[0035]本発明の様々な実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途が、次に続く記述中に述べられ図面に示されている構造の詳細事項及び構成要素の配列に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も実施可能であり、様々な方法で実践又は実施できる。更に、「第1」、「第2」、及び「第3」の様な用語が、本明細書及び付随の特許請求の範囲で説明を目的に用いられているが、それらの用語は、別段の指定のない限り、相対的な重要性又は有意性を明示又は示唆するものではない。「第1」という用語は、必ずしも最も上の層を指すのではなく、むしろ、特定の場所又は位置の明示なしに複数のうちの1つ目を指している。
[0036]本明細書での「含んでいる」、「備えている」、又は「有している」、及びそれらの変型の使用には、その後に掲載されている物品及びそれらの等価物並びに追加の物品を網羅することが意図されている。別段の制限のない限り、ここでは「接続されている」、「連結されている」、及びそれらの変型とされる用語は広義に使用されており、直接的及び間接的な接続及び連結を網羅する。加えて、「接続されている」、「連結されている」、及びそれらの変型とされる用語は、物理的又は機械的な接続又は連結に限定されない。
[0037]本発明の或る実施形態による身体支持具10が、図1及び図2に概略的に示されている。図1及び図2に示されている身体支持具10は、マットレス、マットレス上敷き、上掛け、ソファベッド、又は布団である。ここに記載されている身体支持具10の特徴は、任意の寸法及び形状を有する如何なる他の型式の身体支持具にも適用できることが理解されるであろう。単に一例として、これらの特徴は、頭枕、シートクッション、シートの背もたれ、首枕、脚挟み枕、及び人間又は動物の身体の何れか一部又は全部を支持又は緩衝するのに使用される如何なる他の構造にも等しく適用することができる。従って、本明細書及び付随の特許請求の範囲で「身体支持具」という用語が使用されている場合、それは、その様な構造(マットレス、マットレス上敷き、上掛け、及び布団の他にも)のありとあらゆるものを指すものとする。更に、ここに記載及び例示されている多数の身体支持具は、マットレス、マットレス上敷き、上掛け、布団、又は枕の様な特定の形態で提示されているが、それぞれのその様な身体支持具の特徴の何れか又は全ては、ここにそれとは反対の記述がなければ、任意の他の形状及び寸法を有する如何なる他の形式の身体支持具にも適用することができることに留意されたい。
[0038]図1及び図2に示されている身体支持具10は、使用者を支持するように配置されている上面12と、枠又は他の支持体の上に直接載せることのできる下面14を含んでいる。身体支持具10は、1層又はそれ以上のフォーム材料の層を含むことができるが、所望により、1層又はそれ以上の他の材料の層を含むこともできる。それらの層の材料には、例えば、粘弾性又は非粘弾性フォーム、ラテックスフォーム、何らかの発泡性ポリマー(例えば、発泡性エチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリエチレン)などを含めることができる。図1及び図2の例示されている実施形態では、身体支持具10は、たった1層のフォーム層しか有していないが、この特定の実施形態は、本発明の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、図1及び図2に示されている身体支持具10は、一例として提示されているに過ぎない。
[0039]図1及び図2に示されている身体支持具10のフォームは、開放セル又は独立セルの非網目状粘弾性フォーム(「記憶フォーム」又は「低反発フォーム」)を備えている。他の実施形態では、身体支持具10のフォームは、網目状の粘弾性フォームを備えることもできるし、網目状又は非網目状の非粘弾性フォームを備えることもできる。「網目状」という用語がここで使用されている場合、それは、本質的に骨格状のセルを有するフォーム(粘弾性又はそれ以外)を指す。具体的には、網目状フォームのセルは、それぞれ、セル支柱に取り囲まれた複数の開口窓によって画定されている。網目状フォームのセル窓は、全体が消失している(セル支柱しか残っていない)場合もあれば、実質的に消失している場合もある。幾つかの実施形態では、フォームは、セル窓のうち少なくとも50%がなくなっていれば(即ち、開口が貫通している窓、或いは窓が完全になくなっていてセル支柱しか残っていないものは)、「網目状」とみなされる。その様な構造は、セル窓材料を破壊するか又は他のやり方で除去することにより、或いはフォームの製造プロセス中にセル窓が完全に形成されてしまうのを阻止することにより作成することができる。
[0040]身体支持具10のフォーム材料の粘弾性の性質は、使用者の身体にとって比較的心地よい基板を提供することができ、使用者の身体に少なくとも部分的にフィットすることで身体によって加えられる力を分散させることができ、使用者の体熱によって生じる温度範囲に感応性を有するように選択することができる。図1及び図2の例示されている実施形態では、上面12と下面14は実質的に平坦である。他の例示されていない実施形態では、上面12と下面14のうちどちらか又は両方は、1つ又はそれ以上の波状部又は他の非平坦な形状部を含むことができる。
[0041]幾つかの実施形態では、身体支持具10を画定している粘弾性フォームの層は、使用者の身体又は身体部分(以下、記述を簡単にするため単に「身体」と呼ぶ)に、比較的柔らかく心地よい表面を提供することができる。更に、粘弾性フォームの復元がゆっくりであるという特性に加え、身体支持具10のフォームは使用者の身体にフィットすることもできるので、使用者の身体によって身体支持具10に加えられている力を分散させることができる。幾つかの実施形態では、身体支持具の粘弾性フォームは、所望の柔らかさ及び身体フィット品質を得るために、少なくとも約30Nで約175N以下の硬さを有している。他の実施形態では、少なくとも約40Nで約110N以下の硬さを有する身体支持具フォームがこの目的に利用されている。更に他の実施形態では、少なくとも約40Nで約75N以下の硬さを有する身体支持具が利用されている。別段の指定のない限り、ここで言及されている材料の硬さは、略室温(例えば、摂氏21−23度)で、長さ及び幅の寸法がそれぞれ40cm(表面積を画定)で厚さ5cmの材料の試験片に対して板から圧力を与えて、材料の元の厚さの40%に圧縮して測定されたものであり、ここに40%の圧縮は、国際標準化機構(ISO)2439硬さ測定標準に従い設定された期間に亘って保たれている。
[0042]身体支持具10のフォームは、更に、材料の耐久性の度合いが比較的高くなる密度を有している。身体支持具10のフォームの密度は、身体支持具10が圧力に感応する仕方やフォームの感触の様な、フォームの他の特性にも影響し得る。幾つかの実施形態では、身体支持具10のフォームは、約30kg/m3以上で約175kg/m3以下の密度を有している。他の実施形態では、少なくとも約40kg/m3で約130kg/m3以下の密度を有する身体支持具フォームが利用されている。更に他の実施形態では、少なくとも約55kg/m3で約115kg/m3以下の密度を有する身体支持具フォームが利用されている。
[0043]身体支持具の粘弾性フォームは、任意の温度範囲に感応するように選択することができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、使用者の体温範囲(又は、身体支持具10がその上に載っている使用者の身体への接触又は近接によって曝される温度の範囲)の温度感応性は有意な利点をもたらすことができる。例えば、身体支持具10用に選択される粘弾性フォームは、少なくとも約−5℃より上の温度変化に感応性を有するものとすることができる。幾つかの実施形態では、身体支持具10用に選択される粘弾性フォームは、少なくとも約10℃の範囲内の温度変化に感応性を有するものとすることができる。他の実施形態では、身体支持具10用に選択される粘弾性フォームは、少なくとも約15℃の範囲内の温度変化に感応性を有するものとすることができる。本明細書及び付随の特許請求の範囲で使用される場合、材料は、ISO標準3386に従って、摂氏10度から30度の間の温度範囲に亘って測定された硬さとして少なくとも10%の硬さ変化を示していれば、温度変化に「感応性がある」とみなされる。
[0044]上に論じられている様に、身体支持具10は、たった今説明された非網目状の粘弾性フォームではなく、網目状の粘弾性フォームで製作することもできる。その様な実施形態では、網目状の粘弾性フォームの材料特性が著しく異なっていることから、網目状の粘弾性フォームの空気流特性もまた著しく異なってくる。本発明の幾つかの実施形態で使用されている網目状フォームの特徴及び特性(例えば、硬さ、密度、及び温度感受性)に関する更なる詳細は、以下に、図5及び図6の例示されている実施形態と関連付けて提示されており、その説明は、ここに記載されている実施形態で、網目状フォームが使用されているどの実施形態にも当てはまる。
[0045]図1及び図2に示されている身体支持具10は、内室16を有している。内室16は、図1及び図2に示されている様に流路によるか、又はその他の形状を有する空隙によって画定することができる。「内室」という用語がここで使用されている場合、それは、身体支持具10内で互いに流体連通している何らかの空隙又は空隙の組合せを指しており、それには、身体支持具10内に延びていて互いに交差している2つ又はそれ以上の流路、身体支持具10に沿って長手方向及び幅方向に延びている流路が交差した格子、身体支持具10内で同じ又は異なった深さにあって互いに流体連通している同じ又は異なった形状の任意の数の空隙、身体支持具10内の当接している層の何れか又は両方の波状部の間又はその周囲の空間など、が含まれる。
[0046]図2を参照して、内室16(模式的に矩形の空隙として示されているが、如何なりとも他の所望の形状を有し、少なくとも一部が内室16の上部面及び下部面によって画定されている)は、身体支持具10の実質的に全長に亘って延びている。他の実施形態では、内室16は、更に、又は代わりに、実質的に身体支持具10の全幅に亘って(即ち、図2の頁の面に入出する方向に)延びている。内室16は、身体支持具10の幾つかの内室16のうちの1つであってもよい。例えば、身体支持具は、身体支持具10の長さ又は幅の方向に延びている任意の数の内室16を有することができ、例えば身体支持具10の細長いフォーム部分によって互いに離間されていて、身体支持具10に沿って長手方向又は幅方向に延びている一連の並列流路や、身体支持具10の長さ及び幅に亘って異なった位置に設置されている多数の円形、多角形、又は星形の空隙などを有することができる。幾つかの実施形態では、身体支持具10は、任意の形状を有する一連又は一団の内室16を有することができる(例えば、円形、長円形、楕円形、又はそれ以外に丸い内室16、それぞれに方形、三角形、又は他の多角形の形状を有する内室16、それぞれにS字型、Z字型、又は他の形状を有する細長い内室16、不規則な形状を有する内室16、その様な形状の何らかの組合せを有する内室16など)。
[0047]室16の個々の形状には関係なく、室16は、個別又は集団で、部分的又は実質的に身体支持具10の長さ及び/又は幅に沿って延びていてもよい。更に、任意の数の内室16又は全ての内室16を一体に連結し、それにより互いに流体連通させるようにしてもよい(例えば、全ての内室16が互いに交点で流体連通している、内室16の一部のセットは互いに流体連通し、内室16の他のセットとは流体連通していない、など)。他の実施形態では、内室16のそれぞれが他の内室16から分離されていて、他の内室16とは流体連通していない。
[0048]図1及び図2の実施形態に示されている内室16は、以下に更に詳細に説明されている身体支持具10の開口22を除いて、全ての面が身体支持具10の部分によって実質的に閉鎖されている。しかしながら、他の実施形態では、内室16は、身体支持具10の側面、上面、及び/又は下面の1つ又はそれ以上の他の開口と流体連通している。
[0049]幾つかの実施形態では、(単数又は複数の)内室16は、少なくとも1つの内面に、内室16の厚さを部分的又は完全に横断して延びる波状部を有する表面の様な、非平坦面を設けることにより作成されている。
[0050]引き続き図1及び図2の例示されている実施形態を参照すると、内室16は、中身が空っぽであるものとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、身体支持具10の(単数又は複数の)内室16は、網目状フォームの様な、空気が比較的自由に流通することのできる材料に一部又は全部が占められている。その様な材料は、(単数又は複数の)内室16を通る空気流を可能にしながらも、(単数又は複数の)内室16の各場所において身体支持具10に構造的支持を提供している。この構造的支持は、身体支持具10が使用者の身体から圧力を受けているときには特に有用であり、というのも、そうでなければ、その様な圧力は、少なくとも一部には内室16の形状及び寸法によっては、内室16を部分的又は完全に押し潰すとも限らないからである。
[0051]図2からよく分かる様に、身体支持具10には内室16と開口22の間に通風器18が配置されており、開口22は通風器18によって内室16から外に追い出される空気の出口として機能している。通風器18は、通風器18を取り囲む身体支持具フォームの圧縮力や身体支持具フォーム内のブラケット又は他の固定具などによって、身体支持具10内のこの位置に保持することができる。通風器18は、図2の仮想線で示されている1つ又はそれ以上の通風器羽根20を含むことができ、限定するわけではないが軸流通風器、遠心通風器などを含め、如何なる所望の形態をとっていてもよい。幾つかの実施形態では、通風器18は、コンピュータケースの通風器に似ていて、少なくとも約32立方フィート毎分(0.906立方メートル毎分)の空気を通風することができる。他の実施形態では、通風器18は、標準的なコンピュータケースの通風器より大きくてもよいし、小さくてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、通風器18は、少なくとも約5cfm(0.141m3/分)で約200cfm(5.662m3/分)以下の空気流を生成する。他の実施形態では、通風器18は、少なくとも約10cfm(0.283m3/分)で約100cfm(2.831m3/分)以下の空気流を生成する。更に他の実施形態では、通風器18は、少なくとも約20cfm(0.566m3/分)で約150cfm(4.246m3/分)以下の空気流を生成する。
[0052]通風器18は、図2に示されている様に、制御器28(以下に更に詳細に説明)に連結されている電源コードを通して電力を受けることができ、制御器自体は、家屋、建物、又は他の施設の電気コンセントの様な電力源に接続されている。代わりに、通風器18は電力源に電源コードで直接接続されていてもよい。
[0053]例示されている実施形態では、通風器18は、内室16と下面14の間に配置されている。他の実施形態では、通風器18は、内室16に直接隣接する位置、身体支持具10の下面14に直接隣接する位置などの様な、他の位置に設置することもできる。
[0054]通風器18は、空気を、内室16に沿って、通風器18及び開口22を通し、身体支持具10の外側の場所(即ち、身体支持具10の外部)へ進ませる働きをする。空気は、身体支持具10の材料を通して内室16に引き入れられ、身体支持具10の周辺部の1つ又はそれ以上の場所まで延びている身体支持具10の層と層の間の間隙(図示せず)を通され、身体支持具10の側面、上面、又は下面に設置されている1つ又はそれ以上の口(図示せず)などを通して引き出されることになる。1つの例として、たった今説明された空気の流れが図2に矢印24で表わされている。通風器18は、身体支持具10の外側に設置し、適した導管(例えば、ダクト、管、パイプ、又はそれらの組合せ)を介して内室16と流体連通に接続してもよいことが理解されるであろう。しかしながら、上述の身体支持具10及び通風器18の内蔵型の性質は、使用者にとって、また製造プロセスにおいて、(例えば)身体支持具及び通風器18の可搬性の向上、使用者又は他者が通風器を勝手に改造することに対する防護、及び通風器18を内室16に近接させることに基づく空気運動の改善の様な、有意な利点をもたらすことができる。他の実施形態では、通風器18は、空気を身体支持具10の外側の場所から開口22を通して内室16の中へ進ませる向きに配置することができ、内室で空気は身体支持具10のフォームを通って、及び/又は身体支持具10の層と層の間へ、押し進められることになる。同様に、通風器18は、空気を身体支持具10に引き入れ、空気を身体支持具10の材料を通して、身体支持具10の層と層の間の1つ又はそれ以上の開口や身体支持具10の上面、側面、又は下面の1つ又はそれ以上の流出口などへ押し出すのに、何れの他の空気流入場所(例えば、身体支持具10の層と層の間、身体支持具10の上面、側面、又は下面の口など)に配置することもできる。
[0055]幾つかの実施形態では、身体支持具10の作動状態を反映する数多くの変数の何れかを感知するのに1つ又はそれ以上のセンサー26が内室16に隣接して又は内室16の中に配置されている。これらのセンサー26には、限定するわけではないが、温度センサー、湿度センサー、及び空気圧センサー26が含まれている。単に一例として、図2に示されている単一のセンサー26は温度センサーであるが、任意の数の温度センサー、湿度センサー、空気圧センサー、及び又は他の型式のセンサーを代わりに使用することができる。その様なセンサー26は、内室16内の温度、湿度、空気圧、及び他の特性を検出し、センサー情報を受信することができる制御器28に接続されている。幾つかの実施形態では、センサー26は、制御器28に、センサー26から制御器28へ延びている1つ又はそれ以上の配線によって接続されている。これらの配線は、身体支持具10の下方を延びていてもよく、図2には点線で模式的にのみ示されている。他の実施形態では、センサー26は、制御器28に従来のやり方で連結されている無線受信器と通信することのできる無線送信器に接続することができ、その結果、センサー26と制御器28の間に配線を走らせる必要はなくなる。
[0056]制御器28は、温度、湿度、空気圧、又は他の内室状態情報を受信する、その様な情報を表しているデータをユーザーインターフェース29(図2参照)へ送る、及び/又は少なくとも一部その様なデータに基づいて通風器18の運転を制御する、ことのできる如何なる形態をとっていてもよい。幾つかの実施形態では、制御器28は、PLC又は他の類似の制御器又はマイクロコントローラであるのに対し、他の実施形態では、制御器28は、同じ機能を発揮する別々の論理要素又は他の電子機器のセットである。
[0057]幾つかの実施形態では、制御器28は、内室16の中の状態の1つ又はそれ以上に関する上述のデータに応えて、通風器18の速度を自動的に調節する。例えば、内室16の中の温度が、制御器28に(例えば、身体支持具の製造時、又は使用者又は整備員によりユーザーインターフェース29を介して)入力されている閾値の温度より高い場合、制御器28は、通風器18をオンにするか又は通風器羽根20の回転速度を上げて、内室16の中の温度を下げればよい。別の例として、内室16の中の圧力が高すぎる(通風器18の運転速度が内室16を通る所望の空気流レベルを生成するには十分でないことを表している)場合、制御器28は、通風器羽根20の回転速度を上げればよい。通風器18の速度を上げて内室16を通る空気流を増やし、それにより身体支持具10の冷却効果を向上させ、及び/又は身体支持具10の中及び周囲の湿度の回復を抑えることもできるし、或いは通風器18の速度を下げて内室16を通る空気流を減らし、それにより身体支持具10の冷却効果を制限し、及び/又は身体支持具10の中及び周囲の湿度の回復を許容することもできる。更に、この同じ目的のために、必要に応じて、通風器18を始動させたり停止させたりすることができる。
[0058]本発明の幾つかの実施形態は、制御器28に連結されているユーザーインターフェース29(上述)を有している。幾つかの実施形態では、ユーザーインターフェース29は制御器28を保有している。これに関連して、ユーザーインターフェース29は、適した通信配線で制御器28に繋がれていてもよいし、又は(ユーザーインターフェース29が制御器28を保有している実施形態では)適した配線でセンサー26に繋がれていてもよい。他の実施形態では、ユーザーインターフェース29には無線送信器及び受信器が設けられており、それにより、制御器28から信号を受信するか又はセンサー26から直接に信号を受信し、制御器28にコマンド信号を送るか又は制御器28若しくは通風器18に接続されている受信器へ直接コマンド信号を送って、通風器18の運転を以上に説明されている様に変えることができる。従って、ユーザーインターフェース29は、1つ又はそれ以上のバッテリーによって電力供給される無線遠隔式とすることもできるし、繋がれている電力線を通して電力を受けながら無線式に1つ又はそれ以上のセンサー26と通信したり1つ又はそれ以上の通風器18を制御したりすることもできるし、或いはユーザーインターフェース29を電源装置(及び必要な場合は何らかの電源変圧器電子機器)に繋いでいる1つ又はそれ以上の配線を通して、1つ又はそれ以上のセンサー26と通信し、1つ又はそれ以上の通風器18を制御し、そして電力を受けるようにすることもできる。
[0059]ユーザーインターフェース29は、使用者が制御器28を介して通風器18の運転を調節できるようにする1つ又はそれ以上のボタン、ノブ、ダイヤル、スイッチ、又は、他の使用者操作式制御部を含むことができる。幾つかの実施形態では、使用者操作式制御部は、ユーザーインターフェースのタッチスクリーンディスプレイ(図示せず)上にあってもよい。代わりに、使用者操作式制御部は、LED、LCD、又は他のディスプレイ、及び/又は、任意の他の型式及び数の標示器(例えば、個別のLED灯又は他の標示灯)が付属していてもよい。ユーザーインターフェース29は、使用者に、(単数又は複数の)センサー26によって検出された温度、湿度、及び他の環境状態(又は、測定された温度、湿度、又は環境状態が表示されない場合は、その様な状態に対応する他の情報)、使用者によって設定された身体支持具10の所望温度及び/又は湿度(又は、設定温度又は設定湿度が表示されない場合は、その様な設定値に対応する他の情報)、通風器18の運転速度、及び他の情報のうち、何れかを表示することもできるし、全てを表示することもできる。例えば、これらの情報の何れか又は全ては、ユーザーインターフェース29のディスプレイに、単一画面でも或いは多画面でも使用者が何らかの従来のやり方で操縦できる画面形式で表示させることができる。更に、又は代わりに、ユーザーインターフェース29は、通風器18がオンになる温度又は湿度レベル、又は通風器18が身体支持具10に維持させようとする温度及び/又は湿度レベルを、使用者に設定させることができる。その様な入力は、上述のタッチスクリーンを介してでもよいし、又は上述の使用者操作式制御部の他の型式の何れかを介してでもよい。
[0060]幾つかの実施形態では、使用者操作式制御部の1つ又はそれ以上は、使用者が、(単数又は複数の)センサー26によって感知される温度、湿度、又は他の環境状態をオーバーライドして、(単数又は複数の)通風器18を手動でオン又はオフにできるようにするオン/オフボタンであってもよい。また、幾つかの実施形態では、使用者操作式制御部の1つ又はそれ以上は、制御器128が通風器18をサイクルおきに(例えば、5分おきに)オンにしたりオフにしたりするように使用者にサイクル時間(例えば、5分)を選択させることができる。ユーザーインターフェース129は、使用者が身体支持具110の上に居る間は使用者の手の届く範囲に在れば、それにより、使用者が制御器128を介して、身体支持具10の設定を調節し、及び/又は別のやり方で身体支持具を制御できるようになる。(単数又は複数の)センサー26、制御器28、及びユーザーインターフェース29は、他の構成及び配列も実施可能であり、それらは本発明の精神及び範囲に入る。
[0061]図2に示され、以上に説明されている様に、図1及び図2の例示されている実施形態のセンサー26は、身体支持具10の内室16の中の環境状態を検出するように配置されている。センサー26によって検出される温度、湿度、又は他の環境パラメータは、身体支持具10の上の使用者が実際に体験しているものと同じでないかもしれないことが理解されるであろう。従って、ここに説明及び/又は例示されている身体支持具10で採用されているセンサー26の何れか又は全ては、身体支持具10上の何処かそれ以外の場所、例えば身体支持具10の上面12上に配置したり、当該上面12の真下の身体支持具10のフォームに埋め込んだり、などすることができる。幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上のセンサー26は、身体支持具10の上面12の、当該身体支持具10の上に横たわる使用者が載っているはずの場所(又はその様な場所の直ぐ脇)の温度を検出し、それにより使用者が体験している温度を表示するために、当該身体支持具10の上面12のその様な場所に設置されているか又はその中か下に埋め込まれている。(単数又は複数の)センサー26は、通風器18の上流及び/又は下流に設置することができるが、身体支持具10上の使用者の環境状態を判定する際には、通風器18の上流の場所と下流の場所の間の起こり得る空気温度及び湿度の差が制御器128によって補償される必要があることにも留意されたい。
[0062]図1及び図2の例示されている実施形態の作動時、制御器28は、温度センサー26から1つ又はそれ以上の信号を受信し、当該信号に基づいて通風器18の運転を制御する。例えば、制御器28は、温度センサー26からの信号に基づいて、通風器をオンにさせる、オフにさせる、加速させる、及び/又は減速させることができる。結果として、空気は、内室16に沿って進ませられ、熱及び/又は湿度を内室16から身体支持具10の開口22へ引いてゆく(又は、空気は、逆方向に、身体支持具10の外側から内室16の中へ進まされ、次いで、身体支持具10の材料を通り、身体支持具10の層と層の間を抜け、及び/又は上述の1つ又はそれ以上の流出口を通って、身体支持具10を出てゆく)。そうしている間に、熱及び/又は湿度は、内室16の内壁(使用者の身体から受け取った熱及び湿度を伝導し得る上部内壁を含む)を離れて開口22へ運ばれ、身体支持具10から出される。従って、通風器18の運転は、身体支持具10の熱及び物質移動モードを、少なくとも部分的に、伝導、拡散、及び自然対流から伝導、拡散、及び強制対流に変える。
[0063]ここに記載されている身体支持具に使用することのできる身体支持具材料の多くは或る程度の空気流の流通を許容する。従って、通風器18によって身体支持具10に引き入れられる空気は、ここに説明されている他のやり方の何れかによって引き入れられるのではなくて、及び/又はその上更に、身体支持具材料自体を通して引き入れられることになる。これに関連して、身体支持具10(又は、身体支持具10の異なった層又は領域の様な、身体支持具10の(単数又は複数の)部分)の材料は、材料の空気流透過性に基づいて選択することができる。例えば、身体支持具10の何れかの部分又は全部を、網目状の粘弾性又は網目状の非粘弾性のフォームで製作すれば、それにより、比較的大量の空気をその様なフォームを通して引き入れることが可能になり、その様な空気流の冷却効果を向上させることができる。この空気流は、内室16の内壁に伝導した熱を移動させると共に、冷却空気を網目状フォームを通して引き入れる役目を果たすことができる。幾つかの実施形態では、身体支持具10の少なくとも上側の層は、網目状の粘弾性又は網目状の非粘弾性のフォームで製作されており、それにより、通風器は、身体支持具110上の使用者の身体付近から温まった空気を引き出すことに加え、使用者の身体から更に遠隔の場所から冷却空気を引き入れることができる(以上に説明されている様に内室16を冷却するため)。従って、身体支持具10の網目状フォームとの併用による通風器18の運転によって、著しく高い冷却効果を生成することができる。同様の冷却効果は、ここに説明されている他の身体支持具材料を使用しても実現可能である(但し、往々にして強さに劣る)。
[0064]図1及び図2の例示されている実施形態では単一の温度センサー26と単一の通風器18が示されているが、他の実施形態では、任意の数の温度センサー及び/又は湿度センサー26を、身体支持具10上の任意の数の異なった位置(上述の身体支持具内を含む)に設置することができ、任意の数の通風器18を、同様に、上述の様に身体支持具10の中又は外側の任意の数の異なった位置に設置することができる。幾つかの実施形態では、使用者身体の異なった部分に対する異なった冷却速度を提供するのに2つ又はそれ以上の通風器18が身体支持具10の異なった位置に設置されている。更に、幾つかの実施形態では、身体支持具10上の異なった個体に異なった冷却速度を提供するのに2つ又はそれ以上の通風器18が身体支持具10の異なった位置に設置されている(例えば、身体支持具10の男性側と女性側が、身体支持具10の別々の側に設置されている独立制御式の通風器18を有している)。その様な実施形態では、別々の通風器18は、同一のインターフェース29で制御されていてもよいし、別々のインターフェースで制御されていてもよい。
[0065]更に、別々のセンサー26を、身体支持具の異なった区域(例えば、身体支持具10の頭側部分、胴部部分、及び脚側部分や、身体支持具10の左側と右側など)に設置して、その様な区域内の身体支持具の温度、湿度、又は他の環境状態を感知し、感知された温度、湿度、又は他の環境状態に基づいて、身体支持具10のその様な区域に対応する1つ又はそれ以上の通風器18の運転が自動的に変えられるようにしてもよく、幾つかの実施形態では、更に、ユーザーインターフェース29を介して使用者に表示されるようにしてもよい。
[0066]図3及び図4は、本発明による身体支持具110の別の実施形態を示している。この実施形態は、以上に図1及び図2に関連付けて説明されている身体支持具の実施形態と同じ構造の多くを採用し、同じ特質の多くを有している。従って、次に続く説明は、主に、以上に図1及び図2に関連付けて説明されている実施形態とは異なる構造及び特徴に焦点を当てている。図3及び図4に示され以下に説明されている身体支持具の構造及び特徴に関する追加の情報及びそれら構造及び特徴に対する実施可能な代替型に関しては、以上に図1及び図2に関連付けて提供されている説明を参照されたい。図3及び図4に示されている実施形態の構造及び特徴で、図1及び図2の実施形態の構造及び特徴に対応しているものは、以下、100番台の参照番号で表わされている。
[0067]図3及び図4に示されている身体支持具110は、上面112及び下面114と、それらの間の多数のフォーム層を含んでいる。例示されている身体支持具110は、身体支持具110の上面112を画定している上部面132と、上部面132の反対側の下部面134とを、有する上層130を含んでいる。他の実施形態では、枕の上層又は他の身体支持具層が、上層130の上部面132に隣接して配置されている。図3及び図4の例示されている実施形態では、上層130は、開放セル又は閉鎖セルの非網目状の粘弾性フォームを備えているが、代わりに、網目状の粘弾性フォームを備えることも、或いは網目状又は非網目状の非粘弾性フォームを備えることもでき、それらは全て、以上に、図1及び図2に示されている身体支持具10のフォームに関連付けて説明されている。図3及び図4の例示されている実施形態では、上層130の上部面132と下部面134は、実質的に平坦である。しかしながら、他の例示されていない実施形態では、上部面132と下部面134の何れか又は両方は、1つ又はそれ以上の波状部又は他の非平坦形状部を含んでいてもよい。
[0068]図3及び図4の身体支持具110は、更に、上層130の下部面134に隣接して配置されている中層136を含んでいる。中層136は、上層130の下部面134に隣接して配置されている上部面138と、中層136の厚さ分だけ上層130から離間されている下部面140と、を含むことができる。例示されている中層136は、非網目状の従来型フォームを備えている。しかしながら、他の実施形態では、中層136は、網目状の従来型フォームを備えることも、或いは網目状又は非網目状の粘弾性フォームを備えることもでき、それらの特質は以上に図1及び図2の身体支持具10のフォーム材料に関連付けて詳細に説明されている。
[0069]幾つかの実施形態では、上層130は、中層136の上に、固定されることなく載せられていてもよい。しかしながら、他の実施形態では、上層130と中層136は、接着性又は粘着性の貼り合わせ用材料によるか、上層130と中層136の形成中に一体に貼り合わせるか、テープ、マジックテープ型材料、従来型締結具、上層130と中層136を少なくとも部分的に貫いて延びている縫目によるか、又は何か他の適したやり方で、互いに固定されている。
[0070]同様に図3及び図4に示されている様に、中層136の上部面138は非平坦形状を有し、粘弾性フォームの上層130と中層136の間に複数の通路142が画定されるようにしていてもよい。幾つかの実施形態では、通路142は、身体支持具110の内室116aを少なくとも部分的に画定している。図3及び図4の実施形態で内室116aが画定されるやり方に代わるものとして、通路142は代わりに、粘弾性フォームの上層130の波状又はそれ以外に非平坦な下部面134と中層136の実質的に平坦な上部面138の間に、及び/又は粘弾性フォームの上層130の波状又はそれ以外に非平坦な下部面134と中層136の波状又はそれ以外に非平坦な上部面138の間に、画定することができる。幾つかの実施形態では、その様な通路142によって、使用者の快適性、通気、及び/又は熱放散の向上が実現されている。
[0071]図3及び図4の実施形態では、中層136の波状の上部面138は、上層130に向かって伸びる複数の突起144を画定している。これらの突起144は、形状が概ね円錐状であってもよいし、円錐台形であってもよいし、図3及び図4に示されている様に丸い先端を有していてもよい。図3及び図4に示されている概ね円錐形の突起144に代えて、又はそれに加えて、中層136の上部面138は、任意の他の所望される型式の突起又はそれらの突起形式の組合せを有することができ、限定するわけではないが、詰物、***、柱、及び他の局在化された突起、畝、波(例えば、滑らかな鋸歯又は他の外形を有するもの)、及び他の細長い突起などが含まれる。更に、又は代わりに、中層136の上部面138は、限定するわけではないが、陥凹、窪み、めくら穴、貫通穴、溝などを含む任意の数及び型式の開口を有することができ、それらの何れか又は全ては、全部又は一部が、たった今説明された突起型式の何れかによって画定されていてもよい。
[0072]今しがた提供された突起144と開口の説明は、上層130の下部面134が非平坦である実施形態の上層130の下部面134にも等しく当てはまる。
[0073]身体支持具110の上層130と中層136の間の通路142は、突起144、開口、又は突起144と開口の何らかの組合せによって画定することができる。突起144及び/又は開口は、必ずしも何らかの配列(例えば、反復又は非反復パターン)にされていなくてもよいが、幾つかの実施形態では、突起144は、その様なやり方で中層136及び/又は上層に設置されている。例えば、図3及び図4に例示されている実施形態の中層136の概ね円錐形の突起144は、中層136の上部面138に亘って規則正しく離間されている。幾つかの実施形態では、上部面138の概ね円錐形の突起144同士の間に位置する区域は、陥凹していてもよく、幾つかの実施形態では、突起144と協同で卵の梱包ケース様の表面又は任意の他の所望される表面形状を模すものとすることもできる。
[0074]更に、中層136の突起144及び/又は開口は、不変又は実質的に不変の高さを有する通路142を画定することができる。しかしながら、他の実施形態では、中層136の突起144及び/又は開口は、上層130と中層136の間の異なった場所で高さが変化している通路142を画定することができる。図3及び図4の例示されている実施形態では、突起144は、中層136の実質的に上部面138全域に設置されている。しかしながら、他の実施形態では、突起144は、身体支持具110の1つ又はそれ以上の領域の様な、上部面138全域より狭い区域に設置することができる。同様に、通路142を少なくとも部分的に画定している開口は、中層136の上部面138及び/又は上層130の下部面134の、1つ又はそれ以上の領域に画定されていてもよいし、実質的に全域に画定されていてもよい。
[0075]以上に説明されている様に、図3及び図4に例示されている実施形態の上層130と中層136の間の通路142は、上層130の実質的に平坦な下部面134と中層136の上部面138の複数の突起144及び/又は開口との間に画定することができる。これに関連して、通気及び/又は熱放散の機能を発揮することのできる通路142は、上層130の実質的に平坦な下部面134と中層136の任意の非平坦な上部面138の間に画定することができる。他の実施形態では、通路142は、上層130の非平坦な下部面134と中層136の実質的に平坦な上部面138の間に画定することができる。上層130の非平坦な下部面134は、以上に図3及び図4に示されている中層136の上部面138に関連付けて説明されている突起及び/又は陥凹の特徴の何れを有していてもよい。従って、中層136の非平坦な上部面138に関する上記説明は、上層130の下部面134にも等しく当てはまる。更に他の実施形態では、通路142は、上層130の非平坦な下部面134と中層136の非平坦な上部面138の間に画定することができる。
[0076]上層130の下部面134と中層136の上部面138の間の通路142は、身体支持具110の通気及び/又は熱放散を向上させることができる。通路142は、身体支持具110の諸領域の熱を減少させるのに特に有用であろう。
[0077]引き続き図3及び図4の例示されている実施形態を参照して、身体支持具110は、身体支持具110の中層136の開口122a内に設置されている複数の通風器118を含んでいる。通風器118は、以上に図1及び図2の実施形態に関連付けて説明されている形態の何れの形態をとっていてもよい。同様に以上に図1及び図2の実施形態に関連付けて説明されている様に、身体支持具110には任意の数の通風器118を設けることができ、それら通風器は、身体支持具110全体に亘って何れの位置に設置することもでき、他の実施形態では身体支持具110の外側に設置することができる。
[0078]通風器118は、身体支持具110の通気及び/又は熱放散を向上させるべく、上層130と中層136の間の通路142と流体連通させることができる。具体的には、通風器118は、身体支持具110内の熱を強制対流によって通路142を通して進ませ、空気を開口122aを通して身体支持具110の上面112及び上層130から逃がすことができる。代わりに、通風器118は、以上に更に詳細に説明されている様に、空気を、身体支持具110に引き入れ、次いで、身体支持具110の材料を通して、及び/又は身体支持具110の層と層の間を、進ませることができる。
[0079]図3及び図4に示されている身体支持具110は、更に、中層136の下部面140に隣接して配置されている下層146を含んでいる。下層146は、中層136の下部面140に隣接して配置されている上部面148と、中層136から下層146の厚さ分だけ離間されている下部面150と、を含むことができる。幾つかの実施形態では、下部面150は、身体支持具110の下面114を画定している。他の実施形態では、下層146の下部面150に隣接して身体支持具110の追加の層が配置されている。例示されている下層146は、非網目状の従来型フォームを備えている。しかしながら、他の実施形態では、下層146は、網目状の従来型フォームを備えることも、或いは網目状又は非網目状の粘弾性フォームを備えることもでき、それらの特質は、以上に図1及び図2に示されている身体支持具10のフォームに関連付けて説明されている。幾つかの実施形態では、中層136は、下層146の上に、固定されることなく載せられていてもよい。しかしながら、他の実施形態では、中層136と下層146は、以上に上層130と中層136の間の接続に関連して説明されているやり方の何れか方で互いに固定されている。
[0080]同様に図3及び図4に示されている様に、下層146の上部面148は、非平坦形状を有するものとし、フォーム中層136と下層146の間に複数の通路152が画定されるようにしてもよい。これらの通路152の幾つかを通る空気流は、図4に矢印124で表されている。幾つかの実施形態では、通路142は、内室116bを形成することができる。通路142は、フォーム中層136の実質的に平坦な下部面140と下層146の非平坦な上部面148の間、及び/又は、フォーム中層136の非平坦な下部面140と下層146の実質的に平坦な上部面148の間に画定することができる。幾つかの実施形態では、その様な通路152によって、使用者の快適性、通気、及び/又は熱放散の向上が実現されている。
[0081]図3及び図4の実施形態では、下層146の上部面148は、中層136に向かって伸びる複数の突起154を有している。突起154は、形状が概ね円錐状であってもよいし、円錐台形であってもよいし、図3及び図4に示されている様に丸い先端を有していてもよい。図3及び図4に示されている概ね円錐形の突起154に代えて、又はそれに加えて、下層146の上部面148は、任意の他の所望される型式の突起又はそれらの突起形式の組合せを有することができ、限定するわけではないが、詰物、***、柱、及び他の局在化された突起、畝、波(例えば、滑らかな鋸歯又は他の外形を有するもの)、及び他の細長い突起などが含まれる。更に、又は代わりに、下層146の上部面148は、限定するわけではないが、陥凹、窪み、めくら穴、貫通穴、溝などを含む任意の数及び型式の開口を有することができ、それらの何れか又は全ては、全部又は一部が、たった今説明された突起型式の何れかによって画定されていてもよい。
[0082]身体支持具110の中層136と下層146の間の通路152は、突起154、開口、又は突起154と開口の何らかの組合せによって画定することができる。突起154及び/又は開口は、下層146上で必ずしも何らかの配列(例えば、反復又は非反復パターン)にされていなくてもよいが、幾つかの実施形態では、突起154は、その様なやり方で下層146に設置されている。例えば、図3及び図4に例示されている実施形態の下層146の概ね円錐形の突起154は、下層146の上部面148に亘って規則正しく離間されている。幾つかの実施形態では、上部面148の概ね円錐形の突起154同士の間に位置する区域は、陥凹していてもよく、幾つかの実施形態では、突起154と協同で卵の梱包ケース様の表面又は任意の他の所望される表面形状を模すものとすることもできる。
[0083]更に、下層146の突起154及び/又は開口は、不変又は実質的に不変の高さを有する通路152を画定することができる。しかしながら、他の実施形態では、下層146の突起154及び/又は開口は、中層136と下層146の間の異なった場所で高さが変化している通路152を画定することができる。図3及び図4の例示されている実施形態では、突起154は、下層146の実質的に上部面148全域に設置されている。しかしながら、他の実施形態では、突起154は、身体支持具110の1つ又はそれ以上の領域の様な、上部面148全域より狭い区域に設置することができる。同様に、通路152を少なくとも部分的に画定している開口は、下層146の上部面148の、1つ又はそれ以上の領域に画定されていてもよいし、実質的に全域に画定されていてもよい。
[0084]以上に説明されている様に、図3及び図4に例示されている実施形態の中層136と下層146の間の通路152は、中層136の実質的に平坦な下部面140と下層146の上部面148の複数の突起154及び/又は開口との間に画定することができる。これに関連して、通気及び/又は熱放散の機能を発揮することのできる通路152は、中層136の実質的に平坦な下部面140と下層146の任意の非平坦な上部面148の間に画定することができる。他の実施形態では、通路154は、中層136の非平坦な下部面140と下層146の実質的に平坦な上部面148の間に画定することができる。中層136の非平坦な下部面140は、以上に図3及び図4に示されている下層146の上部面148に関連付けて説明されている突起及び/又は陥凹の特徴の何れを有していてもよい。従って、下層146の非平坦な上部面148に関する上記説明は、中層136の下部面140にも等しく当てはまる。更に他の実施形態では、通路154は、中層136の非平坦な下部面140と下層146の非平坦な上部面148の間に画定することができる。
[0085]中層136の下部面140と下層146の上部面148の間の通路152は、身体支持具110の通気及び/又は熱放散を向上させることができる。更に、身体支持具の複数の通風器118(上述)を運転して、空気を、下層146の開口122bを通して進ませることができる。幾つかの実施形態では、下層146の開口122bは、中層136の開口122aと整列しているか、又は実質的に整列している。通風器118は、身体支持具110の通気及び/又は熱放散を、以上に図1及び図2の実施形態の上層130と中層136の間及び内室16内の空気運動に関連付けて説明されているのと同じ又は同様のやり方で向上させるべく、上述の通路152と流体連通させることができる。通風器118は、身体支持具110内の熱を強制対流によって通路152を通して進ませ、空気を開口122bを通して身体支持具110の上面112及び上層130から逃がすことができる。
[0086]例示されている実施形態では、通風器118は、中層136の開口122a内に支持されている。しかしながら、他の実施形態では、通風器118(又は、更には追加の通風器118)の何れか又は全ては、下層146の開口122bの中に支持されていてもよい。
[0087]図3及び図4の実施形態における熱移動に対する抵抗と物質移動に対する抵抗の両方について、通風器118をオンにした場合と通風器118オフにした場合の差を測定するため試験を実施した。試験中は通風器118をオンかオフの何れかの状態に維持し、熱又は湿度に感応して通風器118をオン又はオフにするセンサーや制御器は一切使用しなかった。熱移動に対する抵抗は、以下の結果表にRdryとして表され、物質移動に対する抵抗は、Rwetとして表されている。当該技術分野では理解されている様に、RdryとRwetの数字が小さいほど、熱及び物質を運び去る(例えば、例示されている実施形態では身体支持具110の上面112から離す)能力が優れていることを表している。結果を、以下に表Iに示す。
[0088]表Iの結果は、通風器118が運転しているときには、熱と物質の両方の移動に対する抵抗が有意に減少したことを示している。熱と物質の両方の移動に対する抵抗が減少したため、身体支持具110の熱及び流動物質を抜く能力は有意に増大した。これにより、使用者が所望すれば、身体支持具110を、更に涼しく、及び/又は更に乾いた状態にできる。
[0089]図3及び図4に示されている様に、複数の通風器118及び開口122a、122bは、身体支持具110に亘る冷却の所望の分布又はパターンを提供するように、身体支持具110の周りに配列することができる。例えば、通風器118と開口122a、122bは、身体支持具110をどちらかといえば均一的に冷却するように配列することができる。例示されている実施形態では、4つの通風器118が設けられており、それぞれが身体支持具110の角に設置されている。同様に図3及び図4の例示されている実施形態では、通風器118は、身体支持具110の長手方向の中心から外れて(即ち、使用者の胴部から横方向に離して)配置されている。この通風器118の配列は、大抵は使用者の胴部が使用者の脚部又は頭部より多量の熱を発生させるという事実を根拠にすれば望ましいということになる。従って、温度及び/又は湿度は、身体支持具110のより低温部分に感応して測定及び制御されることになり、そのため使用者が通風器118の運転のせいで過度に冷やされることはない。他の実施形態では、通風器118は、使用者の胴部がより効果的に冷やされるように、身体支持具110の中間付近に置かれている。図3及び図4の例示されている配列では、身体支持具110の一方の側の通風器118が身体支持具110の他方の側から独立に運転されていることによって、身体支持具110の当該一方の側は、身体支持具110の当該他方の側とは異なった温度に維持され、及び/又は異なった湿度を有することができる。
[0090]図3は、説明のみを目的に、1つの通風器118に連結されているセンサー126と制御器128を示している。以上に図1及び図2の実施形態に関連付けて更に詳細に説明されている様に、制御器128、センサー126、及び通風器118は、他の構成及び配列も実施可能であり、それらは本発明の精神及び範囲に入る。例えば、それぞれの通風器118は、制御器128に連結されている1つ又はそれ以上のセンサー126(例えばサーモスタット又はヒューミディスタット)からの信号に基づいて、個々の通風器18の個別制御が許容されるように制御されていてもよい。この例では、身体支持具110の1つ又はそれ以上の部分が異なった温度に維持されており、よって一人の使用者又は複数の使用者は、身体支持具110の様々な部分の温度を調節することができる。他の実施形態では、それぞれの通風器118は、制御器128に連結されている1つ又はそれ以上のセンサー126からの信号に基づいて、制御器128が複数のセンサー126に応えて身体支持具110の通風器118全ての運転を制御するように制御されていてもよい。
[0091]幾つかの実施形態では、通風器118の何れか又は全ては、「オン」状態か又は「オフ」状態の何れかで運転することができ、よって通風器118は単一の運転時速度と単一の非運転時速度を有している。幾つかの実施形態では、通風器118は、センサー126により感知された温度、湿度、及び他の環境状態に応えた制御器128によってオンにされたりオフにされたりする。他の実施形態では、通風器118は、高、中、低の様な複数の運転時速度と、オフの様な非運転時速度を有していて、センサー126及び/又は制御器128に応えて、その様な速度の間で調節されることになる。通風器118及び通風器制御のこれら様々な型式は、ここに説明され及び/又は例示されている身体支持具実施形態の何れに利用することもできる。
[0092]幾つかの実施形態では、身体支持具110には、制御器128及び(単数又は複数の)センサー126に電気的に連結されているユーザーインターフェース129が設けられている。ユーザーインターフェース129は、以上に図1及び図2のセンサーに関連付けて説明されている形態、特徴、及び性能を携えることができる。
[0093]図3及び図4の例示されている実施形態では、内室116aが、上層130と中層136の間に設置されており、別の内室116bが、中層136と下層146の間に設置されている。しかしながら、隣接する層130と136又は136と146の突き合わされている面同士が実質的に平坦である実施形態の様な他の実施形態では、上層130と中層136の間の内室116a、又は中層136と下層146の間の内室116bは存在していない。その様な実施形態でも、ここに説明されている1つ又はそれ以上の通風器118を使用した有意な温度及び/又は湿度制御がなお実施可能である。
[0094]図5及び図6は、本発明による身体支持具210の別の実施形態を示している。この実施形態は、以上に図1−図4に関連付けて説明されている身体支持具の実施形態と同じ構造の多く及び同じ特質の多くを採用している。従って、次に続く説明は、主に、以上に図1−図4に関連付けて説明されている実施形態とは異なる構造及び特徴に焦点を当てている。図5及び図6に示され以下に説明されている身体支持具の構造及び特徴に関する追加の情報及びそれら構造及び特徴に対する実施可能な代替型に関しては、以上に図1−図4に関連付けて提供されている説明を参照されたい。図5及び図6に示されている実施形態の構造及び特徴で、図1−図4の実施形態の構造及び特徴に対応しているものは、以下、200番台の参照番号で表わされている。
[0095]図5及び図6に示されている身体支持具210は、上面212及び下面214と、それらの間の多数のフォーム層を含んでいる。例示されている身体支持具210は、身体支持具210の上面212を画定している上部面232と、上部面232の反対側の下部面234と、を有する上層230を含んでいる。他の実施形態では、枕の上層又は他の身体支持具層が、上層230の上部面232に隣接して配置されている。例示されている実施形態では、上層230は、網目状の粘弾性フォームを備えている。他の実施形態では、上層230は、非網目状の粘弾性フォームを備えることも、或いは網目状又は非網目状の非粘弾性フォームを備えることもできる。これらのフォームのそれぞれの特性(網目状及び非網目状の粘弾性フォーム材料特質を含む)は、以上に図1−図4に関連付けて更に詳細に説明されている。上層230の粘弾性の性質は、使用者の身体にとって比較的心地よい基板を提供することができ、使用者の身体に少なくとも部分的にフィットすることで使用者の身体によって加えられる力を分散させることができ、使用者の体熱によって生じる温度範囲に感応するように選択することができる。例示されている実施形態では、上部面232と下部面234は実質的に平坦である。他の例示されていない実施形態では、上部面232と下部面234のうちどちらか又は両方は、1つ又はそれ以上の波状又は他の非平坦な形状部を含むことができる。
[0096]図5及び図6に示されている上層230の網目状の粘弾性フォームの骨格状のセル構造のおかげで、上層230の熱を身体支持具210上の熱発生源(例えば、使用者の身体)から逃がすことができるため、上層230の1つ又はそれ以上の区域が好ましからざる高温に到達するのを防ぐうえで助けとなる。更に、上層230のフォームの網目状構造は、有意に多くの空気流が、上層230に流入、流出、及び流通できるようにしており、即ちこれは上層230の中の熱を減少させることのできる上層230の特性である。同時に、上層230のフォームの粘弾性の性質は、使用者の心地よさにとって望ましい触覚的な接触及び圧力感応性を提供することができる。これに関し、幾つかの実施形態の網目状の粘弾性フォームは、硬さレベルが低く、それにより使用者身体にとって比較的柔らかくて心地よい表面を提供している。網目状の粘弾性フォームの復元がゆっくりであるという特性に加え、上層230は、使用者の身体に少なくとも部分的にフィットすることもできるので、使用者の身体によって上層230に加えられている力を分散させることができる。
[0097]幾つかの実施形態では、網目状の粘弾性フォームの上層230は、所望の柔らかさ及び圧力感応品質を得るために、少なくとも約20Nで約150N以下の硬さを有している。他の実施形態では、少なくとも約30Nで約100N以下の硬さを有する上層230がこの目的に利用されている。更に他の実施形態では、少なくとも約40Nで約85N以下の硬さを有する上層230が利用されている。
[0098]上層230は、更に、材料の耐久性の度合いが比較的高くなる密度を有している。上層230のフォームの密度は、上層230が圧力に感応する仕方やフォームの感触の様な、フォームの他の特性にも影響し得る。幾つかの実施形態では、上層230は、約30kg/m3以上で約175kg/m3以下の密度を有している。他の実施形態では、少なくとも約45kg/m3で約130kg/m3以下の密度を有する上層230が利用されている。更に他の実施形態では、少なくとも約50kg/m3で約120kg/m3以下の密度を有する上層230が利用されている。
[0099]上層230の網目状の粘弾性フォームは、任意の温度範囲に感応するように選択することができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、使用者の体温範囲(又は、身体支持具210がその上に載っている使用者の身体への接触又は近接によって曝される温度の範囲)の温度感応性は有意な利点をもたらすことができる。例えば、上層230用に選択される網目状の粘弾性フォームは、少なくとも約−5℃より上の温度変化(以上に定義)に感応性を有するものとすることができる。幾つかの実施形態では、上層230用に選択される網目状の粘弾性フォームは、少なくとも約10℃の範囲内の温度変化に感応性を有するものとすることができる。他の実施形態では、上層230用に選択される網目状の粘弾性フォームは、少なくとも約15℃の範囲内の温度変化に感応性を有するものとすることができる。
[0100]図5及び図6に示されている身体支持具210は、更に、上層230の下部面234に隣接して配置されている中層236を含んでいる。中層236は、上層230の下部面234に隣接して配置されている上部面238と、中層236の厚さ分の距離だけ上層130から離間されている下部面240と、を含むことができる。例示されている中層236は、非網目状の粘弾性フォームを備えており、以上に図3及び図4の実施形態に関連して論じられている身体支持具110の上層130に似たもの、及び/又はそれと似た特質を有するものとすることができる。しかしながら、他の実施形態では、中層236は、網目状の粘弾性フォームを備えることも、或いは網目状又は非網目状の従来型フォームを備えることもでき、それらの特質は既に以上に論じられている。幾つかの実施形態では、上層230は、中層236の上に、固定されることなく載せられていてもよい。しかしながら、他の実施形態では、上層230と中層236は、接着性又は粘着性の貼り合わせ用材料によるか、上層230と中層236の形成中に一体に貼り合わせるか、テープ、マジックテープ型材料、従来型締結具、上層230と中層236を少なくとも部分的に貫いて延びている縫目によるか、又は何か他の適したやり方で、互いに固定されている。
[0101]同様に図5及び図6に示されている様に、中層236の上部面238は非平坦形状を有するものとし、網目状の粘弾性フォームの上層230と中層236の間に複数の通路242が画定されるようにしてもよい。幾つかの実施形態では、通路242は内室216を形成することができる。通路242は、網目状の粘弾性フォームの上層230の実質的に平坦な下部面234と中層236の非平坦な上部面238の間、及び/又は網目状の粘弾性フォームの上層230の非平坦な下部面234と中層236の実質的に平坦な上部面238の間に画定することができる。幾つかの実施形態では、その様な通路242によって、使用者の快適性、通気、及び/又は熱放散の向上が実現されている。
[0102]図5及び図6の実施形態では、中層236の上部面238は、上層230に向かって伸びる複数の突起244を画定している。突起244は、形状が概ね円錐状であってもよいし、円錐台形であってもよいし、図5及び図6に示されている様に丸い先端を有していてもよい。図5及び図6に示されている概ね円錐形の突起244に代えて、又はそれに加えて、中層236の上部面238は、任意の他の所望される型式の突起又はそれらの突起形式の組合せを有することができ、限定するわけではないが、詰物、***、柱、及び他の局在化された突起、畝、波(例えば、滑らかな鋸歯又は他の外形を有するもの)、及び他の細長い突起などが含まれる。更に、又は代わりに、中層236の上部面238は、限定するわけではないが、陥凹、窪み、めくら穴、貫通穴、溝などを含む任意の数及び型式の開口を有することができ、それらの何れか又は全ては、全部又は一部が、たった今説明された突起型式の何れかによって画定されていてもよい。
[0103]身体支持具210の上層230と中層236の間の通路242は、突起244、開口、又は突起244と開口の何らかの組合せによって画定することができる。突起244及び/又は開口は、中層236上で必ずしも何らかの配列(例えば、反復又は非反復パターン)にされていなくてもよいが、幾つかの実施形態では、突起244は、その様なやり方で中層236上に設置されている。例えば、図5及び図6に例示されている実施形態の中層236の概ね円錐形の突起244は、中層236の上部面238に亘って規則正しく離間されている。幾つかの実施形態では、上部面238の概ね円錐形の突起244同士の間に位置する区域は、陥凹していてもよく、幾つかの実施形態では、突起244と協同で卵の梱包ケース様の表面又は任意の他の所望される表面形状を模すものとすることもできる。
[0104]更に、中層236の突起244及び/又は開口は、不変又は実質的に不変の高さを有する通路242を画定することができる。しかしながら、他の実施形態では、中層236の突起244及び/又は開口は、上層230と中層236の間の異なった場所で高さが変化している通路242を画定することができる。図5及び図6の例示されている実施形態では、突起244は、中層236の実質的に上部面238全域に設置されている。しかしながら、他の実施形態では、突起244は、身体支持具210の1つ又はそれ以上の領域の様な、上部面238全域より狭い区域に設置することができる。同様に、通路242を少なくとも部分的に画定している開口は、中層236の上部面238の、1つ又はそれ以上の領域に画定されていてもよいし、実質的に全域に画定されていてもよい。
[0105]以上に説明されている様に、図5及び図6に例示されている実施形態の上層230と中層236の間の通路242は、上層230の実質的に平坦な下部面234と中層236の上部面238の複数の突起244及び/又は開口との間に画定することができる。これに関連して、通気及び/又は熱放散の機能を発揮することのできる通路242は、上層230の実質的に平坦な下部面234と中層236の任意の非平坦な上部面238の間に画定することができる。他の実施形態では、通路242は、上層230の非平坦な下部面234と中層236の実質的に平坦な上部面238の間に画定することができる。上層230の非平坦な下部面234は、これらの実施形態では、以上に図5及び図6に示されている中層236の上部面238に関連付けて説明されている突起及び/又は陥凹の特徴の何れを有していてもよい。従って、中層236の非平坦な上部面238に関する上記説明は、上層230の下部面234にも等しく当てはまる。更に他の実施形態では、通路242は、上層230の非平坦な下部面234と中層236の非平坦な上部面238の間に画定することができる。
[0106]上層230の下部面234と中層236の上部面238の間の通路242は、身体支持具210の通気及び/又は熱放散を向上させることができる。通路242は、身体支持具210の諸領域の熱を減少させるのに特に有用であろう。
[0107]また、以上に図3及び図4の実施形態に関連付けて説明されている様に、中層236の開口222内に複数の通風器218を設置することができる。通風器218は、以上に図1及び図2の実施形態に関連付けて説明されている形態の何れをとっていてもよい。同様に以上に図1及び図2の実施形態に関連付けて説明されている様に、身体支持具210には任意の数の通風器218を設けることができ、それら通風器は、身体支持具210全体に亘って何れの位置に設置することもでき、他の実施形態では身体支持具210の外側に設置することができる。
[0108]通風器218は、身体支持具210の通気及び/又は熱放散を向上させるべく、上層230と中層236の間の通路242と流体連通させることができる。具体的には、通風器218は、身体支持具210内の熱を強制対流によって通路242を通して進ませ、空気を開口222を通して身体支持具210の上面212及び上層230から(即ち、図6の矢印224に沿って)逃がすことができる。幾つかの実施形態では、通風器218は、以上に図1−図4の実施形態に関連付けて更に詳細に説明されている様に、空気を逆方向に進ませることができる。
[0109]図5及び図6に例示されている身体支持具210は、更に、中層236の下部面240に隣接して配置されている下層246を含んでいる。下層246は、中層236の下部面240に隣接して配置されている上部面248と、中層236から下層246の厚さ分だけ離間されている下部面250と、を含むことができる。幾つかの実施形態では、下部面250は、身体支持具210の下面214を少なくとも部分的に画定している。他の実施形態では、下層246の下部面250に隣接して身体支持具210の追加の層が配置されている。下層246は、図5及び図6の例示されている実施形態では、網目状の非粘弾性フォームを備えている。他の実施形態では、下層246は、網目状の粘弾性フォームを備えることができる。
[0110]幾つかの実施形態では、中層236は、下層246の上に、固定されることなく載せられていてもよい。しかしながら、他の実施形態では、中層236と下層246は、接着性又は粘着性の貼り合わせ用材料によるか、中層236と下層246の形成中に一体に貼り合わせるか、テープ、マジックテープ型材料、従来型締結具、中層236と下層246を少なくとも部分的に貫いて延びている縫目によるか、又は何か他の適したやり方で、互いに固定されている。
[0111]同様に図5及び図6に示されている様に、下層246の上部面248は、中層236の下部面240がそうであるように、実質的に平坦な形状を有するものとすることができる。しかしながら、下層246が網目状フォームを備えているために、フォームの網目のおかげで、空気流の流通が許容される。下層246を通る空気流は、図6に矢印224で表わされている。幾つかの実施形態では、下層246の上部面248及び/又は中層236の下部面240は、以上に説明されている様に、中層236と下層246の間にも空気の流れを許容する実質的に非平坦な形状を有することができる。
[0112]図6に示されている様に、下層246に隣接して複数の通風器218を含むことができ、そうして通風器によって、空気が下層246を通るように方向決めして、身体支持具210の通気及び/又は熱放散を向上させることができる。通風器218は、空気を、通路242から引き入れるとともに、網目状の粘弾性フォームの上層230を通して引き入れ、流通空気を開口222に方向決めして下層246を通し上面212から離れる方向に向かわせることによって、空気を進ませることができる。
[0113]図5及び図6の実施形態における熱移動に対する抵抗と物質移動に対する抵抗の両方について、通風器218をオンにした場合と通風器218をオフにした場合の差を測定するため試験を実施した。試験中は通風器218をオンかオフの何れかの状態に維持し、熱又は湿度に感応して通風器218をオン又はオフにするセンサーや制御器は一切使用しなかった。熱移動に対する抵抗は、以下の結果表にRdryとして表され、物質移動に対する抵抗は、Rwetとして表されている。当該技術分野では理解されている様に、RdryとRwetの数字が小さいほど、熱及び物質を運び去る(例えば、例示されている実施形態では身体支持具210の上面212から離す)能力が優れていることを表している。結果を、以下に表IIに示す。
[0114]表IIの結果は、通風器218が運転しているときには、熱と物質の両方の移動に対する抵抗が有意に減少したことを示している。熱と物質の両方の移動に対する抵抗が減少したため、身体支持具210の熱及び流動物質を抜く能力は有意に増大した。これにより、使用者が所望すれば、身体支持具210を、更に涼しく、及び/又は更に乾いた状態にできる。
[0115]熱及び物質の移動に対する抵抗における差は、先に例示されている実施形態の身体支持具110の場合より、今回の身体支持具210の方が大きい。これは、恐らく、身体支持具210の上層230と下層246に網目状の粘弾性フォームを使用した結果であり、同フォームは、より多くの空気流の流通を許容し、通風器218の空気及び流体を身体支持具210の上面212及び上層230から引き離す能力を高めることができる。
[0116]通風器218及び対応する開口222は、以上に図1−図4の例示されている実施形態に関連付けて説明されているやり方の何れにより配列されていてもよい。
[0117]図5は、説明のみを目的に、1つの通風器218に連結されているセンサー226と制御器228を示している。センサー226、通風器218、及び制御器228は、限定するわけではないが、以上に図1−図4の例示されている実施形態に関連付けて説明されているセンサー、通風器、及び制御器の構成及び配列の何れをも含め、他の構成及び配列が実施可能である。通風器218の運転も、同様に、以上に図1−図4に例示されている実施形態に関連付けて説明されているやり方の何れであってもよい。
[0118]幾つかの実施形態では、以上の図1−図4に示されている実施形態を参照して説明されている様に、ユーザーインターフェース229は、制御器228に電気的に連結されている。ユーザーインターフェース229は、以上に図1−図4の例示されている実施形態に関連付けて更に詳細に説明されている形態、特徴、及びやり方の、何れの形態をとっていてもよいし、何れの特徴を有していてもよいし、何れのやり方で機能していてもよい。
[0119]図7−図9及び図10−図12は、本発明による身体支持具の2つの追加の実施形態310、410を示している。これらの実施形態は、図1−図6に関連して説明されている身体支持具の実施形態と同じ構造の多くを採用し、同じ特質の多くを有している。従って、次に続く説明は、主に、以上に図1−図6に関連付けて説明されている実施形態とは異なる構造及び特徴に焦点を当てている。図7−図12に示され以下に説明されている身体支持具の構造及び特徴に関する追加の情報及びそれら構造及び特徴に対する実施可能な代替型に関しては、以上に図1−図6に関連付けて提供されている説明を参照されたい。図7−図12の実施形態の構造及び特徴で、図1−図6の実施形態の構造及び特徴に対応しているものは、以下、それぞれ300番台及び400番台の参照番号で表わされている。
[0120]図7−図9及び図10−図12に例示されている身体支持具310、410は、それぞれ、使用者を支持するように配置されている上面312、412と、枠又は他の支持体の上に直接載せることのできる下面314、414を含んでいる。身体支持具310、410は、1層又はそれ以上のフォーム材料の層を含むことができるが、身体支持具310、410は、所望により、そして以上に図1及び図2の実施形態に関連付けて更に詳細に説明されている様に、1層又はそれ以上の他の材料の層を含むこともできる。図7−図9及び図10−図12の例示されている実施形態では、身体支持具310、410は、それぞれ、たった1層のフォーム層しか有していないが、これらの特定の実施形態は、本発明の範囲を制限することを意図したものではないことを理解されたい。むしろ、図7−図9及び図10−図12に示されている身体支持具310、410は、一例として提示されているに過ぎない。
[0121]図7−図9及び図10−図12に示されている身体支持具310、410のフォームは、以上に図1及び図2の例示されている実施形態に関連付けて説明されている特質(例えば、硬さ、密度、及び/又は温度感応性)の何れかを有する開放セル又は閉鎖セルの非網目状の粘弾性フォームを備えている。他の実施形態では、身体支持具10のフォームは、同様に、以上に本発明の他の実施形態に関連付けて説明されている特質の何れかを有する、網目状の粘弾性フォーム或いは網目状又は非網目状の非粘弾性フォームを備えることができる。
[0122]図7−図9及び図10−図12の例示的な実施形態では、上面312、412と下面314、414は、実質的に平坦である。他の例示されていない実施形態では、上面312、412と下面314、414のうち何れか又は両方は、1つ又はそれ以上の波状部又は他の非平坦形状部を含むことができる。
[0123]図7−図9及び図10−図12に例示されている身体支持具310、410は、それぞれ、多数の内室316、416を有している。それぞれの内室316、416は、図7−図9及び図10−図12に示されている様に、流路によって画定されている。内室316、416は、細長く、直線状で、互いに平行であり、身体支持具310、410の長さに亘って延びている。しかしながら、他の実施形態では、身体支持具310、410の内室316、416は、それより多い場合も少ない場合もあり、断面形状がそれより広い場合も狭い場合もあり、中には身体支持具310、410の全長より短い長さに亘って延びている場合もある。更に、他の実施形態では、内室316、416は、直線状ではなく(例えば、湾曲しているか又は任意の所望の経路をとっている)、互いに平行でなく、及び/又は身体支持具310、410の長さ又は幅に亘って任意の他の方向に延びている。
[0124]身体支持具310、410には、それぞれ、1つ又はそれ以上の通風器318、418が設けられており、同通風器は、身体支持具310、410の端390、490に取り付けられているか、身体支持具310、410の外側に設置され、身体支持具310、410の端390、490と(例えば、適したホース又は他の導管を介して)流体連通しているか、又は内室316、416に沿った何れか他の位置に設置されて、空気が内室316、416の中へ引き入れられ、内室に沿って進み、内室316、416の反対側の端392、492で排出されるようにしている。他の実施形態では、内室316、416の排出部は、内室316、416の端390、490と392、492の間に設置されており、例えば1つ又はそれ以上の排出口がそれぞれの内室316、416を身体支持具310、410の外側の場所と流体連通に接続している。このやり方では、(単数又は複数の)通風器318、418によって内室316、416の中へ引き入れられた空気は、必ずしも身体支持具310、410の端392、492から排出される必要はなく、代わりに、身体支持具310、410の上面、下面、及び/又は側面の場所から排出されるようにすることもできる。その様な場合、空気は、例えば排出口に設置されている通風器318、418や身体支持具310、410の両端の通風器318、418など、以上に説明されているやり方の何れかで内室316、416の中へ引き入れることができる。例えば、図7−図9及び図10−図12の例示されている実施形態では、空気は、身体支持具310、410の両端390、490及び392、492で内室316、416の中へ引き入れられ、内室316、416の互いに反対側の端の中間で内室316、416のそれぞれと流体連通している排出口を通して排出されるようにすることができる。
[0125]本発明の幾つかの実施形態では、内室316、416は、1つ又はそれ以上の共通の吸込又は排出マニホルドを介し、又は内室316、416の吸込口と排出口の間に設置されている1つ又はそれ以上の他のマニホルドを介して、互いに流体連通させることができる。単に一例として、図7−図9及び図10−図12に例示されている身体支持具310、410は、それぞれ、身体支持具310、410の一端390、490に2つの吸込マニホルド394、494を有している。吸込マニホルド394、494は、複数の内室316、416と流体連通している。従って、例示されている通風器318、418が、空気をマニホルド394、494に供給すると、今度はマニホルドが、空気流が内室316、416それぞれに進入し、それぞれの室に沿って進み、身体支持具310、410の反対側の端392、492に到り、そこから出てゆくための経路を提供する。幾つかの実施形態では、内室316、416及び/又は(単数又は複数の)マニホルド394、494は、例えば、図7−図9及び図10−図12に示されている様に内室316、416それぞれの入口の壁に勾配をつけるなどして、空気流の内室316、416への流入及び/又は内室からの流出を促す形状とすることができる。
[0126]図7−図9及び図10−図12の例示されている身体支持具310、410は、身体支持具310、410の上面312、412近傍から身体支持具310、410の内部への空気の流れを促す形状の内室316、416を有している。具体的には、内室316、416のそれぞれは、その長さに沿って複数の絞り396、496を有している。例示されている実施形態の絞り396、496は、それぞれの内室316、416の上方の厚肉区域により画定されており、厚肉区域のそれぞれが、それぞれの内室316、416の中へ張り出していて、ひいては内室316、416に沿って空気流を絞っている。身体支持具310、410の開口398、498は、上面312、412から絞り396、496それぞれまで延びており、絞り396、496と上面312、412の場所との流体連通を確立している。それぞれの絞り396、496は、ベンチュリ管を画定しており、同ベンチュリ管は対応する開口398、498と共に、空気が絞り396、496を通って流れてゆくときに、開口398、498が上面312、412に達している場所から空気を内室316、416へ引き入れる吸引力を発生させる。このベンチュリ効果によって、熱は、上面312、314の、身体支持具310、410に載っている使用者の場所又は使用者に近接している場所から引き離され、使用者から離れた内室316、416の中へ進ませられる(例えば、最終的には、身体支持具310、410の端392、492又は上述の何れか他の排出場所で排出される)。同じ原理の下、身体支持具310、410の他の場所(即ち、使用者が載っていない場所)では、より低温の空気が身体支持具310、410の中へ引き入れられ、内室316、416の中へ引き入れられ、内室を通って、身体支持具310、410の内部を冷却する。
[0127]図7−図9及び図10−図12に例示されている身体支持具310、410は、絞り396、496の形状が互いに異なっている。具体的には、図7−図9に例示されている身体支持具310内の絞り396は、内室316の実質的に平坦な内面によって画定されているのに対し、図10−図12に例示されている身体支持具410内の絞り496は、内室416の湾曲した内面によって画定されている。これに関連して、絞り396、496は、多数の切子加工された内面、切子加工されていない内面、湾曲状の内面、及び/又は平坦な内面、或いは所望のその様な内面の組合せによって画定することができ、それでもなお、上述の同じ一般的な機能を発揮するベンチュリ管を得ることができる。その様な絞り396、496はどれも本発明の精神及び範囲に入る。
[0128]更に、任意の数の内室316、416では任意の数の絞り396、496及び対応する開口398、498を利用することができ、それらは内室316、416に沿ったどこでも所望の場所に設置することもできることに留意されたい。単に一例として、絞り396、496及び対応する開口398、498は、少なくとも一部には内室316、416の場所、向き、及び形状に基づいて、身体支持具310、410の実質的に全長又は全幅に沿って均等に離間させることもできるし、不均等に離間させることもできる。別の例として、その様な絞り396、496及び対応する開口398、498は、必要に応じて、身体支持具の或る一定の区域(例えば、使用者の胴部区域、使用者の頭部区域、マットレスの左側又は右側だけに影響をもたらすように身体支持具310、410の一方の側など)のみに設置することができる。更に別の例として、身体支持具310、410の一定の区域(例えば、使用者の胴部区域、使用者の頭部区域、身体支持具310、410の一方の側など)には他の区域より多くの絞り396、496及び対応する開口398、498を設置することもできる。更に、絞り396、496及び/又は開口398、498は、少なくとも一部には、対応する開口398、498を通る所望の吸引量及び内室316、416に沿った異なる場所での内室316、416を通る空気流の利用可能な力に応じて、同じ寸法及び/又は形状を有するものとすることもできるし、異なった寸法及び/又は形状を有するものとすることもできる。例えば、身体支持具310、410の一定の区域で上面312、412からの空気流を向上させたければ、当該区域では、より大きい開口398、498及び/又はよりきつい絞り396、496が求められるであろう。
[0129]図13−図15は、本発明による身体支持具510の別の実施形態を示している。この実施形態は、以上に図1−図12に関連付けて説明されている身体支持具の実施形態と同じ構造の多くを採用し、同じ特質の多くを有している。従って、次に続く説明は、主に、以上に図1−図12に関連付けて説明されている実施形態と異なる構造及び特徴に焦点を当てている。図13−図15に示され以下に説明されている身体支持具の構造及び特徴に関する追加の情報及びそれら構造及び特徴に対する実施可能な代替型に関しては、以上に図1−図12に関連付けて提供されている説明を参照されたい。図13−図15に示されている実施形態の構造及び特徴で、図1−図12の実施形態の構造及び特徴に対応しているものは、以下、500番台の参照番号で表わされている。
[0130]本発明の或る実施形態による身体支持具組立体508が図13−図15に示されており、同組立体は、身体支持具510と土台511を含んでいる。図13−図15に例示されている身体支持具510は、マットレスである。しかしながら、ここに説明されている身体支持具510の特徴は、任意の寸法及び形状を有する如何なる他の型式の身体支持具にも適用することができ、同様にここに説明されている土台に載せて使用するのにも適していることが理解されるであろう。単に一例として、これらの特徴は、頭枕、シートクッション、シートの背もたれ、マットレス上敷き、マットレス上掛け、布団、ソファベッド、及び人間又は動物の身体の一部又は全部を支持又は緩衝するのに使用されるその他の構造に等しく適用することができる。
[0131]図13−図15に示されている身体支持具510は、使用者を支持するように配置されている上面512と、土台511の上に直接載せることのできる下面514を含んでいる。土台511は、身体支持具10及びその上の(単数又は複数の)使用者の重量を支えるのに適した枠、支持体、又は他の構造とすることができる。身体支持具10は、1層又はそれ以上のフォーム材料の層を含むことができるが、身体支持具510は、同様に、必要に応じて、1層又はそれ以上の他の材料の層を含むことができる。図13−図15の例示されている実施形態では、身体支持具510は、たった1層のフォーム層しか有していないものとして示されているが、この特定の実施形態は、本発明の範囲を制限することを意図したものではないことを理解されたい。むしろ、図13−図15に示されている身体支持具510は、一例として提示されているに過ぎない。
[0132]図13−図15の例示されている実施形態を参照すると、例示されている身体支持具510の上面512と下面514は、実質的に平坦な面として示されている。しかしながら、他の例示されていない実施形態では、上面512と下面514の何れか又は両方は、1つ又はそれ以上の波状部、他の非平坦形状、又は、波状部と他の非平坦形状の組合せを含むことができる。以上に述べられている様に、身体支持具510は、粘弾性フォームを含むことができる。その様な実施形態では、フォームの粘弾性の性質は、中でも特に、使用者身体にとって比較的心地よい基板を提供することができる。粘弾性フォームは、使用者の身体に少なくとも部分的にフィットすることで使用者の身体によって加えられる力を分散させることができ、幾つかの実施形態では、使用者の体熱によって生じる温度範囲に感応性を有するように選択することができる。
[0133]引き続き図14を参照して、例示されている身体支持具510は、更に内室513を含んでおり、同内室は、一部又は全部が、網目状のフォーム(粘弾性か又はそれ以外)によって占められていてもよいし、代わりに、実質的に空であってもよい。以下に更に詳細に説明されている様に、身体支持具510の冷却が必要になった時々に、空気流が内室を通して生成される。内室513は、例示されている実施形態では、模式的にしか示されていないが、内室は、所望の如何なる形状及び寸法を有することもでき、幾つかの実施形態では、身体支持具内の様々な場所へ延びている多数の空洞及び空隙によって画定されていてもよいものと理解されたい。幾つかの実施形態では、身体支持具510は、それぞれが所望の任意の形状を有する一連又は一団の内室513を有することができる(例えば、円形、長円形、楕円形、又はそれ以外に丸い内室513、それぞれに方形、三角形、又は他の多角形の形状を有する内室513、それぞれにS字型、Z字型、又は他の形状を有する細長い内室513、不規則な形状を有する内室513、その様な形状の何らかの組合せを有する内室513など)。更に、任意の数の内室513又は全ての内室513を一体に連結し、それにより互いに流体連通させるようにしてもよい(例えば、全ての内室513が互いに交点で流体連通している、内室513の一部のセットは互いと流体連通し、内室513の他のセットとは流体連通していない、など)。
[0134]幾つかの実施形態では、(単数又は複数の)内室513は、身体支持具の少なくとも1つの内面に、内室513の厚さを部分的又は完全に横断して延びる波状部を有する表面の様な、非平坦面を設けることにより作成されている。
[0135]図13−図15の例示されている実施形態では、内室513は、内室513と流体連通しているマニホルド516まで延びている。図14からよく分かるように、通風器518がマニホルド516に隣接していて、空気を、内室513を通して方向決めする働きをしている。幾つかの実施形態では、通風器518は、空気を身体支持具510の上面512に向けて進ませるべく回転するように運転できる。しかしながら、他の実施形態では、通風器518は、空気を身体支持具510の上面512から逃がすべく回転するように運転できる。通風器518は、図14の仮想線で示されている1つ又はそれ以上の通風器羽根520を含むことができ、限定するわけではないが軸流通風器、遠心通風器などを含め、如何なる所望の形態をとっていてもよい。幾つかの実施形態では、通風器518は、コンピュータケースの通風器に似ていて、少なくとも約32立方フィート毎分(0.906立方メートル毎分)の空気を通風することができる。他の実施形態では、通風器518は、標準的なコンピュータケースの通風器より大きくてもよいし、小さくてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上の通風器518は、それぞれ、約5立方フィート毎分(cfm)(0.141m3/分)から約200cfm(5.662m3/分)の間の流量を発生させることができる。他の実施形態では、1つ又はそれ以上の通風器518は、それぞれ、約10cfm(0.283m3/分)から約175cfm(4.954m3/分)の間の流量を発生させることができる。更に他の実施形態では、1つ又はそれ以上の通風器は、それぞれ、約20cfm(0.566m3/分)から約150cfm(4.246m3/分)の間の流量を発生させることができる。
[0136]図14に例示されている通風器518は、土台511に形成されている開口522の中に内室513(即ち、内室513の当該部分は幾つかの実施形態ではマニホルド516を画定している)に隣接して配置されている。開口522は、通風器518によって進ませられる空気の、内室513からの出口として機能することができる。幾つかの実施形態では、通風器518は、通風器518を取り囲む土台511の圧縮力によるか、又はブラケット、サポート、又は他の継手(以下、単に「継手」523と呼ぶ)などによって、土台511内のこの位置に保持することができる。例示されている実施形態では、通風器518は、継手523によって土台511内に保持されている。幾つかの実施形態では、継手523は、少なくとも一部が内室513の中へ伸びていてもよい。その様な実施形態では、継手523は、土台511に対する身体支持具510の一定の運動に順応する可撓性ポリマー又は他の類似の可撓性材料の様な、可撓性を有する材料を含むことができる。他の実施形態では、継手523は、すっぽり土台511内に保持されていてもよい。その様な実施形態では、継手523は、通風器518を土台511内に保持するのに適した如何なる材料を含んでいてもよい。継手523が土台511から上向きに伸びている実施形態では、継手523を、図14に示されている内室513の様な、身体支持具510の各切欠、陥凹、又は開口に隣接して配置するのが望ましいかもしれない。継手523と内室513は、身体支持具組立体508全体を通る流体流を提供するダクトを形成することができる。
[0137]例示されている実施形態では、通風器518は、身体支持具510の下面514の下方に配置されている。他の実施形態では、通風器518は、内室513に直接隣接する位置、身体支持具510の下面514に直接隣接する位置などの様な、他の位置に設置することができる。更に他の実施形態では、通風器518は少なくとも一部が身体支持具510の内室513の中に配置されていてもよい。通風器518を土台511の中に配置することは、使用者を通風器の運転によって引き起こされる騒音及び振動から、少なくとも一部ではあるが絶縁するという利点をもたらすことができる。(単数又は複数の)通風器518が土台511の中に配置されている実施形態は、更に、使用者が身体支持具510と土台511を別々に選択することを許容するので、何れの適した身体支持具510を土台511に支持させることも、何れの土台を身体支持具510を支持するのに使用することもできるようになる。これにより、使用者には、特定の身体支持具510を、少なくとも1つの通風器518を有する土台511を購入し使用するというオプション付きで購入することが可能になる。
[0138]例示されている実施形態の通風器518は、空気を、内室513に沿って、通風器518に向かわせ、通風器518を通過させ、開口522を通して、身体支持具510及び土台511の外側の場所(即ち、身体支持具510及び土台511の外部)へ進ませる働きをする。通風器518の運転に応じて、空気は強制的に土台511を通って土台511の側面及び/又は底から追い出される。単に一例として、たった今説明された空気の流れが図14に矢印524で表わされている。通風器518は、土台511の外側に設置し、適した導管(例えば、ダクト、管、パイプ、又はそれらの組合せ)を介して開口522と流体連通に接続してもよいことが理解されるであろう。しかしながら、上述の土台511及び通風器518の内蔵型の性質は、使用者にとって、また製造プロセスにおいて、(例えば)土台511及び通風器518の可搬性の向上、身体支持具組立体を分解する必要のない容易補修、使用者又は他者が通風器を勝手に改造することに対する防護、及び通風器518を開口522に近接させることに基づく空気運動の改善の様な、有意な利点をもたらすことができる。また、通風器518全体が土台511内に収容されている実施形態では、身体支持具510の様な何れかの適した身体支持具を土台511の上に配置すれば、土台511の中の(単数又は複数の)通風器518による益を享受することができる。他の実施形態では、通風器518は、空気を、身体支持具510及び土台511の外側の場所から、開口522を通して、内室513の中へ進ませる向きに配置することができる。
[0139]通風器518は、図14に示されている様に、制御器528(以下に更に詳細に説明)に連結されている電源コードを通して電力を受けることができ、制御器自体は、家屋、建物、又は他の施設の電気コンセントの様な電力源に接続されている。代わりに、通風器518は電力源に電源コードで直接接続されていてもよい。更に他の実施形態では、通風器518は、バッテリー運転であってもよいし、他のコードレス手段によって電力供給されていてもよい。
[0140]幾つかの実施形態では、身体支持具510の運転状態を反映する1つ又はそれ以上の変数を感知するように、1つ又はそれ以上のセンサー526が、内室513に近接して、内室513に隣接して、又は内室5131の中に、配置されている。センサー526には、限定するわけではないが、温度センサー、湿度センサー、及び空気圧センサー526が含めることができる。単に一例として、図14に示されている単一のセンサー526は温度センサーであるが、任意の数の温度センサー、湿度センサー、空気圧センサー、及び又は他の型式のセンサーを使用することができる。その様なセンサー526は、身体支持具510の温度、湿度、空気圧、及び他の特性を検出し、センサー情報を受信することができる制御器528に接続されている。幾つかの実施形態では、センサー526は、制御器528に、センサー526から制御器528へ延びている1つ又はそれ以上の配線によって接続されている。これらの配線531は、身体支持具510及び/又は土台511の下方を延びていてもよく、図14には点線で模式的にのみ示されている。他の実施形態では、センサー526は、制御器528に連結されている無線受信器と通信することのできる無線送信器に接続することができ、その結果、センサー526と制御器528の間に配線を走らせる必要はなくなる。幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上のセンサー526と制御器528は、土台511の中で、開口522に近接して、開口522に隣接して、又は開口522の中に設置されている。(単数又は複数の)センサー526、制御器528、及び(単数又は複数の)通風器518を土台511の中に含んでいる実施形態では、補修及び保証作業は、施行がより簡単容易になるであろう。例示されている実施形態では、単一のセンサー526は、土台511と身体支持具510の間に、内室513及び開口522に近接して設置されている。
[0141]制御器528は、温度、湿度、空気圧、又は他の内室状態情報を受信する、その様な情報を表しているデータをユーザーインターフェース529(図14参照)へ送る、及び/又は少なくとも一部その様なデータに基づいて通風器518の運転を制御する、ことのできる如何なる形態をとっていてもよい。幾つかの実施形態では、ユーザーインターフェース529は、制御器528及び(単数又は複数の)センサー526に電気的に連結されている。幾つかの実施形態では、制御器528は、PLC又は他の類似の制御器又はマイクロコントローラであるのに対し、他の実施形態では、制御器528は、同じ機能を発揮する別々の論理要素又は他の電子機器のセットである。ユーザーインターフェース529は、以上に図1−図12の身体支持具に関連付けて説明されている形態、特徴、及び性能の何れをとることもできる。
[0142]幾つかの実施形態では、制御器528は、内室513の中の状態の1つ又はそれ以上に関する上述のデータに応えて、通風器518の速度を自動的に調節する。例えば、内室513の中又は付近の温度が、制御器528に(例えば、身体支持具510の製造時、又は使用者又は整備員によりユーザーインターフェース529を介して)入力されている閾値の温度より高い場合、制御器528は、通風器518をオンにするか又は通風器羽根520の回転速度を上げて、内室513の中の温度を下げればよい。単に一例として、内室513の中又は付近の圧力が高すぎる(通風器518の運転速度が内室513を通る所望の空気流レベルを生成するには十分でないことを表している)場合、制御器528は、通風器羽根520の回転速度を上げればよい。通風器518の速度を上げて内室513を通る空気流を増やし、それにより身体支持具510の冷却効果を向上させ、及び/又は身体支持具510の中及び周囲の湿度の回復を抑えることもできるし、或いは通風器518の速度を下げて内室513を通る空気流を減らし、それにより身体支持具510の冷却効果を制限し、及び/又は身体支持具510の中及び周囲の湿度の回復を許容することもできる。更に、この同じ目的のために、必要に応じて、通風器518を始動させたり停止させたりすることができる。幾つかの実施形態では、身体支持具510の周囲の環境の温度にもよるが、身体支持具510の温度を上げることが求められたときには、通風器羽根520の回転方向を逆転させて、熱が身体支持具510の上面512に向けて進められるようにすることができる。
[0143]本発明の幾つかの実施形態では、ユーザーインターフェース529は制御器528に連結されている。更に、幾つかの実施形態では、ユーザーインターフェース529は制御器528を保有している。これに関連して、ユーザーインターフェース529は、適した通信配線で制御器528に繋がれていてもよいし、又は(ユーザーインターフェース529が制御器528を保有している実施形態では)適した配線でセンサー526に繋がれていてもよい。他の実施形態では、ユーザーインターフェース529には無線送信器及び受信器が設けられており、それにより、制御器528から信号を受信するか又は直接センサー526から信号を受信して、制御器528にコマンド信号を送るか又は送風機518に接続されている受信器へ直接コマンド信号を送って、通風器518の運転を以上に説明されている様に変えることができる。従って、ユーザーインターフェース529は、1つ又はそれ以上のバッテリーによって電力供給される無線遠隔式とすることもできるし、繋がれている電力線を通して電力を受けながら無線式に1つ又はそれ以上のセンサー526と通信したり1つ又はそれ以上の通風器518を制御したりすることもできるし、或いはユーザーインターフェース529を電源装置(及び必要な場合は何らかの電源変圧器電子機器)に繋いでいる1つ又はそれ以上の配線を通して、1つ又はそれ以上のセンサー526と通信し、1つ又はそれ以上の通風器518を制御し、そして電力を受けるようにすることもできる。
[0144]ユーザーインターフェース529は、使用者が制御器528を介して通風器518の運転を調節できるようにする1つ又はそれ以上のボタン、ノブ、ダイヤル、スイッチ、又は他の使用者操作式制御部を含むことができる。幾つかの実施形態では、使用者操作式制御部は、ユーザーインターフェースのタッチスクリーンディスプレイ(図示せず)上にあってもよい。代わりに、使用者操作式制御部は、LED、LCD、又は他のディスプレイ、及び/又は、任意の他の型式及び数の標示器(例えば、個別のLED灯又は他の標示灯)が付属していてもよい。ユーザーインターフェース529は、使用者に、(単数又は複数の)センサー526によって検出された温度、湿度、及び他の環境状態(又は、測定された温度、湿度、又は環境状態が表示されない場合は、その様な状態に対応する他の情報)、使用者によって設定された身体支持具510の所望温度及び/又は湿度(又は、設定温度又は設定湿度が表示されない場合は、その様な設定値に対応する他の情報)、通風器518の運転速度、及び他の情報のうち、何れかを表示することもできるし、全てを表示することもできる。例えば、これらの情報の何れか又は全ては、ユーザーインターフェース529のディスプレイに、単一画面でも或いは多画面でも使用者が何らかの従来のやり方で操縦できる画面形式で表示させることができる。更に、又は代わりに、ユーザーインターフェース529は、通風器518がオンになる温度又は湿度レベル、又は通風器518が身体支持具510に維持させようとする温度及び/又は湿度レベルを、使用者に設定させることができる。その様な入力は、上述のタッチスクリーンを介してでもよいし、又は上述の使用者操作式制御部の他の型式の何れかを介してでもよい。
[0145]幾つかの実施形態では、使用者操作式制御部の1つ又はそれ以上は、使用者が、(単数又は複数の)センサー526によって感知される温度、湿度、又は他の環境状態をオーバーライドして、(単数又は複数の)通風器518を手動でオン又はオフにできるようにするオン/オフボタンであってもよい。また、幾つかの実施形態では、使用者操作式制御部の1つ又はそれ以上は、制御器528が通風器518をサイクルおきに(例えば、5分おきに)オンにしたりオフにしたりするように使用者にサイクル時間(例えば、5分)を選択させることができる。ユーザーインターフェース529は、使用者が身体支持具510の上に居る間は使用者の手の届く範囲に在れば、それにより、使用者が制御器528を介して、身体支持具510の設定を調節し、及び/又は別のやり方で身体支持具を制御できるようになる。(単数又は複数の)センサー526、制御器528、及びユーザーインターフェース529は、他の構成及び配列も実施可能であり、それらは本発明の精神及び範囲に入る。
[0146]図14に示され、以上に説明されている様に、図13−図15の例示されている実施形態のセンサー526は、身体支持具510の内室513の中の環境状態を検出するように配置されている。センサー526によって検出される温度、湿度、又は他の環境パラメータは、身体支持具510の上の使用者が実際に体験しているものと同じでないかもしれないことが理解されるであろう。従って、ここに説明及び/又は例示されている身体支持具510で採用されている(単数又は複数の)センサー526の何れか又は全ては、身体支持具510上の何処かそれ以外の場所、例えば身体支持具510上面512上に配置したり、当該上面512の真下の身体支持具510のフォームに埋め込んだり、などすることができる。
[0147]図13−図15の例示されている実施形態の動作において、制御器528は、温度センサー526から1つ又はそれ以上の信号を受信し、当該信号に基づいて通風器518の運転を制御する。例えば、制御器528は、温度センサー526からの信号に基づいて、通風器をオンにさせる、オフにさせる、加速させる、及び/又は減速させることができる。結果として、空気は、内室516に沿って進ませられ、熱及び/又は湿度を身体支持具510内室516から引き出し、空気を土台511の開口522の中へ進ませる。そうしている間に、熱及び/又は湿度は、内室513の内壁(身体支持具上の使用者の身体から受け取った熱及び湿度を内壁513に伝導し得る上部内壁を含む)を離れて開口522へ運ばれ、土台511から出される。従って、通風器518の運転は、身体支持具510の熱及び物質移動モードを、少なくとも部分的に、伝導、拡散、及び自然対流から伝導、拡散、及び強制対流に変える。
[0148]図13−図15の例示されている実施形態では単一の温度センサー526と単一の通風器518が示されているが、他の実施形態では、任意の数の温度センサー及び/又は湿度センサー526を、身体支持具510上の任意の数の異なった位置(上述の身体支持具510内又は土台511内を含む)に設置することができ、任意の数の通風器518を、同様に、上述の様に土台511の中又は外側の任意の数の異なった位置に設置することができる。幾つかの実施形態では、使用者身体の異なった部分に対する異なった冷却速度を提供するのに2つ又はそれ以上の通風器518が土台511の異なった位置に設置されている。更に、幾つかの実施形態では、身体支持具510上の異なった個体に異なった冷却速度を提供するのに2つ又はそれ以上の通風器518が身体支持具510の異なった位置に設置されている(例えば、身体支持具510の男性側と女性側が、土台511の別々の側に設置されている独立制御式の通風器518を有している)。その様な実施形態では、別々の通風器518は、同一のインターフェースで制御されていてもよいし、別々のインターフェースで制御されていてもよい。
[0149]更に、別々のセンサー526を、身体支持具510の異なった区域(例えば、身体支持具510の頭側部分、胴部部分、及び脚側部分や、身体支持具510の左側と右側など)に設置して、その様な区域内の身体支持具510の温度、湿度、又は他の環境状態を感知し、感知された温度、湿度、又は他の環境状態に基づいて、身体支持具510のその様な区域に対応する1つ又はそれ以上の通風器518の運転が自動的に変えられるようにしてもよく、幾つかの実施形態では、更にユーザーインターフェース529を介して使用者に表示されるようにしてもよい。
[0150]図15に示されている様に、複数の通風器518及び開口522は、身体支持具510に亘る冷却の所望の分布又はパターンを提供するように、身体支持具510及び土台511の周りに配列することができる。例えば、通風器518と開口522は、身体支持具510をどちらかといえば均一的に冷却するように配列することができる。例示されている実施形態では、4つの通風器518が設けられており、それぞれが身体支持具510及び土台511の角に設置されている。同様に図15の例示されている実施形態では、通風器518は、身体支持具510の長手方向の中心から外れて(即ち、使用者の胴部から横方向に離して)配置されている。この通風器518の配列は、大抵は使用者の胴部が使用者の脚部又は頭部より多量の熱を発生させるという事実を根拠にすれば望ましいということになる。従って、温度及び/又は湿度は、身体支持具510のより低温部分に感応して測定及び制御されることになり、そのため使用者が通風器518の運転のせいで過度に冷やされることはない。他の実施形態では、通風器518は、使用者の胴部がより効果的に冷やされるように、身体支持具510の中間付近に置かれている。図15の例示されている配列では、身体支持具510及び土台511の一方の側の通風器518が身体支持具510及び土台511の他方の側から独立に運転されていることによって、身体支持具510の当該一方の側は、身体支持具510の当該他方の側とは異なった温度に維持され、及び/又は異なった湿度を有することができる。
[0151]以上に説明されている様に、継手523は、通風器518を土台511の中に保持することができる(図14参照)。同様に、以上に図13−図15の実施形態に関連付けて更に詳細に説明されている様に、制御器528、センサー526、及び通風器518は、多くの構成及び配列が実施可能であり、それらは本発明の精神及び範囲に入る。例えば、それぞれの通風器518は、制御器528に連結されている1つ又はそれ以上のセンサー526(例えばサーモスタット又はヒューミディスタット)からの信号に基づいて、個々の通風器518の個別制御が許容されるように制御されていてもよい。この例では、身体支持具510の1つ又はそれ以上の部分が異なった温度に維持されており、よって一人の使用者又は複数の使用者は、身体支持具510の様々な部分の温度を調節することができる。他の実施形態では、それぞれの通風器518は、制御器528に連結されている1つ又はそれ以上のセンサー526からの信号に基づいて、制御器528が複数のセンサー526に応えて通風器518全ての運転を制御するように制御されていてもよい。
[0152]幾つかの実施形態では、通風器518の何れか又は全ては、「オン」状態か又は「オフ」状態の何れかで運転することができ、よって通風器518は単一の運転時速度と単一の非運転時速度を有している。幾つかの実施形態では、通風器518は、センサー526により感知された温度、湿度、及び(単数又は複数の)他の環境状態に応えた制御器528によってオンにされたりオフにされたりする。他の実施形態では、通風器518は、高、中、低の様な複数の運転時速度と、オフの様な非運転時速度を有していて、センサー526及び/又は制御器528に応えて、その様な速度の間で調節されることになる。通風器518及び通風器制御のこれら様々な型式は、ここに説明され及び/又は例示されている身体支持具10、110、210、310、410、510の実施形態の何れに利用することもできる。
[0153]以上に説明され、図に示されている実施形態は、単に一例として提示されており、本発明の概念及び原理に制限を課そうとするものではない。従って、諸要素及びそれらの構成と配置においては、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更が実施され得ることが当業者には理解されるであろう。例えば、例示されている実施形態のそれぞれでは、身体支持具10、110、210、510の材料の層の下面を貫いて延びるように配置されている開口22、122、222、522が示されているが、その様な開口22、122、222、522は何れも、ここに説明されている機能と同じ又は同様の機能を発揮させながらも、代わりに、身体支持具10、110、210、510の外面へ向けて他の方向に延ばすことができ、例えば図7−図9と図10−図12に例示されている様に身体支持具10、110、210、510の側壁を貫いて延ばすとか、更には身体支持具10、110、210、510の上面を貫いて延ばすことさえ可能であることが理解されるであろう。
[0154]更に、ここに説明されている身体支持具実施形態の何れの実施形態においても、層のうち1層又はそれ以上の層用に選択されるフォームは温度感応性を有するものとすることができることに注目されたい。それに応じて、通風器18、118、218、318、418、518は、ここに説明され示されている身体支持具10、110、210、310、410、510の堅さを少なくとも部分的に制御するように運転させることができる。
[0155]本発明の独立した態様を具現化した特定の構成を示し、説明してきたが、当業者には他の代わりの構成が自明となることであろうが、その様な構成は本発明の独立した態様の意図される範囲に含まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、次に続く特許請求の範囲に述べられている。