JP2012197338A - イソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤 - Google Patents

イソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光透過率と高い安定性と、機械的及び耐熱、耐UV性において優れた硬化物を与える硬化性樹脂組成物、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤を提供する。
【解決手段】(a)下記式(1)で表されるシルセスキオキサンと(b)1分子中に少なくとも2個のH−Si結合を有するオルガノポリシロキサンと(c)イソシアヌル酸誘導体とのヒドロシリル化反応によって製造されてなるイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物、それを含む光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤である。
Figure 2012197338

【選択図】なし

Description

本発明は、イソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを必須成分とする光学特性、硬化性及び耐熱性に優れる硬化性樹脂組成物に関し、特にLEDのような光半導体素子の封止及び接着に適した硬化性樹脂組成物に関する。
従来、例えばLED等の光半導体素子を封止するために、透明エポキシ樹脂組成物が広く用いられている。これらの透明エポキシ樹脂組成物は、脂環式エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化触媒を含有してなり、キャスティング成形、トランスファー成形等の成形方法により光半導体素子を封止するために用いられる。一般的にエポキシ樹脂組成物は、硬化物の硬度が高いため、ハンドリング性に優れており、例えば低出力の白色LED用封止用途では、必要な耐久性が得られることから、低出力用途において多く用いられている。
しかし、近年LEDがますます高輝度化、高出力化するのに伴い、従来の透明エポキシ樹脂組成物の硬化物では、波長の短い青色光や紫外線による連続使用で変色し、十分な寿命を得ることが難しい。また、点灯及び消灯に伴う急激な温度変化の繰り返し等で硬化物にクラックが発生する問題が生じている。
最近では、これらの問題を解決するためにエポキシ樹脂に替わって、耐候性に優れるシリコーン樹脂をベースにした樹脂組成物で硬化されたLEDが使用されるようになってきている。ヒドロキシシリル基とオレフィンの付加反応による光デバイス又は半導体デバイスの保護封止用付加硬化型シリコーン組成物(特許文献1)の報告がなされている。
しかし、シリコーン樹脂は、シリコーン骨格に由来する高い可撓性を持つ反面、硬化物の硬度が低く表面にべたつきを生じやすいことや、強度が低い短所を有している。また、硬度の高いシリコーン骨格を有する樹脂は、ハンドリング性は改善されているが、耐候性や点灯及び消灯に伴う急激な温度変化の繰り返しによるクラックの問題が解決されていなかった。また、シリコーン樹脂は非常に高価であり、経済的にも好ましくない。
そこで、近年はシリコーン樹脂と比べ、比較的安価に合成されるエポキシ基を有するシリコーン樹脂を硬化剤を用いて硬化させて得られる樹脂組成物(特許文献2〜8)の報告が増えてきている。例えば、グリシジルイソシアヌリル基を有するシリコーン樹脂を硬化剤を用いて硬化させて得られる樹脂組成物(特許文献9)は、シリコーン骨格に由来する高い可撓性を持ち、比較的高い耐熱性、耐紫外線性を有することが知られている。
また、最近は、超耐熱・耐候性の材料としてシルセスキオキサン系樹脂組成物(特許文献10,11)の報告がなされている。これらは、耐熱性、耐紫外線性に非常に優れており、中にはハンドリング性についても改善されたものもある。しかしながら、シリコーン樹脂と比較すると硬くて脆く、耐クラック性に関する改良にはいたっていない。
このように、耐候性に優れるシリコーン樹脂をベースにしても、経済性とLED封止剤に要求される特性を共に満足しているものは得られておらず、十分な硬度を有し、耐候性に優れ、従来のエポキシ樹脂と同様なハンドリング性、量産性を有する材料が求められている。
特開2000−1989308(特許3523098)号公報 特開2005−343998(特許4198091)号公報 特開2008−248170号公報 特開2009−203258号公報 特開2010−6956号公報 特開2010−53204号公報 特開2010−65161号公報 特開2010−138380号公報 特開2009−275206号公報 特開2008−202008号公報 特開2010−280766号公報
本発明は、これらの現状の課題を解決するために、硬化物の耐熱光透過率、耐UV光透過率が良好で、表面にべたつきがなく硬度が十分で、貯蔵安定性が良好で、かつ、ハンドリングが良好な硬化性樹脂組成物、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を進めた結果、シルセスキオキサンとオルガノポリシロキサンとイソシアヌル酸誘導体とのヒドロシリル化反応によって製造されてなるイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物が、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤に適した硬化物を与えることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記の硬化性樹脂組成物、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤を提供する。
1.(a)下記式(1)で表されるシルセスキオキサンと(b)1分子中に少なくとも2個のH−Si結合を有するオルガノポリシロキサンと(c)下記式(2)で表されるイソシアヌル酸誘導体とのヒドロシリル化反応によって製造されてなるイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物。
Figure 2012197338
(式中、R1は不飽和炭化水素基、R2は炭素数1〜5の鎖状の飽和炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい不飽和炭化水素基及び環状エーテル基から選ばれる基であり、R2はそれぞれ同一であっても異なってもよい。)
2.上記1記載の硬化性樹脂組成物を含む光半導体封止組成物。
3.上記1記載の硬化性樹脂組成物を含む光半導体素子接着剤。
本発明のイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物は、無機成分と有機成分とが、分子のレベルで均一に混合されている。その結果、高い光透過率と高い安定性と、硬化性、耐熱性、耐UV光透過率において優れている。
[イソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサン]
本発明の硬化性樹脂組成物は、イソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを必須成分として含む。該イソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンは、多官能アルコキシシランの縮合反応から(a)シルセスキオキサンを合成し、(a)シルセスキオキサンと(b)オルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化反応、次いで反応生成物と(c)イソシアヌル酸誘導体とのヒドロシリル化反応により合成することができる。
((a)シルセスキオキサン)
(a)シルセスキオキサンは、下記式(1)で表される。
Figure 2012197338
(a)シルセスキオキサンは、下記式(3)で表される多官能アルコキシシランの縮合反応によって合成した中間体を、ビニルメチルジハロシランと反応させてビニル基で変性することで得られる。
Figure 2012197338
上記式(3)中、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の環状の脂肪族炭化水素基を示し、それぞれ同一であっても異なってもよい。
炭素数1〜10の鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びn−ブチル基の鎖状アルキル基等が挙げられ、炭素数3〜10の環状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。
上記多官能アルコキシシランとしては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン等が挙げられる。
上記多官能アルコキシシランの縮合反応は、無溶媒で行うことができるが、反応制御の観点から、反応に悪影響を与えない希釈溶媒を用いることができる。
上記希釈溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール及びブタノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノン等の脂肪族ケトン類;ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等の脂肪族アミド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、上記縮合反応の反応温度については特に制限されないが、通常0〜150℃、好ましくは20〜90℃である。0℃以上とすることにより反応が良好に進行し著しく遅くなることがない。また、150℃以下とすることにより反応の制御を容易に行うことができ、ゲル化や着色することを防止することができる。
上記縮合反応を促進させるために、触媒を使用することができる。触媒としては、一般的にシロキサンの縮合反応に使用する公知の触媒であれば、特に制限はなく、例えば、無機酸、有機塩基、無機塩基、金属キレート等が挙げられる。
無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸及びリン酸等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
有機塩基としては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、N,N−ジメチルメタノールアミン、N,N−ジエチルメタノーアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルテチレンジアミン、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデンセン及び尿素等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム及び水酸化カルシウム等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
金属キレートとしては、例えば、トリエトキシモノ(アセチルアセトナト)チタニウム、トリ−n−プロポキシモノ(アセチルアセトナト)チタニウム、トリイソプロポキシモノ(アセチルアセトナト)チタニウム、トリ−n−ブトキシモノ(アセチルアセトナト)チタニウム及びトリ−sec−ブトキシモノ(アセチルアセトナト)チタニウム等のチタニウムキレート化合物;トリエトキシモノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシモノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリイソプロポキシモノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシモノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシモノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリtert−ブトキシモノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジエトキシビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジ−n−ブロポキシビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジイソブロポキシビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム及びジ−n−ブトキシビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム及びトリス(エチルアセトアセタト)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、(a)シルセスキオキサンの中間体は、フェニルトリクロロシラン等の加水分解反応及び縮合反応によっても合成することができる。
(a)シルセスキオキサンの中間体のビニル基変性に使用されるビニルメチルジハロシランとしては、ビニルメチルジクロロシランが好ましい。
ビニル基変性反応としては、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等の脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、触媒を用いることが好ましく、例えば、N,N−ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルフェニルアミン及びトリエチルアミン等の3級アミンを使用することができる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
((b)オルガノポリシロキサン)
(b)オルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のH−Si結合を有し、下記式(4)で表される構造を有する。
Figure 2012197338
上記式(4)中、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の環状の脂肪族炭化水素基及びフェニル基から選ばれる基を示し、それぞれ同一であっても異なってもよい。また、繰り返し単位nは0〜80を示し、粘度及びハンドリングの観点から0〜30であることが好ましい。
炭素数1〜10の鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びn−ブチル基等の鎖状アルキル基が挙げられ、炭素数3〜10の環状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
上記(b)オルガノポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン及び1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、上記(b)オルガノポリシロキサンとして使用することができる市販品としては、Momentive Performance Materials社製の商品名TSL9586、Gelest社製のDMSシリーズ等が挙げられる。
((c)イソシアヌル酸誘導体)
(c)イソシアヌル酸誘導体は、下記式(2)で表される。
Figure 2012197338
上記式(2)中、R1は不飽和炭化水素基、R2はそれぞれ独立に炭素数1〜5の鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜5の酸素原子を含んでいてもよい不飽和炭化水素基及び炭素数3〜5の環状エーテル基から選ばれる基であり、R2はそれぞれ同一であっても異なってもよい。
1の不飽和炭化水素基は、炭素数2〜6であることが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基及びブテニル基等が挙げられる。
2の炭素数1〜5の鎖状の飽和炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基等が挙げられ、炭素数2〜5の酸素原子を含んでいてもよい不飽和炭化水素基は、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基及びメタクリル基等が挙げられ、炭素数3〜5の環状エーテル基は、例えば、エポキシ基、グリシジル基及びオキセタニル基等が挙げられる。
上記(c)イソシアヌル酸誘導体としては、例えば、トリアリルイソシアヌル酸、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸及びモノアリルジグリシジルイソシアヌル酸等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、(c)イソシアヌル酸誘導体として使用することができる市販品としては、日本化成株式会社製の商品名TAIC、四国化成工業株式会社製の商品名DA−MGIC、MA−DGIC等が挙げられる。
(ヒドロシリル化反応の反応条件)
(a)シルセスキオキサンと(b)オルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化反応、及びこれに次ぐ反応生成物と(c)イソシアヌル酸誘導体とのヒドロシリル化反応は、公知の方法が採用できる。
ヒドロシリル化反応は、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
ヒドロシリル化反応に用いられる触媒は、水素原子が結合したケイ素原子と多重結合を有する炭化水素とのヒドロシリル化反応を促進するために通常用いられる触媒を使用することができ、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、及びイリジウム等の金属や金属化合物が挙げられ、特に白金及び白金化合物を使用することが好ましい。白金化合物としては、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物、白金カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体及び白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体等が好ましい。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
触媒の使用量は、通常、白金族金属として(a)成分及び(b)成分の合計質量、あるいは(a)成分と(b)成分との反応生成物及び(c)成分の合計質量に対し、1〜1000ppm程度であることが好ましい。該範囲内であれば、良好に反応を進行させることができる。
ヒドロシリル化反応の温度は使用する触媒によるが、室温から200℃程度であり、好ましくは50〜150℃である。
ヒドロシリル化反応における(a)成分:(b)成分:(c)成分の各使用量は、モル比で1:2〜2.5:2〜2.5であることが好ましい。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンに、目的とする樹脂組成物の性能に応じて、各種添加剤を配合して製造される。
また、上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンは、熱硬化の可能な官能基又は光硬化の可能な官能基を含有することができる。
熱硬化の可能な官能基又は光硬化の可能な官能基を含有するイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを製造するためには、(c)イソシアヌル酸誘導体が熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基を有していなければならない。前記熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基は、例えば、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基等である。
上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンの熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基がエポキシ基の場合、例えば熱硬化では、一般的に使用されるアミン系硬化剤、酸無水物硬化剤を使用することができるが、光透過性、耐熱性等から酸無水物硬化剤が望ましい。
上記酸無水物硬化剤としては、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物及びメチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、上記硬化剤と硬化触媒とを併用して使用することができる。
上記硬化触媒としては、例えば、トリフェニルフォスフィン及びジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン系硬化触媒;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン及びベンジルジメチルアミン等の三級アミン系硬化触媒;2−メチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、熱カチオン硬化触媒や光カチオン硬化触媒を添加して熱硬化、光硬化とすることができる。
上記熱カチオン硬化触媒として、例えば、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル及びアミンイミド等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
上記光カチオン硬化触媒としては、例えば、スルホニウム塩系やヨウドニウム塩系が挙げられる。スルホニウム塩系の例としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられ、ヨードニウム塩系の例として、例えば、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンの熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基がアリル基又はメタクリル基の場合、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤を使用して硬化させることができる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート及び1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物並びに過酸化水素が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、光反応開始剤として紫外線中のi線(365nm)、g線(436nm)において効率よく反応性ラジカルを発生させるものであれば特に限定されない。このような化合物として例えば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン類;アントラキノン及び1,4−ナフトキノン等のキノン類;2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6’−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6’−(4’−ジアジドベンザル)−4−エチルシクロヘキサノン、2,6’−(4’−ジアジドベンザル)−4−ブチルシクロヘキサノン及び2,6’−(4’−ジアジドベンザル)−4−(t−ブチル)シクロヘキサノン等のアジド類;1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム及び1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類;N−フェニルグリシン、N−(P−エチル)フェニルグリシン及びN−(P−エチル)フェニルグリシン等のグリシン誘導体;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン及びトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンの熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基がビニル基又はアリル基の場合、熱ラジカル重合開始剤を使用して硬化させることができる。該熱ラジカル重合開始剤は前記熱ラジカル重合開始剤の例示と同様である。
また、硬化剤としてヒドロシリル基を官能基としてもつシラン化合物やシロキサン化合物を使用することができる。この場合、硬化触媒として、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム及びパラジウムを含む遷移金属触媒を使用することができる。中でも白金を含む触媒が好ましく、例えば、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物、白金カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体及び白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体を用いることができる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンが熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基を有する場合、熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基を有するモノマーを使用することができる。これらは単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。これらのモノマーを添加することによって、硬化性樹脂組成物の密度、自由体積、基板との接着力、屈折率等を調節することができる。
上記モノマーの添加量は特に制限されないが、硬化性樹脂組成物に対して0.1〜80質量%程度、好ましくは10〜60質量%の範囲である。
熱硬化可能な官能基又は光硬化可能な官能基を包含する上述したイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンが、熱硬化又は光硬化する段階を経る場合、前記段階を経た後に、熱処理段階を経ることができる。前記熱処理段階においては、180℃以下、具体的には50〜180℃で実施することができ、150℃以下、具体的には50〜150℃で実施することが好ましい。前記熱処理段階の温度が高すぎると有機官能基間の結合鎖を破壊することがあり、低すぎると、硬化反応が十分に進行しない場合がある。
本発明の硬化性樹脂組成物には、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤を添加することで、長時間の高温環境下に曝された際の硬化物の着色を低減させることができる。酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤やチオエーテル化合物系酸化防止剤のような公知の種々の化合物を適用できる。
上記ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−tert−ブチル−p−エチルフェノール及びステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール類;2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)及び4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及びテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
上記チオエーテル化合物系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート及びペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
また、リン原子を含有する酸化防止剤を併用することもできる。例えば、トリフェニルフォスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド及び10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は単独、もしくは2種類以上混合して使用することができる。添加量は特に制限されないが、硬化性樹脂組成物に対して0.001〜20質量%程度、好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加すると着色を低減させることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、さらに、染料、顔料、界面活性剤、酸化物ナノ粒子、窒化物ナノ粒子、防染剤、金属充填剤及び耐熱剤等の添加剤を添加することができる。また、硬化を損なわない程度であれば、溶媒や反応性希釈剤等を使用して、粘度の調整や、ハンドリング性を向上させることも可能である。
[光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤]
本発明のイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物を含む光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤を使用することのできるLEDは、例えば、発光効率が高く、波長の短い最近のLEDのみならず、化合物半導体GaP、化合物半導体GaAs及び化合物半導体GaNで作製された赤色LED、緑色LED及び黄色LEDを挙げることができる。
また、上述のイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンは、既存のLED封止用にも使用することができるとともに、最近開発されている青色、又は紫外線領域の波長で発光効率80lm/W以上の高効率LEDに最適である。
上記のようにして調製された本発明のイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物は、光半導体封止組成物及び光半導体素子接着剤に使用することができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1−1]
シルセスキオキサン中間体の合成
ジムロート、熱電対を備えた300mlセパラブルフラスコに、水酸化ナトリウム(4.3g,107mmol)、水(3.3g)を加え、系内を窒素置換した後、15分間撹拌し溶解した。続いて、2−プロパノール(160ml)を加えて5分間撹拌した。さらに、フェニルトリメトキシシラン(32.1g,162mmol)を加え、2−プロパノールの還流温度にて4時間加熱撹拌した。
反応終了後、反応溶液を室温にて一晩放置した後、析出した固体を吸引ろ過し、粗生成物を得た。これを70℃で5時間減圧乾燥することでシルセスキオキサン中間体(13.8g,11.9mmol)を収率59質量%、白色粉末として合成した。
[合成例1−2]
ビニル基変性シルセスキオキサンの合成
ジムロート、滴下漏斗、熱電対を備えた300mlセパラブルフラスコに、合成例1−1より得られた中間体(13.6g,11.7mmol)、テトラヒドロフラン(120ml)、トリエチルアミン(3.6g,35.6mmol)を加え、系内を窒素置換した後、室温置換した後、室温で10分間撹拌した。続いて、ビニルメチルジクロロシラン(4.9g,35.3mmol)を滴下し、滴下終了後より2時間撹拌した。
反応終了後、水(40g)を加え15分間撹拌した。これをトルエンによる分液操作を行い、得られた有機層を1モル/Lの塩化水素水溶液によって洗浄し、その後炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水による洗浄を有機層が中性になるまで行った。以上の操作により得られた有機層を硫酸マグネシウムによって脱水乾燥し、ロータリーエバポレーターによって溶媒を減圧留去し、白色固体の粗生成物を得た。これをメタノールで洗浄することによってビニル基変性シルセスキオキサン(6.7g,5.8mmol)を収率49質量%、白色粉末として合成した。
[合成例2]
シロキサン変性シルセスキオキサン誘導体の合成
ジムロート、窒素導入管、熱電対、シリカゲル管、撹拌子を備えた100ml三口フラスコにヘキサクロロ白金六水和物(和光純薬工業株式会社製、Pt量換算20ppm)、DMS−H11(商品名/両末端ハイドロジェン変性ポリジメチルシロキサン/官能基当量400−500/Gelest社製)(11.6g,11mmol)、トルエン(30g)を加え、系内を窒素置換した後、5分間撹拌した。トルエン(20g)によって溶解希釈された合成例1−2より得られたシルセスオキサン(6.2g,5.4mmol)を90℃で系内に滴下し、滴下終了後より110℃で3時間撹拌し反応を完結した。ロータリーエバポレーターにてトルエン留去し、シロキサン変性シルセスキオキサン誘導体(16.9g,5.2mmol)を収率95質量%、無色透明粘稠液体として合成した。
[合成例3]
グリシジルイソシアヌリル基含有シルセスキオキサン誘導体の合成〔樹脂A〕
ジムロート、窒素導入管、熱電対、シリカゲル管、撹拌子を備えた100ml三口フラスコにヘキサクロロ白金六水和物(和光純薬工業株式会社製、Pt量換算20ppm)、MA−DGIC(商品名/モノアリルジグリシジルイソシアヌレート/四国化成工業株式会社製)(2.8g,10.0mmol)、トルエン(30g)を加え、系内を窒素置換した後、5分間撹拌した。トルエン(25g)によって溶解希釈された合成例2より得られたシロキサン変性シルセスキオキサン誘導体(15.9g,4.9mmol)を90℃で系内に滴下し、滴下終了後より110℃で5時間撹拌し反応を完結した。ロータリーエバポレーターにてトルエン留去することで、グリシジルイソシアヌリル基含有シルセスキオキサン誘導体(樹脂A、17.2g,4.5mmol)を収率92質量%、無色透明粘稠液体として合成した。
[比較合成例1]
グリシジルイソシアヌリル基含有ポリジメチルシロキサン〔樹脂B〕
ジムロート、三方コック、窒素導入管、熱電対、撹拌子を備えた50ml三口フラスコにDMS−H11(商品名/両末端ハイドロジェン変性ポリジメチルシロキサン/官能基当量400−500/Gelest社製)(13.0g,12.4mmol)、MA−DGIC(商品名/モノアリルジグリシジルイソシアヌレート/四国化成工業株式会社製)(7.0g,24.9mmol)を加え、系内を窒素置換した後、5分間撹拌した。続いて、ヘキサクロロ白金六水和物(和光純薬工業株式会社製、Pt量換算20ppm)を加え、110℃で5時間撹拌し反応を完結することによって、グリシジルイソシアヌリル基含有ポリジメチルシロキサン(樹脂B、19.2g,11.9mmol)を無色透明粘稠液体として合成した。
〔樹脂C〕
ダイセル化学工業株式会社製セロキサイド2021P(商品名、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、淡黄色透明粘稠液体)を樹脂Cとした。
[実施例1、比較例1,2]
表1に示した配合比で、各成分を混合し硬化性樹脂組成物とした。
2枚のガラス板に厚さ2mmのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに、上記硬化性樹脂組成物を流し込み、60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間の要領で段階的に加熱を行い、目視で均一かつほぼ無色の板状硬化物を得た。
得られた板状硬化物の物性を次の方法により評価し、その結果を表1に示す。
(1)硬化物の透過率(初期値)
日本分光株式会社製の紫外可視分光光度計(V−570)を用いて板状硬化物の400nmの光透過率を測定した。評価基準は次の通りである。
○:80%以上、△:70〜79%、×:70%未満
(2)耐熱光透過率
板状硬化物を180℃のオーブンに168時間入れた後の400nmの光透過率を測定した。評価基準は次の通りである。
○:80%以上、△:70〜79%、×:70%未満
(3)耐UV光透過率
UV照射装置で300nm以下の波長の光をカットするカットフィルターを用いて板状硬化物を30時間UV光照射した後、400nmの光透過率を測定した。評価基準は次の通りである。
○:80%以上、△:70〜79%、×:70%未満
(4)表面のべたつき性
板状硬化物を室温でポリエチレン製の袋に入れ、表面を接触させた時、板状硬化物が袋に張り付くかどうかを評価した。評価基準は次の通りである。
○:張り付かない、×:張り付く
Figure 2012197338
本発明のイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物は、特にLEDのような光半導体素子の封止組成物及び接着剤に好適であり、このような分野で極めて有用である。

Claims (3)

  1. (a)下記式(1)で表されるシルセスキオキサンと(b)1分子中に少なくとも2個のH−Si結合を有するオルガノポリシロキサンと(c)下記式(2)で表されるイソシアヌル酸誘導体とのヒドロシリル化反応によって製造されてなるイソシアヌル基含有シロキサン変性シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物。
    Figure 2012197338
    (式中、R1は不飽和炭化水素基、R2は炭素数1〜5の鎖状の飽和炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい不飽和炭化水素基及び環状エーテル基から選ばれる基であり、R2はそれぞれ同一であっても異なってもよい。)
  2. 請求項1記載の硬化性樹脂組成物を含む光半導体封止組成物。
  3. 請求項1記載の硬化性樹脂組成物を含む光半導体素子接着剤。
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