JP2012521943A - 過酸化水素を製造する方法 - Google Patents

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ジャン−ピエール ガンヒー,
アルマン テー. リーベン,
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Abstract

(a)アントラキノンおよびその誘導体、フェナントレンキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、ならびにベンゾキノンおよびその誘導体(ここで、キノン骨格に結合された任意選択の基の合計分子量は500より小さい)から選択された少なくとも1種の非イオンキノン化合物を含む作用溶液を水素添加して、少なくとも1種の対応するヒドロキノン化合物を得る工程と、
(b)上記少なくとも1種のヒドロキノン化合物を酸化させて過酸化水素を得る工程と、
(c)上記酸化工程中、および/または上記酸化工程後、上記過酸化水素を分離する工程と
を含む過酸化水素を製造する方法であって、上記a)とb)の両方の工程または上記a)またはb)のいずれかの工程の作用溶液が30重量%未満の有機溶媒を含むことを特徴とする方法。

Description

関連出願の相互参照
本願は、参照により本明細書に援用される、2009年3月27日出願の欧州特許出願第09156386.6号の利益を主張するものである。
本発明は、有機溶媒の実質的な添加を使用せずに達成できる過酸化水素の新規製造方法に関する。
過酸化水素は世界中で生産される最も重要な無機化学品の1つである。Hの世界的な生産量は、2007年において2.2百万トン(100%H)に成長した。その工業用途は、テキスタイル、パルプおよび紙の漂白、有機合成(酸化プロピレン)、無機化学品および洗剤の製造、環境用途および他の用途を含む。
過酸化水素の合成は、Riedl−Pfleiderer法を用いることにより主として達成される。この公知の循環法は、2−アルキルアントラヒドロキノン化合物の対応する2−アルキルアントラキノンへの、過酸化水素の生産をもたらす自動酸化を利用している。こうした方法は、非常に大量の有機溶媒を必要とする。
この反応の第1の工程は、通常、水素ガスおよび触媒を用いる選択されたアントラキノンの対応するアントラヒドロキノンへの有機溶媒中での還元である。
その後、有機溶媒、ヒドロキノンおよびキノン種の混合物(作用溶液)は金属触媒から分離され、ヒドロキシキノンは酸素または空気を用いて酸化され、よって過酸化水素を生成する。
好ましい有機溶媒は、典型的には、2種の溶媒の混合物、すなわち、キノン誘導体(普通は芳香族化合物の混合物)の良溶媒とヒドロキシキノン誘導体(普通は長鎖アルコール)の良溶媒の混合物である。
大量の揮発性有機溶媒の使用は望ましくない排気ガスを発生させ、爆発のリスクのゆえに危険であることが知られており、従って、より望ましくない。
その上、こうした化合物の使用は非経済的である。過酸化水素のより費用効果に優れた製造方法も特に過酸化水素の経済的重要性のゆえに非常に望ましい。
一般に、生産性は、作用溶液(ws)の所定の量で生産された過酸化水素の量として定義され、作用溶液キログラム当たりのHグラムで表現される。最新技術による酸化プロセスは、わずか約15gH/kg・ws(最高)の生産性で実施されている。より低い資本支出を意味するより高い生産性が非常に望ましい。生産された過酸化物の分離は、抽出カラム内で一般に実施される。カラムのサイズ(コスト)は、抽出水と作用溶液との間のHの分配係数に直接比例する。経済的な運転のために、この係数は可能な限り高くなければならない。
Riedl−Pfleiderer法の多数の変形が記載されてきた。これらの変形は、用いられるアントラキノン種、アントラキノン種のそれぞれの比率の観点、および/または溶媒混合物の性質またはそれぞれの比率の観点のいずれかで、溶媒および/またはアントラキノンの新規組合せを用いる作用溶液の最適化に主として関連づけられる。通常は、用いられる溶媒の比率は50重量%より高い。特定の1つのケースで、より少ない量の溶媒が用いられるが、その方法は、非常に特定の条件が満たされることを要求している。かくして、仏国特許出願公開第1,186,445号明細書において、20/80のそれぞれの比で2−エチルアントラキノンおよび2−イソプロピルアントラキノンの使用および30重量%より高い濃度での有機溶媒の使用が記載されている。
米国特許第2,966,398号明細書において、ヒドロキノン関連溶媒なしで本発明の自動酸化法(ヒドロキノン種の酸化)の2つの工程の1つを実施することが提案されている。そうするために、一旦キノンの水素添加工程を実施してしまうと、温度を下げて、ヒドロキノンの結晶化形態を得、その後それを溶媒の混合物から分離し、その後、キノンの溶媒と共に別々に酸化して、過酸化水素を生成させる。しかしながら、この方法は、大量のキノン関連有機溶媒の使用をなお必要とする。
実質的に溶媒を含まない幾つかの方法が提案されてきたが、これらの方法は非常に特定的なキノン誘導体の使用を含んでいた。こうした代案は国際公開第2006/003395号パンフレットおよび国際公開第2000/00428号パンフレットにおいて記載されている。
国際公開第2006/003395号パンフレットは、過酸化水素を製造するための自動酸化法におけるキノンおよびヒドロキノンの溶融塩の使用を記載している。これらの誘導体は、少なくとも1個の陰イオン(スルホネート(SO )またはカルボキシレート(COO)など)部分または陽イオン(イミダゾリウム、ピペリジニウム、ホスホニウム、ピラジニウム、アンモニウムなど)部分を含む。
国際公開第2000/00428号パンフレットは、「CO−親和性」であると記載されている特定のアントラキノン誘導体の自動酸化法を用いる過酸化水素の合成を開示している。アントラキノン化合物を好適なアントラキノンに変換するために用いられる「CO−親和性基」は、フルオロアルキル基、フルオロエーテル基、シリコーン基、酸化アルキレン基、フッ素化アクリレート基またはホスファジン基から選択される。
両方の開示から容易に理解できる通り、これらの格別で複雑なキノン誘導体の合成に最初に取り掛かるための必要条件は追加の製造工程につながり、その追加工程は、次により高い変動費をもたらし、従って非常に望ましくない。
従って、既知の方法の欠点の少なくとも1つ以上を克服して過酸化水素を得るために既知の方法を改善する必要がなお存在する。
従って、
(a)少なくとも1種の非イオンキノン化合物を含む作用溶液を水素添加して、少なくとも1種の対応するヒドロキノン化合物を得る工程と、
(b)上記ヒドロキノン化合物を酸化させて過酸化水素を得る工程と、
(c)上記酸化工程中、および/または上記酸化工程後、上記過酸化水素を分離する工程
とを含む過酸化水素を製造する方法であって、a)とb)の両方の工程またはa)またはb)のいずれかの工程の作用溶液が30重量%未満の有機溶媒を含むことを特徴とする方法が提供される。
「非イオンキノン化合物」という表現は、二重結合の必要な一切の再配列による偶数の−CH=基の−C(=O)−基への変換によって芳香族化合物から誘導された完全共役環式ジオン構造を有するキノン型の完全共有結合且つ中性の有機化合物を包含する。
本発明の第1の実施形態において、少なくとも1種の非イオンキノン化合物は、二酸化炭素に実質的に不溶性である。「キノン化合物が二酸化炭素に実質的に不溶性である」という表現は、5000psiの圧力で、特に5000psi未満の圧力で、且つ50℃、好ましくは100℃の温度でキノン化合物が二酸化炭素に実質的に不溶性であることを意味する。この第1の実施形態において、キノン化合物は、典型的には、5000psi未満の圧力且つ50℃の温度で二酸化炭素に最高で1ミリモル、好ましくは最高で10−1ミリモル、より特に最高で10−2ミリモルの溶解度を示す。好ましい実施形態において、キノン化合物は、5000psi以下の圧力且つ100℃の温度で二酸化炭素に最高で1ミリモル、好ましくは最高で10−1ミリモル、より特に最高で10−2ミリモルの溶解度を示す。
本発明の第2の実施形態において、少なくとも1種の非イオンキノン化合物は、アントラキノンおよびその誘導体、フェナントレンキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、ならびにベンゾキノンおよびその誘導体(ここで、キノン骨格に結合された任意選択の基の合計分子量は500未満)から選択される。好ましい実施形態において、キノン骨格に結合された任意選択の基の合計分子量は、400以下、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、特に180以下、より特に150以下、格別に120以下、例えば、約100である。好ましくは、キノン化合物はアルキル置換されている。
第3の実施形態において、本発明の作用溶液中に存在する非イオンキノン化合物は、非イオンキノン分子当たり1未満、好ましくは0.1未満のCO−親和性官能化基の数を含み、特に、非イオンキノン化合物はCO−親和性基を全く含まず、CO−親和性基は、フルオロアルキル基、フルオロエーテル基、シリコーン基、アルキレンオキシド基およびフッ素化アクリレート基から格別に選択される。
本発明によると、180℃未満、好ましくは115℃未満などの低い融点温度を有するキノン化合物またはキノン化合物の混合物が最も好ましい。好ましいキノン化合物は、通常は80℃〜115℃の範囲である使用温度で好ましくは低い粘度(10000mPas未満、好ましくは1000mPas未満、なおより好ましくは100mPas未満など)を有する。
本発明による最も好ましいキノン化合物は、エチルアントラキノン(例えば2−エチルアントラキノン)、ブチルアントラキノン(例えば2−tert−ブチルアントラキノン)およびアミルアントラキノンならびにそれらの混合物などのRiedl−Pfleiderer反応において通常用いられる型のアルキルアントラキノンである。共融混合物を用いることにより、望ましい低融点、広い液体範囲および低粘度が混合物に与えられるので、よりありふれたアントラキノン誘導体を用いることが可能である。しかし、例えば、特定のキノンの選択的な劣化のゆえに混合物中のキノンのそれぞれの濃度が変わる場合、望ましい特性が失われる場合がある。
従って、アミルアントラキノンは、低い融点、広い液体範囲および低粘度の点で望ましい特性が与えられているので特に適するキノン化合物であり、単独でまたはキノン化合物の混合物中の主成分として用いることが可能である。従って、アミルアントラキノンは、それ自体で用いることが可能であり、共融混合物の使用に付随する欠点を軽減するか、または克服することが可能である。
本発明の非常に好ましい態様によると、水素添加反応は僅かな溶媒(有機および/または無機)により行われる。溶媒の比率は、好ましくは30重量%未満、より好ましくは10重量%未満、なおより好ましくは5重量%未満である。本発明の特に有利な実施形態によると、水素添加工程は、いかなる溶媒も存在しない状態で行われる。「いかなる溶媒も存在しない状態で」という表現は絶対条件でなく、例えば、望まない汚染に起因して溶媒の最少量または微量を含むことが理解されるべきである。こうした特定の実施形態は、プロセスを単純化し、生産性を増し、コストを最少化し、これらの溶媒、特に有機溶媒の使用に起因する汚染を減らすので特に有利である。
水素添加工程は、非常に活性な触媒である白金、パラジウム、ロジウムおよびルテニウムなどの白金群から選択された金属であることが可能である水素添加触媒の存在下で実施することが可能であり、Hのより低い温度およびより低い圧力で操作することが可能である。非貴金属触媒、特にニッケル(ラネーニッケルおよびウルシバラニッケルなど)に基づく非貴金属触媒も経済的な代案として開発されてきたが、非貴金属触媒は、より遅いか、またはより高い温度を必要とすることが多い。触媒は、珪アルミン酸ナトリウム担体などの固体担体上で担持されることが可能である。珪アルミン酸ナトリウム担体上のパラジウム触媒は良好な結果を実証した。
キノン化合物の作用溶液は、水素添加反応が起きる前に最初に予熱することが可能である。作用溶液は、180℃まで、有利には140℃まで、より好ましくは120℃までの温度で予熱することが可能である。温度は、材料の良好な加工性(低い粘度)を達成するように選択してもよい。前述した通り、10000mPas未満、好ましくは1000mPas未満、なおより好ましくは100mPas未満の粘度が好ましい。
水素添加反応は、好ましくは、純水素ガスの導入によって有利には圧力下で実施される。水素添加反応器のサイズに応じて異なる適切な水素圧力は3MPaまでであることが可能であるが、一般に、経済的理由で0.5MPa未満が選択される。
水素添加反応は、攪拌スラリー反応器内で有利に実施され、温度は、180℃以下、好ましくは約90℃の温度で好ましくは維持され、好ましくは一定である。
水素添加反応は、ある時間後に、好ましくは所定の最少水素レベル(ws中の水素添加キノン種の比率)に達した時に停止される。こうした所定のレベルは、少なくとも5重量%、好ましくは10重量%以上であることが可能である。
一旦水素添加反応が実施されてしまうと、酸化工程は直ちに行ってもよい。酸化工程は最少(すなわち、30重量%未満)の有機溶媒により行われる。10重量%未満、なおより好ましくは5重量%未満の有機溶媒を用いることが好ましい。本発明の特に有利な実施形態によると、酸化工程は有機溶媒が全く存在しない状態で行われる。
水素添加工程と酸化工程の両方を10重量%または5重量%さえもの非常に僅かな有機溶媒により、もしくは有機溶媒なしで行うことが更に好ましい。この特徴は、本発明の方法を特に環境に優しくする。「有機溶媒が全く存在しない状態で」という表現は、再び、絶対条件ではなく、例えば、汚染に起因し得る有機溶媒の最少量または微量を含むことが理解されるべきである。
酸化反応は、ヒドロキノンの融点付近または融点より高いが、所定の圧力で抽出溶媒の沸点より低い一定温度で通常実施される。アミルアントラキノンの使用に基づく本発明の特定の一実施形態において、こうした温度は、92℃などの85℃〜95℃の範囲内で選択される。酸素源は純酸素であることが可能であるが、空気であってもよい。反応混合物は、好都合には、酸化反応の完了まで一定温度で維持される。
本発明の特定の実施形態によると、酸化工程は、少なくとも1種の抽出溶媒の存在下で行われる。この溶媒は有利には水であるが、アルコール、イオン液体または類似化合物であることも可能である。これらの溶媒の混合物も用いることが可能である。
用いられる抽出溶媒の比率は0重量%〜99重量%の範囲であることが可能である。通常は、抽出溶媒の濃度は、安全上の理由で1.5重量%未満であるべきではない。有利には、抽出溶媒の濃度は20重量%未満、好ましくは10重量%未満、好適には、1.5〜7.5重量%の範囲である。
過酸化水素は、例えば、液−液抽出および特に当該技術分野において公知である水抽出法を用いることにより酸化工程中および/または酸化工程後に反応混合物から抽出される。抽出溶媒および過酸化水素は、かくして既知の乾燥技術(例えば、デカンテーションによる)によってwsから除去することが可能であり、wsは水素添加装置に再循環することが可能である。
蒸留、膜技術、沈殿などの他の分離方法を有利に用いることが可能である。
有利には、劣化生成物の除去または再生もしくはキノン化合物の少なくとも1種の上積み添加などの、ws中のキノン化合物の僅かな劣化を是正する追加の工程を実施することが可能である。
従って、本発明の方法は、過酸化水素の分離後、作用溶液が再循環されて工程a)の上記作用溶液の少なくとも一部を構成する循環構成で操作することが可能である。水素添加と酸化の逐次工程を連続循環プロセスにおいて行うことが可能である。
本発明は、上述した方法を用いることにより得られるか、得ることが可能である精製または未精製の過酸化水素にも関する。本発明の更なる目的は、30重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは5重量%以下などの少量の溶媒のReidl−Pfleiderer型プロセスにおける使用である。有利には、有機溶媒を反応において用いない。
本発明の更なる目的は、本発明の方法を実施するために設計される過酸化水素の製造のためのシステム、設備または装置である。
例示的であるが非限定的な幾つかの実施例を本発明および本発明の実施形態のより良い理解のために提示している。
実施例1:tert−ブチルアントラキノンとエチルアントラキノンの混合物に基づくHの生産
実施例1.1−アントラキノン混合物の水素添加
300gのアントラキノン混合物(tert−ブチルアントラキノン60重量%およびエチルアントラキノン40重量%)および4gの水素添加触媒(非晶質・珪アルミン酸ナトリウム担体上の還元Pd 2重量%)をガス分散タービンミキサ付きのバッチ式水素添加反応器に装填した(水素は中空シャフトを介して導入した)。反応器を最初に窒素でパージし、90℃に予熱した。純水素ガスをその後導入した。水素の分圧を1.13×10Paに設定した。
反応は、タービンミキサの回転(1500/分)によって誘発された水素の分散で開始した。加熱ジャケットを介して90℃で反応温度を維持した。
反応を80分後に停止し、水素添加触媒を濾過除去した。水素添加アントラキノンの量を分光光度分析(酸素での酸化後400nmで吸収およびシュウ酸チタンの水溶液50g/lで錯化)で間接的に測定した。この水素添加アントラキノンの量(水素添加レベル)は12.9重量%であった。
実施例1.2−還元されたアントラキノン混合物の酸化
実施例1.1からの水素添加アントラキノン混合物5.19g(tert−ブチルアントラキノン60重量%およびエチルアントラキノン40重量%:水素添加レベル12.9重量%)およびピロリン酸ナトリウム(200mg)の水溶液100mlおよび硝酸(65重量%HNO 25μl)を酸化反応器に装填した。バッチ式酸化反応器は、PTFE細片が充填され、回転蒸発器上に装架され、蒸発した液体を回収するためのクーラーが装備された丸底フラスコ(500ml)であった。油浴の温度を92℃に設定し、全反応中、一定に維持した。純酸素を液体レベル上にPTFEパイプによって導入した(1.2l/分)。
反応は酸化反応器を油浴に沈めた時に開始した。10分後、反応混合物を室温に急冷した。
実施例1.3−過酸化水素の分離:液−液抽出
生産性
100mlの脱イオン水が添加された上述した酸化反応器中で1段バッチ式液−液抽出を行った。回収された液体の過酸化物含有率を標準硫酸セリウム法または過マンガン酸マグネシウム法(CEFIC Peroxygens H AM−7157−2003年3月;Hydrogen peroxide for industrial use−Determination of hydrogen peroxide content−Titrimetric method)によって分析した。抽出物200mlは76.4mgのHを含有していた(0.382gH2O2/l)。それは、14.7gH2O2/kgwsの生産性および85.6%の過酸化水素収率(用いたヒドロアントラキノンの量に基づく)に対応する。
実施例2−アミルアントラキノンに基づくHの生産
実施例2.1−アミルアントラキノンの水素添加
355gのアミルアントラキノン(純度:91重量%)および4gの水素添加触媒(非晶質・珪アルミン酸ナトリウム担体上の還元Pd 2重量%)をガス分散タービンミキサ付きのバッチ式水素添加反応器に装填した(水素は中空シャフトを介して導入した)。反応器を最初に窒素でパージし、90℃に予熱した。純水素ガスをその後導入した。水素の分圧を1.13×10Paに設定した。
反応は、タービンミキサの回転(1500/分)によって誘発された水素の分散で開始した。加熱ジャケットを介して90℃で反応温度を維持した。
反応を232分後に停止し、水素添加触媒を濾過除去した。水素添加アントラキノンの量を分光光度分析(酸素での酸化後400nmで吸収およびシュウ酸チタンの水溶液50g/lで錯化)で間接的に測定した。この水素添加アントラキノンの量(水素添加レベル)は40.6重量%であった。
実施例2.2−アミノアントラキノンの酸化
実施例2.1からの水素添加アミノアントラキノン5.97g(水素添加レベル40.6重量%)およびピロリン酸ナトリウム(200mg)の水溶液100mlおよび硝酸(65重量%HNO 25μl)を酸化反応器に装填した。バッチ式酸化反応器は、PTFE細片が充填され、回転蒸発器上に装架され、蒸発した液体を回収するためのクーラーが装備された丸底フラスコ(500ml)であった。油浴の温度を92℃に設定し、全反応中、一定に維持した。純酸素を液体レベル上にPTFEパイプによって導入した(1.2l/分)。
反応は酸化反応器を油浴に沈めた時に開始した。16分後、反応混合物を室温に急冷した。
実施例2.3−過酸化水素の分離:液−液抽出
生産性
100mlの脱イオン水が添加された上述の酸化反応器中で1段バッチ式液−液抽出を行った。回収された液体の過酸化物含有率を標準硫酸セリウム法または過マンガン酸マグネシウム法(CEFIC Peroxygens H AM−7157−2003年3月;Hydrogen peroxide for industrial use−Determination of hydrogen peroxide content−Titrimetric method)によって分析した。抽出物200mlは197.8mgのHを含有していた(0.989gH2O2/l)。それは、33.1gH2O2/kgwsの生産性および67.2%の過酸化水素収率(用いたヒドロアントラキノンの量に基づく)に対応する。
実施例3−アミルアントラキノンに基づくHの生産
実施例3.1−アミルアントラキノンの水素添加
190gのアミルアントラキノン(純度:91重量%)および5.19gの水素添加触媒(非晶質・珪アルミン酸ナトリウム担体上の還元Pd 2重量%)をガス分散タービンミキサ付きのバッチ式水素添加反応器に装填した(水素は中空シャフトを介して導入した)。反応器を最初に窒素でパージし、110℃に予熱した。純水素ガスをその後導入した。水素の分圧を11×10Paに設定した。
反応は、タービンミキサの回転(3000/分)によって誘発された水素の分散で開始した。加熱ジャケットを介して110℃で反応温度を維持した。
反応を9分後に停止し、水素添加触媒を濾過除去した。水素添加アントラキノンの量を分光光度分析(酸素での酸化後400nmで吸収およびシュウ酸チタンの水溶液50g/lで錯化)で間接的に測定した。この水素添加アントラキノンの量(水素添加レベル)は32.4±0.8重量%であった。
実施例3.2−アミルアントラキノンの酸化
31.0重量%の水素添加レベルを有する水素添加アミルアントラキノン5.26gおよび錫酸ナトリウム(10mg)の水溶液(HNO 1.39×10−3重量%)100mlを酸化反応器に装填した。バッチ式酸化反応器は、PTFE細片が充填され、回転蒸発器上に装架され、蒸発した液体を回収するためのクーラーが装備された丸底フラスコ(500ml)であった。油浴の温度を50℃に設定し、全反応中、一定に維持した。純酸素を液体レベル上にPTFEパイプによって導入した(1.2l/分)。
反応は酸化反応器を油浴に沈めた時に開始した。40分後、反応混合物を室温に急冷した。
実施例3.3−過酸化水素の分離:液−液抽出
生産性
100mlの脱イオン水が添加された上述の酸化反応器中で1段バッチ式液−液抽出を行った。回収された液体の過酸化物含有率を標準硫酸セリウム法または過マンガン酸マグネシウム法(CEFIC Peroxygens H AM−7157−2003年3月;Hydrogen peroxide for industrial use−Determination of hydrogen peroxide content−Titrimetric method)によって分析した。過酸化水素収率は64.8%であった。
本発明の多くの実施形態を本明細書において説明してきた一方で、これらの実施例を変更して、本発明の生産物および方法を用いる種々の実施形態を提供し得ることは明白である。

Claims (15)

  1. (a)アントラキノンおよびその誘導体、フェナントレンキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、ならびにベンゾキノンおよびその誘導体(ここで、キノン骨格に結合された任意選択の基の合計分子量は500より小さい)から選択された少なくとも1種の非イオンキノン化合物を含む作用溶液を水素添加して、少なくとも1種の対応するヒドロキノン化合物を得る工程と、
    (b)前記少なくとも1種のヒドロキノン化合物を酸化させて過酸化水素を得る工程と、
    (c)前記酸化工程中、および/または前記酸化工程後、前記過酸化水素を分離する工程と
    を含む過酸化水素を製造する方法であって、前記a)とb)の両方の工程または前記a)またはb)のいずれかの工程の前記作用溶液が30重量%未満の有機溶媒を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記キノン骨格に結合された任意選択の基の合計分子量が、400以下、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、より特に150以下であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記キノン化合物が二酸化炭素に実質的に不溶性であり、好ましくは前記キノン化合物が、圧力5000psiおよび温度100℃で二酸化炭素中で最高1ミリモルの溶解度を示すことを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記キノン化合物が、非イオンキノン分子当たり1未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.1未満のCO−親和性官能化基の数を含み、特に、前記非イオンキノン化合物が前記CO−親和性基を全く含まず、前記CO−親和性基が、フルオロアルキル基、フルオロエーテル基、シリコーン基、アルキレンオキシド基およびフッ素化アクリレート基から特に選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記キノン化合物が、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン、アミルアントラキノンおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記キノン化合物またはそれらの混合物が、115℃以下の融点を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記方法が80℃〜120℃の範囲の温度で行われ、前記キノン化合物が1000mPa*sより低い粘度を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記水素添加反応a)が溶媒30重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、特にいかなる溶媒も存在しない状態で行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記水素添加工程a)が、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ラネーニッケルおよびウルシバラニッケルからなる群から選択された水素添加触媒金属の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記水素添加反応a)が、少なくとも5重量%の最少水素添加レベルに到達した後に停止されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記酸化工程b)が有機溶媒30重量%未満で、好ましくは10重量%未満で、より好ましくは5重量%未満で、特にいかなる有機溶媒も存在しない状態で行われることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記水素添加工程と前記酸化工程の両方が有機溶媒10重量%未満または5重量%未満でさえも行われることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記酸化工程b)が少なくとも1種の抽出溶媒の存在下で行われることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記抽出溶媒が水であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記過酸化水素の分離後、前記作用溶液が再循環されて、前記工程a)の作用溶液の少なくとも一部を構成することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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