JP2012180288A - 抗菌剤 - Google Patents

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俊孝 小田巻
Kinchu Shimizu
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Abstract

【課題】プロバイオティクスを利用し、腸内菌叢における毒素産生バクテロイデス・フラギリス(ETBF)の生育又は増殖を抑制する抗菌剤を提供する。
【解決手段】ビフィドバクテリウム属細菌を、毒素産生バクテロイデス・フラギリス(ETBF)に対する抗菌剤の有効成分とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、毒素産生バクテロイデス・フラギリス(ETBF)に対する抗菌剤に関する。また、本発明は、ETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物に関する。また、本発明は、ETBFによって引き起こされる疾患の予防用の飲食品に関する。
腸内菌叢に存在する様々な菌のうち、バクテロイデス(Bacteroides)属に属する細菌は、日和見菌であり、宿主が健康な状態では宿主に重大な悪影響を及ぼさないとされている。
バクテロイデス属に属する細菌の1種であるバクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)の菌株の多くは毒素を産生しないが、中には、メタロプロテアーゼという毒素を産生する毒素産生バクテロイデス・フラギリス(ETBF)も存在する(非特許文献1)。このETBFについては、炎症性の下痢を始めとする様々な炎症性の腸疾患への関与が疑われている。近年では、動物実験でETBFが大腸癌を引き起こすこと(非特許文献2)、および結腸癌患者は健常人に比べETBF保有率が高いこと(非特許文献3)が報告されており、ETBFがヒトの大腸癌のリスク因子となっている可能性が考えられる。
腸内菌叢に存在するETBFの増殖を抑制する方法としては、グラム陰性細菌が感受性を示す抗生物質を用いることが考えられる。しかしながら、近年はエリスロマイシンやテトラサイクリンなどの抗生物質に耐性を示す菌株が増えており、薬剤耐性遺伝子のプールとなることが懸念されている。
ところで、宿主がスギ花粉症などのアレルギー症状を抱えている際、花粉の飛散に伴い、宿主の腸内におけるバクテロイデス・フラギリスの菌数が増加するとの報告がある(非特許文献4)。また、同文献により、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)BB536には、バクテロイデス・フラギリスの増加を抑制する効果があること、BB536が花粉症の緩和に寄与する可能性があることが報告されている。
Sears,クリニカル・マイクロバイオロジー・レビューズ(Clinical Microbiology Reviews),22巻,2号,349-369頁,2009年 Wuら, ネイチャー・メディスン(Nature Medicine),15巻,1016-1022頁,2009年 Toprakら,クリニカル・マイクロバイオロジー・アンド・インフェクシャス・ディジーズ(Clinical Microbiology and Infectious Diseases),12巻,8号,782-786頁,2006年 Odamakiら,アプライド・アンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー(Applied and Environmental Microbiology),74巻,21号,6814-6817頁,2008年
大腸癌や結腸癌などの宿主に深刻な影響を及ぼす可能性のあるETBFを除菌する方法として、抗生物質を使用しない方法、例えばプロバイオティクスの摂取等が考えられる。しかしながら、これまで、ETBFに対するプロバイオティクスの効果については一切報告がなかった。
そこで、本発明は、プロバイオティクスを利用し、腸内菌叢におけるETBFの生育又は増殖を抑制する技術を提供することを課題とする。具体的には、ETBFに対する抗菌剤、及びETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物、並びに、ETBFによって引き起こされる疾患の予防用の飲食品を提供することを課題とする。
本発明者らは、ビフィドバクテリウム属に属する細菌(ビフィドバクテリウム属細菌)が持つ機能について鋭意探索を重ねた結果、ビフィドバクテリウム属細菌が、ETBFに対して強い抗菌活性を示すことを見出し、発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
本発明は、ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする、毒素産生バクテロイデス・フラギリス(ETBF)に対する抗菌剤である。
本発明の抗菌剤は、ETBFの生育又は増殖を抑制するのに有効である。
本発明において、ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、及びビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)から選ばれる細菌が好ましく用いられる。
これらの菌種は、ETBFの生育又は増殖を抑制する効果に優れる。
中でも、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999、ビフィドバクテリウム・ロンガム JCM 1217、ビフィドバクテリウム・インファンティス JCM 1222、ビフィドバクテリウム・アニマリス JCM 1190、ビフィドバクテリウム・ビフィダム JCM 1254、ビフィドバクテリウム・ブレーベ JCM 1194、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス JCM 1275、及びビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム JCM 1200が好ましく挙げられる。
これらの菌株は、ETBFの生育又は増殖を抑制する効果に優れる。
ETBFとして、例えば、バクテロイデス・フラギリス MBFT101(JCM 17585)、バクテロイデス・フラギリス MBFT201(JCM 17586)、バクテロイデス・フラギリス MBFT301(JCM 17587)、バクテロイデス・フラギリス 2-078382-3(ATCC 43858)が挙げられる。
本発明は、また、本発明の抗菌剤、及び薬学的に許容される担体を含有する、ETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物に関する。
本発明は、また、本発明の抗菌剤を含有する、ETBFによって引き起こされる疾患の予防用の飲食品に関する。
ETBFによって引き起こされる疾患としては、炎症性の腸疾患、大腸癌、結腸癌が挙げられる。
本発明の抗菌剤は、ETBFに対し優れた抗菌効果を示す。
そして、本発明の医薬組成物をヒトや動物の腸内に投与することにより、腸内菌叢におけるETBFの生育又は増殖を抑制し、炎症性の腸疾患、大腸癌、結腸癌などのETBFによって引き起こされる疾患を予防したり治療したりすることができる。
また、本発明の飲食品を摂取することにより、腸内菌叢におけるETBFの生育又は増殖を抑制し、炎症性の腸疾患、大腸癌、結腸癌などのETBFによって引き起こされる疾患を予防することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。なお、本明細書において、百分率は、特に断りのない限り質量による表示である。
本発明の抗菌剤の有効成分は、ビフィドバクテリウム属細菌である。本発明においては、ビフィドバクテリウム属細菌を含む種々の試料から、ビフィドバクテリウム属細菌を分離して用いることもできるし、市販菌株や寄託菌株を用いることもできる。
ビフィドバクテリウム属細菌としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、又はビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)の菌株が好ましく挙げられる。
中でも、好ましい菌株として、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999、ビフィドバクテリウム・ロンガム JCM 1217、ビフィドバクテリウム・インファンティス JCM 1222、ビフィドバクテリウム・アニマリス JCM 1190、ビフィドバクテリウム・ビフィダム JCM 1254、ビフィドバクテリウム・ブレーベ JCM 1194、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス JCM 1275、及びビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム JCM 1200が挙げられる。
これらの菌株のうちビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999は、American Type Culture Collection (ATCC)から、ビフィドバクテリウム・ロンガム JCM 1217、ビフィドバクテリウム・インファンティス JCM 1222、ビフィドバクテリウム・アニマリス JCM 1190、ビフィドバクテリウム・ビフィダム JCM 1254、ビフィドバクテリウム・ブレーベ JCM 1194、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス JCM 1275、及びビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム JCM 1200は、Japan Collection of Microorganisms(JCM、独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター微生物材料開発室)から、一般に入手することが可能である。
特に飲食品に利用する場合には、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999を用いることが好ましい。これは、試験例に示す通り、ETBFに対する抗菌活性が高い上に、30年以上の食経験から安全性が確認されているためである。
本発明の抗菌剤が、抗菌の対象とするのは、毒素を産生するバクテロイデス・フラギリス(毒素産生バクテロイデス・フラギリス、ETBF)である。
ETBFの菌株として、バクテロイデス・フラギリス 2-078382-3(ATCC 43858)、バクテロイデス・フラギリス MBFT101(JCM 17585)、バクテロイデス・フラギリス MBFT201(JCM 17586)、バクテロイデス・フラギリス MBFT301(JCM 17587)などの菌株が挙げられる。これらの菌株のうちATCC 43858はATCCから、JCM 17585、JCM 17586、JCM 17587はJCMから、一般に入手することが可能である。
なお、JCM17585、JCM 17586、JCM 17587は、本発明者らがヒト糞便中から分離した菌株である。菌株の同定は、例えば、「『微生物の分類・同定実験法−分子遺伝学・分子生物学的手法を中心に−』、シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社発行、2001年9月16日発行」に記載されている方法(P.9-14, P.48-64, P.231-285等)に従って、各種菌株の16S rRNA遺伝子の全長を解析することにより行った。
本発明の抗菌剤の抗菌効果は、有効成分であるビフィドバクテリウム属細菌を、抗菌の対象となる毒素を産生するバクテロイデス・フラギリス(毒素産生バクテロイデス・フラギリス、ETBF)菌とともに混合培養した際の、ETBFの生育率で表すことが可能であり、ETBFのみを培養した場合に比して70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが特に好ましいものである。
ビフィドバクテリウム属細菌は、公知の方法により培養することができる。
後述する試験例に示す通り、ビフィドバクテリウム属細菌は、ETBFに対する抗菌活性を示す。従って、ビフィドバクテリウム属細菌を含む本発明の抗菌剤は、ETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物、又は該疾患の予防用の飲食品に、有効成分として含有させることができる。ここで、「予防」の概念は、疾患が発生するリスクを低減させることを含む。
非特許文献1〜3に記載されるように、ETBFは、炎症性の下痢等の炎症性の腸疾患、大腸癌、結腸癌等の疾患の原因となり得る。
従って、ビフィドバクテリウム属細菌を含む本発明の抗菌剤は、炎症性の腸疾患、大腸癌、結腸癌などのETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物、又は該疾患の予防用の飲食品に、有効成分として含有させることができる。
本発明の医薬組成物は、有効成分であるビフィドバクテリウム属細菌を薬学的に許容される担体を用いて製剤化することにより製造できる。
この場合において、医薬組成物におけるビフィドバクテリウム属細菌の含有量は、通常0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。
また、医薬組成物におけるビフィドバクテリウム属細菌の含有量は、通常1×106〜1×1012CFU/g、好ましくは1×107〜5×1011CFU/gである。
また、本発明の医薬組成物には、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、注射剤用溶剤等の添加剤を使用できる。
本発明の医薬組成物は、ヒトを含む哺乳動物に投与することができる。また、投与形態としては、ビフィドバクテリウム属細菌が腸に到達する形態であればよく、患者の症状等に応じて経口投与及び非経口投与の何れを選択してもよい。
ビフィドバクテリウム属細菌の投与量は、医薬組成物の剤形、患者の症状、年齢等によって異なるが、一日当たり、通常2×106CFU/kg体重以上、好ましくは2×107〜2×109CFU/kg体重を目安とすることができる。また、投与は、1日に1回又は数回に分けて行うことができ、投与期間は、数日以上継続することが好ましい。
本発明の飲食品は、有効成分であるビフィドバクテリウム属細菌を、通常の飲食品の原材料と共に加工することにより製造できる。本発明における飲食品には、哺乳動物に供与する飼料も含まれる。
この場合において、飲食品におけるビフィドバクテリウム属細菌の含有量は、飲食品の形態に応じて決定することができる。例えば、一日当たり、通常2×106CFU/kg体重以上、好ましくは2×107〜2×109CFU/kg体重のビフィドバクテリウム属細菌を摂取するのに適した含有量とすることが好ましい。
例えば、飲食品に対し、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%程度の含有量とすることができる。また、飲食品に対し、通常1×106〜1×1012CFU/g、好ましくは1×107〜5×1011CFU/g程度の含有量とすることもできる。
本発明の飲食品は、好ましくは機能性食品として販売されるものである。
「機能性食品」とは、疾患の予防効果、又は疾患の発生リスクの低減効果が、直接的又は間接的に表示された食品を含む。例えば、現在、日本においては特定保健用食品、健康補助食品の態様で販売される食品が挙げられる。
特に、飲食品の形態としては、十分量のビフィドバクテリウム属細菌が腸に到達し得るような形態が好ましい。このような形態として、例えば、発酵乳の形態が好ましく挙げられる。発酵乳は、ビフィドバクテリウム属細菌と乳酸菌とを組み合わせたスターターを調製し、これを乳製品に添加して発酵させることにより製造することができる。
また、顆粒状、タブレット状又は液状のサプリメントとすることも、生菌数を維持し易い点、摂取者が有効成分の摂取量を把握し易い点で好ましい。
本発明の飲食品は、「ETBFの抑制のため」、「ETBFを減らすため」、「ETBFの抗菌のため」、「ETBFによって引き起こされる疾患の予防のため」、「炎症性の腸疾患の予防のため」、「大腸癌又は結腸癌のリスクの低減のため」などの用途の表示が付された形態とすることが好ましい。すなわち、本発明の飲食品は、例えば、「ETBFにより引き起こされる疾患の予防のため」の用途が付された飲食品として販売することが好ましい。前記用途の表示としては、ETBFに対する抗菌作用又は効果、ETBFによって引き起こされる疾患の予防に対する作用又は効果を表現する文言、該疾患の発生リスクを低減する作用又は効果に関する表現の全てを含む。
前記「表示」は、需要者に対して前記用途を知らしめる機能を有する全ての表示を含む。すなわち、前記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て前記「表示」に該当する。
また、前記「表示が付された」とは、前記表示と、飲食品(製品)を関連付けて認識させようとする表示行為が存在していることをいう。
表示行為は、需要者が前記用途を直接的に認識できるものであることが好ましい。具体的には、本発明の飲食品に係る商品又は商品の包装への前記用途の記載行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類(電磁気的方法により提供されるものを含む)への前記用途の記載行為が例示できる。
一方、表示される内容(表示内容)としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましい。
例えば、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、医薬用部外品等の表示を例示することができる。特に、厚生労働省によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を例示することができ、詳細にいえば、健康増進法施行規則(平成15年4月30日 日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示が、典型的な例として列挙することが可能である。
また、本発明の飲食品は、前記用途の表示に加え、前記有効成分の表示、さらには、前記用途と前記有効成分の関連性を示す表示を含むことも好ましい。
次に、試験例を示して各種ビフィドバクテリウム属細菌によるETBFへの抗菌活性を詳細に説明する。
[試験例1]
(1)ETBF及びビフィドバクテリウム属細菌の前培養液の調製
ETBF(JCM 17585、JCM 17586、JCM 17587)及び表に示すビフィドバクテリウム属細菌を、グルコースを1%(w/v)添加したGAMブイヨン(日水製薬社製)培地を用いて嫌気条件で16時間培養し、各菌の前培養液を調製した。次に同じ培地に、ビフィドバクテリウム属細菌及びETBFの前培養液を1%(v/v)ずつ添加し、嫌気条件で8時間混合培養して試験混合液を調製した。続いて、試験混合液をNBGT寒天培地に接種し、コロニー数を測定した。検出された細菌のコロニー数から、上記の試験混合液1mL当たりのETBF生菌数(CFU/mL)を求めた。
対照実験として、ETBFの前培養液のみを1%(v/v)接種した試験液についても、同様に、ETBF生菌数を求めた。また、ETBFの前培養液のみを添加した試験液のETBF生菌数に対する各試験混合液のETBF生菌数の割合を算出し、ETBF生育率とした。
(4)試験結果
本試験の結果を表1〜3に示す。
Figure 2012180288
Figure 2012180288
Figure 2012180288
その結果、試験に用いたビフィドバクテリウム属細菌の全てが、ETBFの各菌株の生育を有効に抑制した。特に、ETBFを、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999、ビフィドバクテリウム・インファンティス JCM 1222、ビフィドバクテリウム・ビフィダム JCM 1254、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム JCM 1200、ビフィドバクテリウム・ロンガム JCM 1217、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス JCM 1275、ビフィドバクテリウム・ブレーベ JCM 1194に属する菌株と混合培養した場合は、ETBFを単菌培養した場合と比較して、ETBF生菌数を60%以下に抑制していた。また、ビフィドバクテリウム・アニマリス JCM 1190に属する菌株と混合培養した場合は、ETBFを単菌培養した場合と比較して、ETBF生菌数を70%以下に抑制していた。
これより、これらの菌株は、ETBFに対する十分な抗菌活性を有することが分かった。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
肉エキス50g、酵母エキス100g、ペプトン100g、乳糖200g、リン酸水素二カリウム50g、リン酸二水素カリウム10g、シスチン4g及び水9.5Lの組成からなる培地を用い、25℃で16時間前培養して調製したビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999のシードカルチャー500mLを、前記培地と同一組成の培地10Lに接種し、37℃で16時間培養した。更に、90℃で30分間殺菌した前記培地と同一組成の培地200Lに、前記培養液全量(10.5L)を接種し、37℃で16時間培養した。培養後の生菌数は3.9×109CFU/mLであった。
次いで、シャープレス型遠心分離機を用いて、遠心分離(15,000rpm)により菌体を集め、培地と同量の生理食塩水(90℃、30分間殺菌済)に懸濁し、前記と同様遠心分離して再度集菌した。集めた菌体を、脱脂粉乳10%、蔗糖1%、グルタミン酸ソーダ1%からなる溶液(90℃、30分間殺菌済)20Lに懸濁し、常法に従って凍結乾燥し、9.3×1010CFU/gのビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999株を含む粉末約2.2kgを得た。
この粉末は、ETBFに対する抗菌作用を有するため、ETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物や飲食品に配合することができる。
[実施例2]
還元難消化性デキストリン14kg及びソルビトール6kgに、実施例1で得られたビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999株を含む粉末20gを加えて均一に混合し、ビフィドバクテリウム・ロンガム ATCC BAA−999株の菌末を含有する生菌剤約20kgを得た。
この生菌剤は、ETBFに対する抗菌作用を有するため、ETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物や飲食品として用いることができる。
本発明のビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする抗菌剤、及びこの抗菌剤を応用した医薬組成物や飲食品は、ETBFの抗菌手段として効果的である。また、本発明の医薬組成物や飲食品は、炎症性の下痢等の炎症性腸疾患、大腸癌、結腸癌等のETBFによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。ビフィドバクテリウム属細菌は、安全で副作用が少ないことも知られているので、長期間の日常的な摂取にも適している。

Claims (10)

  1. ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする、毒素産生バクテロイデス・フラギリスに対する抗菌剤。
  2. ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、及びビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータムからなる群から選択されるいずれかである、請求項1に記載の抗菌剤。
  3. ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA−999、ビフィドバクテリウム・ロンガムJCM1217、ビフィドバクテリウム・インファンティスJCM1222、ビフィドバクテリウム・アニマリスJCM1190、ビフィドバクテリウム・ビフィダムJCM1254、ビフィドバクテリウム・ブレーベJCM1194、ビフィドバクテリウム・アドレセンティスJCM1275、及びビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータムJCM1200からなる群から選択されるいずれかである、請求項2に記載の抗菌剤。
  4. 毒素産生バクテロイデス・フラギリスが、バクテロイデス・フラギリス MBFT101(JCM 17585)、バクテロイデス・フラギリス MBFT201(JCM 17586)、バクテロイデス・フラギリス MBFT301(JCM 17587)、又はバクテロイデス・フラギリス 2-078382-3(ATCC 43858)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗菌剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌剤、及び薬学的に許容される担体を含む、毒素産生バクテロイデス・フラギリスによって引き起こされる疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物。
  6. 前記疾患が、大腸癌又は結腸癌である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記疾患が、炎症性の腸疾患である、請求項5に記載の医薬組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有する、毒素産生バクテロイデス・フラギリスによって引き起こされる疾患の予防のための飲食品。
  9. 前記疾患が、大腸癌又は結腸癌である、請求項8に記載の飲食品。
  10. 前記疾患が、炎症性の腸疾患である、請求項8に記載の飲食品。
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