JP2012255105A - 蓄熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも簡易な構造で、蓄熱及び放熱効率がよい蓄熱体を提供する。
【解決手段】蓄熱体10は、セラミックスの隔壁4により仕切られて一方の端面2aから他方の端面2bまで軸方向に貫通し、流体が流通する複数のセル3を有するハニカム構造体1として形成されている。隔壁4は、二つの端面2a(入口端面)、端面2b(出口端面)の間を連通する複数のセル3が形成されるように配置されている。そして、隔壁4の内部に潜熱蓄熱材8が充填されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体の熱を蓄熱し、その熱を流体に伝達する蓄熱体に関する。
従来から、流体の熱、例えば、自動車の排ガスの熱を回収し、それを蓄熱して再利用することが提案されている。
特許文献1には、多孔質セラミック成形体の気孔中に蓄熱材が充填されている蓄熱器が開示されている。また、ハニカム構造体のセルを部分的に目封止し、その中に蓄熱材が充填されている蓄熱体が開示されている。
特許文献2には、表面の気孔に化学蓄熱材が充填されている蓄熱構造体が開示されている。化学蓄熱材を用いているため、第1流体と第2流体の流路が異なる流路とされている。すなわち、第1流体が流通する第1流路と、第2流体が流通する第2流路とが、クロスフロー構造として形成されている。
特許文献3には、ハニカム構造体の目封止セル内に蓄熱材を備えた蓄熱体が開示されている。
特許文献4には、ハニカム構造体の流体流路同士の間に設けられた収容部内に蓄熱材が封入されたハニカム型潜熱蓄熱体が開示されている。
特許第2746943号公報 特開2011−58678号公報 特開2011−52919号公報 特開2011−38750号公報
特許文献1では、多孔質の円管やハニカム構造体のセルの両端を目封止して中に蓄熱材が充填されている。そのため、第1図のようにカプセル型の蓄熱材を用いた蓄熱器は、カプセルの中心部に充填されている蓄熱材は、流体との熱伝達面から遠く、蓄熱、放熱効率がよくない。また、特許文献1の第5図のようなハニカム構造体を用いた蓄熱器では、流体導入孔7a側の蓄熱材は、効率的に蓄熱、放熱できるが、流体導出孔8a側の蓄熱材は、有効に利用できていると言い難い。
特許文献2の蓄熱構造体は、表面の気孔にのみ蓄熱材が充填されているので、充填される蓄熱材の総量が少なく、蓄熱量も少ない。また、特許文献2の蓄熱構造体は、化学蓄熱材の使用を前提としており、例えば、脱水反応と水和反応を繰り返すことにより、発熱と吸熱を利用するものである。このため、吸熱用の媒体(例えば熱い排気ガス)が通り脱水反応が起こる流路と発熱用の媒体(例えば水蒸気)が通り水和反応が起こる流路とが、クロスフロー構造により分けられている。クロスフロー構造は複雑な構造であるため製造上好ましくない。
また、特許文献3,4の蓄熱体よりも、さらに製造が容易で、蓄熱、放熱効率がよいものが求められている。
本発明の課題は、従来よりも簡易な構造で、蓄熱及び放熱効率がよい蓄熱体を提供することにある。
本発明者らは、ハニカム構造体の隔壁の内部に潜熱蓄熱材を充填することにより、上記課題を解決しうることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下の蓄熱体が提供される。
[1] セラミックスの隔壁により仕切られて一方の端面から他方の端面まで軸方向に貫通し、流体が流通する複数のセルを有するハニカム構造体として形成され、前記隔壁の内部に潜熱蓄熱材が充填され、前記セルに加熱流体を流通させることにより蓄熱し、前記セルに被加熱流体を流通させることにより、蓄熱した熱を前記被加熱流体に放熱する蓄熱体。
[2] 前記潜熱蓄熱材は、フッ化物塩、硝酸塩、塩化物塩、アルカリ金属炭酸塩、水酸化物、糖アルコール類、及び酢酸ナトリウムからなる群から選ばれるいずれかである前記[1]に記載の蓄熱体。
本発明の蓄熱体は、セラミックスの隔壁の内部にも潜熱蓄熱材が充填されているため、蓄熱量を大きくすることができる。また、セルが貫通しているため、セルを流れる流体の流量が多く、潜熱蓄熱材が隔壁内に充填されているため、隔壁を形成するセラミックスと潜熱蓄熱材とが接する面積が大きくなる。このため、流体から効率的に伝熱することができる。
本発明の蓄熱体を示す斜視図である。 本発明の蓄熱体の軸方向に平行な断面で切断した断面図である。 蓄熱材を充填する充填方法1を示す説明図である。 蓄熱材を充填する充填方法2を示す説明図である。 蓄熱材を充填する充填方法3を示す説明図である。 触媒コンバーターとして蓄熱体を利用する実施形態を示す模式図である。 蓄熱体の能力を評価するための評価装置の概略図であり、エンジン停止時の状態を示す図である。 蓄熱体の能力を評価するための評価装置の概略図であり、暖機時の状態を示す図である。 蓄熱体の能力を評価するための評価装置の概略図であり、暖機後の状態を示す図である。 蓄熱体の能力を評価するための評価装置の概略図であり、ストレージ稼動状態を示す図である。 比較例2の蓄熱体を示す模式図である。 エンジン始動開始後のエンジン冷却水入口水温の推移を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1に本発明の蓄熱体10の斜視図、図2に軸方向に平行な面で切断した断面図を示す。本発明の蓄熱体10は、セラミックスの隔壁4により仕切られて一方の端面2aから他方の端面2bまで軸方向に貫通し、流体が流通する複数のセル3を有するハニカム構造体1として形成されている。隔壁4は、二つの端面2a(入口端面)、端面2b(出口端面)の間を連通する複数のセル3が形成されるように配置されている。セル3は、端面2において目封止されておらず、全てのセル3が貫通している。隔壁4の内部に潜熱蓄熱材8が充填されている。隔壁4の内部に潜熱蓄熱材8が充填されているとは、図2の拡大図に示すように、隔壁4の表面4aのみならず、隔壁4の厚み方向4dにおける中央部4bにも潜熱蓄熱材8が存在することを意味する。言い換えると、潜熱蓄熱材8は、隔壁4の表面4aの気孔のみならず、隔壁4の内部の気孔にも充填されている。
蓄熱体10は、セル3内を加熱流体が流通する場合には、加熱流体から熱を受け取り、潜熱蓄熱材8によって蓄熱することができる。また、セル3内を被加熱流体が流通する場合には、潜熱蓄熱材8にて蓄熱した熱を被加熱流体へ放熱することができる。セラミックスの隔壁4の内部にも潜熱蓄熱材8が充填されているため、蓄熱量を大きくすることができる。化学蓄熱材の場合、例えば、脱水・水和反応が起こるため、被加熱流体と被加熱流体とを異なる流路にする。このため、化学蓄熱材を用いた蓄熱体は、クロスフロー構造等の複雑な構造とされる。本発明では、潜熱蓄熱材8を用いているため、加熱流体と被加熱流体とを同じ流路にて流通させることができるため、蓄熱体10の構造を複雑にする必要がない。このため、製造が容易であり製造コストを削減することができる。また、セル3が目封止されておらず、貫通しているため、流体の流量を多くすることができる。これにより、蓄熱及び放熱効率を向上させることができる。
本発明の蓄熱体10の隔壁4の内部に充填される蓄熱材は、相変化により発熱・吸熱する潜熱蓄熱材8である。潜熱蓄熱材8としては、常温では固相であり、且つ流体流路であるセル3に加熱流体が流通された際に液相となるもので潜熱が比較的大きいものが好ましい。潜熱蓄熱材8としては、例えば、LiF/NaF、LiF/CaF、LiF/BeF、LiF/NaF等のフッ化物塩、LiNO、NaNO、NaNO、KNO等の硝酸塩、LiCl、NaCl、MgCl、KCl、ZnCl等の塩化物塩、LiCO、KCO等のアルカリ金属炭酸塩、LiOH、NaOH、KOH等の水酸化物、エリスリトール等の糖アルコール類、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
蓄熱体10の本体であるハニカム構造体1は、一方の端面2aから他方の端面2bまで貫通する流体の流路となる複数のセル3を区画形成する隔壁4を備える。ハニカム構造体1の隔壁4や外周壁7は、耐熱性に優れるセラミックスを用いることが好ましく、特に伝熱性を考慮すると炭化珪素が好ましい。但し、必ずしもハニカム構造体1の全体が炭化珪素で構成されている必要はなく、炭化珪素が本体中に含まれていれば良い。即ち、ハニカム構造体1は、炭化珪素を含む導電性セラミックスからなるものであることが好ましい。潜熱蓄熱材8を充填するためには、多孔体であることが好ましい。
さらに、ハニカム構造体1は、Si相の他、耐火性粒子を含むことが好ましく、Si又はSi−耐火性粒子複合材料を主成分とすることが好ましい。ここで主成分とはハニカム構造体の50質量%以上を構成することをいう。好ましい耐火性粒子としては、酸化物系ではAl、ZrO、Y、炭化物系ではSiC、窒化物系ではSi、AlN、その他ムライト等の粒子が挙げられるが、高い熱伝導率や耐熱衝撃性を確保するためにSiCが好ましい。即ち、ハニカム構造体1が、Si−SiC系材料を主成分とすることが好ましい。
ハニカム構造体1がSi−SiC系複合材料を主成分とする場合、Si/(Si+SiC)で規定されるSi含有量が少なすぎると結合材が不足するために隣接するSiC粒子同士のSi相による結合が不十分となり、熱伝導率が低下するだけでなく、ハニカム構造のような薄壁の構造体を維持し得る強度を得ることが困難となる。逆にSi含有量が多すぎると、適切にSiC粒子同士を結合し得る以上に金属珪素が存在することに起因して、ハニカム構造体1が焼成により過度に収縮してしまい、気孔率低下、平均細孔径縮小などの弊害が併発してくる点において好ましくない。したがってSi含有量は、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。
図1及び図2に示すハニカム構造体1の形状は円柱であるが、形状としてはこれに限定されるものでなく、四角柱形状等の他の形状であってもよい。
ハニカム構造体1のセル3の軸方向に垂直な断面における形状は、円形、楕円形、三角形、四角形、その他の多角形等の中から所望の形状を適宜選択すれば良く、セル形状は混在していても良い。
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の密度は、0.5〜5g/cmであることが好ましい。0.5g/cm未満の場合、隔壁4は強度不足となり、第一流体が流路内を通り抜ける際に圧力により隔壁4が破損する可能性がある。また、5g/cmを超えると、ハニカム構造体1自体が重くなり、軽量化の特徴が損なわれる可能性がある。上記の範囲の密度とすることにより、ハニカム構造体1を強固なものとすることができる。また、熱伝導率を向上させる効果も得られる。
ハニカム構造体1のセル密度(即ち、単位断面積当たりのセル3の数)については特に制限はなく、目的に応じて適宜設計すればよいが、100〜400セル/平方インチ(cpsi)の範囲であることが好ましい。セル密度が100セル/平方インチ以上とすることにより、隔壁4の強度、ひいては蓄熱体10(ハニカム構造体1)自体の強度及び有効GSA(幾何学的表面積)を十分なものとすることができる。一方、セル密度が400セル/平方インチ以下とすると、加熱流体が流れる際の圧力損失の増大を抑制することができる。
ハニカム構造体は多孔質材料で構成されており、気孔率は30〜90%であることが好ましく、40〜80%であることがより好ましく、50〜70%であることがさらに好ましい。潜熱蓄熱材8の充填量を確保するために気孔率は、30%以上が好ましい。また強度を保つために90%以下とすることが好ましい。
ハニカム構造体1のセル3の隔壁4の厚さ(壁厚)についても、目的に応じて適宜設計すればよく、特に制限はないが、壁厚を10〜20milとすることが好ましく、13〜18milとすることが更に好ましい。壁厚を10mil以上とすると、機械的強度が十分なものとして、衝撃や熱応力によって破損することを防止することができる。一方、20mil以下とすると、流体の圧力損失の増大、熱交換効率の低下を抑制することができる。
次に蓄熱体10の製造方法を説明する。まず、セラミック成形原料を押出して、セラミックスの隔壁4により仕切られて一方の端面2から他方の端面2まで軸方向に貫通する、流体の流路となる複数のセル3が区画形成されたハニカム成形体を成形する。
具体的には、以下のように製造することができる。セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出してハニカム成形体を成形後、乾燥し、焼成することによって、隔壁4によってガスの流路となる複数のセル3が区画形成されたハニカム構造体1を得る。
ハニカム構造体1の材料としては、前述のセラミックスを用いることができるが、例えば、Si含浸SiC複合材料を主成分とするハニカム構造体を製造する場合、まず、所定量のC粉末、SiC粉末、バインダー、水又は有機溶媒を混練し、成形して所望形状の成形体を得る。次いで、この成形体を、金属Si雰囲気下、減圧の不活性ガス又は真空中に置き、成形体中に金属Siを含浸させる。
なお、Si、及びSiC等を採用した場合も、成形原料を坏土化し、この坏土を成形工程において押出成形することにより、隔壁4によって区画された排ガスの流路となる複数のセル3を有するハニカム形状の成形体を成形することができる。これを乾燥、焼成することにより、ハニカム構造体1を得る。
次に、ハニカム構造体1の隔壁4に潜熱蓄熱材8を充填する。充填する方法としては、以下の充填方法1〜3が挙げられる。
図3Aに充填方法1を示す。充填装置31の下部には、ゴム等の伸縮性膜32が備えられている。充填装置31の上部には、ハニカム構造体1を設置できるように構成されている。伸縮性膜32に導入口33から、加温して液体となっている潜熱蓄熱材8を導入する。ハニカム構造体1の、潜熱蓄熱材8がある方とは反対側の端部側から真空引きすることにより、ハニカム構造体1の隔壁4の内部に潜熱蓄熱材8を充填する。
図3Bに充填方法2を示す。ハニカム構造体1の一方の端部から内部に、加温して液体となっている潜熱蓄熱材8を流入させ、反対の端部側から真空引きすることにより隔壁4の内部に潜熱蓄熱材8を充填する。そして、一定の真空度に保つことにより余剰の潜熱蓄熱材8を除去する。
図3Cに充填方法3を示す。ハニカム構造体1を、加温して液体になっている潜熱蓄熱材8に浸漬する。そして、余剰の潜熱蓄熱材8を加圧空気等により除去する。
以上のようにして、隔壁4に潜熱蓄熱材8が充填された蓄熱体10(ハニカム構造体1)の流体流路であるセル3に流通させる流体としては、熱を有する媒体(加熱流体)であれば、媒体が気体、液体であっても特に限定されない。例えば、気体であれば自動車の排ガス等が挙げられる。この場合、排ガスを浄化する触媒コンバーターとして蓄熱体10を利用することができる。液体の場合は、液体と潜熱蓄熱材8が直接触れてしまうと反応する可能性があるため、間接的な接触(例えば、液体を管内に流す)とすることが好ましい。
図4に、蓄熱機能付きの触媒コンバーター20として蓄熱体10を利用する実施形態を示す。触媒コンバーター20は、エンジンから排出される排ガスを浄化し、外部に排出するため、エンジンの排気管に備えられる。すなわち、自動車のエンジン始動時(コールドスタート時)の排ガスを高効率で浄化する触媒コンバーター20である。運転時に排ガスの熱を蓄熱し、運転を停止した後でも、排ガスの流路に担持された触媒は蓄熱材8による熱で活性状態にあるため、2回目のエンジン始動直後でも未燃分を大量に含む排ガス(主に炭化水素(HC))が浄化される。これにより、従来の排ガス浄化に貴金属触媒を多量に使う必要がなく、また排ガスも浄化された状態になるため、排ガスの後処理システムのコスト低減、今後の厳しい排ガス規制のクリアが可能となる。
本発明の蓄熱体10を触媒コンバーター20として利用すると、2回目以降からエンジン始動時に触媒が活性化するまでの時間が短く、エンジン始動直後でも排ガス浄化性能が高い。つまり、本発明の蓄熱体10の触媒コンバーター20によれば、コールドスタート時の触媒早期活性化が可能である。特に、自動車のエンジンを仮に一晩停止した場合、ハイブリッド車のように停止時にアイドルストップするような場合には、本発明を用いることは効果的である。
加熱流体が自動車の排ガスの場合、加熱流体が通過するセル3の内部の壁面に、触媒が担持されている。これは、排ガス浄化の役割に加えて、排ガス浄化の際に発生する反応熱(発熱反応)も蓄熱することが可能になる。触媒には、貴金属(白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、インジウム、銀、及び金)、アルミニウム、ニッケル、ジルコニウム、チタン、セリウム、コバルト、マンガン、亜鉛、銅、亜鉛、スズ、鉄、ニオブ、マグネシウム、ランタン、サマリウム、ビスマス及びバリウムからなる群から選択された元素が少なくとも一種を含有する。これらは金属、酸化物、及びそれ以外の化合物であっても良い。
加熱流体が通過する蓄熱体10(ハニカム構造体1)に担持される触媒(触媒金属+担持体)の担持量としては、0.01〜50g/Lであることが好ましく、貴金属であれば0.1〜5g/Lであることが更に好ましい。触媒(触媒金属+担持体)の担持量を0.01g/L以上とすることにより、触媒作用を十分発現させることができる。一方、50g/L以下とすることにより、圧力損失の増大や製造コストの上昇を抑制することができる。
以下のように触媒を担持させることができる。まず、担体微粒子となるセラミックス粉末に触媒成分を含む水溶液を含浸させた後、乾燥し、焼成することにより触媒コート微粒子を得る。この触媒コート微粒子に分散媒(水等)、その他の添加剤を加えてコーティング液(スラリー)を調製し、このスラリーをハニカム構造体1の隔壁4にコーティングした後、乾燥し、焼成することによって、隔壁4に触媒を担持する。
蓄熱体10(ハニカム構造体1)を容器内に設置する場合、蓄熱体10から外部への伝熱を遮蔽するため、蓄熱体10の外周部に蓄熱体10と一体とされ、蓄熱体10の熱が外部に放出されることを防ぐための蓄熱体保持材を備えることが好ましい。蓄熱体10の周りに蓄熱体保持材を巻いた方がより好ましい。つまり、但し、伝熱を遮蔽するものであれば、蓄熱体保持材は特に限定されず、真空構造を有する断熱容器を用いても構わない。いずれにしても、蓄熱体10の周りが断熱されていることがより好ましい。
蓄熱体10を保持するための容器(蓄熱体保持容器)14の材質は特に限定されないが、加工性が良好な金属(例えば、ステンレス等)で構成することが好ましい。接続する配管を含めて構成する材質も特に限定されない。
本発明の蓄熱体10を、自動車等のエンジン冷却水を加熱するための熱エネルギーの貯蔵システムとして利用することもできる。蓄熱体10により、エンジン冷却水を加熱すると、2回目以降からエンジン始動時の暖機時間を短縮でき、燃費を改善することができる。また、温まったエンジン冷却水は室内暖房用の熱源として用いることができ、暖機時間の短縮は、室内暖房のすばやい立ち上がりにも貢献する。また、排ガスや電子部品の冷却水などの排熱を蓄熱体10で蓄熱し、エンジン排熱が少ない場合の暖房熱源、あるいはEV(電気自動車)の暖房熱源として利用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(蓄熱体の製造)
一方の端面2から他方の端面2まで軸方向にセル3が貫通した、セラミックス製のハニカム構造体1の隔壁4の気孔中に、潜熱蓄熱材8が充填されている蓄熱体10を以下のようにして製造した。まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、焼成することによって、材質が多孔質SiC、本体サイズが、直径150mm、長さ150mm、壁厚(隔壁4の厚さ)15mil、セル密度400cpsi、気孔率60%のハニカム構造体1を製造した。次に、潜熱蓄熱材8として酢酸ナトリウム3水塩(増粘材添加品)を、図3Cに示すようにしてハニカム構造体1に充填した。これにより、図1,図2に示すような蓄熱体10を製造した。
(蓄熱体能力評価)
図5に示すように、蓄熱体10、エンジン41、ラジエーター42、ヒーターコア43、温度計44、サーモスタット45、ウォーターバルブ(三方弁)46、ウォーターポンプ47を備える評価装置を用いた。また、図5は、エンジン停止時の状態を示す。さらに、図6は、エンジン始動直後の暖機時(暖機が必要な状態で、蓄熱体10の水(温水)をエンジンに供給する。)、図7は、暖機後(蓄熱体10に水が流れていない。)、図8は、ストレージ稼動状態(十分に暖機された状態で、蓄熱体10に水(温水)を供給している。)を示す図である。
(比較例1)
実施例1と同様にして、ハニカム構造体1を製造した。ただし、潜熱蓄熱材8を充填せず、実施例1と同様に、図5に示す評価装置を用いて評価した。つまり、図5の蓄熱体10の代わりに、潜熱蓄熱材8が充填されていないハニカム構造体1を配置した。
(比較例2)
図9に示すような、蓄熱体として多孔質セラミックより成るハニカム構造体1を用いた蓄熱器50を作製した。まず、セラミックス粉末を含む坏土を所望の形状に押し出した後、乾燥し、焼成することによって、材質が多孔質SiC、本体サイズが、直径150mm、長さ150mm、壁厚(隔壁4の厚さ)15mil、セル密度400cpsi、気孔率60%のハニカム構造体1を製造した。次に、潜熱蓄熱材8として酢酸ナトリウム3水塩(増粘材添加品)を、図3Cに示すようにしてハニカム構造体1に充填した。これにより、図1,図2に示すような蓄熱体10を製造した(ここまでは、実施例1と同じである。)。
このハニカム構造体1は、隔壁4により仕切られて一方の端面2から他方の端面2まで軸方向に貫通するセル3を有するが、セル3の両端面2,2を市松模様状に封止部材52により封止し、封止セル3aを形成してハニカム構造体1aとした。封止セル3aには、潜熱蓄熱材8を充填した。
封止セル3aを有するハニカム構造体1aを容器51内に収納して蓄熱器51とした。図9に示すように、ハニカム構造体1aの両端面2,2には、多孔板55,56が備えられている。蓄熱器50の流体導入口57a側に備えられている多孔板55には、ハニカム構造体1aの封止されていないセル3に対応する箇所の一部に流体導入孔55hが設けられている。一方、流体導出口57b側に備えられている多孔板56には、封止されていないセル3で、流体導入孔55hが設けられていないセル3に対応する箇所に流体導出孔56hが設けられている。したがって、蓄熱器50の流体導入口57aから流入した流体は、多孔板55の流体導入孔55hからハニカム構造体1a内に流入する。そして、潜熱蓄熱材8が充填された封止セル3を通過した後、多孔板56の流体導出孔56hを経由して、流体導出口57bから流出する。この蓄熱器51を図5の蓄熱体10の代わりに配置した。
(結果)
エンジン駆動後、暖機(図6、7の状態)を経て、蓄熱体に十分な熱量が蓄積された状態に達したこと(図8の状態で水温80℃)を確認後、エンジンを停止した。24時間放置したのち、2回目のコールドスタートを実施した。図10に結果を示す。図10の横軸は、図6の状態が主として含まれ、図7の状態も僅かに含んでいる(水温の上昇に伴ってサーモスタット45の開度が徐々に変化する。)。図10の縦軸のエンジン冷却水入口水温は、温度計44aで測定した。蓄熱体として、セル3が貫通しているハニカム構造体1を用いた実施例1は、比較例1,2よりも、エンジン冷却水の温度上昇速度が早くなることを確認した。すなわち、セル3が貫通し、隔壁4の内部に潜熱蓄熱材8が充填された蓄熱体10(実施例1)は、比較例1,2よりも熱交換効率が向上した。
本発明の蓄熱体は、自動車の排ガスの熱を回収し、それを蓄熱して再利用することに用いることができる。本発明の蓄熱体を、自動車等のエンジン冷却水を加熱するための熱エネルギーの貯蔵システムとして利用することができる。
1:ハニカム構造体、2,2a,2b:端面、3:セル、4:隔壁、4a:(隔壁の)表面、4b:(隔壁の厚さ方向の)中央部、4d:隔壁の厚さ方向、7:外周壁、8:潜熱蓄熱材、10:蓄熱体、14:蓄熱体保持容器、20:触媒コンバーター、31:充填装置、32:伸縮性膜、33:導入口、41:エンジン、42:ラジエーター、43:ヒーターコア、44,44a:温度計、45:サーモスタット、46:ウォーターバルブ(三方弁)、47:ウォーターポンプ、50:蓄熱体、51:容器、52:封止部材、55:多孔板、55h:流体導入孔、56:多孔板、56h:流体導出孔、57a:流体導入口、57b:流体導出口。

Claims (2)

  1. セラミックスの隔壁により仕切られて一方の端面から他方の端面まで軸方向に貫通し、流体が流通する複数のセルを有するハニカム構造体として形成され、
    前記隔壁の内部に潜熱蓄熱材が充填され、
    前記セルに加熱流体を流通させることにより蓄熱し、前記セルに被加熱流体を流通させることにより、蓄熱した熱を前記被加熱流体に放熱する蓄熱体。
  2. 前記潜熱蓄熱材は、フッ化物塩、硝酸塩、塩化物塩、アルカリ金属炭酸塩、水酸化物、糖アルコール類、及び酢酸ナトリウムからなる群から選ばれるいずれかである請求項1に記載の蓄熱体。
JP2011129355A 2011-06-09 2011-06-09 蓄熱体 Pending JP2012255105A (ja)

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