JP2012182349A - プラズマ処理装置及び被処理体のプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及び被処理体のプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】互いに異なるガスをガス種に応じて適切にプラズマ化でき、高品質の薄膜を成膜できるプラズマ処理装置及び被処理体のプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】真空槽1と、真空槽1内に配置され、真空槽1の内部空間8を被処理体4が配置される第1の空間8aと第2の空間8bとに仕切る仕切部7と、仕切部7に設けられ、第1の空間8aに向けてガスを放出するガス放出孔7b1と、ガス放出孔7b1に真空槽1外から第1のガスを導入する第1のガス導入部と、第1の空間8aに真空槽1外から第2のガスを導入する第2のガス導入部と、第2の空間8b側に配置され、内部空間8に高周波放電によってプラズマを発生させるアンテナ5bを備えるプラズマ処理装置を用い、互いに異なるエネルギーでプラズマ化された第1のガスと第2のガスとにより被処理体4上に薄膜を成膜する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波放電によりプラズマ化された互いに異なるガスを用いて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置及び被処理体のプラズマ処理方法に関するものである。
高周波放電によりガスをプラズマ化させるCVD(Chemical Vapor Deposition)装置等のプラズマ処理装置には、高周波を放電させるアンテナをチャンバの外部に備えるものと内部に備えるものとが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
図4は、特許文献1に記載された外部アンテナ方式の誘導結合型プラズマCVD装置(ICP(Inductively Coupled Plasma)−CVD装置)を模式的に示す図である。
該CVD装置80は、半球状の石英容器を備えた反応室81の外周に沿って上部から下部に向かって巻線状のヘリカルアンテナコイル82が配置されており、該アンテナコイル82に高周波電源83が接続されている。すなわち、高周波電源83の一端は、マッチングボックス84を介してヘリカルアンテナコイル上部82aに接続され、他端はヘリカルアンテナコイル下部82bと接続され接地されている。反応室81は真空排気口85を介して排気系86に接続されている。反応室81上部には、シャワーヘッド89が配置されており、該シャワーヘッド89にはガス導入管88が接続され、ガス導入管88にはガス導入系87が接続されている。反応室81内の下部には、処理対象物90を載置するためのステージ91が設置されていて、このステージ91は接地されている。
上記図4に示すCVD装置80では、次のようにして処理対象物90表面に薄膜が形成される。反応室81は、真空排気口85を介して排気系86により真空排気される。ガスは、ガス導入系87からガス導入管88を介して反応室81上部のシャワーヘッド89に導入される。アンテナコイル82に高周波電源83から高周波が印加されると、プラズマを生成する。高周波電源83によるアンテナ電流が作る磁界の時間変化により電界を誘導し、この電界で電子が加速してプラズマ放電が起き、原料ガスによって処理対象物90表面に薄膜が形成される。
また、図5は、特許文献2に記載された内部アンテナ方式の誘導結合型プラズマ装置を模式的に示す図である。
該装置では、矩形の真空槽100の側壁112の各々より、導入フランジ130を介して、アンテナ125が内部に導入されている。アンテナ125は一端をマッチングボックス126を介して、高周波電源127に接続されており、他端は接地電位に接続されている。真空槽100の下部には、真空槽100内の排気を行うための排気用ポート123とヒーターが埋め込まれた基板ホルダー124が設けられている。ガスは側壁112に取り付けられたガス導入ポート122を介して導入される。
上記図5に示すプラズマ装置では、次のようにして処理対象物140表面に薄膜が形成される。真空槽100を所定圧力まで真空排気し、基板ホルダー124上に処理対象物140を配置した状態で、ヒーターにより加熱し、ガス導入ポート122よりガスを導入し、アンテナ125に高周波電圧を印加すると、アンテナ125の周囲にプラズマが形成され、活性化された原料ガスによって処理対象物140表面に薄膜が形成される。
また、図6は、特許文献3に記載された誘導結合型プラズマCVD装置を模式的に示す図である。
該CVD装置210は、例えば、SUS304等のステンレス鋼等から構成され、真空状態に維持される円筒形の反応チャンバー212を備えている。反応チャンバー212内は、反応チャンバー212の底壁216に形成された排気口213を介して、真空ポンプ等の真空源に接続することによって、一定の真空状態に維持されるようになっている。反応チャンバー212内には、表面にシリコン薄膜等の薄膜を蒸着する基材Aを設置する基材設置部を構成するステージ214が配置されている。反応チャンバー212の上方には、リング形状の高周波印加コイル218が設けられている。高周波印加コイル218の基端部分220及び222は、反応チャンバー212の頂壁217を貫通して、反応チャンバー212外部に設けられた高周波電源224に接続されている。高周波印加コイル218と高周波電源224の間には図示しないマッチング回路が配設されており、高周波電源224により発生した高周波を損失なく高周波印加コイル218へ伝播できるようになっている。また、反応チャンバー212の上方より反応ガスを導入するために、反応チャンバー212の頂壁217を貫通して、シャワー状あるいはリング状のガス導入ノズル225が設けられている。ガス導入ノズル225は、リング形状の高周波印加コイル218の中心を通過するように配置されている。
上記図6に示すCVD装置210では、次のようにして基材A表面に薄膜が形成される。真空ポンプ等の真空源を作動して、排気口213を介して排気することにより、反応チャンバー212内を真空状態に維持する。次いで、反応チャンバー212の側部に接続された圧力調整室内に、処理すべき基材Aを搬入した後、この圧力調整室内の圧力を反応チャンバー212内の圧力と同じ真空度になるように調整する。次いで、ゲートバルブを開放して、基材Aを反応チャンバー212内のステージ214の上に載置する。次いで、反応チャンバー212の外部に設けられた高周波電源224から高周波印加コイル218に高周波を印加するとともに、ガス導入ノズル225を介して反応ガスを反応チャンバー212内に供給する。こうして反応ガスを供給しつつ高周波印加コイル218に印加された高周波により誘導結合型プラズマを発生させて、ステージ214に載置された基材Aの表面にシリコン薄膜を析出形成する。
特開平7−302694号公報 特開2004−39719号公報 特開2002−164290号公報
ところで、欠陥密度の低い高品質な微結晶シリコン薄膜を成膜するためには、水素ラジカルとシリル(SiH)ラジカルとが必要であるといわれている。しかしながら、一般的に、シラン(SiH)と水素(H)とが同時に存在するような空間では、プラズマエネルギーを上げると、水素の解離が進行し、水素ラジカルの生成量が増加するが、同時にシランの解離も進行する。このため、成膜種であるSiHラジカルの生成量が相対的に減少する。逆に、シランの解離を抑制するためにプラズマエネルギーを下げると、水素の解離する割合も減少し、その結果として水素ラジカルの生成量が減少する。
このように、水素ラジカルの生成量とSiHラジカルの生成量とを同時に増加することは、相反する両立困難なことであると知られている。
また、上記のような従来のプラズマ処理装置では、処理対象物が大面積の基板であっても、シリコン薄膜等の薄膜を均一な膜厚で形成することが望まれている。その一方で、従来のICP−CVD装置では、該装置に特有のアンテナ近傍における高密度プラズマによってシランの解離が過度に進行する。シランの過度の解離により、従来のICP−CVD装置では、SiHラジカルの生成がうまくできず、SiHラジカルの生成量よりもSiラジカル、SiHラジカル、SiHラジカルの生成量が増加する。これらSiHラジカル以外のラジカルはシランと2次反応又は3次反応をすることにより、ダイマー、トリマー等が生成され、結果として膜の欠陥密度が増加し、膜質が低下するという問題が生じる。
上記のような理由により、従来のプラズマ処理装置では、膜質を向上するためにSiHラジカルの生成量と水素ラジカルの生成量の両方を増加させることは困難である。
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、互いに異なるガスをガス種に応じて適切にプラズマ化することができ、高品質の薄膜を成膜することができるプラズマ処理装置及び被処理体のプラズマ処理方法を提供することを目的としている。
すなわち、本発明のプラズマ処理装置は、被処理体が収納される内部空間を有する反応室と、前記反応室内に配置され、前記内部空間を前記被処理体が配置される第1の空間と前記第1の空間以外の第2の空間とに仕切る仕切部と、前記仕切部に設けられ、前記第1の空間に向けてガスを放出するガス放出部と、前記ガス放出部に前記反応室外から第1のガスを導入する第1のガス導入部と、前記第1の空間又は前記第2の空間に前記反応室外から前記第1のガスと異なる第2のガスを導入する第2のガス導入部と、前記第2の空間内部又は前記第2の空間側外部に配置され、前記内部空間に高周波放電によってプラズマを発生させるプラズマ発生源と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の被処理体のプラズマ処理方法は、仕切部によって内部空間が第1の空間と第2の空間とに仕切られた反応室を用いて、前記第1の空間に被処理体を配置し、前記仕切部を通して前記第1の空間に第1のガスを導入するとともに、前記第1の空間又は前記第2の空間に、前記第1のガスと異なる第2のガスを導入しつつ、前記第2の空間に高周波放電を生じさせて前記第1のガスと前記第2のガスとに異なる放電エネルギーを与えて前記第1のガスと前記第2のガスとをプラズマ化し、プラズマ化によって生成された前記第1のガスのラジカルと前記第2のガスのラジカルとによって前記被処理体の処理を行うことを特徴とする。
上記本発明によれば、第1のガスは、反応室の内部空間を第1の空間と第2の空間とに仕切る仕切部のガス放出部を通して第1の空間に導入される。一方、第2のガスは、第1の空間又は第2の空間に導入される。このようなガス導入において、プラズマ発生源は第2の空間内部又は第2の空間側外部に配置されているため、プラズマ発生源による高周波放電により、第1のガスと第2のガスとは、プラズマ発生源からの遠近に応じて互いに異なる放電エネルギーが与えられてプラズマ化される。このように第1のガスと第2のガスとを互いに異なるエネルギーでプラズマ化することができるため、第1のガスと第2のガスとをガス種に応じて適切にプラズマ化することができる。したがって、上記本発明によれば、プラズマ化により第1のガスから生成されるラジカル等の反応種と、プラズマ化により第2のガスから生成されるラジカル等の反応種とをそれぞれ薄膜の成膜に好適な生成量で生成することができ、高品質の薄膜を成膜することができる。
まず、第2のガスを第1の空間に導入する構成の場合には、仕切部のガス放出部を通して第1の空間に導入される第1のガスと比較して、第1の空間における第2のガスがより低いエネルギーでプラズマ化される。こうして、比較的高いエネルギーでプラズマ化された第1のガスと、比較的低いエネルギーでプラズマ化された第2のガスとにより、第1の空間において被処理体上に薄膜が成膜される。
他方、第2のガスを第2の空間に導入する構成の場合には、仕切部のガス放出部を通して第1の空間に導入される第1のガスと比較して、第2の空間における第2のガスがより高いエネルギーでプラズマ化される。なお、この場合、第2の空間における第2のガスが第1の空間に導入される必要がある。このためには、第1の空間と第2の空間とが連通する連通部を反応室内に設ければよい。例えば、連通部は、連通孔等として仕切部に設けることができる。第2の空間においてプラズマ化された第2のガスは、連通部を介して第1の空間に導入される。こうして、比較的高いエネルギーでプラズマ化された第2のガスと、比較的低いエネルギーでプラズマ化された第1のガスとにより、第1の空間において被処理体上に薄膜が成膜される。
例えば、微結晶シリコン薄膜を成膜する際には、上記第1のガスと第2のガスとを導入する構成に応じて、第1のガスと第2のガスとを以下のように選択して成膜を行うことができる。
まず、第2のガスを第1の空間に導入する構成の場合には、第1のガスとして水素含有ガスを選択し、第2のガスとしてシラン系ガスを選択することができる。水素含有ガスとしては、水素の単一ガス、又は、水素ガスと希ガス、ホスフィンガス及びジボランガスのうちの1種以上とを含む混合ガスが挙げられる。例えば、水素+希ガス、水素+ホスフィン、水素+ホスフィン+希ガス、水素+ジボラン、水素+ジボラン+希ガス等が示される。シラン系ガスとしては、シランガス、ジシランガス等が挙げられる。
他方、第2のガスを第2の空間に導入する構成の場合には、第1のガスとしてシラン系ガスを選択し、第2のガスとして水素含有ガスを選択することができる。水素含有ガス及びシラン系ガスとしては上記と同様のガスが挙げられる。
上記いずれの場合においても、水素含有ガスは、シラン系ガスが導入される空間と比較してプラズマ発生源に近接する空間又はプラズマ発生源が配置される空間に導入される。このため、水素含有ガスは比較的高いエネルギーでプラズマ化されて、水素ラジカルが十分な生成量で生成される。他方、シラン系ガスは、水素含有ガスが導入される空間と比較してプラズマ発生源から離間した空間に導入される。このため、シラン系ガスは、比較的低いエネルギーでプラズマ化される。これにより、成膜種となるSiHラジカルへのシラン系ガスの分解が促進されるとともに、SiHラジカルの分解が抑制されてSiラジカル、SiHラジカル、SiHラジカルの生成が抑制される。この結果、SiHラジカルが十分な生成量で生成される。
なお、水素含有ガスを第2の空間に導入する構成の場合には、第2の空間において生成した水素ラジカルは第2の空間から第1の空間に連通部を介して導入される。
以上のように、本発明によれば、微結晶シリコン薄膜を成膜する場合には、水素含有ガスとシラン系ガスとを互いに異なるエネルギーでプラズマ化することができ、水素ラジカルとSiHラジカルとをそれぞれ十分な生成量で生成することができる。これにより、被処理体上に欠陥密度の低い高品質の微結晶シリコン薄膜を成膜することができる。
但し、本発明としては、上記処理内容に限定されるものではない。
なお、第1のガス導入部は、仕切部内部に設けられたガス流路を有するように構成してもよく、該ガス流路と前記ガス放出部とが連通しているようにすることができる。また、このガス流路は、仕切部の仕切面方向に沿って仕切部内部に形成されたガス室で構成されていてもよい。この場合、第1のガスは、ガス流路を経た後、ガス放出部から第1の空間に向けて放出される。このようなガス流路を仕切部に設けることにより、ガス流路内で第1のガスを第2のガスから隔離しつつプラズマ化することができる。
また、ガス放出部は、前記仕切部の仕切面方向に亘って複数が分散配置されていてもよい。分散配置された複数のガス放出部は、仕切面の仕切方向に亘って第1のガスを第1の空間にシャワー状に放出することができる。このように第1のガスをシャワー状に放出することにより、被処理体の中心部から周縁部に亘って、より均一な膜厚及び膜質を有する薄膜を成膜することができる。
また、仕切部は、誘電体で構成されていることが望ましい。仕切部は、誘電体で構成されていることにより、プラズマ発生源により発生した電磁波を透過することができる。これにより、第2の空間のみならず、第1の空間にまでも、プラズマ発生源により高周波放電を発生させてプラズマを発生させることができる。
すなわち、本発明によれば、反応室の内部空間を第1の空間と第2の空間とに仕切る仕切部のガス放出部を通して第1の空間に第1のガスを導入するとともに、第1の空間又は第2の空間に、第1のガスと異なる第2のガスを導入しつつ、第2の空間内部又は第2の空間側外部に配置されたプラズマ発生源による高周波放電により第1のガスと第2のガスとをプラズマ化するので、互いに異なるガスをガス種に応じて適切にプラズマ化することができ、高品質の薄膜を成膜することができる。
本発明の一実施形態のプラズマ処理装置を示す概略図である。 同じく、そのガス放出板及び仕切板を示す部分拡大図である。 同じく、仕切部の構成を変更した他の実施形態のプラズマ処理装置を示す概略図である。 従来の誘導結合型プラズマCVD装置を模式的に示す図である 従来の誘導結合型プラズマ装置を模式的に示す図である。 従来の他の誘導結合型プラズマCVD装置を模式的に示す図である。
(実施形態1)
以下、本発明の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態のプラズマ処理装置を示す概略図である。図2は、図1に示すプラズマ処理装置におけるガス放出板及び仕切板を示す部分拡大図である。
本実施形態のプラズマ処理装置は、本発明の反応室に相当する真空槽1を有している。真空槽1は、周側壁1a1及び底板1a2により構成される真空槽下部本体1aと、周側壁1b1及び天板1b2により構成される真空槽上部本体1bとを有し、両者を上下に重ねて密閉している。周側壁1a1及び底板1a2は一体に構成され、周側壁1b1及び天板1b2とは別体で構成されている。周側壁1b1及び天板1b2とは、密着固定されているものの、互いに分離できるようにしても良い。
例えば、周速壁1b1を高さの異なるものに変更することで、真空槽1の高さを容易に変更できる。
また、周側壁1b1の内径は、周側壁1a1の内径よりも大きくなっており、両者を重ねた際には、周側壁1a1の上端部の一部が段部として真空槽1内に露出する。また、周側壁1b1の壁厚は周側壁1a1の壁厚よりも小さくなっており、周側壁1b1と周側壁1a1の外径は一致している。
真空槽下部本体1aの内部中央には、ステージ3が設置されている。ステージ3上には、プラズマ処理を行うべき被処理体4が載置されて保持されるようになっている。被処理体4は、例えば、半導体基板、ガラス基板等の基板である。ステージ3には、図示しない加熱用ヒーターが埋設されている。
真空槽上部本体1bの天板1b2中央には、高周波放電により真空槽1内にプラズマを発生させるプラズマ発生部5が下向きに設けられている。プラズマ発生部5は、マッチング回路等を備えたプラズマ発生部本体5aと、真空槽1内に高周波放電を発生させてプラズマを発生させるプラズマ発生アンテナ5bとを有している。プラズマ発生部本体5aは、真空槽上部本体1bの天板1b2中央に嵌装されている。プラズマ発生アンテナ5bは、プラズマ発生部本体5aの真空槽1内側に接続され、真空槽1内の上部に配置されている。プラズマ発生部5は、本発明のプラズマ発生源に相当する。
また、プラズマ発生部本体5aの真空槽1外側には、高周波電源6が接続されている。高周波電源6の出力周波数は、例えば13.56MHzである。
真空槽1内のステージ3とプラズマ発生アンテナ5bとの間には、ステージ3に載置された被処理体4に対向するように、偏平箱状の仕切部7が設けられている。仕切部7は、後述するようにガスをシャワー状に放出する機能を有している。
仕切部7は、真空槽上部本体1bの周側壁1b1内側で、真空槽下部本体1aの周側壁1a1の上部段部に跨って真空槽下部本体1aの上部開口部を覆うように配置されている。真空槽1の内部空間8は、仕切部7により、被処理体4が配置されるステージ3側の第1の空間8aと、プラズマ発生アンテナ5b側の第2の空間8bとに仕切られている。
仕切部7は、第1のガスが導入されるガス室7aと、ガス室7aの第1の空間8a側に間隔を置いて多段に設けられた複数の仕切板7cと、ステージ3に載置された被処理体4に対向するガス放出板7bとを有している。仕切部7の各部は、誘電体で構成されており、プラズマ発生アンテナ5bにより発生した電磁波を透過することができるようになっている。
ガス室7aの側壁には、第1のガスが流れるガス流路9が設けられている。ガス流路9は、一端がガス室7aに開口し、他端が仕切部7の側壁下端面に開口している。
真空槽下部本体1aの周側壁1a1には、第1のガスが流通するガス流路10が設けられている。ガス流路10は、前記ガス流路9と連通する位置で周側壁1a1上に一端が開口している。ガス流路10の他端は、周側壁1a1の外周面に開口している。ガス流路10の周側壁1a1の外周面に開口する開口部には、第1のガスが導入される第1のガス導入口11が設けられている。第1のガス導入口11に導入される第1のガスは、ガス流路10及びガス流路9を介して、ガス室7a内に導入される。
ガス室7a下方に設けられた複数の仕切板7cは、上下に貫通する複数の通気孔7c1が形成されている。複数の通気孔7c1は、仕切板7cの板面方向に亘って分散配置されている。通気孔7c1は、仕切板7cの板面に沿った断面において、例えば好適には直径1mmの円形の断面形状を有している。なお、図1には、2枚の仕切板7cが設けられている場合を示しているが、3枚以上の仕切板7cが設けられていてもよい。また、仕切板7cは、1枚であってもよいし、設けられていなくてもよい。
仕切板7cの下方側に距離を隔てて設けられたガス放出板7bは、上下に貫通する複数のガス放出孔7b1が形成されている。各ガス放出孔7b1は、放出板7bと仕切板7cとの間隙および仕切板7の通気孔7c1を通してガス室7a内に連通している。複数のガス放出孔7b1は、ガス放出板7bの板面方向に亘って分散配置されている。ガス放出孔7b1は、ガス放出板7bの板面に沿った断面において、例えば好適には直径1mmの円形の断面形状を有している。ガス放出孔7b1は、本発明のガス放出部に相当する。
図2は、ガス放出板7b及び仕切板7cの板面に垂直な方向における断面を拡大して示している。図示するように、ガス放出板7bの複数のガス放出孔7b1及び各仕切板7cの複数の通気孔7c1は、板面に垂直な方向の断面において互い違いに配列されている。
第1のガス導入口11、ガス流路10、ガス流路9、及びガス室7aは、本発明の第1のガス導入部を構成する。第1のガス導入口11には、第1のガス供給管12を介して、第1のガスを供給する第1のガス供給源13が接続されている。
また、第1のガス導入口11に対向する側の真空槽下部本体1aの周側壁1a1には、第2のガスが流れるガス流路14が設けられている。ガス流路14は、周側壁1a1外周面上部及び周側壁1a1内周面上部に開口している。ガス流路14の周側壁1a1の外周面上部に開口した開口部には、第2のガスが導入される第2のガス導入口15が設けられている。第2のガス導入口15に導入される第2のガスは、ガス流路14を介して真空槽1内の第1の空間8aに導入される。
第2のガス導入口15及びガス流路14は、本発明の第2のガス導入部に相当する。第2のガス導入口15には、第2のガス供給管16を介して、第2のガスを供給する第2のガス供給源17が接続されている。
また、真空槽下部本体1aの周側壁1a1及びガス室7aの側壁には、真空槽1内の第1の空間8aと第2の空間8bとを連通するガス排気路18が設けられている。ガス排気路18により、真空排気系2により真空槽1内を真空排気した際に第1の空間8aと第2の空間8bとを互いに同じ真空度の真空状態とすることが可能になっている。
次に、上記図1に示すプラズマ処理装置の動作について説明する。
まず、ステージ3上に被処理体4を載置して保持する。次いで、真空排気系2により真空槽1内を真空排気し、真空槽1内を所定の真空度の真空状態とする。第1の空間8aと第2の空間8bとは、これらを連通するガス排気路18により、互いに同じ真空度の真空状態となる。真空槽1内が所定の真空度となった後、ステージ3に埋設された加熱用ヒーターにより、ステージ3上の被処理体4を所定の温度に加熱する。なお、真空排気系2では、以後、真空槽1内が所定の真空度に維持されるように真空排気を継続する。
次いで、第1のガス供給源13から、第1のガス供給管12を通して第1のガスを第1のガス導入口11に導入する。第1のガス導入口11に導入された第1のガスは、ガス流路10及びガス流路9を通して、仕切部7のガス室7a内に導入される。
ガス室7a内に導入された第1のガスは、仕切板7cの複数の通気孔7c1を通過した後、ガス放出板7bの複数のガス放出孔7b1から第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。
なお、複数の通気孔7c1及び複数のガス放出孔7b1は前記のように互い違いに配列されているため、これらを通過する第1のガスが分散されて均一化される。
また、上記第1のガスの導入と並行して、第2のガス供給源17から、第2のガス供給管16を通して第2のガスを第2のガス導入口15に導入する。第2のガス導入口15に導入された第2のガスは、ガス流路14を通して真空槽1内の第1の空間8aに導入される。
上記のように第1のガスと第2のガスとを真空槽1内に導入しつつ、プラズマ発生アンテナ5bに、プラズマ発生部本体5aのマッチング回路等を介して、高周波電源6により高周波電圧を印加する。真空槽1内では、高周波電圧が印加されたプラズマ発生アンテナ5bにより、第2の空間8b側から第1の空間8a側に向けて高周波放電が発生する。第1の空間8aと第2の空間8bとを仕切る仕切部7が誘電体で構成されているため、第2の空間8bのみならず、第1の空間8aにまでも高周波放電が発生する。
ガス室7a内では、上記プラズマ発生アンテナ5bにより発生した高周波放電により、放電エネルギーが与えられて第1のガスがプラズマ化される。ガス室7aは、第1の空間8aよりもプラズマ発生アンテナ5bに近接して設けられている。このため、ガス室7a内の第1のガスは、以下に述べる第1の空間8a内の第2のガスよりも高いエネルギーでプラズマ化される。特に第1のガスは、ガス室7a内で移動、滞留しつつ第1の空間8aに放出されるため、この際に効果的に放電エネルギーを受けて効果的にプラズマ化される。
また、第1の空間8a内では、上記プラズマ発生アンテナ5bにより発生した高周波放電により、放電エネルギーが与えられて第2のガスがプラズマ化される。第1の空間8aは、ガス室7aよりもプラズマ発生アンテナ5bから離間して存在している。このため、第1の空間8a内の第2のガスは、ガス室7a内の第1のガスよりも低いエネルギーでプラズマ化される。
ガス室7a内においてプラズマ化された第1のガスは、仕切板7cの複数の通気孔7c1、ガス放出板7bの複数のガス放出孔7b1を通して第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。これにより、プラズマ化された第1のガスとプラズマ化された第2のガスとが、第1の空間8a内の被処理体4の近傍で接触して反応する。この結果、被処理体4上に薄膜が成膜される。
上述のように、本実施形態においては、第1のガスと第2のガスとを互いに異なるエネルギーでプラズマ化することができるため、第1のガスと第2のガスとをガス種に応じて適切にプラズマ化することができる。したがって、プラズマ化により第1のガスから生成されるラジカル等の反応種と、プラズマ化により第2のガスから生成されるラジカル等の反応種とをそれぞれ薄膜の成膜に好適な生成量で生成することができ、高品質の薄膜を成膜することができる。
具体的には、上記図1に示すプラズマ処理装置を用いて被処理体4上に微結晶シリコン薄膜を成膜する場合、例えば、第1のガスとして水素ガスを用い、第2のガスとしてSiHガスを用いる。
ガス室7aは、第1の空間8aよりもプラズマ発生アンテナ5bに近接して設けられている。このため、ガス室7a内の水素ガスは、第1の空間8a内のSiHガスよりも高いエネルギーでプラズマ化される。これにより、ガス室7a内において、水素ラジカルが十分な生成量で生成される。
他方、第1の空間8aは、ガス室7aよりもプラズマ発生アンテナ5bから離間して存在している。このため、第1の空間8a内のSiHガスは、ガス室7a内の水素ガスよりも低いエネルギーでプラズマ化される。これにより、成膜種となるSiHラジカルへのSiHガスの分解が促進されるとともに、SiHラジカルの分解が抑制されてSiラジカル、SiHラジカル、SiHラジカルの生成が抑制される。この結果、SiHラジカルが十分な生成量で生成される。
ガス室7a内において生成された水素ラジカルは、ガス放出板7bの複数のガス放出孔7b1から第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。これにより、水素ラジカルとSiHラジカルとが、第1の空間8a内の被処理体4の近傍で接触して反応する。この結果、被処理体4上に微結晶シリコン薄膜が成膜される。上述のように水素ラジカルとSiHラジカルとをいずれも十分な生成量で生成することができるため、欠陥密度の低い高品質の微結晶シリコン薄膜を成膜することができる。
本発明のプラズマ処理装置により成膜された薄膜は高品質であり、これを用いて太陽電池、薄膜トランジスタ等のデバイスを形成した場合、良好な電気的特性を得ることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態を図3に基づいて説明する。図3は、本発明の他の実施形態のプラズマ処理装置を示す概略図である。なお、前記実施形態1と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
本実施形態のプラズマ処理装置は、上記図1に示すプラズマ処理装置とは構成の異なる仕切部27を有し、また、第2のガス導入口35から第2の空間8bに第2のガスを導入するものである。
本実施形態のプラズマ処理装置は、上記図1に示すプラズマ処理装置と同様に、真空槽1と、真空排気系2と、ステージ3と、プラズマ発生部5と、高周波電源6とを有している。
真空槽1内のステージ3とプラズマ発生アンテナ5bとの間には、ステージ3に載置された被処理体4に対向するように、板状の仕切部27が設けられている。仕切部27は、周側壁1a1の上部段部に跨り、周側壁1a1の上部開口を覆っている。真空槽1の内部空間8は、仕切部27により、被処理体4が配置されるステージ3側の第1の空間8aと、プラズマ発生アンテナ5b側の第2の空間8bとに仕切られている。
仕切部27は、誘電体で構成されており、プラズマ発生アンテナ5bにより発生した電磁波を透過することができるようになっている。
仕切部27の内部には、第1のガスが流通するガス流路27bが形成されている。ガス流路27bは、仕切部27の板面に沿って均等に複数本に分岐している。
ガス流路27bの下面には、ガス流路27bに連通する複数のガス放出孔27cが仕切部27の板面方向に亘って分散配置されている。ガス放出孔27cは、仕切部27の板面に沿った断面において、好適には直径1mmの円形の断面形状を有している。ガス放出孔27cは、本発明のガス放出部に相当する。
さらに、仕切部27には、前記ガス放出孔27cと区別されて上下面に貫通する複数の連通孔27dが仕切部27の板面方向に亘って分散配置されている。第1の空間8aと第2の空間8bとは、連通孔27dを介して連通している。連通孔27dは、本発明の連通部に相当する。
真空槽下部本体1aの周側壁1a1には、第1のガスが流通するガス流路10が設けられている。ガス流路10は、真空槽下部本体1aの周側壁1a1外周面上部及び周側壁1a1上端面に開口している。真空槽下部本体1aの周側壁1a1上端面に開口するガス流路10の開口部は、仕切部27の端部下面に開口するガス流路27bの開口部に連通している。真空槽下部本体1aの周側壁1a1外周面上部に開口するガス流路10の開口部には、第1のガスが導入される第1のガス導入口11が設けられている。
第1のガス導入口11に導入される第1のガスは、ガス流路10及びガス流路27bを通して、ガス流路27bに導入され、複数のガス放出孔27cから第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。第1のガス導入口11、ガス流路10、及びガス流路27bは、本発明の第1のガス導入部を構成する。第1のガス導入口11には、第1のガス供給管12を介して、第1のガスを供給する第1のガス供給源13が接続されている。
また、第1のガス導入口11に対向する側の真空槽上部本体1bの周側壁1b1には、第2のガスが流通するガス流路34が設けられている。ガス流路34は、真空槽上部本体1bの周側壁1b1の外周面中央部及び周側壁1b1の内周面中央部に開口している。真空槽上部本体1bの周側壁1b1の外周面中央部に開口するガス流路34の開口部には、第2のガスが導入される第2のガス導入口35が設けられている。第2のガス導入口35に導入される第2のガスは、ガス流路34を通して真空槽1内の第2の空間8bに導入される。
第2のガス導入口35及びガス流路34は、本発明の第2のガス導入部を構成する。第2のガス導入口35には、第2のガス供給管16を介して、第2のガスを供給する第2のガス供給源17が接続されている。
次に、上記図3に示すプラズマ処理装置の動作について説明する。
まず、ステージ3上に被処理体4を載置して保持する。次いで、真空排気系2により真空槽1内を真空排気し、真空槽1内を所定の真空度の真空状態とする。第1の空間8aと第2の空間8bとは、これらを連通する複数の連通孔27dにより、互いに同じ真空度の真空状態となる。真空槽1内が所定の真空度となった後、ステージ3に埋設された加熱用ヒーターにより、ステージ3上の被処理体4を所定の温度に加熱する。なお、真空排気系2では、以後、真空槽1内が所定の真空度に維持されるように真空排気を継続する。
次いで、第1のガス供給源13から、第1のガス供給管12を通して第1のガスを第1のガス導入口11に導入する。第1のガス導入口11に導入された第1のガスは、ガス流路10を通して、仕切部27に形成されたガス流路27bに導入される。ガス流路27bに導入された第1のガスは、複数のガス放出孔27cから第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。
また、上記第1のガスの導入と並行して、第2のガス供給源17から、第2のガス供給管16を通して第2のガスを第2のガス導入口35に導入する。第2のガス導入口35に導入された第2のガスは、ガス流路34を通して真空槽1内の第2の空間8bに導入される。第2の空間8bに導入された第2のガスは、仕切部27の複数の連通孔27dを通して第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。
上記のように第1のガスと第2のガスとを真空槽1内に導入しつつ、プラズマ発生アンテナ5bに、プラズマ発生部本体5aのマッチング回路等を介して、高周波電源6により高周波電圧を印加する。真空槽1内では、高周波電圧が印加されたプラズマ発生アンテナ5bにより、第2の空間8b側から第1の空間8a側に向かって高周波放電が発生する。第1の空間8aと第2の空間8bとを仕切る仕切部27が誘電体で形成されているため、第2の空間8bのみならず、第1の空間8aにまでも高周波放電が発生する。
第2の空間8b内では、上記プラズマ発生アンテナ5bにより発生した高周波放電により、放電エネルギーが与えられて第2のガスがプラズマ化される。第2の空間8b内には、プラズマ発生アンテナ5bが設置されている。このため、第2の空間8b内の第2のガスは、以下に述べる仕切部27内及び第1の空間8a内の第1のガスよりも高いエネルギーでプラズマ化される。
また、仕切部27内、すなわちガス流路27b内及び複数の放出孔27c内では、上記プラズマ発生アンテナ5bにより発生した高周波放電により、放電エネルギーが与えられて第1のガスがプラズマ化される。特に第1のガスは、仕切部27内でガス流路27bを移動するため、この際に効果的に放電エネルギーを受けて効果的にプラズマ化される。また、第1の空間8a内でも、上記プラズマ発生アンテナ5bにより発生した高周波放電により、放電エネルギーが与えられて第1のガスがプラズマ化される。仕切部27及び第1の空間8aは、第2の空間8bよりもプラズマ発生アンテナ5bから離間して存在している。このため、仕切部27内及び第1の空間8a内の第1のガスは、第2の空間8b内の第2のガスよりも低いエネルギーでプラズマ化される。
第2の空間8b内においてプラズマ化された第2のガスは、仕切部27の複数の連通孔27dから第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。また、仕切部27のガス流路27b内でプラズマ化された第1のガスは、複数のガス放出孔27cから第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。また、第1の空間8a内においても第1のガスがプラズマ化されている。これにより、プラズマ化された第1のガスとプラズマ化された第2のガスとが、第1の空間8a内の被処理体4の近傍で接触して反応する。この結果、被処理体4上に薄膜が成膜される。
上述のように、本実施形態においても、第1のガスと第2のガスとを互いに異なるエネルギーでプラズマ化することができるため、第1のガスと第2のガスとをガス種に応じて適切にプラズマ化することができる。したがって、プラズマ化により第1のガスから生成されるラジカル等の反応種と、プラズマ化により第2のガスから生成されるラジカル等の反応種とをそれぞれ薄膜の成膜に好適な生成量で生成することができ、高品質の薄膜を成膜することができる。
具体的には、上記図3に示すプラズマ処理装置を用いて被処理体4上に微結晶シリコン薄膜を成膜する場合、例えば、第1のガスとしてSiHガスを用い、第2のガスとして水素ガスを用いる。
第2の空間8b内には、プラズマ発生アンテナ5bが設置されている。このため、第2の空間8b内の水素ガスは、仕切部27内及び第1の空間8a内のSiHガスよりも高いエネルギーでプラズマ化される。これにより、第2の空間8b内において、水素ラジカルが十分な生成量で生成される。
他方、仕切部27及び第1の空間8aは、第2の空間8bよりもプラズマ発生アンテナ5bから離間して存在している。このため、仕切部27内及び第1の空間8a内のSiHガスは、第2の空間8b内の水素ガスよりも低いエネルギーでプラズマ化される。これにより、成膜種となるSiHラジカルへのSiHガスの分解が促進されるとともに、SiHラジカルの分解が抑制されてSiラジカル、SiHラジカル、SiHラジカルの生成が抑制される。この結果、SiHラジカルが十分な生成量で生成される。
第2の空間8b内において生成された水素ラジカルは、仕切部27の複数の連通孔27dから第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。また、仕切部27のガス流路27b内で生成されたSiHラジカルは、複数のガス放出孔27cから第1の空間8a内の被処理体4に向けてシャワー状に放出される。また、第1の空間8a内においてもSiHラジカルが生成されている。これにより、水素ラジカルとSiHラジカルとが、第1の空間8a内の被処理体4の近傍で接触して反応する。この結果、被処理体4上に薄膜が成膜される。上述のように水素ラジカルとSiHラジカルとをいずれも十分な生成量で生成することができるため、欠陥密度の低い高品質の微結晶シリコン薄膜を成膜することができる。
なお、上記実施形態1及び2では、プラズマ発生アンテナ5bが真空槽1内に配置されている場合について説明したが、第2の空間8b側の真空槽1外にプラズマ発生アンテナ5bを配置し、真空槽1内に第2の空間8b側から第1の空間8a側に向かって高周波放電が発生するようにしてもよい。この場合には、プラズマ発生アンテナ5bにより真空槽1内に高周波放電が発生することができるように、真空槽1のプラズマ発生アンテナ5bが配置された側の部分に、誘電体よりなる窓部等を設ければよい。
また、上記実施形態1及び2では、単一のプラズマ発生部5を設けた場合について説明したが、複数のプラズマ発生部5を設けてもよい。この場合、例えば、真空槽上部本体1bの天板1b2に、複数のプラズマ発生部5を並列して設ければよい。
1 真空槽
4 被処理体
5 プラズマ発生部
5a プラズマ発生部本体
5b プラズマ発生アンテナ
7 仕切部
7a ガス室
7b ガス放出板
7b1 ガス放出孔
7c 仕切板
7c1 通気孔
8 内部空間
8a 第1の空間
8b 第2の空間
9 ガス流路
10 ガス流路
11 第1のガス導入口
14 ガス流路
15 第2のガス導入口
27 仕切部
27b ガス流路
27c ガス放出孔
27d 連通孔
34 ガス流路
35 第2のガス導入口

Claims (8)

  1. 被処理体が収納される内部空間を有する反応室と、
    前記反応室内に配置され、前記内部空間を前記被処理体が配置される第1の空間と前記第1の空間以外の第2の空間とに仕切る仕切部と、
    前記仕切部に設けられ、前記第1の空間に向けてガスを放出するガス放出部と、
    前記ガス放出部に前記反応室外から第1のガスを導入する第1のガス導入部と、
    前記第1の空間又は前記第2の空間に前記反応室外から前記第1のガスと異なる第2のガスを導入する第2のガス導入部と、
    前記第2の空間内部又は前記第2の空間側外部に配置され、前記内部空間に高周波放電によってプラズマを発生させるプラズマ発生源と、を備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記第1のガス導入部は、前記仕切部内部に設けられたガス流路を有しており、該ガス流路と前記ガス放出部とが連通していることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記ガス流路は、前記仕切部の仕切面方向に沿って該仕切部内部に形成されたガス室で構成されていることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第2のガス導入部は、前記第2の空間に第2のガスを導入するように設けられており、前記仕切部に前記第1の空間と前記第2の空間とが連通する連通部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記仕切部は、誘電体で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記ガス放出部は、前記仕切部の仕切面方向に亘って複数が分散配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 仕切部によって内部空間が第1の空間と第2の空間とに仕切られた反応室を用いて、前記第1の空間に被処理体を配置し、前記仕切部を通して前記第1の空間に第1のガスを導入するとともに、前記第1の空間又は前記第2の空間に、前記第1のガスと異なる第2のガスを導入しつつ、前記第2の空間に高周波放電を生じさせて前記第1のガスと前記第2のガスとに異なる放電エネルギーを与えて前記第1のガスと前記第2のガスとをプラズマ化し、プラズマ化によって生成された前記第1のガスのラジカルと前記第2のガスのラジカルとによって前記被処理体の処理を行うことを特徴とする被処理体のプラズマ処理方法。
  8. 前記第1のガスは、前記仕切部の仕切面方向に亘って前記第1の空間にシャワー状に放出されることを特徴とする請求項7記載の被処理体のプラズマ処理方法。
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