のピラゾール[4,3−c]シンノリン−3−オン化合物およびその製薬上許容される塩に関し、この際、
−X=Y−は、
(1)−CH=CH−、
(2)−CH=N−、または
(3)−N=CH−
からなる群から選択され、
R1は、
(1)アリール、
(2)5個〜12個の環原子を有する単環式もしくは多環式基であるヘテロアリール基であって、前記環原子が、C、O、N、またはSから選択され、その少なくとも1つがO、NまたはSである、ヘテロアリール基
(3)C、O、N、またはSから選択され、その少なくとも1つがO、NまたはSである3個〜12個の環原子を有する、非芳香族の単環式もしくは多環式基である、複素環基、
(4)−C1−6アルキル、
(5)−C3−8シクロアルキル、
(6)−C2−6アルケニル
からなる群から選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、複素環式、アルキル、アルケニルおよびシクロアルキルR1部分は、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、および
(e)シアノ
で置換され;
R2は、
(1)アリール、
(2)5個〜12個の環原子を有する単環式もしくは多環式基であるヘテロアリール基であって、前記環原子が、C、O、N、またはSから選択され、その少なくとも1つがO、NまたはSである、ヘテロアリール基、または
(3)ハロゲン
からなる群から選択され、前記アリールまたはヘテロアリールR2部分は、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
前記RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、
あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換され;
R3は、場合により縮合したフェニル環炭素の1つ以上に存在し、それぞれのR3は、
(1)−C1−6アルキル、
(2)ハロゲン、
(3)シアノ、および
(4)−O−C1−6アルキル、
からなる群から選択され、
ここで任意のアルキルR3部分は、場合により1つ以上のハロで置換されている。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、R1は、アリール(好適には、フェニル)であり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、および
(e)シアノ
で置換されている。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、−X=Y−は、−CH−CH−である。その他の実施形態では、X−Yは、−CH=N−または−N=CH−である。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、R1は、ヘテロアリール(好適には、ピリジル)であり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、および
(e)シアノ
で置換されている。
式(I)の化合物のその他の実施形態では、R1は、複素環式(上に定義される通り)であり、場合により1つ以上の
(a)ヒドロキシ、または
(b)−C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)
で置換されている。
適したR1複素環基としては、モルホリン、テトラヒロピラン(tetrahyropyran)、ピペリジン、チアン、チアンS−オキシドおよびチアンS−ジオキシドが挙げられる。
式(I)の化合物のその他の実施形態では、R1は、シクロアルキル、アルキルまたはアルケニルであり、そのそれぞれは場合により1つ以上の
(a)ヒドロキシ、または
(b)ハロゲン
に置換されている。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、R2は、フェニルであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
式(I)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ヘテロアリールであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
適したR2ヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。
例えば、R2ヘテロアリール基の一つの下位群は、5個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピラゾール、イミダゾールおよびチアゾールである。
R2ヘテロアリール基のもう一つの下位群は、6個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピリジンおよびピリミジンである。
式(I)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ハロゲンである。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、R3は、存在しない。
一実施形態では、本発明は、治療上有効な量の一般式(I)の化合物を患者に投与することにより、M1受容体の関与する疾患、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などについて、患者(好ましくはヒト)を治療する方法に関する。
本発明はまた、M1受容体の関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などを治療するための式(I)の化合物の使用に関する。
本発明はまた、式(I)の化合物、またはその製薬上許容される塩、および製薬上許容される担体を含む、M1受容体の関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などを治療するための薬物または医薬組成物に関する。
本発明はさらに、式(I)の化合物を1つ以上の製薬上許容される担体と組み合わせることを含む、M1受容体の関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などを治療するための薬物または組成物の製造のための方法に関する。
の亜属およびその製薬上許容される塩があり、この際、R2およびR3は、上記の通りである。
式(II)の化合物の特定の実施形態では、R1は、アリール(好適には、フェニ(pheny))であり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、および
(e)シアノ
で置換されている。
式(II)の化合物の特定の実施形態では、R1は、ヘテロアリール(好適には、ピリジル)であり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ),
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、および
(e)シアノ
で置換されている。
式(II)の化合物のその他の実施形態では、R1は、複素環式(上に定義される通り)であり、場合により1つ以上の
(a)ヒドロキシ、または
(b)−C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)
で置換されている。
適したR1複素環基としては、モルホリン、テトラヒロピラン(tetrahyropyran)、ピペリジン、チアン、チアンS−酸化物およびチアンS−二酸化物が含まれる。
式(II)の化合物のその他の実施形態では、R1は、シクロアルキル、アルキルまたはアルケニルであり、そのそれぞれは、場合により1つ以上の
(a)ヒドロキシ、または
(b)ハロゲン
で置換されている。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、R2は、フェニルであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
式(I)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ヘテロアリールであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(h)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
適したR2ヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。
例えば、R2ヘテロアリール基の一つの下位群は、5個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピラゾール、イミダゾールおよびチアゾールである。
R2ヘテロアリール基のもう一つの下位群は、6個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピリジンおよびピリミジンである。
式(I)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ハロゲンである。
式(I)の化合物の特定の実施形態では、R3は、存在しない。
式(II)の化合物のその他の実施形態では、R3は、ハロゲン(好適にはフルオロ、クロロまたはブロモ)であり、縮合フェニルの炭素原子の1つに存在する。
その他の実施形態では、R
3は、ハロゲン(好適にはフルオロ、クロロまたはブロモ)であり、下で(IIA)に示される位置に存在する。
式(I)の化合物の属の中のもう一つの亜属の中に、式(III)の化合物:
およびその製薬上許容される塩があり、この際、R7は、場合によりフェニル環炭素原子の1つ以上に存在し、それぞれのR7は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシ、
(3)−O−C1−6アルキル
(4)−C1−6アルキル、および
(5)シアノ
からなる群から選択される。
式(III)の化合物の特定の実施形態では、−X=Y−は、−CH=CH−である。その他の実施形態では、−X=Y−は、−CH=N−または−N=CH−である。
式(III)の化合物の特定の実施形態では、R3は、存在しない。
式(III)の化合物の特定の実施形態では、R2は、フェニルであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−N(C=O)−NRARB、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
式(III)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ヘテロアリールであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
適したR2ヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。
例えば、R2ヘテロアリール基の一つの下位群は5個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピラゾール、イミダゾールおよびチアゾールである。
R2ヘテロアリール基のもう一つの下位群は、6個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピリジンおよびピリミジンである。
式(III)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ハロゲンである。
式(III)の化合物のその他の実施形態では、R3は、ハロゲン(好適にはフルオロ、クロロまたはブロモ)であり、縮合フェニルの炭素原子の1つに存在する。
特定の実施形態では、式(III)の化合物は、式(IIIA)の化合物
またはその製薬上許容される塩である。
その他の実施形態では、式(III)の化合物は、式(IIIB)の化合物
またはその製薬上許容される塩である。
式(I)の化合物の属の中のもう一つの亜属の中に、式(IV)の化合物:
およびその製薬上許容される塩があり、この際、R7は、場合により1個以上のフェニル環炭素原子に存在し、それぞれのR7は、
(1)ハロゲン、
(2)ヒドロキシ、
(3)−O−C1−6アルキル、
(4)−O−C1−6アルキル、および
(5)シアノ
からなる群から選択される。
式(IV)の化合物の特定の実施形態では、R2は、フェニルであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、この環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
式(IV)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ヘテロアリールであり、場合により1つ以上の
(a)ハロゲン、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−CN、
(f)−NRARB、
(g)−NH(C=O)−C1−6アルキル、
で置換され、
この際、RAおよびRBは、
(i)水素、または
(ii)−C1−6アルキル
からなる群から選択されるか、あるいは、RAおよびRBは、それらが両方ともに結合している窒素と連結されて2〜6員の炭素環を形成し、前記環の炭素原子の1または2個が窒素、酸素または硫黄に置換されている。
適したR2ヘテロアリール基は、5または6個の環原子を有する。
例えば、R2ヘテロアリール基の一つの下位群は5個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピラゾール、イミダゾールおよびチアゾールである。
R2ヘテロアリール基のもう一つの下位群は、6個の環原子を有する。この実施形態において例示的なR2ヘテロアリール基は、ピリジンおよびピリミジンである。
式(IV)の化合物のその他の実施形態では、R2は、ハロゲンである。
式(I)の化合物の属の中のもう一つの亜属の中に、式(V)の化合物
およびその製薬上許容される塩がある。
式(I)具体的な実施形態は、実施例1〜96、例えば、
2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−ブロモ−6−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
3−フルオロ−2−(3−オキソ−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−3,5−ジヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−2−イル)ベンゾニトリル;
9−フルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
9−フルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−フルオロフェニル)−5−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
5−[(5−ブロモピリジン−2−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
5−{[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−フルオロ−3−メチルピリジン−4−イル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(+)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(−)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−5−(4−ヨードベンジル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−5−[4−(2−メチルピリジン−4−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5−{[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5−{[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−2(オキシラン−2−イルメチル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−2−(2,3−ジメトキシプロピル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
6−クロロ−2−(2−メチルフェニル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
6−クロロ−2−(trans−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
6−クロロ−2−(trans−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
6−クロロ−2−(cis−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
6−クロロ−2−(cis−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−6−クロロ−5−(4−ヨードベンジル)−2−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−6−クロロ−5−{[4−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]メチル}−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5−{[4−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]メチル}−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−2−[cis,trans−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
trans−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
cis−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
trans−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
cis−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−cis,trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
cis−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
cis−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(6−フルオロ−2−メチルピリジン−3−イル)−5−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
(±)−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2−メチルフェニル)−5−[4−(6−メチルピリジン−3−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン;
およびその製薬上許容される塩として本明細書に記載される。
本発明はまた、治療上有効な量の式(II)〜(V)の化合物、またはその製薬上許容される塩を患者に投与することによる、M1受容体の関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などについて患者(好ましくはヒト)を治療する方法に関する。
本発明はまた、式(II)〜(V)の化合物、またはその製薬上許容される塩を患者に投与することによる、M1受容体の関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などを治療するための式(II)〜(V)の化合物の使用に関する。
本発明はまた、式(II)〜(V)の化合物、またはその製薬上許容される塩、および製薬上許容される担体を含む、患者(好ましくはヒト)におけるM1受容体の関与する疾患または障害、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などの治療のための薬物または医薬組成物に関する。
本発明はまた、式(II)〜(V)の化合物、またはその製薬上許容される塩を製薬上許容される担体と組み合わせることを含む、M1受容体の関与する疾患、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害などを治療するための薬物または組成物の製造のための方法に関する。
変数が、式(II)〜(V)のいずれか、またはその置換基中に2つ以上存在する場合、その変数の個々の存在は、特に断りのない限り、相互に独立している。
本明細書において、用語「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定される炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基を意味する(例えば、C1−10アルキルは、1個〜10個までの炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明での使用に好ましいアルキル基は、1個〜6個の原子を有するC1−6アルキル基である。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、および同類のものが挙げられる。C0アルキルは、結合を意味する。
本明細書において、用語「シクロアルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定される炭素原子数を有する飽和環状炭化水素基を意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは、3個〜12個までの炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する)。用語シクロアルキルには、本明細書において、単環式、二環式および三環式飽和炭素環、スピロ環、ならびに架橋および縮合炭素環が含まれる。
本発明での使用に好ましいシクロアルキル基は、3個〜8個までの炭素原子を有する、単環式C3−8シクロアルキル基である。例示的な単環式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび同類のものが挙げられる。例示的な架橋シクロアルキル基としては、アダマンチルおよびノルボルニルが挙げられる。例示的な縮合シクロアルキル基としては、デカヒドロナフタレンが挙げられる。
本明細書において、用語「アルケニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、単一の炭素−炭素二重結合および指定される炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する(例えば、C2−10アルケニルは、2個〜10個までの炭素原子を有するアルケニル基を意味する)。本発明での使用に好ましいアルケニル基は、2個〜6個の炭素原子を有するC2−6アルケニル基である。例示的なアルケニル基としては、エテニルおよびプロペニルが挙げられる。
本明細書において、用語「シクロアルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定される炭素原子数を有する飽和環状炭化水素基を意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは、3個〜12個までの炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する)。用語シクロアルキルには、本明細書において、単環式、二環式および三環式飽和炭素環、スピロ環、ならびに架橋および縮合炭素環が含まれる。
本発明での使用に好ましいシクロアルキル基は、3個〜8個の炭素原子を有する単環式C3−8シクロアルキル基である。例示的な単環式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび同類のものが挙げられる。例示的な架橋シクロアルキル基としては、アダマンチルおよびノルボルニルが挙げられる。例示的な縮合シクロアルキル基としては、デカヒドロナフタレンが挙げられる。
本明細書において、用語「アリール」は、それ自体または別の置換基の一部として、芳香族環状炭化水素基を意味する。好ましいアリール基は、6個〜10個までの炭素原子を有する。用語「アリール」には、複数の環系ならびに単一の環系が含まれる。本発明での使用に好ましいアリール基としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
用語「アリール」には、部分的に芳香族である(縮合環の一方が芳香族であり、他方が非芳香族である)縮合環状炭化水素環も含まれる。部分的に芳香族である例示的なアリール基は、インダニルである。
本明細書において、用語「ヘテロアリール」は、それ自体または別の置換基の一部として、C、N、OおよびSから選択される5個〜12個の環原子を有する単環式もしくは多環式基を意味し、この際少なくとも1個の環へテロ原子は、O、NまたはSであり、かつ、少なくとも1つの構成環は芳香族である。本発明での使用のための例示的なヘテロアリール基としては、カルバゾリル、カルボリニル(carbolinlyl)、クロメニル、シンノリニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、イソベンゾフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾロニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インドールアジニル、インジニル(indynyl)、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ベンゾピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、ベンゾチオエニル(benzothioenyl)、ベンゾチアゾリル、キノキサリニル、トリアジニルおよびトリアゾリル、ならびにそれらのN−酸化物が挙げられる。
ヘテロアリール基の一つの下位群は、5個の環原子を有する。この実施形態において例示的なヘテロアリール基は、ピリジル、チアゾリルおよびイミダゾリルである。
ヘテロアリール基のもう一つの下位群は、6個の環原子を有する。この実施形態において例示的なヘテロアリール基は、ピリジニルおよびピリミジニルである。
用語「ヘテロアリール」にも、部分的に芳香族である(すなわち、縮合環の一方が芳香族であり、他方が非芳香族である)縮合環式複素環が含まれる。部分的に芳香族である例示的なヘテロアリール基は、ベンゾジオキソールである。
本明細書に定義されるヘテロアリール基が置換されている場合、その置換基は、ヘテロアリール基の環炭素原子に結合されていてもよいし、または置換を許容する原子価を有する環へテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合されていてもよい。好ましくは、置換基は環炭素原子に結合する。同様に、ヘテロアリール基が本明細書において置換基として定義されている場合、結合点は、ヘテロアリール基の環炭素原子であってもよいし、結合を許容する原子価を有する環へテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)上であってもよい。好ましくは、結合は環炭素原子に存在する。
本明細書において、用語「複素環式」は、それ自体または別の置換基の一部として、C、N、OまたはSから選択され、その少なくとも1つがN、OまたはSである3個〜12個の環原子(atons)を有する非芳香族環式もしくは多環式基を意味する。本発明での使用に適した非芳香族複素環基としては、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラゾピリミジン(tetrahyropyrazopyrimidine)が挙げられる。本発明で用いる複素環基は、3個〜12個の環原子を有する。好ましい複素環基は、5個〜8個の環原子を有する。最も好ましい複素環基は、5個〜8個の環原子および単一個の窒素または酸素ヘテロ原子を有する。
本明細書に定義される複素環基が置換されている場合、その置換基は、複素環基の環炭素原子に結合されていてもよいし、置換を許容する原子価を有する環へテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合されていてもよい。好ましくは、置換基は環炭素原子に結合する。同様に、複素環基が本明細書において置換基として定義されている場合、結合点は、複素環基の環炭素原子であってもよいし、または結合を許容する原子価を有する環へテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)上であってもよい。好ましくは、結合は環炭素原子に存在する。
本明細書において、用語「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有してよい。不斉中心をもつ化合物は、エナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)または両方を生じ、混合物中のおよび純粋なまたは部分的に精製された化合物としての、あらゆる起こり得るエナンチオマーおよびジアステレオマーは、本発明の範囲内に含められることが意図される。本発明は、式(I)〜(V)の化合物の全てのかかる異性体を包含するものである。
式(I)〜(V)は、上記で明確な立体化学を示さずに示されている。本発明には、式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の全ての立体異性体ならびにその製薬上許容される塩が含まれる。
エナンチオマー富化またはジアステレオマー富化化合物の独立した合成、あるいはそれらのクロマトグラフィー分離は、当技術分野で公知のように、本明細書に開示される方法を適切に変更することにより実現することができる。それらの絶対立体化学は、結晶性生成物または、必要に応じて公知の絶対配置をもつ不斉中心を含有する試薬を用いて誘導体化された結晶性中間体のX線結晶学により決定することができる。
必要に応じて、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーを単離できるように、化合物のラセミ混合物を分離することができる。分離は、当技術分野で周知の方法、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、その後に個々のジアステレオマーを標準法、例えば分別晶出またはクロマトグラフィーなどにより分離するなどの当技術分野で周知の方法によって行うことができる。このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である場合が多い。次に、ジアステレオマー誘導体を、付加したキラル残基の切断によって純粋なエナンチオマーに変換することができる。また、化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフ法により直接的に分離することができ、その方法は当技術分野で周知である。
あるいは、化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、当技術分野で周知の方法により、公知の立体配置をもつ光学的に純粋な出発物質または試薬を用いて立体選択的合成により得ることができる。
本発明の化合物は、変数が前記定義の通りであるかまたは誘導された、容易に入手可能な出発物質を用いて、試薬および従来の合成手順から、以下の反応スキームに従って調製することができる。それら自体が有機合成分野の当業者に公知の変種を使用することも可能であるが、あまり詳細には記されていない。
本発明はまた、本発明の化合物の調製において中間体として有用な化合物の合成のための方法も提供する。
上記のいずれかの合成シーケンスの間、関係しているあらゆる分子の感受性基または反応性基を保護することが必要または望ましいであろう。これは、従来の保護基、例えばProtective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973,およびT.W.Greene & P/G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1999に記載される保護基を用いて実現することができる。保護基は、都合のよい次にくる段階で当分野から公知の方法を用いて除去することができる。
本発明の化合物の具体的な実施形態、およびそれらの作成方法は、本明細書において実施例に記載される。
用語「実質的に純粋」とは、単離された材料が、当技術分野で公知の分析技法によりアッセイして、少なくとも90%純粋、好ましくは95%純粋、さらにより好ましくは99%純粋であることを意味する。
本明細書において、用語「ムスカリン性M1受容体」とは、ムスカリン性アセチルコリン受容体の5つのサブタイプのうちの1つで、Gタンパク質共役受容体のスーパーファミリーに由来するものを指す。ムスカリン性受容体のファミリーは、例えば、Pharmacol Ther,1993,58:319−379;Eur J Pharmacol,1996,295:93−102,および Mol Pharmacol,2002,61 :1297−20 1302に記載されている。ムスカリン性受容体は、ムスカリン性リガンドが一次結合またはオルソステリック部位に結合する親和性を変更することのできる、1つ以上のアロステリック部位を含むことが知られている。例えば、S.Lazareno et al,Mol Pharmacol,2002,62:6,1491−1505を参照されたい。
本明細書において、用語「陽性アロステリック調節剤」および「アロステリック増強剤」は、同義的に使用され、受容体のアロステリック部位と相互作用して一次結合部位を活性化させるリガンドを指す。本発明の化合物は、ムスカリンM1受容体の陽性アロステリック調節剤である。例えば、調節剤または増強剤は、動物、特にヒトにおいてムスカリンM1受容体のオルソステリック部位で内因性リガンド(例えばアセチルコリンまたはキサノメリンなど)によって生じる応答を直接にまたは間接的に増強することができる。
アロステリック受容体部位でのリガンドの作用は、当業者に公知の「アロステリック三元複合体モデル」に従って理解することもできる。アロステリック三元複合体モデルは、Birdsall et al,Life Sciences,2001,68:2517−2524中でムスカリン性受容体のファミリーに関して記載されている。アロステリック結合部位の役割の概要については、Christopoulos,Nature Reviews: Drug Discovery,2002,1:198−35 210を参照されたい。
本発明の化合物は、オルソステリックなムスカリンM1受容体のアセチルコリン部位とは異なるアロステリック結合部位に結合し、それによりM1受容体のオルソステリック部位で内因性リガンドアセチルコリンにより生じる応答を増強すると考えられる。また、本発明の化合物は、ムスカリンM1受容体のキサノメリン部位とは異なるアロステリック部位に結合し、それによりM1受容体のオルソステリック部位で内因性リガンドキサノメリンにより生じる応答を増強すると考えられる。
用語「製薬上許容される塩」とは、無機もしくは有機塩基および無機もしくは有機酸を含む、製薬上許容される無毒の塩基または酸から調製される塩を指す。本発明の化合物は、化合物の遊離塩基形態に存在する酸性官能基の数によって、一塩、二塩または三塩であってよい。無機塩基から誘導される遊離塩基および塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛、および同類のものが含まれる。
固体形態の塩は、2つ以上の結晶構造中に存在することができ、水和物の形態にも存在し得る。製薬上許容される有機無毒塩基から誘導される塩には、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’N−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、および同類のものなどの塩が含まれる。
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機および有機酸を含む製薬上許容される無毒の酸から調製することができる。かかる酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、および同類のものが挙げられる。
本発明は、有効量の化合物の投与を含む、本明細書に開示される式(I)、(II)、(III)、(IV)、(IVA)および(V)の化合物のM1アロステリック調節剤としてのかかる活性を必要とする哺乳類などの患者または被験体における使用に関する。ヒトに加えて、多様なその他の哺乳類を本発明の方法に従って治療することができる。
本発明の化合物は、アルツハイマー病を治療するかまたは寛解させる際に有用性を有する。また、本化合物は、ムスカリンM1受容体が介在するその他の疾患、例えば、統合失調症、睡眠障害、疼痛障害(急性疼痛、炎症性疼痛および神経因性疼痛を含む)および認知障害(軽度認知機能障害を含む)などを治療するかまたは寛解させる際に有用であり得る。本発明の化合物により治療することのできるその他の障害としては、パーキンソン病、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、尿失禁、緑内障、統合失調症、トリソミー21(ダウン症状群)、脳アミロイド血管症、変性認知症、オランダ型のアミロイドーシス(HCHWA−D)を伴う遺伝性脳出血、クロイツフェルト・ヤコブ病、プリオン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、頭部外傷、卒中、膵炎、封入体筋炎、その他の末梢アミロイドーシス、糖尿病、自閉症およびアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、アルツハイマー病、認知障害、統合失調症、疼痛障害および睡眠障害を治療する際に有用である。例えば、本化合物は、アルツハイマー型の認知症の予防のために、ならびにアルツハイマー型認知症の初期段階、中間段階または後期段階の治療のために有用であり得る。
本発明の化合物が有用であると見込まれる統合失調症の状態または障害には、次の状態または疾患:統合失調症(妄想性、解体型、緊張型または未分化型)、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、全身の医学的状態および物質誘発性または薬物誘発性(フェンシクリジン、ケタニン(ketanine)およびその他の解離麻酔薬、アンフェタミンおよびその他の覚醒剤およびコカイン)精神障害に起因する精神障害、精神病性障害、情動障害に関連する精神病、短期反応性精神病、統合失調感情性精神病、「統合失調症スペクトラム」障害、例えば統合失調質人格障害または統合失調症型人格障害など、または精神病に関連する疾病(例えば、大鬱病、躁鬱性(双極性)障害、アルツハイマー病および心的外傷後ストレス症状群など)(統合失調症およびその他の精神障害の陽性症状および陰性症状の両方を含む);認知症(アルツハイマー病、虚血、多発脳梗塞性認知症、心的外傷、血管の問題または卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、その他の全身の医学的状態または物質乱用に関連する)を含む認知障害;譫妄、健忘障害または加齢性認知低下を含む統合失調症または精神病の1つ以上が含まれる。
別の具体的な実施形態では、本発明は、有効量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、統合失調症または精神病を治療するための方法を提供する。特定の統合失調症または精神病病態は、妄想性、解体型、緊張型または未分化型の統合失調症および物質誘導性精神障害である。現在、精神障害の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の第4版の修正版(DSM−IV−TR)(2000,American Psychiatric Association,Washington DC)には、妄想性、解体型、緊張型または未分化型統合失調症および物質誘導性精神障害を含む診断ツールが提供されている。本明細書において、用語「統合失調症または精神病」には、DSM−IV−TRに記載される精神障害の治療が含まれる。当業者であれば、代わりとなる精神病の命名法、疾病分類学および分類系があり、これらの系が医学および化学の進歩とともに進化することを理解するであろう。従って、用語「統合失調症または精神病」は、その他の診断源に記載されている同様の障害を含むことを意図する。
化合物の組合せの例としては、統合失調症の治療のための薬剤との組合せ、例えば鎮静薬、催眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニスト、および同類のものなど:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アリピプラゾール、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン(busprione)、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロルジアゼポキシド、クロレタート、クロルプロマジン、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オランザピン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、クエチアピン、レクラゼパム、リスペリドン、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロエロン(suproelone)、テマゼパム、チオリダジン、チオチキセン、トラカゾラート、トラニルシプロミン(tranylcypromaine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド(tricetamide)、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルピデム、およびそれらの塩、およびそれらの組合せ、および同類のものとの組合せが挙げられ、あるいは、対象化合物を、物理的方法、例えば、光線療法または電気刺激などの使用と併せて投与してよい。
もう一つの実施形態では、対象化合物は、レボドパ(選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドなどを用いてまたは用いずに)、抗コリン薬、例えば、ビペリデン(場合によりその塩酸塩または乳酸塩として)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩など、COMT阻害薬、例えば、エンタカポンなど、MOA−B阻害剤、抗酸化薬、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動薬、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニストおよびドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールなどと組み合わせて用いることができる。ドーパミンアゴニストは、製薬上許容される塩の形態、例えば、アレンテモール臭化水素酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩、フェノルドパムメシル酸塩、ナキサゴリド塩酸塩およびペルゴリドメシル酸塩であってよいことは当然理解される。
もう一つの実施形態では、対象化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環ジベンザゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロンのクラスの神経遮断薬からの化合物と組み合わせて用いてよい。適したフェノチアジンの例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンが挙げられる。適したチオキサンテンの例としては、クロルプロチキセンおよびチオチキセンが挙げられる。ジベンザゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリンドロンである。その他の神経遮断薬としては、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンが挙げられる。対象化合物と組み合わせて使用する場合に、神経遮断薬は、製薬上許容される塩の形態、例えば、クロルプロマジン塩酸塩、メソリダジンベシル酸塩、チオリダジン塩酸塩、アセトフェナジンマレイン酸塩、フルフェナジン塩酸塩、フルフェナジンエナント酸塩、フルフェナジンデカン酸塩、トリフルオペラジン塩酸塩、チオチキセン塩酸塩、ハロペリドールデカン酸塩、ロキサピンコハク酸塩およびモリンドン塩酸塩であってよいことは、当然理解される。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは、一般的に非塩形態で使用される。従って、対象化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、アリピプラゾール、アミスルプリド(amisuipride)、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、ベンセラジドとレボドパ、カルビドパとレボドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル(frihexyphenidyl)、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジンまたはジプラシドンと組み合わせて用いることができる。
本発明の化合物が有用であると見込まれる睡眠状態または障害には、睡眠の質を強化すること;睡眠の質を向上させること;睡眠の持続を増加させること;対象者の睡眠時間を対象者が眠ろうと試みる時間で除算することにより計算される値を増加させること;睡眠潜時または入眠時間(眠るために要する時間)を減少させること;寝つきの困難さを低下させること;睡眠の継続を増加させること;睡眠中の覚醒回数を減少させること;夜間覚醒を減少させること;睡眠の開始の後に起きて過ごす時間を減少させること;睡眠の総量を増加させること;睡眠の断片化を減少させること;REM睡眠期間のタイミング、頻度または持続時間を変更すること;徐波(すなわち、ステージ3または4)睡眠期間のタイミング、頻度または持続時間を変更すること;ステージ2睡眠の量および割合を増加させること;徐波睡眠を促進すること;睡眠中のEEG−デルタ活性を強化すること;日中の俊敏さを増加させること;日中の眠気を減少させること;過剰な日中の眠気を処置することまたは減少させること;不眠症;仮眠症;ナルコレプシー;中断された睡眠;睡眠時無呼吸;覚醒状態;夜間ミオクローヌス;REM睡眠の中断;時差ぼけ;交代勤務従業員の睡眠障害;睡眠異常;夜驚症;鬱病、情動障害/気分障害、ならびに夢遊病および遺尿症に関連する不眠症、および加齢を伴う睡眠障害;アルツハイマー病の日暮れ症候群;概日リズムに関係する状態ならびにタイムゾーンをまたぐ旅行および交代制勤務スケジュールに関係する精神的障害および物理的障害;副作用としてREM睡眠の減少を引き起こす薬物に起因する状態;体力の回復が見られない睡眠および筋肉の疼痛または睡眠中の呼吸障害に関連する睡眠時無呼吸を示す症状群;ならびに睡眠の質の低下により生じる状態、が含まれる。
本発明の化合物が有用であり得る疼痛障害には、神経因性疼痛(例えば、帯状疱疹後神経痛、神経損傷、「ディニア(dynias)」、例えば、外陰部痛、幻肢痛、神経根ひき抜き損傷、有痛性糖尿病性神経障害、有痛性外傷性単神経炎、有痛性多発性神経炎など);中枢痛症状群(事実上、神経系のあらゆるレベルでのあらゆる病変により引き起こされる可能性がある);手術後の疼痛症状群(例えば、***切除後症状群、開胸術後症状群、断端痛);骨および関節痛(変形性関節症)、反復性運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋膜痛(筋損傷、線維筋痛症);周術期疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、月経困難症、ならびにアンギナに関連する疼痛、および様々な起源の炎症性疼痛(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱滑膜炎および痛風)、頭痛、片頭痛および群発性頭痛、頭痛、一次痛覚過敏、二次痛覚過敏、一次異痛症、二次異痛症、または中枢の感作により引き起こされるその他の疼痛が含まれる。
本発明の化合物はまた、ジスキネジアを治療または予防するために使用することができる。さらに、本発明の化合物は、疼痛のオピオイド治療に対する耐性および/または依存を低下させるために、さらに、例えば、アルコール、オピオイド、およびコカインの禁断症状の治療のためにも使用することができる。
本発明の化合物が投与される被験体または患者は、一般に、M1アロステリック調節が望まれるヒト男性または女性であるが、上記の障害の治療が望まれるその他の哺乳類、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ネズミ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジーまたはその他の類人猿または霊長類などが包含され得る。
本発明の化合物は、本発明の化合物が有用性を有する疾患または状態の治療において、1つ以上のその他の薬物と組み合わせて使用することができ、この場合これらの薬物を一緒に組み合わせることは、いずれかの薬物単独よりもより安全であるかまたはより効果的である。その上、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用のリスクまたは毒性を処置する、防ぐ、制御する、寛解させる、または低下させる1つ以上のその他の薬物と組み合わせて使用することができる。そのようなその他の薬物は、それについて慣用される経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは順次に投与することができる。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて1つ以上のその他の有効成分を含む組成物が含まれる。これらの組合せは、単位剤形組合せ製品の一部として投与されてもよいし、あるいは、1つ以上の追加の薬物が治療計画の一部として別々の剤形で投与されるキットまたは治療プロトコールとして投与されてもよい。
本発明の化合物の組合せの例としては、抗アルツハイマー病薬、例えばβ−セクレターゼ阻害剤;α7ニコチンアゴニスト、例えば、ABT089、SSR180711およびMEM63908など;ADAM10リガンドまたはアクチベーター;γ−セクレターゼ阻害剤、例えば、LY450139およびTAK070など;γ−セクレターゼ調節剤;タウリン酸化阻害剤;グリシン輸送阻害剤;LXR βアゴニスト;ApoE4立体構造調節剤;NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲン受容体調節剤;Aβオリゴマー形成の遮断薬;5−HT4アゴニスト、例えば、PRX−03140など;5−HT6アンタゴニスト、例えば、GSK742467、SGS−518、FK−962、SL−65.0155、SRA−333およびキサリプロデンなど;5−HT1aアンタゴニスト、例えば、レコゾタン;p25/CDK5阻害剤;NK1/NK3受容体アンタゴニストなど;COX−2阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体(抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体を含む)、例えば、バピネオズマブ、ACC001、CAD106、AZD3102、H12A11V1など;抗炎症化合物、例えば、(R)−フルルビプロフェン、ニトロフルルビプロフェン、ND−1251、VP−025、HT−0712およびEHT−202など;PPARγアゴニスト、例えば、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンなど;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体インバースアゴニスト、例えば、AVE1625など;抗生物質、例えば、ドキシサイクリンおよびリファンピンなど;N−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチン、ネラメキサンおよびEVT101など;コリンエステラーゼ阻害薬、例えば、ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、タクリン、フェンセリン、ラドスチジルおよびABT−089など;成長ホルモン分泌促進薬、例えば、イブタモレン、イブタモレンメシレート、およびカプロモレリン(capromorelin)など;ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、例えば、ABT−834、ABT829、GSK189254およびCEP16795など;AMPAアゴニストまたはAMPA調節剤、例えば、CX−717、LY 451395、LY 404187およびS−18986など;PDE IV阻害剤(MEM1414、HT0712およびAVE8112を含む);GABAAインバースアゴニスト;GSK3β阻害剤(AZD1080、SAR502250およびCEP16805を含む);ニューロンニコチンアゴニスト;選択的M1アゴニスト;HDAC阻害剤;および微小管親和性調節キナーゼ(MARK)リガンド;あるいは、本発明の化合物の効性、安全性、簡便性を増大させるか、あるいは望ましくない副作用または毒性を低下させる受容体または酵素に影響を及ぼすその他の薬物との組合せが挙げられる。
化合物の組合せの例としては、疼痛の治療のための薬剤、例えば非ステロイド系抗炎症薬、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル(duflunisal)、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダックおよびトルメチンなど;COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、406381および644784など;CB−2アゴニスト、例えば、842166およびSAB378など;VR−1アンタゴニスト、例えば、AMG517、705498、782443、PAC20030、V114380およびA425619など;ブラジキニンB1受容体アンタゴニスト、例えば、SSR240612およびNVPSAA164など;ナトリウムチャネル遮断薬およびアンタゴニスト、例えば、VX409およびSPI860など;一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤(iNOSおよびnNOS阻害剤を含む)、例えば、SD6010および274150など;ラコサミドを含むグリシン部位アンタゴニスト;ニューロンニコチンアゴニスト、例えば、ABT894など;NMDAアンタゴニスト、例えば、AZD4282など;カリウムチャネル開口薬;AMPA/カイニン酸受容体アンタゴニスト;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ジコノチドおよびNMED160など;GABA−A受容体IO調節剤(例えば、GABA−A受容体アゴニスト);マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤;血小板溶解薬;オピオイド鎮痛薬、例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、プロポキシフェンなど;好中球阻害因子(NIF);プラミペキソール、ロピニロール;抗コリン薬;アマンタジン;モノアミンオキシダーゼB15(「MAO−B」)阻害剤;5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト;mGlu5アンタゴニスト、例えば、AZD9272など;αゴニスト、例えば、AGNXX/YYなど;ニューロンニコチンアゴニスト、例えば、ABT894など;NMDA受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、例えば、AZD4282など;NKIアンタゴニスト;選択的セロトニン再取り込み阻害剤(「SSRI」)および/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(「SSNRI」)、例えば、デュロキセチンなど;三環系抗うつ薬、ノルエピネフリン調節剤;リチウム;バルプロ酸;ガバペンチン;プレガバリン;リザトリプタン;ゾルミトリプタン;ナラトリプタンおよびスマトリプタンとの組合せが挙げられる。
本発明の化合物は、例えば、鎮静薬、催眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安剤、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、オレキシンアンタゴニスト、α−1アンタゴニスト、GABAアゴニスト、5HT−2アンタゴニスト(5HT−2Aアンタゴニストおよび5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む)、ヒスタミンアンタゴニスト(ヒスタミンH3アンタゴニストを含む)、ヒスタミンH3インバースアゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、その他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニストおよびアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジン、および同類のものなど:アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン(busprione)、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン(capromorelin)、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロレタート、クロザピン、クロナゼパム(conazepam)、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロルビノール(ethchlorynol)、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インディプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾラート、トラニルシプロミン(tranylcypromaine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、およびそれらの塩、およびそれらの組合せ、および同類のものを含む、睡眠の質を強化し、睡眠障害および睡眠障害を予防および治療するために有用な化合物と組み合わせて投与してもよいし、あるいは、本発明の化合物は、物理的な方法、例えば、光線療法または電気刺激などの使用と併せて投与してよい。
もう一つの実施形態では、対象化合物は、レボドパ(選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパまたはベンセラジドなどを用いてまたは用いずに)、抗コリン薬、例えば、ビペリデン(場合によりその塩酸塩または乳酸塩として)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩など、COMT阻害薬、例えば、エンタカポンなど、MOA−B阻害剤、抗酸化薬、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動薬およびドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールなどと組み合わせて用いてよい。
用語「組成物」は、本明細書において、指定された成分を所定の量または割合で含む生成物、ならびに、直接的または間接的に、指定された量の指定された成分の組合せからもたらされるあらゆる生成物を包含することを意図する。この用語は、医薬組成物に関して、1つ以上の有効成分および不活性成分を含む任意選択の担体を含む生成物、ならびに、直接的または間接的に、2つ以上の成分の組合せ、錯化または凝集から生じる、あるいは1つ以上の成分の解離から生じる、あるいは1つ以上の成分のその他の種類の反応または相互作用から生じる、あらゆる生成物を包含することを意図する。
一般に、医薬組成物は、均一かつ緊密に有効成分を液体担体または微粉化された固体担体または両方と会合させ、その後、必要に応じて、その生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。医薬組成物中で、式(I)〜(VIII)の化合物である活性化合物は、疾患のプロセスまたは状態に所望の効果を生み出すために十分な量で含まれる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および製薬上許容される担体を添合することにより作成されるあらゆる組成物を包含する。
担体は、投与に望ましい調製物の形態、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)によって、幅広い種類の形態をとり得る。従って、本発明の医薬組成物は、経口投与に適した個別の単位、例えば、それぞれが所定量の有効成分を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤などとして提供され得る。さらに、組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液中懸濁液として、非水性液として、水中油型乳濁液としてまたは油中水型液体乳濁液として提供され得る。上に示した一般的な剤形に加えて、本発明の化合物、またはその製薬上許容される塩は、制御放出手段および/または送達装置により投与されてもよい。
経口使用を目的とする医薬組成物は、医薬組成物の製造のための当分野に公知のいずれかの方法に従って調製されてよく、かかる組成物は、製薬上洗練され美味な調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存料からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含んでよい。錠剤は、錠剤の製造に適している無毒の製薬上許容される賦形剤との混合物中に有効成分を含んでよい。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど;造粒剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアガム、ならびに潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってよい。錠剤はコーティングしなくてもよいし、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させるために公知の技法によって錠剤をコーティングし、それによって、より長期間にわたって持続する作用を提供するようにしてもよい。
本発明の組成物を含有する錠剤は、圧縮または成形により、場合により1つ以上の副成分またはアジュバントとともに調製することができる。圧縮錠は、適した機械で、粉末または顆粒などの自由流動形態の有効成分を、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、表面活性剤または分散剤と混合して圧縮することにより調製することができる。成形錠は、適した機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化した化合物の混合物を成形することにより作製することができる。それぞれの錠剤は、好ましくは約0.1mg〜約500mgの有効成分を含み、それぞれのカシェ剤またはカプセル剤は、好ましくは約0.1mg〜約500mgの有効成分を含む。
経口使用のための組成物は、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤、あるいは、有効成分が水または油媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤としても提供することができる。
その他の医薬組成物としては、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含有する水性懸濁液が挙げられる。さらに、油性懸濁液は、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油、または流動パラフィンなどの鉱油に有効成分を懸濁することにより処方することができる。油性懸濁液は様々な賦形剤を含んでいてもよい。本発明の医薬組成物はまた、甘味料および香味剤などの賦形剤を含むことのできる、水中油型乳濁液の形態であってもよい。
医薬組成物は、無菌の注射用水性または油性懸濁液の形態であってもよいし、あるいは、かかる無菌注射液または分散液の即時調製のための無菌粉末の形態であってもよい。全ての場合において、最終注射剤形は、無菌でなくてはならず、かつ、容易に注射可能であるために効率的に流動体でなければならない。医薬組成物は、製造および貯蔵の条件下で安定していなければならない;従って、好ましくは細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されているべきである。
本発明の医薬組成物は、局所使用に適した形態、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、撒布剤、または同類のものであってよい。さらに、組成物は、経皮装置での使用に適した形態であってよい。これらの製剤は、従来の加工方法によって調製することができる。例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料と水を、約5重量%〜約10重量%の化合物と一緒に混合することにより調製されて、所望の稠度を有するクリームまたは軟膏を製造する。
本発明の医薬組成物は、担体が固体である、直腸投与に適した形態でもあり得る。混合物が単位用量の坐剤を形成することが好ましい。適した担体としては、カカオバターおよびその他の当技術分野で慣用される材料が挙げられる。
「製薬上許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤は製剤のその他の成分と適合性である必要があり、その受容者に有害であってはならないことを意味する。
用語「(化合物)の投与」または「(化合物を)投与する」とは、本発明の化合物を、治療を必要とする個体に、その個体の身体内に導入することのできる形態で、治療上有用な形態および治療上有用な量で提供することを意味すると理解されるべきであり、それには、限定されるものではないが:経口剤形、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液、および同類のものなど;注射剤形、例えばIV、IM、またはIP、および同類のものなど;経皮剤形(クリーム、ゼリー、粉末、またはパッチを含む);口内剤形;吸入粉末、スプレー、懸濁液、および同類のもの;ならびに直腸坐剤が挙げられる。
用語「有効量」または「治療上有効な量」とは、研究者、獣医、医師またはその他の臨床医が求める組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する対象化合物の量を意味する。
本明細書において、用語「治療」または「治療すること」とは、本発明の化合物のあらゆる投与を意味し、それには(1)罹病している病理または症候が起こるかまたは罹病している病理または症候を示す動物において、疾患を阻害すること(すなわち病理および/または症候のさらなる発達を停止させること)、または(2)罹病している病理または症候が起こるかまたは罹病している病理または症候を示す動物において、疾患を寛解させること(すなわち病理および/または症候を逆転させること)が含まれる。
本発明の化合物を含有する組成物は、便宜に単位剤形で提供することができ、製薬分野で周知の方法のいずれかにより調製することができる。用語「単位剤形」は、全ての活性および不活性成分が適した系に組み込まれている単一用量を意味し、そのために患者または患者に薬物を投与する人物は、全用量がその中に収容されていて、2つ以上の容器またはパッケージからの構成要素を一緒に混合する必要のない、単一の容器またはパッケージを開封することができる。単位剤形の典型的な例は、経口投与用の錠剤またはカプセル剤、注射用の単一用量バイアル、または直腸投与用の坐剤である。この単位剤形のリストは、決して限定することを意図するものでなく、単に単位剤形の典型例を示すものである。
本発明の化合物を含有する組成物は、便宜に、活性および不活性成分、担体、希釈剤、および同類のものであり得る2つ以上の構成要素が、患者または患者に薬物を投与する人物による実際の投薬量の調製のための説明をとともに提供されるキットとして提示されてよい。かかるキットは、その中に収容される全ての必要な材料および成分とともに提供されてもよいし、患者または患者に薬物を投与する人物によって独立に入手しなくてはならない材料または構成要素を使用または作成するための説明書を含んでいてもよい。
本発明の化合物が適応される障害または疾患を治療するかまたは寛解させる場合、本発明の化合物を 動物の体重1kgあたり約0.1mg〜約100mgの1日投与量で投与する場合に、好ましくは単回1日量としてまたは1日2〜6回の分割用量で、または持続放出形態で投与する場合に一般に満足のいく結果が得られる。総1日投与量は、約1.0mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約20mg/体重kgである。70kgのヒト成人の場合、総1日投与量は、一般に約7mg〜約1,400mgとなる。この投与計画を調節して最適な治療応答を得ることができる。本化合物は、1日1〜4回、好ましくは1日1回または2回の計画で投与されてよい。
単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることのできる有効成分の量は、治療される宿主および特定の投与様式によって変動する。例えば、ヒトへの経口投与を目的とする製剤は、適切および便宜な量の担体材料と配合した約0.005mg〜約2.5gの活性薬剤を便宜に含む。単位剤形は、1日に1回、2回または3回投与される、約0.005mg〜約1000mgの間の有効成分、一般に0.005、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgを含むことになる。
しかし、当然のことながら、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変動する可能性があり、用いる具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与様式および投与回数、排出速度、薬物の組合せ、特定の状態の重篤度、および治療を受ける宿主を含む、多様な因子によって決まることは理解される。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法が、本明細書中のスキームおよび実施例に説明される。出発物質は、当技術分野で公知の手順に従って、または本明細書に説明される通りに作成される。以下の実施例は、本発明がより十分に理解されるように提供される。
以下の実施例は、本発明を説明するために提供されるものであり、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限すると解釈されるものではない。
化合物1は、当技術分野で公知であり(Chem.Pharm.Bull.1988,36,1321)、N,N’−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中ヨウ化カリウムの存在下、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、ハロゲン化ベンジルによるアルキル化を受けて2を得ることができる。チオケトン3への変換は、高温下でトルエンのような溶媒中、ローソン試薬の存在下で達成することができる。チオケトン3を、高温下で適切な溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、適切に置換されたヒドラジンで処理することにより、一般的な実施例4を得ることができる。
市販のβ−ケトエステル5を、酢酸などの酸の存在下、高温でヒドラジン6と合すると7が得られ、それを4−アセトミドベンゼンスルホニルアジド(acetomidobenzenesulfony azide)などのジアゾ移動剤(diazotranfer agent)で処理して8を得ることができる。ホスフィン媒介性部分的還元および適切に置換されたハロゲン化アルキルを用いるin situ処理により、ピラゾロン11を直接得ることができる。あるいは、ヒドラゾン9への部分的還元、それに続いて水素化ナトリウムのような適切な塩基の存在下での置換ハロゲン化ベンジルを用いるアルキル化により10を得ることができる。閉環を、高温で炭酸カリウムのような塩基の存在下およびN,N’−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で行って11を得ることができる。11(R1=BrまたはI)のさらなる誘導体化を行って、適した触媒、溶媒およびリガンドの存在下、銅触媒によるC−N結合形成により12を得ることができる。あるいは、パラジウム触媒によるC−C結合形成を適したパラジウム触媒、リガンドおよび、(芳香族またはアルキルであってよく、該金属はホウ素、錫、亜鉛、またはマグネシウムであってよい)有機金属試薬の存在下で実施して13を得ることができる。
化合物へのさらなる手法には、適した酸化剤、例えばN−メチルモルホリン酸化物または過ヨウ素酸ナトリウムなどの存在下、15を得る14のオスミウム媒介性酸化的開裂を挙げることができる。芳香族ヨウ化物および適した触媒、溶媒およびリガンドを用いて15を処理することにより化合物16を得ることができる。
化合物への別の手法としては、ジアゾ17を得るための、β−ケトエステル5の4−アセトミドベンゼンスルホニルアジド(acetomidobenzenesulfony azide)などのジアゾ移動剤(diazotranfer agent)での処理が挙げられる。ホスフィン媒介性還元は、ヒドラゾン18を得ることができ、それを水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ハロゲン化ベンジルを用いてアルキル化して19を得ることができる。チオケトン20は、トルエンのような溶媒中、高温下でローソン試薬を用いる処理によって得てよい。化合物20は、エタノールのような溶媒中のヒドラジンで処理して21を得ることができ、それは、芳香族ハロゲン化合物および適した触媒、溶媒およびリガンドの存在下で、化合物22を得ることができる。あるいは、チオケトン20を塩化水銀(II)の存在下、置換ヒドラジンで処理して化合物22を直接に得てもよい。化合物22(R1=BrまたはI)のさらなる合成(elaboration)を行って、適した触媒、溶媒およびリガンドの存在下、銅触媒によるC−N結合形成により23を得ることか、あるいはパラジウム触媒によるC−C結合形成を適したパラジウム触媒、リガンドおよび、(芳香族またはアルキルであってよく、該金属はホウ素、錫、亜鉛、またはマグネシウムであってよい)有機金属試薬の存在下で実施して23を得ることができる。
以下の実施例は、本発明を説明するために提供されるものであり、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限すると解釈されるものではない。
[実施例1]
2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:4−オキソ−1−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(427mg、1.96ミリモル)を脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、1−[4−ブロモメチル)フェニル]−1H−ピラゾール(510mg、2.15ミリモル、1.1当量)および炭酸カリウム(325mg、2.35ミリモル、1.2当量)で処理した。この混合物を、窒素下周囲温度にて18時間攪拌した後、水と酢酸エチルとで分液した。合した有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカ勾配ゲルクロマトグラフィー(100:0〜90:10;クロロホルム:メタノール)により精製して、標題化合物を得た。
段階2:1−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:4−オキソ−1−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(253mg、0.676ミリモル)を、トルエン(3mL)に懸濁し、2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン2,4−ジスルフィド(ローソン試薬、164mg、0.405ミリモル、0.6当量)で処理した。この混合物を、105℃にて1時間加熱し、周囲温度まで冷却し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(90:10〜60:40;ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、標題化合物を得た。
段階3:2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:1−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(160mg、0.410ミリモル)を、1,2−ジメトキシエタン(2mL)および無水エタノール(1mL)に溶解させた。2−フルオロフェニルヒドラジン(114mg、0.902ミリモル、2.2当量)および炭酸カリウム(170mg、1.23ミリモル、3.0当量)を添加した。この混合物を周囲温度にて15分間激しく攪拌した後、98℃に予熱した油浴に7時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却させ、クロロホルムで希釈し、水で1回洗浄した。水相をクロロホルムで1回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜99:1;クロロホルム:メタノール)により精製し標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.32(1H,d,J=7.8Hz)、7.90(1H,s)、7.71−7.61(4H,m)、7.60−7.52(3H,m)、7.43−737(3H,m)、7.31−7.26(2H,m)、6.47(1H,s)、5.88(2H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 437.1517[(M+H)+;C25H18FN6Oについての計算値:437.1521]。
次の式(II)の化合物(式中、R
3は存在しない)を、実施例1に記載される一般的手順に従って、適切なヒドラジンを2−フルオロフェニルヒドラジンの代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
*相対的なトランス立体化学を示す。**シスおよびトランスの両異性体を示す。
[実施例11]
2−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
アリル−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例10)、600mg、1.57ミリモル]を、テトラヒドロフラン(65mL)および水(65mL)に溶解させ、4−メチルモルホリン4−酸化物(221mg、1.88ミリモル、1.2当量)および四酸化オスミウム(50.0μL、0.160ミリモル、0.1当量)で処理した。この混合物を周囲温度で72時間攪拌し、重炭酸ナトリウム(200mL、飽和水)に注入し、酢酸エチル(2×150mL)およびクロロホルム(2×100mL)で抽出した。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。硫酸ナトリウムを、メタノール:クロロホルムの1:1混合物で洗浄し(6×30mL)、濾液を真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜85:15;ジクロロメタン:メタノール)によって精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.30−8.26(1H,m)、7.89(1H,d,J=2.5Hz)、7.72−7.67(3H,m)、7.62−7.54(3H,m)、7.39(2H,d,J=8.4Hz)、6.47−6.45(1H,m)、5.88(2H,s)、4.31(2H,dd,J=5.3,2.0Hz)、4.18−4.13(1H,m)、3.69−3.65(2H,m)、3.49(1H,d,J=5.8Hz)、3.02(1H,m);高解像度質量分析(ES+)m/z 417.1684[(M+H)+;C22H21N6O3についての計算値:417.1670]。
[実施例12]
2−(2−ブロモ−6−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:(2−ブロモ−6−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドの調製:2−ブロモ−6−フルオロアニリン(2.0g、10ミリモル)を、塩酸(7.0mL、12N水溶液、8.0当量)に溶解させ、0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(0.80g、11ミリモル、1.1当量)の水溶液(10mL)を、添加漏斗を介して30分にわたり滴下し、この混合物をさらに30分間0℃にて攪拌した。次に、塩化第一スズ(7.1g、31ミリモル、3.0当量)の塩酸溶液(10mL、12N水溶液)を、添加漏斗を介して45分にわたりこの混合物に添加し、混合物をさらに1時間0℃にて攪拌した。この混合物に、水酸化ナトリウム(30mL、1N水溶液)を、塩基性になるまでゆっくりと添加した(pH>8)。混合物を周囲温度まで温め、水酸化ナトリウム(50mL、25%水溶液)に注入し、水層をジエチルエーテルで抽出した(3×250mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、部分的に真空濃縮した。混合物をジエチルエーテル(200mL)で希釈し、気体塩酸で飽和するまで処理し、白色の沈殿物を得、それを濾過し、ジエチルエーテル(2×50mL)で洗浄して、標題化合物を白色固体として得た。
段階2:2−(2−ブロモ−6−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:実施例1に記載される手順を使用して、(2−ブロモ−6−フルオロフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを(2−フルオロフェニル)ヒドラジンの代わりに用いて(段階3)、標題化合物を調製した:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.31(1H,d,J=7.1Hz)、7.90(1H,s)、7.73−7.70(4H,m)、7.59−7.52(4H,m)、7.44(2H,d,J=8.3Hz)、7.40−7.30(1H,m)、6.47(1H,s)、5.88(2H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 515.0629[(M+H)+;C25H17BrFN6Oについての計算値:515.0626]。
[実施例13]
3−フルオロ−2−(3−オキソ−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−3,5−ジヒドロ−2H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−2−イル)ベンゾニトリル
2−(2−ブロモ−6−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例12)46mg、0.089ミリモル]を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解させ、シアン化亜鉛(18mg、0.15ミリモル、1.7当量)およびビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(9.0mg、0.018ミリモル、0.2当量)で処理した。この混合物を、窒素下100℃にて30分間攪拌し、周囲温度まで冷却し、水に注入し、かつ酢酸エチルで2回抽出した。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して(100:0〜90:10;クロロホルム:メタノール)標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.32(1H,d,J=7.8Hz)、7.90(1H,s)、7.72(2H,d,J=9.4Hz)、7.67−7.51(7H,m)、7.44(2H,d,J=9.4Hz)、6.47(1H,s)、5.89(2H,s)ppm;低解像度質量分析(ES+)m/z 461.9[(M+H)+;C26H16FN7Oについての計算値:461.4]。
[実施例14]
9−フルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:3−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチルの調製:2,6−ジフルオロ安息香酸(15g、0.095モル)およびカルボニルジイミダゾール(18g、0.14モル、1.5当量)の無水テトラヒドロフラン(150mL)中の混合物を、周囲温度にて6時間攪拌した。別のフラスコ中で、無水塩化マグネシウム(II)(9.0g、0.095モル、1.0当量)およびマロン酸エチルカリウム(22g、0.13モル、1.4当量)のテトラヒドロフラン(225mL)中懸濁液を、50〜60℃にて6時間攪拌し、周囲温度まで冷却し、その後にシリンジを介してそれを活性化酸の溶液に添加し、その混合物を周囲温度にてさらに18時間攪拌した。混合物を3時間還流し、周囲温度まで冷却し、水に注入し、塩酸(12N水溶液)でpH<2に酸性化させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、標題化合物を得た。
段階2.2−ジアゾ−3−{2,6−ジフルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチルの調製:3−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチル(12.3g、53.8ミリモル)およびトリエチルアミン(22.5mL、0.161モル、3.0当量)を、アセトニトリル(160mL)に溶解させ、4−アセトアミドベンゼンスルホニルアジドで処理した。この混合物を周囲温度にて18時間攪拌し、真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルムで溶離)で精製して、標題化合物を得た。
段階3.5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:トリ−n−ブチルホスフィン(8.6g、0.042モル、1.1当量)の無水テトラヒドロフラン(50mL)中溶液を、2−ジアゾ−3−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチル(9.6g、0.038モル)のテトラヒドロフラン溶液(150mL)に添加した。周囲温度で30分間攪拌した後、混合物をテトラヒドロフラン(500mL)で希釈し、8時間還流させた。この混合物を周囲温度まで冷却し、真空濃縮し、シリカゲル勾配クロマトグラフィー(40:1;クロロホルム:メタノール)により精製して標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ13.85(1H,br s)、7.78−7.75(1H,m)、7.50−7.40(1H,m)、7.27−7.14(1H,m)、4.30(2H,t,J=7.1Hz)、1.30(3H,t,J=7.1Hz)ppm;低解像度質量分析(APCI)m/z 237.0[(M+H)+;C11H9FN2O3についての計算値:237.1]。
段階4:9−フルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:実施例1に記載される手順を使用して、5−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルを4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ7.90(1H,dd,J=2.5、0.5Hz)、7.70(2H,d,J=8.6Hz)、7.71(1H,m)、7.64(1H,ddd,J=7.8,7.5,1.9Hz)、7.53(1H,dt,J=8.5,5.7Hz)、7.40(2H,d,J=8.6Hz)、7.42−7.36(1H,m)、7.30(1H,d,J=8.8Hz)、7.30−7.24(3H,m)、6.46(1H,dd,J=2.5,1.8Hz)、5.83(2H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 455.1428[(M+H)+;C25H17F2N6Oについての計算値:455.1426]。
次の式(IIA)の化合物(式中、R
3は、フルオロである)は、適切なヒドラジンを2−フルオロフェニルヒドラジンの代わりに用いて、実施例14に記載される一般的手順に従って調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例18]
9−フルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:2,5−ビス(2−フルオロフェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オンの調製:3−(2−フルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチル(2.5g、12ミリモル)および2−フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリド(1.5g、12ミリモル、1.0当量)を、酢酸(24mL)に溶解させ、予熱した120℃の油浴に3時間入れた後、さらに2時間135℃で加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、真空濃縮した後、トルエンから1回濃縮させた(1×25mL)。残渣をジクロロメタンに懸濁し、濾過し、固体をジクロロメタンで1回洗浄し、真空乾燥させ、標題化合物を得た。得られる濾液を真空濃縮し、シリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜65:35;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、さらなる標題化合物を淡褐色の固体として得た。
段階2:4−ジアゾ−2,5−ビス(2−フルオロフェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オンの調製:2,5−ビス(2−フルオロフェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン(0.63g、2.3ミリモル)を、アセトニトリル(10mL)に懸濁し、トリエチルアミン(0.27mL、2.7ミリモル、1.15当量)で処理し、0℃まで冷却した。この混合物に、4−アセトアミドベンゼンスルホニルアジド(0.61g、2.5ミリモル、1.1当量)を添加し、0℃にて30分後、混合物を周囲温度まで温めた。30分間攪拌した後、混合物を炭酸ナトリウム(25mL、飽和水)および水酸化ナトリウム(10mL、1N水溶液)に注入し、ジクロロメタンで抽出した(2×125mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、標題化合物を得た。
段階3:9−フルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:4−ジアゾ−2,5−ビス(2−フルオロフェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン(0.17g、0.56ミリモル)を、アセトニトリル(5mL)に溶解させ、トリ−n−ブチルホスフィン(0.11g、0.56ミリモル、1.0当量)で処理した。周囲温度で30分間攪拌した後、1−[4−(クロロメチル)フェニル]−1H−イミダゾール(0.11g、0.56ミリモル、1.0当量)、ヨウ化カリウム(47mg、0.28ミリモル、0.5当量)および炭酸カリウム(97mg、0.70ミリモル、1.25当量)を周囲温度で添加した。45分後、反応混合物を85℃に温め、2.5時間攪拌した後、周囲温度まで冷却した。混合物を水(100mL)に注入し、酢酸エチルで抽出し(2×75mL)、合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:10%メタノール含有酢酸エチル;その後、100:0〜90:10;ジクロロメタン:10%水酸化アンモニウム含有メタノール)で2回精製して、深紅色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.33(1H,dd,J=7.6,1.8Hz)、7.85(1H,br s)、7.67−7.53(4H,m)、7.46(2H,d,J=8.5Hz)、7.40(2H,d,J=8.5Hz)、7.42−7.37(1H,m)、7.31−7.20(4H,m)、5.88(2H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 437.1526[(M+H)+;C25H18FN6Oについての計算値:437.1521]。
[実施例19]
2−(2−フルオロフェニル)−5−[(4−ヨードフェニル)メチル]2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:1,3−ビス(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジオン4−ヒドラゾンの調製:4−ジアゾ−2,5−ビス(2−フルオロフェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−オン[(実施例18、段階2)213mg、0.714ミリモル]を、アセトニトリル(10mL)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(225mg、0.857ミリモル、1.2当量)で処理した。周囲温度で30分間攪拌した後、混合物をメタノール(5mL)および水(5mL)で処理し、60℃まで1時間温めた。混合物を周囲温度まで冷却し、ブライン(50mL)および重炭酸ナトリウム(20mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(2×100mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜70:30;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階2:1,3−ビス(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジオン4−{[(4−ヨードフェニル)メチル]ヒドラゾン}の調製:1,3−ビス(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジオン−4−ヒドラゾン(57mg、0.19ミリモル)および4−ヨードベンジルブロミド(56mg、0.19ミリモル、1.0当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(17mg、0.43ミリモル、2.2当量)で処理した。0℃にて1.5時間攪拌した後、混合物を塩化アンモニウム(3mL、飽和水)で処理し、水(15mL)に注入し、酢酸エチルで抽出した(2×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜1:1;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、淡黄色の固体として標題化合物を得た。
段階3:2−(2−フルオロフェニル)−5−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:1,3−ビス(2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4,5−ジオン4−{[(4−ヨードフェニル)メチル]ヒドラゾン}(50mg、0.097ミリモル)を、脱気したジメチルスルホキシド(3.5mL)に溶解させ、炭酸カリウム(120mg、0.87ミリモル、9.0当量)で処理し、120℃に予熱した油浴に15分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(50mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(2×75mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜20:80;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、暗赤色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.32(1H,d,J=7.7Hz)、7.70(2H,d,J=8.3Hz)、7.66−7.62(1H,m)、7.59−7.55(2H,m)、7.49(1H,d,J=8.9Hz)、7.42−7.36(1H,m)、7.31−7.25(2H,m)、7.07(2H,d,J=8.0Hz)、5.77(2H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 497.0278[(M+H)+;C22H15FIN4Oについての計算値:497.0269]。
[実施例20]
2−(2−フルオロフェニル)−5−{[4−(1,3−チアゾール−4−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
2−(2−フルオロフェニル)−5−[(4−ヨードフェニル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例19)25mg、0.050ミリモル]および4−(トリブチルスタンニル)チアゾール(28mg、0.076ミリモル、1.5当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、フッ化セシウム(15mg、0.101ミリモル、2当量)、ヨウ化銅(I)(4mg、0.020ミリモル、0.4当量)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.010ミリモル、0.2当量)で処理した。この混合物を周囲温度にて1時間攪拌し、酢酸エチル(15mL)で希釈し、濾過した。固体を廃棄し、濾液を真空濃縮し、残渣を分取逆相HPLC(20:80〜80:20;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸含有水)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.99(1H,s)、8.34(1H,d,J=8.3Hz)、7.89(2H,d,J=8.2Hz)、7.69−7.55(6H,m)、7.41(2H,d,J−8.2Hz)、7.32−7.24(2H,m)、5.90(2H,s)ppm;低解像度質量分析(ES+)m/z 453.9[(M+H)+;C25H16FN5OSについての計算値:453.4]。
[実施例21]
5−[(5−ブロモピリジン−2−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例19に記載の手順を使用して、(5−ブロモピリジン−2−イル)メチルメタンスルホン酸塩を4−ヨードベンジルブロミドの代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.68(1H,s)、8.30(1H,d,J=6.4Hz)、7.80(1H,d,J=8.0Hz)、7.75(1H,d,J=9.4Hz)7.65−7.53(2H,m)、7.45(1H,dd,J=3.9,1.5Hz)、7.38−7.30(4H,m)、5.89(2H,s)、2.36(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 446.0629[(M+H)+;C22H17BrN5Oについての計算値:446.0611]。
[実施例22]
5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例19に記載の手順を使用して、(6−ブロモピリジン−3−イル)メチルメタンスルホン酸塩を4−ヨードベンジルブロミドの代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.49(1H,s)、8.32(1H,d,J=8.9Hz)、7.67−7.53(3H,m)、7.50−7.43(3H,m)、7.39−7.31(3H,m)、5.81(2H,s)、2.35(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 446.0621[(M+H)+;C22H17BrN5Oについての計算値:446.0611]。
[実施例23]
5−{[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例22)80mg、0.18ミリモル]を、ジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させ、イミダゾール(49mg、0.72ミリモル、4当量)、ヨウ化銅(I)(14mg、0.072ミリモル、0.4当量)、および(±)−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(20mg、0.14ミリモル、0.8当量)で処理した。第三リン酸カリウム(0.11g、0.54ミリモル、3当量)の水溶液(0.2mL)を添加し、混合物を75℃に予熱した油浴に2時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、水に注入し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜94:6;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.58(1H,s)、8.43(1H,br s)、8.33(1H,d,J=6.9Hz)、7.85(1H,d,J=9.7Hz)、7.77(1H,br s)、7.68−7.54(3H,m)、7.45(1H,m)、7.38−7.32(5H,m)、5.88(2H,s)、2.36(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 434.1736[(M+H)+;C25H20N7Oについての計算値:434.1724]。
[実施例24]
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例23に記載の手順を使用して、ピラゾールをイミダゾールの代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.56−8.45(2H,m)、8.33(1H,s)、7.99(1H,br s)、7.82(1H,d,J=83Hz)、7.73(1H,s)、7.66−7.54(4H,m)、7.39−7.30(3H,m)、6.46(1H,br s)、5.88(2H,s)、2.38(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 434.1733[(M+H)+;C25H20N7Oについての計算値:434.1724]。
[実施例25]
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例22)74mg、0.17ミリモル]を、ジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させ、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(59mg、0.28ミリモル、1.7当量)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソ−プロピルビフェニル(X−PHOS、36mg、0.076ミリモル、0.46当量)、酢酸パラジウム(II)(8.0mg、0.033ミリモル、0.2当量)、および炭酸カリウム(69mg、0.50ミリモル、3.0当量)の水溶液(0.2mL)で処理した。混合物を、80℃に予熱した油浴に30分間入れ、周囲温度まで冷却し、水に注入し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜94:6;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.63(1H,s)、8.31(1H,d,J=7.5Hz)、7.93(1H,s)、7.91(1H,s)、7.68−7.53(4H,m)、7.47−7.41(2H,m)、7.38−7.31(3H,m)、5.84(2H,s)、3.96(3H,s)、2.38(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 448.1885[(M+H)+;C26H22N7Oについての計算値:448.1880]。
次の式(IIIA)の化合物(式中、R
7は、メチルである)を、実施例25に記載の一般的手順に従って、適切なボロン酸または適切に置換されたボロン酸エステルを1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールの代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例30]
2−(2−フルオロ−3−メチルピリジン−4−イル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:2−プロプ−2−エン−1−イル−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例10)、209mg、0.547ミリモル]、N−メチルモルホリン酸化物(192mg、1.64ミリモル、3.0当量)、オスミウム(VIII)テトラオキシド(69.5mg、0.273ミリモル、0.5当量)および過ヨウ素酸ナトリウム(292mg、1.37ミリモル、2.5当量)を、ジオキサン(10mL)および水(1mL)中で合し、60℃に予熱した油浴に18時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(20mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×25mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜90:10;ジクロロメタン:メタノール)により精製し、標題化合物を得た。
段階2:2−(2−フルオロ−3−メチルピリジン−4−イル)−5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:5−{[4−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン(25mg、0.073ミリモル)、ヨウ化銅(I)(14mg、0.073ミリモル、1当量)、三リン酸カリウム(93mg、0.44ミリモル、6.0当量)、(±)−trans−N,N’−ビスメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(31mg、3.0当量)および2−フルオロ−4−ヨード−3−ピコリン(52mg、0.22ミリモル、3.0当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中で合し、混合物を110℃に予熱した油浴に1時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(25mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.32(1H,d,J=8.1Hz)、8.15(1H,d,J=5.3Hz)、7.91(1H,d,J=2.5Hz)、7.72(2H,d,J=8.5Hz)、7.72(1H,m)、7.67−7.59(3H,m)、7.46(1H,m)、7.43(2H,d,J=8.3Hz)、6.47(1H,m)、5.89(2H,s)、2.37(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 452.1623[(M+H)+;C25H19FN7Oについての計算値:452.1630]。
[実施例31]
(±)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:2−ジアゾ−3−(2−フルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチルの調製:3−(2−フルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチル(1.00g、4.76ミリモル)を、アセトニトリル(14mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.760ml、5.47ミリモル、1.15当量)で処理した。混合物を0℃まで冷却し、4−アセトアミドベンゼンスルホニルアジド(1.26g、5.23ミリモル、1.1当量)で処理し、1.5時間にわたって周囲温度まで温めた。混合物を部分的に真空濃縮し、0℃まで冷却し、水酸化ナトリウム(50mL、1N水溶液)で処理し、クロロホルムで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜85:15;ヘキサン:酢酸エチル)によって精製し、標題化合物を黄色の油状物質として得た。
段階2:3−(2−フルオロフェニル)−2−ヒドラゾノ−3−オキソプロパン酸エチルの調製:2−ジアゾ−3−(2−フルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチル(1.06g、4.49ミリモル)を、アセトニトリル(20mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、トリ−n−ブチルホスフィン(1.16mL、4.71ミリモル、1.05当量)で処理した。混合物を周囲温度まで温め、10分後、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜75:25;ヘキサン:酢酸エチル)によって精製して標題化合物を得た。
段階3:4−オキソ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:3−(2−フルオロフェニル)−2−ヒドラゾノ−3−オキソプロパン酸エチル(1.16g、4.87ミリモル)および1−[4−(ブロモメチル)フェニル]−1H−ピラゾール(1.50g、6.33ミリモル、1.3当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(0.312g、7.79ミリモル、1.6当量)で処理した。0℃にて1時間攪拌した後、混合物を塩化アンモニウム(3mL、飽和水)および水(40mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した(3×75mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜20:80;ヘキサン:酢酸エチル)により精製して標題化合物を得た。
段階4:1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:4−オキソ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(750mg、2.00ミリモル)を、窒素下でスパージし(sparged under nitrogen)、トルエン(9mL)に溶解させ、ローソン試薬(486mg、1.20ミリモル、0.6当量)で処理した。混合物を105℃に予熱した油浴に1時間入れ、周囲温度まで冷却し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜60:40;ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、標題化合物を暗緑色の固体として得た。
段階5:2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンカルボン酸(±)−tert−ブチルの調製:ジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(100mg、1.00ミリモル)、カルバジン酸tert−ブチル(145mg、1.10ミリモル、1.1当量)および酢酸(0.280mL、4.99ミリモル、5当量)を、1,2−ジクロロエタン(3mL)中で合し、周囲温度で10分間攪拌し、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(296mg、1.34ミリモル、1.4当量)で処理した。1時間攪拌した後、混合物を水に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して標題化合物を得た。
段階6:(±)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルヒドラジンヒドロクロリドの調製:2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンカルボン酸(±)−tert−ブチル(216mg、1.00ミリモル)を、ジクロロメタン(10mL)および酢酸エチル(10mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。混合物を気体塩化水素で飽和させ、周囲温度まで温め、1時間攪拌した。混合物を真空濃縮し、残渣をトルエンで濃縮し(2×20mL)、標題化合物を得た。
段階7:(±)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(200mg、0.510ミリモル)および(±)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルヒドラジンヒドロクロリド(172mg、1.13ミリモル、2.2当量)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)およびアセトニトリル(10mL)に溶解させた。溶液を窒素下でスパージし(sparged under nitrogen)、炭酸カリウム(708mg、5.12ミリモル、10当量)および塩化水銀(II)(139mg、0.51ミリモル(mmmol)、1当量)で処理し、周囲温度で14時間攪拌した。混合物を水に注入し、酢酸エチルで抽出し(3×70mL)、合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、標題化合物を暗赤色の固体として得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.33−8.29(1H,m)、7.88(1H,d,J=2.5Hz)、7.74(1H,d,J=1.8Hz)、7.66(2H,d,J=8.7Hz)、7.61−7.56(3H,m)、7.40(2H,d,J=8.6Hz)、6.47(1H,dd,J=2.4,1.9Hz)、5.85(2H,s)、4.77−4.69(1H,m)、4.06(1H,ddd,J=10.8,4.4,1.6Hz)、4.00(1H,d,J=11.0Hz)、3.84(1H,ap t,J=10.6Hz)、3.55−3.48(1H,m)、2.31−2.19(1H,m)、2.17−2.10(1H,m)、1.92−1.83(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 427.1872[(M+H)+;C24H22N6O2についての計算値:427.1877]。
[実施例32]
(+)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例31を、分取キラルHPLC(ChiralPak AS、100%メタノール)により精製し、第1溶離および第2溶離エナンチオマーを生じた。第1溶離エナンチオマーは、平面偏光をプラス方向に回転させた。スペクトルデータは、実施例31と同一であった。
[実施例33]
(−)−5−[4−(1H−ピラゾール−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例31を、分取キラルHPLC(ChiralPak AS、100%メタノール)により精製し、第1溶離および第2溶離エナンチオマーを生じた。第2溶離エナンチオマーは、平面偏光をマイナス方向に回転させた。スペクトルデータは、実施例31と同一であった。
[実施例34]
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル[(実施例31、段階4)449mg、1.15ミリモル]を、エタノール(12.0mL)に溶解させ、ヒドラジン(0.61mL、19.57ミリモル、17当量)で処理した。この混合物を70℃にて30分間攪拌した後、周囲温度まで冷却し、真空濃縮した。残渣を酢酸エチルに懸濁し、濾過した。得られる固体をジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥させて、標題化合物を暗赤色の粉末として得た。
段階2:2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン(75mg、0.22ミリモル)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、1−ヨード−2,3−ジメチルベンゼン(0.15g、0.66ミリモル、3当量)、三リン酸カリウム(0.28g、1.31ミリモル、6当量)、ヨウ化銅(I)(42mg、0.22ミリモル、1当量)および(±)−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(93mg、0.66ミリモル、3当量)で処理した。混合物を、110℃に予熱した油浴に30分間入れ、周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(25mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(60:40〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)によって精製し、標題化合物を得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.33−8.30(1H,m)、7.90(1H,d,J=2.6Hz)、7.73−7.69(3H,m)、7.58−7.52(3H,m)、7.43(2H,d,J=8.7Hz)、7.31−7.27(1H,m)、7.24−7.22(2H,m)、6.47(1H,dd,J=2.5,1.8Hz)、5.88(2H,s)、2.37(3H,s)、2.21(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 447.1931[(M+H)+;C27H22N60についての計算値:447.1928]。
次の式(II)の化合物(式中、R
3は、存在しない)を、実施例34に記載の一般的手順に従って、適切なハロゲン化アリールを1−ヨード−2,3−ジメチルベンゼンの代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例45]
(±)−5−(4−ヨードベンジル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例31に記載の手順を使用して、1−(ブロモメチル)−4−ヨードベンゼンを1−[4−(ブロモメチル)フェニル]−1H−ピラゾール(段階3)の代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.28−8.24(1H,m)、7.66(2H,d,J=8.5Hz)、7.56−7.51(2H,m)、7.46−7.42(1H,m)、7.02(2H,d,J=8.5Hz)、5.73(2H,s)、4.74−4.65(1H,m)、4.03(1H,ddd,J=10.9,4.6,1.7Hz)、3.98(1H,d,J=11.1Hz)、3.8(1H,ap t,J=10.6Hz)、3.53−3.46(1H,m)、2.28−2.16(1H,m)、2.14−2.07(1H,m)、1.91−1.81(2H,m)ppm。高解像度質量分析(ES+)m/z 487.0626[(M+H)+;C21H19IN4O2についての計算値:487.0625]。
[実施例46]
(±)−5−[4−(2−メチルピリジン−4−イル)ベンジル]−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
5−(4−ヨードベンジル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例45)、60mg、0.12ミリモル]を、テトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)および炭酸セシウム(0.31mL、1M水溶液、0.31ミリモル、2.6当量)で処理した。混合物を窒素下でスパージし、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.03ミリモル、0.2当量)で処理し、65℃に予熱した油浴に入れた。1.5時間後、混合物を周囲温度まで冷却し、水に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×60mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(15:85〜70:20;0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル:0.1%トリフルオロ酢酸を含む水)により精製して、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.53(1H,d,J=5.3Hz)、8.30−8.27(1H,m)、7.58(2H,d,J=8.5Hz)、7.56−7.51(3H,m)、7.38(2H,d,J=8.3Hz)、7.31(1H,s)、7.26−7.24(1H,m)、5.86(2H,s)、4.76−4.67(1H,m)、4.04(1H,ddd,J=10.7,4.5,1.7Hz)、4.01−3.96(1H,m)、3.81(1H,ap t,J=10.6Hz)、3.54−3.47(1H,m)、2.60(3H,s)、2.29−2.18(1H,m)、2.16−2.09(1H,m)、1.93−1.81(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 452.2076[(M+H)+;C27H25N5O2についての計算値:452.2081]。
次の式(V)の化合物(式中、R
3は、存在しない)を、実施例46に記載の一般的手順に従って、適切なボロン酸または適切に置換されたボロン酸エステルを2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの代わりに用いて調製した。酢酸パラジウム(II)とX−PHOSまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンおよび塩化銅(I)を、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)の代わりに使用し、炭酸カリウムを炭酸セシウムの代わりに使用した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例56]
(±)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5−{[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
(±)−5−(4−ヨードベンジル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例45)、25mg、0.051ミリモル]を、脱気したジメチルスルホキシド(1mL)および水(0.2mL)に溶解させ、それをヨウ化銅(I)(3.9mg、0.021ミリモル、0.4当量)、1,2,3−トリアゾール(4.3mg、0.062ミリモル、1.2当量)、(±)−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(1.5mg、0.0010ミリモル、0.2当量)およびリン酸カリウム(27mg、0.15ミリモル、3当量)で処理した。容器を窒素下でスパージし、密封し、100℃に予熱した油浴に5時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(15mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×20mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0〜90:10;ジクロロメタン:メタノール)により精製して標題化合物を赤色の固体として得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.30−8.28(1H,m)、7.96(1H,d,J=0.9Hz)、7.84(1H,d,J=0.9Hz)、7.76(2H,m)、7.74(2H,d,J=8.6Hz)、7.58−7.55(1H,m)、7.46(2H,d,J=8.4Hz)、5.87(2H,s)、4.75−4.67(1H,m)、4.04(1H,dd,J=10.7,1.4Hz)、3.99(1H,d,J=11.1Hz)、3.82(1H,ap t,J=10.7Hz)、3.51(1H,td,J=11.0,3.3Hz)、2.29−2.18(2H,m)、2.12(1H,br d,J=12.4Hz)、1.94−1.83(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 428.1849[(M+H)+;C23H22N7O2についての計算値:428.1829]。
[実施例57]
(±)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−5−{[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例56に記載の手順を使用して、標題化合物を深紅色の固体としても単離した:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.28−8.26(1H,m)、8.06(2H,d,J=8.6Hz)、7.79(2H,s)、7.56−7.49(3H,m)、7.40(2H,d,J=8.6Hz)、5.85(2H,s)、4.75−4.67(1H,m)、4.04(1H,dd,J=10.5,3.9Hz)、3.99(1H,d,J=11.0Hz)、3.81(1H,ap t,J=10.7Hz)、3.50(1H,td,J=11.4、3.4Hz)、2.23(1H,ddd,J=17.3,12.2,5.5Hz)、2.12(1H,br d,J=11.8Hz)、1.95−1.82(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 428.1838[(M+H)+;C23H22N7O2についての計算値:428.1829]。
[実施例58]
(±)−2−(オキシラン−2−イルメチル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(29mg、0.17ミリモル、1.3当量)のジクロロメタン(3mL)中溶液を、0℃まで冷却し、2−アリル−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例10)、50mg、0.13ミリモル]のジクロロメタン(1mL)溶液で処理した。0℃にて1時間攪拌した後、混合物を周囲温度まで温め、さらに14時間攪拌した。混合物をさらなる3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(50.0mg、0.29ミリモル、2.2当量)で処理し、3時間後、混合物を0℃まで冷却し、重炭酸ナトリウム(3mL、飽和水)で処理し、ブライン(10mL)で希釈し、ジクロロメタンで抽出した(3×30mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(0:100〜100:0;ヘキサン:酢酸エチル)によって精製し、標題化合物を暗赤色の固体として得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.31−8.28(1H,m)、7.89(1H,d,J=2.5Hz)、7.71(1H,d,J=1.4Hz)、7.68(2H,d,J=8.7Hz)、7.57−7.51(3H,m)、7.38(2H,d,J=8.7Hz)、6.46(1H,dd,J=2.4,1.8Hz)、5.85(2H,s)、4.32(1H,dd,J=14.5,4.5Hz)、4.22(1H,dd,J=14.5,5.5Hz)、3.43−3.38(1H,m)、2.88(1H,dd,J=4.7,4.1Hz)、2.79(1H,dd,J=4.8,2.6Hz)ppm。高解像度質量分析(ES+)m/z 399.1563[(M+H)+;C22H18N6O2についての計算値:399.1564]。
[実施例59]
(±)−2−(2,3−ジメトキシプロピル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
(±)−2−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例11)、0.10g、0.24ミリモル]を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、窒素下でスパージした。混合物を水素化ナトリウム(21mg、0.53ミリモル、2.2当量)で処理し、数分後、ヨードメタン(37μL、0.60ミリモル、2.5当量)で処理した。1時間攪拌した後、混合物をメタノール(2mL)で処理し、水(25mL)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:10%メタノール含有酢酸エチル)によって精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.29−8.26(1H,m)、7.89(1H,d,J=2.5Hz)、7.71(1H,d,J=1.7Hz)、7.68(2H,d,J=8.6Hz)、7.56−7.51(3H,m)、7.39(2H,d,J=8.6Hz)、6.46(1H,dd,J=2.4,1.9Hz)、5.83(2H,s)、4.21(2H,d,J=5.8Hz)、3.92−3.86(1H,m)、3.64(1H,dd,J=10.4,3.7Hz)、3.55(1H,dd,J=10.4,6.0Hz)、3.52(3H,s)、3.42(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 445.1976[(M+H)+;C24H24N6O3についての計算値:445.1983]。
[実施例60]
6−クロロ−2−(2−メチルフェニル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ジアゾ−3−オキソプロパン酸エチルの調製:3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−オキソプロパン酸エチル(1.30g、5.31ミリモル)、トリエチルアミン(0.618g、6.11ミリモル、1.15当量)、および4−アセトアミドベンゼンスルホニルアジド(1.40g、5.85ミリモル、1.1当量)を、アセトニトリル(15mL)中で合した。周囲温度で30分間攪拌した後、混合物を真空濃縮し、残渣を水酸化ナトリウム(25mL、2M水溶液)で処理し、クロロホルムで2回抽出した。合した有機抽出物を1回ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜40:60;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階2:3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドラジニリデン−3−オキソプロパン酸エチルの調製:
3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ジアゾ−3−オキソプロパン酸エチル(1.28g、4.73ミリモル)のジオキサン(12mL)中溶液に、トリ−n−ブチルホスフィン(1.23mL、4.97ミリモル)を添加した。周囲温度で10分間攪拌した後、混合物を真空濃縮し、残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜40:60;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階3:エチル−8−クロロ−4−オキソ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレートの調製:エチル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドラジニリデン−3−オキソプロパノエート(796mg、2.92ミリモル)および1−[4−(ブロモメチル)フェニル]−1H−ピラゾール(900mg、3.80ミリモル、1.3当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(187mg、4.67ミリモル、1.6当量)で処理した。この混合物を0℃にて2時間攪拌し、塩化アンモニウム(10mL、25%水溶液)で処理し、周囲温度まで温め、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100、ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階4:エチル−8−クロロ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレートの調製:エチル−8−クロロ−4−オキソ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレート(627mg、1.53ミリモル)を、トルエン(7mL)に溶解させ、ローソン試薬(434mg、1.074ミリモル、0.7当量)で処理し、105℃に予熱した油浴に5分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、真空濃縮し、残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜60:40;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階5:6−クロロ−2−(2−メチルフェニル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:エチル−8−クロロ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレート(48mg、0.113ミリモル)、炭酸カリウム(78mg、0.56ミリモル、5当量)、および2−メチルフェニルヒドラジン(23mg、0.19ミリモル、1.7当量)を、1,2−ジメトキシエタン(2mL)中で合し、92℃まで2時間加熱した。混合物を周囲温度まで冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×40mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0〜94:6;クロロホルム:メタノール)により精製して標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.24(1H,d,J=7.2Hz)、7.88(1H,s)、7.71−7.61(4H,m)、7.47−7.42(3H,m)、7.37−7.30(3H,m)、7.29(1H,s)、6.4(1H,m)、6.34(2H,s)、2.36(3H,s)、ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 467.1388[(M+H)+;C26H20ClN6Oについての計算値:467.1382]。
次の化合物は、実施例60に記載の一般的手順に従って、2−ヒドラジニルシクロヘキサノールを2−メチルフェニルヒドラジンの代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知であり市販されているか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製されてよい。
[実施例62]
6−クロロ−2−(trans−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:(±)−trans−3−ヒドラジノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールおよび(±)−trans−4−ヒドラジノテトラヒドロ−2H−ピラン−3−オールの調製:(±)−3,7−ジオキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン[(Bioorg.Med.Chem.Lett.2006,16,4311)、1.25g、12.5ミリモル]を、無水エタノール(10mL)に溶解させ、ヒドラジン(1.96mL、62.4ミリモル、5当量)で処理し、70℃に予熱した油浴に3時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、真空濃縮して、化合物の標題混合物(約3:1)を得た。
段階2:6−クロロ−2−(trans−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:エチル−8−クロロ−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレート((実施例60、段階4)188mg、0.442ミリモル]を、1,2−ジメトキシエタン(1.5mL)に溶解させ、(±)−trans−3−ヒドラジノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールおよび(±)−trans−4−ヒドラジノテトラヒドロ−2H−ピラン−3−オールの混合物(117mg、0.885ミリモル、2当量)および炭酸カリウム(183mg、1.327ミリモル、3当量)で処理した。混合物を90℃に予熱した油浴に35分間入れ、周囲温度まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物をブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで希釈し;濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、位置異性体の分離できない混合物を得、それをキラルHPLC(Chiralcel OJ Column、100%メタノール)によりさらに精製して第1、第2、および第3の溶離ピークを生じた。第1溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にトランス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.22(1H,d,J=8.1Hz)、7.87(1H,s)、7.71−7.59(4H,m)、7.46(1H,t,J=8.1Hz)、7.29−7.20(2H,m)、6.44(1H,s)、6.33(2H,s)、4.52−4.43(1H,m)、4.26−4.17(2H,m)、4.11−4.04(1H,m)、3.55(1H,t,J=12.0Hz)、3.32(1H,t,J=10.3Hz)、2.32−2.19(1H,m)、2.14−2.06(1H,br d J=12.4Hz).ppm;低解像度質量分析(ES+)m/z 477.3[(M+H)+;C24H22ClN6O3についての計算値:477.5]。
[実施例63]
6−クロロ−2−(trans−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
標題化合物を、実施例62に記載される手順に従って調製した。第2溶離ピーク(段階2)を、キラルHPLC(Chiralcel AS Column、100%メタノール)によりさらに精製し、第1溶離および第2溶離ピークを得た。第1溶離ピークを、実施例62のエナンチオマーである標題化合物と決定した、そのスペクトルデータは、実施例62と同一であった。
[実施例64]
6−クロロ−2−(cis−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
標題化合物を、実施例63に記載される手順を用いて調製した。第2溶離ピーク(エナンチオピュア、相対的にシス立体化学配置)の絶対立体化学は不明である:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.19(1H,d,J=7.7Hz)、7.87(1H,s)、7.71−7.59(5H,m)、7.44(1H,t,J=6.8Hz)、7.22(2H,d,J=7.8Hz)、6.44(1H,s)、6.33(2H,s)、4.46−4.33(2H,m)、4.20(1H,d,J=11.0Hz)、4.08(1H,d,J=11.0Hz)、3.65(1H,t,J=11.0Hz)、3.55(1H,t,J=12.4Hz)、2.18(1H,br d,J=12.7Hz)、1.92−1.80(1H,m)ppm;低解像度(low resultion)質量分析(ES+)m/z 477.3[(M+H)+;C24H22ClN6O3についての計算値:477.5]。
[実施例65]
6−クロロ−2−(cis−3−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
標題化合物を、実施例53に記載される手順を用いて調製した。第3溶離ピークを、実施例64のエナンチオマーである標題化合物と決定した、そのスペクトルデータは、実施例64と同一であった。
[実施例66]
(±)−6−クロロ−5−(4−ヨードベンジル)−2−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:エチル−8−クロロ−1−(4−ヨードベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレートの調製:エチル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドラジニリデン−3−オキソプロパノエート[(実施例60、段階2)1.61g、5.90ミリモル]および4−ヨードベンジルブロミド(2.28g、7.68ミリモル、1.3当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(378mg、9.45ミリモル、1.6当量)で処理した。0℃で2時間攪拌した後、混合物を塩化アンモニウム(25mL、25%水溶液)で処理し、周囲温度まで温め、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜20:80;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階2:エチル−8−クロロ−1−(4−ヨードベンジル)−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレートの調製:エチル−8−クロロ−1−(4−ヨードベンジル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレート(736mg、1.57ミリモル)およびローソン試薬(445mg、1.10ミリモル、0.7当量)を、トルエン(8mL)中で合し、105℃に予熱した油浴に15分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、真空濃縮し、残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜40:60;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階3:6−クロロ−5−{4−ヨードベンジル)−2−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:エチル−8−クロロ−1−(4−ヨードベンジル)−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレート(230mg、0.474ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)および1,2−ジメトキシエタン(5mL)に溶解させ、炭酸カリウム(656mg、4.74ミリモル、10当量)、(±)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルヒドラジンヒドロクロリド[(実施例31、段階6)、145mg、0.949ミリモル、2当量]および塩化水銀(II)(129mg、0.474ミリモル、1当量)で処理した。混合物を70℃に予熱した油浴に4時間入れ、周囲温度まで冷却し、水に注入し、酢酸エチルで抽出した(2×50mL)。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜96:4;クロロホルム:メタノール)により精製して標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.19(1H,s)、7.66−7.56(4H,m)、7.43(1H,t,J=7.4Hz)、6.87(2H,d,J=9.5Hz)、6.20(2H,s)、4.71−4.61(1H,m)、4.05−3.94(1H,t,J=11.7Hz)、3.80−3.73(1H,t,J=11.7Hz)、3.52−3.44(1H,m)、2.24−2.03(2H,m)、1.90−1.80(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 521.0254[(M+H)+;C21H19ClIN4O2についての計算値:521.0236]。
[実施例67]
(±)−6−クロロ−5−{[4−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]メチル}−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
(±)−6−クロロ−5−(4−ヨードベンジル)−2−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例66)、39mg、0.075ミリモル]を、(6−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸(29mg、0.19ミリモル、2.5当量)、塩化銅(I)(7.4mg、0.075ミリモル、1当量)、炭酸セシウム(49mg、0.15ミリモル、2当量)、酢酸パラジウム(II)(1.7mg、0.0075ミリモル、0.1当量)、およびビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(4.2mg、0.0075ミリモル、0.1当量)と、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中で合した。混合物を、80℃に予熱した油浴に15分間入れ、周囲温度まで冷却し、水(5mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。合した有機抽出物を水で3回およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜95:5;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.66(1H,s)、8.21(1H,d,J=6.3Hz)、7.70(1H,d,J=9.5Hz)、7.64(1H,d,J=9.5Hz)、7.49−7.40(4H,m)、7.24−7.18(2H,m)、6.32(2H,s)、4.70−4.62(1H,m)、4.05−3.95(1H,m)、3.78(1H,t,J=10.1Hz)、3.53−3.45(1H,m)、2.58(3H,s)、2.25−2.06(1H,m)、1.90−1.80(2H,m)、1.62−1.52(2H,m)ppm;低解像度質量分析(ES+)m/z 486.4[(M+H)+;C27H25ClN5O2についての計算値:486.2]。
[実施例68]
(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5−{[4−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]メチル}−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例67に記載の手順を使用して、(±)−2−ヒドラジニルシクロヘキサノールを(±)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルヒドラジンヒドロクロリド(実施例66、段階3)の代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.67(1H,s)、8.22(1H,d,J=8.0Hz)、7.71(1H,d,J=8.0Hz)、7.64(1H,d,J=8.0Hz)、7.49−7.40(3H,m)、7.28−7.16(3H,m)、6.34(2H,s)、4.34−4.27(1H,m)、4.16−4.04(2H,m)、2.58(3H,s)、2.26−2.02(2H,m)、1.92−1.80(2H,m)、1.65−1.56(2H,m)、1.52−1.40(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 500.1855[(M+H)+;C28H36ClIN5O2についての計算値:500.1848]。
[実施例69]
(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:1−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−8−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:エチル−3−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−ヒドラジニリデン−3−オキソプロパン酸エチル[(実施例60、段階1)、1.9g、7.0ミリモル]および(6−ブロモピリジン−3−イル)メチルメタンスルホネート(2.4g、9.1ミリモル、1.3当量)を、脱気したN,N’−ジメチルホルムアミドに溶解させ、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(0.45g、11ミリモル、1.6当量)で処理した。0℃で3時間攪拌した後、さらなる(6−ブロモピリジン−3−イル)メチルメタンスルホネート(0.55g、2.1ミリモル、0.3当量)および水素化ナトリウム(84mg、2.1ミリモル、0.3当量)を添加し、さらに5時間攪拌した。混合物を塩化アンモニウム(10mL、飽和水)で処理し、水(50mL)に注入し、酢酸エチルで3回抽出した。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜96:4;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た。
段階2:8−クロロ−1−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:1−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−8−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(0.21g、0.49ミリモル)を、(6−メチルピリジン−3−イル)ボロン酸(0.19g、1.2ミリモル、2.5当量)、塩化銅(I)(48mg、0.49ミリモル、1当量)、炭酸セシウム(0.32g、0.97ミリモル、2当量)、酢酸パラジウム(II)(11mg、0.049ミリモル、0.1当量)、およびビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(27mg、0.049ミリモル、0.1当量)と、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中で合した。混合物を95℃に予熱した油浴に15分間入れ、周囲温度まで冷却し、水(5mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。合した有機抽出物を水およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、標題化合物を得た。
段階3:(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:8−クロロ−1−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(26mg、0.0058ミリモル)、(±)−2−ヒドラジニルシクロヘキサノール(19mg、0.14ミリモル、2.5当量)および炭酸カリウム(24mg、0.17ミリモル、3当量)を、ジメトキシエタン(1mL)中で合し、90℃に予熱した油浴に90分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで1回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜90:10;クロロホルム:メタノール)により精製し、深紅色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ9.02(1H,br s)、8.56(1H,s)、8.21(1H,d,J=9.1Hz)、8.16(1H,d,J=10.9Hz)、7.65(2H,d,J=7.5Hz)、7.56(1H,d,J=9.2Hz)、7.43(2H,t,J=7.5Hz)、7.27−7.21(1H,m)、6.33(2H,s)、4.34−4.25(1H,m)、4.11−4.02(1H,m)、2.6(3H,s)、2.26−2.17(1H,m)、2.07−2.00(1H,m)、1.92−1.79(2H,m)、1.68−1.56(2H,m)、1.52−1.39(2H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 501.1812[(M+H)+;C27H25ClN6O2についての計算値:501.1800]。
[実施例70]
(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:8−クロロ−1−[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:1−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−8−クロロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル[(実施例69、段階1)、0.11g、0.25ミリモル]を、テトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解させ、窒素下でスパージし、メチル亜鉛クロリド(0.18mL、2.0Mテトラヒドロフラン溶液、0.35ミリモル、1.4当量)および1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン錯体(10mg、0.013ミリモル、0.05当量)で処理した。15分間攪拌した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg、0.050ミリモル、0.2当量)を添加し、混合物を周囲温度でさらに2時間攪拌した。混合物を水に注入し、酢酸エチルで2回抽出し、合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階1:(±)−6−クロロ−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:実施例69に記載の手順を使用して、8−クロロ−1−[(6−メチルピリジン−3−イル)メチル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルを、8−クロロ−1−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.39(1H,s)、8.20(1H,d,J=8.2Hz)、7.64(1H,d,J=6.9Hz)、7.43(1H,t,J=8.2Hz)、7.36(1H,d,J=8.2Hz)、7.08(1H,d,J=8.8Hz)、6.26(2H,s)、4.34−4.24(1H,m)、4.11−4.03(1H,m)、2.51(3H,s)、2.24−2.17(1H,m)、2.09−2.00(1H,m)、1.88−1.79(2H,m)、1.66−1.52(3H,m)、1.49−1.43(1H,m)ppm;低解像度質量分析(ES+)m/z 424.3[(M+H)+;C22H23ClN5O2についての計算値:424.1]。
[実施例71]
(±)−2−[cis,trans−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オールの調製:テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(2.5g、25ミリモル)を、ジエチルエーテルに溶解させ、0℃まで冷却した。臭化メチルマグネシウム(22mL、1.4Mトルエン、31ミリモル、1.25当量)を、10分間にわたり滴下し、混合物を周囲温度まで温め、1時間攪拌した。混合物を0℃まで冷却し、塩化アンモニウム(25mL、飽和水)で処理し、ジエチルエーテルで抽出した(2×30mL)。合した有機抽出物をブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、23℃(14mm Hg)で濃縮して標題化合物を得た。
段階2:4−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピランの調製:4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(2.87g、24.7ミリモル)のベンゼン(30mL)中溶液を、バージェス試薬(6.18g、25.9ミリモル、1.05当量)で処理し、30℃に予熱した油浴に4時間入れた。混合物をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜90:10;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階3:(±)−cis−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−オールの調製:4−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン(1.4g、14ミリモル)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液を、ボラン−メチルスルフィド複合体(5.0mL、53ミリモル、3.7当量)で処理し、周囲温度で5.5時間攪拌し、0℃まで冷却した。水酸化ナトリウム(8.7mL、3M水溶液、26ミリモル、1.8当量)、それに続いて過酸化水素[2.75mL、35%水溶液(w/w)、31ミリモル、2.2当量]を添加し、混合物を周囲温度で3時間攪拌し、水で希釈し(50mL)、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合した有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜40:60;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階4:(±)−4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オンの調製:(±)−シス−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(127mg、1.09ミリモル)のアセトニトリル(4mL)中の溶液を、2−ヨードキシ安息香酸(918mg、3.28ミリモル、3当量)で処理し、混合物を80℃に予熱した油浴に1.5時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、濾過し、濾液を真空濃縮し、標題化合物を得た。
段階5:(±)−cis,trans−tert−ブチル−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]ヒドラジンカルボキシレートの調製:(±)−4−メチルジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(118mg、1.03ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(1.5mL)中溶液を、カルバジン酸tert−ブチル(150mg、1.14ミリモル、1.1当量)および酢酸(0.296mL、5.17ミリモル、5当量)で処理した。周囲温度で30分間攪拌した後、混合物を0℃まで冷却し、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(307mg、1.45ミリモル、1.4当量)を20分にわたって少量ずつ添加した。混合物を周囲温度まで温め、1.5時間攪拌し、重炭酸ナトリウム(飽和水)で溶液のpHが<8となるまで処理した。混合物をクロロホルムで抽出し(3×30mL)、合した有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜40:60;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階6:(±)−cis,trans−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンヒドロクロリドの調製:(±)−cis,trans−tert−ブチル−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]ヒドラジンカルボキシレート(64mg、0.28ミリモル)の酢酸エチル(6mL)中溶液を、0℃の気体塩化水素で1分間処理した。容器を密封し、0℃にて2時間攪拌し、真空濃縮し、標題化合物を得た。
段階7:(±)−2−[cis,trans−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:エチル−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボキシレート[(実施例1、段階2)、109mg、0.279ミリモル)の1,2−ジメトキシエタン(1mL)および脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(0.2mL)中の溶液を、(±)−cis,trans−(4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンヒドロクロリド(46.5mg、0.279ミリモル、1当量)、炭酸カリウム(386mg、2.79ミリモル、10当量)および塩化水銀(II)(76.0mg、0.279ミリモル、1当量)で処理した。この混合物を周囲温度で1.5時間攪拌し、水(10mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。合した有機抽出物を、水で3回およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜96:4;クロロホルム:メタノール)により精製して、赤色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.35−8.24(1H,br s)、7.91−7.86(1H,s)、7.72−7.65(3H,m)、7.56−7.46(3H,m)、7.43−7.35(2H,m)、6.45(1H,s)、5.83(2H,s)、4.74(1H,br s)、4.41−3.47(5H,m)、2.44−2.22(1H,m)、1.86−1.63(1H,m)、1.00−0.89(3H,d,J=6.7Hz)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 441.2048[(M+H)+;C25H25N6O2についての計算値:441.2034]。
[実施例72]
trans−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例71を、分取キラルHPLC(2cm ICカラム、60:40;エタノール:ヘプタン)によりさらに精製し、第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第1溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にトランス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(1H,br s)、7.89(1H,s)、7.72−7.65(3H,m)、7.58−7.48(3H,m)、7.42−7.35(2H,d,J=8.6Hz)、6.46(1H,s)、5.84(2H,s)、4.39−4.30(1H,ddd,J=11.1,6.6,4.1Hz)、4.04−3.96(1H,m)、3.74(1H,t,J=11.1Hz)、3.56(1H,t,J=11.5Hz)、2.39(1H,m)、1.83(1H,br d,J=11.7Hz)、1.64−1.53(2H,m)、0.92(3H,d,J=6.7Hz)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 441.2035[(M+H)+;C25H25N6O2についての計算値:441.2034]。
[実施例73]
cis−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例71を、分取キラルHPLC(2cm ICカラム、60:40;エタノール:ヘプタン)によりさらに精製し、第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第2溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にシス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.34(1H,bs)、7.90(1H,s)、7.73−7.65(3H,m)、7.55−7.47(3H,m)、7.43−7.37(2H,d,J=8.6Hz)、6.46(1H,s)、5.84(2H,s)、4.73(1H,dd,J=7.7,4.1Hz)、4.24−4.18(1H,dd,J=12.3,4.1Hz)、4.10(1H,m)、3.90−3.84(1H,dd,J=11.8,3.6Hz)、3.78−3.67(2H,m)、2.43−2.24(1H,m)、1.72−1.63(1H,m)、0.97(3H,d,J=6.5Hz)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 441,2034[(M+H)+;C25H25N6O2についての計算値:441.2034]。
[実施例74]
trans−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例71を、分取キラルHPLC(2cm ICカラム、60:40;エタノール:ヘプタン)によりさらに精製し、第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第3溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にトランス立体化学配置)、そのスペクトルデータは実施例72と同一である。
[実施例75]
cis−2−[4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例71を、分取キラルHPLC(2cm ICカラム、60:40;エタノール:ヘプタン)によりさらに精製し、第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第4溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にシス立体化学配置)、そのスペクトルデータは実施例73と同一である。
[実施例76]
(±)−cis,trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:2−(プロプ−2−エン−1−イルオキシ)プロパン酸(±)−メチルの調製:(±)−メチル−2−ヒドロキシプロパノエート(7.6g、74ミリモル)を、テトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(3.6g、60%分散液、89ミリモル、1.2当量)で少量ずつ45分にわたって処理した。混合物を周囲温度まで温め、30分間攪拌した後、0℃まで冷却した。臭化アリル(8.4mL、96ミリモル、1.3当量)を添加し、混合物を周囲温度まで温め、さらに14時間攪拌した。重炭酸ナトリウム(10mL、飽和水)を徐々に添加し、混合物を30分間攪拌した後、水(500mL)に注入した。水層を酢酸エチルで抽出し(2×300mL)、合した有機抽出物をブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、標題化合物を得た。
段階2:(±)−N−メトキシ−N−メチル−2−(プロプ−2−エン−1−イルオキシ)プロパンアミドの調製:N−メチル−O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(10.0g、104ミリモル、2当量)のジクロロメタン(100mL)中の懸濁液を、0℃にてトリメチルアルミニウム(52.0mL、104ミリモル、2当量)で処理した。0℃にて1時間攪拌した後、2−(プロプ−2−エン−1−イルオキシ)プロパン酸(±)−メチル(7.50g、52.0ミリモル)のジクロロメタン(50mL)溶液を15分にわたって添加した。混合物を周囲温度まで温め、さらに14時間攪拌した。混合物を水(500mL)で処理し、ジクロロメタンで抽出した(2×300mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して標題化合物を得た。
段階3:(±)−4−(プロプ−2−エン−1−イルオキシ)ペンタ−1−エン−3−オン:(±)−N−メトキシ−N−メチル−2−(プロプ−2−エン−1−イルオキシ)プロパンアミド(1.26g、7.27ミリモル)を、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。臭化ビニルマグネシウム(11.4mL、テトラヒドロフラン中0.7M溶液、8.00ミリモル、1.1当量)を添加し、混合物を−78℃にて10分間攪拌した。塩酸(5mL、4M水溶液)を添加し、混合物を周囲温度まで温め、クロロホルムで抽出した(2×30mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜30:70;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階4:(±)−2−メチル−2H−ピラン−3(6H)−オンの調製:(±)−4−(プロプ−2−エン−1−イルオキシ)ペンタ−1−エン−3−オン(831mg、5.93ミリモル)のジクロロメタン(87mL)溶液を、窒素下でスパージし、p−ベンゾキノン(64.0mg、0.593ミリモル、0.1当量)およびZhan触媒1B(435mg、0.593ミリモル、0.1当量)で処理した。周囲温度で2時間攪拌した後、混合物を真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して(100:0〜30:70;ヘキサン:酢酸エチル)、標題化合物を得た。
段階5:(±)−tert−ブチル−2−(2−メチルジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−イリデン)ヒドラジンカルボキシレートの調製:(±)−2−メチル−2H−ピラン−3(6H)−オン(370mg、3.30ミリモル)のメタノール(9mL)溶液を、10%パラジウム炭素(185mg)のメタノール(3mL)中の懸濁液で処理した。混合物を、水素下でスパージし、45分間周囲温度で攪拌した。混合物を窒素下でスパージし、カルバジン酸tert−ブチル(436mg、3.30ミリモル、1当量)および酢酸(0.756mL、13.2ミリモル、4当量)で処理し、水素下でスパージした。1時間攪拌した後、混合物を窒素下でスパージし、セライトパッドで濾過した。濾液を真空濃縮し、残渣を、酢酸エチルに溶解させ、重炭酸ナトリウム(30mL、飽和水)で洗浄し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜20:80;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階6:(±)−cis,trans−tert−ブチル2−(2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンカルボキシレートの調製:(±)−tert−ブチル−2−(2−メチルジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−イリデン)ヒドラジンカルボキシレート(383mg、1.68ミリモル)の無水エタノール(5mL)中溶液を、水素化ホウ素ナトリウム(258mg、6.82ミリモル、4.1当量)で処理し、35℃に予熱した油浴に12時間入れた。混合物を真空濃縮し、残渣を、酢酸エチル(50mL)に溶解させ、炭酸ナトリウム(25mL、10%水溶液)で1回洗浄した。水性抽出物を酢酸エチルでさらに抽出し(1×50mL)、合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階7:(±)−cis,trans−(2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンヒドロクロリドの調製:(±)−cis,trans−tert−ブチル2−(2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンカルボキシレート(194mg、0.842ミリモル)を、酢酸エチル(6mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、次にそれを気体塩化水素で飽和させた。容器を密封し、0℃にて2時間攪拌した。混合物を真空濃縮し、標題化合物を得た。
段階8:(±)−cis,trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:エチル−1−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボンキシレート[(実施例1、段階2)、330mg、0.845ミリモル]の、1,2−ジメトキシエタン(2.5mL)および脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液を、(±)−cis,trans−(2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)ヒドラジンヒドロクロリド(141mg、0.845ミリモル、1当量)、炭酸カリウム(1.17g、8.45ミリモル、10当量)および塩化水銀(II)(229mg、0.845ミリモル、1当量)で処理した。周囲温度で2時間攪拌した後、混合物を水で希釈し(10mL)、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。合した有機抽出物を、水で3回およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜96:4;クロロホルム:メタノール)により精製し、赤色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.39−8.24(1H,br s)、7.89(1H,s)、7.74−7.65(3H,m)、7.56−7.46(3H,m)、7.41−7.36(2H,m)、6.45(1H,s)、5.84(2H,s)、4.72(1H,br s)、4.38−3.53(3H,m)、2.71−1.74(4H,m)、1.13(3H,t,J=5.7Hz)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 441.2033[(M+H)+;C25H25N6O2についての計算値:441.2034]。
[実施例77]
trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例76を、分取キラルHPLC(Chiral Pak ADカラム、100%メタノール)によりさらに精製して第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第1溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にトランス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(1H,br s)、7.89(1H,s)、7.72−7.65(3H,m)、7.57−7.48(3H,m)、7.42−7.36(2H,d,J=8.5Hz)、6.46(1H,s)、5.84(2H,s)、4.33(1H,t,J=11.4Hz)、4.02(1H,br d,J=11.4Hz)、3.98−3.91(1H,m)、3.59(1H,t,J=11.4Hz)、2.21(1H,ddd,J=17.1,12.8,4.1Hz)、2.04(1H,br d,J=12.4Hz)、1.90(1H,m)、1.79(1H,m)、1.14(3H,d,J=5.9Hz)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 441.2036[(M+H)+;C25H25N6O2についての計算値:441.2034]。
[実施例78]
cis−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例76を、分取キラルHPLC(Chiral Pak ADカラム、100%メタノール)により分離して第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第2溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にシス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である;1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.37(1H,br s)、7.89(1H,s)、7.73−7.65(3H,m)、7.55−7.47(3H,m)、7.43−7.35(2H,d,J=8.4Hz)、6.46(1H,s)、5.84(2H,s)、4.71(1H,br s)、4.17(1H,br d,J=11.6Hz)、3.95(1H,m)、3.67(1H,t,J=11.6Hz)、3.03(1H,br s)、2.66(1H,br s)、2.20−2.04(2H,m)、1.13(3H,d,J=6.4Hz)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 441.2047[(M+H)+;C25H25N6O2についての計算値:441.2034]。
[実施例79]
trans−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例76を、分取キラルHPLC(Chiral Pak ADカラム、100%メタノール)により分離して第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第3溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にトランス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である。スペクトルデータは、実施例77と同一であった。
[実施例80]
cis−2−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−5−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例76を、分取キラルHPLC(Chiral Pak ADカラム、100%メタノール)により分離して第1溶離、第2溶離、第3溶離、および第4溶離異性体を生じた。第4溶離ピークを標題化合物と決定した(エナンチオピュア、相対的にシス立体化学配置)、その絶対立体化学は不明である。スペクトルデータは、実施例78と同一であった。
[実施例81]
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例22)、60mg、0.13ミリモル]を、ジメチルスルホキシド(1mL)に溶解させ、モルホリン(35mg、0.40ミリモル、3当量)および炭酸カリウム(19mg、0.13ミリモル、1当量)で処理した。容器を密封し、100℃に予熱した油浴に9時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、水(5mL)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×20mL)。合した有機抽出物を、水で3回およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜94:6;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.29(1H,br s)、7.69−7.59(3H,m)、7.57−7.51(2H,m)、7.44(1H,m)、7.38−7.29(3H,m)、6.59(1H,d,J=9.1Hz)、5.73(2H,s)、3.79(4H,m)、3.50(4H,m)、2.35(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 453.2038[(M+H)+;C26H25N6O2についての計算値:453.2034]。
[実施例82]
2−(2−メチルフェニル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2−メチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン[(実施例22)、77mg、0.17ミリモル]および4−(トリブチルスタンニル)チアゾール(77mg、0.21ミリモル、1.2当量)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、フッ化セシウム(52mg、0.34ミリモル、2当量)、ヨウ化銅(I)(13mg、0.069ミリモル、0.4当量)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40mg、0.035ミリモル、0.2当量)で処理した。この混合物を周囲温度で1時間攪拌し、酢酸エチル(15mL)で希釈し、濾過した。濾液を真空濃縮し、残渣を分取逆相HPLC(15:85〜65:35;0.01%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル:0.01%トリフルオロ酢酸含有水)により精製して標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ9.13(1H,s)、8.95(1H,s)、8.50(1H,s)、8.35(2H,br d,J=7.9Hz)、8.08(1H,d,J=8.5Hz)、7.73−7.60(3H,m)、7.45(1H,br s)、7.39−7.31(3H,m)、5.97(2H,s)、2.73(3H,s)ppm;低解像度質量分析(ES+)m/z 451.3[(M+H)+;C25H19N6OSについての計算値:451.3]。
[実施例83]
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:1−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:実施例31に記載の手順を使用して、(6−ブロモピリジン−3−イル)メチルメタンスルホネートを、1−[4−(ブロモメチル)フェニル]−1H−ピラゾール(段階3)の代わりに用いて、標題化合物を得た。
段階2:4−オキソ−1−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:1−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(897mg、2.31ミリモル)、4−(トリブチルスタンニル(tributylstannanyl))−1,3−チアゾール(1.04g、2.77ミリモル、1.2当量)、ヨウ化銅(I)(176mg、0.924ミリモル、0.4当量)、フッ化セシウム(702mg、4.62ミリモル、2当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(534mg、0.462ミリモル、0.2当量)を、脱気したN,N’−ジメチルホルムアミド(6mL)中で合し、周囲温度で1時間攪拌した。混合物を水に注入し、酢酸エチルで2回抽出した。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解させ、セライト上のフッ化カリウム(8g、10当量)で処理し、24時間激しく攪拌した後、濾過した。濾液を真空濃縮し、残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル;その後100:0〜95:5;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た。
段階3:1−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:4−オキソ−1−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(750mg、2.00ミリモル)を、トルエン(9mL)に溶解させ、窒素下でスパージし、ローソン試薬(486mg、1.20ミリモル、0.6当量)で処理した。混合物を、105℃に予熱した油浴に1時間入れ、周囲温度まで冷却し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜60:40;ヘキサン:酢酸エチル)により精製して暗緑色の固体として標題化合物を得た。
段階4:5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:1−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4−チオキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(240mg、0.612ミリモル)およびローソン試薬(173mg、0.7当量)を、トルエン(4mL)およびテトラヒドロフラン(2mL)中でスパージし、105℃に予熱した油浴に30分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、真空濃縮し、残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜96:4;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た。
段階5:2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン(66mg、0.18ミリモル)を、脱気したN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、ヨウ化銅(I)(35mg、0.22ミリモル、1.2当量)、1−ヨード−2,3−ジメチルベンゼン(51mg、0.22ミリモル、1.2当量)、(±)−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(78mg、0.549ミリモル、3当量)およびリン酸カリウム(0.27g、1.3ミリモル、7当量)を添加した。容器を密封し、105℃に予熱した油浴に40分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、水(5mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(3×30mL)。合した有機抽出物を、水で3回およびブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜96:4;クロロホルム:メタノール)により精製し、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.87(1H,s)、8.69(1H,s)、8.31(1H,d,J=8.2Hz)、8.16(2H,m)、7.77(1H,d,J=8.2Hz)、7.57(4H,m)、7.28(1H,m)、7.22(1H,d,J=3.9Hz)、5.90(2H,s)、2.37(3H,s)、2.21(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 465.1499[(M+H)+;C26H21N6OSについての計算値:465.1492]。
以下の化合物は、実施例83に記載の一般的手順に従って、適切なヨウ化アリールを1−ヨード−2,3−ジメチルベンゼン(段階5)の代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例86]
2−(6−フルオロ−2−メチルピリジン−3−イル)−5−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:1−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルの調製:1−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル[(実施例83、段階1)、748mg、1.93ミリモル]および1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(682mg、3.28ミリモル、1.7当量)を、テトラヒドロフラン(15mL)に懸濁し、炭酸セシウム(1.26g、3.85ミリモル、2当量)の水溶液(1.5mL)で処理した。混合物を窒素下でスパージし、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(197mg、0.385ミリモル、0.2当量)で処理し、80℃に予熱した油浴に1時間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(75mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(2×100mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲル勾配クロマトグラフィー(100:0〜0:100;ヘキサン:酢酸エチル)により精製し、標題化合物を得た。
段階2:2−(6−フルオロ−2−メチルピリジン−3−イル)−5−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:実施例85に記載の手順を使用して、1−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−4−オキソ−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチルを4−オキソ−1−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−1,4−ジヒドロシンノリン−3−カルボン酸エチル(実施例83、段階3)の代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.62(1H,s)、8.30(1H,d,J=7.9Hz)、7.94−7.86(3H,d,m)、7.68−7.57(4H,m)、7.42(1H,d,J=9.2Hz)、6.92(1H,m)、5.85(2H,s)、3.95(3H,s)、2.55(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 467.1756[(M+H)+;C25H20FN8Oについての計算値:467.1739]。
以下の化合物は、実施例86に記載の一般的手順に従って、適切なヨウ化アリールを6−フルオロ−3−ヨード−2−メチルピリジンの代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例88]
(±)−2−(trans−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−5−{[6−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−3−イル]メチル}−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例83に記載の手順を使用して、(±)−2−ヒドラジニルシクロヘキサノールをヒドラジンの代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.21(1H,s)、8.73(1H,s)、8.31(1H,s)、8.16(1H,d,J=7.9Hz)、8.06(1H,d,J=8.7Hz)、7.98(1H,d,J=8.7Hz)、7.79(1H,d,J=7.9Hz)、7.72(1H,t,J=7.9Hz)、7.63(1H,t,J=7.9Hz)、6.00(2H,s)、4.59(1H,s)、4.08(1H,t,J=10.8Hz)、3.81(1H,br s)、1.98(1H,br s)、1.85−1.67(4H,m)、1.41−1.28(3H,m)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 459.1601[(M+H)+;C24H23N6O2Sについての計算値:459.1598]。
[実施例89]
2−(2−メチルフェニル)−5−[4−(6−メチルピリジン−3−イル)ベンジル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
実施例47に記載の手順を使用して、(2−メチルフェニル)ヒドラジンヒドロクロリドを(±)−テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルヒドラジンヒドロクロリド(実施例31、段階7)の代わりに用いて、標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.96(1H,s)、8.47(1H,s)、8.20(1H,d,J=8.9Hz)、8.00(1H,d,J=8.0Hz)、7.81(2H,d,J=8.0Hz)、7.78−7.72(2H,m)、7.68(1H,t,J=8.0Hz)、7.56(2H,d,J=7.8Hz)、7.44−7.33(4H,m)、6.05(2H,s)、2.65(3H,s)、2.25(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 458.1981[(M+H)+;C29H24N5Oについての計算値:458.1975]。
[実施例90]
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
段階1:5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:実施例18に記載の手順を使用して、2,3−ジメチルフェニルヒドラジンヒドロクロリドを2−フルオロフェニルヒドラジンヒドロクロリド(段階1)の代わりに用い、かつ、(6−ブロモピリジン−3−イル)メチルメタンスルホナートを1−[4−ブロモメチル)フェニル]−1H−ピラゾール(段階3)の代わりに用いて標題化合物を得た。
段階2:2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン(0.10g、0.22ミリモル)、(6−メチルピリジン−3−イル)−ボロン酸(74mg、0.54ミリモル、2.5当量)、酢酸パラジウム(II)(9.7mg、0.043ミリモル、0.2当量)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(24mg、0.043ミリモル、0.2当量)、塩化銅(I)(21mg、0,22ミリモル、1当量)および炭酸セシウム(0.18g、0.54ミリモル、2.5当量)を、N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中で合し、100℃に予熱した油浴に60分間入れた。混合物を周囲温度まで冷却し、重炭酸ナトリウム(20mL、飽和水)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3×25mL)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0〜90:10;ジクロロメタン:メタノール)により精製し、深紅色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ9.06(1H,d,J=2.1Hz)、8.78(1H,d,J=1.7Hz)、8.32(1H,dd,J=7.8,10Hz)、8.19(1H,dd,J=8.1,2.3Hz)、7.77(1H,dd,J=8.3,2.4Hz)、7.72(1H,d,J=8.3Hz)、7.65−7.54(3H,m)、7.42−7.38(1H,m)、7.30−7.22(3H,m)、5.90(2H,s)、2.61(3H,s)、2.37(3H,s)、2.20(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 473.2099[(M+H)+;C29H25N6Oについての計算値:473.2084]。
両方のR
7がメチルである、次の式(IIIB)の化合物を、実施例90(段階2)に記載の一般的手順に従って、適切なボロン酸またはエステルを(6−メチルピリジン(methylpyrdin)−3−イル)−ボロン酸の代わりに用いて調製した。出発物質は、文献中で公知の市販物質であるか、または当技術分野で周知の従来反応を用いて市販の試薬から調製してよい。
[実施例96]
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン
2−(2,3−ジメチルフェニル)−5−[(6’−メチル−2,3’−ビピリジン−5−イル)メチル]−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オンの調製:5−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−2−(2,3−ジメチルフェニル)−2,5−ジヒドロ−3H−ピラゾロ[4,3−c]シンノリン−3−オン(実施例90、段階1、25mg、0.054ミリモル)を、テトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg、0.0011ミリモル)で処理し、0℃まで冷却した。混合物をメチル塩化亜鉛(42μL、0.081ミリモル、テトラヒドロフラン中2M溶液、1.5当量)で処理し、周囲温度まで温め、さらに1時間周囲温度で攪拌した。混合物を水(20mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した(3×25ml)。合した有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100:0〜60:40;ジクロロメタン:10%水酸化アンモニウム含有メタノール)により精製し、深紅色の固体として標題化合物を得た:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ8.60(1H,d,J=1.6Hz)、8.31(1H,d,J=7.8Hz)、7.69(1H,d,J=7.1Hz)、7.6(1H,d,J=7.1Hz)、7.63−7.53(3H,s)、7.49−7.44(1H,m)、7.29−7.22(1H,m)m 7.14(1H,d,J=8.2Hz)、5.82(2H,s)、2.55(3H,s)、2.37(3H,s)、2.20(3H,s)ppm;高解像度質量分析(ES+)m/z 396.1819[(M+H)+;C24H22N5Oについての計算値:396.1819]。
これらの化合物のM1受容体陽性アロステリック調節剤としての有用性は、下に記載されるアッセイによるものを含む、当技術分野で公知の方法論により実証することができる。アッセイは、FLIPR384蛍光イメージングプレートリーダーシステムで細胞内カルシウムを測定することにより、CHOnfat細胞により発現されるアセチルコリンムスカリンM1受容体またはその他のムスカリン性受容体で調節剤活性を有する化合物を選択するように設計されている。このアッセイは、FLIPRを用いて基底レベルまたはアセチルコリンに刺激されたCa2+レベルでの1または数種類の試験化合物の濃度の作用を調べる。
化合物を調製し、4分のプレインキュベーション期間に供した。その後、単一EC20濃度のアセチルコリンをそれぞれのウェルに添加する(最終3nM)。それぞれのサンプルの細胞内Ca2+レベルを測定し、アセチルコリン対照と比較して調節剤活性を決定する。
細胞:CHOnfat/hM1、hM2、hM3またはhM4細胞を、アッセイの24時間前に384ウェルプレートに18,000細胞/ウェルの密度(100μL)で蒔く。CHOnfat/hM1およびCHOnfat/hM3成長培地:90% DMEM(高グルコース);10% HI FBS;2mM L−グルタミン;0.1mM NEAA;Pen−Strep;および1mg/mlジェネティシンを添加する。M2Gqi5CHOnfatおよびM4Gqi5CHOnfat細胞には、追加の600ug/mlハイグロマイシンを添加する。
装置:384ウェルプレート、120μL追加プレート;96ウェルWhatman 2ml ユニプレート・インキュベーター、37℃、5% CO2;Skatron EMBLA−384 プレート・ウォッシャー;Multimekピペッティング・システム;ジェネシス・フリーダム200システム;モスキート・システム;テモ・ナノリットル・ピペッティング・システム;およびFLIPR384蛍光イメージング・プレート・リーダー・システムを使用する。
バッファー。アッセイバッファー:20mM Hepes、最初に1N NaOHに溶解させた2.5mM プロベネシド(Sigma P−8761)、1%ウシ血清アルブミン(Sigma A−9647)を含む、ハンクス平衡塩類溶液。染料添加バッファー(Dye Loading Buffer):アッセイバッファー+1%ウシ胎児血清およびFluo−4AM/プルロニック酸混合物。DMSO(Molecular Probes F−14202)中2mM Fluo−4AMエステル原液 アッセイ中1μMの終濃度のための、バッファー2μMの濃度。20%プルロニック酸溶液原液(バッファー中濃度0.04%、アッセイ中濃度0.02%)。
65μLの2mM Fluo−4AMを、130μLの20%プルロニック酸と混合する。得られる溶液および650μL FBSを、アッセイバッファーに添加して総容積65mLとする。陽性対照:4−Br−A23187:DMSO中10mM;終濃度10μM。アセチルコリン:10mM水溶液、アッセイバッファー中20μMおよび30μM両方での作業溶液(working stock)、終濃度10μM。これを使用してCHOK1/hM1細胞の最大刺激を調べる。20μM(2×)アセチルコリンをアッセイのプレインキュベーション部分で添加し、30μM(3×)原液を2番目の部分で添加する(EC20)アセチルコリン:10mM水溶液、9nM(3×)の作業溶液、アッセイでの終濃度は3nMである。これは試験化合物とのプレインキュベーションの後に使用する。EC20アセチルコリンを試験化合物とともに各ウェルに添加すると、調節剤活性を確認することになる。24ウェルが、対照として単独で3nMアセチルコリンを含有する。
推定化合物の活性を決定する:
スクリーニングプレート:Genesis Freedom 200システムを用いて、化合物を96ウェルプレート(カラム2−11)中、100%DMSOで滴定し、15mMの濃度(150×原液濃度)で開始し、3倍連続希釈を行った。モスキート・ナノリットル・ピペッティングシステムを用いて1μLの連続希釈化合物を各ウェルに移すことにより、4つの96ウェルプレートを組み合わせて384ウェルプレートとし、1mM アセチルコリン(100×原液濃度)を対照として添加した。Temoを用いて、49μlのアッセイバッファーをアッセイ直前に384ウェルプレートの各ウェルに添加する。
96ウェルのWhatman 2mlユニプレートの中で、9nMアセチルコリン(3×)を、スクリーニング化合物に相当するウェルの中、および対照ウェルの中にピペットで入れる。30μMアセチルコリン対照(3×)を対照ウェルに添加し、3×アゴニストプレートを384ウェルプレートの中に移す。
細胞は、100μLのバッファーで3回洗浄し、30μLのバッファーを各ウェルに残す。Multimekを使用して、30μLの染料添加バッファーを各ウェルに加え、37℃にて、5% CO2で1時間までインキュベートした。
60分後、細胞を100μLのバッファーで3回洗浄し、30μLのバッファーを各ウェルに残す。細胞プレート、スクリーニングプレート、およびアゴニスト付加プレートを、FLIPRのプラットフォームの上に載せ、ドアを閉じる。バックグラウンド蛍光および基底蛍光シグナルを調べるためのシグナル試験を行う。必要に応じてレーザー強度を調節する。
試験化合物による4分のプレインキュベーションにより、1mM アセチルコリン対照との比較による、M1受容体へのアゴニスト活性の決定がなされる。プレインキュベーションの後、アセチルコリンのEC20値(最終3nM)を添加して任意の調節剤活性を判定する。
ムスカリン性FLIPRアッセイのさらなる説明は、国際公開第2004/073639号に見出すことができる。
特に、以下の実施例の化合物は、上記のアッセイにおいて活性を有し、一般にIP(変曲点)が10μM(10,000nM)以下であった。変曲点は、FLIPR値から算出され、活性の尺度である。そのような結果は、M1アロステリック調節剤として使用する際の化合物の固有活性を示している。
代表的で例示的な本発明の化合物(本明細書に記載される通り)に対する上記アッセイのIP値を、下の表1に示す:
本文全体を通して以下の略語が使用されている:
Me:メチル
Et:エチル
t−Bu:tert−ブチル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
DMF:ジメチルホルムアミド
Ac:アセチル
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMEM:ダルベッコの改変イーグル培地(高グルコース)
FBS:ウシ胎児血清
rt:室温
aq:水性
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
MS:質量分析
本発明は、その一部の特定の実施形態に関して記載および説明されているが、手順およびプロトコールの様々な適応、変更、修正、置換、削除または追加を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができることを当業者は理解するであろう。従って、本発明は、付随する特許請求の範囲により定義され、かかる特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈されることが意図される。