JP2012511141A - コイル内部に均一磁場を生成するための最終補正機能を備える連続的に巻き付けられたソレノイドコイルおよびそれに関連する最適化法 - Google Patents

コイル内部に均一磁場を生成するための最終補正機能を備える連続的に巻き付けられたソレノイドコイルおよびそれに関連する最適化法 Download PDF

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Abstract

本発明は、均一磁場を生成するための装置、およびそのような装置を製造するための仕様を提供する試料室内の磁場に関する最適化法に関する。この装置は、磁場を生成するための少なくとも1つの磁場コイルを備え、磁場コイルの巻線が、連続的に前記試料室に巻き付けられ、磁場コイルの巻線直径が、少なくとも磁場コイルの部分領域で試料室の長手軸に沿って連続的に変化することを特徴とする。ここで、磁場コイルが有限長であるために引き起こされる磁場不均一性の補正が、磁場コイル全体に分散される。それにより、この装置は、従来技術に従って不均一性の補正のために使用される補正コイルを用いるよりも簡単に、かつ正確に実現することができる。磁場を最適化するための方法は、従来の磁場の級数展開ではなく、最適化パラメータに基づく磁場のシミュレーションと組み合わせて目的関数を使用する。この目的関数は、級数展開よりも大きな範囲で使用することができる。

Description

本発明は、均一磁場を生成するための装置、およびそのような装置を製造するための仕様を提供する試料室内の磁場に関する最適化法に関する。
例えば磁気共鳴断層撮影法など多くの用途において、細長い試料室に均一磁場を印加することが必要である。その際、一般には、試料室に巻き付けられた細長いソレノイドコイルが使用される。しかし、そのようなコイルの内部での磁場は、コイルが無限に長いという極限的な場合にのみ正確に均一である。それに対して、現実の使用における有限長のコイルでは、均一性はエッジ効果によって損なわれる。
このエッジ効果を補償するために補正コイルが使用され、補正コイルは、完全な均一性からの望ましくない偏差を抑える。欠点として、これらの補正コイルは、追加の設置空間および追加の電流供給を必要とし、これらは特に、クライオスタットの狭い内部空間内では必ず使用できるわけではない。さらに、所望の磁場均一性は、磁石アセンブリの物質的な製造において、予め計算されている補正コイルの大きさおよび位置が厳密に遵守されているときにのみ達成される。サブミクロン範囲内であることがあるこの精度要件は、製造公差よりも厳しいことがある。
追加の電流供給、およびそのような追加の電流供給によって引き起こされる加熱を回避するために、個別に制御可能な補正コイルが、ソレノイドコイル内に組み込まれた追加の補正巻線として実現されることがあった。このような補正巻線は、常にソレノイドコイルと同じ電流を流す。欠点は、補正巻線の位置決めに関する精度要件が、個別に制御可能な補正コイルの位置決めに関する精度要件よりもはるかに高いことである。
したがって、本発明の課題は、磁場を生成するための装置を提供することである。この装置は、補正コイルまたは補正巻線を用いなくても、ソレノイドコイルよりも均一な磁場を試料室に印加し、かつ従来技術による補正コイルまたは補正巻線を備える構成よりも低い機械的な精度要件で製造することができる。
これらの課題は、本発明によれば、独立請求項による装置、および他の独立請求項による最適化法によって解決される。さらなる有利な形態は、それぞれ、独立請求項に依拠する従属請求項に提示される。
本発明の範囲内で、細長い試料室内に均一磁場を生成するための装置が開発された。この装置は、磁場を生成するための少なくとも1つの磁場コイルを備える。
ここで、均一性とは、数学的な意味合いで有無を表すものではなく、漸進的な概念とみなすべきであり、数学的・物理的な、現実には不可能なその理想状態からの現在の状態の生じている偏差を表すものである。そのような偏差は、磁場の単位で、現在の状態と理想状態との最大差として絶対的に定義することができる(「xミリテスラまでの均一性」)。しかしまた、この偏差と磁場強度からの(値に応じた、または二乗した)商ΔB/Bとして相対的に定義することもできる(「10−4までの均一性」)。
本発明によれば、磁場コイルが連続的に試料室に巻き付けられ、磁場コイルの巻線直径が、少なくとも磁場コイルの部分領域で試料室の長手軸に沿って連続的に変化する。
そのような磁場コイルの形状設定により、無限長でないソレノイドコイルに生じ、磁場均一性を悪化させるエッジ効果を、追加の補正コイルまたは補正巻線がなくても大幅に減少させることができることが認識された。したがって、本発明によれば、磁場コイルが有限長であるために生じる磁場コイルの磁場不均一性のある程度の補正が、磁場コイル自体に既に組み込まれている。したがって、補正コイルまたは補正巻線がなくても、従来の円筒形ソレノイドコイルを使用する場合に比べて試料室の内部の磁場分布をかなり均一にすることができる。
この場合、磁場コイルの巻線直径が試料室の長手軸に沿って連続的に変化することが重要である。磁場コイルの磁場は、コイルが有限長であるため不均一である。従来技術によれば少数の離散的な補正コイルまたは補正巻線によって行われたこの不均一性に対する補正は、巻線直径の連続的な変化により、磁場コイル全体に分散される。無限小の各巻線要素が、無限小の割合だけ補正に寄与する。それにより、試料室内部での所要の磁場均一性と磁場コイルの正確な形状設定との関係が連続的になる。
当業者は、所定の全体サイズを有し、試料室の所定の部分体積(「関心体積」、VOI)内で所定の磁場強度および均一性を有する磁場を生成する装置を製造するという課題に直面している。磁場コイルが連続的に試料室に巻き付けられ、磁場コイルの巻線直径が、少なくとも磁場コイルの部分領域で試料室の長手軸に沿って連続的に変化するという本発明による教示を利用すれば、当業者は、課題として挙げられている規定が実現されるように、適切な最適化法を用いて磁場コイルの正確な形状設定を調整することができる。このために、当業者は多様な方法を使用することができる。簡単な標準の状況に関しては、磁場分布を計算するために市販のソフトウェアを使用することができる。代わりに、あるいはまたそれと組み合わせて、磁場コイルの形状に関して、パラメータ化手法を実施することができる。その後、標準のソフトウェアによって自由パラメータを最適化することができる。磁場特性が磁場コイルの正確な形状設定に連続的に依存することにより、数値シミュレーションに関してもパラメータ最適化に関しても現代の技法を使用することができる。また、本発明は、特定の磁場特性が最適化されるのに特に適したパラメータ最適化法にも関する。ここでは、最適化パラメータは、磁場コイルの形状と関連付けられる。最適化法の各ステップにおいて、最適化パラメータに関する具体的な値のセットを評価するために、これらの値から得られる試料室内の磁場分布が数値シミュレーションされる。数値シミュレーションによる最適化は、今日使用可能なツールを用いれば、ひな型を物理的に製造して各場合に生成される磁場を測定することに基づく従来の最適化よりも断然速い。しかし、このタイプの最適化でさえ、当業者は、円筒形ソレノイドコイルよりも良い磁場均一性を実現するためにそれなりの数の試行を行う必要がある。
コイル形状を最適化することで磁場特性の挙動が良好になるのは、従来技術で使用される少数の離散的な補正コイルまたは補正巻線の位置決め誤差に比べて、磁場コイル全体に補正を分散することで、完全には最適でない巻線の位置決めが試料室内の磁場均一性に及ぼす影響がはるかに小さくなるという事情による。従来技術によれば、補正コイルまたは補正巻線の位置の既に数値的に見出されている最適条件でさえ物理的には必ずしも実現することができないほど敏感に、試料室内の磁場分布が補正コイルまたは補正巻線の位置決めに左右された。この最適条件は、精度要件がときおり製造公差を上回るほど厳しいものだった。発明者の現在の認識によれば、従来技術のこの欠点の原因は、補正の全体的な効果が少数のパラメータ、すなわち少数の離散的な補正コイルの位置および磁場強度、または補正巻線の位置のみによって決まっていたことであった。補正巻線での磁場の補正の効果は、補正巻線においては電流を個別に調節することができないので、個別の補正コイルにおけるよりも制御が難しいことが認識された。このため、補正巻線の位置決めに関する精度要件は、補正コイルの位置決めよりもさらに高い。
本発明によれば、補正の効果は、無限小の各巻線要素の位置決めによって決まり、したがって補正は、連続的な変数とみなすことができる。したがって、磁場分布に対する巻線の個々の領域の位置決め誤差の影響は小さく、製造プロセスでの特に偶発的な変動は互いに打ち消し合う。
また、試料室内の改良された磁場均一性は、具体的な用途における均一性に対する所定の要件が満たされている試料室の部分体積(「関心体積」、VOI)が、従来のソレノイドコイルを使用する場合よりも大きいことを意味する。
磁場コイルまたはすべての磁場コイルの総体が試料室全体を取り囲む必要はない。また、本発明による効果は、試料室の長手軸に沿って複数の磁場コイル間に隙間があるか、あるいはまた個々の磁場コイルが隙間を有するときにも達成される。試料室は、磁場が印加されているときに、試料室内部にある試料を観察または操作するためにそのような隙間から手を入れられるようにすることができる。
本発明の特に有利な形態では、磁場コイルまたはすべての磁場コイルの総体において、巻線直径が、試料室の長手軸の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%に沿って厳密に単調増加し、かつ試料室の長手軸の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%に沿って厳密に単調減少する。このとき、磁場コイルによって引き起こされる磁場不均一性に対する補正は、長手軸に沿って非常に大きな範囲に分散されるので、個々の巻線の小さな位置決め誤差により補正が失われることはない。コイルを機械的に巻き付けるときに一般に実現可能な精度で十分である。
これは、明確に言うと以下のことを意味する。すなわち、基本的に、ソレノイドコイルではコイルの中心での磁力線がより密であり、したがって磁場はコイルの端部よりも強い。コイルの中心に近づくにつれて、特にコイルの中心で最大となるように巻線直径が増加する場合、より密集している磁力線が互いに離れるように曲げられる。したがって磁場が均一になる。
磁場コイルは、支持なしで構成することもできる。すなわち、磁場コイルが支持体に巻き付けられることは必須ではない。例えば、核物理学の用途では、線源と検出器との間の物質占有率(Massenbelegung)ができるだけ少ないことが要求されることがある。これは、粒子が検出器に達する前に非常に多くの粒子が吸収されるのを防止する。しかし、有利には、磁場コイルが中空支持体に巻き付けられる。これは、製造および取扱いを容易にする。
本発明の特に有利な形態では、コイルは、中空支持体に巻き付けられ、中空支持体の表面は、試料室の長手軸に対して対称的な表面の一部である。これは、支持体の形状が試料室の長手軸に沿って連続的に変化することを示唆する。支持体は、少なくとも1つの部片からなるが、複数の部片からなってもよい。後者の構成は、例えば、試料室の内部に横方向からアクセスすることができるようにする。
表面は、特に試料室の長手軸周りの回転体でよい。このとき支持体は回転対称形となり、したがって機械的な材料加工によって簡単に、かつ高精度で製造することができる。その後、回転対称性であるため、特に簡単に磁場コイルを支持体に機械的に巻き付けることができる。本発明の特に有利な形態では、磁場均一性をさらに改良するために、支持体の直径は、試料室の長手軸の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%に沿って厳密に単調増加し、かつ試料室の長手軸の少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも30%に沿って厳密に単調減少することができる。
本発明のさらなる有利な形態では、磁場を生成するための手段が、少なくとも1つの個別に制御可能な補正コイルを備える。磁場コイルが支持体に巻き付けられる限り、補正コイルを特に支持体の上に配置することができる。それにより、試料室内の磁場均一性がさらに高められる。補正コイルと磁場コイルの形状設定とは、補正コイルが均一性の粗い補正に使用され、磁場コイルの形状設定が微調整に使用されるときに、特に有利に補い合う。上述したように、磁場分布に対する補正コイルの効果は、その位置および電流強度に非常に敏感に左右される。補正コイルのみを採用するとき、これは欠点となる。しかしまた、磁場コイルの形状設定を微調整手段として使用できる場合、正にこの状況を利点に転じることもできる。すなわち、補正コイルの、大きいが、制御が難しい制御比(Durchgriff)が使用されて、試料室内の電磁分布の完全な均一性からの大きな偏差が一領域で生じ、その領域内で、その偏差を、さらなる最適化のために、効果はより小さいがより厳密に制御可能な磁場コイルの形状設定の変更によって取り扱うことができる。補正コイルを予備補正に使うことで、補正コイルの小さな位置決め誤差によって均一性が改良されるどころか悪化するといったおそれがない。補正コイルの位置決めに関する公差は、用途によっては、従来技術に比べて1000倍まで高めることができる。
磁場コイルと補正コイルのそのような協働の利点は、物理的には、所定の電流を流す領域が試料室内の所与の点での磁場に与える寄与が、常にその領域とその点の距離によって決まり、この距離を連続的に変えることができるようにすることによって得られる。これは正に、本発明による磁場コイルの形状設定で得られる。このとき、一般に、磁場コイルの巻線直径の局所的な変化は、少数のみの離散的な補正コイルの1つによる電流の変化よりも影響がはるかに小さい。
有利には、磁場コイルが、重ねて巻き付けられた少なくとも2層の巻線を有する。それにより、有利には、所定のコイル長に収めることができる、磁束に重要な巻線の総数が増加される。
本発明の特に有利な形態では、装置は、すべての磁場コイルの総体に電流を供給することができる電流供給線を備える。これにより、追加の補正コイルの場合における多数の導線に対して、装置内に導線が2本だけ通っていればよい。例えばクライオスタットにおいてこの装置を使用するときなど、多くの用途で、導線の最大数に制限が設けられる。本発明による装置を用いると、所与数の導線で、従来技術によるよりも良好な試料室内での磁場均一性が達成される。
例えば、本発明による形状設定を有する支持体に連続的に巻き付けられた、ただ1つの磁場コイルを使用することができる。
本発明の範囲内で、細長い試料室内で装置によって生成される磁場の1つまたは複数の所定の特性を最適化するための方法も開発された。そのような所定の磁場特性は、例えば均一性でよいが、例えば方向成分の絶対強度または相対強度でもよい。
この方法は、装置が、試料室に連続的に巻き付けられた少なくとも1つの磁場コイルを備え、試料室内の磁場が依存する自由最適化パラメータセットが予め定められることを基礎とする。さらに、追加条件を予め定めることができる。この追加条件は、例えば、装置の全体サイズ、磁場コイルの大きさおよび導線断面積、所期の磁場強度、所期の均一性、ならびにこれらの磁場強度および均一性が望まれる領域(対象領域、VOI)の大きさおよび形状でよい。
本発明によれば、まず、最適化パラメータに関する所与の値から、試料室内の磁場分布が算出される。次いで、この算出された磁場分布に関して、最適化すべき磁場特性に応じた目的関数の値が算出される。本発明の特に有利な形態では、目的関数は、試料室内の磁場均一性のノルムによって決まる。
目的関数に基づいて、最適化パラメータに関する所与の値から、最適化パラメータの新規の値が算出され、この値は、場合によっては所定の追加条件を満たす。これに関連して、「基づいて」とは、そのプロファイルに関する結論を導き出すことができるようにパラメータ空間内で目的関数を解析することができることを意味する。
上記のステップは、最適化パラメータの新規に得られた値を使用して、所定の終了条件に達するまで繰り返される。終了条件としては、例えば、目的関数の値に関する所定のしきい値に達すること、または所定の繰返し(反復)回数に達すること、およびこれらの条件からの任意の組合せが適している。その後、最終的に得られた最適化パラメータの値を、装置製造のための仕様として使用することができる。
この方法を実施するとき、最適化すべき特性、例えば特に有利な形態では磁場均一性は、従来技術による最適化法を実施するときよりも大きい試料室の部分体積で、目的関数、したがって最適化パラメータに関する最適値の決定に関与することができることが認識された。それにより、この装置はまた、最適化すべき特性に関する質が同じであるときには、構造サイズがより小さくなるように最適化することができ、または構造サイズが同じであるときには、最適化すべき特性に関する所与の質を有する有用な体積がより大きくなるように最適化することができる。
従来技術による最適化法は、試料室内の所与の点の周りでの局所磁場の級数展開に関わるものであった。装置の自由パラメータ(補正コイルの位置および電流)は、級数展開の特定の次数の誤差がゼロに設定され、その際に得られる連立方程式が解かれることによって決定された。所与の点の周りでの限られた部分体積でのみ級数展開が有効性を有し、その点から離れるにつれて急速に不正確になることにより、従来技術によるこの方法によって磁場均一性を達成することができる試料室の部分体積は限られていた。本発明による最適化法は、最適化パラメータと試料室内の磁場との関係の近似解析表現には依拠しない。したがって、この最適化法には、試料室の非常に狭い部分体積でのみそのような解析表現が有効な近似であるという問題はない。
最適化パラメータの既存の値および目的関数の値から最適化パラメータの新規の値を算出するために、基本的には、いかなる数値最適化法でも使用することができる。降下法、およびここでは特に勾配法を使用することが特に有利であることが分かっている。そのような方法は、目的関数の負の勾配の方向に漸進的に進み、それにより、目的関数が少なくとも1つの極小値をとるような最適化パラメータに関する値を見つける。同様に、「Armijoのステップサイズ規則(step size rule)」など、追加のステップサイズ制御を使用することもできる。
本発明の特に有利な形態では、最適化パラメータは、試料室の長手軸に沿って変化する少なくとも1つの磁場コイルの巻線直径に関して最適化されるように選択される。次いで、最適化の終了時に得られたプロファイルを例えばテンプレートとして使用して、支持体を機械的に製造し、次いで支持体に磁場コイルが機械的に巻き付けられる。
有利には、巻線直径のプロファイルがスプラインによって近似され、または別のパラメータ化手法によって記述される。それにより、求められた最適な関数プロファイルは、離散的な自由最適化パラメータセットによって表現され、これは、最適化アルゴリズムにおいて、より簡単に取り扱うことができる。スプラインは、特定の区間に関して定義するので、多くの関数に関して、グローバルに記述された多項式よりもかなり良い近似を実現することができるという利点を有する。したがって、少数の極値しかもたない複雑な関数も、より高次のスプラインによって近似することができる。高次のグローバルな(globale)補間多項式によって複雑な関数を近似するとき、近似関数は、望ましくないほど激しく振動する。また、近似関数としてベジエ曲線を使用することもできる。
本発明の特に有利な実施形態では、さらなる最適化パラメータとして、少なくとも1つの追加の補正コイルの位置および/または大きさが選択される。このとき、有利には、試料室内の磁場均一性の最適化は、一方として補正コイルの位置および/または大きさに、他方として磁場コイルの形状設定に分けることができる。補正コイルを用いれば、例えば磁場コイルの形状設定をソレノイド形状からよりわずかにずらすだけで、所定の均一性を達成することができる。したがって、ソレノイド形状からずれるときに追加の構造体積が予想され得るので、所与の設置体積で達成することができる均一性を改良することができる。
このとき、相乗効果に加えて、形状設定の最適化は、補正コイルの位置および/または大きさの小さな変化に対する試料室内の磁場の感度を減少させる。したがって、これらの位置および大きさの最適化は、一方では、最適化アルゴリズム自体による取扱いの観点から、より簡単なものになる。他方では、物質的な実現化の際の不正確さに対して、得られる最適条件が安定になる。補正コイルのみを使用した従来技術によれば、補正コイルの位置決めに関する精度要件を機械的な製造公差の範囲内では一部もはや実現できないほど、最適条件は不安定であった。
目的関数は、試料室の部分体積内での磁場均一性のノルムにわたる積分に関する尺度でよく、ここでノルムは、相対均一性ΔB/B、あるいはまた磁場の単位での絶対均一性に関するものであることがある。この積分は、例えば、試料室内の離散点集合にわたる磁場の局所(相対または絶対)均一性の(例えば重み付けされた)ノルムの和を目的関数が含むことによって近似することができる。この離散点集合は、例えば格子に配置することができる。
ノルムとして、例えば、均一性のユークリッドノルム、あるいはまた最大ノルムを選択することができる。
この方法は、特に本発明による装置を製造するために使用することができる。
本発明に従って磁場が最適化された本発明による装置は、粒子加速器内の固体ターゲットを連続的に分極するために使用することができる。この用途に関して、磁場の強度および均一性、磁石の大きさ、ならびにできるだけ少数の電流供給線といった、磁石設計に関して相容れない様々な要件を同時に満たさなければならない。磁気共鳴断層撮影法(MRT)も、本発明に従って磁場が最適化された本発明による装置による利益を享受することができる。
以下、本発明の対象を、図面に基づいて、それによって本発明の対象を制限することなくより詳細に説明する。
一部片支持体(部分図a)および二部片支持体(部分図b)を備える本発明による方法の実施形態の断面図である。 本発明による装置のさらなる実施形態の断面図である。
図1aは、本発明による装置の一実施形態の断面図である。細長い試料室2を取り囲む支持体1が、この試料室の長手軸に対して対称であり、支持体1の直径は、この長手軸の中央で極大値を有する。したがって、磁場コイルにおいて、巻線直径は、試料室の長手軸の50%に沿って厳密に単調増加し、かつ試料室の長手軸の50%に沿って厳密に単調減少する。連続的に支持体に巻き付けられた磁場コイルの巻線は、ここでは図示されていない。支持体1の上に、試料室内の磁場を予備補正するための補正コイル3aおよび3bが配置される。
図1bは、本発明による装置の別の実施形態の断面図である。ここでは、支持体1は、2つの部片1aおよび1bからなる。これらの各部片1aおよび1bに、それぞれ1つの磁場コイルが巻き付けられる。部片1aと部片1bとの間に隙間(開口)があり、その隙間を通して、装置の動作中でも試料室2の内部に横方向からアクセスすることができる。部片1aおよび部片1bに巻き付けられた磁場コイルの全長にわたって、巻線直径は、試料室の長手軸のほぼ半分に沿って厳密に単調増加し、かつ試料室の長手軸のほぼ半分に沿って厳密に単調減少する。2つのコイルは電気的に直列接続される。したがって、装置は、すべての磁場コイルの総体に電流を供給することができる電流供給線を備える。
図2は、本発明による装置のさらなる実施形態の断面図である。細長い試料室2を取り囲む支持体1の直径は、極大値の他に2つの極小値をとる。補正コイル3aおよび3bが、これらの極小値の近くで支持体の上に配置される。試料室2内に、最良の磁場均一性を有する部分体積2aが図示されている。この部分体積は、特に磁気共鳴検査において「関心体積」(VOI)として使用することができる。

Claims (16)

  1. 細長い試料室内に均一磁場を生成するための装置であって、前記磁場を生成するための少なくとも1つの磁場コイルを備える装置であって、
    前記磁場コイルが、連続的に前記試料室に巻き付けられ、前記磁場コイルの巻線直径が、少なくとも前記磁場コイルの部分領域で前記試料室の長手軸に沿って連続的に変化することを特徴とする装置。
  2. 前記磁場コイルまたはすべての磁場コイルの総体において、前記巻線直径が、前記試料室の長手軸の少なくとも10%に沿って厳密に単調増加し、かつ前記試料室の長手軸の少なくとも10%に沿って厳密に単調減少することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記磁場コイルが、中空支持体に巻き付けられ、前記中空支持体の表面が、前記試料室の長手軸に対して対称的な表面の一部であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  4. 磁場を生成するための手段が、少なくとも1つの個別に制御可能な補正コイルを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記磁場コイルが、重ねて巻き付けられた少なくとも2層の巻線を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. すべての磁場コイルの総体に電流を供給することができる電流供給線を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 細長い試料室内で装置によって生成される磁場の1つまたは複数の所定の特性を最適化するための方法であって、前記装置が、前記試料室内の磁場が依存する自由最適化パラメータセットを予め定めて、かつ任意選択で追加条件のセットを予め定めて、連続的に前記試料室に巻き付けられた少なくとも1つの磁場コイルを備え、
    前記最適化パラメータに関する所与の値から、前記試料室内の磁場分布が算出されるステップと、
    前記磁場分布のために、最適化すべき特性に応じた目的関数の値が算出されるステップと、
    前記最適化パラメータに関する所与の値から、前記目的関数に基づいて、場合によっては所定の追加条件を満たす最適化パラメータの新規の値が算出されるステップと、
    前記最適化パラメータの前記新規の値を使用して、所定の終了条件に達するまで前記ステップが繰り返されるステップと
    を含む方法。
  8. 前記目的関数が、試料室内の磁場均一性のノルムによって決まることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 終了条件として、前記目的関数の値に関する所定のしきい値に達することが選択されることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
  10. 終了条件として、所定の反復回数に達することが選択されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記最適化パラメータが、前記試料室の長手軸に沿って変化する少なくとも1つの磁場コイルの巻線直径に関して最適化されるように選択されることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記巻線直径のプロファイルがスプラインによって近似されるか、またはパラメータ化手法によって記述されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. さらなる最適化パラメータとして、少なくとも1つの追加の補正コイルの位置および/または大きさが選択されることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記目的関数が、前記試料室内の離散点集合にわたる磁場の局所相対均一性のノルムの和を備えることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 均一性のユークリッドノルムが選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 均一性の最大ノルムが選択されることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
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