JP2012513480A - Jak経路の阻害のための組成物および方法 - Google Patents

Jak経路の阻害のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iを有する化合物、ならびにJAK経路の調節またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療上有用である病態の治療において、これらの化合物を使用する組成物および方法を包含する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2008年12月23日出願の米国仮出願第61/140,604号、および2009年12月22日出願の米国実用出願第12/645,349号の利益を請求するものである。
I.導入
A.分野
本発明は、化合物、プロドラッグ、ならびにJAK経路の調節またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療上有用である病態の治療において、これらの化合物およびそのプロドラッグを使用する方法に関する。
B.背景
プロテインキナーゼは、細胞内で多種多様のシグナル伝達過程の制御に関与する、酵素に構造的に関連する大きなファミリーを構成する(例えば、Hardie and Hanks,The Protein Kinase Facts Book,I and II,Academic Press,San Diego,CA,1995を参照)。プロテインキナーゼは、それらの構造および触媒機能の保存のため、共通の先祖遺伝子から生まれたと考えられる。キナーゼの大半は、類似の250〜300個のアミノ酸触媒ドメインを含有する。キナーゼは、それらがリン酸化する基質(例えば、タンパク質チロシン、タンパク質セリン/トレオニン、脂質等)によってファミリーに分類されることができる。これらのファミリーの各々に通常対応する配列モチーフは同定されている(例えば、Hanks&Hunter,(1995),FASEB J.9:576−596、Knighton et al,(1991),Science 253:407−414、Hiles et al,(1992),Cell 70:419−429、Kunz et al,(1993),Cell 73:585−596、Garcia−Bustos et al,(1994),EMBO J.13:2352−2361を参照)。
JAKキナーゼ(J Anus Kinases)は、JAKl、JAK2、JAK3、およびTYK2を含む細胞質タンパク質チロシンキナーゼのファミリーである。複数のJAKキナーゼは、特定のサイトカインまたはシグナル経路によって影響を及ぼされ得るが、JAKキナーゼの各々は、あるサイトカインの受容体に選択性がある。研究は、JAK3が様々なサイトカイン受容体の共通のガンマ(γc)鎖に付随すると示唆する。特にJAK3は、受容体に選択的に結合し、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、およびIL−21のサイトカインシグナル経路の一部である。JAKlは、特にサイトカインIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、およびIL−21の受容体と相互作用し、一方、JAK2は、特にIL−9およびTNF−αの受容体と相互作用する。それらの受容体(例えば、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、およびIL−21)にあるサイトカインが結合すると、受容体のオリゴマー化が生じ、近接に持ち込まれ、JAKキナーゼ上でチロシン残基のトランスリン酸化を促進する関連JAKキナーゼの細胞質尾をもたらす。このトランスリン酸化は、JAKキナーゼの活性化をもたらす。
リン酸化JAKキナーゼは、様々なSTAT(シグナル伝達物質および転写活性化剤)タンパク質に結合する。チロシン残基のリン酸化によって活性化されるタンパク質に結合するDNAであるSTATタンパク質は、シグナル分子および転写因子として機能し、サイトカイン応答性遺伝子のプロモーターに存在する特定のDNA配列に最終的に結合する(Leonard et al.,(2000),J.Allergy Clin.Immunol.105:877−888)。JAK/STATシグナルは、アレルギー、喘息、移植片(同種移植片)等の拒絶自己免疫疾患、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、および多発性硬化症、ならびに白血病等の固形および血液悪性腫瘍ならびにリンパ腫等の多くの異常免疫応答の媒介に関与している。JAK/STAT経路の薬剤介入の総説として、Frank,(1999),Mol Med.5:432:456およびSeidel et al,(2000),Oncogene 19:2645−2656を参照されたい。
特にJAK3は、多種多様の生物学的過程に関与している。例えば、IL−4およびIL−9によって誘発されるマウスマスト細胞の増殖および生存は、JAK3およびガンマ鎖シグナルに依存性であると示されている(Suzuki et al.,(2000),Blood96:2172−2180)。JAK3はまた、IgE受容体媒介性マスト細胞脱顆粒反応において重要な役割を果たしており(Malaviya et al.,(1999),Biochem.Biophys.Res.Commun.257:807−813)、JAK3キナーゼの阻害は、アナフィラキシーを含むI型過敏症反応を阻止すると示されている(Malaviya et al.,(1999),J.Biol.Chem.274:27028−27038)。JAK3の阻害はまた、同種移植片拒絶のための免疫抑制をもたらすと示されている(Kirken,(2001),Transpl.Proc.33:3268−3270)。JAK3キナーゼはまた、早期および後期関節リウマチ(Muller−Ladner et al,(2000),J.Immunol.164:3894−3901)、家族性筋萎縮性側索硬化症(Trieu et al.,(2000),Biochem Biophys.Res.Commun.267:22−25)、白血病(Sudbeck et al.,(1999),Clin.Cancer Res.5:1569−1582)、菌状息肉腫、ある形態のT細胞リンパ腫(Nielsen et al,(1997),Prac.Natl.Acad.Sci.USA 94:6764−6769)、および異常細胞増殖(Yu et al,(1997),J.Immunol.159:5206−5210、Catlett−Falcone et al,(1999),Immunity 10:105−115)に関与する機構に関係している。
JAK3を含むJAKキナーゼは、小児癌のうちで最も一般的な病型である、急性リンパ芽球性白血病を有する小児の初代白血病細胞で多量に発現し、研究は、アポトーシスを制御するシグナルを伴う細胞におけるSTAT活性化に相関している(Demoulin et al,(1996),Mol Cell.Biol.16:4710−6、Jurlander et al,(1997),Blood.89:4146−52、Kaneko et al,(1997),Clin.Exp.Immun.109:185−193、およびNakamura et al.,(1996),J.Biol.Chem.271:19483−8)。それらはまた、リンパ球分化、機能、および生存に重要であると知られている。特にJAK−3は、リンパ球、マクロファージ、およびマスト細胞の機能において重要な役割を果たす。このJAKキナーゼの重要性を考慮すれば、JAK3に選択性があるそれらを含むJAK経路を調整する化合物は、リンパ球、マクロファージ、またはマスト細胞の機能に関与する疾病または病態を治療するのに有用であり得る(Kudlacz et al,(2004)Am.J.Transplant 4:51−57、Changelian(2003)Science 302:875−878)。JAK経路の標的化またはJAKキナーゼ、特にJAK3の調節が治療的に有用であると企図される病態は、白血病、リンパ腫、移植片拒絶(例えば、膵島移植片拒絶)、骨髄移植適用(例えば、移植片対宿主病)、自己免疫疾患(例えば、糖尿病)、および炎症(例えば、喘息、アレルギー反応)を含む。JAK3の阻害に有益となり得る病態は、以下でより詳細に考察される。
JAK経路の調節に関与する治療によって利益を得るために企図される多数の病態を考慮すると、JAK経路を調節する新規化合物およびこれらの化合物を使用する方法は、多種多様の患者に多大な治療的有用性を提供するべきことが、即座に明白である。JAK経路の標的化またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療的に有用である病態の治療における使用のための新規2,4−ピリミジンジアミン化合物が、本明細書に提供される。
II.概要
本発明は、化合物、プロドラッグ、薬学的組成物、およびJAK経路の調節またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療的に有用である病態の治療において、それらを使用する方法を対象とする。
1つの実施形態では、本発明は、式Iの化合物を提供し、
Figure 2012513480
式中、
pは、0、1、2、または3であり、
qは、0、1、2、または3であり、
Xは、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
Yは、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、−C(O)N(R)R、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、もしくはMであり、対イオンであるMは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、Rに直接隣接する窒素は、陰イオン性であるか、または
およびRは、それらに結合する1個もしくは複数の介在原子とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、およびアシルであり、
は、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、Rを担持する窒素とYを担持する環とを連結し、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
およびRは、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成していてもよく、
およびRのうちの少なくとも1つは、水素ではなく、
、R、およびRの各々は、Mであってもよく、対イオンであるMは、K、Na、Li、もしくは+N(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、Mを担持する窒素は、陰イオン性である。
ある実装例では、本発明は、式IIの化合物を提供し、
Figure 2012513480
式中、
10は、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、または置換シクロアルキレンであり、残存変数は、RおよびRは同時に水素である化合物が含まれることを除いては式Iとして定義される通りである。
さらに本発明の他の実装例は、式IIIの化合物を提供し、
Figure 2012513480
式中、
Xは、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、または置換シクロアルキニルであり、残存変数は、式Iの化合物に定義される通りである。
本発明の別の実装例は、式IVの化合物を提供し、
Figure 2012513480
式中、
Xは、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、または置換シクロアルキニルであり、残存変数は、式Iの化合物に定義される通りである。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、JAKキナーゼを、JAKキナーゼの活性を阻害するのに有効な量の化合物と接触させることを含む、JAKキナーゼの活性を阻害する方法である。1つの実施形態では、接触はインビトロで行われ、別の実施形態では、接触はインビボで行われる。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、自己免疫疾患を治療するのに有効な量の化合物を、そのような自己免疫疾患に罹患している患者に投与することを含む、T細胞媒介性自己免疫疾患を治療する方法である。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、同種移植片拒絶を治療または阻止するのに有効な量の化合物を、移植レシピエントに投与することを含む、移植レシピエントにおける同種移植片拒絶を治療または阻止する方法である。本文脈における投与には、移植前および/または移植レシピエントへの投与と同時に、移植臓器を、本明細書に記載の化合物または薬学的組成物と接触させることが含まれる。
さらに別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、過敏症反応を治療または阻止するのに有効な量の化合物を、被験体に投与することを含む、IV型過敏症反応を治療または阻止する方法である。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、眼球の疾病または疾患を治療または阻止するのに有効な量の化合物を、被験体に投与することを含む、眼球の疾病または疾患を治療または阻止する方法である。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、そのようなシグナルカスケードに関与する受容体を発現する細胞を、化合物に接触させることを含む、JAK3キナーゼがその中で役割を果たすシグナル伝達カスケードを阻害する方法である。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物であり、JAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止するのに有効な量の化合物を、被験体に投与することを含む、JAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止する方法である。
別の実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物を含む薬学的製剤である。2,4−ピリミジンジアミン化合物および本明細書に記載の薬学的製剤を使用する治療を単独で適用することができ、または他の一般的な免疫抑制剤との併用で、もしくは付属的に適用することができる。
他の実施形態には、JAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止するために使用される他の薬剤をスクリーニングするための化合物を使用する方法が含まれる。
これらおよび他の実施形態のより詳細な記述は、以下に提供される。
III.詳細な説明
A.概要
本発明は、式Iを有する化合物および組成物、ならびにJAK経路の調節またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療上有用である病態の治療において、これらの化合物を使用する方法を包含する。
B.定義
本明細書で使用される通り、以下の定義は別途注記されない限り、適用されるものとする。
「アルキル」は、1から10個の炭素原子、好ましくは1から6個の炭素原子を有する一価飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。本用語には、一例として、メチル(CH−)、エチル(CHCH−)、n−プロピル(CHCHCH−)、イソプロピル((CHCH−)、n−ブチル(CHCHCHCH−)、イソブチル((CHCHCH−)、sec−ブチル((CH)(CHCH)CH−)、t−ブチル((CHC−)、n−ペンチル(CHCHCHCHCH−)、およびネオペンチル((CHCCH−)等の線状および分岐ヒドロカルビル基が含まれる。
「アルキレン」は、直鎖または分岐のいずれか一方である、好ましくは1から6個、およびより好ましくは1から3個の炭素原子を有する、二価飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。本用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、n−プロピレン(−CHCHCH−)、イソプロピレン(−CHCH(CH)−)、または(−CH(CH)CH−)等の基によって例証される。
「置換アルキレン」は、以下の「置換される」の定義において、1から3個の水素を炭素について説明される置換基と置換したアルキレン基を指す。
「アルコキシ」は−O−アルキル基を指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。アルコキシには、一例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ等が含まれる。
「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロシクリル−C(O)−、および置換ヘテロシクリル−C(O)−の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。アシルには、「アセチル」CHC(O)−基が含まれる。
「アシルアミノ」は、−NR20C(O)アルキル、−NR20C(O)置換アルキル、N R20C(O)シクロアルキル、−NR20C(O)置換シクロアルキル、−NR20C(O)シクロアルケニル、−NR20C(O)置換シクロアルケニル、−NR20C(O)アルケニル、−NR20C(O)置換アルケニル、−NR20C(O)アルキニル、−NR20C(O)置換アルキニル、−NR20C(O)アリール、−NR20C(O)置換アリール、−NR20C(O)ヘテロアリール、−NR20C(O)置換ヘテロアリール、−NR20C(O)ヘテロシクリル、および−NR20C(O)置換ヘテロシクリルの基を指し、R20は水素またはアルキルであり、ならびにアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アシルオキシ」は、アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、シクロアルケニル−C(O)O−、置換シクロアルケニル−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、ヘテロシクリル−C(O)O−、および置換ヘテロシクリル−C(O)O−の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノ」は、−NH基を指す。
「アミノカルボニル」は、−C(O)NR2122基を指し、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノチオカルボニル」は、−C(S)NR2122基を指し、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノカルボニルアミノ」は、−NR20C(O)NR2122基を指し、R20は水素またはアルキルであり、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノチオカルボニルアミノ」は、−NR20C(S)NR2122基を指し、R20は、水素またはアルキルであり、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノカルボニルオキシ」は、−O−C(O)NR2122基を指し、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノスルホニル」は、−SONR2122基を指し、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノスルホニルオキシ」は、−O−SONR2122基を指し、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミノスルホニルアミノ」は、−NR20−SONR2122基を指し、R20は、水素またはアルキルであり、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「スルホニルアミノ」は、−NR21SO22基を指し、R21およびR22は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R21およびR22は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する原子とともに連結されていてもよく、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「アミジノ」は、−C(=NR30)NR3132基を指し、R31およびR32は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、R31およびR32は、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよい。R30は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、置換シクロアルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、−N=N−N−アルキル、−N=N−N−置換アルキル、−N(アルキル)SO−アルキル、−N(アルキル)SO−置換アルキル、−N=N=N−アルキル、−N=N=N−置換アルキル、アシル、−SO−アルキル、および−SO−置換アルキルから成る基から選択され、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、置換シクロアルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびシアノは、本明細書で定義される通りである。R30に加えて、R31およびR32の1つは、環状アミジンを形成するために、それらに結合する窒素およびグアニジン基の介在炭素とともに連結されていてもよい。
「アリール」または「Ar」は、縮合環が、接着点が芳香族アリール基の原子を介するという条件で、芳香族(例えば、2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−7−イル等)であってもよい、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する、6から14個の炭素原子の一価芳香族カルボサイクリック基を指す。好ましいアリール基は、フェニルおよびナフチルを含む。
「アリールオキシ」は、−O−アリール基を指し、アリールは本明細書で定義される通りであり、一例として、フェノキシ、ナフトキシ等を含む。
「アリールチオ」は、−S−アリール基を指し、アリールは本明細書で定義される通りである。他の実施形態では、硫黄は、−S(O)−または−SO−部分に酸化され得る。ペンダント置換次第で、スルホキシドは、分子にキラリティーを付与し得る。
「アルケニル」は、2から6個の炭素原子、および好ましくは2から4個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、および好ましくは1から2つの二重結合不飽和部位を有する、直鎖または分岐ヒドロカルビル基を指す。そのような基、例えば、bi−ビニル、アリル、およびbut−3−en−1−イルは、例証される。シスおよびトランス異性体またはこれらの異性体の混合物が、本用語内に含まれる。
「アルキニル」は、2から6個の炭素原子、および好ましくは2から3個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、および好ましくは1から2つの三重結合不飽和部位を有する、直鎖または分岐一価ヒドロカルビル基を指す。そのようなアルキニル基の例には、アセチレニル(−C≡CH)およびプロパルギル(−CHC≡CH)が含まれる。
「アルキニルオキシ」は、−O−アルキニル基を指し、アルキニルは本明細書で定義される通りである。アルキニルオキシには、一例として、エチニルオキシ、プロピニルオキシ等が含まれる。
「カルボキシル」「カルボキシ」、または「カルボン酸塩」は、−COHまたはその塩を指す。
「カルボキシルエステル」または「カルボキシエステル」は、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−シクロアルケニル、−C(O)O−置換シクロアルケニル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、および−C(O)O−置換ヘテロシクリルの基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「(カルボキシルエステル)アミノ」は、−NR−C(O)O−アルキル、−NR−C(O)O−置換アルキル、−NR−C(O)O−アルケニル、−NR−C(O)O−置換アルケニル、−NR−C(O)O−アルキニル、−NR−C(O)O−置換アルキニル、−NR−C(O)O−アリール、−NR−C(O)O−置換アリール、−NR−C(O)O−シクロアルキル、−NR−C(O)O−置換シクロアルキル、−NR−C(O)O−シクロアルケニル、−NR−C(O)O−置換シクロアルケニル、−NR−C(O)O−ヘテロアリール、−NR−C(O)O−置換ヘテロアリール、−NR−C(O)O−ヘテロシクリル、および−NR−C(O)O−置換ヘテロシクリルの基を指し、Rは、アルキルまたは水素であり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「(カルボキシルエステル)オキシ」または「炭酸塩」は、−O−C(O)O−アルキル、−O−C(O)O−置換アルキル、−O−C(O)O−アルケニル、−O−C(O)O−置換アルケニル、−O−C(O)O−アルキニル、−O−C(O)O−置換アルキニル、−O−C(O)O−アリール、−O−C(O)O−置換アリール、−O−C(O)O−シクロアルキル、−O−C(O)O−置換シクロアルキル、−O−C(O)O−シクロアルケニル、−O−C(O)O−置換シクロアルケニル、−O−C(O)O−ヘテロアリール、−O−C(O)O−置換ヘテロアリール、−O−C(O)O−ヘテロシクリル、および−O−C(O)O−置換ヘテロシクリルの基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「シアノ」または「ニトリル」は、−CN基を指す。
「シクロアルキル」は、縮合、架橋、およびスピロ環システムを含む、単数または複数の環状環を有する、3から10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。適切なシクロアルキル基の例には、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等が含まれる。
「シクロアルケニル」は、単数または複数の環を有し、少なくとも1つの二重結合、および好ましくは1から2つの二重結合を有する、3から10個の炭素原子の非芳香族環状アルキル基を指す。
「シクロアルキニル」は、単数または複数の環を有し、少なくとも1つの三重結合を有する、5から10個の炭素原子の非芳香族シクロアルキル基を指す。
「シクロアルキレン」は、二価シクロアルキル基を指し、シクロアルキルは、本明細書で定義される通りである。
「シクロアルコキシ」は、−O−シクロアルキルを指す。
「シクロアルキルチオ」は、−S−シクロアルキルを指す。他の実施形態では、硫黄は、−S(O)−または−SO2−部分に酸化され得る。ペンダント置換次第で、スルホキシドは、分子にキラリティーを付与し得る。
「シクロアルケニルオキシ」は、−O−シクロアルケニルを指す。
「シクロアルケニルチオ」は、−S−シクロアルケニルを指す。他の実施形態では、硫黄は、スルフィニルまたはスルホニル部分に酸化され得る。ペンダント置換次第で、スルホキシドは、分子にキラリティーを付与し得る。
「グアニジノ」は、−NHC(=NH)NH基を指す。
「置換グアニジノ」は、−NR33C(=NR33)N(R33基を指し、各R33は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルから成る基から選択され、共通のグアニジノ窒素原子に付着される2つのR基は、少なくとも1つのRが水素ではないという条件で、ヘテロシクリル基または置換ヘテロシクリル基を形成するために、それらに結合する窒素とともに連結されていてもよく、その置換基は、本明細書で定義される通りである。別々の窒素上の2つのR33基は、環状グアニジンを形成するために、それらに結合する窒素およびグアニジン基の介在炭素とともに連結されていてもよい。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、臭素、およびヨウ素を指し、好ましくはフルオロまたはクロロである。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OH基を指す。
「ヘテロアリールオキシ」は、−O−ヘテロアリールを指す。
「ヘテロアリールチオ」は、−S−ヘテロアリール基を指す。他の実施形態では、硫黄は、−S(O)−または−SO−部分に酸化され得る。スルホキシドは、1つ以上のステレオ異性体として存在し得る。
広義での「ヘテロシクリル」には、芳香族および非芳香族環システムが含まれ、より具体的には、炭素原子から成り、1から5個のヘテロ原子からの、3から15員環の安定した環ラジカルを指す。本発明の目的として、ヘテロシクリルラジカルは、単環、二環、または三環システムであることができ、縮合または架橋環システム、ならびにスピロ環状システムを含むことができ、ヘテロシクリルラジカルの窒素、リン、炭素、または硫黄原子を、様々な酸化状態に任意で酸化することができる。具体例では、−S(O)0−2−基は、−S−(スルフィド)、−S(O)−(スルホキシド)、および−SO−(スルホン)連鎖を指す。便宜上、窒素、特に、但し限定的ではなく、環状芳香族窒素として定義されたそれらは、具体例でそのように明確に定義されていないが、それらの対応するN−オキシド形成を含むようになっている。ゆえに、例えば、ピリジル環を有する化合物にとって、対応するピリジル−N−オキシドは、本発明の別の化合物として含まれるようになっており、加えて、環状窒素原子を任意で四級化することができる。「ヘテロサイクル」には、ヘテロアリールおよびヘテロアリシクリルが含まれ、それは、部分的または全体的に飽和した、または芳香族であることができるヘテロシクリル環である。ゆえに、「ヘテロシクリルアルキル」等の用語には、ヘテロアリシクリルアルキルおよびヘテロアリールアルキルが含まれる。ヘテロシクリルラジカルの例には、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シンノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、ジアザビシクロヘプタン、ジアザパン、ジアゼピン、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエリイル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル、およびオキサジアゾリルが含まれるが、それらに限定されない。
「ヘテロアリール」は、環内で1から10個の環状炭素原子および1から4個の環状ヘテロ原子を有する芳香族基を指す。ヘテロアリール基は、少なくとも1つの芳香族環成分を有するが、ヘテロアリールは、完全に不飽和、または部分的に不飽和することができる。基のいずれかの芳香族環がヘテロ原子を有する場合、例えば、基の他の芳香族環がヘテロ原子を有さなくとも、基はヘテロアリールである。例えば、2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン−7−イル、インドリル、およびベンゾイミダゾリルは、「ヘテロアリール」である。ヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジニル、イミダゾリルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニル、キノリニル、ベンゾイミダゾリルまたはベンゾチエニル)を有することができ、縮合環は、親分子の接着点が、ヘテロアリール基の芳香族部分の原子を介するという条件で、芳香族であってもよく、および/またはヘテロ原子を含有してもよい。1つの実施形態では、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子は、N−オキシド(N→O)、スルフィニル、またはスルホニル部分を提供するために、酸化されていてもよい。亜リン酸を含有する本明細書に記載の化合物は、ヘテロシクリル環内であってもなくても、亜リン酸の酸化型を含む。ヘテロアリール基は、単環、二環、三環、または四環等である。
「ヘテロアリールオキシ」は、−O−ヘテロアリールを指す。
「ヘテロアリーレン」は、一般的に、それに付着される少なくとも2つの基を有する任意のヘテロアリールを指す。より具体的な例として、「ピリジレン」は、を二価ピリジル環ラジカルを指す。ピリジレンはゆえに、付着される2つ以上の基を有することができるが、それに付着される最低限2つの非水素基によって定義されている。
「ヘテロアリサイクリック」は、特に非芳香族ヘテロシクリルラジカルを指す。ヘテロアリ環状は、不飽和を含有し得るが、芳香族ではない。述べたように、アリールおよびヘテロアリールは、芳香族環を介して親構造に付着される。したがって、例えば、2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−4−イルは、ヘテロアリサイクリックであり、一方、2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−7−イルはアリールである。別の実施例では、2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン−4−イルは、ヘテロアリサイクリックであり、一方、2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン−7−イルは、ヘテロアリールである。
「ヘテロシクリルアルキル」は、例えば、アルキレンリンカー、例えば、(テトラヒドロフラン−3−イル)メチル−または(ピリジン−4−イル)メチルを介して、親構造に連結されるヘテロシクリル基を指す。
Figure 2012513480
「ヘテロシクリルオキシ」は、−O−ヘテロシクリル基を指す。
「ヘテロシクリルチオ」は、−S−ヘテロシクリル基を指す。他の実施形態では、硫黄は、−S(O)−または−SO−部分に酸化され得る。スルホキシドは、1つ以上のステレオ異性体として存在し得る。
「ニトロ」は、−NO基を指す。
「ニトロソ」は、−NO基を指す。
「オキソ」は、原子(=O)を指す。
「スルホニル」は、SO−アルキル、SO−置換アルキル、SO−アルケニル、SO−置換アルケニル、SO−シクロアルキル、SO−置換シルコアルキル、SO−シクロアルケニル、SO−置換シルコアルケニル、SO−アリール、SO−置換アリール、SO−ヘテロアリール、SO−置換ヘテロアリール、SO−ヘテロシクリル、およびSO−置換ヘテロシクリルの基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。スルホニルには、メチル−SO−、フェニル−SO−、および4−メチルフェニル−SO−の基等が含まれる。
「スルホニルオキシ」は、−OSO−アルキル、OSO−置換アルキル、OSO−アルケニル、OSO−置換アルケニル、OSO−シクロアルキル、OSO−置換シルコアルキル、OSO−シクロアルケニル、OSO−置換シルコアルケニル、OSO−アリール、OSO−置換アリール、OSO−ヘテロアリール、OSO−置換ヘテロアリール、OSO−ヘテロシクリル、およびOSO−置換ヘテロシクリルの基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「チオアシル」は、H−C(S)−、アルキル−C(S)−、置換アルキル−C(S)−、アルケニル−C(S)−、置換アルケニル−C(S)−、アルキニル−C(S)−、置換アルキニル−C(S)−、シクロアルキル−C(S)−、置換シクロアルキル−C(S)−、シクロアルケニル−C(S)−、置換シクロアルケニル−C(S)−、アリール−C(S)−、置換アリール−C(S)−、ヘテロアリール−C(S)−、置換ヘテロアリール−C(S)−、ヘテロシクリル−C(S)−、および置換ヘテロシクリル−C(S)−の基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および置換ヘテロシクリルは、本明細書で定義される通りである。
「チオール」は、−SH基を指す。
「チオキソ」は、原子(=S)を指す。
「アルキルチオ」は、−S−アルキル基を指し、アルキルは、本明細書で定義される通りである。他の実施形態では、硫黄は、−S(O)−に酸化され得る。スルホキシドは、1つ以上のステレオ異性体として存在し得る。
別途指示されない限り、本明細書で明確に定義されない置換基の命名法は、機能性の末端部、次いで、接着点に向かって隣接する機能性を命名することによって到達される。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は、(アリール)−(アルキル)−O−C(O)−基を指す。
特定の基またはラジカルを修飾するために使用されるとき、用語「置換される」は、特定の基またはラジカルの1つ以上の水素原子がそれぞれ、相互に独立して、以下に定義されるような同一または異なる置換基と置換されることを意味する。
特定の基またはラジカルの飽和炭素原子上で、1つ以上の水素(単一炭素上のいずれの2つの水素を、=O、=NR70、=N−OR70、=N、または=Sと置換することができる)と置換するための置換基は、別途特定されない限り、−R60、ハロ、=O、−OR70、−SR70、−NR8080、トリハロメチル、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−SO70、−SO、−SOOR70、−OSO70、−OSO、−OSOOR70、−P(O)(O(M、−P(O)(OR70)O、−P(O)(OR70、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−C(O)O、−C(O)OR70、−C(S)OR70、−C(O)NR8080、−C(NR70)NR8080、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OC(O)O、−OC(O)OR70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70CO 、−NR70CO70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR8080、−NR70C(NR70)R70、および−NR70C(NR70)NR8080であり、R60は、置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルから成る基から選択され、各R70は独立して、水素またはR60であり、各R80は独立して、R70またはあるいは2つのR80’であり、それらが結合する窒素原子と一緒になって、NがHまたはC−Cアルキル置換を有し得る、O、N、およびSから成る基から選択される、同一または異なる付加的なヘテロ原子の1から4個を任意で含み得る5、6、または7員環のヘテロシクロアルキルを形成し、各Mは、実効単一正電荷を伴う対イオンである。各Mは独立して、例えば、K、Na、Li等のアルカリイオン、N(R60等のアンモニウムイオン、[Ca2+0.5、[Mg2+0.5、または[Ba2+0.5等のアルカリ土類イオンであり得る。(「下付き文字0.5」は、例えば、そのような二価アルカリ土類イオンへの対イオンの1つが、本発明の化合物の電離型であることができ、塩化物等の他の典型的な対イオン、または本発明の2つのイオン化された化合物は、そのような二価アルカリ土類イオンのために、対イオンとしての機能を果たすことができ、または本発明の二重にイオン化された化合物は、そのような二価アルカリ土類イオンのために、対イオンとしての機能を果たすことができる)。具体例として、−NR8080は、−NH、−NH−アルキル、N−ピロリジニル、N−ピペラジニル、4N−メチル−ピペラジン−1−イル、およびN−モルホリニルを含むようになっている。
「置換」アルケン、アルキン、アリール、およびヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の水素の置換基は、別途特定されない限り、−R60、ハロ、−O、−OR70、−SR70、−S、−NR8080、triハロメチル、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−SO70、−SO 、−SO70、−OSO70、−OSO 、−OSO70、−PO −2(M、−P(O)(OR70)O、−P(O)(OR70、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−CO 、−CO70、−C(S)OR70、−C(O)NR8080、−C(NR70)NR8080、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OCO 、−OCO70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70CO 、−NR70CO70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR8080、−NR70C(NR70)R70、および−NR70C(NR70)NR8080であり、R60、R70、R80、およびMは、すでに定義された通りであるが、但し、置換アルケンまたはアルキンの場合、置換基は−O、−OR70、−SR70、または−Sではない。
「置換」ヘテロアルキルおよびシクロヘテロアルキル基の窒素原子上の水素の置換基は、別途特定されない限り、−R60、−O、−OR70、−SR70、−S、−NR8080、トリハロメチル、−CF、−CN、−NO、−NO、−S(O)70、−S(O)、−S(O)OR70、−OS(O)70、−OS(O)、−OS(O)OR70、−P(O)(O(M、−P(O)(OR70)O、−P(O)(OR70)(OR70)、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−C(O)OR70、−C(S)OR70、−C(O)NR8080、−C(NR70)NR8080、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OC(O)OR70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70C(O)OR70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR8080、−NR70C(NR70)R70、および−NR70C(NR70)NR8080であり、R60、R70、R80、およびMは、すでに定義された通りである。
好ましい実施形態では、置換された基は、1、2、3、もしくは4置換基、1、2、もしくは3置換基、1もしくは2置換基、または1置換基を有する。
上記で定義される全ての置換基において、それら自体に対してさらなる置換を伴う置換基を定義することによって到達されるポリマー(例えば、それ自体が置換アリール基と置換され、置換アリール基等によってさらに置換される置換基として置換アリール基を有する置換アリール等)は、本明細書への包含は意図されないことを理解されたい。そのような場合、そのような置換の最大数は3である。例えば、置換アリール基の連続置換は、置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
患者」は、ヒトおよび非ヒト動物、特に哺乳動物を指す。
薬剤的に許容される塩」は、塩が、当技術分野で知られている多種多様の有機および無機対イオンに由来し、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等を含む化合物の薬剤的に許容される塩を指し、分子が基本的な機能性を含有するとき、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩等の有機または無機酸の塩を指す。
プロドラッグ」は、活性2,4−ピリミジンジアミン薬物を分離するために、体内等の使用条件下で形質転換を必要とし得る活性4−ピリミジンアミン化合物(薬物)の誘導体を指す。プロドラッグは、活性薬物に転換されるまで、しばしば薬理学的に不活性であるが、必ずしもではない。プロドラッグは、典型的には、官能基を分離するための特定の使用条件下で、開裂等の形質転換を起こすプロ部分を形成するために、プロ基(以下に定義される)を伴う活性にある程度必要であると考えられる活性2,4−ピリミジンジアミン薬物で、1つ以上の官能基をマスクすることによって得られ、したがって、活性2,4−ピリミジンジアミン薬物である。プロ部分の開裂は、加水分解反応を経て等、自発的に開始される場合もあり、または酵素、光、酸、もしくは塩基等の別の薬剤、または温度等の物理的もしくは環境パラメーターの変化もしくはそれらへの曝露によって、それを触媒もしくは誘発することができる。薬剤は、プロドラッグが投与される細胞内に存在する酵素もしくは酸性条件の胃等、使用条件に対して内在性であることができ、またはそれを外因的に供給することができる。
プロ基」は、プロ部分を形成するために活性2,4−ピリミジンジアミン薬物内で官能基をマスクするために使用されるとき、薬物をプロドラッグに転換する保護基の一種を指す。プロ基は、典型的には、特定の使用条件下で開裂可能な結合を介して、薬物の官能基に付着される。ゆえに、プロ基は、特定の使用条件下で官能基を分離するために開裂するプロ部分のその部分である。具体例のように、式−NH−C(O)CH3のアミドプロ部分は、プロ基−C(O)CH3を含む。
薬剤的に有効な量」および「治療的に有効な量」は、特定の疾患もしくは疾病またはその症状の1つ以上を治療する、および/または疾病または疾患の発生を阻止するのに十分な化合物の量を指す。発癌性増殖性疾患に関して、薬剤的または治療的に有効な量は、腫瘍の成長速度を下げる、または低下させるのに十分な量を含む。
溶媒和物」は、溶質の分子またはイオンとの溶媒分子の組み合わせによって形成される複合体を指す。溶媒は、有機化合物、無機化合物、または両方の混合物であることができる。溶媒のいくつかの例には、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、および水が含まれるが、それらに限定されない。
当業者の1人は、本発明の化合物が、互変異性、立体配座異性、幾何学異性、および/または光学異性の現象を示し得ること認識するであろう。例えば、本発明の化合物およびプロドラッグは、1つ以上のキラル中心および/または二重結合を含むことができ、結果として、二重結合異性体(すなわち、幾何学異性体)、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびラセミ混合物等のその混合物等の、ステレオ異性体として存在することができる。別の例のように、本発明の化合物は、エノール型、ケト型、およびその混合物を含む、いくつかの互変異性型で存在することができる。様々な化合物名として、明細書および特許請求の範囲内の式および化合物図は、互変異性体、立体配座異性体、光学異性体、または幾何学異性体の可能性のある1つのみを表し、本発明が、本明細書に記載の化合物のいずれの互変異性体、立体配座異性体、光学異性体、および/または幾何学異性体、ならびにこれらの様々な異なる異性体の混合物を包含することが理解されるであろう。限定された回転の場合、例えば、2,4−ピリミジンジアミンコア構造の周囲で、アトロプ異性体が起こる場合もあり、また特に本発明の化合物に含まれる。本明細書に包含される化合物は、異性型を除いて、化学的に安定かつ分離可能であることが意図される。
当業者の1人によって理解されるように、ある原子は、1つ以上の同位体型で発生する。例えば、水素は、プロチウム(H)、重水素(H)、および三重水素(H)として発生し、炭素は、3つの異なる同位体、12C、13C、および14Cとして自然発生する。ゆえに、現在開示されている式には、水素および炭素を含むある要素の1つ以上の異なる同位体型を有する化合物が含まれる。本開示の1つの実施形態では、現在開示されている化合物は、同位体が濃縮された型に提供される。具体例では、式Iの化合物は、プロチウムに対する重水素で濃縮される。
重水素は、約0.015%の天然存在度を有する。したがって、天然に存在する約6,500個の水素原子ごとに、1つの重水素原子が存在する。1つ以上の位置において重水素中で濃縮される化合物が、本明細書に開示されている。したがって、本開示の化合物を含有する重水素は、0.015%より大きい存在度において、1つ以上の位置(場合によって)で重水素を有する。
1つの実施形態では、式(I)の化合物は、重水素を有するように指定される位置で、化合物において重水素として指定される各原子に少なくとも2000(30%の重水素取り込み)、または少なくとも3000(45%の重水素取り込み)の最小同位体濃縮係数を有する。
他の実施形態では、式(I)の化合物は、少なくとも3500(それぞれ指定される重水素原子で、52.5%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素取り込み)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)のそれぞれ指定される重水素原子に対して、同位体濃縮係数を有する。
同様に、前述の定義は、容認できない置換パターン(例えば、5フルオロ基と置換されるメチル)を対象としないことを理解されたい。そのような容認できない置換パターンは、当業者によって容易に認識される。
C.本発明の化合物
新規2,4−ピリミジンジアミン化合物、化合物のプロドラッグ、化合物を作る方法、およびJAK経路の標的化またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害を含む調節が、治療上有用である病態の治療において、これらの化合物を使用する方法が、本明細書に開示される。これらの病態には、白血病、リンパ腫、移植片拒絶(例えば、膵島移植片拒絶、心臓移植片拒絶、腎臓移植片拒絶、肝臓移植片拒絶、肺移植片拒絶)、骨髄移植適用(例えば、移植片対宿主病)、自己免疫疾患(例えば、糖尿病)、および炎症(例えば、喘息、アレルギー反応、眼疾患)が含まれるが、それらに限定されない。これらの疾病および病態の重症度および有病率を考えると、新規治療法が必要である。
概して、本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、ビス−フェニル2,4−ピリミジンジアミンによって特徴付けられ、1つのフェニル基は、少なくともスルホンアミドを担持し、他のフェニル基は、少なくともスルホニル尿素を担持する。より具体的には、式Iの化合物は、
Figure 2012513480
式中、
pは、0、1、2、または3であり、
qは、0、1、2、または3であり、
Xは、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
Yは、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、−C(O)N(R)R、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、もしくはMであり、対イオンであるMは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、Rに直接隣接する窒素は、陰イオン性であるか、または
およびRは、それらに結合する単数介在原子または複数介在原子とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、およびアシルであり、
は、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、Rを担持する窒素とYを担持する環とを連結し、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
およびRは、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクリル、もしくは置換ヘテロシクリル基を形成していてもよく、
およびRのうちの少なくとも1つは、水素ではなく、
、R、およびRの各々は、Mであってもよく、対イオンであるMは、K、Na、LiまたはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、Mを担持する窒素は、陰イオン性である。
1つの実施形態は、Rが水素である構造式Iの化合物である。Rが水素である別の実施形態では、Xは、アルキル、置換アルキル、またはハロである。
別の実施形態は、Rが水素、およびRが水素である、構造式Iの化合物である。
別の実施形態は、Yがメチレンである構造式Iの化合物である。
別の実施形態は、Rが水素、RがC1−3アルキル、RがC1−3アルキルである、構造式Iの化合物である。
別の実施形態は、RおよびRの各々が独立して、低級アルキルまたは低級アルコキシである、構造式Iの化合物である。
別の実施形態は、構造式IIの化合物であって、
Figure 2012513480
式中、
pは、0、1、2、または3であり、
qは、0、1、2、または3であり、
Xは、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
Yは、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、−C(O)N(R)R、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、もしくはMであり、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、およびRに直接隣接する窒素は、陰イオン性であるか、または
およびRは、それらに結合する単数介在原子または複数介在原子とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
およびRは、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
10は、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、ならびに
およびRの各々は、Mであってもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、Mを担持する窒素は、陰イオン性である。
別の実施形態は、pがゼロであり、RおよびYの各々は独立して、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基である、構造式IIの化合物である。
別の実施形態は、RおよびYの各々は独立して、メチレンまたはエチレンである、構造式IIの化合物である。
別の実施形態は、構造式IIIの化合物であり、
Figure 2012513480
式中、
pは、0、1、2、または3であり、
qは、0、1、2、または3であり、
Xは、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、−C(O)N(R)R、もしくはハロであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、もしくはハロであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
およびRは、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
およびRのうちの少なくとも1つは、水素ではなく、
、R、およびRの各々はMで置換されていてもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、Mを担持する窒素は、陰イオン性である。
別の実施形態は、構造式IVの化合物であって、
Figure 2012513480
式中、
pは、0、1、2、または3であり、
qは、0、1、2、または3であり、
Xは、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、−C(O)N(R)R、もしくはハロであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、もしくはハロであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
およびRは、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
およびRのうちの少なくとも1つは、水素ではなく、
、R、およびRの各々はMで置換されていてもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、Mを担持する窒素は、陰イオン性である。
別の実施形態は、表IおよびIIから選択される化合物、またはステレオ異性体、互変異性体、プロドラッグ、溶媒和物、もしくはその薬剤的に許容される塩である。
Figure 2012513480
Figure 2012513480
Figure 2012513480
Figure 2012513480
Figure 2012513480
プロドラッグ
当業者は、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物には、プロドラッグを作成するためにプロ基を伴ってマスクされ得る官能基が含まれることを認識するであろう。そのようなプロドラッグは、通常、それらの活性薬物型に転換されるまで薬理学的に不活性であるが、そうである必要はない。実に、本発明に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物の多くには、使用条件下で、加水分解性あるいはその反対で切断可能であるプロ部分が含まれる。例えば、エステル基は、通常、親カルボキシル酸を産生するために、胃の酸性条件に曝露されるとき、酸触媒された加水分解、または腸または血液の塩基状態に曝露されるとき、塩基触媒された加水分解を経る。したがって、被験体に経口的に投与されるとき、エステル型が薬理学的に活性であるかに関わらず、エステル部分を含む2,4−ピリミジンジアミン化合物を、それらの対応するカルボキシル酸のプロドラッグと見なすことができる。
プロ基が代謝される機構は、重要な意味を持たず、前述の胃の酸性条件下の加水分解によって、および/または体の消化管および/または組織または臓器に存在する酵素によって、引き起こされることができる。実際に、プロ基を、体内の特定部位で代謝させるように選択することができる。例えば、多くのエステルは、胃の中で見出される酸性条件下で開裂される。胃内で活性2,4−ピリミジンジアミンに化学的に開裂するように計画されるプロドラッグは、そのようなエステルを含むプロ基を採用することができる。あるいは、プロ基を、エステラーゼ、アミダーゼ、リポラーゼ、ならびにATPアーゼおよびキナーゼ等のホスファターゼ等の酵素の存在下で、代謝させるように計画することができる。インビボで代謝できる連鎖を含むプロ基は、よく知られており、例としてあげるが限定を意図したものでなく、エーテル、チオエーテル、シリルエーテル、シリルチオエーテル,エステル、チオエステル、炭酸、チオ炭酸、カルバミン酸、チオカルバミン酸、尿素、チオ尿素、およびカルボキサミドを含む。場合によっては、例えば、肝臓のチトクロムP450等の酸化酵素によって代謝可能な基に酸化される「前駆体」基を選択することができる。
プロドラッグにおいて、プロドラッグを産生するために、任意の利用可能な官能基を、プロ基を伴ってマスクすることができる。プロ部分での包含のために、プロ基を伴ってマスクされることができる2,4−ピリミジンジアミン化合物内の官能基には、アミン(一級および二級)、ヒドロキシル、サルフォニル(チオール)、およびカルボキシルが含まれるが、それらに限定されない。多種多様のプロ基、ならびにプロドラッグを産生するために、活性2,4−ピリミジンジアミン化合物で官能基をマスクするのに適切な得られたプロ部分は、当技術分野でよく知られている。例えば、ヒドロキシル基を提供するためにインビボで加水分解することができるヒドロキシル官能基を、スルホン酸塩、エステル、または炭酸プロ部分としてマスクすることができる。アミノ官能基を、アミド、カルバミン酸、イミン、尿素、ホスフェニル、ホスホリル、またはスルフェニルプロ部分としてマスクすることができ、インビボで加水分解し、アミノ基を提供することができる。カルボキシル基を、エステル(シリルエステルおよびチオエステルを含む)、アミド、またはヒドラジドプロ部分としてマスクすることができ、インビボで加水分解し、カルボキシル基を提供することができる。適切なプロ基およびそれらの各プロ部分の他の具体例は、当業者には明白であろう。これらのプロ基の全てを、単独で、または併用で、プロドラッグに含むことができる。
2,4−ピリミジンジアミン化合物および化合物を使用する方法のいくつかの実施形態では、プロ基を、例えば、2,4−ピリミジンジアミンのN2窒素原子、2,4−ピリミジンジアミンのN4窒素原子、および/または2,4−ピリミジンジアミン上の置換基に含まれる一級または二級窒素原子を含む、任意の利用可能な一級または二級アミンに付着することができる。
前述のように、プロ基の固有性は、所望の使用条件下で、例えば、胃の中で見出される酸性条件下で、および/またはインビボで見出される酵素によって、生物学的に活性な基、例えば、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミンを産生するために代謝することができるという条件下では重要ではない。したがって、プロ基が、任意の知られている、または後に発見されたヒドロキシル、アミン、またはチオール保護基を含むことができることを、当業者は認識するであろう。適切な保護基の非限定的な例は、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,Greene&Wuts,2nd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1991(特にページ10〜142ページ(alcohols,277−308(thiols)および309−405(amines)、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる)で見出されることができる。
加えて、プロドラッグに望ましい特徴を付与するために、プロ基の固有性を選択することもできる。例えば、水溶性を減少させるために親油性基を使用することができ、水溶性を増加させるために親水性基を使用することができる。このような方法で、投与の選択モード用に特異的に調整されたプロドラッグを得ることができる。例えば、改善された受動腸管吸収、改善された輸送媒介腸管吸収、迅速な代謝に対する保護(徐放プロドラッグ)、組織選択的送達、標的組織での受動濃縮、および標的化特異的輸送体の標的化等の他の特性をプロドラッグに付与するように、プロ基を設計することもできる。これらの特徴をプロドラッグに付与する能力のある基はよく知られており、例えば、Ettmayer et al.,2004,J.Med.Chem.47(10):2393−2404に記載され、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。これらの参照に記載される様々な基の全てを、本明細書に記載のプロドラッグで利用することができる。
本発明の特に有用なプロ基は、−CHOP(OH)、ならびにエステル、混酸エステル、およびその塩である。いくつかの実施形態では、−CHOP(OH)プロ基は、親分子の環状または非環状のNHを介して付着される。1つ以上のそのようなプロ基が存在することができる。したがって、1つの実施形態は、式Vの化合物、
Figure 2012513480
もしくはその溶媒和物であって、R、R、R、R、R、R、R、R、X、p、およびqは、概略および詳細な記述で定義され、R40は、HもしくはR50であり、ならびにR、R、R、R、R、R、およびR40のうちの少なくとも1つは、R50であり、R50は、−CHOP(O)(OR11であり、各R11は独立して、H、C1−6アルキル、もしくは一価陽性基であるか、または2つのR11は、それらが付着される原子とともに、4〜8員環の環状リン酸基を形成し、
Figure 2012513480
各R55は独立して、Hであり、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよい3〜8員環のヘテロアリシクリル、置換されていてもよいC6−14アリール、置換されていてもよいC7−20アリールアルキル、置換されていてもよい5〜14員環のヘテロアリール、もしくは置換されていてもよい6〜15員環のヘテロアリールアルキルであり、zは、0、1、2、もしくは3であるか、または2つのR11はともに、Ba2+、Bi2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Ni2+、Sr2+、およびZn2+から選択される二価陽性基を表す。
1つの実施形態では、環状リン酸基は、5または6員環の環状リン酸基であり、−CHOP(O)(OR11は、
Figure 2012513480
であるか、または2つのR11はともに、Ca2+、Mg2+、およびZn2+から選択される二価陽性基を表す。
別の実施形態は、式VIの化合物、
Figure 2012513480
またはその溶媒和物であり、R、R、R、R、R、R、R、X、p、およびqは、概略および詳細な記述で定義され、R11は、前述の通りである。
いずれの特定の動作理論にも束縛されることを意図するものではないが、例えば、式VIによると、プロ基−CHOP(O)(OR11は、以下に図解される、対応するヒドロキシメチルアミン中間体を介して代謝し、本発明の活性化合物になると考えられる。
Figure 2012513480
そのようなヒドロキシメチルアミン化合物は、分離可能ではあるが、それらがインビボで加水分解してホルムアルデヒドおよび活性薬物物質を産生する、生理的条件下および様々なpH領域下では、不安定であると知られている。この観察に基づいて、本発明の化合物は、例えば、胃の中の酸性条件によって、および/または消化管または他の臓器および/または体の組織もしくは流体に存在する酵素によって、インビボで代謝されることができるヒドロキシメチルプロ基を含み、活性薬物物質2,4−ピリミジンジアミンを産生する。
さらに、これらのヒドロキシメチルアミンのアミノおよびチオ類似体は、生理的条件下で同様に不安定であり、また、インビボで加水分解し、活性2,4−ピリミジンジアミン薬物になることが予測される。したがって、本発明の化合物には、これらの対応する一級アミノおよびチオール化合物が含まれる。また、本発明には、一級アミン、チオール、およびヒドロキシ基が、すなわち、これらの「保護基」を伴って、対応するヒドロキシメチル、チオールメチル、およびアミノメチル化合物を産生するために、生理学的使用条件下で除去される「保護」基を伴ってその中でマスクされる化合物が含まれる。つまりこれらの化合物は、前記「保護基」を伴って同様に適切なプロドラッグを作る。
所望の投与モードのための任意の特定のプロ基の適合性は、生化学分析で確証することができる。例えば、プロドラッグが注射によって特定の組織または臓器に投与され、組織または臓器で発現される様々な酵素の固有性が知られる場合、単離酵素を伴って、特定のプロドラッグを生化学分析における代謝のために試験することができる。あるいは、組織および/または臓器抽出物を伴う活性2,4−ピリミジンジアミン化合物の代謝のために、特定のプロドラッグを試験することができる。組織および/または臓器抽出物を使用することは、標的組織または臓器で発現される酵素の固有性が知られないとき、または単離酵素が都合よく利用可能でないとき、特に便利である。当業者は、そのようなインビボ試験を使用する特別な適用に適切な代謝特性(反応速度論等)を有するプロ基を容易に選択することができる。動物モデルのインビトロの適切な代謝のために、特定のプロドラッグを試験することができる。
例えば、式VIの化合物を以下に示す通り、例えば、適切な保護基が分子中の他の場所で設置されるとき、−CHOP(O)(OR11プロ基を担持する本発明の化合物を合成することができる。
Figure 2012513480
典型的には、適切なホスホン酸塩試薬、およびLGが本発明の化合物、この場合は式VIを形成するための適切な離脱基であるという反応条件を伴って、ピリミジンジアミンシステムの4−NH上の水素イオンを、2−NH上で選択的にアルキル化することができる。本明細書に記載の式−CHOP(O)(OR11のプロ基の作り方のさらなる記述は、米国特許第7,449,458号「Pyrimidinediamine Prodrugs and their Uses」という表題で具体的に教示され、その開示は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
薬学的組成物
別の実施形態は、前述の実施形態のいずれかに記載の化合物を含む薬学的組成物である。通常の混合、溶解、整粒、糖衣錠作製 粉体化、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥過程の方法によって、本明細書に記載の薬学的組成物を製造することができる。活性化合物を薬剤的に使用されることができる製剤に処理することを促進する、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または助剤を使用して、通常の方法で組成物を製剤化することができる。
薬学的組成物それ自体で、または本明細書に記載の水和物、溶媒和物、N−オキシド、または薬剤的に許容される塩の形状で、2,4−ピリミジンジアミン化合物を製剤化することができる。典型的には、そのような塩は、対応する遊離酸および塩基よりも水溶液においてより可溶性であるが、対応する遊離酸および塩基よりも低い溶解度を有する塩を形成することもできる。
1つの実施形態は、本明細書に記載の式Iの化合物、またはそのプロドラッグ、および少なくとも1つの薬剤的に許容される賦形剤、希釈剤、防腐剤、安定剤、またはそれらの混合物を含む薬学的製剤である。
化合物を多種多様の製剤および用量で提供することができる。薬学的組成物それ自体で、または水和物、溶媒和物、N−オキシド、または本明細書に記載の薬剤的に許容される塩の形で化合物を製剤化することができることを含む、薬剤的に許容される形で化合物を提供することができる。典型的には、そのような塩は、対応する遊離酸および塩基よりも水溶液においてより可溶性であるが、対応する遊離酸および塩基よりも低い溶解度を有する塩を形成することもできる。化合物、2,4−ピリミジンジアミン化合物、または製剤を論じる場合の「活性」への参照はまた、当業者に知られているように適切である場合には、2,4−ピリミジンジアミン化合物のプロドラッグの製剤を含むよう意図されることを理解されたい。
1つの実施形態では、化合物は、前述のように、無毒性の薬剤的に許容される塩として提供される。本明細書に記載の化合物の適切な薬剤的に許容される塩には、塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、またはリン酸等を伴って形成される酸付加塩が含まれる。アミン基の塩は、アミノ窒素原子が、アルキル、アルケニル、アルキニル、または置換アルキル部分等の適切な有機基を保有する四級アンモニウム塩も含むことができる。さらに、本発明の化合物が酸性部分を輸送する場合、その適切な薬剤的に許容される塩は、アルカリ金属塩等の金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、およびアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩を含むことができる。
2,4−ピリミジンジアミン化合物の投与のための薬学的組成物を、好都合なことに投与単位形で表すことができ、薬学分野でよく知られている方法のいずれかによって調製することができる。薬学的組成物を、例えば、活性成分を、液体担体、細かく分割された固形担体、または両方に均一および密接に会合させ、次いで、必要であれば、生成物を所望の製剤に成型することによって調製することができる。薬学的組成物では、活性目的化合物は、所望の治療効果をもたらすのに十分な量で含まれる。
経口、非経口(例えば、筋肉、腹腔、静脈、ICV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)によって、鼻吸入スプレー、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)、または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エーロゾル等)によって、2,4−ピリミジンジアミン化合物を投与することができ、単独で、または一緒に、通常の無毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、および投与の各経路に適切な媒体を含む、適切な投与単位製剤で製剤化することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、およびサル等の温血動物の治療に加えて、本明細書に記載の化合物は、ヒトに有効である。
本明細書に記載の化合物の投与、またはそれらの薬剤的に許容できる塩は、純粋な形または適切な医薬組成物の形で、同様の有用性を供給するための投与または薬剤の許容されたモードのいずれかを介して実行されることができる。したがって、投与は、例えば、経口的、経鼻的、非経口的(静脈内、筋肉内、または皮下)、局所的、経皮的、膣内、膀胱内、嚢内、もしくは直腸、例えば、錠剤、坐薬、ピル、軟および硬カプセル、粉末剤、液剤、懸濁剤、もしくはエアロゾル等の固形、半固形、凍結乾燥粉末、または液体剤形の形状で、好ましくは、正確な用量の簡易投与に適切な単位剤形であることができる。
D.本発明の方法
本発明は、本明細書に記載の病態のための治療での使用のために、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物およびそのプロドラッグを提供する。本発明は、JAK経路の標的化またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療的に有用である病態の治療のための薬物の製造において、本発明の化合物の使用をさらに提供する。方法には、リンパ球、マクロファージ、またはマスト細胞の機能が関与する病態が含まれる。JAK経路の標的化またはJAKキナーゼ、特にJAK3の阻害が治療的に有用である病態には、白血病、リンパ腫、移植片拒絶(例えば、膵島移植片拒絶)、骨髄移植適用(例えば、移植片対宿主病)、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ等)、炎症(例えば、喘息等)、および本明細書でより詳細に記載される他の疾患が含まれる。
前述のように、2,4−置換ピリミジンジアミン化合物、そのプロドラッグ、および本明細書に記載の治療の方法を使用して、多数の病態を治療することができる。本明細書で使用される、患者において疾病を「治療すること」または疾病の「治療」は、(1)病気にかかりやすい、または疾病の症状をまだ示していない患者における疾病の発生を阻止すること、(2)疾病を阻害する、もしくはその発達を止めること、または(3)改善する、もしくは疾病の退行を引き起こすことを指す。当分野でよく理解されている「治療」は、臨床結果を含む、有益なまたは所望の結果を得るための手法である。本発明の目的として、有益なまたは所望の結果には、検出可能であっても検出不能であっても、1つ以上の症状の1つ以上の緩和または回復、疾病を含む病態の程度の軽減、疾病を含む病態の安定化された(すなわち悪化していない)病態、疾病の蔓延を阻止すること、疾病を含む病態の遅延または緩徐、疾病を含む病態の進行、回復または寛解、病態、および鎮静(部分的であっても全体であっても)が含まれるが、それらに限定されない。強力であり、非常に低い投与量で局所投与されることができ、したがって、全身への悪影響を最小化する化合物が好ましい。
本明細書に記載の化合物は、強力であり、JAKキナーゼの選択的阻害剤であり、JAK3を含有するサイトカインシグナル経路のために特に選択的である。この活性の結果として、JAKキナーゼ活性、JAKキナーゼがその中で役割を果たすシグナルカスケード、およびそのようなシグナルカスケードによってもたらされる生物学的反応を制御または阻害するために、多種多様のインビトロ、インビボ、およびエクスビボ構成で、化合物を使用することができる。例えば、1つの実施形態では、JAKキナーゼをインビトロまたはインビボのどちらかで阻害するために化合物を使用することができ、JAKキナーゼを発現する事実上どの細胞型においても、例えばJAK3が主にその中で発現される造血細胞等においても使用できる。それらはまた、JAKキナーゼ、特にJAK3がその中で役割を果たすシグナル伝達カスケードを制御するように使用され得る。そのようなJAK依存性シグナル伝達カスケードには、例えば、IL−4、IL−7、IL−5、IL−9、IL−15、およびIL−21、またはIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15、およびIL−21受容体シグナルカスケード等の共通ガンマ鎖を含むサイトカイン受容体のシグナルカスケードが含まれるが、それらに限定されない。化合物は、そのようなJAK依存性シグナル伝達カスケードによって影響を及ぼされる細胞または生物学的反応を制御、および具体的には阻害するために、インビトロまたはインビボで使用され得る。それらの細胞または生物学的反応には、IL−4/ラモスCD23上方制御およびIL−2媒介T細胞増殖が含まれるが、それらに限定されない。重要なことに、JAKキナーゼをインビボで阻害するために、JAKキナーゼ活性(「JAKキナーゼ媒介性疾患」として本明細書で参照される)によって全体的または部分的に媒介される疾病の治療または阻止への治療的手法として、化合物を使用することができる。化合物を伴って治療または阻止され得るJAKキナーゼ媒介性疾患の非限定的な例には、以下:アレルギー、喘息、移植片拒絶等(例えば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、宿主対移植片反応(HVGR)、および移植片対宿主反応(GVHR))の自己免疫疾患、関節リウマチ、ならびに筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、乾癬、およびシェーグレン症候群等のT細胞媒介性自己免疫疾患、血管炎症等(脈管炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化、および冠動脈疾患を含む)のII型炎症性疾患、脳卒中等の中枢神経系疾患、閉塞性細気管支炎および原発性肺高血圧症等の肺疾患、充実性遅発性IV型過敏症反応、ならびに白血病およびリンパ腫等の血液悪性腫瘍が含まれるが、それらに限定されない。
1つの実施形態は、JAKキナーゼを、式IのJAKキナーゼの活性を阻害するのに有効な量の化合物と接触させることを含む、JAKキナーゼの活性を阻害する方法であり、
Figure 2012513480
式中、
pは、0、1、2、または3であり、
qは、0、1、2、または3であり、
Xは、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
Yは、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、−C(O)N(R)R、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、ニトロ、もしくはハロであり、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、もしくはMであり、Mは、K、Na、L、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、およびRに直接隣接する窒素は、陰イオン性であるか、または
およびRは、それらに結合する1個もしくは複数の介在原子とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
は、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、Rを担持する窒素とYを担持する環とを連結し、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
およびRは、それらが結合する窒素とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
およびRのうちの少なくとも1つは水素ではなく、
、R、およびRの各々は、Mであってもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素またはアルキルであり、およびMを担持する窒素は、陰イオン性である。
以下の様々な方法の実施形態において、式Iの化合物がそれに参照されるとき、含まれることを意図されるものはまた、式II、III、およびIVの化合物、ならびにI−1からI−32およびII−1からII−5の種に適用する、明確および類似の実施形態である。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、JAKキナーゼを、JAKキナーゼの活性を阻害するのに有効な量の化合物と接触させることを含む、JAKキナーゼの活性を阻害する方法を提供する。本明細書に記載の方法のある実施形態では、方法はインビボで実行される。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、JAK3キナーゼを、JAKキナーゼの活性を阻害するのに有効な量の化合物とインビトロで接触させることを含む、JAKキナーゼの活性を阻害する方法を提供する。
特定の実施形態では、臓器および/または組織移植レシピエントにおいて、拒絶を治療および/または阻止するために、化合物を使用することができる(すなわち、同種移植片拒絶を治療および/または阻止する)。同種移植片は、臓器提供者の細胞の膜上に存在する移植(組織適合性)抗原に対するレシピエントの細胞媒介または体液性免疫反応のどちらかを介して拒絶されることができる。最強の抗原は、ヒト白血球型A(HLA)抗原と名付けられた遺伝子座の複合体によって支配される。ABO血液型抗原を伴って、それらはヒトにおいて検出可能な主要な移植抗原である。
移植後の拒絶を、一般的に3つのカテゴリー:移植後に数時間から数日で発生する超急性、移植後に数日から数ヶ月で発生する急性、移植後に数ヶ月から数年で発生する慢性に分けることができる。
超急性拒絶は、主に、移植片組織を攻撃する宿主抗体の生成によって引き起こされる。超急性拒絶反応では、抗体は、移植直後に移植血管で観察される。その後すぐに血管凝固が発生し、虚血、結果として壊死および死に至る。移植片梗塞は、周知の免疫抑制療法に反応しない。HLA抗原をインビトロで同定することができるので、超急性拒絶を著しく減少させるために、事前移植スクリーニングが使用される。このスクリーニングの結果として、超急性拒絶は、今日比較的珍しい。
急性拒絶は、移植片組織の抗原特異的細胞の蓄積によって媒介されると考えられる。これらの抗原(すなわち、HVGRまたはGVHR)に対するT細胞媒介免疫反応は、急性拒絶の原理機構である。これらの細胞の蓄積は、移植片組織の損傷に至る。CD4+ヘルパーT細胞およびCD8+細胞傷害性T細胞の両方はその過程に関与し、抗原は臓器提供者および宿主樹枝状細胞によって示されると考えられる。CD4+ヘルパーT細胞は、マクロファージおよび好酸球等の他のエフェクター細胞を移植片に補充する助けとなる。T細胞活性化シグナル伝達カスケード(例えば、CD28、CD40L、およびCD2カスケード)にアクセスすることも含まれる。
細胞媒介急性拒絶は、多くの場合、免疫療法を強化することによって逆転することができる。逆転の成功後、移植片の激しく損傷した要素は線維症によって治癒し、移植片の残部は正常に見える。急性拒絶の解決後、免疫抑制剤の用量を非常に低いレベルに低減することができる。
腎臓移植における特有の問題である慢性の拒絶は、免疫抑制療法の進展にもかかわらず、しばしば知らぬ間に進行する。これは主に細胞媒介IV型過敏症が原因であると考えられる。病理学的プロファイルは、急性拒絶のそれとは異なる。動脈内皮は第一に、血管腔を徐々に閉塞し得る大規模な増殖に関与し、虚血、線維症、肥厚内膜、およびアテローム硬化性に至る。慢性の拒絶は主に、移植片脈管構造の進行性閉塞が原因であり、緩徐な血管炎性過程に類似している。
IV型過敏症では、CD8細胞傷害性T細胞およびCD4ヘルパーT細胞は、それぞれ、クラスIまたはクラスIIのMHC分子と複合されるとき、細胞内または細胞外の合成抗原のいずれか一方を認識する。マクロファージは抗原提示細胞として機能し、ヘルパーT細胞の増殖を促進するIL−1を分離する。ヘルパーT細胞は、ともにマクロファージ活性化によって媒介される遅延した多動性反応およびT細胞によって媒介される免疫を制御するインターフェロンガンマおよびIL−2を分離する。臓器移植については、細胞傷害性T細胞は、接触することで移植細胞を破壊する。
JAKキナーゼがT細胞の活性化において重要な役割を果たすので、本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、移植片拒絶の多くの面を治療および/または阻止するために使用されることができ、HVGRまたはGVHR等のT細胞によって少なくともある程度媒介される拒絶反応の治療および/または阻止において特に有用である。2,4−ピリミジンジアミン化合物を、レシピエント、特に臓移植レシピエントにおける慢性の拒絶を治療および/または阻止するために使用することもできる。移植レシピエントにおいて組織または臓器を移植する前に、化合物を組織または臓器に投与することもできる。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、自己免疫疾患を治療するのに有効な量の化合物を、そのような自己免疫疾患に罹患している患者に投与することを含む、T細胞媒介性自己免疫疾患を治療する方法を提供する。方法のある実施形態では、自己免疫疾患は、多発性硬化症(MS)、乾癬、またはシェーグレン症候群である。
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物を使用する治療を単独で適用することができ、または例えば、以下:メルカプトプリン、プレドニゾン等のコルチコステロイド、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロン、シクロホスファミド等のアルキル化剤、シクロスポリン、シロリムス、およびタクロリムス等のカルシニューリン阻害剤、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、およびアザチオプリン等のイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤、ならびに様々な抗体(例えば、抗リンパ球グロブリン(ALG)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、モノクローナル抗T細胞抗体(OKT3))および照射を含む、レシピエントの液性免疫応答を無傷のままにしながら、細胞性免疫を抑制するように設計された薬剤等の他の一般的な免疫抑制療法との併用で、もしくは付属的に適用することができる。これらの様々な薬剤を、市販薬に添付の処方情報に規定のそれらの標準または一般的な用量に従って使用することができ、(2006 Edition of The Physician’s Desk Referenceの処方情報もまた参照されたい)、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。アザチオプリンは、アザサン(AZASAN)という商品名でSalix Pharmaceuticals,Inc.から現在市販されており、メルカプトプリンはピュリネソール(PURINETHOL)という商品名でGate Pharmaceuticals,Inc.から現在市販されており、プレドニゾンおよびプレドニゾロンは、Roxane Laboratories,Inc.から現在市販されており、メチルプレドニゾロンは、Pfizerから現在市販されており、シロリムス(ラパマイシン)は、ラパミューン(RAPAMUNE)という商品名でWyeth−Ayerstから現在市販されており、タクロリムスは、プログラフ(PROGRAF)という商品名でFujisawaから現在市販されており、シクロスポリンは、サンディミュン(SANDIMMUNE)という商品名でNovartisから、ならびにジェングラフ(GENGRAF)という商品名でAbbottから現在市販されており、ミコフェノール酸モフェチルおよびミコフェノール酸等のIMPDH阻害剤は、セルセプト(CELLCEPT)という商品名でRocheから、ならびにマイフォーティック(MYFORTIC)という商品名でNovartisから現在市販されており、アザチオプリンは、イムラン(IMURAN)という商品名でGlaxo Smith Klineから現在市販されており、ならびに抗体は、オルソクローン(ORTHOCLONE)という商品名でOrtho Biotechから、シムレクト(バシリキシマブ)という商品名でNovartisから、ならびにゼナパックス(ダクリズマブ)という商品名でRocheから現在市販されている。
別の実施形態では、2,4−ピリミジンジアミン化合物をSykキナーゼの阻害剤との併用または付属的のいずれかで投与することができる。Sykキナーゼは、Fcγ受容体シグナル、ならびにB細胞受容体シグナル(Tumer et al.,(2000),Immunology Today 21:148−154)、および好中球におけるインテグリンベータ(1)、ベータ(2)、およびベータ(3)(Mocsavi et al.,(2002),Immunity 16:547−558)等を伴う他のシグナルカスケードにおいて重要な役割を果たすと知られているチロシンキナーゼである。例えば、Sykキナーゼは、アレルギー攻撃を引き起こす複数の化学伝達物質の活性化および後続分離をもたらすマスト細胞内の高親和性IgE受容体シグナルにおいて中心的な役割を果たす。しかしながら、遅延または細胞媒介のIV型過敏症反応に関与する経路を制御する助けとなるJAKキナーゼとは異なり、Sykキナーゼは、即時IgE媒介I型過敏症反応に関与する経路を制御する助けとなる。Syk経路に影響を及ぼすある化合物は、JAK経路にも影響を及ぼすかもしれない。
適切なSyk阻害化合物は、例えば、2003年1月31日出願の第10/355,543号(公開第2004/0029902号)、WO第03/063794号、2003年7月29日出願の第10/631,029号(公開第2007/0060603号)、WO第2004/014382号、2004年7月30日出願の第10/903,263号(公開第2005/0234049号)、2004年7月30日出願のPCT/US2004/24716号(WO第005/016893号)、2004年7月30日出願の第10/903,870号(公開第2005/0209224号)、2004年7月30日出願のPCT/US2004/24920号、2004年11月24日出願の第60/630,808号、2005年1月19日出願の第60/645,424号、および2005年2月18日出願の第60/654,620号に記載され、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミンおよびSyk阻害化合物を単独で、または前述の1つ以上の通常の移植片拒絶治療との併用で使用することができる。
特定の実施形態では、Syk阻害化合物または特定の疾病のための他の最新治療の1つでの治療に対して最初から無反応(抵抗)、もしくは無反応になる、いずれか一方の患者において、これらの疾病を治療または阻止するために2,4−ピリミジンジアミン化合物を使用することができる。Syk化合物抵抗者または無反応の患者において、2,4−ピリミジンジアミン化合物をSyk阻害化合物との併用で使用することができる。2,4−ピリミジンジアミン化合物をともに投与することができる適切なSyk阻害化合物は、上記に提供される。
別の実施形態では、本発明は、自己免疫疾患を治療するのに有効な式Iに記載の化合物の量を、少なくとも10μMのIC50でSykキナーゼを阻害する化合物との併用で、または付属的に、そのような自己免疫疾患に罹患している患者に投与することを含む、T細胞媒介性自己免疫疾患を治療する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、拒絶を治療または阻止するのに有効な式Iに記載の化合物の量を移植レシピエントに投与することを含む、移植レシピエントにおける急性または慢性のどちらか一方の同種移植片拒絶を治療または阻止する方法を提供する。さらなる実施形態では、移植レシピエントに組織または臓器を移植する前、または移植するのと同時に、化合物を組織または臓器に投与する。別の実施形態では、化合物を組織または臓器および患者に投与する。特定の実施形態では、同種移植片拒絶は、HVGRまたはGVHRによって媒介される。別の実施形態では、同種移植片臓器は、腎臓、心臓、肝臓、または肺である。同種移植片臓器が腎臓、心臓、肝臓、または肺である。別の実施形態では、化合物を別の免疫抑制剤との併用で、または付属的に投与する。より特定の実施形態では、免疫抑制剤は、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、IMPDHの阻害剤、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、抗T細胞抗体、またはOKT3である。
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物は、IL−4シグナルのサイトカイン調節剤である。結果として、2,4−ピリミジンジアミン化合物は、I型過敏症反応の反応を遅くすることができる。したがって、特定の実施形態では、2,4−ピリミジンジアミン化合物を、そのような反応、および、その結果、そのような過敏症反応(例えば、アレルギー)に関連する、それによって媒介される、またはそれによって引き起こされる疾病を予防的に治療するために使用することができる。例えば、アレルギー患者は、アレルギー反応の発病もしくは進行を遅延させる、または完全に排除するために、予期されたアレルゲンへの曝露前に、本明細書に記載のJAK選択的化合物の1つ以上を摂取することができる。
そのような疾病を治療または阻止するために使用されるとき、2,4−ピリミジンジアミン化合物を、1つ以上の2,4−ピリミジンジアミン化合物の混合物として単独で、またはそのような疾病および/またはそのような疾病に関連する症状を治療するのに有用な他の薬剤との混合物もしくは併用で、投与することができる。数例挙げると、ステロイド、膜安定剤、5−リポキシゲナーゼ(5LO)阻害剤、ロイコトリエン合成および受容体阻害剤、IgEアイソタイプスイッチまたはIgE合成の阻害剤、IgGアイソタイプスイッチまたはIgG合成、β−アゴニスト、トリプターゼ阻害剤、アスピリン、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、メトトレキサート、抗TNF 薬物、リツキシマブ、PD4阻害剤、p38阻害剤、PDE4阻害剤、および抗ヒスタミン剤等の、他の疾患または病弊を治療するのに有用な薬剤の混合物または併用で、2,4−ピリミジンジアミン化合物を投与することができる。プロドラッグの形で、または薬学的組成物として、活性化合物を含む2,4−ピリミジンジアミン化合物を投与することができる。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、過敏症反応を治療または阻止するのに有効な量の化合物を被験体に投与することを含む、IV型過敏症反応を治療または阻止する方法を提供する。1つの実施形態では、方法を予防的に実行する。いくつかの実施形態では、アレルゲンへの曝露前に化合物を投与する。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、そのようなシグナルカスケードに関与する受容体を発現する細胞を、化合物に接触させることを含む、JAK3キナーゼがその中で役割を果たすシグナル伝達カスケードを阻害する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、JAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止するのに有効な量の化合物を被験体に投与することを含む、JAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、JAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止するのに有効な量の化合物を被験体に投与することを含む、JAK媒介疾病がHVGRまたはGVHRであるJAKキナーゼ媒介性疾患を治療または阻止する方法を提供する。
別の実施形態では、本明細書に記載の式Iの化合物の有効な量を使用して眼疾患を治療する。眼疾患を治療するための開示方法の1つの側面では、現在開示される2,4−ピリミジンジアミン化合物の1つ以上の投与は、未治療の涙の産生量と比較して、涙の産生量を増加させるのに有効であり、その結果、ドライアイ症候群の症状を改善する。1つの側面では、涙の産生量は、4日未満等の5日以内、およびいくつかの実施例では、2日未満に増加する。1つの実施形態では、涙の産生量は、現在開示される2,4−ピリミジンジアミン化合物での初期治療の2日以内に、最初の涙の産生量から少なくとも約25%増加する。他の実施形態では、涙の産生量は、2日未満以内に、最初の涙の産出量から少なくとも約50%等の、少なくとも約30%増加する。本化合物の投与を伴う涙の産生量の増加は、場合によっては、正常な涙の産生量に相当する涙の産生量をもたらす。典型的には、局所的に眼疾患を治療するために使用されるとき、開示される化合物を、少なくとも1日1回、および典型的には最大限で1日2回投与する。
述べられたように、別の実施形態は、化合物が本明細書に記載の式Iであり、眼の疾病および/または疾患を治療するのに有効な量の化合物を被験体に投与することを含む、眼の疾病および/または障害を治療する方法を提供する。眼の疾病および疾患には、ドライアイ症候群、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、緑内障、および酒さ(眼の)が含まれるが、それらに限定されない。別名、乾性角結膜炎(KCS)、乾燥角膜炎、乾燥症候群、または眼球乾燥症として知られているドライアイ症候群(DES)は、一般にヒトおよびいくつかの動物に見られる、涙の産生量の低下または涙液層蒸発の増大によって引き起こされる眼疾患である。ブドウ膜炎または虹彩毛様体炎は、眼の中間層の炎症(「ブドウ膜」)を指し、一般的な用法では、眼内に関係する炎症過程を指し得る。アレルギー性結膜炎は、アレルギーによる結膜(白目を覆う膜)の炎症である。緑内障は、特徴的パターン、すなわち、視神経症の型において、視神経に影響を及ぼし、網膜神経節細胞の喪失を伴う疾患群を指す。眼圧の上昇は、緑内障を発生させる重大な危険因子であり(22mmHgまたは2.9kPaを超えて)、炎症過程、例えばブドウ膜炎は、眼圧のこの上昇を引き起こし得る。酒さは、顔面紅斑を特徴とする慢性の炎症状態であるが、眼に影響を及ぼし得る。述べられたように、本明細書に記載の化合物は、炎症反応を治療するために使用され得る。理論に縛られないことを望むとはいえ、本明細書に記載の化合物は、少なくともある程度、それらのJAK阻害活性のおかげで、これらの眼疾患の有効な治療である。
本明細書に記載の活性化合物は、典型的にはJAK/STAT経路を阻害する。JAKキナーゼの阻害剤としての特定の化合物の活性を、インビトロまたはインビボで評価することができる。いくつかの実施形態では、細胞アッセイで特定の化合物の活性を試験することができる。適切なアッセイには、JAKキナーゼのリン酸化活性またはATPase活性のいずれか一方の阻害を決定するアッセイが含まれる。したがって、化合物は、約20μMまたはそれ未満のIC50でJAKキナーゼのリン酸化またはATPase活性を阻害する場合、JAKキナーゼの活性を阻害すると言われている。
「細胞増殖性疾患」は、細胞の異常増殖を特徴とする疾患を指す。増殖性疾患は、細胞増殖率に対していかなる制限も暗示しないが、成長および細胞***に影響を及ぼす正常対照の損失を示す。したがって、いくつかの実施形態では、増殖性疾患の細胞は、正常細胞と同一の細胞***速度を有するが、そのような成長を制限するシグナルに応答しない。「細胞増殖性疾患」の範囲内では、組織の異常な成長である新生物または腫瘍である。癌は、周囲組織に侵入する、および/または新規定着部位に転移する能力を有する細胞の繁殖を特徴とする、様々な悪性新生物のいずれかを指す。
「造血系新生物」は、造血系の細胞から生じる細胞増殖性疾患を指す。通常、造血は、未分化細胞または幹細胞が、末梢血で見出される様々な細胞に発展する、生理学的過程である。発展の初期段階では、典型的には骨髄で見出される造血幹細胞は、2つの主要な発生経路、リンパ系および骨髄細胞系に関与する多能性前駆細胞を形成するために、一連の細胞***を経験する。骨髄細胞系の委任前駆細胞は、赤血球、巨核球、および顆粒球/単球発生経路を含む、3つの主要な下位部門に分化する。付加的な経路は、抗原提示に関与する樹枝状細胞の形成をもたらす。赤血球系は赤血球を引き起こし、一方、巨核球系は血小板を引き起こす。顆粒球/単球系の委任細胞は、顆粒球または単球発生経路に分かれ、前者の経路は、好中球、好酸球、および好塩基球の形成をもたらし、後者の経路は、血中単球およびマクロファージを引き起こす。
リンパ系の委任前駆細胞は、B細胞経路、T細胞経路、または、非T/B細胞経路に発展する。骨髄細胞系と同様に、付加的なリンパ経路は、抗原提示に関与する樹枝状細胞を引き起こすように見える。B細胞前駆細胞は、免疫グロブリンを産生する責任があるB細胞に分化する、前駆体B細胞(B以前)に発展する。T細胞系の前駆細胞は、あるサイトカインの影響に基づいて、細胞媒介免疫に関与する細胞傷害性またはヘルパー/抑制因子T細胞に発展する前駆体T細胞(T以前)に分化する。非T/B細胞経路は、ナチュラルキラー(NK)細胞の産出をもたらす。造血細胞の新生物は、造血幹細胞、多能性前駆細胞、オリゴポテント委任前駆細胞、前駆体細胞、および分化成熟細胞を含む、造血の任意の段階の細胞を含むことができる。造血系新生物のカテゴリーは、通常、当業者によって採用される記述および診断基準に従うことができる(例えば、International Classification of Disease and Related Health Problems(ICD10),World Health Organization(2003)を参照)。細胞表面マーカーおよび遺伝子発現プロファイル等の分子構造、異常細胞によって示される細胞表現型、および/または慢性骨髄性白血病で見出されるフィラデルフィア染色体等の、ある造血系新生物の染色体異常(例えば、削除、転座、挿入等)等の分子の特性に基づいて、造血系新生物を特徴付けることもできる。他の分類には、National Cancer Institute Working Formulation(Cancer,1982,49:2112−2135)およびRevised European−American Lymphoma Classification(REAL)が含まれる。
「リンパ系新生物」は、造血のリンパ系の細胞を含む増殖性疾患を指す。リンパ系新生物は、造血幹細胞、ならびにリンパ委任前駆細胞、前駆体細胞、および末端分化細胞から生じ得る。異常細胞の表現型特質および異常細胞がそれから生じる分化状態に基づいて、これらの新生物を細分することができる。細分には、特に、B細胞新生物、T細胞新生物、NK細胞新生物、およびホジキンリンパ腫が含まれる。
「脊髄新生物」は、造血の骨髄細胞系の細胞の増殖性疾患を指す。新生物は、造血幹細胞、脊髄委任前駆細胞、前駆体細胞、および末端分化細胞から生じ得る。脊髄新生物は、異常細胞の表現型特質および異常細胞がそれから生じる分化状態に基づいて、細分することができる。細分には、特に、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、急性脊髄白血病、および急性混合型白血病が含まれる。
通常、本明細書に開示の化合物と治療可能な細胞増殖性疾患は、異常細胞増殖を特徴とする任意の疾患に関する。これらには、良性または悪性、転移性または非転移性の、様々な腫瘍および癌が含まれる。本明細書に記載の方法を使用することによって、組織侵襲性または転移等の癌の特異性を標的化することができる。細胞増殖性疾患には、特に、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、消化管癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、肺扁平上皮癌、および腺癌を含む、多種多様の癌が含まれる。より具体的には、体の特定の組織、臓器、または部位、心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、および奇形腫、肺:気管支癌(扁平上皮細胞、未分化 小細胞、未分化大型細胞、腺癌)、歯槽(細気管支)癌腫、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、胃腸:食道(扁平上皮細胞癌腫、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、膵島細胞腺腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮細胞癌腫、移行細胞癌腫、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、睾丸(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛腫、肉腫、間細胞癌腫、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫)、肝臓:肝臓癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、骨:骨肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)(骨軟骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、および巨細胞腫、神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽(細胞)腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、婦人科:子宮(子宮内膜癌)、頸部(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌 [漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類の癌腫]、顆粒膜莢膜細胞腫瘍、セルトリライディヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫]、卵管(癌腫)、血液:血液(脊髄白血病 [急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫 [悪性リンパ腫]、皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬、および副腎:神経芽細胞腫に関する。本明細書で提供される用語「癌性細胞」には、上記で特定される病態のいずれか1つによって蝕まれる細胞が含まれる。
いくつかの実施形態では、治療された細胞増殖性疾患は、造血系の細胞の異常増殖である、造血系新生物である。造血器悪性腫瘍は、その起源を造血に関与する多能性幹細胞、多能性前駆細胞、オリゴポテント委任前駆細胞、前駆体細胞、および末端分化細胞に有することができる。いくつかの血液悪性腫瘍は、自己再生の能力を有する造血幹細胞に由来すると考えられる。例えば、移植の際に、急性脊髄白血病(AML)の特定のサブタイプを生み出す能力のある細胞は、造血幹細胞の細胞表面マーカーを示し、造血幹細胞を白血病細胞の源として関係付ける。造血幹細胞の細胞マーカー特徴を有さない芽細胞は、移植の際に、腫瘍を確立する能力がないように見える(Blaire et al.,1997,Blood 89:3104−3112)。ある血液悪性腫瘍の幹細胞発生はまた、特殊な型の白血病に関連する特定の染色体異常が、造血系の正常細胞、ならびに白血病芽細胞で見出されることができるという見解においての支持を見出す。例えば、約95%の慢性の骨髄性白血病に関連する相互転座t(9q34;22q11)は、脊髄、赤血球、およびリンパ系の細胞に存在するように思われ、染色体異常が造血幹細胞に由来することを示唆する。CMLのある型における細胞の下位集団は、造血幹細胞の細胞マーカー表現型を示す。
造血系新生物はしばしば幹細胞に由来するが、委任前駆細胞、または発生系列のより末端分化された細胞は、いくつかの白血病の原因であり得る。例えば、一般的な脊髄前駆細胞または顆粒球/マクロファージ前駆細胞における融合タンパク質Bcr/Abl(慢性骨髄性白血病に関連する)の強制発現は、白血病のような病態を引き起こす。さらに、白血病のサブタイプに関連するいくつかの染色体異常は、造血幹細胞のマーカー表現型を伴う細胞集団では見出されないが、造血経路のより分化した病態のマーカーを示す細胞集団で見出される(Turhan et al.,1995,Blood 85:2154−2161)。したがって、委任前駆細胞および他の分化細胞が、細胞***の制限された可能性のみを有し得る一方、白血病細胞は、未制御に成長する能力を獲得したかもしれず、場合によっては、造血幹細胞の自己再生特徴を模倣する(Passegue et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2003,100:11842−9)。
いくつかの実施形態では、治療された造血系新生物は、異常細胞がリンパ系の細胞の特徴的表現型に由来する、および/またはそれを示す、リンパ新生物である。リンパ新生物は、B細胞新生物、TおよびNK細胞新生物、およびホジキンリンパ腫に細分され得る。B細胞新生物は、前駆体B細胞新生物および成熟/体皮B細胞新生物にさらに細分され得る。模範的なB細胞新生物は、前駆体Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫(前駆体B細胞急性リンパ芽球性白血病)であり、一方、模範的な成熟/体皮B細胞新生物は、B細胞慢性リンパ性白血病/小リンパ性リンパ腫、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾性辺縁帯B細胞リンパ腫、毛様細胞白血病、形質細胞性骨髄腫/形質細胞腫、MALT型節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、外套細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、およびバーキットリンパ腫/バーキット細胞白血病である。T細胞およびNk細胞新生物は、前駆体T細胞新生物および成熟(末梢)T細胞新生物に細分され得る。模範的な前駆体T細胞新生物は、前駆体T−リンパ芽球性リンパ腫/白血病(前駆体T細胞急性リンパ芽球性白血病)であり、一方、模範的な成熟(末梢)T細胞新生物は、T細胞前リンパ性白血病、T細胞顆粒性リンパ性白血病、侵攻性NK細胞白血病、成人T細胞リンパ腫/白血病(HTLV−1)、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾ガンマデルタT細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様 T細胞リンパ腫、菌状息肉腫/セザリー症候群、未分化大細胞リンパ腫、T/ヌル細胞、皮膚原発型、体皮T細胞リンパ腫、他に特性化されなければ、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、T/ヌル細胞、全身原発型である。リンパ新生物の第3メンバーは、ホジキンリンパ腫であり、ホジキン疾病を指す。化合物を伴って治療され得るこの分類の模範的な診断には、特に、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、およびホジキン疾病の様々な古典的な形が含まれ、その模範的なメンバーは、結節硬化型ホジキンリンパ腫(グレード1および2)、リンパ球豊富型古典的ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、およびリンパ球減少型ホジキンリンパ腫である。様々な実施形態では、異常JAK活性に関連するリンパ新生物のいずれかを、JAK阻害化合物で治療することができる。
いくつかの実施形態では、治療された造血系新生物は、脊髄新生物である。この群には、骨髄細胞系の細胞の特徴的表現型を含む、または示す細胞増殖性疾患の大分類が含まれる。脊髄新生物は、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄異形成 症候群、および急性脊髄白血病に細分され得る。模範的な骨髄増殖性疾患は、慢性の骨髄性白血病(例えば、フィラデルフィア染色体陽性(t(9;22)(qq34;q11))、慢性の好中球性白血病、慢性の好酸球性白血病/好酸球増加症候群、慢性の特発性 骨髄線維症、真性赤血球増加症、および本態性血小板血症である。模範的な骨髄異形成/骨髄増殖性疾患は、慢性骨髄単球性白血病、異型慢性骨髄性白血病、および若年性骨髄単球性白血病である。模範的な骨髄異形成症候群は、環状鉄芽球を伴う、および環状鉄芽球を伴わない不応性貧血、多系列異形成を伴う難治性血球減少(骨髄異形成症候群)、過剰芽球5q−症候群を伴う不応性貧血(骨髄異形成症候群)、および骨髄異形成症候群である。様々な実施形態では、異常JAK活性に関連する脊髄新生物のいずれかを、JAK阻害化合物で治療することができる。
いくつかの実施形態では、それ自体の疾患の細分を有する脊髄新生物の大分類を表す急性脊髄白血病(AML)を治療するために、JAK阻害化合物を使用することができる。これらの細分には、特に、再発性細胞遺伝学的転座を伴うAML、多系列異形成を伴うAML、および他に分類されなければ、他のAMLが含まれる。再発性細胞遺伝学的転座を伴う模範的なAMLには、特に、t(8;21)(q22;q22)を伴うAML、AML1(CBF−alpha)/ETO、急性前骨髄球性白血病(t(15;17)(q22;q11−12)および変異体を伴うAML、PML/RAR−アルファ)、異常骨髄好酸球を伴うAML(inv(16)(p13q22)またはt(16;16)(p13;q11)、CBFb/MYH11X)、および11q23(MLL)異常を伴うAMLが含まれる。多系列異形成を伴う模範的なAMLは、事前の骨髄異形成症候群と関連する、または関連しないものである。いかなる限定可能な群にも分類されない他の急性脊髄白血病には、低分化されたAML、成熟を伴わないAML、成熟を伴うAML、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤血球白血病、急性巨核球白血病、急性好塩基球性白血病、および骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症が含まれる。
そのような阻害のためのアッセイの1つの手段は、下流遺伝子産物の上方制御での2,4−ピリミジンジアミン化合物の影響の検出である。Ramos/IL4アッセイにおいて、B細胞は、転写因子Stat−6を順にリン酸化および活性化する、JAKファミリーキナーゼ、JAK1およびJAK3のリン酸化を介してJAK/STAT経路の活性化をもたらすサイトカインインターロイキン−4(IL−4)で刺激される。活性化されたStat−6によって上方制御される遺伝子の1つは、低親和性IgE受容体、CD23である。JAK1およびJAK3キナーゼへの阻害剤(例えば、本明細書に記載の2,4−置換ピリミジンジアミン化合物)の影響を研究するために、ヒトラモスB細胞は、ヒトIL−4で刺激される。刺激作用後20から24時間、細胞は、CD23の上方制御のために染色され、フローサイトメトリー(FACS)を使用して分析される。対照条件と比較して、存在するCD23の量の減少は、JAKキナーゼ経路を活発に阻害する試験化合物を示す。
本明細書に記載の化合物の活性はさらに、初代ヒトT細胞の増殖性応答への本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物の影響をアッセイすることを特徴とすることができる。このアッセイでは、末梢血に由来し、T細胞受容体およびCD28の刺激作用を介して事前活性化される初代ヒトT細胞は、サイトカインインターロイキン−2(IL−2)に応答して、培養で増殖する。この増殖性応答は、転写因子Stat−5をリン酸化および活性化する、JAK1およびJAK3チロシンキナーゼの活性化に依存している。初代ヒトT細胞は、IL−2の存在下で、2,4−ピリミジンジアミン化合物とともに72時間インキュベートされ、細胞内のATP濃度は、細胞の生存を評価するためにアッセイ終点で測定される。対照条件と比較して、細胞増殖の減少は、JAKキナーゼ経路の阻害を示している。
本明細書に記載の化合物の活性は、加えて、A549肺上皮細胞およびU937細胞への本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物の影響をアッセイすることを特徴とする。A549肺上皮細胞およびU937細胞は、多種多様の異なる刺激に応答して、ICAM−1(CD54)表面発現を上方制御する。したがって、読み取りとしてICAM−1発現を使用することによって、異なるシグナル経路への試験化合物の影響を、同一の細胞型で評価することができる。IL−1β受容体を介するIL−1βを伴う刺激作用は、ICAM−1の上方制御をもたらすTRAF6/NFκB経路を活性化する。IFNγは、JAK1/JAK2経路の活性化を介して、ICAM−1上方制御を引き起こす。ICAM−1の上方制御を、化合物用量曲線にわたってフローサイトメトリーによって数量化することができ、EC50値を算出する。
本明細書に記載の活性化合物は、本明細書に記載のアッセイで測定されるように、通常、約1mM以下の範囲で、IC50を伴ってJAKキナーゼ経路を阻害する。当然ながら、当業者は、低いIC50(例えば、100μM、75μM、50μM、40μM、30μM、20μM、15μM、10μM、5μM、1μM、500nM、100nM、10nM、1nM、またはさらにそれより低いオーダー)を示す化合物は、治療への応用に特に有用であり得ることを認識するであろう。特有の細胞型に特異的である活性が望まれる場合において、所望の細胞型を伴う活性のために化合物をアッセイすることができ、他の細胞型に対する活性の欠如のためにカウンタースクリーンすることができる。このようなカウンタースクリーンにおける「不活性」の所望の程度、または活性対不活性の所望の割合は、様々な状況で異なり得、ユーザによって選択され得る。
2,4−ピリミジンジアミン活性化合物はまた、典型的には、IC50を伴うB細胞において、約20μM以下の範囲で、典型的には、約10μM、1μM、500nM、100nM、10nM、1nM、またはさらにそれより低い範囲で、CD23のIL−4刺激発現を阻害する。使用され得る適切なアッセイは、実施例2「IL−4でのラモスB細胞株刺激のためのアッセイ」に記載のアッセイである。ある実施形態では、活性2,4−ピリミジンジアミン化合物は、実施例2に記載のアッセイにおいて、5μM以下、5μM超20μM未満、20μM超、または20μM超50μM未満のIC50を有する。
加えて、2,4−ピリミジンジアミン活性化合物は、典型的には、約20μM以下の範囲、典型的には、約10μM、1μM、500nM、100nM、10nM、1nM、またはさらにそれより低い範囲で、IC50を伴うヒト初代T細胞の活性を阻害する。ヒト初代T細胞に対するIC50は、単離ヒト初代T細胞を伴う標準インビトロアッセイにおいて決定され得る。使用され得る適切なアッセイは、前述のアッセイ「IL−2で刺激される初代ヒトT細胞増殖アッセイ」である。いくつかの実施形態では、活性2,4−ピリミジンジアミン化合物は、前述のアッセイにおいて、5μM以下、5μM超20μM未満、20μM超、または20μM超50μM未満のIC50を有する。
2,4−ピリミジンジアミン活性化合物はまた、典型的には、約20μM未満の範囲、典型的には、約10μM、1μM、500nM、100nM、10nM、1nM、またはさらにそれより低い範囲で、IC50を伴うU937またはA549細胞におけるIFNγ曝露によって誘発されるICAM1(CD54)の発現を阻害する。IFNγ刺激細胞におけるICAM(CD54)の発現に対するIC50は、単離A549またはU937細胞株を伴う機能的細胞アッセイにおいて決定され得る。活性2,4−ピリミジンジアミン化合物は、典型的には、アッセイにおいて、20μM以下、20μM超、または20μM超50μM未満のIC50を有する。
E.本発明の薬学的組成物
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物(またはそのプロドラッグ)を含む薬学的組成物を、通常の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、粉体化、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥過程の手段によって製造することができる。1つ以上の生理学的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤、または活性化合物を薬剤的に使用されることができる製剤に加工するのを促進する助剤を使用する通常の方法で、組成物を製剤化することができる。
薬学的組成物それ自体で、または水和物、溶媒和物、N−オキシド、または本明細書に記載の薬剤的に許容できる塩の形で、2,4−ピリミジンジアミン化合物またはプロドラッグを製剤化することができる。典型的には、そのような塩は、対応する遊離酸および塩基よりも水溶液においてより可溶性であるが、対応する遊離酸および塩基よりも低い溶解度を有する塩を形成することもできる。
1つの実施形態では、本発明は、前述の本発明の化合物から選択される化合物を含む薬学的製剤を提供する。
化合物を多種多様の製剤および用量で提供することができる。薬学的組成物それ自体で、または水和物、溶媒和物、N−オキシド、または本明細書に記載の薬剤的に許容できる塩の形で、化合物またはプロドラッグを製剤化することができることを含む、薬剤的に許容できる形で、化合物を提供することができる。典型的には、そのような塩は、対応する遊離酸および塩基よりも水溶液においてより可溶性であるが、対応する遊離酸および塩基よりも低い溶解度を有する塩を形成することもできる。化合物、2,4−ピリミジンジアミン化合物、または製剤を論じる場合の「活性」への参照はまた、当業者に知られているような適切な場合には、2,4−ピリミジンジアミン化合物のプロドラッグの製剤を含むよう意図されることを理解されたい。
1つの実施形態では、化合物は、前述の無毒性の薬剤的に許容できる塩として提供される。本発明の化合物の適切な薬剤的に許容できる塩には、塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、またはリン酸等を伴って形成される酸付加塩が含まれる。アミン基の塩はまた、アミノ窒素原子が、アルキル、アルケニル、アルキニル、または置換アルキル部分等の適切な有機基をそこに輸送する四級アンモニウム塩も含み得る。さらに、本発明の化合物が酸性部分を輸送する場合、その適切な薬剤的に許容される塩は、アルカリ金属塩等の金属塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩、およびアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩を含み得る。
本発明の薬剤的に許容できる塩を、塩がその中では不溶性である溶媒または媒体において、または真空内に除去される水等の溶媒において、生成物の遊離塩基型を適切な酸の1当量以上と反応させることによって、もしくは凍結乾燥法によって、または適切なイオン交換樹脂上で、存在する塩のアニオンを別のアニオンに交換することによって等の通常の手段によって形成することができる。
本発明には、その範囲内で、2,4−ピリミジンジアミン化合物およびその塩、例えば、水和物の溶媒和物が含まれる。
2,4−ピリミジンジアミン化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得、それゆえに、鏡像異性体およびジアステレオマーの両方として存在し得る。全てのそのような異性体およびその混合物は、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。
経口、非経口(例えば、筋肉、腹腔、静脈、ICV、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)によって、鼻吸入スプレー、鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)、または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エーロゾル等)によって、2,4−ピリミジンジアミン化合物を投与することができ、単独で、または一緒に、通常の無毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、および投与の各経路に適切な媒体を含む、適切な投与単位製剤で製剤化することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、およびサル等の温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトに有効である。
2,4−ピリミジンジアミン化合物の投与のための薬学的組成物を、好都合なことに投与単位形で表してもよく、薬学分野でよく知られている方法のいずれかによって調製することができる。薬学的組成物を、例えば、活性成分を、液体担体もしくは細かく分割された固形担体、または両方に均一および密接に会合させ、次いで、必要であれば、生成物を所望の製剤に成型することによって調製することができる。薬学的組成物では、活性目的化合物は、所望の治療効果をもたらすのに十分な量で含まれる。例えば、本発明の薬学的組成物は、例えば、局所、眼球、経口、口腔、全身、鼻、注射、経皮、直腸、膣等を含む、投与の任意の形態に実質的に適切な形、または吸入もしくは吹送による投与に適切な形を取り得る。
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物もしくはプロドラッグ、またはその組成物は、通常、意図する結果を達成するのに有効な量で、例えば、治療される特定の病態を治療または阻止するのに有効な量で、使用されるであろう。治療的有用性を達成するために、または予防的有用性を予防的に達成するために、化合物を投与することができる。治療的有用性とは、患者が基礎疾患にまだ苦しめられ得るにも関わらず、患者が感情または病態における改善を報告するように、治療される基礎疾患の根絶もしくは改善、および/または基礎疾患に関連する症状の1つ以上の根絶もしくは改善を意味する。例えば、アレルギーに罹患している患者への化合物の投与は、基礎アレルギー反応が根絶または改善されるときのみならず、患者が重症度またはアレルゲンへの曝露後のアレルギーと関連する症状の持続時間における減少を報告するときもまた、治療的有用性を提供する。別の例として、喘息と関連する治療的有用性には、喘息の発作の開始後の呼吸における改善、または喘息の発症の頻度または重症度における低下が含まれる。別の具体例として、移植拒絶と関連する治療的有用性には、急性拒絶、例えば、HVGRもしくはGVHR等の発症を軽減する能力、または急性拒絶の発症および/または慢性拒絶の発症の期間を延長する能力が含まれる。治療的有用性はまた、改善が確認されるかに関わらず、疾病の進行を停止または遅くすることを含む。
投与される化合物の量は、例えば、治療される特定の病態、投与の形態、治療される病態の重症度ならびに患者の年齢および体重、特定の活性化合物の生物学的利用率等を含む、多種多様の要因に依存する。当業者であれば有効量は十分に決めることができる。
当業者に知られるように、2,4−ピリミジンジアミン化合物の好ましい用量はまた、治療される個人の年齢、体重、総体的な健康状態、および病態の重症度に依存する。用量はまた、個人の性別、および/または吸入によって投与される場合には、個人の肺活量に合わせて調製される必要があり得る。用量はまた、1つ以上の病態に罹患している個人、または肺活量および正常に呼吸する能力、例えば、肺気腫、気管支炎、肺炎、呼吸器感染等に影響を及ぼす付加的病態を有する個人に合わせて調製され得る。用量、および化合物またはそのプロドラッグの投与の頻度はまた、化合物が、病態の急性発症の治療のため、または疾患の予防的治療のために製剤化されるかに依存する。例えば、アレルギー状態の急性発症には、アレルギー関連喘息、移植片拒絶等が含まれる。熟練した施術者は特定の個人に対する適量を決定することができる。
予防的投与として、すでに記載の病態の1つを発症する危険性のある患者に化合物を投与することができる。例えば、患者が特定の薬物に対してアレルギーがあるか無知である場合、薬物に対するアレルギー反応を回避または改善するために、薬物の投与前に化合物を投与することができる。あるいは、基礎疾患と診断された患者において、症状の発症を回避するために、予防的投与を適用することができる。例えば、予期されたアレルゲンへの曝露前に、アレルギー患者に化合物を投与することができる。疾患の発症を阻止するために、上記記載の病弊の1つに知られている薬剤に繰り返し曝露される健全な個人に、化合物を予防的に投与することもできる。例えば、個人がアレルギーを発症することを阻止する目的で、ラテックス等のアレルギーを引き起こすことで知られているアレルゲンに繰り返し曝露される健全な個人に、化合物を投与することができる。あるいは、喘息発症の重症度を軽減する、または完全に回避するために、喘息の発作を引き起こす活動に参加する前に、喘息に罹患している患者に化合物を投与することができる。
移植片拒絶において、拒絶の開始を回避するために、患者が急性拒絶反応を有していない間に、および/または慢性拒絶の臨床的適応の出現前に、化合物を投与することができる。患者において組織または臓器を移植する前に、化合物を患者に全身的に、ならびに組織または臓器に投与することができる。
2,4−置換ピリミジンジアミン、そのプロドラッグ、または少なくとも1つの2,4−ピリミジンジアミンの用量、または本明細書に開示の少なくとも1つの2,4−ピリミジンジアミンを含む組成物を含み得る化合物を含む、薬学的製剤の投与のためのキットもまた提供される。キットには、化合物の使用のための適切な包装および/または説明書がさらに含まれ得る。キットには、少なくとも1つの2,4−ピリミジンジアミン、または吸入器、スプレー式ディスペンサー(例えば、スプレー式点鼻薬)、注射のための注射器、またはカプセル、テーブル、坐薬、もしくは本明細書に記載の他の装置のための圧力パック等の少なくとも1つの2,4−置換ピリミジンジアミンを含む組成物の送達のための手段もまた含まれ得る。
上記に要約される実施形態は、上記で明確に示されない付加的な実施形態を作成するために、任意の適切な組み合わせでともに使用され得、そのような実施形態は、本発明の一部であると見なされることを、当業者によって認識されるであろう。
F.本発明の化合物の一般的合成
本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグを、市販の出発原料および/または通常の合成法によって調製される出発原料を使用して、多種多様の異なる合成経路を介して合成することができる。本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグを合成するために日常的に適応され得る適切な模範的な方法は、米国特許第5,958,935号で見出され、その開示は参照によって本明細書に組み込まれる。多数の2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグ、ならびにその中間体の合成を説明する具体例は、2003年1月31日出願の同時係属米国出願第10/355,543号(US2004/0029902A1号)に記載されており、その内容は参照によって本明細書に組み込まれる。活性2,4−ピリミジンジアミン化合物を合成するために日常的に使用および/または適応され得る適切な模範的な方法はまた、2003年1月31日出願の国際出願PCT/US03/03022号(WO第03/063794号)、2003年7月29日出願の米国出願第10/631,029号、国際出願PCT/US03/24087号(WO第2004/014382号)、2004年7月30日出願の米国出願第10/903,263号、および国際出願PCT/US2004/24716号(WO第005/016893号)で見出されることができ、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の化合物(プロドラッグを含む)の全てを、これらの方法の日常的適応によって調製することができる。
本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミンのための特定の模範的な合成法はまた、以下の実施例1で示される。当業者はまた、本明細書に記載の付加的な2,4−ピリミジンジアミンの合成のためのこれらの実施例を容易に適応することができるであろう。
本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物を合成するために使用され得る多種多様の模範的な合成経路は、以下の図式(I)〜(VII)で説明される。本明細書に記載の2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグを合成するために、これらの方法を日常的に適応することができる。
1つの模範的な実施形態では、以下の図式(I)で示されるように、化合物を置換または非置換ウラシルから合成することができる。
Figure 2012513480
図式(I)では、R、(R、(R、R、R、およびXは、本明細書で定義される通りであり、およびQは、−YN(R)S(O)N(R)Rであり、R、R、およびRは、本明細書で定義される通りである。図式(I)によると、ウラシルA−1は、POCl(または他の標準ハロゲン化剤)等の標準ハロゲン化剤を使用して、標準条件下で、2−および4−の位置でジハロゲン化され、2,4−ジクロロピリミジンA−2を産生する。ピリミジンジアミンA−2でのX置換基次第で、C4位置での塩化物は、C2位置での塩化物よりも、求核試薬への反応性が高い。この反応性差異は、2,4−ピリミジンジアミンIを合成するために利用され得、2,4−ジクロロピリミジンA−2をまずアミンA−3の1当量と反応させて、4N−置換−2−クロロ−4−ピリミジンアミンA−4を産生し、次に、アミンA−5と反応させて、2,4−ピリミジンジアミン誘導体A−6を産生し、N4窒素は、式Iの化合物を得るために選択的にアルキル化され得る。
典型的には、C4ハロゲン化物は、図式(I)で示されるように、求核試薬に対してより反応性が高い。しかしながら、当業者によって認識されるように、X置換基の固有性は、この反応性を変化させ得る。例えば、Xがトリフルオロメチルのとき、50:50の4N−置換−4−ピリミジンアミンA−4および対応する2N−置換−2−ピリミジンアミンの混合物が得られる。当技術分野でよく知られているように、溶媒および他の合成状態(温度等)を調節することによって、反応の位置選択性を制御することができる。
図式(I)で示される反応は、反応混合物がマイクロ波を介して加熱されるとき、より迅速に進行し得る。この方法で加熱するとき、以下の条件を使用することができる。密封管(20バー圧力)内のSmith Reactor(Personal Chemistry,Uppsala,Sweden)の中で、5−20分間、エタノール中で175℃まで加熱する。
ウラシルA−1出発原料を商業的供給源から購入することができ、または有機化学の標準的方法を使用して調整することができる。図式(I)で出発原料として使われ得る市販のウラシルには、例としてあげるが限定を意図したものでなく、ウラシル(Aldrich#13,078−8、CAS登録番号66−22−8)、5−ブロモウラシル(Aldrich#85,247−3、CAS登録番号51−20−7)、5−フルオロウラシル(Aldrich#85,847−1、CAS登録番号51−21−8)、5−ヨードウラシル(Aldrich#85,785−8、CAS登録番号696−07−1)、5−ニトロウラシル(Aldrich#85,276−7、CAS登録番号611−08−5)、および5−(トリフルオロメチル)−ウラシル(Aldrich#22,327−1、CAS登録番号54−20−6)が含まれる。付加的な5−置換ウラシルは、General Intermediates of Canada,Inc.,Edmonton,CA、および/またはInterchim,Cedex,Franceから入手可能であり、または標準的方法を使用して調整され得る。適切な合成法を教示する無数の参考文献が以下に提供される。
アミンA−3およびA−5を商業的供給源から購入することができ、あるいは、標準的方法を使用して合成することができる。例えば、標準的化学を使用して、適切なアミンをニトロ前駆体から合成することができる。特定の模範的な反応は、実施例の項で提供される。Vogel,1989,Practical Organic Chemistry,Addison Wesley Longman,Ltd.およびJohn Wiley&Sons,Inc.もまた参照されたい。
当業者は、場合によっては、ウラシルA−1上のアミンA−3およびA−5ならびに/または置換基Xは、合成中、保護を必要とする官能基を含み得ることを認識するであろう。使用される任意の保護基の的確な固有性は、保護される官能基の固有性に依存し、当業者には明白であろう。適切な保護基、ならびにそれらの付着および除去のための合成戦略を選択するための指針は、例えば、Greene&Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3d Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York(1999)、およびその中で引用される参考文献(以下「Greene&Wuts」)で見出すことができる。
したがって、「保護基」は、分子の反応性の官能基に付着されるとき、官能基の反応性をマスクする、低下させる、または阻止する原子団を指す。典型的には、合成の経過中、要望通り、保護基を選択的に除去することができる。保護基の例は、上記の通り、GreeneおよびWutsで、加えて、Harrison et al.,Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1−8,1971−1996,John Wiley&Sons,NYで見出すことができる。代表的なアミノ保護基には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert−ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(「TES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)等が含まれるが、それらに限定されない。代表的なヒドロキシル保護基には、ヒドロキシル基が、酢酸および安息香酸エステルを形成するためにアシル化されるか、またはベンジルおよびトリチルエーテル、ならびにアルキル エーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMSまたはTIPPS基)、アリールシリルエーテル(例えば、トリフェニルシリルエーテル)、混合アルキルおよびアリール置換シリルエーテル、およびアリルエーテルを形成するためにアルキル化されるかの一方であるものが含まれるが、それらに限定されない。
5−フルオロウラシル(Aldrich#32,937−1)を出発材料として利用する図式(I)の特定の実施形態は、以下の図式(Ia)で示される。
Figure 2012513480
図式(Ia)では、(R、(R、R、R、およびQは、すでに図式(I)について定義される通りである。非対称性2N,4N−二置換−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミンA−11は、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジンA−9をアミンA−3の1当量と(2−クロロ−N4−置換−5−フルオロ−4−ピリミジンアミンA−10を産生するために)、次いで、アミンA−5の1当量以上と反応させることによって得られ得る。
通常、合成ピリミジン、ならびに前述の出発原料に有用な方法を教示する無数の参考文献は、当技術分野で知られている。特別な指針として、Brown,D.J.,The Chemistry of Heterocyclyl Compounds,Volume 16(Weissberger,A.,Ed.)中の「The Pyrimidines」,1962,Interscience Publishers,(A Division of John Wiley&Sons),New York(「Brown I」)、Brown,D.J.,The Chemistry of Heterocyclyl Compounds,Volume 16,Supplement I(Weissberger,A.and Taylor,E.C.,Ed.)中の「The Pyrimidines」,1970,Wiley−Interscience,(A Division of John Wiley&Sons),New York(「Brown II」)、Brown,D.J.,The Chemistry of Heterocyclyl Compounds,Volume 16,Supplement II(Weissberger,A.and Taylor,E.C.,Ed.)中の「The Pyrimidines」,1985,An Interscience Publication(John Wiley&Sons),New York(「Brown III」)、Brown,D.J.,The Chemistry of Heterocyclyl Compounds,Volume52(Weissberger,A.and Taylor,E.C.,Ed.)中の「The Pyrimidines」,1994,John Wiley&Sons,Inc.,New York,pp1〜1509(「Brown IV」)、Kenner,G.W.and Todd,A.,Heterocyclyl Compounds,Volume6,(Elderfield,R.C.,Ed.),1957,John Wiley,New York,Chapter7(pyrimidines)、Paquette,L.A.,Principles of Modern Heterocyclyl Chemistry,1968,W.A.Benjamin,Inc.,New York,pp.1〜401(uracil synthesis pp.313、315、pyrimidinediamine synthesis pp.313〜316、amino pyrimidinediamine synthesis pp.315)、Joule,J.A.,Mills,K.and Smith,G.F.,Heterocyclyl Chemistry,3rdEdition,1995,Chapman and Hall,London,UK,pp.1〜516、Vorbruggen,H.and Ruh−Pohlenz,C.,Handbook of Nucleoside Synthesis,John Wiley&Sons,New York,2001,pp.1〜631(protection of pyrimidines by acylation pp.90〜91、silylation of pyrimidines pp.91〜93)、Joule,J.A.,Mills,K.and Smith,G.F.,Heterocyclyl Chemistry,4th Edition,2000,Blackwell Science,Ltd,Oxford,UK,pp.1〜589、およびComprehensive Organic Synthesis,Volumes1〜9(Trost,B.M.and Fleming,I.,Ed.),1991,Pergamon Press,Oxford,UKを参照されたい。
本発明は、純粋に本発明の模範となるよう意図される、以下の実施例への参照によってさらに理解される。本発明は、本発明の1つの側面の図解としてのみ意図される、例証実施形態による範囲に限定されない。機能的に同等である任意の方法は、本発明の範囲内である。本明細書に記載のそれらに加えて、本発明の様々な修正は、前述の記述および添付の図表から、当業者にとって明白となるであろう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に収まる。
以下、ならびに出願を通しての実施例では、以下の略称は、以下の意味を有する。定義されない場合、用語は、一般的に認められている意味を有する。
mL = ミリリットル
S = 一重線
D = 二重線
T = 三重線
Q = 四重線
M = 多重線
Dd = 二重の二重線
Br = 広域
nM = ナノモル
μg = マイクログラム
Ng = ナノグラム
MS = 質量スペクトルまたは質量分析
LC = 液体クロマトグラフィー
DMSO = ジメチルスルホキシド
μL = マイクロリットル
mM = ミリモル
Rpm = 1分間当たりの回転数
LAH = 水素化アルミニウムリチウム
HEPES = N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸
EGTA = エチレングリコール−ビス(ベータ−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸
BRIJ−35 = ポリオキシエチレングリコールドデシルエーテル界面活性剤
実施例1
N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−エチルアミノスルホニル−アミノメチル)フェニル−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
Figure 2012513480
Tert−ブチルN−(3−ニトロベンジルスルファモイル)カルバミン酸
Figure 2012513480
3−ニトロベンジルアミンHCl塩(1g、5.3mmol)および4−ピリジンアミニウム、1−[[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]スルホニル]−1,4−ジヒドロ−N,N−ジメチル−、内塩(2.4g)を、ジクロロメタン(20mL)およびトリエチルアミン(2.2mL)中で溶解した。溶液を外気温で3日間撹拌した。反応混合物を1N HCl aq.(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機溶液を蒸発させ、単離されなかったtert−ブチルN−(3−ニトロベンジルスルファモイル)カルバミン酸を得た。MS(m/e):330.11(MH−)。
N−(3−ニトロベンジル)−N’−エチルスルファミド
Figure 2012513480
未精製のtert−ブチルN−(3−ニトロベンジルスルファモイル)カルバミン酸、トリフェニルホスフィン(2g)、およびアザジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD、1.6g)を、THF(20mL)およびエタノール(0.47mL)中で溶解した。溶液を外気温で一晩撹拌した。反応溶液を蒸発乾固した。残渣をメタノール(10mL)で溶解し、ジオキサン(10mL)中の4.0M HClで処置した。室温で一晩撹拌し、次いで蒸発させた。残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、NaHCO3aq.(2×100mL)で洗浄した。有機溶液を蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/2、1/1)で精製し、N−(3−ニトロベンジル)−N’−エチルスルファミドを得た。H NMR(DMSO−d):δ1.02(t、J=7.2Hz、3H)、2.82(p、J=6.9Hz、2H)、4.14(d、J=6.6Hz、2H)、6.93(t、J=5.4Hz、1H)、7.54(t、J=6.3Hz、1H)、7.61(t、J=7.8Hz、1H)、7.77(d、J=7.2Hz、1H)、8.10(d、J=8.1Hz、1H)、8.20(s,1H)、LCMS:純度:1.2g,88.4%、MS(m/e):260.16(MH+)。
N−(3−ニトロベンジル)−N’−エチルスルファミドをメタノール(100mL)中で溶解し、10% Pd−Cを溶液に添加した。反応混合物を水素雰囲気下(〜40psi)で1時間反応させた。触媒をセライト上で濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を蒸発させ、N−(3−アミノベンジル)−N’−エチルスルファミドを得た。H NMR(DMSO−d):δ1.03(t、J=7.2Hz、3H)、2.83(p、J=6.9Hz、2H)、3.81(d、J=6.3Hz、2H)、5.02(s、2H)、6.41(t、J=7.8Hz、2H)、6.51(s、1H)、6.76(t、J=5.7Hz、1H)、6.91(t、J=7.5Hz、1H)、7.16(t、J=6.3Hz、1H)。
2−クロロ−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−4−ピリミジンアミン
Figure 2012513480
N−(3−アミノベンジル)−N’−エチルスルファミド(1.2g、4.7mmol、2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジン(1.5g、9.2mmol)およびNaHCO3(1g)をメタノール(10mL)および水(1mL)中で溶解した。反応溶液を60℃で一晩撹拌した。反応混合物を1N HCl aq.(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機溶液を蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/4、1/2、1/1、EtOAc)で精製し、2−クロロ−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−4−ピリミジンアミンを得た。LCMS:純度:91.88%、MS(m/e):356.46(MH+)。
N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
Figure 2012513480
2−クロロ−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−4−ピリミジンアミン(50mg)および(3−アミノスルホニル−4−メチル)アニリン(50mg)を、イソプロパノール(1mL)およびTFA(5滴)中で懸濁した。溶液を100℃で一晩加熱し、次いで、室温まで冷却した。溶液を蒸発させ、HPLCで精製し、N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミンを得た。H NMR(DMSO−d):δ1.02(t、J=7.2Hz、3H)、2.16(s、3H)、2.52(s、3H)、2.83(m,J=6.3Hz、2H)、4.00(d、J=6.3Hz、2H)、6.84(t、1H)、7.19(m、2H)、7.34(m、4H)、7.43(s、1H)、7.49(d、1H)、7.74(m、2H)、7.86(s、1H)、9.58(br、1H)、10.11(br、1H);LCMS:純度:97.72%;MS(m/e):506.25(MH+)。
以下の実施例を、上記の実施例と類似する方法を使用して作成した。
I−1:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):513(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.98(s、1H)、9.29(s、1H)、8.23(s、1H)、7.93−7.89(m、2H)、7.71(t、1H、J=6.4Hz)、7.59(d、2H、J=8.2Hz)、7.40−7.30(m、6H)、4.09(s、2H)、2.63(s、H)。
I−2:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):513(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.91(s、1H)、9.18(s、1H)、8.23(s、1H)、7.75−7.72(app m、3H、J=8.8Hz)、7.59(m、4H)、7.34(d、2H、J=8.5Hz)、7.15(br s、2H)、4.11(m、2H)、2.64(s、6H)。
I−3:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):492(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ10.63(s、1H)、9.77(s、1H)、7.93(s、1H)、7.82(d、1H、J=8.5Hz)、7.72(t、1H、J=6.7Hz)、7.65(s、1H)、7.51−7.48(m、3H)、7.42−7.34(m、5H)、4.12(d、2H、J=6.7Hz)、2.64(s、6H)、2.16(s、3H)。
I−4:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):492(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ10.60(s、1H)、9.65(s、1H)、7.95(s、1H)、7.72(t、1H、J=6.2Hz)、7.66−7.51(m、6H)、7.38(d、2H、J=8.5Hz)、7.24(s、2H)、4.14(d、2H、J=6.2Hz)、2.64(s、6H)、2.17(s、3H)。
I−5:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):513(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.72(s、1H)、9.00(s、1H)、8.18(s、1H)、7.94(s、1H)、7.74(br s、2H)、7.61(d、2H、J=8.5Hz)、7.36−7.27(m、7H)、3.99(br s、2H)、2.85(qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−6:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:97%、MS(m/e):513(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.78(s、1H)、9.05(s、1H)、8.20(s、1H)、7.76(d、2H、J=8.8Hz)、7.60(d、4H、J=8.8Hz)、7.33(app d、3H、J=8.8Hz)、6.73(br s、1H)、4.01(s、2H)、2.85(qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−7:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:97%、MS(m/e):492(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ10.59(s、1H)、9.76(s、1H)、7.92(s、1H)、7.82(d、1H、J=8.2Hz)、7.65(s、1H)、7.49−7.42(m、3H)、7.38−7.33(m、6H)、6.89(s、1H)、4.01(d、2H、J=5.2Hz)、2.84(app m、2H)、2.16(s、3H)、1.03(t、3H、J=7.3Hz)。
I−8:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):492(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ10.69(s、1H)、9.77(s、1H)、7.95(s、1H)、7.65(d、2H、J=9.1Hz)、7.5(d、2H、J=9.1Hz)、7.51(d、2H、J=8.8Hz)、7.37(app d、3H、J=8.8Hz)、7.25(s、2H)、6.88(s、1H)、4.02(d、2H、J=5.2Hz)、2.86(app qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−9:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:97%、MS(m/e):513(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.82(s、1H)、9.20(s、1H)、8.22(s、1H)、7.91(m、2H)、7.59−7.54(m、2H)、7.39−7.03(m、5H)、7.16(d、1H、J=7.3Hz)、4.00(s、2H)、2.82(qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−10:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:90%、MS(m/e):513(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.83(s、1H)、9.19(s、1H)、8.22(s、1H)、7.73−7.70(m、2H)、7.58−7.51(m、4H)、7.35 −7.00(m、2H)、7.19−7.13(m、2H)、4.02(s、2H)、2.82(qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(m、3H)。
I−11:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):492(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ10.50(s、1H)、9.76(s、1H)、7.93(s、1H)、7.82(d、1H、J=8.5Hz)、7.65(s、1H)、7.50−7.48(m、2H)、7.42−7.33(m、6H)、7.21(d、1H、J=7.6Hz)、6.85−6.84(m、1H)、3.99(d、2H、J=6.2Hz)、2.81−2.80(m、2H)、2.16(s、3H)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−12:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:90%、MS(m/e):492(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.41(s、1H)、8.51(s、1H)、7.93(s、1H)、7.81−7.78(d、2H、J=9.1Hz)、7.64(d、1H、J=8.2Hz)、7.58−7.54(m、3H)、7.35−7.28(m、2H)、7.09−7.07(m、3H)、6.82(t、1H、J=5.8Hz)、4.01(d、2H、J=6.4Hz)、2.82(d qt、2H、J=5.6および7.3Hz)、2.12(s、3H)、1.01(t、3H、J=7.3Hz)。
I−13:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:92%、MS(m/e):496(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.78(s、1H)、8.19(d、1H、J=4.1Hz)、8.00(s、1H)、7.93−7.90(m、1H)、7.73(d、1H、J=7.6Hz)、7.64(s、1H)、7.41−7.28(m、5H)、7.09(d、1H、J=6.7Hz)、3.99(s、2H)、2.83(app qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−14:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:97%、MS(m/e):496(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.71(s、1H)、9.67(s、1H)、8.18(d、1H、J=3.8Hz)、7.80−7.71(m、3H)、7.62(app d、3H、J=8.8Hz)、7.35−7.29(m、1H)、7.13−7.01(m、3H)、4.00(s、2H)、2.83(qt、2H、J=7.3Hz)、1.02(t、3H、J=7.3Hz)。
I−15:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):527(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.49(s、1H)、8.73(s、1H)、7.86(s、1H)、7.75(d、1H、J=8.2Hz)、7.34(t、1H、J=6.7Hz)、7.26−7.12(m、7H)、6.89(t、1H、J=5.6Hz)、4.02(d、2H、J=6.4Hz)、2.88(d qt、2H、J=5.6および7.3Hz)、2.14(s、3H)、1.06(t、3H、J=7.3Hz)。
I−16:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):527(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.58(s、1H)、8.80(s、1H0、7.59(d、2H、J=8.5Hz)、7.44(d、2H、J=8.5Hz)、7.34(t、1H、J=5.4Hz)、7.27−7.20(m、3H)、7.05(s、2H)、6.87(t、1H、J=6.2Hz)、4.03(d、2H、J=6.4Hz)、2.86(m、2H、J=7.0Hz)、2.15(s、3H)、11.05(t、3H、J=7.3Hz)。
I−17:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):555(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.38(s、1H)、8.77(s、1H)、7.33(t、1H、J=5.2Hz)、7.25−7.19(m、5H)、6.95(s、2H)、6.89(t、1H、J=5.8Hz)、3.98(d、2H、J=6.4Hz)、2.87(m、2H)、2.27(s、6H)、2.14(s、3H)、1.05(t、2H、J=7.3Hz)。
I−18:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):525(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.61(s、1H)、8.86(s、1H)、8.15 9s、1H)、7.98(s、2H)、7.62(d、2H、J=8.5Hz)、7.46(t、1H、J=5.4Hz)、7.33−7.26(m、7H)、4.02(d、2H、J=6.4Hz)、2.31(m、1H)、0.54−0.51(m、4H)。
I−19:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):525(MH)。
I−20:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイル−アミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):553(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.48(s、1H)、8.91(s、1H0、8.18(s、1H)、7.76−7.42(m、3H)、7.46(t、1H、J=5.4Hz)、7.33−7.30(m、4H)、7.11(s、2H)、4.00(d、2H、J=6.4Hz)、2.47(s、6H)、2.31−2.28(m、1H)、0.54−0.52(m、4H)。
I−21:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):504(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.28(s、1H)、8.28(s、1H)、8.07(s、1H)、8.01(d、1H、J=8.5Hz)、7.89(s、1H)、7.68(d、2H、J=9.1Hz)、7.43−7.22(m、8H)、4.00(d、2H、J=6.4Hz)、2.31−2.30(m、1H)、2.10(s、3H)、0.54−0.52(m、4H)。
I−22:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):504(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.38(s、1H)、8.35(s、1H)、7.92(s、1H)、7.84(d、2H、J=8.8Hz)、7.65(d、2H、J=8.8Hz)、7.62(d、2H、J=8.8Hz)、7.42(t、1H、J=6.4Hz)、7.32−7.29(m、3H)、7.07(s、2H)、4.03(d、2H、J=6.4Hz)、2.31−2.30(m、1H)、2.11(s、3H)、0.54−0.52(m、4H)。
I−23:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):532(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.16(s、1H)、8.32(s、1H)、7.90(s、1H)、7.62(d、2H、J=8.8Hz)、7.44(s、2H)、7.38(t、1H、J=6.4Hz)、7.30−7.28(m、2H)、6.97(s、2H)、4.00(d、2H、J=6.4Hz)、2.42(s、6H)、2.31−2.30(m、1H)、2.10(s、3H)、0.54−0.50(m、4H)。
I−24:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):539(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.49(s、1H)、8.73(s、1H)、8.09(s、1H)、7.86(s、1H)、7.75(d、1H、J=8.5Hz)、7.51(t、1H、J=6.7Hz)、7.33(s、1H)、7.25−7.12(m、7H)、4.04(d、2H、J=6.4Hz)、2.36−2.31(m、1H)、2.14(s、3H)、0.59−0.54(m、4H)。
I−25:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:99%、MS(m/e):539(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.56(s、1H)、8.80(s、1H)、8.13(s、1H)、7.58(d、2H、J=8.5Hz)、7.49(t、1H、J=6.7Hz)、7.45(d、2H、J=8.8Hz)、7.32−7.21(m、4H)、7.06(s、1H)、4.06(d、2H、J=6.4Hz)、2.32−2.31(m、1H)、2.15(s、3H)、0.58−0.51(m、4H)。
I−26:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイル−アミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:98%、MS(m/e):566(MH)。H NMR(DMSO−d6):δ9.38(s、1H)、8.77(s、1H)、8.10(s、1H)、7.46(t、1H、J=6.7Hz)、7.34(s、1H)、7.26−7.20(m、5H)、6.95(s、2H)、4.00(d、2H、J=6.4Hz)、2.31−2.300(m、1H)、2.27(s、6H)、2.14(s、3H)、0.55−0.51(m、4H)。
I−27:N4−[3−(N−エチル−N−プロピオニル)アミノスルホニル−(N−プロピオニル)アミノメチル]フェニル−5−メチル−N2−(3−プロピオニルアミノスルホニル)フェニル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:90.67%、MS(m/e):660.42(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ0.88(t、J=7.5Hz、3H)、0.92(t、J=7.5Hz、3H)、0.98(t、J=7.2Hz、3H)、1.22(t、J=7.5Hz、3H)、2.13(s、3H)、2.20(q、J=7.2Hz、2H)、2.56−2.64(m、4H)、3.83(q、J=7.8Hz、2H)、5.05(s、2H)、6.98(d、J=8.1Hz、1H)、7.34(m、3H)、7.65(m、2H)、7.92(s、1H)、8.08(d、1H)、8.19(s、1H)、8.43(s、1H)、9.20(s、1H)、11.95(s、1H)。
I−28:N4−[3−(N−エチル−N−プロピオニル)アミノスルホニル−(N−プロピオニル)アミノメチル]フェニル−5−メチル−N2−(3−プロピオニルアミノスルホニル)フェニル−2,4−ピリミジンジアミンナトリウム塩
LCMS:純度:87.50%、MS(m/e):660.42(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ0.83(t、J=7.5Hz、3H)、0.92(t、J=7.2Hz、3H)、0.99(t、J=7.2Hz、3H)、1.23(t、J=6.9Hz、3H)、1.88(q、J=7.5Hz、2H)、2.11(s、3H)、2.56−2.64(m、4H)、3.82(q、J=7.5Hz、2H)、5.05(s、2H)、6.94(d、J=6.9Hz、1H)、7.11(t、J=7.5Hz、1H)、7.20(d、J=7.2Hz、1H)、7.31(t、J=7.8Hz、1H)、7.66(d、J=6.6Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.83(m、2H)、7.89(s、1H)、8.31(s、1H)、8.84(s、1H)。
I−29:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:97.72%、MS(m/e):506.25(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ1.02(t、J=7.2Hz、3H)、2.16(s、3H)、2.52(s、3H)、2.83(m,J=6.3Hz、2H)、4.00(d、J=6.3Hz、2H)、6.84(t、1H)、7.19(m、2H)、7.34(m、4H)、7.43(s、1H)、7.49(d、1H)、7.74(m、2H)、7.86(s、1H)、9.58(br、1H)、10.11(br、1H)。
I−30:N2−(3−アミノスルホニル)フェニル−N4−(3−N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノメチル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:96.46%、MS(m/e):492.29(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ2.15(s、3H)、2.62(s、6H)、4.09(d、J=6.3Hz、2H)、7.15(d、1H)、7.31(s、2H)、7.35(m、2H)、7.42(d、1H)、7.49(s、1H)、7.55(d、1H)、7.69(t、1H)、7.80(s、1H)、7.89(m、2H)。
I−31:N2−(4−アミノスルホニル)フェニル−N4−(3−N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノメチル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:92.92%、MS(m/e):492.30(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ2.15(s、3H)、2.62(s、6H)、4.10(d、2H)、7.18(br、3H)、7.36(t、J=7.8Hz、1H)、7.48(s、1H)、7.60(m、3H)、7.69(m、3H)、7.92(s、1H)。
I−32:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ−メチル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:92.48%、MS(m/e):506.29(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ2.15(s、3H)、2.62(s、6H)、4.09(d、J=5.4Hz、2H)、7.16(d、J=8.4Hz、2H)、7.31(m、3H)、7.48(s、1H)、7.56(d、1H)、7.69(m、1H)、7.71(m、1H)、7.80(br、1H)、7.85(s、1H)。
II−1:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン
2226FN。MS(ESI)m/z535.92(M+1)。1H NMR(300MHz、CDSOCD)δppm:2.49(s、6H、2XNCH)、2.74−2.82(m、7H、CHおよび2CH)、4.37(s、2H、CH)、7.12(d、J=10.0Hz、1H、ArH)、7.20(d、J=10.0Hz、1H、ArH)、7.24(s、2H、NH)、7.51(m、1H、ArH)、7.71(s、1H、ArH)、7.93(d、J=6.7Hz、1H、ArH)、8.05(s、1H、ArH)、8.08(d、J=6.7Hz、1H、ArH)、9.35(s、1H、NH)、9.45(s、1H、NH)。
II−2:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン
2124FN。MS(ESI)m/z550.94(M+1)。1H NMR(300 MHz、CDSOCD)δppm:2.48(s、6H、2XNCH)、2.81(s、CH)、4.56(s、2H、CH)、7.18(m、1H、ArH)、7.21(m、1H、ArH)、7.26(s、2H、NH)、7.59(m、1H、ArH)、7.83(m、2H、2ArH)、8.02(m、1H、ArH)、8.12(d、J=6.7Hz、1H、ArH)、9.48(s、1H、NH)、9.56(s、1H、NH)。
II−3:N2−(4−アミノスルホニル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:77.64%、MS(m/e):504.26(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ2.12(s、3H)、2.81(s、6H)、4.60(s、4H)、7.08(br、2H)、7.28(d、J=7.8Hz、1H)、7.57(d、J=8.7Hz、3H)、7.68(s、1H)、7.80(d、J=8.1Hz、2H)、7.93(s、1H)、8.45(s、1H)、9.38(s、1H)。
II−4:N2−(3−アミノスルホニル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:87.83%、MS(m/e):504.53(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ2.11(s、3H)、2.81(s、6H)、4.58(s、4H)、7.24(br、2H)、7.29(m、3H)、7.57(d、J=9.6Hz、1H)、7.77(s、1H)、7.90(s、1H)、7.99(d、J=7.2Hz、1H)、8.05(s、1H)、8.37(s、1H)、9.27(s、1H)。
II−5:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン
LCMS:純度:92.70%、MS(m/e):518.35(MH+)。H NMR(DMSO−d):δ2.15(s、3H)、2.53(s、3H)、2.80(s、6H)、4.53(s、2H)、4.59(s、2H)、7.17(d、J=9.0Hz、1H)、7.31(m、3H)、7.43(d、1H)、7.57(s、1H)、7.68(d、1H)、7.79(s、1H)、7.86(s、1H)。
実施例2
細胞Titer−Glo、ヒト初代T細胞、IL2
材料および試薬:ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma−Aldrich、Cat#D2650)を対照として使用した。以下の試薬、フィコールハイパック(Amersham Pharmacia、Cat#17−1440−03)、抗ヒトCD3(BD Pharmingen、Cat#555336)、抗ヒトCD28(Immunotech、Cat#IM1376)、イセル培地(Gemini Bio−products、Cat#400−103)、RPMI1640(Cellgro、Cat#10−040−CM)、ウシ胎児血清(JRH、Cat#12106−500M)、および抗ヒトIL−2(R&Dシステム、Cat#202−IL)を使用した。
以下の手順に従って、ヒト初代T細胞を単離し、培養した。全ての血液を健常な志願者から得て、PBSと1:1で混合し、2:1の血液/PBS:フィコールの割合でフィコールハイパック上で層にし、4℃で30分間、1750rpmで遠心分離した。血清でのリンパ球:フィコール界面を回収し、5容積のPBSで2度洗浄した。40U/mLのIL−2を含有するイセル培地で細胞を懸濁し、1mg/mLの抗CD3および5mg/mLの抗CD28で事前被覆されたフラスコ内に播種した。初代T細胞を3〜4日間刺激し、次いで、未使用のフラスコに移し、10%のFBSおよび40U/mLのIL−2を伴うRPMI中で維持した。
初代T細胞をIL−2から一晩欠乏させ、2×10細胞/mLでのイセル培地で再懸濁した。80U/mLのIL−2を含有する細胞懸濁液50μLを、平底96ウェルブラックプレートの各ウェルに添加した。非刺激対照においては、IL−2をプレート上の最後のカラムから除外した。3倍の希釈度での5mMからのDMSO中で化合物を連続して希釈し、次いで、イセル培地において1:250で希釈した。2X化合物の50μLをウェル毎に二重に添加し、細胞を37℃で72時間増殖させた。
細胞Titer−Gloを使用して、増殖を測定した。基質を解凍し、室温に戻した。細胞Titer−Glo試薬と希釈剤を混合した後、100μLを各ウェルに添加した。溶解を誘発するために軌道振盪機上でプレートを2分間混合し、シグナルを平衡化させるために、室温でさらに10分間インキュベートした。Wallac Plate Reader(Wallac Victor2 1420 Multilabel Counter)上で発光を解読した。
実施例2に記載のアッセイで試験された、それぞれ0.5μM未満のIC50を有する化合物は、I−1からI−13、I−15、I−17からI−21、およびI−23からI−24であった。

Claims (29)

  1. 式Iの化合物であって、
    Figure 2012513480
    式中、
    pは、0、1、2、または3であり、
    qは、0、1、2、または3であり、
    Xは、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
    Yは、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、−C(O)N(R)R、ニトロ、もしくはハロであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、ニトロ、もしくはハロであり、
    各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、もしくはMであり、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、かつRに直接隣接する窒素は、陰イオン性であるか、または
    およびRは、それらに結合する1個もしくは複数の介在原子とともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
    各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
    は、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、Rを担持する窒素とYを担持する環とを連結し、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
    およびRは、それらが結合する窒素ともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
    およびRの少なくとも1つは、水素ではなく、かつ
    、R、およびRの各々は、Mであってもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、かつMを担持する窒素は、陰イオン性である、化合物。
  2. は水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. Xは、アルキル、置換アルキル、またはハロである、請求項2に記載の化合物。
  4. は水素であり、かつRは水素である、請求項1に記載の化合物。
  5. Yはメチレンである、請求項1に記載の化合物。
  6. は水素であり、RはC1−3アルキルであり、かつRはC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  7. およびRのそれぞれは独立して、低級アルキルまたは低級アルコキシである、請求項1に記載の化合物。
  8. 式IIに記載の化合物であって、
    Figure 2012513480
    式中、
    pは、0、1、2、または3であり、
    qは、0、1、2、または3であり、
    Xは、水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
    Yは、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、−C(O)N(R)R、ニトロ、もしくはハロであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、炭酸エステル、ニトロ、もしくはハロであり、
    各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アシル、もしくはMであり、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、かつRに直接隣接する窒素は、陰イオン性であるか、または
    およびRは、それらに結合する1個もしくは複数の介在原子とともに、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリル基を形成し、
    各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、カルボキシル、カルボキシルエステル、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
    およびRは、それらが結合する窒素ともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
    10は、直鎖もしくは分岐鎖のC1−6アルキレン基、シクロアルキレン、もしくは置換シクロアルキレンであり、かつ
    およびRの各々は、Mであってもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、かつMを担持する窒素は、陰イオン性である、請求項1に記載の化合物。
  9. pはゼロであり、かつRおよびYの各々は独立して、直鎖または分岐鎖のC1−6アルキレン基である、請求項8に記載の化合物。
  10. およびYのそれぞれは独立して、メチレンまたはエチレンである、請求項9に記載の化合物。
  11. 式IIIに記載の化合物であって、
    Figure 2012513480
    式中、
    pは、0、1、2、または3であり、
    qは、0、1、2、または3であり、
    Xは、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、−C(O)N(R)R、もしくはハロであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、もしくはハロであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
    およびRは、それらが結合する窒素ともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
    およびRの少なくとも1つは、水素ではなく、かつ
    、R、およびRの各々は、Mで置換されていてもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、かつMを担持する窒素は、陰イオン性である、請求項1に記載の化合物。
  12. 式IVに記載の化合物であって、
    Figure 2012513480
    式中、
    pは、0、1、2、または3であり、
    qは、0、1、2、または3であり、
    Xは、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、−C(O)N(R)R、シアノ、ハロ、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキニル、もしくは置換シクロアルキニルであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、−C(O)N(R)R、もしくはハロであり、
    各Rは独立して、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、もしくはハロであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであり、
    は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、もしくはアシルであるか、または
    およびRは、それらが結合する窒素ともに、ヘテロシクリルもしくは置換ヘテロシクリル基を形成し、
    およびRの少なくとも1つは、水素ではなく、かつ
    、R、およびRの各々は、Mで置換されていてもよく、Mは、K、Na、Li、もしくはN(Rであり、各Rは独立して、水素もしくはアルキルであり、かつMを担持する窒素は、陰イオン性である、請求項1に記載の化合物。
  13. I−1:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−2:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−3:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−4:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N,N−ジメチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−5:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−6:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−7:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−8:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−9:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−10:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−11:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−12:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−13:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−14:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[3−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−15:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−16:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−17:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−エチルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−18:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−19:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−20:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイル−アミノ)メチル]フェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−21:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−22:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−23:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]フェニル]−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−24:N2−(3−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−25:N2−(4−アミノスルホニルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−26:N2−(4−アミノスルホニル−3,5−ジメチルフェニル)−5−クロロ−N4−[4−[(N−シクロプロピルスルファモイルアミノ)メチル]−2−メチルフェニル]−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−27:N4−[3−(N−エチル−N−プロピオニル)アミノスルホニル−(N−プロピオニル)アミノメチル]フェニル−5−メチル−N2−(3−プロピオニルアミノスルホニル)フェニル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−28:N4−[3−(N−エチル−N−プロピオニル)アミノスルホニル−(N−プロピオニル)アミノメチル]フェニル−5−メチル−N2−(3−プロピオニルアミノスルホニル)フェニル−2,4−ピリミジンジアミンナトリウム塩、
    I−29:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−エチルアミノスルホニルアミノメチル)フェニル−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−30:N2−(3−アミノスルホニル)フェニル−N4−(3−N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノメチル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−31:N2−(4−アミノスルホニル)フェニル−N4−(3−N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノメチル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    I−32:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(3−N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ−メチル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    II−1:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン、
    II−2:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミン、
    II−3:N2−(4−アミノスルホニル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、
    II−4:N2−(3−アミノスルホニル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミン、または
    II−5:N2−(3−アミノスルホニル−4−メチル)フェニル−N4−(2−N,N−ジメチルアミノスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−5−メチル−2,4−ピリミジンジアミンである、化合物。
  14. 請求項1に記載の化合物を含む、薬学的製剤。
  15. JAKキナーゼの活性を阻害する方法であって、前記JAKキナーゼを、前記JAKキナーゼの活性を阻害するのに有効な量の請求項1に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
  16. JAKキナーゼの活性を阻害する方法であって、JAK3キナーゼを、前記JAK3キナーゼの活性を阻害するのに有効な量の請求項1に記載の化合物とインビトロで接触させることを含む、方法。
  17. T細胞媒介性自己免疫疾患を治療する方法であって、前記自己免疫疾患を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、そのような自己免疫疾患に罹患している患者に投与することを含む、T細胞媒介性自己免疫疾患を治療する方法。
  18. 前記化合物は、10μM未満のIC50でSykキナーゼを阻害する化合物または薬学的組成物と併用で、または付属的に投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 移植レシピエントにおける同種移植片拒絶を治療または阻止する方法であって、前記拒絶を治療または阻止するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、前記移植レシピエントに投与することを含む、方法。
  20. 前記化合物は、前記移植レシピエントにおける組織または臓器の移植の前に、前記組織または前記臓器に投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記拒絶は急性拒絶である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記拒絶は慢性拒絶である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記拒絶は、HVGRまたはGVHRによって媒介される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記同種移植は、腎臓、心臓、肝臓、または肺移植である、請求項20に記載の方法。
  25. 前記化合物は、別の免疫抑制剤と併用で、または付属的に投与される、請求項20に記載の方法。
  26. 前記免疫抑制剤は、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、IMPDH阻害剤、ミコフェノレート、ミコフェノール酸モフェチル、抗T細胞抗体、またはOKT3である、請求項25に記載の方法。
  27. IV型過敏症反応を治療または阻止する方法であって、前記過敏症反応を治療または阻止するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、被験体に投与することを含む、方法。
  28. 眼の疾病および/または疾患を治療する方法であって、前記眼の疾病および/または疾患を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、被験体に投与することを含む、方法。
  29. 前記眼の前記疾病および/または疾患は、ドライアイ症候群、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、緑内障、または酒さである、請求項28に記載の方法。
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