JP2012511714A - ナノチューブの電気化学 - Google Patents

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Abstract

電気化学分析のための電極について述べるものであり、この電極は:絶縁表面;絶縁表面上に位置するカーボンナノチューブの三次元ネットワーク;およびカーボンナノチューブと電気的に接触する導電性物質を含み;カーボンナノチューブは、絶縁表面と実質的に平行に配向されている。さらに、電極の製造方法、およびこのタイプの電極を用いた溶液の電気化学分析方法、および関連する分析デバイスまたはキットについても述べる。

Description

本発明は、電気化学的な、特に電流測定による分析および/または検出に用いるための電極に関する。特に、本発明は、カーボンナノチューブの三次元ネットワークを含む電極、ならびにその電極を用いることによる化合物の電気化学的な分析および/または検出のための方法に関する。
炭素材料は、その有用な特質、特にその化学的安定性、水溶液中での広い電気化学的電位窓、および生体適合性のために、分析電気化学において広く用いられている。炭素の表面化学は、金属電極上では観察することがより困難である電気化学的プロセスを促進することができる。従って、炭素を主体とする電極は、有機および生物学的な酸化還元系の検出において、貴金属よりも優れている場合が多い(非特許文献1)。カーボンナノチューブは、ガラス状炭素、グラファイト、およびダイアモンドを例とする電気化学に用いられる従来の炭素材料とは非常に異なる構造および電子特性を有する(非特許文献2)。高アスペクト比、良好な導電性、および低静電容量の組み合わせにより、カーボンナノチューブは非常に優れた電極材料となっている(非特許文献3および非特許文献4)。カーボンナノチューブで修飾された電極は、通常はガラス状炭素であるその他の炭素を主体とする材料と比較して、過電位の減少、検出限界の向上、および感度の上昇を含む非常に魅力的な電気化学的特性を、表面の付着汚染がほとんどまたはまったくないことと合わせて示すことが、数多くの研究において示されてきた(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;および非特許文献7)。
従来から、カーボンナノチューブ電極は、カーボンナノチューブを基礎となる支持電極へランダムに分散させるかまたはそこへ局在化させることにより、本質的に複合物として作製される(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;および非特許文献12)。このような適用のほとんどにおいて、カーボンナノチューブをまず大量に成長させる。カーボンナノチューブの成長方法に関わらず、常に著しい量の不純物が存在する。通常は強酸の混合物中で煮沸させることで行われる精製のための前処理を行うと、カーボンナノチューブは長さが短くなり、その末端および側壁が酸化により損傷し(非特許文献13)、このことは、カーボンナノチューブデバイスの性能に有害な結果をもたらす可能性のある電子散乱中心(electronic scattering centers)を誘導する結果とな
る(非特許文献14)。さらに、未修飾の(pristine)カーボンナノチューブは低静電容量を有することが公知であるが(非特許文献15)、加工されたカーボンナノチューブでコーティングした電極は、非常に高い静電容量を示す場合がある(非特許文献16)。このことは、最高のシグナル(ファラデー電流から)対バックグラウンド(主として容量性放電に起因する)比が所望される電気化学センサーの用途において重要な意味合いを持つ(非特許文献17)。
触媒化学蒸着(cCVD)を用いることで、さらなる精製を必要としない未修飾のカーボンナノチューブを絶縁表面上に成長させることができる。制御された成長条件下にて、cCVDは、カーボンナノチューブの多重に相互接続したランダムな二次元(2D)ネットワークを形成することができる。成長パラメータを注意深く制御することで、ネットワークの密度を制御することが可能となり、これにより、ネットワークの導電性が決まる。低密度のネットワークは、p型半導体の挙動を示し、一方高密度のネットワークは、半金属性の挙動を示す(非特許文献18;特許文献1)。最近、そのような「半金属性」カーボンナノチューブネットワークから、表面被覆率が<1%であるにも関わらず隣接する拡散場の重なりのために支持体面積によって(カーボンナノチューブ自体の面積ではなく)
支配されるボルタンメトリー応答が得られたことが報告された(非特許文献4および非特許文献7)。このことの利点は、バックグラウンドシグナルからの区別が大きく改善されることであり、これによって従来にはなかった検出限界および短い応答時間が得られる。しかし、このようなネットワークの抵抗率は、ゲート電位に大きく依存しており(ゲート電位に応じて、77kΩ/□から2.8GΩ/□まで変化する)、より高い分析物濃度において著しいiR効果をもたらす。例えば、直径100μmのカーボンナノチューブネットワークディスク状超微小電極(UME)の場合、サイクリックボルタモグラム(CV)は1mMを超える酸化還元濃度で歪みを生じる。さらに、カーボンナノチューブネットワークは、電極表面に吸着することが知られているドーパミンの長時間にわたる電気化学検出において十分に機能しない(非特許文献19)。サイクリックボルタンメトリーサイクルを繰り返し行った後に電流電圧応答の劣化が観察され、これはブロッキング特性を示唆している。表面のネットワーク被覆率が非常に低い場合、カーボンナノチューブ上の僅かに数個の部位がブロックされただけで、電極の全体としての性能に大きな影響を及ぼすと考えられる。従って、多くの用途において、より高密度の表面が求められている。
充填密度を高めたカーボンナノチューブ電極は、カーボンナノチューブ懸濁液の膜ろ過によって(非特許文献20)、または直接のcCVDによる成長によって(非特許文献21)作製されてきた。Meyyappan et al.は、酸還流カーボンナノチューブの固体残渣を回収することにより、カーボンナノチューブペーパー電極を作製した。導電性トラック上で厚いカーボンナノチューブマットを直接cCVDで合成することも報告されている。この方法で作製されたカーボンナノチューブ電極は、厚さが10〜100μmであり、表面に著しい不均質性および不純物を有する。この電極は、成長後の加工手順およびカーボンナノチューブが三次元の層構造を取る性質のために非常に大きな容積比静電容量(volume specific capacitance)を示し、低濃度における電気化学検出には適さない。
米国特許公開第2008/0280038号
R. L. McCreery, Chem. Rev. 2008, 108, 2646 R. Saito et al. Appl. Phys. Lett. 1992, 60, 2204 S. Rosenblatt et al., Nano Lett. 2002, 2, 869 P. Bertoncello et al., J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 10982 J. Wang, Electroanal. Chem., 2nd ed, Wiley, New York, 2000 J. J. Gooding, Electrochim. Acta 2005, 50, 3049 I. Dumitrescu, et al., Anal. Chem. 2008, 80, 3598 P. J. Britto, et al., Bioelectrochem. Bioenerg. 1996, 41, 121 H. X. Luo, et al., Anal. Chem. 2001, 73, 915 R. R. Moore, et al., Anal. Chem. 2004, 76, 2677 J. Wang, M. Musameh, Anal. Chem. 2003, 75, 2075 F. Valentini et al., Anal. Chem. 2003, 75, 5413 J. Liu et al. Science 1998, 280, 1253 I. Dumitrescu et al., J. Phys. Chem. C 2007, 111, 12944 S. Rosenblatt et al., Nano Lett. 2002, 2, 869 R. P. D. Nathan S. Lawrence, Joseph Wang,, Electroanal.s 2005, 17, 65 A. J. Bard, L. R. Faulkner, Electrochemical Methods: Fundamentals and Applications, Wiley, 2000 J. P. Edgeworth et al., Small 2007, 3, 860 S. H. DuVall, R. L. McCreery, Anal. Chem. 1999, 71, 4594) J. Li et al., J. Phys. Chem. B 2002, 106, 9299 T. Gabay, et al., Nanotechnology 2007, 035201
しかしながら、広範囲の溶液濃度(低濃度を含む)にわたっての電気化学検出に用いることができ、付着汚染に対する耐性を有するカーボンナノチューブを含む電極を提供することが求められている。本発明は、これらの問題の一方または両方に対処することを目的とするものである。さらに、本発明の電極は、絶縁表面上に三次元ネットワークを含み、それによって、低い静電容量、低い抵抗、低いバックグラウンド電流、および短い応答時間から選択される1もしくは2つ以上の特徴を持つ電極材料を提供するものである。
本発明の第一の局面によると、電気化学分析のための電極が提供され、この電極は:
絶縁表面;
前記絶縁表面上に位置するカーボンナノチューブの三次元ネットワーク;および、
前記カーボンナノチューブと電気的に接触した導電性物質;
を含み;
前記カーボンナノチューブは、前記絶縁表面に対して実質的に平行に配向される。
本明細書で用いる「上に(on)」という用語は、記載の要素/成分間にて少なくとも部分的な直接の接触を必要とすることを意図している。従って、第一の成分が第二の成分の「上に」あると記載される場合、第三の成分の完全な分離する層が第一の成分と第二の成分との間に存在することを除外するものである。
本明細書で用いる「三次元ネットワーク」という用語は、ネットワークの同一の平面および/または隣接する平面中の他のナノチューブと架橋しているか、またはそうでなければ接触しているカーボンナノチューブの交絡状またはメッシュ状ネットワークを意味することを意図している。
多くの態様において、カーボンナノチューブネットワークは、絶縁表面の5%超を被覆している。多くの場合絶縁表面の40〜99.9%の範囲で、一般的には50〜99.5%、多くの態様では少なくとも95%、多くの場合、絶縁表面の少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%である。いくつかの例では、ネットワークは、絶縁表面を実質的に完全に被覆する。理論に束縛されるものではないが、このように総被覆率を増加させることにより、生物系の研究を行う場合に見られるもののような複雑な媒体中におけるカーボンナノチューブ電極の安定性が高まるものと考えられる。このように安定性を向上させることで、これらの電極をバイオセンシングの用途に用いる可能性が提供される。
ネットワークの平均厚さは、1nm〜200nmの範囲、多くの場合2nm〜150nm、別の選択肢として4nm〜100nm、いくつかの例では7nm〜50nm、または8nm〜20nmであることが所望される場合が多い。ネットワークの厚さは、8nm〜12または15nmの範囲であることが好ましい場合もある。カーボンナノチューブネットワークの厚さが15nmもしくはそれ未満である場合、実質的に二次元である基材としての利点は維持されるが、そのネットワークの厚さは絶縁表面を実質的に被覆するのに十分である。
カーボンナノチューブの平均径が2〜3nmの範囲である場合、三次元ネットワークの深さは1から100ナノチューブ;多くの場合1から10ナノチューブであるとすることが可能であり;ある態様では、ネットワークの深さは3、4、5、または6カーボンナノチューブであり;しかし、本発明の三次元ネットワークは、別々の層から形成されるものではなく、多孔性マットを形成する互いに連結したカーボンナノチューブのネットワークから形成される。ナノチューブは、基材に対して実質的に平行に整列される一方、これらは、ネットワークの同じ平面および隣接する平面中の他のナノチューブと接続するように交絡状態であってよい。
基材に対して平行であるネットワークの平面を通しての任意の断面サンプルの表面被覆率は、通常、絶縁表面の約5.00、4.00、3.00、2.50、2.00、1.75、1.50、1.25、1.00、0.75、0.70、0.65、0.60、0.55、0.50、0.45、0.40、0.35、0.30、0.25、0.20、0.15、0.10、0.05、または0.01%以下である。ネットワークの厚さが、絶縁表面の高レベルの全体としての被覆率を提供し、多孔性マットを形成する。
基材に対して平行であるネットワークの平面を通しての任意の断面サンプルのカーボンナノチューブの密度は、好ましくは、少なくとも約1μmCNTμm-2(すなわち、1μm2の表面あたり約1μmのナノチューブ)であり、より好ましくは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、または10μmCNTμm-2である。
カーボンナノチューブは、電極の小領域に局在化していないことが好ましく、例えば図1aおよび1bに示すように、電極全体にわたって分布している。
ナノチューブは、絶縁表面に対して実質的に平行に配向される。各カーボンナノチューブは、特にSWNTネットワークの場合、少なくとも3つの他のカーボンナノチューブと接触していることが一般的に望ましい。
「カーボンナノチューブは絶縁表面に対して実質的に平行に配向される」という表現および同等の表現は、絶縁表面に対して平行以外の状態で部分的にまたは完全に配向されるナノチューブが微量存在し得るという意味において、ならびにこれらが存在する場合も、そのようなネットワークも本発明に従うものであり得るという意味において、絶対的であることを意図するものではない。例えば、カーボンナノチューブの0.01%、または0.001%、または0.0001%が実質的に平行ではない電極は、カーボンナノチューブのすべてが絶縁表面に対して平行である平面中に位置している電極と実質的に同一の物理的特性を有し得るものであり、従って、そうであれば本発明の範囲内に含まれることになる。さらに、三次元ネットワーク内のナノチューブが、基材のより近くにまたは基材からより離れて位置するナノチューブと接触するために、基材の平面から離れる以外の配向も低い度合いで必要であり得る。
ナノチューブ間のこの接触により、金属コンダクタンス(metallic conductance)が最大化されており、これは、3つのSWNT毎におよそ1つの割合で金属性の性質を持ち、従ってこの度合いの相互作用によってネットワーク全体にわたる一定の金属‐金属接触、従ってコンダクタンスの存在が確実なものとなるからである。より好ましくは、各SWNTは、4、5、または6つなど4つ以上の他のSWNTと接触している。しかし、平均して、各SWNTは、少なくとも3つの他のSWNTと接触していることが好ましい。
いくつかの例では、カーボンナノチューブは、ランダムに配向されている。このランダム配向は、おおよそネットワークの平面の範囲内である。このランダム配向は、各カーボンナノチューブが少なくとも3つの他のカーボンナノチューブと接触するネットワークの
形成を促進する。一般に、カーボンナノチューブネットワークは、カーボンファイバー、グラファイト、またはその他の導電性成分などのカーボンナノチューブ以外の第二の成分を含有することはない。ナノチューブがランダムに配向されている場合、それらは交絡状態であると言うことができる。
その他の例では、カーボンナノチューブはネットワーク内で配列されていてよく、配列状態が存在する場合、ナノチューブはメッシュを形成していると言うことができる。
カーボンナノチューブの成長後、絶縁基材上、および場合によっては三次元ネットワーク内に、未反応のナノ粒子が残留している場合がある。
反応したナノ粒子は、ナノチューブの一方の端部においてナノチューブフレームワーク内にカプセル化され、金属‐カーバイド様の構造を形成する可能性が高い(金属ナノ粒子の場合)。酸素還元など特定の場合において、ナノ粒子の密度が十分である場合、電気化学的特性は、有利に、金属ナノ粒子‐カーボンナノチューブ複合体構造によって支配され得る。
多くの例において、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNT)であるが;しかし、多層カーボンナノチューブ(MWNT)を用いてもよい。一般的に、カーボンナノチューブはSWNTであることが好ましい。
ネットワーク中のSWNTの寸法は、通常、長さが約5〜10μm、および直径が約1〜3nmである(複数のSWNTが一緒に束となって効果的な径のより大きい構造を形成する場合もある)。ネットワーク中において、電極上でのカーボンナノチューブ間の間隔は、密度に応じて異なり、これは制御される。
電気的接続は、いかなる形状であってもよく、特に、バンド状、長方形状、および円形状である。電気的接続は、一般に、絶縁表面の1つの端部において導電性物質の蒸着バンドを用いて形成されるが、導電性物質の2つ以上の蒸着もしくはスパッタリングバンドによるなど、絶縁表面上の異なる地点に2つ以上の電気的接触点を提供してもよい。また、バンドの1もしくは2つ以上が、カーボンナノチューブネットワークの一部もしくはすべてを取り囲む導電性物質の円または円弧であってよいことも想定される。
導電性物質は、その導電性が十分である限りにおいて、いかなる物質であってもよい。蒸着またはスパッタリングが可能であるいかなる導電性物質を用いてもよい。導電性物質の好ましい例としては、Au、Pt、Pd、Ag、Ti、またはCr(またはこれらの組み合わせ)が挙げられる。最も好ましくは、Auが用いられる。確実に良好な接触を得るために、導電性層を配置する前に、TiまたはCrなどの接着性(固定用)層をまず配置することが好ましい。この構成では、ナノチューブを絶縁する必要がない。
十分に高い密度にて、および典型的なボルタンメトリーのタイムスケールにおいて、ネットワークは、主として金属薄膜の様な挙動を示す。そのような膜の面積抵抗率(sheet resistivity)は、<100kΩ/□である。電流応答に影響する抵抗降下などの問題を
回避するために、通常は、ネットワークの小領域を溶液に接触させる。これは、最も一般的にはフォトリソグラフィを用いることで達成されるが;しかし、ネットワークの加工を回避するために、溶液を充填したマイクロキャピラリー電気化学セルも用いられてきた。重要なことは、低濃度の検出の場合、ネットワークの小領域のみを隔離する必要性は、電流の流れが小さいことから、もはや問題ではないということである。SWNTネットワークを用いた過去の電気化学的研究では、ネットワーク抵抗率の影響を最小限に抑えるために、小領域を溶液に接触させてきた。極めて重要なことには、低濃度検出に伴う低電流密
度は、もっと大きなネットワーク領域を利用することができることを意味しており、従って、実験装置が非常に単純化される。例えば、1〜50μLの液滴を非絶縁ネットワーク上で用いることもできる。
ある態様では、ナノチューブは未修飾である。ほかの互換性のある態様では、ナノチューブは官能化されている。官能化される場合、ナノチューブは、一般的に本技術分野で公知である、ポリマー(例:イオン交換ポリマー、導電性ポリマー、または酸化還元ポリマー)、オキシド‐レダクターゼ酵素(例:グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)、およびドーパント(例:フェロセン)から選択される官能基および部分で官能化されることが好ましい。別の選択肢として、ナノチューブは、金属堆積によって部分的にコーティングしてもよい。堆積のための好ましい金属としては、Pt、Au、Ag、Cu、Hg、Pdなどの金属、およびTi、TiN、CdSe、CdTe、またはCdSなどの半導電性物質、およびP3HT(ポリ‐3‐ヘキシルチオフェン)、ペンタセン、ドーピングしたポリアニリンなどを例とする有機ポリマーが挙げられる。これらの物質の一部は、自己組織化単分子膜およびドーパントによりさらに官能化してよい。
また、ナノチューブは非官能化の状態で残し、ナノチューブが配置される絶縁表面を官能化することも可能である。官能化された表面は、未修飾ナノチューブで検出可能な種を作り出すように作用し得る。官能化を行う場合は、導電性物質(例:Au)の成長および添加の後に実施される。例えば酸化シリコン表面へ官能基をグラフト化するための方法は、当該技術分野で公知である。
絶縁表面は、いかなる絶縁物質から成っていてもよく、絶縁物質は、コーティングされていてもよい。コーティングは全体であっても部分的であってもよい。ある態様では、表面はシリコン、特に酸化シリコンを含んでいてよく、例えば、Si/SiO2含有表面(
すなわち、酸化シリコンコーティングを持つシリコン)または石英である。他の態様では、表面は、酸化アルミニウムでコーティングされていてよく、例えば、表面は、少なくとも部分的にAl23でコーティングされたSi/SiO2表面であってよい。別の選択肢
として、いかなる絶縁ポリマー表面を用いてもよく、例えば、ポリアセテート、PDMS、および/またはPMMAを用いてよい。これは、SWNTが、元の成長表面からより可撓性の高いポリマー表面へ転写印刷された(transfer printed)場合に適切であり得る。最も好ましくは、Si/SiO2含有表面が用いられる。
この電極は広範囲にわたる様々な用途に適するものであるが、いくつかの例では、電気化学分析は、生物電気化学系の分析である。これが可能であるのは、使用中に電極表面に付着汚染が見られないこと、および非常に低いレベルの分析物を検出する電極の能力の組み合わせによるものである。付着汚染がないことにより、インビボであれインビトロであれ、生物系を含む種々の媒体で電極を使用することが可能となる。低濃度を検出する能力は、生物学的サンプル中でよく見られるレベルの分析物の意味のある検出を可能とするセンサーを提供する。
本発明の電極は、1μM〜10mMにわたる濃度範囲の溶液における鉄およびルテニウムの酸化還元反応に対して可逆的な電子移動を示すことが多い。確かに、カーボンナノチューブネットワークUMEの電気化学的特性決定から、FcTMA+およびRu(NH36 3+などの鉄およびルテニウム錯体について測定された可逆的なCVを特徴とする優れた
電気化学的特性が、低濃度検出(1μM〜10mM)を含む非常に広い濃度範囲について示された。非常に高い表面被覆率にも関わらず、カーボンナノチューブネットワークUMEは、驚くべき短い応答時間および低いバックグランド電流を示す。
さらに、本発明の電極は、多くの例において、+1Vから−1Vの範囲での電圧掃引に対して安定であり、また、−1Vから+1Vの間でバイアス電圧を掃引した場合、カーボンナノチューブデバイスは金属膜のような挙動を示すことが見出された。この広い電位窓は、ドーパミンなど高い酸化還元式量電位を持つ化学種の低濃度分析に極めて有用である。
本発明のさらなる局面では、本発明の第一の局面に従う電極を製造する方法を提供し、その方法は:
ある量の触媒ナノ粒子を絶縁表面上に堆積させること;
前記絶縁表面を熱、水素ガス源、および炭素含有ガス源に曝露してナノチューブを成長させること;ならびに、
導電性物質を、前記カーボンナノチューブと電気的に接触するように前記絶縁表面上へ堆積させること、
を含む。
本方法の1つの利点は、触媒ナノ粒子の堆積の前にアニーリングの工程を実施する必要がないことであるが;しかし、アニーリング工程を含むことは、本発明から除外されない。
好ましくは、導電性物質の堆積は、ナノチューブの成長の後に実施される。本発明のカーボンナノチューブは、多くの場合、触媒化学蒸着(cCVD)などの化学蒸着を用いて成長させる。これにより、未修飾ナノチューブの直接の成長が可能である。いくつかの例では、各ナノチューブは一般に単一のナノ粒子から成長し、このような例では、ナノチューブの密度は、絶縁表面上に堆積させたナノ粒子の密度に依存する。本発明の電極では、多くの場合、電極の製造後、未反応のナノ粒子が表面上に残留している。
ナノチューブネットワークを絶縁表面上に成長させる工程の後、ネットワークを元の絶縁表面から、ポリマー表面などの別の絶縁表面へ移動させることも可能である。
本発明の方法において、触媒ナノ粒子は、金属ナノ粒子であってよく、多くの場合遷移金属ナノ粒子であり、一般に、一番目の行にある遷移金属類から選択される。多くの例において、触媒ナノ粒子は、コバルト、ニッケル、または鉄であるが、コバルトが、それ単独で、または他の金属と組み合わせて、最も効果的に作用することが見出された。その他の金属を用いてもよい。金属の組み合わせを用いてもよい。ダイアモンドまたは二酸化シリコンなどの絶縁粒子もまた用いてよい。
さらに、鉄を主体とする触媒が用いられる場合、鉄の供給は、蒸発した鉄原子の電子線からではなく、フェリチンの形態であってよく(フェリチンの方が価格が著しく低く、非常に高度な電子線リソグラフィの利用を必要としないため)、さらには異なる酸化および成長(還元)条件であってよい。
ナノ粒子は、当業者に公知の様々な方法を用いて堆積させてよい。ナノ粒子は、絶縁表面上に堆積した金属から形成してよい。これは、サブ単原子層の量(sub-monolayer amounts)、または金属の層(単原子層、二原子層、三原子層、または複数原子層(multiply layered)であってよい)であってよい。いくつかの例では、金属は、表面上でのナノ粒
子の形成を可能とするために、カーボンナノチューブの成長の前または最中に溶融される(多くの場合アニーリングにより)。
炭素含有ガスは、短鎖アルカン、アルケン、エーテル(ジエチルエーテルなど)、一酸化炭素、またはアルコールなど、いずれの炭素含有ガスであってもよい。炭素含有ガスが
短鎖アルカンである場合、それはC1‐C5アルカンであってよく、例えばメタン、エタン、またはプロパンである。炭素含有ガスがアルケンである場合、それはC1‐C5アルケンであってよく、エテン、プロペン、またはブテンなどである。炭素含有ガスがアルコールである場合、それは一般にC1‐C5アルコールであり;多くの場合、メタノール、エタノール、またはプロパノールである。最も一般的に用いられる炭素含有ガスはエタノールである。
炭素含有ガスは、キャリア中で触媒ナノ粒子へ誘導されることが好ましく、多くの場合キャリアは不活性ガスであるが、水素を用いてもよい。不活性ガスを用いることで、システムの可燃性が低減され、安全性が向上する。不活性ガスは、貴ガス(例:ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン)、窒素、またはこれらの組み合わせから選択してよい。多くの場合、不活性ガスは貴ガスであり、最も好ましくはアルゴンである。
一般に、カーボンナノチューブネットワークは、熱酸化されたシリコン基材上にcCVDプロセスを用いて直接形成されることが好ましい。cCVDプロセスは、高温、および触媒の存在下にて、炭素源を高結晶性ナノチューブへと変換する。1つの態様では、コバルトの薄層が触媒として、エタノール蒸気が炭素源として用いられる。これらの態様では、エタノールに対するキャリアとしてアルゴンが存在することが好ましい。コバルトの量、水素およびエタノール蒸気の流速、ならびに温度を最適化して、本発明の特性を有する高品質カーボンナノチューブネットワークを作製することができる。
上記で詳述する方法に従い、次にレジスト層を添加し、共焦点レーザーまたはマークアライナー(mark aligner)を用いて定められた領域のレジストの一部を除去する場合に、ディスク状が好ましいが、いかなる形状の超微小電極も形成することができる。
本発明のさらなる局面は、溶液の電気化学分析を行う方法に関し、その方法は:
その上にカーボンナノチューブの三次元ネットワークを持つ絶縁表面を有する電極であって;前記カーボンナノチューブが、実質的に前記絶縁表面に対して平行に配向されている電極を提供すること;
前記溶液のサンプルを前記カーボンナノチューブと接触させること;および、
前記電極全体に電位を印加して前記サンプルの電気化学分析を行うこと;
を含み、前記溶液は1nM〜100mMの範囲の濃度を有する。
この方法は、分析に用いる前の洗浄または前処理の手順が必ずしも必要ではなく、そして、この電極が、ドーパミンのタンパク質含有溶液などの従来から難易度の高い溶液に対してさえも、付着汚染に対する高い耐性を持つという利点を有する。しかし、必要に応じてポリマー層を追加して、ナノチューブ表面で発生する競合反応を防止してよい。
生物学的組織におけるインビトロおよびインビボでの電気化学測定でのこれらの電極(単一または複数)の使用としては、ナノチューブネットワーク電極(未修飾または官能化)を対象領域の近傍に、および/またはそれと直接接触させて保持する測定が含まれる。
本発明の方法を用いて広範囲にわたる種々の電気化学的活性種を分析することができ、広範囲にわたる溶媒を用いることができる。これらには、有機溶媒および水性系が含まれる。水性系は、生物系からのサンプル(自然生物学的溶液)、または合成による生物系の模倣物(合成生物学的溶液)であってよい。生物学的溶液としては、血液、血漿、尿、唾液、***、羊水、胆汁、リンパ液、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
分析される電気化学種は、多くの場合、神経伝達物質(カテコラミンを含む)、ホルモン、およびビタミンなど、生物系で一般的に見られる種である。そのような化合物として
は、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、グルタメート、GABA、ビタミンE、B12、またはB6が挙げられる。トキシン、医薬、および摂取されるその他の物質もまた観察することができる。
この電極の能力を実証するために、カーボンナノチューブネットワークを用いてディスク状UMEを作製した。電極が付着汚染を受けることが通常は予想されるインビボ環境を模倣した条件下にて、生物学的に困難である分子を用いてUMEを試験した。この電極は、数多く使用した後であっても表面の付着汚染がなく、μM範囲の濃度での神経伝達物質ドーパミンの電気化学検出において(インビボの模倣であるアルブミンの存在下にて)、良好に使用することができることが見出された。カーボンナノチューブネットワークの向上された電気化学的特性、簡便な微細加工による作製手順、さらにはその生体適合性、および耐久性により、このcCVD成長カーボンナノチューブネットワークは、生物電気化学的用途に有用である。
さらに、ナノチューブは、例えばグルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドなどの酵素による官能化を、この官能化を補助するためのポリマーの使用を含めて行うことも可能であり、例えば、グルコースなどの糖類もしくはその他の物質の分析および/または検出に用いることが可能である。
本発明のカーボンナノチューブは、1nM〜1M、多くの場合500nM〜100mM、好ましくは1μM〜10mM、ある態様では5μM〜5mMの範囲の濃度を有する溶液の電気化学分析に用いることができる。そのような広範囲の濃度にわたる電気化学種を検出する能力は、カーボンナノチューブ電極2Dネットワークでは稀であり、それは、そのような系が、分析物の濃度がより高い場合に著しいiR効果を示すことが多いからである。
電極は、電流ガス検出(amperometric gas sensing)に用いることができ、ここで、ナノチューブネットワーク電極(本明細書で述べるように、未修飾または官能化)は、分析物ガスの進入を可能とするように設計された電解質(溶液またはポリマー)を含むセル内の作用電極として機能し、このガスが電流測定によって検出される。
基材に対して平行であるネットワークの平面を通しての任意の断面サンプルの表面被覆率は、0.1%のオーダーが好ましいが、ネットワークによって提供される全被覆率は、絶縁表面の少なくとも99%であることが好ましく、多くの場合、ネットワークは、絶縁表面の実質的に完全な被覆を提供する。
本発明に従って溶液を分析する場合、溶液とナノチューブとの接触は、溶液の液滴をナノチューブ上に添加することで行われることが好ましい。次に、導電性物質と電気的に接触している作用電極と、液滴内に配置される参照電極(Ag/AgClなど)との間に電位が印加される。分析される溶液の液滴は、絶縁表面にあるナノチューブ上に配置され、ナノチューブの制御された密度全体にわたって比較的広い平面の拡散領域を作り出す。
本発明の電極は、リソグラフィを用いて電極領域を定めることで、微小電極(すなわち、特徴的な寸法が100μmまたはそれ未満である電極)および微小電極アレイでの使用へ拡張することも可能である。そのような微小電極(または超微小電極−UME)は、従来の電極と比べて興味深い特性を示す。利点としては、高い物質移動速度、短い応答時間、低い抵抗降下、および二重層帯電の減少が挙げられる。従来から、UMEは、電気泳動コーティングにより、またはマイクロリソグラフィ技術を用いて、絶縁体内に細線をシールすることで作られる。その有用な特性のために、UMEには、電気分析、センサー、および走査型電気化学顕微鏡法の分野において広範囲の用途が見出されてきた。
本発明の電極は、液滴分析に加えて、流動系およびその他の検出方法(パルスボルタンメトリー法および流体力学的変調技術(hydrodynamic modulation techniques)など)へ拡張することも可能である。それは、ポリマー(例:イオン交換、酸化還元)、金属、および半導電性ナノ粒子などの修飾層をその上に添加することも可能であるプラットフォームとして作用することもできる。このような新しいフォーマットへ移行することにより、高速スキャンCV分析(fast scan CV analysis)および短時間クロノアンペロメトリー
(short time chronoamperometry)への可能性も実現される。
本発明の電極は、光電気化学的研究または分光電気化学分析における透明電極として用いることも可能であり、ここで、電極を通過する光、または電極/溶液(分析物)界面で全内部反射した光を用いて、溶液中の化学物質の分析、および/もしくは続いて行う電気化学検出のための光励起を行うか、または、電気化学反応の生成物/中間体を分析する。
本発明の電極を用いる透明電極、ならびに光電気化学的構造および/または分光化学分析における本発明の電極の使用もまた、本発明に含まれる。
従って、本発明はまた、上述のカーボンナノチューブを主体とする電極を含む分析デバイスまたはキットも想定している。この分析デバイスまたはキットはまた、対電極、参照電極、および必要に応じてフローセル、ならびに好ましくはデータ取得のための記録手段、をさらに含んでよい。参照電極は、その安定性を向上させるために、ポリマー薄膜で保護されていてよい。
特に断りのない限り、本発明に記載の整数の各々は、当業者であれば理解されるように、その他のいずれの整数と組み合わせて用いてもよい。さらに、本発明のすべての局面は、その局面に関連して記載された特徴を「含む」ことが好ましいが、それらは、特許請求の範囲で概説される特徴から「成る」、または「本質的に成る」ものであってよいことが特に想定される。
ここで本発明を添付の図面を参照してより詳細に説明する。
図1aは、コバルトナノ粒子から成長させたカーボンナノチューブネットワークの電界放射型走査電子顕微鏡(FE‐SEM)イメージである。図1bは、図1aのネットワークの原子間力顕微鏡(AFM)イメージであり、全高さスケールは10nmである。図1cは、ネットワークサンプルの1300〜1700cm-1の領域に対応するマイクロラマンスペクトルであり、挿入図は低周波数範囲を示し、*で表示したピークはシリコン基材に帰属するものである。スポットサイズ2.5μm、514nm(2.41eV)のアルゴンレーザーを使用した。図1dは、カーボンナノチューブネットワーク成長後の石英透過光パーセントによる波長‐透過率曲線である(上側の曲線 cCVD、下側の曲線 石英)。 図2は、カーボンナノチューブネットワークの原子間力顕微鏡(AFM)イメージである;コバルトナノ粒子から850℃で成長させた。 図3aは、抵抗率測定に用いられるデバイスを製造するためのリソグラフィ手順の概略図である。図3bは、抵抗率測定に用いられる二端子デバイスのFE‐SEMイメージである。図3cは、−1Vから+1Vの間でバイアス電圧の掃引を行った場合の種々のパターン間隔に対する電流‐電圧特性を示すグラフであり、各パターン間隔に対する抵抗値は、直線の傾きから算出される。図3dは、Rcおよびρsの算出に用いた抵抗対パターン間隔のプロットである。 図4aは、100μmカーボンナノチューブネットワークUME、および電気化学測定に用いた実験用液滴セルセットアップの概略図である。図4bは、100μm径カーボンナノチューブネットワークUME(●)およびガラス内に密封した100μmPt UME(▲)における、一連の電流‐時間放電曲線である。図4cは、100μm径カーボンナノチューブディスク状UMEを用いた、0.1M NaCl支持電解質中の種々の濃度におけるFcTMA+酸化のサイクリックボルタモグラムであり、スキャン速度はすべての場合で4mVs-1とした。図4dは、100μm径カーボンナノチューブディスク状UMEを用いた、0.1M NaCl支持電解質中の種々の濃度におけるRu(NH36 3+還元のサイクリックボルタモグラムである。スキャン速度はすべての場合で4mVs-1とした。図4eは、50μm径カーボンナノチューブディスク状UMEを用いた、0.1M KCl溶液中に8μMのフルオレセインを含有する溶液における酸素還元のサイクリックボルタモグラムである。スキャン速度は10mVs-1とした。 図5aは、PBS中、種々の濃度におけるドーパミンのサイクリックボルタモグラムである。図5bは、PBS中のドーパミンに対する限界電流対メディエーター濃度のプロット、および直線フィッティング(実線)である。図5cは、4%(重量/重量)アルブミン水溶液中、種々の濃度におけるドーパミンのサイクリックボルタモグラムである。図5dは、4%(重量/重量)アルブミン水溶液中のドーパミンに対する限界電流対メディエーター濃度のプロット、および直線フィッティング(実線)である。図5eは、種々の濃度におけるセロトニン検出のサイクリックボルタモグラムである。 図6は、Ptめっき溶液中の電極へCVサイクルを種々の回数行った後、高密度SWNTネットワーク上へ堆積したPt NPのAFM(5μm×5μm)およびFE‐SEMのイメージを示す;(a,b:i)1サイクル、(a,b:ii)5サイクル、および(a,b iii)10サイクル。全高さスケールzは、AFMイメージでは400nmであり、FE‐SEMイメージについては、(b iおよびii)が400nmならびに(b iii)が2μmである。 図7(a)は、透明電極としてSWNTネットワーク電極を使用する1つの可能性の概略図である。ここで、電極は、倒立型走査レーザー共焦点顕微鏡の最上部のスライド上にある。電極は、溶液中に存在する酸化還元対の電気分解が局所的な蛍光強度の変化を引き起こす電位で平衡に保たれており、この変化が、図7(b)〜(d)に示すように、共焦点顕微鏡によってマッピングされる。 図7(a)は、透明電極としてSWNTネットワーク電極を使用する1つの可能性の概略図である。ここで、電極は、倒立型走査レーザー共焦点顕微鏡の最上部のスライド上にある。電極は、溶液中に存在する酸化還元対の電気分解が局所的な蛍光強度の変化を引き起こす電位で平衡に保たれており、この変化が、図7(b)〜(d)に示すように、共焦点顕微鏡によってマッピングされる。 図7(a)は、透明電極としてSWNTネットワーク電極を使用する1つの可能性の概略図である。ここで、電極は、倒立型走査レーザー共焦点顕微鏡の最上部のスライド上にある。電極は、溶液中に存在する酸化還元対の電気分解が局所的な蛍光強度の変化を引き起こす電位で平衡に保たれており、この変化が、図7(b)〜(d)に示すように、共焦点顕微鏡によってマッピングされる。 図7(a)は、透明電極としてSWNTネットワーク電極を使用する1つの可能性の概略図である。ここで、電極は、倒立型走査レーザー共焦点顕微鏡の最上部のスライド上にある。電極は、溶液中に存在する酸化還元対の電気分解が局所的な蛍光強度の変化を引き起こす電位で平衡に保たれており、この変化が、図7(b)〜(d)に示すように、共焦点顕微鏡によってマッピングされる。
本発明を以下の実施例においてもさらに説明するが、これらは、単に説明することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではまったくない。
SWNTネットワークの作製
cCVDによるSWNTネットワークの成長は、約1cm四方の高ドーピングSi基材
を、スパッタリングによるコバルトの堆積後に1インチ(2.54cm)の管状炉内に配置することで行った。H2の気流下、炉を室温から850℃まで10分間で加熱し、次に
850℃から成長温度までさらに10分間で加熱した。炉をこの温度で5分間保持し、次にエタノールをアルゴン中にて、成長時間である設定した時間にわたって導入した。成長後、H2のみの気流下にて、基材を炉内で冷却させた。温度が200℃未満に達したとこ
ろでサンプルを取り出した。全成長サイクルには約1時間かかり、1回あたり8個までのサンプルの成長が可能である(使用した管型炉の温度均一性によって限定される)。
基材表面上の特定の領域においてネットワーク中のSWNTの配置を制御することは、SWNT成長の前または後に実施することができ、それぞれ成長前パターニングおよび成長後パターニングと称する。成長前パターニングは、金属触媒を選択的に配置することによって、SWNTネットワークの成長を特定の領域に制限することを含む。これは、例えばフォトリソグラフィ、電子線リソグラフィ、「ソフト」リソグラフィ、またはシャドーマスキングを用いて行うことができる。
成長後パターニングは、CO2スノージェット処理(snow jet treatment)またはプラ
ズマ処理などのエッチング剤による成長後のSWNTネットワークの選択的除去を含む。フォトリソグラフィを用いてSWNTネットワークサンプル上にフォトレジストをパターニングし、所望の領域以外のSWNTネットワークを保護した。次に、酸素プラズマ処理(Emitech K 1050X Plasma Asherにより、6×10-1mbarにて100Wを1分間)を用いて露出したSWNTを除去し、およびフォトレジストを除去した。酸素プラズマは、酸素プラズマに曝露されたナノチューブを完全に除去し、鋭く切断された末端を残す。成長後パターニングの有効解像度は、ネットワーク中のナノチューブ間の平均間隔によって与えられ;結果として、サブミクロンの精度まで、リソグラフィで定めることができるいかなるパターンでも容易に達成することができる。
材料
絶縁表面:IDBテクノロジー社(IDB Technologies Ltd.)製のシリコン/二酸化シ
リコン、n型シリコン、300nmの熱成長させた二酸化シリコン層を持つ厚さ525mm。
溶液:化学物質はすべて入手した状態のまま使用した。水溶液は、Milli‐Q試薬水(ミリポア社(Millipore Corp.))を用いて調製した。サイクリックボルタンメトリ
ー用の溶液は、ヘキサアミンルテニウム(III)、Ru(NH36 3+、クロリド(99%、ストレム(Strem))、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウム、FcTM
+、ヘキサフルオロホスフェート、およびドーパミン(シグマケミカルズ)から構成さ
れるものとした。FcTMA+ヘキサフルオロホスフェートは、対応するヨウ化物塩(9
9%、ストレム)のアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(99.5%、ストレム)によるメタセシスを介して調製した。
バックグラウンド電解質溶液は、NaCl(99+%、シグマ‐アルドリッチ)、リン酸バッファー生理食塩水(フルカ)、およびアルブミンから構成されるものとした。
手順
サイクリックボルタンメトリーおよびクロノアンペロメトリー実験は、二電極液滴セルセットアップを用いた。金電極との電気接続は先端の尖ったプローブ(xyz 300TR クォーターリサーチ(Quarter Research))を用いて行った。対象である種を含有する電解質溶液の液滴(約30μL)をカーボンナノチューブの露出した領域上に配置し、塩化銀線、Ag/AgCl参照電極、を液滴の内部に配置した。電流‐電圧曲線の記録は、アナログ出力および入力の両方についてDAQカード(DT9800、データトランスレーションズ(Data Translations))を用いて行い、専用のLabVIEWソフトウェ
アで制御し、自家製電流フォロワと接続させた。電流‐時間測定値は、自家製の三角波発
生機、電流フォロワ、およびNIC310(二コレット(Nicolet))デジタルストレー
ジオシロスコープを用いて取得した。実験で用いた時間スケール内では、溶液の蒸発は問題ではなく、すなわち、種々の実験の過程にて、バルク溶液中のメディエーターの拡散支配による電気分解(diffusion-controlled electrolysis)に対する定常状態のUME電
流に大きな変化はなかった。測定はすべて22±1℃の温度で行った。
実施例1:カーボンナノチューブネットワークの特性決定
図1は、典型的なcCVD成長サンプルの特性決定を示す。図1a)の電界放射型走査電子顕微鏡(FE‐SEM)イメージは、多様に相互接続してランダムに配向したカーボンナノチューブによる、基材と平行に位置するカーボンナノチューブネットワークを示す。三次元ネットワークを通してのいずれの断面も比較的低い表面被覆率であるが、ネットワーク内の基材からの距離が異なる複数のナノチューブが重なり合う結果として、ネットワークによる全体としてのほぼ完全な表面被覆が得られる。理論に束縛されるものではないが、ナノチューブによる三次元ネットワークの形成は、ナノチューブの一部がまず基材表面から離れる上方向へと成長し(表面上に整列されるものもあり得るが)、次に、成長の過程で再整列されることで(恐らくは自重により)、互いに支え合い、相互連結/接続するが基材に対して実質的に平行に配向されるナノチューブの三次元ネットワークを形成することで行われるものと考えられる。
図1b)の原子間力顕微鏡(AFM)イメージは、カーボンナノチューブネットワーク内の所々に小孔開口部があることを示している。AFM表面プロファイル分析から、基材とカーボンナノチューブネットワークの最大厚さとの高さの相違が10nmであることが分かり、これは最大で4〜6カーボンナノチューブ分の深さであるネットワークの存在に対応している。このことは、透明石英基材上にカーボンナノチューブネットワークをcCVD成長させた後の透過光パーセントに変化が見られないことによってもさらに証明される(図1d)。
図1c)は、カーボンナノチューブネットワークサンプルの1300〜1700cm-1の領域に対応するマイクロラマンスペクトルを示し、グラファイトにおける面内ラマン振動から得られたタンジェンシャルモード(G‐バンド、1500〜1600cm-1)、およびディスオーダーモード(1300〜1400cm-1の領域のD‐バンド)の両方が見られる。G‐バンドの形状および位置は、サンプルが単層カーボンナノチューブ(SWNT)を含有することを明確に識別しており、D‐バンドが非常に小さいことは、それが高品質であることを示している。図1c)挿入図の低周波数振動(ラジアルブリージングモード)もまた、SWNTの存在を支持している。しかし、AFM分析は、径のより大きいカーボンナノチューブ(5〜7nm)の存在も示しており、これらは、小さい多層カーボンナノチューブ(MWNT)であるか、または複数のSWNTの束であることを示している可能性がある。
図2は、カーボンナノチューブネットワークの原子間力顕微鏡(AFM)イメージであり;コバルトの堆積時間10秒によるコバルトナノ粒子から成長させた。成長温度は850℃であり、成長時間は10分間であった。水素流速は150sccm、アルゴン‐エタノール流速は850sccmであった。このような条件下で作製したネットワークは、図1で示したネットワークよりも密度が低く、イメージは、未反応のナノ粒子およびその領域の密度が被覆率50%であるネットワークを示している。
実施例2:カーボンナノチューブネットワークの導電率
電気化学用途におけるカーボンナノチューブネットワークの使用は、その電気特性に依存する。ネットワークの導電性を特性決定するために、図3a)に示すように三工程プロ
セスを用いてデバイスを作製した:1)カーボンナノチューブネットワークを上述のようにして成長させ、種々の間隔の電極パターンをフォトリソグラフィで定めた;2)電極間のカーボンナノチューブをフォトレジスト層で保護した;3)電極間以外のカーボンナノチューブを、酸素プラズマ処理により除去した。
図3b)は、作製したデバイスのFE‐SEMイメージを示す。−1Vから+1Vまでの間でバイアス電圧の掃引を行い、種々の電極間隔に対する電流‐電圧(i‐V)特性、図3c)、を得た。カーボンナノチューブデバイスは金属膜のような挙動を示し、選択したバイアス電圧の範囲に対して直線のi‐V応答を示すことが分かった。この二端子デバイスの抵抗は:
Figure 2012511714
によって与えられ、ここで、sは電極同士の間隔、lはそれらの長さ、Rcは金属電極
とカーボンナノチューブネットワークとの間の接触抵抗、およびρsは二次元の面積抵抗
率である。個々の電極間隔に対する抵抗値は、i‐Rプロットの傾きから算出した。図3d)における直線フィッティングから、165Ωの接触抵抗、および20kΩ/□の面積抵抗率を抽出することができる。
実施例3:電極の安定性
電気化学的な確認のために、100μm径カーボンナノチューブネットワークUMEを、リソグラフィを用いて作製した(I. Dumitrescu et al., Anal. Chem. 2008, 80, 3598)。用いたデバイスの概略を図4a)に示す。カーボンナノチューブネットワークUMEの電気化学的性能を考える際の主たる問題は、微量の触媒ナノ粒子である(コバルトなど、または使用する金属がいずれの種類であっても)。従って、バックグラウンド電解質CV実験を0.1M NaClおよび0.1M HNO3中にて実施し、数多くのスキャン
の後であっても、コバルトのストリッピングピークは見られなかった。コントロール実験として、コバルトをCoCl3溶液からカーボンナノチューブネットワーク上へ電着させ
、0.1M NaCl中で取ったCVは、0から0.8V(対Ag/AgCl)の範囲で特徴的なコバルトのストリッピングピークを示した。この効果は、コバルトが、カーボンナノチューブフレーム中にカプセル化されるか、またはcCVD成長処理によって不活性化される(恐らくはカーバイドとして)という事実を考えると理解することができる。しかし、これも興味深いことには、表面上の触媒Coナノ粒子の密度を大きく上昇させた場合(例:≧20秒のCoスパッタリング時間、1kV、10mA)、興味深いボルタンメトリーの特徴を観察することが可能であり、例えば、この材料は酸素の還元に対して触媒として非常に活性となる(図4e)。重要なことは、広い電位窓および小さいバックグラウンド電流が、ドーパミンなど高い酸化還元式量電位を持つ化学種の低濃度分析に極めて有用な特性であるということである。
カーボンナノチューブネットワークUMEの時間応答を、クロノアンペロメトリーを用いて調べた。典型的なSWNTネットワークUMEの電流‐時間応答(●)を図4b)に示す。また、ガラス内に密封した100μm径Ptディスク状UMEの応答も示す(▲)。0.1M NaClを含有する溶液中にて、UMEの電位を、Ag/AgClに対して0.0Vから0.2Vへ段階的に上昇させた。0.2Vでは、これらのUMEにおいてファラデープロセス(faradaic process)は発生しない。図4b)に示すように、放電電流iは、時間tに対してセル時間定数RCで決定される速度にて指数関数的に減少する。しかし、放電電流の指数関数的な減衰は、100μm Pt UMEと比較して、100μmカーボンナノチューブネットワークUMEの方が著しく速い。このことは、ほぼ完全に
表面が被覆された材料に対しては非常に驚くべきことであり、未修飾カーボンナノチューブで観察される非常に低い固有静電容量によって説明される(S. Rosenblatt, et al., Nano Lett. 2002, 2, 869およびP. Bertoncello et al., J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 10982)。
さらに、カーボンナノチューブネットワークUMEの電気化学的特性決定を、2つの単純な一電子外圏酸化還元種(one electron, outer-sphere redox species)に対するこれらのCV応答を研究することで行った。図4c)および4d)は、4mVs-1の電位掃引速度で記録したFcTMA+/2+の酸化(濃度範囲1μmから1mM)およびRu(NH3
6 3+/2+の還元(10μmから10mM)に対する典型的なCVを示す。両酸化還元種共に、UMEにおける定常状態の挙動に特徴的である明確なS字状のボルタンメトリー曲線を示している。さらに、拡散支配定常状態限界電流(diffusion-controlled steady-state limiting current)issのメディエーター濃度とのほぼ完全な比例関係が観察された(両メディエーターに対してr2は0.9999)。プロットの傾きから抽出された拡散係
数は、FcTMA+に対しては8.5×10-6cm2-1、およびRu(NH36 3+に対しては9.8×10-6cm2-1であり、文献値と良く一致している。さらに、両種共に、
全濃度範囲に対して四分位電位の差(トムズの基準(Tomes criterion))が59mVで
あり、可逆的な挙動を示している。
実施例4:ドーパミンの検出
表面被覆率が<1%である高密度SWNTネットワークに関するこれまでの研究では、半導電性SWNTが動作開始される−10Vのゲート電圧において、最小面積抵抗率が77kΩ/□であることが明らかにされている。ネットワークの高い抵抗率は、1mMを超える濃度の酸化還元種の検出の場合、類似の100μmディスク状UMEにおいて著しいiR効果をもたらした。しかし、驚くべきことに、1%ネットワークの時間応答は、本明細書で述べる100%カーボンナノチューブネットワークUMEで得られるものと非常に類似していた。このカーボンナノチューブネットワークは、低静電容量および非常に短い応答時間などの1%SWNTネットワークに対して発明者らが報告してきた有利な特性のすべてを保持しつつ、表面被覆率が高いことを考えると非常に低い抵抗率を有する材料である。発明者らは、ドーパミンの電気化学的挙動を調べることにより、カーボンナノチューブの高い表面被覆率のさらなる利点を利用すべく着手した。ドーパミンは炭素電極上に吸着することが知られており、このことが電気化学的技術を用いたその濃度分析を困難にしている。
ドーパミンは、「従来の」炭素電極において、表面の汚染物を除去し、端部の平面露出部位を増加させるための厳しい工程が行われない限り、緩慢な電子移動動態を示し得る。電子移動速度は、前処理プロセスによって加速させることが可能であるが、この向上された電気化学的性能の再現性および安定性は、変わりやすく、短時間しか維持できないものであり得る(S. H. DuVall, R. L. McCreery, Anal. Chem. 1999, 71, 4594およびC. D. Allred, R. L. McCreery, Anal. Chem. 1992, 64, 444.)。カーボンナノチューブネットワークは、ドーパミン検出のための信頼のおける電気分析センサーに不可欠である固有の特性(多孔性、導電性、結晶性)を持つ。カーボンナノチューブ上の酸素官能基(酸の還流またはプラズマアッシングによって作り出される)がドーパミンの電子移動に対する触媒として作用し得ることは公知であるが、ここで発明者らは、さらなる加工の必要性のない「成長した状態のまま」である未修飾のカーボンナノチューブネットワークを用いる。
図5a)は、4mVs-1の電位掃引速度で記録した、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、1μMから1mMの濃度範囲のドーパミンの酸化に対して取ったCVを示す。算出された四分位電位は80±1mVであり、可逆性からの逸脱を示している。図5b)の限界電流対ドーパミン濃度のプロットは、issの濃度とのほぼ完全な比例関係を示している。
非常に優秀であることには、1μMの濃度を正確に検出することができる。カーボンナノチューブネットワークUMEのインビボ測定に対する適用可能性を評価するために、発明者らは、インビボ環境を模倣した条件下、すなわち4%のアルブミン水溶液(重量/重量)におけるドーパミンの挙動を調べた。
図5c)は、4mVs-1の電位掃引速度、濃度範囲10μMから1mMにて、アルブミン中のドーパミンに対して記録したCVを示し、図5d)は、濃度に対する限界電流のプロットを示す。バックグラウンド電解質をPBSからアルブミンへ変更した場合の限界電流の低下は、より粘性の高い媒体中におけるアルブミンの拡散係数の予想される20%の減少に起因する。四分位電位の差は180mVに増加し、より緩慢な電子移動動態を示唆している。驚くべきことに、洗浄または前処理の手順を行っていないにも関わらず、カーボンナノチューブネットワークUMEは、非常に長い寿命を示しており、通常は、UMEの性能が劣化することなく数十回の測定を行うことが可能である。
図5eは、非常に高密度のSWNT電極上にて、100mVs-1で記録したセロトニンの酸化(0.1M NaClおよび5mM HEPESの支持電解質と共に)に対するCVを示す。溶液の液滴、約10μlをSWNTの表面上に配置し、およそ3mm径の電極の円形領域を被覆した。(i)および(ii)は、50nM、100nM、500nM、および1μMのセロトニン濃度に対して記録したCVを示す。バックグラウンド応答も示す(黒線)。CV中のピーク電流は、50nM〜100μMの濃度範囲にわたってセロトニン濃度と比例関係にあることが分かった。
図6は、高密度SWNTネットワーク上へ堆積させたPt NPの(a)AFM(5μm×5μm)および(b)FE‐SEMのイメージを示す。Pt NPは、0.5M HClO4の支持電解質中に2mM K2PtCl6を含有する溶液から、10mVs-1のス
キャン速度での1.0V〜0.40Vまでの電極電位のサイクルを、(i)1サイクル;(ii)5サイクル、および(iii)10サイクル行うことで堆積させた。全高さスケールzは、AFMイメージでは400nmであり、FE‐SEMイメージでは、(b iおよびii)が400nmならびに(b iii)が2μmである。
図7は、透明電極としてSWNTネットワーク電極を使用する1つの可能性の概略図を示す(a)。ここで、電極は、倒立型走査レーザー共焦点顕微鏡の最上部にある。電極は、溶液中に存在する酸化還元対の電気分解が局所的な蛍光強度の変化を引き起こす電位で保たれている。この特定のケースでは、比較的高い蛍光性を持つRu(bipy)3 2+
、電極表面で酸化される。この結果、用いた励起波長(488nm)では蛍光活性ではないRu(bipy)3 3+が生成し、局所的な蛍光プロファイルの変化が起こる。(b)〜
(d)は、SWNTネットワーク電極(100μm径)の表面にて、裏側から、記録した強度を時間でトレースしたものを示し、電極電位をプラスの方向へ掃引してRu(bipy)3 2+を酸化するに従って、Ru(bipy)3 2+の枯渇により電極表面付近での局所的な蛍光強度の低下が引き起こされている。

Claims (34)

  1. 電気化学分析のための電極であって:
    絶縁表面;
    前記絶縁表面上に位置するカーボンナノチューブの三次元ネットワーク;および、
    前記カーボンナノチューブと電気的に接触した導電性物質;
    を含み、
    前記カーボンナノチューブは、前記絶縁表面に対して実質的に平行に配向される、電極。
  2. 前記三次元ネットワークの平均厚さが、1nm〜200nmの範囲である、請求項1に記載の電極。
  3. 前記三次元ネットワークの平均厚さが、4nm〜100nmの範囲である、請求項2に記載の電極。
  4. 前記三次元ネットワークの平均厚さが、7nm〜15nmの範囲である、請求項3に記載の電極。
  5. 前記三次元ネットワークが、前記絶縁表面の5%超を被覆する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 前記三次元ネットワークが、前記絶縁表面の40〜99.9%の範囲を被覆する、請求項5に記載の電極。
  7. 前記三次元ネットワークが、前記絶縁表面の少なくとも95%の範囲を被覆する、請求項5に記載の電極。
  8. 前記三次元ネットワークが、前記絶縁表面の実質的に完全な被覆を提供する、請求項7に記載の電極。
  9. 各カーボンナノチューブが、少なくとも3つの他のカーボンナノチューブと接触している、請求項1から8のいずれか1項に記載の電極。
  10. 前記カーボンナノチューブが、ランダムに配向されている、請求項1から9のいずれか1項に記載の電極。
  11. 前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ(SWNT)である、請求項1から10のいずれか1項に記載の電極。
  12. 前記カーボンナノチューブが、多層カーボンナノチューブ(MWNT)である、請求項1から10のいずれか1項に記載の電極。
  13. 前記絶縁表面が、酸化シリコンコーティングを有するシリコン、石英、酸化アルミニウムでコーティングされた絶縁表面、ポリマー表面、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1から12のいずれか1項に記載の電極。
  14. 前記絶縁表面が、酸化シリコンコーティングを有するシリコンを含む、請求項13に記載の電極。
  15. 前記カーボンナノチューブが未修飾(pristine)である、請求項1から14のいずれか1項に記載の電極。
  16. 前記導電性物質が金を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の電極。
  17. 前記電気化学分析が、生物電気化学系の分析、ならびに/または光化学的研究および/もしくは分光化学分析における分析である、請求項1から16のいずれか1項に記載の電極。
  18. フェロセンを主体とする、およびルテニウムを主体とする酸化還元反応に対して、1nM〜100mMの溶液濃度範囲にわたって可逆的電子移動を示す、請求項1から17のいずれか1項に記載の電極。
  19. 請求項1から18のいずれか1項に記載の電極を製造する方法であって:
    ある量の触媒ナノ粒子を絶縁表面上に堆積させること;
    前記絶縁表面を熱、水素ガス源、および炭素含有ガス源に曝露してナノチューブを成長させること;ならびに、
    導電性物質を、前記カーボンナノチューブと電気的に接触するように前記絶縁表面上へ堆積させること、
    を含む、方法。
  20. 前記触媒ナノ粒子が、コバルト、鉄、ニッケル、もしくはその他の金属、またはこれらの組み合わせ、あるいは、ダイアモンド、二酸化シリコンなどの絶縁ナノ粒子を含む、請求項19に記載の製造方法。
  21. 前記触媒ナノ粒子がコバルトを含む、請求項20に記載の製造方法。
  22. 前記絶縁表面が、酸化シリコンコーティングを有するシリコン、石英、酸化アルミニウムでコーティングされた絶縁表面、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項19から21のいずれか1項に記載の製造方法。
  23. 前記炭素含有ガスが、C1‐C5アルコールから選択される、請求項19から22のいずれか1項に記載の製造方法。
  24. 前記C1‐C5アルコールがエタノールを含む、請求項23に記載の製造方法。
  25. 前記炭素含有ガスに対するキャリアが不活性ガスを含む、請求項19から24のいずれか1項に記載の製造方法。
  26. 前記キャリアがアルゴンを含む、請求項25に記載の製造方法。
  27. 溶液の電気化学分析を行う方法であって:
    その上にカーボンナノチューブの三次元ネットワークを持つ絶縁表面を有する電極であって;前記カーボンナノチューブが、実質的に前記絶縁表面に対して平行に配向されている電極、を提供すること;
    前記溶液のサンプルを前記カーボンナノチューブと接触させること;および、
    前記電極全体に電位を印加して前記サンプルの電気化学分析を行うこと;
    を含み、
    前記溶液は1nM〜100mMの範囲の濃度を有する、方法。
  28. 前記溶液が生物学的溶液である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記生物学的溶液が、自然または合成血液、血漿、尿、唾液、***、羊水、胆汁、リンパ液、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記溶液がカテコラミンを含有する、請求項27から29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 濃度が1nM〜100mMの範囲である溶液の電気化学分析におけるカーボンナノチューブの使用。
  32. 請求項1から18のいずれか1項に記載の電極を含む、分析デバイスまたはキット。
  33. 対電極および参照電極、ならびに好ましくは、フローセルおよび/または記録手段をさらに含む、請求項32に記載の分析デバイスまたはキット。
  34. 実質的に本明細書にて説明し図面中に図示した電極。
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