JP2012250651A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次衝突時の衝撃力でステアリングホイールが車体前方側にコラプス移動する時のコラプス荷重を精度良く設定可能で、アウターコラムとインナーコラムをガタ無く高い保持剛性で嵌合させることが容易な基本機能が両立するステアリング装置を提供する。
【解決手段】二次次衝突時にステアリングホイールに運転者が衝突して大きな衝撃力が作用すると、剪断ピン70の軸部71が剪断して、インナーコラム20が車体前方側にコラプス移動する。軸部71の剪断力によって衝撃エネルギーを吸収するため、インナーコラム20が車体前方側にコラプス移動する時のコラプス荷重を精度良く設定することが容易となる。
【選択図】図5

Description

本発明はステアリング装置、特に、二次衝突時にステアリングホイールが車体前方側にコラプス移動して、衝撃荷重を吸収するようにしたステアリング装置に関する。
二次衝突時にステアリングホイールが車体前方側にコラプス移動して、衝撃荷重を吸収するようにしたステアリング装置として、特許文献1に示すステアリング装置がある。特許文献1に示すステアリング装置は、アウターコラム内周面をインナーコラム外周面にカシメることによって、締め代を有して嵌合し、アウターコラム内周面とインナーコラム外周面との間の摩擦抵抗によって、衝撃荷重を吸収するようにしている。
しかし、摩擦抵抗は不安定であるため、所定の衝撃荷重吸収特性を安定して得るのが困難である。また、所定の摩擦抵抗を設定することと、アウターコラムとインナーコラムをガタ無く嵌合させることを両立させることが難しい。さらに、アウターコラムまたはインナーコラムの一方の材質が、アルミニウム合金や樹脂等の軟質材料の場合には、カシメによる締め付けでは安定した摩擦抵抗を維持するのが特に困難になる。
特開2006−224786号公報
本発明は、二次衝突時の衝撃力でステアリングホイールが車体前方側にコラプス移動する時のコラプス荷重を精度良く設定可能で、アウターコラムとインナーコラムをガタ無く高い保持剛性で嵌合させることが容易な基本機能が両立するステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、中空筒状のアウターコラム、上記アウターコラムにコラプス移動可能に嵌合すると共に、ステアリングホイールを装着したステアリングシャフトを回動可能に軸支する中空筒状のインナーコラム、上記アウターコラムとインナーコラムの嵌合部に、アウターコラムの外周面からインナーコラムの内周面に貫通して形成され、アウターコラムの軸方向に長い長溝、上記アウターコラムの外周面側から上記長溝を通してインナーコラムの内周面側に貫通する軸部を有する剪断ピン、上記軸部にアウターコラムの外周面側に形成され、上記長溝の溝幅よりも大径でアウターコラムの外周面に当接する頭部、上記頭部に半径方向外側に突出して形成され、上記長溝に内嵌して剪断ピンを回り止めする回り止め部、上記軸部に上記回り止め部に対して直交する方向の半径方向外側に突出して形成され、インナーコラムの内周面に当接して、上記頭部との間でアウターコラムの外周面とインナーコラムの内周面を挟持する挟持部を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記アウターコラムの外周面側から上記長溝を通して上記挟持部をインナーコラムの内周面側に挿入した後、上記剪断ピンを90度回転して、上記インナーコラムの内周面に沿って上記挟持部を変形させ、上記頭部と挟持部との間でアウターコラムの外周面とインナーコラムの内周面を挟持することを特徴とするステアリング装置である。
第3番目の発明は、第2番目の発明のステアリング装置において、上記剪断ピンの軸部が中空円筒状に形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
第4番目の発明は、第2番目の発明のステアリング装置において、上記剪断ピンの頭部の外周または内周には、剪断ピンを回転するための工具が係合する係合部が形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
第5番目の発明は、第1番目から第4番目までのいずれかの発明のステアリング装置において、二次衝突時にステアリングホイールが車体前方側にコラプス移動すると、上記剪断ピンの軸部が剪断して二次衝突時の衝撃荷重を吸収することを特徴とするステアリング装置である。
本発明のステアリング装置は、アウターコラムとインナーコラムの嵌合部に、アウターコラムの外周面からインナーコラムの内周面に貫通して形成され、アウターコラムの軸方向に長い長溝と、アウターコラムの外周面側から長溝を通してインナーコラムの内周面側に貫通する軸部を有する剪断ピンと、軸部にアウターコラムの外周面側に形成され、長溝の溝幅よりも大径でアウターコラムの外周面に当接する頭部と、頭部に半径方向外側に突出して形成され、長溝に内嵌して剪断ピンを回り止めする回り止め部と、軸部に回り止め部に対して直交する方向の半径方向外側に突出して形成され、インナーコラムの内周面に当接して、頭部との間でアウターコラムの外周面とインナーコラムの内周面を挟持する挟持部を備えている。
従って、二次次衝突時にステアリングホイールに衝撃力が作用すると、剪断ピンの軸部が剪断して衝撃エネルギーを吸収するため、車体前方側にコラプス移動する時のコラプス荷重を精度良く設定することが容易となる。また、剪断ピンでアウターコラムとインナーコラムを固定する方式であるため、アウターコラムまたはインナーコラムの一方の材質がアルミニウム合金や樹脂等の軟質材料であっても、コラプス荷重を精度良く設定することが容易となり、かつ、剪断ピンの挟持力を、コラプス荷重に影響を与えず設定可能なため、基本機能が両立する。
本発明の実施例1のステアリング装置の全体斜視図である。 本発明の実施例1のステアリング装置の要部を車体側方側から見た正面図である。 図2の平面図である。 図3のA−A断面図である。 図4のアウターコラムとインナーコラムの嵌合部の要部を示す拡大断面図である。 図5のB−B断面図である。 (a)は図5の車体下方側の長溝を示し、剪断ピンを挿入する前の状態を示す拡大断面図、(b)は(a)の下面図である。 本発明の実施例1の剪断ピン単体を示す部品図であり、(a)は剪断ピンの正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の下面図、(d)は(a)の右側面図、(e)は(a)の縦断面図である。 長溝に剪断ピンを挿入し、剪断ピンを90度回転させる前の状態を示す図6相当図である。 本発明の実施例2の剪断ピン単体を示す部品図であり、(a)は剪断ピンの正面図、(b)は(a)の下面図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)の縦断面図である。 本発明の実施例3の剪断ピン単体を示す部品図であり、(a)は剪断ピンの正面図、(b)は(a)の下面図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)の縦断面図である。 本発明の実施例4のアウターコラムとインナーコラムの嵌合部を示す図6相当図である。
以下本発明の実施例1から実施例3について説明する。
図1は本発明の実施例1のステアリング装置の全体斜視図であり、コラムアシスト型ラックピニオン式の電動式パワーステアリング装置である。図1に示す電動式パワーステアリング装置は、ステアリングホイール101の操作力を軽減するために、コラム105に取付けた操舵補助部(電動アシスト機構)102の操舵補助力をステアリングシャフトに付与し、中間シャフト106を介して、ラックピニオン式のステアリングギヤ103のラックを往復移動させ、タイロッド104を介して舵輪を操舵する方式の電動式パワーステアリング装置である。
図2は本発明の実施例1のステアリング装置の要部を車体側方側から見た正面図、図3は図2の平面図、図4は図3のA−A断面図である。図5は図4のアウターコラムとインナーコラムの嵌合部の要部を示す拡大断面図、図6は図5のB−B断面図である。図7(a)は図5の車体下方側の長溝を示し、剪断ピンを挿入する前の状態を示す拡大断面図、図7(b)は図7(a)の下面図である。
図8は本発明の実施例1の剪断ピン単体を示す部品図であり、(a)は剪断ピンの正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の下面図、(d)は(a)の右側面図、(e)は(a)の縦断面図である。図9は長溝に剪断ピンを挿入し、剪断ピンを90度回転させる前の状態を示す図6相当図である。
本発明の実施例1のステアリング装置は、ステアリングホイール101のチルト位置調整機構及びテレスコピック位置調整機構を持たない電動式パワーステアリング装置に本発明を適用した例である。
図2から図9に示すように、本発明の実施例1の電動式パワーステアリング装置は、ギヤハウジング(減速ギヤボックス)30、ロアーブラケット(下部車体取付けブラケット)40、センサーハウジング(トルクセンサーハウジング)50、アウターコラム(ロアーコラム)10、アッパーブラケット(上部車体取付けブラケット)60がガラス繊維入り合成樹脂で一体成形されている。合成樹脂で一体成形するため、接合部の強度が向上し、軽量な電動式パワーステアリング装置が得られる。
また、ガラス繊維入り合成樹脂で一体成形するため、ガラス繊維が切れずに連続し、成形品の強度が向上する。中空円筒状のアウターコラム10の内周面11には、車体前方側にコラプス移動可能に中空円筒状のインナーコラム(アッパーコラム)20の外周面21が嵌合している。アウターコラム10に対するインナーコラム20の嵌合は、圧入嵌合でも隙間嵌合でもよい。インナーコラム20はアルミニウム合金や鉄等の金属製である。ロアーブラケット40は、図示しない取り付けボルトによって、車体(図示せず)に固定される。また、アッパーブラケット60は、図示しない取り付けボルトによって、車体(図示せず)に固定される。
ロアーブラケット40とアッパーブラケット60は、アウターコラム10と一体成形されているため、アウターコラム10に対するロアーブラケット40とアッパーブラケット60の取り付け精度が良好である。従って、ロアーブラケット40とアッパーブラケット60によってアウターコラム10を車体に固定した時に、アウターコラム10に生じる曲げや捩れが小さくなるため、インナーコラム20の円滑なコラプス移動が可能となる。
図4に示すように、インナーコラム20には、上部ステアリングシャフト22Aが回転可能に軸支され、上部ステアリングシャフト22Aの右端(車体後方側)には、図1のステアリングホイール101が固定されている。上部ステアリングシャフト22Aの車体前方側には雌セレーションが形成され、下部ステアリングシャフト22Bの車体後方側に形成された雄セレーションがセレーション係合している。従って、上部ステアリングシャフト22Aと下部ステアリングシャフト22Bは、回転トルクを伝達自在に、かつ軸方向に関して相対変位可能に係合している。従って、上部ステアリングシャフト22Aと下部ステアリングシャフト22Bは、衝突時に、この係合部が相対摺動して、全長を縮めることができる。
また、下部ステアリングシャフト22Bの車体前方側端部を、操舵補助部102の出力軸31の車体後方側端部に結合している。出力軸31は、操舵補助部102のギヤハウジング30の車体前方側端面から突出し、図1の自在継手107を介して、中間シャフト106の後端部に連結している。また、この中間シャフト106の前端部に、別の自在継手108を介して、ステアリングギヤ103の入力軸109を連結している。
ギヤハウジング30には、出力軸31が軸受32A、32Bによって回転可能に軸支され、下部ステアリングシャフト22Bと出力軸31は、トーションバー33によって連結されている。出力軸31にはウォームホイール34が取り付けられ、ウォームホイール34にウォーム35が噛合って、減速機構を構成している。電動モータ36がギヤハウジング30に固定され、この電動モータ36の図示しない回転軸にウォーム35が結合されている。
また、出力軸31の右側の周囲には、上記トーションバー33の捩れを検出するトルクセンサ51が設けられている。ステアリングホイール101から下部ステアリングシャフト22Bに加えられるトルクの方向と大きさを、このトルクセンサ51で検出する。この検出信号に応じて、電動モータ36を駆動し、ウォーム35とウォームホイール34から成る減速機構を介して、出力軸31に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。トルクセンサ51は、アウターコラム10と一体成形されたセンサーハウジング50に収納され、センサーハウジング50の開口部52からトルクセンサ51のケーブルが外部に取り出される。
下部ステアリングシャフト22Bの外周面には、キーロックカラー24が取り付けられている。また、アウターコラム10の下面のステアリングロック装置取付部13には、ステアリングロック装置25が固定され、イグニションキーをロック位置に回して鍵穴から引き抜くと、ロックキー(図示せず)がキーロックカラー24の溝に係合して、下部ステアリングシャフト22Bをアウターコラム10に対して固定して、下部ステアリングシャフト22Bの回転を阻止する。
図2、図3に示すように、アウターコラム10の外周面には、ステアリングロック装置取付部13の近傍に、複数のリブ12が一体成形されている。従って、キーロック状態で、過度に大きな捩りモーメントが下部ステアリングシャフト22Bに加わった時に、アウターコラム10の捩れ変形を防止している。
キーロックカラー24及びステアリングロック装置25は、ロアーブラケット40とアッパーブラケット60との間に配置されている。従って、キーロック状態で、捩り荷重が下部ステアリングシャフト22Bに加わった時の反力を、ロアーブラケット40とアッパーブラケット60の両方で支持することが出来るため、荷重を分散出来、好ましい。
ギヤハウジング30の車体前方側の端面には、合成樹脂製のフロントカバー37が取り付けられ、ギヤハウジング30の車体前方側の端面を密閉するとともに、軸受32Aの外輪を支持している。
アウターコラム10の内周面11にインナーコラム20の外周面21を嵌合した後、3個の剪断ピン70によって、アウターコラム10にインナーコラム20を固定する。剪断ピン70は、車体上方側に軸方向に離間して2個、車体下方側に1個取り付けられている。図4から図7に示すように、アウターコラム10とインナーコラム20の嵌合部には、アウターコラム10の軸方向に長い長溝80が形成されている。長溝80は、車体上方側に軸方向に離間して2個、車体下方側に1個形成されている。長溝80は、アウターコラム10の外周面14からインナーコラム20の内周面23に貫通して形成されている。
図7に示すように、長溝80は、溝幅がW1で、軸方向の長さがL1の小判型に形成されている。また、長溝80の軸方向の中間位置には、内径D1が溝幅W1よりも若干大きい円形孔81が形成されている。図8に示すように、剪断ピン70は、円柱状の軸部71、円柱状の頭部72、回り止め部73、73、挟持部74で構成されている。剪断ピン70は、アルミニウム合金や合成樹脂等の材料で形成されている。
軸部71は中実円柱状で、軸部71の外径D2は、円形孔81の内径D1よりも若干小径に形成されている。軸部71の長さL4は、アウターコラム10の肉厚とインナーコラム20の肉厚を合計した長さに設定されている。軸部71の外径D2、剪断ピン70の材質、剪断ピン70の個数を適宜設定して、二次衝突時に軸部71が剪断する時のコラプス荷重を調整することができる。
頭部72は軸部71の上端(図8(a)の下端)に一体的に形成され、頭部72の外径D3は、円形孔81の内径D1よりも大径に形成されている。頭部72の上面721の軸心には矩形の係合孔(係合部)75が形成され、工具(図9参照)76を係合孔75に係合して、剪断ピン70を回転する。
回り止め部73、73は、頭部72の外周面の180度対向した位置に、半径方向外側(図8(a)の左右方向)に突出して形成されている。回り止め部73、73の幅W2は、長溝80の溝幅W1よりも若干小さく、また、回り止め部73、73の長さL2は、長溝80の軸方向の長さL1よりも若干小さく形成されている。回り止め部73、73の下面731、731は、頭部72の下面722から図8(a)の上方に向かって傾斜して延び、アウターコラム10の外周面14に対して接線方向に形成されている。
挟持部74は、軸部71の下端(図8(a)の上端)に一体的に形成されている。挟持部74は、回り止め部73、73に対して直交する方向の半径方向外側(図8(a)の紙面に直交する方向)に突出して形成されている。挟持部74の幅W3は、長溝80の溝幅W1よりも若干小さく、また、挟持部74の長さL3は、長溝80の軸方向の長さL1よりも若干小さく形成されている。挟持部74は、軸部71の軸心に対して直交する方向に延び、直線状に形成されている。
アウターコラム10の内周面11にインナーコラム20の外周面21を嵌合した後、アウターコラム10の外周面14側から長溝80に剪断ピン70を挿入する。図9に示すように、剪断ピン70を長溝80に挿入すると、挟持部74が長溝80を通してインナーコラム20の内周面23側に挿入され、軸部71が円形孔81を通してインナーコラム20の内周面23側に挿入される。その結果、剪断ピン70の頭部72の下面722がアウターコラム10の外周面14に当接し、挟持部74がインナーコラム20の内周面23から若干突出する。
工具76を剪断ピン70の係合孔75に係合して、剪断ピン70を90度回転する。すると、図6に示すように、剪断ピン70の挟持部74がインナーコラム20の内周面23に沿って円弧状に曲げられて変形する。挟持部74が曲げられる時の抵抗力によって軸部71が引っ張られ、頭部72の下面722と挟持部74との間で、アウターコラム10の外周面14とインナーコラム20の内周面23を挟持する。従って、アウターコラム10とインナーコラム20はガタ無く固定されるため、通常使用時に必要なインナーコラム20の保持剛性が向上し、操舵フィーリングが向上する。
挟持部74の厚さや幅等の寸法を変えることによって、剪断ピン70の頭部72と挟持部74がアウターコラム10とインナーコラム20を挟持する力を適宜調整することができる。また、図5に示すように、剪断ピン70を90度回転すると、剪断ピン70の回り止め部73、73が長溝80に内嵌して係合するため、剪断ピン70は長溝80によって回り止めされ、剪断ピン70が長溝80から抜け出すことを防止する。
二次次衝突時にステアリングホイール101に運転者が衝突して大きな衝撃力が作用すると、剪断ピン70の軸部71が剪断して、インナーコラム20が車体前方側にコラプス移動する。本発明の実施例では軸部71の剪断力によって衝撃エネルギーを吸収するため、インナーコラム20が車体前方側にコラプス移動する時のコラプス荷重を精度良く設定することが容易となる。また、剪断ピン70でアウターコラム10とインナーコラム20を固定する方式であるため、アウターコラム10またはインナーコラム20の一方の材質がアルミニウム合金や樹脂等の軟質材料であっても、コラプス荷重を精度良く設定することが容易となる。
次に本発明の実施例2について説明する。図10は本発明の実施例2の剪断ピン単体を示す部品図であり、(a)は剪断ピンの正面図、(b)は(a)の下面図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)の縦断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
本発明の実施例2の剪断ピン70は、軸部を中空円筒状にしてコラプス荷重を調整した例である。図10に示すように、実施例2の剪断ピン70は、実施例1と同一形状の円柱状の軸部71、円柱状の頭部72、回り止め部73、73、挟持部74で構成されている。頭部72の上面721の軸心には雌セレーション状の係合孔(係合部)78が形成され、工具(図示せず)先端の雄セレーション状の係合部が係合孔78に係合して、剪断ピン70を回転する。
雌セレーション状の係合孔78は軸部71の上端(図10(d)の上側)近傍まで延び、軸部71が中空円筒状に形成されている。二次次衝突時にステアリングホイール101に運転者が衝突して大きな衝撃力が作用すると、剪断ピン70の軸部71の中空円筒部が剪断して、インナーコラム20が車体前方側にコラプス移動する。本発明の実施例2では軸部71の中空円筒部の断面積を適宜設定して、二次衝突時に軸部71が剪断する時のコラプス荷重を所定の値に設定することが容易になる。断面積が適切な剪断荷重になるように設定された剪断ピン70の挟持力だけを大きくしたい場合、係合孔78の奥底まで工具76を差し込んで剪断ピン70を90度回転させることができるため、大きな回転トルクで剪断ピン70を回転させることができる。
次に本発明の実施例3について説明する。図11は本発明の実施例3の剪断ピン単体を示す部品図であり、(a)は剪断ピンの正面図、(b)は(a)の下面図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)の縦断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
本発明の実施例3の剪断ピン70は、工具との係合部を頭部の外周に形成した例である。図11に示すように、実施例3の剪断ピン70は、実施例1と同一形状の円柱状の軸部71、円柱状の頭部72、回り止め部73、73、挟持部74で構成されている。頭部72の上面721側の外周には雄セレーション状の係合突起(係合部)77が形成され、工具(図示せず)先端の雌セレーション状の係合部が係合突起77に係合して、剪断ピン70を回転する。
次に本発明の実施例4について説明する。図12は本発明の実施例4のアウターコラムとインナーコラムの嵌合部を示す図6相当図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
本発明の実施例4は、中空楕円筒状のインナーコラム20を使用した例である。図12に示すように、実施例4のインナーコラム20は、アウターコラム10の内周面11との嵌合部が中空楕円筒状に形成されている。実施例4では、インナーコラム20の長軸部(図12の上下方向)の外周面21をアウターコラム10の内周面11に圧入嵌合している。この圧入嵌合している長軸部(図12の上側と下側の各々1箇所)に実施例1と同一形状の長溝を、アウターコラム10の外周面14からインナーコラム20の内周面23に貫通して形成し、実施例1と同一形状の剪断ピン70、70によって、アウターコラム10にインナーコラム20を固定する。
上記実施例では、工具との係合部を剪断ピン70の頭部72の外周または内周に形成しているが、回り止め部73、73に工具を直接係合して剪断ピン70を回転してもよい。また、係合孔75や係合突起77は、矩形孔やセレーション状に限定されるものではなく、六角孔や六角頭等、工具の回転トルクを伝達可能な形状であればよい。
また、アウターコラムの材質は合成樹脂に限定されるものではなく、アルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄等でもよい。上記実施例では、剪断ピン70はアウターコラム10の円周上の2箇所に形成されているが、アウターコラム10の円周上の2箇所以上に形成してもよく、その円周上の間隔は、等間隔でも不等間隔でもよい。上記実施例では、アウターコラムとインナーコラムの嵌合部が中空円筒状、中空楕円筒状の例について説明したが、中空の筒状であればよい。
上記実施例では、ステアリングホイールのチルト位置調整機構及びテレスコピック位置調整機構を持たないステアリング装置に本発明を適用した例について説明したが、チルト位置とテレスコピック位置の両方の位置の調整が可能なチルト・テレスコピック式のステアリング装置、テレスコピック位置の調整が可能なテレスコピック式のステアリング装置、チルト位置の調整が可能なチルト式のステアリング装置に適用してもよい。
101 ステアリングホイール
102 操舵補助部(電動アシスト機構)
103 ステアリングギヤ
104 タイロッド
105 コラム
106 中間シャフト
107 自在継手
108 自在継手
109 入力軸
10 アウターコラム(ロアーコラム)
11 内周面
12 リブ
13 ステアリングロック装置取付部
14 外周面
20 インナーコラム(アッパーコラム)
21 外周面
22A 上部ステアリングシャフト
22B 下部ステアリングシャフト
23 内周面
24 キーロックカラー
25 ステアリングロック装置
30 ギヤハウジング(減速ギヤボックス)
31 出力軸
32A、32B 軸受
33 トーションバー
34 ウォームホイール
35 ウォーム
36 電動モータ
37 フロントカバー
40 ロアーブラケット(下部車体取付けブラケット)
50 センサーハウジング(トルクセンサーハウジング)
51 トルクセンサ
52 開口部
60 アッパーブラケット(上部車体取付けブラケット)
70 剪断ピン
71 軸部
72 頭部
721 上面
722 下面
73 回り止め部
731 下面
74 挟持部
75 係合孔
76 工具
77 係合突起
78 係合孔
80 長溝
81 円形孔

Claims (5)

  1. 中空筒状のアウターコラム、
    上記アウターコラムにコラプス移動可能に嵌合すると共に、ステアリングホイールを装着したステアリングシャフトを回動可能に軸支する中空筒状のインナーコラム、
    上記アウターコラムとインナーコラムの嵌合部に、アウターコラムの外周面からインナーコラムの内周面に貫通して形成され、アウターコラムの軸方向に長い長溝、
    上記アウターコラムの外周面側から上記長溝を通してインナーコラムの内周面側に貫通する軸部を有する剪断ピン、
    上記軸部にアウターコラムの外周面側に形成され、上記長溝の溝幅よりも大径でアウターコラムの外周面に当接する頭部、
    上記頭部に半径方向外側に突出して形成され、上記長溝に内嵌して剪断ピンを回り止めする回り止め部、
    上記軸部に上記回り止め部に対して直交する方向の半径方向外側に突出して形成され、インナーコラムの内周面に当接して、上記頭部との間でアウターコラムの外周面とインナーコラムの内周面を挟持する挟持部を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記アウターコラムの外周面側から上記長溝を通して上記挟持部をインナーコラムの内周面側に挿入した後、上記剪断ピンを90度回転して、上記インナーコラムの内周面に沿って上記挟持部を変形させ、上記頭部と挟持部との間でアウターコラムの外周面とインナーコラムの内周面を挟持すること
    を特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項2に記載されたステアリング装置において、
    上記剪断ピンの軸部が中空円筒状に形成されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項2に記載されたステアリング装置において、
    上記剪断ピンの頭部の外周または内周には、剪断ピンを回転するための工具が係合する係合部が形成されていること
    を特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載されたステアリング装置において、
    二次衝突時にステアリングホイールが車体前方側にコラプス移動すると、上記剪断ピンの軸部が剪断して二次衝突時の衝撃荷重を吸収すること
    を特徴とするステアリング装置。
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