JP2012503659A - 殺菌・殺カビ性ピリダジン - Google Patents

殺菌・殺カビ性ピリダジン Download PDF

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Abstract

すべての幾何異性体および立体異性体を含む式1
【化1】
Figure 2012503659

(式中、
、R、R、R、X、Yおよびmは本開示中に定義されているとおりである)の化合物、そのN−オキシドおよび塩が開示されている。
式1の化合物を含有する組成物、および、本発明の有効量の化合物または組成物を適用する工程を含む真菌性病原体に起因する植物病害を防除するための方法がまた開示されている。

Description

本発明は特定のピリダジン、そのN−オキシド、塩および組成物、ならびに殺菌・殺カビ剤としてのそれらの使用方法に関する。
高い作物効率を達成するために、菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる植物病害の防除は極めて重要である。観葉植物、野菜、圃場、穀類および果実作物に及ぼす植物病害による損害は、著しい生産性の低下を引き起こす可能性があり、それによって消費者にコスト増加をもたらす可能性がある。これらの目的のための多くの製品が市販品として入手可能であるが、より有効であり、コストが低く、毒性が低く、環境的に安全であるか、または異なる作用部位を有する新規化合物に関する必要性が存続している。
特許文献1は、式iの一定のピリダジン誘導体
Figure 2012503659
およびその殺菌・殺カビ剤としての使用を開示している。
国際公開第2005/121104号パンフレット
本発明は、全ての幾何異性体および立体異性体を含む式1の化合物、そのN−オキシドおよび塩、それらを含有する農業用組成物ならびに殺菌・殺カビ剤としてのそれらの使用に関する。
Figure 2012503659
式中、
は、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、シクロプロピル、ハロシクロプロピル、C〜Cアルコキシアルキル、C〜Cアルキルチオアルキル、C〜Cアルキルスルフィニルアルキル、C〜Cアルキルスルホニルアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜CアルキルアミノまたはC〜Cジアルキルアミノであり;
各XおよびYは、独立して、CHまたは直接結合であり;
は、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む3員〜6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
は、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む3員〜6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
各R、RおよびRは、独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、−CHO、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cハロシクロアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニルオキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cトリアルキルシリルまたは−Z−V−Wであり;
各Zは、独立して、O、S(=O)、NRまたは直接結合であり;
各Vは、独立して、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、C〜Cアルキニレン、C〜CシクロアルキレンまたはC〜Cシクロアルケニレンであって、ここで、3個以下の炭素原子はC(=O)から独立して選択され、各々は、任意により、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシから独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
各Wは、独立して、NR9a9b、OR10またはS(=O)10であり;
各R5aおよびR6aは、独立して、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C
〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキルアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cハロシクロアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルあるいはC〜Cトリアルキルシリルであるか;または
隣接する環原子に結合している一対のR置換基、一対のRもしくはR5a置換基または一対のRもしくはR6a置換基は、各々独立して、これらが結合している原子と一緒になって5員〜7員縮合環を形成しており、各縮合環は、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含有していると共に、任意により、炭素原子環員上のハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群、ならびに、窒素原子環員上のシアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で置換されているか;または、
同一の環原子に結合している一対のR置換基または一対のR置換基は、各々独立して、これらが結合している原子と一緒になって5員〜7員スピロ環を形成しており、各スピロ環は、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含有していると共に、任意により、炭素原子環員上のハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群、ならびに、窒素原子環員上のシアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で置換されており;
各Rは、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜C(アルキルチオ)カルボニル、C〜Cアルコキシ(チオカルボニル)、C〜Cシクロアルキルカルボニル、C〜Cシクロアルコキシカルボニル、C〜C(シクロアルキルチオ)カルボニルまたはC〜Cシクロアルコキシ(チオカルボニル)であり;
9aおよびR9bの各々は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜C(アルキルチオ)カルボニル、C〜Cアルコキシ(チオカルボニル)、C〜Cシクロアルキルカルボニル、C〜Cシクロアルコキシカルボニル、C〜C(シクロアルキルチオ)カルボニルあるいはC〜Cシクロアルコキシ(チオカルボニル)であるか;または、
同一の窒素原子に結合している一対のR9aおよびR9bは窒素原子と一緒になって3員〜6員複素環を形成しており、この環は、任意により、R11から独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
各R10は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜C(アルキルチオ)カルボニル、C〜Cアルコキシ(チオカルボニル)、C〜Cシクロアルキルカルボニル、C〜Cシクロアルコキシカルボニル、C〜C(シクロアルキルチオ)カルボニルまたはC〜Cシクロアルコキシ(チオカルボニル)であり;
各R11は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルまた
はC〜Cアルコキシであり;
mは、0、1、2、3、4または5であり;
各nは、独立して、0、1または2であり;ならびに
pおよびqは、S(=O)(=NRの各事例において、独立して、0、1または2であるが、ただし、pおよびqの和は0、1または2であり;
ただし、RおよびRがフェニル環である場合、RおよびRの少なくとも一方は水素以外の置換基で置換されている。
より具体的には、本発明は、式1から選択される化合物(すべての幾何異性体および立体異性体を含む)、そのN−オキシドまたは塩に関する。
本発明はまた、(a)本発明の化合物(すなわち、殺菌・殺カビ的に有効な量で);ならびに(b)界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む殺菌・殺カビ組成物に関する。
本発明はまた、式1の化合物(すべての幾何異性体および立体異性体を含む)またはそのN−オキシドもしくは塩と、少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤(例えば、異なる作用部位を有する他の殺菌・殺カビ剤の少なくとも1種)との混合物を含む殺菌・殺カビ組成物に関する。
本発明は、植物もしくはその一部分または植物種子に、殺菌・殺カビ的に有効な量の式1(すべての幾何異性体および立体異性体を含む)またはそのN−オキシドまたは塩(例えば、本明細書に記載の組成物として)を適用する工程を含む、真菌性植物病原体を原因とする植物病害を防除する方法にさらに関する。
本明細書において用いられるところ、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「により特徴付けられる」、または、これらのいずれかの他の変形は、明示的に示されている任意の限定を条件として、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、プロセスまたは方法は、必ずしもこれらの要素にのみ限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、または、このような組成物、混合物、プロセスまたは方法に固有である他の要素が包含されていてもよい。
「からなる(consisting of)」という移行句は、特定されていない任意の要素、ステップまたは成分を除外する。特許請求の範囲中にある場合、このような句は、特許請求の範囲を、通常これに関連する不純物を除き、言及されたもの以外の材料の包含に限定するであろう。「からなる(consisting of)」という句が、プリアンブルの直後ではなく特許請求の範囲の本文の一文節中にある場合、これは、その文節中に規定されている要素のみを限定し;他の要素は、特許請求の範囲からは、全体としては除外されない。
「基本的にからなる(consisting essentially of)」という移行句は、文字通り開示されているものに追加して、材料、ステップ、機構、成分、または、要素を包含する組成物または方法を定義するために用いられているが、ただし、これらの追加の材料、ステップ、機構、成分、または、要素は、特許請求された発明の基本的なおよび新規な特徴に著しく影響しない。「基本的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、「を含んでいる(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との間の中間点を構成する。
出願人らが、「を含んでいる(comprising)」などのオープンエンド形式の用語で発明またはその一部分を定義している場合、その記載は(他に明記されていない限りにおいて)、「基本的にからなる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という用語を用いてこのような発明を記載しているとも解釈されるべきであると、直ちに理解されるべきである。
さらに、それとは反対の記載が明白にされない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、ただし書きAまたはBは以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない)。Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する)。ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
本開示および特許請求の範囲において言及されるとおり、「植物」とは、幼植物(例えば、苗木に発生する発芽種子)および成熟した生殖成長期(例えば、花および種子をもたらす植物)を含むすべてのライフステージで、植物界の要素、特に種子植物(種子植物目(Spermatopsida))を含む。植物の部分は、典型的には成長培地(例えば、土壌)の表面下で成長する、根、塊茎、鱗茎および球茎などの屈地性の構成要素、ならびに、成長培地上で成長する、群葉(茎および葉を含む)、花、果実および種子などの構成要素をも含む。
本明細書において言及されるところ、単独でまたは複合語で用いられる「苗木」という用語は、種子の胚芽から発生する幼植物を意味する。
上記の言及において、単独で、または、「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」などの複合語で用いられる「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、および異なるブチル、ペンチルまたはヘキシル異性体などの直鎖または分岐アルキルを含む。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、および異なるブテニル、ペンテニルまたはヘキセニル異性体などの直鎖または分岐アルケンが挙げられる。「アルケニル」としてはまた、1−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルなどのポリエンが挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、および異なるブチニル、ペンチニルまたはヘキシニル異性体などの直鎖または分岐アルキンが挙げられる。「アルキニル」としてはまた、2,5−ヘキサジイニルなどの複数の三重結合から構成される部分が挙げられる。「アルキレン」とは、直鎖または分岐アルカンジイルを示す。「アルキレン」の例としては、CH、CHCH、CH(CH)、CHCHCH、CHCH(CH)、ならびに、異なるブチレン、ペンチレンおよびヘキシレン異性体が挙げられる。「アルケニレン」とは、1つのオレフィン結合を含有する直鎖または分岐アルケンジイルを示す。「アルケニレン」の例としては、CH=CH、CHCH=CH、CH=C(CH)が挙げられる。「アルキニレン」とは、1つの三重結合を含有する直鎖または分岐アルキンジイルを示す。「アルキニレン」の例としては、CHC≡C、C≡CCHCH(CH)、ならびに、異なるブチニレン、ペンチニレンおよびヘキシニレン異性体が挙げられる。
「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ならびに、異なるブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルコキシアルキル」とは、アルキルでのアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例としては、CHOCH、CHOCHCH、CHCHOCH、CHCHCHCHOCHおよびCHOCH(CH)CHCHが挙げられる。
「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに、異なるプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体などの分岐または直鎖アルキルチオ部分が挙げられる。「アルキルスルフィニル」としては、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーが挙げられる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(=O)、CHCHS(=O)、CHCHCHS(=O)、(CHCHS(=O)、ならびに、異なるブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(=O)、CHCHS(=O)、CHCHCHS(=O)、(CHCHS(=O)、ならびに、異なるブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルチオアルキル」とは、アルキルでのアルキルチオ置換を示す。「アルキルチオアルキル」の例としては、CHSCH、CHSCHCH、CHCHSCH、CHCHCHCHSCH、CHCHSCHCH、および、硫黄に、次いで直鎖または分岐アルキル基に結合している他のアルキル部分が挙げられ;「アルキルスルフィニルアルキル」および「アルキルスルホニルアルキル」としては、それぞれ、対応するスルホキシドおよびスルホンが挙げられる。
「アルキルアミノ」としては、直鎖または分岐アルキルで置換されたNHラジカルが挙げられる。「アルキルアミノ」の例としては、CHCHNH、CHCHCHNHおよび(CHCHCHNHが挙げられる。「ジアルキルアミノ」の例としては、(CHN、(CHCHCHNおよびCHCH(CH)Nが挙げられる。
「シアノアルキル」とは、1個のシアノ基で置換されたアルキル基を示す。「シアノアルキル」の例としては、NCCH、NCCHCHおよびCHCH(CN)CHが挙げられる。「ヒドロキシアルキル」とは、1個のヒドロキシ基で置換されたアルキル基を示す。「ヒドロキシアルキル」の例としては、HOCHCH、CHCH(OH)CHおよびHOCHCHCHCHが挙げられる。
「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。「アルキルシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル部分でのアルキル置換を示すと共に、例えば、エチルシクロプロピル、i−プロピルシクロブチル、メチルシクロペンチルおよびメチルシクロヘキシルを含む。「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル基でのシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、および、直鎖または分岐アルキル基に結合した他のシクロアルキル部分が挙げられる。「アルキルシクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキルアルキル部分でのアルキル置換を示す。例としては、メチルシクロヘキシルメチルおよびエチルシクロペンチルメチルが挙げられる。「シクロアルコキシ」という用語は、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどの酸素原子を介してリンクされたシクロアルキルを示す。「シクロアルキルカルボニル」とは、例えば、シクロプロピルカルボニルおよびシクロペンチルカルボニルを含む、C(=O)部分に結合したシクロアルキルを示す。「シクロアルコキシカルボニル」という用語は、例えば、シクロプロピルオキシカルボニルおよびシクロペンチルオキシカルボニルといったC(=O)部分に結合したシクロアルコキシを意味する。「シクロアルキレン」という用語は、シクロアルカンジイル環を示す。「シクロアルキレン」の例としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンが挙げられる。「シクロアルケニレン」という用語は、1個のオレフィン結合を含有するシクロアルケンジイル環を示す。「シクロアルケニレン」の例としては、シクロプロペンジイルおよびシクロペンテンジイルが挙げられる。
「アルキルカルボニル」とは、C(=O)部分に結合した直鎖または分岐アルキル基を示す。「アルキルカルボニル」の例としては、CHC(=O)、CHCHCHC(=O)および(CHCHC(=O)が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)、CHCHOC(=O)、CHCHCHOC(=O)、(CHCHOC(=O)、および異なるブトキシ−またはペンタオキシカルボニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノカルボニル」の例としては、CHNHC(=O)、CHCHNHC(=O)、CHCHCHNHC(=O)、(CHCHNHC(=O)、および異なるブチルアミノ−またはペンチルアミノカルボニル異性体が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例としては、(CHNC(=O)、(CHCHNC(=O)、CHCH(CH)NC(=O)、(CHCHN(CH)C(=O)およびCHCHCH(CH)NC(=O)が挙げられる。「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、C(=O)O部分に結合した直鎖または分岐アルキルを示す。「アルキルカルボニルオキシ」の例としては、CHCHC(=O)Oおよび(CHCHC(=O)Oが挙げられる。
「アルキルカルボニルチオ」とは、硫黄原子に結合しているおよび硫黄原子を介してリンクされている直鎖または分岐アルキルカルボニルを示す。「アルキルカルボニルチオ」の例としては、CHC(=O)S、CHCHCHC(=O)Sおよび(CHCHC(=O)Sが挙げられる。「(アルキルチオ)カルボニル」とは、C(=O)部分に結合した直鎖または分岐アルキルチオ基を示す。「(アルキルチオ)カルボニル」の例としては、CHSC(=O)、CHCHCHSC(=O)および(CHCHSC(=O)が挙げられる。「アルコキシ(チオカルボニル)」とは、C(=S)部分に結合した直鎖または分岐アルコキシ基を示す。「アルコキシ(チオカルボニル)」の例としては、CHOC(=S)、CHCHCHOC(=S)および(CHCHOC(=S)が挙げられる。
「ハロゲン」という用語は、単独で、または、「ハロアルキル」などの複合語で、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」などの複合語で用いられる場合、前記アルキルは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子で部分的にまたは完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」の例としては、FC、ClCH、CFCHおよびCFCClが挙げられる。「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロシクロアルコキシ」、「ハロアルキルカルボニル」、「ハロアルキルチオ」、「ハロアルキルスルフィニル」、「ハロアルキルスルホニル」等という用語は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルケニル」の例としては、(Cl)C=CHCHおよびCFCHCH=CHCHが挙げられる。「ハロアルキニル」の例としては、HC≡CCHCl、CFC≡C、CClC≡CおよびFCHC≡CCHが挙げられる。「ハロシクロアルキル」の例としては、2−クロロシクロプロピル、2−フルオロシクロブチル、3−ブロモシクロペンチルおよび4−クロロシクロヘキシルが挙げられる。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO、CClCHO、HCFCHCHOおよびCFCHOが挙げられる。「ハロシクロアルコキシ」の例としては、2−クロロシクロペンチルオキシおよび2−フルオロシクロヘキシルオキシが挙げられる。「ハロアルキルカルボニル」の例としては、CFC(=O)、CHCClC(=O)、CClCHCHC(=O)およびCFCFC(=O)が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS、CFS、CClCHSおよびClCHCHCHSが挙げられる。「ハロアルキルスルフィニル」の例としては、CFS(=O)、CClS(=O)、CFCHS(=O)およびCFCFS(=O)が挙げられる。「ハロアルキルスルホニル」の例としては、CFS(=O)、CClS(=O)、CFCHS(=O)およびCFCFS(=O)が挙げられる。
「トリアルキルシリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルなどのケイ素原子に結合しているおよびケイ素原子を介してリンクされている3分岐および/または直鎖アルキルラジカルが挙げられる。
置換基中の炭素原子の総数は接頭語「C〜C」によって示され、ここで、iおよびjは1〜9の数字である。例えば、C〜Cアルキルスルホニルはメチルスルホニル〜ブチルスルホニルを示し;CアルコキシアルキルはCHOCHを示し;Cアルコキシアルキルは、例えば、CHCH(OCH)、CHOCHCHまたはCHCHOCHを示し;ならびに、Cアルコキシアルキルは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されたアルキル基の種々の異性体を示し、その例としては、CHCHCHOCHおよびCHCHOCHCHが挙げられる。
前記置換基の数が1を超えることが可能であることを示す添字が付された置換基によって化合物が置換されている場合、前記置換基は(1個を超えている場合)、定義された置換基の群から独立して選択される(例えば、(R、式中、mは1、2、3、4または5である)。例えば提示1のU−1における(R(式中、rは0であり得る)のように、1箇所に様々な基が任意により結合していると示されている場合、様々な基の定義において言及がなされていなくても、水素がその箇所にあってもよい。基における1つまたは複数の位置が「置換されていない」または「未置換である」と言われる場合にも、水素原子がいずれかの有効原子価を埋めるために結合している。
他に示されていない限りにおいて、式1の構成成分としての「環」または「環系」(例えば、置換基RおよびR、または、一緒になって環系を形成する一対のR置換基)は、炭素環式または複素環式である。「環系」という用語は、2つ以上の接続された環を示す。「縮合された」という用語は、環系に関して本明細書において用いられるところ、隣接した共通の2個の原子を共有するその少なくとも2つの環を意味する。「縮合二環系」という用語は、隣接した共通の2個の原子を共有する2つの環から構成される環系を示す。
「非芳香族」という用語は完全飽和環、ならびに、部分飽和環または完全不飽和環を含むが、ただし、いずれの環も芳香族ではない。「芳香族」という用語は、完全不飽和環の環原子の各々が実質的に同一の平面内にあると共に、環平面に垂直なp−軌道を有していることを示し、ならびに、ヒュッケルの法則に従うよう(4n+2)個のp電子(nは正の整数である)が環に付随していることを示す。
「炭素環」、「炭素環(carbocycle)」または「炭素環系」という用語は、環主鎖を形成する原子が炭素のみから選択されている環または環系を示す。他に示されていない限りにおいて、炭素環は、飽和であるか、部分的に不飽和であるか、または完全に不飽和環であることが可能である。完全不飽和炭素環がHueckelの法則を満たす場合、前記環は「芳香族環」とも呼ばれる。「飽和炭素環式」とは、単結合によって互いに結合された炭素原子から構成された主鎖を有する環を指し;他に規定されていない限りにおいて、残りの炭素原子価は水素原子によって占有されている。
「複素環(heterocyclic ring)」、「複素環(heterocycle)」または「複素環系」という用語は、環主鎖を形成する少なくとも1個の原子が炭素ではない(例えば、N、OまたはS)環または環系を示す。典型的には、複素環は、2個以下の酸素、2個以下の硫黄および3個以下の窒素を含有する。他に示されていない限りにおいて、複素環は、飽和であるか、部分的に不飽和であるか、または完全に不飽和環であることが可能である。完全不飽和複素環がHueckelの法則を満たす場合、前記環は「芳香族複素環」または「芳香族複素環」とも呼ばれる。他に示されていない限りにおいて、複素環および環系は、前記炭素または窒素上の水素を置換することにより、いずれかの利用可能な炭素または窒素を介して結合されることが可能である。
「環員」という用語は、環または環系の主鎖を形成する、原子(例えば、C、O、NまたはS)または他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)またはS(=O)(=NR)を指す。
「スピロ環」という用語は、式1の他の環に単一の原子で結合されている環を示す(従って、これらの環は単一の原子を共有している)。スピロ環の例示は、提示4に記載されている環系J−1〜J−8である。
本明細書において用いられるところ、以下の定義が他に示されていない限りにおいて適用されることとする。「任意により置換された」という用語は、「置換または非置換の」という句、または、「(非)置換の」という用語と同義的に用いられる。他に示されていない限りにおいて、任意により置換された基はその基の各置換可能な位置に置換基を有し得、および各置換は他とは独立している。
本発明の文脈において、RおよびRの事例がフェニルまたは6員複素環を含む場合、各環のオルト位、メタ位およびパラ位は、環と式1の残りとの接続部を基準とする。さらに、Rおよび/またはRの事例が、式1の残りにリンカーCH(すなわち、Xおよび/またはYはCHである)を介して結合しているフェニルまたは6員複素環を含む場合、各環のオルト位、メタ位およびパラ位は環のリンカーCHへの接続部を基準とする。
上記のとおり、各RおよびRは、とりわけ、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む3員〜6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、各複素環は、任意により、発明の概要においてRおよびRについて定義されている任意の置換基から独立して選択される5個以下の置換基で置換されている(すなわち、R複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aで置換されており;ならびに、R複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aで置換されている)。置換基は任意であるため、0〜5個の置換基が存在し得、利用可能な結合点の数によってのみ制限される。この定義において、2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される複素環の構成要素は、少なくとも1個の環員が炭素ではなければ(例えば、N、OまたはS)任意である。S(=O)(=NRの定義によれば、2個以下の硫黄環員は、酸化硫黄部分(例えば、S(=O)またはS(=O))または未酸化硫黄原子(すなわち、pおよびqが共にゼロである場合)であることが可能である。式1に関連する化合物はN−オキシド誘導体をも含むため、窒素原子環員はN−オキシドとして酸化されていてもよい。C(=O)およびC(=S)から選択される3個以下の炭素原子環員は、2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子に対する追加である。
また、上記のとおり、Rおよび/またはRが3員〜6員複素環である場合、前記環は、飽和、部分飽和または完全不飽和であり得る。3員〜6員完全不飽和複素環の例としては、提示1に例示の環U−2〜U−30が挙げられる。提示1中、可変のRは、独立して、発明の概要においてRおよびRについて定義されている置換基の群から選択され(すなわち、R複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上
のR5aで置換され;ならびに、R複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aで置換される)、ならびに、rは、図示されている環の各々において利用可能な位置の数によって限定される0〜5の整数である。注目すべきことに、(Rと図示されている環との間の結合点が浮いて示されている場合、(Rは、図示されている環の利用可能な炭素原子または窒素原子のいずれかに結合していることが可能である。また、図示されている環と式1との間の結合点が浮いて示されている場合、図示されている環は、水素原子の置き換えにより、図示されている環の利用可能な炭素原子または窒素原子のいずれかを介して式1の残りに結合していることが可能である。U−2、U−4、U−15、U−16、U−19、U−20、U−21およびU−22は、R置換基については1つしか利用可能な位置を有していないため、これらの環について、rは整数0または1に限定されており、rが0であることは、その環が未置換であって、(Rによって示される位置に水素が存在していることを意味する。
また、注目すべきことに、各RおよびRは、独立して、とりわけ、発明の概要においてRおよびRについて定義されている置換基の群から独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されたフェニル環である。5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環の例は、提示1中にU−1で示されている環であって、式中、Rは、RおよびRについて発明の概要において定義されている置換基の群から独立して選択され(すなわち、R環は、Rで置換されていることが可能であり;ならびに、R環は、Rで置換されていることが可能である)、ならびに、rは0〜5の整数である。
Figure 2012503659
基が環U−1〜U−30上に示されているが、これらは任意の置換基であるため、存在している必要性はないことに注目されたい。原子価を埋めるために置換を必要とする窒素原子は、HまたはRで置換されている。
3員〜6員飽和または部分不飽和複素環の例としては、提示2に例示されている環G−1〜G−44が挙げられる。提示2において、可変のRは、RおよびRについて発明の概要において定義されている置換基の群から独立して選択され(すなわち、R複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aで置換されており;ならびにR複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aで置換されている)、ならびに、rは、図示されている環の各々において利用可能な位置の数によって限定される0〜5の整数である。注目すべきことに、(Rと図示されている環との間の結合点が浮いて示されている場合、(Rは、図示されてい
る環の任意の利用可能な炭素原子または窒素原子に結合されていることが可能である。また、図示されている環と式1との間の結合点が浮いて示されている場合、図示されている環は、水素原子の置換により、図示されている環の任意の利用可能な炭素原子または窒素原子を介して式1の残りに、結合されていることが可能である。
注目すべきことに、Rおよび/またはRがG−33、G−34、G−35およびG−41〜G−44から選択される環を含む場合、GはO、SまたはNである。注目すべきことに、GがNである場合、窒素原子は、RおよびRについて発明の概要において定義されているとおり、HまたはRに対応する置換基の一方での置換によりその原子価が埋められていることが可能である。
Figure 2012503659
Figure 2012503659
発明の概要に記載されているとおり、一対のR置換基が式1のフェニル環の隣接する環原子に結合している場合、または、RおよびR5a置換基から選択される一対の置換基が式1のR環の隣接する環原子に結合している場合、または、RおよびR6a置換基から選択される一対の置換基が式1のR環の隣接する環原子に結合している場合、別々の置換基である可能性の他、これらはまた、結合されて、結合しているそれぞれの環に縮合している環を形成していてもよい。縮合環は、置換基が結合している環で共有されている2つの原子を環員として含む5員〜7員環であることが可能である。縮合環の他の3〜5個の環員は、一対のR置換基、RおよびR5a置換基から選択される一対の置換基、または、RおよびR6a置換基から選択される一対の置換基によって一緒にもたらされる。これらの他の環員は、5個以下の炭素原子(環の大きさによって許容されるとおり)、および、任意により、2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子を含んでいることが可能である。縮合環は、任意により、発明の概要において記載されているとおり3個以下の置換基で置換されている。提示3は、図示の例のとおり、一対の隣接するR、R、R5a、RまたはR6a置換基が一緒になって形成する環を示す。これらの環は式1の環と縮合しているため、式1環の一部分が示されており、破線は、式1環の環結合を表す。一定の場合において、T−3、T−5、T−8、T−11、T−14およびT−16に例示されているとおり、縮合環における環員間の単結合および二重結合のパターンは式1において縮合している環における単結合および二重結合の可能なパターン(原子価結合理論による)に影響し得るが、環員原子の各々はsp混成軌道を保持する(すなわち、p−結合に関与可能である)。示されている環は、式1の環の隣接している2つの原子のいずれかに縮合していることが可能であると共に、さらに、2つの可能な向きのいずれかで縮合していることが可能である。任意の置換基(Rは、炭素原子環員上のハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から、ならびに、窒素原子環員上のシアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される。これらのT−環に関して、rは、0〜3の整数であり、図示されている環の各々において利用可能な位置の数によって限定される。(Rと図示されている環との結合点が浮いて示されている場合、Rは、図示されている環の利用可能な炭素原子または窒素原子のいずれかに結合していることが可能である。当業者は、rは通常は0〜3の整数である一方、提示3に示されている環のいくつかは3個未満の利用可能な位置を有し、これらの環に関しては、rは利用可能な位置の数に限定されることを認識している。「r」が0である場合、これは、この環が未置換であって、利用可能な位置のすべてに水素原子が存在していることを意味する。rが0であると共に(Rが特定の原子に結合して示されている場合、水素がその原子に結合している。その原子価を埋めるために置換を必要とする窒素原子は、HまたはRで置換されている。しかも、当業者は、提示3に示されている環のいくつかは互変異性体を形成していることが可能であると共に、示されている特定の互変異性体は、すべての可能性のある互変異性体の代表であることを認識する。
Figure 2012503659
Figure 2012503659
発明の概要に記載されているとおり、一対のRまたはR置換基はまた、別々の置換基である可能性の他に、これらが結合している環原子と一緒になって5員〜7員スピロ環を形成し得る。スピロ環は、置換基が結合している環によって共有された原子を環員として含む。スピロ環の他の4〜6個の環員は、一対のR置換基または一対のR置換基によって一緒にもたらされる。提示4は、例に示されているとおり、一対のRまたはR置換基が一緒になって形成された環を示す。破線は、スピロ環が結合している環における結合を表す。(Rと図示されている環との間の結合点が浮いて示されている場合、Rは、図示されている環の利用可能な炭素原子のいずれかに結合していることが可能である。任意の置換基(Rは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキルおよ
びC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される。「r」が0である場合、これは、環が未置換であって、利用可能な位置のすべてに水素原子が存在していることを意味する。
Figure 2012503659
広く多様な合成方法が技術分野において公知であって、複素環ならびに環系の調製が可能とされている;広範なレビューについては、8巻セットのComprehensive Heterocyclic Chemistry、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees編集責任者、Pergamon Press(Oxford)、1984年、ならびに、12巻セットのComprehensive Heterocyclic Chemistry II、A.R.Katritzky、C.W.ReesおよびE.F.V.Scriven編集責任者、Pergamon Press(Oxford)、1996年を参照のこと。
本発明の化合物は、1つ以上の立体異性体として存在することが可能である。種々の立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アストロプ異性体および幾何異性体が挙げられる。当業者は、1種の立体異性体は、他の立体異性体に対して濃縮されたときに、または、他の立体異性体から分離されたときにより活性であり得、および/または、有益な効果を発揮し得ることを認識するであろう。加えて、当業者は、前記立体異性体をどのように分離し、濃縮し、および/または選択的に調製するかを知っている。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個別の立体異性体または光学的に活性な形態として存在し得る。
窒素はオキシドへの酸化に利用可能な孤立対を必要とすることから、全ての窒素含有複素環がN−オキシドを形成し得ないことを当業者は認識し、N−オキシドを形成できるそれらの窒素含有複素環を当業者は認知するだろう。第三級アミンがN−オキシドを形成し得ることも当業者は認知するだろう。複素環および第三級アミンのN−オキシドの製造に関する合成法は当業者に周知であり、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)のようなペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、ならびにジメチルジオキシランのようなジオキシランによる複素環および第三級アミンの酸化を含む。これらのN−オキシドの製造方法は文献に広く記載されており、再調査されている。例えば、T.L.Gilchrist著、Comprehensive Organic Synthesis、第7巻、第748〜750頁、S.V.Ley編、Pergamon Press;M.TislerおよびB.Stanovnik著、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第3巻、第18〜20頁、A.J.BoultonおよびA.McKillop編、Pergamon Press;M.R.GrimmettおよびB.R.T.Keene著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第43巻、第149〜161頁、A.R.Katritzky編、Academic Press;M.TislerおよびB.Stanovnik著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第9巻、第285〜291頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Press;ならびにG.W.H.CheesemanおよびE.S.G.Werstiuk著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第22巻、第390〜392頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Pressを参照のこと。
環境中および生理的条件下において、化学化合物の塩はそれらの対応する非塩形態と平衡であるため、塩は、非塩形態の生物学的実用性を共有することを当業者は認識する。従って、式1の化合物の広く多様な塩は、菌類植物病原体(すなわち農学的に好適である)によって引き起こされる植物病害の防除に有用である。式1の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機酸または有機酸による酸付加塩が挙げられる。従って、本発明は、式1から選択される化合物、そのN−オキシドおよび農学的に好適な塩を含む。
式1から選択される化合物、その立体異性体、N−オキシドおよび塩は、典型的には2つ以上の形態で存在し、それ故、式1は、式1が表す化合物のすべての結晶形態および非結晶形態を含む。非結晶形態は、ワックスおよびガムなどの固形分である実施形態、ならびに、溶液および溶融物などの液体である実施形態を含む。結晶形態は、基本的に単結晶タイプを表す実施形態および異形体(すなわち、異なる結晶タイプ)の混合物を表す実施形態を含む。「異形体」という用語は、異なる結晶形態で結晶化することが可能である化学化合物の特定の結晶形態を指し、これらの形態は、結晶格子中の分子の異なる配置および/または立体配座を有する。異形体は同一の化学組成を有していることが可能であるが、これらはまた、格子に弱くまたは強固に結合していることが可能である共結晶化水または他の分子の存在または不在により異なる組成を有していることが可能である。異形体は、結晶形状、密度、硬度、色、化学安定性、融点、吸湿性、懸垂性、溶解速度および生物学的利用可能性などの化学特性、物理特性および生物学特性が異なっていることが可能である。当業者は、式1により表される化合物の異形体は、式1によって表される同一の化合物の他の異形体、または、異形体の混合物に比して有益な効果(例えば、有用な配合物の調製への適合性、向上した生物学的性能)を呈することが可能であることを認識するであろう。式1によって表される化合物の特定の異形体の調製および単離は、例えば選択された溶剤および温度を用いる結晶化を含む当業者に公知の方法によって達成されることが可能である。
発明の概要に記載の本発明の実施形態は以下に記載を含む。以下の実施形態において、式1は、そのN−オキシドおよび塩を含み、ならびに、「式1の化合物」という言及は、実施形態においてさらに定義されていない限りにおいて、発明の概要において特定されている置換基の定義を含む。
実施形態1.Rが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオである式1の化合物。
実施形態2.Rが、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである実施形態1の化合物。
実施形態3.Rがクロロ、メチルまたはメトキシである実施形態2の化合物。
実施形態4.Rがメチルである実施形態3の化合物。
実施形態5.Xが直接結合である式1または実施形態1〜4のいずれか1つの化合物。
実施形態6.Yが直接結合である式1または実施形態1〜5のいずれか1つの化合物。
実施形態7.各XおよびYが直接結合である式1または実施形態1〜6のいずれか1つの化合物。
実施形態8.Rが、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されている、式1または実施形態1〜7のいずれか1つの化合物。
実施形態9.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されている、実施形態8の化合物。
実施形態10.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環またはピリジニル環である実施形態9の化合物。
実施形態11.Rが、ピリジニル環の3位で式1に結合していると共に、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているピリジニル環である実施形態10の化合物。
実施形態12.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である実施形態10の化合物。
実施形態13.Rが、Rから独立して選択される2個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である実施形態12の化合物。
実施形態14.Rが、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NR
から独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されている、式1または実施形態1〜13のいずれか1つの化合物。
実施形態15.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されている、実施形態14の化合物。
実施形態16.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環またはピリジニル環である実施形態15の化合物。
実施形態17.Rが、ピリジニル環の3位で式1に結合していると共に、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているピリジニル環である実施形態16の化合物。
実施形態18.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である実施形態16の化合物。
実施形態19.Rが、Rから独立して選択される2個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である実施形態18の化合物。
実施形態20.RおよびRの各々が、独立して、任意により、置換フェニル環またはピリジニル環である場合、R環は1〜3個の置換基で置換されていると共に、R環は0〜2個の置換基で置換されている、式1または実施形態1〜19のいずれか1つの化合物。
実施形態21.RおよびRの各々が任意により置換フェニル環である場合、R環は2個または3個の置換基で置換されていると共に、R環は0〜2個の置換基で置換されている、実施形態20の化合物。
実施形態22.RおよびRの各々が任意により置換フェニル環である場合、R環は、メタ位で少なくとも1個の置換基で置換されていると共に、R環は、オルト位またはパラ位で少なくとも1個の置換基で置換されている、式1または実施形態1〜21のいずれか1つの化合物。
実施形態23.RおよびRの各々が任意により置換フェニル環である場合、R環は、メタ位で少なくとも2個の置換基で置換されていると共に、R環は、オルト位またはパラ位で少なくとも1個の置換基で置換されている、実施形態22の化合物。
実施形態24.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオまたは−Z−V−Wである、式1または実施形態1〜23のいずれか1つの化合物。
実施形態25.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシまたは−Z−V−Wである、実施形態24の化合物。
実施形態26.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルコキシである、実施形態25の化合物。
実施形態27.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、実施形態26の化合物。
実施形態28.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、メチルまたはメトキシである、実施形態27の化合物。
実施形態29.各R、RおよびRが、独立して、Cl、F、メチルまたはメトキシである、実施形態28の化合物。
実施形態30.各RおよびRが、独立して、Cl、Fまたはメトキシである、実施形態29の化合物。
実施形態31.各Rがメトキシである実施形態30の化合物。
実施形態32.各Zが、独立して、OまたはNRである式1または実施形態1〜25のいずれか1つの化合物。
実施形態33.各Zが、独立して、OまたはNHである実施形態32の化合物。
実施形態34.各ZがOである実施形態33の化合物。
実施形態35.各VがC〜Cアルキレンである、式1、または、実施形態1〜25もしくは実施形態32〜34のいずれか1つの化合物。
実施形態36.各Wが、独立して、NR9a9bまたはOR10である、式1、または、実施形態1〜25もしくは実施形態32〜35のいずれか1つの化合物。
実施形態37.R9aおよびR9bの各々が、独立して、H、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである、式1、または、実施形態1〜25もしくは実施形態32〜36のいずれか1つの化合物。
実施形態38.R9aおよびR9bの各々が、独立して、H、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである、実施形態37の化合物。
実施形態39.R9aおよびR9bの各々が、独立して、Hまたはメチルである、実施形態38の化合物。
実施形態40.各R10が、独立して、H、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである、式1、または、実施形態1〜25もしくは実施形態34〜39のいずれか1つの化合物。
実施形態41.各R10がメチルである実施形態40の化合物。
実施形態42.mが0、1、2または3である式1または実施形態1〜41のいずれか1つの化合物。
実施形態43.mが3である式1または実施形態1〜42のいずれか1つの化合物。
実施形態44.mが3であり、R置換基がパラ位およびオルト位にある、式1または実施形態1〜43のいずれか1つの化合物。
実施形態45.各R5aおよびR6aが、独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである、式1または実施形態1〜44のいずれか1つの化合物。
実施形態46.各R5aおよびR6aがメチルである実施形態45の化合物。
上記実施形態1〜46、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態を含む本発明の実施形態は、いずれかの様式で組み合わされることが可能であり、これらの実施形態における可変要素の記載は、式1の化合物だけではなく、式1の化合物を調製するために有用な出発化合物および中間体化合物にも関連する。加えて、上記実施形態1〜46、ならびに、本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのこれらの組み合わせを含む本発明の実施形態は、本発明の組成物および方法に関連する。
実施形態1〜46の組み合わせが以下に例示されている。
実施形態A1.
が、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオであり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されており;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されており;
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオまたは−Z−V−Wであり;
各R5aおよびR6aが、独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであり;ならびに
mが、0、1、2または3である、
式1の化合物。
実施形態A2.
が、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環またはピリジニル環であり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環またはピリジニル環であり;
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシまたは−Z−V−Wであり;
各XおよびYが直接結合であり;
各Zが、独立して、OまたはNHであり;
各VがC〜Cアルキレンであり;
各Wが、独立して、NR9a9bまたはOR10であり;
9aおよびR9bの各々が、独立して、H、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであり;ならびに
各R10がメチルである、
実施形態A1の化合物。
実施形態A3.
がクロロ、メチルまたはメトキシであり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であり;
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;ならびに
環が、メタ位で少なくとも1個の置換基で置換されていると共に、R環が、オルト位またはパラ位で少なくとも1個の置換基で置換されている、
実施形態A2の化合物。
実施形態A4.
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、
実施形態A3の化合物。
実施形態A5.
各RおよびRが、独立して、Cl、Fまたはメトキシであり;ならびに
環が、メタ位で少なくとも2個の置換基で置換されていると共に、R環が、オルト位またはパラ位で少なくとも1個の置換基で置換されている、
実施形態A4の化合物。
特定の実施形態は、
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチルピリダジン;
4−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチルピリダジン;
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン;
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン;
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチルピリダジン;
3−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
3−(2−フルオロフェニル)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
3−[4−[5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−4−ピリダジニル]−3,5−ジフルオロフェノキシ]−N−メチル−1−プロパンアミン;
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
4−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
5−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン;ならびに
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン
からなる群から選択される式1の化合物を含む。
本発明の実施形態はまた以下をも含む。
実施形態B1.Rが、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオである、式1の化合物。
実施形態B2.Rがハロゲン、シアノまたはC〜Cアルキルである実施形態B1の化合物。
実施形態B3.Rがクロロまたはメチルである実施形態B2の化合物。
実施形態B4.Xが直接結合である式1または実施形態B1〜B3のいずれか1つの化合物。
実施形態B5.Yが直接結合である式1または実施形態B1〜B4のいずれか1つの化合物。
実施形態B6.Rが、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから選択される5個以下の置換基で置換されている、式1または実施形態B1〜B5のいずれか1つの化合物。
実施形態B7.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから選択される3個以下の置換基で置換されている、実施形態B6の化合物。
実施形態B8.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である実施形態B7の化合物。
実施形態B9.R置換基が、2位、3位および/または5位にある実施形態B8の化合物。
実施形態B10.Rが、Rから独立して選択される3個の置換基で置換されたフェニル環である、実施形態B9の化合物。
実施形態B11.Rが、Rから独立して選択される2個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である、実施形態B8またはB9の化合物。
実施形態B12.R置換基が、3位および/もしくは5位または2位および/もしくは5位にある、実施形態B11の化合物。
実施形態B13.R置換基が、3位および/または5位にある実施形態B12の化合物。
実施形態B14.R置換基が、2位および/または5位にある実施形態B12の化合物。
実施形態B15.Rが、Rから独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニル環である、実施形態B11〜B14のいずれか1つの化合物。
実施形態B16.Rが、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されている、式1または実施形態B1〜B15のいずれか1つの化合物。
実施形態B17.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されている、実施形態B16の化合物。
実施形態B18.Rが、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環である実施形態B17の化合物。
実施形態B19.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cハロアルキルチオである、式1または実施形態B1〜B18のいずれか1つの化合物。
実施形態B20.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルコキシである、実施形態B19の化合物。
実施形態B21.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、実施形態B20の化合物。
実施形態B22.各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、メチルまたはメトキシである実施形態B21の化合物。
実施形態B23.各Rが、独立して、ハロゲンである実施形態B22の化合物。
実施形態B24.mが3であると共に、R置換基が2位、4位および6位にある、式1または実施形態B1〜B23のいずれか1つの化合物。
実施形態B25.各Rが、独立して、ハロゲンまたはメトキシである式1または実施形態B1〜B24のいずれか1つの化合物。
実施形態B26.各Rがメトキシである実施形態B25の化合物。
実施形態B27.各R5aおよびR6aが、独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである、式1または実施形態B1〜B26のいずれか1つの化合物。
実施形態B28.各R5aおよびR6aが、独立して、C〜Cアルキルである実施形態B27の化合物。
実施形態B29.各R5aおよびR6aがメチルである実施形態B28の化合物。
実施形態B30.隣接する環原子に結合している一対のR置換基、一対のRもしくはR5a置換基または一対のRもしくはR6a置換基が、これらが結合している原子と一緒になって、任意により置換されている縮合環を形成している場合、前記縮合環は、5員または6員であり、炭素原子から選択される環員を含有し、ならびに、炭素環員上のC〜Cアルキルおよびハロゲンからなる群ならびに窒素環員上のC〜Cアルキルからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されている、式1、または、実施形態B1〜B11およびB14〜B18のいずれか1つの化合物。
実施形態B31.RがHまたはメチルである式1または実施形態B1〜B30のいずれか1つの化合物。
実施形態B32.S(=O)(=NRの各事例においてqが0である、式1または実施形態B1〜B30のいずれか1つの化合物。
実施形態B33.S(=O)(=NRの各事例においてpが0である、式1または実施形態B1〜B32のいずれか1つの化合物。
実施形態B34.S(=O)(=NRの各事例においてqおよびpの和が0である、式1または実施形態B1〜B30のいずれか1つの化合物。
実施形態B1〜B34の組み合わせが以下に示されている。
実施形態C1.
が、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオであり;
が、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから選択される5個以下の置換基で置換され;
が、Rから独立して選択される5個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから選択される5個以下の置換基で置換され;
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜CアルキルチオまたはC〜Cハロアルキルチオであり;
各R5aおよびR6aが、独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであり;ならびに
S(=O)(=NRの各事例においてqが0である、
式1の化合物、または、そのN−オキシドもしくは塩。
実施形態C2.
は、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR5aから選択される3個以下の置換基で置換され;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から選択される4個以下のヘテロ原子を含有する5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、複素環は、任意により、炭素原子環員上のRおよび窒素原子環員上のR6aから選択される3個以下の置換基で置換され;
各R5aおよびR6aが、独立して、C〜Cアルキルであり;ならびに
S(=O)(=NRの各事例においてpが0である、
実施形態C1の化合物。
実施形態C3.
Xが直接結合であり;
Yが直接結合であり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であり;
が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で任意により置換されているフェニル環であり;ならびに
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルコキシである、
実施形態C2の化合物。
実施形態C4.
各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、実施形態C3の化合物。
実施形態C5.
各Rが、独立して、ハロゲンであり;ならびに
各Rが、独立して、ハロゲンまたはメトキシである、
実施形態C4の化合物。
実施形態C6.
が、Rから独立して選択される3個の置換基で置換されたフェニル環であると共に、R置換基が2位、3位および5位にある、実施形態C5の化合物。
実施形態C7.
が、Rから独立して選択される2個の置換基で置換されたフェニル環であり;ならびに、R置換基が3位および5位、または、2位および5位にある、実施形態C6の化合物。
注目すべきは、そのすべての立体異性体、N−オキシドおよび塩を含む式1の化合物(特にこれらに限定されないが、上記実施形態1〜46、A1〜A5、B1〜B34およびC1〜C7を含む)であって、式中、各R、RおよびRは、独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、−CHO、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cハロシクロアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニルオキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜CジアルキルアミノまたはC〜Cトリアルキルシリルである。
本発明は、式1の化合物(そのすべての幾何異性体および立体異性体、N−オキシド、ならびに、塩を含む)、および、少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤を含む殺菌・殺カビ組成物を提供する。このような組成物の実施形態は、上述の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物であることに注意されたい。
本発明は、式1の化合物(そのすべての立体異性体、N−オキシドおよび塩を含む)(すなわち、殺菌・殺カビ的に有効な量で)、ならびに、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含む殺菌・殺カビ組成物を提供する。このような組成物の実施形態として注目すべきは、上記の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物である。
本発明は、菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる植物病害の防除方法であって、植物もしくはその一部に、または植物の種子に、式1の化合物(全ての立体異性体、そのN−オキシドおよび塩を含む)の殺菌・殺カビ的に有効な量を適用する工程を含む方法を提供する。かかる方法の実施形態として注目すべきは、上記された化合物の実施形態のいずれかに相当する化合物の殺菌・殺カビ的に有効な量を適用する工程を含む方法である。特に注目すべきは、化合物が本発明の組成物として適用される実施形態である。
スキーム1〜9に記載の以下の方法および変形の1つまたは複数を用いて、式1の化合物を調製することが可能である。以下の式1〜18の化合物におけるR、R、R、R、X、Yおよびmの定義は、特に記載のない限り発明の概要において上記に定義されているとおりである。式1aおよび1bの化合物は、式1の化合物の種々のサブセットまたは類似体であり、式1aおよび1bについてのすべての置換基は、式1について上記に定義されているとおりである。式5aおよび5bは式5のサブセットである。
スキーム1に示されているとおり、式1の化合物は、式2の化合物(式中、Lgは、ハロゲン(例えば、Cl、Br、I)、スルホネート(例えば、OS(O)CH、OS(O)CF、OS(O)Ph−p−CH)等などの脱離基である)から、種々のカップリング剤を遷移金属触媒と併用して合成されることが可能である。具体的には、式2の化合物を、パラジウム、銅、ニッケルまたは鉄触媒の存在下に式3の化合物と接触させて、式1の化合物(式中、YはCHまたは直接結合であると共に、Rは、任意により、炭素を介して結合されている置換フェニルまたは複素環である)を生成することが可能である。この方法においては、式3の化合物は、有機ボロン酸(例えば、MはB(OH)である)、有機ホウ酸エステル(例えば、MはB(−OC(CHC(CHO−)である)、有機トリフルオロボレート(例えば、MはBFKである)、有機スズ試薬(例えば、MはSn(n−Bu)、Sn(Me)である)、グリニャール試薬(例えば、MはMgXである)、または、有機亜鉛試薬(例えば、MはZnXである)であり、ここで、XはBrまたはClである。好適な遷移金属触媒としては、これらに限定されないが:パラジウム(II)アセテート、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロ[1,1’−ビス−(ジフェニル−ホスフィノ)−フェロセン]−パラジウム(II)、ビス(トリフェニル−ホスフィン)−ジ−クロロ−ニッケル(II)および銅(I)塩(例えば、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(I)、シアン化銅(I)またはトリフルオロメタンスルホン酸銅(I))が挙げられる。各反応に対する最適な条件は、当業者によって理解されるとおり、用いられる触媒および式3の化合物に結合している対イオン(すなわちM)に応じるであろう。いくつかの場合において置換ホスフィンまたは置換ビスホスフィノアルカンなどのリガンドの添加が反応性を促進させる。また、塩基の存在(アルカリカーボネート、第三級アミンまたはアルカリフッ化物など)が、Mがボロン酸または有機トリフルオロボレートである式3の化合物が関与する反応については典型的に必要とされる。このタイプの反応に関する概略については:E.Negishi,Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Inc.,New York,2002年;N.Miyaura,Cross−Coupling Reactions: A Practical Guide,Springer,New York,2002年;H.C.Brownら,Organic Synthesis via Boranes,第3巻,Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI,2002年;Suzukiら,Chemical Review,1995年,95,2457〜2483ページ、および、Molanderら、Accounts of Chemical Research,2007年,40,275〜286ページを参照のこと。
Yが直接結合であると共にRがN−結合複素環である式1の化合物は、式2の化合物および式4の化合物のクロスカップリング反応を介して調製されることが可能である。典型的な反応条件は、約室温から溶剤の還流温度の範囲の温度での、メタノール、アセトニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤中における、塩基(例えば、NaOt−Bu、KCO、KPOまたはCsCO)、パラジウム、ニッケルまたは銅触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム、パラジウム(II)アセテート、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルまたはヨウ化銅(I))、および、任意により、リガンド(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン、1,1’−ビ−ナフタレン−2,2’−ジオールまたは1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)−エタン)の存在を含む。関連する文献については:例えば、Chenら,Organic Letters,2006年,8,5609〜5612ページ;Hartwig,Angew.Chem.Int.Ed.1998年,37(15),2046〜2067ページ、および、Buchwaldら,Accounts of Chemical Research,1998年,31(12),805〜818ページを参照のこと。
当業者は、式2の化合物に結合している脱離基Lgは、置換されて最終的な式1の化合物の生成に作用しないよう、式2に存在する他の官能基(すなわち、R、XRおよびR)の相対反応性の観点から選択されるべきであることを認識しているであろう。スキーム1の方法は、実施例1、ステップEおよび実施例2、ステップEによって例示されている。
式3および式4の化合物は市販されていると共に、技術分野において公知である広く多様な一般的な方法によって調製することが可能である。
Figure 2012503659
あるいは、Rがハロゲン、ハロアルキル等である式1の化合物は、スキーム2に概略が記載されている2ステップ合成によって調製することが可能である。第1のステップにおいて、式1aの化合物(RがH、アルキル等である、スキーム1の方法によって調製される式1)は、クロロホルムまたはジクロロメタンなどの適切な溶剤中に、約0℃〜室温の範囲の温度(例えば、20℃)で、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)などの酸化剤との処理によって式1bのそのN−オキシドに転化される。実施例3がスキーム2の酸化方法を例示している。
ハロゲン化剤での式1bの化合物のその後の処理は、オキシド基の損失を伴う水素の置換をもたらして、Rがハロゲン、ハロアルキル等である式1が生成される。好適なハロゲン化剤としては、オキシハロゲン化リン、三ハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、フェニルホスホン酸ジクロリドおよびホスゲンが挙げられる。オキシハロゲン化リンが特に有用である。この反応についての好適な溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる。多くの事例において、この反応は、式1bの化合物およびハロゲン化剤以外の溶剤なしでも実施されることが可能である。実施例5が、Rがメチルである対応する式1の化合物からの、Rがクロロメチルである式1の化合物の合成を例示している。
Figure 2012503659
がハロゲンである式1の化合物は、種々の求核性反応およびメタレーション反応(スキーム1について既に記載のものと同様の方法を用いて)に供して置換基を追加するか、または、既存の置換基を変性させることが可能であり、それ故、式1の他の官能基化化合物をもたらすことが可能である。例えば、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル等である式1の化合物は、Rがハロゲン(例えば、Cl、BrまたはI)である対応する式1の化合物から、種々のボロン酸をパラジウム触媒と併用することで、合成することが可能である。実施例7が、Rがクロロである対応する式1の化合物からのRがメチルである式1の化合物の合成を例示している。
スキーム3に示されているとおり、Lgがハロゲン(例えば、Br、ClまたはI)である式2の化合物は、式5の対応するピリダジノンから、ハロゲン化剤での処理により調製されることが可能である。好適なハロゲン化剤としては、オキシハロゲン化リン、三ハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、フェニルホスホン酸ジクロリドおよびホスゲンが挙げられる。オキシハロゲン化リンが特に有用である。この反応についての好適な溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる。多くの事例において、この反応は、式5の化合物およびハロゲン化剤以外の溶剤を用いずに実施されることが可能である。任意により、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等などの有機塩基を添加することが可能である。N,N−ジメチルホルムアミドなどの触媒の添加もまた任意である。典型的な反応温度は、約室温(例えば、20℃)から200℃の範囲である。代表的な手法に関しては、Czarnockiら,Synthesis,2006年,17,2855〜2864ページ;Branaら,Journal of Medicinal Chemistry,2005年,48,6843〜6854ページ;Liuら,Journal of Medicinal Chemistry,2007年,50,3086〜3100ページ、ならびに、Chanら,Journal of Medicinal Chemistry,2005年,48,4420〜4431ページを参照のこと。スキーム2の方法は、実施例1、ステップDおよび実施例2、ステップDに例示されている。
Lgがスルホネート(例えば、OS(O)CH、OS(O)CF、OS(O)Ph−p−CH)である式2の化合物はまた、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などのスルホン化剤での処理、または、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドジアゾ化によって、式5のピリドンから調製されることが可能である。この反応は、典型的には、溶剤および塩基の存在下に行われる。好適な溶剤としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等が挙げられる。好適な塩基としては、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)および炭酸カリウムが挙げられる。この反応は、典型的には、約−50℃〜溶剤の沸点の温度で実施される。この一般的な方法を説明している文献については、例えば、Markusら,Heterocycles,1996年,43(7),1459〜1464ページおよびTakenariら,Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1966年,14(10),1074〜1081ページを参照のこと。
Figure 2012503659
式5の化合物は、式6のフラノンのヒドラジン水和物での縮合によって合成されることが可能である。この反応は、典型的には、メタノール、エタノールまたはn−ブタノールなどの低級アルカノール溶剤中に、約室温〜溶剤の還流温度の範囲の温度で行われる。この反応の条件および変形については、以下の文献を参照のこと:国際公開第07/044796号パンフレットおよび国際公開第98/41511号パンフレット;欧州特許出願公開第1916240−A号明細書およびPiatakら,Journal of Medicinal Chemistry,1964年,7(5),590〜592ページ。また、実施例1、ステップCおよび実施例2、ステップCが、式5の化合物の調製を示している。
Figure 2012503659
あるいは、RがH以外である式5の化合物は、スキーム5に概略が記載されているとおり、式5aの化合物(スキーム4の方法によって調製されるRがHである式5)から調製されることが可能である。第1のステップにおいては、式5aの化合物中のアミド窒素が保護され、続くハロゲン化によって式5bの中間体がもたらされる。窒素−保護基、および、これらの保護基で窒素原子を保護する方法は、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版;Wiley:New York,1991年に記載されている。ハロゲン化は、スキーム3について既に記載のものと同様の方法を用いて行うことが可能である。式5b上の保護基は、標準的な脱保護条件によって除去されて、Rがハロゲンである式5の化合物をもたらすことが可能である。また、式5bの化合物を種々の求核性反応およびメタレーションカップリング反応に供して(スキーム1について既に記載のものと同様の方法を用いて)、Rがハロゲン以外である式5の化合物をもたらすことが可能である。例えば、Rがアルキル、アルケニル、アルキニル等である式5の化合物は、ニッケル触媒と併せて種々のグリニャール試薬を用いることにより式5bの化合物から合成されることが可能である。スキーム5の一般的な方法は、国際公開第09/086041号パンフレットに記載されている。
Figure 2012503659
式6の化合物は、スキーム6に示されているとおり、式7のフラノンの酸化によって合成されることが可能である。酸化反応は、式7の化合物を空気または酸素などの酸素含有ガスに、例えば式7の化合物を含む反応混合物中に酸素または空気を通気させることにより接触させることにより実施されることが可能である。この反応は、アセトニトリル、酢酸エチルまたはテトラヒドロフランなどの好適な溶剤中に、および、任意により、パラジウム、銅または鉄を含むものなどの活性炭または遷移金属などの触媒の存在下に実施される。酸素含有ガスを用いる酸化を実施するための基本手順は技術分野において公知である;例えば、国際公開第08/049585号パンフレットおよび国際公開第96/36623号パンフレット、ならびに、Nicoll−Griffithら,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2000年,10,2683〜2686ページを参照のこと。クロロホルムなどの溶剤中の3−クロロ過安息香酸(MCPBA)などのより強力な酸化剤を用いる式7の酸化もまた用いられることが可能である。
あるいは、式6の化合物は、N−クロロスクシンイミド(NCS)またはN−クロロスクシンイミド(NBS)での処理により塩素化または臭素化されて、式8の中間体をもたらすことが可能である。式8の中間体を、Liら,Bioorganic Medicinal Chemistry Letters,1976年,21,1839〜1842ページによる手法、ならびに、国際公開第98/41511号パンフレットに開示されている手法に従って、その後、テトラヒドロフランおよび水などの溶剤系中の触媒量の酢酸などの酸を用いて加水分解して式6の化合物をもたらすことが可能である。操作の簡潔さ、安い反応体の価格および所望の生成物の単離の容易性の観点から、酸素含有ガスを用いる接触酸化法が最も有利である。
Figure 2012503659
スキーム7に示されているとおり、式7の化合物の調製は、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基、または、水酸化ナトリウムもしくは炭酸カリウムなどの無機塩基)の存在下に式9のα−ハロケトンを式10の酢酸と反応させて対応するエステルをもたらし、これを1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)の存在下で分子内環化に供して式7の化合物を形成することにより達成することが可能である。実際には、環化および酸化(すなわち、スキーム6の酸化法)は、1つの反応容器中で連続的に行うことが可能である。典型的な反応条件は、式9および式10の化合物と塩基とを、メタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤中に、約5〜25℃の温度で組み合わせる工程を含む。好ましくは、この反応は、通常は約1.5〜約3モル当量の範囲といった、式9および式10の化合物に対して過剰量の塩基を用いて行われる。エステルの形成の後(約8〜24時間)、反応混合物はDBUで処理されて環化が促進され、続いて、空気または酸素流が反応混合物に通される。スキーム7の方法のさらなる説明については、欧州特許出願公開第1916240−A号明細書;Blackら,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2003年,13,1195〜1198ページ、ならびに、Padakantiら,Tetrahedron Letters,2002年,43,8715〜8719ページを参照のこと。また、実施例1、ステップBおよび実施例2、ステップBが、式7の化合物の単離を伴わずに環化および酸化ステップが連続して行われるスキーム7の方法を例示している。
Figure 2012503659
式9の化合物は市販されていると共に、技術分野において公知である標準的なハロゲン化法をにより対応するケトンから調製することも可能である。式9の化合物の調製のために特に有用なハロゲン化剤としては、元素ハロゲン(Cl、Br)、N−ハロスクシンイミド(NBS、NCS)、銅(II)ハロゲン化物(例えば、CuBr、CuCl)およびピリジニウムブロミドペルブロミドが挙げられる。実施例1、ステップAおよび実施例2、ステップAが式9の化合物の調製を例示している。
スキーム7と同様の方法において、式11のα−ハロケトンは、スキーム8に示されているとおり、式12のフェニル酢酸と反応されて式13の化合物を形成することが可能である。式13の化合物は、その後、スキーム4および3に記載のものと同様の方法を用いて式1に転化されることが可能である。実施例6、ステップCがスキーム8の方法を例示している。
Figure 2012503659
あるいは、式13の化合物は、スキーム9に概略が記載されている4ステップ合成によって調製されることが可能である。第1のステップにおいて、式15のジブロモエステルは、式14のフェニルグリオキシレートと2当量の四臭化炭素とを、トリフェニルホスフィンの存在下に、ジクロロメタンのクロロホルムなどの溶剤中に反応させることにより調製される。グリニャール試薬との式15のその後の処理、続く、式RY−CHOの求電子剤との反応が、式16の化合物をもたらす。典型的な反応条件については、Knochelら,Synthesis,2003年,12,1797〜1802ページを参照のこと。また、実施例14、ステップCおよびDが式17の化合物の調製を例示している。
次いで、金属により触媒されたスズキカップリング反応を実施してRX置換基をピリダジン環に導入し、これにより、式17の化合物をもたらすことが可能である。式17のフラノンの酸化をスキーム6と同様の方法を用いて行って、式13の化合物をもたらすことが可能である。
Figure 2012503659
当業者は、いくつかの式1の化合物ついては、フェニル環に結合しているR置換基、ならびに、RおよびRの環に結合しているRおよびR置換基は、中央のピリダジン環をフェニル、結合されたRおよびR環で形成した後に、より簡便に組み込まれ得ることを認識するであろう。特に、R、Rおよび/またはRがハロゲンまたは他の好適な脱離基である場合、この脱離基を、技術分野において公知である種々の求電子性、求核性および有機金属反応を用いて置き換えて、R、Rおよび/またはRなどの他の官能基を導入することが可能である。実施例8が、Rがフルオロである対応する式1の化合物から開始される、Rがメトキシである式1の化合物の調製を実証する。実施例
10が、Rが水素である対応する式1の化合物から開始される、Rがクロロである式1の化合物の調製を例示する。実施例13が、Rが水素である対応する式1の化合物から開始される、Rがトリメチルシリル(MeSi−)である式1の化合物の調製を例示する。
さらに、R、Rおよび/またはRが−Z−V−W(発明の概要に定義されているとおり)である式1の化合物は、R、Rおよび/またはRがハロゲンまたは他の好適な脱離基である対応する式1の化合物から、国際公開第2007/149448号パンフレット(文献中のスキーム15を参照のこと)に記載の一般的な方法などにより、調製されることが可能である。この文献はまた、R、Rおよび/またはR置換基を−Z−V−W(文献中のスキーム16〜19を参照のこと)として形成するための他の一般的な方法を記載する。本実施例9は、Rがフルオロである対応する式1の化合物から開始される、Rが−Z−V−W(すなわち、−O(CHNMe)である式1の化合物の調製を実証する。
式1の化合物を調製するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないであろうことが認識される。これらの例において、合成系中に保護/脱保護配列または官能性の相互転換を組み入れることにより、所望の生成物を得ることが助けられるだろう。保護基の使用および選択は化学合成の当業者に明白であろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991を参照のこと)。場合によっては、いずれかの個々のスキームに記述されたように与えられた試薬の導入後、式1の化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例合成工程を実行する必要があることを当業者は認識するだろう。式1の化合物を調製するために提案された特定の順序により示されるもの以外の順番で、上記スキームに図示された工程の組み合わせを実行する必要があることも当業者は認識するだろう。
置換基を加えるため、または存在する置換基を変性するために、本明細書に記載の式1の化合物および中間体に、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応を受けさせることができることも当業者は認識するだろう。
さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は、本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。以下の実施例の工程は全体的な合成変換における各工程の手順を説明し、そして各工程の出発材料が、他の実施例または工程に手順が記載される特定の製造実施によって必ずしも製造される必要はない。クロマトグラフィー溶媒混合物を除いて、または特記されない限り、パーセントは重量によるものである。特記されない限り、クロマトグラフィー溶媒混合物に関する部およびパーセントは体積によるものである。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側にppmで報告されており;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「td」は二重項の三重項を意味する。
実施例1
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン(化合物1)の調製
ステップA:2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1−プロパノンの調製
1−(4−フルオロフェニル)−1−プロパノン(10.1g、66mmol)の酢酸(80mL)中の混合物に、臭素(3.3mL、64.4mmol)を、続いて、3滴の臭化水素酸(水中に48%)を滴下した。1時間後、この反応混合物を減圧下で濃縮して、明るいオレンジ色の油として表題の化合物を得た(14.6g)。
H NMR(CDCl):δ8.1(m,2H),7.15(m,2H),5.25(m,1H),1.9(d,3H)。
ステップB:3−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノンの調製
2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−1−プロパノン(すなわち、ステップAの生成物)(5.89g、25.5mmol)および3,5−ジメトキシベンゼン酢酸(5.0g、25.5mmol)のアセトニトリル(170mL)中の混合物に、トリエチルアミン(7.81mL、56.1mmol)を添加した。この反応混合物を、一晩攪拌し、次いで、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)(6.53mL、43.3mmol)を添加した。45分後、空気を反応混合物の表面下に4時間通気させた。反応混合物を塩酸(1N)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、ならびに、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、中圧液体カラムクロマトグラフィー(80gのシリカゲル、流出液としてヘキサン中の5〜30%勾配酢酸エチル)により精製して、油として表題の化合物を得た(9.7g)。
H NMR(CDCl):δ8.1(m,2H),7.15(m,2H),5.25(m,1H),1.9(d,3H)。
ステップC:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3(2H)−ピリダジノンの調製
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−5−メチル−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップBの生成物)(7.47g、21.7mmol)のn−ブタノール(43mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(2.74mL、56.4mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間の間還流で加熱し、次いで、室温に冷却させた。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に、再度濃縮した。ジエチルエーテルおよびヘキサンを得られた固体に添加すると共に、この混合物をろ過して、白色の固体として表題の化合物を得た(4.8g)。
H NMR(CDCl):δ7.4(m,1H),7.0(m,3H),6.5(s,1H),6.4(s,1H),6.3(s,1H),6.2(s,1H),3.66(s,3H),3.63(s,3H),2.10(s,3H)。
ステップD:3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチルピリダジンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3(2H)−ピリダジノン(すなわち、ステップCの生成物)(4.7g、13.8mmol)およびオキシ塩化リン(40mL)の混合物を1時間の間還流で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に、再度濃縮した。得られた材料をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタン(2回)で抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を中圧液体カラムクロマトグラフィー(40gのシリカゲル、流出液としてヘキサン中の5〜30%勾配酢酸エチル)により精製して、固体として表題の化合物を得た(1.64g)。
H NMR(CDCl):δ7.0(d,4H)、6.34(s,1H),6.15(s,2H),3.67(s,6H)、2.51(s,3H)。
ステップE:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジンの調製
3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチルピリダジン(すなわち、ステップDの生成物)(0.30g、0.84mmol)およびフェニルボロン酸(0.153g、1.25mmol)のp−ジオキサン(8.4mL)中の混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(30mg、0.033mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(27mg、0.067mmol)およびリン酸カリウム(使用直前に粉砕した)(0.44g、2.1mmol)を添加した。この反応混合物を還流で一晩加熱し、次いで、室温に冷却すると共に、水および酢酸エチルで希釈した。水/酢酸エチル混合物を、焼結ガラスフリット漏斗中のCelite(登録商標)(珪藻土ろ過助剤)床を通してろ過し、Celite(登録商標)を水および酢酸エチルですすいだ。水/酢酸エチル濾液を分離すると共に、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、10gのシリカゲル(50μm粒径、70Å孔径)を予め充填したBond Elute(登録商標)チューブ(Varian製)(溶出液としてヘキサン中に40%酢酸エチル)を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して油(0.35g)を得た。この油を、ジエチルエーテルおよびヘキサンで倍散して、172〜174℃で溶融する固体として本発明の化合物である表題の化合物(239mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.3(2H)、7.2(3H)、7.0(4H)、6.18(s,1H),5.9(s,2H),3.49(s,6H)、2.58(s,3H)。
実施例2
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン(化合物8)の調製
ステップA:2−ブロモ−1−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノンの調製
1−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノン(15.0g、91mmol)のジクロロメタン(210mL)中の混合物に、ピリジニウムブロミドペルブロミド(325g、91.3mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間攪拌し、次いで、水で希釈し、および、層を分離した。水性層をジクロロメタンで抽出し、組み合わせた有機層を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ならびに、減圧下で濃縮して、固体として表題の化合物を得た(23g)。
H NMR(CDCl):δ8.0(d,2H),6.9(d,2H),5.2(m,1H),3.88(s,3H),1.8(d,3H)。
ステップB:3−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2(5H)−フラノンの調製
2−ブロモ−1−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノン(すなわち、ステップAの生成物)(6.2g、25.5mmol)および3,5−ジメトキシベンゼン酢酸(5.0g、25.5mmol)のアセトニトリル(170mL)中の混合物に、トリエチルアミン(7.81mL、56.1mmol)を添加した。この反応混合物を、12時間攪拌し、次いで、DBU(6.53mL、43.3mmol)を添加した。1時間後、空気を反応混合物の表面下に4時間通気させた。反応混合物を塩酸(1N)および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、ならびに、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。ジエチルエーテルおよびヘキサンを得られた固体に添加すると共に、この混合物をろ過して、固体として表題の化合物を得た(6.67g)。
H NMR(CDCl):δ7.5(d,2H),6.8(d,2H),6.5(s,2H),6.4(s,1H),3.82(s,3H),3.7(s,6H),1.74(s,3H)。
ステップC:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−3(2H)−ピリダジンの調製
3−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップBの生成物)(6.67g、18.7mmol)のn−ブタノール(37mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(2.27mL、46.8mmol)を添加した。この反応混合物を、2時間の間還流で加熱し、次いで、室温に冷却させた。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に、再度濃縮して固体として表題の化合物を得た(7g)。
H NMR(CDCl):δ6.9(d,2H),6.8(d,2H),6.5(s,1H),6.26(s,2H),3.7(s,3H),3.66(s,3H),3.63(s,3H),2.11(s,3H)。
ステップD:3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−3(2H)−ピリダジン(すなわち、ステップCの生成物)(6.59g、18.7mmol)およびオキシ塩化リン(50mL)の混合物を2時間の間還流で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に再度濃縮した。得られた材料をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ならびに、減圧下で濃縮した。ジエチルエーテルおよびヘキサンを得られた固体に添加すると共に、この混合物をろ過して、固体として表題の化合物を得た(4.77g)。
H NMR(CDCl):δ6.9(d,2H),6.8(d,2H),6.3(s,1H),6.17(s,2H),3.78(s,3H),3.67(s,3H),2.52(s,3H)。
ステップE:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジンの調製
3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン(すなわち、ステップDの表題の生成物)(0.3g、0.9mmol)および2−フルオロフェニルボロン酸(0.18g、1.3mmol)のp−ジオキサン(8.8mL)中の混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(32mg、0.035mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(29mg、0.07mmol)およびリン酸カリウム(使用直前に粉砕した)(0.47g、2.2mmol)を添加した。この反応混合物を還流で一晩加熱し、次いで、室温に冷却すると共に、水および酢酸エチルで希釈した。これらの層を分離すると共に水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、10gのシリカゲル(50μm粒径、70Å孔径)を予め充填したBond Elute(登録商標)チューブ(Varian製)(溶出液としてヘキサン中の酢酸エチルの20%〜40%勾配)を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、固体として本発明の化合物である表題の化合物(145mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.4(t,1H),7.3(m,1H),7.1(t,1H),6.97(d,2H),6.9(t,1H),6.83(d,2H),6.1(s,1H),5.96(s,2H),3.79(s,3H),3.47(s,6H),2.62(s,3H)。
実施例3
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン1−オキシド(化合物12)の調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン(すなわち、実施例1、ステップEの生成物)(100mg、0.25mmol)のジクロロメタン(5mL)中の混合物に、3−クロロ過安息香酸酸(MCPBA)(77%、56mg、0.25mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液およびジクロロメタンで希釈した。層を分離すると共に水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2回)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して、黄色の固体として本発明の化合物である表題の化合物(100mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.37(d,2H),7.28〜7.2(m,3H),7.0(m,4H),6.18(s,1H),5.9(s,2H),3.49(s,6H),2.4(s,3H)。
実施例4
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−フェニル−3−(2−ピリジニル)ピリダジン(化合物13)の調製
3−クロロ−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−フェニルピリダジン(実施例1の手法と同様に4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−5−フェニル−3(2H)−ピリダジノンから調製した)(0.3g、0.88mmol)、2−(トリメチルスタニル)ピリジン(0.22g、0.88mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(31mg、0.044mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中の混合物を一晩85℃で加熱し、次いで、100℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、水およびジエチルエーテルで希釈し、次いで、焼結ガラスフリット漏斗中のCelite(登録商標)(珪藻土ろ過助剤)床を通してろ過すると共にCelite(登録商標)を水およびジエチルエーテルですすいだ。水/ジエチルエーテル濾液を分割すると共に、水性層をジエチルエーテルで抽出した(2回)。組み合わせた有機層をセシウムフッ化物水溶液、水(3回)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ならびに、減圧下で濃縮した。得られた油を、10gのシリカゲル(50μm粒径、70Å孔径)を予め充填したBond Elute(登録商標)チューブ(Varian製)(溶出液としてヘキサン中の酢酸エチルの30%〜40%勾配)を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体として本発明の化合物である表題の化合物(90mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ8.6(d,1H),8.4(d,1H),7.8(t,1H),7.28(m,1H),7.2(m,3H),7.0(m,2H),6.3(s,1H),6.17(s,2H),3.65(s,6H),2.51(s,3H)。
実施例5
3−(クロロメチル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−フェニルピリダジン(化合物14)の調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン1−オキシド(すなわち、実施例3の生成物)(100mg、0.24mmol)の混合物にオキシ塩化リン(6mL)を添加した。この反応混合物を2時間の間還流で加熱し、減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に再度濃縮した。得られた材料をジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層をジクロロメタンで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム
水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮して、固体として本発明の化合物である表題の化合物(90mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.4(d,2H),7.2(m,3H),7.18(m,2H),7.0(m,2H),6.2(s,1H),5.9(s,2H),4.7(s,2H),3.5(s,6H)。
実施例6
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物45)の調製
ステップA:1−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(2−フルオロフェニル)エタノンの調製
マグネシウム削り屑(5.7g、0.2mol)、ヨウ素(触媒量)および1,2−ジブロモエタン(2滴)のジエチルエーテル(150mL)中の混合物に、還流下で、1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼン(31.45g、0.17mol)のジエチルエーテル(140mL)中の溶液を105分間かけて滴下した。この反応混合物を10℃に冷却し、3,5−ジメトキシベンゾニトリル(22.51g、0.14mol)のジエチルエーテル(130mL)およびテトラヒドロフラン(80mL)中の溶液を滴下した。反応混合物を5時間の間還流で加熱し、次いで、室温で一晩静置させた。反応混合物を塩酸(1N、300mL)、水(75mL)、酢酸エチル(500mL)およびさらなる塩酸(1N、200mL)で希釈した。1時間攪拌した後、層を分離すると共に、水性層を酢酸エチルで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンで倍散して固体として表題の化合物を得た(31.3g)。
H NMR(CDCl):δ7.4〜7.3(m,2H),7.17(s,2H),7.17〜7.10(m,2H),6.66(s,1H),4.28(s,2H),3.83(s,3H),3.80(s,3H)。
ステップB:2−ブロモ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(2−フルオロフェニル)エタノンの調製
1−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(2−フルオロフェニル)エタノン(すなわち、ステップAの生成物)(31.3g、0.11mol)のクロロホルム(126mL)中の混合物に、銅(II)ブロミド(50.97g、0.23mol)および酢酸エチル(126mL)を添加した。この反応混合物を、5時間の間還流で加熱し、室温に冷却し、および、焼結ガラスフリット漏斗中のCelite(登録商標)(珪藻土ろ過助剤)床を通してろ過すると共にCelite(登録商標)を熱い酢酸エチルですすいだ。この濾液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンで倍散して固体として表題の化合物を得た(32.71g)。
H NMR(CDCl):δ7.6(t,1H),7.3(m,1H),7.18(m,1H),7.1(s,2H),7.0(m,1H),6.69(s,1H),6.64(s,1H),3.8(s,6H)。
ステップC:4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
2−ブロモ−1−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(2−フルオロフェニル)エタノン(すなわち、ステップBの生成物)(90.81g、0.26mol)および2,4,6−トリフルオロベンゼン酢酸(48.88g、0.26mol)のアセトニトリル(643mL)中の混合物に、トリエチルアミン(60.95mL、0.44mol)を添加した。この反応混合物を、3.5時間攪拌し、次いで、DBU(85.26mL、0.57mol)を添加した。1時間後、空気を反応混合物の表面下に1時間通気させた。反応混合物を塩酸(1N)で希釈し、層を分離し、および水性層を酢酸エチルで抽出した(3回)。組み合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3回)、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、および、減圧下で濃縮した。得られた材料をヘキサンおよび酢酸エチルで倍散して白色の固体として表題の化合物を得た(6.32g)。
H NMR(CDCl):δ7.8(t,1H),7.3(m,1H),7.1(t,1H),7.0(m,1H),6.78(t,1H),6.70(t,1H),6.4(d,2H),6.3(s,1H),4.38(br s,1H),3.55(s,6H)。
ステップD:5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3(2H)−ピリダゾンの調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップCの生成物)(35.99g、67.3mmol)のエタノール(80mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(5mL、103mmol)を添加した。この反応混合物を還流で一晩加熱し、次いで、室温に冷却し、および、ろ過して白色の固体として表題の化合物を得た(22.71g)。
H NMR(CDCl):δ11.8(br s,1H),7.2(m,1H),7.1(t,1H),6.9(t,1H),6.6(m,2H),6.2(s,1H),6.0(s,2H),3.52(s,6H)。
ステップE:3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンの調製
5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3(2H)−ピリダゾン(すなわち、ステップDの生成物)(44.0g、96mmol)およびオキシ塩化リン(200mL)の混合物を1時間の間還流で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に、再度濃縮した(2回)。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料をヘキサンおよびジエチルエーテルで倍散して固体として表題の本発明の化合物を得た(41.91g)。
H NMR(CDCl):δ7.4(t,1H),7.3(m,1H),7.1(t,1H),6.9(t,1H),6.6(m,2H),6.23(s,1H),6.0(d,2H),3.53(s,6H)。
実施例7
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物24)の調製
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(すなわち、実施例6、ステップEの生成物)(41.9g、88.2mmol)のp−ジオキサン(440mL)中の混合物に、ジクロロ−[1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)ジクロロメタン複合体(1:1)(7.2g、9mmol)、炭酸セシウム(86.25g、264.7mmol)、2,4,6−トリメチルボロキシン(11.08g、88.2mol)および水(44mL)を添加した。この反応混合物を1時間の間還流で加熱し、次いで、室温に冷却した。反応混合物を酢酸エチルと水との間に分割し、層を分離し、および、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和N,N
’−1,2−エタンジイルビス[N−(カルボキシ−メチル)−グリシン(EDTA)水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を酢酸エチル/ヘキサン中に溶解させ、および、酢酸エチル/ヘキサン(30%)ですすがれる焼結ガラスフリット漏斗上のシリカゲル床を通してろ過した。この濾液を減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンおよびジエチルエーテルで倍散すると共に、ろ過して、固体として本発明の化合物である表題の化合物を得た(28.91g)。
H NMR(CDCl):δ7.4(d,2H),7.3〜7.2(m,2H),7.1(t,1H),6.9(t,1H),6.96(t,2H),6.2(s,1H),6.0(s,2H),3.53(s,6H),2.61(s,3H)。
実施例8
4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチルピリダジン(化合物28)の調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(すなわち、実施例7の生成物)(200mg、0.44mmol)のメタノール(1.2mL)中の混合物に、ナトリウムメトキシド(25%溶液、15mL、0.7mmol)を添加した。この反応混合物を60℃で一晩加熱し、次いで、冷却し、ならびに、水および酢酸エチルで希釈した。層を分離すると共に、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料をヘキサンおよびジエチルエーテルで倍散して、固体として本発明の化合物である表題の化合物(144mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.4(m,1H),7.3(m,1H),7.1(m,1H),6.9(m,1H),6.4(d,2H),6.19(s,H),6.07(s,2H),3.77(s,3H),3.52(s,6H),2.62(s,3H)。
実施例9
3−[4−[5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−4−ピリダジニル]−3,5−ジフルオロフェノキシ]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミン(化合物29)の調製
3−(ジメチルアミノ)−1−プロパノール(72mg、0.70mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の混合物に、水素化ナトリウム(鉱物油中に60%、30mg、0.70mmol)を添加した。1時間攪拌した後、4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(すなわち、実施例7の生成物)(200mg、0.44mmol)を反応混合物に添加し、混合物を60℃で一晩加熱した。反応混合物を冷却し、水および酢酸エチルで希釈し、層を分離した。水性層を酢酸エチルで抽出し、組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた材料を、カラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中、次いで、メタノール中に30%酢酸エチル)によって精製して、油として本発明の化合物である表題の化合物(100mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.4(m,1H),7.3(m,1H),7.1(m,1H),6.9(m,1H),6.4(d,2H),6.19(s,H,6.07(s,2H),3.9(t,2H),3.52(s,6H),2.61(s,3H),2.4(t,2H),2.23(s,6H),1.9(m,2H)。
実施例10
4−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物31)の調製
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−ピリダジン(すなわち、実施例7の生成物)(200mg、0.44mmol)の四塩化炭素(5mL)中の混合物に、N−クロロスクシンイミド(71mg、0.53mmol)および2,2’−(1,2−ジアゼンジイル)ビス[2−メチルプロパンニトリル](AIBN)(触媒量)を添加した。この反応混合物を60℃で一晩加熱し、次いで、冷却し、水および酢酸エチルで希釈した。層を分離すると共に、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、カラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中の30%酢酸エチル)により精製して、固体として本発明の化合物である表題の化合物(100mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.4(t,1H),7.3(m,1H),7.1(t,1H),6.9(t,1H),6.7〜6.6(m,2H),6.26(s,1H),6.23(s,1H),3.70(s,3H),3.62(s,3H),2.64(s,3H)。
実施例11
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物26)の調製
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(すなわち、実施例6、ステップEの生成物)(100mg、0.21mmol)のメタノール(5mL)中の混合物に、ナトリウムメトキシド(5.4M、41μL、0.22mmol)を添加した。この反応混合物を2時間の間還流で加熱し、次いで、さらなるナトリウムメトキシド(5.4M、8μL、0.04mmol)を添加した。追加の3時間還流で加熱した後、反応混合物を冷却すると共に、減圧下で濃縮した。得られた材料を、カラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中の酢酸エチルの5〜20%勾配)により精製して、無色の油として本発明の化合物である表題の化合物(74mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.40(td,1H),7.29(m,1H),7.13(td,1H),6.92(td,1H),6.62(m,2H),6.21(t,1H),6.05(d,2H),3.52(s,6H)。
実施例12
4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物27)の調製
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(すなわち、実施例6、ステップEの生成物)(0.39g、0.8mmol)のエタノール(10mL)中の混合物に、トリエチルアミン(0.23mL、1.6mmol)および炭素上に担持されたパラジウム(50重量%水、10%、40mg、0.038mmol)を添加した。反応容器を排気すると共に、窒素で(3回)、次いで、水素で(2回)再加圧した。次いで、水素で満たした風船を反応フラスコにつなぎ、反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を焼結ガラスフリット漏斗上のCelite(登録商標)(珪藻土ろ過助剤)床を通してろ過すると共に、濾液を減圧下で濃縮した。得られた材料をジエチルエーテル中に溶解させ、水で洗浄し(2回)、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた固体を、カラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中の酢酸エチルの10〜25%勾配)により精製して、白色の固体として本発明の化合物である表題の化合物を得た(0.26g)。
H NMR(CDCl):δ7.18(td,1H),6.96(td,1H),6.68(m,2H),6.25(t,1H),6.06(d,2H),4.20(s,3
H),3.52(s,6H)。
実施例13
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−[2,4,6−トリフルオロ−3−(トリメチルシリル)フェニル]ピリダジン(化合物38)の調製
3−クロロ−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(すなわち、実施例6、ステップEの生成物)(144mg、0.30mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の混合物に、−70℃で、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中に1M、550μL、0.54mmol)を添加した。この反応混合物を、−70℃で1時間攪拌し、次いで、ギ酸エチル(52mL、0.63mmol)を添加した。この反応混合物をゆっくりと室温に温めさせ、一晩攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液をこの反応混合物に添加し、この水性混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、カラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中の酢酸エチルの5〜15%勾配)により精製して、固体として本発明の化合物である表題の化合物(16mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ7.43(td,1H),7.34(m,1H),7.16(td,1H),6.95(t,1H),6.58(td,1H),6.22(t,1H),6.03(br s,2H),3.53(s,6H),0.28(s,9H)。
実施例14
3−クロロ−6−(2−フルオロフェニル)−5−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン(化合物44)の調製
ステップA:エチルα−オキソ−1H−イミダゾールアセテートの調製
エチル塩化オキサリル(75.75g、0.55mol)のテトラヒドロフラン(500mL)中の混合物に、0℃で、ピラゾール(76.6g、1.10mol)のテトラヒドロフラン(400mL)中の溶液を添加した。添加が完了したら、さらなるテトラヒドロフラン(100mL)を反応混合物に添加した。一晩攪拌した後、反応混合物をろ過すると共に、この濾液を減圧下で濃縮して、油として表題の化合物を得た(89.9g)。H NMR(CDCl):δ8.54(s,1H),7.6(s,1H),7.18(s,1H),4.5(q,2H),1.46(t,3H)。
ステップB:エチルα−オキソ−2,4,6−トリフルオロベンゼンアセテートの調製
1,3,5−トリフルオロベンゼン(11.0g、83.6mol)のテトラヒドロフラン(200mL)中の混合物に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、35.2mL、87.8mol)を添加した。この反応混合物を、−78〜−60℃で1時間攪拌し、次いで、反応混合物を、エチルα−オキソ−1H−イミダゾールアセテート(すなわち、ステップAの生成物)(45g、267mol)およびテトラヒドロフラン(340mL)の溶液に、反応温度を−60℃未満に維持しながら添加した。この反応混合物をゆっくりと室温に温めさせ、1時間攪拌し、次いで、およそ0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液および酢酸エチルで希釈した。層を分離すると共に、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた油を、カラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中の酢酸エチルの5〜30%勾配)により精製して油として表題の化合物を得た(13.4g)。
H NMR(CDCl):δ6.78(t,2H),4.4(q,2H),1.39(t,3H)。
ステップC:エチルα−(ジブロモエチレン)−2,4,6−トリフルオロベンゼンアセテートの調製
トリフェニルホスフィン(13.56g、51.7mmol)のジクロロメタン(20mL)中の混合物に、0℃で、四臭化炭素(8.57g、25.8mmol)のジクロロメタン(16mL)中の溶液を添加した。この反応混合物を、30分間0℃で攪拌し、次いで、エチルα−オキソ−2,4,6−トリフルオロベンゼンアセテート(すなわち、ステップBの生成物)(3g、12.9mmol)のジクロロメタン(8mL)中の溶液を添加し、この混合物を室温に温めさせ、一晩攪拌した。反応混合物をヘキサンで希釈し、ろ過し、および、この濾液を減圧下で濃縮した。得られた油を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン流出液)により精製して油として表題の化合物を得た(2.67g)。
H NMR(CDCl):δ6.7(t,2H),4.2(q,2H),1.2(t,3H)。
ステップD:4−ブロモ−5−(2−フルオロフェニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
エチルα−(ジブロモエチレン)−2,4,6−トリフルオロベンゼンアセテート(すなわち、ステップCの生成物)(4.52g、11.6mmol)のジエチルエーテル(78mL)中の混合物に、−78℃で、塩化イソプロピルマグネシウム(ジエチルエーテル中に2M、6.1mL、12.2mmol)を添加した。この反応混合物を、−10〜5℃で3時間攪拌し、次いで、2−フルオロベンズアルデヒド(1.47mL、13.9mmol)のジエチルエーテル(3mL)中の溶液を添加した。約20分間の後、反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液および酢酸エチルで希釈した。層を分離すると共に、水性層を酢酸エチルで抽出した。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンで倍散して表題のものを固体として得た(2.83g)。
H NMR(CDCl):δ7.4(m,1H),7.2(m,2H)7.20(t,1H)6.8(t,2H)6.35(s,1H)。
ステップE:5−(2−フルオロフェニル)−4−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
4−ブロモ−5−(2−フルオロフェニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップDの生成物)(1.0g、2.7mmol)のトルエン(11mL)中の混合物に、5−メトキシピリジン−3−ボロン酸(0.95g、4.0mmol)、ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(95mg、0.13mmol)、セシウムフッ化物(1.09g、7.2mmol)、N,N,N−トリエチルベンゼンメタンアミニウムクロリド(30mg、0.13mmol)および水(11mL)を添加した。この反応混合物を還流で一晩加熱し、次いで、冷却し、および、酢酸エチルと水との間に分割した。層を分離し、水性層を酢酸エチルで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた油をカラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中の酢酸エチルの20〜30%勾配)により精製して油として表題の化合物を得た(1.3g)。
H NMR(CDCl):δ8.2(d,1H),8.0(s,1H),7.3(m,1H),7.2(m,1H),7.1(d,1H),7.0(m,1H),6.9(s,1H),6.8(m,1H),6.78(s,1H),6.7(m,1H),3.71(s,3H)。
ステップF:5−(2−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノンの調製
5−(2−フルオロフェニル)−4−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップEの生成物)(1.2g、2.9mmol)の酢酸エチル(200mL)中の溶液にDarco(登録商標)G−60(活性炭粉末、−100メッシュ粒径)を添加し、この反応混合物を空気中で一晩攪拌した。反応混合物を、焼結ガラスフリット漏斗上のCelite(登録商標)(珪藻土ろ過助剤)床を通してろ過すると共に、Celite(登録商標)を酢酸エチルですすいだ。濾液を減圧下で濃縮して、固体として表題の化合物を得た(0.84g)。
H NMR(CDCl):δ8.1(d,1H),8.0(s,1H),7.8(m,1H),7.3(m,1H),7.2(t,1H),7.1(d,1H),7.0(m,1H),6.7(t,2H),3.6(s,3H)。
ステップG:6−(2−フルオロフェニル)−5−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3(2H)−ピリダゾンの調製
5−(2−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシ−4−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2(5H)−フラノン(すなわち、ステップFの生成物)(0.84g、1.9mmol)のエタノール(12mL)中の混合物に、ヒドラジン一水和物(123μL、2.53mmol)を添加した。この反応混合物を還流で一晩加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をろ過して白色の固体として表題の化合物を得た(358mg)。
H NMR(CDCl):δ8.0(d,1H),7.6(s,1H),7.5(m,1H),7.4(d,1H),7.22〜7.20(m,3H),7.0(t,1H),6.9(s,1H),3.5(s,3H)。
ステップH:3−クロロ−6−(2−フルオロフェニル)−5−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジンの調製
6−(2−フルオロフェニル)−5−(5−メトキシ−3−ピリジニル)−4−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−3(2H)−ピリダゾン(すなわち、ステップGの生成物)(358mg、0.84mmol)およびオキシ塩化リン(4mL)の混合物を還流で90分間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンで希釈すると共に再度濃縮した。得られた材料を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液との間に分割し、層を分離すると共に水性層を酢酸エチルで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および、減圧下で濃縮した。得られた材料を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(流出液としてヘキサン中に30%酢酸エチル)により精製して固体を得た。この固体をヘキサンで倍散して固体として本発明の化合物である表題の化合物(186mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ8.1(d,1H),7.7(s,1H),7.3(m,1H),7.2(m,1H),6.9(t,1H),6.7(s,1H),6.68(m,2H),3.61(s,3H)。
技術分野において公知である方法と共に、本明細書に記載の手法によって、表1〜5の以下の化合物を調製することが可能である。以下の略語が以下の表において用いられている:Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、MeOはメトキシを意味し、CNはシアノを意味し、および、Phはフェニルを意味する。
Figure 2012503659
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製剤/効用
本発明の化合物は一般的に、担体として機能する界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加成分と一緒に組成物、すなわち、製剤中の殺菌・殺カビ性活性成分として使用されるであろう。製剤または組成物成分は、活性成分の物性、適用形態ならびに土壌タイプ、湿度および温度のような環境要因と調和するように選択される。
有用な製剤には液体および個体組成物の両方が含まれる。液体組成物には、場合によりゲルへと濃厚化されることが可能な、溶液(乳化可能な濃縮物を含む)、懸濁液、乳液(ミクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等のような液体が含まれる。水性液体組成物の一般的種類は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、ミクロエマルジョンおよびサスポエマルジョンである。非水性液体組成物の一般的種類は、乳化可能な濃縮物、ミクロエマルジョン化可能な濃縮物、懸濁可能な濃縮物および油懸濁液である。
固体組成物の一般的種類は、水分散性(「水和」)または水溶性であり得る、ダスト、粉末、顆粒、ペレット、丸薬、パスタイル、タブレット、充填フィルム(シードコーティングを含む)等である。フィルム形成溶液または流動可能懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングは、シード処理に特に有用である。活性成分を(マイクロ)カプセル化することができ、さらに懸濁液または固体製剤へと形成することができ、あるいは活性成分の全製剤をカプセル化(または「オーバーコート」)することができる。カプセル化により、活性成分放出を制御することができるか、または遅らせることができる。乳化可能な顆粒は乳化可能な濃縮物製剤と乾燥顆粒製剤の両方の利点を組み合わせたものである。さらなる製剤の中間体として、最初に高強度組成物を使用可能である。
噴霧可能な製剤を典型的に噴霧前に適切な培地に施すことができる。かかる液体および固体製剤は、噴霧媒体(通常水)中に容易に希釈されるように配合される。噴霧容積は1ヘクタールにつき約1〜数千リットルの範囲であるが、より典型的には1ヘクタールにつき約十〜数百リットルの範囲である。噴霧可能な配合物は、空中または土への適用による葉面処理のため、あるいは植物の成長媒体への適用のため、水または適切なもう1種の媒体とタンク混合が可能である。液体および乾燥製剤を、直接的に細流潅漑システムに計量することができ、また植え付けの間に溝に計量することができる。根および他の地下にある植物部分および/または葉の浸透移行性取り込みの発達を保護するために、植え付けの前にシード処理として液体および固体製剤を穀物および他の望ましい植物の種上に適用することができる。
製剤は典型的に、以下の100重量%まで加算される適切な範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤および界面活性剤を含有する。
Figure 2012503659
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリン、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、澱粉、デキストリン、砂糖(例えば、乳糖、ショ糖)、シリカ、タルク、マイカ、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムのような粘土が含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers第2版、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリジノン)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、通常のパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセリントリアセテート、ソルビトール、トリアセチン、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルのような酢酸エステル、アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステルおよびγ−ブチロラクトンのような他のエステル、ならびにメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールおよびベンジルアルコールのような直鎖、分枝鎖、飽和または不飽和であり得るアルコールが挙げられる。液体希釈剤としては、植物種および果物油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、胡麻油、コーン油(トウモロコシ油)、落花生油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ヤシ油およびパーム核油)動物由来脂肪(例えば、牛肉獣脂、豚肉獣脂、ラード、タラ肝油、魚油)ならびにそれらの混合物のような飽和および不飽和脂肪酸(典型的にC〜C22)のグリセリンエステルも挙げられる。液体希釈剤としては、脂肪酸が植物および動物供給源からのグリセリンエステルの加水分解によって得られ、そして蒸留によって精製可能なアルキル化脂肪酸(メチル化、エチル化、ブチル化)も挙げられる。典型的な液体希釈剤は、Marsden、Solvents Guide第2版、Interscience、New York、1950に記載されている。
本発明の固体および液体組成物は、しばしば1種以上の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(「表面活性剤」としても知られている)は、一般に、液体の表面張力を変性、ほとんどの場合低減させる。界面活性剤分子における親水性基および親油性基の性質に応じて、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤または消泡剤として有用であることが可能である。
界面活性剤を、非イオン性、アニオン性またはカチオン性に分類することができる。本組成物のために有用な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが、天然および合成アルコール(分枝鎖であっても直鎖であってもよい)をベースとし、アルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造されるアルコールアルコキシレートのようなアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油および菜種油のようなアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレート(フェノールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物からの製造される)のようなアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから製造されるブロックポリマーおよび末端ブロックがプロピレンオキシドから製造される逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から調製されるものを含む);脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ラノリンベース誘導体、ポリエトキシレートエステル、例えば、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタンエステルのような他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドペグ(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトまたはコームポリマーおよびスターポリマーのようなポリマー界面活性剤;ポリエチレングリコール(ペグ);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベース界面活性剤;ならびにショ糖エステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキルポリサッカリドのような砂糖誘導体も挙げられる。
有用なアニオン性界面活性剤としては、限定されないが、アルキルアリールスルホン酸およびそれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニンおよびリグノスルホネートのようなリグニン誘導体;マレイン酸またはコハク酸またはそれらの無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルのようなホスフェートエステル;タンパク質ベース界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油および脂肪酸のスルフェートおよびスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェートおよびスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N−アルキルタルレートのようなアミンおよびアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびにドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホネート;濃縮ナフタレンのスルホネート;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホネート;分留された石油のスルホネート;スルホスクシネート;ならびにジアルキルスルホスクシネート塩のようなスルホスクシネートおよびそれらの誘導体が挙げられる。
有用なカチオン性界面活性剤としては、限定されないが、アミドおよびエトキシル化アミド;N−アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびおよびプロポキシル化アミン(アミンおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造される)のようなアミン;アミンアセテートおよびジアミン塩のようなアミン塩;四級塩、エトキシル化四級塩およびジ四級塩のような四級アンモニウム塩;ならびにアルキルジメチルアミンオキシドおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシドが挙げられる。
また非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物または非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物も本組成物のために有用である。非イオン性、アニオン性およびカチオン性界面活性剤ならびにそれらの推薦される使用については、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって発行されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;SiselyおよびWood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.,Inc.、New York、1964;ならびにA.S.DavidsonおよびB.Milwidsky、Synthetic Detergents、第7版、John Wiley and Sons、New York、1987を含む様々な公表された文献に開示される。
本発明の組成物はまた、配合補助剤として当業者に公知である配合助剤および添加剤を含有し得る(これらのいくつかは固体希釈剤、液体希釈剤または界面活性剤としても機能するとみなされ得る)。かかる製剤補助材料および添加剤は、pH(緩衝液)、加工間の発泡(ポリオルガノシロキサンのような消泡剤)、活性成分の沈殿(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物の成長(抗微生物剤)、製品の冷凍(不凍液)、着色剤(染料/顔料分散剤)、ウォッシュオフ(フィルムフォーマーまたはステッカー)、蒸発(蒸発抑制剤)ならびに他の製剤特性を制御し得る。フィルムフォーマーとしては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。製剤補助材料および添加剤の例は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって発行されたMcCutcheon’s第2巻:Functional Materials,annual International and North American editions;ならびに国際公開第03/024222号パンフレットに列挙されるものが挙げられる。
式1の化合物およびいずれかの他の有効成分は、典型的には、有効成分を溶剤中に溶解させることにより、または、液体または乾燥希釈剤中で粉砕することにより本組成物中に組み込まれる。成分を単純に混合することにより、乳化可能濃縮物を含む溶液を製造することができる。乳化可能な濃縮物としての使用が意図される液体組成物の溶媒が水非混合性である場合、乳化剤は、典型的に水での希釈時に活性含有溶媒を乳化するために添加される。2,000μmまでの粒径を有する活性成分スラリーはメディアミルを使用して湿式粉砕が可能であり、3μm未満の平均径を有する粒子が得られる。水性スラリーを仕上げられた懸濁液濃縮物へと製造することができ(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと)、または噴霧乾燥によって水分散性顆粒へとさらに加工することができる。乾燥性座位は、通常、乾燥粉砕工程を必要とする。それによって2〜10μm範囲の平均粒径がもたらされる。ブレンドおよび通常、(ハンマーミルまたは流体エネルギーミルなどで)粉砕することにより、ダストおよび粉末を製造することができる。予備形成された顆粒担体上に活性材料を噴霧することにより、または凝集技術により、顆粒およびペレットを製造することができる。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年12月4日、第147〜48頁、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第4版、McGraw−Hill、New York、1963、第8〜57頁以下および国際公開第91/13546号パンフレットを参照のこと。米国特許第4,172,714号明細書に記載されるようにペレットを製造することができる。米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許第3,246,493号明細書に教示されるように水分散性および水溶性顆粒を製造することができる。米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されるようにタブレットを製造することができる。英国特許第2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されるようにフィルムを製造することができる。
製剤の分野に関するさらなる情報に関しては、T.S.Woods、Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food−Environment Challengeにおける「The Formulator’s Toolbox −Product Forms for Modern Agriculture」、T.BrooksおよびT.R.Roberts編、Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999、第120〜133を参照のこと。米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;Klingman、Weed Control as a Science、John Wiley and Sons,Inc、New York、1961、第81〜96頁;Hanceら、Weed Control Handbook、第8版、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989;ならびにDevelopments in formulation technology、PJB Publications、Richmond、UK、2000も参照のこと。
以下の実施例において、全てのパーセントは重量によるものであり、全ての製剤は従来法で製造される。化合物番号は、索引表A〜Bにおける化合物を指す。さらなる詳細がなくても、前述の記載を用いる当業者は本発明を最大限に利用することが可能であると考えられている。以下の実施例は、従って、単なる例示として解釈されるべきであり、かつ、如何様にも開示を制限するものではない。割合は、他に明記されていない限り重量当たりである。
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本発明の化合物は植物病害防除剤として有用である。従って、本発明は、保護されるべき植物もしくはその一部または保護されるべき植物種子に、有効量の本発明の化合物または前記化合物を含む殺菌・殺カビ性組成物を適用する工程を含む菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法をさらに含む。本発明の化合物および/または組成物は、担子菌(Basidiomycete)、子嚢菌(Ascomycete)、卵菌(Oomycete)および不完全菌(Deuteromycete)類の広範囲の菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる病害の防除をもたらす。それらは広範囲の植物病害、特に観葉植物、芝、野菜、圃場、穀類および果実作物の葉面病原体を防除する際に有効である。これらの病原体としては以下が挙げられる:フィトフトラ インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ メガスペルマ(Phytophthora megasperma)、フィトフトラ パラシティカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ シンナモニ(Phytophthora cinnamoni)、およびフィトフトラ カプシシ(Phytophthora capsici)のようなフィトフトラ(Phytophthora)病害;ピシウム アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)のようなピシウム(Pythium)病害;ならびにプラズモパラ ビチコーラ(Plasmopara viticola)、ペロノスポラ(Peronospora)属(ペロノスポラ タバシナ(Peronospora tabacina)およびペロノスポラ パラシティカ(Peronospora parasitica)を含む)、プソイドペロノスポラ(Pseudoperonospora)属(プソイドペロノスポラ クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)を含む)およびブレミナ ラクツカエ(Bremia lactucae)のようなツユカビ(Peronosporaceae)科の病害を含む卵菌;アルタナリア ソラニ(Alternaria solani)およびアルタラニア ブラッシカエ(Alternaria brassicae)のようなアルタナリア(Alternaria)病害;ガイグナルディア ビドウェル(Guignardia bidwell)のようなガイグナルディア(Guignardia)病害;ベンツリア イナエクアリス(Venturia inaequalis)のようなベンツリア(Venturia)病害;セプトリア ノドルム(Septoria nodorum)およびセプトリア トリティシ(Septoria tritici)のようなセプトリア(Septoria)病害;エリシフェ(Erysiphe)属(エリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)およびエリシフェ ポリゴニ(Erysiphe polygoni)を含む)、ウンシヌラ ネカツル(Uncinula necatur)、スファエロテカ フリゲナ(Sphaerotheca fuligena)およびポドスファエラ ルコトリチャ(Podosphaera leucotricha)のようなウドンコ病(powdery mildew)病害;プソイドセルコスポレラ ヘルポトリコイド(Pseudocercosporella herpotrichoides);ボトリティス シネレア(Botytis cinerea)のようなボトリティス(Botrytis)病害;モニリニア フルクティコーラ(Monilinia fructicola);スクレロティニア スクレロティロルム(Sclerotinia sclerotiorum)のようなスクレロティニア(Sclerotinia)病害;マグナポルテ グリセア(Magnaporthe grisea);ホモプシス ビティコーラ(Phomopsis viticola);ヘルミンソスポリウム トリティシ レペンティス(Helminthosporium tritici repentis)のようなヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)病害;ピレノホラ テレス(Pyrenophora teres);グロメレラ(Glomerella)またはコレトトリチュム(Colletotrichum)属(例えばコレトトリチュム グラミニコーラ(Colletotrichum graminicola)およびコレトトリチュム オルビクラレ(Colletotrichum orbiculare))のような炭疽病(anthracnose)病害;ならびにゲーウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)を含む子嚢菌;プッシニア(Puccinia)属(例えば、プッシニア レコンディタ(Puccinia recondita)、プッシニア ストリイフォルミス(Puccinia striiformis)、プッシニア ホルデイ(Puccinia hordei)、プッシニア グラミニス(Puccinia graminis)およびプッシニア アラキディス(Puccinia arachidis))によって引き起こされるさび(rust)病害;ヘミレイア バスタトリクス(Hemileia vastatrix);ならびにファコプソラ パチリジ(Phakopsora pachyrhizi);リゾコトニア(Rhizoctonia)属(例えば、リゾコトニア ソラニ(Rhizoctonia solani));フザリウム ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム グラミネアルム(Fusarium graminearum)、およびフザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)のようなフザリウム(Fusarium)病害;ベルティシリウム ダーリエア(Verticillium dahliae);スクレロティウム ロルフィシ(Sclerotium rolfsii);リンコスポリウム セカリス(Rynchosporium secalis);セルコスポリジウム ペルソナツム(Cercosporidium personatum)、セルコスポラ アラキディコーラ(Cercospora arachidicola)およびセルコスポラ ベティコーラ(Cercospora beticola)を含む他の病原体;ならびにこれらの病原体に密接に関連する他の属および種。それらの殺菌・殺カビ活性に加えて、組成物または組み合わせは、エルウィニア アミロボラ(Erwinia amylovora)、キサントモナス カムペストリス(Xanthomonas campestris)、プソイドモナス シリンガエ(Pseudomonas syringae)、および他の関連種のようなバクテリアに対しても活性を有する。
植物病害防除は通常、感染の前または後のいずれかに、根、茎、葉、果実、種子、塊茎または球根のような保護されるべき植物の一部に、あるいは保護されるべき植物が成長している培地(土壌または砂)に、有効量の本発明の化合物を適用することによって達成される。化合物を種子に適用して種子および種子から発芽する実生を保護することもできる。また植物の治療のため、化合物を灌漑水を通して適用することもできる。
これらの化合物の適用率は多くの環境要因により影響され得、かつ実際の使用条件下で決定されなければならない。活性成分約1g/ha未満から約5,000g/haの率で処理する場合、通常、葉面を保護することができる。種子1キログラムに対して約0.1gから約10gの率で処理する場合、通常、種子および実生を保護することができる。
本発明の化合物はまた、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、除草剤毒性緩和剤、昆虫脱皮阻害剤および発根促進剤などの成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、植物栄養分、他の生物学的に有効な成分、または、昆虫病原性バクテリア、ウイルスもしくは真菌を含む1種または複数種の他の生物学的に有効な成分または薬剤と混合されて、さらに広い範囲の農学的保護をもたらす多成分有害生物防除剤を形成することが可能である。それ故、本発明はまた、殺菌・殺カビ的に有効な量の式1の化合物、ならびに、生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に有効な成分または薬剤を含む組成物に関し、さらに、少なくとも1種の界面活性剤、固体希釈剤または液体希釈剤を含むことが可能である。他の生物学的に有効な成分または薬剤は、界面活性剤、固体または液体希釈剤の少なくとも1種を含む組成物に配合されることが可能である。本発明の混合物について、1種または複数種の他の生物学的に有効な成分または薬剤を式1の化合物と一緒に配合して予混合物を形成することが可能であり、または、1種または複数種他の生物学的に有効な成分または薬剤を式1の化合物とは個別に配合して、この配合物を適用の前に一緒に混合すること(例えば、噴霧タンク中で)、または、代替的に、順次に適用することが可能である。
注目すべきは、式1の化合物に追加して、クラス(1)メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌・殺カビ剤;(2)ジカルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(3)脱メチル化抑制(DMI)殺菌・殺カビ剤;(4)フェニルアミド殺菌・殺カビ剤;(5)アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤;(6)リン脂質生合成抑制殺菌・殺カビ剤;(7)カルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(8)ヒドロキシ(2−アミノ−)ピリミジン殺菌・殺カビ剤;(9)アニリノピリミジン殺菌・殺カビ剤;(10)N−フェニルカルバメート殺菌・殺カビ剤;(11)キノン外部阻害(QoI)殺菌・殺カビ剤;(12)フェニルピロール殺菌・殺カビ剤;(13)キノリン殺菌・殺カビ剤;(14)脂質過酸化抑制殺菌・殺カビ剤;(15)メラニン生合成抑制−レダクターゼ(MBI−R)殺菌・殺カビ剤;(16)メラニン生合成抑制−デヒドラターゼ(MBI−D)殺菌・殺カビ剤;(17)ヒドロキシアニリド殺菌・殺カビ剤;(18)スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤;(19)ポリオキシン殺菌・殺カビ剤;(20)フェニル尿素殺菌・殺カビ剤;(21)キノン内部阻害(QiI)殺菌・殺カビ剤;(22)ベンズアミド殺菌・殺カビ剤;(23)エノピラヌロン酸抗菌性殺菌・殺カビ剤;(24)ヘキソピラノシル抗菌性殺菌・殺カビ剤;(25)グルコピラノシル抗菌性:タンパク質合成殺菌・殺カビ剤;(26)グルコピラノシル抗菌性:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌・殺カビ剤;(27)シアノアセタミドオキシム殺菌・殺カビ剤;(28)カルバメート殺菌・殺カビ剤;(29)酸化性リン酸化脱共役殺菌・殺カビ剤;(30)有機錫殺菌・殺カビ剤;(31)カルボン酸殺菌・殺カビ剤;(32)芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤;(33)ホスホネート殺菌・殺カビ剤;(34)フタルアミド酸殺菌・殺カビ剤;(35)ベンゾトリアジン殺菌・殺カビ剤;(36)ベンゼン−スルホンアミド殺菌・殺カビ剤;(37)ピリダジノン殺菌・殺カビ剤;(38)チオフェン−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(39)ピリミジンアミド殺菌・殺カビ剤;(40)カルボン酸アミド(CAA)殺菌・殺カビ剤;(41)テトラサイクリン抗菌性殺菌・殺カビ剤;(42)チオカルバメート殺菌・殺カビ剤;(43)ベンズアミド殺菌・殺カビ剤;(44)宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤;(45)多部位接触活性殺菌・殺カビ剤;(46)クラス(1)〜(45)以外の殺菌・殺カビ剤;ならびに、クラス(1)〜(46)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ性化合物を含む組成物である。
これらのクラスの殺菌・殺カビ性化合物のさらなる記載が以下に供されている。
(1)「メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード1)は、微小管会合の最中にβ−チューブリンに結合することにより有糸***を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞***、細胞内での輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。メチルベンズイミダゾールカルバメート殺菌・殺カビ剤としては、ベンズイミダゾールおよびチオファネート殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ベンズイミダゾールとしては、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾールおよびチアベンダゾールが挙げられる。チオファネートとしては、チオファネートおよびチオファネート−メチルが挙げられる。
(2)「ジカルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード2)は、NADHチトクロムcレダクターゼへの干渉を介して真菌における脂質過酸化を阻害すると提言されている。例としては、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドンおよびビンクロゾリンが挙げられる。
(3)「脱メチル化抑制(DMI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード3)は、ステロール産生に関与するC14−デメチラーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールがメンブラン構造および機能のために必要とされ、これにより、機能性細胞壁の発達のために必須とされている。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的には死滅をもたらす。DMI殺菌・殺カビ剤は、数々の化学的クラスに分類される:アゾール(トリアゾールおよびイミダゾールを含む)、ピリミジン、ピペラジンおよびピリジン。トリアゾールとしては、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール−Mを含む)、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾールおよびウニコナゾールが挙げられる。イミダゾールとしては、クロトリマゾール、イマザリル、オキスポコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエートおよびトリフルミゾールが挙げられる。ピリミジンとしては、フェナリモルおよびヌアリモルが挙げられる。ピペラジンとしては、トリホリンが挙げられる。ピリジンとしては、ピリフェノックスが挙げられる。生化学的研究は、K.H.Kuckらにより、Modern Selective Fungicides−Properties,Applications and Mechanisms of Action,H.Lyr(編),Gustav Fischer Verlag:New York,1995年,205〜258ページに記載されている上述の殺菌・殺カビ剤のすべてがDMI殺菌・殺カビ剤であることを示した。
(4)「フェニルアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード4)は、卵菌真菌におけるRNAポリメラーゼの特定的抑制剤である。これらの殺菌・殺カビ剤に露出された感受性真菌は、ウリジンをrRNAに組み込む能力の低下を示す。感受性の真菌の成長および発生は、このクラスの殺菌・殺カビ剤への露出により妨げられる。フェニルアミド殺菌・殺カビ剤としては、アシルアラニン、オキサゾリジノンおよびブチロラクトン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。アシルアラニンとしては、ベナラキシル、ベナラキシル−M、フララキシル、メタラキシルおよびメタラキシル−M/メフェノキサムが挙げられる。オキサゾリジノンとしては、オキサジキシルが挙げられる。ブチロラクトンとしては、オフレースが挙げられる。
(5)「アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード5)は、ステロール生合成経路、Δ→ΔイソメラーゼおよびΔ14レダクターゼにおける2つの標的部位を阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜構造および機能のために必要であり、これにより、機能性細胞壁の発達のために必須とされている。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的には死滅をもたらす。アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤(非DMIステロール生合成抑制剤としても公知である)としては、モルホリン、ピペリジンおよびスピロケタール−アミン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。モルホリンとしては、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフおよびトリモルファミドが挙げられる。ピペラジンとしては、フェンプロピジンおよびピペラリンが挙げられる。スピロケタール−アミンとしては、スピロキサミンが挙げられる。
(6)「リン脂質生合成抑制剤殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード6)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。リン脂質生合成殺菌・殺カビ剤としては、ホスホロチオレートおよびジチオラン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ホスホロチオレートとしては、エディフェンホス、イプロベンホスおよびピラゾホスが挙げられる。ジチオランとしては、イソプロチオランが挙げられる。
(7)「カルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード7)は、クレブス回路(TCA回路)における重要な酵素、すなわち、琥珀酸塩脱水素酵素を撹乱することにより、複合体II(琥珀酸塩脱水素酵素)真菌の呼吸を阻害する。呼吸の阻害は真菌類のATP形成を妨げ、それ故、成長および繁殖を阻害する。カルボキサミド殺菌・殺カビ剤としては、ベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾールカルボキサミドおよびピリジンカルボキサミドが挙げられる。ベンズアミドとしては、ベノダニル、フルトラニルおよびメプロニルが挙げられる。フランカルボキサミドとしては、フェンフラムが挙げられる。オキサチインカルボキサミドとしては、カルボキシンおよびオキシカルボキシンが挙げられる。チアゾールカルボキサミドとしては、チフルザミドが挙げられる。ピラゾールカルボキサミドとしては、フラメトピル、ペンチオピラド、ビキサフェン、N−[2−(1S,2R)−[1,1’−ビシクロプロピル]−2−イルフェニル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドおよびN−[2−(1,3−ジメチル−ブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドが挙げられる。ピリジンカルボキサミドとしては、ボスカリドが挙げられる。
(8)「ヒドロキシ(2−アミノ−)ピリミジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード8)は、アデノシンデアミナーゼに干渉することにより核酸合成を阻害する。例としては、ブピリメート、ジメチリモールおよびエチリモールが挙げられる。
(9)「アニリノピリミジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害すると共に、感染の最中に植物細胞を溶解する加水分解酵素の分泌を撹乱すると提案されている。例としては、シプロジニル、メパニピルムおよびピリメタニルが挙げられる。
(10)「N−フェニルカルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード10)は、β−チューブリンに結合すると共に微小管会合を撹乱することにより有糸***を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞***、細胞内での輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。例としては、ジエトフェンカルブが挙げられる。
(11)「キノン外部阻害剤(QoI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード11)は、ユビキノールオキシダーゼに作用することにより真菌における複合体IIIミトコンドリアの呼吸を阻害する。ユビキノールの酸化は、真菌の内部ミトコンドリア膜内に位置されているチトクロムbc複合体の「キノン外部」(Q)部位でブロックされる。ミトコンドリアの呼吸の阻害は真菌の正常な成長および発生を妨げる。キノン外部阻害剤殺菌・殺カビ剤(ストロビルリン殺菌・殺カビ剤としても公知である)としては、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、オキシミノアセテート、オキシミノアセタミド、オキサゾリジンジオン、ジヒドロジオキサジン、イミダゾリノンおよびベンジルカルバメート殺菌・殺カビ剤が挙げられる。メトキシアクリレートとしては、アゾキシストロビン、エネストロビン(SYP−Z071)およびピコキシストロビンが挙げられる。メトキシカルバメートとしては、ピラクロストロビンが挙げられる。オキシミノアセテートとしては、クレソキシム−メチルおよびトリフロキシストロビンが挙げられる。オキシミノアセタミドとしては、ジモキシストロビン、メトミノストロビン、オリザストロビン、α−[メトキシイミノ]−N−メチル−2−[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]−イミノ]−メチル]−ベンゼンアセタミドおよび2−[[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチル−2−プロペン−1−イリデン]−アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチルベンゼンアセタミドが挙げられる。オキサゾリジン−ジオンとしては、ファモキサドンが挙げられる。ジヒドロジオキサジンとしては、フルオキサストロビンが挙げられる。イミダゾリノンとしては、フェンアミドンが挙げられる。ベンジルカルバメートとしては、ピリベンカルブが挙げられる。
(12)「フェニルピロール殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード12)は、真菌における浸透圧シグナル伝達系に関連するMAPタンパク質キナーゼを阻害する。フェンピクロニルおよびフルジオキソニルがこの殺菌・殺カビ剤クラスの例である。
(13)「キノリン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード13)は、初期細胞シグナリングにおけるG−タンパク質に作用することによりシグナル伝達を阻害すると提案されている。これらは、ウドンコ病の原因となる真菌における発芽および/または付着器形成に干渉すると見られている。キノキシフェンが、このクラスの殺菌・殺カビ剤の例である。
(14)「脂質過酸化抑制剤殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード14)は、真菌における膜合成に作用する脂質過酸化を阻害すると提案されている。エトリジアゾールなどのこのクラスの構成要素はまた、呼吸およびメラニン生合成などの他の生物学的プロセスにも作用し得る。脂質過酸化殺菌・殺カビ剤としては、芳香族炭素および1,2,4−チアジアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。芳香族炭素殺菌・殺カビ剤としては、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼンおよびトルコホス−メチルが挙げられる。1,2,4−チアジアゾール殺菌・殺カビ剤としては、エトリジアゾールが挙げられる。
(15)「メラニン生合成抑制剤−レダクターゼ(MBI−R)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード16.1)は、メラニン生合成におけるナフタレン還元ステップを阻害する。メラニンは、ある種の真菌によって宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成抑制剤−レダクターゼ殺菌・殺カビ剤としては、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノンおよびトリアゾロベンゾチアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。イソベンゾフラノンとしては、フサライドが挙げられる。ピロロキノリノンとしては、ピロキロンが挙げられる。トリアゾロベンゾチアゾールとしては、トリシクラゾールが挙げられる。
(16)「メラニン生合成抑制剤−デヒドラターゼ(MBI−D)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード16.2)は、メラニン生合成におけるシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンは、ある種の真菌によって宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成抑制剤−デヒドラターゼ殺菌・殺カビ剤としては、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミドおよびプロピオンアミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。シクロプロパンカルボキサミドとしては、カプロパミドが挙げられる。カルボキサミドとしては、ジクロシメットが挙げられる。プロピオンアミドとしては、フェノキサニルが挙げられる。
(17)「ヒドロキシアニリド殺菌・殺カビ剤(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード17)は、ステロール産生に関与するC4−デメチラーゼを阻害する。例としては、フェンヘキサミドが挙げられる。
(18)「スクアレン−エポキシダーゼ抑制剤殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード18)は、エルゴステロール生合成経路におけるスクアレン−エポキシダーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜構造および機能のために必要であり、これにより、機能性細胞壁の発達のために必須とされている。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的には死滅をもたらす。スクアレン−エポキシダーゼ抑制剤殺菌・殺カビ剤としては、チオカルバメートおよびアリルアミン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。チオカルバメートとしては、ピリブチカルブが挙げられる。アリルアミンとしては、ナフチフィンおよびテルビナフィンが挙げられる。
(19)「ポリオキシン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード19)は、キチンシンターゼを阻害する。例としては、ポリオキシンが挙げられる。
(20)「フェニル尿素殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード20)は、細胞***に作用すると提案されている。例としては、ペンシクロンが挙げられる。
(21)「キノン内部阻害(QiI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード21)は、ユビキノールレダクターゼに作用することにより真菌における複合体IIIミトコンドリアの呼吸を阻害する。ユビキノールの還元は、真菌の内部ミトコンドリア膜内に位置されているチトクロムbc複合体の「キノン内部」(Q)部位でブロックされる。ミトコンドリアの呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発生を妨げる。キノン内部阻害殺菌・殺カビ剤としては、シアノイミダゾールおよびスルファモイルトリアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。シアノイミダゾールとしては、シアゾファミドが挙げられる。スルファモイルトリアゾールとしては、アミスルブロムが挙げられる。
(22)「ベンズアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード22)は、β−チューブリンに結合すると共に微小管会合を撹乱することにより有糸***を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞***、細胞内での輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。例としては、ゾキサミドが挙げられる。
(23)「エノピラヌロン酸抗菌性殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード23)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、ブラストサイジン−Sが挙げられる。
(24)「ヘキソピラノシル抗菌性殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード24)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、カスガマイシンが挙げられる。
(25)「グルコピラノシル抗菌性:タンパク質合成殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード25)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、ストレプトマイシンが挙げられる。
(26)「グルコピラノシル抗菌性:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード26)は、イノシトール生合成経路におけるトレハラーゼを阻害する。例としては、バリダマイシンが挙げられる。
(27)「シアノアセタミドオキシム殺菌・殺カビ剤(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード27)としてはシモキサニルが挙げられる。
(28)「カルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード28)は、真菌の成長の多部位抑制剤であるとみなされる。これらは、細胞膜における脂肪酸の合成に干渉し、次いで、細胞膜浸透性を撹乱すると提案されている。プロパマカルブ、塩酸プロパマカルブ、ヨードカルブ、およびプロチオカルブがこの殺菌・殺カビ剤クラスの例である。
(29)「酸化性リン酸化脱共役殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード29)は、脱共役酸化性リン酸化により真菌の呼吸を阻害する。呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発生を妨げる。このクラスとしては、フルアジナムなどの2,6−ジニトロアニリン、フェリムゾンなどのピリミドンヒドラダゾン、ならびに、ジノカップ、メプチルジノカップおよびビナパクリルなどのクロトン酸ジニトロフェニルが挙げられる。
(30)「有機錫殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード30)は、酸化性リン酸化経路におけるアデノシン三リン酸(ATP)シンターゼを阻害する。例としては、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズおよびトリフェニルスズヒドロキシドが挙げられる。
(31)「カルボン酸殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼタイプII(ギラーゼ)に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、オキソリン酸が挙げられる。
(32)「芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に作用すると提案されている。芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤としては、イソオキサゾールおよびイソチアゾロン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。イソキサゾールとしてはヒメキサゾールが挙げられると共に、イソチアゾロンとしてはオクチリノンが挙げられる。
(33)「ホスホネート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード33)としては、リン酸、および、ホセチル−アルミニウムを含むその種々の塩が挙げられる。
(34)「フタルアミド酸殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード34)としては、テクロフタラムが挙げられる。
(35)「ベンゾトリアジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード35)としては、トリアゾキシドが挙げられる。
(36)「ベンゼン−スルホンアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード36)としては、フルスルファミドが挙げられる。
(37)「ピリダジノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード37)としては、ジクロメジンが挙げられる。
(38)「チオフェン−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード38)は、ATP産生に作用すると提案されている。例としては、シルチオファムが挙げられる。
(39)「ピリミジンアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード39)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害すると共に、ジフルメトリンを含む。
(40)「カルボン酸アミド(CAA)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード40)は、リン脂質生合成および細胞壁沈着を阻害すると提案されている。これらのプロセスの阻害は、目標真菌類の成長を妨げて死をもたらす。カルボン酸アミド殺菌・殺カビ剤としては、桂皮酸アミド、バリンアミドカルバメートおよびマンデル酸アミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。桂皮酸アミドとしては、ジメトモルフおよびフルモルフが挙げられる。バリンアミドカルバメートとしては、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、イプロバリカルブおよびバリフェナルが挙げられる。マンデル酸アミドとしては、マンジプロパミド、N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドおよびN−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドが挙げられる。
(41)「テトラサイクリン抗菌性殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード41)は、複合体1ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)オキシドレダクターゼに作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、オキシテトラサイクリンが挙げられる。
(42)「チオカルバメート殺菌・殺カビ剤(b42)」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード42)としては、メタスルホカルブが挙げられる。
(43)「ベンズアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化により真菌の成長を阻害する。例としては、フルオピコリドおよびフルオピラム(fluopyram)などのアシルピコリド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。
(44)「宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードP)は、宿主植物防御メカニズムを誘起する。宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤としては、ベンゾ−チアジアゾール、ベンズイソチアゾールおよびチアジアゾール−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ベンゾ−チアジアゾールとしては、アシベンゾラル−S−メチルが挙げられる。ベンズイソチアゾールとしては、プロベナゾールが挙げられる。チアジアゾール−カルボキサミドとしては、チアジニルおよびイソチアニルが挙げられる。
(45)「多部位接触殺菌・殺カビ剤」は、多数の作用部位を介して真菌性の成長を阻害すると共に、接触/予防活性を有する。このクラスの殺菌・殺カビ剤としては:(45.1)「銅殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM1)」、(45.2)「硫黄殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM2)、(45.3)「ジチオカルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM3)、(45.4)「フタルイミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM4)、(45.5)「クロロニトリル殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM5)、(45.6)「スルファミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM6)、(45.7)「グアニジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM7)、(45.8)「トリアジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM8)および(45.9)「キノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM9)が挙げられる。「銅殺菌・殺カビ剤」は、銅を、典型的には銅(II)酸化状態で含有する無機化合物であり;例としては、オキシ塩化銅、硫酸銅および水酸化銅が挙げられ、ボルドー液(三塩基性硫酸銅)などの組成物が含まれる。「硫黄殺菌・殺カビ剤」は、硫黄原子の環または鎖を含有する無機化学物質であり;例としては、元素硫黄が挙げられる。「ジチオカルバメート殺菌・殺カビ剤」はジチオカルバメート分子部分を含有し;例としては、マンコゼブ、メチラム、プロピネブ、フェルバム、マンネブ、チラム、ジネブおよびジラムが挙げられる。「フタルイミド殺菌・殺カビ剤」はフタルイミド分子部分を含有し;例としては、ホルペット、キャプタンおよびカプタホールが挙げられる。「クロロニトリル殺菌・殺カビ剤」はクロロおよびシアノで置換された芳香族環を含有し;例としてはクロロタロニルが挙げられる。「スルファミド殺菌・殺カビ剤」としては、ジクロフルアニドおよびトリフルアニドが挙げられる。「グアニジン殺菌・殺カビ剤」としては、ドジン、グアザチン、イミノクタジンアルベシレートおよびイミノクタジントリアセテートが挙げられる。「トリアジン殺菌・殺カビ剤」としては、アニラジンが挙げられる。「キノン殺菌・殺カビ剤」としては、ジチアノンが挙げられる。
(46)「クラス(1)〜(45)の殺菌・殺カビ剤以外の殺菌・殺カビ剤」としては、作用機構が未知であり得る一定の殺菌・殺カビ剤が挙げられる。これらとしては:(46.1)「チアゾールカルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU5)、(46.2)「フェニル−アセトアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU6)、(46.3)「キナゾリノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU7)および(46.4)「ベンゾフェノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU8)が挙げられる。チアゾールカルボキサミドとしては、エタボキサムが挙げられる。フェニル−アセタミドとしては、シフルフェナミドおよびN−[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]−メチレン]ベンゼンアセタミドが挙げられる。キナゾリノンとしては、プロキナジドおよび2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−1−ベンゾピラン−4−オンが挙げられる。ベンゾフェノンとしては、メトラフェノンが挙げられる。(b46)クラスとしてはまた、ベトキサジン、ネオアソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ピロールニトリン、キノメチオネート、N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシ−フェニル]−エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N−[2−[4−[[3−(4−クロロ−フェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(エチルスルホニル)−アミノ]−ブタンアミド、2−[[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−2−[3−(2−メトキシフェニル)−2−チアゾ−リジニルリデン]アセトニトリル、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチル−3−イソキサゾリジニル]ピリジン、4−フルオロ−フェニルN−[1−[[[1−(4−シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−[[(シクロプロピル−メトキシ)−アミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセタミド、N’−[4−[4−クロロ−3−(トリフルオロ−メチル)フェノキシ]−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチル−メタンイミド−アミドおよび1−[(2−プロペニルチオ)カルボニル]−2−(1−メチルエチル)−4−(2−メチルフェニル)−5−アミノ−1H−ピラゾール−3−オンが挙げられる。
従って、注目すべきは、式1の化合物、および、上記のクラス(1)〜(46)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む混合物(すなわち組成物)である。また、注目すべきは、前記混合物(殺菌・殺カビ的に有効な量で)を含むと共に、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分をさらに含む組成物である。特に注目すべきは、式1の化合物と、クラス(1)〜(46)に関連して上記に列挙された特定の化合物の群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ性化合物とを含む混合物(すなわち組成物)である。また、特に注目すべきは、前記混合物(殺菌・殺カビ的に有効な量で)を含むと共に、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の界面活性剤をさらに含む組成物である。
本発明の化合物を配合することが可能である他の生物学的に有効な成分または薬剤の例は:アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アミドフルメト(S−1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)−カルボニル]−フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、ブプロフェジン、カルボフラン、カルタップ、クロラントラニリプロール(DPX−E2Y45)、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロマフェノジド、クロチアニジン、シフルメトフェン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、τ−フルバリネート、フルフェネリム(UR−50701)、フルフェノクスロン、ホノホス、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン(XDE−007)、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカーブ、プロフェノホス、プロフルトリン、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(BSN2060)、スピロテトラマト、スルプロホス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ−ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホンおよびトリフルムロンなどの殺虫剤;ならびに、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis subsp.aizawai)、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)、および、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の被包性デルタエンドトキシンなどの昆虫病原性バクテリアを含む生物剤(例えば、Cellcap、MPV、MPVII);グリーンムスカリン菌などの昆虫病原性菌;ならびに、バキュロウイルスを含む昆虫病原性ウイルス、HzNPV、AfNPVなどの核多核体ウイルス(NPV);ならびに、CpGVなどの顆粒病ウイルス(GV)である。
本発明の化合物およびその組成物を、有害無脊椎生物に対するタンパク質毒性(バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシンなど)を発現するように遺伝的に形質転換された植物に適用することができる。外因的に適用された本発明の殺菌・殺カビ性化合物の効果は、発現された毒素タンパク質と相乗的であり得る。
農学的保護剤(すなわち殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、除草剤および生物学的薬剤)に関する一般的な文献としては、The Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、British Crop Protection Council(Farnham,Surrey、U.K.)、2003年およびThe BioPesticide Manual、第2版、L.G.Copping編、British Crop Protection Council(Farnham,Surrey、U.K.)、2001年が挙げられる。
これらの種々の混合相手の1種または複数種が用いられる実施形態については、これらの種々の混合相手(合計)対式1の化合物の重量比は、典型的には、約1:3000〜約3000:1である。注目すべきは、約1:300〜約300:1(例えば、約1:30〜約30:1の比)の重量比である。当業者は、単純な実験を通して、所望の生物学的活性範囲のために必要な有効成分の生物学的に有効な量を容易に判定することが可能である。これらの追加の成分を含むことで、防除される病害の範囲を、式1の化合物単独で防除される範囲を超えて拡大し得ることが明らかであろう。
一定の事例において、本発明の化合物と他の生物学的に有効な(特に殺菌・殺カビ性)成分または薬剤(すなわち有効成分)との組み合わせは、相加的を超える(すなわち相乗的)効果をもたらすことが可能である。効果的な有害生物の防除を確保しつつ環境中に放出される有効成分の量を低減することが常に望ましい。殺菌・殺カビ性有効成分の相乗作用が農業経済学的に充分なレベルの真菌性防除をもたらす施用量で生じる場合、このような組み合わせは、作物生産費用の削減および環境的負荷の低減に有利であることが可能である。
注目すべきは、式1の化合物と少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ性有効成分との組み合わせである。特に注目すべきは、他の殺菌・殺カビ性有効成分が式1の化合物とは異なる作用部位を有するような組み合わせである。一定の事例において、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ性有効成分との組み合わせが、耐性管理に関して特に有利であろう。それ故、本発明の組成物は、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の追加の殺菌・殺カビ性有効成分を生物学的に有効な量でさらに含むことが可能である。
特に注目すべきは、式1の化合物に追加して、(1)アルキレンビス(ジチオカルバメート)殺菌・殺カビ剤;(2)シモキサニル;(3)フェニルアミド殺菌・殺カビ剤;(4)ピリミジノン殺菌・殺カビ剤;(5)クロロタロニル;(6)真菌性ミトコンドリア呼吸系電子移動部位の複合体IIで作用するカルボキサミド;(7)キノキシフェン;(8)メトラフェノン;(9)シフルフェナミド;(10)シプロジニル;(11)銅化合物;(12)フタルイミド殺菌・殺カビ剤;(13)ホセチル−アルミニウム;(14)ベンズイミダゾール殺菌・殺カビ剤;(15)シアゾファミド;(16)フルアジナム;(17)イプロバリカルブ;(18)プロパモカルブ;(19)バリダマイシン;(20)ジクロロフェニルジカルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(21)ゾキサミド;(22)フルオピコリド;(23)マンジプロパミド;(24)リン脂質生合成および細胞壁沈着に作用するカルボン酸アミド;(25)ジメトモルフ;(26)非DMIステロール生合成抑制剤;(27)ステロール生合成におけるデメチラーゼの抑制剤;(28)bc複合体殺菌・殺カビ剤;ならびに、(1)〜(28)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物である。
殺菌・殺カビ性化合物のクラスのさらなる記載が以下になされている。
ピリミジノン殺菌・殺カビ剤(群(4))としては、式A1の化合物
Figure 2012503659
が挙げられ、式中、Mは縮合フェニル、チオフェンまたはピリジン環を形成し;R11はC〜Cアルキルであり;R12はC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;R13はハロゲンであり;ならびに、R14は水素またはハロゲンである。
ピリミジノン殺菌・殺カビ剤は、国際公開第94/26722号パンフレットおよび米国特許第6,066,638号明細書、同第6,245,770号明細書、同第6,262,058号明細書および同第6,277,858号明細書に記載されている。注目すべきは、群:6−ブロモ−3−プロピル−2−プロピルオキシ−4(3H)−キナゾリノン、6,8−ジヨード−3−プロピル−2−プロピルオキシ−4(3H)−キナゾリノン、6−ヨード−3−プロピル−2−プロピルオキシ−4(3H)−キナゾリノン(プロキナジド)、6−クロロ−2−プロポキシ−3−プロピル−チエノ−[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−ブロモ−2−プロポキシ−3−プロピルチエノ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、7−ブロモ−2−プロポキシ−3−プロピルチエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6−ブロモ−2−プロポキシ−3−プロピルピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、6,7−ジブロモ−2−プロポキシ−3−プロピル−チエノ−[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン、および3−(シクロプロピルメチル)−6−ヨード−2−(プロピル−チオ)−ピリド−[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オンから選択されるピリミジノン殺菌・殺カビ剤である。
ステロール生合成抑制剤(群(27))は、ステロール生合成経路において酵素を阻害することにより真菌を防除する。デメチラーゼ−阻害殺菌・殺カビ剤は、真菌におけるステロールへの前駆体であるラノステロールまたは24−メチレンジヒドロラノステロールの14位での脱メチル化の阻害が関与する、共通の作用部位を真菌性ステロール生合成経路において有する。この部位で作用する化合物は、度々、デメチラーゼ抑制剤、DMI殺菌・殺カビ剤、またはDMIと称される。デメチラーゼ酵素は、時々、生化学文献においては、チトクロムP−450(14DM)を含む他の名称で称される。デメチラーゼ酵素は、例えば、J.Biol.Chem.1992年,267,13175〜79ページおよびその中で引用されている文献中に記載されている。DMI殺菌・殺カビ剤は、数々の化学的クラスに分類される:アゾール(トリアゾールおよびイミダゾールを含む)、ピリミジン、ピペラジンおよびピリジン。トリアゾールとしては、アザコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール−Mを含む)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾールおよびウニコナゾールが挙げられる。イミダゾールとしては、クロトリマゾール、エコナゾール、イマザリル、イソコナゾール、ミコナゾール、オキスポコナゾール、プロクロラズおよびトリフルミゾールが挙げられる。ピリミジンとしては、フェナリモル、ヌアリモルおよびトリアリモルが挙げられる。ピペラジンとしては、トリホリンが挙げられる。ピリジンとしては、ブチオベートおよびピリフェノックスが挙げられる。生化学的研究が、上述の殺菌・殺カビ剤のすべてが、Modern Selective Fungicides−Properties,Applications and Mechanisms of Action,H.Lyr(編),Gustav Fischer Verlag:New York,1995年,205〜258ページにおいてK.H.Kuckらによって記載されているDMI殺菌・殺カビ剤であることを示した。
bc複合体殺菌・殺カビ剤(群28)は、ミトコンドリア呼吸鎖におけるbc複合体を阻害する殺菌・殺カビ性作用機構を有する。このbc複合体は、度々、生化学文献においては、電子移動鎖の複合体III、およびユビヒドロキノン:チトクロムcオキシドレダクターゼを含む他の名称によって称される。この複合体は、酵素番号(Enzyme Commission number)EC1.10.2.2によって固有に識別される。bc複合体は、例えば、J.Biol.Chem.、1989年、264、14543〜48ページ;Methods Enzymol.、1986年、126、253〜71ページ;ならびにその中で引用されている文献に記載されている。アゾキシストロビン、ジモキシストロビン、エネストロビン(SYP−Z071)、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリザストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビンおよびトリフロキシストロビンなどのストロビルリン殺菌・殺カビ剤が、この作用機構を有することで知られている(H.Sauterら、Angew.Chem.Int.Ed.、1999年、38、1328〜1349ページ)。ミトコンドリア呼吸鎖におけるbc複合体を阻害する他の殺菌・殺カビ性化合物としては、ファモキサドンおよびフェンアミドンが挙げら
れる。
アルキレンビス(ジチオカルバメート)(群(1))としては、マンコゼブ、マンネブ、プロピネブおよびジネブなどの化合物が挙げられる。フェニルアミド(群(3))としては、メタラキシル、ベナラキシル、フララキシルおよびオキサジキシルなどの化合物が挙げられる。カルボキサミド(群(6))としては、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、チフルザミド、ペンチオピラドおよびN−[2−(1,3−ジメチル−ブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(国際公開第2003/010149号パンフレット)などの化合物が挙げられると共に、これらは、呼吸系電子移動鎖における複合体II(琥珀酸塩脱水素酵素)を撹乱させることによりミトコンドリアの機能を阻害すると知られている。銅化合物(群(11))としては、ボルドー液(三塩基性硫酸銅)などの組成物を含む、オキシ塩化銅、硫酸銅および水酸化銅などの化合物が挙げられる。フタルイミド(群(12))としては、ホルペットおよびキャプタンなどの化合物が挙げられる。ベンズイミダゾール殺菌・殺カビ剤(群(14))としては、ベノミルおよびカルベンダジムが挙げられる。ジクロロフェニルジカルボキサミド殺菌・殺カビ剤(群(20))としては、クロゾリネート、ジクロゾリン、イプロジオン、イソバレジオン、ミクロゾリン、プロシミドンおよびビンクロゾリンが挙げられる。
非DMIステロール生合成抑制剤(群(26))としては、モルホリンおよびピペリジン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。モルホリンおよびピペラジンは、DMIステロール生合成(群(27))によって達成される阻害よりも遅れてステロール生合成経路におけるステップを阻害すると示されているステロール生合成抑制剤である。モルホリンとしては、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフおよびトリモルファミドが挙げられる。ピペラジンとしては、フェンプロピジンが挙げられる。
さらに注目すべきは、式1の化合物と、アゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、トリフロキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン/フェノミノストロビン、カルベンダジム、クロロタロニル、キノキシフェン、メトラフェノン、シフルフェナミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリチコナゾール、ファモキサドン、プロクロラズ、ペンチオピラドおよびボスカリド(ニコビフェン)との組み合わせである。
本発明の化合物と、群:アゾキシストロビン、クレソキシム−メチル、トリフロキシストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン/フェノミノストロビン、キノキシフェン、メトラフェノン、シフルフェナミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルシラゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリチコナゾール、ファモキサドンおよびペンチオピラドから選択される殺菌・殺カビ剤との混合物が、真菌性植物病原体によって引き起こされる植物病害のより良好な防除(例えば、より低い使用割合または防除される植物病原体のより幅広い範囲)または耐性管理に好ましい。特に好ましい混合物(化合物番号は、索引表A中の化合物を指す)は、以下の群から選択される:化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とアゾキシストロビンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とクレソキシム−メチルとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とトリフロキシストロビンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とピコキシストロビンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とジモキシストロビンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とメトミノストロビン/フェノミノストロビンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とキノキシフェンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とメトラフェノンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とシフルフェナミドとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とフェンプロピジンとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とフェンプロピモルフとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とシプロコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とエポキシコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とフルシラゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とメトコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とプロピコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とプロキナジドとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とプロチオコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とテブコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とトリチコナゾールとの組み合わせ、化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とファモキサドンとの組み合わせ、および化合物2、化合物7、化合物9、化合物15、化合物18、化合物24、化合物25、化合物26、化合物28、化合物30、化合物31、化合物35、化合物36または化合物37とペ
ンチオピラドとの組み合わせ。
有効な防除に必要な適用量(すなわち「生物学的に有効な量」)は、防除される植物病害、場所、時季、宿主作物、周囲水分、温度等などの要因に応じることとなる。当業者は、単純な実験を通して、所望のレベルの植物病害防除に必要な生物学的に有効な量を容易に判定することが可能である。
以下のテストは、特定の病原体に対する本発明の化合物の防除効力を実証する。しかしながら、化合物によって得られる病原体防除保護はこれらの種に限定されない。化合物の説明については索引表Aを参照のこと。H NMRデータについては索引表Bを参照のこと。以下の略語が索引表において用いられている:Meはメチルであり、MeOはメトキシであり、および、Phはフェニルである。略記「Cmpd.」は「化合物」を意味すると共に、略記「Ex.」は「実施例」を意味し、これは、どの実施例においてその化合物が調製されているかを示す数が続く。
Figure 2012503659
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本発明の生物学的実施例
テストA〜F用のテスト懸濁液を調製する一般的な手法:テスト化合物を、先ず、最終体積の3%に等しい量のアセトン中に溶解させ、次いで、所望の濃度(ppm)で、250ppmの界面活性剤Trem(登録商標)014(多価アルコールエステル)を含有するアセトンおよび精製水(50/50混合比)中に懸濁させた。次いで、得られたテスト懸濁液をテストA〜Fにおいて用いた。テスト懸濁液を、テスト植物に流出点まで噴霧した。すべての結果は、40ppmを示す「*」が続いている場合を除き、200ppm(500g/haの使用量に等しい)に対してである。
テストA
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、エリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)(コムギウドンコ病の病因)の胞子粉剤を播種し、グロースチャンバにおいて20℃で8日間インキュベートし、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストB
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ葉さび病の病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和大気中に20℃で24時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバーに7日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストC
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、セプトリア トリティシ(Septoria tritici)(コムギ葉枯病の病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和雰囲気中に20℃で48時間インキュベートし、20℃のグロースチャンバにさらに19日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストD
テスト懸濁液をコムギ苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、コムギふ枯病菌(Septoria nodorum)(コムギふ枯病の病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和大気中に20℃で48時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバーに7日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストE
テスト懸濁液をトマト苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、ジャガイモ夏疫病菌(Alternaria solani)(トマト夏疫病の病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和大気中に27℃で48時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバーに5日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストF
テスト懸濁液をトマト苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、ボトリティス シネレア(Botrytis cinerea)(トマトボトリティスの病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和雰囲気中に20℃で48時間インキュベートし、次いで、24℃のグロースチャンバに3日間移し、その後、視覚的な病害評価を行った。
テストA〜Fについての結果が表Aに示されている。表中、100の評価は100%病害防除を示すと共に、0の評価は病害防除がないことを示す(対照と比して)。ダッシュ(−)は、テスト結果がないことを示す。すべての結果は、40ppmを示す「*」が続いていない限り、200ppmについてである。
Figure 2012503659
Figure 2012503659

Claims (11)

  1. 式1
    Figure 2012503659
    [式中
    は、H、ハロゲン、シアノ、アミノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、シクロプロピル、ハロシクロプロピル、C〜Cアルコキシアルキル、C〜Cアルキルチオアルキル、C〜Cアルキルスルフィニルアルキル、C〜Cアルキルスルホニルアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜CアルキルアミノまたはC〜Cジアルキルアミノであり;
    各XおよびYは、独立して、CHまたは直接結合であり;
    は、Rから独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む3員〜6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、前記硫黄原子環員は、S(=O)(=NRから独立して選択され、前記複素環は、場合により、炭素原子環員上Rおよび窒素原子環員上R5aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
    は、Rから独立して選択される5個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む3員〜6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、前記硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、前記複素環は、場合により、炭素原子環員上Rおよび窒素原子環員上R6aから独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
    各R、RおよびRは、独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、−CHO、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキルアルキル、C〜Cシアノアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cハロシクロアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニルオキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルカルボニルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cトリアルキルシリルまたは−Z−V−Wであり;
    各Zは、独立して、O、S(=O)、NRまたは直接結合であり;
    各Vは、独立して、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、C〜Cアルキニレン、C〜CシクロアルキレンまたはC〜Cシクロアルケニレンであって、ここで、3個以下の炭素原子はC(=O)から独立して選択され、各々は、場合により、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルコキシから独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
    各Wは、独立して、NR9a9b、OR10またはS(=O)10であり;
    各R5aおよびR6aは、独立して、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルアルキル、C〜Cアルキルシクロアルキルアルキル、C〜Cアルコキシアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cシクロアルコキシ、C〜Cハロシクロアルコキシ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、C〜CハロアルキルスルホニルあるいはC〜Cトリアルキルシリルであるか;または
    隣接する環原子に結合している一対のR置換基、一対のRもしくはR5a置換基または一対のRもしくはR6a置換基は、各々独立して、これらが結合している原子と一緒になって5員〜7員縮合環を形成しており、各縮合環は、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含有していると共に、場合により、炭素原子環員上ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群、ならびに、窒素原子環員上シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で置換されているか;または、
    同一の環原子に結合している一対のR置換基または一対のR置換基は、各々独立して、これらが結合している原子と一緒になって5員〜7員スピロ環を形成しており、各スピロ環は、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含有していると共に、場合により、炭素原子環員上ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群、ならびに、窒素原子環員上シアノ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシからなる群から独立して選択される3個以下の置換基で置換されており;
    各Rは、独立して、HまたはC〜Cアルキルであり;
    各Rは、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜C(アルキルチオ)カルボニル、C〜Cアルコキシ(チオカルボニル)、C〜Cシクロアルキルカルボニル、C〜Cシクロアルコキシカルボニル、C〜C(シクロアルキルチオ)カルボニルまたはC〜Cシクロアルコキシ(チオカルボニル)であり;
    9aおよびR9bの各々は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜C(アルキルチオ)カルボニル、C〜Cアルコキシ(チオカルボニル)、C〜Cシクロアルキルカルボニル、C〜Cシクロアルコキシカルボニル、C〜C(シクロアルキルチオ)カルボニルあるいはC〜Cシクロアルコキシ(
    チオカルボニル)であるか;または、
    同一の窒素原子に結合している一対のR9aおよびR9bは前記窒素原子と一緒になって3員〜6員複素環を形成しており、前記環は、場合により、R11から独立して選択される5個以下の置換基で置換されており;
    各R10は、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロシクロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜C(アルキルチオ)カルボニル、C〜Cアルコキシ(チオカルボニル)、C〜Cシクロアルキルカルボニル、C〜Cシクロアルコキシカルボニル、C〜C(シクロアルキルチオ)カルボニルまたはC〜Cシクロアルコキシ(チオカルボニル)であり;
    各R11は、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
    mは、0、1、2、3、4または5であり;
    各nは、独立して、0、1または2であり;ならびに
    pおよびqは、S(=O)(=NRの各事例において、独立して、0、1または2であるが、ただし、pおよびqの和は0、1または2であり;
    ただし、RおよびRがフェニル環である場合、RおよびRの少なくとも一方は水素以外の置換基で置換されている]
    から選択される化合物、そのN−オキシドおよび塩。
  2. が、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜CハロアルコキシまたはC〜Cアルキルチオであり;
    が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、前記硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、前記複素環は、場合により、炭素原子環員上Rおよび窒素原子環員上R5aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されており;
    が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環であるか;または、炭素原子ならびに2個以下の酸素原子、2個以下の硫黄原子および3個以下の窒素原子から独立して選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員を含む5員または6員複素環であって、ここで、3個以下の炭素原子環員は、C(=O)およびC(=S)から独立して選択されると共に、硫黄原子環員はS(=O)(=NRから独立して選択され、前記複素環は、場合により、炭素原子環員上Rおよび窒素原子環員上R6aから独立して選択される3個以下の置換基で置換されており;
    各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルキルチオまたは−Z−V−Wであり;
    各R5aおよびR6aが、独立して、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであり;ならびに
    mが、0、1、2または3である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. が、ハロゲン、シアノ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
    が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環またはピリジニル環であり;
    が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環またはピリジニル環であり;
    各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシまたは−Z−V−Wであり;
    各XおよびYが直接結合であり;
    各Zが、独立して、OまたはNHであり;
    各VがC〜Cアルキレンであり;
    各Wが、独立して、NR9a9bまたはOR10であり;
    9aおよびR9bの各々が、独立して、H、C〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルであり;ならびに
    各R10がメチルである、
    請求項2に記載の化合物。
  4. がクロロ、メチルまたはメトキシであり;
    が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環であり;
    が、Rから独立して選択される3個以下の置換基で場合により置換されているフェニル環であり;
    各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;ならびに
    前記R環は、メタ位で少なくとも1個の置換基で置換されていると共に、前記R環は、オルト位またはパラ位で少なくとも1個の置換基で置換されている、
    請求項3に記載の化合物。
  5. 各R、RおよびRが、独立して、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、請求項4に記載の化合物。
  6. 各RおよびRが、独立して、Cl、Fまたはメトキシであり;ならびに
    前記R環は、メタ位で少なくとも2個の置換基で置換されていると共に、前記R環は、オルト位またはパラ位で少なくとも1個の置換基で置換されている、
    請求項5に記載の化合物。
  7. 4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    4−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチルピリダジン;
    4−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−6−メチルピリダジン;
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン;
    3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン;
    4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチルピリダジン;
    3−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン;
    3−(2−フルオロフェニル)−4−(3−フルオロフェニル)−6−メチル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    3−[4−[5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−3−メチル−4−ピリダジニル]−3,5−ジフルオロフェノキシ]−N−メチル−1−プロパンアミン;
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    4−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニル−5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリダジン;
    5−(2,6−ジフルオロ−4−メトキシフェニル)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−メチル−3−フェニルピリダジン;ならびに
    4−(3,5−ジメトキシフェニル)−3−(2−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−6−メチルピリダジン
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. 3−クロロ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)ピリダジン
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  9. (a)請求項1に記載の化合物;ならびに、(b)少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤を含む殺菌・殺カビ組成物。
  10. (a)殺菌・殺カビ的に有効な量の請求項1に記載の化合物;ならびに、(b)界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分を含む殺菌・殺カビ組成物。
  11. 殺菌・殺カビ的に有効な量の請求項1に記載の化合物を、植物あるいはその一部に、または、植物種子に適用する工程を含む菌類性植物病原菌に起因する植物病害を防除する方法
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