JP2012197186A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さく、かつ、高い強度を有するハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、得られた坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る成形工程と、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程と、を備えるハニカム構造体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関し、更に詳しくは、従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さく、かつ、高い強度を有するハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体の製造方法に関する。
従来、各種エンジン等から排出される排気ガスを浄化するために、ハニカム構造体に触媒を担持したハニカム触媒体が用いられている。このようなハニカム触媒体は、流入側の端面から各セルに流体(排気ガス)を流入させ、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)等の有害物質を触媒により浄化するものである。
このようなハニカム触媒体に使用されるハニカム構造体は、排気ガスの浄化性能を高めるために、触媒が担持される幾何学的面積を大きくし、排気ガスと触媒との接触効率を高めるように作製されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開2003−33664号公報 特開2001−269585号公報
近年、排ガス規制が厳しくなっている。そのため、ハニカム触媒体(特に、ガソリン用の三元触媒(TWC)、NO吸蔵還元触媒(LNT)、ディーゼル酸化触媒(DOC)、NO選択還元触媒(SCR)など)における触媒の担持量が非常に多くなることが予定されている。そこで、従来のハニカム触媒体に比べて多くの触媒を担持させることができ、かつ、多くの触媒を担持させたとしても圧力損失が増大し難い(圧力損失が低い)ハニカム構造体の開発が切望されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載のハニカム構造体の製造方法では、得られるハニカム構造体は、非常に多くの触媒を担持させることが必要になった場合に、実際に触媒の担持量を増やすと、触媒がセルの大部分を占めることに起因してセルが閉塞してしまうことになる。そのため、従来のハニカム構造体を担体として使用して触媒の担持量を増やすことは困難である。そして、たとえ触媒の担持量を多くすることができたとしても、触媒によって流路が非常に狭くなっているため、圧力損失が増大してしまうという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さく、かつ、高い強度を有するハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、以下に示す、ハニカム構造体の製造方法が提供される。
[1] 平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、得られた前記坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る成形工程と、得られた前記ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程と、を備えるハニカム構造体の製造方法。
[2] 前記セラミック原料として、30〜45質量%の前記アルミナを含有するものを用いる前記[1]に記載のハニカム構造体の製造方法。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、「平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、得られた前記坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る成形工程と、得られた前記ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程と、を備える」ため、得られるハニカム構造体の隔壁には上記アルミナに由来する楕円球状または板状の大孔径の気孔が形成され、この大孔径の気孔が互いに連通するように形成される。そのため、従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さいハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。また、上記アルミナに由来する大きな気孔が良好に形成されるため、高い強度を有するハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。
本発明のハニカム構造体の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示すハニカム構造体の、セルが延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。 図2に示すハニカム構造体の隔壁の一部を拡大して模式的に示す断面図である。 従来のハニカム構造体の隔壁の一部を拡大して模式的に示す図3に対応する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]ハニカム構造体の製造方法:
本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態は、平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、得られた坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る成形工程と、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程と、を備えるものである。
このようなハニカム構造体の製造方法は、「平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、得られた坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る成形工程と、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程と、を備える」ため、得られるハニカム構造体の隔壁には上記アルミナに由来する楕円球状または板状の大孔径の気孔が形成され、この大孔径の気孔が互いに連通するように形成される。そのため、従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さいハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。また、「平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナ」を使用しているため、上記アルミナに由来する大きな気孔が良好に形成され、高い強度を有するハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。具体的には、従来、高い気孔率を得るため気孔を大きくした際に隔壁の強度(ハニカム構造体の強度)が低下してしまっていた。これは、高い気孔率を有していても、全ての気孔に効率良く触媒が担持されていないためである。一方、本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、大きな気孔が形成されたハニカム構造体を作製することができ、このハニカム構造体の大きな気孔が良好に形成されている(即ち、触媒を担持することに寄与しない大きな気孔が形成され難い)。従って、高い気孔率を有し、かつ、(触媒を担持することに寄与しない大きな気孔が形成され難いため)高い強度を有するハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。
図1及び図2は、本発明のハニカム構造体の製造方法の一実施形態により作製されるハニカム構造体100を示している。図1及び図2に示すハニカム構造体100は、流体の流路となる複数のセル4を区画形成する多孔質の隔壁5を備え、更に外周壁7を備えている。図1は、本発明のハニカム構造体の一実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すハニカム構造体の、セルが延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。
図3は、図2に示すハニカム構造体の隔壁の一部の領域Pを拡大して模式的に示す断面図である。図3に示すように、本発明のハニカム構造体の製造方法により作製されるハニカム構造体の隔壁5には、上記アルミナに由来する大きな気孔(大気孔18)が良好に形成される(即ち、触媒を担持することに寄与しない大きな気孔が少ない)。そのため、触媒を担持することに寄与しない大きな気孔が形成されることに起因する隔壁の強度の低下が防止され、作製されるハニカム構造体は高い強度を有することになる。別言すれば、隔壁5中に、大気孔18同士または大気孔18が他の気孔12を介して良好に連通している部分が存在するため、流体(空気や触媒など)が隔壁5を通る際にこの流体の流路とならない気孔が少なくなる。そして、無駄な気孔(流体の流路とならない気孔)が少なくなるため、高い気孔率でありながら、従来の高気孔率のハニカム構造体に比べて高い強度を有するものになると考えられる。
図4は、従来のハニカム構造体の隔壁5の一部を拡大して模式的に示す図3に対応する断面図である。従来のハニカム構造体においては、高気孔率の隔壁5を得るために、平均粒子径の大きなアルミナを使用していたが、得られるハニカム構造体は、高気孔率となるものの、図4に示すように、気孔12同士の連通性が十分でなかった。そのため、多くの触媒を担持することが困難であり、無理に多くの触媒を担持させると、圧力損失が増大してしまっていた。また、高い強度を有するものではなかった。
[1−1]坏土調製工程:
本工程においては、平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る。本発明のハニカム構造体の製造方法においては、具体的には、平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料を用いることによって、得られるハニカム構造体の隔壁には上記アルミナに由来する楕円球状または板状の大孔径の気孔が形成され、この大孔径の気孔が互いに連通するように形成される。そのため、上述したように、従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さいハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。
本工程で用いるセラミック原料中のアルミナとしては、平均粒径が0.5〜10μmであることが必要であり、平均粒径が0.5〜5μmであることが好ましく、平均粒径が0.5〜2μmであることが更に好ましい。平均粒径が上記範囲内であることにより、コージェライト結晶の配向が促進されるため、熱膨張が低くなる(低熱膨張化する(熱膨張係数が小さくなる))という利点がある。平均粒径が10μm超であると、コージェライト生成のための反応温度を高くする必要があり、得られるコージェライトは熱膨張が高くなり、耐熱性と耐熱衝撃性に劣ることになる。
本工程で用いるセラミック原料中のアルミナとしては、アスペクト比が5〜20であることが必要であり、アスペクト比が7〜15であることが好ましく、アスペクト比が10〜12であることが更に好ましい。アスペクト比が上記範囲内であることにより、アルミナが、セルが延びる方向に平行に配向するという利点がある。このように上記アルミナがセルが延びる方向に平行に配向すると、ハニカム構造体の隔壁内に上記アルミナに由来する楕円球状または板状の大孔径の気孔が形成されたときに、この大孔径の気孔が互いに直接的にまたは他の気孔を介して連通する。そのため、従来のハニカム触媒体より多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さいハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。アスペクト比が5未満であると、アルミナが、セルが延びる方向に平行に配向しないという不具合が生じる。一方、20超であると、コージェライト生成のために反応温度を高くする必要があり、得られたコージェライトは熱膨張が高くなり、耐熱性と耐熱衝撃性に劣ることとなる。ここで、本明細書において「アルミナが、セルが延びる方向に平行に配向する」とは、上記アルミナの少なくとも一部が、上記アルミナの長軸とセルが延びる方向とが平行になるように配置されることを意味する。
本発明のハニカム構造体の製造方法においては、セラミック原料として、30〜45質量%(更に好ましくは、38〜45質量%)の上記アルミナを含有するものを用いることが好ましい。このような範囲で上記アルミナを含有することにより、コージェライトの結晶化が促進するため、A軸圧縮強度が高くなる。また、コージェライト化が促進するため、低熱膨張化するという利点がある。
セラミック原料としては、通常、上記アルミナ以外に、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、ムライト、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、アルミニウムチタネートなどを含むものである。本発明のハニカム構造体の製造方法においては、これらの中でも、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、ムライト、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。更に、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたハニカム構造体が得られるためコージェライト化原料を含むことが好ましい。
なお、コージェライト化原料は、コージェライト結晶の理論組成となるように各成分を配合したものであり、具体的には、シリカ源成分、マグネシア源成分、及びアルミナ源成分等を配合しているものである。
分散媒としては、水等を挙げることができる。分散媒の含有量は、セラミック原料100質量部に対して、30〜150質量部であることが好ましい。
成形原料には、更に、造孔材、有機バインダ及び界面活性剤が含有されることが好ましい。
造孔材としては、例えば、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲルなどを用いることができる。造孔材の平均粒子径は、通常、50〜200μmである。
成形原料中の造孔材の含有量は、セラミック原料100質量部に対して、1〜8質量部であることが好ましく、2〜6質量部であることが特に好ましい。造孔材の含有量が上記範囲であると、多くの触媒を担持することが可能なハニカム構造体を得ることができ、このハニカム構造体を担体として用いれば、圧力損失の低いハニカム触媒体を作製することができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。有機バインダの含有量は、セラミック原料100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、セラミック原料100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましい。
成形原料を混練して坏土を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
[1−2]成形工程:
本工程では、坏土調製工程で得られた坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る。押出成形は、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて行うことができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
押出成形時には、坏土を、5〜10MPaの押出成形圧力で口金を通過させて、ハニカム成形体を成形することが好ましい。このような押出成形圧力でハニカム成形体を成形すると、セラミック原料中の上記アルミナが、その長軸がハニカム成形体の押出し方向に平行になるように配列される。即ち、ハニカム成形体中の上記アルミナが、セルが延びる方向に平行に配向することになる。そのため、作製されるハニカム構造体の隔壁に形成される気孔が、図3に示すように、互いに良好に連通することになる。従って、従来のハニカム触媒体より更に多くの触媒を担持することができ、圧力損失がより小さいハニカム触媒体の担体として使用可能なハニカム構造体を製造することができる。
[1−3]焼成工程:
本工程では、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る。焼成温度は、ハニカム成形体の材質よって適宜決定することができる。例えば、ハニカム成形体の材質がコージェライトの場合、焼成温度は、1380〜1450℃が好ましく、1400〜1440℃が更に好ましい。また、焼成時間は、3〜10時間程度とすることが好ましい。
ハニカム成形体を焼成する前に乾燥させてもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、これらの中でも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。また、乾燥条件としては、乾燥温度30〜150℃、乾燥時間1分〜2時間とすることが好ましい。
ハニカム成形体を焼成した後に、外周に外周コート材を塗工して外周壁を形成してハニカム構造体としてもよい。外周コート材としては、特に限定されず、公知の外周コート材を用いることができる。また、外周コート材の塗工方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。また、焼成したハニカム成形体の外周壁を研削した後に、外周コート材を塗工してもよい。外周壁を研削する方法は、特に限定されず、公知の研削方法を用いることができる。研削方法としては、例えば、円筒研削機等を挙げることができる。
[2]ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の製造方法により作製されるハニカム構造体は、例えば、図1、図2に示すハニカム構造体100のように、一方の端面2から他方の端面3まで貫通する、流体の流路となる複数のセル4を区画形成する多孔質の隔壁5を備えるものである。
ハニカム構造体100の隔壁5の厚さは、0.060〜0.288mmであることが好ましく、0.108〜0.240mmであることが更に好ましく、0.132〜0.192mmであることが特に好ましい。隔壁5の厚さが上記範囲であることにより、圧力損失の増大を防止することができる。隔壁5の厚さは、中心軸に平行な断面を電子顕微鏡で観察して測定した値である。
ハニカム構造体100のセル密度(セルの延びる方向に直交する断面における、単位面積当たりのセルの個数)は、15〜140個/cmであることが好ましく、31〜116個/cmであることが更に好ましく、46〜93個/cmであることが特に好ましい。上記セル密度が上記範囲であると、圧力損失の増大を良好に防止することができる。
ハニカム構造体100の隔壁5の気孔率は、45〜65%であることが好ましく、50〜60%であることが特に好ましい。隔壁5の気孔率が上記範囲であると、ハニカム構造体の強度を適度に維持しつつ、圧力損失の増大を防止することができる。隔壁5の気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
隔壁5の平均細孔径は、1〜70μmであることが好ましく、10〜60μmであることが更に好ましく、20〜40μmであることが特に好ましい。上記平均細孔径が上記範囲であると、圧力損失の低下を良好に防止しつつ、粒子状物質を良好に捕捉することができる。隔壁5の平均細孔径は、水銀ポロシメータで測定した値である。
ハニカム構造体(ハニカム触媒体)は、40〜800℃における、セルの延びる方向の熱膨張係数が、1.0×10−6/℃以下であることが好ましく、0.8×10−6/℃以下であることが更に好ましく、0.5×10−6/℃以下であることが特に好ましい。上記熱膨張係数が上記範囲内あると、高温環境下での使用時において過大な熱応力が発生し難いためハニカム構造体が破損することを防止できる。ここで、本明細書において「熱膨張係数」は、押し棒式熱膨張計法により測定される値である。
ハニカム構造体100の形状は、特に限定されないが、円筒形状、底面が楕円形の筒形状、底面が四角形、五角形、六角形等の多角形の筒形状等が好ましく、円筒形状であることが更に好ましい。また、ハニカム構造体100の大きさは、特に限定されないが、セルの延びる方向における長さが50〜300mmであることが好ましい。また、例えば、ハニカム構造体100の外形が円筒形の場合、その底面の直径は、110〜350mmであることが好ましい。
ハニカム構造体の中心軸方向の長さLは、通常、50〜300mmである。
[3]ハニカム触媒体の製造方法:
本発明のハニカム構造体の製造方法により作製されるハニカム構造体を触媒担体とするハニカム触媒体は、例えば以下のように製造することができる。
まず、上述した本発明のハニカム構造体の製造方法に従って触媒担体としてハニカム構造体を作製する。次に、作製したハニカム構造体の隔壁の細孔の内表面、及び隔壁表面に触媒を担持させることにより、ハニカム触媒体を製造することができる。
触媒の担持方法については特に制限はなく、従来公知のハニカム触媒体の製造方法において用いられる方法に従って触媒を担持することができる。例えば、まず、触媒を含有する触媒スラリーを調製する。その後、調製した触媒スラリーを、ディッピングや吸引によりセル内に流入させる。この触媒スラリーは、セル内の隔壁の表面全体に塗工することが好ましい。そして、触媒スラリーをセル内に流入させた後に、余剰スラリーを圧縮空気で吹き飛ばす。その後、触媒スラリーを乾燥、焼付けする方法等を挙げることができる。焼き付け条件は450〜700℃、0.5〜6時間とすることができる。
[3−1]触媒:
触媒は、目的に応じて適宜決定することができる。例えば、三元触媒、酸化触媒、NO選択還元触媒、NO吸蔵還元触媒などを挙げることができる。触媒の単位体積当りの担持量は、100〜300g/リットルであることが好ましく、150〜250g/リットルであることが更に好ましい。
三元触媒とは、主に炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)を浄化する触媒のことをいう。例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)を含む触媒を挙げることができる。この三元触媒により、炭化水素は水と二酸化炭素に、一酸化炭素は二酸化炭素に、窒素酸化物は窒素に、それぞれ酸化或いは還元によって浄化される。
酸化触媒としては、貴金属を含有するものを挙げることができ、具体的には、Pt、Rh及びPdからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものが好ましい。
NO選択還元触媒としては、金属置換ゼオライト、バナジウム、チタニア、酸化タングステン、銀、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも1種を含有するものを挙げることができる。
NO吸蔵還元触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等を挙げることができる。アルカリ金属としては、K、Na、Li等を挙げることができる。アルカリ土類金属としては、Caなどを挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[気孔率(%)]:
水銀ポロシメータ(Micromeritics社製、商品名:Auto Pore III 型式9405)を用いて測定した。
[平均細孔径(μm)]:
平均細孔径は、水銀ポロシメータ(水銀圧入法)によって測定されたもので、ハニカム構造体に圧入された水銀の累積容量が、多孔質基材の全細孔容積の50%となった際の圧力から算出された細孔径を意味するものとする。水銀ポロシメータとしては、Micromeritics社製、商品名:Auto Pore III 型式9405を用いた。
[触媒担持量(g/L)]:
ハニカム触媒体の容積1リットル当りの、触媒の担持量(g/L)を算出した。
[貴金属担持量(g/L)]:
ハニカム触媒体の容積1リットル当りの、触媒に含まれる貴金属の担持量(g/L)を算出した。
(実施例1)
[ハニカム構造体の作製]
コージェライト化原料として、27.32質量%のアルミナ(平均粒径1μm、アスペクト比15)、47.57質量%のタルク、2.50質量%のカオリン、及び、22.61質量%のシリカを使用し、このコージェライト化原料100質量部に、分散媒として水を79.0質量部、造孔材を3.00質量部、有機バインダとしてメチルセルロースを7質量部、界面活性剤を0.10質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。各原料の配合を表1に示す。
次に、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セル形状が四角形(セルの延びる方向に直交する断面において四角形のセル)で、全体形状が円柱形(円筒形)のハニカム成形体を得た。そして、ハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。
その後、得られたハニカム成形体を、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによってハニカム構造体を得た。
[ハニカム触媒体の作製]
平均粒子径が40μmであるγAlと平均粒子径が1.5μmであるCeOとの混合物粒子(比表面積50m/g)をボールミルにて湿式解砕し、細孔を有する平均粒子径2.0μmの解砕粒子を得た。得られた解砕粒子を、Pt及びRhを含む溶液に浸漬して解砕粒子の細孔内にPt及びRhを担持させた。その後、Pt及びRhを担持させた解砕粒子に、酢酸及び水を加えて塗工用スラリーを得た。そして、この塗工用スラリーに、作製したハニカム構造体を浸漬させた。このようにして、ハニカム構造体の隔壁表面、及び、隔壁の細孔表面に触媒を塗工して触媒層を形成した。その後、乾燥させ、更に600℃で3時間焼成させることによってハニカム触媒体を得た。なお、白金(Pt)とロジウム(Rh)との割合(Pt:Rh)は、5:1となるように構成した。
得られたハニカム触媒体は、直径が110mmであり、中心軸方向の長さ(表2中、「長さ」と記す)が100mmであり、隔壁厚さが114.3μmであり、セル密度が62個/cmであり、隔壁の気孔率が60%であり、隔壁の平均細孔径が15μmであった。ハニカム触媒体の触媒(酸化物(γAlとCeO))の担持量(表2中、「触媒担持量」と記す)は200g/リットルであり、ハニカム触媒体の単位体積当たりの貴金属の担持量(表2中、「貴金属担持量」と記す)は1.50g/リットルであった。測定結果を表2に示す。
Figure 2012197186
Figure 2012197186
作製したハニカム触媒体について、[圧力損失比]、[A軸圧縮強度]、及び[熱膨張係数]の各評価を行った。各評価の評価方法を以下に示す。
[圧力損失比]
室温条件下、0.5m/分の流速でエアーを試料(ハニカム触媒体)に流通させ、試料前後の差圧(エアー流入側の圧力とエアー流出側の圧力との差)を測定することで、圧力損失を算出した。なお、表2中、「圧力損失比」とは、比較例2のハニカム触媒体の圧力損失に対する、実施例1〜11、比較例1,3〜9の各ハニカム触媒体の圧力損失の比の値を意味する。
[A軸圧縮強度]
A軸圧縮強度とは、社団法人自動車技術会発行の自動車規格であるJASO規格M505−87に規定されている圧縮強度(MPa)のことである。具体的には、ハニカム構造体(ハニカム触媒体)に、その中心軸方向に圧縮荷重を負荷したときの破壊強度であり、ハニカム構造体が破壊されるときの圧力を「A軸圧縮強度」とする。
[熱膨張係数]
熱膨張係数は、JIS R1618に準じて押し棒式熱膨張計法により測定した。
本実施例で作製したハニカム触媒体は、圧力損失比が0.80であり、A軸圧縮強度が0.61MPaであり、熱膨張係数が1.63×10−6/℃であった。各評価([圧力損失比]、[A軸圧縮強度]、及び[熱膨張係数])の結果を表2に示す。
(実施例2〜11、比較例1〜9)
表1に示す配合処方とし、表2に示す、直径、中心軸方向の長さ、隔壁厚さ、セル密度、隔壁の気孔率、隔壁の平均細孔径を満たすハニカム構造体を作製した後、作製したハニカム構造体を用いて、表2に示す、触媒の担持量、及び貴金属の担持量を満たすハニカム触媒体を作製した。作製したハニカム触媒体について、実施例1と同様にして、[圧力損失比]、[A軸圧縮強度]、及び[熱膨張係数]の各評価を行った。評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、実施例1〜11のハニカム構造体の製造方法により作製されたハニカム構造体を担体として使用したハニカム触媒体は、比較例1〜9のハニカム構造体の製造方法により作製されたハニカム構造体を担体として使用したハニカム触媒体に比べて、従来のハニカム触媒体よりも多くの触媒を担持することができ、圧力損失が小さく、かつ、高い強度を有するハニカム触媒体であることが確認できた。
本発明のハニカム構造体の製造方法により作製したハニカム構造体は、エンジンから排出される排ガスの浄化に好適に用いることができる。
2:一方の端面、3:他方の端面、4:セル、5:隔壁、7:外周壁、12:気孔、18:大気孔、100:ハニカム構造体。

Claims (2)

  1. 平均粒径0.5〜10μmでアスペクト比5〜20のアルミナを含有するセラミック原料及び分散媒を含む成形原料を混練して坏土を得る坏土調製工程と、
    得られた前記坏土をハニカム形状に押出成形して一方の端面から他方の端面まで貫通する複数のセルが形成されたハニカム成形体を得る成形工程と、
    得られた前記ハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る焼成工程と、を備えるハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記セラミック原料として、30〜45質量%の前記アルミナを含有するものを用いる請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
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