JP2012255660A - 無動力原子炉冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの電力や燃料・人的支援がなくても、崩壊熱が十分減少して原子炉が自動的に完全停止するまでの間、炉心を冷却し続けることができる無動力原子炉冷却システムを提供する。
【解決手段】蒸気タービン13が、原子炉圧力容器1の内部で発生した蒸気により稼働し、冷却手段14が、蒸気タービン13を稼働させた後の蒸気を外気と熱交換させて凝縮させ、蒸気タービン13により駆動する凝縮液ポンプ16が、凝縮した液体を原子炉圧力容器1の内部に戻す。冷却手段14は、フィンチューブ型の熱交換装置31と、免震構造の冷却塔32とを有している。冷却塔32は、互いの間を流体が通過可能に配置された複数の脚部32aと、各脚部32aにより所定の高さに支持された塔本体32bとを有している。塔本体32bは、下部に熱交換装置31が配置され、熱交換装置31の上方に、温められた外気を排出するための煙突部32cを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部からの電力供給が停止した原子力発電プラントの原子炉を冷却するための無人・無動力原子炉冷却システムに関する。
2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故は、原子炉の重大事故発生は起きないという定説をくつがえした。これまで、「原子炉の中で、ウランが核***してできる放射性物質は、発電所の外へ影響を与えないように、5つの壁で閉じこめられている」と言われてきた。つまり、
・第1の壁:ウランを焼き固めた、陶器のような固いペレット
・第2の壁:そのペレットを入れた、丈夫な金属製の燃料被覆管
・第3の壁:燃料を入れた、頑丈な鋼鉄製の原子炉圧力容器
・第4の壁:原子炉圧力容器および重要な機器を収納した、気密性の高い鋼製の内張をした鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器
・第5の壁:一番外側を覆う、厚いコンクリートで造った原子炉建屋
である。この「神話」が福島第一原子力発電所の事故でもろくも崩れ去ったのは、承知の通りである。福島第一原子力発電所の事故では、原子炉の炉心損傷に始まり、炉心ガスのブローオフで大量の放射能を大気に放出し、海洋にも放射能汚染水を垂れ流した。事故の1ヶ月後の2011年4月でも、依然として漏洩水の可能性があり、さらに毎日400トン以上の放射能を含んだ水蒸気を環境に排出していた。
この事故は、地震と津波による長期停電がきっかけとなり、炉心の崩壊熱で炉心溶融にまで至っている。つまり、長期の停電が発生すると、福島第一原子力発電所の事故は全ての原子力発電所で発生する可能性がある。例えば、何らかの原因で送電が長期ストップした場合や隣の原子力発電所の大規模放射能汚染などで人間が原子力プラントに近づけなくなったとき、非常用発電設備への燃料や運転人員の供給が遮断されれば、自然災害が起きなくても原子炉は簡単に破壊に至ることが証明された。また、複数の原子炉が配置されている原子力発電所では、いずれかの原子炉が破壊されて高汚染放射能が環境に出た場合、作業員が長期間原子力発電所に立ち入れないため、その他全ての原子炉で炉心崩壊が発生する可能性がある。
火力発電所などの従来型の発電設備は、機器が破損したり、操作人員がいなくなったりすると自動的に停止し、燃料の補給がなければそれ以上環境に悪影響を及ぼさない。しかし、原子力発電所は、常に操作人員がいて、電力が外部から供給されることを前提にあらゆる安全システムが設計されている。
原子炉の冷温停止には、外部からの電力供給が不可欠なだけではなく、それを維持するために、長期にわたる炉心冷却が必要である。原子炉をそのままの状態に保存した場合、何もしなくても炉心が破壊されなくなるまでの時間は、原子炉停止後10〜30年の長期に及ぶ。その間、大災害等で原子炉の供給電力や運転作業員が途絶えることは十分考えられる。従来の原子炉はこのような場合を想定していない。つまり、原子炉を崩壊させるためには、外部からの電源供給を遮断し、1週間以上原子炉に人が立ち入らない状態にすればよい。福島第一原子力発電所は、このことを地震と津波という自然災害を通じて証明したことになる。
従来の原子力発電所の緊急炉心停止システムは、以下のように動作する。原子炉が緊急停止すると、まず、制御棒が炉心に挿入され、燃料の核***反応(臨界)を停止させる。この動作は、圧縮ガスによって駆動されるため、外部電力は必要としない。タービンが緊急停止した場合、燃料棒の崩壊熱を除去できないため、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動し、炉心にホウ酸水等を注入して初期の炉心冷却を行う。通常は外部電源やディーゼル非常電源等を使用した炉心冷却を行い、炉心が100℃以下となる冷温停止の状態で安定させる。ただし、冷温停止した後でも、海水を用いた残留熱除去設備で原子炉の冷却を継続する必要があり、その間、外部電力が不可欠である。
福島第一原子力発電所のような沸騰水型原子力発電所(BWR)の場合、原子炉の緊急停止時に電源の供給が止まると、原子炉隔離時冷却設備が作動する。これは、崩壊熱で生成された高圧水蒸気でタービンを駆動し、その駆動蒸気をサプレッションチャンバーで凝縮させ、タービンによる動力でサプレッションチャンバー内の水を炉心に注入して冷却するものである(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、外部からの電源を必要としないが、サプレッションチャンバー内の水が高温になると蒸気が凝縮しなくなるため、自動的に停止する。原子炉隔離時冷却設備は、福島第一原子力発電所2号機では、10時間から2日程度、動作可能であると考えられる。
また、加圧水型原子炉(PWR)の場合、原子炉の緊急停止時に電源の供給が止まると、原子炉隔離時冷却設備がないため、ディーゼル非常電源により余熱除去設備(RHRS)が作動して炉心冷却を行う。
特開2005−172482号公報
従来の原子力発電所の緊急炉心停止システムは、外部電源の供給が止まり、さらに原子炉隔離時冷却設備やディーゼル非常電源が停止すると、炉心の冷却が止まってしまうという課題があった。炉心の冷却が止まると、原子炉は崩壊熱で高温高圧になり、炉心蒸気が安全弁から環境に放出され、さらに、水が枯渇して炉心溶融に至る。既存の原子炉は、電源が停止しても、約10時間以内には電源が回復し、残留熱除去設備が駆動できることが前提であるが、それができないと福島第一原子力発電所のような事故となる。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、外部からの電力や燃料・人的支援がなくても、崩壊熱が十分減少して原子炉が自動的に完全停止するまでの間、炉心を冷却し続けることができる無人・無動力原子炉冷却システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、外部からの電力供給が停止した原子力発電プラントの原子炉を冷却するための無人・無動力原子炉冷却システムであって、原子炉圧力容器の内部で発生した蒸気により稼働する蒸気タービンと、前記蒸気タービンを稼働させた後の前記蒸気を外気と熱交換させて凝縮させる冷却手段と、前記蒸気タービンにより駆動し、前記冷却手段で凝縮した液体を前記原子炉圧力容器の内部に戻す凝縮液ポンプとを、有することを特徴とする。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、外部からの電力供給が停止し、さらに原子炉隔離時冷却設備やディーゼル非常電源が停止したときに作動するよう構成されていることが好ましい。本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、原子炉圧力容器の内部で発生した蒸気を、冷却手段により外気と熱交換させて冷却し凝縮させ、その凝縮した液体を原子炉圧力容器の内部に戻すことにより、原子炉の炉心を冷却することができる。この原子炉圧力容器の内部で発生した蒸気を外気で冷却して戻す冷却サイクルを維持することにより、炉心を冷却し続けることができる。冷却には空気を用いており、海水を使わないため、海水ポンプなどの損傷に対しても対応できる特徴を有する。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、蒸気タービンにより、冷却手段で凝縮した液体を原子炉圧力容器の内部に戻す凝縮液ポンプを駆動することができるため、外部からの電力供給や非常用電源がなくても、冷却サイクルを維持することができ、炉心を冷却し続けることができる。また、人間による操作がなくても、冷却サイクルが維持されるため、炉心を冷却し続けることができる。炉心が十分に冷却され、原子炉圧力容器の内部で蒸気が発生しなくなるまで冷却サイクルを維持することができ、原子炉が自動的に完全停止するまで、無人で炉心を冷却し続けることができる。このように、本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、外部からの電力や燃料・人的支援がなくても、崩壊熱が十分減少して原子炉が自動的に完全停止するまでの間、炉心を冷却し続けることができる。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、外気と熱交換して蒸気を冷却する冷却手段を比較的簡単な構造で構成することができるため、冷却手段が破損したり故障したりしにくく、長期間安定して蒸気の冷却を行うことができる。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムで、前記蒸気タービンは、前記原子炉圧力容器の内部の発熱量が所定の発熱量より大きいときに稼働する高圧タービンと、前記原子炉圧力容器の内部の発熱量が前記所定の発熱量より小さいときに稼働する低圧タービンとを有し、前記凝縮液ポンプは、前記高圧タービンにより駆動する高圧ポンプと、前記低圧タービンにより駆動する低圧ポンプとを有することが好ましい。
この場合、蒸気タービンは、稼働しはじめてから、炉心が冷却されて原子炉が自動的に完全停止するまで、原子炉圧力容器の内部の発熱量が大きく変化する範囲で使用されるため、発熱量が大きいときに効率的に稼働する高圧タービンと、発熱量が小さいときに効率的に稼働する低圧タービンとに分けることにより、凝縮液ポンプを効率よく駆動することができる。また、高圧タービンおよび低圧タービンの能力に応じて、凝縮液ポンプをそれぞれ高圧ポンプと低圧ポンプとに分けることにより、凝縮した液体を効率よく原子炉圧力容器の内部に戻すことができる。なお、蒸気タービンおよび凝縮液ポンプは、原子炉圧力容器の内部の発熱量に応じて、それぞれ3つ以上のタービンおよびポンプから構成されていてもよい。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、前記蒸気タービンが稼働を停止したとき、前記凝縮液ポンプを駆動可能に設けられた太陽光発電装置を有することが好ましい。この場合、何らかの原因で蒸気タービンが稼働を停止したときでも、太陽光発電装置により凝縮液ポンプを駆動することができ、炉心を冷却し続けることができる。また、原子炉圧力容器の内部の発熱量が減少して蒸気タービンが稼働を停止したときでも、原子炉が完全に停止するまで炉心を冷却し続けることができる。これにより、炉心溶融に至る危険性を回避することができ、安全性を高めることができる。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、前記原子炉圧力容器より高い位置に配置され、前記蒸気タービンが稼働を停止したとき駆動し、前記原子炉圧力容器の内部で発生した蒸気を外気と熱交換させて凝縮させ、凝縮した液体を前記原子炉圧力容器の内部に戻すよう構成されたサーモサイフォン式冷却装置を有することが好ましい。この場合、何らかの原因で蒸気タービンや凝縮液ポンプが稼働を停止したときでも、サーモサイフォン式冷却装置により、炉心を冷却し続けることができる。また、原子炉圧力容器の内部の発熱量が減少したり、冷却手段が故障したりして蒸気タービンや凝縮液ポンプが稼働を停止したときでも、原子炉が完全に停止するまで炉心を冷却し続けることができる。これにより、炉心溶融に至る危険性を回避することができ、安全性を高めることができる。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムで、前記冷却手段は熱交換装置と冷却塔とを有し、前記熱交換装置は、前記蒸気を通過させる複数の導管と、各導管の外側面に、外気と接する面積を増やすために設けられたフィンとを有し、前記冷却塔は免震構造で、互いの間を流体が通過可能に、互いに間隔を開けて配置された複数の脚部と、各脚部により設置面から所定の高さに支持された塔本体とを有し、前記塔本体は、下部に前記熱交換装置が配置され、前記熱交換装置の上方に前記蒸気と熱交換して温められた外気を排出するための煙突部を有していてもよい。
この場合、冷却塔が免震構造であるため、地震による被害を防ぐことができる。各脚部が互いの間を流体が通過可能に、互いに間隔を開けて配置され、塔本体が各脚部により設置面から所定の高さに支持されているため、各脚部の間を津波が流れ、津波による塔本体や熱交換装置の被害を防ぐことができる。塔本体は津波が到達する高さより高い位置に配置されることが好ましい。また、各脚部に津波で流された瓦礫等が当たって損傷するのを防止するために、各脚部の周囲に流体を通し瓦礫等を防ぐための、通水性および通気性の防護フェンスが設けられていることが好ましい。
また、この場合、熱交換装置で蒸気と熱交換して温められた外気が上昇し、煙突部を通って排出されるため、熱交換装置に新たな冷却用の外気を吸引することができ、冷却効率を高めることができる。熱交換装置に設けられたフィンにより、冷却効率をさらに高めることができる。熱交換装置は、凝縮した液体を効率よく収集可能に、上から下に向かって蒸気が流れるよう各導管が配置されていることが好ましい。熱交換装置は、導管に漏れや閉塞が生じたとき、その導管に蒸気が入るのを遮断するための、圧力センサと遮断弁とを有していることが好ましい。熱交換装置は、自然対流を用いた空冷冷却設備であって、送風機などの外部動力や海水などの冷却剤を必要としない特徴を有する。
本発明に係る無人・無動力原子炉冷却システムは、前記原子炉圧力容器の内部で発生した前記蒸気を、前記蒸気タービンを通して前記冷却手段に導くよう、前記原子炉圧力容器と原子力発電機用タービンとを結ぶ配管の途中に接続された蒸気パイプと、前記冷却手段で凝縮した前記液体を、前記原子炉圧力容器の内部に導くよう設けられた凝縮パイプと、前記蒸気タービンにより発電可能に設けられた発電機と、前記発電機で発電された電気を蓄えるバッテリーと、前記蒸気パイプに設けられ、前記原子炉圧力容器の内部が所定の温度を超えたとき、前記蒸気を前記蒸気パイプに導くよう構成された分岐バルブとを、有していてもよい。
この場合、凝縮液ポンプを駆動する電力以外の余った電気をバッテリーに蓄えることができる。バッテリーに蓄えられた電気は、原子炉制御室や様々なセンサ、コントローラーなどの電源として利用することができる。また、外部からの電力供給が停止し、さらに原子炉隔離時冷却設備やディーゼル非常電源が停止した後、炉心の崩壊熱により原子炉圧力容器の内部の温度が上昇し、所定の温度を超えたとき、分岐バルブにより原子炉圧力容器の内部の蒸気を蒸気パイプに導くことにより、蒸気タービンや冷却手段等を自動的に稼働させて、炉心の冷却を行うことができる。
本発明によれば、外部からの電力や燃料・人的支援がなくても、崩壊熱が十分減少して原子炉が自動的に完全停止するまでの間、炉心を冷却し続けることができる無人・無動力原子炉冷却システムを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の無人・無動力原子炉冷却システムの全体構成を示す側面図である。 原子炉停止後の炉心の崩壊熱およびその積算エネルギーの時間変化を示すグラフである。 図1に示す無人・無動力原子炉冷却システムの隔離機械室を示す構成図である。 図1に示す無人・無動力原子炉冷却システムの冷却手段を示す側面図である。 図1に示す無人・無動力原子炉冷却システムの熱交換装置を示す(a)正面図、(b)側面図である。 図1に示す無人・無動力原子炉冷却システムのサーモサイフォン式冷却装置を示す側面図である。 図1に示す無人・無動力原子炉冷却システムの無動力熱交換器を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態の無人・無動力原子炉冷却システムの全体構成を示す側面図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図7は、本発明の第1の実施の形態の無人・無動力原子炉冷却システムを示している。
図1に示すように、無人・無動力原子炉冷却システム10は、外部からの電力供給が停止した沸騰水型原子力プラント(BWR)の原子炉を冷却するための無人・無動力原子炉冷却システムである。無人・無動力原子炉冷却システム10は、蒸気パイプ11と分岐バルブ12と蒸気タービン13と冷却手段14と凝縮パイプ15と凝縮液ポンプ16と発電機17とバッテリー18と太陽光発電装置19とサーモサイフォン式冷却装置20とコントロールユニット21とを有している。
BWRである福島第一原子力発電所2号機(電気出力784MW)が停止してから、炉心が放出する崩壊熱の推定量とその積算エネルギーを、図2に示す。図2に示すように、緊急停止直後は原子炉隔離時冷却設備が10時間程度作動するため、無人・無動力原子炉冷却システム10は、約10時間後の放熱量15MWを冷却する必要がある。また、10年後の崩壊熱は100kW、30年後は30kWであるため、そのような小熱量でも動作する必要がある。つまり、無人・無動力原子炉冷却システム10は、原子炉隔離時冷却設備停止直後の大出力から、10〜30年後の小出力の熱を扱い、かつ無人で動作する信頼性のあるものである必要がある。また、その間、外部電力や燃料の補給がなくても動作する必要がある。
図1に示すように、蒸気パイプ11は、原子炉建屋内の格納容器に収納された原子炉圧力容器1と、タービン建屋内の原子力発電機用タービン2とを結ぶ主蒸気管3の途中に接続されている。蒸気パイプ11は、原子炉圧力容器1の内部で発生した蒸気を、蒸気タービン13を通して冷却手段14に導くよう設けられている。
分岐バルブ12は、原子炉圧力容器1と原子力発電機用タービン2とを結ぶ主蒸気管3に近い位置の、蒸気パイプ11に設けられている。分岐バルブ12は、原子炉圧力容器1の内部が200℃を超えたとき、蒸気パイプ11の入口を開いて、原子炉圧力容器1の内部の蒸気を蒸気パイプ11に導くよう構成されている。
蒸気タービン13は、原子炉圧力容器1の内部で発生し、蒸気パイプ11を通ってきた蒸気により稼働するよう構成されている。図3に示すように、蒸気タービン13は、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が1MWより大きいときに稼働する高圧タービン13aと、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が1MWより小さいときに稼働する低圧タービン13bとを有している。高圧タービン13aおよび低圧タービン13bは、蒸気パイプ11に並列に接続されている。高圧タービン13aは、原子炉隔離時冷却設備タービンと同様な仕様のものから成っていることが好ましい。
蒸気タービン13は、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が1MWまで減少すると、バルブが自動的に切り替わり、高圧タービン13aに流れていた蒸気が低圧タービン13bに流れるようになっている。図2に示す例の場合、緊急停止してから約1年後に、高圧タービン13aから低圧タービン13bに切り替わることになる。また、低圧タービン13bは、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が100kW程度になるまで、無修理で10年程度は作動する必要があるため、十分余裕を持った設計とすることが好ましい。高圧タービン13aおよび低圧タービン13bは、効率よりも、無修理運用が可能な堅牢性および信頼性を優先した構成であることが好ましい。
図1および図4に示すように、冷却手段14は、熱交換装置31と冷却塔32とを有している。図5に示すように、熱交換装置31は、フィンチューブの熱交換器から成り、蒸気を通過させる複数の導管31aと、各導管31aの外側面に、外気と接する面積を増やすために設けられたフィン31bとを有している。図5に示す具体的な一例では、熱交換装置31は、1×2mの平板状のフィン31bが30mmピッチで配置され、通風断面2×2m、6段で高さ約7mのユニットとして構成されている。フィン31bは、亜鉛メッキ鋼板またはガルバリウム鋼板製で、厚さが1mmである。また、強度と外部からの衝撃とを考慮して、最下段および最上段のフィン31bは、厚さを3mmとしている。なお、フィン31bは、熱的特性や重量を考えるとアルミ製にすることも考えられるが、アルミは大規模火災では燃焼するため、鋼板製の方がより適していると考えられる。フィン31bを貫通する各導管31aは、直径30mmである。
また、熱交換装置31は、蒸気ヘッダー31cと凝縮液ヘッダー31dと有している。熱交換装置31は、各導管31aの両端がそれぞれ上部に配置された蒸気ヘッダー31cと、下部に配置された凝縮液ヘッダー31dとに接続されている。熱交換装置31は、蒸気ヘッダー31cが蒸気パイプ11に接続され、凝縮液ヘッダー31dが凝縮パイプ15に接続されている。熱交換装置31は、蒸気タービン13を稼働させた後の蒸気を、蒸気パイプ11から蒸気ヘッダー31cに導入し、各導管31aに分岐させて上から下に向かって流し、各導管31aで外気と熱交換させて凝縮させるようになっている。さらに、熱交換装置31は、その凝縮した液体を凝縮液ヘッダー31dに集めて、凝縮パイプ15に導くようになっている。
また、熱交換装置31は、複数の導管31aを1つのユニットとして、複数のユニットから構成されており、ユニット毎に圧力センサ31eと遮断弁31fとを有している。熱交換装置31は、あるユニット中の導管31aに漏れや閉塞が生じたとき、圧力センサ31eが導管31aの圧力の異常を感知し、遮断弁31fによりそのユニットに蒸気が入るのを遮断するようになっている。なお、崩壊熱は時間の経過とともに減少するため、冷却後期では全ての導管31aに蒸気を通す必要はないと考えられることから、蒸気の減少に応じて、いくつかの導管31aを遮断弁31fで遮断するよう構成されていてもよい。
図4に示すように、冷却塔32は、免震構造の基礎の上に設置されており、複数の脚部32aと塔本体32bとを有している。各脚部32aは、互いの間を流体が通過可能に、互いに間隔を開けて配置されている。塔本体32bは、各脚部32aにより設置面から所定の高さに支持されている。塔本体32bは、下部に熱交換装置31が設置され、熱交換装置31の上方に、蒸気と熱交換して温められた外気を煙突効果で排出するための煙突部32cを有している。塔本体32bは、津波による熱交換装置31の被害を防ぐよう、津波が到達すると想定される高さより高い位置に設置されている。図4に示す一例では、熱交換装置31の下部の空気取り入れ口が大略地上10mになるよう、設置されている。また、煙突部32cは、熱交換装置31の上部から大略30mの高さを有している。
冷却塔32は、津波で流された瓦礫等が各脚部32aに当たって損傷するのを防止するよう、各脚部32aの周囲に、流体を通し瓦礫等を防ぐための防護フェンス32dが設置されている。冷却塔32は、熱交換装置31の上部および下部にも、飛散物や落下物等から熱交換装置31を守るための防護フェンス32dが設置されている。また、冷却塔32は、蒸気に含まれる非凝縮性ガスを抜気して放射能を浄化し、大気に放出する放射性ガス浄化装置32eを有している。
なお、冷却手段14は、30年間補修なしでも使用でき、地震や外部からの飛散物等にも耐えることができる強度を有していることが好ましい。熱交換装置31は、余裕を持った大きさで設計されることが好ましい。熱交換装置31は、温度によって伸縮するため、上下方向の隙間を十分に取って設置されることが好ましい。
図1に示すように、凝縮パイプ15は、冷却手段14で凝縮した液体を、原子炉圧力容器1の内部に導くよう、熱交換装置31の凝縮液ヘッダー31dと原子炉圧力容器1とを接続して設けられている。なお、蒸気パイプ11および凝縮パイプ15は、冷却手段14との接続箇所で、地震などによる冷却塔32の揺れにも対応できる構造を有している。
図1および図3に示すように、凝縮液ポンプ16は、凝縮パイプ15の途中に設けられ、蒸気タービン13により駆動して、冷却手段14で凝縮した液体を原子炉圧力容器1の内部に戻すよう構成されている。凝縮液ポンプ16は、高圧タービン13aにより駆動する大型の高圧ポンプ16aと、低圧タービン13bにより駆動する小型で小流量の低圧ポンプ16bとを有している。高圧ポンプ16aおよび低圧ポンプ16bは、凝縮パイプ15に並列に接続されている。なお、高圧ポンプ16aおよび低圧ポンプ16bは、効率よりも、無修理運用が可能な堅牢性および信頼性を優先した構成であることが好ましい。また、高圧ポンプ16aおよび低圧ポンプ16bは、入口環境の圧力が低くキャビテーションが発生しやすいため、インデューサーなどを工夫しておくことが好ましい。
発電機17は、蒸気タービン13により発電可能に構成され、高圧タービン13aから高圧ポンプ16aを介して接続された高圧発電機17aと、低圧タービン13bに接続された低圧発電機17bとを有している。バッテリー18は、高圧発電機17aおよび低圧発電機17bに接続され、高圧発電機17aおよび低圧発電機17bで発電された電気を蓄えるよう構成されている。なお、低圧ポンプ16bは、低圧タービン13bにより低圧発電機17bで発電されてバッテリー18に蓄えられた電気により駆動するようになっている。バッテリー18は、低圧ポンプ16bを駆動する電力以外の余った電気を蓄えて、原子炉中央制御室4や放射性ガス浄化装置32e、様々なセンサ、コントローラーなどの電源として利用可能になっている。
なお、図1および図3に示すように、蒸気タービン13、凝縮液ポンプ16、発電機17およびバッテリー18は、地震や津波、外部からの飛散物等に耐えることができるよう、堅牢な密閉容器から成る隔離機械室22に収納されて、地下に配置されることが好ましい。この場合、蒸気パイプ11および凝縮パイプ15は、地下に配置される部分が、地震による振動を緩和可能な柔軟な構造を有していることが好ましい。また、炉心からの蒸気や、蒸気タービン13および凝縮液ポンプ16などの摩擦熱により、隔離機械室22が高温になることを防ぐために、地中にヒートパイプ22a等を設置して室内を一定温度に保つことが好ましい。各種バルブのコントロールは、長期の信頼性が低い電子・電動駆動部品の使用を極力避け、基本的に圧力制御であることが好ましい。炉心の発熱量が減少すると蒸気パイプ11で凝縮が起こって詰まる可能性があるため、低圧タービン13bの出口と低圧ポンプ16bの入口との間に、液体のみを通過させるバイパス管路23が設けられていることが好ましい。
図1および図3に示すように、太陽光発電装置19は、冷却塔32の南面に太陽電池パネルを貼り付けて設けられ、発電した電力をバッテリー18に充電可能になっている。太陽電池パネルは、曇りの日でもその機能を果たせるよう、十分な面積に設置されていることが好ましい。太陽光発電装置19は、蒸気タービン13が稼働を停止したときでも、バッテリー18を介して凝縮液ポンプ16を駆動可能になっている。
図1および図6に示すように、サーモサイフォン式冷却装置20は、原子炉圧力容器1より高い、原子炉建屋の屋上に配置されている。図6に示すように、サーモサイフォン式冷却装置20は、原子炉圧力容器1と原子力発電機用タービン2とを結ぶ主蒸気管3から分岐した蒸気管33と、それを各無動力熱交換器38に分散するディストリビュータ34と、シャットオフバルブ35と、蒸気逆止弁36と、圧力計37と、無動力熱交換器38と、凝縮水逆止弁39と、シャットオフバルブ40と、凝縮水収集配管41と、原子炉圧力容器1に接続するパイプ42とを有している。また、原子炉圧力容器1と原子力発電機用タービン2とを結ぶ主蒸気管3から分岐した真空ポンプ配管43と、小型の真空ポンプ44と、放射能除去フィルター45と、排気煙突46とを有している。
図7に示すように、無動力熱交換器38は、自然対流フィン38aと、自然対流フィン38aに溶接された凝縮パイプ38bとを有している。無動力熱交換器38は、鉄製(鋼製)であり、ドブ付けの亜鉛メッキと塗料とにより防食処理されている。無動力熱交換器38は、太陽光による過熱を防ぎ、容易に錆を認識できるよう、白色系の塗料で塗装されていることが好ましい。無動力熱交換器38は、運用中に腐食により穴が開くことが予想される。このため、無動力熱交換器38は、圧力計37により腐食が進んだと思われるものはシャットオフバルブ35で一旦遮断され、圧力の上昇を確認した後で、永久に遮断されるようになっている。
サーモサイフォン式冷却装置20は、蒸気タービン13が稼働を停止したとき駆動し、原子炉圧力容器1の内部で発生した蒸気を、無動力熱交換器38で外気と熱交換させて凝縮させ、凝縮した液体を重力により原子炉圧力容器1の内部に戻すよう構成されている。サーモサイフォン式冷却装置20は、以下のように動作する。まず、燃料棒の冷却水の沸点を最高80℃(蒸気圧0.5気圧(絶対圧))に設定し、蒸気管33内を常に負圧に保っておく。蒸気管33から出た蒸気を、各無重力熱交換器38に分岐し、自然対流フィン38a付きの凝縮パイプ38bで凝縮して水に戻す。その水を凝縮水収集配管41で集め、重力を利用して炉心に流入させる。なお、サーモサイフォン式冷却装置20は、使用済み燃料プール内の燃料を無動力で冷却して冷温状態を保つよう構成されていてもよい。
また、サーモサイフォン式冷却装置20は、炉心で核反応や漏れにより生成された不凝縮ガスを、真空ポンプ44で放射能除去フィルター45を通して、排気煙突46から常に排気するようになっている。排気されたガスは、ヨウ素やセシウム、その他放射性物質が除去されている。なお、サーモサイフォン式冷却装置20が稼働する時点では、放射線による水素の発生はごく微量であると考えられる。サーモサイフォン式冷却装置20は、バッテリー18により、真空ポンプ44、圧力計37およびシャットオフバルブ35が動作するようになっている。なお、サーモサイフォン式冷却装置20は、中にたまった不凝縮ガスを時々、真空ポンプ44で抜気することと、圧力をモニターして漏れのある無動力熱交換器38を閉鎖する以外は、外部エネルギーを必要としない。
図7に示す具体的な一例では、無動力熱交換器38は、大きさが約5×5×5m、重さは約37トンであり、厚さ1mm、面積5×3mの自然対流フィン38aを100枚と、50mmのパイプを360mm間隔で自然対流フィン38aに溶接して成る凝縮パイプ38bとを有している。この場合の無動力熱交換器38の交換熱量を求めると、以下のようになる。
凝縮温度を、T=80℃と設定する。自然対流フィン38aを、厚さb=50mm、高さH=3m、幅W=5mの平行平板チャンネルとして近似する。フィン枚数は、n=100枚である。凝縮パイプ38bの間隔をP=360mmとし、矩形チャンネルでもほぼ類似な熱伝達率を示すものとする。等温鉛直平行平板チャンネルの平均熱伝達率は、h=3.10と推定される。
自然対流フィン38aは、フィン高さP/4のフィンであり、鋼の熱伝導率をk=42.8W/mK、フィン周囲を2H、フィン厚さをt=1mmとすると、フィン効率は、0.73となる。したがって、無動力熱交換器38の1台の交換熱量Qは、
となる。つまり、無動力熱交換器38は、1台で272kWの熱を除去できる。図2に示すように、福島第一原子力発電所2号機は、原子炉停止後10年で、炉心の発熱量は約100kWであり、その凝縮水量は0.05リットル/sである。このため、10年後に蒸気タービン13が稼働を停止して、無重力熱交換器が稼働する場合を想定したときでも、余裕を持って2〜3台設置すれば炉心の冷却は可能である。
図1および図3に示すように、コントロールユニット21は、隔離機械室22とは独立な完全密閉容器内に収容され、地下に配置されている。コントロールユニット21は、外部電源、隔離機械室22のバッテリー18、および太陽光発電装置19で駆動可能であり、中にはバックアップ電源を有し、全ての電源が途絶えても最終的に一定時間駆動するよう構成されている。コントロールユニット21は、各種測定器とそれらのデータを無線で発信するコミュニケーションシステム、バルブ等の駆動信号の発信、マニュアル操作のための有線コミュニケーションシステム、コントロールコンピュータで構成されている。コントロールユニット21は、原子炉停止後30年で、本冷却システムの全機能が停止したとき、自動的に最終的なシャットダウンシークエンスを実行可能になっている。
無人・無動力原子炉冷却システム10は、以下のように作動する。
原子炉が何らかの理由で緊急停止すると、制御棒が上がり臨界が停止する。炉心と原子力発電機用タービン2とを結ぶ主蒸気管3と給水管とが遮断され、電力が外部から得られる場合または非常電源が作動している場合は、緊急炉心冷却装置が作動して緊急の冷却を行う。さらに、残留熱除去設備で外部からの海水を熱交換器で循環し、炉心の水と熱交換することによって炉心の冷却が行われる。電源が得られないときは、原子炉隔離時冷却設備が作動して、圧力制御室の水が高温になって飽和するまで、炉心を冷却する。その炉心の冷却が停止した後、無人・無動力原子炉冷却システム10が作動する。
なお、図2に示す一例では、臨界停止10時間後の崩壊熱は約15MWであるため、無人・無動力原子炉冷却システム10は、余裕を持って30MWの最大冷却能力が設定されていることが好ましい。また、原子炉隔離時冷却設備が作動している間に非常電源が途絶える場合には、主蒸気管3からバイパスで無人・無動力原子炉冷却システム10の蒸気タービン13に蒸気の一部を引き込み、発電して本体の原子炉中央制御室4の電力を確保することもできる。
原子炉隔離時冷却設備が停止した直後の炉心温度は、サプレッションチャンバーの飽和温度で約100℃であると推定されるが、その後崩壊熱で圧力が上昇し、200℃、15気圧まで上昇する。その時、主蒸気管3の1系統から分岐された分岐バルブ12が開き、蒸気パイプ11に蒸気が流入する。なお、無人・無動力原子炉冷却システム10が作動していないときには、蒸気パイプ11や凝縮パイプ15を1気圧(絶対圧)以上の窒素で満たし、水素を含む蒸気が流入しても爆発しないように措置をしておく。また、初期の蒸気には、比較的多量の放射能および水素が含まれているため、冷却塔32の上部には放射性ガス浄化装置32eの他に、初期放射性ガス除去装置を備え、水素爆発が起きないようにしておくことが好ましい。
蒸気パイプ11に流入した蒸気は、高圧タービン13aを駆動し、冷却手段14の熱交換装置31に流入する。このとき、高圧タービン13a内の断熱膨張で、蒸気の温度が約150℃まで下がるよう設定しておく。この過程で、最大5MWのタービン出力が得られる。冷却手段14に流入した蒸気は、フィンチューブ型の熱交換装置31の導管31aで空気と熱交換して凝縮する。蒸気で加熱された空気は、冷却塔32の中で浮力を得て外部に排出される。その浮力によって、熱交換装置31の入口の空気を吸引する。つまり、冷却塔32が煙突となり、冷却空気を導入する。
入口空気温度40℃、導管31aの凝縮温度150℃(4.5気圧)で、フィン31bの平均温度が100℃となる場合、図5に示すフィン31bが5段の1ユニット当たりの放熱量は、1.2MWとなるため、30MWの熱を吸収するためには、そのユニットが大略25台必要となる。このとき、熱交換装置31の入口直径は、約12mとなる。
凝縮した水は、高圧タービン13aと直結した高圧ポンプ16aで主給水管の1系統を経由して炉心に戻される。作動初期における水の流量は、約14リットル/秒である。この凝縮水を送水する動力は30kW程度であるため、高圧タービン13aの出力には十分余裕がある。その余剰エネルギーで発電機17を回し、隔離機械室22のバッテリー18およびコントロールユニット21の電池の充電、ならびに原子炉中央制御室4の電源確保に使用することができ、システムの健全性を維持することができる。高圧タービン13aが作動している間は、タービン入口圧力を15気圧に保ち、動作させる。1年後、炉心の発熱量が約1MWに減少した時点で、蒸気流路が低圧タービン13bに切り替わる。
低圧タービン13bに切り替わったときの凝縮水の流量は、0.5リットル/秒である。低圧タービン13bの設定圧力を、120℃で2気圧に設定しておく。蒸気圧を常に大気圧より大きくしておくのは、炉心に空気が入って水素爆発するのを防ぐためである。また、冷却塔32の上部に設置された真空ポンプおよび放射性ガス浄化装置32eで、常に非凝縮製ガスを連続的に取り出すことにより、熱交換装置31の性能を維持する。低圧タービン13bに接続された低圧発電機17bは、バッテリー18に接続され、その電力で小型の低圧ポンプ16bを駆動して、凝縮水を原子炉内に注水する。この段階では、原子炉中央制御室4等に電力を供給しない。これらの過程で失われた水は、原子炉の水タンクから炉心に供給される。低圧タービン13bは、炉心発熱量が100kWになる10年後まで動作させる。その期間の後半では、蒸気は熱交換装置31に到達しないで凝縮する分もあるため、その凝縮水はバイパス管路23を通して低圧ポンプ16bに供給される。
それ以後も自立運転する場合には、冷却塔32に設置した太陽光発電装置19でバッテリー18を充電し、低圧ポンプ16bで炉心注水を継続する。また、低圧ポンプ16bが動作しなくなったときには、原子炉より上に設置されたサーモサイフォン式冷却装置20で炉心の冷却を継続する。30年後に炉心発熱量が30kWに減少して原子炉が自動停止したとき、全てのバルブを閉鎖し、燃料棒を取り出すか炉建屋を完全に封鎖する。このシャットアウトシークエンスは、コントロールユニット21により、バッテリー18の電力を利用して実行される。
以上のプロセスは、10年もしくは30年間完全に作業員が不在の場合に想定される最悪の場合のシナリオである。実際には、この動作プロセスの途中で保守点検を行う場合が多い。また、電源が回復すれば、本来の炉心冷却設備を作動させることができる。
このように、無人・無動力原子炉冷却システム10は、原子炉圧力容器1の内部で発生した蒸気を、冷却手段14により外気と熱交換させて冷却し凝縮させ、その凝縮した液体を原子炉圧力容器1の内部に戻すことにより、原子炉の炉心を冷却することができる。この原子炉圧力容器1の内部で発生した蒸気を外気で冷却して戻す冷却サイクルを維持することにより、炉心を冷却し続けることができる。
無人・無動力原子炉冷却システム10は、蒸気タービン13により、冷却手段14で凝縮した液体を原子炉圧力容器1の内部に戻す凝縮液ポンプ16を駆動することができるため、外部からの電力供給や非常用電源がなくても、冷却サイクルを維持することができ、炉心を冷却し続けることができる。また、人間による操作がなくても、冷却サイクルが維持されるため、炉心を冷却し続けることができる。炉心が十分に冷却され、原子炉圧力容器1の内部で蒸気が発生しなくなるまで冷却サイクルを維持することができ、原子炉が自動的に完全停止するまで、炉心を冷却し続けることができる。このように、無人・無動力原子炉冷却システム10は、原子炉の主要機器が動作していれば、外部からの電力や燃料・人的支援がなくても、崩壊熱が十分減少して原子炉が自動的に完全停止するまでの間、炉心を冷却し続けることができる。無人・無動力原子炉冷却システム10は、新設の原子炉だけでなく、既存の原子炉にも設置可能である。
無人・無動力原子炉冷却システム10は、稼働しはじめてから、炉心が冷却されて原子炉が自動的に完全停止するまで、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が大きく変化する範囲で蒸気タービン13が使用されるため、蒸気タービン13を発熱量が大きいときに効率的に稼働する高圧タービン13aと、発熱量が小さいときに効率的に稼働する低圧タービン13bとに分けることにより、凝縮液ポンプ16を効率よく駆動することができる。また、高圧タービン13aおよび低圧タービン13bの能力に応じて、凝縮液ポンプ16をそれぞれ高圧ポンプ16aと低圧ポンプ16bとに分けることにより、凝縮した液体を効率よく原子炉圧力容器1の内部に戻すことができる。
無人・無動力原子炉冷却システム10は、外気と熱交換して蒸気を冷却する冷却手段14を比較的簡単な構造で構成することができるため、冷却手段14が破損したり故障したりしにくく、長期間安定して蒸気の冷却を行うことができる。冷却塔32が免震構造であるため、地震による被害を防ぐことができる。各脚部32aが互いの間を流体が通過可能に、互いに間隔を開けて配置され、塔本体32bが各脚部32aにより設置面から所定の高さに支持されているため、各脚部32aの間を津波が流れ、津波による塔本体32bや熱交換装置31の被害を防ぐことができる。また、熱交換装置31で蒸気と熱交換して温められた外気が上昇し、煙突部32cを通って排出されるため、熱交換装置31に新たな冷却用の外気を吸引することができ、冷却効率を高めることができる。このように、熱交換装置31は、蒸気の凝縮熱で自然対流を起こし、炉心を冷却することができ、無動力での長期の崩壊熱除去に有効である。
無人・無動力原子炉冷却システム10は、何らかの原因で蒸気タービン13が稼働を停止したときでも、太陽光発電装置19により凝縮液ポンプ16を駆動することができ、無動力で炉心を冷却し続けることができる。また、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が減少して蒸気タービン13が稼働を停止したときでも、太陽光発電装置19により原子炉が完全に停止するまで炉心を冷却し続けることができる。これにより、炉心溶融に至る危険性を回避することができ、安全性を高めることができる。
また、無人・無動力原子炉冷却システム10は、何らかの原因で蒸気タービン13や凝縮液ポンプ16が稼働を停止したときでも、サーモサイフォン式冷却装置20により、ほぼ無動力で炉心を冷却し続けることができる。また、原子炉圧力容器1の内部の発熱量が減少したり、冷却手段14が故障したりして蒸気タービン13や凝縮液ポンプ16が稼働を停止したときでも、サーモサイフォン式冷却装置20により、原子炉が完全に停止するまで炉心を冷却し続けることができる。これにより、炉心溶融に至る危険性を回避することができ、安全性を高めることができる。
図8は、本発明の第2の実施の形態の無人・無動力原子炉冷却システム50を示している。
図8に示すように、無人・無動力原子炉冷却システム50は、外部からの電力供給が停止した加圧水型原子力プラント(PWR)の原子炉を冷却するための無人・無動力原子炉冷却システムである。無人・無動力原子炉冷却システム50は、蒸気パイプ11と分岐バルブ12と蒸気タービン13と冷却手段14と凝縮パイプ15と凝縮液ポンプ16と発電機17とバッテリー18と太陽光発電装置19とサーモサイフォン式冷却装置20とコントロールユニット21とを有している。
なお、無人・無動力原子炉冷却システム50の実施態様は、原子炉のタイプが異なる以外は、本発明の第1の実施の形態の無人・無動力原子炉冷却システム10とほぼ同様である。このため、以下の説明では、本発明の第1の実施の形態の無人・無動力原子炉冷却システム10と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
加圧水型原子炉(PWR)の場合、原子炉隔離時冷却設備がないため、初期の炉心冷却には余熱除去設備(RHRS)5を作動させることになる。炉心が緊急停止すると、制御棒が下がり炉心の臨界が停止する。炉心が一次喪失した場合は、非常用炉心低客設備(ECCS)が作動し、炉心にホウ酸水等を注入する。その後、炉心の発熱が減少してから余熱除去設備5が作動する。外部電源がない場合は、ディーゼル非常電源などの緊急電源でECCSおよび余熱除去設備5が作動する。外部電源および緊急電源が作動しなくなり、余熱除去設備5が停止して炉内圧力が上がったときに、無人・無動力原子炉冷却システム50が作動する。
まず、ブローダウンにより炉心の圧力を14MPa以上から7MPaの飽和圧力まで降下させて蒸気を発生させる。そのとき、高温高圧の水が気液分離するように気液分離器6を介して蒸気を取り出す必要がある。さらに、この蒸気の圧力を調圧弁で2MPaまで減少させた後、その蒸気により高圧タービン13aを駆動し、凝縮水を循環させる。なお、凝縮水を高圧の炉心に送り込むため、凝縮液ポンプ16の作動圧力は無人・無動力原子炉冷却システム10のものよりも大きくすることに注意する必要がある。
高圧タービン13aに接続した高圧発電機17aの電力で、余熱除去設備5を駆動させる。なお、原子炉が余熱除去設備5により冷えると蒸気が発生しなくなるため、余熱除去設備5が作動しなくなる。余熱除去設備5が停止すると、再び炉内圧力が上がって蒸気が発生し、無人・無動力原子炉冷却システム50が作動する。このように、無人・無動力原子炉冷却システム50が間欠的に動くため、これに合わせて、余熱除去設備5の1系統が間欠的に動作するよう構成しておく。炉心の崩壊熱が収まり、初期冷却が終了すると、無人・無動力原子炉冷却システム50のみで炉心冷却を継続する。炉心の冷却水が減少した場合は、緊急給水系から水を注入する。
また、何らかの理由でECCSおよび余熱除去設備5が作動しない場合にも、無人・無動力原子炉冷却システム50のみで炉心の冷却を行う必要がある。炉心停止直後の崩壊熱は大きいため、無人・無動力原子炉冷却システム50の冷却能力(例えば、30MW)を超える場合がある。この場合には、炉心から分岐した蒸気を一部バイパスし、緊急時蒸気放出器7を介して炉内蒸気を環境にブローオフすることになる。環境に放出する前に、水と砂を満たした緊急浄化装置で放出放射能を極力低下させる必要がある。この時点で炉心損傷は起きていないため、環境への放射能放出は限定的であると考えられる。この、ブローオフは長くても10時間である。ブローオフで失われた水は、緊急給水系から炉心に注入される。なお、この緊急ブローオフ装置は、BWRの隔離時原子炉冷却装置が作動しない場合のバックアップとして設置されてもよい。
1 原子炉圧力容器
2 原子力発電機用タービン
3 主蒸気管
4 原子炉中央制御室
10 無人・無動力原子炉冷却システム
11 蒸気パイプ
12 分岐バルブ
13 蒸気タービン
13a 高圧タービン
13b 低圧タービン
14 冷却手段
15 凝縮パイプ
16 凝縮液ポンプ
16a 高圧ポンプ
16b 低圧ポンプ
17 発電機
17a 高圧発電機
17b 低圧発電機
18 バッテリー
19 太陽光発電装置
20 サーモサイフォン式冷却装置
21 コントロールユニット
22 隔離機械室
22a ヒートパイプ
23 バイパス管路
31 熱交換装置
31a 導管
31b フィン
31c 蒸気ヘッダー
31d 凝縮液ヘッダー
31e 圧力センサ
31f 遮断弁
32 冷却塔
32a 脚部
32b 塔本体
32c 煙突部
32d 防護フェンス
32e 放射性ガス浄化装置
33 蒸気管
34 ディストリビュータ
35 シャットオフバルブ
36 蒸気逆止弁
37 圧力計
38 無動力熱交換器
39 凝縮水逆止弁
40 シャットオフバルブ
41 凝縮水収集配管
42 パイプ
43 真空ポンプ配管
44 真空ポンプ
45 放射能除去フィルター
46 排気煙突

Claims (6)

  1. 外部からの電力供給が停止した原子力発電プラントの原子炉を冷却するための無人・無動力原子炉冷却システムであって、
    原子炉圧力容器の内部で発生した蒸気により稼働する蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンを稼働させた後の前記蒸気を外気と熱交換させて凝縮させる冷却手段と、
    前記蒸気タービンにより駆動し、前記冷却手段で凝縮した液体を前記原子炉圧力容器の内部に戻す凝縮液ポンプとを、
    有することを特徴とする無人・無動力原子炉冷却システム。
  2. 前記蒸気タービンは、前記原子炉圧力容器の内部の発熱量が所定の発熱量より大きいときに稼働する高圧タービンと、前記原子炉圧力容器の内部の発熱量が前記所定の発熱量より小さいときに稼働する低圧タービンとを有し、
    前記凝縮液ポンプは、前記高圧タービンにより駆動する高圧ポンプと、前記低圧タービンにより駆動する低圧ポンプとを有することを
    特徴とする請求項1記載の無人・無動力原子炉冷却システム。
  3. 前記蒸気タービンが稼働を停止したとき、前記凝縮液ポンプを駆動可能に設けられた太陽光発電装置を有することを特徴とする請求項1または2記載の無人・無動力原子炉冷却システム。
  4. 前記原子炉圧力容器より高い位置に配置され、前記蒸気タービンが稼働を停止したとき駆動し、前記原子炉圧力容器の内部で発生した蒸気を外気と熱交換させて凝縮させ、凝縮した液体を前記原子炉圧力容器の内部に戻すよう構成されたサーモサイフォン式冷却装置を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の無人・無動力原子炉冷却システム。
  5. 前記冷却手段は熱交換装置と冷却塔とを有し、
    前記熱交換装置は、前記蒸気を通過させる複数の導管と、各導管の外側面に、外気と接する面積を増やすために設けられたフィンとを有し、
    前記冷却塔は免震構造で、互いの間を流体が通過可能に、互いに間隔を開けて配置された複数の脚部と、各脚部により設置面から所定の高さに支持された塔本体とを有し、前記塔本体は、下部に前記熱交換装置が配置され、前記熱交換装置の上方に前記蒸気と熱交換して温められた外気を排出するための煙突部を有していることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の無人・無動力原子炉冷却システム。
  6. 前記原子炉圧力容器の内部で発生した前記蒸気を、前記蒸気タービンを通して前記冷却手段に導くよう、前記原子炉圧力容器と原子力発電機用タービンとを結ぶ配管の途中に接続された蒸気パイプと、
    前記冷却手段で凝縮した前記液体を、前記原子炉圧力容器の内部に導くよう設けられた凝縮パイプと、
    前記蒸気タービンにより発電可能に設けられた発電機と、
    前記発電機で発電された電気を蓄えるバッテリーと、
    前記蒸気パイプに設けられ、前記原子炉圧力容器の内部が所定の温度を超えたとき、前記蒸気を前記蒸気パイプに導くよう構成された分岐バルブとを、
    有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の無人・無動力原子炉冷却システム。
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