JP2012515067A - 転位歯を矯正する歯科矯正ブラケットおよび方法 - Google Patents

転位歯を矯正する歯科矯正ブラケットおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012515067A
JP2012515067A JP2011546416A JP2011546416A JP2012515067A JP 2012515067 A JP2012515067 A JP 2012515067A JP 2011546416 A JP2011546416 A JP 2011546416A JP 2011546416 A JP2011546416 A JP 2011546416A JP 2012515067 A JP2012515067 A JP 2012515067A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
archwire
mesial
protrusion
bracket
distal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011546416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012515067A5 (ja
Inventor
アルバート・ルイス−ヴェラ
ファロク・ファージン−ニア
ロナルド・ジェイ・サーニー
トッド・アイ・オダ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ormco Corp
Original Assignee
Ormco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ormco Corp filed Critical Ormco Corp
Publication of JP2012515067A publication Critical patent/JP2012515067A/ja
Publication of JP2012515067A5 publication Critical patent/JP2012515067A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C7/00Orthodontics, i.e. obtaining or maintaining the desired position of teeth, e.g. by straightening, evening, regulating, separating, or by correcting malocclusions
    • A61C7/12Brackets; Arch wires; Combinations thereof; Accessories therefor
    • A61C7/28Securing arch wire to bracket
    • A61C7/287Sliding locks
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C7/00Orthodontics, i.e. obtaining or maintaining the desired position of teeth, e.g. by straightening, evening, regulating, separating, or by correcting malocclusions
    • A61C7/12Brackets; Arch wires; Combinations thereof; Accessories therefor
    • A61C7/28Securing arch wire to bracket
    • A61C7/30Securing arch wire to bracket by resilient means; Dispensers therefor
    • A61C7/303Elastic bands

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)

Abstract

歯科矯正ブラケットは、ブラケット本体と結紮部材とを備える。結紮部材は、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持し、近心−遠心方向に離間された突出部を含むアーチワイヤ制御構造を含み、突出部の間に窪んだ領域を備える。窪んだ領域および突出部は、アーチワイヤスロット上に覆い被さる。窪んだ領域は、近心−遠心方向に平坦な、または湾曲した面を含むことができる。窪んだ領域および突出部は、スロット中に配置されたアーチワイヤの曲率半径未満である曲率半径を規定することができる。アーチワイヤは、一方または両方の突出部と接触し、その結果、より大きなモーメントアームが得られ、かつアーチワイヤによる力を用いてブラケットの良好な回転制御が行われる。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2009年1月16日に出願された「ORTHODONTIC BRACKET AND METHOD OF CORRECTING MALPOSITIONED TEETH」と題する米国特許出願第61/145,345号の出願日の利益を主張するものであり、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。
歯科矯正治療は、不適正に配置された歯を正しい配列へと強制するために機械的な力を加えることを含む。歯科矯正治療の一形態は、バンドにより個々の歯にそれぞれが固定される、またはより一般的に、接着剤で所定の位置に固定される歯科矯正ブラケットの使用を含む。ブラケットが、上側歯列弓(the teeth of upper arch)または下側歯列弓の歯に固定された後、弾性のあるアーチワイヤが、次いで、上側または下側ブラケットのアーチワイヤスロット内に配置される。上側および/または下側の歯はこのようにして治療することができる。アーチワイヤは、その場合、個々の結紮ワイヤまたは弾性バンドにより各ブラケットに対して所定の位置に固定することができる。こうすることにより、能動的な結紮、言い換えると、アーチワイヤスロットの底面にアーチワイヤを押し付ける結紮が得られる。
代替のブラケット設計では、可動の閉鎖部材またはカバーによりアーチワイヤを所定の位置に結紮する。このような可動の閉鎖部材は、ブラケット本体と恒久的に、ただし、移動可能に結合することができ、あるいはブラケット本体と非恒久的に結合される別個の要素とすることができる。これらのタイプのアーチワイヤスロット閉鎖部材は、受動的に、または能動的にアーチワイヤを結紮することができる。受動的な設計では、閉鎖部材は、アーチワイヤスロットの底面にアーチワイヤを押し付けることはないが、それに代えて、アーチワイヤ、または少なくともその一部分を、アーチワイヤスロットの底部から、または可動の閉鎖部材から離間させることができる。それとは対照的に、能動的な結紮では、可動の閉鎖部材、または他の結紮要素が、アーチワイヤを、アーチワイヤスロットの底面に押し付ける。可動の閉鎖部材は、アーチワイヤをスロット中に挿入するために開かれ、次いで、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持するために閉じられる。この可動の閉鎖部材は、これだけに限らないが、結紮スライド、クリップ、弾性もしくはばね性(resilient)のあるカバーなどを含む。アーチワイヤが歯をアーチワイヤの形状に位置合せしていくと矯正が行われる。
米国特許出願第12/147,877号明細書 米国特許出願第12/622,090号明細書
歯の安定した回転制御を行う歯科矯正ブラケット、および治療中に歯の回転を制御するための改善された方法が求められている。
一態様では、歯に固定されるように適合されたブラケット本体を備える歯科矯正ブラケットが提供される。ブラケット本体は、近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、および概して近心−遠心方向に延びるアーチワイヤスロットを含む。アーチワイヤスロットは、底面、底面から唇方向に延びる対向する側壁、およびアーチワイヤを受け入れるための底面とは反対にある唇側部分に開口部を含む。ブラケットは、開放位置と閉じた位置の間を動くことのできる閉鎖部材をさらに備える。閉鎖部材は、閉じた位置でブラケット本体に結合されて、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持する。閉鎖部材は、近心−遠心方向に離間された第1および第2の突出部と、それらの間の窪んだ領域とを含むアーチワイヤ制御構造を有する舌側部分を含む。窪んだ領域および第1および第2の突出部は、閉鎖部材が閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロットの上に覆い被さり、閉鎖部材が閉じた位置にあるとき、第1の突出部は、アーチワイヤスロットの近心端に近接しており、かつ第2の突出部はアーチワイヤスロットの遠心端に近接しており、また閉鎖部材が閉じた位置にあるとき、第1および第2の突出部の少なくとも一方が、アーチワイヤと接触するように適合される。
閉鎖部材は、摺動部材、クリップ、弾性のある蓋、枢動部材などの様々な構造をさらに備えることができる。窪んだ領域と、第1および第2の突出部とはまた、多くの形態をとることができる。例として、閉鎖部材のこれらの要素は、概して、咬合−歯肉方向で見たとき、概して長方形の横断面形状を形成することができる。任意選択で、窪んだ領域は、平坦な面、または近心−遠心方向に湾曲した面を含むことができる。窪んだ面と、第1および第2の突出部とは共に、そのブラケットの関連するスロット内に配置されたアーチワイヤ部分の曲率半径未満である曲率半径を規定する。こうすることにより、アーチワイヤは、窪んだ面に代えて、第1および/または第2の突出部に接触し、それにより、確実に、より大きなモーメントアームが得られ、かつアーチワイヤによって加えられた力を用いて、良好なブラケットの回転制御が得られるようになる。
より具体的には、閉鎖部材の舌側部分または面は、閉鎖部材が閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロットに覆い被さる凹部を含むことができ、また凹部は、近心および遠心の縁部を有することができる。近心の縁部または遠心の縁部の少なくとも一方は、閉鎖部材が閉じた位置にあるとき、アーチワイヤに接触するように適合される。
他の実施形態では、窪んだ領域は、近心側の壁、遠心側の壁、およびそれらの間の面により画定される。面は、クリップが閉じた位置にあり、かつアーチワイヤが近心および遠心の突出部の一方または両方と接触しているとき、アーチワイヤがその面に接触しないように構成される。
他の態様では、歯に固定されるように適合されたブラケット本体と、開放位置と閉じた位置の間で移動可能なクリップとを備える歯科矯正ブラケットが提供される。ブラケット本体は、近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、咬合側部分、歯肉側部分、概して咬合側から歯肉側へと延びる咬合−歯肉スロット、および概して近心端から遠心端へと延びるアーチワイヤスロットを含む。アーチワイヤスロットは、底面、底面から唇方向に延びる対向する側壁、およびアーチワイヤを受け入れるための、底面とは反対にある唇側部分に開口部を含む。
クリップは、閉じた位置でブラケット本体に結合されて、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に保持する。クリップは、側方セクションによって接続される舌側脚部および唇側脚部を含み、概して、U形状の横断面を有する。舌側脚部は、咬合−歯肉スロットと摺動可能に協動するように構成される。唇側脚部は、窪んだ領域を間に有する近心および遠心の突出部を含むアーチワイヤ制御構造を備えた舌側部分を有する。アーチワイヤ制御構造は、クリップが閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロット上に覆い被さり、また近心および遠心の突出部の少なくとも一方は、クリップが閉じた位置にあるとき、アーチワイヤに接触するように適合される。一実施形態では、クリップは二叉に分岐している。
他の実施形態では、歯に固定するように適合された歯科矯正ブラケットと共に使用するための歯科矯正部材が提供される。ブラケットは、近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、咬合側部分、および歯肉側部分を含む。ブラケットは、タイウィングと、概して近心端から遠心端へと延びるアーチワイヤスロットとをさらに含む。アーチワイヤスロットは、底面、および底面から唇方向に延びる歯肉側および咬合側の壁、ならびにアーチワイヤをその中に受け入れる、底面とは反対の唇側部分にある開口部を含む。
部材は、歯科矯正部材がブラケットに結合されたとき、ブラケットの少なくとも一部を覆うように構成された主体を含む。主体は唇側面および舌側面を有する。舌側面は、アーチワイヤ制御構造を含む。アーチワイヤ制御構造は、窪んだ領域により分離された近心および遠心の突出部を含む。部材は、主体から延び、かつ歯科矯正部材をブラケットに取外し可能に結合させるためにタイウィングに係合するように構成された係合部材をさらに含む。アーチワイヤがアーチワイヤスロット内に配置され、また歯科矯正部材がブラケットに結合されたとき、近心および遠心の突出部は、アーチワイヤスロット上に覆い被さり、かつアーチワイヤに接触するように適合される。
本発明による転位歯を矯正する方法は、本明細書で論じられる1つまたは複数の方法で構成された複数の歯科矯正ブラケットを患者の歯に適用するステップを含むことができる。その場合、アーチワイヤが第1または第2の突出部の少なくとも一方に、または近心もしくは遠心の縁部の少なくとも一方に接触するが、結紮部材の他の領域に接触しないようにして結紮部材がブラケットに結合された状態で、アーチワイヤは、歯科矯正ブラケットの各アーチワイヤスロット内に保持される。
本明細書に組み込まれる、また本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の諸実施形態を示しており、以下で示される詳細な説明と併せて、上記で与えられた概略の説明と共に本発明の様々な態様を説明するように働く。
従来のブラケットおよびアーチワイヤ組立体のブラケット本体、閉鎖部材、およびアーチワイヤの概略的な横断面図である。 本発明の一実施形態によるアーチワイヤを保持する歯科矯正ブラケットの斜視図である。 図2で示す歯科矯正ブラケットで使用される例示的なスライドの形の閉鎖部材の斜視図である。 アーチワイヤスロット内のアーチワイヤの位置を示す図2の断面線4A−4Aに沿った横断面図である。 アーチワイヤスロット内のアーチワイヤの位置を示す図2の断面線4−4に沿った横断面図である。 図2で示す実施形態によるアーチワイヤの最終位置を示す図4Bと同様の横断面図である。 本発明の他の実施形態によるアーチワイヤを保持する歯科矯正ブラケットの斜視図である。 図6で示すブラケットで使用されるU形状のクリップの例示的な形の閉鎖部材の斜視図である。 想像線で示された、アーチワイヤおよびブラケット本体に対するU形状のクリップの1つの位置を示す図6のブラケットの平面図である。 アーチワイヤスロット中のアーチワイヤの位置を示す図6の断面線8−8に沿った横断面図である。 図6で示す実施形態によるアーチワイヤの最終位置を示す図8と同様の横断面図である。 本発明の他の実施形態によるアーチワイヤを保持する歯科矯正ブラケットの斜視図である。 図10で示されるブラケットで使用される、第2のU形状のクリップの例示的な形の閉鎖部材の斜視図である。 アーチワイヤスロット内のアーチワイヤの位置を示す図10の断面線12−12に沿った横断面図である。 想像線で示されたアーチワイヤおよびブラケット本体に対するU形状のクリップの1つの位置を示す図10のブラケットの平面図である。 図10で示された実施形態によるアーチワイヤの最終位置を示す図12と同様の横断面図である。 本発明の他の実施形態によるアーチワイヤを保持するためにブラケットに結合された取外し可能な結紮部材の斜視図である。 図15で示すブラケットで使用される取外し可能な結紮部材の斜視図である。
図1を参照すると、結紮されたアーチワイヤ10が、歯科矯正ブラケット14の典型的な可動カバーまたは閉鎖部材12と係合する様子が示されている。図示のように、アーチワイヤ10は受動的に結紮されている。すなわち、アーチワイヤ10は、閉鎖部材12またはブラケット14のいずれにも固定されておらず、したがって、治療中に移動し、または曲がる可能性がある。特に、前歯に沿ったその曲率半径により、アーチワイヤ10は、その湾曲部の頂点20で、閉鎖部材12の下側または舌側部分18と点接触16を生ずる可能性がある。アーチワイヤ10がさらに、(参照符号22で示されるように)アーチワイヤスロットの近心または遠心部分でブラケット14と接触する場合、モーメントアーム24が形成される。
モーメントアーム24は、閉鎖部材12に対して参照符号16で、かつブラケット14に対して参照符号22でアーチワイヤ10が接触することにより生成される力28により、歯(図示せず)にトルク26を加えることを可能にする。トルク26は、ブラケット14を、したがって歯を所定の位置へと回転させる。残念ながら、頂点20、したがって、点接触16が、治療中に、閉鎖部材12の舌側部分18に沿って簡単に位置を変える、または移動する可能性があるので、この点接触16は、ブラケットの回転に関して最小の制御を提供することになる。その結果、頂点20が移動するにつれて、モーメントアーム24は長さが変化する。このことは、トルク26が、予測できない状態で変化する可能性があるため、歯の回転を制御する問題を生ずることになる。したがって、開業医は、歯の移動に対してほとんど制御できない。歯の回転に関する制御の欠如、または限定された制御は、治療時間を延長させることになりうることを理解されたい。
図2および3を参照すると、例示的な一実施形態では、歯科矯正ブラケット30は、任意の適切なベース構造34と、この図では、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40内に捕捉するための摺動部材である適切な結紮または閉鎖部材36とを用いて、歯(図示せず)に取り付けるように構成されたブラケット本体32を含む。閉鎖部材36は、ブラケット本体32に結合され、また閉じた位置では、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40内に保持する。
本発明の実施形態によれば、閉鎖部材36は、アーチワイヤ38と歯科矯正ブラケット30の間で予測可能な安定した接触を提供する、以下で述べるアーチワイヤ制御構造72を備えて設計される。この点に関して、アーチワイヤ制御構造は、アーチワイヤ38と閉鎖部材36の間の接触を特定の位置に限定する。さらに、特定の位置は、事前に決定することができ、また治療中に位置が移動することがない。例として、アーチワイヤ制御構造は、歯科矯正ブラケット30とアーチワイヤ38の間で2点接触することができる。アーチワイヤ38は、ブラケット本体32と閉鎖部材36の両方に接触することができる。他の構成では、2点接触は、閉鎖部材36上の2つの位置で行うことができる。例示的な一実施形態では、アーチワイヤ制御構造は、アーチワイヤ38と閉鎖部材36の間の接触を、1つまたは2つの所定の位置に限定する。さらに、アーチワイヤ38と歯科矯正ブラケット30の間における3点接触および4点接触もまた企図される。
その目的のために、歯科矯正ブラケット30は、その他の形で示されない限り、本明細書では、上顎の歯の唇側面に取り付けられた歯科矯正ブラケット30を備えた基準系(reference frame)を用いて述べるものとする。したがって、本明細書で使用される場合、ブラケット30を説明するために使用される唇側、舌側、近心、遠心、咬合側、および歯肉側などの用語は、選択された基準系に対するものである。しかし、本発明の実施形態は、歯科矯正ブラケット30を他の歯で使用し、かつ口腔内の他の方向付けで使用することができるので、選択された基準系および記述用語に限定されない。例えば、ブラケット30はまた、下顎または上顎の前歯に位置することができ、本発明の範囲に含めることができる。当業者であれば、本明細書で使用される記述用語は、基準系が変化した場合、直接的には適用できないことが理解されよう。そうではあるが、本発明は、口腔内の位置および方向付けとは独立しているように意図されており、本発明の諸実施形態を説明するために使用される相対的な用語は、図面と共に明確な説明を単に提供するためのものである。同様に、唇側、舌側、近心、遠心、咬合側、および歯肉側などの相対的な用語は、決して本発明を特定の位置または方向付けに限定するものではない。
したがって、図2で示すブラケット本体32を参照すると、ブラケット本体32が、患者の上顎上に担持される歯の唇側面に取り付けられたとき、ブラケット本体32は、舌側部分42、唇側部分44、咬合側部分46、歯肉側部分48、近心端50、および遠心端52を有する。アーチワイヤスロット40は、近心端50から遠心端52など、概して、近心−遠心方向に延びる。アーチワイヤスロット40は、底面54、底面54から唇方向に延びる対向する側壁56、58、およびアーチワイヤ38を受け入れるための、底面54とは反対の唇側部分44にある開口部60を含む。ブラケット本体32の舌側部分42は、例えば、適切な歯科矯正用セメントまたは接着剤により、または隣接する歯(図示せず)の周囲のバンドによることを含めて、任意の従来方法で歯に固定されるように構成される。
ブラケット本体32は、1つまたは複数のタイウィング(tie wing)をさらに含むことができる。図2で最もよく示すように、一実施形態では、ブラケット本体32は、咬合側部分46から突き出ている2つの咬合側タイウィング62a、62bと、歯肉側部分48から突き出ている2つの歯肉側タイウィング62c、62dと、を備えて形成することができる。タイウィング62a〜62dは、特に、結紮糸、パワーチェーンなど他の歯科矯正要素をブラケット本体32に結合することを可能にする。タイウィングが示され、説明されているが、本発明の実施形態は、そのように限定されることはなく、本発明の実施形態は、1つまたは複数のタイウィング62a〜62dを有することも、有しないことも可能であることが理解されよう。
さらに、図2で示すように、ブラケット本体32は、概して、アーチワイヤスロット40に対して平行に位置合わせされ、かつ、例えば、取外し可能なフック(図示せず)などの一時的な取付装置を受け入れるように構成された水平スロット64をさらに含むことができる。水平スロット64は、ブラケット本体32の近心端50から遠心端52へと延びて、1つの連続する水平スロットを形成することができる。
図2および図3を参照すると、閉鎖部材36は、唇側面66および舌側面68を有する。図3で示すように、閉鎖部材36の舌側面68は、概して、歯肉−咬合方向に(例えば、閉鎖部材36の移動方向に)延びる保持スロット70を含む。ブラケット本体32のスプリングピン(図示せず)が保持スロット70に受け入れられる。保持スロット70およびスプリングピンのさらなる詳細は、本出願人が共有する米国特許出願第12/147,877号明細書で見出すことができ、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。閉鎖部材36はしたがって、ブラケット本体32から閉鎖部材36を誤って取り外すことなく、開放位置から閉鎖位置へと摺動することができる。しかしながら、閉鎖部材36を保持するための他の手段が当技術分野で知られており、したがって、本発明の実施形態は、保持スロット/スプリングピン固定機構を有するものに限定されない。
図3を参照すると、一実施形態では、閉鎖部材36の舌側面68が、全体的に72で指定されたアーチワイヤ制御構造を備えて設計される。図3および4Aで示された実施形態では、アーチワイヤ制御構造72は、凹部または窪んだ領域78を間に備える近心−遠心方向に離間された近心の突出部74、および遠心の突出部76、または縁部を含むことができる。窪んだ領域78は、近心側の壁80、遠心側の壁82、および歯肉側の壁84により画定され、長方形の窪んだ領域78を画定することができる。窪んだ領域78はまた、舌側面68中にはめ込んだまたは窪ませた、あるいは舌側面68から唇方向にオフセットした窪んだ面86により画定することもできる。したがって、窪んだ領域78は、閉鎖部材36の舌側面68におけるめくらの窪んだ領域とすることができる。しかし、窪んだ領域78は、舌側面68からその唇側面66へと閉鎖部材36を通って延びる貫通孔、切抜き、または開口部を含むことができる。
したがって、図4Aで示すように、閉鎖部材36が閉じた、または結紮位置にある場合、アーチワイヤ制御構造72、対向する側壁56、58、およびアーチワイヤスロット40の底面54は、4側面の境界を形成して、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40内に保持する。知られているように、アーチワイヤ38は、図示のように、4側面の境界の対応する横断面寸法よりも、概して小さい横断面寸法を有することができる。このように、アーチワイヤ38は、閉鎖部材36によりアーチワイヤスロット40内で厳しく拘束されることはない。相対的な寸法差により、アーチワイヤ38は、歯科矯正ブラケット30に対してアーチワイヤスロット40内で曲がり、かつ/または移動することができる。
特に、閉鎖部材36が閉じた位置にあるとき、窪んだ領域78を備える突出部74、76は、アーチワイヤスロット40の唇側に配置され、その唇側の境界を形成する。したがって、アーチワイヤ38の動きにより、アーチワイヤ38を突出部74、76の一方または両方に接触させることができる。突出部74、76は、唇側の境界を形成するので、アーチワイヤ38は、治療中に閉鎖部材36の他の部分と接触することはできない。
さらにこの点に関して、図4Aで示すように、窪んだ領域78の歯肉側の壁84は、図示のように、対向する側壁56の平面内に存在することができる、あるいはその歯肉側に配置することができる(図示せず)。したがって、アーチワイヤ38が閉鎖部材36と接触する場合、突出部74、76の一方または両方以外の、閉鎖部材36のいずれの部分とも接触することはない。言い換えると、窪んだ領域78は、突出部74、76の間の唇側境界を包含する。
したがって、アーチワイヤ制御構造72により、回転力を事前に決めることができ、またより十分に制御することが可能になるが、それは、それによって形成されるモーメントアームが歯科矯正治療を通じて、より大きくなり、さらに安定性を増すことができるからである。例として、また図4Bで示すように、アーチワイヤ38は、ブラケット本体32および突出部74の両方と接触するように方向付けることができ、それにより、接触点間の距離により規定されるモーメントアーム88を形成することができる。図示のように、この向きでアーチワイヤ38を用いると、アーチワイヤ38により生成される力90は、モーメントアーム88によりトルク92を生成することができ、ブラケット30(および歯)を所望の位置へと回転させる。図1で示すブラケット14と比較すると、モーメントアーム88は、同等のブラケット寸法に対するモーメントアーム24と少なくとも同程度の大きさでありうる。さらに、図4Bを参照すると、治療中、閉鎖部材36上の(すなわち、アーチワイヤ制御構造72上の)接触点が安定した状態にあるので、アーチワイヤ38とブラケット30の間の接触点が比較的一定であるため、モーメントアーム88は、上記で述べた図1のモーメントアーム24と比較して、比較的安定した状態にある。
接触点が安定していることに関して、本発明の実施形態によれば、ブラケット本体32と閉鎖部材36の間の接触点が、治療が進行するにつれて実質的に位置が移動することはないはずである。したがって、モーメントアーム、したがって、歯に加えられるトルクがより安定する。したがって、回転力がさらに予測可能になる。例として、図2および4Bを参照すると、アーチワイヤ38は、アーチワイヤスロット40に対して、非平行に方向付けることもできる。治療中に、ブラケット30の移動に起因して、曲がりの頂点(図示せず)が、突出部74、76の間で、かつ窪んだ領域78内で形成されるようにアーチワイヤ38が曲がる場合、その頂点は他の場所と接触することはない。すなわち、アーチワイヤ38は、面86と接触しない。したがって、予測できないモーメントアームを生ずることになる力が、面86とアーチワイヤ38の間で生ずることはない。そうではなくて、アーチワイヤ38は、突出部74、76の一方と接触したままであり、モーメントアーム88は、閉鎖部材36にアーチワイヤ38が接触しない向きへとブラケット30が移動するまで、実質的に一定のまま留まることができる。この点において、アーチワイヤ38は、アーチワイヤスロット40と実質的に整列することができる。図示された実施形態は、アーチワイヤ38が、突出部74に接触し、かつ底面54上のその遠心端52でアーチワイヤスロット40に接触していることを示しているが、アーチワイヤ38の向きを反対にできることも理解されよう。例えば、アーチワイヤ38は、突出部76で、かつ底面54の近心端50で接触が行われる向きを有することができる。このような構成は、より安定なモーメントアームおよびトルクに関係して上記で述べた利益および利点を提供することになるが、上記で述べたものとは反対の方向に回転することになる。
最終的な状態では、図5で示すように、アーチワイヤ38は、アーチワイヤ制御構造72に対して、2つの接触点を作ることができる。例として、アーチワイヤ38は、突出部74、76のそれぞれと接触を行う。治療の終わり近くで、この構成は、従来の結紮糸を用いてアーチワイヤをブラケットに結紮するなど、従来の結紮法により提供される細かい回転制御を模倣し、それにより、臨床例における仕上げを改善することができる。下顎および上顎の前方セクションの場合、切歯の平坦な咬合縁部が回転時の歪みを拡大し、したがって、細かい制御が望ましく、また本発明の実施形態により細かい制御を提供できることが理解されよう。
アーチワイヤと閉鎖部材の接触点が、例えば、突出部74、76など、図示された実施形態の特定の所定位置に限定されるものと仮定すると、臨床医は、所与の歯科矯正ブラケット、アーチワイヤ、および歯の向きに対する治療の変化に関する臨床結果を評価できる可能性が高くなる、あるいは、より迅速に一定の回転運動を与えることが可能になる。さらに、アーチワイヤとアーチワイヤ制御構造との間の接触により形成されるモーメントアームを最大にして、ブラケット30および歯をより効率的に、かつ最適な方法で回転させることが可能になる。
上記で述べた記述によるアーチワイヤ制御構造72に対して、様々な変更を加えることができる。例えば、アーチワイヤ38と閉鎖部材36の間の望ましい接触位置は、特定のトルクが可能なように、または異なる寸法のアーチワイヤを使用できるように調整することができる。この点に関して、ブラケットおよび/またはアーチワイヤの寸法の変更に適合させるように、窪んだ領域78の深さを変えることができる。一実施形態では、窪んだ領域78は、その頂点もしくは最も深い中心点が、その近心端および遠心端上の突出部74、76と共に、アーチワイヤ38の曲率半径R未満の曲率半径rを形成もしくは規定するような最小の深さを有する。さらにこの点に関して、曲率半径rを変更するために、面86が、側壁80、82、84を有するほぼ平坦な面として示されているが、本発明の諸態様による実施形態は、そのように限定されないことが理解されよう。例として、面86は、側壁80、82、84を備える、または備えることなく、閉鎖部材36の近心側部分から遠心側部分へと延びる一様な弧など、概して平坦ではない面とすることができる。その場合、曲率半径rは、弧の形状により画定されうる。さらなる例として、曲率半径rはまた、他の通常の形をした、かつ/または異形の窪んだ領域により画定することもできる。凹部の形状にかかわらず、使用される概念および述べられる特徴は、同様のままであることが理解されよう。
さらに、モーメントアーム88の大きさを変えるために、窪んだ領域78は、閉鎖部材36の舌側面68のより広い部分をカバーするように広げることもできる。突出部74、76を近心−遠心方向に離れるように移動することは、モーメントアーム88の長さをさらに改良できることが理解されよう。2つの接触点の間の距離を最大にする(例えば、一方をアーチワイヤスロット40の底面54上に、また他方を閉鎖部材36の舌側面68上に置く)ことは、モーメントアーム88を最大にし、その結果、所与の力に対するトルクを最大にする。したがって、同じ量のトルクを加えるために、より小さな力を使用することができる。一実施形態では、窪んだ領域78は、突出部74、76が、閉鎖部材36の最も近心の縁部上と、最も遠心の縁部上に存在するように、舌側面68に沿って十分な寸法で延びる。この場合、突出部74、76は、それぞれ、アーチワイヤスロット40の方向を向いた、先端の尖った縁部になるはずである。
本発明の諸態様による他の実施形態では、また同様の参照番号が同様の機能を示す図6〜9を参照すると、図2〜5で示されたものと類似した歯科矯正ブラケット100が示されている。特に図6を参照すると、歯科矯正ブラケット100は、アーチワイヤスロット40の舌側に配置された咬合−歯肉スロット104を有するブラケット本体102と、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40内に保持/解放するために、スロット104内で、咬合−歯肉方向に摺動移動するための結紮部材、閉鎖部材、またはU形状のクリップ106と有する。
図6および7を参照すると、クリップ106は、閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロット40内にアーチワイヤ38を捕捉する。クリップ106は、咬合−歯肉スロット104内で、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40から取り外すことのできる開放位置から、閉じた位置へと移動する(図6で示す)。クリップ106は、上記で述べたものと同様に、アーチワイヤ38と歯科矯正ブラケット100の間で予測可能な安定した接触を提供するアーチワイヤ制御構造108(以下でより詳細に述べる)を含む。
図7を参照すると、クリップ106は、概してU形状とすることができ、コバルト−クロム(Co−Cr)合金、ニッケル−チタン(Ni−Ti)合金、他の形状記憶合金、または他の適切な材料など、弾性のある平坦なばね材から製作することができる。クリップ106は、単一シートの材料から形成することができ、したがって、クリップ106の全体の厚さは、一様となりうる。しかし、クリップ106は、他の因子の中で特に、例えば、ブラケット設計、およびクリップ106が製作される材料に応じて、厚さが一様である必要はないことが理解されよう。
一実施形態では、クリップ106は、概して、側方セクション114により接続される舌側脚部110および唇側脚部112を有する。舌側脚部110は、咬合−歯肉スロット104(図6で示される)内に適合する概して一様な厚さのものとすることができる。舌側脚部110は、概して、側方セクション114の方向にその唇側面から突き出している、またはその他の形で、舌側脚部110の全体の厚さにおける不連続部を提供するタブ116を含むことができる。舌側脚部110が、咬合−歯肉スロット104を通って延びる場合、クリップ106が開放位置へと移動すると、タブ116が歯科矯正ブラケット100の歯肉側部分48の一部と当接するはずなので、クリップ106は誤って取り外すことに対抗する。代替的には、開放位置にあるとき、タブ116は、アーチワイヤスロット40の面56と当接することができ、それにより、ブラケット本体32からのクリップ106の取外しに対抗することができる。
側方セクション114は、図示のように、概して滑らかな弧を形成することができ、またブラケット本体102の咬合側部分46および/または唇側部分44の一部と協動することができ、また例えば、2つの咬合側タイウィング62a、62bの間のチャネル115中に存在することができる。スロット104など、ブラケット100の他の部分と協働するチャネル115は、アーチワイヤ38により接触されたとき、クリップ106の近心−遠心移動を安定化することができる。クリップ106の、特に側方セクション114の弾性のある性質は、側方セクション114の形状と併せて、その咬合面および唇側面に沿ってブラケット本体102にばね状のクランプ力を提供し、アーチワイヤスロット40を露出させるようなクリップ106の誤った移動に抗することができる。
図7Aおよび7Bを参照すると、唇側脚部112は、舌側脚部110に対してある角度で、概して、歯肉側方向である方向に向けられる。唇側脚部112は、クリップ106が閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロット40上に唇側に突き出た舌側面118、および唇側面120を有する。さらに、図示のように、唇側脚部112は、舌側脚部110および/または側方セクション114に対して広くすることができ、アーチワイヤスロット40の近心−遠心寸法に伸びることができるが、唇側脚部112の幅は、アーチワイヤスロット40の長さ未満にすることも、それを超えることもできる。
一実施形態では、また図7Aおよび8を参照すると、唇側脚部112は、唇側脚部112から、それぞれ、近心方向、および遠心方向に延びる近心および遠心の突出部もしくはウィング128、130を含むことのできるアーチワイヤ制御構造108を含む。さらに、近心のウィング128および遠心のウィング130のそれぞれは、先端部132、134を有し、先端部132、134は、そこから概して舌側に延びて、それぞれ、近心の突出部138および遠心の突出部140を形成することができる。
図8で示すように、先端部132、134は、唇側脚部112が、概して唇側方向に凸形である弧の形に湾曲させることができるように、舌側脚部110の方向に向けることができる。例として、唇側脚部112は、アーチワイヤスロット40の上に近心−遠心方向に湾曲させることができ、その湾曲または弧は、近心の突出部138から遠心の突出部140へと延びることができる。一実施形態では、クリップ106の湾曲した形状は、クリップ106が、その唇側脚部112の近心−遠心方向に恒久的な湾曲を有するように、平坦なばね性の金属を曲げることにより製作することができる。
図8を続けて参照すると、近心および遠心のウィング128、130、および先端部132、134の方向付けにより画定される湾曲部は、アーチワイヤスロット40上で近心−遠心方向に離間された突出部138、140を備えた窪んだ領域136を形成する。窪んだ領域136は、唇側脚部112の舌側面118の湾曲部により形成された窪んだ面146により画定されうる。図2〜5で示す実施形態の突出部74、76と同様に、窪んだ領域136を備える突出部138、140は、アーチワイヤスロット40の唇側に配置され、その唇側の境界を形成して、唇側方向に一定量を超えてアーチワイヤ38が移動するのを制約または制限する。言い換えると、アーチワイヤ38は、突出部138、140が唇方向の移動を制限した状態で、近心方向または遠心方向に移動できるが、それは、歯肉方向、咬合方向、舌方向、または唇方向のいずれかの限定された方向に限って移動することができる。しかし、窪んだ領域136は、例えば、図11の例示的な実施形態で示すように、クリップを通して延びる貫通孔、切抜き、または開口部を含むことができる。
アーチワイヤ制御構造108は、唇側境界を形成するので、アーチワイヤ38は、歯科矯正治療中に、クリップ106の他のいずれの部分とも接触することはできない。言い換えると、また示された実施形態では、アーチワイヤ38は、クリップ106の突出部138、140の一方、または両方とだけ接触することができる。
アーチワイヤ制御構造108は、上記で述べたアーチワイヤ制御構造72と同様に、歯科矯正治療中に、アーチワイヤ38とブラケット100の間でより安定した接触点を提供することができる。図8および9を参照すると、アーチワイヤ38は、アーチワイヤスロット40に対して非平行に方向付けることができる。例として、アーチワイヤ38は、ブラケット本体102およびクリップ106に共に接触するように方向付けることができ、それにより、2つの接触点の間の距離により規定されるモーメントアーム148を形成することができる。例えば、アーチワイヤ38は、ブラケット本体102の遠心端52と参照符号150で、また突出部138と参照符号152で接触することができる。図8で示されるように、モーメントアーム148を有する力154は、トルク156を生成して、ブラケット100(および歯)を所望の位置へと回転する。図1で示すブラケット14と比較すると、モーメントアーム148は、同等のブラケット寸法に対するモーメントアーム24と少なくとも同程度に大きくすることができる。いずれにしても、一実施形態では、また図8を参照すると、アーチワイヤ38とブラケット100の間の接触点は比較的一定であるので、モーメントアーム148は、図1のモーメントアーム24と比較して、比較的安定した状態にある。
さらに、本発明の実施形態によれば、アーチワイヤ38と、ブラケット本体102およびクリップ106との間の、図8で示す2点接触構成は、実質的に、治療の進行に伴い位置が移動することはない。したがって、突出部138、140の一方、または両方以外で力が生ずる可能性はない。図示された実施形態は、アーチワイヤ38が、突出部138と、底面54上のその遠心端52でアーチワイヤスロット40と接触していることを示しているが、アーチワイヤ38の方向付けを逆にできることも理解されよう。例えば、アーチワイヤ38は、突出部140、および底面54の近心端50で接触が生ずる方向付けを有することもできる。したがって、ブラケット本体102が、クリップ106とアーチワイヤ38が接触しない方向へと移動するまで、モーメントアーム148は、実質的に一定のままである。この状態において、アーチワイヤ38は、実質的にアーチワイヤスロット40と整列することができる。
図9で示すように、アーチワイヤ38は、ブラケット100と2つの接触点もしくは位置を作ることができるが、例えば、2点接触は、アーチワイヤ38とアーチワイヤ制御構造108の間の158および160での接触を含むことができる。特に、アーチワイヤ38は、突出部138、140のそれぞれと接触を行う。例えば、両方の突出部138、140で、アーチワイヤ38とクリップ106の間で望ましい接触位置を提供するために、窪んだ領域136の形状は、ブラケットおよび/またはアーチワイヤ寸法における変化に適合するように変更することができる。一実施形態では、図9で示すように、窪んだ領域136は、その頂点、または突出部138、140と組み合わせた最も深い中心点が、アーチワイヤ38の曲率半径R未満である曲率半径rを形成または規定するように、最小の湾曲を有する。この点に関して、曲率半径rは、窪んだ領域136の深さを増すことにより減少させることができる。窪んだ領域136の他の構成で、同様な結果を生ずることも可能であり、例えば、窪んだ領域136は、アーチワイヤ38の曲率半径R未満である曲率半径を規定する他の通常の形の、また異形の窪んだ領域により画定されうる。
種々のさらなる、または代替の変更を、上記で述べた記述に従って、アーチワイヤ制御構造108に行うことができる。例えば、クリップ106の寸法、特に、突出部138、140の間の距離は、モーメントアーム148の長さに影響を与える可能性がある。2つの接触点間の距離を最大にすることは、モーメントアーム148を最大にし、したがって、歯を回転するために利用可能なトルクを最大にする。モーメントアーム148の長さは、唇側脚部112の幅を増加させること、特に、突出部138、140の間の距離を増加することにより、唇側脚部112の全体の幅を増加することにより、ウィング128、130の寸法を増加することにより、あるいはウィング128、130と先端部132、134の間の方向付けを変えることにより、増加させることができる。一実施形態では、突出部138、140は、アーチワイヤスロット40の各近心および遠心側部分に接近する、または近接している。
さらに、窪んだ領域136は、先端部132、134が、アーチワイヤスロット40に対してほぼ垂直になるように、長方形を形成することができる。加えて、窪んだ領域136は、アーチワイヤ38の頂点が、歯科矯正治療中に、クリップ106の面146に達することができないように、またはその他の部分に接触できないように、所与のアーチワイヤおよびアーチワイヤスロット寸法に対して十分深い。しかし、おそらく歯の移動により、アーチワイヤ38の頂点が移動した場合であっても、図8で示すアーチワイヤとクリップ106の間の2点接触は変化しないはずである。
唇側脚部112は、概して、舌側脚部110と同じ方向に延びる延長部122をさらに含むことができる。延長部122は、タイウィング62c、62dの間で延びる唇側停止部126(図6で示す)により形成された保持スロット124内に適合する。延長部122は、舌側脚部110、または唇側脚部112、または側方セクション114より狭く、同じ幅に、または広くすることができる。クリップ106が閉じた位置にあるとき、延長部122はまた、アーチワイヤ38と接触したときに近心−遠心移動に対してクリップ106を安定化することができる。さらに、延長部122は、クリップ106がアーチワイヤ38を誤って解放することを実質的に防止するために、唇側停止部126と接触することができる。このように、延長部122は、アーチワイヤ38が、アーチワイヤスロット40に対して非平行の方向付けにある場合、アーチワイヤ制御構造108とアーチワイヤ38の間の接触位置をさらに安定化することができる。クリップ106が大幅に撓む、または歪む可能性がないので、アーチワイヤ38と突出部138、140の間の接触点がより安定になるように、アーチワイヤ38の唇側の移動を、延長部122によりさらに制限することができる。図6および7は、クリップ106が延長部122を含むものとして示しているが、クリップ106は、延長部122を有する必要はなく、またクリップ106の使用中に受ける可能性のある負荷の下で、実質的に撓まない、または歪まないように設計する必要がないことが理解されよう。
同様の参照番号が図6〜9の同様の機能を示している、図10〜14で示す本発明の他の実施形態では、歯科矯正ブラケット200は、図6〜9で示されたブラケット100と同様のものである。特に図10を参照すると、歯科矯正ブラケット200は、ブラケット本体202と、この図では、スロット104内で咬合−歯肉方向に摺動運動をするためのU形状のクリップ204である結紮または閉鎖部材とを含む。
クリップ204は、図7で示されたクリップ106といくつかの点で類似している。したがって、図10で示すように、クリップ204は、閉じた位置にあるとき、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40内に捕捉する。クリップ204は、咬合−歯肉スロット104内を開放位置へと移動して、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40から取り外すことを可能にする。
クリップ204は、アーチワイヤ38と歯科矯正ブラケット200との間でより予測可能な、安定した接触を提供するアーチワイヤ制御構造206(以下でより詳細に述べる)を含む。この点に関して、アーチワイヤ制御構造206は、アーチワイヤ38とクリップ204の間の接触を特定の位置に限定する。さらに、特定の位置は、事前に決定することができ、また歯科矯正治療中に、実質的に位置が移動することはない。例として、アーチワイヤ制御構造206は、歯科矯正ブラケット200とアーチワイヤ38の間で2点接触を行うことができる。この場合、アーチワイヤ38は、一方の位置でブラケット本体202に、またもう一方の位置でクリップ204に接触することができる。具体的には、接触点は、アーチワイヤ制御構造206上の接触点と、アーチワイヤスロット40の底面54の近心端50または遠心端52における接触点とを含むことができる。一実施形態では、アーチワイヤ制御構造206は、アーチワイヤ38とクリップ204との間の接触を、1つまたは2つの所定の位置に限定する。2点接触はまた、アーチワイヤ38と、アーチワイヤ制御構造206上の2つの位置との間の接触を含むことができる。すなわち、アーチワイヤ38は、ブラケット本体202に接触しない。さらに、アーチワイヤ38と歯科矯正ブラケット200との間の3点および4点接触もまた、本発明の実施形態により企図される。
図11を参照すると、クリップ204は、概してU形状をしており、適切な金属などの弾性があり、ばね性材料の単一のシートから製作することができる。金属は、コバルト−クロム(Co−Cr)合金、ニッケル−チタン(Ni−Ti)合金、他の形状記憶合金、または他の適切な材料とすることができる。したがって、クリップ204の全体の厚さは一様となりうる。クリップ204は、U形状を有するように、平坦なばね性金属を曲げることにより形成することができる。しかし、クリップ204は、他の因子の中で特に、例えば、ブラケット設計、およびクリップ204が製作される材料に応じて、厚さが一様である必要はないことが理解されよう。一実施形態では、クリップ204は、平坦なばね性金属から製作される。
図11で示す例示的な実施形態では、クリップ204は、側方セクション212により接続される舌側脚部208および唇側脚部210を有する。舌側脚部208は、概して一様な厚さであり、咬合−歯肉スロット104内に適合する。舌側脚部208は、図7で示したタブ116と同様に機能するタブ216を含むことができる。
側方セクション212は、図示のように、概して滑らかな弧を形成することができ、またブラケット本体202の咬合側部分46および/または唇側部分44の一部と協動することができる。一実施形態では、クリップ204の弾性のある性質は、側方セクション212の形状を併せて、その咬合面および唇側面の一部に沿った、クリップ204とブラケット本体202との間の摩擦を高めるばね状のクランプ力を提供して、アーチワイヤスロット40を露出するようなクリップ204の誤った移動に抗することができる。
一実施形態では、クリップ204は、唇側脚部210が、U形状の横断面を形成するように、側方セクション212から歯肉側に突き出すように形成することができる。この構成では、本発明の実施形態はこのように限定されないが、唇側面218は、ブラケット200の唇側部分44の一部を形成し、唇側脚部210の一部および/または側方セクション212は、その咬合側部分46上のブラケット本体202に形成されたスロットまたは他の凹部を通して延びることができる。さらに、唇側脚部210の舌側面220は、図13で示すように、クリップ204が閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロット40の上に唇側に突き出し、またその唇側の境界を形成する。
図10〜14で示す例示的な実施形態では、唇側脚部210は、近心部分222および遠心部分224を含む。近心部分222と遠心部分224との間の窪んだ領域ではなく、近心部分222および遠心部分224は、唇側脚部210が二叉に分岐するように、概して、U形状の切抜き230を画定することができる、すなわち、クリップ204は、いわゆる二叉クリップとすることができる。切抜きは、近心部分222および遠心部分224の端部から切抜き230の頂点までの深さDを有することができ、それは、アーチワイヤスロット40の咬合−歯肉寸法よりも大きい。しかし、近心部分222および遠心部分224は、同様の深さDを有する長方形の切欠きなど、他の形状を画定できることも理解されよう。
さらに、図11および13で最もよく示すように、唇側脚部210は、舌側脚部208および側方セクション212に対して広くすることができる。この点に関して、唇側脚部210の近心部分222および遠心部分224は、アーチワイヤスロット40に沿って、近心−遠心方向に離間することができる。具体的には、近心部分222の近心縁部から遠心部分224の遠心縁部までの近心−遠心寸法は、側方セクション212および/または舌側脚部208の幅よりも大きくすることができる。しかし、唇側脚部210の最大の近心−遠心寸法は、アーチワイヤスロット40の寸法未満に、またはそれを超えることができる。一実施形態では、唇側脚部210の最大幅は、アーチワイヤスロット40の近心−遠心寸法の全幅まで延びることができるが、あるいはそれに近いものとすることもできる。
図11、12、および13で示すように、一実施形態では、唇側脚部210は、アーチワイヤ制御構造206を含む。アーチワイヤ制御構造206は、近心部分222および遠心部分224の近心の舌側面232aおよび遠心の舌側面232bをそれぞれ含むことができる。上記で述べた突出部74、76、および突出部138、140と同様に、近心の舌側面232aおよび遠心の舌側面232bは、クリップ204が閉じた位置にあるとき、アーチワイヤスロット40の唇側に配置される。面232aおよび232bは、アーチワイヤ38が、唇方向に一定量を超えて移動するのを制約する、または制限するように、アーチワイヤスロット40の唇側の境界を形成する。一実施形態では、アーチワイヤ38は、歯科矯正治療中に、クリップ204の他の部分と接触することはできない。言い換えると、また示された実施形態では、アーチワイヤ制御構造206は、アーチワイヤ38とクリップ204との間の接触を、近心の舌側面232aおよび遠心の舌側面232bの一方または両方に限定する。接触点は、2つの特定の所定位置、例えば、近心の舌側面232a、および遠心の舌側面232bに限定されるので、臨床医は、所与の歯科矯正ブラケット、アーチワイヤ、および歯の向きに関する治療中の変化に対する臨床結果を評価できるようになる可能性がより高くなる。さらに、以下でより詳細に述べるように、モーメントアームが、アーチワイヤ38とアーチワイヤ制御構造206の間の接触により形成され、アーチワイヤ38およびブラケット本体202は、治療の過程を通してより安定する。
例として、また図12を参照すると、アーチワイヤ38は、ブラケット本体202と、クリップ204のアーチワイヤ制御構造206との両方に接触するように、アーチワイヤスロット40に対して非平行に方向付けることができる。この方向付けは、2つの接触点間の距離により規定されるモーメントアーム236を形成する。具体的には、アーチワイヤ38は、ブラケット本体202にアーチワイヤスロット40の底面54の位置238で接触し、またアーチワイヤ制御構造206の近心の舌側面232aに位置240で接触して、モーメントアーム236を形成することができる。アーチワイヤ38が、モーメントアーム236を有する力244を加える場合、トルク246が生成されてブラケット200および歯を回転させる。
さらに、本発明の実施形態によれば、ブラケット本体202とクリップ204の間の、図12および13で示す2点接触構成は、アーチワイヤが、アーチワイヤスロット40内で移動し、または曲がることがあっても、歯科矯正治療が進行するにつれて位置が移動することはない。例えば、治療中に、曲がりの頂点(図示せず)が、唇側脚部210の近心部分222と遠心部分224の間に、すなわち、切抜き230中に形成されるようにアーチワイヤ38が曲がる場合、アーチワイヤ38は、近心の舌側面232aおよび遠心の舌側面232bの一方または両方以外で、クリップ204に接触することはない。アーチワイヤ制御構造206は、接触をクリップ204上の2つの位置に限定するため、モーメントアーム236は、治療中に大幅に変化することはない。したがって、例えば、アーチワイヤ38を変化させることにより、力244を調整することは、ブラケット200のより予測可能な回転運動を生成することができる。図示された実施形態は、アーチワイヤ38が、近心の舌側面232aと、アーチワイヤスロット40にその底面54の遠心端52で接触することを示しているが、アーチワイヤ38の向きを逆にできることも理解されよう。例えば、アーチワイヤ38は、遠心の舌側面232bで、かつ底面54の近心端50で接触を行う方向付けを有することができる。
上記のことを考慮し、また図13を参照すると、アーチワイヤ制御構造206の様々な構成を、接触点を制御するために使用することができる。例えば、切抜き230の深さDは、アーチワイヤ38と、面232aおよび232b以外の面との間の接触を阻止するのに十分なものとすることができる。すなわち、切抜き230は、治療中に曲がりが生じた場合、近心部分222と遠心部分224の間をアーチワイヤ38の曲がり、または頂点が通ることが十分なものにすることができる。特に、一実施形態では、切抜き230の深さDは、所与のアーチワイヤおよびアーチワイヤスロット寸法に対して、図示のように、切抜き230の頂点242を、反対側の側壁56の平面内に、またはその歯肉側に配置するのに十分なものである。しかし、深さDは、側方セクション212および唇側脚部210の形状に依存する可能性がある。いずれにしても、おそらく歯またはアーチワイヤ38の取付けの移動に起因して、アーチワイヤ38の頂点が位置を移動した場合であっても、図12および13で示すように、アーチワイヤ38とクリップ204の間の2点接触は、大幅に変化することはないはずである。したがって、モーメントアーム236は、ブラケット200が、モーメントアーム236が存在しなくなる方向にまで移動するまで、すなわち、歯が選択された位置に達するときまで、実質的に一定のまま存在することができる。
さらに、モーメントアーム236への変更は、近心部分222および遠心部分224の構成を変えることにより選択することができる。例えば、近心部分222および遠心部分224が、クリップ204の長手方向軸に関して対称な軸(すなわち、対称的な二叉)を有するものとして示されているが、本発明の実施形態は、そのように限定されない。したがって、近心部分222および遠心部分224の位置は、アーチワイヤスロット40の近心−遠心寸法に対して等しく離間されない可能性がある。同様に、近心部分222および遠心部分224は、互いに対して幅を変えて、モーメントアーム236を変更することができる。さらなる例として、唇側脚部210の幅を、特に、近心部分222と遠心部分224の間の距離を増加させることにより、唇側脚部210の全体の近心−遠心幅を増加させることにより、または近心部分222および遠心部分224の一方または両方の個々の寸法を減少させることにより、モーメントアーム236の長さを増加させることができる。言い換えると、クリップ204の寸法、特に近心の舌側面232aと遠心の舌側面232bの間の距離が、モーメントアーム236の長さに影響を与える可能性がある。
2つの接触点の間(例えば、アーチワイヤスロット40の底面54上の接触と、クリップ204のアーチワイヤ制御構造206上の接触との間)の距離を最大にすることは、モーメントアーム236を最大にし、したがって、回転制御を最大にすることが理解されよう。安定した大きなモーメントアームを用いると、より小さな力で、等価な量のトルクを生成できることがさらに理解されよう。図1で示すブラケット14と比較すると、図10で示す実施形態のモーメントアーム236は、同等のブラケット寸法に対するモーメントアーム24と少なくとも同程度の大きさとすることができる。加えて、図12を参照すると、アーチワイヤ38とブラケット200との間の接触位置(例えば、参照符号238および参照符号240で)は、比較的一定であるので、モーメントアーム236は、上記で述べたように、図1のモーメントアーム24と比較して比較的一定のままである。
図10、11、および13を参照すると、一実施形態では、近心部分222および遠心部分224はさらに、対向する延長部226、228をそれぞれ含むことができる。対向する延長部226、228は、それぞれ、近心部分222および遠心部分224から、概して、舌側脚部208と同方向に延びる。対向する延長部226、228は、ブラケット本体202の一部に接触するように構成することができ、治療中に、クリップ204がアーチワイヤ38を誤って解放することを実質的に阻止することができる。例えば、対向する延長部226、228は、ブラケット本体202のアーチワイヤスロット40の反対側の側壁58に形成された近心および遠心の保持スロット(図示せず)内に適合することができる。この点に関して、対向する延長部226、228は、アーチワイヤ38が、アーチワイヤスロット40に対して非平行な向きにあるとき、アーチワイヤ制御構造206とアーチワイヤ38との間の接触位置をさらに安定化することができる。さらに、対向する延長部226、228は、接触における力244をより大きくし、したがって、ブラケット200に対するトルク246を大きくして、歯をより迅速に回転させることができる。図7のクリップ106の延長部122と同様に、クリップ204が閉じた位置にあるとき、対向する延長部226、228はまた、アーチワイヤ38との摺動接触による、近心−遠心移動に対してクリップ204を安定化することができる。図10および11は、クリップ204を、対向する延長部226、228を含むものとして示しているが、クリップ204は、対向する延長部226、228を有する必要がないこと、およびクリップ204の使用中に受けるはずの負荷の下で、実質的に撓むまたは歪むことがないように設計する必要がないことが理解されよう。
上記で説明し、また図14で示すように、アーチワイヤ38は、アーチワイヤ制御構造206上に2つの接触点を作ることができる。例えば、アーチワイヤ38は、位置248および250で、近心の舌側面232aおよび遠心の舌側面232bのそれぞれと接触することができる。前の実施形態と同様に、治療の終わり近くで、この構成は、従来の結紮法により行われる細かい回転制御を模倣することができ、それにより、臨床例における仕上げを改善することができる。
それを目的として、アーチワイヤ38とクリップ204の間の望ましい接触位置を提供するために、クリップ204の寸法を、上記で述べたものと同様に変更することができる。例えば、唇側脚部210の近心部分222と遠心部分224の間の距離は、ブラケットおよび/またはアーチワイヤ寸法の変化に適合するように変えることができる。一実施形態では、近心部分222と遠心部分224の間の距離は、アーチワイヤ38が最小の湾曲で曲がることを可能にする。しかし、上記で述べた本発明の諸実施形態とは異なり、クリップ204の曲率半径rは、切抜き230が開放されているので、近心部分222と遠心部分224の間の第3の位置により制限されることはない。したがって、アーチワイヤが、近心部分222と遠心部分224の間で頂点を形成する場合、頂点は、クリップ204の他の部分と接触することなく通ることができる。したがって、曲率半径rは、図14で示すように、アーチワイヤ38の曲率半径Rよりも小さいものとなる。
上記で述べた例示的な実施形態は、いわゆる自己結紮ブラケットである歯科矯正ブラケットを含む、すなわち、ブラケットは、結紮スライドまたはクリップなど可動の閉鎖部材を含むが、本発明の実施形態は、それに結合される可動の閉鎖部材を用いて設計されたブラケットに限定されない。この点に関して、また例として、本発明の実施形態は、ブラケットに恒久的に結合されることを意味していないが、ブラケットに選択的に結合される、またはブラケットから取り外される別個の要素であるように構成される弾性のある、またはばね性のあるカバーなど、取外し可能な結紮部材を含む。
したがって、同様な参照番号は、図2〜14の同様な機能を示している、図15および16で示す本発明の他の実施形態では、この図では取外し可能な結紮部材またはカバーである歯科矯正部材300を、従来のエッジワイズブラケットに固定することができる。例として、このような部材は、本願の権利者が所有する、同時係属の米国特許出願第12/622,090号に述べられており(自己結紮ブラケットのコンテキストであるが)、それを参照により本明細書にその全体を組み込む。歯科矯正部材300は、タイウィング311a〜dを有するエッジワイズブラケット302へと取り付けることができ、また弾性材料または硬質プラスチックから製作することができるが、歯科矯正部材300は、他の適切な材料から製作することもできる。
図15で示すように、歯科矯正部材300は、解放可能にブラケット302に結合されるように構成され、ブラケット302に結合されたとき、アーチワイヤ38をアーチワイヤスロット40内に捕捉する。部材300は、アーチワイヤ38と歯科矯正部材300との間で予測可能な、安定した接触を提供するアーチワイヤ制御構造304を含む。上記でそれぞれ述べたアーチワイヤ制御構造72、108、206と同様に、アーチワイヤ制御構造304は、エッジワイズブラケット302とアーチワイヤ38との間で2点接触を提供する、またはアーチワイヤ38と歯科矯正部材300との間で2点接触を提供することができる。
この目的のために、図15および図16で示す例示的な一実施形態では、歯科矯正部材300は、唇側面308および舌側面310を有する主体306を含む。一実施形態では、舌側面310は、その上にアーチワイヤ制御構造304を含む。例として、アーチワイヤ制御構造304は、第1の突出部312、および窪んだ領域316により分離された第2の突出部314を含むことができる。突出部312、314は、上記で述べた突出部74、76、または突出部138、140と同様に構成され、かつ同様の機能を有する。同様に、窪んだ領域316は、窪んだ領域78、136と同様に構成され、さらにその同様の機能も有する。したがって、窪んだ領域316は、めくらの凹部(図示せず)を含むことができるが、あるいは貫通孔もしくは切抜きを含むこともできる。一実施形態では、窪んだ領域316は、近心側の壁322、遠心側の壁324、咬合側の壁326、および歯肉側の壁328、ならびに窪んだ面330により画定される。窪んだ面330は、上記で述べた面86、146と同様のものである。
歯科矯正部材300はまた、主体306から延びる係合部材318、320などの係合部材を含み、係合部材は部材300をブラケット302と解放可能に結合するように構成される。例えば、一実施形態では、係合部材318、320は、1対の伸長可能な閉じたループを含むことができる。係合部材318、320は、タイウィング311a〜d上に伸びて、それに固定することができる。歯科矯正部材300またはその一部は、アーチワイヤスロット40内に突き出ることはないことが理解されよう。
ブラケット302に固定されると、図示のように、主体306の舌側面308の一部が、アーチワイヤスロット40の上に延びる。したがって、アーチワイヤ制御構造304は、アーチワイヤスロット40の唇側の境界を形成する。上記の例示的な実施形態で述べたように、アーチワイヤ38は、近心および遠心方向に移動することができる。しかし、アーチワイヤ制御構造304は、唇方向の一定距離を超える移動を制限する。例として、第1および第2の突出部312、314は、アーチワイヤスロット40の唇側の境界を形成することができる。したがって、アーチワイヤ38は、アーチワイヤ38が非平行に十分整列されていると仮定すると、突出部312、314のいずれか、または両方と接触することができる。接触位置を制御することにより、アーチワイヤ制御構造304とアーチワイヤ38の間、および底面54とアーチワイヤ38の間の接触により形成されたモーメントアームを制御することができる。接触位置を制御するために、一実施形態では、咬合側の壁326は、アーチワイヤスロット40の咬合側の壁56と同じ舌−唇平面内に、またはその咬合側に存在する。他の実施形態では、歯肉側の壁328は、アーチワイヤスロット40の歯肉側の壁58と同じ舌−唇平面内に、またはその歯肉側に存在する。めくらの窪んだ領域316ではなく、主体306中に空洞または貫通孔を形成することが望ましい可能性のあることが理解されよう。
本発明の他の実施形態では、転位歯を矯正する方法は、図2、6、10、および15で示す本発明の実施形態の少なくとも1つに従って構成された複数の歯科矯正ブラケットを患者の歯に適用するステップと、アーチワイヤ38が、第1もしくは第2の突出部74、76の少なくとも一方、第1もしくは第2の突出部138、140の少なくとも一方、第1もしくは第2の舌側面232a、232bの少なくとも一方、または突出部312、314の少なくとも一方などのアーチワイヤ制御構造と接触するが、閉鎖部材36、クリップ106、クリップ204、または部材300の他の部分と接触することのないように、例えば、閉鎖部材36、クリップ106、クリップ204、または取外し可能な結紮部材300などの閉鎖部材を閉じた位置で用いて、アーチワイヤ38を歯科矯正ブラケットの各アーチワイヤスロット40内に保持するステップとを含む。例えば、アーチワイヤ38は、窪んだ領域78、窪んだ領域136、または窪んだ領域316と接触することはない。
一実施形態では、閉鎖部材36、クリップ106、または部材300の、それぞれ、窪んだ領域78、136、または316、ならびに第1および第2の突出部74、76、または138、140、または312、314は、各湾曲した面を画定し、また湾曲した面の各湾曲は、それぞれ、各ブラケット中に保持されたアーチワイヤ38の一部の曲率半径未満である曲率半径を有する。
他の実施形態では、方法は、アーチワイヤ38を、例えば、少なくとも1つのブラケットの第1の突出部74、138、もしくは312、または面232aと、第2の突出部76、140、314、または面232bとの両方に接触させることにより、アーチワイヤ38を保持するステップを含む。
さらに他の実施形態では、転位歯を矯正する方法は、歯科矯正ブラケット30、100、200、および302のうちの少なくとも1つに従って構成された複数の歯科矯正ブラケットを患者の歯に適用するステップと、アーチワイヤ38が、突出部74、76、138、140、312、314のうちの少なくとも1つに接触するが、窪んだ領域78、136、316内の、それぞれ、面86、146、330と接触することのないように、例えば、閉鎖部材36、クリップ106、クリップ204、または部材300などを閉じた位置で用いて、アーチワイヤ38を歯科矯正ブラケット30、100、200、302の各アーチワイヤスロット40内に保持するステップと、を含む。
さらに他の実施形態では、閉鎖部材36、クリップ106もしくは204、または部材300の、それぞれ、窪んだ領域78、136、316における面86、146、330と、突出部74/76、138/140、または312/314とは、各湾曲を画定し、各湾曲はそれぞれ、関連するブラケットに保持されたアーチワイヤの一部の曲率半径未満の曲率半径を有する。さらに、アーチワイヤ38を保持するステップは、アーチワイヤスロットの底面54の近心端50または遠心端52など、ブラケットの少なくとも1つの近心端50と遠心端52の両方とアーチワイヤ38を接触させるステップをさらに含む。
本発明が様々な実施形態の記述により説明されてきており、またこれらの実施形態をかなり詳細に述べて来たが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制約すること、あるいは何らかの意味で限定することを本出願人は意図していない。さらなる利点および変更は、当業者であれば容易に想到されよう。本明細書で論じられた様々な特徴は、ユーザの必要性および好みに応じて単独で使用することも、あるいは任意の組合せで使用することも可能である。これは、現在知られている本発明を実施する方法と共に、本発明の例示的な態様および実施形態を述べたものである。しかし、本発明それ自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきである。
30 歯科矯正ブラケット
32 ブラケット本体
34 ベース構造
36 閉鎖部材
38 アーチワイヤ
40 アーチワイヤスロット
42 舌側部分
44 唇側部分
46 咬合側部分
48 歯肉側部分
50 近心端
52 遠心端
54 底面
56 側壁
58 側壁
60 開口部
62a〜d タイウィング
64 水平スロット
66 唇側面
68 舌側面
70 保持スロット
72 アーチワイヤ制御構造
74 突出部
76 突出部
78 窪んだ領域
80 近心側の壁
82 遠心側の壁
84 歯肉側の壁
86 窪んだ面
88 モーメントアーム
90 力
92 トルク
100 歯科矯正ブラケット
102 ブラケット本体
104 咬合−歯肉スロット
106 クリップ
108 アーチワイヤ制御構造
110 舌側脚部
112 唇側脚部
114 側方セクション
115 チャネル
116 タブ
118 舌側面
120 唇側面
122 延長部
124 保持スロット
126 唇側停止部
128 近心のウィング
130 遠心のウィング
132 先端部
134 先端部
136 窪んだ領域
138 近心の突出部
140 遠心の突出部
146 窪んだ面
148 モーメントアーム
154 力
156 トルク
200 歯科矯正ブラケット
202 ブラケット本体
204 クリップ
206 アーチワイヤ制御構造
208 舌側脚部
210 唇側脚部
212 側方セクション
216 タブ
218 唇側面
220 舌側面
222 近心部分
224 遠心部分
226 延長部
228 延長部
230 切抜き
232a 近心の舌側面
232b 遠心の舌側面
236 モーメントアーム
238 接触位置
240 接触位置
242 頂点
244 力
246 トルク
248 位置
250 位置
300 歯科矯正部材、結紮部材
302 歯科矯正ブラケット、エッジワイズブラケット
304 アーチワイヤ制御構造
306 主体
308 唇側面
310 舌側面
311a〜d タイウィング
312 第1の突出部
314 第2の突出部
316 窪んだ領域
318 係合部材
320 係合部材
322 近心側の壁
324 遠心側の壁
326 咬合側の壁
328 歯肉側の壁
330 窪んだ面

Claims (21)

  1. 歯に固定されるように適合され、かつ近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、および概して、前記近心端から前記遠心端へと延びるアーチワイヤスロットを含むブラケット本体であって、前記アーチワイヤスロットが、底面、咬合側の壁、および歯肉側の壁を含み、前記咬合側の壁および前記歯肉側の壁が、前記底面から唇方向に延びており、前記アーチワイヤスロットが、アーチワイヤを受け入れるために前記底面とは反対の前記唇側部分に開口部をさらに含む、ブラケット本体と、
    開放位置と閉じた位置の間を移動可能な閉鎖部材であって、前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に保持するために前記閉じた位置で前記ブラケット本体に結合されており、かつ近心−遠心方向に離間された第1の突出部および第2の突出部、および前記突出部の間の窪んだ領域を含むアーチワイヤ制御構造を備えた舌側部分を含み、前記突出部が前記アーチワイヤスロットの方向に延びる、閉鎖部材とを備え、
    前記窪んだ領域、ならびに前記第1の突出部および前記第2の突出部が、前記アーチワイヤスロット上に覆い被さり、前記閉鎖部材が前記閉じた位置にあるとき、前記第1の突出部が前記アーチワイヤスロットの前記近心端の近くにあり、かつ前記第2の突出部が前記アーチワイヤスロットの前記遠心端の近くにある状態で、前記第1の突出部および前記第2の突出部が前記アーチワイヤスロット上に覆い被さり、また前記閉鎖部材が前記閉じた位置にあるとき、前記第1の突出部または前記第2の突出部の少なくとも一方が、前記アーチワイヤに接触するように適合されることを特徴とする歯科矯正ブラケット。
  2. 前記閉鎖部材が、摺動部材、クリップ、弾性のある蓋、または枢動部材のうちの1つをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正ブラケット。
  3. 前記窪んだ領域が、前記第1の突出部または前記第2の突出部と共に、前記閉鎖部材の前記舌側面から前記唇方向に窪んだ面を画定する歯肉側の壁および咬合側の壁の一方をさらに備え、また前記閉鎖部材が前記閉じた位置にあるとき、前記窪んだ領域の前記歯肉側の壁が、前記アーチワイヤスロットの前記歯肉側の壁の歯肉側に配置される、または前記窪んだ領域の前記咬合側の壁が、前記アーチワイヤスロットの前記咬合側の壁の咬合側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正ブラケット。
  4. 前記窪んだ領域が、前記第1または第2の突出部と共に、前記閉鎖部材の前記舌側面から前記唇方向に窪んだ面を画定する歯肉側の壁および咬合側の壁をさらに備え、また前記窪んだ領域の前記歯肉側の壁が、前記アーチワイヤスロットの前記歯肉側の壁の歯肉側に配置され、かつ前記窪んだ領域の前記咬合側の壁が、前記アーチワイヤスロットの前記咬合側の壁の咬合側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正ブラケット。
  5. 前記窪んだ領域が、近心−遠心方向に湾曲した窪んだ面を備えることを特徴とする請求項1に記載の歯科矯正ブラケット。
  6. 歯に固定されるように適合され、かつ近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、咬合側部分、歯肉側部分、概して、前記咬合側部分から前記歯肉側部分へと延びる咬合−歯肉スロット、および概して、前記近心端から前記遠心端へと延びるアーチワイヤスロットを含むブラケット本体であって、前記アーチワイヤスロットが、底面、および前記底面から唇方向にそれぞれが延びる対向する側壁、ならびにアーチワイヤを受け入れるために前記底面とは反対の前記唇側部分にある開口部を含む、ブラケット本体と、
    開放位置と閉じた位置の間を移動可能なクリップであって、前記アーチワイヤを前記アーチワイヤスロット内に保持するために前記閉じた位置で前記ブラケット本体に結合されており、かつ側方セクションにより接続された舌側脚部および唇側脚部を含み、さらに概して、U形状の横断面を有しており、前記舌側脚部が、咬合−歯肉スロットと摺動可能に協働するように構成され、また前記唇側脚部が、近心の突出部および遠心の突出部、ならびに前記突出部の間に窪んだ領域を含むアーチワイヤ制御構造を備える舌側部分を有する、クリップと、を備え、
    前記アーチワイヤ制御構造が、前記クリップが前記閉じた位置にあるとき、前記アーチワイヤスロットの上に覆い被さり、また前記近心の突出部および前記遠心の突出部の少なくとも一方が、前記クリップが前記閉じた位置にあるとき、前記アーチワイヤに接触するように適合されることを特徴とする歯科矯正ブラケット。
  7. 前記ブラケット本体が唇側停止部をさらに備え、前記唇側脚部が、前記アーチワイヤの唇側の移動を制限するための前記唇側停止部と協動するように構成された延長部を含むことを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  8. 前記窪んだ領域が、近心側の壁、遠心側の壁、およびその間の窪んだ面により画定され、前記窪んだ面は、前記クリップが閉じた位置にあるとき、前記アーチワイヤが前記窪んだ面に接触することなく、前記近心の突出部および前記遠心の突出部の一方または両方と接触するように構成されることを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  9. 前記近心の突出部および前記遠心の突出部、ならびに前記面により画定される曲率半径は、前記アーチワイヤが、前記近心の突出部および前記遠心の突出部の一方または両方と接触するとき、前記アーチワイヤにより画定される曲率半径未満であることを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  10. 前記クリップが、平坦なばね性の金属から製作される、請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  11. 前記クリップが、コバルト−クロム合金、ニッケル−チタン合金、または形状記憶合金を含むことを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  12. 前記近心の突出部が、前記アーチワイヤスロットの前記近心端に近接しており、また前記遠心の突出部が、前記アーチワイヤスロットの前記遠心端に近接していることを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  13. 前記クリップの前記唇側脚部が、近心先端を有する近心のウィング、および遠心先端を有する遠心のウィングをさらに備え、前記近心のウィングおよび前記遠心のウィングが、前記アーチワイヤ制御構造が前記アーチワイヤスロット上に覆い被さるとき、それぞれ、前記アーチワイヤスロットの近心方向および遠心方向に延びるように構成され、前記近心先端が前記近心の突出部を含み、かつ前記遠心端が前記遠心の突出部を含み、さらに前記窪んだ領域が湾曲しかつ前記近心先端から遠心先端へと画定されることを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  14. 前記クリップの前記窪んだ領域が、前記近心の突出部を含む近心部分と、前記遠心の突出部を含む遠心部分とを画定する切抜きを備え、前記切抜きが、前記アーチワイヤスロットの咬合−歯肉寸法と少なくとも同程度の大きさの咬合−歯肉深さを有することを特徴とする請求項6に記載の歯科矯正ブラケット。
  15. 前記ブラケット本体が、前記アーチワイヤスロットの前記対向する側壁の一方に凹部をさらに備え、前記クリップが、前記近心部分の端部に近心の延長部と、前記遠心部分の端部に遠心の延長部とをさらに備え、前記近心の延長部および前記遠心の延長部が、前記唇方向に前記クリップの前記唇側脚部が移動するのを制限するように、前記アーチワイヤスロットの前記対向する側壁中の凹部に係合するように適合されることを特徴とする請求14に記載の歯科矯正ブラケット。
  16. 前記クリップが、平坦なばね性の金属を含むことを特徴とする請求項14に記載の歯科矯正ブラケット。
  17. 前記クリップが、コバルト−クロム合金、ニッケル−チタン合金、または形状記憶合金から製作されることを特徴とする請求項14に記載の歯科矯正ブラケット。
  18. 歯に固定されるように適合され、かつ近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、咬合側部分、歯肉側部分、タイウィング、および概して、前記近心端から前記遠心端へと延びるアーチワイヤスロットを含む歯科矯正ブラケットであり、前記アーチワイヤスロットが、底面、歯肉側の壁、および咬合側の壁を含み、前記歯肉側の壁および前記咬合側の壁が、前記底面から唇方向に延びており、前記アーチワイヤスロットが、アーチワイヤを受け入れるために前記底面とは反対の前記唇側部分にある開口部をさらに含む、歯科矯正ブラケットと共に使用するための歯科矯正部材であって、
    前記歯科矯正部材が前記ブラケットに結合されたとき、前記ブラケットの少なくとも一部を覆うように構成された主体であり、唇側面、および舌側面を有し、かつその前記舌側面にアーチワイヤ制御構造を含み、前記アーチワイヤ制御構造が、窪んだ領域により分離された近心の突出部および遠心の突出部を含む、主体と、
    前記主体から延びており、かつ前記歯科矯正部材を前記ブラケットに取外し可能に結合させるために前記タイウィングに係合するように構成された係合部材と、を備え、
    前記アーチワイヤが、前記アーチワイヤスロット内に配置され、また前記歯科矯正部材が前記ブラケットに結合されたとき、前記近心の突出部および前記遠心の突出部が、前記アーチワイヤスロットの上に覆い被さり、かつ前記アーチワイヤと接触するように構成されることを特徴とする歯科矯正部材。
  19. 前記窪んだ領域が、歯肉側の壁および咬合側の壁により画定され、前記窪んだ領域の前記歯肉側の壁が、前記アーチワイヤスロットの歯肉側の壁の歯肉側に位置し、また前記窪んだ領域の前記咬合側の壁が、前記アーチワイヤスロットの前記咬合側の壁の咬合側に位置することを特徴とする請求項18に記載の歯科矯正部材。
  20. 転位歯を矯正する方法であって、
    患者の歯に複数の歯科矯正ブラケットを適用するステップであり、各ブラケットが、
    近心端、遠心端、舌側部分、唇側部分、および概して、前記近心端から前記遠心端へと延びるアーチワイヤスロットを含むブラケット本体であり、前記アーチワイヤスロットが、底面、咬合側の壁、および歯肉側の壁を含み、前記咬合側の壁および前記歯肉側の壁が、前記底面から唇方向に延びており、前記アーチワイヤスロットが、アーチワイヤを受け入れるために前記底面とは反対の前記唇側部分にある開口部をさらに含む、ブラケット本体と、
    前記アーチワイヤスロット内に前記アーチワイヤを保持するために、前記ブラケット本体と結合され、かつ近心−遠心方向に離間された第1の突出部および第2の突出部を含むアーチワイヤ制御構造を備えた舌側部分を含む結紮部材であり、前記突出部が前記アーチワイヤスロットの方向に延びる、結紮部材とを備え、
    前記第1の突出部が前記アーチワイヤスロットの前記近心端の近くにあり、また前記第2の突出部が、前記アーチワイヤスロットの前記遠心端の近くにある状態で、前記第1の突出部および前記第2の突出部が、前記アーチワイヤスロットの上に覆い被さり、また前記結紮部材が前記ブラケット本体に結合されたとき、前記第1の突出部および前記第2の突出部の少なくとも一方が、前記アーチワイヤに接触するように適合される、ステップと、
    アーチワイヤが、前記第1の突出部または前記第2の突出部の少なくとも一方と接触するが、前記結紮部材の他の部分と接触しないようにして、前記アーチワイヤを前記歯科矯正ブラケットの前記各アーチワイヤスロット内に保持するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  21. 各結紮部材の前記第1の突出部および前記第2の突出部が、各面を画定し、また前記各面がそれぞれ、前記関連するブラケット内に保持された前記アーチワイヤの一部の曲率半径未満の曲率半径を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
JP2011546416A 2009-01-16 2010-01-18 転位歯を矯正する歯科矯正ブラケットおよび方法 Pending JP2012515067A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14534509P 2009-01-16 2009-01-16
US61/145,345 2009-01-16
PCT/US2010/021327 WO2010083491A1 (en) 2009-01-16 2010-01-18 Orthodontic bracket and method of correcting malpositioned teeth

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012515067A true JP2012515067A (ja) 2012-07-05
JP2012515067A5 JP2012515067A5 (ja) 2013-03-07

Family

ID=42340117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011546416A Pending JP2012515067A (ja) 2009-01-16 2010-01-18 転位歯を矯正する歯科矯正ブラケットおよび方法

Country Status (5)

Country Link
US (4) US9004916B2 (ja)
EP (1) EP2387370A4 (ja)
JP (1) JP2012515067A (ja)
CN (2) CN104644277A (ja)
WO (1) WO2010083491A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015063897A1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 俊明 広 舌側矯正用ブラケット

Families Citing this family (40)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7267545B2 (en) 2005-01-11 2007-09-11 Ormco Corporation Self-ligating orthodontic bracket
WO2008031060A2 (en) 2006-09-07 2008-03-13 Rmo, Inc. Reduced-friction buccal tube and method of use
US8979528B2 (en) 2006-09-07 2015-03-17 Rmo, Inc. Customized orthodontic appliance method and system
US9554875B2 (en) 2006-09-07 2017-01-31 Rmo, Inc. Method for producing a customized orthodontic appliance
CN104644277A (zh) * 2009-01-16 2015-05-27 奥姆科公司 正畸托槽以及矫正错位牙齿的方法
US11219507B2 (en) 2009-03-16 2022-01-11 Orthoamerica Holdings, Llc Customized orthodontic appliance and method
WO2010107567A1 (en) 2009-03-16 2010-09-23 Rmo, Inc. Orthodontic bracket having an archwire channel and archwire retaining mechanism
US9345558B2 (en) 2010-09-03 2016-05-24 Ormco Corporation Self-ligating orthodontic bracket and method of making same
EP2648644B2 (en) 2010-12-08 2023-07-12 Strite Industries Ltd. Orthodontic gripping device
FR2969482B1 (fr) 2010-12-28 2013-11-29 H 32 Ensemble forme par une attache, un clip et une base pour appareil orthodontique, et appareil orthodontique le comportant
FR2969483B1 (fr) 2010-12-28 2015-07-31 H 32 Ensemble forme par une attache auto-ligaturante et un clip elastique, ensemble forme par cette attache, ce clip et une base, et appareil orthodontique le comportant.
FR2969481B1 (fr) 2010-12-28 2013-11-29 H 32 Ensemble attache-clip-base avec base pour appareillage orthodontique et appareil orthodontique le comportant.
EP2706949B1 (en) 2011-05-12 2019-11-13 Rmo, Inc. Orthodontic appliance with encoded information formed in the base
USD847349S1 (en) 2011-09-22 2019-04-30 Rmo, Inc. Orthodontic lock with flange
JP2013252245A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Toshiaki Ko 舌側矯正用ブラケット
CN102715958B (zh) * 2012-06-18 2015-02-11 北京圣玛特科技有限公司 一种带有可旋转立体式弹性金属锁盖的自锁托槽
CN103584923A (zh) * 2012-08-15 2014-02-19 陈勇 一种口腔正畸用自锁托槽
USD726318S1 (en) 2013-01-17 2015-04-07 Rmo, Inc. Dental instrument for a self-ligating orthodontic clip
US9468505B2 (en) 2013-03-15 2016-10-18 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
USD721811S1 (en) 2013-10-29 2015-01-27 Rmo, Inc. Orthodontic bracket
EP3164096B1 (en) * 2014-07-02 2019-11-06 3M Innovative Properties Company Molar appliance for an orthodontic brace
US10111731B2 (en) 2014-11-18 2018-10-30 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
US10080628B2 (en) 2015-06-08 2018-09-25 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
US20160367340A1 (en) * 2015-06-19 2016-12-22 Ormco Corporation Orthodontic bracket and method of correcting malpositioned teeth
US10182885B2 (en) 2015-10-29 2019-01-22 Mem Dental Technology Co., Ltd Self-ligating bracket
US10085824B2 (en) 2015-10-30 2018-10-02 Ortho Organizers, Inc. Self ligating orthodontic bracket
USD797294S1 (en) 2015-11-12 2017-09-12 American Orthodontics Corporation Self-ligating bracket
US9770310B2 (en) * 2016-02-25 2017-09-26 Pbd, Patent & Business Development Ag Orthodontic self-ligating bracket
US11612457B2 (en) 2017-03-22 2023-03-28 World Class Technology Corporation Adjustable hook for orthodontic brackets
US20180271623A1 (en) 2017-03-22 2018-09-27 World Class Technology Corporation Self-ligating bracket having a ligating member
AU2018240124C1 (en) 2017-03-22 2023-08-17 World Class Technology Corporation Adjustable hook for orthodontic brackets
USD926993S1 (en) 2017-11-21 2021-08-03 World Class Technology Corporation Ligating member for an orthodontic bracket
USD958373S1 (en) 2017-03-22 2022-07-19 World Class Technology Corporation Ligating member for an orthodontic bracket
CN107019569A (zh) * 2017-05-19 2017-08-08 吉利 自锁托槽及其开启方法
DE102017211867A1 (de) * 2017-07-11 2019-01-17 Dw Lingual Systems Gmbh Anordnung mit einem Bracket und einem Clip
KR102137000B1 (ko) * 2019-04-22 2020-07-24 주식회사 메디센 치과 교정용 브라켓
US11147653B2 (en) * 2020-02-11 2021-10-19 Tp Orthodontics Inc. Orthodontic bracket having a movable ligating door
US11259899B2 (en) 2020-07-03 2022-03-01 Aadvance Technologies, Llc Orthodontic device
DE102020214586A1 (de) * 2020-11-19 2022-05-19 Dirk Wiechmann Clip für ein kieferorthopädisches Bracket
US11801122B1 (en) 2023-03-02 2023-10-31 Oxilio Ltd System and a method for determining a tooth T-marking

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192272A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Ormco Corp 自己結紮歯科矯正ブラケット

Family Cites Families (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2549528A (en) * 1949-08-12 1951-04-17 Baker & Co Inc Orthodontic device
GB687226A (en) * 1951-02-23 1953-02-11 Baker And Company Inc Orthodontic locking device
US4197642A (en) 1977-09-29 1980-04-15 Melvin Wallshein Bent wire orthodontic spring clip
US4322206A (en) * 1978-08-03 1982-03-30 Zulauf Inc. Orthodontic appliance
DE2946834A1 (de) 1978-11-20 1980-05-29 Peter C Kesling Orthodontische einrichtung zur uebertragung von zur zahnbewegung dienenden kraeften von einem bogendraht auf einen zahn
US4248588A (en) 1979-04-27 1981-02-03 Hanson Gustaf H Orthodontic bracket and arch wire
US4492573A (en) 1984-03-27 1985-01-08 Augusta Developments Inc. Orthodontic bracket
US4712999A (en) * 1986-09-10 1987-12-15 Farel Rosenberg Convertible, self-ligating, archwire positioning orthodontic bracket
US5161969A (en) * 1986-09-29 1992-11-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Orthodontic bracket
US5224858A (en) 1992-01-28 1993-07-06 Hamilton Ortho Inc. Orthodontic brackets and arch wires for use in combination therewith
US5322435A (en) * 1992-07-23 1994-06-21 Pletcher Erwin Carroll Orthodontic bracket
JPH0687861B2 (ja) * 1992-08-28 1994-11-09 福原 達郎 歯科矯正用ブラケットおよびその結紮シート
US5630715A (en) 1993-01-21 1997-05-20 Voudouris; John C. Orthodontic bracket with an engagement mechanism for retaining an archwire
US5908293A (en) 1994-03-07 1999-06-01 Voudouris; John C. Orthodontic bracket
US6257883B1 (en) 1994-03-07 2001-07-10 John C. Voudouris Orthodontic bracket
US5586882A (en) * 1994-07-12 1996-12-24 Hanson; G. Herbert Self-ligating orthodontic brackets
WO1997042906A1 (en) 1996-05-10 1997-11-20 'a' Company Orthodontics Alignable, self-ligating orthodontic brackets
US6168428B1 (en) * 1997-11-12 2001-01-02 John C. Voudouris Orthodontic bracket
US6071118A (en) 1998-02-17 2000-06-06 Damon Family Limited Partnership Self-ligating orthodontic bracket
US6193508B1 (en) 1999-03-25 2001-02-27 3M Innovative Properties Company Self-ligating orthodontic bracket with enhanced rotation control
JP4444410B2 (ja) * 1999-10-08 2010-03-31 トミー株式会社 歯列矯正ブラケットおよび歯列矯正ブラケット用ツール
DE10011596B4 (de) 2000-03-10 2007-12-27 Norbert Dr. Abels Orthodontisches Bracket
JP4659991B2 (ja) * 2001-02-28 2011-03-30 トミー株式会社 歯列矯正ブラケット
JP4411573B2 (ja) 2001-08-24 2010-02-10 トミー株式会社 歯列矯正ブラケット
US6932597B2 (en) 2001-09-12 2005-08-23 Norbert Abels Self-ligating orthodontic brackets including a metal ligation cover hingedly connected to a bracket base
US7419375B2 (en) * 2002-08-19 2008-09-02 Ormco Corporation Aesthetic self-ligating orthodontic bracket
US7621743B2 (en) * 2002-11-26 2009-11-24 Orthodontic Research And Development, S.L. Orthodontic bracket
US7993132B2 (en) 2002-12-09 2011-08-09 Tomy Incorporated Orthodontic bracket and clip release tool
JP4233949B2 (ja) * 2002-12-09 2009-03-04 トミー株式会社 歯列矯正ブラケットおよびグリップ開放ツール
EP1452148B1 (de) 2003-02-27 2009-04-15 Heiser, Wolfgang, Dr. med. Bracket
US6960080B2 (en) 2003-03-04 2005-11-01 Norbert Abels Orthodontic brackets with elongate film hinge
JP4110030B2 (ja) 2003-04-18 2008-07-02 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 液状食品の膜生成抑制方法
EP1468657A3 (en) * 2003-04-18 2005-12-21 Dentsply-Sankin K.K. Orthodontic bracket and manufacturing method thereof
US20050019718A1 (en) 2003-07-22 2005-01-27 Hanson G. Herbert Orthodontic devices for use with arch wires
US7234935B2 (en) 2004-04-29 2007-06-26 Norbert Abels Orthodontic bracket system comprising multiple brackets having multiple aligned slots
US7033170B2 (en) 2004-05-11 2006-04-25 Mark Andrew Cordato Orthodontic bracket and clip
CN1283214C (zh) * 2004-07-30 2006-11-08 哈尔滨工业大学 弓丝自锁紧托槽
DE102004056167A1 (de) 2004-11-18 2006-06-01 Bernhard Förster Gmbh Selbstligierendes Bracket für die Orthodontie
US7335020B2 (en) * 2005-04-08 2008-02-26 Lancer Orthodontics Low profile self-ligating bracket assembly and method of use
US20060228662A1 (en) 2005-04-08 2006-10-12 Lokar Robert R Low profile self-ligating bracket assembly and method of use
US7704072B2 (en) * 2006-04-19 2010-04-27 Ormco Corporation Orthodontic bracket
US20090155734A1 (en) * 2006-04-19 2009-06-18 Damon Dwight H Orthodontic bracket
DE102006053215B4 (de) * 2006-11-11 2009-10-22 Bernhard Förster Gmbh Selbstligierendes Bracket für die Orthodontie
DE202008018544U1 (de) * 2007-06-28 2015-11-10 Ormco Corporation Selbstligierende orthodontische Klammer und Vorrichtung zur ihrer Abgabe
EP2008611A1 (en) 2007-06-28 2008-12-31 Ormco Corporation Orthodontic hand tools for use with a self-ligating orthodontic bracket, methods for using such orthodontic hand tools, self-ligating orthodontic brackets, and orthodontic bracket systems
US7963767B2 (en) * 2007-07-23 2011-06-21 Ultradent Products, Inc. Self-ligating orthodontic bracket with sliding ligation cover
US20090061376A1 (en) 2007-08-30 2009-03-05 Wool Arthur L Self-Locking Orthodontic Bracket
US8585398B2 (en) * 2008-08-13 2013-11-19 Ormco Corporation Aesthetic orthodontic bracket and method of making same
CN104644277A (zh) * 2009-01-16 2015-05-27 奥姆科公司 正畸托槽以及矫正错位牙齿的方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192272A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Ormco Corp 自己結紮歯科矯正ブラケット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015063897A1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 俊明 広 舌側矯正用ブラケット

Also Published As

Publication number Publication date
US9492247B2 (en) 2016-11-15
EP2387370A1 (en) 2011-11-23
US20150209121A1 (en) 2015-07-30
US9004916B2 (en) 2015-04-14
CN102348427B (zh) 2014-11-26
CN102348427A (zh) 2012-02-08
EP2387370A4 (en) 2015-08-26
WO2010083491A1 (en) 2010-07-22
US20170027666A1 (en) 2017-02-02
US20180042700A1 (en) 2018-02-15
CN104644277A (zh) 2015-05-27
US20100261131A1 (en) 2010-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012515067A (ja) 転位歯を矯正する歯科矯正ブラケットおよび方法
JP6681706B2 (ja) 付勢型回動スライド式歯列矯正ブラケット
JP5926018B2 (ja) 自己結さつ歯列矯正ブラケット
US8033824B2 (en) Self-ligating orthodontic bracket and devices for deploying same
JP7153571B2 (ja) 自己結紮式歯科矯正用ブラケット
US5474445A (en) Self-engaging twin edge-wise orthodontic bracket with pivotal latch
EP2269537B1 (en) Orthodontic bracket having a lingually biased closure member
EP2874560B1 (en) Self-ligating orthodontic bracket
US20100203463A1 (en) Self-ligating orthodontic bracket
US10123854B2 (en) Self-ligating orthodontic bracket with positive rotation lock
WO2010083382A1 (en) Self-ligating orthodontic bracket and devices for deploying same
EP2672923B1 (en) Orthodontic bracket
US20160367340A1 (en) Orthodontic bracket and method of correcting malpositioned teeth
US20070082315A1 (en) Self-ligating bracket comprising lateral runners
US20150173859A1 (en) Orthodontic appliance with ligating feature
JP7326300B2 (ja) 高い唇側引張強度を有するセラミック自己結紮式ブラケット
US20240090980A1 (en) Non-sliding orthodontic archforms

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131203

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140303

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140310

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151109