JP2012501454A - 肝臓病学的有害事象のリスクのある患者を同定するためのスクリーニング法 - Google Patents

肝臓病学的有害事象のリスクのある患者を同定するためのスクリーニング法 Download PDF

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Abstract

本発明は、患者の試料中のアポリポタンパク質のレベルを評価し、これを基準値と比較することによって、特に抗酸化薬による薬物性肝障害を罹患するリスクのある患者を同定するまたは肝障害の初期段階に罹患している患者を同定する方法およびキットを提供する。基準値は、集団試料を同定し、正常値の上限を決定することにより予め決定される。次に、この値は、患者の試料のアポリポタンパク質レベルを比較する基準点として使用される。1つの実施形態において、アポリポタンパク質レベルは、薬物投与後の肝障害、肝毒性または肝事象を予測するために、ALTおよび/または総ビリルビンレベルと組み合わされる。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国仮出願第61/092,686号(2008年8月28日出願)の利益を請求する。
(発明の分野)
本発明は、肝損傷のリスクのある患者、特に薬物の投与によって肝毒性を示すリスクが増加した患者を同定するスクリーニング法およびキットを提供する。方法およびキットは、薬物性肝障害のリスクのある患者を同定して、そのような患者を特定の治療プロトコールから除外するのに有用である。
薬物は、時に、患者の肝臓に重篤な損傷を引き起こし、肝機能の損失は、病気、障害、入院、更には生命を脅かす肝不全および死をもたらし、または肝移植の必要性をもたらす。世界人口が高齢化すると、よりいっそう多くの薬物が処方され、自己処方大衆薬、いわゆる「栄養補助食品」、特別食およびアルコールと組み合わされることが多い。環境化学物質への暴露も増加している。肝臓は、これらすべての毒素を代謝する、不活性化するおよび処理するための主要臓器である。これらの代謝物は、肝細胞を損傷する場合があり、複雑な薬物−薬物相互作用は、状況を複雑にする。これらの危険因子のすべての組合せは、肝損傷の発生を増加している。
処方薬および非処方薬に起因する肝損傷は、米国において増加している医学的、科学的および公衆衛生的な問題である。米国では、薬物性肝障害(DILI)は、現在、他の原因をすべて合わせたものを超えて、急性肝不全(ALF)の主な原因である(WM Lee,et al.Acute Liver Failure Study Groupを参照すること)。DILIは、販売承認取得の失敗、市場からの撤収および処方適応症の限定を含む、薬物に関する食品医薬品局の規制措置の最も一般的な単一の理由である。世界中で、DILIの推定される世界的な年間発生率は、住人100,000人あたり13.9−24.0であり、DILIは、保健衛生当局に報告された副作用の推定上3%−9%を占める(Aithal GP,et al.(1999年)Br Med J 319:1541−5;Friis and Andreasen(1992年)J Intern Med 232:133−138;およびDossing and Anderson(1982年)Scan J Gastroenterol 17:205−211を参照すること)。
肝毒性は、一貫して、薬物使用の中止および市販制限または薬物の承認の拒否の最も重要な単一の理由となってきた。1950年代では、イプロニアジド(Marsilid)がそれまでに市販された中でおそらく最も肝毒性が高い薬であったが、同じ期間から、イソニアジドは、摂取者の約0.1%で重篤な肝毒性を引き起こすことが見出されている。ベノキサプロフェン(Oraflex)、チクリナフェン(Selacryn)、ブロムフェナク(Duract)およびトログリチゾン(Rezulin)はすべて肝毒性のために中止になり、いずれも海外で市販されているイブフェナック、ペルヘキシレンおよびジレバロールは、この問題のために米国では認可されなかった。肝毒性は、イソニアジド、ラベタロール、ダントロレン、フェルバメート、ペモリン、トルカポンおよびトロバフロキサシンを含む多くの薬物の使用制限の重要な理由ともなっている。
一方、多くの場合、肝毒性は後から認識されており、それは、その発生率が低いまたは他の状況に依存していることが多いからであり、市販前の動物およびヒトでのいずれかの経験も、肝毒性の可能性の認識される兆候を生じないからである。市販後調査は、過去における数年間の遅延(イプロニアジド、イソニアジド)と極めて対照的に、数カ月(ブロムフェナク、トルカポン、トログリチゾン、トロバフロキサシン)で重篤な肝臓毒素を現在検出しているが、これらを市販前に発見することが明らかに好ましい。
補完的および代替医薬の使用も西洋諸国において増加しており、動物モデルならびにヒトの両方においてそのような製品による肝毒性についての多数の報告がある(Zimmerman HJ.(1999年)Hepatotoxicity:the Adverse Effects of Drugs and other Chemicals on the Liver、第2版、Lippincott Williams&Wilkins、Philadelphia、PA、1999年、731頁を参照すること)。肝損傷を引き起こす十分に確立された可能性を有する代替製品の例には、ピロリジジンアルカロイド(コンフリー)、チャパラルの葉、ニガクサ、メグサハッカ(スクワミントオイル(squawmint oil))、ヤドリギ、カバおよびウスニン酸を含有する減量用調製物が挙げられる(Favreau JT,et al.(2002年)Ann Intern Med 136:590−5)。
特定の個人が他よりも薬物性肝障害に対してはるかに感受性があり、一般的ではないが重度の特異的肝障害には、安全性の問題として特別な考慮が必要であることが明らかになっている。人々は遺伝子的に多様であるばかりでなく(このことは薬物および他の化学薬品を代謝する方法に影響を与える)、各個人の人生経験も異なる。薬物性肝障害は、米国の肝臓移植センターによる評価に参加した患者における急性肝不全の主な原因であり、承認薬を市場から撤収する主な単一の理由である。
DILIを罹患している患者を同定する可能性のある特定の兆候は、特に、多様な程度(3倍、5倍など)および頻度(2%、3%など)のトランスアミナーゼの上昇ならびにビリルビンの上昇を伴う血清トランスアミナーゼの上昇であることが示唆されている(Zimmerman(1978年)Drugs 16:25−45を参照すること)。一般に、患者は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT、SGPTとしても知られている)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST、SGOTとしても知られている)、アルカリホスファターゼ(ALP)、総ビリルビン(Bt)、血清アルブミンの活性およびほとんど一般的ではないが血中プロトロンビン時間を試験するために、一定間隔で血清試料を提供する。しかし、これらのマーカーは、認可されるべきではないまたは厳密にモニターされるべき薬物の同定に有用でありうるが、これらの兆候は、潜在的な肝毒性薬を摂取することから除外されるべき患者を、これらの患者を有害事象のリスクにさらす前に予測することに有用ではない。
前臨床試験は多くの場合、肝毒性レベルを予測すること、特に発生率の低いものまたは重症度のより低いものを予測することにおいて失敗している。動物研究は、重度な毒性の同定に有用であるが、これらのまれな肝事象の予測には失敗する。個人においてDILIのリスクを増加させる状態は、服薬遵守、追加または代替医薬の組合せ、環境暴露および遺伝的素因などの、実験室において再現することが不可能である環境要因の組合せに起因する可能性がある。動物モデルはこれらの変数の説明に完全に失敗していることが、繰り返し示されている。
薬物開発の承認前臨床段階は、肝毒性の可能性を同定する主な舞台であるが、臨床試験は、試験集団が小さすぎる、限定されすぎるまたは薬物に最終的に暴露される被験者集団を一般的に代表しない場合、肝毒性の証拠を何も提示することができない。この段階において、有意な毒性の可能性を有する薬物は容易に同定されるが、毒性の可能性が低いものは、あまり容易に認識されない場合がある。原則的に、顕著な有害事象が1000人あたり1人に生じる場合、研究は、少なくとも3000人を含めなければならず、これは典型的な承認前の規模である。1000人あたり1人未満の発生は、承認前の設定において決して現れることがない。更に、副作用が遅延する場合、臨床試験は、はるかに少人数のリスクのある暴露個人を十分な期間にわたって含めていた可能性がある。更に、試験の頻度および薬物を中止する基準は、有意な兆候の同定を混乱させる場合がある。
既に存在する肝疾患は、DILIの危険因子である可能性が認識されている。しかし、リスクのある対象を予測することができる肝疾患の信頼性のある指標を欠いている。重度の肝疾患を有する被験者は通常、臨床試験から除外されるが、血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)などのバイオマーカーの中等度の上昇を有する被験者(正常の上限の2から3倍の範囲、すなわち、中等度の肝疾患を有する被験者)は、通常含まれる。ALT値はDILIを予測せず、それは、一般にそのような患者では、特異体質反応に対する肝臓の反応は悪化されうるが、特異体質薬物反応に苦しむリスクは増加しないからである。FDAは、3×ULN未満のアミノトランスフェラーゼ異常が、未治療およびプラセボ治療被験者において一般的であり、重度のDILI発生の可能性についての情報が与えられていないことを強調する。したがって、正常の上限(ULN)の3倍を超える、5倍を超えるまたは10倍を超えるアミノトランスフェラーゼ値などの大きな逸脱を見ることが標準的な実施方法になっている。これらの異常がプラセボ治療群において生じる可能性があるので、薬物暴露被験者群と対照群の比率を比較して、対照と比較した試験集団の全体にわたるアミノトランスフェラーゼ上昇の比率の増加を探すことが重要である」(FDA Guidance Document on DILIを参照すること)。
最も有意な肝臓毒素は、肝胆道閉鎖の顕著な証拠を有することなく損傷肝細胞からのALTの漏出により示される肝細胞損傷により主に引き起こされる。いくらかの肝細胞損傷を引き起こす能力は、重度のDILIの薬物可能性のための信頼性のある予測子ではない。血清アミノトランスフェラーゼ活性に一過性の上昇を引き起こす多くの薬物は、薬物投与が続けられる場合でさえも、進行性のまたは重度のDILIを引き起こすことはない。多くの薬物は、重篤な損傷のリスクを付与することなくALTシグナルの上昇を示し(例えば、タクリン、スタチン、アスピリン、ヘパリン)、過剰なアミノトランスフェラーゼ上昇単独への低い特異性を示している。肝臓の機能的能力に影響を与えるのに十分な程度の肝細胞損傷を引き起こす薬物のみが、血漿からビリルビンを取り除くまたはプロトロンビンおよび重度のDILIを引き起こす他の凝固因子を合成する。
DILIに罹患する、特に重症度または頻度の低いDILIに罹患するリスクのある患者を、潜在的に毒性の薬物を投与する前に容易に予測することができる試験の必要性が、依然として存在する。
WM Lee,et al.Acute Liver Failure Study Group Aithal GP,et al.(1999年)Br Med J 319:1541−5 Friis and Andreasen(1992年)J Intern Med 232:133−138 Dossing and Anderson(1982年)Scan J Gastroenterol 17:205−211 Zimmerman HJ.(1999年)Hepatotoxicity:the Adverse Effects of Drugs and other Chemicals on the Liver、第2版、Lippincott Williams&Wilkins、Philadelphia、PA、1999年、731頁 Favreau JT,et al.(2002年)Ann Intern Med 136:590−5 Zimmerman(1978年)Drugs 16:25−45 FDA Guidance Document on DILI
本発明の目的は、DILIのリスクのある患者を同定するおよびそのような情報を組み込んだ治療レジメンを提供する方法およびキットを提供することである。
(発明の要旨)
本発明は、患者における特定のリポタンパク質のレベルを使用して、患者が薬物投与後に薬物性肝障害を発症するリスクを予測することができるという認識に基づいている。特に、血清中のアポリポタンパク質A1(ApoA1)のレベルがこのリスクに関連する。レドックスシグナル伝達経路は、肝臓を含む組織における正常なおよび病的な細胞機能の両方において重要な役割を果たす。多数の研究は、これらのシグナルの調節が、臨床的な肝疾患をもたらす分子的病因および生化学的病因の基礎をなしうることを示唆している。肝臓は有意な予備能力を有しているが、この予備能力は、2型糖尿病またはアテローム性動脈硬化症などの基礎疾患状態ならびに医薬品および環境毒素の両方への暴露を含む、多様なストレス状態により経時的に減少する可能性がある。これらの因子は、それぞれ単独で考えると、肝臓に対して明白な悪影響を有さない場合がある。しかし、同時に発生するストレス因子の組合せは、肝臓の予備能力を圧倒して、肝細胞損傷をもたらす場合がある。
本明細書は、肝損傷のリスクのある患者が、肝損傷に典型的に関連する臨床的に定義された検査異常のないときさえも、代償性肝反応、特にオキシダントシグナルに対する代償性反応を示す証拠を提供する。その他は正常な検査値であるが、正常の上限を超える濃度までのApoA1発現の中等度の上昇は、薬理学的作用物質に対する反応における肝異常の進行のリスクのある個別の患者を同定する代償性肝臓ストレス反応を反映する可能性がある。
したがって、1つの実施形態において、肝損傷、特に薬物性肝障害のリスクのある患者を同定する方法であって、1)患者の体液中のApoA1のレベルを測定すること;および2)試料中のApoA1の測定レベルを集団の基準測定値と比較することを含む方法が提供される。特定の場合において、ApoA1の測定レベルが基準集団の正常の上限(ULN)を超える1つ以上の試料を有する患者は、肝損傷のリスクが高い、特に薬物性肝障害のリスクが大きいとみなされる。幾つかの実施形態において、薬物性肝障害は、抗酸化薬によるものである。他の特定の場合において、薬物性肝障害は、PPAR活性を増加する薬物によるものである。特定の実施形態において、体液中のApoA1の測定レベルがULN以下である場合、薬理学的作用物質は患者に投与され、ApoA1の測定レベルがULNを超える場合、薬理学的作用物質は投与されない。
特定の実施形態において、ApoA1の測定値またはApoA1の構造修飾は、レドックス関連状態、特に炎症状態に関連する。特定の場合において、測定値は糖尿病などの障害に関する。幾つかの実施形態において、測定値はApoA1のレベルの測定値である。他の実施形態において、測定値は脂質修飾などのApoA1の構造修飾の測定値である。幾つかの実施形態において、ULNを超えるApoA1の測定値は、患者が状態の治療を必要とすることを示す。
幾つかの実施形態において、方法は、患者からの試料におけるALTのレベルを測定することおよびそれを集団の基準ALTレベルと比較することを更に含む。これらの場合において、ULNを超えるALTの測定値も、有害肝損傷のリスクが増加した患者を分類するために使用される。特定の場合において、ALTの測定は、あらゆる薬物が投与される前に実施される。これらの場合において、ALTレベルを、薬物性肝障害のリスクが増加した患者を同定する更なる除外基準として使用することができる。幾つかの場合において、ULNを超えるALTレベルが同定されるが、他の場合では、少なくとも1.5または少なくとも2.0またはULNを超えるALTレベルが除外基準として提供される。特定の場合において、ALTレベルは、治療レジメンを開始した1週間、2週間、3週間、4週間、5週間後またはそれ以上などの期間の後、薬物を摂取する患者において測定される。ALTレベルがULNを超えていると測定される患者は、肝毒性を発生する、有するまたは罹患するリスクが増加していると考慮することができる。特定の実施形態において、ALTの測定レベルがULN以下である場合、薬理学的作用物は患者に投与され、ALTの測定レベルがULNを超える場合、薬理学的作用物質は投与されない。
ApoA1の測定レベルが、集団におけるULNなどの基準を超える1つ以上の試料を有する患者も、増加した炎症活性を有するとみなされうる。そのような患者は、関節リウマチなどの炎症性障害を含む、追加的な障害のリスクがあると考慮されうる。特定の場合において、患者は、糖代謝の障害のリスクがあるまたは糖代謝障害を罹患している。そのような障害は、真性糖尿病であることができ、特に2型糖尿病であることができる。
特定の場合において、治療プロトコールは、ApoA1測定の結果に基づいて設計される。この治療プロトコールは、ApoA1測定値がULNなどの基準値を超える患者に抗酸化薬を与えないことを必要とする場合があるまたは患者を肝毒性について厳密にモニターすることを必要とする場合がある。加えて、治療プロトコールは、肝損傷を悪化しうる環境毒素への追加的な暴露を減少するために、食事または運動などの外部要因の調整を必要とする場合がある。
別の実施形態において、薬物治療のために患者を同定する方法であって、体液中のApoA1を測定すること;測定値を集団のApoA1レベルの基準測定値と比較すること;および体液中のApoA1のレベルが基準値以下である場合にのみ薬物治療を提供することを含む方法が提供される。特定の場合において、基準値は基準集団のULNである。
特定の実施形態において、患者の試料は血清試料である。他の実施形態において、試料は血漿試料である。
幾つかの実施形態において、ULNは、約165mg/dLの試料中のApoA1である。他の実施形態において、150から200mg/dLの間、155から195mg/dLの間、160から190mg/dLの間、165から185mg/dLの間である。幾つかの実施形態において、患者は、ApoA1の測定レベルが150mg/dLを超えるまたは155mg/dLを超えるまたは160mg/dLを超えるまたは165mg/dLを超えるまたは170mg/dLを超える場合、肝損傷のリスクがあると考慮される。
なお別の実施形態において、患者の試料中のApoA1のレベルを測定する検出系および測定レベルを集団における正常レベルと比較する系を含むキットが、薬物性肝障害のリスクのある患者の同定のために提供される。
幾つかの実施形態において、検出系は、ApoA1の標識抗体であることができるかまたはApoA1の測定抗体と標識二次抗体を含むELISAキットであることができる。他の実施形態において、検出系は、ApoA1の抗体以外の結合パートナーであることができる。なお更なる実施形態において、検出系は、RT−PCRなどのApoA1遺伝子産物のレベルを検出することができる。比較系は、ApoA1レベルが正常の上限に対応するように標準化される別個の検出キットであることができる。読取り値は、比色尺度であることができるまたは検出系のシグナルのレベルの直接的な比較に基づくことができる。他の実施形態において、試料中の測定ApoA1レベルと集団の正常の上限との比較を可能にするチャートがキットに含まれる。特定の場合において、試料中のApoA1レベルが正常の上限の1.0倍を超える場合にマーカーを提供する目視読取り値が含まれる。特定の実施形態において、キットは、試料中のApoA1の測定レベルが165mg/dlを超える場合にマーカーを提供する検出装置を含む。
本発明の方法およびキットは、また、初期段階の組織損傷/臓器拒絶、特定の形態のウイルス感染、薬物毒性および肝機能の変化を含む多様な肝疾患をモニタリングおよび診断するのに有効でありうる。方法は、臨床の領域において現在入手可能ではない情報を提供し、迅速であり、再現性がある。方法およびキットは、肝障害に関する毒性について治療剤および薬物を評価するのに特に有用である。本発明の方法による肝疾患の初期検出は、有害反応が実際に生じる場合に、初期臨床介入を追加的に可能にすることができる。
1つの態様において、本発明は、被験者からの試料におけるApoA1レベルを測定し、そのレベルを正常レベルと比較することにより、被験者において肝障害または肝障害の可能性を検出する方法を提供する。ApoA1レベルが正常の上限(ULN)を超える場合、患者は、肝障害を罹患している可能性が大きいまたは罹患するリスクがあると考慮される。そのような初期診断は、初期介入の動機を提供することおよびあらゆる提案される医療レジメンを分析するために情報を提供するのに有用である可能性がある。
患者集団におけるApoA1レベルの関数としての肝損傷の危険率のグラフであり、Cox Proportional Hazards Modelを使用して、続く肝臓事象に対するApoA1のベースラインの第5および第95百分位数の年齢調整効果を示す。基準点として、ApoA1のULNは、この試験では165mg/dLであった。実線および破線は、AGI−1067およびプラセボデータをそれぞれ表す。
(発明の詳細な記述)
本発明は、例えば、哺乳類被験者における肝臓反応の臨床スクリーニング、診断および予後のため、肝臓反応治療の結果をモニタリングするため、特定の治療処置に有害な反応を有する可能性が最も高い患者を同定するためならびに薬物スクリーニングおよび薬物開発のために有用な方法および組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明は、薬物誘導肝毒性を発症するリスクのある患者を決定する方法を提供する。開示の明確さのためであり、限定としてではなく、本発明は、血液または肝組織試料の分析に関して記載される。しかし、当業者は理解するように、本開示に基づいて、本明細書に記載されるアッセイおよび技術を、体液(例えば、血液または血清もしくは血漿もしくは両方を含む血液画分、髄液、尿または唾液)、肝臓反応を有するまたは発生するリスクのある被験者からの組織試料(例えば、肝生検などの生検)またはこれらのホモジェネートを含む、リポタンパク質を含有する他の種類の試料に適用することができる。
本明細書で使用されるとき、語句「肝臓病学的有害事象」などには、肝毒性、肝障害および肝疾患が含まれる。
特定の実施形態において、本発明の方法およびキットは、抗酸化剤に反応する有害事象のリスクのある患者を同定するのに有用である。
血漿リポタンパク質は、合成および吸収の部位から貯蔵および/または利用の部位への脂質の担体である。リポタンパク質は、コアにトリグリセリドおよびコレステロールエステルならびに表面にリン脂質、非エステル化コレステロールおよびアポリポタンパク質の層を有する球状粒子である。これらは、カイロミクロンとして知られている超大型トリグリセリド豊富粒子(0.95g/ml未満)、超低密度リポタンパク質(VLDL、0.95から1.006g/mlまで)、中密度リポタンパク質(IDL、1,006から1.019g/mlまで)、低密度リポタンパク質(LDL、1.019から1.063g/mlまで)および高密度リポタンパク質(HDL、1.063から1.210g/mlまで)のように、水和密度に基づいて5つの主要な部類に分類される。血漿リポタンパク質を、電気泳動移動度に基づいて分類することもできる。HDLはアルファ−グロブリンと、LDLはベータ−グロブリンと、アルファとベータ−グロブリンの間のVLDLはいわゆるプリベータ−グロブリンと共遊走し、一方、カイロミクロンは、適用点に止まる。(Osborne,J.D.and Brewer,B.Jr.Adv.Prot.Chem.31:253−337(1977);Smith,L.C.et al.Ann.Rev.Biochem.、47:751−777(1978))。
アポリポタンパク質は、3つの主要な機能:(1)リポタンパク質粒子の安定性を維持する、(2)リポタンパク質に作用する酵素の補助因子として作用するおよび(3)レセプター仲介機構により循環からリポタンパク質を除去する、を有するリポタンパク質のタンパク質成分である。アポリポタンパク質の4つの群は、アポリポタンパク質A(Apo A)、B(Apo B)、C(Apo C)およびE(Apo E)である。3群のA、BおよびCは、それぞれ、2つ以上の異なるタンパク質から構成される。これらは、Apo AではApo A−I、Apo A−IIおよびApo A−IVであり、Apo Bでは、Apo B−100およびApo B−48であり、Apo CではApo C−I、Apo C−IIおよびApo C−IIIである。Apo Eには、幾つかのアイソフォームが含まれる。これらのアポリポタンパク質は、本明細書に記載される方法における使用が考慮される。
Apo A−Iは、高密度範囲のリポタンパク質の主要なタンパク質構成成分である。Apo A−Iは、HDL除去のために提案される肝臓レセプターに結合するリガンドでもある。多数の研究が、アテローム性動脈硬化症の負の危険因子としてのApo A−Iの臨床感受性および特異性を支持している(Avogaro,P.et al.、Lancet、1:901−903(1979);Maciejko,J.J.et al.、N.Engl.J.Med.、309:385−389(1983))。数人の研究者も、アテローム性動脈硬化症のリスクについての有用な指数としてApo A−I/Apo B比を記載している(Kwiterovich,P.O.et al.、Am.J.Cardiol、69:1015−1021(1992);Kuyl,J.M.and Mendelsohn,D.、Clin.Biochem.、25:313−316(1992))。
ApoA1は、高密度リポタンパク質(HDL)のアポリポタンパク質を65%含み、その形成に構造的な足場を提供する。これは、コレステロールからコレステリルエステルへのエステル化に必要とされる、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の補助因子でもある。HDL−コレステロールは、末梢組織から肝臓へのコレステロールの逆輸送に関与し、コレステロールは肝臓から排出されうる。したがって、ApoA1の欠乏は、他の冠危険因子のない場合であっても、冠動脈疾患および末梢血管疾患のリスクの増加をもたらす。有意なアテローム性動脈硬化症を有する患者は一般に、正常な集団よりも低い血漿ApoA1濃度を有する。ApoA1遺伝子の特定の遺伝子異常が、ApoA1およびHDLのレベルの低減に関連している場合がある。低減されたApoA1値は、喫煙、炭水化物および/または多価不飽和脂肪が豊富な食事、異常リポタンパク血症(例えば、家族性低アルファリポタンパク血症)、制御不能糖尿病、肝疾患、慢性腎不全および幾つかの療法(ベータブロッカー、利尿剤、プロゲスチン、アンドロゲン)とも関連する。
上昇したApoA1濃度は、妊娠、家族性高アルファリポタンパク血症とならびにカルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビトン、エストロゲン、経口避妊薬、エタノール、ニコチン、フィブレートおよびスタチンなどの薬物と関連する。大部分の遺伝的な低アルファリポタンパク血症は、酵素の突然変異および逆コレステロール輸送に関与するトランスポーターにより引き起こされる。ApoA1における突然変異は、まれであり、アミロイドーシス、末梢神経障害ならびにアテローム性動脈硬化症のリスクの増加および減少の両方に関連する。
ApoA1の転写調節は、ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターα(PPAR−α)により上方制御される。細胞内において、PPAR−αは、細胞レドックスシグナル伝達を仲介するばかりでなくストレスに対して肝細胞反応も表す酸化遊離脂肪酸などのリガンドにより、活性化される。ApoA1は、肝臓発現を誘導するレドックス感受性シグナルを阻害するように機能することができる、十分に確立された抗酸化および抗炎症活性をインビトロとインビボの両方において有する。中等度に上昇したApoA1レベルの存在は、低レベルの炎症、酸化剤および/または薬理学的攻撃を伴う肝ストレスに対する内因性抗酸化および抗炎症代償により特徴付けられる特に2型糖尿病の患者亜群を定義することが、現在認識されている。したがって、肝臓により更に代償されえない追加的な酸化剤様ストレスを付与する薬物は、肝細胞損傷をもたらす可能性があるまたは内因性の直接的または間接的な抗酸化機構を増大する薬物は、代償過度をもたらす場合がある。
Apo B−100は、4つの主要なアテローム発生リポタンパク質VLDL、IDL、LDLおよびLp(a)の不可欠な成分である。Apo B−100は、カイロミクロンおよびカイロミクロンレムナントなどの、腸由来のリポタンパク質だけに見出されるApo B−46と異なる。Apo B−48は、I、IIIまたはV型高脂血症を有するまれな患者を除いて、体循環において通常検出されない。VLDLおよびIDLにおけるApo Bの腸機能は構造的であると思われるが、LDLの結合ドメインが露出すると、細胞表面の高親和性LDLレセプターとの相互作用に関与し、循環からのLDLの取り込みおよび除去をもたらす。幾つかの研究は、血中のApo Bレベルの増加は、冠状動脈アテローム性硬化症の信頼できるマーカーであることを示している(Sniderman,A.et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:604−608(1980);Kwiterovich,P.O.et al.、Am.J.Cardiol、71:631−639(1993);McGiIl et al.Coron.Artery Dis.、4:261−270(1993);Tornvall,P.et al.、Circulation、88:2180−2189(1993))。
Apo A−IおよびBの両方に使用される技術には、Apo A−IまたはBに対する抗体を使用する免疫学的手順が含まれ、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(ELISA)、競合または捕捉系、蛍光イムノアッセイ、ラジカル免疫拡散、比濁分析法、混濁度測定法およびエレクトロイムノアッセイが含まれる。
特定のアポリポタンパクに免疫反応性である抗体を使用するキットおよび方法を、ヒトの血液、血清または血漿試料中のApoA1などのアポリポタンパク質の濃度を決定するために使用して、薬物投与後であっても、個人の肝有害事象のリスクを決定する。アポリポタンパク質およびリポタンパク質に存在するエピトープに特異的に結合して、Apo B−100、Apo A−I、Apo A−II、Apo C−IIIおよびApo Eを含む特定の血中リポタンパク質のレベルおよび/またはアポリポタンパク質のレベルの迅速で信頼できる決定を可能にする、これらのキットおよび方法に使用することができる有用なモノクローナル抗体(MAb)は、例えば米国特許第7,098,036号に記載されている。
血清ApoA1(およびApoB)レベルは、コレステロールおよびトリグリセリド単独よりもアテローム硬化症のリスクについての良好な指標であることがますます認識されている。アテローム硬化症の患者は、上昇したLDL−コレステロールおよび低HDL−コレステロールよりも、増加した血漿ApoBまたは減少した血漿ApoA1の所見による方が良好に正常な個人から区別される。ApoA1とApoBの比は、個々の値と比較して心血管のリスクについての特に良好な指数を提供すると考慮される。
方法
本発明は、疾患または他の医学的状態の治療に使用される薬物、化合物または他の治療剤がインビボにおいて肝毒性作用、例えば特異的肝毒性を有する可能性があるかどうかを決定または予測する方法を包含する。理想的には、そのような方法は、患者または患者集団への薬物(または薬物の組合せ)の投与前に実施される。
一態様において、本発明は、被験者からの試料中のApoA1レベルなどのアポリポタンパクのレベルを測定し、そのレベルを正常レベルと比較することにより、被験者において肝障害を検出する方法を提供する。アポリポタンパクレベルが正常レベルの上限を超える場合、患者は、肝障害を罹患している可能性が大きいまたは罹患するリスクがあるとみなされる。そのような初期診断は、初期介入の動機を提供することおよびあらゆる提案される医療レジメンを分析するために情報を提供するのに有用である可能性がある。肝障害のリスクを示す場合、特定の被験者が薬物による治療から除外される場合もある。
特定の実施形態において、ApoA1などのアポリポタンパク質の測定値は、肝事象に現在罹患している患者を同定するために、ALTおよび総ビリルビンの測定値が補足される。本明細書で使用されるとき、用語ULNは、集団における正常な個人において同定された予め決定されたアポリポタンパク質レベルを意味する。関連する実施形態において、ULNは、地理的領域、民族集団または他の基準により定義される個人の試料から測定することができる。次に集団を使用して、試験患者のアポリポタンパク質レベルと後に比較するために閾値ULNを同定する。ULNは、健康な正常集団の95パーセントが範囲内に含まれる閾値であり、したがって、5%または5%未満の正常集団がこの値を超える値として決定される。
本明細書において意味されるとき、用語「集団」または「患者集団」は、2人以上の患者の群を意味する。患者集団は、数人の患者、数十人の患者、数百人の患者または数千人の患者であることができる。集団は、特定の状態、例えば糖尿病またはアテローム性動脈硬化症の治療の必要な患者として定義することができる。集団は、例えば、何人かの患者には治療剤が投与され、他にはプラセボが投与される研究に関与するものであることができる。用語「患者集団」は、限定することを意図しない。例えば、この用語は、「基準集団」または状態の治療を受けない2人以上の人々も包含する。
特定の場合において、ULNの1.5倍を超える、ULNの2倍を超える、ULNの2.5倍を超える、ULNの3倍を超える、ULNの3.5倍を超える、ULNの4倍を超える、ULNの4.5倍を超えるまたはULNの5倍を超えるALTの上昇は、肝事象と診断される。他の特定の場合において、ULNの1倍を超える、ULNの1.5倍を超える、特にULNの2倍を超える総ビリルビンレベル(TBL)も、肝事象と診断される。特に、ULNを超えるALTとTBLの組合せは、肝事象と診断される。
特定の実施形態において、測定されたアポリポタンパク質レベルが、集団の正常の上限(ULN)の1.0倍を超える場合または集団のULNの1.1倍もしくはULNの1.2倍もしくはULNの1.3倍もしくはULNの1.4倍もしくはULNの1.5倍を超える場合、患者はリスクがあると分類される。特定の実施形態において、ULNは、地理的集団において測定される。他の特定の実施形態において、ULNは、障害を有する個人の試料において測定される。特に、特定の実施形態において、ULNは、糖尿病を有する個人の測定に基づいて測定される。特定の実施形態において、これらの患者は、7.0mmol/Lを超えるグルコースレベルまたは7%を超えるヘモグロビンA1c(HbA1c)値などの血糖パラメーターに基づいて診断される。
他の実施形態において、患者は、測定アポリポタンパク質レベルが正常値から標準偏差の少なくとも1倍を超える場合にリスクがあると診断される。特定の場合において、これは標準偏差の少なくとも1倍以上または少なくとも1.5倍以上または少なくとも2倍以上であることができる。標準偏差は、少なくとも100人または少なくとも500人または少なくとも1000人の試料に基づいて計算することができる。
異なるアポリポタンパク質は、それらの正常な血清濃度に基づいて異なる基準レベルを有する。特定の実施形態において、ApoA1の基準レベル(また、ULN)は、約150mg/dL、約155mg/dL、約160mg/dL、約165mg/dL、約170mg/dL、約175mg/dL、約180mg/dL、約185mg/dLまたは約190mg/dLである。別の下位実施形態において、基準レベルは、150から200mg/dLの間、155から195mg/dLの間、160から190mg/dLの間、165から185mg/dLの間、150mg/dL超または155mg/dL超または160mg/dL超または165mg/dL超または170mg/dL超である。
特定の実施形態において、Apo−A−IIの基準レベルは、約30mg/dL、約35mg/dL、約40mg/dL、約45mg/dLまたは約50mg/dLである。他の実施形態において、基準レベルは、10から50mg/dLの間、20から40mg/dLの間または50mg/dL超である。
特定の実施形態において、Apo−A−IVの基準レベルは、約30mg/dL、約35mg/dL、約40mg/dL、約45mg/dLまたは約50mg/dLである。他の実施形態において、基準レベルは、10から50mg/dLの間、20から40mg/dLの間または50mg/dL超である。
特定の実施形態において、Apo−Bの基準レベルは、約120mg/dL、約125mg/dL、約130mg/dL、約135mg/dLまたは約145mg/dLである。他の実施形態において、基準レベルは、100から150mg/dLの間、120から140mg/dLの間または150mg/dL超である。
特定の実施形態において、Apo−C−IIの基準レベルは、約5mg/dL、約7mg/dL、約8mg/dL、約10mg/dLまたは約15mg/dLである。他の実施形態において、基準レベルは、3から8mg/dLの間、4から6mg/dLの間または10mg/dL超である。
特定の実施形態において、Apo−C−IIIの基準レベルは、約10mg/dL、約12mg/dL、約15mg/dL、約17mg/dLまたは約20mg/dLである。他の実施形態において、基準レベルは、5から15mg/dLの間、8から12mg/dLの間または20mg/dL超である。
特定の実施形態において、Apo−Eの基準レベルは、約5mg/dL、約7mg/dL、約8mg/dL、約10mg/dLまたは約15mg/dLである。他の実施形態において、基準レベルは、3から8mg/dLの間、4から6mg/dLの間または10mg/dL超である。
検出方法
特定の実施形態において、アポリポタンパク質のレベルは、患者の血清または血漿または他の体液試料において測定することができる。アポリポタンパク質レベルは、任意の適切な手段により測定することができるが、例えば、アポリポタンパク質のエピトープの抗体を使用して測定することができる。幾つかの実施形態において、アポリポタンパク質のレベルは、ELISAなどの抗体アッセイを使用して測定される。血漿または血清試料における天然および組み換えヒトアポリポタンパク質の定量法のためのELISAキットは、Mabtech ABなどにより市販されている。そのようなキットは、モノクローナル抗体などの捕捉Ab、標識検出mAb、ストレブトアビジン−酵素複合体HRPおよび基準として精製アポリポタンパク質を含有することができる。
他の実施形態において、アポリポタンパク質遺伝子発現は、例えばRT−PCRを使用して測定される。特定の場合において、ApoA1転写は、基礎障害により変わる可能性があり、個人の試料中のmRNAのレベルは、個人のDILIのリスクの予測となりうる。
1つの実施形態において、肝損傷、特に薬物性肝障害のリスクのある患者を同定する方法であって、1)患者の体液中のアポリポタンパク質のレベルを測定すること;および2)試料中のアポリポタンパク質の測定レベルを患者集団のULNと比較することを含む方法が提供される。ULNを超える値は、患者に薬物が投与された後の肝損傷のリスクを決定する基準レベルとして使用される、アポリポタンパク質の予め決定されたレベルである。1つの実施形態において、アポリポタンパク質はApoA1である。他のアポリポタンパク質は、本明細書に記載される方法における使用が考慮される。
1つの実施形態において、薬物は、プロブコールのモノエステル、例えばプロブコールのモノコハク酸エステルである。
別の実施形態において、肝損傷、特に薬物性肝障害のリスクのある患者を同定する方法であって、1)患者の体液中のApoA1のレベルを測定すること;および2)試料中のApoA1の測定レベルをApoA1の基準レベルと比較することを含む方法が提供される。ApoA1の測定レベルが基準レベルよりも高い場合、患者は、ApoA1レベルが基準レベル以下である患者よりも肝損傷のリスクが高いことがありうる。この情報を使用して、患者を薬物治療から除外することが可能になる。
また、ヒトにおいて肝損傷、障害または疾患を評価またはスクリーニングする方法が、1)患者の体液中のApoA1などのアポリポタンパク質のレベルを測定すること;および2)試料中のアポリポタンパク質の測定レベルを患者集団のULNと比較することにより提供され、ULNよりも高いアポリポタンパク質レベルは、肝損傷、障害または疾患を示す。
別の実施形態において、ヒトにおいて肝損傷、障害または疾患を評価またはスクリーニングする方法が、1)患者の体液中のApoA1などのアポリポタンパク質のレベルを測定すること;および2)試料中のアポリポタンパク質の測定レベルをアポリポタンパク質の予め決定された基準レベルと比較することにより提供され、ULNよりも高いアポリポタンパク質レベルは、肝損傷、障害または疾患を示す。
1つの実施形態において、ヒトにおいて肝事象を診断する方法が提供され、1)患者の体液中のアポリポタンパク質のレベルを測定すること;および2)試料中のアポリポタンパク質の測定レベルを患者集団のULNと比較することにより提供され、ULNよりも高いアポリポタンパク質レベルは、肝事象を示す。
別の実施形態において、ヒトにおいて肝損傷、障害または疾患を評価またはスクリーニングする方法が、1)患者の体液中のアポリポタンパク質のレベルを測定すること;および2)試料中のApoA1の測定レベルをアポリポタンパク質の予め決定された基準レベルと比較することにより提供され、ULNよりも高いアポリポタンパク質レベルは、肝損傷、障害または疾患を示す。
特定の場合において、ApoA1などのアポリポタンパク質の測定レベルがULNを超える1つ以上の試料を有する患者は、肝損傷のリスクが高い、特に薬物性肝障害のリスクが大きいと考慮される。
ApoA1などのアポリポタンパク質の測定レベルがULNを超える1つ以上の試料を有する患者も、増加した炎症活性を有すると考慮されうる。そのような患者は、関節リウマチなどの炎症性障害を含む、追加的な障害のリスクがあると考慮されうる。特定の場合において、患者は、糖代謝の障害のリスクがあるまたは糖代謝の障害を罹患している。そのような障害は、真性糖尿病であることができ、特に2型糖尿病であることができる。
特定の場合において、治療プロトコールは、ApoA1測定の結果に基づいて設計される。この治療プロトコールは、ApoA1測定値がULNを超える患者に抗酸化薬を与えないことを必要とする場合があるまたは患者を肝毒性について厳密にモニターすることを必要とする場合がある。加えて、治療プロトコールは、肝損傷を悪化しうる環境毒素への追加的な暴露を減少するために、食事または運動などの外部要因の調整を必要とする場合がある。
別の実施形態において、薬物治療ために患者を同定する方法であって、体液中のApoA1レベルを測定すること;測定値を集団のApoA1レベルのULNと比較すること;および体液中のApoA1のレベルがULN以下である場合にのみ薬物治療を提供することを含む方法が提供される。
特定の実施形態において、患者の試料は血清試料である。他の実施形態において、試料は血漿試料である。
幾つかの実施形態において、方法は、患者からの試料におけるALTのレベルを測定することおよびそれを集団の基準ALTレベルと比較することを更に含む。これらの場合において、ULNを超えるALTの測定値も、有害肝損傷のリスクが増加した患者を分類するために使用される。特定の場合において、ALTの測定は、あらゆる薬物が投与される前に実施される。これらの場合において、ALTレベルを、薬物性肝障害のリスクが増加した患者を同定する更なる除外基準として使用することができる。幾つかの場合において、ULNを超えるALTレベルが同定されるが、他の場合では、ULNの少なくとも1.5倍または少なくとも2.0倍超えるALTレベルが除外基準として提供される。特定の場合において、ALTレベルは、治療レジメンを開始した1週間、2週間、3週間、4週間、5週間後またはそれ以上などの期間の後、薬物を摂取する患者において測定される。ALTレベルがULNを超えていると測定される患者は、肝毒性のリスクが増加しているまたは肝毒性に罹患しているとみなされうる。
薬物性肝障害は、1つ以上の薬物により治療されてきた患者において発症する可能性がある。PPARアゴニスト、抗炎症薬、HIVプロテアーゼインヒビター、神経薬、エストロゲン薬および抗エストロゲン薬、抗アンギナ薬、筋弛緩薬、抗精神病薬、抗ヒスタミン薬ならびに他の薬物、化合物および治療剤が含まれるがこれらに限定されない多種多様な薬物が、肝損傷または障害を誘導することができる。特定の実施形態において、薬物は、抗癌剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、降圧剤、抗うつ剤、抗不安剤および抗関節炎剤である。別の実施形態において、薬物は、アレルギー、糖尿病、高コレステロール血症、骨粗鬆症、アルツハイマー病、パーキンソン病および/または他の神経変性疾患ならびに肥満の治療用である。
PPARアゴニストの非限定例には、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、テサグリタザル、ラガグリタザル、トログリタゾン、ファルグリタザル、シグリタゾン、アゼラオイルPAF、2−ブロモヘキサデカン酸、クロフィブレート、15−デオキシ−dl2,14−プロスタグランジン、フェノフィブレート、Fmoc−Leu−OH、GW1929、GW7647、8(S)−ヒドロキシ−(5Z,9E,11Z,14Z)−エイコサテトラエン酸(8(S)−HETE)、ロイコトリエンB4,LY−171,883(トメルカスト)、プロスタグランジンA2、プロスタグランジンJ2、テトラデシルチオ酢酸(TTA)、WY−14643(ピリニクス酸)およびNN622(Novo Nordisk、A/S)ならびに関連する物質が挙げられる。
抗不安薬および抗神経薬の非限定例には、塩酸ヒドロキシジン、ロラゼパム、塩酸ブスピロン、パゼパム、クロルジアゼポキシド、メプロバメート、オキサゼパム、トリフルオペラジン、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、クロザピン、プロクロルペラジン、 ハロペリドール、チオリダジ、チオチキセン、リスペリドン、塩酸トリフロペラジン、クロルプロマジンおよび関連する物質が挙げられる。HIVプロテアーゼインヒビターの非限定例には、サキナビル、アンプレナビル、リトナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アタザナビル(BMS232632;Bristol−Myers Squibb)、ホスアンプレナビル(GW433908;GlaxoSmithKline)、L−756,423(Merck)、モゼナビル(DMP450;Triangle Pharmaceuticals)、チプラナビル(PNU−140690;Boehringer Ingelheim)、R0033−4649(Roche)TMC114(Tibotec Virco)および関連する物質が挙げられる。
抗炎症薬の非限定例には、 ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、 ケトロラク、メクロフェナメート、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチンおよび関連する物質が挙げられる。抗ヒスチミン薬の非限定例には、アゼラスチン(アステリン)、 フェキソフェナジン(例えば、アレグラ)、セチリジン(例えば、ジルテック)、デスロラタジン(例えば、クラリネックス)、ロラタジン(例えば、クラリチン、アラバート)、アステミゾール、アザタジン、ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、ヒドロキシジン、フェニンダミン、ピリラミン、テルフェナジン、トリペレナミン、トリプロリジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、ジフェンヒドラミン液および関連する物質が挙げられる。筋弛緩薬の非限定例には、ダントロレン(例えば、ダントリウム)、バクロフェン(例えば、リオレサール、カリソプロドール(例えば、ソーマ)、クロルフェネシン(例えば、マオレート)、クロルゾキサゾン(例えば、パラフレックス)、シサトラクリウム、シクロベンザプリン(例えば、フレキセリルト))、ダントロレン、 ジアゼパム(例えば、バリウム)、メタキサロン(例えば、 スケラキシン)、ガラミン、メトカルバモール(例えば、ロバキシン)、ミバクリウム、 オルフェナドリン(例えば、ノルフレックス)、パンクロニウム、ロクロニウム、チザニジン、スキサメトニウム、ベクロニウムおよび関連する薬物が挙げられる。
エストロゲンおよび抗エストロゲンの非限定例には、抱合型エストロゲン(例えば、プレマリン)、エステル化エストロゲン(例えば、エストラタブグ、メネストグ、エストラテスト)、合成抱合型エストロゲン(例えば、セネスチン)、エストロピペート(例えば、オジェン、オルト−エスト)、エチニルエストラジオール(例えば、エスチニル)、デソゲストレル、ジエチルスチルベストロール(例えば、スチルホストロール)、ジエンエストロール(例えば、オルトジエンエストロール)、クロロトリアニセン(Tace)、エストラジオール(例えば、エストラク、アロラ、クリマラ、ビベル)、エストラジオールシピオネート(例えば、デポ−エストラジオルグ、デポゲンス、デュラ−エストリング、エストラ−ディー、エストロ−サイプ、エストロジェクト−LA、エストロノール−LA)、エストロピペート、エタクリン酸、二酢酸エチノジオール、レボノルゲストレル、メドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、 タモキシフェン(例えば、ノルバデックス)、 トレミフェン(例えば、フェアストン)、ラロキシフェン(例えば、エビスタ)、酢酸メゲストロール(メゲース、アミノグルテチミド(例えば、シタドレン)、アナストロゾール(例えば、アリミデックス)、 レトロゾール(例えば、フェマーラ、 エキセメスタン(例えば、アロマシン)、ゴセレリン(例えば、ゾラデックス、リュープロリド(例えば、 リュープロン)および関連する物質が挙げられる。
抗アンギナ薬の非限定例には、カランSR、イソプチン、イソプチンSR、ベレラン、塩酸ニカルジピン、塩酸ジルチアゼム、ナドロール、イソソルビド、モノニトレート、 二硝酸イソソルビド、酒石酸メトロプロロール、ニトログリセリン、ベシル酸アムロジピン、ニフェジピン、アテノロールおよび関連する薬物が挙げられる。
幾つかの実施形態において、薬物性肝障害は、抗酸化薬によるものである。他の特定の場合において、薬物性肝障害は、PPAR活性を増加する薬物によるものである。
これらの方法を使用して、疾患を治療する薬物を投与するときに、有害肝事象のリスクのあるまたは有害肝事象を現在有している患者を同定することができる。疾患は、本明細書に記載される方法にとって重要ではなく、薬物が投与される疾患を3つの主要な分野:腫瘍性疾患、炎症性疾患および変性疾患の群に分けることができる。
疾患の例には、代謝疾患(例えば、肥満、カヘキシー、糖尿病、食欲不振など)、心血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、虚血/再灌流、高血圧症、心筋梗塞、再狭窄、心筋症、動脈炎、アンギナなど)、免疫性障害(例えば、慢性の炎症性疾患および障害、例としては、クローン病、炎症性腸疾患、反応性関節炎、関節リウマチ、ライム病を含む骨関節症、インスリン依存性糖尿病、多発性硬化症、橋本甲状腺炎およびグレーブス病を含む臓器特異的自己免疫病、接触皮膚炎、乾癬、移植片拒絶、移植片対宿主疾患、サルコイドーシス、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーを含む消化器アレルギーを含む喘息およびアレルギーなどのアトピー性状態、好酸球増加症、結膜炎、糸球体腎炎、蠕虫などの特定の病原体に対する感受性(例えば、リーシュマニア症)、HIVを含む特定のウイルス感染ならびに結核およびらい腫性ハンセン病を含む細菌感染など)、ミオパシー(例えば、多発生筋炎、筋ジストロフィー、セントラルコア病、中心核(ミオチューブ様)ミオパシー、先天性筋硬直症、ネマリンミオパシー、先天性パラミオトニー、周期性麻痺、ミトコンドリアミオパシーなど)、神経系障害(例えば、ニューロパシー、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、運動ニューロン疾患、外傷性神経損傷、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄膜炎、急性壊死性出血性白質脳炎、髄鞘形成不全疾患、ミトコンドリア病、片頭痛障害、細菌感染、真菌感染、発作、加齢、認知症、末梢神経系疾患ならびに抑うつおよび統合失調症などの精神障害など)、腫瘍疾患(例えば、白血病、脳癌、前立腺癌、肝癌、卵巣癌、胃癌、結腸直腸癌、咽頭癌、乳癌、皮膚癌、黒色腫、肺癌、肉腫、子宮頸癌、精巣癌、膀胱癌、内分泌癌、子宮内膜癌、食道癌、グリオーマ、リンパ腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、膵癌、下垂体癌、腎癌など)ならびに眼疾患(例えば、色素性網膜炎および黄斑変性)が挙げられるが、これらに限定されない。この用語には、酸化ストレス、遺伝性癌症候群および代謝疾患によりもたらされる障害も含まれる。
本発明の方法およびキットは、また、初期段階の組織損傷/臓器拒絶、特定の形態のウイルス感染、薬物毒性および肝機能の変化を含む多様な肝疾患をモニタリングするおよび診断するのに有効でありうる。方法は、臨床の領域において現在入手可能ではない情報を提供し、迅速であり、再現性がある。方法およびキットは、肝障害に関する毒性について治療剤および薬物を評価するのに特に有用である。本発明の方法による肝疾患の初期検出は、有害反応が実際に生じる場合に、初期臨床介入を追加的に可能にすることができる。
キット
本発明は、また、薬物、化合物または他の治療剤の投与の前または間に、患者または患者集団において肝毒性をインビボで決定または予測するためのキットを提供する。そのようなキットは、臨床または前臨床設定において有用であり、患者における試験の多様な段階において同時に使用することができる。
1つの実施形態において、患者の試料中のApoA1などのアポリポタンパク質のレベルを測定する検出系および測定レベルを集団における正常レベルと比較する系を含むキットが、薬物性肝障害のリスクのある患者の同定のために提供される。患者の試料は、血液および血漿、粘液、唾液、血清または尿などの体液の形態であることができる。幾つかの実施形態において、キットにおける検出系は、ApoA1の標識抗体であることができるまたはApoA1の測定抗体と標識二次抗体を含むELISAキットであることができる。他の実施形態において、検出系は、アポリポタンパク質の抗体以外の結合パートナーであることができる。なお更なる実施形態において、検出系は、RT−PCRなどのアポリポタンパク質遺伝子産物のレベルを検出することができる。比較系は、ApoA1レベルが正常の上限に対応するように標準化される別個の検出キットであることができる。読取り値は、比色尺度であることができるまたは検出系のシグナルのレベルの直接的な比較に基づくことができる。他の実施形態において、試料中の測定ApoA1レベルと集団の正常の上限との比較を可能にするチャートがキットに含まれる。
特定の場合において、試料中のApoA1レベルが正常の上限の1.0倍を超える場合にマーカーシグナルを提供する目視読取り値が含まれる。特定の実施形態において、キットは、試料中のApoA1の測定レベルが165mg/dlを超える場合にマーカーシグナルを提供する検出装置を含む。1つの実施形態において、予め決定されたレベルはキットの一部であるので、最小濃度のアポリポタンパク質が、肯定的な結果を確認するためにキットにとって必要である。予め決定されたレベルを超えるアポリポタンパク質濃度を有する個人のみが、キットを使用したときに肯定的な結果を示す。
1つの実施形態において、キットは、1つ以上の抗体が被覆された固相材料のストリップの組成物を含有し、本明細書において「ディップスティック」と呼ばれる。ディップスティックは、タンパク質試料に浸けられると、アポリポタンパク質に特異的に結合する。ディップスティックに結合するアポリポタンパク質の量は、例えば脂質染色による染色または二次標識抗体との反応による適切な方法を使用して定量化される。ディップスティック上の染色の強度は、血中に循環しているアポリポタンパク質の濃度に比例し、既知の量の脂質を含有する基準との比較により定量化することができる。ディップスティックは、単独で提供されうるまたは一般人が医師または技術実験室を必要としないでアッセイを実施することを可能にするキットにおいて提供されうる。1つの実施形態において、ディップスティックにおける抗アポリポタンパク質抗体または他の結合要素の濃度は、予め決定されたレベルを超えるアポリポタンパク質の濃度を検出するのに十分なだけである。この点に関して、ディップスティックによる肯定的な結果は、試験試料におけるアポリポタンパク質の濃度が予め決定されたレベルを超えたときにのみ現れる。
アポリポタンパク質のモノクローナル抗体を、ディップスティックの成分としてだけではなく、アポリポタンパク質が免疫反応性である生物学的試料においてアポリポタンパク質を決定する、酵素イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイならびに蛍光および化学発光イムノアッセイを含む多様な他の診断キットにおいても使用することができる。
抗体は、本明細書に記載されるアッセイにおいて使用される固相材料に結合されうる。ニトロセルロース、Immobilon(商標)、ポリビニルジエンジフルオリド(すべて、BioRad、Hercules、Calif.から)などの多様な種類の吸着材料を、抗リポタンパク質抗体に結合する固相材料として使用することができる。樹脂およびウエルプレートを含む他の固相材料またはポリスチレン製、ポリプロピレン製の他の材料または他の合成ポリマー材料を使用することもできる。アポリポタンパク質濃度をアッセイするのに好ましい実施形態において、これらの材料の切片またはストリップは、患者の試料において使用されるアポリポタンパク質の特異的エピトープに対して向けられている1つ以上の抗体またはその機能性フラグメントで被覆される。ディップスティックは、全血、血漿または血清の試料などの溶液または試料にディップスティックを浸けるハンドルとして機能することができる、プラスチックなどの固体支持材料の長ストリップの一端に結合されていることもできる。プラスチックハンドルは、複数のディップスティックが共通の支持体に結合されうるように、つなぎとして機能することもできる。そのようなマルチストリップ設計は、複数のアポリポタンパク質を同時に試験する設定において特に有用でありうる。
多様な大きさのディップスティックが可能であるが、1つの実施形態において、抗体が被覆されている固相材料の切片は、0.5cm×0.5cmの一般的な寸法を有し、0.5cm×5cmの一般的な寸法を有する長固体支持ストリップに結合されうる。そのような寸法は、100μLのような少量の血液におけるアポリポタンパク質レベルの正確な決定を可能にする。
請求される方法に有用なディップスティックは、アポリポタンパク質またはリポタンパク質の特定のエピトープに特異的な固定抗体を含有する1つ以上の領域を含有する。抗体結合診断ディップスティックの例は、例えば、米国特許第7,098,036号、同第6,808,889号および同第6,087,185号に記載されているが、これらに限定されない。
ディップスティックは、単一のディップスティックを使用して2つ以上のアポリポタンパク質を検出できるように2つ以上の抗体を含有することができる。例えば、それぞれ特定のアポリポタンパク質またはリポタンパク質に対して向けられている抗体で被覆されている、固相材料の2つ以上の別々の切片を、固体支持体の長ストリップに結合して、特定のアポリポタンパク質に対してそれぞれ特異的である2つ以上の個別の領域を有するディップスティックを製造することができる。固相材料を固体支持体に結合する方法は、固相材料に被覆されている分子の機能を損なうべきではなく、ディップスティックを洗浄する、染色するおよび保存するために使用される全血、血清、血漿および本明細書に記載される他の溶液に浸けたときに持ちこたえるように、十分に固定されていなければならない。抗体被覆固相材料を固体支持体の長ストリップに結合する好ましい方法は、アクリレート接着剤(例えば、SUPER GLUE(商標)、Super Glue Corporation、Hollis、N.Y.;DURO(商標)、Loctite Corporation、Cleveland、Ohio)などの接着剤またはセメントの使用である。
ディップスティックを、試験患者の試料における1つ以上のアポリポタンパク質の定量化のために設計することができる。1つの実施形態において、アポリポタンパク質の定量化のために設計されるディップスティックは、試料に浸けられる、結合脂質リポタンパク質またはアポリポタンパク質のために染色されるおよび印刷色基準と目視により比較されて、特定のリポタンパク質またはアポリポタンパク質の濃度を決定する、単一の抗原結合領域を含有する。
加えて、ディップスティックを、試料中の特定のアポリポタンパク質の相対レベルの変化を検出するために設計することができる。それぞれの領域が異なる抗体で被覆されている2つの抗原結合領域を含有するディップスティックを、特定のアポリポタンパク質の相対レベルの変化を検出するために設計することができる。それぞれの抗体に結合されたアポリポタンパク質抗原を検出するようにディップスティックを処理した後、ディップスティックの2つの領域の色の相対的強度を、血液中の2つの抗原の相対濃度の指標として比較する。
特定のアポリポタンパク質の相対レベルの決定は、2つの別々のディップスティックを同時に使用して行うこともできる。しかし、2つの抗原結合領域を有する単一のディップスティックは、特に一般人にとって使用することが一般に容易であり、単一のディップスティックにおける近接した2つの領域の相対色強度の評価は、訓練されていない観察者であっても行うことが比較的容易である。
別の実施形態において、ディップスティックによりレベルが決定される分子の既知の量の別個の領域またはスポットを含有するディップスティックが作製される。例えば、既知の量の脂質、リポタンパク質および/またはアポリポタンパク質は、抗体を上記記載の固相材料に結合するために使用される方法などの方法を使用して、ディップスティックに配置される。ディップスティックに存在するそのような既知の量の脂質、リポタンパク質およびアポリポタンパク質は、「内部基準」として作用し、その染色強度をディップスティックの抗原結合領域と比較して、ディップスティックの抗体により結合された抗原の量を推定することができる。
これらの方法において重要な試薬には、特定のリポタンパク質を特異的に認識および結合して、試料中の他のリポタンパク質を未吸着にする、抗体または抗体の機能性フラグメントが含まれる。アポリポタンパク質について全血、血清または血漿の試料をアッセイするために、ディップスティックは、EDTA処理またはヘパリン化血液と共に室温で2から5分間インキュベートされる。インキュベーションの後、ストリップを、それぞれ、例えば水道水により40℃を超えない温度で0.5から1分間洗浄して未結合血液を除去する。次に、例えばディップスティックをSudan Red 7Bなどの染色溶液に室温で2から5分間浸けて、結合リポタンパク質粒子に存在する脂質を染色することによって、ディップスティックは染色される。次に過剰染色は更なる洗浄により除去される。残留水分または染色は、吸収タオルをディップスティックの端部に接触させることにより抜き取ることができる。ディップスティックの「面」、すなわち固定抗体を含有するディップスティックの側面は、ブロットされるべきではなく、このことは固定抗体および/または結合抗原を妨害しうる。乾燥した後、染色の強度を基準色ストリップと比較して、血液中のリポタンパク質の濃度を決定することができる。
Oil Red OまたはSudan Black Bなどの多数の他の脂質染色をディップスティックの染色に使用することもできる。しかし、好ましい実施形態において、メタノールとNaOHの混合物に溶解している、Fat Red 7Bとしても知られているSudan Red 7B(Sigma、St.Louis、Mo.)が、その高い色強度のために使用される。別の実施形態において、リポタンパク質は、プロピレングリコールに溶解された上記記述の脂質染料のいずれかを使用して、ディップスティックの抗体などの抗体に結合する前に染色される(「前染色される」)(Wollenweber,J.and Kahlke,W.、Clin.Chim.Acta,29:411−420(1970))。次に前染色血液、血漿または血清試料は、例えば抗−LDLまたは抗−HDLディップスティックと共にインキュベートされる。洗浄および乾燥した後、ディップスティックに捕捉された前染色リポタンパク質の量は、例えば、印刷色基準セットとの比較により色の強度に従って目視により決定される。
多くの検出可能な標識、レポーター、部分は当該技術において既知であり、本発明に使用されうる。例えば、検出可能な部分は、色素産生、蛍光発生または発光性であることができるまたは既知のイムノアッセイ法のいずれかにおける抗体により検出可能な物質である特異的な結合対のメンバーであることができる。当業者に既知の多くの異なる標識および標識方法が存在する。本発明で使用できる標識の種類の例には、酵素、放射線同位体、蛍光化合物、コロイド金属、化学発光化合物、リン光性化合物および生物発光化合物が挙げられる。当業者は、ApoA1などのアポリポタンパク質に結合する他の適切な標識、アポリポタンパク質に結合する化合物またはアポリポタンパク質に結合する抗体を知っているまたは日常的な実験を使用して、そのことを確認することができる。
本発明の変更および変形は、前述から当業者にとって明白である。これらの実施形態は、すべて、本発明の範囲内であることが考慮される。
分析を、プロブコールのモノコハク酸エステル(AGI−1067)の臨床試験における薬物誘導肝毒性についての潜在的な危険因子を同定するために実施した。AGI−1067は、II型糖尿病およびアテローム性動脈硬化症などの特定の慢性疾患を標的にする新たな部類の治療を表す。AGI−1067は、直接的な抗酸化剤としても、ヘムオキシゲナーゼ−1およびチオレドキシンなどの内因性抗酸化プロセスの誘導物質としても機能する。
大規模臨床試験(6000人を超える患者で2年間の平均暴露)において、AGI−1067は、既存する冠動脈疾患を有する十分に治療された患者において困難な心血管エンドポイント(心血管系死亡、非致死性心筋梗塞(MI)および非致死性発作の複合)を低減することおよび2型糖尿病を有する、これらの患者の大規模亜群においてHbAlcレベルを低下することを示した。同じ試験において、AGI−1067による治療に無作為化した3078人の患者のうち小数は、肝機能試験において可逆的な上昇を示し、これらの患者のうち8人はプラセボ群の4人の患者と比較して、ALTおよびビリルビンの上昇を示した。
実施例1:ALTの上昇は単独では肝毒性を不十分に予測する
真性糖尿病の患者の統合データセットにおいて3×から≦5×ULNのATLのピーク上昇を有する36人の患者が存在した。治療群別のデータのまとめを表1に示す。この範囲のALTの上昇の発生率は、AGI−1067群およびプラセボ治療群の患者で同等であった。したがって、ALTレベルは肝毒性の可能性を評価するには限定された価値しか値を有さないと思われる。
Figure 2012501454
実施例2:総ビリルビンレベルと組み合わせたALTの上昇は肝事象の有用な指標である
ALT>5×ULN+TBL<2×ULNまたはALT>3×ULN+TBL>2×ULNの基準のいずれかの基準を使用して肝事象を有した24人の患者が、統合データセットに存在した。表2は、治療群別およびAGI−1067の用量別に患者をまとめる。無作為化の際、患者の57%はAGI−1067群であり、43%はプラセボ群であり、AGI−1067とプラセボの比の1.3をもたらした。24件の肝事象のうち、17件はAGI−1067治療患者において生じ、7件はプラセボ治療患者において生じた。
Figure 2012501454
実施例3:ApoA1レベルは肝有害事象と直接相関する。
ApoA1測定は、続く肝事象を同定するために感受性もあり、特異的でもあった。事象は、>5×ULNのALTと<2×ULNのTBLを有するまたは>3×ULNのALTと>2×ULNのTBLを有する測定値として定義された。図1は、Cox Proportional Hazards Modelを使用して、続く肝臓事象に対するApoA1のベースラインの第5および第95百分位数の年齢調整効果を示す2型糖尿病患者のデータから生成した。基準点として、ApoA1のULNは、この試験では165mg/dLであった。実線および破線は、AGI−1067およびプラセボデータをそれぞれ表す。
実施例4:ApoA1測定は、薬物誘導肝毒性のリスクのある患者を同定する有用なツールを提供する。
実施例2に示されているように、試料集団における肝事象は、AGI−1067治療患者では71%(17/24)およびプラセボを摂取した患者では29%(7/24)に分布し、AGI−1067とプラセボの比の2.4をもたらした。任意の薬物の投与前のApoA1測定がULN(ここでは、165mg/dl)を超えた患者がサンプルから除外されたとき、肝事象の数は、AGI−1067群およびプラセボ治療群において同等であった。
ALT>5×ULN+TBL<2×ULNまたはALT>3×ULN+TBL>2×ULNの基準を使用して肝事象を有した14人の患者が、統合データセットに存在した。表3は、治療群別およびAGI−1067用量別に患者をまとめる。実施例2に示されているように、無作為化の際、AGI−1067とプラセボの患者の比は1.3であり、プラセボと比較したAGI−1067の無作為化比と同じ値であった。
上昇したApoA1レベルまたはULNの2.0倍を超えるALTレベルを有する患者が除外されたとき、10件の肝事象が除外された。これらのうち、90%がAGI−1067治療群であった。残りの14件の肝事象のうち、8件はAGI−1067治療患者であり、一方、6件はプラセボ治療患者であった。これらの肝事象は、AGI−1067では57%(8/14)およびプラセボ摂取患者では43%(6/14)に分布された。このことは、AGI−1067とプラセボ比の1.3をもたらした。
Figure 2012501454
したがって、除外基準を適用した結果、AGI−1067(8/1851)群およびプラセボ(6/1419)群の両方において0.4%の発生率という非常に低い率の肝事象をもたらした。
表4は、データセットに含まれた3270人の2型糖尿病患者のAGI−1067群およびプラセボ群における肝事象の件数、分布頻度および率に対する除外基準(主に、ApoA1の上昇)の影響をまとめる。
Figure 2012501454
表5は、ベースラインApoA1を「予測バイオマーカー」として使用すると、プラセボ患者よりもAGI−1067患者において7倍多い除外肝事象をもたらすことを示す。ALT>2×ULNを、患者の除外の二次指標として使用することもできる。
Figure 2012501454

Claims (20)

  1. 患者を、肝毒性を誘導する可能性がある薬理学的作用物質により治療する方法であって、
    a)患者の体液中のアポリポタンパク質のレベルを測定すること;および
    b)試料中のアポリポタンパク質の測定レベルを患者集団の基準値と比較すること
    を含み、
    c)測定値が基準値以下である場合に、患者に薬理学的作用物質が投与される
    方法。
  2. 薬理学的作用物質が、糖尿病の治療のためにそれを必要とする患者に投与される、請求項1の方法。
  3. 薬理学的作用物質が、心血管疾患の治療のためにそれを必要とする患者に投与される、請求項1の方法。
  4. 理学的作用物質がプロブコールのモノエステルである、請求項3の方法。
  5. アポリポタンパク質が、Apo A−I、Apo A−II、Apo A−IV、Apo B−100、Apo B−48、Apo C−I、Apo C−II、Apo C−IIIまたはApo Eから選択される、請求項1の方法。
  6. アポリポタンパク質がApoA1である、請求項5の方法。
  7. ApoA1の基準値が約155から195mg/dLの間である、請求項6の方法。
  8. ApoA1の基準値が165mg/dLである、請求項7の方法。
  9. 患者におけるALTレベルおよび患者における総ビリルビンレベルの少なくとも1つを測定すること、ならびに測定レベルを集団のALTの基準値または総ビリルビンの基準レベルと比較することを更に含む、請求項1の方法。
  10. 薬理学的作用物質が、ALTの測定レベルが基準値の少なくとも2倍である場合または総ビリルビンの測定レベルが基準値の少なくとも1倍を超える場合にのみ患者に投与される、請求項9の方法。
  11. 体液が、血液、血漿、粘液、唾液、血清または尿から選択される、請求項1の方法。
  12. a)患者試料中のアポリポタンパク質のレベルを測定する検出系;およびb)測定レベルを集団の予め決定された正常な上限(ULN)と比較する系を含む、薬物性肝障害のリスクのある患者を同定するためのキット。
  13. 検出系が固体支持体に固定されている、請求項12のキット。
  14. 検出系がアポリポタンパク質の抗体を含む、請求項13のキット。
  15. キットが、試料中のアポリポタンパク質のレベルがULNの1.0倍を超える場合の目視読取りシグナルを含む、請求項12のキット。
  16. アポリポタンパク質がApoA1である、請求項12のキット。
  17. 試料中のALTのレベル、試料中の総ビリルビンのレベルおよび試料中のALTと総ビリルビンの組合せから選択されるレベルを測定し、および測定レベルを集団におけるALTまたは総ビリルビンのULNと比較する系を更に含む、請求項12のキット。
  18. ALTのレベルがALTのULNの約2倍を超える場合または総ビリルビンのレベルが総ビリルビンのULNの約1倍を超える場合の目視読取りシグナルを含む、請求項17のキット。
  19. ApoA1のULNが約155から195mg/dLの間である、請求項16のキット。
  20. ApoA1のULNが165mg/dlである、請求項16のキット。
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