JP2012522168A - 自動車における水様の液体のための吐出装置 - Google Patents

Abstract

自動車の貯蔵容器（１）からの水様の液体のための吐出装置において、延長された加熱エレメント（９）が通気管（１０）の側方に配置されている。通気管（１０）は受け容器（６）を貯蔵容器（１）の液面の内側に配置されている空間（１１）に接続する。凍結時に受け容器（６）と空間（１１）との接続を早期に形成する。したがってポンプ（４）が受け容器（６）の液体を早期に圧送する。

Description

本発明は、液体を貯蔵する貯蔵容器と、この貯蔵容器の底部領域に配置されている受け容器から溶液を圧送するポンプとを備えた、自動車における水様の液体のための吐出装置に関する。

上記吐出装置は現代の自動車において尿素水溶液の圧送のために働き、実際に公知になっている。この液体は窒素排出の低減のために必要である。実際に公知の吐出装置は低温時の水様の液体の氷結を回避するために、貯蔵容器に配置されている少なくとも１つの加熱部を有している。しかし完全に凍結した液体においては、加熱装置の始動時にポンプの吸込み領域に氷洞がもたらされ、再び貯蔵容器に戻し案内される液体がポンプの吸込み領域に到達しない恐れがある。空気又は液体が続いて流れることができる場合にしか、ポンプは液体を氷洞から圧送することができない。

貯蔵容器全体を常に加熱するということも考えられるが、この構成には極めて大きなエネルギ及び設備コストが必要になる。さらに加熱には時間を要し、吐出装置による圧送の開始は遅れる。

本発明の目的は、冒頭で述べた形式の吐出装置を改良して、貯蔵容器内の液体の凍結後に可能な限り迅速な圧送の開始を保証する吐出装置を提供することである。

上記目的は本発明により、延長された加熱エレメントが受け容器を、貯蔵容器における最大の液面の上側に配置されている空間に接続することにより達成される。

上記構成により、延長された加熱エレメントが、貯蔵容器内の液体が完全に凍結した場合に、受け容器から最大の液面の上側にまで凍結していない通路の形成を可能にする。したがって、延長された加熱エレメントはポンプの吸込み領域における閉じられた氷洞の発生を防ぐ。これによりポンプによって吸引される液体は、常に、空気又は戻される融解された液体と交換することができる。凍結していない通路の形成は延長された加熱エレメントの始動直後に始まるので、吐出装置の本発明に係る構成により、貯蔵容器内の液体の特に迅速な圧送の開始が凍結後に可能になる。空間は、有利には通気弁を介して周囲と接続されているので、容器から採取された液体は続いて流れてくる空気と交換することができる。

延長された加熱エレメントが通気管内に配置されていると、本発明の有利な構成は所定の量の液体を特に有利に融解することを保証することができる。本発明により、加熱エレメントにより融解された又は液状に保持された液体が通気管内に進入する。圧送したい限定的な量の液体を貯蔵するために、通気管は適切な容積を有している。通気管内において融解した液体は、受け容器内にのみ流れることができるので、簡単に吸い込むことができる。本発明により通気管は確実な通気及び所定の液体量を提供することができ、凍った状態における吐出装置の迅速な運転開始が保証される。

本発明の別の有利な構成によれば、貯蔵容器の上側の境界部が、下方に開口しているカップ形の容器を有していて、受け容器とは反対側の通気管の端部がカップ形の容器内に突入していると、通気管の上側の端部の凍結は簡単に回避することができる。下方に向かって開口している容器は、ポンプの停止後に通気管の上側の端部が確実に液面から突出していることを保証する。したがって受け容器から液体を吸い込む際に空気が続いて流れることを保証することができる。

本発明のさらに別の有利な構成によれば、ポンプの吸込みポートが貯蔵容器の受け容器内に直接突入していると、貯蔵容器内における互いに分けられた複数の空間を簡単に回避することができる。これにより本発明に係る吐出装置は特に簡単に構成されている。

延長された加熱エレメントが吸込みポート及び／又はポンプの圧力管に対して直に隣接して配置されていると、凍結した貯蔵容器における液体の圧送のさらなる促進に貢献する。

受け容器がポンプの通気管及び吸込みポートの下方に加熱部を有していると、十分な量の加熱された液体が、特に短時間のうちにポンプに供給される。本構成により、凍結した貯蔵容器から液体を特に迅速に圧送することができる。

本発明に係る吐出装置は、延長された加熱エレメントが受け容器の底部領域にまで案内されていると、構造的に特に簡潔に構成されている。加熱エレメントは通気管内に選択的に挿入することができるか又は圧入することができる。

貯蔵容器が内側に突出している環状の縁を有していて、この縁の内側の境界部が組付けフランジによって閉鎖されていて、この組付けフランジ及び縁が、下方に開口しているカップ形の容器を形成すると、本発明に係る吐出装置の組付けをさらに簡単にすることに貢献する。

ポンプが貯蔵容器内部に配置されていて、圧力管が圧送管路の接続部に向かって組付けフランジを通って案内されていると、本発明に係る吐出装置の構成部分をシールする手間は、特に少なくすることができる。圧力管は組付けフランジと一体に製造されていてよいので、必要なシールは最も簡単な構成においては組付けフランジと、ポンプ及び加熱部のための電気的な接続部とに限られる。貯蔵容器のための慣用の通気弁を備えた充填口は、有利には組付けフランジの側方に配置されている。

通気管及びポンプの吸込みポート及び／又は圧力管が、構成ユニットとして構成されていると、本発明に係る吐出装置の構成部分の簡単な組付けに貢献する。

ポンプが貯蔵容器の外側に配置されていると、本発明に係る吐出装置の構成部分のさらに簡単な組付けに貢献する。

ポンプによって圧送された過剰な液体は、通常、貯蔵容器に戻される。本発明の有利な構成によれば、圧送された過剰な液体は、通気管が戻し通路に接続されていると、直接的に再び吸い込むことができる。したがって凍結した吐出装置において、貯蔵容器において融解した液体が失われかつ新たな直接的な吸込みのためにもはや提供されない、ということは防がれる。

通気管が少なくとも１００ｍｌの容積を有していると、自動車の第１の運転にとって十分な量の凍結していない液体を迅速に供給することができる。したがって通気管は所定の量の液体を迅速に融解して蓄える貯蔵室として働く。通気管路の上記容積は、大抵の自動車における最初の１０００ｋｍの尿素水溶液の消費を賄うのに十分である。

本発明に係る吐出装置の概略図である。 図１に示した本発明に係る吐出装置の第１の実施の形態の断面図である。 図２に示した吐出装置の通気管及び圧力管を線III-IIIに沿って断面にした拡大図である。 本発明に係る図１に示した吐出装置の別の実施の形態の概略図である。

本発明には複数の実施の形態が可能である。これらの実施の形態の基本原理をより明確にするために、２つの実施の形態を図示し、以下に説明する。

図１に、水様の液体、特に尿素溶液を貯蔵する貯蔵容器１と、自動車の内燃機関３に圧送される液体を案内する圧送管路２とを備えた吐出装置を示す。この吐出装置は貯蔵容器１から液体を吸い込むポンプ４を有している。このポンプ４の吸込みポート５は、貯蔵容器１の底部領域に配置されている受け容器６にまで通じている。ポンプ４の吐出側に接続されている圧力管７は、貯蔵容器１の組付けフランジ８を貫通しており、圧送管路２に接続されている。さらに加熱エレメント９と通気管１０とは、貯蔵容器１から液面の上側に配置されている空間１１にまで通じている。加熱エレメント９は細長く延ばして形成されており、通電時に熱を全長に亘って放出する。空間１１を形成するために、貯蔵容器１は内部に突出している環状の縁１２を有している。この縁１２によって取り囲まれている領域は、組付けフランジ８によってシールされている。したがって、貯蔵容器１が完全に充填されているにもかかわらず、液面は縁１２の下側の境界部を越えて空間１１内に上昇しないことが保証されている。過圧弁１３によって制御され、圧力管７に接続されている戻し通路１４が、通気管１０にまで案内されている。さらに貯蔵容器１は充填口１５を有している。また空間１１は逆止弁として形成されている通気弁１６を介して周辺に接続されているので、貯蔵容器１から採取された液体は空気と交換することができる。

貯蔵容器１において完全に凍結した液体は、加熱エレメントの周囲において、加熱エレメントの通電後に融解される。これにより通気管１０及び受け容器６にある液体も融解され、受け容器６と空間１１との接続が保証される。通気管１０内にある液体は、圧送のために直接的にポンプ４に提供される。戻し通路１４を介して戻し案内された液体は、通気通路１０を介して同様に直接的にポンプ４に再び供給される。

図２に、図１に示した吐出装置の断面図を示し、ポンプ４は貯蔵容器１の内部に配置されている。圧力管７は組付けフランジ８を貫通している。ポンプの吸込みポート５にはフィルタ１７が配置されており、このフィルタ１７の下側に、加熱エレメント９の水平方向の区分１８が突出している。

図３に通気管１０の線III-IIIに沿った断面図を示す。加熱エレメント９は圧力管７と通気管１０との間に配置されている。したがって加熱エレメント９の通電時に、通気管１０も圧力管７も加熱される。圧力管７と加熱エレメント９とは、通気管１０を形成する異形材（Profil）１９に圧入されている。

図４に、貯蔵容器２０の外側に配置されているポンプ２１を備えた吐出装置の別の実施の形態の断面図を示す。ポンプ２１は受け容器２２内にまで案内されている吸込みポート２３を有している。この吸込みポート２３は通気管２４と一体に製造されている。通気管２４は、貯蔵容器２０において液面の上側に配置されている空間２５を、受け容器２２に接続する。ポンプ２１の吐出側に接続されている圧力管２６は、貯蔵容器２０の組付けフランジ２７を貫通している。図４に鎖線で示した加熱エレメント２８が、通気管２４を通って受け容器２２にまで通じており、この受け容器２２から吸込みポート２３を介してポンプ２１にまで案内されている。加熱エレメント２８は長く延ばされて構成されている。加熱エレメント２８の通電時に、通気管２４及び吸込みポート２３において凍結した液体は融解される。さらに貯蔵容器２０は、液体を後から充填するための充填口２９を有している。

Claims (13)

1. 液体を貯蔵する貯蔵容器（１，２０）と、該貯蔵容器（１，２０）の底部領域に配置されている受け容器（６，２２）から溶液を圧送するポンプ（４，２１）とを備えた、自動車における水様の液体のための吐出装置において、
   延長された加熱エレメント（９，２８）が前記受け容器（６，２２）を前記貯蔵容器（１，２０）における最大の液面の上側に配置されている空間（１１，２５）に接続することを特徴とする、吐出装置。
2. 前記延長された加熱エレメント（９，２８）は通気管（１０，２４）内に配置されていることを特徴とする、請求項１記載の吐出装置。
3. 前記貯蔵容器（１，２０）は該貯蔵容器（１，２０）の上側の境界部に、下方に向かって開口しているカップ形の容器を有しており、前記受け容器（６）とは反対側の前記通気管（１０）の端部が、前記カップ形の容器内に突入していることを特徴とする、請求項２記載の吐出装置。
4. 前記ポンプ（４，２１）の吸込みポート（５，２３）が前記貯蔵容器（１，２０）の受け容器（６，２２）内に直接的に突入していることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか一項記載の吐出装置。
5. 前記延長された加熱エレメント（９，２８）は前記ポンプ（４，２１）の吸込みポート（５，２３）及び／又は圧力管（７，２６）に直接的に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項４記載の吐出装置。
6. 前記受け容器（６，２２）は前記通気管（１０，２４）及び前記ポンプ（４，２１）の吸込みポート（５，２３）の下方に加熱部を有していることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか一項記載の吐出装置。
7. 前記延長された加熱エレメント（９，２８）は前記受け容器（６，２２）の底部領域にまで案内されていることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか一項記載の吐出装置。
8. 前記貯蔵容器（１）は内側に突出している環状の縁（１２）を有しており、該縁（１２）の内側の境界部が組付けフランジ（８）によって閉鎖されており、該組付けフランジ（８）と前記縁（１２）とは、前記下方に開口しているカップ形の容器を形成することを特徴とする、請求項３から７までのいずれか一項記載の吐出装置。
9. 前記ポンプ（４）は前記貯蔵容器（１）の内側に配置されており、前記圧力管（７）は圧送管路（２）のポートに向かって前記組付けフランジ（８）を通って案内されていることを特徴とする、請求項１から８までのいずれか一項記載の吐出装置。
10. 前記通気管（１０，２４）、前記吸込みポート（５，２３）及び／又は前記ポンプ（４，２１）の圧力管（７，２６）は、構成ユニットとして形成されていることを特徴とする、請求項１から９までのいずれか一項記載の吐出装置。
11. 前記ポンプ（２１）は前記貯蔵容器（２０）の外側に配置されていることを特徴とする、請求１から１０までのいずれか一項記載の吐出装置。
12. 前記通気管（１０，２４）は戻し通路（１４）に接続されていることを特徴とする、請求項１から１１までのいずれか一項記載の吐出装置。
13. 前記通気管（１０，２４）は少なくとも１００ｍｌの容積を有していることを特徴とする、請求項１から１２までのいずれか一項記載の吐出装置。

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