JP2012524573A - 外部水溜めを備えたアイロン - Google Patents

Abstract

本発明は、家庭用電気器具、厳密にはアイロンかけ電気器具において、送給管を介して当該電気器具に接続されている外部水溜め（１２）を有するアイロンかけ電気器具を提案している。アイロンかけユニット（１１）へ搬送された水は、独立に熱せられる内板（１８）に直接曝され、そこで直接に蒸気が発生し、発生した蒸気は、温度が独立に調節されている底板（１７）へ搬送される。独立に熱せられる内板は、上下に重ねて配置されている一対のカバー（２２、２３）を備えている。第１カバー（２２）は、その開口部（２４）と流路（２８）を通して水を受け入れ、第１カバーの真下に、内部空間（３１）を画定するように延在する第２カバー（２３）は、水の蒸気発生板への搬送を許容する。蒸気は、次いで、底板に到達して、アイロンかけされる布物に浴びせられる。
【選択図】図１

Description

本発明は、別体の水溜めと、アイロン底板の温度安定性に悪影響を及ぼすことなしに大量の蒸気を発生させるための追加の内板と、を有するアイロンかけユニットに関する。

先行技術には、外部の溜めを備えた各種アイロンかけ電気器具がある。外部溜めユニットを備えたアイロンは、量及び圧力の両方の点から見て十分な蒸気を提供することが好都合である。アイロンかけ電気器具にありがちな問題は、アイロンかけの最中の安定性及び利用可能性の点から見た蒸気並びに当該蒸気の圧力の不適切さである。これを克服するため、よく用いられる手法は、産業用アイロンかけ電気器具の場合の様に、独立に加圧される外部蒸気発生ユニットを採用することである。その様な外部蒸気発生器を備えたアイロンかけ電気器具の潜在的な欠点は、蒸気溜めが、適切レベルまで熱せられるには、底板よりも最大で５倍乃至６倍多く時間がかかることである。もう１つの欠点は、溜めを補充する前に溜めが冷めるまで待たなくてはいけないことである。また、その様な溜めは、嵩ばり、家庭で使用するのに適さないことが知られている。

本発明は、定常蒸気を所望の量だけ発生させる外部水溜めにおいて、蒸気を溜め内で発生させないことで、外部溜めの蒸気発生に向けた加圧を必要としない外部水溜めを採用している。

本発明は、水が最初に上底板部へ搬送され、そこから複数の場所を経由して下底板部に分配され、その分配中、下底板部に接する前に蒸気相への変換が起こる、改良されたシステムを提案している。こうして発生し下底板部へ搬送される蒸気は、下底板部の温度又はそこに蓄積される熱とはにある。

フランス特許第２８５３６７１号は、同じく、外付け水溜めを有するアイロンかけ電気器具であって、当該水溜めから水が同器具内の蒸発室へ送り込まれるアイロンかけ電気器具を示唆している。この手法には、水蒸気を加圧状態で貯蔵し、いくらでも必要なだけの水蒸気をその底板へ搬送することが伴う。他方、本発明は、追加の内板を用いることで、蒸気を加圧のために貯蔵したり滞留させたりせず底板への到達前に直接発生させるという単純な効果を提供している。本発明は、従って、ちょうど所望の水量が外部水溜めから搬送されて直接に蒸気に転換され、転換された蒸気が貯蔵されることも或る一定の程度まで加圧されることもなく消費される、格段に効率的な蒸気発生システムを示唆している。蒸気の発生は、使用者が要求するだけの量が引き起こされ、なお且つ底板に蓄積された熱を消費することなく、ひいては底板の温度安定性への悪影響の存在なしに引き起こされる。外部溜めは、加圧されないため、アイロンかけ中に補充することができる。更に、減った水量を回復させるべく内部蒸気室を定期的に監視するということは必要ない。アイロンかけ中に補充できるようにした外部溜めを有するアイロンかけ電気器具では、水を蒸気発生器まで搬送するためにポンプ付きの追加の溜めが必要になるというのでは、製品の末端使用者価格を高騰させるという点から見て最も顕著な不都合である。本発明は、アイロンかけ中に補充でき且つ経済的に妥当な価格のアイロンによって、上述の欠点全てを打開する。

フランス特許第２８５３６７１号

本発明の目的の１つは、改善された蒸気容量を有し、蒸気を底板への熱供給から独立に発生させる、アイロンかけ電気器具を提供することである。

本発明のもう１つの目的は、蒸気発生プロセスによってその温度を変化させない底板を有し、当該温度は、独立に、アイロンかけされる布の種類に最適に調節される、アイロンかけ電気器具を提供することである。

本発明のもう１つの目的は、所望の蒸気量を直接に発生させ、発生した蒸気を蓄積も加圧もせず即座に消費させ、その結果、より効率的な瞬時蒸気発生システムをもたらす、アイロンかけ電気器具を提供することである。このことは、蒸気の貯蔵及び加圧用の容器を持つ必要性がもはやなくなったことで、アイロンの重さを少なくすることができるという点でなおいっそう好都合である。

本発明のもう１つの目的は、ちょうど所望の水量が、外部水溜めから搬送されて、瞬時に、蒸気に転換され、転換された蒸気が貯蔵されることも或る一定の程度まで加圧されることもなく消費されるという具合に蒸気発生を達成させる、アイロンかけ電気器具を提供することである。

本発明は、家庭用電気器具、厳密にはアイロンかけ電気器具において、送給管を介して当該電気器具に接続されている外部水溜めを有するアイロンかけ電気器具を提案している。アイロンかけユニットへ搬送された水は、独立に熱せられる内板に直接曝され、そこで直接に蒸気が発生し、発生した蒸気は、温度が独立に調節されている底板へ搬送される。独立に熱せられる内板は、上下に重ねて配置されている一対のカバーを備えている。第１カバーは、その開口部と流路を通して水を受け入れ、第１カバーの真下に、内部空間を画定するように延在する第２カバーは、水の蒸気発生板への搬送を許容する。相変換が、そのうち瞬時に起こる。蒸気は、次いで、底板に到達して、アイロンかけされる布物に浴びせられる。底板の温度は、一定に保つことができ、また、−絹の様な或る特定の布地種類については−驚くほど低いレベルであって、蒸気発生が実際に起こり得ないレベルに保つことができる。

添付図面は、アイロンを例示することのみを目的に与えられており、同アイロンの先行技術に勝る利点は、以上に概説したが、以下では詳細に説明してゆく。

本発明によるアイロンかけ電気器具の側面断面図を示している。 本発明によるアイロンかけ電気器具の内板の上カバーを示している。 本発明による上カバーと下カバーの間の濾過手段を示している。 本発明によるアイロンかけ電気器具の内板の下カバーを示している。 本発明によるアイロンかけ電気器具の上板である内板を示している。 本発明によるアイロンかけ電気器具の底板を示している。 本発明による上板のカバーの代わりの実施形態を示している。 組み立てられた形態にある、本発明による上板のカバーの前記代わりの実施形態を示している。

これより、以上に概説されている図面を参照してゆくが、本発明は、水が室温で且つ大気圧で収容されている外部水溜め（１２）を有するアイロンかけ装置（１１）を提案している。水は、ポンプ（１３）によって供給管（１４）を通してアイロンかけ電気器具（１１）へ送り込まれる。アイロンかけ電気器具へ搬送されるべき水の量を調節するのに、蒸気調節ボタン（１５）が典型的に使用されている。搬送されるべき水の量は、ポンプ（１３）速度を調節することによるか又は従来型の機械的手段を介して変えることができる。アイロンかけ電気器具（１１）へ送り込まれた水は、アイロンかけ電気器具（１１）の中の送給管（１６）によって供給される。送給管は、液相で室温の水を搬送する。

本発明によれば、外部水溜め（１２）から送り込まれた水を、直接に、物理的接触によって蒸気に転換するために、通常の底板（１７）に加え、熱せられる内板（１８）が提供されている。内板（１８）と底板（１７）は、閉じた熱回路を回避するべく互いとの最小限の物理的接触を有するものであって、電気抵抗の形態をしている個別の加熱手段（２０、１９）によって独立に熱せられる。蒸気消費が継続されている限り、前記内板（１８）の温度が調整されるようにサーモスタット（２１）が利用されている。内板（１８）は部分的に底板（１７）と直接の熱的連通に置かれ、前記底板（１７）の温度は独立に設定されることで、異なった布地特質の特別な布物をアイロンかけすることが実施可能になる。例えば絹物については非常に低いアイロンかけ温度が必要になることに留意されたく、当該温度では、水の気化は、たとえ従来型の単体型底板で起きていたとしても、あってはならない。電子チップ（３４）は、従来式に、本発明による各種パラメータの制御を可能にする。

外部水溜め（１２）から送り込まれた水は、上下に重ねて配置されている一対のカバー（２２と２３）によって受け入れられる。第１カバー又は上カバー（２２）は、その流路（２４）を通して水を受け入れ、第１カバーの真下に、内部空間（３３）を画定するやり方で延在する第２カバー（２３）は、水の蒸気発生板（１８）への搬送を許容する。図２は、カバー（２２と２３）を詳細に示している。

上カバーは、３分枝フォーメーションの形態をしていて互いに流体連通にある複数の水経路（２４）を備えて構成されている。内板（１８）の他方の面上にある下カバー（２３）は、部分的に前記３分枝フォーメーションの枝部分を覆う、対応して向かい合っている流路アーム（２５）を備えている。両カバー（２２、２３）は、当該カバー（２２、２３）の周囲の複数の鋲打ち孔（２６）を介して上板（１８）に鋲留めされている。

本発明によれば、水が上板である内板１８に接すると瞬時に蒸気が発生する。当該内板は、水を、流路アーム（２５）内部に設置されている濾過手段（２７）を通して受ける。金網の形態をしている前記濾過手段（２７）は、水を複数の小部分へ分配し且つ散布するという両方の効果をもたらす。

図３は、本発明によるアイロンかけ電気器具（１１）の上板である内板（１８）を示している。水が前記上板（１８）に直接触れることによって蒸気が発生し、蒸気は瞬時にして、前記上板（１８）によって区切られている内部空間（３１）の中を通される。発生した蒸気は、前記上板である内板（１８）の複数の蒸気流路（２８）を通って底板（１７）に搬送される。前記底板（１８）は、同板を貫く対応した蒸気抜き孔（２９）を有しているものであって、蒸気を提供する。上板（１８）は、蒸気消費中は水の同板への直接接触に反応して非常に急速に冷めるものと予想されるが、本発明によれば、前記内板（１８）側の大きな温度差は、アイロンかけされている布物に接触している底板の温度に影響を及ぼすことはない。２つの板（１７、１８）は、別々の加熱手段（１９、２０）を有し、それらの温度は独立に制御されている。底板（１７）の温度は、個別のボタン（３２）によって設定することができる。

一方向ばね式ボール弁（３０）が、確実に、前記内板（１８）によって区切られている内部空間（３１）に発生した蒸気が溜め（１２）に戻ることのないようにしている。

簡単に言えば、本発明は、アイロンかけ装置（１１）において、布物をアイロンかけするための底板（１７）と、アイロンかけ中に即座に使用するために蒸気に転換されることになる水を貯蔵しそして前記アイロンかけ装置（１１）へ供給するための外部水溜め（１２）と、前記外部水溜め（１２）から搬送された水を、直接に、物理的接触によって蒸気に転換させるための、前記アイロンかけ装置（１１）内の加熱できる内板（１８）と、を備えているアイロンかけ装置（１１）を提案している。前記加熱できる内板（１８）は、前記底板（１７）の空間全体に亘って延びており、且つ同底板とは直接の熱的連通にない。この様にして、ちょうど所望の水量が前記外部水溜め（１２）から搬送されて、直接に蒸気に転換され、貯蔵されることなく消費される。

更に、前記内板（１８）は、前記水溜め（１２）から搬送された水を受け入れるための、当該内板上に上下に重ねて配置されている一対のカバー（２２と２３）を備えている。第１カバー（２２）は、水の第２カバー（２３）内への通行を許容するための開口部（２４）を備え、前記第２カバー（２３）は、前記第１カバー（２２）の前記開口部（２４）と整列する、より小さい開口部（２５）を備えており、後者の開口部（２５）には水を粒子に砕くための濾過手段が充填されている。

本発明による外部溜め（１２）は、手軽に補充できる様式、例えば水道水を充填するのに簡単に解放できるような様式になるように設計することができる。

本発明は、更に、前記上板（１８）のカバー(３５）が単体形態に設計されている、代わりの実施形態を提供している。この構成（図５）では、拡散器（３８）と接続されている複数の孔（３９）を有する前記カバー（３５）を用いることにより、水は、前記一方向ばね式ボール弁（３０）から前記内部空間（３１）に搬送される。それぞれの拡散器（３８）は、前記一方向ばね式ボール弁（３０）に直接関係付けられている分配器（３７）に、管片（３９）を介して接続されている。拡散器（３８）は、アイロンかけ電気器具では広く使用されており、よって当業者には知られている。

前記内板（１８）は、下方からと両側方は当該内板（１８）によって、上方からはカバー（２３、３５）によって、区切られている閉鎖された内部空間（３１）を画定している。前記内板（１８）は、部分的に、前記底板（１７）側の複数の対応する抜き孔（２９）の中へ開口している複数の蒸気流路（２８）を通じて前記底板と直接の熱的連通にある。前記蒸気流路（２８）は、前記閉鎖された内部空間（３１）内で、前記内板（１８）と前記カバー（２３、３５）の間の最長線分の一部分だけに沿って延びている。前記蒸気流路（２８）は、従って、前記内部空間（３１）内で平面に向かって開口している。

１１ アイロンかけ装置
１２ 外部水溜め
１３ ポンプ
１４ 供給管
１５ 蒸気調節ボタン
１６ 送給管
１７ 底板
１８ 内板、上板、蒸気発生板
１９、２０ 加熱手段
２１ サーモスタット
２２、２３ カバー
２４ 水経路
２５ 流路アーム
２６ 鋲打ち孔
２７ 濾過手段
２８ 蒸気流路
２９ 蒸気抜き孔
３０ 一方向ばね式ボール弁
３１ 内部空間
３２ 底板温度調節用のボタン
３３ 内部空間
３４ 電子チップ
３５ カバー
３９ 管片
３７ 分配器
３８ 拡散器
３９ 複数の孔

Claims (11)

1. アイロンかけ装置（１１）において、布物をアイロンかけするための底板（１７）と、アイロンかけ中に使用するために蒸気に転換されることになる水を貯蔵しそして前記アイロンかけ装置（１１）へ供給するための外部水溜め（１２）と、前記外部水溜め（１２）から搬送された水を、直接に、物理的接触によって蒸気に転換させるための、前記アイロンかけ装置（１１）内の加熱できる内板（１８）と、を備えており、前記加熱できる内板（１８）は、前記底板（１７）の空間全体に亘って延びており、部分的に、前記底板（１７）と直接の熱的連通にあり、それにより、ちょうど所望の水量が前記外部水溜め（１２）から搬送されて、直接に蒸気に転換され、貯蔵されることなく消費される、アイロンかけ装置。
2. 前記底板（１７）と前記内板（１８）は、個別の加熱手段（１９、２０）によって独立に熱せられる、請求項１に記載のアイロンかけ装置（１１）。
3. 前記内板（１８）は、下方からと両側方は当該内板（１８）によって、上方からはカバー（２３、３５）によって、区切られている閉鎖された内部空間（３１）を画定している、請求項１又は２に記載のアイロンかけ装置（１１）。
4. 前記水溜め（１２）から搬送された水を受け入れるための前記内板（１８）のカバー（３５）は、拡散器（３８）と接続している複数の孔（３９）を有し、前記拡散器（３８）は分配器（３７）に、管片（３９）を介して接続されている、請求項３に記載のアイロンかけ装置（１１）。
5. 前記内板（１８）は、前記水溜め（１２）から搬送された水を受け入れるための一対のカバー（２２と２３）を備えており、第１カバー（２２）は、水の第２カバー（２３）内への通行を許容するための開口部（２４）を備え、前記第２カバー（２３）は、前記第１カバー（２２）の前記開口部（２４）と整列する、より小さい開口部（２５）を備えており、後者の前記開口部（２５）には水を粒子に砕くための金網の形態をしている濾過手段が充填されている、請求項３に記載のアイロンかけ装置（１１）。
6. 前記第１カバー（２２）の前記開口部（２４）は、３分枝フォーメーションの形態をしている複数の水経路（２４）から成り、前記第２カバー（２３）の前記開口部（２５）は、部分的に前記３分枝フォーメーションの枝部分を覆っている流路アーム（２５）から成る、請求項５に記載のアイロンかけ装置（１１）。
7. 前記内板（１８）は、部分的に、前記底板（１７）側の複数の対応する抜き孔（２９）の中へ開口している複数の蒸気流路（２８）を通じて前記底板（１７）と直接の熱的連通にある、請求項４又は６に記載のアイロンかけ装置（１１）。
8. 前記蒸気流路（２８）は、前記閉鎖された内部空間（３１）内で、前記内板（１８）と前記カバー（２３、３５）の間の最長線分の一部分だけに沿って延びている、請求項７に記載のアイロンかけ装置（１１）。
9. 前記内板（１８）の温度は、サーモスタット（２１）によって調整される、上記請求項の何れかに記載のアイロンかけ装置（１１）。
10. 前記底板（１７）の温度は、個別のボタン（３２）によって設定できる、上記請求項の何れかに記載のアイロンかけ装置（１１）。
11. 発生した蒸気が、前記上板（１８）によって区切られている内部空間（３１）から前記溜め（１２）の方向に脱出するのを防止するために、一方向ばね式ボール弁（３０）が使用されている、上記請求項の何れかに記載のアイロンかけ装置（１１）。

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