラミック、水晶、ガラスまたはその他の素材といった耐熱素材から製造可能であることが上述で考えられている。当該反応容器532の素材もまた、当該反応生成物の堆積の除去のために当該反応容器内で使用される条件に対して、耐薬品性または耐プラズマ性であることが望ましい。随意に、当該反応容器532は導電性素材から製造される場合があり、それ自体が当該反応物質導管108から堆積を除去するための特殊用途の外部電極として機能する。さらに別の代替方法として、当該反応容器532は当該外部電極 160上に装填する蓋として設定可能であり、その場合、当該外部電極160は好ましくは当該容器ホルダー48上に装填され閉口浄化反応チャンバを定義する。
IV.B.当該反応物質導管108からPECVD反応生成物の堆積の少なくとも一部を除去するのに効果的な反応条件には、酸素またはオゾン(どちらも個別にまたは当該プラズマ装置により生成される)といった酸化反応物質の大部分の導入、被覆材堆積に使用するレベルより高い電力、被覆材堆積に使用するレベルより長いサイクル、当該反応導管108上の不要な堆積除去方法として既知のその他の手段、が含まれると考えられる。別の実施例については、機械的フライス加工を不要な堆積を除去するために使用可能である。または、溶媒またはその他の薬剤を当該反応物質導管108を通して噴流させ、障害物を除去可能である。当該反応容器532は当該容器80の通常利用に適切である必要がないため、当該条件は被覆対照容器80の耐性よりさらに過酷である場合がある。しかしながら、随意に、容器80は当該反応容器として利用可能であり、当該堆積除去条件が過度に過酷である場合は、代替実施例において反応容器として利用した当該容器80は廃棄可能である。
V. 容器製造のためのPECVD法
V.1 PECVD被覆用前駆体
本発明のPECVD被覆用前駆体材は、有機金属前駆体として広く定義されている。有機金属前駆体は、本明細書におけるすべての目的に関して、例えば炭化水素残渣、アミノカーボン残渣、オキシカーボン残渣といった有機残渣を有する、周期表の第III族および/または第IV族からの金属元素化合物と定義される。本書で定義する有機金属化合物には、ケイ素またはその他の第III族/第IV族金属原子に直接結合する、または随意に酸素または窒素原子を通して結合する、有機部分を有するあらゆる前駆体が含まれる。関連する周期表第III族元素は、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スカンジウム、イットリウム、ランタンであり、アルミニウムおよびホウ素であることが望ましい。関連する周期表第IV族元素は、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、およびトリウムであり、ケイ素およびスズであることが望ましい。その他の揮発性有機化合物もまた考えられる。しかしながら、本発明の実行には有機ケイ素化合物が望ましい。
有機ケイ素前駆体が好ましく、「有機ケイ素前駆体」は以下の結合を少なくとも1つ有する化合物として本明細書において最も広く定義される:
または
直前の第1の化学構造は、酸素原子1つおよび有機炭素原子1つ(有機炭素原子は少なくとも1つの水素原子と結合する炭素原子)と結合する四価ケイ素原子である。直前の第2の化学構造は、-NH-結合1つおよび有機炭素原子1つ(有機炭素原子は少なくとも1つの水素原子と結合する炭素原子)と結合する四価ケイ素原子である。好ましくは当該有機ケイ素前駆体は、線状シロキサン、単環シロキサン、多環シロキサン、ポリシルセスキオキサン、線状シラザン、単環シラザン、多環シラザン、ポリシルセスキアザン、およびこれらの前駆体2つ以上の複合体からなる群から選択される。また、前述の2つの公式に当てはまらないが前駆体として考えられるものに、アルキルトリメトキシシランがある。
酸素を含む前駆体(例:シロキサン)を使用する場合、疎水性または潤滑性被覆材を生成する条件下のPECVDから導かれる典型として推定される経験的公式は、SiwOxCyHz(wは1、本公式のxは約0.5〜約1、yは約2〜約3、zは6〜約9)である。一方、遮断性被覆材を生成する条件下のPECVDから導かれる典型として推定される経験的公式は、SiOx(本公式のxは約1.5〜約2.9)である。窒素を含む前駆体(例:シラザン)を使用する場合、推定される組成物はSiw*Nx*Cy*Hz*である。すなわち、SiwOxCyHzにおいては本発明に従い、OはNに置換され指標はNの原子価がOより高くなるよう(2ではなく3)適合される。後者の適合は通常、シロキサンにおけるw、x、y、およびzがそれに相当するaza構造の指標に対する割合に従う。本発明の特定態様において、Siw*Nx*Cy*Hz*のw*、x*、y*、およびz*は、シロキサンのものと同様に定義されるが、水素数の逸脱のオプションとして扱われる。
上記経験的公式を有する前駆体出発物質の一種に線状シロキサンがあり、例えば以下の公式を有する物質である:
当該公式の各Rは独立して、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ビニル、アルキン、その他といったアルキル基から選択され、nは1、2、3、4、またはそれ以上であり、好ましくは2以上である。考えられる線状シロキサンのいくつかの例は、
ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、
オクタメチルトリシロキサン、
デカメチルテトラシロキサン、
ドデカメチルペンタシロキサン、
またはこれら2つ以上の複合体である。上記化学構造における-NH-を酸素原子に置換した類似シラザンもまた、類似被覆材の生成に有用である。考えられる線状シラザンのいくつかの例は、オクタメチルトリシラザン、デカメチルテトラシラザン、またはこれら2つ以上の複合体である。
V.C.別の種類に前駆体出発物質に単環シロキサンがあり、例えば以下の構造公式を有する物質である:
当該公式のRは線状化学構造のものと同様に定義され「a」は3〜約10であり、または当該類似単環シラザンである。考えられるヘテロ置換および非置換単環シロキサンおよびシラザンのいくつかの例には以下が含まれる:
1,3,5-トリメチル-1,3,5-トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)メチル]シクロトリシロキサン
2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン、
ペンタメチルシクロペンタシロキサン、
ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、
ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、
オクタフェニルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサン、
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、
メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シクロシロキサン、
以下のような環状オルガノシラザンも考えられる:
オクタメチルシクロテトラシラザン、
1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシラザン ヘキサメチルシクロトリシラザン、
オクタメチルシクロテトラシラザン、
デカメチルシクロペンタシラザン、
ドデカメチルシクロヘキサシラザン、または
またはこれら2つ以上の複合体。
V.C.別の種類の前駆体出発物質に多環シロキサンがあり、例えば以下の構造公式のいずれかを有する物質である:
当該公式のYは酸素または窒素である場合があり、Eはケイ素であり、Zは水素原子または有機置換基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ビニル、アルキン、その他といったアルキル基である。各Yが酸素である場合、それぞれの化学構造は、左から順に、シラトラン、シルクアシラトラン、シルプロアトランである。Yが窒素である場合、それぞれの化学構造はアザシラトラン、アザシルクアシラトラン、アザシルプロアトランである。
V.C.別の種類の多環シロキサン前駆体出発物質は、経験的公式RSiO
1.5および当該構造公式を有するポリシルセスキオキサンである:
当該公式の各Rは水素原子または有機置換基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ビニル、アルキン、その他といったアルキル基である。この種の2つの市販物質は、各RがメチルであるSST-eM01ポリ(メチルシルセスキオキサン)、および当該R群の90%がメチル、10%が水素原子であるSST-3MH1.1ポリ(メチル-ヒドリドシルセスキオキサン)である。本物質は、例えばテトラヒドロフランの10%溶液において入手可能である。またはこれら2つ以上の複合体も考えられる。 考えられる前駆体のその他の実施例には、CAS No.2288-13-3の各Yが酸素およびZがメチルであるメチルシラトラン、メチルアザシラトラン、各Rが随意にメチルであるSST-eM01ポリ(メチルシルセスキオキサン)、当該R群の90%がメチル、10%が水素原子であるSST-3MH1.1ポリ(メチル-ヒドリドシルセスキオキサン)、またはこれらの2つ以上の複合体がある。
V.C.上記化学構造における-NH-を酸素原子に置換した類似ポリシルセスキアザンもまた、類似被覆材の生成に有用である。考えられるポリシルセスキアザンの例は、各Rがメチルであるポリ(メチルシルセスキアザン)、および当該R群の90%がメチル、10%が水素原子であるポリ(メチル-ヒドリドシルセスキアザン)である。またはこれら2つ以上の複合体も考えられる。
V.C.特に、本発明に記載の潤滑性被覆材のための考えられる前駆体の1つとして、単環シロキサン、 例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
特に、本発明に記載の疎水性被覆材のための考えられる前駆体の1つとして、単環シロキサン、 例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
特に、本発明に記載の遮断性被覆材のための考えられる前駆体の1つとして、線状シロキサン、 例えばHMDSOが挙げられる。
V.C.本発明に記載のいずれかの被覆方法において、当該塗布手順は随意に、当該前駆体の気化により行われ、当該基板付近に提供される。例えばOMCTSは、当該PECVD装置への塗布前に約50℃に加熱して気化する。
V.2 一般的PECVD法
本発明の文脈においては、以下の手順を含むPECVD法を一般的に適用する:
(a) 本明細書で定義する前駆体からなる、好ましくは基板表面付近における有機ケイ素前駆体と随意にO2からなる、ガス状反応物質の提供、および
(b) ガス状反応物質からのプラズマの生成、すなわちプラズマ促進化学蒸着(PECVD)による基板表面上での被覆材の形成。
前述方法において、当該被覆材の特性は有利には以下の1つ以上の条件により設定される:プラズマの性質、当該プラズマにかける圧力、プラズマ生成のためにかける電力、ガス状反応物質内のO2の有無および相対量、プラズマの容量、および有機ケイ素前駆体。好ましくは、当該被覆材の特性は、ガス状反応物質内のO2有無および相対量、および/またはプラズマ生成のためにかける電力により設定される。
本発明のすべての実施例において、望ましい態様におけるプラズマは非ホロー陰極プラズマである。
さらに望ましい態様において、プラズマは(環境気圧または大気圧と比較して)減圧下で生成される。好ましくは、当該減圧は300mトール未満、より好ましくは200mトール未満、さらにより好ましくは100mトール未満である。
当該PECVDは、好ましくは当該前駆体を含むガス状反応物質を、マイクロ波または無線周波、好ましくは無線周波の周波数を動力源とする電極で加圧することで実行される。本発明の実施例の実施に望ましい当該無線周波数は、「RF周波数」とも呼ばれる。本発明の実行における通常の無線周波数範囲は、10kHz〜300MH未満、より好ましくは1〜50MHz、さらにより好ましくは10〜15MHzの周波数である。13.56MHzの周波数が最も望ましく、これはPECVD作業実施に関する政府認可の周波数である。
マイクロ波源と比べ、RF電力源を使用する場合の利点がいくつかある:RFは低電力で動作するため、当該基板/容器の加熱度が減少する。本発明の焦点はプラズマ被覆材をプラスチック基板上に被覆することであるため、当該基板の溶解/歪曲を防止するため低温の処理温度が望ましい。マイクロ波PECVD使用時は基板の過熱防止のため、当該マイクロ波PECVDをパルス電力による短時間噴出で塗布する。当該電力パルスにより、当該被覆材のサイクル時間が延び、これは本発明において好ましくない。またより高周波のマイクロ波は、当該プラスチック基板に残存水、オリゴマー、その他の物質といった揮発性物質のオフガスを引き起こす場合がある。このオフガスは、当該 PECVD被覆を阻害する恐れがある。PECVDのためのマイクロ波使用における最大の懸念は、当該被覆材の当該基板からの剥離である。剥離は、当該被覆層堆積前に当該マイクロ波が該基板表面に変化を及ぼすことが原因で発生する。剥離の可能性を低減するため、当該被覆材と当該基板の間の良好な結合を達成する、マイクロ波PECVD用の界面被覆層が開発されている。RF PECVDには剥離の恐れはないため、かかる界面被覆層は必要ない。最後に、本発明に記載の当該潤滑性被覆材および疎水性被覆材は、有利に低電力を使用して塗布される。RF電力は低電力で動作し、当該PECVD処理に対する制御において、マイクロ波電力より優れている。それにもかかわらず、マイクロ波電力は、望ましさの点では劣るが、適切な処理条件下で利用可能である。
さらには、本明細書に記載のすべてのPECVD法について、プラズマ生成に使用する電力(単位:ワット)とプラズマが生成される内腔の容量との間に、特定の相関関係が認められる。一般に前述内腔は、本発明に従い被覆される容器の内腔である。当該RF電力は、同一電極システムを利用する場合、当該容器の容量で計測するべきである。当該前駆体の対O2比率といったガス状反応物質の組成、およびその他すべてのPECVD被覆法パラメータ(電力を除く)が一旦設定されると、容器の形状が維持されその容量のみが変化する場合は一般的にそれらの変更は行われない。この場合、当該電力は当該容量に正比例する。したがって、本記載により提供される当該電力の対容量比から開始することで、同一形状かつ異サイズの容器内に同一または類似の被覆材を得るために適用するべき電力を、容易に探し出すことが可能である。当該容器形状が適用電力に与える影響を、管の実施例をシリンジバレルの実施例と比較した結果を用いて図示した。
本発明のいかなる被覆材についても、当該プラズマは、当該基表面上に被覆材を生成するのに十分な電力を動力源とする電極により生成される。潤滑性被覆材または疎水性被覆材については、本発明の実施例に記載の方法において、当該プラズマは好ましくは (i) 0.1〜25W、より好ましくは1〜22W、さらにより好ましくは3〜17W、さらに好ましくは5〜14W、最も好ましくは7〜11W、例えば8Wの電力を受ける電極で生成される、および/または (ii) 当該電極電力の対プラズマ量比が10 W/ml未満である、好ましくは5W/ml〜0.1W/ml、より好ましくは4W/ml〜0.1W/ml、最も好ましくは2W/ml〜0.2W/mlである。遮断性被覆材またはSiOx被覆材については、本発明の実施例に記載の方法において、当該プラズマは好ましくは (i) 8〜500W、より好ましくは20〜400W、さらにより好ましくは35〜350W、さらに好ましくは44〜300W、最も好ましくは44〜70Wの電力を受ける電極で生成される、および/または (ii) 当該電極電力の対プラズマ量比が5 W/ml以上である、好ましくは6W/ml〜150W/ml、より好ましくは7W/ml〜100W/ml、最も好ましくは7W/ml〜20W/mlである。
当該容器形状はまた、当該PECVD被覆に使用するガス吸入部の選択にも影響を与える可能性がある。特定の態様において、シリンジは開口管吸入で被覆される場合があり、管は当該管へと伸延する小型孔を有するガス吸入部で被覆される場合がある。
PECVDに使用する電力(単位:ワット)はまた、当該被覆材の性質にも影響を与える。通常、当該電力が増加すると被覆材の遮断性が増加し、当該電力が減少すると被覆材の潤滑性および疎水性が増加する。例えば、容量約3mlのシリンジバレル内壁上の被覆材については、主に遮断性被覆材である被覆材に30W未満の電力が通され、主に潤滑性被覆材である被覆材に30W以上の電力が通される(実施例を参照)。
被覆性を決定するさらなるパラメータとして、プラズマの生成に使用されるガス状反応物質内におけるO2(またはその他の酸化剤)の対前駆体(例:有機ケイ素前駆体)比率が挙げられる。通常、当該ガス状反応物質内のO2含有量が増加すると被覆材の遮断性が増加し、O2含有量が減少すると被覆材の潤滑性および疎水性が増加する。したがって、本発明のPECVD被覆法は、前述方法により作成される被覆材の潤滑性、被覆材の疎水性、被覆材の遮断性を設定するために使用可能である。
潤滑性被覆材が所望される場合、好ましくはO2の当該ガス状反応物質に対する体積/体積比は0:1〜5:1とし、より好ましくは0:1〜1:1とし、さらにより好ましくは0:1〜0.5:1とし、最も好ましくは0:1〜0.1:1とする。最も有利には、本質的に酸素は当該ガス状反応物質内に存在しない。したがって、当該ガス状反応物質は1 vol%未満のO2からなる、より詳細には0.5 vol%未満のO2からなる、および最も望ましくはO2が一切含まれていないものとする。疎水性被覆材についても同様とする。
一方、遮断性被覆材またはSiOx被覆材が所望される場合、当該O2のガス状反応物質に対する体積/体積比は好ましくは1 :1〜100 :1である、好ましくは5 :1〜30 :1である、より好ましくは10 :1〜20 :1、さらに好ましくは
15:1 の比率とする。
V.A. 実質上ホロー陰極プラズマを含まないプラズマを使用する、SiOx遮断性被覆材塗布のためのPECVD
V.A.本発明の特定実施例は、ケイ素、酸素、および随意にその他の元素を含む被覆材として(特定の事例において別途指定される場合を除き)本明細書内で定義されるSiOx(酸素の対ケイ素原子比であるxは約1.5〜約2.9、あるいは1.5〜約2.6、あるいは約2)の遮断性被覆材の塗布方法である。xに関するこれらの代替定義は、本明細書内で使用されるすべての用語SiOxに適用される。当該遮断性被覆材は容器、例えば検体採取管、シリンジバレル、またはその他の種類の容器の内部に塗布される。当該方法はいくつかの手順からなる。
V.A.容器の壁を用意し、またプラズマ生成ガス、すなわち有機ケイ素化合物ガス、随意に酸化ガス、随意に炭化水素ガスからなる反応混合物を用意する。
V.A.プラズマが、実質上ホロー陰極プラズマを含まない当該反応混合物内に生成される。当該容器壁は反応混合物と接触し、当該SiOx被覆材は容器壁の少なくとも一部に堆積する。
V.A.特定の実施例においては、SiOx被覆材の生成が酸素に対するよりよい遮断性をもたらす場合もあるため、被覆する容器部分を通してプラズマが均一に生成されることが望ましい。均一なプラズマとは、ホロー陰極プラズマ(標準プラズマより高い発光強度を有し、当該標準プラズマのより均一な強度に支障を及ぼす強度の高い局部として現れる)を大量に含むことのない標準プラズマを意味する。
V.A.当該ホロー陰極作用は、共通のアノードに関して同一の負電位で対立し合う対の導電性表面により、生成される。当該空間が生成され(圧力およびガスの種類により異なる)当該空間電荷シースがオーバラップする場合、当該対立壁シースの反射電位の間で電子が振動を開始し、当該シース領域の電位勾配により当該電子が加速するにつれて複数衝突が起こる。当該電子は当該空間電荷シースオーバラップ内に収容され、非常に高電離かつ高イオン密度のプラズマが生成される。この現象が、ホロー陰極作用と称される。当技術分野の当事者は、当該電力レベルおよび当該ガスの供給率または圧力といった処理条件を変更して、全域に均一なプラズマを生成すること、またはさまざまな程度のホロー陰極プラズマを含むプラズマを生成することが可能である。
V.A.代替方法において、例えば前述の図12の装置を使用して、PECVD処理においてプラズマを生成するためにマイクロ波エネルギーを使用可能である。しかしながら、熱可塑性容器へと適用されるマイクロ波エネルギーが水分子を励起する(振動する)ため、当該処理条件は異なる場合がある。少量の水が純プラスチック素材内に入っているため、当該プラスチックは当該マイクロ波より加熱される。当該プラスチックが加熱されるにつれ、当該機器外部の気圧と相対的な当該機器内部の真空により創出される大規模な駆動力により、素材が自由にまたは容易に当該内面88へと脱着し、それらは揮発性となる、または当該表面に弱く結合する。弱い結合物質はその後、(当該プラズマから堆積される)後続の被覆材の当該機器のプラスチック内面88への粘着を防止可能である界面を創出する。
V.A.この被覆防止作用を否定する方法として、被覆材を非常に低い電力(本実施例において5〜20ワット、2.45GHz)で堆積して、後続被覆材が接着できるキャッピングを生成することが可能である。これにより、2手順の被覆材処理(および2層の被覆材)となる。上記実施例において、(当該キャッピング層のための)当該初期ガス流量は、約2〜10秒間5〜20ワットの処理電力を有する、2sccm(「立方センチメートル毎分」)HMDSOおよび20sccm酸素に変更可能である。その後、上述実施例での流量へと当該ガスを調整し当該電力レベルを例えば35Wから50Wに増大することで、SiOx被覆材(本公式のxは約1.5〜約2.9、あるいは約1.5〜約2.6、あるいは約2)を堆積可能である。特定の実施例においてキャッピング層は、より高い電力でのSiOx被覆材堆積中における素材の容器内面88への移動を阻止することを除き、ほとんどまたはまったく機能しない可能性があることに注意されたい。当該機器壁内物質の容易な脱着の移動は、大部分のRF範囲といった低周波数においては通常問題とならないことにも注意されたい。なぜなら、当該低周波は分子種を励起(振動)しないからである。
V.A.前述の被覆防止作用を否定する別の方法として、マイクロ波エネルギーを適用する前に滞留水を除去するために当該容器80を乾燥させることが可能である。当該容器80の乾燥は、例えば、電熱器または強制空気加熱を利用した当該容器80の温熱性加熱により、達成可能である。当該容器80の乾燥はまた、乾燥剤への当該容器80の内部の曝露により、または当該容器80の内部のガス接触により、達成可能である。真空乾燥といったその他の容器乾燥手段も使用可能である。当該手段は、図示する1つ以上の当該ステーションまたは機器において、または個別のステーションまたは機器により実行可能である。
V.A.また上述被覆防止作用は、当該容器80のモールド原料である当該樹脂を選択または処理して当該樹脂が含有する水量を最低限に抑えることで、対処可能である。
V.B. 容器の制限的開口部(シリンジキャピラリー)を被覆するPECVD被覆材
V.B.図26および27は、通常管状である処理対象容器250の制限開口部294、例えばシリンジバレル250の制限前開口部294の内面292を、PECVDにより被覆する方法および装置(通常290)を示す。前述処理は、当該制限的開口部294の処理容器296への接続により、および随意にその他の修正の実行により、修正される。
V.B.通常管状である処理対象容器250には、外面298、内腔300を定義する内面254、内径を有する大開口部302、内面292により定義されかつ大開口部302の内径より小さな内径を有する制限的開口部294が含まれる。
V.B.当該処理容器296は内腔304および処理容器開口部306を有し、当該開口部は、その他の実施例において随意に処理中は閉口となる第2開口部を提供可能であるが、随意に唯一の開口部である。当該処理容器開口部306を当該容器250の制限的開口部294に接続し、処理される容器250の内腔300と処理容器の内腔の間の通過を制限的開口部294経由で確立する。
V.B.処理される容器250の内腔300および処理容器296の内腔304 内で、少なくとも一部を真空状態にする。PECVD反応物質がガス源144(図7を参照)から第1開口部302を通り、その後処理される容器250の内腔300、制限的開口部294、処理容器296の内腔304へと流入する。
V.B.内部経路310、近位端312、遠位端314、および遠位開口部316を有する通常管状である内部電極308の提供により、当該PECVD反応物質を当該容器250の大開口部302を通して導入可能である。代替実施例においては、複数の遠位開口部を当該遠位端314に隣接して提供し当該内部経路310と連絡させることが可能である。当該電極308の遠位端は、処理される容器250の大開口部302に隣接して/の内部に位置付け可能である。反応性ガスを、当該電極308の遠位開口部316を通して処理される容器250の内腔300へと供給可能である。当該PECVD反応物質導入前の初期に引かれた真空状態より高圧で当該PECVD反応物質が提供される範囲内において、当該反応物質は当該制限的開口部294を通り、その後当該内腔304へと流入する。
V.B.制限的開口部294の内面292上にPECVD反応生成物を堆積するのに効果的な条件下で、プラズマ318を制限的開口部294に隣接して生成する。図26に示す当該実施例において、RFエネルギーを当該通常U字型外部電極160と接地する当該内部電極308とに供給して、当該プラズマを生成する。当該電極への供給および接地接続を無効にすることが可能であるが、当該プラズマ生成時に処理される容器250と当該内部電極308が当該U字型外部電極を通る場合、この無効化により複雑性が生じる可能性がある。
V.B.処理の少なくとも一部の間に当該容器250内に生成される当該プラズマ318は、当該制限的開口部294および/または当該処理容器内腔304の内部に生成されるホロー陰極プラズマを含む。ホロー陰極 プラズマ318の生成により、当該制限的開口部294に遮断性被覆材を成功裏に塗布する能力がもたらされる。ただし本発明は、当該作業理論の正確性または適用可能性により制限されるものではない。したがって、作業の考えられる1モードにおいて、当該処理の一部を、均一プラズマを当該容器 250および当該ガス吸入全域に生成する条件下で実行可能であり、また一部を、ホロー陰極 プラズマを例えば当該制限的開口部294に隣接して生成する条件下で実行可能である。
V.B.本明細書で説明し当該図面で示すように、当該プラズマ318は当該シリンジ内腔300および当該制限的開口部294の実質上全域に伸延するため、当該処理はかかる条件下で動作されることが望ましい。当該プラズマ318もまた、当該シリンジ内腔300、当該制限的開口部294、および当該処理容器296の内腔304の実質上全域に伸延することが望ましい。これにより、容器250の内部254の均一な被覆が望ましいと仮定される。その他の実施例においては、不均一プラズマが望ましい可能性がある。
V.B.当該プラズマ318は、シリンジ内腔300および制限的開口部294が全域において実質上均一な色であること、および好ましくは、当該シリンジ内腔300、当該制限的開口部294、および当該処理容器296の内腔304の実質上全域において実質上均一な色であることが、通常望ましい。当該プラズマは、当該シリンジ内腔300および当該制限的開口部294全域において、および好ましくは当該処理容器296の内腔304全域においても、実質上不変であることが望ましい。
V.B.本方法の手順順序は、重要とは見なされていない。
V.B.図26および27の実施例において、当該制限的開口部294は第1取付部332を有し、当該処理容器開口部306は第1取付部332に装填するよう適合される第2取付部334を有し、処理容器296の内腔304と処理される容器250の内腔300の間の通過を確立する。
V.B.図26および27の実施例において、当該第1および第2取付部は雄および雌ルアーロック取付部332および334であり、それぞれ、当該制限的開口部294および当該処理容器開口部306を定義する構造と一体となっている。当該取付部の1つ(この場合は当該雄ルアー ロック取付部332)は、ねじ式内面を有し軸方向対向の通常溝付き釘第1当接部338を定義するロックカラー336からなり、もう1つの当該取付部334は、当該取付部332および334が係合する場合に当該第1当接部338に向き合う軸方向対向の通常溝付き釘第2当接部からなる。
V.B.図示する当該実施例において、密閉部、例えばオーリング342は、当該第1取付部332と第2取付部334の間に位置する場合がある。例えば溝付き釘密閉部は、当該第1当接部338と第2当接部340の間で係合する場合がある。当該雌ルアー取付部334はまた、当該ロックカラー336のねじ式内面と係合して当該第1取付部332と第2取付部334の間で当該オーリング342を捕捉するドッグ344も含む。随意に、制限的開口部294経由で、処理される容器250の内腔300と処理容器296の内腔304の間に確立された通過は、少なくとも実質上耐漏出性である。
V.B.さらなるオプションとして、当該ルアーロック取付部332および334のいずれか、または両方を、導電性素材、例えばステンレス鋼から作成することが可能である。当該制限的開口部294を成形するまたは隣接する本構成素材は、当該制限的開口部294内での当該プラズマの生成に寄与する可能性がある。
V.B.当該処理容器296の当該内腔304の望ましい容量は、被覆されていることが好ましい当該製品表面から当該反応物質流量をそらすことがない小容量と、当該内腔304が十分に充填され(当該制限的開口部294において当該圧力差を減少させることにより)望ましい値より低い流量率へと減少される前に当該制限的開口部294を通る寛大な反応性ガス流量率を支持する大容量との間の、トレードオフとなることが考えられる。当該内腔304の考えられる容量は、ある実施例において、処理される容器250の内腔300の容量の3倍未満であり、または処理される容器250の内腔300の容量の2倍未満であり、または処理される容器250の内腔300の容量未満であり、または処理される容器250の内腔300の容量の50%未満であり、またはまたは処理される容器250の内腔300の容量の25%未満である。また、それぞれの内腔の容量のその他の効果的関係も考えられる。
V.B.本発明者は、前図に示される当該内部電極の位置ほど当該容器250の内腔300へ侵入しないよう当該電極308の遠位端を当該容器250と関連させて再位置付けすることにより、特定実施例における当該被覆材の均一性が向上することを発見した。例えば、特定の実施例において当該遠位開口部316は、当該制限的開口部294に隣接するように位置付けられる場合があるが、別の実施例において当該遠位開口部316は、当該反応性ガス供給時の処理される容器の大開口部302から当該制限的開口部294までの距離の7/8未満、随意に3/4未満、随意に半分未満の箇所に位置付けられる場合がある。または、当該遠位開口部316は、当該反応性ガス供給時の処理される容器の大開口部から当該制限的開口部294までの距離の40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満の箇所に位置付けられる場合がある。
V.B.または、当該電極308の遠位端はやや内側または外側に位置付け可能であり、または、当該容器250の内部へと通過し反応性ガスを供給しながら、処理される容器250の大開口部302と共にフラッシュ可能である。処理される容器250と関連する当該遠位開口部316の位置付けは、特定の寸法およびさまざまの位置での試験によるその他の処理条件に関して最適化可能である。シリンジバレル250の処理のために考えられる当該電極308の特定の位置の1つは、当該大開口部302上部の当該容器内腔300内に約1/4インチ(約6mm)侵入する当該遠位端314と共にある位置である。
V.B.本発明者は現在、少なくとも当該容器250内の当該電極308の当該遠位端314を位置付けて電極として適切に機能させることが、必ずしも必須ではないにしろ、有利であると考察している。驚くべきことに、容器250内に生成される当該プラズマ318は、当該制限的開口部294を通り処理容器内腔304へとより均一に伸延可能であり、当該電極308は以前の利用と比べて当該内腔300内部に侵入しない。閉口容器の処理といったその他の装備により、当該電極308の遠位端314は一般に、その入口よりも当該容器の閉口端に近接して位置付けられる。
V.B.また当該電極308の遠位端314は、当該制限的開口部294に、または当該制限的開口部294を超えて、例えば図33に図示する処理容器内腔304内に、位置付けられる場合がある。例えば当該制限的開口部294を通る当該ガス流量を向上させるよう当該処理容器296を成形するといった、さまざまな手段を随意に提供可能である。
V.B.図34〜35に図示する別の代替法として、当該合成内部電極およびガス供給管398は、随意に当該大開口部302近隣に位置する遠位ガス供給開口部400などを有する場合があり、また、当該遠位ガス供給開口部400の遠位に伸延する、随意に当該制限的開口部294に隣接する遠位端に伸延する、随意に当該処理容器324へとさらに伸延する、突出し電極402を有する場合がある。この構造は、当該制限的開口部294に隣接する内面292内のプラズマ生成を促進すると考えられる。
V.B.さらに別の考えられる実施例において、当該内部電極308は、図26に示す通り、処理中に移動可能であり、例えば、まず当該処理容器内腔304へと伸延して、その後当該処理を進めるにつれて漸進的に近位へと引き揚げることができる。本手段は、当該容器250が選択された当該処理条件の下で細長く、当該内部電極が当該内面254のより均一な処理を促進する場合に、特に考えられる。本手段を利用すると、例えばガス供給率、真空吸引率、当該外部電極160に適用する電気エネルギー、当該内部電極308の吸引率、またはその他の要素といった当該処理条件が、当該処理が進むにつれ変化し、処理される容器の異なる部分へと当該処理をカスタマイズできる。
V.B.便宜上、本明細書で説明するその他の処理にあるように、処理される容器250の大開口部302を当該容器支持体320のポート322上に装填することにより、通常管状である処理される容器250の大開口部は容器支持体320上に位置付けられる場合がある。その後、処理される容器250の内腔300内で少なくとも一部を真空状態にする前に、内部電極308を容器支持体320に装填された容器250内に位置付け可能である。
V.B.図28に図示する代替実施例において、当該処理容器324は、図26に示す通り、当該容器250に固定される第1開口部306と当該容器支持体320内の真空ポート330と連絡する第2開口部328を有する導管の形状で提供可能である。本実施例において、当該PECVD処理ガスは当該容器250へと流入し、その後当該制限的開口部294経由で当該処理容器324へと流入した後に、当該真空ポート330経由で戻る。随意に、当該PECVD反応物質を塗布する前に、当該容器250は開口部294および302の両方を通して真空化可能である。
V.B.または、蓋なしシリンジバレル250は、図22に示すように、バレル250の後部端256にある開口部を通して供給源144から反応物質を導入することにより、および当該バレルの前部端260にある開口部を通して真空源98を使用し真空を引くことにより、内部SiOx被覆材(本公式でのxは約1.5〜約2.9、あるいは約1.5〜約2.6、あるいは約2)、遮断性被覆材、またはその他の種類のPECVD被覆材で被覆される場合がある。例えば当該真空源98は、当該シリンジバレル250の前端部260上に装填される第2取付部266を通して接続可能である。本手段を利用すると、当該反応物質が当該バレル250を通して単一方向(図22では上方向、ただし当該方向は重要ではない)へと流動するようになり、、当該供給ガスの当該シリンジバレル250内の排出ガスからの分別を行うプローブを通して当該反応物質を搬送する必要がない。当該シリンジバレル250の前端部260および後端部256は、代替装備において、当該被覆材装置と関連させて無効とすることが可能である。当該プローブ108は単に電極として機能する場合と、本実施例における管状のまたは間断ないロッドとして機能する場合がある。前述のように、当該内面254と当該プローブ108の距離間隔は、当該シリンジバレル250の全長の少なくともほとんどにおいて均一である可能性がある。
V.B.図37は、図22に類似の当該取付部266が当該プレート電極414および416から独立しておりそれらに装着されていない、別の実施例を示す図である。当該取付部266は、対応する当該シリンジバレル250の取付部を固定するよう適合されるルアーロック取付部を有する場合がある。本実施例により、当該真空導管418が当該電極416を通り越すことが可能となり、その一方で、当該容器ホルダー420および装着済み容器250は被覆手順中に当該電極414および416の間を移動する。
V.B.図38は、図22に類似の当該シリンジバレル250の前端部260が開口しており、当該シリンジバレル250が当該容器ホルダー424上に装填済みの真空チャンバ422により封入されている、また別の実施例を示す図である。本実施例において、当該シリンジバレル250内および当該真空チャンバ422内の当該圧力P1はほぼ同一であり、当該真空チャンバ422内の真空状態は随意に当該シリンジバレル250の前端部260を通して引かれる。当該処理ガスが当該シリンジバレル250へと流入する場合、それらは当該シリンジバレル250内に安定した組成が提供され、当該被覆材成形のため当該電極160が加圧されるまで、当該シリンジバレル250の前端部260を通って流入する。当該シリンジバレル250と比較してより大きい当該真空チャンバ422の容量および当該シリンジバレル250内の対向電極426の位置が原因で、当該前端部260を通る当該処理ガスは当該真空チャンバ422の壁上に大幅な堆積を成形することがないと考えられる。
V.B.図39は、図22に類似の 当該シリンジバレル250の後部フランジが容器ホルダー428と電極アセンブリ430の間に固定されシリンダー状の電極または対のプレート電極160および真空源98 が固定される、さらに別の実施例を示す図である。当該シリンジバレル250の外部に封入される当該容量(通常432)は、本実施例においては比較的少量であり、当該PECVD処理を行うための当該容量432および当該シリンジバレル250の内部を真空化するために必要な当該ポンプ動作を最低限に抑える。
V.B.図40は、図22に類似の 22および図41は、図38のの代替としての、また別の実施例を示す平面図であり、 当該実施例において、圧力比例弁434を提供することによりP1/P2圧力比は望ましいレベルに維持される。P1はより低真空状態である可能性があり、すなわちPECVD処理中のP2より高圧であるため、当該廃棄処理ガスおよび副産物が当該シリンジバレル250の当該前端部260へと透過し、排出されると考えられる。また、当該真空チャンバ422へと個別に供給する真空チャンバ導管436の提供により、真空ポンプを個別に利用してより大きな封入容量432をより迅速に真空化可能である。
V.B.図41は、図40の実施例の平面図であり、また図40から除去された当該電極160を示す。
V.C. 潤滑性被覆材の塗布方法
V.C.別の実施例は、有機ケイ素前駆体由来の潤滑性被覆材を塗布する方法である。 「潤滑性被覆材」または類似用語は通常、当該非被覆表面と比較して、当該被覆表面の摩擦抵抗を減少させる被覆材として定義される。当該被覆物体がシリンジ(またはシリンジ部品、例えばシリンジバレル)または通常プランジャーに含まれるその他の品目または当該被覆表面に接触するスライド式可動部品である場合、当該摩擦抵抗は主に2種類の態様 - 起動力およびプランジャースライド力を有する。
当該プランジャースライド力試験は、シリンジ内をスライドするプランジャーの摩擦の係数に特化した試験であり、通常平板表面上で測定されるスライド摩擦の係数に関連する標準的な力は、当該プランジャー/その他のスライド式構成要素と当該管/当該プランジャーのスライドするその他の容器との間の装着性を標準化することにより対応可能であるという事実を説明する。通常計測されるスライド摩擦係数に関連する当該並行力は、本明細書の記載通りに測定された当該プランジャースライド力と比較可能である。プランジャースライド力は例えば、ISO 7886-1:1993試験で規定される通りに測定可能である。
当該プランジャースライド力試験はまた、例えば管内に停止部材を保持する摩擦といったその他の種類の摩擦抵抗を測定するよう、当該装置および手順に適切な変更を加えて適合可能である。ある実施例において、当該プランジャーは閉包部により置換可能であり、当該閉包部を除去または挿入するための吸引力をプランジャースライド力の対照として測定可能である。
また、当該プランジャースライド力の代わりに、起動力を測定可能である。当該起動力は、定常プランジャーがシリンジバレル内を移動するよう起動させるのに必要な力、または装填済みの定常閉包部の装填を解除して移動を開始するのに必要な類似の力である。当該起動力は、ゼロまた低い値から始まり当該プランジャーが動きだす時点まで増加する、当該プランジャーに適用する力により測定される。シリンジの保管期間が長いと、当該プランジャーと当該バレルとの間の潤滑剤の分解が原因である、当該充填済みシリンジプランジャーによる介在潤滑剤の押しのけ、または当該バレルへの粘着が起こり、当該起動力が増加する傾向がある。当該起動力は、当該プランジャー とバレルの間の粘着力を指す業界用語である「sticktion(粘着摩擦力)」を打開するのに必要な力であり、これを打開して当該プランジャーを起動し移動を可能としなければなれない。
V.C.容器全体または一部を潤滑性被覆材で被覆するための装備の一部は、例えば選択的に表面においてスライドしながら他の部品と接触し、シリンジ内のピストンまたは検体管内の停止部材といったスライド式構成要素の停止部材または経路の挿入または除去を容易にする。当該容器はガラス製である場合があり、または例えばポリエステル、例えばテレフタル酸ポリエチレン(PET)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリプロピレンといったオレフィン、またはその他の素材である、ポリマー材製である場合がある。PECVDによる潤滑性被覆材の塗布は、PECVD処理による堆積と比較してより多量に適用されることが一般的である有機ケイ素またはその他の潤滑剤の噴霧、浸漬、別方法の塗布で該容器壁または閉包部を被覆する必要性を、回避するまたは低減する場合がある。
V.C.上記実施例V.C.のいずれにおいても、プラズマ、随意に非ホロー陰極 プラズマを、随意に当該基板付近に生成可能である。
V.C.実施例V.C.のいずれにおいても、当該前駆体は随意に、実質上酸素が存在しない環境へと提供可能である。V.C. 実施例V.C.のいずれにおいても、当該前駆体は随意に、実質上搬送ガスが存在しない環境へと提供可能である。V.C. 実施例V.C.のいずれにおいても、当該前駆体は随意に、実質上窒素が存在しない環境へと提供可能である。V.C. 実施例V.C.のいずれにおいても、当該前駆体は随意に、絶対圧が1トール未満である環境へと提供可能である。
V.C.実施例V.C.のいずれにおいても、当該前駆体は随意に、プラズマ発光付近の環境へと提供可能である。
V.C.実施例V.C.のいずれにおいても、当該被覆材は随意に、当該基板へと1〜5000nm、または10〜1000nm、または10〜200nm、または20〜100nmの層厚で塗布可能である。本被覆材またはその他の被覆材の層厚は、例えば透過電子顕微鏡法(TEM)で測定可能である。
V.C.TEMは、例えば以下の通り実行可能である。集束イオンビーム(FIB)断面法のため、2方向に検体を準備する。いずれかの検体をまず炭素の薄層(層厚50-100nm)で被覆し、その後K575X Emitech被覆システムを利用してプラチナのスパッタ層(層厚50〜100nm)で被覆可能である。または、当該検体を保護スパッタプラチナ層で直接被覆可能である。当該被覆検体を、FEI FIB200 FIBシステムに留置する。関心領域に30kVガリウムのイオンビームをラスターしながら有機金属ガスを射出することで、追加のプラチナ層をFIB堆積可能である。各検体の関心領域は、シリンジバレルの長さ半分にあたる場所で選択可能である。長さ約15μm(「マイクロメートル」)、幅2μm、奥行15μmの断面を、独自の原位置FIBリフトアウト法を利用して、成形型表面から抽出可能である。FIB堆積プラチナを使用して、当該断面を200メッシュ銅製TEMグリッドへと装着可能である。各セクションのサイズ〜8μm幅の1〜2つのウィンドウを、FEI FIBのガリウムイオンビームを使用して、電子透かしへと薄膜化可能である。
V.C.準備した検体の断面画像分析を、透過電子顕微鏡(TEM)、または走査型透過電子顕微鏡(STEM)、または両方を利用して実行可能である。すべての画像データをデジタル記録可能である。STEM画像については、薄肉ホイル付きの当該グリッドをSTEM専用のHitachi HD2300へと転送可能である。転送された電子画像のスキャンは、原子数造影モード(ZC)および転送電子モード(TE)において適切な倍率で取得可能である。以下の機器設定を利用可能である。
V.C.TEM分析については、当該検体グリッドをHitachi HF2000透過電子顕微鏡へと転送可能である。転送された電子画像は、適切な倍率で取得可能である。画像取得の際に使用する関連機器設定は以下のものである場合がある。
V.C.実施例V.C.のいずれにおいても、当該基板はガラスまたは、例えばポリカーボネートポリマー、オレフィン重合体、環状オレフィン共重合体、ポリプロピレンポリマー、ポリエステルポリマー、テレフタル酸ポリエチレンポリマー、またはこれら2種以上の複合体といったポリマーからなる場合がある。
V.C.実施例V.C.のいずれにおいても、当該PECVDは随意に、上記で定義される、例えば周波数が10kHz〜300MH未満、より好ましくは1〜50MHz、さらにより好ましくは10〜15MHz、最も好ましくは13.56MHzである、RF周波数を動力源とする電極を有する前駆体を包含するガス状反応物質を加圧することで実行可能である。
V.C.実施例V.C.のいずれにおいても、潤滑性被覆材を成形するのに十分な電力供給を受ける、電極を有する当該前駆体からなるガス状反応物質を加圧することにより、プラズマを生成可能である。随意に、当該プラズマは0.1〜25W、好ましくは1〜22W、より好ましくは3〜17W、さらにより好ましくは5〜14W、最も好ましくは7〜11W、特に8Wの電力供給を受ける電極を有する前駆体を包含するガス状反応物質を加圧することにより、生成する。当該電極電力の対プラズマ量比は10 W/ml未満であり、好ましくは5W/ml〜0.1W/ml、より好ましくは4W/ml〜0.1W/ml、最も好ましくは2W/ml〜0.2W/mlである場合がある。当該電力レベルは、シリンジや検体管、およびその内部でPECVDプラズマが生成され1〜3mLの空隙容量を有する類似形状容器への、潤滑性被覆材の塗布に適している。より大きいまたはより小さい物体については、当該基板サイズの処理に従い、適用電力を適宜に増加または減少させるべきであると考えられる。
V.C.考えられる製品の1つは、随意に、1つ以上の実施例V.C.の方法により処理されるバレルを有するシリンジである場合がある。
V.D. 流体塗布被覆
V.D.PECVD適用被覆材または本明細で開示するその他のPECVD処理と併用して使用可能な、適切な遮断性被覆材またはその他の種類の被覆材のもう1つの実施例は、流体遮断層、潤滑剤、界面エネルギーテーラリング、または当該容器内面に塗布されるその他の種類の被覆材90である場合があり、当該容器内面への塗布は直接、または1種以上の介在性PECVD適用SiwOxCyHz, SiOx被覆材と共に、潤滑性被覆材と共に、または両方と共に行われる。
V.D.適切な流体遮断膜またはその他の種類の被覆材90はまた、随意に、例えば流体モノマーまたはその他のポリマー、または硬化材料を当該容器80の内面に塗布することにより、当該流体モノマーを硬化、ポリマー化、または交差結合させて間断ないポリマーを成形することにより、塗布可能である。適切な流体遮断またはその他の種類の被覆材90はまた、溶媒ポリマーの当該表面88への塗布および当該溶媒の除去により、提供可能である。
V.D.上記いずれかの方法に、処理ステーションまたは機器28における当該容器ポート92経由で当該容器80の内部88上に被覆材90を成形する手順が含まれる場合がある。一実施例として、流体被覆材、例えば硬化性モノマー、プレポリマー、またはポリマー分散の当該容器80の内面88への塗布、および当該容器80の内容物を内面88から物理的に隔離する膜を成形するための硬化が挙げられる。先行技術により、ポリマー被覆技術はプラスチック製採血管の被覆に適切であると記述される。例えば、参照することにより本書に含まれる米国特許6,165,566に記載の、アクリルおよびポリ塩化ビニリデン(PVdC)被覆材および被覆方法を利用可能である。
V.D.また上記いずれかの方法に、当該容器80の外壁上に被覆材を成形する手順が含まれる場合がある。当該被覆材は、遮断性被覆材であり、随意に酸素遮断性被覆材であり、随意に水遮断性被覆材である場合がある。 適切な被覆材の実施例の1つに、水遮断性および酸素遮断性の両方の機能を有するポリ塩化ビニリデンがある。随意に、当該遮断性被覆材を水系被覆材として塗布可能である。当該被覆材は随意に、当該容器の浸漬、当該容器への噴霧、またはその他の手段により、塗布可能である。上述の外部遮断性被覆材を有する容器もまた、考えられる。
VI. 容器の検査
VI.図1に示すステーションまたは機器は、容器壁または容器壁のガス放出を通しての大気圧損失または質量流量率または体積流量率の測定により 、欠陥検出のため容器80の内面を検査するよう設定可能である、処理ステーションまたは機器30である。当該機器30は当該機器26と同様の動作が可能であるが、例外として、当該機器30により提供される検査に合格するには当該容器のより良いパフォーマンス(任意処理条件におけるより低い漏出度または透過度)が必要とされる場合がある。なぜなら、図示する当該実施例において、当該ステーションまたは機器30に到達する前に、遮断膜またはその他の種類の被覆材が当該ステーションまたは機器28により塗布されているからである。一実施例において、当該被覆容器80の本検査は、当該機器またはステーション26における同一容器80の検査と比較可能である。当該ステーションまたは機器30におけるより低い漏出度または透過度により、当該遮断性被覆材が少なくともある程度機能していることが示される。
VI.2つの異なるステーションまたは機器で測定される容器80の同一性は、個別の同定用標識、例えばバーコード、その他の記号、または無線周波数識別(RFID)機器またはマーカーを各当該容器ホルダー38〜68に貼付して、図1に示す循環コンベヤーの2つ以上の異なる地点で測定される容器の同一性を一致させることにより、確認可能である。1. 当該容器ホルダーは再利用可能であるため、新規容器80が当該容器ホルダー40上に装填される直後に、それらが図1の容器ホルダー40の位置に到達する時点で、コンピューターデータまたはその他のデータ保存構造内に登録可能である。また、当該処理の終点で/近くで、例えば図1の容器ホルダー 66の位置に到達した時点でまたは後で、当該データ登録から除去可能であり、当該処理容器80は当該搬送機構74により除去される。
VI.当該処理ステーションまたは機器32は、例えば当該容器へと塗布される遮断膜またはその他の種類の被覆材の欠陥検出のために、容器を検査するよう設定可能である。図示する当該実施例において、当該ステーションまたは機器32は、当該被覆材の層厚を測定することで、当該被覆材の光学源透過を判定する。当該遮断膜またはその他の種類の被覆材は、適切に塗布される場合、表面がより均一となるため、追加の素材が塗布されていたとしても、当該容器80の透明度を高めることが可能である。
VI.当該被覆材の層厚のその他の測定法として、当該被覆材90の内部(当該容器内部154内の大気との界面)で跳ね返るエネルギー波と当該容器80の内面88(当該被覆材90の外部との界面)で跳ね返るエネルギー波との間の移動距離の差異を判定するための、干渉計測の利用もまた考えられる。周知の通り、当該移動距離の差異は、それぞれの波の到達時間を高精度で測定することにより、直接的に判定可能である。または、当該試験条件と関連して、当該入射エネルギーのどの波長が強化または相殺されるかを判定することにより、間接的に判定可能である。
VI.被覆材の完全性を確認するために実行可能な別の測定技術として、当該機器の偏光解析測定が挙げられる。この場合、偏光レーザービームを当該容器80の内側または外側から投射可能である。内側からレーザービームを投射する場合、当該レーザービームは当該表面に直交的に示され、その後透過または反射光線として測定される。光線極性における変化を測定可能である。当該機器表面上の被覆または処理は、当該レーザービームの偏光度に影響を与える(変化させる)ため、当該極性における変更が望ましい結果である場合がある。当該極性における変化は、当該表面に被覆または処理を行った直接的な結果であり、当該変化量は処理または被覆の量に関連する。
VI.当該偏光光線が当該機器外部から投射される場合、検出器を内部に位置付けて当該光線の透過成分(および上記で判定された当該極性)を測定可能である。または検出器を、(当該機器の内面上への)処理/被覆の間の界面からの当該光線の反射点に対応できる位置である、当該機器の外部に位置付けることが可能である。当該極性変化は、その後上記詳細図の通り判定可能である。
VI.上述の光学性質および/または漏出率の測定に加えて、その他のプローブおよび/または機器を当該機器内部に挿入して、検出器装置により測定値を得た。本装置は、当該測定技術または方法により制限されない。機械、電気、磁性性質、またはその他の物理的、光学的、化学的性質を利用するその他の試験方法を、利用可能である。
VI.当該プラズマ処理設定の間に、光学検出システムは随意に、当該プラズマ環境特有の化学的特徴に対応する、当該プラズマ発光スペクトル(波長および強度プロフィール)を記録するために使用可能である。この特徴的な発光スペクトルにより、当該被覆材が塗布され処理されたことが確認される。当該システムはまた、リアルタイムの精密測定および処理済み各部についてのデータアーカイブツールを提供する。
VI.上記いずれかの方法に、処理ステーション24、26、30、32、または34において欠陥検出のため当該容器80の内部88を検査する手順が含まれる場合がある。検出プローブ172を当該容器ポート92経由で当該容器80へと挿入することにより、および当該プローブ172を使用して当該容器内面88または遮断膜またはその他の種類の被覆材90の状態を検出することにより、当該ステーション24、32、および34で検査を実行可能である。図11に示すように、当該容器壁86および容器内面88を通してエネルギーを内側に放射することにより、および当該プローブ172で当該エネルギーを検出することにより、検査を実行可能である。または、当該容器内面88からの放射を反射することにより、当該容器80内部に位置する検出器で当該エネルギーを検出することにより、 検査を実行可能である。または、容器内面上の多数の密集点における当該容器内面88の状態を検出することにより、 検査を実行可能である。
VI.上記いずれかの方法に、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が保存可能期間1年間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面88全域の十分な地点における検査手順の実行が含まれる場合がある。
VI.上記いずれかの方法に、容器あたり30秒以下、容器あたり25秒以下、容器あたり20秒以下、容器あたり15秒以下、容器あたり10秒以下、容器あたり5秒以下、容器あたり4秒以下、容器あたり3秒以下、容器あたり2秒以下、容器あたり1秒以下の経過時間以内の検査手順の実行が含まれる場合がある。これは、例えば当該遮断膜またはその他の種類の被覆材で覆われた容器壁の有効性を測定することにより、可能となる場合があり、図7に示すように、これには当該容器80全体の測定を伴う場合がある。または、図6、10、および11に示すまたは代用可能な検出器172として電荷結合素子を利用して、多数のまたはすべての検査対象点を並行して検査することにより、可能となる場合がある。後者手順は、当該容器内面88上の多数の密集点における当該遮断膜またはその他の種類の被覆材の条件を、非常に短い期間で検出するために使用可能である。
VI.当該方法のいずれかの実施例において、希望する場合、電荷結合素子172を使用してデータを収集し、検査の済んだ当該容器80を搬出し、当該収集データをその後すぐに当該容器80が終盤工程へと進む間に処理することにより、複数地点の容器検査をさらに促進可能である。当該データ処理により後に当該容器80に欠陥が確認された場合、欠陥品である当該容器80は当該検出ステーション34など(図10)の終盤工程地点でラインから除去することが可能である。
VI.上記いずれかの実施例において、当該容器80内の初期真空レベル(すなわち対大気の初期減圧)が、初期に真空とされその壁86が環境大気に曝露している場合に、少なくとも12カ月、または少なくとも18カ月、または少なくとも2年の保存可能期間中に20%を超えて、随意に15%を超えて、随意に10%を超えて、随意に5%を超えて、随意に2%を超えて減少することを防止するのに、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90が有効であることを判定するための、当該容器80の内面88全域の十分な地点において検査手順を実行可能である。
VI.当該初期真空レベルは、高真空、すなわち残留気圧が10トール未満である場合があり、またはより低真空、例えば陽圧(すなわち全真空を超える過剰圧)20トール未満、50トール未満、100トール未満、150トール未満、200トール未満、250トール未満、300トール未満、350トール未満、380トール未満である場合がある。真空採血管の当該初期真空レベルは、例えば、多くの場合、当該管を使用する試験の種類により、すなわち、製造時に当該管に添加される試薬の種類および適量により決定される。当該初期真空レベルは一般に、当該管に含まれる試薬と結合させるのに適正な量の血液を引きこむよう設定される。
VI.上記いずれかの実施例において、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器80内の圧力が少なくとも1年間の保存可能期間中に環境大気圧の15%を超えて、または10%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面88全域の十分な地点における、遮断膜またはその他の種類の被覆材90の検査手順が実行される場合がある。
VI.A. 被覆前および被覆後検査を含む容器処理
VI.A.さらなる別の実施例は、開口部および内面を定義する壁を有するモールドプラスチック容器を処理する、容器処理方法である。当該方法は、モールド時のまたは被覆直前の当該容器内面の欠陥検出のための検査、検査後に型どおりに当該容器内面への被覆材の塗布、および当該被覆材の欠陥検出のための検査により、実行される。
VI.A.別の実施例は、検査後に型どおりに遮断性被覆材を当該容器に塗布する容器処理方法であり、当該容器内面は当該遮断性被覆材の塗布後に検査欠陥検出のために検査される。
VI.A.一実施例において、当該ステーションまたは機器26(被覆材塗布のためのステーションまたは機器28としても機能可能)は、以下の気圧容器検査のために使用可能である。当該弁136および148のいずれかまたは両方を開放して、当該容器80を所望のレベルに、好ましくは10トール未満といった極低圧に、随意に1トール未満に、真空化可能である。当該弁136および148のどちらが先に開口してもその後閉口可能で、当該容器80の真空内部154および当該圧力計152を、環境条件からおよび当該真空源98から隔離する。測定時間にわたる圧力変化は、当該容器壁を通るガス侵入または当該壁の素材および/または当該容器壁上の被覆材からのガス放出が原因であるかどうかに係わらず、その後感知され、当該容器ホルダー44への装着時点での当該容器80への環境ガスの侵入率の計算に使用可能である。本目的に関するガス放出は、吸収または遮蔽されたガスまたは水蒸気の、随意に少なくとも一部真空の、当該容器壁からの放出と定義される。
VI.A.別のオプション修正は、気圧より高圧の当該環境ガスの提供である場合がある。これはまた、遮断膜またはその他の種類の層を通るガス搬送率を増加させ、環境気圧が低い場合により短時間で差異を測定可能である場合がある。または、ガスをより高い環境気圧で当該容器80へと導入して、再度、当該壁86を通る当該搬送率を増加させることが可能である。
VI.A.随意に、当該ステーションにおけるまたは当該機器26による当該容器検査は、当該基板に関する前盤工程でヘリウムといった検査ガスを、当該容器80の内部または外部のいずれかに提供することにより、および当該終盤工程でそれを検出することにより、修正可能である。水素といった低分子量ガス、または酸素や窒素といった廉価/入手が容易なガスも、検査ガスとして利用可能である。
VI.A.ヘリウムは、大気中の窒素や酸素といったよくある環境ガスと比べて非常に迅速に、不完全な遮断膜またはその他の種類の被覆材を通り抜けるため、または漏出密閉部を通過するため、漏出/透過検出率を増加させる検出検査ガスとして考えられる。ヘリウムは、以下の特徴により多くの間断ない基板または小ギャップを通る高搬送率を有する:(1) 不活性であるため、多大に当該基板により吸収されない、(2) 容易にイオン化されないため、電子と原子核の間の引力が高く分子が非常にコンパクトである、および (3) 分子量4であるため、窒素(分子量28)や酸素(分子量32)とは対照的に、当該分子がよりコンパクトであり多孔質基板またはギャップを容易に通り抜けられる。これらの要素によりヘリウムは、任意の透過性を有する遮断膜を通って多くのその他のガスより迅速に移動する。また、大気が通常包含するヘリウムは非常に少量であるため、特に漏出・透過を測定するために当該ヘリウムを当該容器80内に導入し当該容器80外部で検出する場合、追加されたヘリウムの存在は比較的容易に検出可能である。当該ヘリウムは、当該基板上流の圧力降下により、または当該基板を通過した下流ガスの分光分析といったその他の手段により検出可能である。
VI.A.O2蛍光検出からの酸素濃度判定による気圧計容器検査の実施例は以下の通り。
VI.A.励起源(Ocean Optics USB-LS-450 Pulsed Blue LED)、ファイバーアセンブリ(Ocean Optics QBIF6000-VIS-NIR)、スペクトロメータ(USB4000-FL Fluorescence Spectrometer)、酸素センサープローブ(Ocean Optics FOXY-R)、およびアダプター経由で真空源に接続される真空供給装置(lVFT-1000-VIS-275など)を使用する。真空を適用して環境大気を除去可能であり、当該容器が規定の圧力である場合には、漏出したまたは環境大気から当該容器を透過して再充填する酸素含有量を、当該検出システムを使用して判定可能である。被覆管で非被覆管を置換し、O2濃度測定を実施可能である。当該被覆管上のO2表面吸収の差異(SiOx表面、対非被覆PETまたはガラス表面)および/または表面からのO2拡散率の変動により、当該被覆管に、非被覆検体とは異なる大気中酸素含有量が再現性を伴って示される。検出時間は1秒未満である場合がある。
VI.A.当該気圧方法は、感知される特定のガス(ヘリウム検出またはその他のガスを検討可能)または特定の装置/装備に制限されると、見なされるべきではない。
VI.A.当該処理ステーションまたは機器34もまた、遮断膜またはその他の種類の被覆材の欠陥検出のための検査を行うよう設定可能である。図1および10の実施例において、当該処理ステーションまたは機器34は別の光学検査である場合があり、今回は、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90の少なくとも一部、または当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90の実質上全体の性質を、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90上の多数の密集点においてスキャンするまたは個別に測定することを意図する。当該多数の密集点は、すべての場合においてまたは当該表面の少なくとも一部の平均として、例えば約1ミクロン間隔、または約2ミクロン間隔、または約3ミクロン間隔、または約4ミクロン間隔、または約5ミクロン間隔、または約6ミクロン間隔、または約7ミクロン間隔で離れている可能性があり、したがって、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90の一部またはすべての極小地点を個別に測定する。一実施例において、当該被覆材の各小領域の個別スキャンは、ピンホールまたはその他の欠陥を見つけるのに有用であり、またピンホール欠陥の局所的作用と、過多に薄肉または多孔質である被覆材を有するより広い領域といったより一般的な欠陥とを判別するのに有用である場合がある。
VI.A.当該ステーションまたは機器34による検査は、放射線または光源170またはその他の適切な無線周波数、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、または電子光線源を、例えば当該容器ポート92経由で当該容器80へと挿入することにより、および、当該放射線源から透過する放射線を検出器を利用して検出して、例えば当該遮断性被覆材90といった当該容器内面の条件を検出することにより、実行可能である。
VI.A.また、当該上記容器ホルダーシステムを、当該機器の試験に使用可能である。例えば、ガス供給ポート110を有する図2のプローブ108は、光源170(図10)で置換可能である。当該光源170は、当該管内部で照射可能であり、その後、透過性またはその他の性質を測定して後続試験を当該管外部で完了可能である。当該光源170を当該管の内部へと伸延可能であり、方法は当該プローブ108を当該パックまたは容器ホルダー62へと押し込むやり方と同様であるが、真空および密閉部は必ずしも必要ない。当該光源170は、光ファイバー源、レーザー、点光源(LEDなど)、またはその他の放射線源である場合がある。当該源は、深紫外線(100nm)から遠赤外(100 ミクロン)までの1つ以上の周波数で、およびそれらの間のあらゆる周波数で、照射可能である。使用可能な当該源についての制限はない。
VI.A.特定の実施例については図10を参照のこと。図10において、当該管または容器80は当該パックまたは容器ホルダー62内に位置し、当該プローブ108の端部にある光源170は当該管内部へと挿入される。この場合の当該光源170は、当該容器80の外部を包囲する当該検出器172により受信されるのに十分な強度の青色LED源である場合がある。当該光源170は、例えば内面176上の画素174 などの配列からなる三次元電荷結合素子(CCD)である場合がある。当該画素174などは、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90および容器壁86を通して放射される照射を受信し検出する。本実施例において、当該検出器172は、図2の電極164と容器80の距離間隔より大きい当該容器80と関連する内径、および半球頂部ではなく当該閉口端84に隣接するシリンダー状の頂部を有する。当該外部検出器172は、当該容器80から半径方向に走るより小さいギャップ、および当該閉口端84に隣接する頂部におけるより均一な寸法のギャップを有する場合がある。これは例えば、当該容器80が装填済みである場合に、当該閉口端84と当該検出器172の頂部に共通の曲率中心を提供することにより、達成可能である。どちらの変動も適切であると考えられるが、この変動により、当該容器80曲線閉口端84のより均一な検査がもたらされる場合がある。
VI.A.当該光源投入前に当該CCDを測定し、当該結果値をバックグラウンドとして保存する(後続測定値から引かれる場合がある)。当該光源170はその後投入され、当該CCDにより測定値を取得する。当該結果測定値はその後、光総透過率(非被覆管と比較して当該被覆層厚平均を判定する)、および欠陥密度(当該CCDの各元素の個別の光子計数を取得して閾値と比較する。当該光子計数が低い場合これは不十分な光透過に相当する)を計算するのに使用される可能性がある。光透過が低いと被覆の欠如または過度に薄い被覆につながり、つまり当該管上の被覆材の欠陥となる可能性がある。光子計数の低い隣接元素の数を測定することにより、当該欠陥のサイズを推測可能である。当該サイズおよび欠陥数を合計して、当該管の質を評価可能である。または、当該光源170からの放射線の周波数に特異である場合がある、その他の性質を判定可能である。
VI.A.図10の実施例において、当該容器内面、例えば当該被覆材90および当該容器壁86を通してエネルギーを外側に照射可能であり、当該容器外部に位置する検出器172で検出可能である。さまざまな種類の検出器172を使用可能である。
VI.A.当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90および容器壁80を通り透過する当該源170からの当該入射放射線は(任意点の当該容器壁80に垂直な基準線と比較して)低入射角としては大きい可能性があるため、当該容器壁86を通して法線にかかる画素174などは、近隣の画素より多くの放射線を受ける。ただし、1つ以上の画素が当該遮断膜またはその他の種類の被覆材の一任意部分を通る光の一部を受ける可能性があり、また当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90および容器壁80の1箇所以上の任意部分を通る光が特定の画素174などにより収受される。
VI.A.当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90および容器壁86の特定の部位を通る放射線を検出するための当該画素174などの解像度は、当該CCDを留置して画素174などの配列を近づけ当該容器壁86の輪郭に密接に適合させることで、増加可能である。当該解像度はまた、図6に図解するように、当該容器80の内部を照射するため、より小さい光源または本質的に点光源を選択することにより、増加可能である。またより小さい画素の使用により、当該CCDにおける画素配列の解像度が向上する。
VI.A.図6において、点光源132(レーザーまたはLED)はロッドまたはプローブの端部に位置する。(「点光源」とは、小型LEDまたは光ファイバー放射光の拡散端部よりあらゆる方向に生成される場合がある数学的点に類似する小量源から放射される光、または、小断面光線、例えばレーザーにより透過するコヒーレント光として放射される光のいずれかを指す。)当該点光源132は、例えば該遮断膜またはその他の種類の被覆材90および容器壁80の特性の測定中に軸方向に可動できるといったように、定常性または可動性のいずれかである場合がある。可動性である場合、当該点光源132は当該機器(管)80の内部を上下移動可能である。上述と同様の方法で、当該容器80の内面88をスキャン可能であり、外部検出器装置134により後続測定値を得て被覆材の完全性を決定する。本アプローチの利点として、特定の方向性を伴う直線偏光または類似のコヒーレント光源を利用できることが挙げられる。
VI.A.当該点光源132の位置は画素174などの指標となる場合があり、当該検出器の照射は当該被覆材90の特定領域に関して当該検出器が直角である時に判定される。図10の実施例において、随意に容器80の閉口端84の曲線(ある場合)に一致する曲線端を有するシリンダー状検出器172を、シリンダー状容器80の特性を検出するために使用可能である。
VI.A.図10を参照して、当該検査ステーションまたは機器24または34は、当該光またはその他の放射線源170および検出器172の位置を反転させることにより修正可能であり、その結果、当該光を当該容器壁86を通って当該容器80の外部から内部へと照射できることが、理解される。この手段を選択する場合、一実施例において、均一な入射源またはその他の放射線を、積分球光源186の壁184を通して当該容器80をアパーチャ182へと挿入することにより、提供可能である。積分球光源は、当該容器80外部および当該積分球内部の当該源170からの光または放射線を分光させるため、当該容器80の壁86のそれぞれの点を通過する光は比較的均一となる。これは、異なる形状を有する当該壁86の部位に関連するアーチファクトにより生じる歪曲を減少させる傾向がある。
VI.A.図11の実施例において、当該検出器172は、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90または当該容器80の内面88に密接に適合するよう表示される可能性がある。当該検出器172は、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材80である当該容器壁86の同一側にある場合があるため、この近接は当該画素174などの解像度を増加する傾向がある。しかしながら本実施例においては、当該検出器172を好ましくは当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90と相対的に正確に位置付けて、互いに擦過し合うこと、さらには当該被覆材または当該CCD配列のいずれかが損傷することを防止するものとする。当該検出器172の当該被覆材90への直接隣接した留置はまた、当該容器壁86による屈折作用を低減する可能性があり、これは図10の実施例において、当該光またはその他の放射線が当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90を通過した後に生じるため、検出される当該シグナルは当該容器80の局所的形状および当該光またはその他の放射線の入射角により異なって屈折する場合がある。
VI.A.その他の遮断膜またはその他の種類の被覆材を検査する技術および機器もまた、使用可能である。例えば、当該機器の処理/被覆を特徴付けるため、蛍光測定を利用可能である。図10および6に記述の同一装置の利用により、当該壁86のポリマー素材および/または当該壁86のポリマー素材内のドーパントと相互作用する可能性がある、光源132または170(またはその他の放射線源)を選択可能である。これを検出システムと結合させて、欠陥、層厚、およびその他のパフォーマンス要素を含む性質の範囲を特徴付けるために使用可能である。
VI.A.別の検査の実施例は、当該処理/被覆および/または当該ポリマー自体を特徴付けるためのX線の使用である。図10または6において、当該光源はX線源に置換可能であり、当該外部検出器はX線強度を測定する種類のものである場合がある。当該遮断膜またはその他の種類の被覆材の元素分析を、この技術を利用して実行可能である。
VI.A.機器80をモールドした後に、当該ステーション22において、後続の処理または被覆を不完全にまたは無効に塗布する、複数の潜在的問題が生じる場合がある。これらの問題に関する被覆を行う前に当該機器を検査する場合、所望の結果を確保するよう随意に6シグマ制御で高度に最適化された処理で、当該機器を被覆可能である。
VI.A.処理および被覆を妨害する可能性がある当該潜在的問題の一部には、以下が含まれる(生成する被覆物質の性質により異なる):
VI.A.1.大密度の粒子汚染欠陥(例えば、各最長寸法10マイクロメートル以上)、または小密度の大粒子汚染(例えば、各最長寸法10マイクロメートル以上)。
VI.A.2.化学的またはその他の表面汚染(例えば、ケイ素離型剤または油)。
VI.A.3.多数の鋭利な凸部および/または凹部により特徴付けられる、高い表面粗度。これはまた、100nm未満であるべき当該平均粗度(Ra)を定量化することによっても、特徴付けられる場合がある。
VI.A.4.真空の創出を不可能とする、例えば孔といった当該機器における欠陥。
VI.A.5.密閉部(例えば検体採取管の当該開口端)を創出するために使用される、当該機器の表面上の欠陥。
VI.A.6.処理または被覆中に当該厚さを通る電力カップリングを妨害するまたは修正する可能性がある、大幅な壁の厚さの不均一性。
VI.A.7.当該遮断膜またはその他の種類の被覆材を無効に塗布する、その他の欠陥。
VI.A.当該処理/被覆作業におけるパラメータを使用して当該処理/被覆作業の成功を確保するため、当該機器を1つ以上の上記潜在的問題またはその他の問題について事前検査可能である。以前、機器の把持のための装置(パックまたは容器ホルダー38〜68など)を開示し、当該装置をさまざまな試験および処理/被覆作業を含む製造処理を通して移動させた。機器を処理/被覆のための適切な表面を確実に有するようにするため、複数の可能な試験を実施可能である。これらには以下が含まれる:
VI.A.1.光学検査、例えば放射線の当該機器の透過、当該機器内部からまたは外部からの放射線の反射、当該機器による放射線の吸収度、当該機器による放射線の妨害。
VI.A.2.デジタル検査 - 例えば、特定の長さおよび形状(例えば参照と比較して検体採取管の開口端がいかに「円形」であるかまたは均等で正確な形状であるか)を測定可能なデジタルカメラの使用。
VI.A.3.真空漏出確認または圧力試験。
VI.A.4.当該機器の音波(超音波)試験。
VI.A.5.X線分析。
VI.A.6.当該機器の電気伝導度(プラスチック管素材およびSiOxの電気抵抗は異なる - 例えば、バルク材としての水晶で約1020 Ohm-cm、およびテレフタル酸ポリエチレンで約1014 Ohm-cm)。
VI.A.7.当該機器の温熱伝導性(例えばバルク材としての水晶の温熱伝導性は約1.3W−°K/mであり、テレフタル酸ポリエチレンの温熱伝導性は0.24W−°K/mである)。
VI.A.8.随意に、後述通りにガス放出ベースラインを決定するために被覆後検査の下で測定可能である、当該容器壁のガス放出。
VI.A.上記試験は、図6に示すステーション24において実行可能である。6.本図において、当該機器(例えば検体採取管80)を所定の位置に接地可能であり、光源(またはその他の源)132を当該機器および当該機器の外部に位置する適切な検出器134に挿入して所望の結果を測定可能である。
VI.A.真空漏出が検出される場合、当該容器ホルダーおよび機器を、当該管へと挿入される真空ポンプおよび測定機器へと結合可能である。当該試験はまた、当該明細書の別箇所で詳述する通りに実施可能である。
VI.A.当該処理ステーションまたは機器24は目視検査ステーションである場合があり、1つ以上の容器内面88、その外面118、またはその表面88および118の間の容器壁86内部を、欠陥検出のために検査するよう設定可能である。当該外面118、当該内面88、または当該容器壁86の検査は、特に検査に使用する放射線および波長に対して当該容器が透明または半透明である場合に、当該容器80の外部から実行可能である。当該内面88の検査は、希望する場合、当該容器ポート92経由で当該容器80へと挿入される光ファイバープローブを提供することにより、促進可能であり、それにより、当該容器80の内部を当該容器80の外部から目視可能である。例えば、この環境において内視鏡またはボアスコープを使用可能である。
VI.A.図6に図示する別の手段は、光源132の容器80内への挿入である場合がある。当該容器壁86を透過する光、および当該光により明白となる当該容器80のアーチファクトは、装置134を測定する検出器を利用して、容器80の外部から検出可能である。本ステーションまたは機器24は、例えば当該容器ポート96に適切に装填済されていない位置ずれのある容器80、または当該壁86の目視可能な歪曲、不純物、またはその他の欠陥を有する容器80を検出・修正するためまたは除去するために、利用可能である。当該容器80の目視検査もまた、作業員の当該容器80の目視により、機械検査の代わりに/に追加して、実行可能である。
VI.A.図7により詳細に示す当該処理ステーションまたは機器26は、当該容器80の内面88を欠陥検出のために検査するよう、例えば当該容器壁86を通して当該ガス圧力損失を測定するよう、設定可能であり、当該検査は遮断膜またはその他の種類の被覆材の提供前に実行可能である。本試験は、当該遮断性被覆材90の両側の間の圧力差を創出することにより実行可能である。その際、当該容器80内部を加圧または真空にし、当該容器80の内部154を隔離し、当該圧力により当該密閉部からの漏出または当該容器壁からのガス透過が生じないよう一定に保ち、これらの問題で加算されるユニット時間毎に当該圧力変化を測定する。本測定は、当該容器壁86を通過するガスを明確にするばかりでなく、当該容器口82と当該オーリング/その他の密閉部100との間の密閉部漏出を検出する。当該漏出は、当該容器80の位置合わせまたは当該密閉部100の機能のいずれかに問題があることを指摘する場合がある。いずれの場合においても、当該管の装填ミスを修正しまたは当該管を当該処理ラインから除去して、適切な処理真空レベルを達成または維持するための試行、および不調の密閉部から漏れる空気による処理ガス希薄化の防止にかかる時間を節約可能である。
VI.A.上記システムは、複数手順からなる製造および検査方法へと統合可能である。
VI.A.図1(前述)は、可能な方法の手順の配置図を示す(ただし本発明は単一概念またはアプローチに制限されるものではない)。まず、当該容器80を当該ステーションにおいてまたは当該機器24により目視で検査する。当該検査には、当該容器80の寸法測定が含まれる場合がある。欠陥が見つかった場合、当該機器または容器80を不合格とし、当該パックまたは容器ホルダー38などを欠陥検出のため検査、再利用、または除去する。
VI.A.次に、その他の容器ホルダー38および装填済み容器80のアセンブリの漏出率またはその他の特性を、当該ステーション26において試験し、被覆後の比較のために保管する。当該パックまたは容器ホルダー38はその後、例えば当該被覆手順28へと移動する。当該機器または容器80を、例えば13.56 MHzの電力供給周波数で、SiOxまたはその他の遮断層またはその他の種類の被覆材で被覆する。被覆された当該容器ホルダーは、漏出率またはその他の特性について再試験を行う(これは、当該試験ステーション26または複製/類似ステーション30などにおいて第2試験として実行可能である - 複製ステーションの利用により当該システム処理量を増大可能である)。
VI.A.当該被覆測定は、非被覆測定と比較可能である。当該値の比率が事前設定された必須レベルを超える場合、被覆材のパフォーマンスが全体的に合格であることを示し、当該容器ホルダーおよび機器は次工程に進む。光学試験ステーション32は、例えば青色光源および当該管を通る光総透過を計測する外部積分球検出器に追随する。当該機器が不合格であるまたは追加被覆のため再利用される場合は、当該値は事前設定制限を超えることが必須である可能性がある。次に(不合格ではなかった機器については)、第2光学試験ステーション34を使用可能である。この場合、点光源を当該管または容器80の内部に挿入し、測定値が得られたら徐々に管状CCD検出器配列と共に当該管の外部に取り出す。当該データはその後、当該欠陥密度分布を判定するためコンピュータ分析を行う。当該測定値に基づき、当該機器は合格となり最終包装が行われるか、不合格となる。
VI.A.上記データは随意に、6シグマ品質を保つため統計的プロセス制御技術を利用して(例えば、電子的に)ログまたはプロット可能である。
VI.B. 遮断層を通しての容器壁ガス放出検出による容器検査
VI.B.別の実施例は、蒸気をガス放出する素材上の遮断膜またはその他の種類の層を検査する方法であり、当該方法は複数手順を有する。ガス放出するおよび少なくとも一部が遮断層である物質の検体を用意する。随意に、当該遮断層において圧力差を提供して、ガス放出する少なくとも一部の物質が遮断層の高圧側に存在するようにする。別のオプションにおいて、当該放出ガスは圧力差の提供なしに拡散を許容する場合がある。当該放出ガスを測定する。当該遮断層において圧力差を提供する場合、当該ガス放出を当該遮断層の高圧側または低圧側で測定可能である。
VI.B.また、(上記で塗布した)当該内部被覆材の有効性の測定を、(被覆前に)特定種または機器の壁に吸収された物質の拡散率を測定することにより、実行可能である。非被覆(未処理)管と比較する場合、この種の測定は、当該被覆または処理の遮断性またはその他の種類の性質、あるいは当該被覆または処理の有無の直接的測定を提供可能である。検出された被覆または処理は、遮断層に加えて/の代わりに、潤滑層、疎水層、装飾被覆材、または当該基板のガス放出を増加または低減して修正するその他の種類の層である場合がある。
VI.B.図2の容器ホルダーを使用する特定実施例として、および再び図7を参照にして、機器または容器80を当該パックまたは容器ホルダー44へと挿入可能である(当該試験はまた、被覆/処理といった別の作業から移動してくるパックまたは容器ホルダー44などに載せられている装填済み容器80上で実行可能である)。当該容器ホルダーが当該遮断性試験領域へと移動した後に、当該測定管またはプローブ108を当該内部へと挿入可能である(被覆のための当該ガス管と同様の方法で、ただし当該測定管を当該管内奥へと伸延する必要はない)。弁136および148の両方を開口可能であり、当該管内部を真空化(真空創出)可能である。
VI.B.所望の測定圧力が達成されたら、当該弁136および148を閉口可能であり、当該圧力計152で当該圧力の測定を開始可能である。(当該開始圧力より高い)特定の圧力が達成される時間を測定することにより、または任意の時間経過後に達成された圧力を測定することにより、当該管、容器ホルダー、ポンプ チャネル、および当該内部容量に接続されているが弁1および2により隔離されているその他のすべての部品の上昇率(または漏出率)を測定可能である。本値をその後非被覆管と比較する場合、その2つの測定値の比率(当該被覆管の値を当該非被覆管の値で割る)により、当該管の被覆表面を通る漏出率の測定値を得ることができる。本測定技術は、当該表面からのガス透過またはガス放出の影響を最小化するため、当該容器ホルダー、ポンプチャネルおよび当該内部容量に接続されているが弁1および2により隔離されているその他のすべての部品(当該管/機器を除く)の、内部容量の最小化を必要とする場合がある。
VI.B.本開示では、「透過」、「漏出」、および「表面拡散」または「ガス放出」を区別している。
ここで容器に関連して用いられる「透過」とは、図29の経路350またはその逆の経路に沿った当該容器外部から内部へまたはその逆といった、壁346またはその他の障害物を通る物質の移動を指す。
ガス放出とは、吸収または例えばガス分子354または357または359といった吸収物質の、図29の当該壁346または被覆材348の内部から外方向への、例えば当該被覆材348(存在する場合)を通るおよび当該容器358の内側(図29右側)への移動を指す。ガス放出はまた、図29に示すように、当該壁346から左側への、したがって図示する当該容器357の外部への、物質354または357などの移動を指す場合がある。ガス放出はまた、例えば当該遮断性被覆材 90の露出面からの当該ガス分子355といった、物質表面からの吸収物質の除去を指す場合がある。
漏出とは、当該壁346および被覆材348に代表される当該障害物周辺の物質の移動であり、当該障害物の表面の通過/からの分離というよりは、閉包部で閉口される容器の閉包部と壁との間の通過などを指す。
VI.B.透過は、ギャップ/欠陥がなく漏出またはガス放出に関連しない物質を通るガス移動率の指標となる。図 遮断性被覆材348を有する容器壁またはその他の基板346を示す図29を参照に、透過は完全に当該基板346および被覆材348を通り当該経路350に沿って両方の層を通るガスの移動である。透過は熱力学的であると見なされ、したがって比較的緩やかなプロセスである。
VI.B.透過の測定は、当該透過性ガスが無傷のプラスチック材の壁を完全に通り抜けなければならないため、非常に時間がかかる。真空採血管の場合、当該容器が経時的に真空を喪失する傾向の直接的指標として、壁を通るガスの透過測定が従来使用されている。しかし一般に測定に非常に時間がかかり、通常6日間の試験期間を必要とするため、ライン上の被覆材検査を支持する迅速性としては十分ではない。かかる試験は通常、ライン外での容器検体試験に使用される。
VI.B.透過試験はまた、厚肉基板上の薄肉被覆の被覆材有効性の測定において感度に欠ける。すべてのガス流量が当該被覆材および当該基板の両方を通るため、厚肉基板を通る流量の変動により当該被覆材自体の遮断性有効性が原因ではない変動が生じる。
VI.B.本発明者は、被覆材の遮断性を測定するより迅速で潜在的により感度の高い方法を発見した。 具体的には、当該被覆材を通る、当該容器壁内で急速に分離する大気またはその他のガス状または揮発性成分のガス放出の測定である。当該ガス状または揮発性成分は、実際にガス放出するあらゆる物質である場合があり、検出される1つ以上の特定物質から選択可能である。当該成分には、酸素、窒素、大気、二酸化炭素、水蒸気、ヘリウム、アルコールといった揮発性有機物、ケトン、炭化水素、被覆材前駆体、基板成分、揮発性有機ケイ素といった当該被覆材調整時の副産物、当該被覆基板調整時の副産物、偶然存在するまたは当該基板のスパイキングにより生じるその他の成分、またはこれらの混合体または複合体、が含まれる可能性があるがそれらに限定されない。
表面拡散とガス放出は同義語である。各用語は、例えば容器壁といった壁346上/内に初期に吸収された流体が、壁を有する容器内で真空を引き(図29の矢印352により示される大気移動を創出)当該壁の流体を当該容器の内部へと移動させるといった、ある種の原動力により当該隣接空間へと通り抜ける事を指す。ガス放出または拡散は動的であると見なされ、比較的迅速なプロセスである。当該経路350に沿って透過するのに大幅な抵抗を有する壁346に関しては、当該壁346と当該遮断層348との間の界面356に最も近接する当該分子354が、ガス放出により迅速に除去されていると考えられる。この差分ガス放出は、当該界面356に近接しガス放出として現れる多数の分子354などにより、およびガス放出として現れない当該界面356から離れているその他の多数の分子358などにより、示唆される。
VI.B.したがって、また別の実施例が、複数手順を含む、蒸気をガス放出する素材上の遮断膜を検査する方法として考えられる。ガス放出するおよび少なくとも一部が遮断層である物質の検体を用意する。当該遮断層において圧力差を提供して、初期にガス放出する少なくとも一部の物質が遮断層の高圧側に存在するようにする。試験中に当該遮断層の低圧側に搬送される放出ガスを測定し、当該遮断膜性が存在するかどうかまたは遮断膜としてどの程度効果的であるかといった情報を判定する。
VI.B.本方法において、ガス放出する物質は、ポリマー 化合物、熱可塑性化合物、または両方の性質を有する1つ以上の化合物を含む場合がある。当該ガス放出する物質は、ポリエステル、例えばテレフタル酸ポリエチレンを含む場合がある。当該ガス放出物質は、ポリオレフィン、2つの実施例に関してはポリプロピレン、環状オレフィン共重合体、またはこれらの複合体を含む場合がある。当該ガス放出物質は、少なくとも1つが蒸気をガス放出する2つの異なる物質の合成物である場合がある。一実施例は、ポリプロピレンおよびテレフタル酸ポリエチレンの2層構造である。別の実施例は、環状オレフィン共重合体およびテレフタル酸ポリエチレンの2層構造である。これらの物質および合成物は模範的であり、あらゆる適切な物質または物質の複合体を使用可能である。
VI.B.随意に、当該ガス放出物質を、外面および内面を有する壁を有し当該内面が内腔を封入する容器の形態で用意する。本実施例において、当該遮断層は当該容器壁に、随意に当該容器壁の内面に付着する。当該遮断層は当該容器壁に、当該容器壁の外面にも付着する可能性がある。随意に、当該ガス放出物質は、膜の形態で用意可能である。
VI.B.当該遮断層は、いかなる本記述の遮断層の全体または一部被覆である場合がある。当該遮断層は、500nm未満の層厚、または300nm未満の層厚、または100nm未満の層厚、または80nm未満の層厚、または60nm未満の層厚、または50nm未満の層厚、または40nm未満の層厚、または30nm未満の層厚、または20nm未満の層厚、または10nm未満の層厚、または5nm未満の層厚である場合がある。
VI.B.被覆壁の場合において、本発明者は拡散/ガス放出を当該被覆完全性を判定するために使用可能であることを発見した。随意に、当該容器の内腔または内部を少なくとも一部真空化することにより、当該遮断層において圧力差を提供可能である。これは、例えば当該内腔をダクト経由で真空源と接続して当該内腔の少なくとも一部を真空化することにより、実行可能である。例えば、環境大気に曝露している容器の非被覆PET壁346は、真空化後しばらくしてから、その内面から一定の酸素およびその他のガス分子354をガス放出する。同一PET壁の内部が遮断性被覆材348で被覆される場合、当該遮断性被覆材は本ガス放出を遮断、減速、または低減する。これは、プラスチック表面よりガス放出が少ないSiOx遮断性被覆材348の実施例に関して真である。被覆PET壁と非被覆PET壁との間のこの差分ガス放出を測定することにより、当該ガス放出物質に関する当該被覆材348の遮断性作用を迅速に判定可能である。
VI.B.既知のまたは理論上の孔、割れ目、ギャップ、または層厚/密度/組成が不十分である領域が原因で、当該遮断性被覆材348が不完全である場合、当該PET壁は、選択的に当該不完全部を通してガス放出し、したがってガス放出の総量が増加する。当該収集ガスは主に、当該物質の外側からではなく、当該被覆に隣接するプラスチック材の(下位)表面内の溶存ガスまたは気化可能成分から供給される。基礎水準を超える当該ガス放出量(例えば、不完全性が一切ない、または不完全性が最低限である、または不完全性が平均的/容認可能である標準被覆材により通過/放出される量)を、さまざまな方法で測定して当該被覆材の完全性を判定可能である。
VI.B.当該測定は、例えば当該内腔と当該真空源との間を通過するガス放出測定函の提供により、実行可能である。
VI.B.当該測定函は、さまざまな異なる測定技術を実施可能である。適切な測定技術の実施例の1つに、微小流量技術がある。例えば、ガス放出物質の質量流量率を測定可能である。当該測定は、作業の分子流モードにおいて実行可能である。模範的測定として、当該遮断層を通してガス放出するガス容量の時間間隔あたりの判定が挙げられる。
VI.B.当該遮断層の低圧側の当該放出ガスを、当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下で測定可能である。随意に、当該遮断層の有無の判別するのに効果的な当該条件に、1分未満、または50秒未満、または40秒未満、または30秒未満、または20秒未満、または15秒未満、または10秒未満、または8秒未満、または6秒未満、または4秒未満、または3秒未満、または2秒未満、または1秒未満の試験期間が含まれる。
VI.B.随意に、当該遮断層の有無の測定は、上記で同定した時間間隔のいずれかの間に、少なくともシックスシグマレベルの確実性で確認可能である。
VI.B.随意に、当該遮断層の低圧側の当該放出ガスを、当該遮断層の遮断改善度(BIF)を判定するのに効果的な条件下で測定し、遮断層なしの同一素材と比較する。BIFは、例えば2群に分ける同一容器を提供し、一群の容器に遮断層を追加し、遮断膜を有する容器の遮断性性質(例えばマイクログラム毎分を単位とするガス放出率または別の適切な測定)を試験し、遮断膜なしの容器について同一試験を実施し、当該容器の性質の対遮断膜なし容器比を取得することにより、判定可能である。例えば、当該遮断膜を通るガス放出率が遮断膜なしの場合のガス放出率の3分の1である場合、当該遮断膜のBIFは3である。
VI.B.随意に、多数の異なるガスの放出を、例えば放出大気の場合における窒素と酸素といった、1種以上のガスが存在する事例において、測定可能である。随意に、実質上すべてまたはすべての当該放出ガスのガス放出を測定可能である。随意に、すべてのガスの複合質量流量といった物理的測定を利用して、実質上すべての当該放出ガスのガス放出を同時に測定可能である。
VI.B.当該検体からガス放出される個別のガス種(酸素またはヘリウムなど)の数または分圧の測定は、気圧試験より迅速に実行可能であるが、当該試験速度は、当該ガス放出の一部のみが当該測定種である程度まで低下する。例えば、窒素と酸素が当該大気約4:1の比率で当該PET壁からガス放出されるが酸素のガス放出のみが測定される場合、(検出される十分な統計的品質の結果を得るための分子の数の観点において)当該容器壁からガス放出されるすべての種を測定する同等感度の試験と比較して、当該試験を5倍長く実施する必要がある可能性がある。
VI.B.任意の感度レベルについては、当該表面からガス放出されるすべての種の容量を明らかにする方法の方が、酸素原子といった特定種のガス放出を測定する試験より、望ましい信頼度をより迅速に提供するであろうと考えられる。結果として、ライン内測定において実用性があるガス放出データが生成される。かかるライン内測定は随意にすべての製造された容器について実行可能であり、したがって特異なまたは隔離する欠陥の数を減少させ、それらを(少なくとも測定時においては)潜在的に消滅させる。
VI.B.実用測定において、ガス放出の量を明白に変化させる要素は、ガス放出試験において真空を引く時の真空レセプタクル上に装填される当該容器の密閉部といった、不完全な密閉部を通過する漏出である。漏出とは、当該物質の間断ない壁をバイパスする流体、例えば血液管とその閉包部の間、シリンジプランジャーとシリンジバレルの間、容器とその蓋の間、または当該容器口が装填済み(不完全または誤装填された密閉部が原因で)である場合の容器口と密閉部の間を、通過する流体を指す。当該用語「漏出」は通常、当該プラスチック素材の開口部を通るガスの移動を示す。
VI.B.漏出および(必要に応じて任意の状況で)透過はガス放出の基本レベルに組み入れることが可能であり、それにより、当該容器が当該真空レセプタクル上に適切に装填済みであり(したがってその装填済み表面が無傷で適切に成形および位置付けされている)、当該容器壁が透過の容認不可なレベルを支持しない(したがって当該容器壁が無傷で適切に成形されている)こと、および当該被覆材が十分な遮断性完全性を有していることの両方が、容認可能な試験結果により保証される。
VI.B.ガス放出はさまざまな方法で、例えば、気圧測定(当該初期真空化後の任意の経過時間における当該容器内の圧力変化の測定)により、または当該検体から放出されるガスの分圧または流量率の測定により、測定可能である。作業の分子流モードにおける質量流量率を測定する機器を、利用可能である。市販されている微小流量技術を利用するこの種の機器の例として、インディアナ州インディアナポリスのATC, Inc.の製品が挙げられる。この既知の機器の詳細情報については、参照することにより本書に含まれる米国特許5861546番、6308556番、6584828番、およびEP1356260番を参照されたい。また、遮断膜で被覆されたテレフタル酸ポリエチレン(PET)管と非被覆管を迅速かつ確実に判別するためのガス放出測定の実施例を示す、本明細書の実施例8も参照されたい。
VI.B.テレフタル酸ポリエチレン(PET)製の容器については、当該微小流動率は当該SiOx被覆表面対非被覆表面に関して異なる。 例えば、本明細書の実施例8において、PETの当該微小流動率は、図31に示すように、当該試験を30秒間実施した後に8 マイクログラム以上であった。この非被覆PETの率は、再び図31に示すように、当該試験を30秒間実施した後に6マイクログラム未満であった当該SiOx被覆PETの測定率よりはるかに高かった。
VI.B.この流量率における差異についての可能な説明の1つとして、非被覆PETが約0.7パーセントの平衡水分を包含することが挙げられる。これは、高い微小流動率を引き起こすと考えられている高い水分含量である。SiOx被覆PETプラスチックにより、当該SiOx被覆材は、非被覆PET表面より高いレベルの表面水分を有する可能性がある。当該試験条件下では、しかしながら、当該遮断性被覆材は当該バルクPETプラスチックからの水分の追加脱着を防止し、微小流動率を低下させると考えられている。非被覆PETプラスチック対SiOx被覆PETからの酸素または窒素の微小流動率も、識別可能であることが見込まれる。
VI.B.その他の物質を使用する場合、PET管のための上記試験を変更することが適切である場合がある。例えば、ポリオレフィンプラスチックは水分含量をほとんど含まない傾向がある。水分含量が低いポリオレフィンの例として、PETよりはるかに低い平衡水分含有量(0.01 パーセント)および水分透過度を有するTOPAS(登録商標)環状オレフィン共重合体(COC)が挙げられる。COCの場合も、非被覆COCプラスチックはSiOx被覆COCプラスチックと同様の、またはさらに少ない微小流動率を有する場合がある。これは、SiOx被覆材の表面水分含量が高く、平衡バルク水分含量が低く、非被覆COCプラスチック表面の透過度が低い事が原因であると見られる。これにより、非被覆および被覆COC物質の区別がより困難となる。
本発明では、試験対象のCOC物質表面を蒸気(非被覆および被覆)に曝露することで、非被覆COCプラスチックとSiOx被覆COCプラスチックとの間の微小流動の分離が向上し一定することを解明する。これは、本明細書の実施例19および図57に示す。当該水分暴露は、相対湿度に制御された部屋内での、または暖湿源(加湿器)または冷湿源(噴霧器)への直接的曝露(後者が望ましい)のいずれかにおける、35%〜100%の範囲の相対湿度への単なる曝露である場合がある。
VI.B.本発明の有効性および範囲はこの理論の正確性に従い制限されるものではないが、当該非被覆COCプラスチックを蒸気ドーピングまたはスパイキングすることによりその蒸気またはその他のガス放出量が、すでに飽和したSiOx被覆COC表面と比較して増加することが示唆される。これはまた、酸素、窒素、またはそれらの混合体(例:大気)を含むその他のガスへと当該被覆管および非被覆管を曝露することによっても、達成可能である。
VI.B したがって当該放出ガスを測定する前に、当該遮断層は水分、例えば水蒸気に接触する場合がある。水蒸気は、例えば相対湿度が35%〜100%で、あるいは40%〜100%で、あるいは40%〜50%である大気と当該遮断層を接触させることにより、提供可能である。水分の代わりに/に加えて、酸素、窒素、または酸素と窒素の混合体(例:大気)と当該遮断層を接触させることも可能である。当該接触時間は、10秒〜1時間、あるいは1分〜30分、あるいは5分〜25分、あるいは10分〜20分である場合がある。
あるいは、例えば図11の当該壁346の左側を当該壁346へと吸収する物質へと曝露させその後図29に示すように左側または右側のいずれかへと放出することで、ガス放出をする当該ガス壁346を遮断層348に対立する側からスパイクまたは補填可能である。壁またはその他の物質346などをガス吸収により左側からスパイクして、その後スパイクした物質のガス放出を右側から測定する(またはその逆)ことは、透過測定とは区別される。なぜなら、当該被覆材を通るガスが測定される時に当該壁を通る完全な経路350を移動する物質が測定されるのとは対照的に、スパイクした物質はガス放出を測定時には当該壁346内にあるからである。当該ガス吸収は、当該被覆材348の塗布前の一実施例、および当該被覆材348の塗布後およびガス放出の試験前の一実施例に示すように、長期間にわたり行われる場合がある。
VI.B.非被覆プラスチックとSiOx被覆プラスチックとの間の微小流動反応の分離を増加させるもう1つの可能な方法として、測定圧力および/または温度の修正が挙げられる。ガス放出測定時の当該圧力の増加または当該温度の減少により、SiOx被覆COC内の水分子が非被覆COC内のものより多く相対結合する場合がある。 したがって当該放出ガスは、0.1トール〜100トール、あるいは0.2トール〜50トール、あるいは0.5トール〜40トール、あるいは1トール〜30トール、あるいは5トール〜100トール、あるいは10トール〜80トール、あるいは15トール〜50トールの圧力で測定可能である。当該放出ガスは、0℃〜50℃、あるいは0℃〜21℃、あるいは5℃〜20℃の温度で測定可能である。
VI.B.本開示のあらゆる実施例における、ガス放出測定のための考えられる別の方法として、マイクロカンチレバー測定技術が挙げられる。かかる技術は、潜在的に10-12g(ピコグラム)〜10-15g(フェムトグラム)といった、より微小なガス放出の質量差を測定可能であると考えられている。このより微小な質量検出により、被覆表面と非被覆表面の区別および被覆材の種類の判別が、1秒未未満で、随意に0.1秒未満で、随意にマイクロ秒の単位で可能となる。
VI.B.マイクロカンチレバー(MCL)センサーは場合によっては、当該分子吸収度に起因する屈伸または移動や形状の変化により、ガス放出されたまたは別方法で提供された物質の有無に、対応可能である。マイクロカンチレバー(MCL)センサーは場合によっては、共鳴周波数シフトにより対応可能である。その他の場合、当該MCLセンサーはこれらの両方の方法またはその他の方法で変更される場合がある。これらは、ガス状環境、流体、または真空といった異なる環境において、動作可能である。ガス内において、マイクロカンチレバーセンサーは人工鼻のように動作可能であり、それにより、8つのポリマー被覆ケイ素カンチレバーの微細加工配列の屈曲パターンが、溶媒、香味料、飲料からの異なる蒸気の特徴を示す。あらゆる技術によるその他の種類の電子鼻の利用もまた、考えられる。
化学物質に曝露された当該MCLの移動、形状の変更、または周波数の変更の測定を行うために、ピエゾ抵抗、圧電性、容量性アプローチを含む複数のMCL電子デザインが適用され、考慮される。
VI.B.ガス放出測定の一特定実施例を以下の通り実行可能である。ガス放出物質の存在下で移動または異なる形状へと変化する性質を有する少なくとも1つのマイクロカンチレバーを用意する。当該マイクロカンチレバーを移動または異なる形状へと変化させるのに有効である条件下で、当該マイクロカンチレバーをガス放出材質へと曝露する。当該移動または異なる形状が、その後検出される。
VI.B.一例として、マイクロカンチレバーのガス放出への曝露前および後のマイクロカンチレバーの移動または形状変化部からのエネルギー入射光線の照射により、およびカンチレバーから離れた点での当該照射光線の偏差結果の測定により、移動または異なる形状を検出可能である。任意条件下の当該光線のふれ幅が当該光線の反射点から測定点まで距離に比例するため、当該形状は当該カンチレバーから離れた点で測定するのが好ましい。
VI.B.エネルギー入光線のいくつかの適切な実施例として、光子光線、電子光線、またはこれら2種以上の複合体が挙げられる。 あるいは、MCLヵらの2種以上の異なる光線を異なる入射 および/または反射経路に沿って反射させて、1つ以上の視点から移動または形状変化を判定可能である。具体的に考えられる種類のエネルギー入射光線の1つに、レーザービームといったコヒーレント光子光線がある。本明細書で述べる「光子」は、波エネルギーおよび粒子または光子エネルギー自体を含むよう、両立的に定義される。
VI.B.測定の代替実施例は、共鳴周波数変更を達成するのに効果的な量の環境物質に接触すると共鳴周波数を変更する、特定MCLの性質を利用している。この種の測定は以下の通り実行可能である。ガス放出物質の存在下で異なる周波数に共鳴する少なくとも1つのマイクロカンチレバーを用意する。当該マイクロカンチレバーを異なる周波数で共鳴させるのに有効である条件下で、当該マイクロカンチレバーをガス放出材質へと曝露可能である。当該異なる共鳴周波数は、その後適切な手段で検出する。
VI.B.一実施例として、当該異なる共鳴周波数は、エネルギーを当該マイクロカンチレバーへと入力して当該マイクロカンチレバーをガス放出へと曝露する前および後にその共鳴を誘導することで、検出可能である。ガス放出への曝露前および後の当該MCLの共鳴周波数の差異を、判定する。あるいは、共鳴周波数の差異を判定する代わりに、十分な濃度または量のガス放出物質が存在する場合に特定の共鳴周波数を有することで知られる、MCLを提供可能である。異なる共鳴周波数または十分な量の当該ガス放出物質の存在を示す当該共鳴周波数は、調和振動センサーを使用して検出する。
ガス放出測定のためのMCL技術を利用する実施例の1つとして、MCL機器を容器および真空ポンプに接続される水晶真空管に搭載可能である。市販のピエゾ抵抗カンチレバーを使用する調和振動センサー、ホイートストンブリッジ回路、正フィードバック制御装置、励起ピエゾアクチュエータおよび位相ロックループ(PLL)復調器を、構成可能である。例えば、
Hayato Sone、Yoshinori FujinumaおよびSumio Hosakaによる「Picogram Mass Sensor Using Resonance Frequency Shift of Cantilever」Jpn.J. Appl.Phys.43(2004)3648、
Hayato Sone、Ayumi Ikeuchi、Takashi Izumi1、Haruki Okano2およびSumio Hosakaによる「Femtogram Mass Biosensor Using Self-Sensing Cantilever for Allergy Check」Jpn.43(2006)2301を参照されたい。
MCLの検出準備のため、マイクロカンチレバーの片面にゼラチンを塗布できる。例えば、Hans Peter Lang、Christoph Gerber、STM and AFM Studies on (Bio)molecular Systems: Unravelling the Nanoworld, Topics in Current Chemistry, Volume 285/2008を参照されたい。当該真空被覆容器表面からの水蒸気脱着がゼラチンと結合し、当該カンチレバーの屈曲とその共鳴周波数の変動が生じて当該カンチレバー表面からのレーザー偏差により測定される。非被覆容器と被覆容器の質量の変化は、わずか数秒で解決可能であり、再現性が高いと考えられる。カンチレバー技術に関連する上記物質は、当該ガス放出される種の検出および定量化に使用可能である特定のMCLおよび機器装備の開示として、参照することにより本書に組み込まれる。
蒸気検出(リン酸)または酸素検出のための代替被覆材を、上述ゼラチン被覆材の代わりに/に加えてMCLへと塗布可能である。
VI.B.さらには、現在考えられるガス放出試験設定をSiOx被覆ステーションと複合可能であることも考えられる。かかる装備において、当該測定函362を、PECVDのための当該メイン真空チャネルを当該バイパス386として使用して、上記図示通りにすることも可能である。一実施例において、図30の測定函(通常362)は容器ホルダー50などに搭載可能であり、その場合、当該バイパスチャネル386は当該メイン真空ダクト94として設定され当該測定函362はサイドチャネルである。
VI.B.当該測定函362と当該容器ホルダー50の組合せは、随意にPECVDのために使用される真空の中断なしに当該ガス放出測定の実行を可能とする。随意に、PECVDのための当該真空ポンプを短時間、好ましくは標準化された一定時間動作して、当該被覆手順後に残った一部のまたはすべての残存反応性ガスを排出可能である(1トール未満のポンプダウン、少量の大気、窒素、酸素、またはその他のガスを入れてのポンプダウン前の当該処理ガスのフラッシュまたは希薄化を伴う)。これにより、当該容器の被覆と遮断性レベルの有無に関する被覆材の試験の複合処理を、促進可能である。
VI.B.ガス放出測定値およびその他記述済みのすべての遮断膜測定技術は遮断層の有効性の判定以外にも/に加えて多くの目的のために使用可能であるという事実は、本明細書の審議後に、当技術分野の当事者により高く評価されるであろう。例えば当該試験は、当該容器壁のガス放出の度合いを判定するために非被覆容器または被覆容器に使用可能である。本試験は例えば、非被覆ポリマーが指定量未満のガス放出を行うことが必須である場合に使用可能である。
VI.B.別の実施例に関しては、当該ガス放出測定値およびその他記述済みのすべての遮断膜測定技術を、膜が当該測定函を越える時のガス放出の変動を測定するために静的試験またはライン上試験として、遮断性被覆膜または非被覆膜に使用可能である。当該試験は、アルミニウム被覆材またはEVOH遮断性被覆材または包装フィルムの層といった、その他の種類の被覆材の連続性および遮断性有効性を判定するために、使用可能である。
VI.B.当該ガス放出測定値およびその他記述済みのすべての遮断膜測定技術を使用して、例えば容器壁の外部に塗布し当該容器壁の内部へとガス放出するよう調査する遮断層といった、容器壁の側面、膜、または当該測定函に対立する同種のものに塗布した遮断層の有効性を判定可能である。この事例において、当該流量差分は当該遮断性被覆材を通る透過、その後基板膜または壁を通る透過に関するものである場合がある。本測定は、例えば極めて薄いまたは多孔性の膜または壁といった、当該基板膜または壁が完全に透過性である事例において、特に有用である場合がある。
VI.B.当該ガス放出測定値およびその他記述済みのすべての遮断膜測定技術を使用して、当該測定函により、当該測定函およびガス放出に隣接する層を通る、当該遮断層を通る、当該遮断層のまたは当該遮断層と比較して当該測定函からより遠隔の層のガス放出が検出される可能性がある、容器壁、膜、または同種のものの内部層である遮断層の有効性を判定可能である。
VI.B.当該ガス放出測定値およびその他記述済みのすべての遮断膜測定技術を使用して、ガス放出する物質上の遮断性素材のパターンの被覆率を判定可能である。具体的には、当該物質のいかなる一部にも遮断膜が存在しない場合に予測されるガス放出量の比率として、一部遮断被覆された物質のガス放出の度合いを判定する。
VI.B.当該明細書におけるいかなるガス放出試験実施例とも併用可能である、容器のガス放出試験の率を増加させるために使用可能である試験技術は、プランジャーまたは閉包部を当該容器内に挿入することにより、当該容器の空隙容量を減少させるためのものである。当該空隙容量の減少により、当該容器は任意の真空レベルへとより迅速にポンプダウンし、したがって当該試験間隔が減少する。
VI.B.現在記述するガス放出測定値およびその他記述済みのすべての遮断膜測定技術に関するその他多くの用途は、本明細書の審議後に、当技術分野の当事者により明白となるだろう。
VII. PECVD処理された容器
VII.容器は(例えば図2に示す)遮断性被覆材90を有すると考えられ、当該被覆材は少なくとも2nm、少なくとも4nm、少なくとも7nm、少なくとも10nm、少なくとも20nm、少なくとも30nm、少なくとも40nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも150nm、少なくとも200nm、少なくとも300nm、少なくとも400nm、少なくとも 500nm、少なくとも600nm、少なくとも700nm、少なくとも800nm、少なくとも900nmの層厚に塗布されるSiOx被覆材である場合がある。当該被覆材は、最大1000nm、最大900nm、最大800nm、最大700nm、最大600nm、最大500nm、最大400nm、最大300nm、最大200nm、最大100nm、最大90nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大40nm、最大30nm、最大20nm、最大10nm、最大5nmの層厚である場合がある。上記最小層厚のいずれか1つ、および上記最大層厚のいずれか1つ以上からなる、特定の層厚範囲が明示的に考えられる。 SiOxまたはその他の被覆材の層厚は、例えば透過電子顕微鏡法(TEM)で測定可能であり、その組成物はX線光電子分光法(XPS)により測定可能である。
VII.当該被覆材の透過を妨げる素材の選択および適用するSiOx被覆材の性質によっては、その遮断性に影響が出る可能性が考えられる。例えば、一般に除外を意図する2つの物質の例は、酸素および水/水蒸気である。物質は一般に、片方に対してよりもう一方に対する遮断性の方が優れている。これは少なくとも一部はそう信じられており、なぜなら、酸素は水の透過とは異なる機構で当該被覆材を透過するからである。
VII.酸素の透過は、当該被覆材の層厚、割れの有無、その他の当該被覆材の物理的詳細といった、物理的特徴により影響を受ける。その一方で水の透過は、一般に、物理的要素より化学的要素(当該被覆材の原料など)により影響を受けると考えられる。本発明者はまた、少なくとも1つの当該化学的要素は当該被覆材のOH部分の高濃度であり、それにより当該遮断膜を通る水の透過率がより高められると確信している。SiOx被覆材は多くの場合OH部分を包含し、したがってOH部分を多く含む物理的に堅固な被覆材は水に対してより酸素に対しての遮断性の方が優れている。非晶質炭素またはダイヤモンド状炭素(DLC)といった、物理的に堅固な炭素系遮断膜は一般に、SiOx被覆材より水に対する遮断性に優れる。なぜなら、当該炭素系遮断膜は一般に低濃度のOH部分を有するからである。
VII.しかしながら、その酸素遮断性およびガラスや水晶との化学的類似性といったその他の要素により、SiOx被覆材の優先傾向が導き出される。ガラスおよび水晶(容器の原材料として使用される場合)は、酸素および水に対する高い遮断性を示し、また容器内に一般に含まれる多くの物質を実質的に不活性にすると長く知られてきた2つの物質である。したがって、水分透過遮断層として機能する異なるまたは追加の種類の被覆材を選択するより、SiOx被覆材の水蒸気透過速度(WVTR)といった水分遮断性を最適化することが、一般に望ましい。
VII.SiOx被覆材の水蒸気透過速度向上のために検討可能な方法を、以下に示す。
VII.当該堆積被覆材における有機部分(炭素および水素化合物)の対OH部分濃度比を、増加可能である。これは例えば、当該供給ガスにおける酸素の比率を増加させる(酸素供給率を増加させるまたは1つ以上のその他成分の供給率を減少させる)ことにより、実行可能である。当該OH部分低発現率は、当該酸素供給が当該ケイ素源の当該水素と反応する度合いが増加し、当該 PECVD排出内により多くの揮発性水が生成され低濃度のOH部分が当該被覆材に捕捉された/組込まれた結果であると、信じられている。
VII.当該PECVD処理において、当該プラズマ生成電力レベルを上昇させるか、当該電力をより長い期間適用するか、またはその両方により、高エネルギーを適用可能である。当該適用エネルギーの上昇は、当該管が当該プラズマ生成電力を吸収する程度まで当該処理対象容器を歪曲する可能性があるため、プラスチック管またはその他の機器の被覆に使用する場合は注意を払って用いることが必須である。用途の文脈においてRF電力が望ましいのは、このためである。当該医学機器の歪曲は、間に冷却期間を挟む2つ以上の一連のパルスでの当該エネルギーの利用、エネルギー適用中の当該容器の冷却、短時間の当該被覆材の塗布(一般に層厚は薄くなる)、被覆用に選択した当該基材への吸収が最低限である当該被覆材塗布周波数の選択、および/またはそれぞれのエネルギー塗布手順の合間の1つ以上の被覆材の塗布により、低減または消失させることが可能である。例えば、当該処理ガスを継続的に供給しながら、負荷サイクルを1ミリ秒オン、99ミリ秒オフにして、高電力パルスを使用可能である。当該処理ガスは、パルスの合間で流れを保持しながらその後冷却剤となる。別の代替方法は、プラズマを収容するための磁気を追加して有効電力適用(加熱または不要な被覆材に繋がる無駄な電力とは対照的に、実際被覆材の漸増に繋がる当該電力)を増加させることにより、当該電力適用装置を再設定することである。この手段により、適用エネルギーの総ワット数につき、より多くの被覆成形エネルギーを塗布可能となる。例えば米国特許5,904,952番を参照のこと。
VII.当該被覆材の酸素後処理を、以前堆積された被覆材からOH部分を除去するために適用可能である。本処理としては、残存揮発性有機ケイ素化合物またはケイ素の除去または追加SiOx成形のための被覆材の酸化も考えられる。
VII.当該プラスチック基材管は予熱可能である。
VII.ケイ素の異なる揮発性源、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDZ)を一部のまたはすべてのケイ素供給源として使用可能である。HMDZへの供給ガスを変更することで当該問題に対処可能であると考えられる。なぜなら、本化合物は供給時点で酸素部分を一切有しないからである。当該HMDSO源被覆材におけるOH部分の供給源の1つは、未反応HMDSO内に存在する少なくとも一部の酸素原子の水素化であると考えられる。
VII.SiOxと結合させた炭素系被覆材といった、合成被覆材を使用可能である。これは例えば、当該反応条件を変更することにより、またはアルカン、アルケン、またはアルキンといった置換または非置換炭化水素を当該供給ガスおよび有機ケイ素化合物に追加することにより、実行可能である。例えば米国特許5,904,952番を参照のこと 番は関連部分において以下のように述べている:「例えばプロピルといった低炭化水素を含有することで炭素部分を提供し、当該堆積膜のほとんどの性質(光透過を除く)を改善できる。また結合分析により、当該膜が本来は二酸化ケイ素であることが示される。しかし、メタン、メタノール、アセチレンの使用により、本来はケイ素である膜が生成される。当該ガス流に少量のガス状窒素を含有させることにより、当該堆積膜内に窒素部分を提供し、当該堆積率を増大させ、ガラスの透過および反射光学性質を改善し、さまざまな量のN2に対する反応における屈折率を変化させることができる。亜酸化窒素を当該ガス流に追加することにより、当該堆積率が増大し、当該光学性質が改善するが、当該膜硬度は低下する傾向がある。
VII.ダイヤモンド状炭素(DLC)被覆材は、主要のまたは唯一の堆積被覆材として成形可能である。これは例えば、当該反応条件を変更することにより、またはメタン、水素、ヘリウムをPECVD処理へと供給することにより、実行可能である。当該反応供給は酸素を含まないため、OH部分が成形される可能性はない。例えば、SiOx被覆材は管内部またはシリンジバレル内部に塗布可能であり、外部DLC被覆材は管外面またはシリンジバレル外面に塗布可能である。または、SiOxおよびDLC被覆材はどちらも、内部管またはシリンジバレルの単層または複数層被覆材として、塗布可能である。
VII.図2を参照して、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90は、当該容器88へのその内面88を通る大気ガスの透過を低減させる。または、当該遮断膜またはその他の種類の被覆材90は、当該容器88の内容物のその内面88への接触を減少させる。当該遮断層またはその他の種類の被覆材は、例えば、SiOx、非晶質(例えばダイヤモンド状)炭素、またはこれらの複合体からなる場合がある。
VII.本明細書に記載のいかなる被覆材も、例えばプラスチック表面といった、表面の被覆に使用可能である。さらには、例えば当該遮断膜はガスまたは流体を遮断し、好ましくは水蒸気、酸素および/または大気を遮断する遮断膜といった、遮断層として使用可能である。また、当該表面が非被覆である場合に当該被覆表面化合物または組成物上に及ぼす可能性がある、機械的および/または化学的作用を防止または低減させるために使用可能である。例えばインスリン沈殿または血液凝固または血小板活性化といった、化合物または組成の沈殿を防止または低減可能である。
VII.A. 真空採血容器
VII.A.1. 管
VII.A.I.図2を参照して、容器80などをさらに詳細に示す。当該図示容器80は通常管状である可能性があり、当該容器の一端に開口部82を、反対側に閉口端84を有する。当該容器80はまた、内面88を定義する壁86を有する。当該容器80の一実施例は、例えば、医学研究で使用する患者血液の静脈穿刺検体を収受するために一般に瀉血専門医により使用される、真空採血管といった医学検体管である。
VII.A.1.当該容器ホルダー80は、例えば熱可塑性素材を原料とする場合がある。適切な熱可塑性素材の実施例の一部として、例えばポリプロピレンまたは環状ポリオレフィン共重合体といった、テレフタル酸ポリエチレンまたはポリオレフィンが挙げられる。
VII.A.1.当該容器80は、射出成形、ブロー成形、機械加工、管ストックからの製造、またはその他の適切な手段といった、あらゆる適切な方法により製造可能である。PECVDは、SiOxの内面上に被覆材を成形するために使用可能である。
VII.A.1.真空採血管としての利用を意図する場合、当該容器80は、760トールの外圧または気圧およびその他の被覆材処理条件に曝露しても実質上変形しない実質上全内部真空に耐える強度を有することが望ましい。本性質は熱可塑性容器80において、例えば直径および素材に関して十分な壁厚を有するシリンダー状の壁86といった、適切な寸法および当該被覆材処理の温度より高いガラス遷移温度を有する適切な素材で製造された容器80を提供することにより、提供可能である。
VII.A.1.検体採取管およびシリンジといった医療用容器/コンテナは比較的小型であり、当該環境大気圧により圧潰されることなく真空化可能である比較的厚肉の壁で射出成形される。したがって、炭酸ソフトドリンクボトルまたはその他のより大きいより薄壁のプラスチック容器とより、堅固である。真空容器として利用するために設計される検体採取管は通常、保管期間中に全真空に耐えるよう構成されており、真空チャンバとして使用可能である。
VII.A.1.かかる容器をそれ自体の真空チャンバへと適合させることで、通常極めて低圧で実行される当該容器のPECVD処理用真空チャンバ内への留置の必要性がなくなる可能性がある。容器をそれ自体の真空チャンバとして利用することにより、処理時間が迅速となり(個別の真空チャンバからの部品の搭載・非搭載が必要ないため)、装置設定の簡略化が可能となる。さらに特定の実施例については、当該機器を(ガス管やその他の装置へと位置合わせするため)把持し、当該機器を(当該容器ホルダーを真空ポンプへと装着して当該真空を創出可能とするため)密閉し、およびモールドと後続処理手順との間で当該機器を移動する、容器ホルダーが考えられる。
VII.A.1.真空採血管として使用する容器80は、意図する塗布のために有用な減圧へと内部が真空化されている一方で、保存可能期間中に大気またはその他の大気中ガスが大幅に当該管(当該閉包部をバイパスすることにより)へと漏出するまたは当該壁86を通して透過することなしに、外部気圧に耐えるよう設計されているべきである。モールドされた時点での容器80がこの要件に満たない場合、遮断膜またはその他の種類の被覆材90で当該内面88を被覆することで処理可能である。これらの機器(検体採取管やシリンジバレルなど)の内面を処理および/または被覆して、既存のポリマー機器を超える利点を提供するおよび/または既存のガラス製品を模倣するさまざまな性質を付与することが望ましい。処理または被覆の前および/または後に、当該機器のさまざまな性質を測定することが望ましい。
VII.A.1.a. 原位置重合有機ケイ素前駆体を原料とする有機ケイ素前駆体から堆積される被覆材
VII.A.1.a.例えば当該シリンジのバレル内部といった基板に潤滑性被覆材を塗布する処理が考えられる。当該処理は、当該記述済み前駆体の1〜5000nm、随意に10〜1000nm、随意に10〜200nm、随意に20〜100nmの層厚での基板上/付近への塗布、および潤滑表面を提供するための当該被覆材の、随意にPECVD処理における交差結合またはポリマー化(または両方)からなる。本処理により塗布される当該被覆材はまた、新規であると考えられる。
VII.A.1.a.PECVDにより塗布されるSiwOxCyHz被覆材(wは1、本公式のxは約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)は、さらに疎水性被覆材としての実用性を有する。この種の被覆材は疎水性であると考えられ、潤滑性被覆材として機能するかどうかに依存しない。当該表面のぬれ張力を対応する非被覆表面または未処理表面と比較して低下させる場合に、被覆または処理は「疎水性」であると定義される。疎水性は、したがって、非処理基板および処理の両方の機能である。
被覆材の疎水性の度合いは、その組成、性質、または堆積方法により異なる。例えば、炭化水素をほとんどまたはまったく含有しないSiOx被覆材は、本明細書で定義する置換基の値を有するSiwOxCyHz被覆材より親水性である。一般に、当該被覆材のC-Hx部分(例:CH、CH2、またはCH3)含有量が多いほど、そのケイ素含有量と比較して、重量、容量、またはモル濃度比で、当該被覆材の疎水性が高くなる。
疎水性被覆材は極めて薄肉であり、少なくとも4nm、または少なくとも7nm、または少なくとも10nm、または少なくとも20nm、または少なくとも30nm、または少なくとも40nm、または少なくとも50nm、または少なくとも100nm、または少なくとも150nm、または少なくとも200nm、または少なくとも300nm、または少なくとも400nm、または少なくとも500nm、または少なくとも600nm、または少なくとも700nm、または少なくとも800nm、または少なくとも900nmの層厚を有する場合がある。当該被覆材は、最大1000nm、最大900nm、最大800nm、最大700nm、最大600nm、最大500nm、最大400nm、最大300nm、最大200nm、最大100nm、最大90nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大40nm、最大30nm、最大20nm、最大10nm、最大5nmの層厚である場合がある。上記最小層厚のいずれか1つ、および上記最大層厚のいずれか1つ以上からなる、特定の層厚範囲が明示的に考えられる。
VII.A.1.a.かかる疎水性被覆材の実用性の1つとして、例えばテレフタル酸ポリエチレン(PET)製の熱可塑性管壁を当該管内の採集血液から隔離することが挙げられる。当該疎水性被覆材は、当該管内面の親水性SiOx被覆材の上に塗布可能である。当該SiOx被覆材は熱可塑性管の遮断性を増加させ、当該疎水性被覆材は管壁を伴う血液接触面の界面エネルギーを変化させる。 当該疎水性被覆材は、本明細書で同定されるものから選択される前駆体を提供することにより、生成可能である。例えば、当該疎水性被覆材前駆体はヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)またはオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)からなる場合がある。
VII.A.1.a.疎水性被覆材の別の使用法として、ガラス製細胞調製管の作成が挙げられる。当該管は内腔を定義する壁、および当該ガラス壁の内面の疎水性被覆材を有し、クエン酸塩試薬を包含する。当該疎水性被覆材は、本明細書別箇所で同定されるものから選択される前駆体を提供することにより、生成可能である。別の例として、当該疎水性被覆材前駆体はヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)またはオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)からなる場合がある。疎水性被覆材の別の原材料として、以下公式のアルキルトリメトキシシランが挙げられる:
R-Si(OCH3)3
当該公式の各Rは水素原子または有機置換基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ビニル、アルキン、エポキシド、その他といったアルキル基である。またはこれら2つ以上の複合体も考えられる。
VII.A.1.a.上述のアルキルトリメトキシシラン前駆体を使用して、酸または塩基触媒作用と加熱を組合わせることにより、当該前駆体を凝結(ROH副産物を除去)させて、交差結合ポリマーを成形可能である。これは随意に、代替方法経由でさらに交差結合可能である。特定実施例の1つとして、Shimojima et. al. J. Mater. Chem., 2007, 17, 658 - 663が挙げられる。
VII.A.1.a.SiwOxCyHz被覆材は、SiOx遮断性被覆材を容器80の内面88に塗布した後の後続被覆材として塗布し、特に当該表面が流体オルガノシロキサン化合物である場合に当該被覆材処理の最後に潤滑性表面を提供可能である。
VII.A.1.a.随意に、SiwOxCyHz被覆材の塗布後に、PECVD処理後の後硬化が可能である。紫外線開始型(フリーラジカルまたはカチオン系)、電子光線(E光線)および「Development Of Novel Cycloaliphatic Siloxanes For Thermal And UV-Curable Applications」(Ruby Chakraborty Dissertation, can 2008)で記述される温熱性を含む、放射線硬化アプローチを利用可能である。
VII.A.1.a.潤滑性被覆材を提供する別のアプローチとして、潤滑被覆する当該熱可塑性容器を射出成形する場合のケイ素離型剤の使用が挙げられる。例えば、当該モールド処理中に原位置温熱性潤滑性被覆材の形成を生じさせる、あらゆる当該離型剤および潜在的モノマーを使用可能であると考えられる。または、上述モノマーを伝統的な離型剤にドープして、同一結果を達成可能である。
VII.A.1.a.潤滑性表面は特に、以下でさらに述べるように、当該シリンジバレルの内面のために考えられる。シリンジバレルの潤滑性内面により、シリンジ操作中にバレル内のプランジャーを前進させるのに必要なプランジャースライド力、または、例えば当該プランジャーと当該バレルとの間の潤滑剤の分解が原因で起こる当該充填済みシリンジプランジャーによる介在潤滑剤の押しのけ、または当該バレルへの粘着の発生後に、プランジャーの移動を開始させるための起動力を、減少させることができる。本明細書内別箇所で説明する通り、SiwOxCyHz被覆材(wは1、本公式のxは約0.5〜約2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9)も、当該容器80の内面88に塗布して後続SiOx被覆材の付着力を改善可能である。
VII.A.1.a.したがって、当該被覆材90は、SiOx層およびSiwOxCyHz層(wは1、本公式のxは約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)からなる。SiwOxCyHz層は、SiOx層と容器内面との間に堆積可能である。または、SiOx層は、SiwOxCyHz層と容器内面との間に堆積可能である。または、これら2種の被覆材組成の間で交互に切換わるまたは累遷する3種以上の層を、使用可能である。または、SiOx層は、少なくとも1つの別素材の介在層と共に、SiwOxCyHz層に隣接させて、または遠隔で堆積可能である。または、SiOx層は、当該容器内面に隣接させて堆積可能である。または、SiwOxCyHz層は、当該容器内面に隣接させて堆積可能である。
VII.A.1.a.本書における、隣接するSiOx層およびSiwOxCyHz層として考えられる別の手段は、SiwOxCyHz(wは1、本公式のxは約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)のSiOxに対する段階的合成物である。段階的組成物は、SiwOxCyHzとSiOxの間の中間組成の遷移または界面を伴うそれらの分離層であるか、SiwOxCyHzとSiOxの間の中間組成物の中間特異層を伴うそれらのの分離層であるか、当該被覆が通常方向に進むにつれSiwOxCyHz の組成からよりSiOxのものへと継続的にまたは段階的に変化す単層である可能性がある。
VII.A.1.a.当該段階的合成物の段階は、どちらの方向にも進む場合がある。例えば、当該組成物SiwOxCyHzは当該基板へと直接塗布可能であり、SiOx表面から離れている組成物へと累遷可能である。 または、当該組成物SiOxは当該基板へと直接塗布可能であり、SiwOxCyHz表面から離れている組成物へと累遷可能である。累遷被覆材は特に、ある組成の被覆材がその他のものより当該基板への付着性に優れる場合に考えられ、その場合、当該付着性に優れる組成は例えば当該基板に直接塗布される場合がある。当該段階的被覆材のより離れた部分は、当該段階的被覆材の隣接部と比べて当該基板との相性に劣ると考えられている。なぜなら当該被覆材のあらゆる点において性質は徐々に変化するからであり、その結果、当該被覆材とほとんど同一の深さにある隣接部はほとんど同一の組成を有し、実質上異なる深さにあり物理的により離れている部分はより多様な性質を有する場合がある。また、当該基板への/から物質搬送に対してより良い遮断性を成形する被覆部は、当該基板上に直接塗布して、機能に劣る遮断膜を成形するより遠隔にある被覆部が当該遮断膜が除外または妨害しようとする物質により汚染されるのを防止可能である、と考えられる。
VII.A.1.a.当該被覆材は段階的である代わりに、随意に組成の実質的勾配なしにある層から別の層へと急激に遷移する可能性がある。かかる被覆材は例えば、当該ガスを提供して非プラズマ状態で定常流動である層を生成し、その後プラズマ放電で短時間加圧して当該基板上に被覆材を成形することにより、生成可能である。後続被覆材を塗布する場合、最初の被覆材のためのガスを除去してから次の被覆材のためのガスを当該プラズマを加圧する前に定常方法で塗布して、再度、当該界面におけるほとんど段階的遷移なしに当該基板表面の離れた層またはその最外部の最初の被覆材を成形する。
VII.A.1.b. 有機ケイ素前駆体より堆積した疎水性被覆材で被覆される壁を有するクエン酸塩血液管
VII.A.1.b.別の実施例は、疎水性被覆材で被覆される壁をその内面に有し、含水ソジウムクエン酸塩試薬を包含する細胞調製管である。当該疎水性被覆材は、当該管内面の親水性SiOx被覆材の上に塗布することも可能である。当該SiOx被覆材は熱可塑性管の遮断性を増加させ、当該疎水性被覆材は管壁を伴う血液接触面の界面エネルギーを変化させる。
VII.A.1.b.当該壁は熱可塑性素材を原料とし、内腔を定義する内面を有する。
VII.A.1.b.実施例VII.A.1.bに記載の採血管は、本明細書での説明の通りに適用される当該管内面上の第1SiOx層を有し、酸素遮断層として機能して熱可塑性素材製真空採血管の保存可能期間を延長することが可能である。第2SiwOxCyHz層(wは1、本公式のxは約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは約2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)を当該管内面の遮断性層上に塗布して、疎水性表面を提供可能である。 当該被覆材は、同種類の非被覆壁と比較して、当該内面に曝露したクエン酸ナトリウム添加剤処理済みの血漿の血小板活性化を減少させるのに有効である。
VII.A.1.b.PECVDは、当該内面上に以下の構造を有する被覆材を成形するために使用可能である:SiwOxCyHz。従来のクエン酸塩採血管とは異なり、疎水性SiwOxCyHz層を有する当該採血管は、管の疎水性表面を生成するのに通常用いられる、容器壁のケイ素上で焼成する被覆材を必要としない。
VII.A.1.b.両方の層を、例えばHMDSOまたはOMCTSといった同一前駆体、および異なるPECVD反応条件を使用して塗布可能である。
VII.A.1.b.クエン酸ナトリウム抗凝固剤をその後当該管内に入れ、閉包部を用いて真空化および密閉化して真空採血管を生成する。当該剤の成分および公式は、当技術分野の当事者にとって既知である。当該含水ソジウムクエン酸塩試薬は、管内に導入される血液の凝固を阻害するのに有効な量で、管内腔に付着する。
VII.A.1.c. SiOx遮断膜被覆される2層壁プラスチック容器 - COC、PET、SiOx層
VII.A.1.c. 別の実施例は、内腔を少なくとも一部封入する壁を有する容器である。当該壁は、外部ポリマー層で封入された内部ポリマー層を有する。1つのポリマー層は、少なくとも層厚0.1 mmの、水蒸気遮断性を定義する環状オレフィン共重合体(COC)樹脂の層である。別のポリマー層は、少なくとも層厚0.1 mmの、ポリエステル樹脂の層である。
VII.A.1.c. 当該壁には、約10〜500オングストロームの層厚を有するSiOx酸素遮断層が含まれる。
VII.A.1.c.図36に図示する代替実施例において、当該容器80は内壁408および外壁410を有する二重壁容器である場合があり、それぞれ同一のまたは異なる物質を原料とする場合がある。この種の特定実施例の1つは、環状オレフィン共重合体(COC)からモールドされた壁およびテレフタル酸ポリエチレン(PET)といったポリエステルからモールドされたその他の壁で構成され、当該内面412上に前述のSiOx被覆材を有する場合がある。必要に応じて、連結被覆材または連結層を当該内壁と外壁との間に挿入して、それらの間の付着力を促進可能である。この壁構造の利点として、異なる性質を有する壁を組合わせて各壁のそれぞれの性質を有する合成物を成形可能であることが挙げられる。
VII.A.1.c.一実施例として、当該内壁408はSiOx遮断層を有する内面412上のPET被覆から生成可能であり、当該外壁410はCOCから生成可能である。本明細書内別箇所で示す通り、SiOxを有するPET被覆は優良な酸素遮断層であり、一方COCは優良な水蒸気遮断層であり、それにより水蒸気遷移速度(WVTR)が低下する。本合成容器は、酸素および水蒸気の両方について優良な遮断性を有する場合がある。本構造は、例えば製造時に水性試薬を包含しかつ実質的な保存可能期間を有する真空化された医療用検体採取管のために考えられており、保存可能期間に合成壁を通る水蒸気の外方向への搬送または酸素またはその他のガスの内方向への搬送を防止するための遮断性を有するものとする。
VII.A.1.c.別の実施例として、当該内壁408はSiOx遮断層を有する内面412上のCOC被覆から生成可能であり、当該外壁410はPETから生成可能である。本構造は、例えば製造時に水性無菌液を包含する充填済みシリンジのために考えられている。当該SiOx遮断層は、酸素がその壁を通りシリンジに侵入するのを防止する。当該COC内壁は、例えば水といったその他の物質の侵入または放出を防止し、したがって当該水性無菌液内の水が当該壁素材から当該シリンジへと浸出するのを防止する。当該COC内壁はまた、水性無菌液由来の水が当該シリンジから透過する(したがって当該水性無菌液が望ましくなく濃縮される)ことを防止するために考えられており、非無菌液または当該シリンジ外部のその他の流体が当該シリンジ壁を通って侵入し当該含有物が非無菌液となることを、防止する。また当該COC内壁は、当該シリンジの内壁に対する当該プランジャーの破断力または摩擦を減少させるのに有用であると考えられる。
VII.A.1.d. 2層壁プラスチック容器の製造方法 - COC、PET、SiOx層
VII.A.1.d.別の実施例は、 外部ポリマー層により封入される内部ポリマー層を有し1つの層がCOC製でもう1つの層がポリエステル製である壁を有する、容器の製造方法である。当該容器は、COC層とポリエステル樹脂層を同心射出ノズルを通して射出成形モールドへ導入する過程を含む処理により製造される。
VII.A.1.d.オプションの追加手順として、内部被覆材、外部被覆材、または当該層の間に位置する中間層被覆材としての、非晶質炭素被覆材の当該容器へのPECVDによる塗布が挙げられる。
VII.A.1.d.オプションの追加手順として、前述通りにSiOxが定義される当該容器壁内面へのSiOx遮断層の塗布が挙げられる。別のオプションの追加手順として、本質的に酸素からなりおよび本質的に揮発性ケイ素化合物を含まない処理ガスによるSiOxの後処理が挙げられる。
VII.A.1.d.随意に、当該SiOx被覆材は、少なくとも一部においてシラザン供給ガスから成形可能である。
VII.A.1.d.図36に示す容器80は、一例として、第1モールド空洞部に当該内壁を射出成形して、その後当該核およびモールドされた内壁を第1モールド空洞部からより大きい第2モールド空洞部へと取り出し、その後当該第2モールド空洞部において当該内壁に対して当該外壁を射出成形することにより、内から外へ成形可能である。随意に、当該外壁を当該連結層へとオーバーモールドする前に、モールドされた内壁の外面へと連結層を提供可能である。
VII.A.1.d.または図36に示す容器80は、一例として、当該モールド空洞部内に第1核を挿入し、当該モールド空洞部内で当該外壁を射出成形し、その後当該第1核をモールドした第1壁から取り出しより小さい第2核を挿入し、その後当該モールド空洞部にそのまま内在している当該外壁に対して該内壁を射出成形することにより、外から中へ成形可能である。随意に、当該内壁を当該連結層へとオーバーモールドする前に、モールドされた外壁の内面へと連結層を提供可能である。
VII.A.1.d.または図36に示す容器80は、2段成形で製造される場合がある。これは、一例として、当該内壁用の部材を内部ノズルからおよび当該外壁用の部材を同心の外部ノズルから射出成形することにより、実行可能である。随意に、当該内部ノズルと外部ノズルの間に付帯する第3同心ノズルから、連結層を提供可能である。当該複数ノズルにより、それぞれの壁材料を同時に供給可能である。有用な手段の1つとして、当該内部ノズルを通して当該内壁材料を供給する少し前に、当該外部ノズルを通して当該外壁材料を供給し始めることが挙げられる。中間同心ノズルが存在する場合、工程順は当該外部ノズルから始まり、順に当該中間ノズルから、そして当該内部ノズルからと続く。または、供給開始順は当該内部ノズルから始まり、前述のものとは反対に外方向へと進めることが可能である。
VII.A.1.e. ガラス製遮断性被覆材
VII.A.1.e.別の実施例は、容器、遮断性被覆材、および閉包部を含む容器である。当該容器は通常管状であり、熱可塑性素材を原料とする。当該容器は、当該内腔と接合する内面を有する壁で少なくとも一部が境界される、口および内腔を有する。少なくとも本質的に連続するガラス製遮断被覆材が、当該壁の内面に存在する。閉包部が当該口を覆い、当該容器の内腔を環境大気から隔絶させる。
VII.A.1.e.当該容器80は例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、またはその他のガラス処方といった、医療または研究に使用されるいかなる種類のガラスを原料とすることが可能である。いかなる材料から製造されるいかなる形状またはサイズを有するその他の容器もまた、当該システム20での使用のために考えられる。ガラス容器の被覆の機能の1つとして、当該ガラスから当該容器の含有物(真空採血管内の試薬または血液など)への、意図的または不純物(ナトリウム、カルシウム、その他)としてのイオンのガラス内への侵入を低減させることが挙げられる。例えば選択的に表面においてスライドしながら他の部品と接触するといった、ガラス容器全体または一部を被覆することの別の機能は、例えばシリンジ内のピストンといったスライド式構成要素の停止部材または経路の挿入または除去を容易にするために、当該被覆材に潤滑性を提供することである。ガラス容器を被覆するさらに別の理由として、当該容器内の試薬または意図する検体(血液など)の当該容器壁への付着、または当該容器壁に接触する血液の凝固率増加を防止することが挙げられる。
VII.A.1.e.i.関連する実施例として、当該遮断性被覆材がソーダ石灰ガラス製またはホウケイ酸ガラス製またはその他の種類のガラスである、前段落で説明する容器が挙げられる。
VII.A.2. 停止部材
VII.A.2. 図23〜25は、周囲環境から当該内腔274を隔離する閉包部270を有する真空採血管である場合がある、容器268を図示する。当該閉包部270は、当該容器268の内腔274に曝露する内部表面272および当該容器壁280の内面278に接触する接触内面276からなる。図示する当該実施例において、当該閉包部270は停止部材282および遮蔽体284のアセンブリである。
VII.A.2.a. 潤滑性被覆材の真空チャンバ内への塗布方法
VII.A.2.a. 別の実施例として、エラストマー製停止部材282などの上に被覆材を塗布する方法が挙げられる。当該停止部材282を当該容器268から離して、実質上真空チャンバ内に留置する。プラズマ生成ガス、すなわち有機ケイ素化合物ガス、随意に酸化ガス、随意に炭化水素ガスを含む反応混合物を用意する。当該停止部材に接触する反応混合物内にプラズマを生成させる。SiwOxCyHz被覆材(wは1、本公式のxは約0.5〜約2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)を、当該停止部材の少なくとも一部上に堆積させる。
VII.A.2.a.図示する当該実施例において、当該閉包部270の壁接触内面276を潤滑性被覆材286で被覆する。
VII.A.2.a.一部の実施例において、当該SiwOxCyHz被覆材は、当該停止部材の1つ以上の構成要素(停止部材または容器壁の金属イオン構成要素など)の容器腔への透過性を減少させる効果がある。停止部材282の製作に有用な種類の特定のエラストマー組成には、微量の1種以上の金属イオンが含まれる。当該イオンは、特に当該検体容器268が微量金属分析の検体採集に使用される場合、当該内腔274へと移行するべきではない、または当該容器含有物に多量に接触するべきではない場合がある。例えば、比較的有機含有物をほとんど含まない(すなわちyおよびzが低量またはゼロである)被覆材は、本用途において金属イオン遮断膜として特に有用であることが考えられる。金属イオン遮断膜としてのケイ石粉については、例えば、参照することにより本書に組み込まれる、Anupama Mallikarjunan、Jasbir Juneja、Guangrong Yang、Shyam P. Murarka、およびToh-Ming Luによる「The Effect of Interfacial Chemistry on Metal Ion Penetration into Polymeric Films」Mat. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 734, pp. B9.60.1 to B9.60.6 (Materials Research Society, 2003)、米国EP0697378 A2を参照されたい。しかしながら一部の有機含有物は、より弾性の被覆材を提供し、当該被覆材を当該停止部材282のエラストマー表面に付着させるのに、有用である可能性がある
VII.A.2.a.一部の実施例において、当該SiwOxCyHz被覆材は、第1/内部層288がエラストマー製停止部材282と結合する第1層および第2層を有する材質の合成物である可能性があり、当該停止部材282の1種以上の構成要素の容器腔への透過性を減少させる効果がある。当該第2層286は当該容器の内壁280と接合可能であり、当該停止部材282が当該容器268上/内に装填済である場合に、当該停止部材282と当該容器の内壁280との間の摩擦を減少させるのに効果的である。かかる合成物については、本明細書内の別箇所において、シリンジ被覆材に関連して記述する。
VII.A.2.a.または、当該第1層288および第2層286は累遷性被覆材により定義され、その場合、当該第1層におけるyおよびzの値は当該第2層のものより大きくなる。
VII.A.2.a.当該SiwOxCyHz被覆材は、例えば、前述の通り実質上PECVDにより塗布可能である。当該SiwOxCyHz被覆材は、例えば層厚0.5〜5000nm(5〜50,000オングストローム)、または層厚1〜5000nm、または層厚5〜5000nm、または層厚10〜5000nm、または層厚20〜5000nm、または層厚50〜5000nm、または層厚100〜5000nm、または層厚200〜5000nm、または層厚500〜5000nm、または層厚1000〜5000nm、または層厚2000〜5000nm、または層厚3000〜5000nm、または層厚4000〜10,000nmである可能性がある。
VII.A.2.a.プラズマ被覆潤滑層に関して、より厚い(1ミクロン以上)従来の噴霧塗布式ケイ素潤滑剤より優れる、特定の利点が考えられる。プラズマ被覆材は血液への遊走性が噴霧またはミクロンケイ素と比べてはるかに低い。なぜなら、プラズマ被覆物質が非常に低量であり、当該被覆表面へのより密接な塗布および所定の位置におけるより良い結合である可能性があるからである。
VII.A.2.a.当該プラズマ被覆材はより平滑な表面を提供する傾向があるため、隣接面のスライドまたは隣接流体の流量のミクロ被覆材より低い抵抗を提供するための、PECVDによる塗布としてのナノ被覆が考えられる。
VII.A.2.a.また別の実施例として、エラストマー製停止部材上にSiwOxCyHz被覆材を塗布する方法が挙げられる。当該停止部材は、例えば前述容器を閉口するために使用可能である。当該方法はいくつかの部分からなる。停止部材を実質上真空チャンバ内に留置する。プラズマ生成ガス、すなわち有機ケイ素化合物ガス、随意に酸化ガス、随意に炭化水素ガスからなる反応混合物を用意する。プラズマが当該反応混合物内に生成される。当該停止部材は反応混合物と接触し、当該停止部材の少なくとも一部上にSiwOxCyHz被覆材が堆積される。
VII.A.2.a.本方法の実践において、より高いyまたはzの値を得るため、さらに上述および後述するように、当該反応混合物は炭化水素ガスからなる場合があると考えられる。随意に、yおよびzの値が低いまたはxの値が高いと考えられる場合、当該反応混合物は酸素を含む場合がある。または、特に酸化を低減させyおよびzの値を増加させるため、当該反応混合物は本質的に酸化ガスを含まない可能性がある。
VII.A.2.a.本方法の実践において、例えば当該停止部材282といった当該停止部材の特定の実施例を被覆するため、当該反応混合物を当該停止部材凹面に投射することは不要であると考えられる。例えば、当該停止部材282の壁に接触する表面276および内部に対向する表面272は、本質的に凸面であり、したがってバッチ処理により簡単に処理できる。その場合、多数の停止部材82などは実質上真空である単一反応チャンバ内に位置し処理される可能性がある。さらに一部の実施例において、当該被覆材286および288は酸素または水に対して、当該容器268の内面280上の遮断性被覆材ほど強力な遮断膜として示される必要がないと考えられる。 なぜなら、当該停止部材282の材質がこの機能の大半を担うからである。
VII.A.2.a.当該停止部材および当該停止部材の被覆処理の多くの変型が考えられる.当該停止部材282は当該プラズマに接触可能である。または当該プラズマは、プラズマ生成物を生成する当該停止部材282の上流に成形可能であり、当該プラズマ生成物は当該停止部材282に接触可能である。当該プラズマは、電磁エネルギーおよび/またはマイクロ波エネルギーを用いて当該 反応混合物を励起させることにより、生成可能である。
VII.A.2.a.当該反応混合物の変型が考えられる。当該プラズマ生成ガスは不活性ガスを含む場合がある。当該不活性ガスは、例えばアルゴン、ヘリウム、または本開示に記述するその他のガスである場合がある。当該有機ケイ素化合物ガスは、HMDSO、OMCTS、本開示で述べるその他の有機ケイ素化合物、またはこれら2種以上の複合体である/を含む場合がある。当該酸化ガスは、酸素、本開示で述べるその他のガス、またはこれら2種以上の複合体である場合がある。当該炭化水素ガスは、例えばメタン、メタノール、エタン、エチレン、エタノール、プロパン、プロピレン、プロパノール、アセチレン、またはこれら2種以上の複合体である場合がある。
VII.A.2.b. PECVDによる第III族または第IV族元素および炭素の被覆材の停止部材上への塗布
VII.A.2.b.別の実施例は、炭素または1種以上の第III族または第IV族元素を含む組成物の被覆材をエラストマー製停止部材に塗布する方法である。本方法を実行するには、停止部材を堆積チャンバ内に位置付ける。
VII.A.2.b.第III族元素、第IV族元素、またはそれら2つ以上の複合体である気体源を有するプラズマ生成ガスを含む反応混合物を、堆積チャンバに用意する。当該反応混合物は、随意に酸化ガスを包含し、随意に1種以上のC-H結合を有するガス状化合物を包含する。当該反応混合物内にプラズマが生成され、当該停止部材が当該反応混合物に接触する。第III族元素または化合物、第IV族元素または化合物、またはそれら2つ以上の複合体である被覆材を、当該停止部材の少なくとも一部に堆積させる。
VII.A.3. 24カ月95%の真空状態を維持する遮断性被覆材を有する停止部材付きプラスチック 容器
VII.A.3.別の実施例は、容器、遮断性被覆材、および閉包部を含む容器である。当該容器は通常管状であり、熱可塑性素材を原料とする。当該容器は、少なくとも一部が壁で境界される口および内腔を有する。当該壁は、当該内腔と接合する内面を有する。少なくとも本質的に連続する遮断性被覆材を、当該壁の内面に塗布する。当該遮断性被覆材は、実質的保存可能期間の提供に効果的である。当該容器の口を覆うを閉包部を用意して、当該容器の内腔を環境大気から隔絶させる。
VII.A.3.図23〜25を参照に、例えば真空採血管またはその他の容器といった、容器268を示す。
VII.A.3.当該容器は、本実施例において、少なくとも本質的に継続的な遮断性被覆材および閉包部を有する、通常管状の容器である。当該容器は熱可塑性素材を原料とし、当該内腔と接合する内面を有する壁で少なくとも一部が境界される、口および内腔を有する。当該遮断性被覆材は当該壁内面に堆積され、少なくとも24カ月、随意に少なくとも30カ月、随意に少なくとも36カ月の保存可能期間中に、当該容器の最初の真空レベルの少なくとも95%を、または少なくとも90%を維持するのに有効である。閉包部が当該容器の口を覆い、当該容器の内腔を環境大気から隔離する。
VII.A.3.当該閉包部、例えば図内に図示する当該閉包部270またはその他の種類の閉包部は、一部真空を維持するため、および/または検体を包含するため、およびその酸素への曝露または汚染を制限/防止するために提供される。図23-25は、米国特許6,602,206番に含まれる図に基づいているが、本発見はこれまたはその他のいかなる特定の種類の閉包部にも制限されない。
VII.A.3.当該閉包部270は、当該容器268の内腔274に曝露する内部表面272および当該容器壁280の内面278に接触する接触内面276からなる。図示する当該実施例において、当該閉包部270は停止部材282および遮蔽体284のアセンブリである。
VII.A.3.図示する当該実施例において、当該停止部材 282は当該壁接触内面276および当該内面278を定義し、その一方で当該遮蔽体は大部分または全体が当停止された容器268の外部にあり、当該停止部材282の把持を保持および提供し、例えば当該容器268が開口され当該圧力差を均等化するため大気が急に増減する場合の当該容器268の内部と外部の圧力差が原因で当該容器268から放出される含有物に当該閉包部270を除去する人物が曝露しないよう遮蔽する。
VII.A.3.さらには、当該容器壁280上の当該被覆材および当該停止部材の当該壁接触表面276を整合させることが可能であると考えられる。当該停止部材は潤滑性ケイ素層で被覆可能であり、例えばPET製またはガラス製である当該容器壁280はより硬質なSiOx層または下層のSiOx層および潤滑性保護膜で被覆可能である。
VII.B. シリンジ
VII.B.以上の記述は主に、例えば採血管またはより一般的には検体収受管80といった1つの恒久的閉口端を有する管への遮断性被覆材の塗布に言及している。当該装置はかかる機器に制限されない。
VII.B.図20〜22に示す、適切な容器の別の実施例は医療用シリンジ252のためのシリンジバレルである。かかるシリンジ252は、医療技術で使用される食塩水、医薬品、または同種のもので充填済みである場合がある。事前充填済みシリンジ252も、例えば保存中のシリンジバレル250のように、事前充填済みシリンジ252の内容物がシリンジのプラスチックに接触しないよう維持できる、内面254上のSiOx遮断層またはその他の種類の被覆材から、利益を得られると考えられる。当該遮断膜またはその他の種類の被覆材は、当該プラスチック成分が当該内面254を通して当該バレルの含有物へと浸出するのを防止するために使用可能である。
VII.B.シリンジバレル250はモールド時には一般に、 プランジャー258を収受する後端部256と、当該シリンジ252の含有物を投与するための/物質を当該シリンジ252へと収受するための皮下注射針、ノズル、またはタブを収受する前端部260の両方が開口している場合がある。しかし当該充填済みシリンジ252が使用される前に、当該前端部260には随意に蓋が付けられ、当該プランジャー258は随意に所定の位置に装着され、当該バレル250の両端は閉口される場合がある。蓋262を設置する目的は、当該シリンジバレル250または組立てられたシリンジを処理するため、または当該蓋262を除去し(随意に)皮下注射針または当該シリンジ252の使用準備のためその他の搬送導管を当該前端部260に装着する時まで当該充填済みシリンジ252を保管期間中の所定位置に維持するため、のいずれかである場合がある。
VII.B.1. アセンブリ
VII.B.1.図42はまた、例えば図21、26、28、30、および34の実施例と併用可能な、かつ当該図の容器ホルダー450との使用のために適合されている、シリンジバレル構造を示す。
VII.B.1.図50はシリンジの分解図であり、図51はシリンジの組立図である。当該シリンジバレルは、例えば図1〜22、26〜28、33〜35、37〜39、44、および53〜54の容器処理および検査装置と共に処理可能である。
VII.B.1.蓋262の設置により当該バレル250は、先に設置された装置における内面254上のSiOx遮断層またはその他の種類の被覆材と共に供与可能である閉口容器となり、また随意に、蓋内部264上で被覆材を提供し蓋内部264およびバレル前部端260の間の界面をブリッジングする。本使用に適合する適切な装置を、図21に示す。当該図は、例えば、図2 VII.Bの当該容器80の蓋付きシリンジバレル250の置換を除き図2に類似する。VII.B.
VII.B.1 図52は、図42に類似の、しかしフランジまたは指止め440のない処理済みシリンジバレルを示す図である。当該シリンジバレルは、例えば図1〜19、27、33、35、44〜51、および53〜54の容器処理および検査装置と併用可能である。
VII.B.1.a. 有機ケイ素前駆体により堆積される潤滑性被覆材で被覆されるバレルを有するシリンジ
VII.B.1.a. 別の実施例として、以下の処理により生成された種類の、潤滑性SiwOxCyHz被覆材を有する容器が挙げられる。
VII.B.1.a. 上記で定義される前駆体を用意する。
VII.B.1.a. 当該前駆体を、被覆材生成に効果的な条件下で基板へと塗布する。当該被覆材は、重合、交差結合、またはその両方の状態であり、未処理基板と比較して「プランジャースライド力」または「起動力」を低減する潤滑表面を生成する。
VII.B.1.a. 実施例VIIおよび下位部分に関して、当該塗布手順は随意に、当該前駆体の気化により行われ、当該基板付近に提供される。
VII.B.1.a. 実施例VII.A.1.a.iに関して、随意にプラズマ、随意に非ホロー陰極 プラズマを、当該基板付近に生成する。随意に、当該前駆体を実質上酸素が存在しない環境へと提供する。随意に、当該前駆体を実質上搬送ガスが存在しない環境へと提供する。随意に、当該前駆体を実質上窒素が存在しない環境へと提供する。随意に、当該前駆体を絶対圧が1トール未満である環境へと提供する。随意に、当該前駆体をプラズマ発光付近の環境へと提供する。随意に、当該前駆体およびその反応生成物を当該基板へと1〜5000nm、または10〜1000nm、または10〜200nm、または20〜100nmの層厚で塗布する。随意に、当該基板はガラスからなる。随意に当該基板は、ポリマーから、随意にポリカーボネートポリマーから、随意にオレフィン重合体から、随意に環状オレフィン共重合体から、随意にポリプロピレンポリマーから、随意にポリエステルポリマーから、随意にテレフタル酸ポリエチレンポリマーからなる。
随意に当該プラズマを、上記で定義される、例えば周波数が10kHz〜300MH未満、より好ましくは1〜50MHz、さらにより好ましくは10〜15MHz、最も好ましくは13.56MHzである、RF周波数を動力源とする電極を有する前駆体を包含するガス状反応物質を加圧することで生成する。
随意に、当該プラズマは0.1〜25W、好ましくは1〜22W、より好ましくは3〜17W、さらにより好ましくは5〜14W、最も好ましくは7〜11W、特に8Wの電力供給を受ける電極を有する前駆体を包含するガス状反応物質を加圧することにより、生成する。当該電極電力の対プラズマ量比は10 W/ml未満であり、好ましくは5W/ml〜0.1W/ml、より好ましくは4W/ml〜0.1W/ml、最も好ましくは2W/ml〜0.2W/mlである場合がある。当該電力レベルは、シリンジや検体管、およびその内部でPECVDプラズマが生成され1〜3mLの空隙容量を有する類似形状容器への、潤滑性被覆材の塗布に適している。より大きいまたはより小さい物体については、当該基板サイズの処理に従い、適用電力を適宜に増加または減少させるべきであると考えられる。
VII.B.1.a 別の実施例は、シリンジバレルの内壁上の潤滑性被覆材である。当該被覆材は、以下の素材および条件を使用してPECVD処理により生成される。好ましくは環状前駆体を利用し、本明細書内別箇所で潤滑性被覆材に関して定義する、線状シロキサン、単環シロキサン、多環シロキサン、またはこれら2つ以上の複合体から選択する。適切な環状前駆体の一実施例は、随意に、その他の前駆体原料といかなる割合で混合された、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)からなる。随意に当該環状前駆体は、本質的にオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)からなり、すなわちその他の前駆体は生成された潤滑性被覆材の基本的および新しい性質を変化させる(例:当該被覆表面のプランジャースライド力または起動力を減少させる)ことのない量で示される可能性がある。
VII.B.1.a 本処理には、少なくとも本質的に酸素を追加しない。 一部の残存大気中酸素が当該シリンジバレルに存在する場合があり、また前手順で供給され完全に排出されなかった残存酸素が当該シリンジバレルに存在する場合があり、したがって本質的に酸素が存在しないことを定義する。本処理に酸素を追加しない場合、これはまた「実質上無酸素」の範疇内に入る。
VII.B.1.a 十分にプラズマを生成する電力入力、例えば本明細書の1つ以上の実施例において成功裏に使用されるまたは本明細書に記述されるいかなる電力レベルを供給して、被覆材生成を誘導する。
VII.B.1.a 利用する当該素材および条件は、当該シリンジバレル内を移動するシリンジプランジャーのスライド力または起動力を、非被覆シリンジバレルと比較して少なくとも25パーセント、あるいは少なくとも45パーセント、あるいは少なくとも60パーセント、あるいは60パーセント以上減少させるのに効果的である。プランジャースライド力または起動力を20〜95パーセント、あるいは30〜80パーセント、あるいは40〜75パーセント、あるいは60〜70パーセント減少させる範囲が、考えられる。
VII.B.1.a. 別の実施例は、以下の化学構造を有する内壁上に疎水性被覆材を有する容器である:SiwOxCyHz(w、x、y、およびzは事前定義済み)。当該被覆材は、類似組成の潤滑被覆材に関する説明通りに、しかし未処理基板と比較して高い接触角を有する疎水性表面を生成するのに効果的な条件下で、生成される。
VII.B.1.a. 実施例VII.A.1.a.iiに関して、当該基板はガラスまたはポリマーからなる。当該ガラスは、随意にホウケイ酸ガラスである。当該ポリマーは、随意にポリカーボネートポリマー、随意にオレフィン重合体、随意に環状オレフィン共重合体、随意にポリプロピレンポリマー、随意にポリエステルポリマー、随意にテレフタル酸ポリエチレンポリマーである。
VII.B.1.a.別の実施例は、プランジャー、シリンジバレル、および潤滑層を含むシリンジである。当該シリンジバレルは、当該プランジャーをスライド可能に収受する内面を含有する。当該潤滑層は当該シリンジバレル内面上に付着され、SiwOxCyHz潤滑層の被覆材を含む。当該潤滑層は1000nm未満の層厚であり、起動力またはバレル内でプランジャーを移動させるのに必要なプランジャースライド力を減少させるのに効果的である。 当該プランジャースライド力の減少は、あるいは当該バレル内での当該プランジャーのスライド摩擦係数の減少または当該プランジャー力の減少(これらの用語は本明細書内において同義であると見なす)として表現される。
VII.B.1.a.図50〜51の当該シリンジ544は、プランジャー546およびシリンジバレル548からなる。当該シリンジバレル548は、当該プランジャー546をスライド可能に収受する内面552を有する。さらに当該シリンジバレル548の内面552は、SiwOxCyHzの潤滑性被覆材554からなる。当該潤滑層は1000nm未満、随意に500nm未満、随意に200nm未満、随意に100nm未満、随意に50nm未満の層厚であり、保管後のプランジャーの付着状態を打開するのに必要な起動力、または起動後にバレル内でプランジャーを移動させるのに必要なプランジャースライド力を減少させるのに効果的である。当該潤滑性被覆材は、当該非被覆表面より低いプランジャースライド力または起動力を有することにより、特徴付けられる。
VII.B.1.a.上記いずれかの前駆体を単体で、または2種以上の複合体で使用して潤滑性被覆材を提供可能である。
VII.B.1.a.真空処理の利用に加えて、低温度大気(非真空)プラズマ処理も利用して、好ましくはヘリウムまたはアルゴンなど非酸化大気において、前駆体モノマー蒸気供給を通しての分子イオン化および堆積を誘導可能である。個別に、温熱性CVDを閃光熱分解堆積経由で検討可能である。
VII.B.1.a.上記アプローチは、当該表面被覆および交差結合機構が同時に生じる可能性がある真空PECVDに類似する。
VII.B.1.a.いかなる被覆材または本明細書に記載の被覆材に関するまた別の考えられる手段として、容器の内部88全体に不均一に塗布される被覆材が挙げられる。例えば、異なるまたは追加の被覆材を、選択的に当該容器内部のシリンダー状部分へと塗布し、当該容器内部の閉口端84にある半球状部分と比較する、またはその逆が可能である。本手段は特に、以下に記述するシリンジバレルまたは検体採取管に関して考えられる。当該シリンジバレルにおいて、当該プランジャーまたはピストンまたは閉包部がスライドするが別箇所はスライドしない当該バレルのシリンダー状部分の一部または全部に、潤滑性表面を提供可能である。
VII.B.1.a.随意に当該前駆体は、酸素の存在下、実質的非存在下、または非存在下で、またはの窒素の存在下、実質的非存在下、または非存在下で、または搬送ガスの存在下、実質的非存在下、または非存在下で、提供可能である。考えられる一実施例において、当該前駆体単体を当該基板へと搬送し、PECVDを施し被覆材を塗布・硬化する
VII.B.1.a.随意に、当該前駆体を絶対圧が1トール未満である環境へと提供する。
VII.B.1.a.随意に、当該前駆体をプラズマ発光付近の環境へと提供する。
VII.B.1.a.随意に、当該前駆体およびその反応生成物を当該基板へと1〜5000nm、または10〜1000nm、または10〜200nm、または20〜100nmの層厚で塗布する。
VII.B.1.a.上記実施例のいずれにおいても、当該基板はガラスまたは、例えば1種以上のポリカーボネートポリマー、オレフィン重合体(例えば環状オレフィン共重合体またはポリプロピレンポリマー)、ポリエステルポリマー(例えばテレフタル酸ポリエチレンポリマー)といったポリマーからなる場合がある。
VII.B.1.a.上記実施例のいずれにおいても、本記述で定義するRF周波数を動力源とする電極を有する当該前駆体を包含する当該ガス状反応物を加圧することにより、当該プラズマを生成する。
VII.B.1.a.上記実施例のいずれにおいても、潤滑性被覆材の生成に十分な電力の供給を受ける電極を有する当該前駆体を包含する当該ガス状反応物を加圧することにより、当該プラズマを生成する。随意に、当該プラズマは0.1〜25W、好ましくは1〜22W、より好ましくは3〜17W、さらにより好ましくは5〜14W、最も好ましくは7〜11W、特に8Wの電力供給を受ける電極を有する前駆体を包含するガス状反応物質を加圧することにより、生成する。当該電極電力の対プラズマ量比は10 W/ml未満であり、好ましくは5W/ml〜0.1W/ml、より好ましくは4W/ml〜0.1W/ml、最も好ましくは2W/ml〜0.2W/mlである場合がある。当該電力レベルは、シリンジや検体管、およびその内部でPECVDプラズマが生成され1〜3mLの空隙容量を有する類似形状容器への、潤滑性被覆材の塗布に適している。より大きいまたはより小さい物体については、当該基板サイズの処理に従い、適用電力を適宜に増加または減少させるべきであると考えられる。
VII.B.1.a.被覆材の重合、交差結合またはまたはその両方により当該被覆材を硬化して、未処理基板と比較して「プランジャースライド力」または「起動力」を低減させる潤滑表面を生成可能である。硬化は、例えばPECVDといった当該塗布処理の間に起こる可能性があり、または別処理により実行されるまたは少なくとも完了される場合がある。
VII.B.1.a.当該被覆材の特性を明示するため本書ではプラズマ堆積を使用しているが、当該出発物質の化学的組成を維持し当該底部基板に付着する間断ない膜を堆積することが可能である限り、別の堆積方法を使用可能である。
VII.B.1.a.例えば、当該被覆材の噴霧または当該基板の当該被覆材への浸漬により、当該被覆材原料を(流体状態から)当該シリンジバレル上に塗布可能であり、その場合、当該被覆材は当該純前駆体または溶媒希釈前駆体(より薄い被覆材の機械的堆積を可能とする)のいずれかである。当該被覆材は随意に、温熱性エネルギー、UVエネルギー、電子光線エネルギー、プラズマエネルギー、またはこれらの複合体を利用して交差結合可能である。
VII.B.1.a.上述のケイ素前駆体の表面への塗布とその後の個別の硬化手順もまた、考えられる。塗布および硬化の当該条件は、商標TriboGlide(登録商標)の下で実践される処理である、被覆前ポリフルオロアルキルエーテルの当該大気プラズマ硬化に使用されているものと、類似している場合がある。本処理の詳細については、http://www.triboglide.com/process.htmを参照されたい。
VII.B.1.a.かかる処理において、被覆対象部位の領域を随意に大気プラズマで前処理可能である。本前処理により当該表面がが浄化および活性化されるため、次手順で噴霧される当該潤滑剤を受容可能となる。
VII.B.1.a.当該潤滑性流体、この場合前述前駆体または重合前駆体の1つを、その後処理対象表面に噴霧する。例えば、IVEK精密分配技術を使用して、当該流体を正確に霧化し均一な被覆材を創出可能である。
VII.B.1.a.その後当該被覆材を、再度大気中プラズマ場を利用して、当該部分へと結合または交差結合する。これにより、当該被覆材を固定し当該潤滑剤のパフォーマンスを改善できる。
VII.B.1.a. 随意に、当該大気プラズマを当該容器内の環境大気から生成可能であり、その場合、ガス供給装置および真空化装置は不要である。しかしながら当該容器は好ましくは、当該電力要件を最小限とし当該プラズマの当該容器外部の表面・素材への接触を防止するため、少なくともプラズマ生成中は実質上閉口である。
VII.B.1.a.i. 潤滑性被覆材:SiOx遮断層、潤滑層、表面処理
表面処理
VII.B.1.a.i.別の実施例は、内腔を定義するバレルからなり、プランジャーをスライド可能に収受する、すなわち当該内面へのスライド接触のためのプランジャーを収受する、内面を有するシリンジである。
VII.B.1.a.i.当該シリンジバレルは、熱可塑性基材を原料とする。
VII.B.1.a.i.随意に、本明細書内別箇所で説明する通り、当該バレル内面をSiOx遮断層で被覆する。
VII.B.1.a.i.潤滑性被覆材を、バレル内面、プランジャー、または両方、または先に塗布されたSiOx遮断層に塗布する。当該潤滑層を、実施例 VII.B.1.aまたは本明細書内別箇所で定義するとおりに提供、塗布または硬化可能である。
VII.B.1.a.i.例えば当該潤滑性被覆材は、あらゆる実施例において、PECVDにより塗布される場合がある。当該潤滑性被覆材は有機ケイ素前駆体を原料として堆積され、層厚1000nm未満である。
VII.B.1.a.i.潤滑性被覆材上での表面処理を、潤滑性被覆材、熱可塑性基材、または両方の浸出または抽出物を低減させるのに効果的な量で、実行する。当該処理表面は、したがって溶質保持部材として機能する。本表面処理は結果としてスキン塗となる、例えば1nm以上の層厚、100nm未満の層厚、または50nm未満の層厚、または40nm未満の層厚、または30nm未満の層厚、または20nm未満の層厚、または10nm未満の層厚、または5nm未満の層厚、または3nm未満の層厚、または2nm未満の層厚、または1nm未満の層厚、または0.5nm未満の層厚のスキン塗となる可能性がある。
本書で使用される「浸出」とは、例えば容器壁といった基板から例えばシリンジといった容器の含有物への、物質の搬送を指す。一般に浸出物は、意図する含有物で充填された当該容器を保管し、その後当該含有物を分析して当該容器壁から意図する含有物へと浸出した物質を判定することにより、測定する。「抽出」とは、当該容器の意図する含有物の他に溶媒または分散媒質を導入して当該試験条件下で当該基板から抽出媒質へと除去可能な物質を判定することによる、基板からの物質の除去を指す。
VII.B.1.a.i.随意に溶質保持部材をもたらす表面処理は、各々本明細書で既に定義済みであるSiOxまたはSiwOxCyHz覆材である可能性がある。一実施例において、当該表面処理はSiOxまたはSiwOxCyHzのPECVD堆積により塗布可能である。随意に、当該潤滑層の生成で使用するものより高い電力、より強い酸化条件、または両方を使用して、当該表面処理を塗布可能であり、したがってより硬質、薄肉、継続的な溶質保持部材539を提供可能である。 表面処理は、当該潤滑性被覆材の深部100nm未満、随意に50nm未満、随意に40nm未満、随意に30nm未満、随意に20nm未満、随意に10nm未満、随意に5nm未満、随意に3nm未満、随意に1nm未満、随意に0.5nm未満、随意に0.1〜50nmである場合がある。
VII.B.1.a.i.当該溶質保持部材は、当該下層潤滑性および必要に応じて当該基板を含むその他の層に対して、低い溶質浸出性を提供すると考えられる。 本保持部材は、ガス(O2/N2/CO2/水蒸気)遮断層ではなく、溶質大分子およびオリゴマー(例えば、HMDSO、OMCTSといったシロキサンモノマー、それらの断片および潤滑剤由来の移動性オリゴマー、例えば「浸出物保持部材」)に対する溶質保持部材であることのみが求められる。溶質保持部材は、しかしながら、ガス遮断膜(例えば本発明に記載のSiOx被覆材)である可能性もある。真空または大気中PECVD処理により、ガス遮断性を伴わない良好な浸出物保持部材を創出可能である。当該「浸出物遮断膜」が十分に薄肉であることが望ましく、シリンジプランジャーの移動については、当該プランジャーがスライド式プランジャー突起を直下の潤滑層に曝露しながら「溶質保持部材」へ容易に侵入し、未処理基板と比較して「プランジャースライド力」または「起動力」を低下させる潤滑表面を生成する。
VII.B.1.a.i.別の実施例において、プラズマ環境における当該表面の酸素への曝露のように、以前塗布した潤滑層の表面の酸化により実施可能である。本明細書で説明する当該プラズマ環境を使用して、SiOx被覆材を成形可能である。または、酸素環境において大気プラズマ条件を利用可能である。
VII.B.1.a.i.当該潤滑層および溶質保持部材は、しかしながら成形され、随意に、同時に硬化可能である。別の実施例において、当該潤滑層は少なくとも一部を硬化可能であり、随意に全体を硬化可能であり、その後、当該表面処理を提供・塗布可能および当該溶質保持部材を硬化可能である。
VII.B.1.a.i.当該潤滑性被覆材および溶質保持部材は、起動力、プランジャースライド力、または両方を、潤滑性被覆材および表面処理なしの場合と比べて低下させるよう構成し、効果的な量で提供する。 言い換えれば、当該溶質保持部材の層厚および組成は、当該潤滑層からの物質の当該シリンジ含有物への浸出を低下させ、当該下層潤滑性被覆材で当該プランジャーを潤滑化するためのものである。当該溶質保持部材は容易に剥離し、当該潤滑層は当該プランジャーの移動を潤滑化する機能を果たすのに十分な薄さであることが、考えられる。
VII.B.1.a.i.考えられる一実施例において、当該潤滑性処理および表面処理は、当該バレル内面に塗布可能である。考えられる別の実施例において、当該潤滑性処理および表面処理は、当該プランジャーに塗布可能である。考えられるまた別の実施例において、当該潤滑性処理および表面処理は、当該バレル内面とプランジャーの両方に塗布可能である。当該実施例のいずれかにおいて、当該シリンジバレル内部のオプションSiOx遮断層は存在または非存在である可能性がある。
VII.B.1.a.i.考えられる一実施例は、当該シリンジバレルの内面に塗布する複数層(例えば3層)設定である。層1は、酸化性大気内でMDSO、OMCTSまたは両方のPECVDにより生成されるSiOxガス遮断膜である場合がある。かかる大気は例えば、本明細書に記載のPECVD被覆装置へのHMDSOおよび酸素ガスの供給により、提供可能である。層2は、非酸化性大気内で塗布するOMCTSを使用する潤滑層である場合がある。かかる非酸化性大気は例えば、本明細書に記載のPECVD被覆装置へのOMCTSの供給により、随意に実質上または完全な酸素非存在下で、提供可能である。二次溶質保持部材を、SiOxまたはSiwOxCyHzの表面薄層を生成する処理により、OMCTSおよび/またはHMDSOを使用してより高い電力と酸素を使用する溶質保持部材として、成形可能である。
VII.B.1.a.i.特定の当該複数層被覆材は、少なくともある程度、以下の1つ以上のオプション利点を有していると考えられる。当該溶質保持部材は当該内部ケイ素を収容し当該シリンジの含有物または別箇所へと移動するのを防止する可能性があるため、それらにより報告されているケイ素取扱い困難性に対処できる可能性がある。その結果、当該可能な当該シリンジの含有物内のケイ素粒子が減少し、当該潤滑性被覆材と当該シリンジの含有物との間の相互作用の機会が低下する。また、当該潤滑層が潤滑点から離れて移動する問題に対処して、当該シリンジバレルと当該プランジャーの間の界面の潤滑性を改善できる可能性がある。例えば、当該打破力が低下し、当該移動プランジャー上の抗力が低下し、随意に両方が低下する場合がある。
VII.B.1.a.i.当該溶質保持部材が破損している場合、当該溶質保持部材は該潤滑性被覆材および当該シリンジバレルへと付着し続け、いかなる粒子の当該シリンジの搬送可能含有物内への取り込みを阻害する可能性がある、と考えられる。
VII.B.1.a.i.また、特定の当該被覆材は製造上の利点を、特に当該遮断性被覆材、潤滑性被覆材、および表面処理が当該同一装置、例えば当該図示するPECVD装置において塗布される場合に、提供する。随意に、当該SiOx遮断性被覆、潤滑性被覆、および表面処理はすべて1つのPECVD装置において適用可能であり、したがって取扱い要件が大幅に削減される。
当該遮断性被覆材、潤滑性被覆材、および溶質保持部材を当該同一前駆体を使用して生成することにより、および当該処理を修正することにより、さらなる利点を取得可能である。例えば、SiOxガス遮断層は高電力/高O2の条件下でOMCTS前駆体を使用して塗布可能となり、そして潤滑層は低電力および/または実質上または完全な無酸素の条件下でlOMCTS前駆体を使用して塗布可能となり、最後に表面処理は中間電力および酸素の条件下でOMCTS前駆体を使用して塗布可能となる。
VII.B.1.b SiOX層被覆内部および遮断層被覆外部を伴うバレルを有するシリンジ
VII.B.1.b.図50に図示するさらなる別の実施例は、プランジャー546、バレル548、内部および外部遮断性被覆材554および602を含むシリンジ544である。当該バレル548は、内腔604を定義する熱可塑性基材を原料とする場合がある。当該バレル548は、プランジャー546をスライド可能に収受する内面552と、外面606を有する場合がある。SiOx製(xは約1.5〜約2.9)の遮断性被覆材554が当該バレル548の内面552に提供される場合がある。樹脂製の遮断性被覆材602を当該バレル548の外面606に提供する場合がある。
VII.B.1.b.あらゆる実施例において、当該熱可塑性基材は随意に、ポリプロピレンまたは環状オレフィン共重合体(例:商標TOPAS(登録商標)の下で販売される素材)といったポリオレフィン、テレフタル酸ポリエチレンやポリカーボネート(例:ビスフェノールA ポリカーボネート熱可塑性素材またはその他の素材)といったポリエステルを含む場合がある。いずれか1つの素材を外層として、同一または異なる素材を内層として有する、合成シリンジバレルが考えられる。本明細書内別箇所で記述する当該合成シリンジバレルまたは検体管の素材の組合せも、使用可能である。
VII.B.1.b.あらゆる実施例において、当該樹脂は随意に、単独重合体または共重合体の形態のポリ塩化ビニリデンを含む場合がある。例えば、参照することにより本書に組み込まれる米国特許6,165,566番に記載の、PvDC単独重合体(慣用名:サラン)または共重合体を利用可能である。当該樹脂を随意に、ラテックスまたはその他の分散形態で、当該バレルの外面に塗布する場合がある。
VII.B.1.b.あらゆる実施例において、当該シリンジバレル548には随意に、プランジャーおよび遮断性SiOx被覆材の間に配置される潤滑性被覆材が含まれる場合がある。適切な潤滑性被覆材を本明細書内別箇所で記述している。
VII.B.1.b.あらゆる実施例において、当該潤滑性被覆材は随意にPECVDにより塗布される場合があり、 随意に組成SiwOxCyHzを有する材質を含む場合がある。
VII.B.1.b.あらゆる実施例において、当該シリンジバレル548は随意に、潤滑性被覆材を覆う表面処理を、潤滑性被覆材、熱可塑性基材、または両方の浸出を低減させるのに効果的な量で、含む場合がある。
VII.B.1.c SiOX層被覆内部および遮断層被覆外部を伴うバレルを有するシリンジの製造方法
VII.B.1.c.さらなる本発明の別の態様は、プランジャー、バレル、内部および外部遮断性被覆材を含む、VII.B.1.b部のいかなる実施例に記載のシリンジの製造方法ある。プランジャーをスライド可能に収受する内面と、外面を有するバレルを用意する。SiOx遮断性被覆材は、PECVDにより当該バレルの外面に提供される。樹脂製の遮断性被覆材を当該バレルの外面に提供する。当該プランジャーおよびバレルを組立てることで、シリンジを用意する。
VII.B.1.c.当該水性ラテックスを用いるプラスチック材の効果的な(均一湿潤)被覆として、当該ラテックスの表面張力を当該プラスチック基板へと一致させることがが有用であると考えられる。これは、例えば(界面活性剤または溶媒を用いる)当該ラテックスの表面張力の低減、および/または当該プラスチック材のコロナ前処理、および/または当該プラスチック材の化学プライミングといった、複数のアプローチを個別にまたは組合わせて達成可能である。
VII.B.1.c.当該樹脂を随意に、当該バレルの外面への当該ラテックスの浸漬被覆、当該バレルの外面への当該ラテックスの噴霧被覆、または両方により塗布し、改善されたガス・蒸気遮断力をもたらすプラスチック材を提供可能である。当該非積層プラスチック材と比較して大いに優れたガス遮断力を提供する、ポリ塩化ビニリデンプラスチック積層材を生成可能である。
VII.B.1.c.あらゆる実施例において、当該樹脂は随意に熱硬化可能である。当該樹脂は随意に 水分を除去することにより熱硬化可能である。当該樹脂の熱硬化、当該樹脂の一部真空または低湿度環境への曝露、当該樹脂の触媒的硬化、またはその他の手段により、水分を除去可能である。
VII.B.1.c.効果的な温熱硬化スケジュールとして、最後に乾燥させてPvDC結晶化を可能とし遮断力を提供することが考えられる。一次硬化を、例えば180〜310°F(82〜154℃)の高温で実行する場合があり、もちろん当該熱可塑性基材の耐熱性により異なる。一次硬化の後の遮断力は随意に、最終硬化の後に達成される約85%の極限的遮断力である場合がある。
VII.B.1.c.最終硬化は、65〜75°F(18〜24℃)といった周囲温度での長期間(2週間など)から、122°F(50℃)といった高温での短期間(4時間など)までの範囲で、実行可能である。
VII.B.1.c.当該PvDCプラスチック積層材は、優れた遮断力に加え、随意に無色透明、良好な光沢、耐摩耗性、印刷適性、機械的歪抵抗といった1種以上の好ましい性質を提供すると考えられる。
VII.B.2. プランジャー
VII.B.2.a. 遮断性被覆ピストン前面
VII.B.2.a.別の実施例は、ピストンおよびプッシュロッドを含むシリンジ用のプランジャーである。当該ピストンは、前面、通常シリンダー状である側面、および後部を有しており、当該側面はシリンジバレル内に移動可能に装填するよう設定される。当該前面は遮断性被覆材を有する。当該プッシュロッドを当該後部と係合させ、シリンジバレル内で当該ピストンを押し進めるよう設定する。
VII.B.2.b. 側面と接合する潤滑性被覆材
VII.B.2.b.また別の実施例は、ピストン、潤滑性被覆材、およびプッシュロッドを含むシリンジ用のプランジャーである。当該ピストンは前面、通常シリンダー状である側面、後部を有する。当該側面はシリンジバレル内に移動可能に装填するよう設定する。当該潤滑性被覆材は当該側面と接合させる。当該プッシュロッドは当該ピストン後部と係合し、シリンジバレル内で当該ピストンを押し進めるよう設定される。
VII.B.3. 2部構成シリンジおよびルアー取付部
VII.B.3.別の実施例は、プランジャー、シリンジバレル、およびルアー取付部を含むシリンジである。当該シリンジには、当該プランジャーをスライド可能に収受する内面を有するバレルが含まれる。当該ルアー取付部には、内面により定義される内部経路を有するルアーテーパーが含まれる。当該ルアー取付部はシリンジバレルとは個別の部材として成形され、カップリングによりシリンジバレルと結合する。当該ルアーテーパーの内部経路は遮断性SiOx被覆材を有する。
VII.B.3.図50〜51を参照に、当該シリンジ544は随意に、予備ルアーテーパー(非表示、従来型)上に装着されたカニューレを収受するルアーテーパー558からなるルアー取付部556を含む場合がある。当該ルアーテーパー558は、内面562により定義される内部経路560を有する。当該ルアー取付部556は随意に、シリンジバレル548とは個別の部材として成形され、カップリング564によりシリンジバレル548と結合する。図50および51に図示するとおり、本事例の当該カップリング564は、当該ルアー取付部が当該バレル548に対して少なくとも実質上耐漏出性となるよう互いに係合して固定する雄部566および雌部568を有する。当該ルアーテーパーの内面562は、SiOx遮断性被覆材570を含む場合がある。当該遮断性被覆材は層厚100 nmであり、当該ルアー取付部の内部経路への酸素の侵入を低減させるのに効果的である場合がある。当該ルアー取付部を当該シリンジバレルに係合さる前に、当該遮断性被覆材を塗布可能である。図50〜51のシリンジはまた、内部がねじ式でありカニューレの当該予備ルアーテーパーを当該テーパー558の所定の位置にロックする、オプションのロックカラー572を有する。
VII.B.4. 潤滑剤組成 - 原位置重合有機ケイ素前駆体を原料とする有機ケイ素前駆体から堆積される潤滑性被覆材
VII.B.4.a. 工程別および潤滑性別の生成物
VII.B.4.a.また別の実施例は、潤滑性被覆材である。本被覆材は、以下の工程により生成される種類のものである場合がある。
VII.B.4.a.本明細書内別箇所で述べるあらゆる当該前駆体を、単体でまたは複合体で使用可能である。当該前駆体を、被覆材生成に効果的な条件下で基板へと塗布する。当該被覆材は、重合、交差結合、またはその両方の状態であり、未処理基板と比較して「プランジャースライド力」または「起動力」を低減する潤滑表面を生成する。
VII.B.4.a.別の実施例は、潤滑性被覆材を塗布する方法である。有機ケイ素前駆体を、被覆材生成に効果的な条件下で基板へと塗布する。当該被覆材は、重合、交差結合、またはその両方の状態であり、未処理基板と比較して「プランジャースライド力」または「起動力」を低減する潤滑表面を生成する。
VII.B.4.b. 工程別および分析特性別の生成物
VII.B.4.b.さらなる本発明の別の態様は、有機金属前駆体からなる、好ましくは有機ケイ素前駆体からなる、好ましくは線状シロキサン、線状シラザン、単環シロキサン、単環シラザン、多環シロキサン、多環シラザン、またはこれら2つ以上の複合体からなる供給ガスから、PECVDにより堆積される潤滑性被覆材である。当該被覆材の密度は、X線反射率(XRR)により決定される通り、1.25〜1.65g/cm3、随意に1.35〜1.55g/cm3、随意に1.4〜1.5g/cm3、随意に1.44〜1.48g/cm3である。
VII.B.4.b.さらなる本発明の別の態様は、有機金属前駆体からなる、好ましくは有機ケイ素前駆体からなる、好ましくは線状シロキサン、線状シラザン、単環シロキサン、単環シラザン、多環シロキサン、多環シラザン、またはこれら2つ以上の複合体からなる供給ガスから、PECVDにより堆積される潤滑性被覆材である。当該被覆材は、ガスクロマトグラフィー/質量分析法により判定されるとおり、ガス放出成分、反復-(Me)2SiO- 部分を含む1種以上のオリゴマーを有する。随意に、当該被覆材は実施例VII.B.4.aまたはVII.B.4.bのいずれかの制限を満たす。随意に、当該被覆材ガス放出成分は、ガス クロマトグラフィー/質量分析法により判定される通り、実質上トリメチルシラノールを含まない。
VII.B.4.b.随意に、当該被覆ガス放出成分は、以下の試験条件を使用するガスクロマトグラフィー/質量分析法により判定されるとおり、反復-(Me)2SiO-部分を含む少なくとも試験あたり10ngのオリゴマーを有する。
GCカラム: 30m X 0.25mm DB-5MS(J&W Scientific)、
0.25μm膜層厚
流量: 1.0 ml/min、定流量モード
検出器: 質量選択検出器(MSD)
射出モード: 分割射出(分割率10:1)
ガス放出条件: 1 1/2インチ(37mm)チャンバ、3時間、85℃、
60 ml/分の流量でパージ
炉温度: 40℃(5分)から始め10℃/分で300℃まで加熱、
300℃を5分間保持。
VII.B.4.b.随意に、当該ガス放出成分は、反復-(Me)2SiO-部分を含む少なくとも試験あたり20ngのオリゴマーを含む場合がある。
VII.B.4.b.随意に当該供給ガスは、単環シロキサン、単環シラザン、多環シロキサン、多環シラザン、またはこれら2つ以上の複合体、(例:オクタメチルシクロテトラシロキサン)からなる。
VII.B.4.b.あらゆる実施例の当該潤滑性被覆材は、透過電子顕微鏡法(TEM)により測定される1〜500nmの、随意に20〜200nmの、随意に20〜100nmの、随意に30〜100nmの層厚を有する。
VII.B.4.b.本発明の別の態様は、単環シロキサン、単環シラザン、多環シロキサン、多環シラザン、またはこれら2つ以上の複合体からなる供給ガスから、PECVDにより堆積される潤滑性被覆材である。当該被覆材は、100%炭素、酸素、ケイ素に正規化した炭素の原子濃度を有し、X線光電子分光法(XPS)により判定される通り、当該供給ガスの原子公式における炭素の原子濃度を上回る。随意に、当該被覆材は実施例VII.B.4.aまたはVII.B.4.bの制限を満たす。
VII.B.4.b.随意に、当該炭素の原子濃度は1〜80原子パーセント(実施例15のXPS条件に基づき計算)、あるいは from 10〜70原子パーセント、あるいは20〜60原子パーセント、あるいは30〜50原子パーセント、あるいは35〜45原子パーセント、あるいは37〜41原子パーセント増加する。
VII.B.4.b.本発明の別の態様は、単環シロキサン、単環シラザン、多環シロキサン、多環シラザン、またはこれら2つ以上の複合体からなる供給ガスから、PECVDにより堆積される潤滑性被覆材である。当該被覆材は、100%炭素、酸素、ケイ素に正規化したケイ素の原子濃度を有し、X線光電子分光法(XPS)により判定される通り、当該供給ガスの原子公式におけるケイ素の原子濃度を下回る。随意に、当該被覆材は実施例VII.B.4.aまたはVII.B.4.bの制限を満たす。
VII.B.4.b.随意に、当該ケイ素の原子濃度は1〜80原子パーセント(実施例15のXPS条件に基づき計算)、あるいは from 10〜70原子パーセント、あるいは20〜60原子パーセント、あるいは30〜55原子パーセント、あるいは40〜50原子パーセント、あるいは42〜46原子パーセント減少する。
VII.B.4.b.断面図VII.B.4に列挙される2つ以上の性質の複合体を有する潤滑性被覆材質もまた、明示的に考えられる。
VII.C. 一般的容器
VII.C.本明細書に記載のおよび/または本明細書に記載の方法に従い作成される被覆容器または容器は、化合物または組成物の収受および/または保管および/または供給のために使用可能である。当該化合物または組成物は、例えば大気感受性、酸素感受性、湿度感受性および/または機械的作用感受性といった感度が高い場合がある。生物学的に活性な化合物または組成物、例えばインスリンまたはインスリンからなる組成物といった薬剤である場合がある。別の態様において、生物学的流体、好ましくは血液または血液分画といった体液である場合がある。本発明の特定の態様において、当該化合物または組成物は、それらを必要としている被検者に投与される生成物、例えば血液(供血者から受血者への輸血または患者から採取した血液の当該患者への再導入)またはインスリンといった注入生成物である。
VII.C.本明細書に記載のおよび/または本明細書に記載の方法に従い作成される被覆容器または容器はさらに、内腔に含まれる化合物または組成物の非被覆容器素材表面の機械的および/または化学的作用からの保護のために使用可能である。例えばインスリン沈殿または血液凝固または血小板活性化といった、前述化合物または組成物成分の沈殿および/または凝固または血小板活性化を防止または低減させるのに使用可能である。
VII.C.さらには、例えば当該容器周辺の環境からの1つ以上の化合物の当該容器内腔への侵入を防止または低減させることで、内部に包含する化合物または組成物を当該容器外部の環境から保護するために使用可能である。かかる環境化合物はガスまたは流体、例えば酸素、大気、および/または水蒸気を包含する大気中ガスまたは流体である場合がある。
VII.C.本明細書に記載の被覆容器はまた、真空であり真空状態で保管される場合がある。例えば当該被覆材は、対応する非被覆容器と比べて、当該真空状態をより良好に維持可能である。本実施例の一態様において、当該被覆容器は採血管である。前述管は、例えばEDTAまたはヘパリンといった、血液凝固または血小板活性化を防止するための薬剤を包含する場合がある。
VII.C.あらゆる上述実施例は、例えば当該容器として長さ約1cm〜約200cm、随意に約1cm〜約150cm、随意に約1cm〜約120cm、随意に約1cm〜約100cm、随意に約1cm〜約80cm、随意に約1cm〜約60cm、随意に約1cm〜約40cm、随意に約1cm〜約30cmの管を提供し、後述の通りプローブ電極と共に処理することにより、実行可能である。特に上述範囲における長さが長いほど、被覆材成形中の当該プローブと当該容器との間の相対運動が有用である可能性があると考えられる。これは例えば、当該プローブに対して当該容器を移動する、または当該容器に対して当該プローブを移動することにより、実行可能である。
VII.C.これらの実施例において、当該被覆材は薄肉である、または遮断性被覆材として望ましいものと比較して完全性に劣る場合があると考えられる。なぜなら、一部実施例における当該容器は真空採血管の高い遮断性完全性を必要としないからである。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該容器は中心軸を有する。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該容器の外径の100倍を超えない大きさの当該中心軸での曲げ半径に対して少なくとも実質的に直線である範囲において、温度20℃で壁を破損することなく少なくとも1回屈曲するのに十分なたわみを、当該容器壁は有する。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該 中心軸での曲げ半径は当該容器外径の90倍を超えない、または80倍を超えない、または70倍を超えない、または60倍を超えない、または50倍を超えない、または40倍を超えない、または30倍を超えない、または20倍を超えない、または10倍を超えない、または9倍を超えない、または8倍を超えない、または7倍を超えない、または6倍を超えない、または5倍を超えない、または4倍を超えない、または3倍を超えない、または2倍または1倍を超えない大きさである。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該容器壁は可撓性素材を原料とする流体接触表面である場合がある。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該容器内腔はポンプの流体流路である場合がある。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該容器は血液を医療用途の場合の良好な条件に保持するよう適合される血液バッグである場合がある。
VII.C., VII.D.当該前述実施例のオプション機能として、ポリマー素材は、2例として、シリコンエラストマーまたは熱可塑性ポリウレタンである、または血液またはインスリンと接触するのに適したあらゆる素材である場合がある。
VII.C., VII.D.オプション実施例において、当該容器は少なくとも2mm、または少なくとも4mmの内径を有する。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該容器は管である。
VII.C.当該前述実施例のオプション機能として、当該内腔は少なくとも2つの開口端を有する。
VII.C.1. 有機ケイ素前駆体より堆積した被覆材を有する生存血液包含容器
VII.C.1.さらなる別の実施例は、血液包含容器である。かかる容器の非限定的例の一部として、輸血バッグ、検体を採集するための血液検体採集容器、人工心肺の管、可撓性壁の採血バッグ、手術中に患者血液を採集し当該血液を当該患者の血管系へと再導入する管などが挙げられる。当該容器が血液を送り出すポンプである場合、特に適切なポンプは遠心式ポンプまたは蠕動式ポンプである。当該容器は壁を有し、当該壁は内腔を定義する内面を有する。当該壁の内面は、SiwOxCyHz被覆材(wは1、本公式のx約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)で少なくとも一部が被覆される。当該被覆材は単分子の層厚と同様に薄く、または最大層厚約1000nmである。当該容器には、SiwOxCyHz被覆と接触する内腔内に充填される、患者の血管系へと戻すことが可能な血液が包含される。
VII.C.1.一実施例は、壁を包含し内腔を定義する内面を有する、血液包含容器である。当該内面はSiwOxCyHzで少なくとも一部が被覆される。当該被覆材はSiOx(xは本明細書で定義)からなる、または本質的にSiOxからなる可能性がある。当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmの範囲内である。当該容器には、SiwOxCyHz被覆と接触する内腔内に充填される、患者の血管系へと戻すことが可能な血液が包含される。
VII.C.2. 容器内血液の凝固または血小板活性化を減少させる有機ケイ素前駆体より堆積した被覆材
VII.C.2.別の実施例は、壁を有する容器である。当該壁は内腔を定義する内面を有し、当該壁は、SiwOxCyHz被覆材(好ましくはw、x、y、およびzは事前定義通り:wは1、x約0.5〜約2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)での少なくとも一部の被覆を有する。当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmである。当該被覆材は、SiwOxCyHzで被覆されていない同種類の壁と比較して、当該内面に曝露した血液の凝固または血小板活性化を減少させるのに有効である。
VII.C.2.SiwOxCyHz被覆材の組込みにより、未処理のポリマーまたはSiOx表面に接触する血液の性質と比較して、血液の付着力または凝塊成形性質が減少すると考えられる。本性質は、心臓手術中に人工心肺を使用する場合に、当該患者からの血液除去とその後の当該患者への再導入を必要とする種類の手術を受ける患者において必要なヘパリンの血液濃度を低減させることにより、血液のヘパリン処理の必要性を低減させる/潜在的になくすと考えられる。ヘパリンの使用に起因する出血性合併症を低減させることにより、かかる容器を通る血液経路に関する手術の合併症が減少すると考えられる。
VII.C.2.別の実施例は、壁を包含し内腔を定義する内面を有する容器である。当該内面はSiwOxCyHzで少なくとも一部が被覆されており、当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmの厚さである。当該被覆材は、当該内面に曝露する血液の凝固または血小板活性化を低減させるのに効果的である。
VII.C.3. 第III族または第IV族元素の被覆材を有する生存血液包含容器
VII.C.3.別の実施例は、内腔を定義する内面を有する壁を含む血液包含容器である。当該内面は少なくとも一部が、1種以上の第III族元素、1種以上の第IV族元素、これら2種以上の複合体からなる組成物の被覆材で被覆される。当該被覆材の層厚は、両立的に、内面上で単分子〜約1000nmである。当該容器には、当該被覆材と接触する内腔内に充填される、患者の血管系へと戻すことが可能な血液が包含される。
VII.C.4. 容器内血液の凝固または血小板活性化を減少させる第III族または第IV族元素の被覆材
VII.C.4.随意に、前段落の容器において、第III族または第IV族元素の被覆材は、当該容器壁内面に曝露した血液の凝固または血小板活性化を減少させるのに有効である。
VII.D. 医薬品供給容器
VII.D.本書に記載の被覆容器または容器は、前述容器に含まれる化合物または組成物の当該容器周辺の環境への漏出を防止または低減させるために使用可能である。
また、本明細書に記載の当該被覆材および容器のさらなる利用は、当該部の記述および請求項から明らかであると考えられる。
VII.D.1. 有機ケイ素前駆体より堆積した被覆材を有するインスリン包含容器
VII.D.1.別の実施例は、内腔を定義する内面を有する壁を含むインスリン包含容器である。当該内面は、SiwOxCyHz(w、x、y、およびzは事前定義済み:wは1、x約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜9、好ましくはwは1、xは約0.5〜1、yは約2〜約3、zは6〜約9)で少なくとも一部が被覆される。当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmである。インスリンは、SiwOxCyHz被覆材と接触する内腔内に充填される。
VII.D.1.また別の実施例は、壁を包含し、かつ内腔を定義する内面を有するインスリン包含容器である。当該内面はSiwOxCyHzで少なくとも一部が被覆されており、当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmの厚さである。インスリン(例えばヒトへの使用についてFDA認可済みの薬剤インスリン)を、SiwOxCyHz被覆材と接触する内腔内に充填する。
VII.D.1.SiwOxCyHz被覆材の組込みにより、未処理のポリマー表面に接触するインスリンの性質と比較して、インスリンポンプの供給管内インスリンの付着力または沈殿成形性質が減少すると考えられる。本性質は、当該供給管を通るインスリンをフィルタリングして固体沈殿物を除去する必要性を低減させる/潜在的に消失させると考えられる。
VII.D.2. 容器内のインスリン沈殿を減少させる有機ケイ素前駆体より堆積した被覆材
VII.D.2.随意に、前段落の容器において、当該SiwOxCyHz被覆材は同種類のSiwOxCyHz非被覆壁と比較して、当該内面に接触するインスリンからの沈殿物成形を減少させるのに有効である。
VII.D.2.さらに別の実施例は、再び、壁を包含しかつ内腔を定義する内面を有する容器である。当該内面はSiwOxCyHzで少なくとも一部が被覆される。当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmの範囲内である。当該被覆材は、当該内面に接触するインスリンからの沈殿物成形を低減させるのに有効である。
VII.D.3. 第III族または第IV族元素被覆材を有するインスリン包含容器
VII.D.3.別の実施例は、内腔を定義する内面を有する壁を含むインスリン包含容器である。当該内面は少なくとも一部が、炭素、1種以上の第III族元素、1種以上の第IV族元素、これら2種以上の複合体からなる組成物の被覆材で被覆される。当該被覆材の層厚は内面上で単分子〜約1000nmである。インスリンは、当該被覆材と接触する管腔内に充填される。
VII.D.4. 容器内インスリンの沈殿を減少させる第III族または第IV族元素の被覆材
VII.D.4.随意に、前段落の容器において、炭素、1種以上の第III族元素、1種以上の第IV族元素、これら2種以上の複合体からなる組成物の被覆材は、同種類の非被覆壁と比較して、当該内面に接触するインスリンからの沈殿物成形を減少させるのに有効である。
実施例0:管およびシリンジバレルを成形・被覆するための基本プロトコル
後続実施例において試験された容器は、個別の実施例において別途表示がない限り、以下の模範的プロトコルに従って成形および被覆された。以下の基本プロトコル内で与えられる特定のパラメータ値(例えば当該電力、処理ガス流量、など)は一般値である。当該一般値と比較してパラメータ値が変更された場合はいつでも、当該後続実施例内において表示する。当該処理ガスの種類および組成についても同様とする。
COC管を成形するためのプロトコル(実施例1、19などで使用)
一般に真空採血管(「COC管」)として使用される形状およびサイズの環状オレフィン共重合体(COC)管は、ドイツ、フランクフルトのHoechst AGが市販するTopas(登録商標) 8007-04環状オレフィン共重合体(COC)樹脂を原料に以下の寸法で射出成形した:長さ75mm、外径13mm、および壁の厚さ0.85mm、各容量は約7.25cm3で丸みを帯びた閉口端を有する。
PET管を成形するためのプロトコル(実施例2、4、8、9、10などで使用)
一般的に真空採血管(「PET管」)として使用されるテレフタル酸ポリエチレン(PET)管は、「COC管を成形するためのプロトコル」を使用する同一モールド内で射出成形される。寸法は以下の通り:長さ75mm、外径13mm、および壁の厚さ0.85mm、各容量は約7.25cm3で丸みを帯びた閉口端を有する。
管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル(実施例1、2、4、8、9、10、18、19などで使用)
特定の考えられる実施例である、図45の封止機構を有する図2で示す装置を使用した。当該容器ホルダー50は、米国デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont De Nemours and Co.が市販するDelrin(登録商標)アセタール樹脂を原料として、外径1.75インチ(44mm)および高さ1.75インチ(44mm)で作成した。当該容器ホルダー50は、当該機器の当該電極(160)への出入りを可能とするDelrin(登録商標)構造内に格納した。
当該電極160は、銅およびDelrin(登録商標)遮蔽体から作成した。当該Delrin(登録商標)遮蔽体は、当該銅電極160の外部周辺に共形させた。当該電極160の寸法は、(内部)高さ約3インチ(76mm)であり、幅は約0.75インチ(19mm)であった。
当該容器80として使用した当該管を当該容器ホルダー50底部へと挿入して、Viton(登録商標)オーリング490、504(Viton(登録商標)は米国デラウェア州ウィルミントンのDupont Performance Elastomers LLCの商標である)で当該管(図45)の外部周辺を密閉した。当該管80を、伸延された(定常の)1/8インチ(3mm)径真鍮プローブまたは対向電極108の上の密閉位置へと慎重に移動し、銅プラズマ遮蔽体へと押し付けた。
当該銅プラズマ遮蔽体610は、当該管の外径を装着するよう切断された有孔銅ホイル材(米国イリノイ州、シカゴのK&S Engineering、部品番号:LXMUW5 copper mesh)で、当該管挿入(図45を参照)の停止部として機能する放射状に伸延する当接部表面494により所定の位置に固定した。当該銅メッシュ2枚を当該真鍮プローブまたは対向電極108の周囲にぴったりと装着し、良好な電気接触を確保した。
当該真鍮プローブまたは対向電極108を当該管内部へと約70mm伸延し、80番ワイヤ(直径 = 0.0135インチまたは0.343mm)を配列した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を当該容器ホルダー50下部にあるSwagelok(登録商標)取付部(米国オハイオ州ソロンのSwagelok Co.が市販)を通して伸延し、当該容器ホルダー50底部構造を通して伸延した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を、当該RF一致ネットワークのケーシングへと接地した。
当該ガス供給ポート110は、当該管(4側面上の3つが互いに90度に配向される)の長さに沿った当該プローブまたは対向電極108における12の孔、および当該ガス供給ポート110の端部に差し込まれる当該アルミニウム蓋における2つの孔であった。当該ガス供給ポート110を、当該真空ポンプラインに接続される手動の通気用ボール弁、熱電対圧力計およびバイパス弁を内蔵するSwagelok(登録商標)取付部からなるステンレス鋼アセンブリに接続した。さらに、当該ガスシステムを当該ガス供給ポート110に接続して、当該処理ガス、酸素およびヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)が当該ガス供給ポート110(処理圧力下で)を通り当該管内部に流入するようにした。
当該ガスシステムは、Aalborg(登録商標) GFC17質量流量計(部品番号:EW-32661-34、米国イリノイ州バーリントンのCole-Parmer Instrument Co.製)からなり、当該流量計は、酸素を90sccm(または特定実施例で報告された特定流量)で当該処理および長さ49.5インチ(1.26m)のポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)キャピラリー(外径1/16インチ(1.5mm)、内径0.004インチ(0.1mm))に制御可能に流入させるためのものであった。当該PEEKキャピラリー端部を、流体ヘキサメチルジシロキサン(「HMDSO」、Alfa Aesar(登録商標) 部品番号L16970、NMR、Grade、ロンドンのJohnson Matthey PLC製)へと挿入した。当該流体HMDSOを、処理中の当該管内の低圧力により、当該キャピラリーを通して吸引した。当該HMDSOはその後、当該低圧力領域に到達した時点で当該キャピラリー終端で蒸気となった。
この点を超えた当該流体HMDSOの結露を防止するため、Swagelok(登録商標)3方弁経由での処理のため当該管内部へと流入しない当該ガス流(酸素を含む)を、当該ポンプラインへと迂回させた。当該管設置後に、当該真空ポンプ弁を当該容器ホルダー50および当該管内部へと開口した。
Alcatel回転翼真空ポンプおよびブロワーで、当該真空ポンプシステムを構成した。当該ポンプシステムは、当該処理ガスを当該表示率で流入しながら、当該管内部を200mトール未満の圧力に低減することを可能とした。
当該底部真空レベル達成後に、当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリ内に移動した。当該ガス流(酸素およびHMDSO蒸気)を、当該真鍮ガス供給ポート110(当該3方弁を当該ポンプラインから当該ガス供給ポート110へと調整)に流入させた。当該管内の圧力は、当該真空を制御する弁に近接する当該ポンプライン上に設置されるキャパシタンスマノメータ(MKS)により測定される通り、約300mトールであった。当該管圧力に加えて、当該ガス供給ポート110およびガスシステム内の圧力もまた、当該ガスシステムに接続される当該熱電対真空計で測定した。本圧力は通常、8トール未満であった。
当該ガスを当該管内部に流入させた後に、当該 RF電力供給装置をオンにしてその電力レベルを調整した。ENI ACG-6 600ワットのRF電力供給装置を、調整された約50ワットの電力レベルにおいて(13.56MHzで)使用した。当該出力電力については、この/後述のすべてのプロトコルおよび実施例において、当該被覆装置の作業中に当該電力供給装置のRF出力に接続されたBird Corporationモデル43のRF電力計を使用して、キャリブレートした。当該電力供給装置上のダイヤル設定と当該出力電力との間に以下の関係が見られた:RF電力出力 = 55 x ダイヤル設定。先行塗布の対現行塗布比において係数100を使用したが、それは誤りであった。当該RF電力供給装置を、当該プラズマの複素インピーダンス(当該管において創出するため)を50オームの当該ENI ACG-6 RF電力供給装置の出力インピーダンスと整合させる、COMDEL CPMX1000自動整合装置に接続した。順方向電力は50ワット(または特定実施例で報告された特定値)および反射電力は0ワットであったため、適用電力は管内部に送達された。当該RF電力供給装置は研究所のタイマーにより制御され、当該電力をオンにする時間は5秒(または特定実施例で報告された特定の期間)に設定した。 当該RF電力を開始し、均一プラズマを当該管内部に定着させた。当該RF電力が当該タイマーにより遮断されるまで、当該プラズマを完全に5秒間保持した。当該プラズマにより、層厚約20nmの酸化ケイ素被覆材(または特定実施例で報告された特定の層厚)を当該管表面内部に生成した。
被覆後に、当該ガス流入を当該真空管路へと戻し、当該真空弁を閉口した。当該通気弁をその後開口し、当該管内部を環境大気圧(約760トール)に戻した。当該管をその後、当該容器ホルダー50アセンブリから(当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリから除去した後に)慎重に除去した。
管内部を疎水性被覆材で被覆するためのプロトコル(実施例9などで使用)
特定の考えられる実施例である、図45の封止機構を有する図2で示す装置を使用した。当該容器ホルダー50は、米国デラウェア州ウィルミントンのE. I. du Pont De Nemours and Co.が市販するDelrin(登録商標)アセタール樹脂を原料として、外径1.75インチ(44mm)および高さ1.75インチ(44mm)で作成した。当該容器ホルダー50は、当該機器の当該電極(160)への出入りを可能とするDelrin(登録商標)構造内に格納した。
当該電極160は、銅およびDelrin(登録商標)遮蔽体から作成した。当該Delrin(登録商標)遮蔽体は、当該銅電極160の外部周辺に共形させた。当該電極160の寸法は、(内部)高さ約3インチ(76mm)であり、幅は約0.75インチ(19mm)であった。
当該容器80として使用した当該管を当該容器ホルダー50底部へと挿入して、Viton(登録商標)オーリング490、504(Viton(登録商標)は米国デラウェア州ウィルミントンのDupont Performance Elastomers LLCの商標である)で当該管(図45)の外部周辺を密閉した。当該管80を、伸延された(定常の)1/8インチ(3mm)径真鍮プローブまたは対向電極108の上の密閉位置へと慎重に移動し、銅プラズマ遮蔽体へと押し付けた。
当該銅プラズマ遮蔽体610は、当該管の外径を装着するよう切断された有孔銅ホイル材(米国イリノイ州、シカゴのK&S Engineering、部品番号:LXMUW5 copper mesh)で、当該管挿入(図45を参照)の停止部として機能する放射状に伸延する当接部表面494により所定の位置に固定した。当該銅メッシュ2枚を当該真鍮プローブまたは対向電極108の周囲にぴったりと装着し、良好な電気接触を確保した。
当該真鍮プローブまたは対向電極108を当該管内部へと約70mm伸延し、80番ワイヤ(直径 = 0.0135インチまたは0.343mm)を配列した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を当該容器ホルダー50下部にあるSwagelok(登録商標)取付部(米国オハイオ州ソロンのSwagelok Co.が市販)を通して伸延し、当該容器ホルダー50底部構造を通して伸延した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を、当該RF一致ネットワークのケーシングへと接地した。
当該ガス供給ポート110は、当該管(4側面上の3つが互いに90度に配向される)の長さに沿った当該プローブまたは対向電極108における12の孔、および当該ガス供給ポート110の端部に差し込まれる当該アルミニウム蓋における2つの孔であった。当該ガス供給ポート110を、当該真空ポンプラインに接続される手動の通気用ボール弁、熱電対圧力計およびバイパス弁を内蔵するSwagelok(登録商標)取付部からなるステンレス鋼アセンブリに接続した。さらに、当該ガスシステムを当該ガス供給ポート110に接続して、当該処理ガス、酸素およびヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)が当該ガス供給ポート110(処理圧力下で)を通り当該管内部に流入するようにした。
当該ガスシステムは、Aalborg(登録商標) GFC17質量流量計(部品番号:EW-32661-34、米国イリノイ州バーリントンのCole-Parmer Instrument Co.製)からなり、当該流量計は、酸素を60sccm(または特定実施例で報告された特定流量)で当該処理および長さ49.5インチ(1.26m)のポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)キャピラリー(外径1/16インチ(1.5mm)、内径0.004インチ(0.1mm))に制御可能に流入させるためのものであった。当該PEEKキャピラリー端部を、流体ヘキサメチルジシロキサン(「HMDSO」、Alfa Aesar(登録商標) 部品番号L16970、NMR、Grade、ロンドンのJohnson Matthey PLC製)へと挿入した。当該流体HMDSOを、処理中の当該管内の低圧力により、当該キャピラリーを通して吸引した。当該HMDSOはその後、当該低圧力領域に到達した時点で当該キャピラリー終端で蒸気となった。
この点を超えた当該流体HMDSOの結露を防止するため、Swagelok(登録商標)3方弁経由での処理のため当該管内部へと流入しない当該ガス流(酸素を含む)を、当該ポンプラインへと迂回させた。当該管設置後に、当該真空ポンプ弁を当該容器ホルダー50および当該管内部へと開口した。
Alcatel回転翼真空ポンプおよびブロワーで、当該真空ポンプシステムを構成した。当該ポンプシステムは、当該処理ガスを当該表示率で流入しながら、当該管内部を200mトール未満の圧力に低減することを可能とした。
当該底部真空レベル達成後に、当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリ内に移動した。当該ガス流(酸素およびHMDSO蒸気)を、当該真鍮ガス供給ポート110(当該3方弁を当該ポンプラインから当該ガス供給ポート110へと調整)に流入させた。当該管内の圧力は、当該真空を制御する弁に近接する当該ポンプライン上に設置されるキャパシタンスマノメータ(MKS)により測定される通り、約270mトールであった。当該管圧力に加えて、当該ガス供給ポート110およびガスシステム内の圧力もまた、当該ガスシステムに接続される当該熱電対真空計で測定した。本圧力は通常、8トール未満であった。
当該ガスを当該管内部に流入させた後に、当該 RF電力供給装置をオンにしてその電力レベルを調整した。ENI ACG-6 600ワットのRF電力供給装置を、調整された約39ワットの電力レベルにおいて(13.56MHzで)使用した。当該RF電力供給装置を、当該プラズマの複素インピーダンス(当該管において創出するため)を50オームの当該ENI ACG-6 RF電力供給装置の出力インピーダンスと整合させる、COMDEL CPMX1000自動整合装置に接続した。順方向電力は39ワット(または特定実施例で報告された特定値)および反射電力は0ワットであったため、適用電力は管内部に送達された。当該RF電力供給装置は研究所のタイマーにより制御され、当該電力をオンにする時間は7秒(または特定実施例で報告された特定の期間)に設定した。当該RF電力を開始し、均一プラズマを当該管内部に定着させた。当該RF電力が当該タイマーにより遮断されるまで、当該プラズマを完全に7秒間保持した。当該プラズマにより、層厚約20nmの酸化ケイ素被覆材(または特定実施例で報告された特定の層厚)を当該管表面内部に生成した。
被覆後に、当該ガス流入を当該真空管路へと戻し、当該真空弁を閉口した。当該通気弁をその後開口し、当該管内部を環境大気圧(約760トール)に戻した。当該管をその後、当該容器ホルダー50アセンブリから(当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリから除去した後に)慎重に除去した。
COCシリンジバレルを形成するためのプロトコル(実施例3、5、11〜18、20などで使用)
それぞれ総容積2.8mL(当該ルアー取付部を除く)および名目的出し容積1mLを有するシリンジバレル(「COC シリンジバレル」)、CV把持部品11447、またはプランジャー変位、ルアー適合種類を、ドイツ、フランクフルトのHoechstが市販するTopas(登録商標) 8007-04環状オレフィン共重合体(COC)樹脂を原料として以下のを寸法で射出成形した:前長約51mm、シリンジバレル内径8.6mm、当該シリンダー状部分の壁の厚さ1.27mm、合わせて長さ9.5mmの1つの端部にモールドされた針キャピラリールアーアダプタおよびもう1方の端部近隣にモールドされた2つのフィンガーフランジ。
COCシリンジバレル内部をSiOxで被覆するためのプロトコル(実施例3、5、18などで使用)
射出成形COCシリンジバレルの内部をSiOxで被覆した。特定の考えられる実施例である、図45の封止機構を有する図2で示す装置を使用した。図45の封止機構を有する図2で示す装置を、当該COCシリンジバレル底部で密閉を行う当接部でCOCシリンジバレルを把持するよう修正した。また蓋を、ステンレス鋼ルアー取付部および当該COCシリンジバレル端部を密閉する(図26に図示)ポリプロピレン蓋から作成し、当該COCシリンジバレル内部を真空にすることを可能とした。
当該容器ホルダー50は、Delrin(登録商標)アセタール樹脂を原料として、外径1.75インチ(44mm)および高さ1.75インチ(44mm)で作成した。当該容器ホルダー50は、当該機器の当該電極160への出入りを可能とするDelrin(登録商標)構造内に格納した。
当該電極160は、銅およびDelrin(登録商標)遮蔽体から作成した。当該Delrin(登録商標)遮蔽体は、当該銅電極160の外部周辺に共形させた。当該電極160の寸法は、(内部)高さ約3インチ(76mm)であり、幅は約0.75インチ(19mm)であった。 当該COCシリンジバレルを当該容器ホルダー50に挿入し、底部をViton(登録商標)オーリングで密閉した。
COCシリンジバレルを、当該伸延された(定常の)1/8インチ(3mm)径真鍮プローブまたは対向電極108の上の密閉位置へと慎重に移動し、銅プラズマ遮蔽体へと押し付けた。当該銅プラズマ遮蔽体は、当該COCシリンジバレルの外径を装着するよう切断された有孔銅ホイル材(K&S Engineering、部品番号:LXMUW5 Copper mesh)で、当該COCシリンジバレル挿入(図45を参照)の停止部として機能する放射状に伸延する当接部表面494により所定の位置に固定した。当該銅メッシュ2枚を当該真鍮プローブまたは対向電極108の周囲にぴったりと装着し、良好な電気接触を確保した。
当該プローブまたは対向電極108を当該COCシリンジバレル内部へと約20mm伸延し、その端部を開口した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を当該容器ホルダー50下部にあるSwagelok(登録商標)取付部を通して伸延し、当該容器ホルダー50底部構造を通して伸延した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を、当該RF一致ネットワークのケーシングへと接地した。
当該ガス供給ポート110を、当該真空ポンプラインに接続される手動の通気用ボール弁、熱電対圧力計およびバイパス弁を内蔵するSwagelok(登録商標)取付部からなるステンレス鋼アセンブリに接続した。さらに、当該ガスシステムを当該ガス供給ポート110に接続して、当該処理ガス、酸素およびヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)が当該ガス供給ポート110(処理圧力下で)を通り当該COCシリンジバレル内部に流入するようにした。
当該ガスシステムは、Aalborg(登録商標) GFC17質量流量計(Cole Parmer部品番号:EW-32661-34)からなり、当該流量計は、酸素を90sccm(または特定実施例で報告された特定流量)で当該処理および長さ49.5インチ(1.26m)のPEEKキャピラリー(外径1/16インチ(3mm)、内径0.004インチ(0.1mm))に制御可能に流入させるためのものであった。当該PEEKキャピラリー端部を、流体ヘキサメチルジシロキサン(Alfa Aesar(登録商標) 部品番号L16970、NMR、Grade)へと挿入した。当該流体HMDSOを、処理中の当該COCシリンジバレル管内の低圧力により、当該キャピラリーを通して吸引した。当該HMDSOはその後、当該低圧力領域に到達した時点で当該キャピラリー終端で蒸気となった。
この点を超えた当該流体HMDSOの結露を防止するため、Swagelok(登録商標)3方弁経由での処理のため当該COCシリンジバレル内部へと流入しない当該ガス流(酸素を含む)を、当該ポンプラインへと迂回させた。
当該COCシリンジバレル設置後に、当該真空ポンプ弁を当該容器ホルダー50および当該COCシリンジバレル内部へと開口した。Alcatel回転翼真空ポンプおよびブロワーで、当該真空ポンプシステムを構成した。当該ポンプシステムは、当該処理ガスを当該表示率で流入しながら、当該COCシリンジバレル内部を150mトール未満の圧力に低減することを可能とした。当該管とは対照的に、当該COCシリンジバレルを用いて低いポンプ圧力を達成可能であった。なぜなら、当該COCシリンジバレルはより少量の内容量を有するからである。
当該底部真空レベル達成後に、当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリ内に移動した。当該ガス流(酸素およびHMDSO蒸気)を、当該真鍮ガス供給ポート110(当該3方弁を当該ポンプラインから当該ガス供給ポート110へと調整)に流入させた。当該COCシリンジバレル内の圧力は、当該真空を制御する弁に近接する当該ポンプライン上に設置されるキャパシタンスマノメータ(MKS)により測定される通り、約200mトールであった。当該COCシリンジバレル圧力に加えて、当該ガス供給ポート110およびガスシステム内の圧力もまた、当該ガスシステムに接続される当該熱電対真空計で測定した。本圧力は通常、8トール未満であった。
当該ガスを当該COCシリンジバレル内部に流入させた後に、当該RF電力供給装置をオンにしてその電力レベルを調整した。ENI ACG-6 600ワットのRF電力供給装置を、調整された約30ワットの電力レベルにおいて(13.56MHzで)使用した。当該RF電力供給装置を、当該プラズマの複素インピーダンス(当該COCシリンジバレルにおいて創出するため)を50オームの当該ENI ACG-6 RF電力供給装置の出力インピーダンスと整合させる、COMDEL CPMX1000自動整合装置に接続した。順方向電力は30ワット(または実施例で報告されているいかなる値)および反射電力は0ワットであったため、電力はCOCシリンジバレル内部に送達された。当該RF電力供給装置は研究所のタイマーにより制御され、当該電力をオンにする時間は5秒(または特定実施例で報告された特定の期間)に設定した。
当該RF電力を開始し、均一プラズマを当該COCシリンジバレル内部に定着させた。当該RF電力が当該タイマーにより遮断されるまで、当該プラズマを完全に5秒間(または特定実施例において指示されたその他の被覆時間)保持した。当該プラズマにより、層厚約20nmの酸化ケイ素被覆材(または特定実施例で報告された層厚)を当該COCシリンジバレル表面内部に生成した。
被覆後に、当該ガス流入を当該真空管路へと戻し、当該真空弁を閉口した。当該通気弁をその後開口し、当該COCシリンジバレル内部を環境大気圧(約760トール)に戻した。当該COCシリンジバレルをその後、当該容器ホルダー50アセンブリから(当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリから除去した後に)慎重に除去した。
COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル(実施例11、12、15〜18、20などで使用)
先に同定したCOCシリンジバレルを、潤滑性被覆材で内部被覆した。特定の考えられる実施例である、図45の封止機構を有する図2で示す装置を使用した。図45の封止機構を有する図2で示す装置を、当該COCシリンジバレル底部で密閉を行う当接部でCOCシリンジバレルを把持するよう修正した。また蓋を、ステンレス鋼ルアー取付部および当該COCシリンジバレル端部を密閉する(図26に図示)ポリプロピレン蓋から作成し、当該COCシリンジバレル内部を真空にすることを可能とした。ブナNオーリングを当該ルアー取付部に設置することで、気密な密閉が可能となり、当該COCシリンジバレル内部を真空にすることが可能となった。
当該容器ホルダー50は、Delrin(登録商標)アセタール樹脂を原料として、外径1.75インチ(44mm)および高さ1.75インチ(44mm)で作成した。当該容器ホルダー50は、当該機器の当該電極160への出入りを可能とするDelrin(登録商標)構造内に格納した。
当該電極160は、銅およびDelrin(登録商標)遮蔽体から作成した。当該Delrin(登録商標)遮蔽体は、当該銅電極160の外部周辺に共形させた。当該電極160の寸法は、(内部)高さ約3インチ(76mm)であり、幅は約0.75インチ(19mm)であった。 当該COCシリンジバレルを当該容器ホルダー50に挿入し、当該フィンガーフランジの底部および当該COCシリンジバレルの縁をViton(登録商標)オーリングで密閉した。
COCシリンジバレルを、当該伸延された(定常の)1/8インチ(3mm)径真鍮プローブまたは対向電極108の上の密閉位置へと慎重に移動し、銅プラズマ遮蔽体へと押し付けた。当該銅プラズマ遮蔽体は、当該COCシリンジバレルの外径を装着するよう切断された有孔銅ホイル材(K&S Engineering、部品番号:LXMUW5 Copper mesh)で、当該COCシリンジバレル挿入(図45を参照)の停止部として機能する放射状に伸延する当接部表面494により所定の位置に固定した。当該銅メッシュ2枚を当該真鍮プローブまたは対向電極108の周囲にぴったりと装着し、良好な電気接触を確保した。
当該プローブまたは対向電極108を当該COCシリンジバレル内部へと(別途指示がない限り)約20mm伸延し、その端部を開口した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を当該容器ホルダー50下部にあるSwagelok(登録商標)取付部を通して伸延し、当該容器ホルダー50底部構造を通して伸延した。当該真鍮プローブまたは対向電極108を、当該RF一致ネットワークのケーシングへと接地した。
当該ガス供給ポート110を、当該真空ポンプラインに接続される手動の通気用ボール弁、熱電対圧力計およびバイパス弁を内蔵するSwagelok(登録商標)取付部からなるステンレス鋼アセンブリに接続した。 さらに、当該ガスシステムを当該ガス供給ポート110に接続して、当該処理ガスおよびオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)(または特定実施例で報告された特定の処理ガス)が当該ガス供給ポート110(処理圧力下で)を通り当該COCシリンジバレル内部に流入するようにした。
当該ガスシステムを、当該OMCTSを約100℃にまで高温化する市販のHoriba VC1310/SEF8240 OMCTS 10SC 4CR熱質量流量気化システムで構成した。当該Horibaシステムを、内径1/16インチ(1.5mm)である外径1/8インチ(3mm)のPFA管を通して、流体オクタメチルシクロテトラシロキサン(Alfa Aesar(登録商標)、部品番号:A12540、98%)へと接続した。当該OMCTS流量は1.25sccm(また特定実施例で報告された特定の有機ケイ素前駆体の流量)に設定した。この点を超えた当該気化OMCTSの結露を防止するため、Swagelok(登録商標)3方弁経由での処理のため当該COCシリンジバレル内部へと流入しない当該ガス流を、当該ポンプラインへと迂回させた。
当該COCシリンジバレル設置後に、当該真空ポンプ弁を当該容器ホルダー50および当該COCシリンジバレル内部へと開口した。Alcatel回転翼真空ポンプおよびブロワーで、当該真空ポンプシステムを構成した。当該ポンプシステムにより、当該処理ガスを当該表示率で流入しながら、当該COCシリンジバレル内部を100mトール未満の圧力に低減することが可能となった。本事例において、前述の管およびCOCシリンジバレルの実施例と比較してより低い圧力を実現できた。なぜなら本事例における処理ガス流量は全般的に低いからである。
当該底部真空レベル達成後に、当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリ内に移動した。当該ガス流(OMCTS蒸気)を、当該真鍮ガス供給ポート110(当該3方弁を当該ポンプラインから当該ガス供給ポート110へと調整)に流入させた。当該COCシリンジバレル内の圧力は、当該真空を制御する弁に近接する当該ポンプライン上に設置されるキャパシタンスマノメータ(MKS)により測定される通り、約140mトールであった。当該COCシリンジバレル圧力に加えて、当該ガス供給ポート110およびガスシステム内の圧力もまた、当該ガスシステムに接続される当該熱電対真空計で測定した。本圧力は通常、6トール未満であった。
当該ガスを当該COCシリンジバレル内部に流入させた後に、当該 RF電力供給装置をオンにしてその電力レベルを調整した。ENI ACG-6 600ワットのRF電力供給装置を、調整された約7.5ワット(また特定実施例で指示されるその他の電力レベル)の電力レベルにおいて(13.56MHzで)使用した。当該RF電力供給装置を、当該プラズマの複素インピーダンス(当該COCシリンジバレルにおいて創出するため)を50オームの当該ENI ACG-6 RF電力供給装置の出力インピーダンスと整合させる、COMDEL CPMX1000自動整合装置に接続した。順方向電力は7.5ワットおよび反射電力は0ワットであったため、7.5ワットの電力(または任意実施例で搬送される異なる電力レベル)は当該COCシリンジバレル内部に送達された。当該RF電力供給装置は研究所のタイマーにより制御され、当該電力をオンにする時間は10秒(または任意実施例で述べられた異なる期間)に設定した。
当該RF電力を開始し、均一プラズマを当該COCシリンジバレル内部に定着させた。当該RF電力が当該タイマーにより遮断されるまで、当該プラズマを全被覆時間の間保持した。当該プラズマにより、潤滑性被覆材を当該COCシリンジバレル表面内部に生成した。
被覆後に、当該ガス流入を当該真空管路へと戻し、当該真空弁を閉口した。当該通気弁をその後開口し、当該COCシリンジバレル内部を環境大気圧(約760トール)に戻した。当該COCシリンジバレルをその後、当該容器ホルダー50アセンブリから(当該容器ホルダー50アセンブリを当該電極160アセンブリから除去した後に)慎重に除去した。
COCシリンジバレル内部をHMDSO被覆材で被覆するためのプロトコル(実施例12、15、16、17などで使用)
また、HMDSOをOMCTSで置換する場合を除き、「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」を使用して、HMDSO被覆材を塗布した。
実施例1:
V.以下の試験において、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を図2のPECVD装置へと供給する当該有機ケイ素(「O-Si」)として使用して、COC管を成形するためのプロトコルで記述されている通り、SiOx被覆材を環状オレフィン共重合体(COC)管の内面に塗布した。当該堆積条件は、管内部をSiOxで被覆するためのプロトコルおよび表1に要約されている。当該対照は、遮断性被覆材未塗布の同種の管であった。その後当該被覆管および非被覆管について、当該酸素透過率(OTR)および水蒸気透過速度(WVTR)の試験を行った。
V.表1を参照にして、当該非被覆COC管は0.215cc/管のOTRを有した。PECVDを14秒間施した管AおよびBは、平均0.0235cc/管のOTRを有した。これらの結果により、SiOx被覆材が対非被覆管比で9:1の酸素透過BIFを提供したことが示される。言い換えれば、当該SiOx遮断性被覆材は管を透過する酸素量を非被覆管の値の9分の1未満に減少させたということである。
V.PECVDを7秒間施した管Cは、平均0.026のOTRを有した。この結果により、SiOx被覆材が対非被覆管比で8:3のOTR BIFを提供したことが示される。言い換えれば、7秒で塗布した当該SiOx遮断性被覆材は管を透過する酸素量を非被覆管の値の8分の1未満に減少させたということである。
V.COC管上の同一遮断性被覆材の関連水蒸気透過速度を測定した。当該非被覆COC管は 0.27mg/管/日のWVTRを有した。PECVDを14秒間施した管AおよびBは、平均0.10mg/管/日以下のWVTRを有した。PECVDを7秒間施した管Cは、0.10mg/管/日のWVTRを有した。この結果により、SiOx被覆の水蒸気透過速度の遮断改善度(WVTR BIF)が非被覆管を約2.7上回ったことが示される。これは驚くべき結果である。なぜなら、当該非被覆COC管は既に非常に低い水蒸気透過速度を有しているからである。
実施例2:
V.「PET管を成形するためのプロトコル」に従い製造された一連のPET管を、表2で報告された条件下で「管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従いSiOxで被覆した。対照を、PET管を成形するためのプロトコルに従って作成し、非被覆のままとした。OTRおよび当該管の水蒸気透過速度検体を、各管のアルミニウムアダプタへの開口端をエポキシ封止することにより、用意した。
別試験において、同類の被覆PET管を使用して、当該内部被覆材を通る鋼針によりさまざまな長さの機械的擦過を誘発させ、当該OTR BIFを試験した。対照は非被覆のままか、誘発擦過のない同類被覆管であった。当該OTR BIFは減少したが、それでも非被覆管(表2A)を上回った。
V.OTRについて試験を行った管は以下の通りである。各検体/アダプタアセンブリを、MOCON(登録商標) Oxtran 2/21酸素透過率測定装置に装着した。以下の試験条件下で、検体を透過率 定常状態(1〜3日)へと平衡化可能である:
試験ガス:酸素
試験ガス濃度:100%
試験ガス湿度:0%相対湿度
試験ガス圧力:760mmHg
試験温度:23.0℃(73.4°F)
搬送ガス:98%窒素、2%水素
搬送ガス湿度:0%相対湿度
V.OTRについては、2つの判定の平均として表2で報告する。
V.WVTRについて試験を行った管は以下の通りである。検体/アダプタアセンブリを、MOCON(登録商標) Permatran- W 3/31水蒸気素透過率測定装置に装着した。以下の試験条件下で、検体を透過率 定常状態(1〜3日)へと平衡化可能である:
試験ガス:水蒸気
試験ガス濃度:該当なし
試験ガス湿度:100%相対湿度
試験ガス温度:37.8(oC) 100.0(oF)
搬送ガス:乾燥窒素
搬送ガス湿度:0%相対湿度
WVTRについては、2つの判定の平均として表2で報告する。
実施例3:
COCシリンジバレルを成形するためのプロトコルに従って、一連のシリンジバレルを作成した。当該シリンジバレルはSiOxで遮断性被覆されたか、表3で示す通りに修正済みの「COCシリンジバレル内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」で報告された条件に従っていなかった。
当該シリンジバレルのOTRおよびWVTR検体を、各シリンジバレルのアルミニウムアダプタへの開口端をエポキシ封止することにより、用意した。さらに、当該シリンジバレルキャピラリー端部をエポキシで封止した。当該シリンジアセンブリを当該PET管検体と同様の方法でOTRまたはWVTRについて試験し、ここでもMOCON(登録商標) Oxtran 2/21酸素透過率測定装置およびMOCON(登録商標) Permatran- W 3/31水蒸気透過率測定装置を利用した。当該結果は表3で報告する。
実施例4 :
X線光電子分光法(XPS)/化学分析電子分光法(ESCA)表面分析を利用したプラズマ被覆材の組成測定
V.A.「PET管を成形するためのプロトコル」に従い製造され「管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従い被覆されたPET管を、半分に切断して管内面を曝露し、X線光電子分光法(XPS)を利用して分析した。
V.A.当該XPSデータを、関連する感度要素および均一層と推測されるモデルを使用して定量化した。当該分析容量は、当該分析範囲(スポットサイズまたはアパーチャサイズ)の生成物および当該情報深さである。光電子が当該X線侵入深さ(一般にミクロン単位)内に生成されるが、光電子脱出深さ上位3つに入る光電子のみが検出される。脱出深さは約5〜35 Åであり、分析深さを50〜100 Å以下であるようにする。一般に、信号の95%はこの深さに源を発する。
V.A.表5は、当該検出元素の原子比率を示す。XPSに使用した当該分析パラメータは以下の通りである:
V.A.XPSは水素またはヘリウムを検出しない。所定の値は、当該検出元素を使用する実験番号(最後列)についてはSi = 1に、当該非被覆テレフタル酸ポリエチレン算出および実施例についてはO = 1に正規化される。検出限界は、約0.05〜1.0原子パーセントである。 所定の値は、あるいは100%のSi + O + C原子へと正規化される。
V.A.当該発明検体のSi/O比は2:4であり、当該被覆材の不十分な酸化からの残存炭素が見られるSiOx組成物であることが示される。本分析により、SiOx遮断層の組成物が本発明に記載のテレフタル酸ポリエチレン管に適用することが明示される。
V.A. 表4に、以下の方法に記載のTEMを使用して判定したSiOx検体の層厚を表示した。K575X Emitech被覆システムを使用してプラチナ(層厚50〜100nm)のスパッタ層で当該検体を被覆することにより、集束イオンビーム(FIB)断面観察用の検体を準備した。当該被覆検体を、FEI FIB200 FIBシステムに留置した。関心領域に30kVガリウムのイオンビームをラスターしながら有機金属ガスを射出することで、追加のプラチナ層をFIB堆積した。各検体の関心領域は、管の長さ半分にあたる場所を選択した。長さ約15μm(「マイクロメートル」)、幅2μm、奥行15μmの薄肉断面を、独自の原位置FIBリフトアウト法を利用して、成形型表面から抽出した。FIB堆積プラチナを使用して、当該断面を200メッシュ銅製TEMグリッドへと装着した。各セクションのサイズ約8μm幅の1〜2つのウィンドウを、FEI FIBのガリウムイオンビームを使用して、電子透かしへと薄膜化した。
V.C.準備した検体の断面画像分析を、透過電子顕微鏡(TEM)を利用して実行した。当該画像データをデジタル記録した。
当該検体グリッドをHitachi HF2000透過電子顕微鏡へと転送した。転送された電子画像は、適切な倍率で取得した。画像取得の際に使用する関連機器設定は以下の通りである。
実施例5 :
プラズマ均一性
V.A.「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い製造されたCOCシリンジバレルは、以下の変更を伴う「COCシリンジバレル内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」 を使用して処理した。プラズマ生成の3つの異なるモードを、シリンジバレル(例えば250)のSiOx膜での被覆に関して試験した。V.A.モード1において、当該ガス吸入部310、制限領域292、および処理容器内腔304内にホロー陰極プラズマ点火を生成し、通常の/非ホロー陰極プラズマを当該容器内腔300の残余部分に生成した。
V.A.モード2において、制限領域292および処理容器内腔304内にホロー陰極プラズマ点火を生成し、通常の/非ホロー陰極プラズマを当該容器内腔300およびガス吸入部310の残余部分に生成した。
V.A.モード3において、通常の/非ホロー陰極プラズマを当該容器内腔300およびガス吸入部310の全体に生成した。これは電力を徐々に高めてホロー陰極点火をクエンチすることにより、達成した。これらのモードを達成するのに使用した条件を、表6に示す。
V.A.その後、当該シリンジバレル250を酸化ルテニウム染色法に曝露した。当該染色は、次亜塩素酸ナトリウム漂白剤および塩化ルテニウム(III)水和物から生成した。0.2gの塩化ルテニウム(III)水和物をバイアルに入れた。10mlの漂白剤を添加し、当該塩化ルテニウム(III)水和物が溶解するまで十分に混合した。
V.A.各シリンジバレルをプラスチック ルアー密閉部で封止し、各シリンジバレルに当該染色混合体を3滴添加した。当該シリンジバレルをアルミニウムテープで密閉し、30〜40分間放置した。一連の試験対象シリンジバレルごとに、少なくとも1つの非被覆シリンジバレルを染色した。当該制限領域292を上向きにして、当該シリンジバレルを保管した。
V.A.当該染色法に基づき、以下の結論が導かれる:
V.A.1. 曝露開始0.25時間以内に、当該染色は当該非被覆(または被覆不十分)領域に付着し始めた。
V.A.2. 制限領域292において点火することで、制限領域292をSiOxで被覆した。
V.A.3. 当該ガス吸入部310または当該制限領域292のいずれかにおいてホロー陰極プラズマ点火なしで行った試験により、最良のシリンジバレルが作成された。おそらく当該染色の漏出が原因で、当該制限的開口部294のみが染色された。
V.A.4.染色法は、均一作業を誘導するための優良な定性的ツールである。
V.A.上記すべてに基づき、以下のように結論付けた:
V.A.1. 当該試験条件下で、当該ガス吸入部310または当該制限領域292のいずれかにおけるホロー陰極プラズマが当該被覆材の均一性を阻害する。
V.A.2. 当該ガス吸入部310または当該制限領域292のいずれかにおいてホロー陰極プラズマ点火なしで行う場合に、最良の均一性が得られた。
実施例6:
反射測定値からの干渉縞 - 机上の実施例
VI.A.紫外可視源(Ocean Optics DH2000-BAL Deuterium Tungsten 200〜1000nm)、光ファイバー反射プローブ(約3mmのプローブ範囲を有するエミッタ/コレクタ複合体Ocean Optics QR400-7 SR/BX)、小型検出器(Ocean Optics HR4000CG UV-NIRスペクトロメータ)、および当該スペクトロメータ信号をラップトップコンピューター上で透過グラフへと変換するソフトウェアを使用して、非被覆PET管Becton Dickinson(米国ニュージャージー州フランクリンレイクス)製品番号366703 13x75mm(追加なし)を、干渉縞が観察されない、当該プローブを用いて当該管の内周周辺および当該管内壁に沿った縦方向に(当該管中心線から放射状に、したがって当該被覆表面に対して垂直に光を放射し収集する当該プローブで)スキャンする。その後、Becton Dickinson製品番号366703 13x75mm(追加なし)SiOxプラズマBD 366703管を、管内部をSiOxで被覆するためのプロトコルに記述のSiO2被覆材で層厚20nmに被覆する。 この管を、当該非被覆管と同様の方法でスキャンする。当該被覆管に明らかな干渉縞が観察され、周期パターンにおいて特定の波長が強化されその他は取消されていたことから、当該PET管上の被覆材の存在が示された。
実施例7:
積分球検出統合による光透過率の強化
VI.A.使用した装置は、Xenon光源(Ocean Optics HL-2000-HP-FHSA - 20W出力ハロゲンランプ源(185〜2000nm))、PET管を内部に収納するよう機械加工した積分球検出器(Ocean Optics ISP-80-8-I)、および光透過源および光レシーバ光ファイバー源(QP600-2-UV-VIS - 600um Premium Optical FIBER、UV/VIS、2m)付きのHR2000+ES感度強化UV.VISスペクトロメータ、および信号変換ソフトウェア(SPECTRASUITE - Cross-platform Spectroscopy Operating SOFTWARE)であった。PET管を成形するためのプロトコルに従って製作した非被覆PET管を、TEFZEL管把持部(パック)に挿入し、当該積分球に挿入した。吸収モードにおける当該Spectrasuiteソフトウェアを用いて、当該吸収度(615nm)をゼロに設定した。「PET管を成形するためのプロトコル」に従い製造され「管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従い被覆されたSiOx被覆管(表6で変更された場合を除く)をパック上に装着して積分球へと挿入し、その吸収度を615nm波長で記録した。当該データは表16に表示する。
当該SiOx被覆管については、非被覆物質と比較して吸収度の増加が観察され、被覆の回数を増加させると吸収度も増加する結果となった。検出時間は1秒未満であった。
VI.A.当該分光法は、採集モード(例えば、反射・透過・吸収度)、適用する放射線の周波数または種類、またはその他のパラメータにより、制限されると見なされるべきではない。
実施例8:
PET上のガス放出測定
VI.B.米国特許6,584,828の図15を適合させた本図30は、微小流量技術測定函(通常362)の上流端部に密閉部360を用いて装填済みの「PET管を成形するためのプロトコル」に従って作成したPET管358の壁346の内部上に、「管内部をSiOxで被覆すためのプロトコル」に従って塗布したSiOx遮断性被覆材348を通る、ガス放出を測定する実施例で使用した試験設定の概略図である。
VI.B.真空ポンプ364を市販の測定函362(漏出試験機器モデルME2搭載型Intelligent Gas Leak System、第2世代IMFSセンサー(全範囲10μ/分)付き、絶対圧センサー範囲:0〜10トール、流量測定不確実性:測定値の+/- 5%、キャリブレートする範囲において、(PCによる)自動データ取得および時間比漏出流量の痕跡/プロットのためのLeak-Tekプログラムを利用。本装置はATC Incが提供。)の当該下流端部に接続した。また、その壁から当該容器358へと放出される蒸気の質量流量率を判定するため、当該PET容器358の内部から矢印の方向に当該測定函362を通ってガスを吸入するよう設定した。
VI.B.本書で概略的に示し記述する測定函362は、実質上以下のように動作すると解釈した。ただし本情報は、実際に使用した装置の動作からある程度逸脱する可能性がある。当該函362は、ガス放出が流れる方向に走る円錐経路368を有する。当該圧力を、当該経路368に沿って縦方向に配置される2つの横向内径370および372において適用し、順に当該チャンバ374および376(一部当該隔膜378および380により成形される)へと供給した。各チャンバ374および376に蓄積された圧力は、各隔膜378および380を偏向させる。当該偏向は適切な方法で測定され、例えば当該隔膜378および380の導電性表面と近接する導電性表面382および384などとの間のキャパシタンスにおける変動を測定する。バイパス386を随意に提供して、当該試験実施における所望の真空レベルが達成されるまで当該測定函362をバイパスすることにより、当該初期ポンプダウンを高速化可能である。
VI.B.本試験で使用した当該容器のPET壁350の厚さは約1 mmで、当該被覆材348の層厚は約20nm(ナノメートル)であった。したがって、当該壁350の対被覆材348厚さ比は約50,000:1であった。
VI.B.当該容器密閉部360を含む当該測定函362を通す当該流量を判定するため、実質上容器358と同一サイズ・同一構造である15のガラス容器を連続的に当該容器密部360上に装填し、1トールの内部圧力へとポンプダウンし、その後、当該測定函362に関してキャパシタンスデータを収集して「ガス放出」流量へと変換した。当該試験を、各容器について2回実施した。第1実行の後に、当該真空を窒素を用いて解除し、第2実行に進む前に当該容器に平衡となるための回復時間を与えた。ガラス容器はほとんどガス放出せず本質的にその壁は不浸透性であると考えられているため、本測定の少なくともほとんどは、当該容器の漏出量および当該測定函362との関連の目安であるといえる。また、正確なガス放出または透過(ある場合)はほとんど反映されない。当該結果は表7に示す。
VI.B.図31の当該プロット390の系統群は、前述表7の第2実行データに相当する個別の管の「ガス放出」流量を示す(単位はマイクログラム/分でもある)。当該プロットの流量率は経時的に実質上増加せずその他の流量率より大幅に低いため、当該流量は漏出に起因する。
VI.B.表8および図31のプロット392の系統群は、PET管を成形するためのプロトコルに従って作成した非被覆管に関する類似データを示す。
VI.B.本データは、非被覆管に関してより増加した流量率を示す。当該増加は、当該容器壁の内部に拘束されるガスの放出流量に起因する。当該複数容器同士の間にはある程度差異があり、それにより当該容器間のわずかな差異および/または当該試験装置に装填する方法に対する試験の感度が示される。
VI.B.表9および図31のプロットの系統群394および396は、「PET管を成形するためのプロトコル」に従って作成したPET管の当該壁346の内部上に「PET管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従って被覆したSiOx遮断性被覆材348についての類似データを示す。
VI.B.非被覆PET管と比較して本試験における流量率が一貫して低いため、当該SiOx被覆材はPET容器壁からのガス放出を制限する遮断層として機能することが、本実施例のSiOx被覆射出成形PET管の曲線族394により示される。(当該SiOx被覆材自体はほとんどガス放出しないと確証される。) 各容器に対応する示す曲線394間の分離により、さまざまな管上のSiOx被覆材の微妙に異なる遮断性を区別するに十分な精度を本試験が有していることが示される。当該族394の広がりは主にSiOx被覆材内の気密性の差異に起因しており、(より詰まった曲線の族392を示す)PET容器壁内のガス放出の差異または装填完全性の差異とは対照的である。検体2と検体4に対応する2つ曲線396は、以下に明示するように外座層であり、その他のデータとの格差はこれらの管のSiOx被覆材が不良であったことを示していると考えらる。これは、異なって処理された/破損した検体を本試験により非常に明確に抽出できることを示す。
VI.B.前述の表8と9および図32を参照して、当該データを統計的に分析して、平均および当該平均を超える・下回る第1および第3標準偏差の値を得た。当該値は図32にプロットしている。
VI.B.この統計分析はまず、被覆PET管を示す表9の検体2および4が明らかな外座層であり、当該平均から+3標準偏差以上も離れていることを示す。しかし当該外座層は、それらの流量率が今だ当該非被覆PET管の流量率から離れている(より低い)ため、ある程度の遮断性有効性があることが示される。
VI.B.本統計分析はまた、ナノ単位の層厚の遮断性被覆材の遮断性有効性を迅速かつ正確に分析するため、および被覆管と非被覆管を区別するため(本被覆層厚を人間の知覚を利用して区別することはできないと信じられている)のガス放出測定電力を示す。図32によると、平均値を超えて3つの標準偏差をガス放出するレベルの被覆PET容器(バーの最上群に表示)は、平均値を下回って3つの標準偏差をガス放出するレベルの非被覆PET容器(バーの最下群に表示)より ガス放出が少ない。本データでは、6σ(シックスシグマ)を超える確実性レベルに達するデータの重複は見られない。
VI.B.本試験の成功に基づき、これらのPET容器上のSiOx被覆材の有無は、本実施例と比較して、特に多数の検体から統計が生成されていることから、かなり短時間の試験で検出可能であることが考えられる。これは、例えば容器15個の検体に関してT = 12秒である平滑かつ明確に分割されたプロットの系統群から明らかであり、当該オリジン約T = 11秒に続く試験期間が約1秒であることを示す。
VI.B.また本データに基づき、ガラスの遮断性有効性に接近するまたは同等であるSiOx被覆PET容器の遮断性有効性を、当該SiOx被覆材を最適化することで実現可能である。
実施例9:
ぬれ張力 - プラズマ被覆PET管実施例
VII.A.1.a.ii.当該ぬれ張力の測定方法は、ASTM D 2578内で説明される方法の改良法である。ぬれ張力とは、表面の疎水性または親水性の特定の測定値である。当該方法では、標準のぬれ張力溶液(ダイン溶液と呼ばれる)を使用して、当該溶液が2秒間でプラスチック膜表面の湿潤状態にどれだけ近づくかを判定する。これが当該膜のぬれ張力である。
VII.A.1.a.ii.使用した手順はASTM D 2578のものとは異なり、当該基板は平板プラスチック膜ではなく、「PET管を成形するためのプロトコル」に従い製造され(対照を除き)「管内部を疎水性で被覆するためのプロトコル」に従い被覆された管である。ケイ素被覆ガラスシリンジ(Becton Dickinson Hypak(登録商標) PRTCガラス製、ルアー端部付き事前充填可能シリンジ)(1mL)もまた、試験した。本試験の結果は表10に記載する。
驚くべきことに、非被覆PET管のプラズマ被覆材(40 ダイン)は、当該プラズマ処理条件を変更することにより、同一ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)供給ガスを使用して、より高い(より親水性の)またはより低い(より疎水性の)エネルギー表面を達成可能である。管内部をSiOxで被覆するためのプロトコルに従って作成した薄膜(約20〜40ナノメートル)SiOx被覆材(当該表にはデータ非表示)は、親水性バルクガラス基板と同様の湿潤性をもたらす。管内部を疎水性被覆材で被覆するためのプロトコルに従って作成した薄膜(約100ナノメートル未満)疎水性被覆材は、疎水性ケイ素流体と同様の非湿潤性をもたらす(当該表にはデータ非表示)。
実施例10:
促進経年劣化経由の管の真空維持研究
VII.A.3 促進経年劣化により、長期保存期間を有する製品の迅速な評価が可能である。真空維持に関する血液管の促進経年劣化は、米国特許5,792,940、1列、11〜49行に記述されている。
VII.A.3 以下の3種類のテレフタル酸ポリエチレン(PET)13x75mm(壁厚さ0.85mm)モールド管を試験した:
Hemogard(登録商標)システム赤色停止部材および無色ガードで閉口したBecton Dickinson製品番号366703 13x75mm(追加なし)管(保存可能期間545日または18カ月)[市販品対照]、PET管を成形するためのプロトコルに従って作成し、同類のHemogard(登録商標)システム赤色停止部材および無色ガードで閉口したPET管[内部対照]、およびPET管を成形するためのプロトコルに従って作成し、管内部をSiOx
で被覆するためのプロトコルに従って被覆し、同類のHemogard(登録商標)システム赤色停止部材および無色ガードで閉口した射出成形PET 13x75mm管[発明検体]。
VII.A.3 当該BD市販品対照は、納品時のまま使用した。当該内部対照および発明検体については、真空化し当該停止部材システムで蓋をして、密閉後に当該管内の所望の分圧(真空)を提供した。すべての検体を3ガロン(3.8 L)304 SS広口圧力容器(Sterlitech番号740340)に留置した。当該圧力容器を48psi(3.3atm、2482mm.Hg)へと加圧した。水容量吸引変動判定を、(a)漸増する時間間隔で3〜5の検体を除去、(b)20ゲージ採血アダプタを通しての1リットルプラスチック瓶貯留層から当該真空管への水の吸引の許可、および(c)水吸引前および後の当該質量変動の測定、により実行した。
VII.A.3 結果は表11に示す。
VII.A.3 正規化平均崩壊率を、質量における変動を加圧日数と初期質量吸引で割ることにより[質量変動/(日数 x 初期質量)] 計算する。10%損失までの促進時間(月)も計算する。両データは表12に記載する。
VII.A.3 本データにより、市販品対照および非被覆内部対照の両方が同一の真空損失率を有することが示される。また驚くべきことに、当該PET内部壁上にSiOx被覆材を組込むことで2.1の要素による真空維持が改善される。
実施例11:
潤滑性被覆材
VII.B.1.a.以下の部材を本試験で使用した:
市販の(BD Hypak(登録商標) PRTC)ガラス製事前充填可能シリンジ、Luer-lok(登録商標)端部付き(ca 1mL)
COCシリンジバレルを成形するためのプロトコルに従って作成した、COC シリンジバレル;
Becton Dickinson製品番号306507から採取した市販のプラスチックシリンジプランジャー、エラストマー端部付き(生理食塩水事前充填シリンジとして取得);
生理食塩水(Becton-Dickinson製品番号306507事前充填シリンジから採取);
Advanced Forceゲージ(モデルAFG-50N)付きDillon試験台
シリンジ把持部材および排出管ジグ(当該Dillon試験台に装着するよう組立て)
VII.B.1.a.以下の手順を本試験で使用した:
VII.B.1.a.当該ジグを当該Dillon試験台に設置した。当該プラットフォームプローブの移動を6インチ/分(2.5mm/秒)に調整し、上部および下部の停止位置を設定した。当該停止位置を、空のシリンジバレルを利用して確認した。当該市販生理食塩水充填シリンジをラベル付けし、当該プランジャーを取り外し、当該食塩水を当該シリンジバレルの開口端経由で排出した(再利用するため)。当該COCおよびガラスバレルで使用するための、予備のプランジャーを同一方法で取得した。
VII.B.1.a.シリンジプランジャーを当該COCシリンジバレルに挿入し、各プランジャーの当該第2水平モールド点を当該シリンジバレル縁(当該端部から約10mm)と均等にする。別のシリンジと針アセンブリを使用して、当該キャピラリー端部経由で食塩水2〜3mlを当該試験シリンジに充填した。その際、当該キャピラリー端部を最上に位置付けた。当該シリンジ側部を軽く叩いて当該プランジャー/流体界面および当該壁に沿って付いた大きめの気泡を除去し、当該プランジャーをその垂直配向に維持しながら当該気泡を当該シリンジから慎重に排出させた。
VII.B.1.a.各充填済みシリンジバレル/プランジャーアセンブリを当該シリンジジグに設置した。当該試験台のダウンスイッチを押下して当該試験を開始し、移動式金槌を当該プランジャーの方へと前進させた。当該移動式金槌が当該プランジャー上部に接触する5mm以内となったら、Dillonモジュール上のデータボタンを繰り返し押して、当該シリンジプランジャーとの初期接触前から当該プランジャーが当該シリンジバレル前壁と接触して停止するまでの、各データボタンを押下した期間の当該力を記録した。
VII.B.1.a.すべてのベンチマークおよび被覆シリンジバレルについて、5回反復して行った(毎回新しいプランジャーおよびバレルを使用)。
VII.B.1.a.「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い作成したCOCシリンジバレルを、「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従いOMCTS潤滑性被覆材で被覆し、組立後生理食塩水で充填し、潤滑性被覆に関して本実施例で上述した通りに試験した。「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従い使用した当該ポリプロピレンチャンバは、当該OMCTS蒸気(および追加される場合は酸素 - 表13を参照)の当該シリンジバレルを通しておよび当該シリンジキャピラリーを通しての当該ポリプロピレンチャンバへの流入を可能にした(ただし潤滑性被覆材は、本事例の当該シリンジの当該キャピラリー部には不必要な場合がある)。前述表13に示す通り、複数の異なる被覆条件を試験した。すべての堆積を、同一製造バッチからのCOCシリンジバレル上に行った。
その後当該被覆検体を、本実施例のプロトコルに従うプランジャースライド力試験を使用して試験し、英国式およびメートル法の力単位で表13の結果を得た。当該データにより、低電力および無酸素の場合にCOCおよび被覆されたCOCシリンジのプランジャースライド力が最も低くなることが、明確に示される。低電力(6W)(低電力が好ましい条件である)の場合に酸素を添加すると、当該プランジャースライド力は1.09ポンド、0.49Kg(電力 = 11W)から2.27ポンド、1.03Kgに増加したことに注目されたい。これは、最も低いプランジャースライド力を達成するには酸素の添加は好ましくない可能性があることを示す。
VII.B.1.a.また、最良のプランジャースライド力 (電力 = 11W、プランジャースライド力 = 1.09ポンド、0.49Kg)はケイ素被覆ガラスの電流業界標準(プランジャースライド力 = 0.58ポンド、0.26Kg)に非常に近く、同時に破損の可能性やより高額な製造過程といったガラスシリンジの問題を回避することにも、注目されたい。追加の最適化を利用して、ケイ素の性能を有する現在のガラスと同等の/より優れた値の達成が期待される。
VII.B.1.a.当該検体は、「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従いCOCシリンジバレル被覆することにより、創出した。本書記載の当該技術の代替実施例は、例えば「COCシリンジバレル内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従い被覆した、SiOxといった別の薄膜被覆上に当該潤滑層を塗布する場合がある。
実施例12:
改善型シリンジバレル潤滑性被覆材
VII.B.1.a.プラスチックプランジャーを使用してキャピラリー開口部を通してシリンジから0.9パーセントの生理食塩水ペイロードを放出するのに必要な力を、内壁を被覆したシリンジに関して判定した。
VII.B.1.a.「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い製造された3種類のCOCシリンジバレルを試験した: 1種類は内部被覆材なし [非被覆対照]、別の種類は「COCシリンジバレル内部をHMDSOで被覆するためのプロトコル」に従い被覆されたヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)系プラズマ被覆内壁被覆材を有し [HMDSO対照]、および第3の種類は「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従い塗布されたオクタメチルシクロテトラシロキサン系プラズマ被覆内壁被覆材を有する [OMCTS-発明検体]。BD Product Becton-Dickinson製品番号306507から採取した、新しいエラストマー端部付きプラスチックプランジャーを、すべての実施例に使用した。また、製品番号306507からの生理食塩水も使用した。
VII.B.1.a.当該プラズマ被覆方法および当該シリンジバレル内壁の被覆装置を、本応用の別の実験セクションで記述する。HMDSO系およびOMCTS系被覆材に関する特定被覆パラメータを、「COCシリンジバレル内部をHMDSO被覆材で被覆するためのプロトコル」、「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」、および表14に記載する。
VII.B.1.a.当該プランジャーを当該シリンジバレルへと約10mm挿入し、その後、個別の生理食塩水シリンジ/針システムを有する開口シリンジキャピラリーを通して当該実験シリンジを垂直方向に充填した。当該実験シリンジを当該キャピラリー開口部へと充填したら、当該シリンジを軽く叩いて当該内壁に付着する気泡を取り除き当該キャピラリー開口部を通して上方に排出されるようにする。
VII.B.1.a.当該充填済み実験シリンジバレル/プランジャーアセンブリを、自作の空洞金属ジグ内に垂直方向に設置し、当該シリンジアセンブリをフィンガーフランジ部において当該ジグで支持する。当該ジグは底部に排出管を有し、Advanced Forceゲージ(モデルAFG-50N)付きDillon試験台上に搭載される。当該試験台は、毎分6インチ(152mm)の速度で垂直下方向に移動する金槌を有する。当該金槌は伸延したプランジャーに接触して、当該キャピラリーから食塩水を排出させる。一度当該プランジャーが当該シリンジバレル/キャピラリー界面に接触すると、当該実験は停止となる。
VII.B.1.a.当該金槌/伸延プランジャーの下方向への移動中に、当該金槌に付与された抵抗力が当該力ゲージ上で測定される通り電子スプレッドシートに記録される。当該スプレッドシートデータから、各実験の最大力が同定される。
VII.B.1.a.表14には、各実施例に関して、反復被覆COCシリンジバレルからの最大力の平均、および被覆シリンジバレルの最大力平均を非被覆シリンジバレルの最大力平均で割って判定する正規化した最大力を記載する。
VII.B.1.a.すべてのOMCTS系内壁プラズマ被覆COCシリンジバレル(発明検体C、E、F、G、H)は、非被覆COCシリンジバレル(非被覆対照検体AおよびD)よりはるかに低いプランジャースライド力を示し 、また驚くべきことに、HMDSO系内壁プラズマ被覆COCシリンジバレル(HMDSO対照検体B)よりはるかに低いプランジャー スライド力も示したことが、当該データにより認められる。さらに驚くべきことには、酸化ケイ素膜(SiOx)ガス遮断性被覆材上のOMCTS系被覆材により、プランジャースライド力が非常に低く抑えられる(発明検体F)。 最良のプランジャースライド力は、実施例C(電力 = 8、プランジャースライド力 = 1.1ポンド、0.5Kg)であった。これは、ケイ素被覆ガラスの電流業界標準(プランジャースライド力 = 0.58ポンド、0.26Kg)に非常に近く、同時に破損の可能性やより高額な製造過程といったガラスシリンジの問題をも回避した。追加の最適化を利用して、ケイ素の性能を有する現在のガラスと同等の/より優れた値の達成が期待される。
実施例13:
外部被覆材を有するCOCシリンジバレルの製造 - 机上の実施例
VII.B.1.c.COCシリンジバレルを成形するためのプロトコルに従って作成したCOCシリンジバレルを、廃棄可能な閉包部を有する両端部で密閉する。当該蓋付きCOCシリンジバレルを、Daran(登録商標) 8100サランラテックス(Owensboro特殊プラスチック)の溶液槽に浸漬する。本ラテックスは5パーセントのイソプロピルアルコールを包含し、当該組成物の表面張力を32ダイン/cmに低減させる。当該ラテックス組成物は、当該COCシリンジバレルの外部を完全に湿潤させる。30秒間排出させた後に、当該被覆COCシリンジバレルを、各強制空気炉内において275°F(135℃)で25秒(ラテックス合体)および122°F(50℃)で4時間(仕上げ硬化)からなる、加熱スケジュールで曝露する。生成されたPvDC膜は、層厚1/10mil(2.5 ミクロン)である。当該COCシリンジバレルおよびPvDC-COC積層COCシリンジバレルを、順にMOCONブランドのOxtran 2/21酸素透過率測定装置およびPermatran- W 3/31水蒸気透過率測定装置を使用して、OTRおよびWVTRについて測定する。
VII.B.1.c.推定OTR値およびWVTR値は表15に記載し、当該積層に関して期待される遮断改善度(BIF)は順に4.3(OTR-BIF)および3.0(WVTR-BIF)である可能性がある。
実施例15:
PECVD塗布のOMCTSおよびHMDSO被覆材の原子組成
VII.B.4.「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い製造され、(「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従い)OMCTSで被覆された、または「COCシリンジバレル内部をHMDSO被覆材で被覆するためのプロトコル」に従いHMDSOで被覆された、COCシリンジバレル検体を用意する。 OMCTSまたはHMDSO由来の当該被覆材の原子組成は、X線光電子分光法(XPS)を利用して特徴付けした。
VII.B.4.当該XPSデータを、関連する感度要素および均一層と推測されるモデルを使用して定量化する。当該分析容量は、当該分析範囲(スポットサイズまたはアパーチャサイズ)の生成物および当該情報深さである。光電子が当該X線侵入深さ(一般にミクロン単位)内に生成されるが、光電子脱出深さ上位3つに入る光電子のみが検出される。脱出深さは約5〜35 Åであり、分析深さを50〜100 Å以下であるようにする。一般に、信号の95%はこの深さに源を発する。
VII.B.4.以下の分析パラメータを使用した:
装置: PHI Quantum 2000
X線源: 単色レンズ使用Alkα 1486.6eV
受光角 +23°
射出角 45°
分析範囲 600μm
電荷補正 C1s 284.8 eV
イオン銃条件 Ar+、1 keV、2 x 2mmラスター
スパッタ率 15.6 Å/min (SiO2相当)
VII.B.4.表17は、当該検出元素の原子濃度を示す。XPSは水素またはヘリウムを検出しない。任意の値を、当該検出元素を使用して100パーセントに正規化する。検出限界は、約0.05〜1.0原子パーセントである。
VII.B.4.b.表17の被覆材組成の結果および計算された開始時のモノマー前駆体元素パーセントから、当該HMDSO系被覆材の炭素原子パーセントは開始時のHMDSOモノマー炭素原子パーセントと比較して(54.1%から44.4%まで)減少する一方で、驚くべきことに当該OMCTS系被覆材炭素原子パーセントは当該OMCTSモノマー炭素原子パーセントと比較して(34.8%から48.4%まで)増加し、増加分39原子%は以下のように計算した:
100% [(48.4/34.8) - 1] = 39 at.%。
また、当該HMDSO系被覆材のケイ素原子パーセントは開始時のHMDSOモノマーケイ素原子パーセントと比較してほとんど変更がない(21.8%から22.2%)一方で、驚くべきことに、当該OMCTS系被覆材ケイ素原子パーセントは当該OMCTSモノマーケイ素原子パーセントと比較して(42.0%から23.6%へと)有意に減少し、減少分は44原子%であった。 炭素およびケイ素の変動の両方に関して、当該 OMCTSモノマーの被覆作用は一般的前駆体モノマー(例えばHMDSO)で観察されるものとは、傾向が異なる。例えば、Hans J. Griesser、Ronald C. Chatelier、Chris Martin、Zoran R. Vasic、Thomas R. Gengenbach、George Jessup J. Biomed. Mater.(Appl Biomater)53:235-243, 2000を参照のこと。
実施例16:
プラズマ被覆材からの揮発性成分(「ガス放出」)
VII.B.4.「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い作成され、(「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従い)OMCTSで被覆された、または「COCシリンジバレル内部をHMDSO被覆材で被覆するためのプロトコル」に従いHMDSOで被覆された、COCシリンジバレル検体を用意する。 ガス放出ガスクロマトグラフィー/質量分光測定(GC/MS)分析を使用して、OMCTSまたはHMDSO被覆材から放出される当該揮発性成分を測定した。
VII.B.4.当該シリンジバレル検体(縦方向に半分に切断した4つのCOCシリンジバレル)を、動的ヘッドスペースサンプリングシステム(CDS 8400自動サンプラー)の1 1/2インチ(37mm)径チャンバの1つに設置した。検体分析の前に、システムのブランクを分析した。当該検体を、以下のパラメータを使用して、Agilent 7890Aガスクロマトグラフ/Agilent 5975質量スペクトロメータで分析し、表18に記載のデータを得た:
GCカラム: 30m X 0.25mm DB-5MS(J&W Scientific)、
0.25μm膜層厚
流量率: 1.0 ml/分、定流量モード
検出器: 質量選択検出器(MSD)
射出モード: 分割射出(分割率10:1)
ガス放出条件: 1 1/2インチ(37mm)チャンバ、3時間、85℃、
60 ml/分の流量でパージ
炉温度: 40℃(5分)から始め10℃/分で300℃まで加熱
300℃を5分間保持。
表18からの当該ガス放出結果により、試験対象のHMDSO系潤滑性被覆材とOMCTS系潤滑性被覆材との間の組成上の区別が、明確に示された。HMDSO系組成物はトリメチルシラノール [(Me)3SiOH] をガス放出したが、反復-(Me)2SiO-部分を包含する高分子オリゴマーのガス放出は測定されなかった。一方OMCTS系組成物については、トリメチルシラノール [(Me)3SiOH] のガス放出は測定されなかったが、反復-(Me)2SiO-部分を包含する高分子オリゴマーがガス放出された。本試験は、HMDSO系被覆材と OMCTS系被覆材を識別するのに役立つ可能性があると考えられる。
以下の理論の範囲/正確性に従い本発明を制限することなしに、本結果は、各ケイ素原子が3つのメチル基と結合するHMDSOの非環状化学構造に対して、2つのメチル基のみが各ケイ素原子に結合するOMCTSの環状化学構造を考慮に入れることで、説明可能であると考えられる。OMCTSはリング開口部に反応して、既にオリゴマーであり凝結して高分子オリゴマーを成形する可能性がある反復-(Me)2SiO-部分を有するジラジカルを成形していると考えられる。一方HMDSOはあるO-Si結合部の開裂に反応して、(Me)3SiOHとして再凝結した単一O-Si結合部を含む断片および [(Me)3Si]2として再凝結したO-Si結合部を含まないその他の断片を残していると考えられる。
当該OMCTSの環状性は、より高分子のMWオリゴマー(26ng/試験)のガス放出による環開口および当該環開口部分の凝結をもたらすと考えられている。対照的に、HMDSOからの断片が比較的低分子量であることに基づき、HMDSO系覆材は一切高分子オリゴマーをもたらさないと考えられている。
実施例17:
X線反射率(XRR)を使用するプラズマ被覆材の密度判定
サファイヤ証示検体(0.5 x 0.5 x 0.1cm)を、PET管を成形するためのプロトコルに従い作成した、個別のPET管内壁に接着した。当該サファイヤ証示を含むPET管を、OMCTSまたはHMDSOで被覆した(どちらも「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従い、すべてに2倍の電力を用いる点で逸脱)。当該被覆サファイヤ検体をその後除去し、パラボラ多層入射光線単色光分光器および平行板回折光線コリメータを搭載するPANalytical X’Pert回折計で、X線反射率(XRR)データを取得した。2層のSiwOxCyHzモデルを利用して、臨界角測定結果から被覆材密度を判定した。本モデルは、真のSiwOxCyHz被覆材を単離する最良のアプローチを提供すると考えられる。当該結果は表19に示す。
実施例15の結果を示す表17から、HMDSOと比較してOMCTSの組成は酸素(28%)がより低く炭素(48.4%)がより高いことから、両方の原子質量の評価および価数(酸素 = 2、炭素 = 4)が原因で、OMCTSはより低い密度を有するはずであることが示唆される。驚くべきことに、当該XRR密度結果は、OMCTS密度がHMDSO密度より高いという、反対の観察所見を示す。
以下の理論の範囲/正確性に従い本発明を制限することなしに、HMDSO系とOMCTS系被覆材それぞれの組成における反応機構に基本的な差異が存在すると考えられる。HMDSO断片は、高密度のナノ粒子を成形するために容易に核となるまたは反応し、その後当該表面に堆積し当該表面でさらに反応する可能性があある。それに対してOMCTSは、高密度の気相ナノ粒子を成形する可能性は極めて低い。OMCTS反応種は、元のOMCTS モノマーに非常によく似た形態で当該表面上で凝結する可能性が非常に高く、全体的に密度の低い被覆材を生成する。
実施例18:
PECVD塗布被覆材の層厚均一性
「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い製造され、それぞれ「COCシリンジバレル内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従うSiOxでまたは「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従うOMCTS系潤滑性被覆材で被覆された、複数のCOCシリンジバレルの検体を用意した。また、「PET管を成形するためのプロトコル」に従い製造され、それぞれ「管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従い、SiOxで被覆したまたは被覆しなかった複数のPET管の検体も用意し、亢進経年劣化試験を施した。 透過電子顕微鏡法(TEM)を使用して、当該検体のPECVD塗布被覆材の層厚を測定した。前述の実施例4のTEM手順を使用した。本実施例で使用したSiOxおよび潤滑性を被覆するためのプロトコルにより記述される方法および装置は、表20に示すとおり均一な被覆を提示した。
実施例19 :
COC上のガス放出測定
VI.B.COC管を成形するためのプロトコルに従って、COC管を作成した。当該管の一部は、「管内部をSiOxで被覆するためのプロトコル」に従うSiOx内部遮断性被覆材で被覆し、その他のCOC管は被覆しなかった。また、類似寸法を有する市販のガラス採血Becton Dickinson 13 x 75 mm管も上記どおりに用意した。当該管を、相対湿度45%および温度70°F(21℃)の環境大気を含む室内に約15分間保管し、同一環境相対湿度で以下の試験を行った。当該管をガス放出について試験し、その後ATC微小流動測定手順および実施例8の装置について試験した(漏出試験機器モデルME2搭載型Intelligent Gas Leak System、第2世代IMFSセンサー(全範囲10μ/分)付き、絶対圧センサー範囲:0〜10トール、流量測定不確実性:測定値の+/- 5%、キャリブレートする範囲において、(PCによる)自動データ取得および時間比漏出流量の痕跡/プロットのためのLeak-Tekプログラムを利用)。この場合においては、各管に圧力1mm Hgで22秒間のバルク蒸気脱気手順を施し、窒素ガスで2秒間(to 760mm Hgまで)加圧し、その後当該窒素ガスをポンプダウンし圧力1mm Hgで約1分間当該微小流動測定手順を実行した。
VI.B.当該結果は、実施例8で生成した図31に類似する、図57に示す。図57において、当該非被覆COC管のプロットは630にあり、当該SiOx被覆COC管のプロットは632にあり、対照として使用する当該ガラス管のプロットは634にある。また、当該ガス放出測定は約4秒間で開始し、数秒後に当該非被覆COC管のプロット630と当該SiOx被覆COC管のプロット632がはっきりと分化し、再び遮断性被覆管と非被覆管の即時の区別が示された。非被覆COCの一定の距離間隔(60秒に2マイクログラムを超える)とそれに対するSiOx被覆COCの距離間隔(60秒に1.6マイクログラム未満)が実現された。
実施例20:
潤滑性被覆材
VII.B.1.a.「COCシリンジバレルを成形するためのプロトコル」に従い作成したCOCシリンジバレルを、「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従いOMCTS潤滑性被覆材で被覆した。当該結果は表21に示す。当該結果により当該電力レベルの増加傾向が示され、無酸素で8〜14ワットの場合に当該被覆材の潤滑性が向上した。電力および流量率に関するさらなる実験により、潤滑性がさらに強化される可能性がある。
実施例21 :
潤滑性被覆材 - 仮説に基づく実施例
射出成形した環状オレフィン共重合体(COC)プラスチックシリンジバレルを、COCシリンジバレルを成形するためのプロトコルに従って作成する。一部は被覆せず(「対照」)、その他は「COCシリンジバレル内部をOMCTS潤滑性被覆材で被覆するためのプロトコル」に従いPECVD潤滑膜で被覆する(「潤滑シリンジ」)。当該潤滑シリンジと対照を試験して、当該プランジャーの当該バレル内での移動を開始するための力(起動力)および当該プランジャーの当該バレル内での移動を維持するための力(プランジャースライド力)を、Genesis Packaging自動シリンジ力試験器、モデルASTを使用して測定する。
当該試験 は、ISO 7886-1:1993試験の修正バージョンである。各試験について以下の手順を使用する。Becton Dickinson製品番号306507(生理食塩水事前充填シリンジとして取得)から採取した、エラストマー端部付き市販のプラスチックシリンジプランジャーをシリンジアセンブリから取り外す。当該エラストマー端部を、清潔で乾燥した圧縮空気で乾燥させる。その後、当該エラストマー端部およびプラスチックプランジャーを試験対象のCOCプラスチックシリンジバレルに挿入して、当該プランジャーを位置付け、さらには当該シリンジバレルの底部を利用する。必要に応じて、試験対象状態を達成するため、当該充填済みシリンジを調整する。例えば、当該試験物体が3カ月保管された後の当該シリンジの起動力に関する潤滑剤被覆材の作用を検出するためのものである場合、所望の状態を達成するため当該シリンジを3カ月保管する。
当該シリンジを、Genesis Packaging自動シリンジ力試験器に設置する。当該試験は、メーカー仕様書に従い試験開始時からキャリブレートする。当該試験器の入力変数は、速度 = 100mm/分、範囲 = 10,000である。当該試験器のスタートボタンを押下する。試験完了時に、(当該プランジャーの当該バレル内での移動を開始するための)起動力および(移動を維持するための)プランジャースライド力を測定し、対照シリンジと比較して潤滑シリンジでの力が実質的に低いことが認められた。
図59は、本発明の模範的実施例に記載の容器処理システム20を示す。当該容器処理システム20は、とりわけ、第1処理ステーション5501および第2処理ステーション5502からなる。かかる処理ステーションの実施例は、例えば、図1の参照数表示24、26、28、30、32および34で描写される。
当該第1容器処理システム5501は、装填済み容器80を把持する容器ホルダー38を含む。図59に血液管80が描写されているが、当該容器はシリンジ本体、バイアル、カテーテル、または例えばピペットである場合がある。当該容器は、例えばガラス製またはプラスチック製である場合がある。プラスチック容器の場合、当該第1処理ステーションはまた当該プラスチック容器をモールドするためのモールドからなる場合がある。
当該第1処理ステーションでの第1処理(当該処理は、当該容器のモールド、当該容器の欠陥検出のための第1検査、当該容器内面の被覆、および当該容器、特に当該内部被覆材の欠陥検出のための第2検査からなる)の後に、当該容器ホルダー38を当該容器82と共に第2容器処理ステーション5502に搬送する。この搬送は、コンベヤー装備70、72、74により実行される。例えば、当該容器/ホルダー複合体を次の処理ステーション5502に移動させるため、当該容器ホルダー38および/または当該容器80を把持する1つの把持部または複数の把持部を用意する場合がある。あるいは、当該把持部なしで当該容器を移動する場合がある。しかし、当該把持部を適合すると当該コンベヤー装備による搬送が可能となるため、当該把持部と当該容器を共に移動することは有利である場合がある。
図60は、本発明の別の模範的実施例に記載の容器処理システム20を示す。ここでも、2つの容器処理ステーション5501、5502を用意する。さらに、追加の容器処理ステーション5503、5504を連続して配備し、当該容器を処理、すなわち検査および/または被覆できるようにする。
容器は、ストックから左側の処理ステーション5504へと移動可能である。あるいは当該容器は、第1処理ステーション5504でモールド可能である。どちらの場合も、モールド、検査および/または被覆(次に第2検査を行う場合がある)といった第1容器処理は、当該処理ステーション5504で実行する。その後、当該容器を次の処理ステーション5501に当該コンベヤー装備70、72、74経由で移動する。一般に、当該容器は当該容器ホルダーと共に移動する。第2処理を当該第2処理ステーション5501で実施し、その後、当該容器と把持部を第3処理を実施する次の処理ステーション5502へと移動する。当該容器をその後(再び当該把持部と共に)、第4処理のために当該第4処理ステーション5503に移動し、その後保管するために搬送する。
当該容器を処理する各被覆手順またはモールド手順またはその他の手順の前および後に、当該容器全体の、当該容器の一部の、および特に当該容器の内面の検査を実施する場合がある。各検査の結果を、中央処理装置5505にデータバス5507経由で送信する。各処理ステーションを当該データバス5507と接続する。当該プロセッサ5505(中央制御調整装置の形態に適合される場合がある)は当該検査データを処理し、当該データを分析し、最後の処理手順が成功であったかどうかを判定する。
例えば当該被覆材に孔があるため、または当該被覆材の表面が標準でありまたは十分に平滑でないため、最後の処理手順が不成功であったと判定される場合、当該容器は次の処理ステーションに進むことなく当該製造工程(コンベヤーセクション7001、7002、7003、7004)から除去されるか、再処理するために返送される。
当該プロセッサ5505は、制御/調整パラメータを入力するためのユーザーインターフェース5506に接続する。
図61は、本発明の模範的実施例に記載の容器処理ステーション5501を示す。当該ステーションは、当該容器内面を被覆するためのPECVD装置5701からなる。さらに、容器検査用の複数の検出器5702〜5707を用意する。かかる検出器は、例えば電気計測を実施する電極、光学検出器、CCDカメラ類、ガス検出器、または圧力検出器である場合がある。
図62は、本発明の模範的実施例に記載の容器ホルダー38と共に、複数の検出器5702、5703、5704およびガス吸入ポート108、110を有する電極を示す。
当該電極と当該検出器5702は、当該容器が当該把持部38に装填済みである場合、当該容器80の内腔に移動するよう適合される場合がある。
例えば当該装填済み容器80の外部に配置される光学検出器5703、5704 を利用して、またはさらには当該容器80の内腔内に配置される光学検出器5705を利用して、特に被覆手順中に、当該光学検査を実施する場合がある。
当該検出器はカラーフィルターからなる場合があり、異なる波長を当該被覆処理中に検出可能である。当該処理装置5505は当該光学データを分析し、当該被覆が成功であったか所定の確実性レベルに達していないかどうかを判定する。当該被覆材がおそらく不成功であったと判定される場合、それぞれの容器を当該処理システムから隔離する、または再処理する。
本発明を当該図面および以上の記述において詳細に図示および説明してきたが、かかる図解および説明は実例的または模範的と見なされるべきであり、制限的と見なされるべきではない。本発明は当該開示実施例に制限されるものではない。当該開示実施例のその他の変型が、当該図面、当該開示、および当該添付請求項を研究することから、当技術分野の当事者によりおよび当該請求発明の実行により、理解されもたらされる可能性がある。当該請求項において、用語「からなる」はその他の要素または手順が含まれる場合があり、単数形物質は複数である場合がある。相互に異なり依存する請求項に特定の測定値が列挙されるという単なる事実は、これらの測定の組合せを利益を得るために使用不可であることを示すものではない。当該請求項の引用符号は、当該範囲を制限すると解釈されるべきではない。
以下の一覧において、例えば図59〜62を参照して、本発明の模範的実施例を記述する。後述一覧では用語「請求項」が使用されているが、当該後述一覧は請求項ではなく模範的実施例について言及していることに注意されたい。
I. 複数処理ステーションと複数容器ホルダーを有する容器処理システム
1. 容器処理システム20は以下からなる:
開口部および内面を定義する壁を有する容器を処理するよう設定される、当該第1処理ステーション5501、24、26、28、30;
当該第1処理ステーションから離れて設置され、開口部および内面を定義する壁を有する容器を処理するよう設定される、当該第2処理ステーション5502、24、26、28、30;
第1処理ステーションにおいて当該容器ポート経由で装填済み容器の内面を処理するために、当該容器開口部を収受し装填するよう設定される容器ポート92が各ホルダーに含まれる、多数の容器ホルダー38;および
第2処理ステーションにおいて当該容器ポート経由で装填済み容器の内面を処理するために、第1処理ステーションから第2処理ステーションへと一連の当該容器ホルダーおよび装填済み容器を搬送する、コンベヤー70、72、74。
2. さらに、当該第1処理ステーションおよび第2処理ステーションから離れて設置され、開口部および内面を定義する壁を有する容器を処理するよう設定される、第3処理ステーション5503からなる、請求項1の発明(実施例図60を参照)。
3. 当該コンベヤーが、第3処理ステーションにおいて当該容器ポート経由で装填済み容器の内面を処理するために、第2処理ステーションから第3処理ステーションへと一連の当該容器ホルダーおよび装填済み容器を搬送するよう設定される、請求項2の発明。
4. 1つ以上の容器ホルダーがさらに、1つ以上の容器ポート上に装填済みの容器からガスを吸引するための真空ダクトからなる、請求項1〜3のいずれかの発明。
5. 1つ以上の容器ホルダーがさらに、当該真空ダクトと外部真空源との間を通過する真空ポートからなる、請求項1〜4のいずれかの発明。
6. 1つ以上の真空ポートがさらに、外部真空源に対する密閉部を収受し成形するためのオーリングを有する、請求項1〜5のいずれかの発明。
7. 1つ以上の容器ホルダーがさらに、1つ以上の容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送するためのガス吸入ポートからなる、請求項1〜6のいずれかの発明。
8. 1つ以上の容器ホルダーがさらに、1つ以上の容器ポートへと通じ、それぞれ1つ以上の容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送する/からガスを吸引するための、合成ガス吸入ポートおよび真空ポートからなる、請求項1〜7のいずれかの発明。
9. 1つ以上の容器ホルダーの原料が熱可塑性素材である、請求項1〜8のいずれかの発明。
10. 1つ以上の容器ポートがさらに、当該容器開口部に対する密閉部を収受し成形するための封止素子を有する、請求項1〜9のいずれかの発明。
10a. 当該封止素子がオーリングである、請求項10の発明。
11. 処理ステーションが、欠陥検出のため容器内面を検査するよう設定される、請求項1〜10aのいずれかの発明。
12. 処理ステーションが、容器内面に被覆材を塗布するよう設定される、請求項1〜11のいずれかの発明。
13. 処理ステーションが、欠陥検出のため被覆材を検査するよう設定される、請求項1〜12のいずれかの発明。
14. 処理ステーションが、容器壁を通しての大気圧損失を測定するよう設定される、請求項176〜13のいずれかの発明。
15. 処理ステーションが、1つ以上の容器ホルダーを所定の位置で支持し当該処理ステーションにおいて当該装填済み容器内面を処理する支持面からなる、請求項1〜14のいずれかの発明。
16. 別の処理ステーションが、1つ以上の容器ホルダーを所定の位置で支持し別の当該処理ステーションにおいて当該装填済み容器内面を処理する第2支持面からなる、請求項1〜15のいずれかの発明。
17. 別の処理ステーションが、1つ以上の容器ホルダーを所定の位置で支持し別の当該処理ステーションにおいて1つ以上の容器ポート経由で当該装填済み容器内面を処理する第3支持面からなる、請求項1〜16のいずれかの発明。
18. さらに、当該第1および第2処理ステーションから離れて設置される容器処理のための第3処理ステーションからなる、請求項1〜17のいずれかの発明。
19. さらに、当該第1、第2および第3処理ステーションから離れて設置される容器処理のための第4処理ステーションからなる、請求項18のの発明。
20. さらに、当該第1、第2、第3および第4処理ステーションから離れて設置される容器処理のための第5処理ステーションからなる、請求項19の発明。
21. さらに、当該第1、第2、第3、第4および第5処理ステーションから離れて設置される容器処理のための第6処理ステーションからなる、請求項20の発明。
22. さらに、1つ以上の容器ホルダーおよび装填済み容器を第2処理ステーションから第3処理ステーションへ搬送するためのコンベヤーからなる、請求項1〜21のいずれかの発明。
23. さらに、1つ以上の容器ホルダーおよび装填済み容器を第3処理ステーションから第4処理ステーションへ搬送するためのコンベヤーからなる、請求項22の発明。
24. さらに、1つ以上の容器ホルダーおよび装填済み容器を第4処理ステーションから第5処理ステーションへ搬送するためのコンベヤーからなる、請求項23の発明。
25. さらに、1つ以上の容器ホルダーおよび装填済み容器を第5処理ステーションから第6処理ステーションへ搬送するためのコンベヤーからなる、請求項24の発明。
26. さらに、処理ステーションにおいて1つ以上の容器ポート経由で容器内部に被覆材を成形する塗布装置からなる、請求項1〜25のいずれかの発明。
27. 処理ステーションがPECVD装置からなる、請求項1〜26のいずれかの発明。
28. 当該PECVD装置が以下からなる、請求項27に記載の発明:
容器ホルダー上に装填済みの容器内部との流体通過部内に収受されるよう位置付けされる、内部電極;
容器ホルダー上に装填済みの容器を収受するよう位置付けられる内部部位を有する、外部電極;
内部および外部電極へと電流を交流させ、当該容器ホルダーに装填済みの容器内にプラズマを生成する、電力供給装置;
当該真空チャンバを定義する、容器の内部を真空にするための真空源;
反応性ガス源;および
反応性ガス源から当該容器ホルダーに装填済みの容器へと反応性ガスを供給するガス供給装置。
29. 当該内部電極が当該容器内へ伸延する、請求項28の発明。
30. 当該内部電極が当該容器外部に位置する、請求項28の発明。
31. 当該内部電極が当該容器内部に位置する、請求項28または30の発明。
32. 当該内部電極が、当該容器ホルダーに装填済みの容器内へと通常同心円状に伸延するよう位置付けされる遠位部を有するプローブである、請求項28の発明。
33. 当該ガス供給装置が当該内部電極の遠位部に位置する、請求項28または32の発明。
34. さらに、当該反応性ガスを反応性ガス源から当該内部電極の遠位部へと搬送するための、当該内部電極内の反応性ガス源および経路からなる、請求項28、32または33に記載の発明。
35. さらに、当該内部電極の遠位部が、少なくとも一部の反応性ガスを経路から横方向に放出するための当該経路を当該内部電極内に封入する伸長多孔質側壁からなる、請求項34の発明。
36. 当該内部電極の外径が、横方向に隣接する当該容器の内径の少なくとも50%の大きさである、請求項35の発明。
37. 当該内部電極の外径が、横方向に隣接する当該容器の内径の少なくとも60%の大きさである、請求項35の発明。
38. 当該内部電極の外径が、横方向に隣接する当該容器の内径の少なくとも70%の大きさである、請求項35の発明。
39. 当該内部電極の外径が、横方向に隣接する当該容器の内径の少なくとも80%の大きさである、請求項35の発明。
40. 当該内部電極の外径が、横方向に隣接する当該容器の内径の少なくとも90%の大きさである、請求項35の発明。
41. 当該内部電極の外径が、横方向に隣接する当該容器の内径の少なくとも95%の大きさである、請求項35の発明。
42. さらに、当該搬送ガスを搬送ガス源から当該内部電極の遠位部へと搬送するための、当該内部電極内の搬送ガス源および経路からなる、請求項28〜34のいずれかの発明。
43. さらに、当該内部電極を当該容器ホルダーに/から挿入および除去するための内部電極伸延機および格納機からなる、請求項28〜42のいずれかの発明。
44. さらに少なくとも2つの内部電極の配列からなり、当該内部電極伸延機および格納機が内部電極の配列を容器ホルダーに挿入/から除去するよう設定される、請求項28〜43のいずれかの発明。
45. 当該内部電極伸延機および格納機が、当該容器ホルダーについて前進位置、中間位置、格納位置の間で内部電極を移動させるよう設定される、請求項44の発明。
46. さらに当該内部電極伸延機および格納機を併用して動作可能な内部電極駆動からなり、第1内部電極を伸延位置から格納位置へと取り外し、当該第2内部電極の代わりに第1内部電極を取り付け、当該第2内部電極を伸延位置へと前進させることができる、請求項44または45の発明。
47. 当該外部電極が通常シリンダー状であり、当該容器ホルダーに装填済みの容器周辺に通常同心円状に伸延するよう位置付られる、請求項28、32、33、34、または42の発明。
48. 当該外部電極が端部蓋からなる、請求項28〜47のいずれかの発明。
49. 当該端部蓋と当該容器ホルダーに装填済みの容器の遠位端との間で定義されるギャップが、本質的に均一である、請求項48の発明。
50. 当該外部電極と当該容器ホルダーに装填済みの容器との間で定義されるギャップが、本質的に均一である、請求項28〜49のいずれかの発明。
51. さらに、当該容器内面の条件を検出するための処理ステーションにおいて1つ以上の容器ポート経由で当該容器へと挿入されるよう設定される検出器からなる、請求項1〜50のいずれかの発明。
52. さらに、当該容器外部の処理ステーションに位置する検出器からなる、請求項1〜51のいずれかの発明。
53. さらに、検出器による検出のために当該容器壁および当該容器内面を通してエネルギーを内側に配向する、処理ステーションに位置するエネルギー源からなる、請求項1〜52のいずれかの発明。
54. さらに、当該容器壁に対してエネルギーを配向し、当該壁表面上の少なくとも1つの被覆材および当該壁表面からエネルギーを反射させる、処理ステーションに位置するエネルギー源からなる、請求項1〜53のいずれかの発明。
55. さらに、検出器による検出のために当該容器壁および当該容器内面を通してエネルギーを外側に配向する、処理ステーションに位置するエネルギー源からなる、請求項1〜54のいずれかの発明。
56. 容器開口部経由で容器へと挿入されるよう設定されるエネルギー源からなる、請求項1〜55のいずれかの発明。
57. 当該検出器が、当該容器内面上の多数の密集点における当該容器内面の状態を検出するよう設定される、請求項51〜56のいずれかの発明。
58. 当該検出器がエネルギー源からのエネルギーを受信するよう位置付けられる、請求項51〜57のいずれかの発明。
59. 第2処理ステーションでの装填済み容器内面処理の後に1つ以上の容器ホルダーから当該容器を除去するための、処理ステーションに位置する除去装置からなる、請求項1〜58のいずれかの発明。
II. 容器ホルダー
II.A.
60. 当該容器処理の間、開口部を有する容器を把持および搬送するための携帯型容器ホルダーであり、当該容器ホルダーは以下からなる:
相互に通過可能な状態で容器開口部を装填するよう設定される、容器ポート;
外気供給を受入または排出するよう設定される、第2ポート;
容器ポート上に装填済みの容器開口部と第2ポートの間で1種以上のガスを通気させる、ダクト;
当該容器ポート、第2ポート、およびダクトが、実質上固定状態で装着される、搬送可能筺体;
重量が5ポンド未満である、携帯型容器ホルダー。
II.B.
61. 当該容器処理の間、開口部を有する容器を把持および搬送するための携帯型容器ホルダーであり、当該容器ホルダーは以下からなる:
密閉された相互に通過可能な状態で容器開口部を収受するよう設定される、容器ポート;
容器ポート上に装填済みの容器内部から容器ポート経由でガスを吸引する、真空ダクト;
当該真空ダクトと外部真空源の間の通過が可能となるよう設定される、当該真空ポート;
当該容器ポート、真空ダクト、および真空ポートが実質上固定状態で装着される、搬送可能筺体;
重量が5ポンド未満である、携帯型容器ホルダー。
62. 当該容器ポートが、容器開口部に対する密閉部を収受し成形するための封止素子を有する、請求項61の発明。
62a. 当該封止素子がオーリングである、請求項61の発明。
63. 当該真空ポートが、外部真空源に対する密閉部を収受し成形するためのオーリングを有する、請求項61〜62aのいずれかの発明。
64. 当該ガス吸入ポートが、ガス吸入部に対する密閉部を収受し成形するためのオーリングを有する、請求項61〜63のいずれかの発明。
65. 当該真空ポートがさらに、当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送するために、当該容器ポートへと通じるガス吸入ポートとして機能するよう設定される、請求項61〜64のいずれかの発明。
66. 当該筺体の原料が熱可塑性素材である、請求項61〜65のいずれかの発明。
67. さらに、当該搬送可能筺体に実質上固定装着され、当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送するよ設定される、ガス吸入ポートからなる、請求項61〜66のいずれかの発明。
II.C. 密閉装備を含む容器ホルダー。
68. 開口端に隣接する実質上シリンダー状の壁を有する容器の開口端を収受するための容器ホルダーであり、以下からなる:
当該容器のシリンダー状壁を収受するサイズである、通常シリンダー状である内面;
通常シリンダー状の内面の内側および同軸方向にある第1溝付き釘溝、および、通常シリンダー状である内面にある開口部および通常シリンダー状である内面から放射状に乖離する下部壁を有する、第1溝付き釘溝;および
第1溝付き釘溝と関連させて、当該開口部を通って通常放射状に伸延するサイズであり、通常シリンダー状である内面により収受される容器により外側に放射状に押下されて当該容器と第1溝付き釘溝の底壁との間に密閉部を成形する、第1溝付き釘溝に付帯する第1封止素子。
68a. 当該封止素子がオーリングである、請求項68の容器ホルダー。
69. さらに、当該容器開口端が当接可能である、当該通常シリンダー状の内面に隣接する、放射状に伸延する当接部からなる、請求項68の容器ホルダー。
70. さらに、当該開口部と当該第1溝付き釘溝の底壁の間に付帯する、第1上部および下部側壁からなり、当該第1オーリングが容器により放射状に外方向へ押下される場合に当該第1側壁が当該第1オーリングに当接するよう位置付けられている、請求項68または69の容器ホルダー。
71. 当該第1オーリングの無強勢時の断面直径が、当該第1通常溝付き釘溝の半径方向深さより大きい、請求項68〜70のいずれかの容器ホルダー。
72. さらに以下からなる、請求項68〜71のいずれかの容器ホルダー:
通常シリンダー状の内面の内側および同軸方向にあり、第1第溝付き釘溝から軸方向に乖離する2溝付き釘溝、および、通常シリンダー状である内面にある開口部および通常シリンダー状である内面から放射状に乖離する底壁を有する、第2溝付き釘溝;および
第2溝付き釘溝と関連させて、当該開口部を通って通常放射状に伸延するサイズであり、通常シリンダー状である内面により収受される容器により外側に放射状に押下されて当該容器と溝付き釘溝の底壁との間に密閉部を成形する、第2溝付き釘溝に付帯する第2オーリング。
73. さらに、当該開口部と当該第2溝付き釘溝の底壁の間に付帯する、第1上部および下部側壁からなり、当該第2オーリングが容器により放射状に外方向へ押下される場合に当該第2側壁が当該第2オーリングに当接するよう位置付けられている、請求項72の容器ホルダー。
74. 当該第2オーリングの無強勢時の断面直径が、当該第1通常溝付き釘溝の半径方向深さより大きい、請求項72〜73のいずれかの容器ホルダー。
75. さらに、当該当接部に対向する開口部を有する当該容器ホルダー上に装填済みの容器内で、真空を引くために位置付けられる当接部内にある真空源からなる、請求項69〜74のいずれかの容器ホルダー:
76. さらに、当該当接部に対向する開口部を有する当該容器ホルダー上に装填済みの容器の内部へと通じるよう位置付けられる当接部内にある処理ガス源からなる、請求項69〜75のいずれかの容器ホルダー。
III. 容器の搬送方法 - 容器ホルダーに装填済みの容器の処理
III.A. 処理ステーションへの容器ホルダーの搬送
77. 容器を処理する方法であり、当該方法は以下からなる:
容器処理のための第1処理ステーションの提供;
容器処理のための第1処理ステーションから離れた第2処理ステーションの提供;
開口部および内面を定義する壁を有する容器の提供;
容器ポートからなる容器ホルダーの提供;
当該容器開口部の容器ポート上への装填;
第1処理ステーションにおける容器ポート経由での当該装填済み容器内面の処理;
第1処理ステーションから第2処理ステーションへの当該容器ホルダーおよび装填済み容器の搬送;および
第2処理ステーションにおける容器ポート経由での当該装填済み容器内面の処理。
78. 当該容器が通常管状である、請求項77の発明。
79. 当該開口部が当該容器の端部の1つに位置する、請求項77または78の発明。
80. 当該容器の原料が熱可塑性素材である、請求項77〜79のいずれかの発明。
81. 当該容器の原料がテレフタル酸ポリエチレンである、請求項77〜80のいずれかの発明。
82. 当該容器の原料がポリオレフィンである、請求項77〜80のいずれかの発明。
83. 当該容器の原料がポリプロピレンである、請求項77〜80のいずれかの発明。
84. 当該容器の原料がガラスである、請求項77〜83のいずれかの発明。
85. 当該容器の原料がホウケイ酸ガラスである、請求項77〜84のいずれかの発明。
86. 当該容器の原料がソーダ石灰ガラスである、請求項77〜85のいずれかの発明。
87. 当該容器の原料が水晶ガラスである、請求項77〜86のいずれかの発明。
88. 当該容器が、760トールの外圧に曝露しても実質上変形しない実質的全内部新真空に耐える強度を有する、請求項77〜87のいずれかの発明。
89. 当該容器が射出成形により作成される、請求項77〜88のいずれかの発明。
90. 当該容器がブロー成形により作成される、請求項77〜88のいずれかの発明。
91. 当該容器が管端部閉口により作成される、請求項77〜90のいずれかの発明。
92. 当該容器ホルダーがさらに、当該容器ポート上に装填済みの容器からガスを吸引するための真空ダクトからなる、請求項77〜91のいずれかの発明。
93. 当該容器ホルダーがさらに、当該真空ダクトと外部真空源との間を通過する真空ポートからなる、請求項92の発明。
94. 当該真空ポートが、外部真空源に対する密閉部を収受し成形するためのオーリングを有する、請求項93の発明。
95. 当該容器ホルダーがさらに、当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送するためのガス吸入ポートからなる、請求項77〜94のいずれかの発明。
96. 当該容器ホルダーが、当該容器ポートと通じ、それぞれ当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送する/からガスを吸引するための、合成ガス吸入ポートおよび真空ポートからなる、請求項77〜95のいずれかの発明。
97. 当該容器ホルダーの原料が熱可塑性素材である、請求項77〜96のいずれかの発明。
98. 当該容器ホルダーが、接合部で共に接合する上部および底部からなる、請求項77〜97のいずれかの発明。
99. さらに、当該接合部を封止するため、当該接合部の上部と底部との間で拘束されるオーリングからなる、請求項98の発明。
100. 当該上部と底部との間で拘束される当該オーリングがまた、当該容器も収受して当該容器開口部周辺に密閉部を成形する、請求項77〜99のいずれかの発明。
101. 当該容器ポートが第1および第2軸方向乖離オーリングを有し、それぞれが容器外径を収受するサイズの内径を有し当該容器ポートと容器との間を封止する、請求項77〜100のいずれかの発明。
102. 当該容器ポートが、当該オーリング近位かつ当該真空ダクト周辺に位置する、放射状に伸延する当接部表面を有する、請求項77〜101のいずれかの発明。
103. 処理ステーションが、欠陥検出のため容器内面を検査するよう設定される、請求項77〜102のいずれかの発明。
104. 処理ステーションが、容器内面に被覆材を塗布するよう設定される、請求項77〜103のいずれかの発明。
105. 処理ステーションが、容器内面に遮断膜またはその他の種類の被覆材を塗布するよう設定される、請求項77〜104のいずれかの発明。
106. 処理ステーションが、欠陥検出のため被覆材を検査するよう設定される、請求項77〜105のいずれかの発明。
107. 処理ステーションが、欠陥検出のため遮断性被覆材を検査するよう設定される、請求項77〜106のいずれかの発明。
108. 処理ステーションが、容器壁を通しての大気圧損失を測定するよう設定される、請求項77〜107のいずれかの発明。
109. 処理ステーションが、当該容器ホルダーを所定の位置で支持し当該処理ステーションにおいて当該装填済み容器内面を処理する支持面からなる、請求項77〜108のいずれかの発明。
110. 当該容器開口部の容器ポート上への装填後に、当該容器ホルダーを搬送して当該支持面と係合させる、請求項109の発明。
111. 別の処理ステーションが、当該容器ホルダーを所定の位置で支持し別の処理ステーションにおいて当該装填済み容器内面を処理する第2支持面からなる、請求項77〜110のいずれかの発明。
112. 当該容器開口部の容器ポート上への装填後に、当該容器ホルダーを搬送して第2支持面と係合させる、請求項110の発明。
113. 別の処理ステーションが、当該容器ホルダーを所定の位置で支持し別の処理ステーションにおいて容器ポート経由で当該装填済み容器内面を処理する第3支持面からなる、請求項77〜112のいずれかの発明。
114. 当該容器開口部の容器ポート上への装填後に、当該容器ホルダーを搬送して第3支持面と係合させる、請求項113の発明。
115. さらに以下からなる、請求項77〜114のいずれかの発明:
当該第1および第2処理ステーションから離れて設置される容器処理のための第3処理ステーションの提供;
第2処理ステーションから第3処理ステーションへの当該容器ホルダーおよび装填済み容器の搬送;および
第3処理ステーションにおける容器ポート経由での当該装填済み容器内面の処理。
116. さらに、処理ステーションにおける当該容器開口部の当該容器ポート上への装填からなる、請求項77〜115のいずれかの発明:
117. さらに、処理ステーションにおける当該容器ポート経由での容器内面の被覆材の成形からなる、請求項77〜116のいずれかの発明。
118. 処理ステーションにおける処理が、欠陥検出のため容器内面の検査からなる、請求項77〜117のいずれかの発明。
119. 検出プローブを当該容器ポート経由で当該容器へと挿入することにより、および当該プローブを使用して当該容器内面の状態を検出することにより、検査を実行する、請求項118の発明。
120. さらに、当該容器壁および当該容器内面を通しての内側へのエネルギーの放射、および当該プローブによる当該エネルギーの検出からなる、請求項119の発明。
121. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該容器内面の状態の検出からなる、請求項119または120の発明。
122. 放射線源を当該容器ポート経由で当該容器へと挿入することにより、および検出器を使用して放射線源から放射線を検出して当該容器内面の状態を検出することにより、検査を実行する、請求項118〜121のいずれかの発明。
123. さらに、当該容器壁および当該容器内面を通しての外側へのエネルギーの放射、および当該容器外部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項118〜122のいずれかの発明。
124. さらに、当該容器内面からの当該放射線の反射、および当該容器内部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項120〜123のいずれかの発明。
125. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該容器内面の状態の検出からなる、請求項118〜124のいずれかの発明。
126. 処理ステーションにおける処理が、容器内面への被覆材の塗布からなる、請求項77〜125のいずれかの発明。
127. 処理ステーションにおける処理が、容器内面への遮断性被覆材の塗布からなる、請求項77〜126のいずれかの発明。
128. 処理ステーションにおける処理が、容器内面への流体遮断性被覆材の塗布からなる、請求項77〜127のいずれかの発明。
129. 処理ステーションにおける処理が、容器内面上の被覆材の欠陥検出検査からなる、請求項77〜128のいずれかの発明。
130. 処理ステーションにおける処理が、容器内面上の遮断性被覆材の欠陥検出検査からなる、請求項77〜129のいずれかの発明。
131. 処理ステーションにおける処理が、容器内面上に流体として塗布された被覆材の欠陥検出検査からなる、請求項77〜130のいずれかの発明。
132. 当該容器ポート経由での当該容器への検出プローブの挿入、および当該プローブを使用しの当該被覆材の状態の検出からなる、請求項126〜131のいずれかの発明。
133. さらに、当該容器壁を通しての内側へのエネルギーの放射、および当該プローブによる当該エネルギーの検出からなる、請求項127〜132のいずれかの発明。
134. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該被覆材の状態の検出からなる、請求項127〜133のいずれかの発明。
135. 当該被覆材が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が保存可能期間1年間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検査手順の実行からなる、請求項129〜134のいずれかの発明。
136. 当該検査手順を容器あたり30秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
137. 当該検査手順を容器あたり25秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
138. 当該検査手順を容器あたり20秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
139. 当該検査手順を容器あたり15秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
140. 当該検査手順を容器あたり10秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
141. 当該被覆および検査手順を容器あたり5秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
142. 当該被覆および検査手順を容器あたり3秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
143. 当該被覆および検査手順を容器あたり2秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
144. 当該被覆および検査手順を容器あたり1秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
145. 当該被覆および検査手順を容器あたり30秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
146. 当該被覆および検査手順を容器あたり25秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
147. 当該被覆および検査手順を容器あたり20秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
148. 当該被覆および検査手順を容器あたり15秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
149. 当該被覆および検査手順を容器あたり10秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
150. 当該被覆および検査手順を容器あたり8秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
151. 当該被覆および検査手順を容器あたり7秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
152. 当該被覆および検査手順を容器あたり6秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
153. 当該被覆および検査手順を容器あたり5秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
154. 当該被覆および検査手順を容器あたり4秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
155. 当該被覆および検査手順を容器あたり3秒以下の経過時間内で実施する、請求項129〜135のいずれかの発明。
156. 当該容器が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が少なくとも18カ月の保存可能期間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項129〜135のいずれかの発明。
157. 当該容器が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が少なくとも2年間の保存可能期間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項129〜135のいずれかの発明。
158. 当該容器が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が1年間の保存可能期間の間に環境大気圧の15%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項129〜135のいずれかの発明。
159. 当該容器が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が1年間の保存可能期間の間に環境大気圧の10%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項129〜135のいずれかの発明。
160. 放射線源を当該容器ポート経由で当該容器へと挿入することにより、および検出器を使用して放射線源から放射線を検出して当該被覆材の状態を検出することにより、検査を実行する、請求項129〜159のいずれかの発明。
161. さらに、当該被覆材および容器壁を通しての外側へのエネルギーの放射、および当該容器外部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項129〜160のいずれかの発明。
162. さらに、当該被覆材および容器壁からの当該放射線の反射、および当該容器内部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項129〜161のいずれかの発明。
163. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該被覆材の状態の検出からなる、請求項129〜162のいずれかの発明。
164. 当該容器内面上の被覆材の欠陥検出検査が、当該遮断膜被覆容器壁の気圧遮断性有効性の測定により実施される、請求項129〜163のいずれかの発明。
165. さらに、当該容器内面を通る大気中ガスの当該容器への透過が当該被覆材より低減される、請求項117〜164のいずれかの発明。
166. さらに、当該容器の内容物の当該内面への接触が当該被覆材より低減される、請求項117〜165のいずれかの発明。
167. 当該被覆材が、SiOx(本公式のxは約1.5〜約1.5、あるいは約1.5〜約2.6、あるいは約2)、元素状炭素、またはこれらの複合体からなる、請求項117〜166のいずれかの発明。
168. さらに、第2処理ステーションでの装填済み容器内面処理後の当該容器ホルダーからの当該容器の除去からなる、請求項77〜167のいずれかの発明。
169. さらに以下からなる、請求項168の発明:
除去手順後の、開口部および内面を定義する壁を有する第2容器の提供;
当該第2容器開口部の容器ポート上への装填。
170. さらに、第1処理ステーションにおける容器ポート経由での当該装填済み第2容器内面の処理からなる、請求項168〜169のいずれかの発明。
171. さらに、第1処理ステーションから第2処理ステーションへの当該容器ホルダーおよび装填済み第2容器の搬送からなる、請求項168〜170のいずれかの発明。
172. さらに、第2処理ステーションにおける容器ポート経由での当該装填済み第2容器の処理からなる、請求項168〜171のいずれかの発明。
173. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後60秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜172のいずれかの発明。
174. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後30秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜173のいずれかの発明。
175. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後25秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜174のいずれかの発明。
176. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後20秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜175のいずれかの発明。
177. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後15秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜176のいずれかの発明。
178. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後10秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜177のいずれかの発明。
179. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後5秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜178のいずれかの発明。
180. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後3秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜179のいずれかの発明。
181. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後1秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項77〜180のいずれかの発明。
III.B. 容器ホルダーへの処理機器の搬送またはその逆。
182. 容器を処理する方法であり、当該方法は以下からなる:
容器処理のための第1処理機器の提供;
容器処理のための第2処理機器の提供;
開口部および内面を定義する壁を有する容器の提供;
容器ポートからなる容器ホルダーの提供;
当該容器開口部の容器ポート上への装填;
容器ホルダーと動作可能に係合させるための当該第1処理機器の移動、またはその逆;
第1処理機器を使用する容器ポート経由での当該装填済み容器の内面の処理;
容器ホルダーと動作可能に係合させるための当該第2処理機器の移動、またはその逆;
第2処理機器を使用する容器ポート経由での当該装填済み容器の内面の処理;
183. さらに以下からなる、請求項182の発明:
容器処理のための第3処理機器の提供;
容器ホルダーと動作可能に係合させるための当該第3処理機器の移動、またはその逆;
第3処理機器を使用する容器ポート経由での当該装填済み容器の内面の処理;
184. 当該容器が通常管状である、請求項182または183の発明。
185. 当該開口部が当該容器の端部の1つに位置する、請求項182〜184のいずれかの発明。
186. 当該容器の原料が熱可塑性素材である、請求項182〜185のいずれかの発明。
187. 当該容器の原料がテレフタル酸ポリエチレンである、請求項182〜186のいずれかの発明。
188. 当該容器の原料がポリオレフィンである、請求項182〜187のいずれかの発明。
189. 当該容器の原料がポリプロピレンである、請求項182〜186のいずれかの発明。
190. 当該容器は、760トールの外圧に曝露しても実質上変形しない実質的全内部新真空に耐える強度を有する、請求項182〜189のいずれかの発明。
191. 当該容器が射出成形により作成される、請求項182〜190のいずれかの発明。
192. 当該容器がブロー成形により作成される、請求項182〜191のいずれかの発明。
193. 当該容器ホルダーがさらに、当該容器ポート上に装填済みの容器からガスを吸引するための真空ダクトからなる、請求項182〜192のいずれかの発明。
194. 当該容器ホルダーがさらに、当該真空ダクトと外部真空源との間を通過する真空ポートからなる、請求項193の発明。
195. 当該真空ポートが、外部真空源に対する密閉部を収受し成形するためのオーリングを有する、請求項194の発明。
196. 当該容器ホルダーがさらに、当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送するためのガス吸入ポートからなる、請求項182〜195のいずれかの発明。
197. 当該容器ホルダーが、当該容器ポートと通じ、それぞれ当該容器ポート上に装填済みの容器へとガスを搬送する/からガスを吸引するための、合成ガス吸入ポートおよび真空ポートからなる、請求項182〜196のいずれかの発明。
198. 当該容器ホルダーの原料が熱可塑性素材である、請求項182〜197のいずれかの発明。
199. 当該容器ポートが、容器開口部に対する密閉部を収受し成形するためのオーリングを有する、請求項182〜198のいずれかの発明。
200. 処理機器が、欠陥検出のため容器内面を検査するよう設定される、請求項182〜199のいずれかの発明。
201. 処理機器が、容器内面に被覆材を塗布するよう設定される、請求項182〜200のいずれかの発明。
202. 処理機器が、欠陥検出のため被覆材を検査するよう設定される、請求項182〜201のいずれかの発明。
203. 処理機器が、容器壁を通しての大気圧損失を測定するよう設定される、請求項182〜202のいずれかの発明。
204. 処理機器が、当該容器ホルダーを所定の位置で支持し当該処理機器により当該装填済み容器内面を処理する支持面からなる、請求項182〜203のいずれかの発明。
205. 当該容器開口部の容器ポート上への装填後に、当該容器ホルダーを搬送して当該支持面と係合させる、請求項204の発明。
206. 別の処理機器が、当該容器ホルダーを所定の位置で支持し当該別の処理機器により当該装填済み容器内面を処理する第2支持面からなる、請求項182〜205のいずれかの発明。
207. 当該容器開口部の容器ポート上への装填後に、当該容器ホルダーを搬送して第2支持面と係合させる、請求項206の発明。
208. 別の処理機器が、当該容器ホルダーを所定の位置で支持し別の処理機器により容器ポート経由で当該装填済み容器内面を処理する第3支持面からなる、請求項182〜207のいずれかの発明。
209. 当該容器開口部の容器ポート上への装填後に、当該容器ホルダーを搬送して第3支持面と係合させる、請求項208の発明。
210. さらに以下からなる、請求項182〜209のいずれかの発明:
当該第1および第2処理機器から離れて設置される容器処理のための第3処理機器の提供;
第2処理機器から第3処理機器への当該容器ホルダーおよび装填済み容器の搬送;および
第3処理機器による容器ポート経由での当該装填済み容器の内面の処理;
211. さらに、処理機器における当該容器開口部の当該容器ポート上への装填からなる、請求項182〜210のいずれかの発明:
212. さらに、処理機器における当該容器ポート経由での容器内面の被覆材の成形からなる、請求項182〜211のいずれかの発明。
213. 処理機器における処理が、欠陥検出のための容器内面の検査からなる、請求項182〜212のいずれかの発明。
214. 検出プローブを当該容器ポート経由で当該容器へと挿入することにより、および当該プローブを使用して当該容器内面の状態を検出することにより、検査を実行する、請求項213の発明。
215. さらに、当該容器壁および当該容器内面を通しての内側へのエネルギーの放射、および当該プローブによる当該エネルギーの検出からなる、請求項214の発明。
216. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該容器内面の状態の検出からなる、請求項214または215の発明。
217. 放射線源を当該容器ポート経由で当該容器へと挿入することにより、および検出器を使用して放射線源から放射線を検出して当該容器内面の状態を検出することにより、検査を実行する、請求項213〜216のいずれかの発明。
218. さらに、当該容器壁および当該容器内面を通しての外側へのエネルギーの放射、および当該容器外部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項213〜217のいずれかの発明。
219. さらに、当該容器内面からの当該放射線の反射、および当該容器内部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項215〜216のいずれかの発明。
220. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該容器内面の状態の検出からなる、請求項213〜219のいずれかの発明。
221. 処理機器における処理が、容器内面への被覆材の塗布からなる、請求項182〜220のいずれかの発明。
222. 処理機器における処理が、容器内面への流体として塗布される被覆材の塗布からなる、請求項182〜221のいずれかの発明。
223. 処理機器における処理が、容器内面上の被覆材の欠陥検出検査からなる、請求項182〜222のいずれかの発明。
224. 当該容器ポート経由での当該容器への検出プローブの挿入、および当該プローブを使用しの当該被覆材の状態の検出からなる、請求項221〜223のいずれかの発明。
225. さらに、当該容器壁を通しての内側へのエネルギーの放射、および当該プローブによる当該エネルギーの検出からなる、請求項221〜224のいずれかの発明。
226. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該被覆材の状態の検出からなる、請求項221〜225のいずれかの発明。
227. 当該容器が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が1年間の保存可能期間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検査手順の実行からなる、請求項223〜131のいずれかの発明。
228. 当該検査手順を容器あたり30秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
229. 当該検査手順を容器あたり25秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
230. 当該検査手順を容器あたり20秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
231. 当該検査手順を容器あたり15秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
232. 当該検査手順を容器あたり10秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
233. 当該被覆および検査手順を容器あたり30秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
234. 当該被覆および検査手順を容器あたり25秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
235. 当該被覆および検査手順を容器あたり20秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
236. 当該被覆および検査手順を容器あたり15秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
237. 当該被覆および検査手順を容器あたり10秒以下の経過時間内で実施する、請求項223〜227のいずれかの発明。
238. 当該容器が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が少なくとも18カ月の保存可能期間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項223〜227のいずれかの発明。
239. 当該遮断性被覆材が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が少なくとも2年間の保存可能期間の間に環境大気圧の20%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項223〜227のいずれかの発明。
240. 当該遮断性被覆材が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が1年間の保存可能期間の間に環境大気圧の15%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項223〜227のいずれかの発明。
241. 当該遮断性被覆材が初期真空化されその壁が環境大気に曝露している場合に、当該容器内の圧力が1年間の保存可能期間の間に環境大気圧の10%を超えて増加することを防止するのに有効であることを判定するための、当該容器内面全域の十分な地点における検出手順の実行からなる、請求項223〜227のいずれかの発明。
242. 放射線源を当該容器ポート経由で当該容器へと挿入することにより、および検出器を使用して放射線源から放射線を検出して当該被覆材の状態を検出することにより、検査を実行する、請求項223〜241のいずれかの発明。
243. さらに、当該被覆材および容器壁を通しての外側へのエネルギーの放射、および当該容器外部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項223〜242のいずれかの発明。
244. さらに、当該被覆材および容器壁からの当該放射線の反射、および当該容器内部に位置する検出器による当該エネルギーの検出からなる、請求項223〜243のいずれかの発明。
245. さらに、当該容器内面上の多数の密集点における当該被覆材の状態の検出からなる、請求項223〜244のいずれかの発明。
246. 当該容器内面上の被覆材の欠陥検出検査が、当該被覆容器壁の気圧遮断性有効性の測定により実施される、請求項223〜245のいずれかの発明。
247. さらに、当該容器内面を通る大気中ガスの当該容器への透過が当該被覆材より低減される、請求項212〜246のいずれかの発明。
248. さらに、当該容器の内容物の当該内面への接触が当該被覆材より低減される、請求項212〜247のいずれかの発明。
249. 当該被覆材が、SiOx(本公式のxは約1.5〜約2.9、あるいは約1.5〜約2.6、あるいは約2)、元素状炭素、 フッ素系物質、SiwOxCyHz(wは1、x約0.5〜2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9)、またはこれらの複合体からなる、請求項212〜248のいずれかの発明。
250. さらに、第2処理機器による装填済み容器内面処理後の当該容器ホルダーからの当該容器の除去からなる、請求項182〜249のいずれかの発明。
251. さらに以下からなる、請求項250の発明:
除去手順後の、開口部および内面を定義する壁を有する第2容器の提供;
当該第2容器開口部の容器ポート上への装填。
252. さらに、第1処理機器による容器ポート経由での当該装填済み第2容器内面の処理からなる、請求項250〜251のいずれかの発明。
253. さらに、第1処理機器から第2処理機器への当該容器ホルダーおよび装填済み第2容器の搬送からなる、請求項250〜252のいずれかの発明。
254. さらに、第2処理機器による容器ポート経由での当該装填済み第2容器の処理からなる、請求項250〜253のいずれかの発明。
255. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後60秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜254のいずれかの発明。
256. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後30秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜255のいずれかの発明。
257. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後25秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜256のいずれかの発明。
258. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後20秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜257のいずれかの発明。
259. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後15秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜258のいずれかの発明。
260. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後10秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜259のいずれかの発明。
261. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後5秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜260のいずれかの発明。
262. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後3秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜261のいずれかの発明。
263. さらに、当該容器のモールド内での成形、当該容器の当該モールドからの除去、および当該容器の当該モールドからの除去後1秒以内の当該容器開口部の当該容器ポートへの装填からなる、請求項182〜262のいずれかの発明。
III.C. 被覆ステーションへと/から管を搬送するための把持部の使用法
264. 第1容器のPECVD処理の方法であり、以下からなる:
開口端、閉口端、内面を有する第1容器の提供;
当該第1容器の閉口端を選択的に把持および解除するよう設定される、少なくとも1つの第1把持部;
当該第1把持部を有する当該第1容器の閉口端の把持;
第1把持部を利用しての、第1容器開口端を装填するよう設定される容器ホルダー付近への第1容器の搬送;
第1把持部を利用しての、第1容器を軸方向への前進、その開口端の容器ホルダー上への装填、当該容器ホルダーと当該第1容器内部の間の通過密閉の確立;
当該容器ホルダーを通しての少なくとも1種のガス状反応物質の当該第1容器への導入;
第1容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下での、プラズマの第1容器内での生成;
当該容器ホルダーからの第1容器の装填解除;および
第1把持部またはその他の把持部の使用しての、第1容器の当該容器ホルダーから軸方向に離しての搬送;および
当該容器ホルダーから軸方向に離れるよう移動させるのに使用した把持部からの第1容器の解除。
265. さらに以下からなる、請求項264の発明:
第1容器とは異なる反応容器、開口端および内腔を有する反応容器の提供;
当該反応容器の開口端の当該容器ホルダー上への装填、当該容器ホルダーと当該反応容器の内腔の間の通過密閉の確立;
PECVD反応物質導管の当該内腔内への提供;
PECVD反応生成物の堆積の少なくとも一部を当該反応物質導管から除去するのに効果的な条件下での、プラズマの当該反応容器内腔内での生成;
当該容器ホルダーからの反応容器の装填解除;および
当該容器ホルダーから離しての反応容器の搬送。
266. さらに以下からなる、請求項264または265の発明:
少なくとも1つの第2把持部の提供;
少なくとも第1および第2把持部の一連のコンベヤーへの動作可能な接続;
開口端、閉口端、内面を有する第2容器の提供;
当該第2容器の閉口端を選択的に把持および解除するよう設定される把持部の提供;
当該把持部を有する当該第2容器の閉口端の把持;
当該把持部を利用しての、第2容器開口端を装填するよう設定される容器ホルダー付近への第2容器の搬送;
当該把持部を利用しての、第2容器を軸方向への前進、その開口端の容器ホルダー上への装填、当該容器ホルダーと当該第2容器内部の間の通過密閉の確立;
当該容器ホルダーを通しての少なくとも1種のガス状反応物質の当該第2容器への導入;
第2容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下での、第2容器内でのプラズマの生成;
当該容器ホルダーからの第2容器の装填解除;および
第2把持部またはその他の把持部の使用しての、第2容器の当該容器ホルダーから軸方向に離しての搬送;および
当該容器ホルダーから軸方向に離れるよう移動させるのに使用した把持部からの第2容器の解除。
IV. 容器製造のためのPECVD装置
IV.A. 容器ホルダー、内部電極、反応チャンバとしての容器を含むPECVD装置
267. 以下からなるPECVD装置:
処理のために容器を装填位置に収受するためのポートを有する容器ホルダー;
容器ホルダー上に装填済みの容器内に収受されるよう位置付けられる内部電極;
容器ホルダー上に装填済みの容器を収受するよう位置付けられる内部部位を有する、外部電極;および
少なくとも1つの内部および外部電極へと電流を交流させ、プラズマ反応チャンバを定義する当該容器である、当該容器ホルダーに装填済みの容器内にプラズマを生成する、電力供給装置;
268. 当該内部電極が、当該容器ホルダーに装填済みの容器内へと通常同心円状に伸延するよう位置付けされる遠位部を有するプローブである、請求項267の発明。
268a.さらに、反応性ガス源、および当該反応性ガス源から当該容器ホルダーに装填済みの容器へと反応性ガスを供給するガス供給装置からなる、請求項267または268の発明。
269. 当該ガス供給装置が当該内部電極の遠位部に位置する、請求項268aの発明。
270. さらに、当該反応性ガスを反応性ガス源から当該内部電極の遠位部へと搬送するための、当該内部電極内の経路からなる、請求項268aまたは269の発明。
271. さらに、搬送ガスを搬送ガス源から当該内部電極の遠位部へと搬送するための、当該内部電極内の搬送ガス源および経路からなる、請求項267〜270のいずれかの発明。
272. 当該外部電極が通常シリンダー状であり、当該容器ホルダーに装填済みの容器周辺に通常同心円状に伸延するよう位置付られる、請求項267〜271のいずれかの発明。
273. 当該外部電極が端部蓋からなる、請求項267〜272のいずれかの発明。
274. 当該端部蓋と当該容器ホルダーに装填済みの容器の遠位端との間で定義されるギャップが、本質的に均一である、請求項273の発明。
275. 当該外部電極と当該容器ホルダーに装填済みの容器との間で定義されるギャップが、本質的に均一である、請求項267〜274のいずれかの発明。
276. 当該被覆材が、SiOx層およびSiwOxCyHz層(wは1、本公式のx約0.5〜約2.4、yは約0.6〜約3、zは2〜約9)からなる、請求項117〜167または212〜168のいずれかの発明。
278. 当該SiwOxCyHz層が、当該容器内面上に堆積されるSiOx層の上に堆積される、請求項276または277の発明。
279. 当該SiOx層が、当該SiwOxCyHz層と当該容器内面との間に堆積される、請求項276または277の発明。
280. 当該SiOx層が、当該SiwOxCyHz層に隣接して堆積される、請求項276〜279のいずれかの発明。
281. 当該SiOx層が、当該容器内面に隣接して堆積される、請求項276〜280のいずれかの発明。
282. 当該SiwOxCyHz層が、当該容器内面に隣接して堆積される、請求項276〜280のいずれかの発明。
283. 当該SiOx層およびSiwOxCyHz層が、SiwOxCyHzのSiOxへの段階的合成物である、請求項280〜282のいずれかの発明。
284. 当該容器がさらに閉包部からなる、請求項267〜283のいずれかの発明。
285. 当該閉包部が、当該容器内腔に曝露する内部対向表面からなる、請求項284の発明。
286. 当該閉包部が、当該容器壁内面に接触する壁接触表面からなる、請求項284または285の発明。
287. 当該閉包部が停止部材からなる、請求項284〜286のいずれかの発明。
288. 当該閉包部が、停止部材を保持する遮蔽体からなる、請求項287の発明。
289. 当該停止部材が、当該容器壁内面に接触する壁接触表面からなる、請求項287または288の発明。
290. 当該停止部材が、当該容器内腔に曝露する内部対向表面からなる、請求項284〜289のいずれかの発明。
290a.さらに、真空チャンバを定義する装填済み容器である、当該容器ホルダー上の装填済み容器から、ガスを除去するための真空源からなる、請求項267〜290のいずれかの発明。
291. 当該閉包部の壁接触表面に接触する当該容器壁の一部が、SiwOxCyHz潤滑性被覆材で被覆されている、請求項284〜290aのいずれかの発明。
301. 当該SiwOxCyHz被覆材がPECVDにより塗布される、請求項284〜300のいずれかの発明。
302. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が0.5〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
303. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が100〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
304. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が200〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
305. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が500〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
306. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が1000〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
307. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が2000〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
308. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が3000〜5000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
309. 当該SiwOxCyHz被覆材の層厚が4000〜10000nmである、請求項291〜301のいずれかの発明。
310. 以下からなるPECVD装置:
処理のために容器を装填位置に収受するためのポートを有する容器ホルダー;
容器ホルダー上に装填済みの容器内に収受されるよう位置付けられる内部電極;
容器ホルダー上に装填済みの容器を収受するよう位置付けられる内部部位を有する、外部電極;
内部および外部電極へと電流を交流させ、当該容器ホルダーに装填済みの容器内にプラズマを生成する、電力供給装置;
当該ポートに装填済みの容器内部から/へとガスを移送して閉口チャンバを定義する、ガス排出管;
反応性ガス源;および
反応性ガス源から当該容器ホルダーに装填済みの容器へと反応性ガスを供給するガス供給装置。
IV.B. 被覆ステーションへと/から管を搬送するための把持部を使用するPECVD装置
311. 開口端、閉口端、内腔を有する第1容器のPECVD処理のための装置であり、以下からなる:
容器の開口端を装填するよう設定される、容器ホルダー;
当該容器の閉口端を選択的に把持および解除し、および当該容器の閉口端を把持しながら当該容器を当該容器ホルダー付近へと搬送するよう設定される、第1把持部;
当該容器ホルダー上の装填部、当該容器ホルダーと当該第1容器の内腔の間の通過密閉を確立するよう設定される当該装填部;
当該容器ホルダーを通して少なくとも1種のガス状反応物質を当該第1容器へと導入するよう、動作可能に接続される、反応物質供給装置;
第1容器の内面上に当該反応物質の反応生成物を成形するのに効果的な条件下で、第1容器内でプラズマを生成するよう設定された、プラズマ生成装置;
当該容器ホルダーから第1容器を装填解除するための容器解除機;および
第1容器を当該容器ホルダーから軸方向に離して搬送し、その後第1容器の装填を解除するよう設定される、第1把持部またはその他の把持部である把持部。
312. さらに以下からなる、請求項311の発明:
当該第1容器とは異なる反応容器、開口端と内腔を有し容器ホルダー上に開口端を装填するよう設定される当該反応容器、および当該容器ホルダーと当該反応容器の内腔との間の通過密閉の確立;および
当該反応容器が当該容器ホルダー上に装填済みである場合に、当該反応容器の内腔内の場所へ位置付けられる、PECVD反応物質導管;
当該プラズマ生成装置は、PECVD反応生成物の堆積の少なくとも一部を当該反応物質導管から除去するのに効果的な条件下で、プラズマを当該反応容器内腔内で生成するよう設定される。
313. さらに以下からなる、請求項311または312の発明:
複数把持部を搬送するよう設定される、一連のコンベヤー;
当該容器の閉口端を選択的に把持および解除し、および当該容器の閉口端を把持しながら当該容器を当該容器ホルダー付近へと搬送するよう設定される、第2把持部;
当該一連のコンベヤーに動作可能に接続され、一連の少なくとも2つの容器をへ当該容器ホルダー付近と連続的に搬送し、当該容器ホルダー上に当該容器開口端を装填し、当該容器ホルダーと当該第2容器内部の間の通過密閉を確立し、当該容器を当該容器ホルダーから離して軸方向に搬送し、当該容器を当該把持部から解除するよう設定される、第1および第2把持部。
V.B. 容器の制限的開口部(シリンジキャピラリー)を被覆するPECVD被覆材
316. 通常管状である処理対象容器の制限開口部の内面をPECVDにより被覆する方法であり、当該方法は以下からなる:
外面、内腔を定義する内面、内径を有する大開口部、内面により定義され大開口部の内径より小さな内径を有する制限的開口部を含む、通常管状である処理される容器の提供;
内腔および処理容器開口部を有する処理容器の提供;
処理される容器の内腔と処理容器の内腔の間の通過を制限的開口部経由で確立するための、当該処理容器開口部の処理される容器の制限的開口部への接続;
処理される容器の内腔および処理容器の内腔内での、少なくとも一部の真空吸引;
第1開口部を通り、その後処理される容器の内腔、制限的開口部、処理容器の内腔へと通る、PECVD反応物質の流入;
制限的開口部内面上にPECVD反応生成物を堆積するのに効果的な条件下での、制限的開口部に隣接してのプラズマの生成。
317. 当該処理される容器がシリンジバレルである、請求項316の方法。
318. 当該制限的開口部が第1取付部を有し、当該処理容器開口部が第1取付部に装填するよう適合される第2取付部を有し、処理容器の内腔と処理される容器の内腔との間の通過を確立する、請求項316または317の方法。
319. 第1および第2取付部がルアーロック取付部である、請求項318の方法。
320. 少なくとも1つの第1および第2取付部の原料が導電性素材である、請求項319の方法。
321. 少なくとも1つの第1および第2取付部の原料が導電性素材である、請求項299、319、または320の方法。
322. 少なくとも1つの第1および第2取付部の原料がステンレス鋼である、請求項299、319、320、または299a2の方法。
323. 第1および第2ルアーロック取付部がそれぞれ雄部および雌部である、請求項319の方法。
324. さらに第1および第2取付部の間に位置する密閉部からなる、請求項299、319、または323の方法。
325. 当該密閉部がオーリングからなる、請求項324の方法。
326. 当該取付部の1つが、ねじ山を有し軸方向対向の通常溝付き釘第1当接部を定義するロックカラーからなり、もう1つの当該取付部が、当該取付部が係合する場合に当該第1当接部に向き合う軸方向対向の通常溝付き釘第2当接部からなる、請求項319、323、324、または325の方法。
327. さらに第1および第2当接部の間で係合する溝付き密閉部からなる、請求項326の方法。
328. 制限的開口部経由で、処理される容器の内腔と処理容器の内腔の間に確立された通過は、少なくとも実質上耐漏出性である、請求項316〜318のいずれかの方法。
329. 処理される容器の大開口部を通るPECV反応物質の流入が以下により実施される、請求項316〜328のいずれかの方法。
内部経路、近位端、遠位端、および当該遠位端に隣接し当該内部経路へと通じる遠位開口部を有する、通常管状である内部電極の提供;
処理される容器の大開口部に隣接して/の内部への、当該電極の遠位端の挿入;および
処理される容器の内腔への当該電極の遠位開口部を通しての、反応性ガスの供給。
330. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の半分未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
331. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の40%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
332. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の30%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
333. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の20%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
334. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の15%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
335. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の10%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
336. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の8%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
337. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の6%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
338. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の4%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
339. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の2%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
340. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部から当該制限的開口部までの距離の1%未満の箇所に位置する、請求項329の方法。
341. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部の内部に位置する、請求項329の方法。
342. 当該電極の遠位端が、当該反応性ガス供給時に、当該処理される容器の大開口部の外部に位置する、請求項329の方法。
343. 当該電極の遠位端が、当該制限的開口部の遠位に位置する、請求項329〜342のいずれかの方法。
344. PECVD反応生成物の堆積中に、当該電極が軸方向に移動する、請求項329〜343のいずれかの方法。
345. 当該プラズマが、当該シリンジ内腔および当該制限的開口部の実質上全域に伸延する、請求項316〜344のいずれかの方法。
346. 当該プラズマが、当該シリンジ内腔、当該制限的開口部、および当該処理容器内腔の実質上全域に伸延する、請求項316〜345のいずれかの方法。
347. 当該プラズマが、当該シリンジ内腔および当該制限的開口部の全域において実質上均一色を有する、請求項316〜346のいずれかの方法。
348. 当該プラズマが、当該シリンジ内腔、当該制限的開口部、および当該処理容器内腔の全域において実質上均一色を有する、請求項316〜347のいずれかの方法。
349. 当該プラズマが、当該シリンジ内腔および当該制限的開口部の全域において実質上不変である、請求項316〜348のいずれかの方法。
350. 当該プラズマが、当該シリンジ内腔、当該制限的開口部、および当該処理容器内腔の全域において実質上不変である、請求項316〜349のいずれかの方法。
351. 当該処理容器の容器開口部が、唯一の開口部である、請求項316〜350のいずれかの方法。
352. 当該処理容器内腔の容量が、当該処理される容器250の内腔300の容量の3倍未満である、請求項316〜351のいずれかの方法。
353. 当該処理容器内腔の容量が、当該処理される容器の内腔の容量の2倍未満である、請求項316〜352のいずれかの方法。
354. 当該処理容器内腔の容量が、当該処理される容器の内腔の容量未満である、請求項316〜353のいずれかの方法。
355. 当該処理容器内腔の容量が、当該処理される容器の内腔の容量の50%未満である、請求項316〜354のいずれかの方法。
356. 当該処理容器内腔の容量が、当該処理される容器の内腔の容量の25%未満である、請求項316〜355のいずれかの方法。
357. さらに、当該処理される容器250の内腔300内を少なくとも一部真空化する前の、容器支持体上への当該管状容器の処理される容器の大開口部の装填からなる、請求項316〜356のいずれかの方法。
358. さらに、当該容器支持体のポート上への当該処理される容器の大開口部の装填からなる、請求項357の方法。
359. さらに、当該容器支持体上に装填済みの当該処理される容器内への、内部電極の位置付けからなる、請求項357または358の方法。
360. さらに、当該容器支持体に装填中の当該処理される容器を収受するよう位置付けられる内部部位を有する外部電極に関しての、当該処理される容器の位置付けからなる、請求項357、358、または359の方法。
361. さらに、当該容器支持体上に装填済みの当該処理される容器内でプラズマ生成するために当該外部電極へと電流を交流させる、電力供給装置の加圧からなる、請求項357、358、359、または330の方法。
362. さらに当該内部電極の接地からなる、請求項361の発明。
363. さらに、当該真空チャンバを定義する、処理される容器の内部を真空にするための真空源からなる、請求項357、358、359、360、または361の方法。
364. さらに、当該処理される容器を包囲する第2真空チャンバの提供からなる、請求項363の発明。
365. 当該容器内部が当該第2真空チャンバより低い真空レベルに維持される、請求項364の方法。
366. 当該処理容器が、当該容器支持体内の真空ポートへと通じる導管である、請求項363の方法。
367. さらに、反応性ガス源、および当該反応性ガス源から当該容器支持体に装填済みの当該処理される容器へと反応性ガスを供給するガス供給装置からなる、請求項357〜366のいずれかの発明。
VI. 容器の検査
VI.A. 被覆前および被覆後検査を含む容器処理
399. 開口部および内面を定義する壁を有するモールドプラスチック容器を処理する、容器処理方法であり、当該方法は以下からなる:
当該容器内面への被覆材のモールド時の欠陥検出のための検査;
モールド時の当該容器検査の後の当該容器内面への被覆材の塗布;
当該被覆材の欠陥検出のための検査。
400. 開口部および内面を定義する壁を有するモールドプラスチック容器を処理する、容器処理方法であり、当該方法は以下からなる:
当該容器内面への被覆材のモールド時の欠陥検出のための検査;
モールド時の当該容器検査の後の当該容器への遮断性被覆材の塗布;および
当該遮断性被覆材の塗布後の当該容器内面の欠陥検出のための検査;
401. モールド時の当該容器内面が、当該容器内面上の多数の密集点において検査される、請求項400の発明。
402. 当該遮断性被覆材の塗布後の当該容器内面が、当該容器内面上の多数の密集点において検査される、請求項400または401の発明。
403. 当該容器内面上の多数の密集点が、当該モールド時の容器上に位置し/で検査され、当該遮断性被覆材で被覆され、当該遮断性被覆材の塗布後に再検査される、請求項400、401、または402の発明。
VI.B. 遮断層を通しての容器壁ガス放出検出による容器検査
404. 蒸気をガス放出する素材上の遮断膜を検査する方法であり、以下からなる:
ガス放出するおよび少なくとも一部が遮断層である物質の検体の提供;および
当該放出ガスの測定。
405. 当該ガス放出物質がポリマー化合物からなる、請求項404の方法。
406. 当該ガス放出物質が熱可塑性化合物からなる、請求項404または405の方法。
407. 当該ガス放出物質がポリエステルからなる、請求項404〜406のいずれかの方法。
408. 当該ガス放出物質がテレフタル酸ポリエチレンからなる、請求項404〜407のいずれかの方法。
409. 当該ガス放出物質がポリオレフィンからなる、請求項404〜408のいずれかの方法。
410. 当該ガス放出物質がポリプロピレンからなる、請求項404〜409のいずれかの方法。
411. 当該ガス放出物質が環状オレフィン共重合体からなる、請求項404〜410のいずれかの方法。
411a.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の水への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411b.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の水蒸気への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411c.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の相対湿度35%〜100%である大気への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411d.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の相対湿度40%〜100%である大気への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411e.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の相対湿度40%〜50%である大気への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411f.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の酸素への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411g.さらに、当該放出ガスを測定する前の当該遮断層の窒素への接触からなる、請求項404〜411のいずれかの方法。
411h.当該接触時間が10秒〜1時間である、請求項411a〜411gのいずれかの方法。
411i.当該接触時間が1分〜30分である、請求項411a〜411gのいずれかの方法。
411j.当該接触時間が5分〜25分である、請求項411a〜411gのいずれかの方法。
411k.当該接触時間が10分〜20分である、請求項411a〜411gのいずれかの方法。
411l.当該放出ガスの圧力測定値が0.1トール〜100トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411m.当該放出ガスの圧力測定値が0.2トール〜50トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411n.当該放出ガスの圧力測定値が0.5トール〜40トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411o.当該放出ガスの圧力測定値が1トール〜30トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411p.当該放出ガスの圧力測定値が5トール〜100トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411q.当該放出ガスの圧力測定値が10トール〜80トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411r.当該放出ガスの圧力測定値が15トール〜50トールである、請求項404〜411kのいずれかの方法。
411s.当該放出ガスの温度測定値が0℃〜50℃である、請求項404〜411rのいずれかの方法。
411t.当該放出ガスの温度測定値が0℃〜21℃である、請求項404〜411rのいずれかの方法。
411u.当該放出ガスの温度測定値が5℃〜20℃である、請求項404〜411rのいずれかの方法。
412. 当該ガス放出物質を、外面および内面を有する壁を有し当該内面が内腔を封入する容器の形態で提供する、請求項404〜411uのいずれかの方法。
413. 当該遮断層が当該容器壁の内面に付着する、請求項412の方法。
414. 当該内腔を少なくとも一部真空化することにより、当該遮断層において圧力差を提供する、請求項412または413の方法。
415. さらに、当該内腔の少なくとも一部を真空化するための、当該内腔のダクト経由での真空源との接続からなる、請求項412〜414のいずれかの方法。
416. さらに、当該内腔と当該真空源との間を通過するガス放出測定函の提供からなる、請求項415の方法。
417. 時間間隔ごとに当該遮断層を通してガス放出されるガス放出物質の容量を判定することで、測定を実施する、請求項404〜416のいずれかの方法。
418. 微小流量技術を用いて測定を実施する、請求項404〜417のいずれかの方法。
419. ガス放出物質の質量流量率を測定することにより、測定を実施する、請求項404〜418のいずれかの方法。
420. 作業の分子流モードにおいて、測定を実施する、請求項404〜419のいずれかの方法。
420a. 以下により測定を実施する、請求項404〜420のいずれかの方法。
ガス放出物質の存在下で移動または異なる形状へと変化する性質を有する少なくとも1つのマイクロカンチレバーの提供;
当該マイクロカンチレバーを移動または異なる形状へと変化させるのに有効である条件下でのマイクロカンチレバーのガス放出材質への曝露;および
当該移動または異なる形状の検出。
420b. マイクロカンチレバーのガス放出への曝露前および後のマイクロカンチレバーの形状変化部からのエネルギー入射光線の照射により、およびカンチレバーから離れた点での当該照射光線の偏差結果の測定により、移動または異なる形状を検出する、請求項420aの方法。
420c.当該エネルギー入光線を、光子光線、電子光線、またはこれら2種以上の複合体から選択する、請求項420bの方法。
420d.当該エネルギー入光線が光子光線である、請求項420bの方法。
420e.当該エネルギー入光線がレーザービームである、請求項420bの方法。
420f. 以下により測定を実施する、請求項404〜420のいずれかの方法。
ガス放出物質の存在下で異なる周波数に共鳴する少なくとも1つのマイクロカンチレバーの提供;
当該マイクロカンチレバーを異なる周波数で共鳴させるのに有効である条件下でのマイクロカンチレバーのガス放出材質への曝露;および
異なる共鳴周波数の検出。
420g.当該マイクロカンチレバーをガス放出へと曝露する前および後にエネルギーを当該マイクロカンチレバーへと入力してその共鳴を誘導することにより、および当該マイクロカンチレバーをガス放出へと曝露する前および後に共鳴周波数の間の差異を判定することにより、当該異なる共鳴周波数を検出する、請求項420fの方法。
420h.当該異なる共鳴周波数を調和振動センサーを使用して検出する、請求項420gの方法。
421. 当該ガス放出物質が膜の形態で提供される、請求項404の方法。
422. 当該遮断層が、ガス放出物質の表面の全部または一部を被覆する、請求項404〜421のいずれかの方法。
425. 当該遮断層がSiOx(xは約1.5〜約2.9)からなる、請求項404〜424のいずれかの方法。
426. 当該遮断層が本質的にSiOx(xは約1.5〜約2.9)からなる、請求項404〜425のいずれかの方法。
427. 当該遮断層の層厚が500nm未満である、請求項404〜426のいずれかの方法。
428. 当該遮断層の層厚が300nm未満である、請求項404〜427のいずれかの方法。
429. 当該遮断層の層厚が100nm未満である、請求項404〜428のいずれかの方法。
430. 当該遮断層の層厚が80nm未満である、請求項404〜429のいずれかの方法。
431. 当該遮断層の層厚が60nm未満である、請求項404〜430のいずれかの方法。
432. 当該遮断層の層厚が50nm未満である、請求項404〜431のいずれかの方法。
433. 当該遮断層の層厚が40nm未満である、請求項404〜432のいずれかの方法。
434. 当該遮断層の層厚が30nm未満である、請求項404〜433のいずれかの方法。
435. 当該遮断層の層厚が20nm未満である、請求項404〜434のいずれかの方法。
436. 当該遮断層の層厚が10nm未満である、請求項404〜435のいずれかの方法。
437. 当該遮断層の層厚が5nm未満である、請求項404〜436のいずれかの方法。
438. 当該放出ガスの測定を、当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下で実施する、請求項404〜437のいずれかの方法。
439. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、1分未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
440. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、50秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
441. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、40秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
442. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、30秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
443. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、20秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
444. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、15秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
445. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、10秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
446. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、8秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
447. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、6秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
448. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、4秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
449. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、3秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
450. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、2秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
451. 当該遮断層の有無を判別するのに効果的な条件下に、1秒未満の試験時間が含まれる、請求項438の方法。
452. 当該遮断層の有無の測定を、少なくともシックスシグマレベルの確実性で確認する、請求項438〜451のいずれかの方法。
453. 当該測定が少なくともシックスシグマレベルの確実性を有する、請求項438〜452のいずれかの方法。
454. 当該遮断層の低圧側の当該放出ガスの測定を、当該遮断層の遮断改善度(BIF)を判定するのに効果的な条件下で実施し、遮断層なしの同一素材と比較する、請求項404〜453のいずれかの方法。
455. 多くの異なるガスのガス放出を測定する、請求項404〜454のいずれかの方法。
456. 実質上すべての放出ガスのガス放出を測定する、請求項404〜455のいずれかの方法。
457. 実質上すべての放出ガスのガス放出を同時に測定する、請求項404〜456のいずれかの方法。
458. 実質上すべての放出ガスのガス放出を同時に測定する、請求項404〜457のいずれかの方法。
以下の参照符号を図面内で使用する: