JP2012248531A - 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の平均粒子径が12.5μm〜50μmであり、圧縮荷重値49mNを負荷した後の圧縮変形回復率が5〜65%であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする。
前記樹脂粒子の平均粒子径は、個数基準の平均分散粒子径で、12.5μm以上、好ましくは13μm以上、より好ましくは15μm以上、さらに好ましくは17μm以上であり、50μm以下、好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは35μm以下である。樹脂粒子(基材)の平均粒子径が前記範囲内であれば、タッチパネル用、LED用などに用いる半導体実装において、電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
なお、本発明でいう樹脂粒子の個数基準の平均粒子径や粒子径の変動係数は、コールターカウンターにより測定した値であり、測定方法については実施例において後述する。
特に、前記樹脂粒子の回復率が30%以上65%以下であると、回復率が比較的高く、実装時のバインダー排除性が高くなるため、初期抵抗値が低く抑えられる。一方、前記樹脂粒子の回復率が5%以上30%未満であると、回復率が30%以上65%以下である粒子よりも初期抵抗値は高くなるものの、実装後の経時変化が少ないため、抵抗値上昇が抑えられる。
圧縮変形回復率(%)=(L2/L1)×100
なお、各変位量における圧縮弾性率の各値(K値)は、上述した20%K値、10%K値と同様の圧縮試験を行い、圧縮荷重(N)と圧縮変位(mm)の測定結果より算出することができる。
K値極小値を示す圧縮率(%)=[K値極小値での直径に対する変位量の平均値(μm)/個数平均粒子径(μm)]×100
により算出される、K値極小値を示す圧縮率(粒子の直径に対する変位量の割合(%))が10%以上、50%以下であることが、電極などの被接続体に対して大きい接触面積を確保し易くなる点で好ましい。K値極小値を示す圧縮率は、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは35%以下である。
前記スチレン系多官能モノマーの中では、ジビニルベンゼンのように1分子中に2個のビニル基を有する単量体が好ましい。単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系非架橋性単量体のうち前記単量体(3)の例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。これらの中でも、メタアクリレート系単官能モノマーを用いることが好ましく、メチルメタクリレートがより好ましい。単量体(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に前記ポリシロキサン骨格は、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合(例えば、(メタ)アクリロイル基等のビニル基)を有する重合性ポリシロキサン由来の骨格であることが好ましい。つまり、ポリシロキサン骨格は、構成成分として、少なくとも前記第三の形態の架橋構造を形成し得るシラン系架橋性単量体(好ましくは(メタ)アクリロイル基を有するもの、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン)を加水分解及び縮合することにより形成されたポリシロキサン骨格であることが好ましい。
なお、芳香環を有しない単量体は、上述した単量体成分のうち、芳香環を有しないものであれば、ビニル系単量体であってもよいし、シラン系単量体であってもよい。また芳香環を有しない単量体は架橋性であってもよいし、非架橋性であってもよいが、好ましくは架橋性であるのがよい。
特定架橋性単量体(a):1分子中に2個のビニル基を有し、且つこの両ビニル基の炭素−炭素二重結合(C=C)間に、14個以下の原子が連なってなる主鎖部を有する鎖状単位が介在しているビニル系架橋性単量体。
特定架橋性単量体(b):1分子中に1個のビニル基と、2個の縮合性基が結合したケイ素原子とを有し、且つこのビニル基の炭素−炭素二重結合(C=C)とケイ素原子(Si)との間に、14個以下の原子が連なってなる主鎖部を有する鎖状単位が介在しているシラン系架橋性単量体。
なお、14個以下の原子が連なってなる主鎖部には、他の分岐鎖が結合していてもよく(換言すれば、環は形成されない)、好ましくは、主鎖部は炭素原子および/または酸素原子が連なって構成されたものである。
本発明の導電性微粒子は、前記基材(樹脂粒子)表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
なお、前記導電性金属層は、樹脂粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、樹脂粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
また本発明の導電性微粒子は、その直径を10%変位させたときの圧縮弾性率(導電性微粒子の10%K値)の、上述した導電性微粒子の20%K値に対する比(導電性微粒子の10%K値/導電性微粒子の20%K値)が1.5以上であることが好ましい。1.5以上であることにより、低圧接続に適した導電性微粒子となり、さらに被接続体に対する接触面積を有効に大きくすることができるといった効果も得られる。上記比は、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上であり、その上限は特に限定されないが、通常3.0以下であり、好ましくは、2.5以下である。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
まず基材とする前記樹脂粒子の製造方法について説明する。
樹脂粒子の製造方法としては、特に制限はなく、上述の単量体成分を重合するものであれば、特に限定されないが、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合、ゾルゲルシード重合法等が挙げられる。樹脂粒子の粒子径を上述した所定の範囲にするには、例えば、シード重合法により樹脂粒子を合成した後、分級する方法等が好ましく採用される。樹脂粒子の合成にシード重合法を採用することにより、粒度分布の小さい樹脂粒子が得られる。さらに、合成後の樹脂粒子を分級し粗粒子を除去することにより、平均粒子径を所望の範囲に調整することができる。
前記シード粒子調製工程において、有機材料のみから構成される樹脂粒子を合成する場合には、前記ビニル系単量体を用いて、ソープフリー乳化重合、分散重合等の方法でシード粒子を調製すればよい。この場合、前記ビニル系単量体としてスチレン等のスチレン系単官能モノマーを用いることが好ましい。他方、有機材料とポリシロキサン骨格を有する材料から構成される粒子を合成する場合には、前記シラン系単量体を用いて、水を含む溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤と水との混合溶媒)中で加水分解して縮重合させる方法でシード粒子(ポリシロキサン粒子)を調製すればよい。この場合、前記シラン系単量体として、ラジカル重合性基を有するシラン系架橋性単量体を用いて重合性ポリシロキサン粒子とすることが好ましい。またシラン系単量体として上述した特定架橋性単量体(b)を用いることが好ましい。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができ、さらに必要に応じて、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することができる。
吸収工程において、単量体成分がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体成分を加える前及び吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、単量体成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。なお、本発明における樹脂粒子を得るためには、下記式で示される吸収倍率は、特に限定されるものではないが、1.0倍以上、50倍以下であることが好ましい。
吸収倍率=(吸収させる単量体成分の総質量)/(シード粒子の質量)
以上のようにして樹脂粒子は、平均粒子径や粒子径の変動係数等について上述した範囲を満足するよう調製される。
導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。異方性導電材料の好適な用途としてはタッチパネルの入力用、LED用などが挙げられ、特にLEDの実装用に好適に用いられる。
なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子および樹脂粒子の平均粒子径・変動係数(CV値)>
樹脂粒子の場合には、樹脂粒子0.1部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数基準の平均分散粒子径を求めた。また樹脂粒子については、平均分散粒子径とともに個数基準での粒子径の標準偏差をも求め、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/平均分散粒子径)
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.25部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(「エマルゲン(登録商標)430」花王株式会社製)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(19.37mN/秒)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)、および圧縮変位が粒子径の20%となったときの荷重(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。そして、得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき算出した。
また、得られた10%K値、20%K値より、比率(10%K値/20%K値)を算出した。
樹脂粒子の10%K値、20%K値の測定と同様の圧縮試験において、粒子が破壊するまで、もしくは粒子の直径が50%変位するまで粒子を変形させても粒子が破壊しない場合には圧縮変位が粒子径の50%になるまで、粒子を変位させ、各変位量における圧縮弾性率の値(K値)を縦軸に、変位量を横軸にプロットしたときに、K値が極小となる値(すなわちK値極小値;N/mm2)と、K値極小値を示すときの変位量(すなわちK値極小値での直径に対する変位量;μm)を求めた。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、K値極小値、K値極小値での直径に対する変位量ともに、それぞれ平均した値をその試料の測定値とした。そして、K値極小値での直径に対する変位量(μm)を用い、下記式に基づきK値極小値を示す圧縮率(%)を算出した。
K値極小値を示す圧縮率(%)=[K値極小値での直径に対する変位量の平均値(μm)/個数平均粒子径(μm)]×100
なお、各変位量における圧縮弾性率の値(K値)は、10%K値、20%K値と同様にして求めた。
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用い、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.23mN/秒)で最大荷重(49mN)まで圧縮し、そのときの変位量(μm)を測定し、これを最大変位量L1とした。次いで、一定の除負荷速度(2.23mN/秒)で最小荷重(0.49mN)まで荷重を減らしていったときの最大荷重から最小荷重までの間の変位量(μm)を測定し、これを回復変位量L2とした。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
圧縮変形回復率(%)=(L2/L1)×100
2−1.基材(樹脂粒子)の作製
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水250部と、25%アンモニア水0.5部を入れ、攪拌下、滴下口から、単量体成分(シード形成モノマー)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40部、及びメタノール150部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は10.00μmであった。
製造例1において、吸収モノマーの使用量をメチルメタクリレート180部、エチレングリコールジメタクリレート20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(2)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例2において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を350部に、メタノールの使用量を210部に変更したこと以外は、製造例2と同様にして、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は7.46μmであった。さらに製造例2と同様にしてシード粒子への吸収モノマーの吸収およびラジカル重合を行うことによって、樹脂粒子(3)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート200部に変更するとともに、乾燥を窒素雰囲気下80℃で12時間真空乾燥することにより行ったこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(4)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート180部およびテトラエチレングリコールジメタクリレート20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(5)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート180部および1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(6)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例1において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を450部に、メタノールの使用量を270部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は6.70μmであった。さらに、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート540部およびエチレングリコールジメタクリレート60部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてシード粒子への吸収モノマーの吸収およびラジカル重合を行うことによって、樹脂粒子(7)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例7において、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート900部およびエチレングリコールジメタクリレート300部に変更したこと以外は、製造例7と同様にして、樹脂粒子(8)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量をエチレングリコールジメタクリレート200部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(9)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表2に示すとおりであった。
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量をメチルメタクリレート50部、エチレングリコールジメタクリレート50部および新日鐡化学社製「DVB960」(ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)100部とに変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(10)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表2に示すとおりであった。
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水300部と、25%アンモニア水0.3部を入れ、攪拌下、滴下口から、単量体成分(シード形成モノマー)としてフェニルトリメトキシシラン30部、及びメタノール60部を添加し、フェニルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は8.20μmであった。
製造例1において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を400部に、メタノールの使用量を320部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は5.18μmであった。さらに、吸収モノマーの種類と使用量を新日鐡化学社製「DVB960」(ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)200部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてシード粒子への吸収モノマーの吸収およびラジカル重合を行うことによって、樹脂粒子(12)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表2に示すとおりであった。
製造例1において、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を480部に、メタノールの使用量を300部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は6.30μmであった。さらに、吸収モノマーの種類と使用量をn−ブチルメタクリレート720部およびエチレングリコールジメタクリレート80部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてシード粒子への吸収モノマーの吸収およびラジカル重合を行うことによって、樹脂粒子(13)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例13において、吸収モノマーの種類と使用量をn−ブチルメタクリレート720部およびトリエチレングリコールジメタクリレート80部に変更したこと以外は、製造例13と同様にして、樹脂粒子(14)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
製造例13において、吸収モノマーの種類と使用量をn−ブチルメタクリレート720部およびトリプロピレングリコールジメタクリレート80部に変更したこと以外は、製造例13と同様にして、樹脂粒子(15)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、20%K値、10%K値/20%K値、圧縮変形回復率、K値極小値、K値極小値を示す圧縮率は表1に示すとおりであった。
(実施例1)
基材とする樹脂粒子(1)に、水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた樹脂粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解めっき液(日本カニゼン(株)製「シューマー(登録商標)S680」)300部を加えることにより、無電解ニッケルめっき反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルめっきを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルめっき粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金めっき液に加え、ニッケル層表面にさらに金めっきを施すことにより、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
基材として表1に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1および表2に示すとおりであった。
実施例、比較例および参考例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法で異方性導電材料(異方性導電ペースト)を作製し、その性能を下記の方法で評価した。評価結果は表1および表2に示す。
すなわち、三本ロールを用いて、導電性微粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学製「JER828」)100部と、硬化剤(三新化学社製「サンエイド(登録商標)SI−150」)2部と、トルエン100部とを用いて10分間攪拌して分散させ、導電性ペーストを得た。
得られた異方性導電ペーストを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と100μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、5MPa、150℃の圧着条件で熱圧着するとともに、バインダー樹脂を硬化させることによって接続構造体を得た。
抵抗値上昇率(%)=[(B−A)/A]×100
一方、平均粒子径が12.5μm以上でありながら、回復率が65%を超える樹脂粒子を基材とする比較例1〜3の導電性微粒子は、初期抵抗値には問題がないものの、実装後に経時的に抵抗値が上昇してしまうことがわかる。なお、平均粒子径が12.5μm未満の樹脂粒子を基材とする参考例1の導電性微粒子は、回復率が65%を超えるものであるが、粒子径が小さいので、抵抗値の経時的上昇は抑えられている。
Claims (3)
- 樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
前記樹脂粒子の平均粒子径が12.5μm〜50μmであり、圧縮荷重値49mNを負荷した後の圧縮変形回復率が5〜65%であることを特徴とする導電性微粒子。 - 前記樹脂粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)が1000N/mm2以上、14000N/mm2以下である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 請求項1または2に記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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