JP2012208224A - 表示器および表示装置 - Google Patents

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秀一 大川
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一博 服部
Kazuya Shimakawa
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Abstract

【課題】左右方向の各位置における視差画像の密度を平均化する。
【解決手段】N箇所の視点位置から互いに相違する画像を視認可能に構成されると共に、隣り合う視点位置で視認させる両画像において同一位置に位置する表示画素に対応してそれぞれ形成された2つの回折格子からなる回折格子組における両回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとしたときに、向かって左側からM箇所目(MはNを3で除して端数を切り上げた自然数)から、向かって右側からM箇所目までの各視点位置で視認させる(N−2M+2)種類の画像において同一位置に位置する表示画素に対応して形成された各回折格子からなる(N−2M+2−1)組の回折格子組の内の少なくとも1組の回折格子組の角度差Pが、すべての回折格子組の角度差Pの平均値よりも小さくなるように回折格子パネル13,13A,13Bが構成されている。
【選択図】図16

Description

本発明は、光源からの光を予め規定された方向に回折する光回折部を備えて、視点位置毎に相違する画像を視認可能に複数の画像を表示する表示器、およびその表示器を備えて構成された表示装置に関するものである。
例えば、特開2003−140083号公報には、水平方向(左右方向)で相違する各視点位置から互いに相違する画像を視認可能に表示させることで、画像を立体的に表示させる立体表示装置が開示されている。この立体表示装置は、複数の二次元画像表示装置(以下、立体表示装置と区別するために「画像表示部」ともいう)が配設された二次元画像表示装置アレイ(以下、「表示部アレイ」ともいう)と、各画像表示部に対応させて複数のレンズが配設されたレンズアレイと、各画像表示部毎の画像の表示角度範囲をそれぞれ規定するための複数の開口が設けられた開口アレイと、開口アレイの各開口を通過した光を水平方向に振り分ける共有レンズと、共有レンズを通過した光を垂直方向(上下方向)に拡散する垂直方向拡散板とを備えて構成されている。
この立体表示装置では、図44に示すように、表示部アレイの各画像表示部から出射された各光Lx(各視点位置において画像を視認させるための光)が、レンズアレイのレンズおよび開口アレイの開口をこの順で通過した後に、共有レンズにそれぞれ入射する。なお、同図では、レンズアレイ、開口アレイおよび垂直方向拡散板の図示を省略している。この際に、上記の各光Lxは、表示部アレイにおける各画像表示部の位置に応じて、共有レンズの各部にそれぞれ入射することとなる。これにより、各画像表示部から出射された各光Lxが、共有レンズに対する入射位置に応じて水平方向の各視点位置に向けて振り分けられる。また、水平方向に振り分けられた各光Lxは、垂直方向拡散板によって垂直方向に拡散される。この結果、水平方向で互いに相違する各視点位置における垂直方向の所定の範囲内において、各画像表示部に表示された互いに相違する画像が視認される。
特開2003−140083号公報(第5−8頁、第1−15図)
ところが、従来の立体表示装置には、以下の問題点がある。すなわち、従来の立体表示装置では、各画像表示部から出射されてレンズアレイおよび開口アレイをこの順で通過した各光Lxを共有レンズによって水平方向に振り分けることで、水平方向の各視点位置毎に互いに相違する画像を視認させる構成が採用されている。この場合、従来の立体表示装置における表示部アレイは、上記公開公報の図3,5等に図示されているように、各画像表示部が水平方向において等間隔で配置されている。したがって、図44に示すように、各画像表示部から出射された各光Lxは、共有レンズにおける表示部アレイ側の界面(立体表示装置の背面側の界面:同図における上側の面)に対して等間隔で入射することとなる。また、従来の立体表示装置では、共有レンズとして球面レンズ(上記公開公報の開示の例では、凸レンズ)が採用されている。したがって、従来の立体表示装置では、共有レンズにおける背面側の界面の各部に入射した各光Lxが、共有レンズにおける垂直方向拡散板側の界面(立体表示装置の前面側の界面:同図における下側の面)から出射された後に、共有レンズの光学的設計に応じた一点(焦点)を通過することとなる。
このため、従来の立体表示装置では、水平方向における両端部寄り(立体表示装置に向かって左側や右側:同図における左側や右側)に位置する者に視認させるための画像の光Lxの出射角度間隔(同図に示す角度θo1,θo2・・)よりも、水平方向における中央部寄り(立体表示装置の正面部位)に位置する者に視認させるための画像の光Lxの出射角度間隔(同図に示す角度θc1,θc2・・)の方が大きくなる。したがって、従来の立体表示装置では、水平方向における両端部寄りにおいて視認される各視差画像の密度よりも、水平方向における中央部寄りにおいて視認される各視差画像の密度の方が低くなるため、水平方向における中央部寄りにおいて、同じ画像(同じ光Lx)が視認される角度範囲が広くなっている。この結果、従来の立体表示装置には、両眼視差による立体像を視認させる際に、片側の眼において1つの視差画像が視認されずに立体像として視認されない事態を招いたり、運動視差による立体像を視認させる際に、水平方向の中央部寄りにおいて各視差画像の切り替わりが粗くなったりしている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、左右方向の各位置における視差画像の密度を平均化し得る表示器および表示装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る表示器は、光源からの光を回折する光回折部を備えた表示器であって、当該表示器と対向し、かつ当該表示器の左右方向で相違するN箇所(Nは、4以上の自然数)の各視点位置から互いに相違する画像を視認可能にN種類の当該画像を表示可能に構成され、前記光回折部は、各表示画素毎に回折格子が形成されて当該各回折格子毎に前記光源からの光を予め規定された方向にそれぞれ回折するように構成されると共に、当該表示器に向かって左側からM箇所目(Mは、Nを3で除した値の端数を切り上げた自然数)の前記視点位置を第1の視点位置とし、当該表示器に向かって右側からM箇所目の前記視点位置を第2の視点位置とし、前記左右方向で隣り合う前記視点位置で視認させる2種類の前記画像において同一位置に位置する2つの前記表示画素に対応してそれぞれ形成された2つの前記回折格子からなる回折格子組における当該2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとし、かつ、(N−1)組の前記回折格子組のそれぞれの前記角度差Pの平均値を第1の平均値としたときに、前記左右方向における前記第1の視点位置から前記第2の視点位置までの(N−2M+2)箇所の当該視点位置で視認させる(N−2M+2)種類の前記画像において前記同一位置に位置する前記表示画素に対応してそれぞれ形成された(N−2M+2)個の前記各回折格子からなる(N−2M+2−1)組の前記回折格子組の内の少なくとも1組の当該回折格子組の前記角度差Pが前記第1の平均値よりも小さくなるように構成されている。
また、本発明に係る表示器は、光源からの光を回折する光回折部を備えると共に、波長が相違する複数種類の色光によって1つの画像における1つの表示画素を表示可能に構成された表示器であって、当該表示器と対向し、かつ当該表示器の左右方向で相違するN箇所(Nは、4以上の自然数)の各視点位置から互いに相違する前記画像を視認可能にN種類の当該画像を表示可能に構成され、前記光回折部は、前記1つの表示画素を表示するための前記各色光に対応して回折格子が形成されて当該各回折格子毎に当該色光を予め規定された方向にそれぞれ回折するように構成されると共に、当該表示器に向かって左側からM箇所目(Mは、Nを3で除した値の端数を切り上げた自然数)の前記視点位置を第1の視点位置とし、当該表示器に向かって右側からM箇所目の前記視点位置を第2の視点位置とし、前記左右方向で隣り合う前記視点位置で視認させる2種類の前記画像において同一位置に位置する2つの前記表示画素の内の同一色の前記色光に対応してそれぞれ形成された2つの前記回折格子からなる回折格子組における当該2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとし、かつ、(N−1)組の前記回折格子組のそれぞれの前記角度差Pの平均値を第1の平均値としたときに、前記左右方向における前記第1の視点位置から前記第2の視点位置までの(N−2M+2)箇所の当該視点位置で視認させる(N−2M+2)種類の前記画像において前記同一位置に位置する前記表示画素の内の前記同一色の色光に対応してそれぞれ形成された(N−2M+2)個の前記各回折格子からなる(N−2M+2−1)組の前記回折格子組の内の少なくとも1組の当該回折格子組の前記角度差Pが前記第1の平均値よりも小さくなるように構成されている。
なお、上記の「光源からの光を回折する」とは、光源(発光体)から出射された光を光回折部に対して直接入射させる構成において光源からの光を光回折部において回折するだけでなく、光源(発光体)と光回折部との間に他の光学部品(プリズムやミラーのような光路変更部、光変調素子および偏光パネルなど)を配設して、光源(発光体)から出射された光を、これらの光学部品を通過(透過)、或いは、これらの光学部品において反射させた後に光回折部に入射させる構成においては、光学部品を通過(透過)した光、または、光学部品において反射された光を光回折部において回折する場合がこれに相当する。
また、本発明に係る表示器は、前記光回折部は、前記(N−2M+2−1)組の前記回折格子組のそれぞれの前記角度差Pの平均値を第2の平均値としたときに、当該第2の平均値が前記第1の平均値よりも小さくなるように構成されている。
また、本発明に係る表示装置は、上記のいずれかに記載の表示器と、前記光源と、当該光源の点灯を制御して前記表示器に前記画像を表示させる制御部とを備えている。
本発明に係る表示器では、左右方向で相違するN箇所(4以上の自然数)の各視点位置から互いに相違する画像を視認可能にN種類の画像を表示可能に構成され、かつ、光回折部が、表示器に向かって左側からM箇所目(Nを3で除した値の端数を切り上げた自然数)の視点位置を第1の視点位置とし、表示器に向かって右側からM箇所目の視点位置を第2の視点位置とし、左右方向で隣り合う視点位置で視認させる2種類の画像において同一位置に位置する2つの表示画素(同一位置に位置する2つの表示画素の内の同一色の色光)に対応してそれぞれ形成された2つの回折格子からなる回折格子組における2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとし、かつ、(N−1)組の回折格子組のそれぞれの角度差Pの平均値を第1の平均値としたときに、左右方向における第1の視点位置から第2の視点位置までの(N−2M+2)箇所の視点位置で視認させる(N−2M+2)種類の画像において同一位置に位置する表示画素(同一位置に位置する2つの表示画素の内の同一色の色光)に対応してそれぞれ形成された(N−2M+2)個の各回折格子からなる(N−2M+2−1)組の回折格子組の内の少なくとも1組の回折格子組の角度差Pが第1の平均値よりも小さくなるように構成されている。
また、本発明に係る表示装置では、上記の表示器と、光源と、光源の点灯を制御して表示器に画像を表示させる制御部とを備えて構成されている。
したがって、本発明に係る表示器および表示装置によれば、左右方向における中央部寄り(表示器の正面部位)に位置する者に視認させるための各画像の少なくとも一部について、その画像の光の光回折部からの出射角度間隔を十分に小さくすることができる結果、左右方向の各位置における各視差画像の密度が平均化した状態に近付けることができる。これにより、両眼視差による立体像を視認させる際に、左右方向のいずれの位置においても、両眼によって互いに相違する視差画像を視認させることができ、運動視差による立体像を視認させる際にも、左右方向の中央部寄りにおいて各視差画像の切り替わりが粗くなる事態を回避することができる結果、運動視差による立体像を違和感なく視認させることができる。
また、本発明に係る表示器および表示装置によれば、(N−2M+2−1)組の回折格子組のそれぞれの角度差Pの平均値を第2の平均値としたときに、第2の平均値が第1の平均値よりも小さくなるように光回折部を構成したことにより、左右方向のいずれの位置においても各視差画像の密度が平均化した状態に一層近付けることができる。
表示装置1,1C(表示器2,2C)の構成を示す構成図である。 表示装置1(1C)の表示器2(2C)および光源3(3C)と、画像の表示に際して出射される光L4との関係について説明するための平面図である。 表示装置1,1Cの表示器2(2C)における光路変更パネル12(12c)、回折格子パネル13(13c)および拡散板14や、光源3(3C)の配置の関係について説明するための断面図である。 表示装置1A,1B,1AC,1BC(表示器2A,2B,2AC,2BC)の構成を示す構成図である。 表示装置1A,1B(1AC,1BC)の表示器2A,2B(2AC,2BC)および光源3(3C)と、画像の表示に際して出射される光L4との関係について説明するための平面図である。 表示装置1A,1ACの表示器2A(2AC)における回折格子パネル13A(13Ac)および拡散板14や、光源3(3C)の配置の関係について説明するための断面図である。 表示装置1B,1BCの表示器2B(2BC)における回折格子パネル13B(13Bc)および拡散板14や、光源3(3C)の配置の関係について説明するための断面図である。 光源3の正面図である。 光路変更パネル12の正面図である。 回折格子パネル13,13A,13Bの正面図である。 回折格子パネル13,13A,13Bを斜め上方から見た斜視図である。 他の実施の形態に係る回折格子パネル13aの断面図である。 さらに他の実施の形態に係る回折格子パネル13bの断面図である。 回折格子パネル13B(13Bc)の断面図である。 拡散板14を側方から見た断面図である。 表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)における各回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)と、各回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)から出射された光L3との関係について説明するための説明図である。 拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と、回折格子パネル13における回折格子面F3に対する光L2の入射方向との関係について説明するための説明図である。 拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と回折格子パネル13における回折格子面F3に対する光L2の入射方向との関係、および法線L14と回折格子面F3からの光L3の出射方向との関係について説明するための説明図であって、回折格子面F3、パネル面F4、法線L14、光L2,L3を図17における矢印Mの向きで見た図である。 拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と回折格子パネル13における回折格子面F3に対する光L2の入射方向との関係、および法線L14と回折格子面F3からの光L3の出射方向との関係について説明するための他の説明図であって、回折格子面F3、パネル面F4、法線L14、光L2,L3を図17における矢印Nの向きで見た図である。 拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と、回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13との関係について説明するための説明図であって、回折格子面F3、パネル面F4および法線L13,L14を図17における矢印Mの向きで見た図である。 拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と、回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13との関係について説明するための他の説明図であって、回折格子面F3、パネル面F4および法線L13,L14を図17における矢印Nの向きで見た図である。 回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)における各回折格子30の格子ラインについて説明するための説明図である。 回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13と、回折格子面F3に対する光L2の入射方向との関係について説明するための説明図である。 回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13と回折格子面F3に対する光L2の入射方向との関係、および法線L13と回折格子面F3からの光L3の出射方向との関係について説明するための説明図であって、回折格子面F3、パネル面F4、法線L13、光L2,L3を図23における矢印Mの向きで見た図である。 回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13と回折格子面F3に対する光L2の入射方向との関係、および法線L13と回折格子面F3からの光L3の出射方向との関係について説明するための他の説明図であって、回折格子面F3、パネル面F4、法線L13、光L2,L3を図23における矢印Nの向きで見た図である。 回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13と各凸部31の延在方向(実線La)との関係、および各凸部31の形成ピッチについて説明するための説明図である。 回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13と各凸部31の延在方向(実線La)との関係について説明するための他の説明図であって、回折格子面F3および各凸部31の延在方向を示す実線Laを図23に示す矢印Nの向きで見た図である。 回折格子パネル13における回折格子面F3の法線L13と回折格子面F3からの光L3の出射方向との関係について説明するための説明図である。 拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と回折格子面F3からの光L3の出射方向との関係について説明するための説明図である。 光源3Cの正面図である。 光路変更パネル12cの正面図である。 光路変更パネル12cの構成について説明するための説明図である。 回折格子パネル13c,13Ac,13Bcの正面図である。 回折格子パネル13Bcの構成について説明するための説明図である。 表示器2Cの一例について説明するための説明図である。 表示器2ACの一例について説明するための説明図である。 表示器2BCの一例について説明するための説明図である。 他の実施形態に係る回折格子パネル13dの正面図である。 回折格子パネル13dにおける各回折格子30のうちの1つを拡大した正面図である。 さらに他の実施形態に係る回折格子パネル13e,13hの断面図である。 さらに他の実施形態に係る回折格子パネル13f,13iの断面図である。 さらに他の実施形態に係る回折格子パネル13g,13jの断面図である。 左右方向で隣り合う視点位置において視認させる画像の表示画素に対応してそれぞれ形成された2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差がいずれの回折格子組においても同じ角度差となるように形成した回折格子パネルと、その回折格子パネルから出射された光Lzとの関係について説明するための説明図である。 従来の立体表示装置における表示部アレイ(各画像表示部)および共有レンズと、表示部アレイから出射された光Lxおよび共有レンズによって偏向された光Lxとの関係について説明するための説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る表示器および表示装置の実施の形態について説明する。
図1〜3に示す表示装置1、図4〜6に示す表示装置1A、および図4,5,7に示す表示装置1Bは、いずれも、視差による立体視画像を表示可能に構成された3D表示装置であって(「表示器の左右方向で相違するN箇所(4以上の自然数)の各視点位置から互いに相違する画像を視認可能にN種類の画像を表示可能に構成され」との構成の一例)、表示装置1が、表示器2、光源3および制御部4を備えて構成され、表示装置1Aが、表示器2A、光源3および制御部4を備えて構成され、表示装置1Bが、表示器2B、光源3および制御部4を備えて構成されている。
なお、実際の表示装置1,1A,1Bでは、一例として、表示装置1の前面側における左右81方向の各視点位置(N=81箇所の視点位置)に対応して規定された81箇所の視差領域毎に、互いに相違するN=81種類の「横×縦=1920×1080画素」のRGBカラー画像を視認させることができるように構成されているが、「表示器」および「表示装置」の構成に関する理解を容易とするために、以下、左右81方向の各視点位置毎の各視差領域から、互いに相違する81種類の「横×縦=1920×1080画素」の単色画像において、互いに対応する81個の画素(「各画像において同一位置に位置する表示画素」の一例)を視認させるための構成(81種類の単色画像からなる単色画像群における1つの表示画素群を表示するための構成)について説明する。
この場合、光源3は、一例として、表示する立体視画像の各表示画素に対応して、平板状の基板の表面に複数の光出射部(LEDなど)が配列されて、全体として平板状に形成されている。また、光源3において、上記単色画像群のうちの1つの表示画素群(各画像において互いに対応する(同一位置に位置する)81個の表示画素の集合体)を表示させるための部位には、図8に示すように、「横×縦=9×9=81箇所」の光出射部10A1〜10I9(以下、区別しないときには「光出射部10」ともいう)が設けられている。すなわち、単色画像を表示させる構成のこの表示装置1,1A,1Bにおける光源3では、1つの単色画像を構成する各表示画素のうちの1つにつき1つの光出射部10が設けられている。この光源3は、制御部4からの制御信号Sに従い、図3,6,7に示すように、一例として、そのパネル面F1(上記の基板の基板面と平行な面)に対して垂直で互いに平行な光L1を各光出射部10毎にそれぞれ出射する。
一方、図1〜3に示すように、表示器2は、その背面側(図1,3における左側、図2における上側)から前面側(画像を視認する者が存在する側:図1,3における右側、図2における下側)に向かって、光路変更パネル12、回折格子パネル13および拡散板14がこの順で配置されて構成されている。この場合、図3に示すように、この表示器2を備えて構成された表示装置1では、光源3における各光出射部10からの光L1の出射方向が、表示器2における光路変更パネル12のパネル面F2の法線、回折格子パネル13の各回折格子面F3の法線、および拡散板14のパネル面F4の法線と平行な向きとなるように構成されている。また、この表示装置1では、光路変更パネル12のパネル面F2、回折格子パネル13の各回折格子面F3、および拡散板14のパネル面F4が上記の光源3におけるパネル面F1に対して平行になるようにこれらが配置されている。
また、図4〜6に示すように、表示器2Aは、その背面側(図4,6における左側、図5における上側)から前面側(図4,6における右側、図5における下側)に向かって、回折格子パネル13Aおよび拡散板14がこの順で配置されて構成されている。この場合、図6に示すように、この表示器2Aを備えて構成された表示装置1Aでは、光源3における各光出射部10からの光L1の出射方向が、拡散板14のパネル面F4の法線と平行な向きとなるように構成されている。また、この表示装置1Aでは、拡散板14のパネル面F4が上記の光源3におけるパネル面F1に対して平行となり、かつ、回折格子パネル13Aの各回折格子面F3が光源3におけるパネル面F1および拡散板14のパネル面F4に対して非平行となるようにこれらが配置されている。
さらに、図4,5,7に示すように、表示器2Bは、その背面側(図4,7における左側、図5における上側)から前面側(図4,7における右側、図5における下側)に向かって、回折格子パネル13Bおよび拡散板14がこの順で配置されて構成されている。この場合、図7に示すように、この表示器2Bを備えて構成された表示装置1Bでは、光源3における各光出射部10からの光L1の出射方向が、回折格子パネル13Bの各回折格子面F3の法線、および拡散板14のパネル面F4の法線と平行な向きとなるように構成されている。また、この表示装置1Bでは、回折格子パネル13Bの各回折格子面F3、および拡散板14のパネル面F4が上記の光源3におけるパネル面F1に対して平行になるようにこれらが配置されている。
光路変更パネル12は、光源3からの光L1の進行方向を変更する「光路変更部」であって、表示する立体視画像の各表示画素に対応してプリズム(光路変更素子)が設けられて、図2に示すように、全体として平板状に形成されると共に、光源3および回折格子パネル13の間に配設されている。この場合、図9に示すように、光路変更パネル12には、「横×縦=9×9=81箇所」のプリズム20A1〜20I9(以下、区別しないときには「プリズム20」ともいう)が並んで設けられている。すなわち、単色画像を表示させる構成の表示装置1における表示器2では、1つの単色画像を構成する各表示画素のうちの1つにつき1つのプリズム20が設けられて光路変更パネル12が構成されている。なお、本明細書において、「1つの光路変更素子」は、入射した光の光路を変更可能に構成された光学的要素(入射した光を屈折させる光学的要素)のうちの「1つの光出射部」に対応して規定された部位を意味する。
また、本例の光路変更パネル12では、一例として、横方向で並ぶ9つのプリズム20の間に物理的な境界がなく、この9つのプリズム20が1つのプリズムのように一体的に連続して形成されている。以下、複数のプリズム20が一体的に連続して形成されたプリズムを「プリズム200」ともいう。すなわち、この光路変更パネル12では、横方向に長い9つのプリズム200−1〜200−9が縦方向で並んでいるように形成されている。この場合、「光路変更素子」をプリズムで構成を採用する場合において、一体的に連続して形成する「光路変更素子」の数は、「横方向に並ぶ9つ」に限定されず、1つの「光路変更素子」につき1つのプリズム20を独立して形成することもできるし、縦方向で並ぶ複数の「光路変更素子」を1つのプリズム200で構成することもできるし、横方向で並ぶ複数の「光路変更素子」、および縦方向で並ぶ複数の「光路変更素子」を1つのプリズム200で構成することもできる。
また、図3に示すように、表示器2では、光路変更パネル12における回折格子パネル13との対向面に、下側ほど回折格子パネル13側に向かって徐々に突出する向きの斜面が形成されて各プリズム20(200)が構成されている(各プリズム20(200)における光源3との対向面(パネル面F2)に対して光L1が垂直に入射するように構成されている(配置されている))。なお、本例の表示器2(表示装置1)では、光路変更パネル12の前面側に斜面を形成して「プリズム」として機能させる構成を採用しているが、光路変更パネル12の背面側(光源3との対向面側)に斜面を形成して「プリズム」として機能させる構成を採用することもできる(図示せず)。
この場合、この光路変更パネル12では、上記の81個のプリズム20のすべて(すなわち、縦方向で並ぶ9つのプリズム200)が、同一の光学材料で、かつ互いに等しい形状となるように形成されている。具体的には、この光路変更パネル12では、各プリズム20(200)が同一種類の「光透過性を有する樹脂材料(一例として、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PET樹脂など)」で、そのプリズムの頂角の角度(図3に示す角度θp)がそれぞれ40°となるように形成されている。この光路変更パネル12は、光源3の各光出射部10から出射された光L1の進行方向を各プリズム20によって表示器2の縦方向(上下方向)に変更することで、後述する回折格子パネル13の各回折格子面F3に対して光L2を斜めに入射させるように構成されている。この場合、この表示器2では、「光路変更素子」をプリズム20(200)で構成したことにより、樹脂材料やガラス等によって「光路変更部」を容易に製造することができるため、その製造コストが十分に低減されている。
回折格子パネル13,13A,13Bは、「光回折部」の一例であって、図3,6,7に示すように、回折格子パネル13が、光路変更パネル12から出射された光L2を回折して光L3を出射可能に構成され、回折格子パネル13A,13Bが、光源3から出射された光L1を回折して光L3を出射可能に構成されている。この回折格子パネル13,13A,13Bでは、図10に示すように、上記単色画像群のうちの1つの表示画素群を表示させるための部位に、表示すべき立体視画像の表示画素に対応して、「横×縦=9×9=81個」の回折格子30A1〜30I9(以下、区別しないときには「回折格子30」ともいう)が形成されている(各表示画素毎に1つの回折格子が形成された構成の例)。
なお、本明細書において、「1つの回折格子」は、入射した光を回折可能に構成された光学的要素のうちの「1つの光出射部」に対応して規定された部位を意味する。この場合、単色画像を表示させる構成の表示器2,2A,2Bにおけるこの回折格子パネル13,13A,13Bでは、上記の光源3における1つの光出射部10に対応して1つの回折格子30が規定されて、1つの単色画像を構成する各表示画素のうちの1つにつき1つの回折格子30が規定されている。なお、図10では、各回折格子30毎の格子の格子ラインを実際の格子の形成ピッチよりも広いピッチで図示している。この回折格子パネル13,13A,13Bは、図11に示すように、各回折格子30毎に、上記の光L2、または、光L1を予め規定された81方向にそれぞれ回折して出射するように構成されている。なお、図11では、光L2、または、光L1の回折光(光L3)の出射方向をそれぞれ矢印で図示している。
また、図3,6に示すように、回折格子パネル13,13Aは、一例として、光路変更パネル12と対向する面(すなわち、回折格子パネル13の背面)に規定された各回折格子30の形成領域毎に平面視直線状の互いに平行な複数の凸部31、および平面視直線状の互いに平行な複数の凹部32が所定の形成ピッチで形成された凹凸パターン(格子パターン)が形成され、この凹凸パターンが位相型の回折格子30として機能して、光路変更パネル12からの光L2、または光源3からの光L1を予め規定された方向に回折するように構成されている。この場合、「回折格子」としては、上記の回折格子パネル13,13Aのような「位相型の回折格子」だけでなく、「振幅型の回折格子」や、後述する回折格子パネル13Bのような「ブレーズ型の回折格子」が存在する。
また、回折格子30を有する回折格子パネル13,13Aにおいては、回折格子30の回折格子面F3に対して光を斜めに入射させることにより、回折格子30によって回折される光L3のうちの+1次回折光および−1次回折光のいずれか一方の出射量(光量)が他方の出射量よりも多くなる(いずれか一方の出射量よりも他方の出射量が少なくなる)。
したがって、図3に示すように、回折格子パネル13を有する表示器2では、光源3からの光L1の進行方向を光路変更パネル12の各プリズム20によって縦方向に変更することで、回折格子パネル13における回折格子30の回折格子面F3に対して光路変更パネル12からの光L2が斜めに入射するように構成されている。なお、この表示器2の回折格子パネル13では、一例として、各回折格子30の回折格子面F3が同一平面上に位置する(すなわち、各回折格子面F3が面一となっている)と共に、各回折格子面F3が、上記のパネル面F1,F2,F4に対して平行となるように構成されている。
この場合、回折格子パネル13との対向面に、下側ほど回折格子パネル13側に向かって徐々に突出する向きの斜面が形成されて各プリズム20が構成された光路変更パネル12を有するこの表示器2では、光源3からの光L1が下向きに屈折させられて光L2として回折格子パネル13(各回折格子30の回折格子面F3)に入射させられる。したがって、この表示器2では、光路変更パネル12から出射された光L2の回折格子パネル13に対する入射位置が、光路変更パネル12に対する光L1の入射位置や、光路変更パネル12からの光L2の出射位置よりも下側に位置ずれする。このため、この表示器2では、光源3の各光出射部10や、光路変更パネル12の各プリズム20に対して回折格子パネル13の各回折格子30を下方に位置ずれさせるように配置する構成が採用されている。
一方、図6に示すように、光源3からの光L1を回折格子30(回折格子面F3)に対して直接入射させるように構成された表示器2Aの回折格子パネル13Aでは、各回折格子30の回折格子面F3に対して光L1を斜めに入射させるために、一例として、各回折格子30毎(各回折格子30の形成領域毎)に上記のパネル面F1,F4に対する傾きの向きや大きさが規定されて各回折格子面F3がパネル面F1,F4に対して傾くように形成されている。
なお、上記の回折格子パネル13,13Aでは、その背面に形成した凹凸パターンを回折格子30として機能させる構成を採用しているが、回折格子パネル13,13Aの前面側(拡散板14との対向面:画像を視認する者が存在する側)に凹凸パターンを形成して回折格子として機能させる構成を採用することもできる(図示せず)。また、本明細書では、回折格子パネル13,13Aにおける回折格子30を構成する各凸部31の突端面における幅方向(図3,6における上下方向)の各中心線を含む面(図3,6における各中心31oを含む面)を回折格子面F3とする。また、図12に示す回折格子パネル13aや、図13に示す回折格子パネル13bのように、凸部31の断面形状が上記の回折格子パネル13とは相違する場合においても、回折格子30を構成する各凸部31の突端面における幅方向の各中心線を含む面(同図における各中心31oを含む面)を回折格子面F3とする。さらに、以下の説明において、上記の中心線、または上記の中心線と平行な線分(図22等において実線Lbで示す線)を格子ラインともいう。
また、図7に示すように、回折格子パネル13Bは、一例として、拡散板14と対向する面(すなわち、回折格子パネル13Bの前面:同図における右側の面)に規定された各回折格子30の形成領域毎に、断面鋸歯状の凹凸パターン(格子パターン)が形成され、この凹凸パターンがブレーズ型の回折格子30として機能して、光源3からの光L1を予め規定された方向に回折するように構成されている。また、この回折格子パネル13Bでは、互いに平行な複数のV字状の凹部32b(格子溝)が形成されることによって、その頂部31pが平面視直線状で互いに平行となるように山形の複数の凸部31bが所定の形成ピッチで形成されて、上記の凹凸パターン(格子パターン)が形成されている。
この場合、ブレーズ型の回折格子30を有する回折格子パネル13Bにおいて、各凸部31bの形成ピッチや高さが所定の条件を満たすように回折格子30を形成することで、回折格子面F3に対して回折対象の光を斜めに入射させなくても、回折格子30によって回折される光L3のうちの+1次回折光および−1次回折光のいずれか一方の出射量(光量)が他方の出射量よりも多くなる(いずれか一方の出射量よりも他方の出射量が少なくなる)。具体的には、回折する光L2の波長を「λ」とし、各回折格子30を構成する光学材料の「回折対象の光L2」の屈折率を「n」とし、各凸部31bの形成ピッチを「d(図14参照)」としたときに、各凸部31bの高さ「H(図14参照)」が「H=λ/{n−√[1−(λ/d)]}」との条件式を満たすように各回折格子30を形成することにより、+1次回折光および−1次回折光のいずれか一方の出射量(光量)が最大となる。
なお、本例の回折格子パネル13Bでは、その前面に形成した凹凸パターンを回折格子30として機能させる構成を採用しているが、回折格子パネル13Bの背面側に凹凸パターンを形成して回折格子として機能させる構成を採用することもできる(図示せず)。また、本明細書では、回折格子パネル13Bにおける回折格子30を構成する各凸部31bの頂部31pを含む面を回折格子面F3とする。さらに、以下の説明において、上記の頂部31p、またはこの頂部31pと平行な線分(図22等において実線Lbで示す線)を格子ラインともいう。
この場合、回折格子パネル13,13A,13Bを備えて構成された表示器2,2A,2Bでは、格子ラインの水平方向に対する傾き(ぺリスト回転角)を各回折格子30毎に異ならせることによって回折格子パネル13,13A,13Bによる回折光の出射方向を各回折格子30毎に異ならせ、これにより、表示器2,2A,2Bの左右方向で相違するN=81個所の各視点位置に向けて互いに相違する画像を視認させるための光(本例では、拡散板14を透過した光L4)を出射する構成が採用されている。具体的には、この回折格子パネル13,13A,13Bでは、各回折格子30毎の格子のペリスト回転角(光L2または光L1が入射する側の面から見たときに、各格子の格子ライン(図22において実線Lbで示すライン)が水平の状態(図22において実線Lcで示すラインと平行な状態)を0度とし、各格子の格子ラインが左下がりとなる回転角をプラスとし、各格子の格子ラインが右下がりとなる回転角をマイナスとする角度)が、回折光を出射すべき向きに応じて互いに相違するように形成されている。
また、上記の回折格子パネル13,13A,13Bは、表示器2,2A,2Bに向かって左側から27箇所目(「M=81/3=27」の例)の視点位置を「第1の視点位置」とし、表示器2,2A,2Bに向かって右側から27箇所目の視点位置を「第2の視点位置」とし、左右方向で隣り合う視点位置で視認させる2種類の画像において同一位置に位置する2つの表示画素に対応してそれぞれ形成された2つの回折格子30からなる「回折格子組」における2つの回折格子30のそれぞれのペリスト回転角の角度差を「角度差P」とし、かつ、80組(「N−1=81−1=80」の例)の「回折格子組」のそれぞれの「角度差P」の平均値を「第1の平均値」としたときに、左右方向における「第1の視点位置」から「第2の視点位置」までの29箇所(「N−2M+2=81−2・27+2=29の例)の視点位置で視認させる29種類の画像において上記の同一位置に位置する表示画素に対応してそれぞれ形成された29個の各回折格子30からなる28組(「N−2M+2−1=81−2・27+2−1=28」の例)の「回折格子組」の内の少なくとも1組の「回折格子組」の「角度差P」が「第1の平均値」よりも小さくなるとの条件(以下、「第1の条件」ともいう)を満たすように構成されている。
さらに、回折格子パネル13,13A,13Bは、上記の28組(「(N−2M+2−1)組」の一例)の「回折格子組」のそれぞれの「角度差P」の平均値を「第2の平均値」としたときに、「第2の平均値」が「第1の平均値」よりも小さくなるとの条件(以下、「第2の条件」ともいう)を満たすように構成されている。また、回折格子パネル13,13A,13Bは、上記の28組(「(N−2M+2−1)組」の一例)の「回折格子組」のそれぞれの「角度差P」のすべてが「第1の平均値」よりも小さくなるとの条件(以下、「第3の条件」ともいう)を満たすように構成されている。さらに、回折格子パネル13,13A,13Bは、上記の80組(「(N−1)組」の一例)の「回折格子組」の内の「角度差P」が最も小さい少なくとも1組の「回折格子組」が、上記の28組(「(N−2M+2−1)組」の一例)の「回折格子組」内に存在するとの条件(以下、「第4の条件」ともいう)を満たすように構成されている。また、回折格子パネル13,13A,13Bは、1の「回折格子組」または連続して隣り合う複数の「回折格子組」が左右方向における中央部ほど「角度差P」が段階的に小さくなるとの条件(以下、「第5の条件」ともいう)を満たすように構成されている。
拡散板14は、「光透過パネル」の一例であり、回折格子パネル13,13A,13Bによって回折された光L3を表示器2,2A,2Bの上下方向に拡散させる「光拡散部」であって、一例として、光透過性を有する樹脂材料で平板状に形成されたレンチキュラレンズで構成されている。この拡散板14は、図15に示すように、一例として、横方向に長い複数の凸レンズが、その前面側(画像を視認する者が存在する側)に形成されている。また、この表示器2,2A,2Bでは、一例として、回折格子パネル13,13A,13Bにおける回折格子30の1つ当りに複数の凸レンズが位置するように上記の凸レンズが形成されて拡散板14が構成されている。これにより、この表示器2,2A,2Bでは、回折格子パネル13,13A,13Bによって回折された光L3が、拡散板14を透過して各凸レンズによって縦方向(上下方向)に拡散されて光L4として出射される。
この場合、本明細書では、拡散板14において回折格子パネル13,13A,13Bと対向する面(すなわち、拡散板14の背面)をパネル面F4とする。なお、「拡散板」については、凸レンズに代えて、凹レンズを形成して構成することもできる(図示せず)。また、その背面側(光反射パネルと対向する面の側)に複数の凸レンズ、または、複数の凹レンズを形成して構成することもできる(図示せず)。この場合、背面側に凸レンズまたは凹レンズを形成する構成を採用した場合においては、その拡散板における前面をパネル面F4とする。
一方、制御部4は、表示器2,2A,2Bに表示させるべき立体視画像の画像データに応じて光源3に制御信号Sを出力することにより、光源3における各光出射部10を、立体視画像の各表示画素の明るさに応じて点灯させる。なお、実際の表示装置1,1A,1Bには、外部装置から出力された画像データや画像信号を処理する画像処理部等を備え、制御部4は、画像処理部によって処理されたデータや信号に基づいて表示器2に立体視画像を表示させるが、「表示器」および「表示装置」についての理解を容易とするために、表示器2,2A,2B、光源3および制御部4以外の構成要素に関する説明および図示を省略する。
この表示装置1,1A,1B(表示器2,2A,2B)による立体視画像の表示に際しては、制御部4が光源3に制御信号Sを出力することにより、表示すべき立体視画像の各表示画素の明度に応じた明るさで各光出射部10を点灯させる。この際に、図3に示すように、表示装置1(表示器2)では、光源3の各光出射部10から回折格子パネル13における各回折格子30の回折格子面F3の法線と平行な向きに出射された各光L1が、光路変更パネル12の各プリズム20を透過する際に屈折させられる。この結果、屈折させられた光L2が回折格子パネル13の回折格子面F3に対して斜めに入射する。また、図6に示すように、表示装置1A(表示器2A)では、前述したように、回折格子パネル13Aの各回折格子30が拡散板14のパネル面F4や光源3のパネル面F1に対して傾斜するように構成されているため、光源3の各光出射部10から拡散板14におけるパネル面F4の法線と平行な向きに出射された各光L1が、回折格子パネル13の回折格子面F3に対して斜めに入射する。さらに、図7に示すように、表示装置1B(表示器2B)では、光源3の各光出射部10から回折格子パネル13Bにおける各回折格子30の回折格子面F3の法線と平行な向きに出射された各光L1が、回折格子面F3に対して垂直に入射する。
また、回折格子パネル13,13A,13B(回折格子面F3)に入射した光L2または光L1は、各回折格子30によってそれぞれ回折されて、光L3(回折光)としてそれぞれ出射される。この際に、この表示装置1,1A,1B(表示器2,2A,2B)では、前述したように、回折格子パネル13,13A,13Bにおける各回折格子30が、各光L3を出射すべき方向に応じて、格子ラインの傾き(ぺリスト回転角)が規定されて形成されている。これにより、図11に示すように、各回折格子30からの光L3は、所定の間隔で左右81方向に放射状に拡がるように回折格子パネル13,13A,13Bからそれぞれ出射される。
この際に、表示器2,2Aでは、前述したように、光L2、または、光L1が、回折格子パネル13,13Aにおける各回折格子30の回折格子面F3に対して斜めに入射する。また、表示器2Bでは、ブレーズ型の各回折格子30に対して光源3からの光L1が入射する。したがって、この表示器2,2A,2Bでは、上記の光L2、または、光L1が各回折格子30において回折されたときに、+1次回折光の強度が十分に強くなると共に、回折格子パネル13,13A,13Bから拡散板14の側に−1次回折光が出射されない、或いは、−1次回折光の拡散板14側への出射量が極く少量となり、+1次回折光および0次回折光だけが拡散板14の側に出射される。このため、この表示器2,2A,2Bでは、光源3からの光L1の利用効率が十分に向上すると共に、その光量が十分に多い+1次回折光を、立体視画像を視認させるための光として使用することで、その+1次回折光に対応する表示画素が十分に明るく視認されることとなる。
一方、回折格子パネル13,13A,13Bから出射された光L3(+1次回折光および0次回折光)は、図3,6,7,15に示すように、拡散板14を構成するレンチキュラレンズによって縦方向に拡散されて、図2,5に示すように、表示器2,2A,2B(表示装置1,1A,1B)の前方に向かって光L4として出射される。これにより、左右81方向の各視差領域毎に縦方向(上下方向)における視域が拡がり、表示装置1,1A,1Bの前方における左右81方向の各位置毎に、縦方向の所定の高さ範囲内において、各視点位置に対応する画像(各光L4を表示画素とする画像)が視認される。
したがって、画像を視認する者の左目および右目が互いに相違する視差領域(視点位置)に位置している状態では、左目によって視認される視差画像と、右目によって視認される視差画像とが視差領域の位置に応じて相違しているため、表示されている画像が立体視画像として認識される(両眼視差によって立体視画像として認識される)。また、画像を視認する者が表示装置1,1A,1B(表示器2,2A,2B)に表示されている画像を視認しながら、図2,5に示す矢印A1,A2の向き(左右方向)で各視差領域(各視点位置)に順次移動することにより、表示装置1,1A,1B(表示器2,2A,2B)に表示されている画像が、運動視差によって立体視画像として認識される。
この場合、左右方向で隣り合う視点位置で視認させる2種類の画像において同一位置に位置する2つの表示画素に対応してそれぞれ形成された2つの回折格子からなる回折格子組における2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差が、いずれの回折格子組においても同じ角度差となるように形成した回折格子パネルを備えた表示器(表示装置)では、各画像表示部から出射された光を共有レンズによって水平方向に振り分ける構成が採用された従来の立体表示装置(図44参照)と同様にして、図43に示すように、左右方向における両端部寄り(表示器に向かって左側や右側:同図における左側や右側)に位置する者に視認させるための画像の光Lzの回折格子パネルからの出射角度間隔(同図に示す角度θo1,θo2・・)よりも、左右方向における中央部寄り(表示器の正面部位)に位置する者に視認させるための画像の光Lzの回折格子パネルからの出射角度間隔(同図に示す角度θc1,θc2・・)の方が大きくなる。
したがって、各回折格子組のペリスト回転角の角度差が、いずれの回折格子組においても同じ角度差となるように形成した回折格子パネルを備えた表示器(表示装置)では、左右方向における両端部寄りにおいて視認される各視差画像の密度よりも、左右方向における中央部寄りにおいて視認される各視差画像の密度の方が低くなる。このため、左右方向における中央部寄りにおいて、同じ画像(同じ光Lz)が視認される角度範囲が広くなる結果、両眼視差による立体像を視認させる際に、片側の眼において1つの視差画像が視認されずに立体像として視認されない事態を招いたり、運動視差による立体像を視認させる際に、左右方向の中央部寄りにおいて各視差画像の切り替わりが粗くなったりする。
これに対して、図16に示すように、表示装置1,1A,1B(表示器2,2A,2B)では、左右方向における両端部寄り(表示器2,2A,2Bに向かって左側や右側:同図における左側や右側)に位置する者に視認させるための画像の光L3(本例では、拡散板14によって上下方向に拡散された光L4)の回折格子パネル13,13A,13Bからの出射角度間隔(同図に示す角度θ)と、左右方向における中央部寄り(表示器2,2A,2B)に位置する者に視認させるための画像の光L3(L4)の回折格子パネル13,13A,13Bからの出射角度間隔(同図に示す角度θ)とが互いに等しい角度、または、ほぼ等しい角度となっている。
したがって、表示装置1,1A,1B(表示器2,2A,2B)では、左右方向における両端部寄りにおいて視認される各視差画像の密度と、左右方向における中央部寄りにおいて視認される各視差画像の密度とが互いに等しい密度、または、ほぼ等しい密度となる。このため、同じ画像が視認される角度範囲が左右方向のいずれの位置においても同様となる結果、左右方向のいずれの位置においても、両眼視差による立体像を視認させる際に、両眼によって互いに相違する視差画像が視認され、運動視差による立体像を視認させる際にも、左右方向の中央部寄りにおいて各視差画像の切り替わりが粗くなる事態が回避される。
次に、上記の表示器2,2A,2Bにおける回折格子パネル13,13A,3Bの回折格子面F3および拡散板14のパネル面F4と、光路変更パネル12からの光L2(または、光源3からの光L1)および回折格子パネル13,13A,13Bによって回折された光L3との関係について、図面を参照しつつ説明する。
なお、前述したように、表示器2では、光源3からの光L1が光路変更パネル12によって下向きに偏向されて光L2として回折格子30の回折格子面F3に入射するのに対し、表示器2A,2Bでは、光源3からの光L1が回折格子30の回折格子面F3に直接入射する構成となっているが、回折格子30の回折格子面F3に入射する光(回折対象の光)が光L2および光L1のいずれであるかが相違するだけで、回折格子面F3およびパネル面F4と、回折対象の光L2,L1および回折格子30によって回折された光L3との関係については、表示器2および表示器2A,2Bにおいて基本的に同様のため、以下、これらの関係についての理解を容易とするために、表示器2の例について説明する。また、拡散板14を備えて構成された表示器2を例に挙げて説明するが、「拡散板(光拡散部)」以外の「光透過パネル」を備えて構成された表示器においては、その表示器における「光透過パネル」や「光透過パネル面」が、以下の説明における「拡散板14」や「パネル面F4」に相当する。
この表示器2では、拡散板14におけるパネル面F4の法線L14と、回折格子パネル13における各回折格子30の回折格子面F3に入射する光L2の入射方向とのなす角度におけるX成分(拡散板14における左右方向に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、光L2の入射方向がパネル面F4に対して斜め右向きに交差する状態の角度をプラスとし、光L2の入射方向がパネル面F4に対して斜め左向きに交差する状態の角度をマイナスとする角度)を「αX(図17,18参照)」とし、
拡散板14におけるパネル面F4の法線L14(光透過パネルにおける光透過パネル面の法線)と、回折格子パネル13における各回折格子30の回折格子面F3に入射する光L2の入射方向とのなす角度におけるY成分(拡散板14における縦方向(上下方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、光L2の入射方向がパネル面F4に対して斜め下向きに交差する状態の角度をプラスとし、光L2の入射方向がパネル面F4に対して斜め上向きに交差する状態の角度をマイナスとする角度)を「αY(図17,19参照)」とし、
パネル面F4の法線L14に対する回折格子面F3の法線L13の傾き角におけるX成分(拡散板14における左右方向に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3の法線L13がパネル面F4に対して斜め左向きに交差する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3の法線L13がパネル面F4に対して斜め右向きに交差する状態の角度をマイナスとする角度)を「γX(図20参照)」とし、
パネル面F4の法線L14に対する回折格子面F3の法線L13の傾き角におけるY成分(拡散板14における縦方向(上下方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3の法線L13がパネル面F4に対して斜め上向きに交差する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3の法線L13がパネル面F4に対して斜め下向きに交差する状態の角度をマイナスとする角度)を「γY(図21参照)」とし、
回折格子30における各格子の回折格子面F3内におけるペリスト回転角(光L2が入射する側の面から見たときに、各格子の格子ライン(図22において実線Lbで示すライン)が水平の状態(図22において実線Lcで示すラインと平行な状態)を0度とし、各格子の格子ラインが左下がりとなる回転角をプラスとし、各格子の格子ラインが右下がりとなる回転角をマイナスとする角度)を「ε(図22参照)」としたときに、
回折格子面F3の法線L13と、回折格子面F3に入射する光L2の入射方向とのなす角度におけるx成分(回折格子30における各格子の格子ラインの延在方向(ペリスト回転角が0度の回折格子30が形成された回折格子面F3においては、左右方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3に対して光L2が斜め右向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に入射する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3に対して光L2が斜め左向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に入射する状態の角度をマイナスとする角度)である「αx(図23,24参照)」、および、回折格子面F3の法線L13と、回折格子面F3に入射する光L2の入射方向とのなす角度におけるy成分(回折格子30における各格子の格子ラインに対して回折格子面F3内において直交する方向(ペリスト回転角が0度の回折格子30が形成された回折格子面F3においては、下方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3に対して光L2が斜め下向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に入射する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3に対して光L2が斜め上向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に入射する状態の角度をマイナスとする角度)である「αy(図23,25参照)」は、次の2つの式で表される。
αx=tan−1(tan(αX+γX)・cosε)+tan−1(tan(αY+γY)・sin(−ε))
αy=tan−1(tan(αX+γX)・sinε)+tan−1(tan(αY+γY)・cosε)
また、回折光の次数を「n」とし、光L1の波長を「λ」とし、回折格子30の格子間隔(回折格子30における格子の形成ピッチ:この例では、凸部31の形成ピッチ)を「d(図26,14参照)」とし、
回折格子面F3の法線L13に対する各凸部31の延在方向(図26において実線Laで示す方向)の傾き角におけるy成分(回折格子30における各格子の格子ラインに対して回折格子面F3内において直交する方向(ペリスト回転角が0度の回折格子30が形成された回折格子面F3においては、上下方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3に対して凸部31の延在方向が斜め上向きで交差する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3に対して凸部31の延在方向が斜め下向きで交差する状態の角度をマイナスとする角度)を「δy(図26,27参照)」としたときに、
回折格子面F3の法線L13と、回折格子面F3から出射する光L3の出射方向とのなす角度におけるx成分(回折格子30における各格子の格子ラインの延在方向(ペリスト回転角が0度の回折格子30が形成された回折格子面F3においては、左右方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3から斜め左向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に光L3が出射する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3から斜め右向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に光L3が出射する状態の角度をマイナスとする角度)である「βx(図28,24参照)」、および、回折格子面F3の法線L13と、回折格子面F3から出射する光L3の出射方向とのなす角度におけるy成分(回折格子30における各格子の格子ラインに対して回折格子面F3内において直交する方向(ペリスト回転角が0度の回折格子30が形成された回折格子面F3においては、上下方向)に対応する成分であって、光L2が入射する側の面から見たときに、回折格子面F3から斜め上向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に光L3が出射する状態の角度をプラスとし、回折格子面F3から斜め下向き(ペリスト回転角が0度の回折格子30の場合の方向)に光L3が出射する状態の角度をマイナスとする角度)である「βy(図28,25参照)」は、次の2つの式で表される。
βx=−αx
βy=sin−1{(nλ−d・sinαy)/d}
なお、上記の2つの式から明らかなように、回折格子面F3の法線L13と回折格子面F3から出射する光L3の出射方向とのなす角度におけるx成分である「βx」や、回折格子面F3の法線L13と回折格子面F3から出射する光L3の出射方向とのなす角度におけるy成分である「βy」は、回折格子面F3の法線L13に対する各凸部31の延在方向の傾き角におけるy成分である「δy」に依存しない。
また、パネル面F4の法線L14と、回折格子面F3から出射する光L3の出射方向とのなす角度におけるX成分(拡散板14における左右方向に対応する成分であって、光L3が拡散板14に向かって入射する側の面から見たときに、光L3の出射方向が拡散板14に対して斜め左向きに交差する状態の角度をプラスとし、光L3の出射方向が拡散板14に対して斜め右向きに交差する状態の角度をマイナスとする角度)である「βX(図29,18参照)」、および、パネル面F4の法線L14と、回折格子面F3から出射する光L3の出射方向とのなす角度におけるY成分(拡散板14における縦方向(上下方向)に対応する成分であって、光L3が拡散板14に入射する側の面から見たときに、光L3の出射方向が拡散板14に対して斜め上向きに交差する状態の角度をプラスとし、光L3の出射方向が拡散板14に対して斜め下向きに交差する状態の角度をマイナスとする角度)である「βY(図29,19参照)」は、次の2つの式で表される。
βX=tan−1(tanβx・cosε)+tan−1(tanβy・sinε)+γX
βY=tan−1(tanβx・sin(−ε))+tan−1(tanβy・cosε)+γY
したがって、表示器2,2A,2Bの設計に際しては、上記の「βX」および「βY」が所望の角度となるように、上記の6つの式に基づき、回折格子パネル13における回折格子30に入射させる光L2または光L1の「λ」に応じて、「αX」、「αY」、「ε」、「d」、「γX」、「γY」を適宜調整すればよい。この場合、「αy」の絶対値が0°よりも大きくなるほど、−1次回折光(または、+1次回折光)が減少し、後述する条件を満たすと出射しなくなる。また、−1次回折光(または、+1次回折光)の減少に伴って+1次回折光(または、−1次回折光)が増加する。
なお、図17〜19,23〜25,28,29では、上記の各説明事項における「X成分」、「Y成分」、「x成分」および「y成分」等について理解を容易とするために、回折格子面F3に対する光L2の入射方向と、回折格子面F3からの光L3の出射方向やパネル面F4に対する光L3の入射方向との関係を、表示器2内における実際の光の進路とは相違する状態で図示している。また、これらの各図では、一例として「ペリスト回転角ε≠0°」で、かつ「パネル面F4の法線L14に対する回折格子面F3の法線L13の傾き角が0°(γX=0°、γY=0°)」の例を図示している。
続いて、表示装置1,1A,1Bによってカラー画像を表示するための構成について、図面を参照して説明する。
なお、上記の単色画像を表示するための表示装置1,1A,1Bの構成と区別するために、カラー画像を表示可能な表示装置1,1A,1Bについては、表示装置1C,1AC,1BCという。また、表示装置1C,1AC,1BCにおける表示器2,2A,2Bおよび光源3については、表示装置1,1A,1Bにおける表示器2,2A,2Bおよび光源3と区別するために、表示器2C,2AC,2BCおよび光源3Cという。さらに、表示器2Cにおける光路変更パネル12や、表示器2C,2AC,2BCにおける回折格子パネル13,13A,13Bについては、単色画像表示用の表示器2における光路変更パネル12や、単色画像表示用の表示器2,2A,2Bにおける回折格子パネル13,13A,13Bと区別するために、光路変更パネル12c、回折格子パネル13c,13Ac,13Bcという。また、その他の構成要素において単色画像表示用の表示装置1,1A,1Bと同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この種の表示装置によってカラー画像を表示させる場合には、カラー画像を構成する各表示画素毎に、複数の色光(一例として、R=Red =赤色、G=Green =緑色、B=Blue=青色の3色の色光:以下、単に「R,G,B」ともいう)を合成することによって各表示画素の色を任意の色として視認させる。この場合、1つの表示画素を表示するためのR,G,Bの各色光を同一のプリズムに対して同一の方向で入射させたときには、光屈折現象の波長依存性に起因して、波長λが相違する各色光毎にプリズムからの出射角度や界面における反射角度が相違する状態となる。また、1つの表示画素を表示するためのR,G,Bの各色光を同一の回折格子における回折格子面に対して同一の方向で入射させたときには、回折現象の波長依存性に起因して、波長λが相違する各色光の回折角度が相違する状態(すなわち、回折格子面からの回折光の出射角度が相違する状態)となる。
このため、1つの表示画素として視認されるべきR,G,B各色の+1次回折光(または、−1次回折光)が互いに相違する向きに出射される結果、そのような表示画像で構成される画像を見たときに、色滲みが生じた状態に視認されるおそれがある。また、表示装置から遠く離れた位置においては、1つの表示画素として視認されるべきR,G,B各色の+1次回折光(または、−1次回折光)のうちのいずれか一色分だけしか視認できない状態となり、このような状態においては、カラー画像を表示させているにも拘わらず、赤色の単色画像、緑色の単色画像、または青色の単色画像として視認される事態を招くおそれもある。
この場合、「光回折部からの各色光」を「光拡散部」によって縦方向に拡散させる構成の「表示器(表示装置)」では、「光回折部」から出射される各色光の出射角度や、「光反射部」から出射される各色光の出射角度が縦方向(上下方向)においてある程度相違したとしても、表示画像の視認に与える影響は殆どないが、「光回折部」から出射される各色光の出射角度が横方向(左右方向)で相違する場合には、上記したような問題が生じるおそれがある。このため、カラー画像の表示に際しては、各表示画素を構成する各色光が左右方向において実質的に同一方向に向けて出射されるように表示器を構成する必要がある。また、「光拡散部」を備えていない「表示器(表示装置)」においてカラー画像を表示する際には、各表示画素を構成する各色光が左右方向および上下方向の両方向において実質的に同一方向に向けて出射されるように構成する必要がある。
したがって、図1〜3に示す表示装置1C(表示器2C)では、一例として、光路変更パネル12cを構成する各プリズム20の形状または材質を、屈折させるべき(進行方向を変更すべき)色光の波長に応じて互いに相違させると共に、各回折格子30を構成する各凸部31の形成ピッチ(d)を、回折すべき色光の波長に応じて互いに相違させることにより、上記の色滲みに関する問題点を克服している。また、図4〜6に示す表示装置1AC(表示器2AC)、および図4,5,7に示す表示装置1BC(表示器2BC)では、一例として、各回折格子30を構成する各凸部31,31bの形成ピッチ(d)を、回折すべき色光の波長に応じて互いに相違させて上記の色滲みに関する問題点を克服している。
なお、実際の表示装置1C,1AC,1BCにおける表示器2C,2AC,2BCでは、一例として、表示装置1C,1AC,1BCの前面側における左右81方向の各視点位置毎の各視差領域から、各方向に応じて互いに相違する81種類の「横×縦=1920×1080画素」のRGBカラー画像を視認させることができるよう構成されているが、表示装置1C,1AC,1BCや表示器2C,2AC,2BCの構成についての理解を容易とするために、左右81方向の各視点位置毎の各視差領域用のRGBカラー画像のうちの1つの表示画素を視認させるための構成について説明する。
この場合、光源3Cは、一例として、図30に示すように、光L1R(赤色の色光)を出射する光出射部10(光出射部10A1R〜10I9R:赤色のサブピクセル:以下、これらを区別しないときには「光出射部10R」ともいう)、光L1G(緑色の色光)を出射する光出射部10(光出射部10A1G〜10I9G:緑色のサブピクセル:以下、これらを区別しないときには「光出射部10G」ともいう)、および光L1B(青色の色光)を出射する光出射部10(光出射部10A1B〜10I9B:青色のサブピクセル:以下、これらを区別しないときには「光出射部10B」ともいう)がこの順で縦方向(上下方向)に並んで設けられ、1つの光出射部10R、1つの光出射部10Gおよび1つの光出射部10Bによって、カラー画像を構成する1つの表示画素(以下、「カラー表示画素」ともいう)を視認させるための各色光を出射するように構成されている。すなわち、この光源3Cでは、1つのカラー画像を構成する各表示画素のうちの1つを構成する各色の副画素(サブピクセル)毎に1つの光出射部10(光出射部10R,10G,10Bのいずれか)が設けられている。
なお、同図、および後に参照する図31〜37や、図1,4では、赤色(R)に関連する要素については「R」の符号を付し、緑色(G)に関連する要素については「G」の符号を付し、青色(B)に関連する要素については「B」の符号を付して図示している。また、以下の説明において、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)を区別して説明する必要があるときには、符号の末尾に「R」「G」「B」を付して説明する。なお、この光源3Cでは、1つの表示画素を視認させるための各色光を出射する光出射部10R,10G,10Bが縦方向(上下方向)に隣接するように配置されているが、光路変更パネル12cにおける各光L1R,L1G,L1B用のプリズム20の位置や、回折格子パネル13c,13Ac,13Bcにおける各光L1R,L1G,L1B用の各回折格子30の位置を、各光出射部10R,10G,10Bの位置に合わせて配置することで、1つの表示画素を視認させるための各色光を出射する光出射部10R,10G,10Bを任意の位置に配置することもできる(図示せず)。
光路変更パネル12cは、図31に示すように、一例として、光源3Cにおける各光出射部10Rから出射された光L1Rの進行方向を変更して(光L1Rを屈折させて)光L2Rとして出射するプリズム20(プリズム20A1R〜20I9R:以下、これらを区別しないときには「プリズム20R」ともいう)、各光出射部10Gから出射された光L1Gの進行方向を変更して(光L1Gを屈折させて)光L2Gとして出射するプリズム20(プリズム20A1G〜20I9G:以下、これらを区別しないときには「プリズム20G」ともいう)、および各光出射部10Bから出射された光L1Bの進行方向を変更して(光L1Bを屈折させて)光L2Bとして出射するプリズム20(プリズム20A1B〜20I9B:以下、これらを区別しないときには「プリズム20B」ともいう)がこの順で縦方向(上下方向)に並んで設けられ、1つのプリズム20R、1つのプリズム20Gおよび1つのプリズム20Bによって、1つのカラー表示画素を視認させるための各色光の進行方向をそれぞれ変更するように構成されている(1つの表示画素を表示するための各色光毎に1つの光路変更素子としてのプリズムが形成された構成の例)。すなわち、この光路変更パネル12cでは、一例として、1つのカラー画像を構成する各表示画素をそれぞれ構成する各色の副画素(9×9×3=243の副画素)の1つにつき1つのプリズム20が設けられている。
この場合、この光路変更パネル12cでは、横方向に並ぶ9個のプリズム20Rの間に物理的な境界がなく、この9個のプリズム20Rが1つのプリズムのように一体的に連続して形成されると共に、横方向に並ぶ9個のプリズム20Gの間に物理的な境界がなく、この9個のプリズム20Gが1つのプリズムのように一体的に連続して形成され、かつ、横方向に並ぶ9個のプリズム20Bの間に物理的な境界がなく、この9個のプリズム20Bが1つのプリズムのように一体的に連続して形成されている。つまり、この光路変更パネル12cでは、横方向に長い9つのプリズム200−1R〜200−9R、横方向に長い9つのプリズム200−1G〜200−9G、および横方向に長い9つのプリズム200−1B〜200−9Bが縦方向(上下方向)で並んでいるように形成されている。
また、この光路変更パネル12cでは、上記の光屈折現象の波長依存性に関する問題点を克服するために、同一の光学材料(一例として、光L1Rに対する屈折率が1.514で、光L1Gに対する屈折率が1.519で、光L1Bに対する屈折率が1.523の光学材料)を用いて各プリズム20R,20G,20Bが形成されると共に、プリズム20Rの形状(プリズムの角度)、プリズム20Gの形状(プリズムの角度)、およびプリズム20Bの形状(プリズムの角度)が互いに相違する状態に形成されている。具体的には、この光路変更パネル12cは、プリズム20R,20G,20Bのプリズムの頂角の角度θpが図32に示す角度となるように光透過性を有する樹脂材料で形成されている。これにより、この光路変更パネル12cでは、プリズム20Rからの光L2Rの出射角度、プリズム20Gからの光L2Gの出射角度、およびプリズム20Bからの光L2Bの出射角度が互いに等しい角度(本例では、30.0°)となる。この場合、光L2R,L2G,L2Bの出射角度は、前述した「αY」に等しくなる。このため、この光路変更パネル12cを備えた表示器2Cでは、同図に示すように、回折格子パネル13cにおける各回折格子30への光L2R,L2G,L2Bの入射角度が互いに等しくなっている。
なお、上記の光路変更パネル12cにおける各プリズム20の構成に代えて、光L1Rの進行方向を変更するプリズム20Rを構成する光学材料、光L1Gの進行方向を変更するプリズム20Gを構成する光学材料、および光L1Bの進行方向を変更するプリズム20Bを構成する光学材料をそれぞれ相違させる(各色光の波長に対する屈折率が互いに等しくなるように、光学材料を互いに相違させる)ことにより、光L2R,L2G,L2Bの「αY」を互いに等しくする(回折格子パネル13cにおける各回折格子30への光L2R,L2G,L2Bの入射角度が互いに等しくする)構成を採用することもできる(図示せず)。
回折格子パネル13c,13Ac,13Bcは、図33に示すように、光L2R、または光L1Rを回折するための回折格子30(回折格子30A1R〜30I9R:以下、これらを区別しないときには「回折格子30R」ともいう)、光L2G、または光L1Gを回折するための回折格子30(回折格子30A1G〜30I9G:以下、これらを区別しないときには「回折格子30G」ともいう)、および光L2B、または光L1Bを回折するための回折格子30(回折格子30A1B〜30I9B:以下、これらを区別しないときには「回折格子30B」ともいう)がこの順で縦方向(上下方向)に並んで設けられ、1つの回折格子30R、1つの回折格子30Gおよび1つの回折格子30Bによって、1つのカラー表示画素を視認させるための各色光をそれぞれ回折するように構成されている(1つの表示画素を表示するための各色光毎に1つの回折格子が形成された構成の例)。
なお、前述したように、本明細書において、「1つの回折格子」とは、入射した光を回折可能に構成された光学的要素のうちの「1つの光出射部」に対応して規定された部位を意味する。したがって、この回折格子パネル13c,13Ac,13Bcでは、上記の光源3Cにおける1つの光出射部10(光出射部10R,10G,10Bのいずれか)に対応して1つの回折格子30(回折格子30R,30G,30Bのいずれか)が規定されて、1つのカラー画像を構成する各表示画素のうちの1つを構成する各色の副画素毎に1つの回折格子30(回折格子30R,30G,30Bのいずれか)が規定されている。また、この回折格子パネル13c,13Ac,13Bcは、前述した単色画像表示用の表示器2,2A,2Bにおける回折格子パネル13,13A,13Bと同様にして、第1の条件から第5の条件を満たすように構成されている。
さらに本例の表示器2C,2AC,2BCでは、1つのカラー表示画素を視認させるための各色光を拡散板14から左右方向において同じ向きに出射するために、1つのカラー表示画素を表示するための各色光(光L2、または光L1)をそれぞれ回折する回折格子30R,30G,30Bにおける回折格子面F3の拡散板14におけるパネル面F4に対する傾きを互いに等しくした状態において、この1つのカラー表示画素を表示するための各色光(光L2、または光L1)をそれぞれ回折する回折格子30R,30G,30Bについて、波長λが短い光L2を回折する回折格子30における格子の形成ピッチd(凸部31,31bの形成ピッチd)よりも、波長λが長い光L2を回折する回折格子30における格子の形成ピッチd(凸部31,31bの形成ピッチd)の方が大きくなるように回折格子パネル13cが形成されている。
具体的には、格子の形成ピッチd(凸部31,31bの形成ピッチd)については、光L2Bよりも波長λが長い光L2Gを回折する回折格子30Gの方が回折格子30Bよりも大きくなり、かつ、光L2Gよりも波長λが長い光L2Rを回折する回折格子30Rの方が回折格子30Gよりも大きくなるように回折格子30R,30G,30Bを形成する。より具体的には、回折格子パネル13c,13Acでは、「波長λ=633nm」の光L2Rを回折する回折格子30Rにおける格子が「形成ピッチd=633nm」で、「波長λ=532nm」の光L2Gを回折する回折格子30Gにおける格子が「形成ピッチd=532nm」で、「波長λ=472nm」の光L2Bを回折する回折格子30Bにおける格子が「形成ピッチd=472nm」となっている(「各回折格子における格子の形成ピッチが、回折すべき光の波長λと等しい構成」の例)。このような構成を採用することにより、回折格子パネル13cを容易に設計することができる。
また、回折格子パネル13Bcでは、光L2Rを回折する回折格子30Rにおける格子が「形成ピッチd=853nm」で、光L2Gを回折する回折格子30Gにおける格子が「形成ピッチd=717nm」で、光L2Bを回折する回折格子30Bにおける格子が「形成ピッチd=636nm」となっている。この場合、本例の回折格子パネル13Bcでは、回折する各色光(光L2)に応じて、前述した「H=λ/{n−√[1−(λ/d)]}」との条件式を満たすように各回折格子30R,30G,30Bが形成されている。具体的には、この回折格子パネル13Bcでは、回折する光L2の波長(λ)、および回折対象の光L2についての屈折率(n)に応じて、各凸部31bの形成ピッチ(d)や各凸部31bの高さ(H)が図34に示すように各回折格子30R,30G,30Bが形成されている。これにより、この回折格子パネル13Bcでは、回折格子面F3に対して回折対象の光を斜めに入射させなくても、+1次回折光および−1次回折光のいずれか一方の出射量(光量)が他方の出射量よりも多くなっている(いずれか一方の出射量よりも他方の出射量が少なくなっている)。
この表示装置1C,1AC,1BC(表示器2C,2AC,2BC)では、光源3Cから出射されて光路変更パネル12cによって屈折させられた光L2、または、光源3Cから出射された光L1を、各回折格子30によって回折して左右81方向に振り分けると共に、拡散板14によって縦方向(上下方向)に拡散させることで、左右81方向の各視差領域毎に縦方向(上下方向)における視域を拡げる構成(左右方向においては、互いに相違する視差画像が視認され、縦方向においては、同一の視差画像が視認されるように表示させる構成)が採用されている。
この場合、図16に示すように、この表示装置1C,1AC,1BC(表示器2C,2AC,2BC)では、上記したように、この表示装置1C,1AC,1BC(表示器2C,2AC,2BC)では、左右方向における両端部寄り(表示器2C,2AC,2BCに向かって左側や右側:同図における左側や右側)に位置する者に視認させるための画像の光L3(本例では、拡散板14によって上下方向に拡散された光L4)の回折格子パネル13c,13Ac,13Bcからの出射角度間隔(同図に示す角度θ)と、左右方向における中央部寄り(表示器2C,2AC,2BC)に位置する者に視認させるための画像の光L3(L4)の回折格子パネル13c,13Ac,13Bcからの出射角度間隔(同図に示す角度θ)とが互いに等しい角度、または、ほぼ等しい角度となっている。
具体的な例について、図35〜37を参照して説明する。なお、図35〜37では、表示器2C,2AC,2BCの左右方向で相違するN=81箇所の各視点位置において視認させる81種類の視差画像に対応する画素A1〜I9の81個の画素(「各画像において同一位置に位置する表示画素」)のうちの一部の画素に関するパラメータを図示している。この場合、表示器2C,2AC,2BCでは、一例として、向かって左側の各視点位置において視認させる視差画像に対応する画素A1,B1・・,I1,A2・・,C5,D5の回折格子30のペリスト回転角の絶対値、および向かって右側の各視点位置において視認させる視差画像に対応する画素I9,H9・・,A9,I8・・,G5,F5の回折格子30のペリスト回転角の絶対値が、中央部の視点位置において視認させる視差画像に対応する画素E5を中心として、それぞれ一致している。したがって、図35〜37では、主として、中央部の視点位置よりも右側の視点位置において視認させる視差画像に対応する画素について図示している。
また、図35〜37に示す例では、画素I3に対応する光L3(L4)を視認させる視点位置が「第1の視点位置」に相当し、画素A7に対応する光L3(L4)を視認させる視点位置が「第2の視点位置」に相当する。さらに、これらの例では、画素A1,B1、画素B1,C1・・、画素H1,I1、画素I1,A2、画素A2,B2・・、画素H9,I9の80組の画素に対応する80組の回折格子30が、それぞれ「回折格子組」に相当する。
図35〜37に示す表示器2C,2AC,2BC(表示装置1C,1AC,1BC)では、上記の「第1の視点位置」から「第2の視点位置」までの29箇所の視点位置(中央部の視点位置)で視認させる29種類の画像において同一位置に位置する表示画素(この例では、画素I3に対応する表示画素から画素A7に対応する表示画素までの29個の表示画素)に対応してそれぞれ形成された29個の各回折格子30からなる28組の「回折格子組」の内の少なくとも1組の「回折格子組」(本例では、28組のすべて「回折格子組」)の「角度差P(「※1」の値)」が、上記の80組の「回折格子組」のそれぞれの「角度差P」の平均値(「第1の平均値」:表示器2C,ACにおいては、0.96°、表示器2BCにおいては、1.23°)よりも小さくなるとの「第1の条件」および「第3の条件」が満たされるように回折格子パネル13c,13Ac,13Bcが構成されている。
また、図35〜37に示す表示器2C,2AC,2BC(表示装置1C,1AC,1BC)では、上記の28組の「回折格子組」のそれぞれの「角度差P」の平均値(「第2の平均値」:表示器2C,ACにおいては、0.88°、表示器2BCにおいては、0.93°)が、上記の「第1の平均値」よりも小さくなるとの「第2の条件」が満たされるように回折格子パネル13c,13Ac,13Bcが構成されている。
さらに、図35〜37に示す表示器2C,2AC,2BC(表示装置1C,1AC,1BC)では、上記の80組の「回折格子組」の内の「角度差P」が最も小さい少なくとも1組(表示器2C,ACにおいては、画素D5,E5に対応する一対の回折格子30からなる「回折格子組」、および画素E5,F5に対応する一対の回折格子30からなる「回折格子組」の2組で、表示器BCにおいては、画素C5,D5に対応する一対の回折格子30からなる「回折格子組」、画素D5,E5に対応する一対の回折格子30からなる「回折格子組」、画素E5,F5に対応する一対の回折格子30からなる「回折格子組」、および画素F5,G5に対応する一対の回折格子30からなる「回折格子組」の4組)の「回折格子組」が、上記の28組の「回折格子組」内に存在するとの「第4の条件」が満たされるように回折格子パネル13c,13Ac,13Bcが構成されている。
また、図35〜37に示す表示器2C,2AC,2BC(表示装置1C,1AC,1BC)では、上記の80組の「回折格子組」に関し、1の「回折格子組」または連続して隣り合う複数の「回折格子組」が左右方向における中央部ほど「角度差P」が段階的に小さくなるとの「第5の条件」が満たされるように回折格子パネル13c,13Ac,13Bcが構成されている。
したがって、表示器2C,2AC,2BC(表示装置1C,1AC,1BC)では、左右方向における両端部寄り(向かって左側や右側)に位置する者に視認させるための画像の光L3の回折格子パネル13c,13Ac,13Bcからの出射角度間隔(本例では、拡散板14によって上下方向に拡散された光L4の出射角度間隔:「※2」の値)と、左右方向における中央部寄り(表示器の正面部位)に位置する者に視認させるための画像の光L3の13c,13Ac,13Bcからの出射角度間隔(本例では、光L4の出射角度間隔:「※2」の値)とが互いに等しい角度間隔(本例では、1.0°間隔)となっている。これにより、左右方向における両端部寄りにおいて視認される各視差画像の密度と、左右方向における中央部寄りにおいて視認される各視差画像の密度とが互いに等しい密度、または、ほぼ等しい密度となっている。
このように、この表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)では、左右方向で相違するN箇所(4以上の自然数:本例では、N=81箇所)の各視点位置から互いに相違する画像を視認可能にN種類(本例では、81種類)の画像を表示可能に構成され、かつ、回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)が、表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)に向かって左側からM箇所目(Nを3で除した値の端数を切り上げた自然数:本例では、左側から27箇所目)の視点位置を「第1の視点位置」とし、表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)に向かって右側からM箇所目(本例では、右側から27箇所目)の視点位置を「第2の視点位置」とし、左右方向で隣り合う視点位置で視認させる2種類の画像において同一位置に位置する2つの表示画素(同一位置に位置する2つの表示画素内の同一色の色光)に対応してそれぞれ形成された2つの回折格子30からなる「回折格子組」における2つの回折格子30のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとし、かつ、(N−1)組(本例では、80組)の「回折格子組」のそれぞれの角度差Pの平均値を「第1の平均値」としたときに、左右方向における「第1の視点位置」から「第2の視点位置」までの(N−2M+2)箇所(本例では、29箇所)の視点位置で視認させる(N−2M+2)種類(本例では、29種類)の画像において上記の同一位置に位置する表示画素(同一位置に位置する2つの表示画素内の同一色の色光)に対応してそれぞれ形成された(N−2M+2)個(本例では、29個)の各回折格子30からなる(N−2M+2−1)組(本例では、28組)の「回折格子組」の内の少なくとも1組(本例では、28組のすべて)の「回折格子組」の角度差Pが「第1の平均値」よりも小さくなるように構成されている。
また、この表示装置1,1A,1B(1C,1AC,1BC)では、上記の表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)と、光源3(3C)と、光源3(3C)の点灯を制御して表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)に画像を表示させる制御部4とを備えて構成されている。
したがって、この表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)、および表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)を備えて構成された表示装置1,1A,1B(1C,1AC,1BC)によれば、左右方向における中央部寄り(表示器の正面部位)に位置する者に視認させるための各画像の少なくとも一部について、その画像の光L3の回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)からの出射角度間隔を十分に小さくすることができる結果、左右方向の各位置における各視差画像の密度が平均化した状態に近付けることができる。これにより、両眼視差による立体像を視認させる際に、左右方向のいずれの位置においても、両眼によって互いに相違する視差画像を視認させることができ、運動視差による立体像を視認させる際にも、左右方向の中央部寄りにおいて各視差画像の切り替わりが粗くなる事態を回避することができる結果、運動視差による立体像を違和感なく視認させることができる。
また、この表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)によれば、上記の(N−2M+2−1)組の「回折格子組」のそれぞれの角度差Pの平均値を「第2の平均値」としたときに、「第2の平均値」が「第1の平均値」よりも小さくなるように回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)を構成したことにより、左右方向のいずれの位置においても各視差画像の密度が平均化した状態に一層近付けることができる。
この場合、この表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)によれば、上記の(N−2M+2−1)組の「回折格子組」のそれぞれの角度差Pのすべてが「第1の平均値」よりも小さくなるように回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)を構成したことにより、左右方向のいずれの位置においても各視差画像の密度が平均化した状態とすることができる。
また、この表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)によれば、1の「回折格子組」または連続して隣り合う複数の「回折格子組」が左右方向における中央部ほど角度差Pが段階的に小さくなるように回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)を構成したことにより、運動視差による立体像を視認させる際に、左右方向の両端部の視点位置から中央部の視点位置に向かって移動するとき、および中央部の視点位置から左右方向の両端部の視点位置に向かって移動するときに、視差画像の密度が急激に変化する事態を回避することができる。
なお、「表示器」および「表示装置」の構成は、上記の表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)および表示装置1,1A,1B(1C,1AC,1BC)の構成に限定されない。例えば、「第1の条件」から「第5の条件」のすべてを満たし、かつ、光L3(L4)の回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)からの出射角度間隔が互いに等しい角度、または、ほぼ等しい角度となっている例について説明したが、「第1の条件」から「第5の条件」のすべてを満たしたうえで、光L3(L4)の回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)からの出射角度間隔がある程度の角度範囲内で僅かに相違するように構成することもできる。また、「第1の条件」だけを満たすように構成したり、「第1の条件」および「第2の条件」の2つだけを満たすように構成したりすることもできる。これらの構成を採用した場合においても、左右方向における中央部寄り(表示器の正面部位)に位置する者に視認させるための各画像の少なくとも一部について、その画像の光L3の回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)からの出射角度間隔をある程度小さくすることができる。
また、光源3(3C)からの光L1の進行方向を変更するためのプリズム20(200)を有する光路変更パネル12(12c)を備えた表示器2(2C)を例に挙げて説明したが、この光路変更パネル12(12c)に代えて、「光路変更素子」としての「電気光学効果(EO効果)によって光の進行方向を変更する素子:以下、「EO効果素子」ともいう」を備えて構成された光路変更パネル(図示せず)を「光路変更部」として備えた構成を採用することもできる。この場合、「EO効果素子」としては、一例として、KTN結晶体(タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTa1−xNb)の結晶体)と、このKTN結晶体の上面に配設された電極(陽極)と、KTN結晶体の下面に配設された電極(陰極)とで構成することができる。このKTN結晶体は、ペロブスカイト型の結晶構造を持つ酸化物であって、端面間に電圧を印加することにより、その屈折率が変化する「電気光学効果(EO効果)」を有していることが知られている。したがって、光源3(3C)からの光L1を屈折させるべき角度に応じて両電極間に電圧を印加することで、プリズム20(200)によって光L1を屈折させるのと同様にして、所望の角度で「EO効果素子」から光L2を出射して回折格子パネル13(13c)の回折格子30に対して斜めに入射させることができる。
また、例えば、平面視直線状の互いに平行な複数の凸部31,31b、および平面視直線状の互いに平行な複数の凹部32,32bが所定の形成ピッチで形成された凹凸パターン(格子パターン)を回折格子30として機能させる構成の回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)を備えた例について説明したが、「回折格子」は、これに限らず、一例として、図38,39に示す回折格子パネル13dにおける回折格子30aのように、互いに交差することのない平面視曲線状の複数の凸部、および互いに交差することのない平面視曲線状の複数の凹部で構成された凹凸パターン(格子パターン)を形成して「回折格子」として機能させる構成を採用することができる。なお、両図では、一例として、凸部の幅方向の中心(位相型の回折格子)、または、凸部の頂部(ブレーズ型の回折格子)に相当する部位を実線(曲線)で図示している。
この場合、前述したように、本明細書において、「1つの回折格子」とは、入射した光を回折可能に構成された光学的要素のうちの「1つの光出射部」に対応して規定された部位を意味する。したがって、平面視曲線状の凸部や平面視曲線状の凹部が格子パターンとして形成された回折格子パネルでは、光源における1つの光出射部(前述した光源3における1つの光出射部10、または、前述した光源3Cにおける光出射部10R,10G,10Bのうちの1つに対応する要素:つまり、単色画像を表示するための光源においては、1つの単色画像を構成する各表示画素のうちの1つに対応する光を出射する光学的要素であり、カラー画像を表示するための光源においては、1つのカラー画像を構成する各表示画素のうちの1つにおける各色光に対応する各副画素のうちの1つに対応する光を出射する光学的要素)に対応して1つの回折格子30a(両図において荒い破線で区切った方形状の領域)が規定されている。
なお、平面視曲線状の凸部や平面視曲線状の凹部を格子パターンとして形成した回折格子30aでは、図39に示すように、一例として、格子としての凸部が回折格子30aの一端部(例えば、同図における左端部)と交差する交点P1と、凸部が回折格子30aの他端部(この例では、同図における右端部)と交差する交点P2とを結んだ実線Lcを格子ラインとする。このような構成の回折格子パネル13dにおいても、回折格子30a毎に、各凸部の形成ピッチdや、ペリスト回転角(格子ラインの回転角)などを規定することで、前述した回折格子パネル13,13A,13B(13c,13Ac,13Bc)と同様にして、光路変更パネル12(12c)からの光L2(L2R,L2G,L2B)、または、光源3(3C)からの光L1(L1R,L1G,L1B)を回折して任意の向きに出射することができる。
また、例えば、各回折格子30の形成領域毎に複数の凸部31および複数の凹部32が所定の形成ピッチで形成された凹凸パターンが形成され、この凹凸パターンが位相型の回折格子30として機能して、光路変更パネル12(12c)からの光L2(L2R,L2G,L2B)、または、光源3(3C)からの光L1(L1R,L1G,L1B)を予め規定された方向に回折するように構成された回折格子パネル13,13A(13c,13Ac)を有する表示器2,2A(2C,2AC)および表示装置1,1A(1C,1AC)を例に挙げて説明したが、回折格子パネル13,13A(13c,13Ac)に代えて、図40〜42に示す回折格子パネル13e〜13gのいずれかによって光路変更パネル12(12c)からの光L2(L2R,L2G,L2B)、または、光源3(3C)からの光L1(L1R,L1G,L1B)を予め規定された方向に回折するように構成することもできる。
この場合、回折格子パネル13e〜13gは、前述した回折格子パネル13,13A(13c,13Ac)における凸部31および凹部32からなる格子パターン(凹凸パターン)に代えて、複数の凸部31aおよび複数の凹部(スリット)32aからなる格子パターンが形成されて、この格子パターンが位相型の回折格子30bとして機能して、光路変更パネル12(12c)からの光L2(L2R,L2G,L2B)、または、光源3(3C)からの光L1(L1R,L1G,L1B)を予め規定された方向に回折するように構成されている。なお、この回折格子パネル13e〜13gにおいて、前述した回折格子パネル13,13A(13c,13Ac)の各要素と同様の要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この場合、図40,41に示すように、回折格子パネル13e,13fの回折格子30bでは、凸部31aの延在方向(同図における実線Laの方向)が、その回折格子面F3に対して垂直に交差する向き(回折格子面F3の法線と平行な向き:δy=0°)となっている。したがって、この回折格子パネル13e,13gの回折格子30bは、δy=0°の回折格子パネル13(13c)の回折格子30と同様に機能する。一方、図42に示すように、回折格子パネル13gの回折格子30bでは、凸部31aの延在方向(同図における実線Laの方向)が、その回折格子面F3に対して斜めに交差する向き(回折格子面F3の法線と非平行な向き:δy≠0°)となっている。したがって、この回折格子パネル13gの回折格子30bは、δy≠0°の回折格子パネル13A(13Ac)の回折格子と同様に機能する。
また、図40〜42に示す回折格子パネル13h〜13jのいずれかによって光路変更パネル12(12c)からの光L2(L2R,L2G,L2B)、または、光源3(3C)からの光L1(L1R,L1G,L1B)を予め規定された方向に回折するように構成することもできる。この場合、回折格子パネル13h〜13jは、前述した回折格子パネル13,13A(13c,13Ac)における凸部31および凹部32からなる格子パターン(凹凸パターン)に代えて、高屈折率材料で形成された複数の高屈折率部35、および低屈折率材料で形成された複数の低屈折率部36からなる格子パターンが形成されて、この格子パターンが位相型の回折格子30cとして機能して、光路変更パネル12(12c)からの光L2(L2R,L2G,L2B)、または、光源3(3C)からの光L1(L1R,L1G,L1B)を予め規定された方向に回折するように構成されている。
この場合、本明細書では、回折格子パネル13h〜13jの回折格子30cにおける各高屈折率部35を、前述した回折格子30の凸部31や回折格子30bの凸部31aと同様の構成要素とする。すなわち、これら回折格子パネル13h〜13jの回折格子30cにおける「凸部の延在方向」は、高屈折率部35の延在方向(各図における実線Laの方向)を意味する。このような構成を採用した場合においても、前述した回折格子パネル13,13A,13a,13b,13e〜13f等と同様の「光回折部」として機能する。
さらに、RGBカラー画像を表示可能に構成した表示器2C,2AC,2BC(表示装置1C,1AC,1BC)を例に挙げて説明したが、RGBカラー画像以外の、各種のカラー画像を表示可能に「表示器」および「表示装置」を構成することもできる。このような構成を採用する場合においては、カラー画像を構成する各色光毎の表示画素毎に、上記の「d」や「ε」などを適宜調整すればよい。また、光出射部としてのLEDを備えた光源3(3C)を例に挙げて説明したが、「光源」は、これに限定されず、有機ELや、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよび表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)などの各種光出射装置を備えて構成することができる。この場合、単色画像を表示するための表示装置に上記の各種光出射装置を使用する場合には、光出射装置において、1つの単色画像を構成する各表示画素のうちの1つに対応する光を出射するための光学的要素が「光出射部」に相当し、カラー画像を表示するための表示装置に上記の各種光出射装置を使用する場合には、光出射装置において、1つのカラー画像を構成する各表示画素のうちの1つにおける各色の副画素のうちの1つに対応する光を出射するための光学的要素が「光出射部」に相当する。
また、拡散板14を備えて構成した表示器2,2A,2B(2C,2AC,2BC)を例に挙げて説明したが、「光拡散部(拡散板14)」に加えて、「光拡散部」等の傷付きや塵埃の付着を防止するための「保護板」や、ノングレア処理が施された「化粧板」などを配設して「表示器」を構成することもできる。
1,1A,1B,1C,1AC,1BC 表示装置
2,2A,2B,2C,2AC,2BC 表示器
3,3C 光源
4 制御部
10,10R,10G,10B 光出射部
12,12c 光路変更パネル
13,13A,13B,13a〜13k,13Ac,13Bc 回折格子パネル
14 拡散板
20,20R,20G,20B,200 プリズム
30,30R,30G,30B,30a〜30c 回折格子
F1,F2,F4 パネル面
F3 回折格子面
L1〜L4,L1R〜L4R,L1G〜L4G,L1B〜L4B 光

Claims (4)

  1. 光源からの光を回折する光回折部を備えた表示器であって、
    当該表示器と対向し、かつ当該表示器の左右方向で相違するN箇所(Nは、4以上の自然数)の各視点位置から互いに相違する画像を視認可能にN種類の当該画像を表示可能に構成され、
    前記光回折部は、各表示画素毎に回折格子が形成されて当該各回折格子毎に前記光源からの光を予め規定された方向にそれぞれ回折するように構成されると共に、当該表示器に向かって左側からM箇所目(Mは、Nを3で除した値の端数を切り上げた自然数)の前記視点位置を第1の視点位置とし、当該表示器に向かって右側からM箇所目の前記視点位置を第2の視点位置とし、前記左右方向で隣り合う前記視点位置で視認させる2種類の前記画像において同一位置に位置する2つの前記表示画素に対応してそれぞれ形成された2つの前記回折格子からなる回折格子組における当該2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとし、かつ、(N−1)組の前記回折格子組のそれぞれの前記角度差Pの平均値を第1の平均値としたときに、前記左右方向における前記第1の視点位置から前記第2の視点位置までの(N−2M+2)箇所の当該視点位置で視認させる(N−2M+2)種類の前記画像において前記同一位置に位置する前記表示画素に対応してそれぞれ形成された(N−2M+2)個の前記各回折格子からなる(N−2M+2−1)組の前記回折格子組の内の少なくとも1組の当該回折格子組の前記角度差Pが前記第1の平均値よりも小さくなるように構成されている表示器。
  2. 光源からの光を回折する光回折部を備えると共に、波長が相違する複数種類の色光によって1つの画像における1つの表示画素を表示可能に構成された表示器であって、
    当該表示器と対向し、かつ当該表示器の左右方向で相違するN箇所(Nは、4以上の自然数)の各視点位置から互いに相違する前記画像を視認可能にN種類の当該画像を表示可能に構成され、
    前記光回折部は、前記1つの表示画素を表示するための前記各色光に対応して回折格子が形成されて当該各回折格子毎に当該色光を予め規定された方向にそれぞれ回折するように構成されると共に、当該表示器に向かって左側からM箇所目(Mは、Nを3で除した値の端数を切り上げた自然数)の前記視点位置を第1の視点位置とし、当該表示器に向かって右側からM箇所目の前記視点位置を第2の視点位置とし、前記左右方向で隣り合う前記視点位置で視認させる2種類の前記画像において同一位置に位置する2つの前記表示画素の内の同一色の前記色光に対応してそれぞれ形成された2つの前記回折格子からなる回折格子組における当該2つの回折格子のそれぞれのペリスト回転角の角度差を角度差Pとし、かつ、(N−1)組の前記回折格子組のそれぞれの前記角度差Pの平均値を第1の平均値としたときに、前記左右方向における前記第1の視点位置から前記第2の視点位置までの(N−2M+2)箇所の当該視点位置で視認させる(N−2M+2)種類の前記画像において前記同一位置に位置する前記表示画素の内の前記同一色の色光に対応してそれぞれ形成された(N−2M+2)個の前記各回折格子からなる(N−2M+2−1)組の前記回折格子組の内の少なくとも1組の当該回折格子組の前記角度差Pが前記第1の平均値よりも小さくなるように構成されている表示器。
  3. 前記光回折部は、前記(N−2M+2−1)組の前記回折格子組のそれぞれの前記角度差Pの平均値を第2の平均値としたときに、当該第2の平均値が前記第1の平均値よりも小さくなるように構成されている請求項1または2記載の表示器。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の表示器と、前記光源と、当該光源の点灯を制御して前記表示器に前記画像を表示させる制御部とを備えている表示装置。
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