JP2012241041A - ノンハロゲン難燃性ゴム組成物及びゴム被覆電線・ケーブル - Google Patents

ノンハロゲン難燃性ゴム組成物及びゴム被覆電線・ケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性でかつハロゲンを含まないノンハロゲン難燃性ゴム組成物であって、柔軟性と耐油性がバランスよく優れ、いずれもキャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満足し、かつ、短時間の加硫で、引張強度、引張伸び、耐油性等の規格を満たす生産性が優れたゴム組成物、及びそのゴム組成物を被覆材として用いた柔軟性と耐油性に優れるゴム被覆電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量部及び金属水酸化物30質量部〜150質量部を含有し、前記ゴム成分が、エチレン比が60%〜64%のエチレンプロピレンゴム1及びエチレン比が66%〜70%のエチレンプロピレンゴム2を70:30〜30:70の質量比で含有することを特徴とするノンハロゲン難燃性ゴム組成物、及びそのゴム組成物を被覆材として用いたゴム被覆電線・ケーブル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、移動機器用キャブタイヤケーブルの絶縁体やシースの材料として用いることができるノンハロゲン難燃性ゴム組成物、及びこのゴム組成物を絶縁体やシースに使用したゴム被覆電線・ケーブルに関する。
移動機器用キャブタイヤケーブルとは、作業現場等において通電状態のまま移動可能な電線・ケーブルを言う。キャブタイヤケーブルの構造は、導体とそれを被覆する絶縁体、さらにその外周を包むシースからなる。
キャブタイヤケーブルには、取回ししやすいように高い柔軟性が求められる。同時に電気用品安全法で求められる耐油性等も必要であり、又、低価格化の要請に対応するため高い生産性(短時間での加硫)も望まれる。さらに、難燃性が求められる場合も多い。
従来、キャブタイヤケーブルの絶縁体やシースを形成する材料としては、クロロプレンゴム等のゴム系の材料が用いられていた。クロロプレンゴムを用いれば、高柔軟性と高耐油性を両立でき、かつ加硫が早いので生産性も高い。しかし、クロロプレンゴムはポリマー分子中に塩素原子を含有するため、燃焼時に有毒な塩酸ガスを発生する問題があった。
そこで、ハロゲンを含まないエチレンプロピレンゴムの使用が提案されており、エチレンプロピレンゴムに水和無機化合物や赤リン等の難燃剤を配合し難燃性を付与したゴム組成物、及びこのゴム組成物を絶縁体(絶縁被覆)として用いた絶縁電線が知られている。
例えば、特許文献1には、プロピレン含有量が15重量%以上、30重量%以下のエチレンプロピレンゴム100重量部に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和無機化合物50〜150重量部、赤燐2〜50重量部を含有し、架橋を施すことを特徴とするゴム組成物が開示されている。さらに、このゴム組成物は、キャブタイヤケーブルの絶縁体等の電線・ケーブルのゴム絶縁体に適用できることが記載されている。
又、特許文献2には、導体、それより外側の絶縁体を少なくとも備える難燃性可撓性電線において、絶縁体が、エチレン含有量が70重量%以上、80重量%以下のエチレンプロピレンゴム等に、表面処理を行った水酸化アルミニウム50〜150重量部、赤燐を2〜50重量部を含有し、架橋を施した難燃性ゴム組成物で構成されることを特徴とする電線が開示されており、さらにこの電線は、キャブタイヤケーブルに適用できることが記載されている。
さらに、特許文献3には、エチレンプロピレンコポリマー又はエチレンプロピレンジエンターポリマーから選ばれるポリマー成分100重量部に、水和金属酸化物粉末150〜300重量部及び無水ケイ酸1〜30重量部を添加してなる樹脂組成物を導体外周に被覆し、架橋してなることを特徴とする難燃性電線・ケーブルが開示されている。
特開昭61−291640号公報 特開昭62−219409号公報 特公平7−19486号公報
エチレンプロピレンゴムはハロゲンを含まないので、これを絶縁体に用いたキャブタイヤケーブル等の電線・ケーブルは、燃焼時に有毒なハロゲンガスを発生しない。しかし、絶縁体が、エチレンプロピレンゴムからなる場合は、キャブタイヤケーブルに求められる耐油性と柔軟性をともに満たすことが困難との問題があった。
すなわち、エチレン含量が少ない(=プロピレン含量が多い)エチレンプロピレンゴムは柔軟性に優れるが、結晶量が少ないため又過酸化物架橋する際にプロピレン成分が分解するため、耐油性が低いとの問題がある。さらに、エチレン含量が少ない場合は、引張伸びが小さくなり、大きく屈曲できないとの問題がある。一方、エチレン含有量が多い場合は、結晶性が高く柔軟性が悪くなる。さらに加硫が遅く生産性が低いとの問題もある。
本発明は、従来技術の上記の問題を解決し、難燃性でかつハロゲンを含まないノンハロゲン難燃性ゴム組成物であって、柔軟性と耐油性がバランスよく優れ、いずれもキャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満足し、かつ、短時間の加硫で、引張強度、引張伸び耐油性等の規格を満たす生産性が優れたゴム組成物を提供することを課題とする。本発明は又、このゴム組成物を被覆材として用いた柔軟性と耐油性に優れるゴム被覆電線・ケーブルを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、エチレン含量が異なる2種類のエチレンプロピレンゴムを、所定範囲の比率で混合したゴム組成物に、難燃剤として金属水酸化物を配合することにより、耐油性と柔軟性とのバランスに優れ、いずれもキャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満たし、さらに加硫が早く生産性にも優れるゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
請求項1の発明は、ゴム成分100質量部及び金属水酸化物30質量部〜150質量部を含有し、前記ゴム成分が、エチレン比が60%〜64%のエチレンプロピレンゴム1及びエチレン比が66%〜70%のエチレンプロピレンゴム2を70:30〜30:70の質量比で混合したものであることを特徴とするノンハロゲン難燃性ゴム組成物である。
本発明のゴム組成物は、ハロゲンを含まず(ノンハロゲン)かつ難燃性である。又、柔軟性、耐油性をいずれも高いレベルでバランスさせ、柔軟性及び耐油性のいずれについてもキャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満たすものである。さらに、本発明のゴム組成物は、短時間の加硫で、キャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満たす引張強度、引張伸び及び耐油性を発現することができ、生産性が高いものである。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分、難燃剤である金属水酸化物、及び必要により配合される他の成分よりなる。ゴム成分は、エチレン含量が少ないエチレンプロピレンゴム1とエチレン含量が多いエチレンプロピレンゴム2の混合物を主体(ゴム成分が、この混合物のみからなる場合、又はこの混合物が最も配合量が多い場合を言う。)とする。エチレンプロピレンゴム1は、エチレンプロピレンゴム(エチレンとプロピレンの共重合によって得られる合成ゴム)であって、エチレンとプロピレンの合計を基準とするエチレンの質量比、すなわちエチレン比が60%〜64%のものを言う。エチレンプロピレンゴム2は、エチレンプロピレンゴムであって、前記のエチレン比が66%〜70%のものを言う。
ゴム成分中に含まれるエチレンプロピレンゴム1とエチレンプロピレンゴム2の質量比率は、70:30〜30:70の範囲である。エチレンプロピレンゴム1の質量比率が、エチレンプロピレンゴム1とエチレンプロピレンゴム2の合計質量の70%を超える(すなわち、エチレンプロピレンゴム2の質量比率が30%未満となる)と、柔軟性が悪くなり、キャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満足しなくなる。又、加硫が遅くなり、キャブタイヤケーブルの被覆材として要請される耐油性や引張強度を得るためには長時間の加硫を要する。従って、生産性が劣る。
エチレンプロピレンゴム1の比率が、エチレンプロピレンゴム1とエチレンプロピレンゴム2の合計の30質量%未満となる(すなわち、エチレンプロピレンゴム2の比率が70質量%を超える)と、柔軟性には優れるものの、加硫が遅くなり、キャブタイヤケーブルの被覆材として要請される耐油性や引張強度を得るためには長時間の加硫を要する。従って、生産性に劣る。
本発明のゴム組成物は、難燃性を付与するため、前記のゴム組成物100質量部に対し、金属水酸化物を30質量部〜150質量部含有することを特徴とする。金属水酸化物の含有量が30質量部未満の場合、キャブタイヤケーブルの被覆材として充分な難燃性は得られない。含有量が150質量部を超える場合は、柔軟性や引張強度等が低下し、キャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満たすものは得られない。
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等を挙げることができる。中でも、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムを使用した場合は、より高い難燃性が得られるので好ましい。
本発明のノンハロゲン難燃性ゴム組成物には、本発明の趣旨を損ねない範囲で金属水酸化物以外の成分を含んでもよい。他の成分としては、キャブタイヤケーブルの被覆材として用いられる公知のノンハロゲン難燃性ゴム組成物に配合されるものと同様なものを挙げることができる。例えば、赤リン、リン酸エステル、三酸化アンチモン、錫酸亜鉛等の難燃剤や難燃助剤、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の充填剤、カーボン等の着色剤、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロプル)ベンゼン等の有機過酸化物や硫黄等の架橋剤、エチレンジメタアクリレート、ジアリルフタレート、P−キノンジオキシム等の架橋助剤を挙げることができる。
他に、必要に応じ、酸化防止剤、滑剤、軟化剤、分散剤等を添加してもよい。酸化防止剤としては、フエニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−P−フエニレンジアミン等のアミン系、および2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエノール、ヒンダードフェノール等のフエノール系のものが好適である。
請求項2の発明は、前記ゴム成分の平均エチレン比が63〜67%であることを特徴とする請求項1に記載のノンハロゲン難燃性ゴム組成物である。平均エチレン比が63〜67%の範囲内で、柔軟性、耐油性、生産性(加硫速度)をより高いレベルでバランスさせることができる。ここで、平均エチレン比とは、エチレンプロピレンゴム1及びエチレンプロピレンゴム2のエチレン比を、それぞれE1及びE2とし、ゴム成分中に含まれるエチレンプロピレンゴム1及びエチレンプロピレンゴム2の合計質量に対するエチレンプロピレンゴム1及びエチレンプロピレンゴム2の質量比を、それぞれW1及びW2としたとき、次式で表わされる値である。
(E1×W1+E2×W2)×100(%)
請求項3の発明は、前記ゴム成分が、さらにエチレンアクリルゴムを、1〜10質量%含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノンハロゲン難燃性ゴム組成物である。
前記ゴム成分は、エチレンプロピレンゴムを主体とし、好ましくは、90質量%以上がエチレンプロピレンゴムからなるものであるが、本発明の趣旨を損ねない範囲でエチレンプロピレンゴム以外のゴムを含んでもよい。特に、エチレンアクリルゴムを、ゴム成分の全質量に対して、1〜10質量%配合することにより、請求項1の発明により得られるゴム組成物の優れた特性を維持したまま、さらに高柔軟化できる。すなわち、生産性(加硫速度)に優れ、短い加硫時間で、キャブタイヤケーブルの被覆材としての要請(規格)を満たす優れた耐油性や大きな引張強度、引張伸びを達成できるとともに、柔軟性をさらに向上することができる。
エチレンアクリルゴムの配合量がゴム成分中の1質量%未満の場合は、エチレンアクリルゴムを配合した効果、すなわち高柔軟化が充分達成されない。一方、エチレンアクリルゴムの配合量が10質量%を超える場合は、引張強度が低下し、長時間の加硫を行っても規格を満たす引張強度は得られない。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のノンハロゲン難燃性ゴム組成物を被覆したゴム被覆電線・ケーブルである。
請求項1のノンハロゲン難燃性ゴム組成物は、柔軟性に優れ、かつ短い加硫時間でキャブタイヤケーブルの被覆材としての要請(規格)を満たす優れた耐油性や大きな引張強度、引張伸びを達成できるので、キャブタイヤケーブルの絶縁体やシースを構成する材料等、電線やケーブルを被覆するゴム材料として好適に用いられる。本発明は、前記のノンハロゲン難燃性ゴム組成物に加えて、さらに、このゴム組成物を絶縁体やシース等の絶縁被覆材として用いたゴム被覆電線・ケーブルを提供するものである。従って、本発明のゴム被覆電線・ケーブルは、難燃性、引張強度等の機械的強度、柔軟性及び耐油性に優れるものであり、キャブタイヤケーブル等として好適に用いられる。
本発明のノンハロゲン難燃性ゴム組成物を絶縁体とするゴム被覆電線・ケーブルを作製する場合は、ゴム組成物を構成する各種成分、すなわちエチレンプロピレンゴム1、エチレンプロピレンゴム2、金属水酸化物及び必要により加えられる他の成分を、本発明の範囲内の配合割合で混練を行い、その混練物を押出機により導体の外周に押出被覆し、その後加熱して加硫を行い、導体が絶縁体で被覆された(本発明の)ゴム被覆電線・ケーブルが作製される。
本発明のノンハロゲン難燃性ゴム組成物からなるシースを有するゴム被覆電線・ケーブルは、絶縁被覆電線の1本の外周又は複数本を束ねたものの外周に、前記の混練物を押出機により押出被覆し、その後加熱して加硫を行うことにより作製される。キャブタイヤケーブルのような絶縁体及びシースを有する電線・ケーブルの場合は、絶縁体及びシースのいずれか1方を、本発明のノンハロゲン難燃性ゴム組成物で構成してもよいし、絶縁体及びシースの両方を、本発明のノンハロゲン難燃性ゴム組成物で構成してもよい。
本発明のノンハロゲン難燃性ゴム組成物は、難燃性でありかつハロゲンを含まない。そして、柔軟性と耐油性がバランスよく優れ、かつ、短時間の加硫で、引張強度、引張伸び、耐油性等の要請を満たすことができる生産性に優れるゴム組成物である。本発明のゴム被覆電線・ケーブルは、難燃性、引張強度等の機械的強度、柔軟性、及び耐油性に優れるものであり、キャブタイヤケーブル等として好適に用いられる。
次に、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明の範囲はこの形態に限定されるものではなく本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
[実施例、比較例で使用した樹脂、薬剤]
・エチレンプロピレンゴム1A:エスプレン514F(住友化学社製)、エチレン比:70質量%(表中では「EPゴム1A」と表わす。)
・エチレンプロピレンゴム1B:エスプレン600F(住友化学社製)、エチレン比:66質量%(表中では「EPゴム1B」と表わす。)
・エチレンプロピレンゴム2A:エスプレン603(住友化学社製)、エチレン比:64質量%(表中では「EPゴム2A」と表わす。)
・エチレンプロピレンゴム2B:エスプレン305(住友化学社製)、エチレン比:60質量%(表中では「EPゴム2B」と表わす。)
・エチレンアクリルゴム:ベイマックDP(デュポン社製)
・水酸化マグネシウム:キスマ5A(協和化学社製)
・カーボン:シースト3H(東海カーボン社製)
・酸化防止剤:アデカスタブAO60(アデカ社製、ヒンダードフェノール)
・ジクミルパーオキサイド:Perkadox BC−FF(化薬アクゾ社製)
[実験]
表1〜3に示す配合割合で、上記の各成分を6インチロールによりコンパウンド温度が90℃以下になるようにして混練を行い、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を、プレス機にて160℃×100kgf/cmで1mm厚のシート状にプレス成型し、同時に加硫を行った。加硫(プレス)時間が20分のサンプル及び40分のサンプルそれぞれについて、下記の方法で、引張強度、引張伸びの測定及びゲル分率の測定(耐油性評価)を行い、その結果を表1〜3に示した。
[引張強度、引張伸びの測定]
JIS K7127に従い、試験片タイプ2、幅20mm、200mm/分、23℃の条件で測定した。
[ゲル分率の測定(耐油性評価)]
1Lの丸底フラスコに、サンプル1g、BHT0.25g、パラキシレン500mLを加え、130℃で3時間攪拌した。得られたパラキシレン溶液を迅速に400メッシュのステンレス製金網でろ過し、その後、金網を90℃で6時間乾燥し、秤量して金網を通過しなかった成分の量を求め、130℃パラキシレン不溶部(ゲル)量とし、サンプル中のゲル分率を計算した。
さらに加硫(プレス)時間が40分のサンプルについて、下記の方法で、セカントモジュラス及びJIS A硬度(5秒後)の測定を行い、その結果を表1〜3に示した。
[セカントモジュラス]
サンプルを、引張試験機で引張速度50mm/分で引張り、伸び率が2%となった時の抗張力を50倍した値をセカントモジュラスとする。
[JIS A硬度(5秒後)]
6mm厚の加硫したプレスシートを作製し、JIS Aタイプの硬度計を押し当てて、5秒後の値を読み取った。
さらに又、加硫(プレス)時間が40分のサンプルについて次の測定(1)及び(2)を行った。
(1)120℃で4日間放置したサンプルの引張強度及び引張伸びを前記の方法で測定し、引張強度残率(=(放置後の引張強度/放置前の引張強度)×100(%))及び引張伸び残率(=(放置後の引張伸び/放置前の引張伸び)×100(%))を計算した。
(2)JIS No.2という種類の油にサンプルを70℃で4時間浸漬した後の引張強度及び引張伸びを前記の方法で測定し、引張強度残率(=(浸漬後の引張強度/浸漬前の引張強度)×100(%))及び引張伸び残率(=(浸漬後の引張伸び/浸漬前の引張伸び)×100(%))を計算した。
測定(1)及び(2)の計算値を、それぞれ、表1〜3中の「120℃4日後」の欄及び「JIS No.2」の欄に示した。
Figure 2012241041
Figure 2012241041
Figure 2012241041
表1〜3の結果より、次が示されている。
1)実施例1〜7のゴム組成物では、いずれも160℃・100kgf/cmの条件で20分加硫(クロロプレンゴム並みの加硫条件)することにより、キャブタイヤケーブルの絶縁被覆(絶縁体、シース)の材料に求められる引張強度10MPa以上、引張伸び300%以上、ゲル分率(耐油性評価)80%以上が得られている。従来のエチレンプロピレンゴムでは、キャブタイヤケーブルの規格を満たすためには160℃・100kgf/cmの条件で40分加硫する必要があったが、実施例1〜7のゴム組成物(本発明のノンハロゲン難燃性)では、上記の加硫条件で、キャブタイヤケーブルの絶縁被覆の材料の規格を満たすゴムが得られており、生産性に優れることが明らかである。
2)実施例1〜7のゴム組成物を、160℃・100kgf/cmの条件で40分加硫したときの、セカントモジュラスはいずれも18MPa以下であり、JIS A硬度も80以下であり、柔軟性に優れていることも明らかである。特に、エチレンアクリルゴムを1〜10質量%の範囲で配合した実施例5、6では、さらに、セカントモジュラス15MPa以下とJISA硬度が78以下とのクロロプレンゴム並みの柔軟性が達成されており、より柔軟なケーブルが得られている。
3)さらに、前記測定(1)「120℃4日後」及び測定(2)「JIS No.2」の結果より、実施例1〜7のゴム組成物は、高温での保存耐久性、保存耐油性も、キャブタイヤケーブルの絶縁被覆の材料としての要請を満たすことが示されている。
4)エチレンプロピレンゴム1の質量比率が、エチレンプロピレンゴム1とエチレンプロピレンゴム2の合計質量の70%を超えている比較例1、2、5及び7では、160℃・100kgf/cmの条件で20分の加硫では、キャブタイヤケーブルの被覆材としての規格である引張強度10MPa以上、ゲル分率(耐油性評価)80%以上は得られない。これらの規格を満たすためには、同条件で40分の加硫を要する。すなわち、加硫が遅くなり長時間の加硫を要し、生産性に劣る。又、160℃・100kgf/cmで40分の加硫をしたときのセカントモジュラスは20MPa以上であり、JISA硬度も82以上であり、柔軟性が悪く、この点でもキャブタイヤケーブルの被覆材としての要請を満足しない。
5)エチレンプロピレンゴム1の比率が、エチレンプロピレンゴム1とエチレンプロピレンゴム2の合計の30質量%未満である比較例3、4、6及び8は、柔軟性には優れるものの、160℃・100kgf/cmの条件で20分の加硫では、キャブタイヤケーブルの被覆材としての規格である引張強度10MPa以上、ゲル分率(耐油性評価)80%以上は得られない。すなわち、加硫が遅く、生産性に劣る。
6)エチレンアクリルゴムの配合量が10質量%を超える比較例9の場合は、引張強度が低下し、160℃・100kgf/cmの条件で40分の加硫を行っても規格を満たす引張強度(10MPa以上)は得られない。

Claims (4)

  1. ゴム成分100質量部及び金属水酸化物30質量部〜150質量部を含有し、前記ゴム成分が、エチレン比が60%〜64%のエチレンプロピレンゴム1及びエチレン比が66%〜70%のエチレンプロピレンゴム2を70:30〜30:70の質量比で混合したものであることを特徴とするノンハロゲン難燃性ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分の平均エチレン比が63〜67%であることを特徴とする請求項1に記載のノンハロゲン難燃性ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分が、さらにエチレンアクリルゴムを、1〜10質量%含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノンハロゲン難燃性ゴム組成物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のノンハロゲン難燃性ゴム組成物を被覆したゴム被覆電線・ケーブル。
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