JP2012203266A - 表示体及び情報印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】偽造防止効果を発揮する表示体を提供する。
【解決手段】基材の一方の面に設けられた凹凸構造形成層と、上記凹凸構造形成層の少なくとも一部を被覆する反射層とを備えた表示体であって、上記面が複数の画素に分割されており、これら複数の画素のうち、少なくとも一部の画素(第1画素)と他の画素(第2画素)にはそれぞれ第1凹凸構造と第2凹凸構造があり、上記第1、2凹凸構造は、上面が上記基材面と略平行である複数の凸部、又は底面が上記基材面と略平行である複数の凹部と上記基材面と略平行な平坦部が配置され、上記第2凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形は、上記第1凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図をマクロレンジで観察したときに同一となり、周期性がなくランダムに配置され、凹凸構造の異なる第1画素と第2画素の配列によって可視画像を構成する表示体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偽造防止などを目的として用いられる観察条件によって見え方が変化する画像の表示体及び該表示体を備える情報印刷物に係り、特に照明光の角度、観察方向などによって像の明るさや意図が変化するような画像を表示する表示体及び該表示体を備える情報印刷物に関する。
近年、商品券や小切手等の有価証券類やクレジットカードやキャッシュカード、IDカード等のカード類、パスポートや免許証等の証明書類の偽造防止を目的として、通常の印刷物とは異なる視覚効果をもつ表示体を、転写箔やステッカー等の形態として、上記証券類やカードなどの証明書類の表面に貼付、圧着するなどのラベル付き形態で設けることが行われている。また、有価証券類や証明書類以外の物品においても、偽造品の流通が社会問題化しており、そのような物品についても同様の偽造防止技術を適用する機会が多くなってきている。
偽造防止技術としては、マイクロ文字、特殊発光インキ、すかし、回折格子、ホログラムなどがある。このような偽造防止技術は大きく二つに分けることができる。一つは、簡易な機器や測定装置などを使用して対象の真偽を判別する偽造対策である。もう一つは、肉眼で容易に真偽判定が可能な偽造対策である。
近年では、電子線描画装置(EB装置)で様々な微細構造のものを作製し、目視で類似技術と差別化できるセキュリティデバイスの開発が行われている。もっとも、一般的なセキュリティデバイスとして、表面レリーフタイプのレインボウホログラム(例えば特許文献1参照)がある。このレインボウホログラムは、普通の印刷物に比べて構造が複雑であり、高い微細加工技術を持つ特定の業者でないと作製が困難である。また、複製を行うときに大規模な複製装置を必要とするので、小規模な複製を行い難いという難点がある。したがって、この種のものは、偽造品の作製が困難であるとされてきた。
また、レインボウホログラムではその表示体に照明光を当てたときに単波長に近い光で再生されるため、虹の七色に対応した明るく鮮やかな色で観察できるとともに観察条件が変化したときに色や画像パターンが変化するという特徴的な見え方をする。このため、他の部材との違いが目視で容易に判別できるようになる。このようなことから、レインボウホログラムは目視によるセキュリティ用途として優れており、偽造防止用の画像表示体として広く用いられてきている。
しかし、レインボウホログラムは、観察条件の変化が僅かであっても再生像の色が大きく変化する傾向があるので、画像の色の違いを識別することが難しい。このため、異なる画像が記録されているレインボウホログラムであっても観察者に類似した印象を与えやすく、ホログラム同士では記録されている画像の違いが判別し難いという難点がある。
特開平2−72320号公報
「ホログラフィの原理」、オプトロニクス社、P.ハリハラン 著
上述のように、レインボウホログラムの偽造防止用の画像表示体は、画像の色変化が大きいため、記録されている画像の違いが判別し難いという欠点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ホログラムと同様に観察条件によって色やパターンが変化するが、レインボウホログラムよりも色変化がゆるやかであり、通常の観察条件ではほぼ同じ色に見えるような表示体を提供することにより、レインボウホログラムと比べて、画像の違いを判別し易い偽造防止媒体を提供すること、及び回折光の射出角度を制御することにより潜像や色のチェンジング効果を有する表示体を提供することを目的としている。
請求項1の発明は、基材の一方の面に設けられた凹凸構造形成層と、上記凹凸構造形成層の少なくとも一部を被覆する反射層とを備えた表示体であって、上記面が複数の画素に分割されており、これら複数の画素のうち、少なくとも一部の画素(第1画素)と他の画素(第2画素)にはそれぞれ第1凹凸構造と第2凹凸構造が設けられ、上記第1、2凹凸構造は、上面が上記基材面と略平行である複数の凸部又は底面が上記基材面と略平行である複数の凹部と上記基材面と略平行な平坦部が配置され、上記第2凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形は、上記第1凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形をマクロレンジで観察したときに同一となり、周期性がなくランダムに配置され、凹凸構造の異なる第1画素と第2画素の配列によって可視画像を構成することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の表示体において、上記第1、2凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形が四角形であり、第1凹凸構造の長辺及び短辺の長さがそれぞれ1μm以上且つ5μm未満であり、上記第2凹凸構造の長辺及び短辺の長さがそれぞれ12.5μm以上且つ50μm未満であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、2に記載の表示体において、上記複数の画素が二次元的に配列されており、第1、2画素が交互に配列されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3に記載の表示体において、上記画素の一辺の長さが145μm以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4に記載の表示体において、上記第1、2凹凸構造の複数の凸部または凹部の高さ又は深さが一定であり、0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜4に記載の表示体において、上記第1、2凹凸構造の複数の凸部または凹部の高さ又は深さが異なっており、0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の表示体において、上記面の一部又は逆側の一部に印刷層が設けられており、上記印刷層は上記凹凸構造により観察される表示色と略同一の色として知覚される色を表示するインキ又はトナーにより成形されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、印刷物基材と、上記印刷物基材の表面の少なくとも一部の領域に設けられた請求項1乃至7の何れか1項に記載の表示体とを備える情報印刷物である。
請求項1の発明によれば、この表示体から通常の照明条件下で観察される回折光は、構造がランダムに配置されているため、広い範囲の波長分布になる。よって、レインボウホログラムと比較して、おだやかな色で着色された画像が観察することが可能な表示体を提供することができる。また、第1凹凸構造と第2凹凸構造で回折光の射出角度が異なるため、通常の照明条件下で観察される表示画像と通常の照明条件下以外の条件下で観察される表示画像を変化させることが可能である。
請求項2の発明によれば、第1、2凹凸構造の平面図の形は四角形であり、長辺及び短辺の長さをそれぞれ1μm以上5μm未満、12.5μm以上50μm未満にすることで、第1、第2凹凸構造から射出される回折光を分離することができ、通常の照明条件下で観察される表示画像と通常の照明条件下以外の条件下で観察される表示画像を変化させることが可能である。
請求項3の発明によれば、二次元的に画素を配置することによって情報の扱いが容易である。また、第1、2画素が交互になるように整然配列することによって、通常の照明条件下では、第1、2凹凸構造の表示されるそれぞれの色の混合色を観察することができる。
請求項4の発明によれば、画素の一辺の長さは145μm以下とするとよい。一辺の長さが145μm以下の画素を整然配列することで、表示体を肉眼で観察した際に、画素の形状が認識されるのを防ぐことができる。
請求項5の発明によれば、凸部または凹部の高さ又は深さは0.1μm以上0.5μm以下で最もコントラストの高い色を表現することができ、視認性の向上が可能である。また、凸部または凹部の高さ又は深さが一定であることにより、通常の照明条件下では表示体が1色で観察されるが、通常の照明条件下以外の条件下1では一部の色が変化し潜像模様の観察がなされる。
請求項6の発明によれば、第1、2凹凸構造の複数の凸部または凹部の高さ又は深さが異なることによって通常の照明条件下では、第1、2凹凸構造の色の混合色で表示体が表現されるが、通常の照明条件下以外の条件下1では回折光の射出角度の違いから第1凹凸構造の色のみが観察される。よって、色のチェンジングが可能である。
請求項7の発明によれば、表示体に印刷層を設けている。印刷層はインキやトナーにより形成されており、インキやトナー固有の色を成し、通常の照明条件下及び通常の照明条件下以外の条件下1によってその色が大きく変化することはない。一方、第1、2凹凸構造では、通常の照明条件下において固有の色を表示でき、照明条件が変化した際には色変化が起こる。機能が異なるこれら2つの層が表示体内に形成されていることで、通常の印刷層だけでは実現不可能な特有の視覚効果を付加することができる。
請求項8の発明によれば、本発明の表示体を印刷物やカード、その他の物品に貼りあわせる、または、それらを組み合わせることによって、従来の物品に高い偽造防止効果を付与することが可能となる。
本発明の実施形態に係る表示体表面の概略図。 図1に示す表示体のI−I線に沿う断面を示した説明図。 図1に示したA領域の拡大図。 図1に示したB領域の拡大図。 (a)(b)は図3に示した領域17、18の拡大図。 通常の照明条件下で表示体を観察した図。 通常の照明条件下以外の条件下1で表示体を観察した図。 通常の照明条件下以外の条件下2で表示体を観察した図。
(実施の形態1)
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態1に係る表示体について詳細に説明を行う。
図1は、本発明の実施の形態1の表示体を示す概要図である。図2は、図1に示す表示体の同図中I−I線に沿った断面図である。
図1に示す表示体10は、図2に示す光透過層2(基材5と凹凸構造形成層6を含む)と、印刷層4と、光反射層3との積層体を有する。この例の表示体10においては印刷層4と光透過層2と光反射層3とが、この記述する順番に積層した積層体を形成している。基材5と凹凸構造形成層6により光透過層2が形成され、その光透過層2の領域において凹凸構造形成層6を形成している。この表示体10の例では、印刷層4側を前面側(観察者側)とし、光反射層3側を背面側とする。
図2では、光透過層2の前面上に印刷層4を形成する例を示しているが、光透過層2と光反射層3との間に印刷層4を形成するようにしてもよい。また、光反射層3は、表示体10の全面領域ではなく、光反射が必要な表示体10の一部に設けるようにしてもよい。
図1〜5に示す表示体10では、凹凸構造形成層6の領域11、12には、上記基材5の面と略平行である突出端面を有した複数の凸部19a,19bまたは底面が上記基材5の面と略平行である複数の凹部14a,14bが形成されている。これについては後でさらに詳しく述べる。上記領域11、12とは異なる領域で上記印刷層4に対応した領域16には、該印刷層4によって文字や絵柄、記号などの表示画像が形成されている。また、上記領域11、12、13、16とは異なる領域に占める領域15は、凸部19a,19b、凹部14a,14b及び印刷層4が存在しない領域となっている。
図2に示すように、光反射層3において、領域11、12に対応する領域には上記凸部14aまたは凹部14bの形状の逆向きの凹凸からなる凸部と凹部が形成されており、上記凸部19a,19bまたは凹部14a,14bに嵌り合う形状で光反射層3が光透過層2の背面を被覆している。
印刷層4は、文字や絵柄、記号などの画像を表示する表示部となるものであり、印刷層4はその印刷方式に応じて、オフセットインキ、活版インキ、グラビアインキなど様々なインキが用いられている。この印刷に用いられるインキは、樹脂タイプのインキ、油性インキ、水性インキなど組成による分類や、酸化重合型インキ、浸透乾燥型インキ、蒸発乾燥型インキ、紫外線硬化型インキなどの乾燥方式による分類ができ、基材5の種類や印刷方式に応じて適宜選択される。また、帯電性をもったプラスチック粒子に黒鉛、顔料などの色粒子を付着させたトナーを、静電気を利用してポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや紙などの基材に転写させ、加熱して定着させることで印刷層を形成することも可能である。
また、凹凸構造形成層6の材料としては、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂などの光透過性を有する樹脂を使用することが可能である。この場合、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を使用すると、例えば、凹凸構造が形成された金属製のスタンパから、一方の主面に凹凸構造が設けられた凹凸構造形成層を転写成形することが可能である。
図2では、一例として、光透過性の基材5と凹凸構造形成層6との積層体で構成された光透過層2を示している。光透過性の基材5は、それ自体が単独で取り扱うことが可能なフィルム又はシートであり、例えば、PETやポリカーボネート(PC)などを用いることが可能である。凹凸構造形成層6は、光透過性の基材5の上に形成される層であるが、図2に示す光透過層2の凹凸構造形成層6は、例えば、光透過性の基材5の上に熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を塗布し、この塗膜にスタンパを押し当てながら樹脂を硬化させることにより得られる。
光反射層3の材料は、特に限定されるものでないが、可視光に対し高い反射率を示すアルミニウムなどの金属材料を用いることが好ましい。この場合の金属膜層は、光学特性から20〜50nm程度が好ましい。また、光反射層3を積層する方法として、金属蒸着を用いることで形成可能である。また、図1,2に示した印刷層4は、マゼンタのインキを用いて形成するようにしている。
また、光反射層3を部分的に設けて形成する方法としては、気相堆積法により光反射層3を設けた後、薬品などにより特定の部分のみを溶解させて形成したり、光反射層3と光透過性樹脂層との密着力よりも強い接着力をもつ接着材料によって特定部分の光反射層3を剥離して形成する方法などが考えられる。また、気相堆積法を行う前に光透過性樹脂層の前面に障壁を設け光反射層3が形成されることを防いだりする方法も用いることも可能である。
次に、表示体10の凹凸構造とその光学的性質について説明する。図3は、図1のA領域を拡大して示す平面視の図である。そして、凹凸構造の領域11には複数の画素がマトリックス状に配列され、これらの画素には少なくとも2種類の異なる凹凸構造領域17,18のいずれかが設けられている。ここでは、凹凸構造領域17を備える画素と、上記凹凸構造領域17と異なる凹凸構造領域18を備える画素の2種類のものが図3に示すように市松模様状に配列されている。図3での凹凸構造領域17、18は、凸部の方を見た場合、図5(a)(b)に示すように、凹凸構造領域17の方の凸部19aの平面視サイズが、凹凸構造領域18の方の凸部19bの平面視サイズと比較して大きく形成されている。また、凹凸構造領域17、18における凸部19a,19bの配列は一定の周期性がなく、各凹凸構造領域17、18の凸部19a,19bの配列がランダムに配置されている。凹凸構造領域17の方の凹凸の平均的繰り返し回数、つまり凹凸の平均的繰り返しピッチが凹凸構造領域18の方の凹凸の平均的繰り返し回数、つまり凹凸の平均的繰り返しピッチに比べて小さい。
また、図5(a)(b)に示すように、凹凸構造領域17、18の凸部19aが一部重畳する状態で形成されていてもよい。図5(a)に示す凹凸構造領域17の凸部19aのサイズ(平面視サイズ)はその凸部19aが矩形状である場合、その一辺が20μmで深さDは0.2μmであり、図5(b)に示す凹凸構造領域18の凸部19bのサイズ(平面視サイズ)はその凸部19bの平面視形状が矩形状である場合、その凸部19bの平面視形状の一辺が1μmで深さD2 は0.3μmである。
また、凹凸構造領域17,18での凹凸の平面視は矩形状である場合に限らず、楕円、真円、三角形などの多角形状も含み、また、凹凸の平面視矩形状は、同じ形状でなくともよい。
図4は、図1のB領域を拡大して示す図であり、図1のA領域の場合とは異なり、同種の凹凸構造領域17を備えた画素の群と同種の凹凸構造領域18を備えた画素の群とが別領域に整然と配列されている。
そして、凸部19aの配置が一定の周期性なくランダムに配置されている凹凸構造領域17、及び凸部19bの配置が一定の周期性なくランダムに配置されている凹凸構造領域18では、主に凹凸構造領域の平面視の凸部19a,19bの大きさによって回折光の光強度分布が決定される。
凸部19a,19b(またはそれによって形成される凹部)のx軸方向の平面視サイズωから距離Lだけ離れた光強度分布Ixは、その凸部19a,19bに対して垂直入射した平面波を考えると、次に示す式(1)によって算出することができる。ここで、x軸とは、図1に示す表示体10の面と平行な面内での横軸を示している。
Figure 2012203266
ここで、ωは凸部のx軸方向の平面視サイズ、λは波長、Lは凸部からの距離、小文字xは凸部から距離Lだけ離れたスクリーンに表示される0次回折光からの距離とする。
そして、表示体10の凹凸構造領域における凸部の平面視サイズは2種類あり、一つ目のものは凸部19aであり、その平面視サイズは一辺の長さが12.5〜50μmである。二つ目のものは凸部19bであり、その平面視サイズは一辺の長さが1〜5μmである。
ここで、白色照明光源が表示体10の垂直上方に備えられているとして、表示体10の表面に対して垂直に(入射角α=0°)方向から白色照明光が入射しているとする。また、可視光領域を400nm〜800nmとし、表示体10から500mm離れた位置を考えた場合の光強度分布は式(1)より以下のようになる。すなわち、5μmで波長が400nmの0次回折光の幅は80mm、波長が800nmの場合には160mmである。また、凸部19aの平面視サイズのx軸方向の長さが12.5μmで波長が400nmの0次回折光の幅は32mm、波長が800nmの場合には64mmである。よって、観察者が表示体から500mm離れたところから観察した場合で、人間の目の瞳孔の大きさを8mmと仮定すると、凸部19aの平面視サイズのx軸方向の長さが5μmと12.5μmのときにそれぞれの凹凸構造領域による回折光を瞳孔の大きさ以上に分離することが可能である。また、凹凸構造領域の凸部の平面視での一辺の長さが50μmで波長が400nmである場合には、0次回折光の幅が8mmのである。よって、正反射光と回折光を分離できる大きさが一辺50μm未満である。凹凸構造領域の凸部の平面視サイズが1μm未満になると、回折光の幅が広くなるため輝度が低下し視認しにくい。
以上のことから一つ目の凹凸構造領域での凸部19aの平面視サイズは12.5〜50μm以上、50μm未満、2つ目の凹凸構造領域での凸部19bの平面視サイズは1μm以上、5μm未満であることが好ましい。
上記では一つの凹凸構造部からの回折光について考えたが、実際には凹凸構造領域がランダムに複数配置されている。よって、観察者が観察する光はある程度の範囲の波長の光が合わさったものとなり、その結果、複数の波長の光による色が観察される。
また、凹凸構造領域により表現される色は、その凹凸構造領域の凹凸の深さ又は高さに応じて特定の波長の回折効率が低くなる。このため、結果として観察者に届く光は入射した白色照明光源のうちの特定の波長成分が弱くなった光を知覚することになる。よって、凹凸構造領域の深さを異なる高さ又は深さが異なる凹凸構造部領域を成形することで、それぞれの凹凸構造部領域を観察した際に異なる色を表示することが可能である。一例として、深さが0.3umでイエロー、0.2umでマゼンタの色が確認される。
本発明の凹凸構造領域の凸部の高さ又は凹部の深さは、0.1μm以上0.5μm以下が好ましい。また、凸部の高さ又は凹部の深さが0.1umより浅い場合は、製造時の外的要因(機械や環境のコンディションの変動や材料組成のわずかな変化等)により安定して同じ品質のものを作製するのが難しくなり、0.5umより深い場合は、細かく深い構造を精密に転写成形するのが難しくなる。
本発明では画素の大きさが145μm以内であることが好ましい。観察者が自分の眼から500mm離してある位置の画像表示体の状態を観察すると、一般的に、視力が1.0の人間の眼の分解能は1分であるため、眼の分解能の限界により、145μm以下の構造は分解できない。よって、画素の長辺の長さを145μm以下とすると画素同士を分解することはできない。ゆえに、画素の長辺の長さを145μm以下とすることによって、より高品位な画像を表示する画像表示体を提供することが可能となる。
次に、表示体を通常の照明条件下及び通常の照明条件下以外の条件下1,2で観察した場合について説明する。
表示体10を通常の照明条件下で観察すると、文字「T」は2種類の深さの異なる凹凸構造領域が市松模様状に配列されている。このため、双方の凹凸構造で表現される色のイエローとマゼンタの混合色で表現される。文字「O」(印刷層)ではマゼンタが表現される。また、文字「P」は2種類の凹凸構造で構成されているが、深さが同一であるため、図6のように文字「P」及びPの穴の部分がマゼンタで表現される。
表示体10を通常の照明条件下以外の条件下1で観察すると、文字「T」は回折光の射出角度の異なる2種類の凹凸構造領域が配列されているために、通常の照明条件下以外の条件下1で観察されないマゼンタがなくなり、イエローのみで表現される。よって、色のチェンジング効果を表現することができる。文字「O」では、通常の照明条件下と変わらずにマゼンタが観察される。また文字「P」の部分では、穴の開いた文字がマゼンタで表現(図7)される。
表示体10を通常の照明条件下以外の条件下2で観察すると、図8に示すように文字「T」「P」は観察できなくなり、文字「O」だけが観察される。
表示体の色は、深さを領域ごとに制御することによって、色のコントロールが可能である。色をコントロールすることによって、オレンジ、ブルー、シアンなどの色の表現が可能でデザイン性を向上させることが可能である。
ここで、照明光源からの光が表示体に入射し、表示体の凹凸構造領域17によって入射光が回折し、観察者がもくしによってその光を知覚できるような条件を「通常の照明条件下」と定義する。例えば、一般的な室内で蛍光灯などの照明光のもとで表示体に照明光からの光が略垂直に入射し、観察者が目視によって表示体を観察する条件や、室外で太陽光などの照明光のもとで表示体に照明光からの光が略垂直に表示体の表面に入射し、観察者が表示体を観察するような条件が「通常の照明条件下」に相当する。ここで「通常照明光」は、室内における蛍光灯や室外における太陽光などの照明光を示す。
「通常の照明条件以外の条件下1」は、観察者が凹凸構造領域17の回折光を知覚できず、凹凸構造領域18の回折光を知覚できる条件を示す。
「通常の照明条件以外の条件下2」は、観察者が凹凸構造領域の回折光を知覚できずないような条件を示す。例えば、照明光からの光が表示体の表面に略平行に、すなわち急な角度で入射し、表示体の凹凸構造領域から回折光が射出しないような条件や、表示体の凹凸構造領域から回折光が射出しても、その回折光が到達しないような角度から観察者が表示体を目視したような条件が「通常の照明条件以外の条件下2」に相当する。
本発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記実施の形態には、種々の段階での発明が含まれており、開示される事項の適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
2…光透過層
3…光反射層
4…印刷層
5…基材
6…凹凸構造形成層
10…表示体
11…凹凸構造領域
12…凹凸構造領域
13…凹凸構造領域
16…印刷領域
15…凹凸構造がない領域
17…凹凸構造領域(大)
18…凹凸構造領域(小)
19a…凸部(大)
19b…凸部(小)

Claims (8)

  1. 基材の一方の面に設けられた凹凸構造形成層と、上記凹凸構造形成層の少なくとも一部を被覆する反射層とを備えた表示体であって、
    上記面が複数の画素に分割されており、
    これら複数の画素のうち、少なくとも一部の画素(第1画素)と他の画素(第2画素)にはそれぞれ別個に第1凹凸構造と第2凹凸構造が設けられ、
    上記第1、2凹凸構造は、上面が上記基材面と略平行である複数の凸部又は底面が上記基材面と略平行である複数の凹部と、上記基材面と略平行な平坦部が配置され、
    上記第2凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形は、上記第1凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形をマクロレンジで観察したときに同一となり、周期性がなくランダムに配置され、
    凹凸構造の異なる第1画素と第2画素の配列によって可視画像を構成することを特徴とする表示体。
  2. 上記第1、2凹凸構造の1つの凹凸構造の平面図の形が四角形であり、
    第1凹凸構造の長辺及び短辺の長さがそれぞれ1μm以上で且つ5μm未満であり、
    上記第2凹凸構造の長辺及び短辺の長さがそれぞれ12.5μm以上且つ50μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 上記複数の画素が二次元的に配列されており、第1、2画素が交互に配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示体。
  4. 上記画素の一辺の長さが145μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示体。
  5. 上記第1、2凹凸構造の複数の凸部または凹部の高さ又は深さが一定であり、0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示体。
  6. 上記第1、2凹凸構造の複数の凸部または凹部の高さ又は深さが異なっており、0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示体。
  7. 上記面の一部又は逆側の一部に印刷層が設けられており、上記印刷層は上記凹凸構造により観察される表示色と略同一の色として知覚される色を表示するインキ又はトナーにより成形されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の表示体。
  8. 印刷物基材と、上記印刷物基材の表面の少なくとも一部の領域に設けられた請求項1〜7のいずれかに記載の表示体とを備えることを特徴とする情報印刷物。
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