JP2012216924A - 信号処理装置及び信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歪みが生じない音量レベルの上限値を効率的に特定することが可能な信号処理装置及び信号処理方法を提供する。
【解決手段】音響信号を出力する音響信号出力手段11と、前記音響信号の音量レベルを段階的に増加させる制御手段12と、前記音量レベルが調整された後の音響信号を音として出力する出力手段14と、前記出力手段が出力した音を収音する収音手段15と、前記収音手段が収音した収音信号に対し前記音響信号のエコー成分を抑圧する抑圧手段17と、前記抑圧された収音信号に残留した残留エコー成分レベルを測定するとともに、連続する前記音量レベル間での前記残留エコー成分レベルの変化量に基づき、当該エコー成分のレベルの不連続変化を検知する検知手段18と、を備え、前記制御手段12は、前記検知手段で不連続変化が検知された場合に、当該不連続変化が検知される直前の音量レベルを歪みが生じない音量レベルの上限値として取得する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、信号処理装置及び信号処理方法に関するものである。
DSP(Digital Signal Processor)等を用いて音響信号の特性を変化させることで、所望の受聴環境を提供する技術が提供されている。例えば、スピーカやイヤホンから出力された再生音をマイクロフォンで収音し、この収音した音の周波数特性に基づいて、再生音を補正する技術が提案されている。
特開2007−235809号公報
しかしながら、従来の技術では、収音した音から周波数特性を取得することが可能であるが、音量の増加に伴い発生する歪みについては考慮されていないため、歪みが発生した状態で周波数特性の取得が行われてしまう可能性がある。この場合、取得された周波数特性は正確な値とはならないため、当該周波数特性に基づいて音響信号の補正を行うと音質の低下等を招く可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、歪みが生じない音量レベルの上限値を効率的に特定することが可能な信号処理装置及び信号処理方法を提供することを目的とする。
実施の形態の信号処理装置は、音響信号出力手段と、音量調整手段と、制御手段と、出力手段と、収音手段と、抑圧手段と、検知手段とを備える。音響信号出力手段は、音響信号を出力する。音量調整手段は、音響信号の音量レベルを調整する。制御手段は、音量調整手段を制御し、音量レベルを段階的に増加させる。出力手段は、音量レベルが調整された後の音響信号を、音として出力する。収音手段は、出力手段が出力した音を収音する。抑圧手段は、収音手段が収音した収音信号に対し、音響信号のエコー成分を抑圧する抑圧処理を施す。検知手段は、抑圧処理後の収音信号に残留した残留エコー成分レベルを測定するとともに、連続する前記音量レベル間での前記残留エコー成分レベルの変化量に基づき、当該エコー成分のレベルの不連続変化を検知する。さらに、制御手段は、検知手段で不連続変化が検知された場合に、音量レベルの増加を停止し、当該不連続変化が検知される直前の音量レベルを、歪みが生じない音量レベルの上限値として取得する。
図1は、本実施形態の信号処理装置が備えるテスト信号再生系の構成を模式的に示す図。 図2は、フィルタ処理後信号の一例を示す図。 図3は、残留エコー成分レベルの一例を示す図。 図4は、本実施形態の信号処理装置が備える周波数特性測定系の構成を模式的に示す図。 図5は、本実施形態の信号処理装置が備えるコンテンツ再生系の構成を模式的に示す図。 図6は、本実施形態の信号処理装置が実行する逆特性設定処理の手順を示すフローチャート。 図7は、本実施形態の変形例1に係るテスト信号再生系の構成を模式的に示す図。 図8は、変形例1における残留エコー成分レベルの一例を示す図。 図9は、本実施形態の変形例2に係るテスト信号再生系の構成を模式的に示す図。
以下、図面を参照して、本実施形態に係る信号処理装置について説明する。本実施形態の信号処理装置を機能別に大別すると以下の三つの系に分類される。まず、第1の系として、非線形の歪み(以下、非線形歪みという)が生じない音量レベルの上限値を特定するテスト信号再生系100(図1参照)を備えている。また、第2の系として、テスト信号再生系100で特定された音量レベルの範囲で信号処理装置(スピーカ14)の周波数特性を測定する周波数特性測定系200(図4参照)を備えている。また、第3の系として、周波数特性測定系200で測定された周波数特性の逆特性を用いて、音声信号やオーディオ信号等のコンテンツの周波数特性を補正し再生するコンテンツ再生系300(図5参照)を備えている。以下、これら三つの系について説明する。
図1は、本実施形態の信号処理装置が備えるテスト信号再生系100の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、テスト信号再生系100は、音響再生部11と、ボリューム部12と、DAC部13と、スピーカ14と、マイクロフォン15と、ADC部16と、フィルタ処理部17と、検知部18と、制御部19とを有している。
音響再生部11は、制御部19の制御に従い、スイープ信号やトーンバースト信号、TSP信号、白色雑音信号等のテスト用の音響信号を生成し、テスト信号として出力する。ボリューム部12は、制御部19の制御に従い、音響再生部11から入力されるテスト信号の音量を調整し出力する。DAC部13は、信号処理部20を介してボリューム部12から入力されるテスト信号をアナログ信号に変換し、スピーカ14に出力する。
スピーカ14は、DAC部13から入力されたアナログ信号を物理振動に変え、信号処理装置が置かれた空間内に音として出力する。マイクロフォン15、信号処理装置が置かれた空間内に伝わる音を収音する。具体的に、マイクロフォン15は、スピーカ14から空間内に出力されたテスト信号の音を収音し、これを収音信号としてADC部16に出力する。なお、マイクロフォン15側のサンプリング周波数は、スピーカ14側のサンプリング周波数以上であるとする。マイクロフォン15は、着脱可能な外部接続(外付け)マイクで構成してもよい。マイクロフォン15が外部接続マイクの場合は、ユーザの受聴環境のリスニングポイントに設置するなど、スピーカ14からの距離を固定にして設置する。
ADC部16は、マイクロフォン15で収音された収音信号をデジタル信号に変換し、フィルタ処理部17に出力する。
フィルタ処理部17は、ボリューム部12から出力される音量調整後のテスト信号と、ADC部16からの収音信号とを入力とする。フィルタ処理部17は、収音信号に含まれたエコー成分(スピーカ14から出力されたテスト信号が空間を介してマイクロフォン15に回り込んだ成分)を抑圧するフィルタ係数を適応学習する線形適応フィルタを用いて、当該エコー成分を抑圧するフィルタ処理を施す。また、フィルタ処理部17は、フィルタ処理後の収音信号を、フィルタ処理後信号として検知部18に出力する。
検知部18は、フィルタ処理部17から入力されるフィルタ処理後信号に含まれた、エコー成分のレベル(以下、残留エコー成分レベルという)を測定する。また、検知部18は、各音量レベル間での残留エコー成分レベルの変化量に基づき、エコー成分レベルが不連続に変化したことを検知すると、その検知信号を制御部19に出力する。
ここで、図2及び図3を参照し、検知部18での不連続変化の検知動作について説明する。図2は、フィルタ処理部17から出力されたフィルタ処理後信号の一例を示す図であり、ボリューム部12の音量レベルを音量小、音量中、音量大とした場合での、時間経過に伴うエコー成分の抑圧状態を表している。また、横軸は時間経過を、縦軸はエコー成分のレベルを示している。なお、各音量レベルにおいて、時間=0にフィルタ係数の初期化が行われているものとする。
フィルタ処理部17では、デジタル信号に含まれたテスト信号のエコー成分を抑圧するようにフィルタ係数を学習することで、図2に示すように、時間経過に伴いエコー成分のレベルが減少していく。検知部18では、エコー成分の抑圧効果が有効となった所定時間経過後のフィルタ処理後信号に含まれたエコー成分レベル、つまり残留したエコー成分のレベル(残留エコー成分レベル)を測定する。
図3は、残留エコー成分レベルの一例を示す図であり、横軸は音量レベルを、縦軸は残留エコー成分レベルを示している。音響出力を行うデバイス(以下、音響デバイスという)では、ある音量に到達すると、デバイス自体に振動(びびり)が生じたり、デジタルクリップが生じたりする等の非線形歪みが発生する。一般に、音響デバイスが小型の場合、当該音響デバイスに振動が発生する音量は、デジタルクリップが発生する音量より小さいことが分かっている。また、音響デバイスが大型の場合には、当該音響デバイスに振動が発生する音量は、デジタルクリップが発生する音量より大きいことが分かっている。音響デバイスに振動が発生する音量とデジタルクリップが発生する音量とで、小さい方の音量をV1で、大きい方の音量をV2で表す。これら、音響デバイスの振動やデジタルクリップが発生する際の音量V1、音量V2での残留エコー成分レベルは、図3に示すように、これら非線形歪みの影響により、直前迄の残留エコー成分レベルから不連続に変化する。
検知部18では、図3に示したような残留エコー成分レベルでの不連続な変化(不連続変化)の発生を検知し、その検知信号を制御部19に出力する。具体的に、検知部18は、連続する音量レベル間での残留エコー成分レベルの変化量が、所定の閾値を上回った場合に不連続変化が発生したと検出(判定)し、その検知信号を制御部19に出力する。この不連続変化が発生したと検出した際の音量が、図3に示す音量V1に相当する。
図1に戻り、制御部19は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成され、ROMに記憶された所定のプログラムをRAMに展開し実行することで、信号処理装置の動作に係る各種の機能を実現する。
具体的に、制御部19は、音響再生部11を制御し、当該音響再生部11にテスト信号を出力させる。また、制御部19は、ボリューム部12の音量レベルを段階的に増加させて行き、何れかの音量レベルで検知部18から不連続変化発生の検知信号を受けると、の検知信号を受ける前の音量レベルの設定値を非線形歪みが生じない音量レベルの上限値として取得(特定)する。
次に、周波数特性測定系200について説明する。図4は本実施形態の信号処理装置が備える周波数特性測定系200の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、周波数特性測定系200は、上述した音響再生部11、ボリューム部12、DAC部13、スピーカ14、マイクロフォン15、ADC部16及び制御部19に加え、周波数特性測定部21と、逆特性算出部22と、逆特性記憶部23とを有している。なお、音響再生部11、ボリューム部12、DAC部13、スピーカ14、マイクロフォン15、ADC部16及び制御部19については、周波数特性測定系200での機能についてのみ説明する。
制御部19は、テスト信号再生系100での動作において特定した非線形歪みが生じない音量レベルの上限値に基づき、当該上限値以下の音量レベルをボリューム部12に設定すると、周波数特性の測定開始を指示する信号を、特性測定部21に出力する。なお、周波数特性測定系200おいても、制御部19は、音響再生部11を制御することで、音響再生部11からテスト信号を出力させるものとする。
特性測定部21は、ボリューム部12から出力されるテスト信号と、ADC部16から出力される収音信号とを入力とする。特性測定部21は、テスト信号と収音信号との差分値に基づいて、スピーカ14の周波数特性を測定し、測定した周波数特性を逆特性算出部22に出力する。
逆特性算出部22は、特性測定部21で測定された周波数特性の逆特性を所定の演算式を用いて算出し、算出した逆特性を逆特性記憶部23に記憶する。逆特性記憶部23は、書き込み可能な不揮発性記憶媒体であって、逆特性算出部22が算出した逆特性を保持する。
次に、コンテンツ再生系300について説明する。図5は本実施形態の信号処理装置が備えるコンテンツ再生系300の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、コンテンツ再生系300は、上述した音響再生部11、ボリューム部12、DAC部13、スピーカ14及び逆特性記憶部23に加え、周波数特性補正部31を有している。なお、音響再生部11、ボリューム部12、DAC部13、スピーカ14及び逆特性記憶部23については、コンテンツ再生系300での機能についてのみ説明する。
音響再生部11は、図示しない操作入力部を介して入力される操作信号に応じて、図示しない記憶媒体に記憶された音声データやオーディオデータ等のコンテンツを再生し、その音響信号をボリューム部12に出力する。ボリューム部12は、図示しない操作入力部を介して入力される操作信号に応じて、音量レベルを調整し、この音量調整後の音響信号を特性補正部31に出力する。
特性補正部31は、逆特性記憶部23に記憶された逆特性を読み出し、当該逆特性を持つフィルタにて音量調整後の音響信号を補正し、DAC部13に出力する。そして、DAC部13は、特性補正部31でフィルタ処理された音響信号をアナログ信号に変換し、スピーカ14に出力することで、この音響信号の音がスピーカ14から出力される。
上述したように、周波数特性測定系200で算出された逆特性は、非線形歪みが生じない音量レベルで測定された周波数特性に基づいて導出されているため、取得された周波数特性は正確なものとなる。そのため、この周波数特性から算出された逆特性を用いて音響信号を補正することで、当該音響信号の高音質化を図ることができる。
以下、図6を参照して、本実施形態の信号処理装置の動作について説明する。ここで、図6は、本実施形態の信号処理装置が実行する逆特性設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、本処理の前準備として、スピーカ14とマイクロフォン15との配置位置が決定される(ステップS11)。ここで、スピーカ14が外付けされている等、その配置位置を調整することが可能な構成の場合には、ユーザの受聴環境に応じた位置(例えば、5.1ch配置等)にスピーカ14を配置する。また、マイクロフォン15が外付けされている等、その配置位置を調整することが可能な構成の場合には、受聴環境でのリスニングポイントにマイクロフォン15を配置する。なお、スピーカ14及びマイクロフォン15が信号処理装置に内蔵されている場合には、スピーカ14とマイクロフォン15との配置位置は固定となるので、そのまま利用する。
制御部19は、各音量レベルを識別するパラメータnの値を、初期値である“0”にすると(ステップS12)、このn(n=0)の値により定まる音量レベルV(n)をボリューム部12に設定する(ステップS13)。ここで、音量レベルの初期値V(0)の値は特に問わず、例えば“0”としてもよい。また、パラメータnは0以上の整数であるとし、nの値が1増加するのに伴い音量レベルV(n)が増加するものとする。なお、増加させる音量レベルの度合は、特に問わないものとする。
次に、制御部19は、音響再生部11を制御することで、テスト信号を出力させる(ステップS14)。これに伴い、マイクロフォン15では、ステップS14で出力されたテスト信号の空間内での反響音を収音し、この収音結果を、ADC部16を介してフィルタ処理部17に出力する。また、フィルタ処理部17では、ADC部16からの収音信号に含まれたエコー成分を抑圧するフィルタ処理を施し、その処理結果となるフィルタ処理後信号を検知部18に出力する。
検知部18は、フィルタ処理部17から入力されたフィルタ処理後信号に含まれる残留エコー成分レベルを測定する(ステップS15)。次いで、検知部18は、各音量レベルで測定した残留エコー成分レベルに基づき、残留エコー成分レベルが不連続に変化しているか否かを判定する(ステップS16)。不連続変化が検知されない場合、検知部18は、非検知を示す信号(非検知信号)をフィルタ処理部17に出力する(ステップS16;No)。なお、本処理では、不連続な変化が検知されない場合、非検知信号を制御部19に出力する形態としたが、これに限らず、非検知信号を出力しない形態としてもよい。
制御部19では、検知部18から非検知信号を受けると、パラメータnの値を1インクリメントし(ステップS17)、ステップS13に再び戻ることで、スピーカ14から出力させるテスト信号の音量を増加させる。
また、ステップS16において、残留エコー成分レベルの不連続変化を検知した場合、検知部18は、不連続変化の検知信号をフィルタ処理部17に出力する(ステップS16;Yes)。この場合、制御部19は、前回の音量レベルV(n−1)を、非線形歪みが生じない音量レベルの上限値として取得(特定)し、この音量レベルV(n−1)をボリューム部12に設定する(ステップS18)。そして、制御部19は、周波数特性測定系200の機能として、周波数特性測定部21に周波数特性の開始を指示する。なお、本処理では、ステップS18において、非線形歪みが生じない音量レベルの上限値をボリューム部12に設定する形態としたが、この上限値以下の音量レベルであれば、これに限らないものとする。
周波数特性測定部21は、ボリューム部12からのテスト信号と、ADC部16からの収音信号との差分値に基づいて、スピーカ14の周波数特性を測定し、測定した周波数特性を逆特性算出部22に出力する(ステップS19)。逆特性算出部22は、ステップS19で測定された周波数特性の逆特性を算出すると(ステップS20)、この逆特性を逆特性記憶部23に記憶し(ステップS21)、本処理を終了する。
そして、コンテンツ再生系300では、ステップS21で記憶された逆特性を用いて、コンテンツ(音響信号)の周波数特性を補正することで、スピーカ14の周波数特性に適した音響信号を、スピーカ14から出力する。
以上のように、本実施形態の信号処理装置によれば、テスト信号の音量レベルを段階的に増加させながら、このテスト信号のスピーカ14からの出力音をマイクロフォン15で収音し、この収音信号にエコー成分の抑圧処理を施した結果から残留エコー成分レベルを測定し、連続する前記音量レベル間での残留エコー成分レベルの変化量から、当該エコー成分のレベルの不連続変化を検知する。そして、この不連続変化が検知された際の音量レベルの直前に設定した音量レベルを、非線形歪みが生じない音量レベルの上限値として取得する。これにより、収音信号のパルスを直接解析することなく、非線形歪みの発生を検知することができるため、非線形歪みが生じない音量レベルの上限値を効率的に特定することが可能となる。また、取得した上限値以下の音量レベルをボリューム部12に設定した状態で、スピーカ14の周波数特性を測定することができるため、スピーカ14の周波数特性をより正確に測定することが可能となる。さらに、この周波数特性から算出した逆特性を持つフィルタを用いて、前記音量レベルが調整された後のコンテンツ(音響信号)を補正することができるため、当該音響信号の高音質化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、ボリューム部12にて音量調整が行われた後のテスト信号をフィルタ処理部17に入力する構成としたが、これに限らず、音量調整前のテスト信号をフィルタ処理部17に入力する構成としてもよい。以下、この構成を本実施形態の変形例1として説明する。
図7は、上記実施形態の変形例1に係るテスト信号再生系100Aの構成を模式的に示す図である。なお、上記実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
図7に示すように、テスト信号再生系100Aは、音響再生部11と、ボリューム部12と、DAC部13と、スピーカ14と、マイクロフォン15と、ADC部16と、フィルタ処理部17Aと、検知部18Aと、制御部19とを有している。また、図1に示す構成との違いとして、音響再生部11から出力されたテスト信号が、フィルタ処理部17Aに入力されるよう構成されている。
フィルタ処理部17Aは、音響再生部11から出力されるテスト信号と、ADC部16から出力される収音信号とを入力とする。フィルタ処理部17Aは、フィルタ処理部17と同様、収音信号に含まれたエコー成分(スピーカ14から出力されたテスト信号が空間を介してマイクロフォン15に回り込んだ成分)を抑圧するフィルタ処理を収音信号に施し、フィルタ処理後信号として検知部18Aに出力する。
検知部18Aは、フィルタ処理部17Aから入力されたフィルタ処理後信号に含まれる、残留エコー成分レベルを測定する。また、検知部18Aは、音量レベルの変更に伴う残留エコー成分レベルの変化量が不連続に変化したことを検知すると、その検知信号を制御部19に出力する。
ここで、図8を参照し、検知部18Aでの不連続変化の検知動作について説明する。図8は、変形例1における残留エコー成分レベルの一例を示す図であり、図3と同様、横軸は音量レベルを、縦軸は残留エコー成分レベルを示している。
テスト信号再生系100Aの構成では、音量調整前のテスト信号がフィルタ処理部17Aに入力されるため、音量レベルの増加に伴う残留エコー成分レベルの増加率は、図3に示す増加率と比較して急峻となる。そこで、検知部18Aでは、連続する音量レベル間での残留エコー成分レベルの増加率(勾配)を、不連続に変化したか否かの判定の指標とし、その増加率が所定の閾値を上回った場合に不連続変化が発生したと検知(判定)し、その検知信号を制御部19に出力する。
このように、変形例1の構成を採用することで、非線形歪みが生じない音量レベルの上限値を効率的に特定することができるため、上記実施形態の信号処理装置と同様の効果を奏することが可能となる。
また、上記実施形態では、テスト信号を構成する全ての周波数成分について、残留エコー成分レベルの測定を一括して行う構成としたが、これに限らず、所定の周波数帯域毎に残留エコー成分レベルの測定を行う構成としてもよい。以下、この構成を上記実施形態の変形例2として説明する。
図9は、上記実施形態の変形例2に係るテスト信号再生系100Bの構成を模式的に示す図である。なお、上記実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
図9に示すように、テスト信号再生系100Bは、音響再生部11と、ボリューム部12と、DAC部13と、スピーカ14と、マイクロフォン15と、ADC部16と、フィルタ処理部17Bと、検知部18Bと、制御部19と、フィルタバンク41と、フィルタバンク42とを有している。
ここで、フィルタバンク41及び42は、バンドパスフィルタのアレイであり、入力された信号を、複数の周波数帯域毎の部分帯域(サブバンド)に分割する。具体的に、フィルタバンク41は、ボリューム部12から出力されたテスト信号を、所定の周波数帯域毎に分割し、フィルタ処理部17Bに出力する。また、フィルタバンク42は、ADC部16から出力された収音信号を所定の周波数帯域毎に分割し、フィルタ処理部17Bに出力する。なお、フィルタバンク41及び42での分割単位は、同一であるものとする。
フィルタ処理部17Bは、フィルタバンク41及びフィルタバンク42で分割された部分帯域毎にエコー成分(スピーカ14から出力されたテスト信号が空間を介してマイクロフォン15に回り込んだ成分)抑圧のためのフィルタ処理を施し、フィルタ処理後信号として検知部18Bに出力する。また、検知部18Bでは、フィルタ処理部17から入力される部分帯域毎のフィルタ処理後信号各々から、残留エコー成分レベルを測定する。そして、フィルタ処理部17Bは、何れかの部分帯域で残留エコー成分レベルの不連続変化を検知すると、検知信号を制御部19に出力する。
このように、変形例2の構成によれば、所定の周波数帯域(部分帯域)の単位で、残留エコー成分レベルの不連続変化を検知することができるため、非線形歪みが生じない音量レベルの上限値を周波数帯域の単位で特定することができる。なお、本変形例2の構成を用いる場合、特定の周波数帯域についてのみ、残留エコー成分レベルを測定する形態としてもよい。また、制御部19において、全ての周波数帯域(部分帯域)で残留エコー成分レベルの不連続変化が検知されるまで、音量レベルの増加を継続する形態としてもよい。
また、上記実施形態の信号処理装置の適応先は特に問わず、例えば、携帯電話機、携帯型又は据え置き型の音楽プレイヤー、ノートPC、タブレット端末等、各種デバイスに適用することが可能である。
100、100A、100B テスト信号再生系
200 周波数特性測定系
300 コンテンツ再生系
11 音響再生部
12 ボリューム部
13 DAC部
14 スピーカ
15 マイクロフォン
16 ADC部
17、17A、17B フィルタ処理部
18、18A、18B 検知部
19 制御部
21 特性測定部
22 逆特性算出部
23 逆特性記憶部
31 特性補正部
41、42 フィルタバンク

Claims (6)

  1. 音響信号を出力する音響信号出力手段と、
    前記音響信号の音量レベルを調整する音量調整手段と、
    前記音量調整手段を制御し、前記音量レベルを段階的に増加させる制御手段と、
    前記音量レベルが調整された後の音響信号を、音として出力する出力手段と、
    前記出力手段が出力した音を収音する収音手段と、
    前記収音手段が収音した収音信号に対し、前記音響信号のエコー成分を抑圧する抑圧処理を施す抑圧手段と、
    前記抑圧処理後の収音信号に残留した残留エコー成分レベルを測定するとともに、連続する前記音量レベル間での前記残留エコー成分レベルの変化量に基づき、当該エコー成分のレベルの不連続変化を検知する検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検知手段で不連続変化が検知された場合に、前記音量レベルの増加を停止し、当該不連続変化が検知される直前の音量レベルを、歪みが生じない音量レベルの上限値として取得することを特徴する信号処理装置。
  2. 前記検知手段は、前記連続する前記音量レベル間での前記残留エコー成分レベルの変化量が所定の閾値を上回った場合に、前記不連続変化が発生したと検知することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記検知手段は、前記連続する前記音量レベル間での前記残留エコー成分レベルの増加率が所定の閾値を上回った場合に、前記不連続変化が発生したと検知することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記音量レベルが調整された後の音響信号と、前記収音手段が収音した収音信号との差分に基づいて、前記出力手段の周波数特性を測定する周波数特性測定手段と、
    前記周波数特性の逆特性を算出する逆特性算出手段と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、前記周波数特性測定手段が前記周波数特性を測定する際の音量レベルを、前記取得した上限値以下の音量レベルに設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の信号処理装置。
  5. 前記逆特性算出手段が算出した前記逆特性を持つフィルタを用いて、前記音量レベルが調整された後の音響信号を補正する周波数特性補正手段を更に備え、
    前記出力手段は、前記周波数特性補正手段が補正した音響信号を音として出力することを特徴とする請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 音響信号出力手段が、音響信号を出力する音響信号出力工程と、
    音量調整手段が、前記音響信号の音量レベルを調整する音量調整工程と、
    制御手段が、前記音量調整工程での前記音量レベルを段階的に増加させる制御工程と、
    出力手段が、前記音量レベルが調整された後の音響信号を音として出力する出力工程と、
    収音手段が、前記出力工程で出力された音を収音する収音工程と、
    抑圧手段が、前記収音工程で収音された収音信号に対し、前記音響信号のエコー成分を抑圧する抑圧処理を施す抑圧工程と、
    検知手段が、前記抑圧処理後の収音信号に残留した残留エコー成分レベルを測定するとともに、連続する前記音量レベル間での前記残留エコー成分レベルの変化量に基づき、当該エコー成分のレベルの不連続変化を検知する検知工程と、
    を含み、
    前記制御手段は、前記制御工程において、前記検知工程で不連続変化が検知された場合に、前記音量レベルの増加を停止し、当該不連続変化が検知される直前の音量レベルを、歪みが生じない音量レベルの上限値として取得することを特徴する信号処理方法。
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