JP2012198798A - 表示オブジェクト入力表示システム、表示オブジェクト入力表示プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】仮想付箋紙アプリケーションに利用するインターフェースデバイスを1つの電子ペンに集約させて利用者の利便性を向上する。
【解決手段】電子ペン2と、電子ペン2から送信された位置信号を受信可能なセンスコイル部110と、カーソル310と仮想付箋紙を表示可能な表示部201と、位置信号の周波数態様に基づいて電子ペン2のペンダウン状態とペンアップ状態を検出する制御手順と、位置信号の受信結果に基づいて電子ペン2の位置情報を検出する制御手順と、電子ペン2のペンアップ状態を検出した際に、電子ペン2の移動に対応してカーソル310を移動表示する制御手順と、電子ペン2のペンダウン状態を検出した際、カーソル位置に、既存の仮想付箋紙301〜305があるとき仮想付箋紙移動モードに切り替え、既存の仮想付箋紙301,305がないとき仮想付箋紙入力作成モードに切り替える制御手順と、を有する。
【選択図】図10

Description

本発明は、表示画面上において所定情報を表示する表示オブジェクトの入力作成及び移動操作が可能な表示オブジェクト入力表示システム、及び表示オブジェクト入力表示プログラムに関する。
近年では、パーソナルコンピュータなどの情報機器の表示画面上において、文字列などの所定情報を記入した表示オブジェクトを仮想的な付箋紙の形態で作成し表示するアプリケーション、又はWEBサービスが普及している。
また、操作者の手書きによる筆記内容を電子的に入力可能な電子筆記装置が知られており、例えば特許文献1では、この電子筆記装置で入力した手書きの筆記内容を上記の仮想付箋紙に記入して表示する技術が提案されている。
特開平11−110572号公報
しかしながら、上記の仮想付箋紙アプリケーションでは、上記表示画面上で新規の仮想付箋紙を作成する位置の指定や、既存の仮想付箋紙を移動させる操作も必要としている。これに対して上記従来技術では、そのような位置指定や移動操作をマウスなどの他のポインティングデバイスによって行っていたため、上記仮想付箋紙に手書きの筆記内容を記入する電子筆記装置と分けて操作する必要があり、操作全体が煩雑となっていた。
本発明の目的は、表示オブジェクトアプリケーションに利用するインターフェースデバイスを1つの電子筆記具に集約させて利用者の利便性を向上できる表示オブジェクト入力表示システム、表示オブジェクト入力表示プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、表示領域中にカーソルと所定情報を表示する所定形状の表示オブジェクトを表示可能な表示手段と、被筆記具への筆記内容に対応したデータ入力を行う電子筆記具の前記被筆記具における位置情報を検出可能な位置検出手段と、前記電子筆記具と前記被筆記具との間の接触状態と離間状態を検出する離接状態検出手段と、前記離接状態検出手段が前記電子筆記具と前記被筆記具との離間状態を検出した際に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置にカーソルを表示するカーソル移動表示手段と、前記離接状態検出手段が前記電子筆記具と前記被筆記具との接触状態を検出した際に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置が、既存の表示オブジェクトの存在領域内にある場合には表示オブジェクト操作モードに切り替え、既存の表示オブジェクトの存在領域外にある場合には表示オブジェクト入力作成モードに切り替えるモード切替手段と、を有することを特徴とする。
本願第1発明においては、電子筆記具と、当該電子筆記具の筆記対象である被筆記具と、カーソルと表示オブジェクトを表示可能な表示手段を備えている。
表示手段には、その表示領域中において使用者の注視点を示すカーソルを自由に移動させて表示できる。また、その停止位置で新規の表示オブジェクトを作成し、その存在領域中に任意の文字データをストロークデータの形態で入力して表示させることができる。また、既存の表示オブジェクトを、カーソルの移動に合わせて任意の位置に移動させることができる。なお、新規の表示オブジェクトを作成する場合には、できるだけ既存の仮想付箋の表示を隠さないよう重ならない位置に作成することが望ましい。このように、表示手段は表示オブジェクトアプリケーションの表示に利用できる。
そこで本願第1発明においては、離接状態検出手段が電子筆記具と被筆記具との間の接触状態と離間状態を検出し、位置検出手段がそれぞれの状態での被筆記具における電子筆記具の位置情報を検出する。
電子筆記具が離間状態である間は、カーソル移動表示手段が、当該電子筆記具の位置情報に対応させて表示部の表示領域中でカーソルを移動表示する。そして、電子筆記具が被筆記具と接触して接触状態となった際には、モード切替手段が、既存の表示オブジェクトを操作する表示オブジェクト操作モードと、新規の表示オブジェクトを作成してその中のストロークデータの入力を行う表示オブジェクト入力作成モードのいずれかに切り替える。このモードの切り替え先の判定は、接触状態が検出された際の電子筆記具の位置情報に対応する表示領域中の座標位置、つまりカーソルの位置が、既存の表示オブジェクトの存在領域内にある場合には表示オブジェクト操作モードに切り替え、既存の表示オブジェクトの存在領域外にある場合には表示オブジェクト入力作成モードに切り替える。
以上により本願第1発明は、電子筆記具をポインティングデバイスとストロークデータ入力デバイスの両方の機能を兼用させることができ、これだけで表示オブジェクトアプリケーションで必要な操作、つまりカーソルの移動操作、新規の表示オブジェクトの入力作成、既存の表示オブジェクトの各種操作の全てを直感的に行うことができる。この結果、表示オブジェクトアプリケーションに利用するインターフェースデバイスを1つの電子筆記具に集約させることができ、利用者の利便性を向上できる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記表示オブジェクト操作モードは、その具体的な実行モードとして表示オブジェクト移動モードを含んでおり、当該表示オブジェクト移動モードを実行する場合に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置に前記既存の表示オブジェクトを移動させる表示オブジェクト移動モード実行手段を有することを特徴とする。
本願第2発明においては、表示オブジェクト移動モード実行手段が、電子筆記具の位置情報に対応する表示領域中の座標位置に既存の表示オブジェクトを移動させる。これにより、上記モード切替手段が切り替えた表示オブジェクト移動モードにおいて、既存の表示オブジェクトを移動させるよう操作できる。
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、前記表示オブジェクト操作モードは、その具体的な実行モードとして表示オブジェクト拡縮モードを含んでおり、当該表示オブジェクト拡縮モードを実行する場合に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報の変化量に対応して前記既存の表示オブジェクトの大きさを拡大又は縮小させる表示オブジェクト拡縮モード実行手段を有することを特徴とする。
本願第3発明においては、表示オブジェクト拡縮モード実行手段が、電子筆記具の位置情報の変化量に対応して既存の表示オブジェクトの大きさを拡大又は縮小させる。これにより、上記モード切替手段が切り替えた表示オブジェクト拡縮モードにおいて、既存の表示オブジェクトを拡縮させるよう操作できる。
第4の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかの発明において、前記モード切替手段が前記表示オブジェクト入力作成モードに切り替えた場合に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置に新規の表示オブジェクトを作成し、当該新規の表示オブジェクトに前記電子筆記具による前記被筆記具への記載に対応したストロークデータを入力表示する表示オブジェクト入力作成モード実行手段を有することを特徴とする。
本願第4発明においては、表示オブジェクト入力作成モード実行手段が、電子筆記具の位置情報に対応する表示領域中の座標位置に新規の表示オブジェクトを作成し、当該新規の表示オブジェクトに電子筆記具による被筆記具への記載に対応したストロークデータを入力表示する。これにより、上記モード切替手段が切り替えた表示オブジェクト入力作成モードにおいて、新規の表示オブジェクトを作成してその中のストロークデータの入力を行うよう操作できる。
第5の発明は、上記第2乃至第4発明のいずれかの発明において、前記表示オブジェクト移動モード実行手段が移動させた前記既存の表示オブジェクト、前記表示オブジェクト拡縮モード実行手段が拡大又は縮小させた前記既存の表示オブジェクト、又は前記表示オブジェクト入力作成モード実行手段が入力作成した前記新規の表示オブジェクトのいずれかの存在領域が、他の既存の表示オブジェクトの存在領域と重なった場合、前記既存の表示オブジェクト又は前記新規の表示オブジェクトと、前記他の既存表示オブジェクトとのうち少なくとも一方をそれぞれの中心点を通過する線上で互いに重ならない位置まで移動させる重複回避手段を有することを特徴とする。
本願第5発明においては、使用者が既存の表示オブジェクトを移動させた際の移動先の位置、既存の表示オブジェクトを拡大又は縮小させた際の存在領域、または新規の表示オブジェクトを作成した際の作成位置に他の既存の表示オブジェクトが存在していた場合でも、互いに重ならないよう自動的に再配置して当該他の既存の表示オブジェクトの表示が隠れるのを回避できる。また、その再配置による移動についても、使用者による元の配置位置と比較して比較的短い距離で自然な移動が可能となる。
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかの発明において、前記被筆記具は、前記離接状態検出手段が前記電子筆記具と前記被筆記具との接触状態を検出した際に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する位置に点を描画してその軌跡を表示可能な描画表示手段を備え、前記モード切替手段は、表示オブジェクト操作モードに切り替えた際に前記描画表示手段の表示を停止するよう制御し、前記表示オブジェクト入力作成モードに切り替えた際に前記描画表示手段の表示を実行するよう制御することを特徴とする。
本願第6発明においては、描画表示手段が、使用者による筆記内容を被筆記具上に一時的に表示できる。また、モード切替手段が表示オブジェクト入力作成モードに切り替えた場合だけ描画表示手段の表示を実行させることで、当該描画表示手段には上記使用者による筆記内容だけを表示させ、表示オブジェクト操作モードで電子筆記具が接触状態のまま移動して表示オブジェクトを移動させた際のその移動の軌跡の表示を回避できる。
上記目的を達成するために、第7の発明は、表示手段を有する表示オブジェクト操作装置に備えられた制御手段に対し、被筆記具への筆記内容に対応したデータ入力を行う電子筆記具の前記被筆記具における位置情報を検出可能な位置検出手順と、前記電子筆記具と前記被筆記具との間の接触状態と離間状態を検出する離接状態検出手順と、前記離接状態検出手順で前記電子筆記具と前記被筆記具との離間状態を検出した際に、前記位置検出手順で検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示手段の表示領域中の座標位置にカーソルを表示するカーソル移動表示手順と、前記離接状態検出手順で前記電子筆記具と前記被筆記具との接触状態を検出した際に、前記位置検出手順で検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示手段の前記表示領域中の座標位置が、既存の表示オブジェクトの存在領域内にある場合には表示オブジェクト操作モードに切り替え、既存の表示オブジェクトの存在領域外にある場合には表示オブジェクト入力作成モードに切り替えるモード切替手順と、を実行させる。
本願第7発明においては、表示オブジェクト操作装置が、カーソルと表示オブジェクトを表示可能な表示手段を備えている。
表示手段には、その表示領域中において使用者の注視点を示すカーソルを自由に移動させて表示できる。また、その停止位置で新規の表示オブジェクトを作成し、その存在領域中に任意の文字データをストロークデータの形態で入力して表示させることができる。また、既存の表示オブジェクトを、カーソルの移動に合わせて任意の位置に移動させることができる。なお、新規の表示オブジェクトを作成する場合には、できるだけ既存の仮想付箋の表示を隠さないよう重ならない位置に作成することが望ましい。このように、表示手段は表示オブジェクトアプリケーションの表示に利用できる。
そこで本願第7発明においては、上記表示オブジェクト入力表示システムが備える制御手段が、離接状態検出手順で電子筆記具と被筆記具との間の接触状態と離間状態を検出し、位置検出手順でそれぞれの状態での電子筆記具の位置情報を検出する。
電子筆記具が離間状態である間は、カーソル移動表示手順が、当該電子筆記具の位置情報に対応させて表示部の表示領域中でカーソルを移動表示する。そして、電子筆記具が被筆記具と接触して接触状態となった際には、モード切替手順が、既存の表示オブジェクトを操作する表示オブジェクト操作モードと、新規の表示オブジェクトを作成してその中のストロークデータの入力を行う表示オブジェクト入力作成モードのいずれかに切り替える。このモードの切り替え先の判定は、接触状態が検出された際の電子筆記具の位置情報に対応する表示領域中の座標位置、つまりカーソルの位置が、既存の表示オブジェクトの存在領域内にある場合には表示オブジェクト操作モードに切り替え、既存の表示オブジェクトの存在領域外にある場合には表示オブジェクト入力作成モードに切り替える。
以上により本願第7発明は、電子筆記具をポインティングデバイスとストロークデータ入力デバイスの両方の機能を兼用させることができ、これだけで表示オブジェクトアプリケーションで必要な操作、つまりカーソルの移動操作、新規の表示オブジェクトの入力作成、既存の表示オブジェクトの各種操作の全てを直感的に行うことができる。この結果、表示オブジェクトアプリケーションに利用するインターフェースデバイスを1つの電子筆記具に集約させることができ、利用者の利便性を向上できる。
本発明によれば、表示オブジェクトアプリケーションに利用するインターフェースデバイスを1つの電子筆記具に集約させて利用者の利便性を向上できる。
本発明の一実施の形態の仮想付箋紙入力表示システムの概略的構成を示す図である。 メモパッド装置を備えた手書きメモパッドの使用時の様子を表す、概念的平面図及び概念的側面図である。 電子ペンの内部構成を表す概念的平面図である。 手書きメモパッドの機能的構成を表す機能ブロック図である。 コイルシートの内部構成を表す概念的平面図である。 周波数が一定状態である場合及び不定状態である場合表す説明図である。 ペン離接状態と検出周波数との対応を表す図である。 仮想付箋紙アプリケーションの表示例を表す図である。 カーソルの移動操作について説明する図である。 仮想付箋紙の移動操作の行程について説明する図である。 仮想付箋紙の入力作成操作の行程について説明する図である。 メモパッド本体のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 PCのCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 磁界周波数を切り替え可能な切り替えスイッチを備えた電子ペンの内部構成を表す概念的平面図である。 仮想付箋紙どうしの重複表示を回避する処理について説明する図である。 ネットワーク構成の変形例について説明する図である。 書き込みパネルを利用する場合の仮想付箋紙入力表示システムの概略的構成を示す図である。 パネル装置を備えた書き込みパネルの使用時の様子を表す、概念的平面図及び概念的側面図である。 書き込みパネルを利用する場合の仮想付箋紙の移動操作の行程について説明する図である。 書き込みパネルを利用する場合のパネル本体のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 書き込みパネルを利用する場合のPCのCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 仮想付箋紙の拡縮操作の行程について説明する図である。 電子ペンの移動方向と、拡大、縮小の切り替え対応の設定例を表す図である。 仮想付箋紙の拡縮操作も行う場合のPCのCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。 ステップSS200の仮想付箋紙拡縮処理の詳細な制御手順を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態における表示オブジェクト入力表示システムである仮想付箋紙入力表示システムSは、図1に示すように、相互に情報を送受可能に接続された手書き入力メモパッド1と、パーソナルコンピュータ200(以下、PC200と略記する)とを有する。手書き入力メモパッド1は、使用者が後述する電子ペンを利用して実際に用紙に手書きで筆記記入するとともに、その手書きの筆記内容を電子的に入力する操作端末である。PC200は、表示手段としての表示部201と本体202とを有する一般的な構成のコンピュータである。また、このPC200は、後述の仮想付箋紙アプリケーションを処理する情報処理機器であり、上記手書き入力メモパッド1から入力された操作情報に基づいて、表示部201の表示画面上における表示オブジェクトとしての仮想付箋紙の各種制御を行う。なお、図示する例では、手書き入力メモパッド1とPC200とが有線ケーブルを介して情報送受可能に接続しているが、他にも無線ネットワークを介して接続してもよい。
手書き入力メモパッド1は、図2(a)、図2(b)に示すように、電子筆記具である電子ペン2と、メモパッド装置3とを有する。手書き入力メモパッド1では、使用者が電子ペン2を持つ。電子ペン2は、後述のメモ用紙への筆記内容に対応してデータ入力を行うためのものであり、筆記具としての機能に加え、位置情報すなわち座標データの入力手段として機能する。
図2(a)、図2(b)に示すように、メモパッド装置3は、後述のメモ用紙11の裏側に配置して一体に固定されるメモパッド本体10を有している。メモパッド本体10の内部には、当該メモパッド本体10とほぼ同等の大きさのコイルシート100が備えられている。
そして、図示する例では、上辺が閉じられて下側からのめくり上げが可能に積層された被筆記具としての複数のメモ用紙11が、メモパッド本体10の表側に重なるように配置されている。
使用者は、電子ペン2を用いてメモ用紙11の筆記面に手書きの所望の文字列等を筆記する。この筆記動作に対応した電子ペン2の移動により、筆記された筆記内容に対応した電子的な入力情報、すなわち後述のペン位置データ列が電子ファイルに保存される。その際、実際にインクを用いてメモ用紙11の筆記面にページをめくりながら筆記が行われるのと同様、後述するページめくり検出部が自動的にページのめくり動作を検出することにより、電子ファイルのページ切り替え(ページ送り又はページ戻し)を行いながら保存することができる。
使用者が手書き入力メモパッド1を使用する際には、電子ペン2に備えられた図示しない電源スイッチがオンされる。電子ペン2は、図3及び図4に示すように、先端に設けられた直接筆記具であるペン先2aと、永久磁石47と、コイル44及びコンデンサ45を備えた、LC発振回路41と、先端スイッチ42と、電子ペン2全体の制御を行う制御部46及び上記コンデンサ45が配置された制御基板40と、電池43とを有する。なお、磁界を生成する手段としては、上記LC発振回路41のような発振回路に限られず、共振回路でもよい。
先端スイッチ42は、ペン先2aのメモ用紙11への接触状態に応じて動作し、コイル44から発生させる交番磁界(後述)の周波数を変更するための指令信号S0を、制御部46に対して出力するスイッチである。この先端スイッチ42は、使用者が文字等を筆記するために、ペン先2aをメモ用紙11に押しつけた(ペンダウンした)ときにオンとなる。この場合、制御部46に対して指令信号S0が出力される。一方、使用者が文字等の筆記を止め、ペン先2aをメモ用紙11から離した(ペンアップした)ときにオフとなる。この場合、制御部46に対して指令信号S0は出力されない。
LC発振回路41は、移動位置検出用の位置信号である交番磁界(以下適宜、単に「磁界」と称する)を生成して出力するための回路である。LC発振回路41のコイル44は、永久磁石47に巻回するように配置されると共に、コンデンサ45と電気的に接続されており、LC発振回路41で生成された磁界を発生する。LC発振回路41がコイル44から発生させる磁界の周波数は、先端スイッチ42のオン又はオフに応じた制御部46による制御に基づき、コンデンサ45の容量を変化させることにより変更される。すなわち、先端スイッチ42がオンの場合、上記指令信号S0が入力された制御部46が、コイル44から特定の周波数f1の磁界を発生させるようにLC発振回路41を制御する。一方、先端スイッチ42がオフの場合、上記指令信号S0が入力されていない制御部46が、コイル44から特定の周波数f2の磁界を発生させるようにLC発振回路41を制御する。
なお、以下適宜、先端スイッチ42がオンの場合にコイル44から発生される磁界の周波数f1を「接触周波数f1」と称し、先端スイッチ42がオフの場合にコイル44から発生される磁界の周波数f2を「離間周波数f2」と称する。コイル44から発生された磁界は、メモパッド本体10で検出される。なお、f1>f2とすることにより、離間周波数f2の磁界を発生する際の、電子ペン2での消費電力を低減することができる。
電池43は、電子ペン2の電源スイッチがオンにされることで、制御部46やLC発振回路41等に電力を供給する。
一方、メモパッド本体10は、図4に示すように、コイルシート100と、制御回路部20とを有する。なお、コイルシート100と制御回路部20とは、信号ラインを介して接続されている。
コイルシート100は、図5に示すように、センスコイル部110を含む。すなわち、図5に示すように配置されたセンスコイル部110が例えば外形が長方形の薄板状に樹脂成形されて、コイルシート100が構成されている。
センスコイル部110は、図5に示すように、x軸方向に配列されたm個のループ状のセンスコイルX1〜Xmと、y軸方向に配列されたn個のループ状のセンスコイルY1〜Ynとによって構成されている。なお、センスコイル部110を構成するm個のセンスコイルX1〜Xm及びn個のセンスコイルY1〜Ynのそれぞれは、電子ペン2のコイル44でそれぞれ発生された磁界を受信可能なコイルであり、各請求項記載の複数のコイルに相当する。センスコイルX1〜XmとセンスコイルY1〜Ynとは、互いに直交した位置関係で配置されている。また、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynは、コイル面方向がメモ用紙11の筆記面の方向と略平行となっている。さらに、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynは、例えば表面に絶縁被膜層が形成された銅線によって形成されている。またさらに、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynは、図示及び説明を省略する引き出し線により後述するマルチプレクサ62に接続されている。そして、センスコイル部110のスキャン処理が開始され、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynが電子ペン2のコイル44で発生された磁界を受信することによって、言い換えれば、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとコイル44で発生された磁界との電磁誘導によって、当該センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynには、起電力が発生する。すなわち、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynは、コイル44との磁気結合によって、信号S1(図4参照)を発生する。
センスコイルX1〜Xmは、それぞれ、x軸方向の幅P1の辺とP1より長いy軸方向の長さP2の辺とを備えた、略長方形状に形成されている。センスコイルX1〜Xmのそれぞれは、所定の一定ピッチでx軸方向に連続して配列されている。例えば、隣接するセンスコイルX1〜Xmは、P1の2分の1のピッチでそれぞれ重ねられている。
センスコイルY1〜Ynは、それぞれ、x軸方向の幅P3の辺とP3より短いy軸方向の長さP1の辺とを備えた、略長方形状に形成されている。センスコイルY1〜Ynのそれぞれは、所定の一定ピッチでy軸方向に連続して配列されている。例えば、隣接するセンスコイルY1〜Ynは、P1の2分の1のピッチでそれぞれ重ねられている。
なお、図5では、視覚的にわかりやすくするよう、便宜上、センスコイルX1〜XmとセンスコイルY1〜Ynとの各辺がそれぞれ重ならないようにしており、上記ピッチで配列された状態では図示されていない。また、図5では、後述するマルチプレクサ62に入る引き出し線を省略してセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynの形状を図示している。
図4に戻り、制御回路部20は、マイコン80と、マルチプレクサ62(以下適宜、「MUX62」と称する)と、増幅回路64と、整流回路66と、リミッタ68と、通信インターフェース69と、フラッシュメモリ70と、ページめくり検出部71とを備えている。
マイコン80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、その他のA/D変換機能部や割り込み機能部等とを、一つの集積回路として構成したものである。このマイコン80は、メモパッド本体10で実行される各種の処理を制御し、その他の周辺回路の動作状態を制御する。
MUX62は、マイコン80からのコイル選択信号S3に基づき、センスコイル部110のセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynを1つずつ順番に選択する。そして、MUX62は、選択されたセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynにおいて発生された上記信号S1を入力し、対応する信号S11を増幅回路64に出力する。
増幅回路64は、MUX62から入力される上記信号S11を増幅する。増幅回路64で増幅された信号S12すなわち電子ペン入力検知信号S12は、リミッタ68に入力される。リミッタ68は、増幅回路64から入力された信号S12を周波数及び位相情報だけのデジタル信号S15に処理してマイコン80の割り込み入力に入力する。マイコン80は、リミッタ68から入力された信号S15の周期をタイマー等により計測することにより、上記センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynからの信号S1の周波数を判定して、現在スキャンしているセンスコイル部110のセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynのコイル番号と共にRAM80cに記憶する。
また、増幅回路64で増幅された別の信号S13は、整流回路66に入力される。整流回路66は、増幅回路64から入力された信号S13を振幅検波した後、平滑化して直流信号に変換する。整流回路66で振幅検波された信号S14は、マイコン80に入力される。マイコン80は、前述したようにA/D変換機能を備えており、上記入力された振幅検波後の信号S14をデジタル信号に変換する。このとき、マイコン80の上記ROM80bには、各センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynの検出レベルと、電子ペン2とメモ用紙11との接触点の座標データのオフセット値とを対応付けて記憶する位置座標テーブルが記憶されている(詳細な説明は省略する)。マイコン80は、上記デジタル信号に対し、位置座標テーブルを適用することにより、電子ペン2の位置情報、すなわち、x軸方向のx座標及びy軸方向のy座標を算出する。なお、算出された位置情報は後述の周辺回路70のフラッシュメモリ70に記憶される。これら算出された複数の位置情報の集合が、使用者により手書き入力したストロークデータを構成する。
また、マイコン80は、センスコイル部110のスキャン処理時にRAM80cに記憶した、最大出力のセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynのコイル番号に基づき、当該コイル番号で表されるセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynから得られる上記信号S1の周波数を検出する。これにより、当該コイル番号で表されるセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された磁界の周波数の値fを検出する。
通信インターフェース69は、フラッシュメモリ70に保存された複数の位置情報を含むストロークデータや、後述するペン離接状態情報などの各種情報を上記PC200に送信したり、またPC200から所定の情報を受信するためのインターフェースである。具体的には、通信インターフェース69は、例えばUniversal Serial Bus(USB)接続のためのUSBインターフェースや、無線又は有線のネットワークインターフェースである。
フラッシュメモリ70には、電子ファイルが予め用意されており、マイコン80で算出された複数の位置情報に基づくストロークデータ等が、上記電子ファイルに書き込まれ、保存される。
ページめくり検出部71は、使用者が実際にメモ用紙11のページを変えるたびに、そのページの変更に対応したページ番号の切り替えを検出入力する。このページめくりを検出する具体的な方法としては、例えばページのめくり動作に伴う音を音声マイクによって検出する方法や、各ページに予め記載したバーコードなどを光学的に読み取る方法などが利用できる。
(A)本実施形態においてペン離接状態を検出する手法原理
ここで、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された磁界の周波数態様に基づき、メモ用紙11の筆記面に対する電子ペン2の3段階の離接状態を判定する手法について説明する。上述したように、電子ペン2の位置情報を検出する際には、所定の周期で各センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynを順次選択し、選択されたセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynでの磁界の受信結果に基づき、電子ペン2の位置情報の算出が行われる。このとき同時に、選択されたセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynでの磁界の受信結果に基づき、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された磁界の周波数の値fを検出し、その検出された周波数の値fが接触周波数f1と離間周波数f2のいずれであるかの判定、及び、その検出された周波数の値fが不定状態となっているかどうかの判定等も行われる。
すなわち、使用者が電子ペン2を用いてメモ用紙11の筆記面へ筆記を行っているときは、電子ペン2で発生された磁界が、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信される。そして、その受信結果に基づき、電子ペン2の位置情報が算出される。これにより、使用者が筆記面へ筆記するときの筆記動作に対応した、電子ペン2の移動軌跡を表す複数の位置情報を含むストロークデータが生成される。
このように使用者が電子ペン2を用いて筆記動作を行っている間は、電子ペン2のペン先2aがメモ用紙11の筆記面に接触して先端スイッチ42がオンとなるペンダウン状態と、電子ペン2のペン先2aがメモ用紙11の筆記面から少しだけ離間して先端スイッチ42がオフとなるペンアップ状態とが頻繁に切り替えられる。このような場合には、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信される磁界の周波数の値fは、電子ペン2がペンダウン状態の場合(先端スイッチ42がオンの場合)に上記接触周波数f1となり、電子ペン2がペンアップ状態の場合(先端スイッチ42がオフの場合)に上記離間周波数f2となる。
また、上記のような筆記動作を行っている以外にも、使用者が電子ペン2をメモ用紙11から少し離間させたペンアップ状態を維持しつつ筆記面に沿って移動させることで、電子ペン2で発生された磁界がセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信され、その受信結果に基づいて電子ペン2の位置情報を算出させることが可能である。
また、電子ペン2が上述したペンダウン状態又はペンアップ状態のいずれかとなっている場合には、図6(a)に示すように、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynや接近検出コイル121で受信される磁界の周波数の値fが、一定状態となる。これに対し、使用者が電子ペン2をセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynから大きく離間した状態、すなわち電子ペン2をメモ用紙11の筆記面から遠く離した状態とする場合がある。この場合には、電子ペン2のコイル44と、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとの磁気結合状態が変化し、共振周波数が不定となる。この結果、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信される磁界の周波数態様が変化する。すなわち、電子ペン2をセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynから大きく離間した場合には、図6(b)に示すように、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信される磁界の周波数の値fが、不定状態となる。
これにより本実施形態の手書き入力メモパッド1では、メモパッド装置3が電子ペン2の位置情報を検出する際に、マイコン80が、上記検出された周波数の値fが不定状態となっているかどうかを判定することにより、電子ペン2がセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynから大きく離間してメモパッド装置3の近傍に電子ペン2が存在しない、いわゆるペンなし状態であるかどうかを判定する。つまり、上記検出された磁界の周波数の値fが不定状態となった場合には、電子ペン2がセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynから大きく離間したペンなし状態であると判定される。
以上により本実施形態の手書き入力メモパッド1では、メモパッド装置3が電子ペン2の位置情報を検出する際に、マイコン80が、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynでの磁界の受信結果に基づき、当該磁界の周波数の値fを検出する。そして、図7に示すように、その検出された磁界の出力態様としての周波数態様、すなわち周波数の値fが接触周波数f1である場合には、電子ペン2がペンダウンの離接状態にあると判定し、検出した周波数の値fが離間周波数f2である場合には、電子ペン2がペンアップの離接状態にあると判定し、検出した周波数の値fが不定状態である場合には、電子ペン2がペンなし状態であると判定される。なお、上記ペンダウン状態が各請求項記載の接触状態に相当し、上記ペンアップ状態が各請求項記載の離間状態に相当する。
なお、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信される磁界によって生起される出力電圧の値Vは、一般に、電子ペン2のコイル44と、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとの距離に依存する。すなわち、電子ペン2のコイル44と、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとの距離が近いほど、上記生起される出力電圧の値Vが大きくなり、逆に距離が遠いほど、上記生起される出力電圧の値Vが小さくなる。したがって、上記のように電子ペン2がメモ用紙11の筆記面から遠く離された状態とされている場合には、電子ペン2のコイル44と、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとが磁気結合状態とならないので、上記生起される出力電圧の値Vは、きわめて小さいか略0となる。この点に着目して、接近検出コイル121で受信される磁界の出力態様に基づいて、電子ペン2がセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynから遠く離間しているか、つまり上記ペンなし状態となっているか否かを判定してもよい。
(B)仮想付箋紙アプリケーションにおける本実施形態の利用形態
本実施形態の仮想付箋紙入力表示システムSにおいて、PC200が処理する仮想付箋紙アプリケーションの表示部201における表示例を図8に示す。図示する例では、表示部201の表示領域中でそれぞれ使用者が任意に指定した位置に5つの仮想付箋紙301〜305を作成して貼付表示されている。各仮想付箋紙301〜305は、それぞれ所定の大きさの矩形形状に形成されており、上記手書き入力メモパッド1に筆記入力されたストロークデータが記入されている。図示する例の各ストロークデータは、いずれも複数の文字からなる文字列で記入されているが、それ以外にも使用者が任意に筆記入力した図形などをストロークデータとしてそのまま記入できる。
また、それらストロークデータの長さや大きさによって各仮想付箋紙の大きさを適宜調整して変更したり、それぞれの表示位置を任意の位置へ移動させることや不要になったものを消去させることができる。使用者は、表示領域上で自由に移動表示できるカーソル310を用いて任意の位置を指定する。このような仮想付箋紙アプリケーションを利用することで、使用者は断片的な情報を手書き入力による自由な筆記態様でPC200の表示画面上に一時的に表示させることができる。
本実施形態の仮想付箋紙入力表示システムSでは、上記手書き入力メモパッド1を利用するだけで、上述したカーソル310の移動操作と、既存の仮想付箋紙の移動操作と、新規の仮想付箋紙の入力作成操作のいずれも直感的に行うことができる。以下、各操作の詳細について順に説明する。
まず、カーソル移動操作を行う場合には、図9に示すように、電子ペン2の離接状態をペンアップ状態に維持したままメモ用紙11の筆記面に沿って移動させることで、当該電子ペン2の動きに対応して表示画面上のカーソル310も移動表示させることができる。なお、この場合には、電子ペン2の相対的な移動量と移動方向に対応させてカーソル310を移動させればよい。これにより、上記センスコイル部110の有効領域座標と表示画面の表示領域座標とが1対1に対応しなくとも任意の位置への移動操作が可能となる。つまり、カーソル310の移動操作途中で電子ペン2の移動がセンスコイル部110の有効領域内に収まらない場合でも、電子ペン2を一度持ち上げてペンなし状態としてからセンスコイル部110の有効領域内に移動し、再度ペンアップ状態に戻してから移動を再開させることで、カーソル310の移動を継続できる。これは一般にポインティングデバイスとして用いられるマウスと同等の操作である。
なお、上述した既存の仮想付箋紙の移動操作と、新規の仮想付箋紙の入力作成操作とは、カーソル移動操作の状態からペンダウンした際のカーソル310の位置の表示内容によって切り替えられる。つまり、上記のカーソル移動操作を基本モードとして、表示部201の表示領域中でカーソル310が既存の仮想付箋紙上に重なった状態でペンダウンした場合には、当該既存の仮想付箋紙を操作するモードの1つとして移動操作を行うモードに切り替わり、またカーソル310が既存の仮想付箋紙の外に位置している際にペンダウンした場合には、新規の仮想付箋紙の入力作成操作を行うモードに切り替わる。
ここで、既存の仮想付箋紙を移動操作する場合について、図10を参照して説明する。まず上述したように、カーソル移動モード中に、表示部201の表示領域中のカーソル310が既存の仮想付箋紙304の存在領域内に位置している状態で電子ペン2をペンダウンした際には、当該既存の仮想付箋紙304を移動させる仮想付箋紙移動モードに切り替わる。また、この仮想付箋紙移動モードの切り替え後には、電子ペン2をすぐにペンアップ状態に戻す。このとき、移動対象となっている当該既存の仮想付箋紙304は、例えば図示するハイライト表示などにより他の仮想付箋紙301,302,303,305と異なる態様で表示させる(図10(a)参照)。なお、上記の仮想付箋紙移動モードが、各請求項記載の表示オブジェクト移動モードに相当する。なお、この仮想付箋紙移動モードは、仮想付箋紙操作モード(各請求項記載の表示オブジェクト操作モードに相当)に含まれる各種の実行モードの1つという位置付けであり、本実施形態の例では、仮想付箋紙操作モードは仮想付箋紙移動モードだけを実行する。
次に、図10(b)に示すように、電子ペン2の離接状態をペンアップ状態に維持したままメモ用紙11の筆記面に沿って移動させることで、当該電子ペン2の動きに対応して表示画面上でのカーソル310と上記移動対象の既存の仮想付箋紙304とを一緒に移動表示させる。なお、このとき電子ペン2はペンアップ状態であるので、メモ用紙11の筆記面には電子ペン2の移動の軌跡が残らない。
そして、上記移動対象の既存の仮想付箋紙304を任意の移動先まで移動させた際に、図10(c)に示すように使用者が再度ペンダウンとペンアップを連続して行うことで、仮想付箋紙移動モードを終了させる。このときに仮想付箋紙304の表示も、上記ハイライト表示から通常態様の表示に戻す。
その後は、上記カーソル移動モードに戻り、ペンアップ状態を維持したまま電子ペン2をメモ用紙11の筆記面に沿って移動させることで、表示画面上のカーソル310だけを移動表示させることができる(図10(d)参照)。
次に、新規の仮想付箋紙を入力作成する場合について、図11を参照して説明する。まず上述したように、カーソル移動モード中に、表示部201の表示領域中のカーソル310が既存の仮想付箋紙301〜305の存在領域外に位置している状態で、電子ペン2をペンダウンさせて筆記入力を開始した際には、仮想付箋紙入力作成モードに切り替わる(図11(a)参照)。なお、上記の仮想付箋紙入力作成モードが、各請求項記載の表示オブジェクト入力作成モードに相当する。
次に、図11(b)に示すように、新規の仮想付箋紙に記入するストロークデータを、電子ペン2でメモパッド装置3に筆記入力する。このとき、使用者はメモ用紙11の筆記面での実際の記載(図示する例の「アイデア」)を目視しながら筆記できる。また、この筆記入力中には、電子ペン2がペンダウン状態とペンアップ状態を短い時間間隔で頻繁に繰り返す。
そして、筆記入力が終了したと判断できる程度の長い時間である所定時間以上でペンアップ状態が継続した際には、仮想付箋紙入力作成モードを終了し、図11(c)に示すように表示部201の表示領域上におけるカーソル310の位置に上記ストロークデータを記入した新規の仮想付箋紙306を貼付表示する。
その後は、上記カーソル移動モードに戻り、ペンアップ状態を維持したまま電子ペン2をメモ用紙11の筆記面に沿って移動させることで、表示画面上のカーソル310だけを移動表示させることができる(図10(d)参照)。
(C)本実施形態の制御処理
以上のような機能を実現するために、メモパッド本体10のCPU80aとPC200のCPU(特に図示せず)のそれぞれで行われる制御処理の内容を、図12、図13により順を追って説明する。
図12において、このフローに示すメモパッド本体10のCPU80aの処理は、例えば使用者が当該メモパッド本体10の電源をオンした場合に開始される。またこのフローの開始時には、電子ペン2の離接状態がペンなし状態であることを前提としている。まずステップSS5で、CPU80aは、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された磁界の周波数態様に基づき、電子ペン2の離接状態を検出する。つまり、上記手法原理(A)によってその時点の電子ペン2の離接状態を検出する。
そして、ステップSS10に移り、CPU80aは、上記ステップSS5で検出した離接状態が、ペンアップ状態であるか否かを判定する。つまり、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された磁界の周波数fが離間周波数f2であるか否かを判定する。上記ステップSS5で検出した離接状態がペンアップ状態である場合には、判定が満たされ、ステップSS15へ移る。
ステップSS15では、CPU80aは、上記ステップSS5でセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynが受信した磁界のそれぞれの検出レベルと、上述した位置座標テーブルに基づいて、その時点のセンスコイル部110の有効座標領域における電子ペン2の座標位置を算出する。
そして、ステップSS20に移り、CPU80aは、電子ペン2がペンアップ状態であることを示すペンアップ情報と、上記ステップSS15で算出した座標位置を示すペン位置情報とを、PC200に送信する。そして、ステップSS5に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップSS10の判定において、上記ステップSS5で検出した離接状態がペンアップ状態でない場合には、判定は満たされず、ステップSS25へ移る。
ステップSS25では、CPU80aは、上記ステップSS5で検出した離接状態が、ペンダウン状態であるか否かを判定する。つまり、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された磁界の周波数fが接触周波数f1であるか否かを判定する。上記ステップSS5で検出した離接状態がペンダウン状態である場合には、判定が満たされ、ステップSS30へ移る。
ステップSS30では、CPU80aは、上記ステップSS15と同様の処理により、電子ペン2の座標位置を算出する。
そして、ステップSS35に移り、CPU80aは、電子ペン2がペンダウン状態であることを示すペンダウン情報と、上記ステップSS30で算出した座標位置を示すペン位置情報とを、PC200に送信する。そして、ステップSS5に戻り、同様の手順を繰り返す。
また一方、上記ステップSS25の判定において、上記ステップSS5で検出した離接状態がペンダウン状態でない場合には、判定は満たされず、ステップSS40へ移る。
ステップSS40では、CPU80aは、電子ペン2がペンなし状態であることを示すペンなし情報だけを、PC200に送信する。そして、ステップSS5に戻り、同様の手順を繰り返す。
以上のフローを実行することにより、メモパッド本体10は、PC200に対して常にペンダウン情報、ペンアップ情報、又はペンなし情報のいずれか1つを送信し続けており、そのうちのペンダウン情報 及びペンアップ情報を送信する際には、ペン位置情報も併せて送信する。
次に、PC200のCPUで行われる制御処理の内容を、図13により順を追って説明する。図13において、このフローに示すPC200のCPUの処理は、例えば使用者が当該PC200を操作して仮想付箋紙アプリケーションを起動させた場合に開始される。またこのフローの開始時においても、電子ペン2の離接状態がペンなし状態であることを前提としている。まずステップSS105で、CPUは、メモパッド本体10からペンアップ情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンアップ情報を受信するまでループ待機し、ペンアップ情報を受信した際にはステップSS110へ移る。
ステップSS110では、CPUは、上記ステップSS105でペンアップ情報とともに受信したペン位置情報に基づいて、当該ペン位置情報の相対変化に対応したカーソル310の移動表示を行う。なお、このステップSS110の手順が、上記カーソル移動モードの具体的な処理に相当する。
そして、ステップSS115に移り、CPUは、メモパッド本体10からペンなし情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンなし情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS105に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、ペンなし情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS120へ移る。
ステップSS120では、CPUは、メモパッド本体10からペンダウン情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンダウン情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS110に戻り、同様の手順を繰り返す。以上のステップSS105〜ステップSS120の手順を繰り返している間に、使用者はPC200の表示部201の表示領域上でカーソル310を任意の位置まで移動させることができる。
一方、上記ステップSS120の判定において、使用者がペンダウン操作したことによりメモパッド本体10からペンダウン情報を受信した場合には、ステップSS125へ移る。
ステップSS125では、CPUは、表示部201の表示領域上でその時点のカーソル310の位置における表示内容を検出する。
そして、ステップSS130に移り、CPUは、上記ステップSS125で検出した表示内容が既存の仮想付箋紙であるか否かを判定する。言い換えると、その時点でのカーソル310の位置が、既存の仮想付箋紙の存在領域内にあるか否かを判定する。上記ステップSS125で検出した表示内容が既存の仮想付箋紙である場合には、判定が満たされ、ステップSS135へ移る。
ステップSS135では、CPUは、メモパッド本体10からペンアップ情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンアップ情報を受信するまでループ待機し、ペンアップ情報を受信した際にはステップSS140へ移る。本実施形態の例では、このようにカーソル移動モード中のペンダウン操作に続いてペンアップ操作が検知された際に、仮想付箋紙移動モードに切り替わる。
ステップSS140では、上記ステップSS135でペンアップ情報とともに受信したペン位置情報に基づいて、当該ペン位置情報の相対変化に対応したカーソル310と仮想付箋紙の移動表示を行う。なお、移動対象の既存の仮想付箋紙は、上記ステップSS125でカーソル位置から検出したものであり、この例では当該既存の仮想付箋紙をハイライト表示させる。また、このステップSS110の手順が、上記仮想付箋紙移動モードの具体的な処理に相当する。
そして、ステップSS145に移り、CPUは、メモパッド本体10からペンなし情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンなし情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS135に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、ペンなし情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS150へ移る。
ステップSS150では、CPUは、メモパッド本体10からペンダウン情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンダウン情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS140に戻り、同様の手順を繰り返す。以上のステップSS135〜ステップSS150の手順を繰り返している間に、使用者はPC200の表示部201の表示領域上でカーソル310と移動対象の仮想付箋紙を任意の位置まで移動させることができる。
一方、上記ステップSS150の判定において、使用者がペンダウン操作したことによりメモパッド本体10からペンダウン情報を受信した場合には、ステップSS155へ移る。
ステップSS155では、CPUは、移動対象であった既存の仮想付箋紙を上記のハイライト表示から通常の態様の表示に戻し、その時点の位置に固定表示する。そして、上記ステップS105に戻り、同様の手順を繰り返す。このとき、上記ペンダウン操作に続いてペンアップ操作が検知された際に、再びカーソル移動モードに切り替わる。
また一方、上記ステップSS130の判定において、上記ステップSS125で検出した表示内容が既存の仮想付箋紙以外である場合には、判定は満たされず、ステップSS160へ移る。
ステップSS160では、CPUは、表示部201の表示領域におけるその時点のカーソル310の位置(xp、yp)を記憶しておく。
そして、ステップSS165に移り、CPUは、その時点でメモパッド本体10からペンダウン情報とともに受信するペン位置情報を蓄積し、それに基づいてストロークデータを生成する。なお、このステップSS165の手順が、上記仮想付箋紙入力作成モードの具体的な処理に相当する。
そして、ステップSS170に移り、CPUは、メモパッド本体10からペンアップ情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンなし情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS165に戻り、同様の手順を繰り返す。以上のステップSS165〜ステップSS170の手順を繰り返している間に、使用者は文字で言うところの一画分、もしくは一筆書き分のストロークデータを筆記入力できる。
一方、ペンアップ情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS175へ移る。
ステップSS175では、CPUは、タイマカウンタTの値を0にリセットする。
そして、ステップSS180に移り、CPUは、メモパッド本体10からペンダウン情報を受信したか否かを判定する。メモパッド本体10からペンダウン情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS165に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、ペンダウン情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS185へ移る。
ステップSS185では、CPUは、タイマカウンタTの値を1増加させる。
そして、ステップSS190に移り、CPUは、タイマカウンタTの値が所定値T1より大きいか否かを判定する。言い換えると、使用者の筆記入力が終了したと判断できる程度に長い時間でペンアップ状態が継続したか否かを判定する。タイマカウンタTの値が所定値T1以下である場合には、判定は満たされず、上記ステップSS180に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、タイマカウンタTの値が所定値T1より大きい場合には、判定が満たされ、ステップSS195へ移る。
ステップSS195では、CPUは、上記ステップSS165で生成したストロークデータを記入した新規の仮想付箋紙を作成し、表示部201の表示領域で上記ステップSS160で記憶したカーソル位置(xp、yp)に対応する位置に貼付表示する。そして、ステップSS105に戻り、同様の手順を繰り返す。このとき、ステップSS105でペンアップ操作が検知されることで、再びカーソル移動モードに切り替わる。
以上において、上記図12のフローにおけるステップSS15、ステップSS25の手順が各請求項記載の位置検出手段に相当し、ステップSS5の手順が離接状態検出手段に相当し、上記図13のフローにおけるステップSS110の手順が各請求項記載のカーソル移動表示手段に相当し、ステップSS135〜ステップSS155の手順が表示オブジェクト操作モードに相当し、ステップSS140の手順が表示オブジェクト移動モード実行手段に相当し、ステップSS160〜ステップSS195の手順が表示オブジェクト入力作成モードに相当し、ステップSS165の手順が表示オブジェクト入力作成モード実行手段に相当し、ステップSS130の手順がモード切替手段に相当する。なお、本実施形態の例では、上記表示オブジェクト操作モードが含む具体的な実行モードが表示オブジェクト移動モードだけであり、すなわち上記ステップSS135〜ステップSS155の手順がそのまま、各請求項記載の表示オブジェクト移動モードにも相当する。
以上説明したように、本実施形態の仮想付箋紙入力表示システムSにおいては、センスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynで受信された位置信号の出力態様に基づいて、ステップSS5の手順が電子ペン2とメモ用紙11との間のペンダウン状態とペンアップ状態を検出し、ステップSS15とステップSS25の手順がそれぞれの状態での電子ペン2の位置情報を検出する。
電子ペン2がペンアップ状態である間は、ステップSS110の手順が、当該電子ペン2の位置情報に対応させて表示部201の表示領域中でカーソル310を移動表示する。そして、電子ペン2がメモ用紙11と接触してペンダウン状態となった際には、ステップSS130の手順が、既存の仮想付箋紙に対して各種の操作を行う仮想付箋紙操作モードと、新規の仮想付箋紙を作成してその中のストロークデータの入力を行う仮想付箋紙入力作成モードのいずれかに切り替える。このモードの切り替え先の判定は、ペンアップ状態が検出された際の電子ペン2の位置情報に対応する表示領域中の座標位置、つまりカーソル310の位置が、既存の仮想付箋紙の存在領域内にある場合には仮想付箋紙操作モードに切り替え、既存の仮想付箋紙の存在領域外にある場合には仮想付箋紙入力作成モードに切り替える。なお、本実施形態の例では、上記仮想付箋紙操作モードで実行可能な唯一の仮想付箋紙移動モードにそのまま切り替えて、既存の仮想付箋紙の移動を行う。
以上により本実施形態は、電子ペン2をポインティングデバイスとストロークデータ入力デバイスの両方の機能を兼用させることができ、これだけで仮想付箋紙アプリケーションで必要な操作、つまりカーソル310の移動操作、新規の仮想付箋紙の入力作成、既存の仮想付箋紙の移動操作の全てを直感的に行うことができる。この結果、仮想付箋紙アプリケーションに利用するインターフェースデバイスを1つの電子ペン2に集約させることができ、利用者の利便性を向上できる。
なお、PC200が、上記図12と上記図13の両方のフローの手順をまとめて実行してもよい。この場合には、特に具体的に図示しないが、例えば上記図4におけるマイコン80がPC200からの要求信号に従ってコイル選択信号S3だけを制御し、信号S14及び信号S15をそのままPC200に送信する。そして、PC200は、上記図12と上記図13の両方のフローを時分割処理で並列に実行するか、または図13のフローで各離接状態情報を要求する度に図12のフローを実行する。
この場合には、上記図12のフローにおけるステップSS15、ステップSS25の手順が各請求項記載の位置検出手順に相当し、ステップSS5の手順が離接状態検出手順に相当し、上記図13のフローにおけるステップSS110の手順が各請求項記載のカーソル移動表示手順に相当し、ステップSS130の手順がモード切替手順に相当する。
以上の構成によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では特に、ステップSS140の手順が、電子ペン2の位置情報に対応する表示領域中の座標位置に既存の仮想付箋紙を移動させる。これにより、ステップSS130の手順が切り替えた仮想付箋紙移動モードにおいて、既存の仮想付箋紙を移動させるよう操作できる。
また、本実施形態では特に、ステップSS165の手順が、電子ペン2の位置情報に対応する表示領域中の座標位置に新規の仮想付箋紙を作成し、当該新規の仮想付箋紙に電子ペン2によるメモ用紙11への記載に対応したストロークデータを入力表示する。これにより、ステップSS130の手順が切り替えた仮想付箋紙入力作成モードにおいて、新規の仮想付箋紙を作成してその中のストロークデータの入力を行うよう操作できる。
なお、上記実施形態では、電子ペン2のコイル44から発生させる磁界の周波数fを先端スイッチ42のオン、オフだけで切り替えたが、本発明はこれに限られない。他にも、上記図3に対応する図14に示すように、使用者が電子ペン2を把持した際の指先の位置に、上記先端スイッチ42と同等に磁界の周波数fを切り替え可能な切り替えスイッチ48を設けてもよい。これにより、使用者は電子ペン2をペンアップ状態にしたまま、当該切り替えスイッチ48を操作することで離間周波数f2を送信させることができ、メモパッド本体10に対して擬似的にペンダウン状態を検出させることができる。
このように、電子ペン2がペン先2aを備えることで、使用者が筆記した内容をメモ用紙11に記載することができる一方、電子ペン2がペンアップ状態であっても、切り替えスイッチ48によってペンダウン状態に対応する態様で磁界を擬似的に出力できる。これにより、電子ペン2をペンアップ状態としたまま仮想付箋紙移動モードに切り替えて仮想付箋紙を移動させることができ、その切り替えの際のメモ用紙11に対する上記ペン先2aの接触とその軌跡の記載を回避できる。
また、上記仮想付箋紙移動モードにおいて、図15(a)に示すように、使用者が既存の仮想付箋紙(図中のハイライト表示のもの)307を移動させた際の移動先の位置に、他の既存の仮想付箋紙308が存在していた場合に、互いに重ならないよう自動的に再配置して当該他の既存の仮想付箋紙308の表示が隠れるのを回避できるよう処理してもよい。その具体的な手法としては、移動対象の既存の仮想付箋紙307と、上記他の既存の仮想付箋紙308のうち少なくとも一方をそれぞれの中心点を通過する線上で互いに重ならない位置まで移動させる。例えば、図15(b)に示すように上記他の既存の仮想付箋紙308だけを移動させてもよいし、または図15(c)に示すように移動対象の既存の仮想付箋紙307だけを移動させてもよいし、または図15(d)に示すように両方の仮想付箋紙307,308を移動させてもよい。この場合、このように処理する制御手順が、各請求項記載の重複回避手段に相当する。
このように移動させて再配置することにより、使用者による元の配置位置と比較して比較的短い距離で自然な移動が可能となる。なおこの処理は、上記仮想付箋紙入力作成モードにおいて新規の仮想付箋紙を作成した際の作成位置に、他の既存の仮想付箋紙が存在していた場合にも適用できる。
また、上記実施形態では、仮想付箋紙入力作成モードからカーソル移動モードへ切り替える場合、所定時間以上の電子ペン2のペンアップ状態の継続が検知されたことを契機として切り替えたが、本発明はこれに限られない。他にも、上記ページめくり検出部によってメモ用紙11のめくり動作が検出されたことを契機として切り替えてもよい。
また、上記実施形態の仮想付箋紙入力表示システムSは、いわゆるスタンドアローンの構成であったが、本発明はこれに限られない。他にも、図16に示すように、複数のPC200がネットワークNWを介して1台のサーバー250に接続した構成としてもよい。この場合には、サーバー250が全ての仮想付箋紙を貼付する仮想的な掲示板を管理し、複数のPC200がこの仮想掲示板を共有表示してそれぞれで仮想付箋紙の入力作成と移動の各操作を行う。このように構成された仮想付箋紙入力表示システムS2によれば、互いに遠く離れた複数の使用者がそれぞれのアイデアを記載した仮想付箋紙を共有の仮想掲示板に貼付して、共通のテーマに基づく検討作業、いわゆるブレインストーミングなどに利用できる。
また、上記実施形態では、ストロークデータを構成する電子ペン2の位置情報の検出を、当該電子ペン2側のコイル44と、座標検出装置3側のセンスコイルX1〜Xm,Y1〜Ynとの間の磁気結合を利用したいわゆるアクティブ型磁気結合方式により行ったが、本発明はこれに限られない。他にも、パッシブ型磁気結合方式や、超音波方式、もしくは被筆記具であるメモ用紙11にあらかじめ印刷された点や模様を電子ペン2に備えたカメラで撮像してその点や模様の動きを検出する方式などにより電子ペン2の位置情報を検出してもよい(各方式の詳細な説明は省略する)。
また、これらの他の方式においても、メモパッド装置3が情報送受可能な有線ケーブルや無線通信を介して電子ペン2の先端スイッチ2aのオン、オフを検出するなどにより、電子ペン2とメモ用紙11との間の離接状態、つまり上記ペンアップ状態と上記ペンダウン状態を検出することが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)電子ペンの筆記内容を電子的に表示する書き込みパネルを利用する場合
上記実施形態では、メモパッド装置3がメモ用紙11を備え、電子ペン2のペン先2aが実際に当該メモ用紙11の筆記面に筆記記載する手書き入力メモパッド1を利用していたが、本発明はこれに限られない。他にも、電子ペンの筆記内容を電子的に表示する書き込みパネルを利用してもよい。なお、以下においては、上記実施形態と同等の部位に対して同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
本変形例の想付箋紙入力表示システムS3は、図17に示すように、相互に情報を送受可能に接続された書き込みパネル21と、PC200とを有する。PC200は、上記実施形態のものと同等である。書き込みパネル21は、図18(a)、図18(b)に示すように、電子筆記具である電子ペン2Aと、パネル装置23とを有する。本変形例における電子ペン2Aは、ペン先2aを備えておらず、それ以外では上記実施形態のものと同等である。パネル装置23は、液晶パネル24と、その裏側に重なるよう配置して一体に固定されているパネル本体25とを有している。被筆記具でもあり描画表示手段でもある液晶パネル24は、全体が磁界を通過可能に構成されており、その表示領域はパネル本体25とほぼ同等の大きさに形成されている。パネル本体25は、上記実施形態のメモパッド本体10とほぼ同等の構成であって、その内部に当該パネル本体25とほぼ同等の大きさのコイルシート100Aが備えられている。
また、パネル本体25の機能的構成については、特に詳細に図示しないが、例えば上記実施形態の図4におけるページめくり検出部71に代えて、上記液晶パネル24と、消去スイッチ26とがマイコン80に接続される。消去スイッチ26は、パネル本体25の表面縁部に設けられており、使用者が液晶パネル24の表示を全て消去するよう指示入力するためのスイッチである。
このような構成のパネル本体25によっても、電子ペン2Aの離接状態と位置情報を検出できる。また、このパネル本体25は、電子ペン2Aがペンダウン状態となっている間に、当該電子ペン2Aの位置情報に対応した液晶パネル24の座標位置、つまり当該電子ペン2Aが当該液晶パネル24の表面上で接触している位置に点を描画してその軌跡を表示させることができる。これにより、上記実施形態において電子ペン2のペン先2aがメモ用紙11の筆記面上に実際に筆記記載したのと同等に、液晶パネル24にストロークデータを電子的に表示できる。
この書き込みパネル21を利用する本変形例においては、カーソル移動モードと仮想付箋紙入力作成モードのそれぞれの操作が上記実施形態と同等となるが、仮想付箋紙移動モードについては相違する。以下、本変形例での仮想付箋紙移動モードの手順について、図19を参照して説明する。
まずカーソル移動モード中で、表示部201の表示領域中のカーソル310を既存の仮想付箋紙304に重ねた状態で電子ペン2Aをペンダウンすることで、当該既存の仮想付箋紙304を移動させる仮想付箋紙移動モードに切り替わる。なお、本変形例では、この後に電子ペン2Aをペンアップさせることなくペンダウン状態を維持させる(図19(a)参照)。
次に、図19(b)に示すように、電子ペン2Aをペンダウン状態に維持したまま液晶パネル24の表面に沿って移動させることで、当該電子ペン2Aの動きに対応して表示画面上でのカーソル310と移動対象の既存の仮想付箋紙304とを一緒に移動表示させる。なお、このとき電子ペン2Aはペンダウン状態であるものの、液晶パネル24の筆記表示機能自体を停止させることで、電子ペン2Aの移動の軌跡を表示させずに済む。
そして、上記移動対象の既存の仮想付箋紙304を任意の移動先まで移動させた際に、図19(c)に示すように使用者が電子ペン2Aを持ち上げてペンアップ状態とするだけで、仮想付箋紙移動モードを終了できる。
その後は、上記カーソル移動モードに戻り、ペンアップ状態を維持したまま電子ペン2Aを液晶パネル24の表面に沿って移動させることで、表示画面上のカーソル310だけを移動表示させることができる(図19(d)参照)。
以上のような機能を実現するために、本変形例におけるパネル本体25のCPU80aとPC200のCPU(特に図示せず)のそれぞれで行われる制御処理の内容を、図20、図21により順を追って説明する。
パネル本体25のCPU80aが実行する図20のフローは、上記実施形態の図12のフローと概略的に同じであり、それらの相違点についてのみ以下に説明する。図20において、ステップSS20、ステップSS35、及びステップSS40のそれぞれの手順の実行後には、ステップSS5に戻らずに、ステップSS45へ移る。
ステップSS45では、CPU80aは、PC200から仮想付箋紙移動モードへ切り替わったことを示す付箋紙移動モード情報を受信したか否かを判定する。付箋紙移動モード情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS50へ移る。
ステップSS50では、CPU80aは、液晶パネル24の筆記表示機能を停止させて、既存の仮想付箋紙の移動操作に伴う電子ペン2Aの移動軌跡の表示を回避する。そしてステップSS5に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップSS45の判定において、付箋紙移動モード情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS55へ移る。
ステップSS55では、CPU80aは、PC200から仮想付箋紙入力作成モードへ切り替わったことを示す付箋紙入力作成モード情報を受信したか否かを判定する。付箋紙入力作成モード情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS60へ移る。
ステップSS60では、CPU80aは、液晶パネル24の筆記表示機能を起動させて、電子ペン2Aにより筆記入力されたストロークデータを当該液晶パネル24に表示させる。そしてステップSS5に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップSS55の判定において、付箋紙入力作成モード情報を受信していない場合には、判定は満たされず、そのままステップSS5へ戻り、同様の手順を繰り返す。
次に、本変形例におけるPC200のCPUで行われる制御処理の内容を、図21により順を追って説明する。図21のフローについても、上記実施形態の図13のフローと概略的に同じであり、それらの相違点についてのみ以下に説明する。図21において、ステップSS130の判定で、上記ステップSS125で検出した表示内容が既存の仮想付箋紙である場合には、判定が満たされ、ステップSS133へ移る。
ステップSS133では、CPU80aは、仮想付箋紙移動モードへ切り替わったことを示す付箋紙移動モード情報をパネル本体25へ送信する。これにより、上記ステップSS50で説明したように、パネル本体25では液晶パネル24の筆記表示機能を停止させて、既存の仮想付箋紙の移動操作に伴う電子ペン2Aの移動軌跡の表示を回避できる。つまりステップSS120で検出したペンダウン状態を維持したまま仮想付箋紙移動モードの処理を実行できる。このため、本変形例においては、上記実施形態の図13に示したステップSS135の手順を省略して次にステップSS140へ移る。
ステップSS140では、CPU80aは、パネル本体25からペン位置情報を受信し、この相対変化に基づいて上記実施形態の場合と同様に仮想付箋紙移動モードの処理を行う。また、本変形例では、仮想付箋紙移動モードを継続している間はペンダウン状態から直接ペンなし状態へ移行することがないので、上記実施形態の図13に示したステップSS145の手順も省略して次にステップSS150Aへ移る。
ステップSS150Aでは、CPUは、パネル本体25からペンアップ情報を受信したか否かを判定する。パネル本体25からペンアップ情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS140に戻り、同様の手順を繰り返す。以上のステップSS140〜ステップSS150の手順を繰り返している間に、使用者はPC200の表示部201の表示領域上でカーソル310と移動対象の仮想付箋紙を任意の位置まで移動させることができる。
一方、上記ステップSS150Aの判定において、使用者がペンアップ操作したことによりパネル本体25からペンアップ情報を受信した場合には、ステップSS155へ移る。
また一方、上記ステップSS130の判定において、上記ステップSS125で検出した表示内容が既存の仮想付箋紙以外である場合には、判定は満たされず、ステップSS158へ移る。
ステップSS158では、CPU80aは、仮想付箋紙入力作成モードへ切り替わったことを示す付箋紙入力作成モード情報をパネル本体25へ送信する。そして、ステップSS160へ移る。
以上のようにして、PC200側の処理が仮想付箋紙移動モードか仮想付箋紙入力作成モードのいずれかに切り替わった際に、当該PC200からパネル本体25へ対応する情報を送信し、パネル本体25は仮想付箋紙入力作成モードの間だけ液晶パネル24の筆記表示機能を起動させることができる。
以上説明したように、本変形例の仮想付箋紙入力表示システムS3においては、液晶パネル24が、使用者による筆記内容を液晶パネル24上に一時的に表示できる。また、ステップSS130の手順が仮想付箋紙入力作成モードに切り替えた場合だけ液晶パネル24の表示を実行させることで、当該液晶パネル24には上記使用者による筆記内容だけを表示させ、仮想付箋紙移動モード(仮想付箋紙操作モード)で電子ペン2Aがペンダウン状態のまま移動して仮想付箋紙を移動させた際のその移動の軌跡の表示を回避できる。
なお、仮想付箋紙入力作成モードからカーソル移動モードへ切り替える際に、上記消去スイッチ26の操作が検出されたことを契機として切り替えてもよい。
(2)仮想付箋紙操作モードで仮想付箋紙拡縮モードにも切り替える場合
上記実施形態及び上記第1変形例では、仮想付箋紙操作モードが仮想付箋紙移動モードだけを行っていたが、本発明はこれに限られない。他にも、仮想付箋紙操作モードが、上記仮想付箋紙移動モード以外にも、例えば仮想付箋紙の大きさを拡大、縮小する仮想付箋紙拡縮モードを含んで選択的に切り替えて実行してもよい。なお、本変形例のハードウェア構成は上記第1変形例のものと同等とし、同等の部位に対して同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
本変形例においては、カーソル移動モード、仮想付箋紙入力作成モード、及び仮想付箋紙移動モードのそれぞれの操作が上記第1変形例と同等であり、さらに仮想付箋紙拡縮モードが新たに加わる。以下、本変形例での仮想付箋紙拡縮モードの手順について、図22を参照して説明する。
まずカーソル移動モード中で、表示部201の表示領域中のカーソル310を既存の仮想付箋紙304に重ねた状態で電子ペン2Aをペンダウンすることで、順序として始めに、当該既存の仮想付箋紙304を移動させる仮想付箋紙移動モードに切り替わる。なお、本変形例においても、この後に電子ペン2Aをペンアップさせることなくペンダウン状態を維持させる。このときすぐに電子ペン2Aを移動させることで、上記第1変形例と同様に移動対象の既存の仮想付箋紙304を移動させることができる(上記図19(b)参照)。
しかし、本変形例では、電子ペン2Aをペンダウンさせてから所定時間以上で移動させることなくペンダウン状態を維持した場合には、仮想付箋紙移動モードから仮想付箋紙拡縮モードに自動的に切り替わる(図22(b)参照)。この仮想付箋紙拡縮モードに切り替わった後には、電子ペン2Aのペンダウン状態を維持したまま、あらかじめ設定された所定の方向に移動させることで、既存の仮想付箋紙304の大きさの拡大操作と縮小操作のいずれかをその移動方向に対応して選択でき、またその移動量に応じた倍率で拡大又は縮小できる(後述の図23参照)。
そして、上記拡縮対象の既存の仮想付箋紙304を所望の大きさに拡大、縮小させた際に、図22(c)に示すように使用者が電子ペン2Aを持ち上げてペンアップ状態とするだけで、仮想付箋紙拡縮モードを終了できる。
その後は、上記カーソル移動モードに戻り、ペンアップ状態を維持したまま電子ペン2Aを液晶パネル24の表面に沿って移動させることで、表示画面上のカーソル310だけを移動表示させることができる(図22(d)参照)。
上述した拡大操作と縮小操作を選択する電子ペン2Aの移動方向の設定としては、例えば図23(a)に示すように、最初の位置から下方向へ移動させた場合にその移動量(変化量)に応じた倍率で既存の仮想付箋紙を拡大し、上方向へ移動させた場合にその移動量に応じた倍率で既存の仮想付箋紙を縮小する設定がある。
さらに、図23(b)に示すように、左右方向の移動も反映させる設定を適用してもよい。例えば、右斜め下方向に電子ペン2Aを移動させた場合、当該既存の仮想付箋紙の下辺と右辺を同時に拡大方向へ移動させる。このとき、移動方向ベクトルにおける上下方向の成分と左右方向の成分との比率を、それぞれ下辺の拡大移動量と右辺の拡大移動量との比率と相似させてもよい。
以上のような機能を実現するために、本変形例におけるPC200のCPU(特に図示せず)で行われる制御処理の内容を、図24、図25により順を追って説明する。なお、パネル本体25のCPU80aで行われる制御処理は、上記第1変形例の図20と同等であるため説明を省略する。
PC200のCPUが実行する図24のフローは、上記第1変形例の図21のフローと概略的に同じであり、それらの相違点についてのみ以下に説明する。図24において、ステップSS140の手順の実行後には、ステップSS141へ移る。
ステップSS141では、CPUは、上記ステップSS141の手順で実際に電子ペン2Aの移動を検出して既存の仮想付箋紙を移動させたか否かを判定する。既存の仮想付箋紙を移動させていな場合、判定は満たされず、ステップSS142へ移る。
ステップSS142では、CPUは、タイマカウンタTの値を1増加させる。そして、ステップSS150Aへ移る。
一方、上記ステップSS141の判定において、既存の仮想付箋紙を移動させた場合、判定が満たされ、ステップSS143へ移る。
ステップSS143では、CPUは、タイマカウンタTの値を0にリセットする。そして、ステップSS150Aへ移る。
ステップSS150Aでは、CPUは、パネル本体25からペンアップ情報を受信したか否かを判定する。パネル本体25からペンアップ情報を受信していない場合には、判定は満たされず、ステップSS153へ移る。
ステップSS153では、CPUは、タイマカウンタTの値が所定値T2より大きいか否かを判定する。言い換えると、使用者が仮想付箋紙移動モードから仮想付箋紙拡縮モードに切り替える意志があると判断できる程度に長い時間でペンダウン状態と移動停止状態が継続したか否かを判定する。タイマカウンタTの値が所定値T2以下である場合には、判定は満たされず、上記ステップSS140に戻り、同様の手順を繰り返す。以上のステップSS140〜ステップSS153の手順を繰り返している間に、使用者はPC200の表示部201の表示領域上でカーソル310と移動対象の仮想付箋紙を任意の位置まで移動させることができる。
一方、上記ステップSS153の判定において、タイマカウンタTの値が所定値T2より大きい場合には、判定が満たされ、ステップSS200へ移る。これにより、仮想付箋紙操作モード内で、仮想付箋紙移動モードから仮想付箋紙拡縮モードに切り替わる。
ステップSS200では、CPUは、既存の仮想付箋紙の大きさを拡大又は縮小する仮想付箋紙拡縮処理を行う(後述の図25参照)。そして、この仮想付箋紙拡縮処理を実行した後、ステップSS105へ戻って同様の手順を繰り返す。このとき、仮想付箋紙拡縮モードから再びカーソル移動モードに切り替わる。
また一方、上記ステップSS150Aの判定において、パネル本体25からペンアップ情報を受信した場合には、判定が満たされ、ステップSS155へ移る。
次に、上記ステップSS200の仮想付箋紙拡縮処理で行われる制御処理の詳細を、図25により順を追って説明する。
まずステップSS205では、CPUは、パネル本体25からペン位置情報を受信し、当該ペン位置情報の相対変化に対応して仮想付箋紙の拡大表示又は縮小表示を行う。なお、拡縮対象の既存の仮想付箋紙は、上記ステップSS125でカーソル位置から検出したものであり、この場合でも当該既存の仮想付箋紙をハイライト表示させる。また、ペン位置情報の相対変化、つまり電子ペン2Aの移動方向及び移動量と、拡縮方向及び倍率との間の対応関係については、上記図23に例示した設定などに基づく。そして、このステップSS205の手順が、上記仮想付箋紙拡縮モードの具体的な処理に相当する。
そして、ステップSS210に移り、CPUは、パネル本体25からペンアップ情報を受信したか否かを判定する。パネル本体25からペンアップ情報を受信しなかった場合には、判定は満たされず、ステップSS205に戻り、同様の手順を繰り返す。以上のステップSS205〜ステップSS210の手順を繰り返している間に、使用者はPC200の表示部201の表示領域上で拡縮対象の仮想付箋紙を任意の大きさまで拡大又は縮小させることができる。
一方、上記ステップSS210の判定において、使用者がペンアップ操作したことによりパネル本体25からペンアップ情報を受信した場合には、ステップSS215へ移る。
ステップSS215では、CPUは、拡縮対象であった既存の仮想付箋紙を上記のハイライト表示から通常の態様の表示に戻し、その時点の大きさで固定表示する。そして、このフローを終了する。
以上において、上記図24のフローにおけるステップSS130、ステップSS153の手順がモード切替手段に相当し、ステップSS133〜ステップSS155及びステップSS200の手順が表示オブジェクト操作モードに相当し、そのうちステップSS133〜ステップSS155の手順が表示オブジェクト移動モードに相当し、ステップSS200の仮想付箋紙拡縮処理が表示オブジェクト拡縮モードに相当する。また、上記図25のフローにおけるステップSS205の手順が表示オブジェクト拡縮モード実行手段に相当する。
以上説明したように、本変形例の仮想付箋紙入力表示システムSにおいては、ステップSS205の手順が、電子ペン2Aのペン位置情報の変化量に対応して既存の仮想付箋紙の大きさを拡大又は縮小させる。これにより、ステップSS153の手順が切り替えた仮想付箋紙拡縮モードにおいて、既存の仮想付箋紙を拡縮させるよう操作できる。
なお、上記第2変形例では、仮想付箋紙操作モードが含む具体的な実行モードとして、仮想付箋紙移動モードと仮想付箋紙拡縮モードの2つだけを示したが、他にも例えば回転操作するモードや表示色を変更するモードなど多様な操作モードを用意して選択的に切り替えて実行できるようにしてもよい。
なお、以上において、図4等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図12、図13、図20、図21等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 手書き入力メモパッド
2,2A 電子ペン(電子筆記具)
3 メモパッド装置
10 メモパッド本体
11 メモ用紙(被筆記体)
21 書き込みパネル
23 パネル装置
24 液晶パネル(被筆記具、描画表示手段)
25 パネル本体
26 消去スイッチ
41 LC発振回路
42 先端スイッチ
44 コイル
46 制御部
80a CPU
200 パーソナルコンピュータ
201 表示部(表示手段)
301〜308 仮想付箋紙(表示オブジェクト)
310 カーソル
S,S1,S2 仮想付箋紙入力表示システム
,S3
X1〜Xm センスコイル
,Y1〜Yn

Claims (7)

  1. 表示領域中にカーソルと所定情報を表示する所定形状の表示オブジェクトを表示可能な表示手段と、
    被筆記具への筆記内容に対応したデータ入力を行う電子筆記具の前記被筆記具における位置情報を検出可能な位置検出手段と、
    前記電子筆記具と前記被筆記具との間の接触状態と離間状態を検出する離接状態検出手段と、
    前記離接状態検出手段が前記電子筆記具と前記被筆記具との離間状態を検出した際に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置にカーソルを表示するカーソル移動表示手段と、
    前記離接状態検出手段が前記電子筆記具と前記被筆記具との接触状態を検出した際に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置が、既存の表示オブジェクトの存在領域内にある場合には表示オブジェクト操作モードに切り替え、既存の表示オブジェクトの存在領域外にある場合には表示オブジェクト入力作成モードに切り替えるモード切替手段と、
    を有することを特徴とする表示オブジェクト入力表示システム。
  2. 請求項1の表示オブジェクト入力表示システムにおいて、
    前記表示オブジェクト操作モードは、その具体的な実行モードとして表示オブジェクト移動モードを含んでおり、
    当該表示オブジェクト移動モードを実行する場合に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置に前記既存の表示オブジェクトを移動させる表示オブジェクト移動モード実行手段を有する
    ことを特徴とする表示オブジェクト入力表示システム。
  3. 請求項1又は2記載の表示オブジェクト入力表示システムにおいて、
    前記表示オブジェクト操作モードは、その具体的な実行モードとして表示オブジェクト拡縮モードを含んでおり、
    当該表示オブジェクト拡縮モードを実行する場合に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報の変化量に対応して前記既存の表示オブジェクトの大きさを拡大又は縮小させる表示オブジェクト拡縮小モード実行手段を有する
    ことを特徴とする表示オブジェクト入力表示システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示オブジェクト入力表示システムにおいて、
    前記モード切替手段が前記表示オブジェクト入力作成モードに切り替えた場合に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示領域中の座標位置に新規の表示オブジェクトを作成し、当該新規の表示オブジェクトに前記電子筆記具による前記被筆記具への記載に対応したストロークデータを入力表示する表示オブジェクト入力作成モード実行手段を有する
    ことを特徴とする表示オブジェクト入力表示システム。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の表示オブジェクト入力表示システムにおいて、
    前記表示オブジェクト移動モード実行手段が移動させた前記既存の表示オブジェクト、前記表示オブジェクト拡縮モード実行手段が拡大又は縮小させた前記既存の表示オブジェクト、又は前記表示オブジェクト入力作成モード実行手段が入力作成した前記新規の表示オブジェクトのいずれかの存在領域が、他の既存の表示オブジェクトの存在領域と重なった場合、前記既存の表示オブジェクト又は前記新規の表示オブジェクトと、前記他の既存表示オブジェクトとのうち少なくとも一方をそれぞれの中心点を通過する線上で互いに重ならない位置まで移動させる重複回避手段を有する
    ことを特徴とする表示オブジェクト入力表示システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示オブジェクト入力表示システムにおいて、
    前記被筆記具は、
    前記離接状態検出手段が前記電子筆記具と前記被筆記具との接触状態を検出した際に、前記位置検出手段が検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する位置に点を描画してその軌跡を表示可能な描画表示手段を備え、
    前記モード切替手段は、
    表示オブジェクト操作モードに切り替えた際に前記描画表示手段の表示を停止するよう制御し、前記表示オブジェクト入力作成モードに切り替えた際に前記描画表示手段の表示を実行するよう制御する
    ことを特徴とする表示オブジェクト入力表示システム。
  7. 表示手段を有する表示オブジェクト操作装置に備えられた制御手段に対し、
    被筆記具への筆記内容に対応したデータ入力を行う電子筆記具の前記被筆記具における位置情報を検出可能な位置検出手順と、
    前記電子筆記具と前記被筆記具との間の接触状態と離間状態を検出する離接状態検出手順と、
    前記離接状態検出手順で前記電子筆記具と前記被筆記具との離間状態を検出した際に、前記位置検出手順で検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示手段の表示領域中の座標位置にカーソルを表示するカーソル移動表示手順と、
    前記離接状態検出手順で前記電子筆記具と前記被筆記具との接触状態を検出した際に、前記位置検出手順で検出した前記電子筆記具の位置情報に対応する前記表示手段の前記表示領域中の座標位置が、既存の表示オブジェクトの存在領域内にある場合には表示オブジェクト操作モードに切り替え、既存の表示オブジェクトの存在領域外にある場合には表示オブジェクト入力作成モードに切り替えるモード切替手順と、
    を実行させるための表示オブジェクト入力表示処理プログラム。
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