JP2012224132A - ハイブリッド車両の変速制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】減速回生制御中の変速動作に伴う運転者の違和感を抑えること。
【解決手段】エンジン10と、第1変速段群を有する第1変速機構40と、第2変速段群を有する第2変速機構50と、クランクシャフト11と第1変速機構40の入力軸42との間を断接可能な第1クラッチ61と、クランクシャフト11と第2変速機構50の入力軸51との間を断接可能な第2クラッチ62と、第2変速機構50に連結されたモータ/ジェネレータ20と、を備え、減速回生制御中に第2変速段群の中でダウンシフトを行う場合、その変速前後の変速段に基づき決めた第1変速段群におけるトルク代替用変速段での第1クラッチで目標減速トルクを実現するクラッチトルクがクランキングトルクよりも小さければ、変速段切り替えの際のモータ/ジェネレータ20の回生トルクの変動に合わせたトルク代替用変速段でのクラッチトルクを出力して目標減速トルクを発生させること。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械動力源と電気動力源とデュアルクラッチ式変速機とを備えたハイブリッド車両の変速制御システムに関する。
近年、車両用変速機の分野においては、動力源からの動力を途切れることなく駆動力として車輪に伝達させる所謂デュアルクラッチ式変速機(DCT:デュアルクラッチトランスミッション)が知られている。そのデュアルクラッチ式変速機は、大別すると、奇数の変速段(以下、「奇数段」という。)で構成された第1変速機構と、偶数の変速段(以下、「偶数段」という。)で構成された第2変速機構と、動力源と第1変速機構との間に介在して動力源からの動力を第1変速機構に伝達させ又は当該動力の伝達を遮断させる第1クラッチと、動力源と第2変速機構との間に介在して動力源からの動力を第2変速機構に伝達させ又は当該動力の伝達を遮断させる第2クラッチと、によって構成されている。
ここで、その第1クラッチや第2クラッチを介して配置された動力源にエンジン等の機械動力源を利用し、更に、第1又は第2の変速機構の内の何れか一方の入力軸に別の動力源としてのモータ等の電気動力源を設けたハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両においては、減速時に、第1及び第2のクラッチを解放させると共に機械動力源を停止させ、電気動力源を回生制御することがある。そして、このハイブリッド車両では、その減速回生制御の実行中に、例えば電気動力源の連結されている変速機構の各変速段間で変速段の切り替えを行うよう変速要求が為されることもある。例えば、下記の特許文献1には、そのような変速要求が減速回生制御の実行中に行われた場合、モータの回生制御を止めて(つまりモータトルクを0にして)変速が可能な状態にし、これに伴い減少した制動トルクをエンジンブレーキで補うことで、減速感の変化を運転者に感じさせることなく変速を完了させる技術が開示されている。尚、下記の特許文献2には、その回生制御の停止に伴う制動トルクの減少分を油圧ブレーキによって補う技術が開示されている。
特開2010−083454号公報 特開2009−113535号公報
ところで、エンジンが停止している状態からエンジンブレーキを発生させた場合、そのエンジンは、エンジンブレーキ量の増加と共にエンジン回転数が上昇する。そして、減速回生制御の実行中の変速動作は、運転者の意図しないところで電子制御装置により実行される。従って、運転者は、その減速回生制御の実行中にエンジン回転数が上昇すると、これに違和感を覚える。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、減速回生制御中の変速動作に伴う運転者の違和感を抑えることが可能なハイブリッド車両の変速制御システムを提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、機械動力源と、前記機械動力源の出力軸が連結される第1入力軸、第1出力軸及び当該第1入力軸と当該第1出力軸との間に配置した複数種類の変速段からなる第1変速段群を有する第1変速機構と、前記機械動力源の出力軸が連結される第2入力軸、第2出力軸及び当該第2入力軸と当該第2出力軸との間に配置した複数種類の変速段からなる第2変速段群を有する第2変速機構と、前記機械動力源の出力軸と前記第1変速機構の第1入力軸との間を断接可能な第1クラッチと、前記機械動力源の出力軸と前記第2変速機構の第2入力軸との間を断接可能な第2クラッチと、前記第2変速機構の前記第2入力軸又は前記第2出力軸に連結された力行駆動及び回生駆動が可能な電気動力源と、前記第1及び第2のクラッチを解放させた状態で前記機械動力源を停止させると共に前記電気動力源を回生駆動させ、走行中の駆動輪側からのトルクを当該電気動力源に伝えることで、電力の回生及び目標減速トルクに応じた減速が可能な減速回生制御を実行する減速回生制御装置と、走行中に前記第2変速段群の中で変速段の切り替えを行う場合、前記電気動力源を停止し、該停止状態で変速段を切り替える変速制御装置と、を備え、減速回生制御中に前記第2変速段群の中でダウンシフトを行う場合、その変速前後の変速段に基づき決めた前記第1変速段群におけるトルク代替用変速段での前記第1クラッチで目標減速トルクを実現するクラッチトルクが前記機械動力源のクランキングトルクよりも小さければ、変速段切り替えの際の前記電気動力源の回生トルクの変動に合わせた前記トルク代替用変速段での前記第1クラッチのクラッチトルクを出力して目標減速トルクを発生させることを特徴としている。
ここで、前記トルク代替用変速段が前記第1変速段群の中で最も低速段で且つ当該トルク代替用変速段での前記第1クラッチで目標減速トルクを実現するクラッチトルクが前記クランキングトルク以上になる場合、少なくとも前記第2変速段群の中での変速段の切り替えが完了するまでの間の目標減速トルクについて前記クランキングトルクよりも大きくならないように設定し、該目標減速トルクについては、変速段切り替えの際に変動させる前記電気動力源の回生トルクと、該変動に合わせた前記第1変速段群の中で最も低速段となる前記トルク代替用変速段での前記第1クラッチのクラッチトルクと、で発生させることが望ましい。
本発明に係るハイブリッド車両の変速制御システムは、減速回生制御中の第2変速段群内でのダウンシフトの際に、回生トルクの変動分をトルク代替用変速段でのクラッチトルクにすり替えて出力することで、目標減速トルクを発生させる。これが為、その際には、回生トルクの変動に拘わらずハイブリッド車両が減速するので、運転者が違和感を覚えない。そして、その際には、トルク代替用変速段での最大クラッチトルクが機械動力源のクランキングトルクよりも小さく、すり替えられたクラッチトルクがクランキングトルクを超えて大きくならないので、機械動力源の出力軸が回転しない。従って、この変速制御システムに依れば、減速回生制御中の第2変速段群内でのダウンシフトの際、減速状態を保ったまま機械動力源の回転数を上昇させずに変速されるので、運転者に違和感を与えない。
図1は、本発明に係る変速制御システムの適用対象となるハイブリッド車両の概略構成について説明する図である。 図2は、減速回生制御中のダウンシフト時における目標減速トルクとモータトルクとクラッチトルクとの関係の一例を示すタイムチャートである。 図3は、減速回生制御中のダウンシフト時における目標減速トルクとモータトルクとクラッチトルクとの関係の他の例を示すタイムチャートである。 図4は、減速回生制御中のダウンシフト時の演算処理動作を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係るハイブリッド車両の変速制御システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係るハイブリッド車両の変速制御システムの実施例を図1から図4に基づいて説明する。
図1には、その変速制御システムの制御対象たるハイブリッド車両の一例を示している。この図1の符号1は、本実施例のハイブリッド車両を示している。このハイブリッド車両1においては、動力源としての機械動力源と電気動力源とが設けられており、この動力源の動力が自動変速機を介して駆動輪側に伝えられる。その自動変速機としては、一方のクラッチが係合状態のときに他方のクラッチを解放させたまま当該他方のクラッチに係る変速機構の変速段を同調(シンクロ)した状態で待機させておき、その一方のクラッチの解放と共に他方のクラッチを係合して、動力源からの動力を途切れることなく駆動力として駆動輪に伝達させる所謂デュアルクラッチ式変速機が搭載されている。
このハイブリッド車両1において、機械動力源、電気動力源及びデュアルクラッチ式変速機は、その動作が電子制御装置(ECU)100によって制御される。変速制御システムは、その電子制御装置100の演算処理機能の1つとして設けられている。
最初に、本実施例のハイブリッド車両1の構成について図1を用いて説明する。
機械動力源とは、クランクシャフト(出力軸)11から機械的な動力(エンジントルク)を出力する内燃機関や外燃機関等のエンジン10のことである。このハイブリッド車両1においては、走行中にエンジン10を停止及び再始動させることができる。停止中には、エンジン10が所謂フューエルカット状態になり、燃費の向上が図られる。また、このエンジン10は、再始動の際に、後述するデュアルクラッチ式変速機から伝達されたトルクによって所定の回転数までエンジン回転数を上昇させる。そのトルクは、回転中の駆動輪WL,WRから伝えられたものであってもよく、下記のモータ/ジェネレータ20の力行駆動時のモータトルクが伝えられたものであってもよい。また、このエンジン10の再始動には、図示しないスタータモータを利用してもよい。エンジン回転数は、出力軸11の回転角の検出が可能な角度センサ(所謂クランク角センサ)12の検出信号から得られる。
また、電気動力源とは、モータ、力行駆動可能なジェネレータ又は力行及び回生の双方の駆動が可能なモータ/ジェネレータのことである。ここでは、モータ/ジェネレータ20を例に挙げて説明する。例えば、このモータ/ジェネレータ20は、永久磁石型交流同期電動機として構成する。モータ/ジェネレータ20は、力行駆動時にモータ(電動機)として機能して、二次電池25とインバータ26を介して供給された電気エネルギを機械エネルギに変換し、回転軸21から機械的な動力(モータトルク)を出力する。一方、回生駆動時には、ジェネレータ(発電機)として機能して、入力軸51から回転軸21に機械的な動力(モータトルク)が入力された際に機械エネルギを電気エネルギに変換し、インバータ26を介して電力として二次電池25に蓄える。このモータ/ジェネレータ20においては、ロータの回転角位置を検出する回転センサ(レゾルバ)22が設けられており、その回転センサ22の検出信号が電子制御装置100に送信される。
このハイブリッド車両1には、その二次電池25の充電状態(SOC:state of charge)を検出する電池監視ユニット27が設けられている。その電池監視ユニット27は、検出した二次電池25の充電状態に係る信号(換言するならば、残存容量量(SOC量)に関する信号)を電子制御装置100に送信する。電子制御装置100は、その信号に基づいて二次電池25の充電状態の判定を行い、その二次電池25の充電の要否を判定する。
このハイブリッド車両1には、エンジン10やモータ/ジェネレータ20と駆動輪WL,WRとの間に介在し、その間においての動力伝達を可能にする動力伝達装置(複数の変速段からなるデュアルクラッチ式変速機30や差動機構付き最終減速装置70等)が設けられている。この動力伝達装置は、例えば、エンジン10やモータ/ジェネレータ20の動力を駆動力として駆動輪WL,WRに伝える。
ここで例示するデュアルクラッチ式変速機30は、前進5段、後退1段の変速段を有するものであって、前進用の変速段として第1速ギア段41、第2速ギア段52、第3速ギア段43、第4速ギア段54及び第5速ギア段45を備え、且つ、後退用の変速段として後退ギア段49を備えている。前進用の変速段は、変速比が第1速ギア段41、第2速ギア段52、第3速ギア段43、第4速ギア段54、第5速ギア段45の順に小さくなるよう構成している。
このデュアルクラッチ式変速機30には、複数種類の変速段からなる第1変速段群を有する第1変速機構40と、これらとは異なる複数種類の変速段からなる第2変速段群を有する第2変速機構50と、が設けられている。この例示では、第1変速機構40が奇数の変速段(奇数段)で構成され、第2変速機構50が偶数の変速段(偶数段)で構成される。
先ず、第1変速機構40について詳述する。この第1変速機構40は、各々の変速段に応じた複数の歯車対を備える平行軸歯車装置として構成されたものであり、第1変速段群として奇数段の第1速ギア段41、第3速ギア段43及び第5速ギア段45を備えている。また、この第1変速機構40は、所定の間隔を空けて平行に配置された平行軸としての入力軸(第1入力軸)42と出力軸(第1出力軸)44とを備えている。
第1速ギア段41は、互いに噛み合い状態にある第1速メインギア41aと第1速カウンタギア41cの歯車対で構成する。その第1速メインギア41aは、第1変速機構40の入力軸42と一体になって回転できるよう当該入力軸42に取り付ける。一方、第1速カウンタギア41cは、第1変速機構40の出力軸44に対して相対回転できるよう当該出力軸44に取り付ける。
この第1変速機構40には、第1速カウンタギア41cと出力軸44とが一体になって回転できる係合状態と、第1速カウンタギア41cと出力軸44とが相対回転できる解放状態(非係合状態)と、の切り替えを行う第1速カップリング機構41dが設けられている。例えば、この第1速カップリング機構41dには、その係合状態を作り出すシフト係合スリーブと、その解放状態を作り出すシフト解放スリーブと、これらシフト係合スリーブ又はシフト解放スリーブを動かして係合状態又は解放状態の切り替えを行うアクチュエータ(スリーブ操作モータ)と、が設けられている。そのアクチュエータは、その動作が電子制御装置100に制御される。電子制御装置100は、第1速ギア段41が選択されたならば、第1速カップリング機構41dを係合状態となるように作動させて第1速ギア段41での変速動作が実行できるようにし、それ以外の変速段が選択されたならば、第1速ギア段41での変速動作を回避すべく第1速カップリング機構41dを解放状態(非係合状態)となるように作動させる。
第3速ギア段43は、第1速ギア段41と同様の第3速メインギア43a、第3速カウンタギア43c及び第3速カップリング機構43dを備える。また、第5速ギア段45についても、第1速ギア段41と同様に、第5速メインギア45a、第5速カウンタギア45c及び第5速カップリング機構45dを備えている。
後退ギア段49は、後退メインギア49aと後退中間ギア49bと後退カウンタギア49cとを備える。その後退メインギア49aと後退カウンタギア49cは、夫々に第1速ギア段41の第1速メインギア41aと第1速カウンタギア41cと同様のものである。後退中間ギア49bは、後退メインギア49a及び後退カウンタギア49cと噛み合い状態にあり、第1変速機構40の入力軸42や出力軸44とは別の回転軸49fと一体になって回転できるよう当該回転軸49fに取り付けられている。また、この後退ギア段49は、後退カウンタギア49cと出力軸44とを係合又は解放させる後退カップリング機構49dも備えている。
この第1変速機構40の入力軸42には、その一端に後述する第1クラッチ61が連結されている。また、出力軸44の一端には、この出力軸44と一体になって回転する第1駆動ギア44aが取り付けられている。その第1駆動ギア44aは、デュアルクラッチ式変速機30の出力軸31と一体になって回転する動力統合ギア32に噛み合わされている。従って、この第1変速機構40は、エンジン10側から入力軸42に入力された入力トルクを第1変速段群(第1速ギア段41,第3速ギア段43又は第5速ギア段45)の内の何れか1つの変速段又は後退ギア段49を用いて変速し、それをデュアルクラッチ式変速機30の出力軸31に向けて出力することができる。更に、この第1変速機構40は、駆動輪WL,WR側から出力軸44に入力された入力トルクを同様に変速し、それをエンジン10側に出力することもできる。ここで、動力統合ギア32には、第2変速機構50の出力軸53に連結された第2駆動ギア53aも噛み合わされている。故に、この第1変速機構40は、第2変速機構50側から出力軸44に入力された入力トルクを同様に変速することも可能であり、それをエンジン10側に出力することができる。
次に、第2変速機構50について詳述する。この第2変速機構50は、第1変速機構40と同じように各々の変速段に応じた複数の歯車対を備える平行軸歯車装置として構成されたものであり、第2変速段群として偶数段の第2速ギア段52及び第4速ギア段54を備えている。また、この第2変速機構50は、所定の間隔を空けて平行に配置された平行軸としての入力軸(第2入力軸)51と出力軸(第2出力軸)53とを備えている。
第2速ギア段52は、第1変速段群と同様の第2速メインギア52a、第2速カウンタギア52c及び第2速カップリング機構52dを備える。その第2速メインギア52aは、第2変速機構50の入力軸51と一体になって回転する。一方、第2速カウンタギア52cは、第2速カップリング機構52dによる係合状態において出力軸53と一体になって回転し、第2速カップリング機構52dによる解放状態において出力軸53に対する相対回転を行う。また、第4速ギア段54は、その第2速ギア段52と同様の第4速メインギア54a、第4速カウンタギア54c及び第4速カップリング機構54dを備えている。
この第2変速機構50の入力軸51には、その一端に後述する第2クラッチ62が連結されており、他端にモータ/ジェネレータ20の回転軸21が連結されている。また、出力軸53の一端には、この出力軸53と一体になって回転する第2駆動ギア53aが取り付けられている。その第2駆動ギア53aは、動力統合ギア32に噛み合わされている。従って、この第2変速機構50は、エンジン10側やモータ/ジェネレータ20側から入力軸51に入力された入力トルクを第2変速段群(第2速ギア段52及び第4速ギア段54)の内の何れか1つの変速段を用いて変速し、それをデュアルクラッチ式変速機30の出力軸31に向けて出力することができる。更に、この第2変速機構50は、駆動輪WL,WR側や第1変速機構40側から出力軸53に入力された入力トルクを同様に変速し、それをエンジン10側やモータ/ジェネレータ20側に出力することもできる。
更に、このデュアルクラッチ式変速機30には、エンジン10と第1変速機構40との間に介在し、その間を断接させる第1クラッチ61、そして、エンジン10と第2変速機構50との間に介在し、その間を断接させる第2クラッチ62を備えたデュアルクラッチ機構60が設けられている。
第1クラッチ61は、エンジン10の出力軸11と第1変速機構40の入力軸42とを係合させる係合状態と、その出力軸11と入力軸42とを係合状態から解放(非係合)させる解放状態(非係合状態)と、の切り替えができるように構成された2つの係合部61a,61bを有する摩擦クラッチ装置である。ここで云う係合状態とは、その出力軸11と入力軸42との間でトルクの伝達をし得る状態のことであり、解放状態とは、その出力軸11と入力軸42との間でのトルクの伝達が行えない状態のことである。従って、この第1クラッチ61は、エンジン10と第1変速機構40との間でトルクを伝達させ又は当該トルクの伝達を遮断させることができる。その係合状態には、2つの係合部61a,61bが接しながら相対回転している半係合状態と、各係合部61a,61bが一体になって回転している完全係合状態と、がある。
また、第2クラッチ62は、エンジン10の出力軸11と第2変速機構50の入力軸51とを係合させる係合状態と、その出力軸11と入力軸51とを係合状態から解放(非係合)させる解放状態(非係合状態)と、の切り替えができるように構成された2つの係合部62a,62bを有する摩擦クラッチ装置である。ここで云う係合状態とは、その出力軸11と入力軸51との間でトルクの伝達をし得る状態のことであり、解放状態とは、その出力軸11と入力軸51との間でのトルクの伝達が行えない状態のことである。従って、この第2クラッチ62は、エンジン10と第2変速機構50との間でトルクを伝達させ又は当該トルクの伝達を遮断させることができる。その係合状態には、2つの係合部62a,62bが接しながら相対回転している半係合状態と、各係合部62a,62bが一体になって回転している完全係合状態と、がある。
第1クラッチ61と第2クラッチ62は、その作動形態の切り替えが夫々に図1に示すアクチュエータ63,64を介して電子制御装置100に制御される。その電子制御装置100は、例えば、エンジントルクを用いて走行する際に、第1クラッチ61又は第2クラッチ62の内の何れか一方のみを係合状態に制御すると共に、他方を解放状態に制御して、そのエンジントルクを第1変速機構40又は第2変速機構50の内の何れか一方に伝達させる。また、力行駆動時のモータトルクのみで走行する際には、第1クラッチ61と第2クラッチ62の双方を解放状態に制御して、エンジン10が停止中であれば、モータ力行トルクの一部がエンジン10側に奪われないようにし、エンジン10が駆動中であれば、エンジントルクが第1変速機構40と第2変速機構50に伝わらないようにする。更に、減速回生制御の実行中には、第1クラッチ61と第2クラッチ62の双方を解放状態に制御し、駆動輪WL,WR側からのトルクがエンジン10に伝わらないようにして、エンジンブレーキの発生を防いでいる。
ここで、その減速回生制御の実行中には、第2変速機構50(モータ/ジェネレータ20が接続されている変速機構)に属する何れかの変速段(第2速ギア段52又は第4速ギア段54)を係合状態に制御し、駆動輪WL,WR側からのトルクをモータ/ジェネレータ20に伝えることで電力の回生を行っている。この減速回生制御の実行中は、エンジンブレーキを発生させないので、その分も含めて電力としての回生が可能であるが、デュアルクラッチ式変速機30が現在の変速段G(n)のまま保たれると、車速の低下と共にモータ/ジェネレータ20の回転数も低下してしまい、電力の回生量が少なくなっていく。また、このハイブリッド車両1は、本来であれば、第2変速機構50における今よりも低速段側の変速段G(n−2)での走行が好ましい車速にまで低下しているにも拘わらず、現在の変速段G(n)が維持される場合もある。この場合には、運転者のアクセル操作等により再加速が要求されたときに、その同一変速機構(第2変速機構50)内の低速段側の変速段G(n−2)や、第1変速機構40における現在の変速段G(n)よりも低速段側の変速段G(n−1)等に変速した後で再加速し始めるので、再加速の応答性が低下する。特に、モータ/ジェネレータ20が接続されていない別の変速機構(第1変速機構40)への変速が為されるときには、エンジン10の再始動も要するので、応答性の低下が顕著になる。これ故に、減速回生制御の実行中に所定車速まで低下した場合には、現在の変速段G(n)の属する第2変速機構50における更に低速段側の変速段G(n−2)に変速させることが望ましい。尚、「n」は、現在の状態を示すものであり、前進5段のデュアルクラッチ式変速機30なので、1,2,3,4,5の内の何れかになる。
しかしながら、モータ/ジェネレータ20の接続されている第2変速機構50内での変速は、変速動作中にモータ/ジェネレータ20の回生制御を停止させる必要があるので、回生時のモータトルク(回生トルク)が0になったことに伴い駆動力抜けを発生させ、減速中であるにも拘わらず加速するという違和感を運転者に与えてしまう。従来、その変速動作中の駆動力抜けを抑えるべく、回生時のモータトルクの低下分をエンジンブレーキで補うことが考えられたが、運転者は、エンジンブレーキの発生に伴い減速中にエンジン回転数が上昇するので、これに違和感を覚える。
そこで、本実施例においては、モータ/ジェネレータ20の接続されている第2変速機構50内でのダウンシフトが減速回生制御中に要求された場合、その変速が運転者に違和感を与えずに行われるように構成する。
具体的には、モータ/ジェネレータ20を有していない第1変速機構40側の第1クラッチ61のクラッチトルクTclを利用し、そのクラッチトルクTclと第1変速機構40の変速段のギア比や最終減速装置70のギア比等とにより生じる減速側の駆動輪トルクを発生させることで、変速が完了するまでの駆動力抜けを抑える。そして、その際には、最大クラッチトルクTclmaxがクランキングトルクTcrよりも小さくなる変速段であって、第1変速機構40における現状の変速段G(n)よりも低速段側の変速段{G(n−1)、G(n−3)等}を接続し、第1クラッチ61を係合させる。ここで、そのクランキングトルクTcrは、停止中のエンジン10の出力軸11が回転し始める為に必要な最小限のトルクであって、エンジン10の構造等から設計時に予め把握可能なものである。ここでは、エンジン10が回転し始める時のトルクをクランキングトルクTcrとする。また、最大クラッチトルクTclmaxは、変速段G(n−2)での減速度を変速段G(n−1)において実現させるときのクラッチトルクである。つまり、ここでは、少なくとも変速段G(n−2)への変速が完了するまで、第1クラッチ61のクラッチトルクTclを発生させつつ、エンジン10を回転させないようにすることで、減速回生制御中の加速やエンジン回転数の上昇という違和感を解消させる。
その第1クラッチ61の係合動作により発生させるクラッチトルクTclは、目標減速トルクTsと回生時のモータトルクTmgとにより大きさを決める。その目標減速トルクTsとは、駆動輪WL,WRにおける所望の減速側の駆動輪トルクを発生させる為の動力源等による目標トルクのことである。例えば、第4速ギア段54での減速回生制御時には、そのときのモータ/ジェネレータ20のモータトルクTmg(4)が目標減速トルクTs(4)となる。クラッチトルクTclのみで減速側の駆動輪トルクを発生させる場合には、そのクラッチトルクTclが目標減速トルクTsとなる。
目標減速トルクTs(n→n−2)は、現在の変速段G(n)から変速段G(n−2)へとダウンシフトさせる際の減速トルクの目標値であって、現在の変速段G(n)における目標減速トルクTs(n){=Tmg(n)}とダウンシフト後の変速段G(n−2)における目標減速トルクTs(n−2){=Tmg(n−2)}との間で発生させる値のことである。つまり、この目標減速トルクTs(n→n−2)とは、そのダウンシフトの際に回生時のモータトルクTmgをTmg(n)から0に低下させるまでの時間t1、変速段G(n)から変速段G(n−2)への接続切り替えに要する時間t2、変速完了後の回生時のモータトルクTmgを0からTmg(n−2)に増加させるまでの時間t3の間における減速トルクの目標値のことを云う。時間t1,t3については、モータ/ジェネレータ20の仕様に応じて予め最短時間が決まっており、モータトルクTmg(n),Tmg(n−2)の大きさに依存する。一方、時間t2は、デュアルクラッチ式変速機30の仕様によって予め決まっている。
この目標減速トルクTs(n→n−2)は、主に、変速段G(n)のときの回生時のモータトルクTmg(n)と、変速段G(n−2)のときの回生時のモータトルクTmg(n−2)と、時間t2と、に基づいて設定する。ここでは、モータトルクTmg(n)からモータトルクTmg(n−2)へと徐々に増加させる。その増加勾配は、モータトルクTmg(n),Tmg(n−2)の差分を少なくとも時間t2以上の時間を掛けて増加させる大きさであって、ショックの発生により運転者が違和感を覚えない大きさに設定する。図2には、第4速ギア段54から第2速ギア段52にダウンシフトさせる際の一例であって、第3速ギア段43又は第1速ギア段41の最大クラッチトルクTclmax(3)又はTclmax(1)がクランキングトルクTcrよりも小さい場合の各種トルクの変化を示している。
ここで、第1変速機構40の中で最も低速段側の変速段G(1)に変速しても、最大クラッチトルクTclmax(1)がクランキングトルクTcr以上になってしまうことも考えられる。この場合には、目標減速トルクTs(n→n−2)は、少なくとも変速段G(n)から変速段G(n−2)への変速が完了するまでの間、クランキングトルクTcrよりも大きくならないように増加させる。即ち、この場合には、少なくともその間、第1クラッチ61のクラッチトルクTclを発生させつつ、エンジン10を回転させないようにして、減速回生制御中の加速やエンジン回転数の上昇という違和感を解消させる。図3には、第4速ギア段54から第2速ギア段52にダウンシフトさせる際の一例であって、第1速ギア段41の最大クラッチトルクTclmax(1)がクランキングトルクTcr以上になる場合の各種トルクの変化を示している。
以下、図4のフローチャートを用いて具体的に説明する。
電子制御装置100は、減速回生制御中であるのか否かを判定し(ステップST1)、減速回生制御中でなければ本演算処理を終える。一方、減速回生制御中の場合、電子制御装置100は、例えば車速検出装置(車速センサや車輪速センサ等)81で検出した車速情報等に基づいて、現在の変速段G(n)から変速段G(n−2)へのダウンシフトの要否を判定する(ステップST2)。その際、ダウンシフトが不要と判定されたときには、本演算処理を終える。これに対して、ダウンシフトが必要と判定されたならば、電子制御装置100は、モータ/ジェネレータ20による現在の回生パワーPmg(n)を算出する(ステップST3)。
その回生パワーPmg(n)は、下記の式1の如く、モータ/ジェネレータ20の回転数Nmg(n)とモータトルクTmg(n)との乗算値である。その回転数Nmg(n)は、回転センサ22の現在の検出値を用いればよい。また、モータトルクTmg(n)は、トルク検出器(図示略)による現在の検出値やモータ/ジェネレータ20に対する回生制御時の現在の指令値を用いればよい。
Pmg(n)=Nmg(n)*Tmg(n) … (1)
電子制御装置100は、現在の走行状態で変速段G(n−2)に変速したときのエンジン10の摩擦トルクTf(n−2)を算出する(ステップST4)。このステップST4においては、変速段G(n−2)のギア比と現在の車速とに基づいてエンジン回転数を求め、このエンジン回転数のときの摩擦トルクTf(n−2)を算出する。摩擦トルクTf(n−2)は、エンジン10の構造等から設計時に予め把握しておくことが可能であり、エンジン回転数に応じて変化する。従って、この摩擦トルクTf(n−2)については、エンジン回転数に対応させたマップを予め用意しておき、そのマップに算出後のエンジン回転数を照らし合わせることで求めればよい。
電子制御装置100は、現在の走行状態で変速段G(n−2)に変速したときのモータ/ジェネレータ20による回生パワーPmg(n−2)を算出する(ステップST5)。このステップST5においては、下記の式2の如く、モータ/ジェネレータ20の現在の回転数Nmg(n)とステップST4の摩擦トルクTf(n−2)との乗算値を回生パワーPmg(n−2)とする。
Pmg(n−2)=Nmg(n)*Tf(n−2) … (2)
電子制御装置100は、モータ/ジェネレータ20の接続されていない第1変速機構40の変速段G(n−1)にダウンシフトされ、且つ、その第1変速機構40側の第1クラッチ61が係合された場合の最大クラッチトルクTclmax(n−1)を算出する(ステップST6)。ここでは、最終的に変速段G(n)から変速段G(n−2)へとダウンシフトさせるので、その変速前後の変速段G(n),G(n−2)に基づき決めた第1変速機構40の変速段の最大クラッチトルクTclmaxを求める。具体的には、変速段G(n),G(n−2)の間の変速比が設定されている変速段G(n−1)の最大クラッチトルクTclmax(n−1)を求める。前述したように、第1クラッチ61や第2クラッチ62の係合状態には、半係合状態と完全係合状態とがある。そして、クラッチトルクTcl(n−1)は、半係合状態の係合度合いが高くなるにつれて大きくなり、完全係合状態で最大になる。従って、このステップST6においては、最大クラッチトルクTclmax(n−1)=Pmg(n−2)/Nin(n−1)として求める。「Nin」は、デュアルクラッチ式変速機30における入力軸42,51の回転数のことである。
電子制御装置100は、その最大クラッチトルクTclmax(n−1)がクランキングトルクTcr以上になるのか否かを判定する(ステップST7)。
電子制御装置100は、最大クラッチトルクTclmax(n−1)がクランキングトルクTcrよりも小さければ、変速時における回生時のモータトルクTmgの変動に合わせてすり替えるクラッチトルク発生用の変速段(トルク代替用変速段)として、その変速段G(n−1)を接続状態に制御する(ステップST8)。
そして、この電子制御装置100は、目標減速トルクTs(n→n−2)を算出する(ステップST9)。このステップST9では、変速段G(n)のときの回生時のモータトルクTmg(n)と、変速段G(n−2)のときの回生時のモータトルクTmg(n−2)と、時間t2と、に基づいて、そのモータトルクTmg(n),Tmg(n−2)の差分を少なくとも時間t2以上の時間を掛けて増加させる増加勾配の目標減速トルクTs(n→n−2)を求める。具体的には、その差分を時間t1の最短時間と時間t2と時間t3の最短時間との和以上の時間を掛けて増加させ、モータトルクTmg(n),Tmg(n−2)の差によるショックで運転者が違和感を覚えない増加勾配を求める。その際、その和よりも多くの時間を要する場合には、時間t1,t2の内の少なくとも一方を最短時間よりも長くする。ハイブリッド車両1においては、この目標減速トルクTs(n→n−2)を出力させることで、運転者に対して減速感を与えつつショックを与えずに、エンジン回転数を上昇させることなく変速段G(n−2)へのダウンシフトを行うことができる。
ここで、このステップST9において、モータトルクTmgをTmg(n)から0に低下させるまでの時間t1の最短時間と、クラッチトルクTclを0からモータトルクTmgが0になったときの目標減速トルクTs(n→n−2)まで増加させる為の最短時間と、を比較し、その結果、後者の最短時間の方が長い場合には、例えば、目標減速トルクTs(n→n−2)の勾配を緩やかにしたり、時間t1の最短時間をクラッチトルクTclの増加の最短時間に置き換えて目標減速トルクTs(n→n−2)の算出を行ったりすればよい。また、モータトルクTmgを0からTmg(n−2)に増加させるまでの時間t3の最短時間と、クラッチトルクTclをモータトルクTmgの増加開始時の目標減速トルクTs(n→n−2)から0まで減少させる為の最短時間と、を比較し、後者の最短時間の方が長い場合には、例えば、目標減速トルクTs(n→n−2)の勾配を緩やかにしたり、時間t2の最短時間をクラッチトルクTclの減少の最短時間に置き換えて目標減速トルクTs(n→n−2)の算出を行ったりすればよい。
更に、このステップST9においては、接続状態にある変速段の最大クラッチトルク(ここでは変速段G(n−1)の最大クラッチトルクTclmax(n−1))とモータトルクTmg(n−2)とを比較する。そして、最大クラッチトルクTclmax(n−1)の方がモータトルクTmg(n−2)よりも小さい場合には、変速完了時(時間t2経過時)の目標減速トルクTs(n→n−2)が最大クラッチトルクTclmax(n−1)を超えないように少なくとも変速完了時までの目標減速トルクTs(n→n−2)の増加勾配を設定する。
また更に、モータトルクTmg(n−2)がクランキングトルクTcrよりも大きくなっている場合も有り得る。この場合には、このステップST9の演算を止めて、後述するステップST13による目標減速トルクTs(n→n−2)の算出を行わせることが好ましい。つまり、この場合には、少なくとも変速完了時まではエンジン10を回転させない目標減速トルクTs(n→n−2)が設定されるようにすることが望ましい。
一方、ステップST7で最大クラッチトルクTclmax(n−1)がクランキングトルクTcr以上になると判定された場合、電子制御装置100は、モータ/ジェネレータ20の接続されていない第1変速機構40において、変速段G(n−1)よりも1つ低速段側の変速段G(n−3)をトルク代替用変速段として接続状態に制御する(ステップST10)。
電子制御装置100は、その変速段G(n−3)の接続状態で第1クラッチ61が係合された場合の最大クラッチトルクTclmax(n−3)を算出する(ステップST11)。その最大クラッチトルクTclmax(n−3)は、Pmg(n−2)/Nin(n−3)として求める。そして、この電子制御装置100は、その最大クラッチトルクTclmax(n−3)がクランキングトルクTcr以上になるのか否かを判定する(ステップST12)。
ここで、最大クラッチトルクTclmax(n−3)がクランキングトルクTcrよりも小さければ、電子制御装置100は、ステップST9に進んで目標減速トルクTs(n→n−2)を算出する。
これに対して、最大クラッチトルクTclmax(n−3)がクランキングトルクTcr以上になる場合、電子制御装置100は、少なくとも変速段G(n)から変速段G(n−2)への変速が完了するまでの間、つまり時間t1+t2の間、クランキングトルクTcrよりも大きくならないように目標減速トルクTs(n→n−2)を算出する(ステップST13)。このステップST13では、変速段G(n)のときの回生時のモータトルクTmg(n)と、クランキングトルクTcrと、時間t1,t2と、に基づいて、目標減速トルクTs(n→n−2)の増加勾配を求める。例えば、ここでは、そのモータトルクTmg(n)とクランキングトルクTcrとの差分を時間t1+t2を掛けて増加させる増加勾配を設定する。ここで、この目標減速トルクTs(n→n−2)は、その増加勾配のまま増加させていった際に、時間t3の最短時間になってもモータトルクTmg(n−2)に達しないのであれば、その増加勾配のままモータトルクTmg(n−2)まで増加させてもよい。一方、この目標減速トルクTs(n→n−2)は、その増加勾配のまま増加させていった際に、時間t3の最短時間を超える前にモータトルクTmg(n−2)に達するのであれば、変速完了後の増加勾配を変速完了前よりも緩やかに設定し、少なくとも時間t3の最短時間以上掛けてモータトルクTmg(n−2)に達するようにすることが好ましい。ハイブリッド車両1においては、この目標減速トルクTs(n→n−2)を出力させることで、運転者に対して減速感を与えつつ、少なくとも変速完了時までエンジン回転数を上昇させることなく変速段G(n−2)へのダウンシフトを行うことができる。
電子制御装置100は、変速段G(n)から変速段G(n−2)への変速を始めるに当たって、ステップST9又はステップST13で求めた目標減速トルクTs(n→n−2)を出力させる(ステップST14)。ここでは、回生時のモータトルクTmgをTmg(n)から0に向けて徐々に低下させていく。これと共に、ここでは、そのモータトルクTmgと目標減速トルクTs(n→n−2)とに基づいてクラッチトルクTclを求め(下記の式3)、これを出力させるように第1クラッチ61の係合制御を行う。このステップST14では、そのモータトルクTmgの低下分がクラッチトルクTclですり替わることになるので、目標減速トルクTs(n→n−2)が出力される。
Tcl=Ts(n→n−2)−Tmg … (3)
電子制御装置100は、回生時のモータトルクTmgが0になったのか否かを判定する(ステップST15)。そして、ここでは、モータトルクTmgが0にまで低下していなければ、ステップST14の目標減速トルクTs(n→n−2)の出力を繰り返す。一方、モータトルクTmgが0になった場合には、ステップST16に進む。つまり、ステップST14の目標減速トルクTs(n→n−2)の出力は、モータトルクTmgが0になるまで続く。
モータトルクTmgが0になった場合、電子制御装置100は、接続状態の変速段G(n)を解放し、変速段G(n−2)を接続状態にする(ステップST16)。このステップST16においては、変速段G(n)が解放されてから変速段G(n−2)が接続状態になるまでの間、モータトルクTmgを0のままにして、クラッチトルクTclの出力だけで目標減速トルクTs(n→n−2)を発生させる。従って、電子制御装置100は、その間、目標減速トルクTs(n→n−2)に合わせて第1クラッチ61の係合制御を行い、その目標減速トルクTs(n→n−2)に応じたクラッチトルクTclを出力させる。この変速動作の間においても、ステップST9又はステップST13で求めた目標減速トルクTs(n→n−2)を出力させる。
変速完了後、電子制御装置100は、モータトルクTmgがTmg(n−2)に増加するまでの間の目標減速トルクTs(n→n−2)を出力させる(ステップST17)。この目標減速トルクTs(n→n−2)についても、ステップST9又はステップST13で求めたものである。このステップST17においては、回生時のモータトルクTmgを0からTmg(n−2)に向けて徐々に増加させていくと共に、そのモータトルクTmgと目標減速トルクTs(n→n−2)とに基づいてクラッチトルクTclを求め(式3)、これを出力させるように第1クラッチ61の係合制御を行う。このステップST17では、そのモータトルクTmgの増加分を減じたクラッチトルクTclが出力されることになるので、目標減速トルクTs(n→n−2)が出力される。
電子制御装置100は、回生時のモータトルクTmgがTmg(n−2)になったのか否かを判定する(ステップST18)。そして、ここでは、モータトルクTmgがTmg(n−2)に増加するまで、ステップST17の目標減速トルクTs(n→n−2)の出力を繰り返す。
このように、ステップST9の目標減速トルクTs(n→n−2)が出力されたときには、回生時のモータトルクTmgを低下させ始めてからTmg(n−2)が出力されるまでの間において、そのモータトルクTmgがクラッチトルクTclにすり替えられており、ハイブリッド車両1が減速するので、駆動力抜けが生じず、減速回生制御中のダウンシフト時に運転者が違和感を覚えない。そして、このときには、その間において、クラッチトルクTclがクランキングトルクTcrよりも大きくならないので、エンジン10が回転せず、減速回生制御中のダウンシフト時に運転者が違和感を覚えない。
また、ステップST13の目標減速トルクTs(n→n−2)が出力されたときも同様に、回生時のモータトルクTmgを低下させ始めてからTmg(n−2)が出力されるまでの間において、そのモータトルクTmgがクラッチトルクTclにすり替えられており、ハイブリッド車両1が減速するので、駆動力抜けが生じず、減速回生制御中のダウンシフト時に運転者が違和感を覚えない。そして、このときには、少なくとも変速完了時までの間はクラッチトルクTclがクランキングトルクTcrよりも大きくならないので、エンジン10を回転させずに変速段G(n−2)へのダウンシフトが可能になり、運転者の違和感を抑制できる。
ところで、本実施例においてはモータ/ジェネレータ20の回転軸21を第2変速機構50の入力軸51に直接接続しているが、そのモータ/ジェネレータ20は、歯車対等の歯車群を介して第2変速機構50の入力軸51に連結してもよい。また、モータ/ジェネレータ20は、第1変速機構40の入力軸42、第1変速機構40の出力軸44又は第2変速機構50の出力軸53に直接又は歯車群を介して接続してもよい。
1 ハイブリッド車両
10 エンジン
20 モータ/ジェネレータ
30 デュアルクラッチ式変速機
40 第1変速機構
50 第2変速機構
60 デュアルクラッチ機構
61 第1クラッチ
62 第2クラッチ
63,64 アクチュエータ
100 電子制御装置

Claims (2)

  1. 機械動力源と、
    前記機械動力源の出力軸が連結される第1入力軸、第1出力軸及び当該第1入力軸と当該第1出力軸との間に配置した複数種類の変速段からなる第1変速段群を有する第1変速機構と、
    前記機械動力源の出力軸が連結される第2入力軸、第2出力軸及び当該第2入力軸と当該第2出力軸との間に配置した複数種類の変速段からなる第2変速段群を有する第2変速機構と、
    前記機械動力源の出力軸と前記第1変速機構の第1入力軸との間を断接可能な第1クラッチと、
    前記機械動力源の出力軸と前記第2変速機構の第2入力軸との間を断接可能な第2クラッチと、
    前記第2変速機構の前記第2入力軸又は前記第2出力軸に連結された力行駆動及び回生駆動が可能な電気動力源と、
    前記第1及び第2のクラッチを解放させた状態で前記機械動力源を停止させると共に前記電気動力源を回生駆動させ、走行中の駆動輪側からのトルクを当該電気動力源に伝えることで、電力の回生及び目標減速トルクに応じた減速が可能な減速回生制御を実行する減速回生制御装置と、
    走行中に前記第2変速段群の中で変速段の切り替えを行う場合、前記電気動力源を停止し、該停止状態で変速段を切り替える変速制御装置と、
    を備え、
    減速回生制御中に前記第2変速段群の中でダウンシフトを行う場合、その変速前後の変速段に基づき決めた前記第1変速段群におけるトルク代替用変速段での前記第1クラッチで目標減速トルクを実現するクラッチトルクが前記機械動力源のクランキングトルクよりも小さければ、変速段切り替えの際の前記電気動力源の回生トルクの変動に合わせた前記トルク代替用変速段での前記第1クラッチのクラッチトルクを出力して目標減速トルクを発生させることを特徴としたハイブリッド車両の変速制御システム。
  2. 前記トルク代替用変速段が前記第1変速段群の中で最も低速段で且つ当該トルク代替用変速段での前記第1クラッチで目標減速トルクを実現するクラッチトルクが前記クランキングトルク以上になる場合、少なくとも前記第2変速段群の中での変速段の切り替えが完了するまでの間の目標減速トルクについて前記クランキングトルクよりも大きくならないように設定し、該目標減速トルクについては、変速段切り替えの際に変動させる前記電気動力源の回生トルクと、該変動に合わせた前記第1変速段群の中で最も低速段となる前記トルク代替用変速段での前記第1クラッチのクラッチトルクと、で発生させることを特徴とした請求項1記載のハイブリッド車両の変速制御システム。
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