JP2012509930A - 新規な方法および純粋な多型 - Google Patents

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Abstract

本発明は、活性医薬成分であるボリノスタットの結晶形、それらの調製方法および医薬組成物におけるそれらの使用に関する。

Description

本発明は、活性医薬成分であるボリノスタットの結晶形、それらの調製方法および医薬組成物におけるそれらの使用に関する。
活性成分である有機化合物に、製造プロセス中に操作上の困難性があったり、最終医薬または投与形態に望ましくない特性が与えられるかもしれないとの事実によって、多くの医薬の製造方法が妨げられている。加えて、製造プロセスを通して、活性医薬成分の多型を制御することが困難であることがある。
活性成分が1以上の多型で存在しうる医薬には、その活性成分の製造方法が一定の多型純度を有する単一で純粋な多型を供給することを保証することが、特に重要である。もし、その製造プロセスで多型純度が変化する多型が生成すれば、および/または、そのプロセスが多型変換を制御しない場合は、その活性成分を含有する最終医薬組成物には、溶解および/またはバイオアベイラビリティに重大な問題が生じうる。
ボリノスタットは、構造式(I)で表され、化学的にN−ヒドロキシ−N’−フェニル−オクタンジアミドまたはスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)と称され、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を阻害する化合物の大きな分類の一種である。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDI)は、エピジェネティックな活動に対して広いスペクトルを有しており、ゾリンザ(登録商標)の商標名で、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)と呼ばれる皮膚ガンの一種の治療のために販売されている。他の医薬での治療の間またはその後に、その疾患が持続し、悪化しまたは再発した場合に用いることで、ボリノスタットが承認されている。ボリノスタットは、またセザリー病の治療にも用いられており、さらに、再発多形性膠芽腫に対して幾分かの活性を所有している。
Figure 2012509930
ボリノスタットは、米国特許第5369108号に初めて記載されたが、多型データについては言及されていなかった。それぞれI型〜V型と呼ばれる、ボリノスタットの5つの結晶形は、文献US2004/0122101およびWO2006/127319に開示されていた。しかし、これら文献に開示された5つの結晶形には、それらを医薬開発のための理想的な結晶形にはさせない、いくつかの不利な点がある。I型〜V型、特にI型、を調製する先行技術の方法には、再現が一定せず、困難であるとの不利な点があり、その方法では多型的に不純な製品が製造される。先行技術の方法は、特に大量スケールの製造には不都合である。
もし、結晶形が多型不純物を含んで製造されれば、これによって不安定になったり、他の多型への著しい変換が加速されうる。従って、この変換を避けるために、非常に高い多型純度を有する結晶形を製造することが、重要である。
ガン治療のためのボリノスタットによって獲得された重要性を考慮すると、代替的で、相対的に単純で、経済的でかつ商業的に実現可能で、商業的に許容可能な収率と高い多型純度と多型安定性とを有する、ボリノスタットの結晶形の合成方法を開発することが、非常に必要とされている。
従って、本発明の目的は、製造しやすく、製剤開発のためにおよび販売される医薬組成物として適した改良された特性を有している、ボリノスタットの多型を提供するために、ボリノスタットの公知の多型の既存の調製方法を改良すること、および公知の多型の多型純度を改良することである。
終始一貫しており、非常に再現性があり、大量スケールの製造でも都合がよく、I型を非常に高い多型純度で製造する、ボリノスタットのI型結晶の簡便な調製方法を、本発明者らは開発した。
上記の先行技術で報告された方法に伴われる問題、特に大量スケールの製造での不都合および低い多型純度、を回避する改良された特性を有する、ボリノスタットの多型的に純粋なI型結晶の新規な調製方法を、本発明者らは驚くべきことに開発した。
明細書および請求の範囲を通してここに記載されている、用語“ボリノスタットのI型”は、US2004/0122101およびWO2006/127319に記載され、特徴付けられたボリノスタットのI型を指す。好ましくは、ボリノスタットのI型は、波長1.54ÅのCu放射線源を備えた、Siemens D500 Automated Power Diffractometerで測定した時、9.0、9.4、17.5、19.4、20.0、24.0、24.4、24.8、25.0、28.0、43.3±0.2°の2θの3以上(好ましくは4以上、好ましくは5以上、好ましくは6以上、好ましくは7以上、好ましくは8以上、好ましくは9以上、好ましくは10以上、または好ましくは11すべて)の2θ値のピークを含むXRPDスペクトルで特徴付けられる。好ましくは、ボリノスタットのI型は、るつぼとして標準のアルミニウムの皿と蓋を用いて、50℃から観測される融点の30℃上までの温度範囲を、10℃/分の加熱速度で、Perkin Elmer instrumentを用いて測定した時、約164.3℃±2.0℃に吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)の図で、特徴付けられる。
従って、本発明の第一の側面によって、
有機溶媒の中に、ボリノスタットを溶解させる工程;
生成した溶液を水と混合する工程;および
その混合物から生成したI型を単離する工程を含む、
ボリノスタットのI型結晶の調製方法が提供される。
好ましくは、溶液を水に加えることで、溶液を水と混合する。好ましくは、水と混合される溶液は透明の溶液である。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、有機溶媒は、アルコール、アミドおよびこれらの混合物から選択される。好ましいアミドは、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドであり;より好ましいアミドは、N,N−ジメチルホルムアミドである。好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびtert−ブタノールであり;より好ましいアルコールは、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールであり;より好ましいアルコールは、メタノールである。好ましくは、有機溶媒は、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノールおよびこれらの混合物から選択される。
好ましくは、ボリノスタット1g当たり、約2〜10mlの有機溶媒、好ましくは約4〜6mlの有機溶媒、好ましくは約5mlの有機溶媒が用いられる。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、有機溶媒を40〜100℃の間に、より好ましくは約60℃に加熱して、ボリノスタットを溶解させる。好ましくは、ボリノスタットを有機溶媒に完全に溶解して、透明な溶液を生成させる。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、水は、ボリノスタットを溶液から沈殿させる反溶媒として作用する。
アミドを有機溶媒として用いる場合は、好ましくは、ボリノスタット1g当たり、約10〜50mlの水、好ましくは約20〜30mlの水、好ましくは約25mlの水が用いられる。アルコールを有機溶媒として用いる場合は、好ましくは、ボリノスタット1g当たり、約2〜10mlの水、好ましくは約4〜6mlの水、好ましくは約5mlの水が用いられる。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、ボリノスタットのI型結晶を単離する前に、混合物を冷却する。好ましくは、混合物を5〜30℃の間に、好ましくは、混合物を25〜30℃の間に、より好ましくは約25℃に冷却する。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、ボリノスタットのI型をろ過して単離する。好ましくは、単離したボリノスタットのI型を、好ましくは約60℃で、好ましくは真空下で、好ましくは約2〜10時間、より好ましくは約5〜6時間、好ましくは重量が一定になるまで乾燥する。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、粉砕せずに方法を実施する。好ましくは、本発明の第一の側面の方法において、種晶を加えずに方法を実施する。
本発明の第二の側面によって、
水の中に、ボリノスタットを溶解させる工程;および
その混合物からI型を単離する工程を含む、
ボリノスタットのI型結晶の調製方法が提供される。
好ましくは、ボリノスタット1g当たり、約2〜10mlの水、好ましくは約4〜6mlの水、好ましくは約5mlの水が用いられる。
好ましくは、本発明の第二の側面の方法において、水を40〜100℃の間に、より好ましくは約60℃に加熱して、ボリノスタットを溶解させる。好ましくは、ボリノスタットを水に完全に溶解して、透明な溶液を生成させる。
好ましくは、本発明の第二の側面の方法において、ボリノスタットのI型結晶を得るために、水を冷却する。好ましくは、水を5〜30℃の間に、好ましくは、水を25〜30℃の間に、より好ましくは約25℃に冷却する。
好ましくは、本発明の第二の側面の方法において、ボリノスタットのI型をろ過して単離する。好ましくは、単離したボリノスタットのI型を、好ましくは約60℃で、好ましくは真空下で、好ましくは約2〜10時間、好ましくは重量が一定になるまで乾燥する。
好ましくは、本発明の第二の側面の方法において、粉砕せずに方法を実施する。好ましくは、本発明の第二の側面の方法において、種晶を加えずに方法を実施する。
本発明の第三の側面によって、
第1の有機溶媒の中に、ボリノスタットを溶解させる工程;
生成した溶液を第2の有機溶媒と混合する工程;および
その混合物中で生成したI型を単離する工程を含む、
ボリノスタットのI型結晶の調製方法が提供される。
好ましくは、溶液を第2の有機溶媒に加えることで、溶液を第2の有機溶媒と混合する。好ましくは、第2の有機溶媒と混合される溶液は透明の溶液である。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、第1の有機溶媒は、アルコール、アミドおよびこれらの混合物から選択される。好ましくは、第1の有機溶媒は、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミドおよびこれらの混合物から選択される。
好ましくは、ボリノスタット1g当たり、約2〜10mlの第1の有機溶媒、好ましくは約4〜6mlの第1の有機溶媒、好ましくは約5mlの第1の有機溶媒が用いられる。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、第1の有機溶媒を40〜100℃の間に、より好ましくは約60℃に加熱して、ボリノスタットを溶解させる。好ましくは、ボリノスタットを第1の有機溶媒に完全に溶解して、透明な溶液を生成させる。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、第2の有機溶媒は、ケトン、ニトリル、エステルおよびこれらの混合物から選択される。好ましくは、第2の有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エチル、酢酸メチルおよびこれらの混合物から選択される。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、第2の有機溶媒は、ボリノスタットを溶液から沈殿させる反溶媒として作用する。
好ましくは、ボリノスタット1g当たり、約2〜10mlの第2の有機溶媒、好ましくは約4〜6mlの第2の有機溶媒、好ましくは約5mlの第2の有機溶媒が用いられる。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、ボリノスタットのI型結晶を単離する前に、混合物を冷却する。好ましくは、混合物を5〜30℃の間に、好ましくは、混合物を25〜30℃の間に、より好ましくは約25℃に冷却する。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、ボリノスタットのI型をろ過して単離する。好ましくは、単離したボリノスタットのI型を、好ましくは約60℃で、好ましくは真空下で、好ましくは約2〜10時間、好ましくは重量が一定になるまで乾燥する。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、粉砕せずに方法を実施する。好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、種晶を加えずに方法を実施する。
本発明の第四の側面によって、本発明の第一、第二または第三の側面の方法で調製されるボリノスタットのI型結晶が提供される。
好ましくは、本発明の第四の側面のボリノスタットのI型結晶は、好ましくはXRPDまたはDSCの測定によって、好ましくはXRPDの測定によって、ボリノスタットの2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらにより好ましくは0.2%未満、および最も好ましくは0.1%未満を他の多型の形態で含む。
本発明の第五の側面によって、好ましくはXRPDまたはDSCの測定によって、好ましくはXRPDの測定によって、ボリノスタットの2%未満を他の多型の形態で含む、好ましくはボリノスタットの1%未満を他の多型の形態で含む、より好ましくはボリノスタットの0.5%未満を他の多型の形態で含む、さらにより好ましくはボリノスタットの0.2%未満を他の多型の形態で含む、および最も好ましくはボリノスタットの0.1%未満を他の多型の形態で含む、ボリノスタットのI型結晶が提供される。
好ましくは、本発明の第四または第五の側面のボリノスタットのI型結晶は、好ましくはHPLCの測定によって、少なくとも95%の、より好ましくは少なくとも98%の、より好ましくは少なくとも99%の、より好ましくは少なくとも99.5%の、さらにより好ましくは少なくとも99.8%の、および最も好ましくは少なくとも99.9%の、化学純度を有する。
好ましくは、本発明の第四または第五の側面のボリノスタットのI型結晶は、医薬における使用のために、好ましくはガンの治療のため、好ましくは皮膚ガンの治療のため、好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のために、用いることができる。
本発明の第六の側面によって、本発明の第四または第五の側面のボリノスタットのI型結晶を含有する医薬組成物が提供される。好ましくは、医薬組成物は、1またはそれ以上の薬学上許容される賦形剤をさらに含有する。好ましくは、医薬組成物は、ガンの治療のため、好ましくは皮膚ガンの治療のため、好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)のためのものである。
本発明の第七の側面によって、ガンの治療のため、好ましくは皮膚ガンの治療のため、より好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のための医薬の製造における、本発明の第四または第五の側面のボリノスタットのI型結晶の使用、または本発明の第六の側面の医薬組成物の使用が提供される。
本発明の第八の側面によって、治療上有効な量の本発明の第四または第五の側面のボリノスタットのI型結晶、または治療上有効な量の本発明の第六の側面の医薬組成物を、その必要がある患者に投与することを含む、ガンの治療方法が提供される。好ましくは、この方法は、皮膚ガンの治療のため、より好ましくは皮膚T細胞リンパ種(CTCL)の治療のためのものである。好ましくは、患者は哺乳類であり、好ましくはヒトである。
概要を上述した通り、本発明によって、従来技術の方法に伴われる問題を回避する、ボリノスタットのI型結晶の簡便な調製方法が提供される。
本方法は穏やかな条件および温度を用い、それによって多型変換の発生を最小化して、従来技術のI型に伴われる問題を回避する、高い多型純度と安定性を有するI型を製造する。
本発明の方法の好ましい態様を、以下に記述する。
ボリノスタットのI型結晶の好ましい調製方法において、出発原料として、US2004/0122101およびWO2006/127319に記載されたボリノスタットのI型〜V型の結晶を含む、ボリノスタットのいかなる先行技術の結晶形、または本発明者らによる同時係属中の出願(インド特許出願:IN2057/KOL/2008およびその優先権を主張する国際特許出願)で報告された、ボリノスタットの新規なVI型結晶を用いることができる。
本発明の第一の側面の方法の特に好ましい態様には、有機溶媒にボリノスタットを約60℃で溶解させる工程、その生成した透明の溶液を水に加える工程、混合物を冷却する工程、および生成したボリノスタットのI型結晶をろ過する工程が含まれる。
好ましくは、本発明の第一の側面の方法における有機溶媒は、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノールおよびこれらの混合物から選ばれる。
本発明の第二の側面の方法の特に好ましい態様には、約60℃で約1時間加熱することで、水にボリノスタットを溶解させる工程が含まれる。混合物からボリノスタットのI型結晶をろ過することで単離する前に、透明な溶液を約25℃に放冷する。
本発明の第三の側面の方法の特に好ましい態様には、第1の有機溶媒にボリノスタットを約60℃で溶解させる工程、その後、その生成した透明の溶液を第2の有機溶媒に加える工程、続いて、混合物を約25℃に冷却する工程、および生成したボリノスタットのI型結晶をろ過する工程が含まれる。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、第1の有機溶媒は、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミドおよびこれらの混合物から選択される。
好ましくは、本発明の第三の側面の方法において、第2の有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エチル、酢酸メチルおよびこれらの混合物から選択される。
好ましくは、本発明の第一、第二および第三の方法で得られるボリノスタットのI型結晶を、水分含量が約1%未満、好ましくは約0.5%未満になるまで乾燥する。
本発明の主たる有利な点は、多型を得るための本発明の方法における、より穏やかで再現可能な条件、ならびに得られるI型結晶の多型的な純度および安定性である。
本発明の第六の側面の医薬組成物は、溶液または懸濁液であってもよいが、好ましくは固形経口投薬形態である。本発明に従った好ましい固体経口投薬形態としては、錠剤、カプセル等が含まれ、これらは必要に応じてコーティングを施してもよい。錠剤は、直接圧縮、湿式造粒および乾式造粒等の従来の技術に従って、製造することができる。カプセルは、一般にゼラチン材料から形成され、本発明に従って従来通り製造される顆粒状の賦形剤を含めることができる。
本発明の医薬組成物は、典型的には、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤を含む群から選択される1またはそれ以上の薬学上許容される従来の賦形剤を含み、任意に着色剤、吸着剤、界面活性剤、膜形成剤および可塑剤から選択されるの少なくとも1つの賦形剤をさらに含む。
固形医薬製剤がコーティング錠の形態である場合、コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロシキプロピルセルロース、メタアクリレートポリマー等のフィルム形成剤の少なくとも1つから調製することができ、ポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル等の可塑剤の少なくとも1つ、および色素、充填剤等の膜コーティングにとって慣用的に用いられる、その他の医薬補助物質を任意に含んでもよい。
好ましくは、本発明の第六の側面の医薬組成物は、ガンの治療において、好ましくは皮膚ガンの治療において、より好ましくは皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療において使用するためのものである。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、ボリノスタットの投与量が0.1mg〜100mg/kg/日となるように、ボリノスタットを1mg〜500mgの量含有する単位投与形態である。
本発明の詳細、その目的および有利な点を、制限をしない実施例によって、以下により詳細に説明する。
実施例1:ボリノスタットのI型結晶の調製
アミド(50ml)(有機溶媒)が入った反応フラスコに、ボリノスタット(10g)を加えた。結果として生じた懸濁液を60℃で1時間、攪拌しながら加熱した。結果として生じた透明な溶液を水(250ml)に20〜25℃で加えた。白色の固体が沈殿した。固体生成物をろ過して、一定の重量になるまで、60℃で真空下、乾燥した。
Figure 2012509930
実施例2:ボリノスタットのI型結晶の調製
アルコール(50ml)(有機溶媒)が入った反応フラスコに、ボリノスタット(10g)を加えた。結果として生じた懸濁液を60℃で1時間、攪拌しながら加熱した。結果として生じた透明な溶液を水(50ml)に20〜25℃で加えた。白色の固体が沈殿した。固体生成物をろ過して、一定の重量になるまで、60℃で真空下、乾燥した。
Figure 2012509930
実施例3:ボリノスタットのI型結晶の調製
メタノール(50ml)(有機溶媒)が入った反応フラスコに、ボリノスタット(10g)を加えた。結果として生じた懸濁液を60℃で1時間、攪拌しながら加熱した。結果として生じた透明な溶液を水(50〜300ml,有機溶媒がアルコールである場合は典型的には50ml,有機溶媒がアミドである場合は典型的には250ml)に加えた。反応混合物を25℃に冷却して、ろ過した。得られた固体生成物を、一定の重量になるまで、60℃で真空下、乾燥した。
化学純度≧99.9%(HPLC測定)。
実施例3の上記手順を、異なる有機溶媒を用いて繰り返して、ボリノスタットのI型を得た。すなわち、有機溶媒としては:
有機溶媒:メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド。
実施例4:ボリノスタットのI型結晶の調製
水(50ml)が入った反応フラスコに、ボリノスタット(10g)を加えた。結果として生じた混合物を60℃で1時間、加熱して、透明の溶液を得た。結果として生じた混合物を25℃に冷却して、それをろ過した。固体生成物を、一定の重量になるまで、60℃で真空下、乾燥した。
化学純度≧99.9%(HPLC測定)。
実施例5:ボリノスタットのI型結晶の調製
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)(有機溶媒I)が入った反応フラスコに、ボリノスタット(10g)を加えた。結果として生じた懸濁液を60℃で1時間、攪拌しながら加熱した。結果として生じた透明な溶液をアセトン(50ml)(有機溶媒II)に加えた。反応混合物を25℃に冷却して、それをろ過した。固体生成物を、一定の重量になるまで、60℃で真空下、乾燥した。
化学純度≧99.9%(HPLC測定)。
実施例5の上記手順を、異なる溶媒を用いて繰り返して、ボリノスタットのI型を得た。すなわち、溶媒としては:
有機溶媒I:メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド。
有機溶媒II:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル。
上記の各々の有機溶媒Iは、上記の各々の有機溶媒IIと共に用いて、ボリノスタットのI型を調製した。
実施例1〜5のすべてにおいて、H−NMRによって、ボリノスタットの生成が示された。XRPDおよびDSC分析データから、US2004/0122101およびWO2006/127319に開示されたデータに従って、得られた生成物がボリノスタットのI型結晶であったことが確かめられた。
上記実施例で調製されたボリノスタットのI型結晶のサンプルは、他の結晶形が観測されず、実質的に多型的に純粋(>99.7%多型的に純粋)であることがXRPDデータおよびDSCデータで確かめられ、見出された。調製されたボリノスタットのI型結晶のサンプルは、6ケ月間、40℃±2℃の温度で75%±5%の相対湿度で保存したとき、他の多型への経時的変換が無く、非常に多型的に安定であることも、見出された。
以上、本発明について説明してきたが、これは例示でしかないことが理解されるであろう。実施例は本発明の範囲を限定することを意図したものではない。さまざまな改変および態様は、以下の請求項のみによって規定される本発明の範囲および精神から逸脱せずに実現できる。

Claims (22)

  1. 有機溶媒の中に、ボリノスタットを溶解させる工程;
    生成した溶液を水と混合する工程;および
    その混合物から生成したI型を単離する工程を含む、
    ボリノスタットのI型結晶の調製方法。
  2. 有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびこれらの混合物から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 有機溶媒を40〜100℃の間に加熱して、ボリノスタットを溶解させる、請求項1または2記載の方法。
  4. 有機溶媒を約60℃に加熱する、請求項3記載の方法。
  5. ボリノスタットのI型結晶を単離する前に、混合物を冷却する、請求項1〜4のいずれか記載の方法。
  6. 混合物を5〜30℃の間に冷却する、請求項5記載の方法。
  7. 混合物を約25℃に冷却する、請求項6記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の方法で調製される、ボリノスタットのI型結晶。
  9. (a)ボリノスタットの2%未満を他の多型の形態で;または
    (b)ボリノスタットの1%未満を他の多型の形態で;または
    (c)ボリノスタットの0.5%未満を他の多型の形態で;または
    (d)ボリノスタットの0.2%未満を他の多型の形態で;または
    (e)ボリノスタットの0.1%未満を他の多型の形態で含む、
    ボリノスタットのI型結晶。
  10. 医薬における使用のための、請求項8または9記載のボリノスタットのI型結晶。
  11. 請求項8〜10のいずれか記載のボリノスタットのI型結晶を含有する医薬組成物。
  12. ガンの治療のための、請求項10記載のボリノスタットのI型結晶または請求項11記載の医薬組成物。
  13. 皮膚ガンの治療のための、請求項12記載のボリノスタットのI型結晶または医薬組成物。
  14. 皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のための、請求項13記載のボリノスタットのI型結晶または医薬組成物。
  15. ガンの治療のための医薬の製造における、請求項10記載のボリノスタットのI型結晶または請求項11記載の医薬組成物の使用。
  16. 医薬が皮膚ガンの治療のためのものである、請求項15記載の使用。
  17. 医薬が皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の治療のためのものである、請求項16記載の使用。
  18. 治療上有効な量の、請求項10記載のボリノスタットのI型結晶または請求項11記載の医薬組成物を、その必要がある患者に投与することを含む、ガンを治療する方法。
  19. 方法が皮膚ガンを治療するためのものである、請求項18記載の方法。
  20. 方法が皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を治療するためのものである、請求項19記載の方法。
  21. 患者が哺乳動物である、請求項18〜20のいずれか記載の方法。
  22. 哺乳動物がヒトである、請求項21記載の方法。
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