JP2012179758A - 処理液収容容器及び処理液カートリッジ - Google Patents

処理液収容容器及び処理液カートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2012179758A
JP2012179758A JP2011043176A JP2011043176A JP2012179758A JP 2012179758 A JP2012179758 A JP 2012179758A JP 2011043176 A JP2011043176 A JP 2011043176A JP 2011043176 A JP2011043176 A JP 2011043176A JP 2012179758 A JP2012179758 A JP 2012179758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
treatment liquid
acid
pigment
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2011043176A
Other languages
English (en)
Inventor
Akimitsu Haijima
章光 配島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2011043176A priority Critical patent/JP2012179758A/ja
Publication of JP2012179758A publication Critical patent/JP2012179758A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】マロン酸含有の処理液を収容するが経時での形状変化(変形)が抑えられた処理液カートリッジを提供する。
【解決手段】顔料を含むインク組成物と共に用いられ、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分として液全質量に対する含有比率が1〜30質量%のマロン酸を含有するインクジェット記録用処理液を収容する処理液収容部と、多孔質構造を有する気体透過性かつ液体非透過性のフィルタ基材を備え、前記処理液収容部のインクジェット記録用処理液を給排する給排口を閉塞する蓋部とを備えている。
【選択図】なし

Description

本発明は、マロン酸を含有する処理液を収容する処理液収容容器、及び処理液カートリッジに関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク等の画像記録用の液体を液滴として吐出する記録ヘッドを用いた液滴吐出記録方式の画像形成装置が知られている。
このような液滴吐出記録方式の画像形成装置には、記録ヘッドや該記録ヘッドに連通するインクタンクに、画像記録用の液体が収容された容器から液体を供給するものがある。
一般にタンクなどの容器に収容された液体は、運搬や保管時における環境によっては、容器が膨張したり、破損する等に至る場合がある。
このような状況に関連する技術として開示されているものがある。例えば、
インクが使用されるにしたがい容器内が負圧になって生じるインク流通の悪化や、輸送時や保管時におけるケース内部の空気の熱膨張やインクの蒸発によりインクが通気性のフィルタに押付けられてインクが染み込み、ひいては漏洩する現象などを防ぐ観点から、撥水撥油処理が施されたフッ素樹脂多孔質膜が通気性支持材で補強された通気フィルタを有するインクカートリッジが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、内圧を大気圧に等しくしてインクの流通を促すと共にインクの漏洩を防ぐ観点から、空気のみを流通させる密度に定められた多孔質部材により形成された蓋を設けたインクタンク等が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−29145号公報 特開平4−14463公報
上記のように熱膨張やインクの蒸発によってある程度の容積変化が生ずることはあるものの、収容される液体は自らガスを生じて容積変化を来す組成でないことが一般的である。しかしながら、収容される液体がガスを発生しやすい組成である場合、熱膨張や蒸発に比べて容器内のガス容積の変化が大きくなることが予測され、液体の漏洩を防ぎつつ積極的にガスを外部に逃すことが不可欠となる。特に、経時で含有成分が分解等してガスが発生する場合には、所期の容器形状を保てず、ひいては破損に至るおそれがある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、マロン酸含有の処理液の収容に適すると共に液漏れを防ぎ、マロン酸の分解によるガス発生に伴なう経時での形状変化(変形)が防止された処理液収容容器、及びマロン酸含有の処理液を収容するが経時での形状変化(変形)が抑えられた処理液カートリッジを提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 顔料を含むインク組成物と共に用いられ、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分として液全質量に対する含有比率が1〜30質量%のマロン酸を含有するインクジェット記録用処理液を収容する処理液収容部と、多孔質構造を有する気体透過性かつ液体非透過性のフィルタ基材を備え、前記処理液収容部のインクジェット記録用処理液を給排する給排口を閉塞する蓋部と、を備えた処理液収容容器である。
<2> 前記フィルタ基材は、撥油撥水性を有する前記<1>に記載の処理液収容容器である。
<3> 前記フィルタ基材は、ポリテトラフルオロエチレンを含む前記<1>又は前記<2>に記載の処理液収容容器である。
<4> 顔料を含むインク組成物と共に用いられ、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分として液全質量に対する含有比率が1〜30質量%のマロン酸を含有するインクジェット記録用処理液が、前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の処理液収容容器に収容された処理液カートリッジである。
<5> 前記インクジェット記録用処理液は、更に、リン酸基を有する化合物を含む前記<4>に記載の処理液カートリッジである。
<6> マロン酸の前記インクジェット記録用処理液中における含有比率が処理液全質量に対して1〜20質量%であり、リン酸基を有する化合物の前記インクジェット記録用処理液中における含有比率が処理液全質量に対して0.5〜10質量%である前記<5>に記載の処理液カートリッジである。
本発明によれば、マロン酸含有の処理液の収容に適すると共に液漏れを防ぎ、マロン酸の分解によるガス発生に伴なう経時での形状変化(変形)が防止された処理液収容容器を提供することができる。また、
本発明によれば、マロン酸含有の処理液を収容するが経時での形状変化(変形)が抑えられた処理液カートリッジを提供することができる。
さらに、本発明の処理液収容容器及び処理液カートリッジは、環境変化に対する制約が緩和され、長期に亘り安定した流通、保管等に適応するものである。
以下、本発明の処理液カートリッジについて詳細に説明し、該説明を通じて本発明の処理液収容容器についての詳細も示すこととする。
本発明の処理液カートリッジは、処理液収容部を有し、この処理液収容部は強酸性の液を収納し得る容器であればいずれのものでも構わないが、UN規格を得たものであることが好ましい。
処理液収容部を構成する液パックなどの容器本体の材質としては、特に制限されるものではないが、耐酸性、取扱い性、安全性等の観点から、樹脂製が好ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂で作製された容器が好ましく、特にポリエチレン樹脂で作製された容器が好ましい。例えば、コダマ樹脂製のタマカンKM−331などを使用することができる。
また、処理液収容部の給排口を閉塞する蓋部は、多孔質構造を有する気体透過性かつ液体非透過性のフィルタ基材を備え、処理液収容部に収容された処理液から発生する気体を容器外に放出し、処理液そのものは容器外に漏れないようにした機能を有するものであればよい。蓋の構造は、例えば、実開昭62−203848号公報、実開昭63−158864号公報に記載されているような蓋を用いることが好ましい。また、処理液が容器外に漏れないようにするために、フィルタは、特開2010−228801号公報に記載のように、熱溶着により蓋あるいは中栓に付けられていることが好ましい。
例えば、気体透過性かつ液体非透過性のフィルタ等の膜が設けられたコダマ樹脂製のKC−6053などを使用することができる。
本発明における「液体非透過性」は、処理液収容部に処理液を80%以上満たした状態で蓋をし、横倒しにして7日間放置したときの液体の透過量が目視上認められないことをいう。また、
本発明における「気体透過性」は、処理液から発生した炭酸ガスをパック等の収容部外に逃す気体透過性を有していることをいい、具体的には、二酸化炭素、酸素、酢酸などの気体を透過することをいう。本発明のフィルタ基材は、撥油撥水性フィルタであることが好ましい。
前記撥油撥水性フィルタは、ポリエチレン多孔質膜などのポリオレフィン多孔質膜やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質膜などのフッ素樹多孔質膜、特許第2854223号に記載の、含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂とポリフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体の混合組成物などが好ましく、特に本発明の性能上かつコストの観点から、PTFEが好ましい。
撥油撥水性フィルタは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質フィルタであり、細孔径は0.01〜15μmが好ましく、厚みは5〜500μmが好ましい。この撥油撥水性フィルタが取り付けられることで、後述するように、収容部にマロン酸を含有するpH0.5〜3の処理液が収容された場合に、マロン酸が経時分解して発生する炭酸ガス等のガスは外部に排出することができる。これにより、収容部の内部に炭酸ガスが溜まって膨張し、ひいては変形して荷崩れを招いたり破損する等を回避することができる。また、撥油撥水性フィルタは、PTFEで形成されることで撥油撥水性を有するので、収容されている処理液が外部に漏れ出るのを防ぐことができる。
このような多孔質フィルタの例として、ジャパンゴアテックス(株)製のゴアテックス(登録商標)オレオ ベントフィルタなどの市販品を使用することができる。
好ましい実施形態として、マロン酸とリン酸と有機溶剤及び水とを含有し、マロン酸の処理液中における含有量が5〜20質量%である処理液(pH=0.6〜2.5)が収容された形態が挙げられる。マロン酸及びリン酸は、顔料を含むインク組成物と接触したときにインク組成物中の成分を凝集させる凝集成分である。
次に、処理液及びインク組成物について詳細に説明する。
−処理液−
処理液は、後述するインク組成物と接触したときに凝集体を形成する水性液体である。具体的には、処理液は、インク組成物と混合されたときにインク組成物中の着色粒子(顔料等)や樹脂粒子などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成する凝集成分を少なくとも含み、必要に応じて他の成分を含んで構成される。画像形成にあたってインク組成物と共に処理液を用い、例えば、処理液が付与された上にインク組成物を付与する画像形成法を採ることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
本発明における処理液は、インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分として、少なくともマロン酸を含有する。インクジェット法で吐出されたインク組成物に処理液が混合することで、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
処理液としては、例えば、インク組成物のpHを変化させることで凝集物を生じさせる水性液体が挙げられる。処理液のpH(25±1℃;以下同様)は、インク組成物の凝集速度の観点から、0.5〜3が好ましく、0.6〜2.5がより好ましく、0.8〜2が更に好ましい。この場合、吐出されるインク組成物のpHは、7.5〜9.5(より好ましくは8.0〜9.0)が好ましい。中でも、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点からは、処理液のpHを0.6〜2.5とし、インク組成物のpH(25℃±1)を7.5以上とした態様が好ましい。
前記pHは、東亜DKK(株)製のpHメータWM−50EGを用いて25±1℃で測定される値である。
処理液には凝集成分としてマロン酸を含有するが、凝集成分はマロン酸を1種単独で用いることのほか、マロン酸と共に他の凝集成分を用いた2種以上の混合形態であってもよい。
本発明における処理液は、マロン酸を処理液の全質量に対して1〜30質量%の範囲で含有する。マロン酸の処理液中における含有量が1質量%以上になると、経時でのマロン酸の分解で生じる炭酸ガス等の増加が多くなり、変形、更にはそれに起因する荷崩れや容器破損が発生しやすい。また、マロン酸の処理液中における含有量が30質量%を超えると、凝集性が経時で不安定化し、また画像部の光沢ムラが発生し易くなってしまう。
中でも、マロン酸の処理液中に占める質量比率は、3〜25質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは5〜20質量%の範囲である。
マロン酸以外に含有可能な他の凝集成分としては、酸性化合物の少なくとも1種を用いることができる。酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩(例えば多価金属塩)が挙げられる。中でも、インク組成物の凝集速度及び画像部の光沢ムラの観点から、リン酸基(H2PO4 -)を有する化合物がより好ましい。リン酸基を有する化合物の例には、オルトリン酸、ピロリン酸(二リン酸)が含まれる。
リン酸基を有する化合物を処理液に含有していると、処理液のpHがより低下し、マロン酸の分解が促されやすいため、本発明の効果がより奏されることになる。
マロン酸と共にリン酸基を有する化合物を含有する場合、リン酸基を有する化合物の含有比率は、処理液の全質量に対して0.5〜10質量%の範囲が好ましく、1〜7質量%の範囲がより好ましい。
上記のうち、本発明の効果(経時での変形)がより効果的に奏される点から、特に好ましくは、マロン酸の処理液中における含有量が1〜20質量%であって、リン酸基を有する化合物の処理液中における含有量が0.5〜10質量%である場合である。
また、マロン酸と併用可能なカルボキシル基を有する化合物としては、マロン酸以外には、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩(例えば多価金属塩)等の中から選ばれることが好ましく、中でも安定性、凝集性の
観点からリンゴ酸、コハク酸、酒石酸が好ましい。これらの化合物は、その1種類がマロン酸と併用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
本発明における処理液は、上記酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水)を更に含んで構成することができる。また、更に有機溶剤を含有することができる。
処理液中の酸性化合物(マロン酸を含む)の総含有量としては、インク組成物における凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい
処理液の物性としては、以下に示す態様が好ましい。すなわち、
「粘度」としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。粘度は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
また、「表面張力」としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mの範囲が好ましく、25〜50mN/mの範囲がより好ましく、30〜45mN/mの範囲がさらに好ましい。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
処理液は、画像形成に際し、公知の付与方法を特に制限なく使用して例えばインク組成物の吐出前に記録媒体上に付与されるものである。付与方法は、スプレー塗布、塗布ローラー等の塗布、インクジェット方式による付与、浸漬などの任意の方法を選択することができる。
−インク組成物−
前記処理液の作用を受けて凝集することによる画像形成を担うインク組成物について説明する。本発明におけるインク組成物は、少なくとも顔料と水とを含有し、好ましくは着色剤(顔料を含む)及び水に加え、樹脂粒子やワックス粒子などの高分子成分、有機溶剤、及び界面活性剤や尿素又はその誘導体などの各種添加剤等を含有していてもよい。
(着色剤)
本発明におけるインク組成物は、着色剤の少なくとも一種を含有し、着色組成物として構成される。着色剤としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である色材であることが好ましく、特に顔料が好ましい。顔料は、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。有機顔料は、一種単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
具体的には、シアン顔料の例として、C.I.ピグメント・ブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられる。
また、マゼンタ顔料の例として、C.I.ピグメント・レッド48,57,122,184,188,C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。
本発明においては、着色剤として含有される顔料を、顔料分散剤(好ましくは水不溶性樹脂)で被覆して液中に分散させることが好ましい。これにより、顔料粒子を微粒径にして存在させることができ、分散後には高い分散安定性が得られる。この場合、顔料は必ずしも粒子表面の全体が被覆されている必要はなく、場合により粒子表面の少なくとも一部が被覆された状態であってもよい。
顔料の好ましい形態としては、液安定性及び吐出安定性の観点から、例えば、(1)カプセル化顔料、(2)自己分散顔料、(3)樹脂分散顔料、又は(4)界面活性剤分散顔料等の水分散性顔料を好適に挙げることができる。
(1)カプセル化顔料は、ポリマー微粒子に顔料を含有させてなるポリマーエマルジョンであり、詳しくは、親水性水不溶性の樹脂で顔料を被覆し顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水に分散したものである。
(2)自己分散顔料は、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料、詳しくは、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたものである。
(3)樹脂分散顔料は、質量平均分子量50,000以下の水溶性高分子化合物により分散された顔料である。
(4)界面活性剤分散顔料は、界面活性剤により分散された顔料である。
上記のうち、好ましい例は(1)カプセル化顔料、又は(2)自己分散顔料であり、特に好ましい例は(1)カプセル化顔料である。
以下、前記(1)カプセル化顔料について詳述する。
カプセル化顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水と水溶性有機溶剤の混合溶媒中で自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常は数平均分子量が1,000〜100,000の範囲程度のものが好ましく、3,000〜50,000の範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は、有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量は、この範囲内であると顔料における被覆膜として又はインクとした際の塗膜としての機能を発揮することができる。樹脂は、アルカリ金属や有機アミンの塩の形で用いられるのが好ましい。
カプセル化顔料の樹脂の具体例としては、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、又はフッ素系の樹脂;塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系材料、あるいはそれらの共重合体又は混合物などのアニオン性基を有する材料などが挙げられる。
これら樹脂のうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(以下、「アニオン性基含有アクリルモノマー」という。)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基からなる群より選ばれる1個以上のアニオン性基を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマーが特に好ましい。
カルボキシル基を有するアクリルモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
カプセル化顔料は、上記の成分を用いて、従来の物理的、化学的方法により製造することができる。例えば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、又は特開平11−43636号の各公報に記載の方法により製造することができる。具体的には、特開平9−151342号及び特開平10−140065号の各公報に記載の転相乳化法と酸析法等が挙げられ、中でも、分散安定性の点で転相乳化法が好ましい。
転相乳化法は、基本的には、自己分散能又は溶解能を有する樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる自己分散(転相乳化)方法である。また、この混合溶融物には、上記の硬化剤又は高分子化合物を含んでなるものであってもよい。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、溶解して混合した状態、又はこれら両者の状態のいずれの状態を含むものをいう。「転相乳化法」のより具体的な製造方法は、特開平10−140065号に記載の方法が挙げられる。
なお、転相乳化法及び酸析法のより具体的な方法については、特開平9−151342号、特開平10−140065号の各公報に記載を参照することができる。
前記顔料としては、顔料分散剤のうち水不溶性樹脂を用い、顔料の表面の少なくとも一部が水不溶性樹脂で被覆されたカプセル化顔料、例えば水不溶性樹脂粒子に顔料が含有されているポリマーエマルジョンが好ましく、より詳しくは、水不溶性樹脂で顔料の少なくとも一部を被覆し、顔料表面に樹脂層を形成して水に分散させ得る態様が好ましい。
着色剤(特に顔料)のインク組成物中における含有量としては、発色性、粒状性、インク安定性、吐出信頼性の観点から、インク組成物の全固形分に対して、0.1〜15質量%となる量が好ましく、0.5〜12質量%となる量がより好ましい。
前記顔料分散剤は、顔料を分散させた際の易分散化及び分散後の分散安定化を図ることができる。顔料分散剤としては、顔料を水相中で分散させる機能を持つ化合物の中から適宜選択することができる。顔料分散剤の例としては、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物等が挙げられる。例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体等が挙げられる。
前記α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体を高分子分散剤として用いることができる。具体的には、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
本発明におけるインク組成物は、着色剤として、顔料の表面の少なくとも一部が水不溶性樹脂で被覆されたカプセル化顔料を含有することが好ましい。前記水不溶性樹脂としては、例えば、〔1〕以下に示す一般式(1)で表される繰り返し単位(a)とイオン性基を有する繰り返し単位(b)とを含むポリマー、〔2〕塩生成基含有モノマー(c)由来の構成単位とスチレン系マクロマー(d)及び/又は疎水性モノマー(e)由来の構成単位とを含むポリマー、等が挙げられ、前記〔1〕ポリマーが好ましい。前記ポリマー〔2〕の詳細については、特開2009−84501号公報の段落0012〜0031に記載された詳細を参照することができる。
「不溶性」とは、25℃の水系媒体にポリマーを混合したときに、水系媒体に溶解するポリマーの量が、混合した全ポリマーに対する質量比として10質量%以下であることをいう。
以下、〔1〕一般式(1)で表される繰り返し単位(a)とイオン性基を有する繰り返し単位(b)とを含むポリマーについて具体的に説明する。
このポリマーは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位の少なくとも一種と、イオン性基を有する繰り返し単位の少なくとも一種とを含み、必要に応じて、更に、一般式(1)で表される繰り返し単位以外の他の疎水性繰り返し単位や、非イオン性の官能基を持つ親水性繰り返し単位などの他の構造単位を含むことができる。
一般式(1)において、Rは水素原子、メチル基、又はハロゲン原子を表し、Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。なお、Lで表される基中の*印は、主鎖に連結する結合手を表す。Lは、単結合、又は2価の連結基を表す。Arは、芳香環から誘導される1価の基を表す。
前記一般式(1)において、Rは水素原子、メチル基、又はハロゲン原子を表し、好ましくはメチル基を表す。
は、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表す。Lがフェニレン基を表す場合、無置換が好ましい。Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
は単結合、又は2価の連結基を表す。前記2価の連結基としては、好ましくは炭素数1〜30の連結基であり、より好ましくは炭素数1〜25の連結基であり、更に好ましくは炭素数1〜20の連結基であり、特に好ましくは炭素数1〜15の連結基である。中でも、最も好ましくは、炭素数1〜25(より好ましくは1〜10)のアルキレンオキシ基、イミノ基(−NH−)、スルファモイル基、及び、炭素数1〜20(より好ましくは1〜15)のアルキレン基やエチレンオキシド基[−(CHCHO)−,n=1〜6]などの、アルキレン基を含む2価の連結基等、並びにこれらの2種以上を組み合わせた基などである。
Arは、芳香環から誘導される1価の基を表す。Arで表される1価の基の芳香環としては、特に限定されないが、ベンゼン環、炭素数8以上の縮環型芳香環、ヘテロ環が縮環した芳香環、又は2以上のベンゼン環が縮環した芳香環が挙げられる。
前記「炭素数8以上の縮環型芳香環」は、少なくとも2以上のベンゼン環が縮環した芳香環、少なくとも1種の芳香環と該芳香環に縮環して脂環式炭化水素で環が構成された炭素数8以上の芳香族化合物である。具体的な例としては、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アセナフテンなどが挙げられる。前記「ヘテロ環が縮環した芳香環」とは、ヘテロ原子を含まない芳香族化合物(好ましくはベンゼン環)と、ヘテロ原子を有する環状化合物とが縮環した化合物である。ここで、ヘテロ原子を有する環状化合物は、5員環又は6員環であることが好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子を有する環状化合物は、複数のヘテロ原子を有していてもよい。この場合、ヘテロ原子は互いに同じでも異なっていてもよい。
芳香環が縮環したヘテロ環の具体例としては、フタルイミド、アクリドン、カルバゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
Arとしては、被覆された顔料の分散安定性の観点から、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、アクリドン、又はフタルイミドから誘導される1価の基であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を形成するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエステル類などのビニルモノマー類を挙げることができる。
本発明において、主鎖をなす原子に連結基を介して芳香環を有する疎水性の構造単位では、芳香環は連結基を介して水不溶性樹脂の主鎖をなす原子と結合され、水不溶性樹脂の主鎖をなす原子に直接結合しない構造を有するので、疎水性の芳香環と親水性構造単位との間に適切な距離が維持されるため、水不溶性樹脂と顔料との間で相互作用が生じやすく、強固に吸着して分散性がさらに向上する。
また、前記一般式(1)で表される繰り返し単位以外の他の疎水性繰り返し単位を有していることが好ましい。他の疎水性繰り返し単位としては、例えば、親水性構造単位に属しない(例えば親水性の官能基を有しない)例えば(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエステル類などのビニルモノマー類、主鎖をなす原子に連結基を介して芳香環を有する疎水性構造単位、等に由来の構造単位を挙げることができる。これらの構造単位は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記のうち、前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらのうち(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルが好ましい。中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、特にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
前記一般式(1)において、イオン性基を有する繰り返し単位(b)としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホネート基などのイオン性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、及びビニルエステル類等の、イオン性官能基を有するビニルモノマー類を挙げることができる。イオン性基を有する繰り返し単位は、対応するモノマーの重合により導入できるが、重合後のポリマー鎖にイオン性基を導入したものでもよい。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸に由来の繰り返し単位が好ましく、アクリル酸由来の構造単位もしくはメタクリル酸由来の構造単位のいずれか又は両方を含むことが好ましい。
このポリマー〔1〕は、(b)イオン性基を有する繰り返し単位の割合がポリマー全質量の15質量%以下であって、イオン性基を有する繰り返し単位として少なくとも(メタ)アクリル酸由来の構造単位を含む態様が好ましい。(b)イオン性基を有する繰り返し単位の含有量がポリマー全質量の15質量%以下であると、分散安定性に優れる。中でも、(b)イオン性基を有する繰り返し単位の割合は、分散安定性の観点から、5質量%以上15質量%以下が好ましく、7質量%以上13質量%以下がより好ましい。
ポリマー〔1〕としては、親水性繰り返し単位と疎水性繰り返し単位(前記一般式(1)で表される構造繰り返しを含む)との組成は各々の親水性、疎水性の程度にも影響するが、親水性繰り返し単位の割合が15質量%以下であることが好ましい。このとき、疎水性繰り返し単位は、水不溶性樹脂の質量全体に対して、80質量%を超える割合であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。親水性繰り返し単位の含有量が15質量%以下であると、単独で水性媒体中に溶解する成分量が抑えられ、顔料の分散などの諸性能が良好になり、インクジェット記録時には良好なインク吐出性が得られる。
親水性繰り返し単位の好ましい含有割合は、水不溶性樹脂の全質量に対して、0質量%を超え15質量%以下の範囲であり、より好ましくは2〜15質量%の範囲であり、更に好ましくは5〜15質量%の範囲であり、特に好ましくは8〜12質量%の範囲である。
芳香環の水不溶性樹脂中に含まれる含有割合は、水不溶性樹脂の全質量に対して、27質量%以下であるのが好ましく、25質量%以下であるのがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。中でも、15〜20質量%であるのが好ましく、17〜20質量%の範囲がより好ましい。芳香族環の含有割合が前記範囲内であると、耐擦過性が向上する。
以下、ポリマー〔1〕の具体例(モル比(質量%)、重量平均分子量Mw、酸価)を列挙する。但し、本発明においては、下記に限定されるものではない。
・フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(50/45/5)
・フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
・フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
・フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
・ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(60/30/10)
水不溶性樹脂の酸価としては、顔料分散性、保存安定性の観点から、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以上85mgKOH/g以下であることがより好ましく、50mgKOH/g以上85mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
なお、酸価とは、水不溶性樹脂の1gを完全に中和するのに要するKOHの質量(mg)で定義され、JIS規格(JIS K 0070、1992)記載の方法により測定されるものである。
水不溶性樹脂の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で3万以上が好ましく、3万〜15万がより好ましく、更に好ましくは3万〜10万であり、特に好ましくは3万〜8万である。分子量が3万以上であると、分散剤としての立体反発効果が良好になる傾向があり、立体効果により顔料へ吸着し易くなる。
また、数平均分子量(Mn)では1,000〜100,000の範囲程度のものが好ましく、3,000〜50,000の範囲程度のものが特に好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、顔料における被覆膜としての機能又はインク組成物の塗膜としての機能を発揮することができる。ポリマー〔1〕は、アルカリ金属や有機アミンの塩の形で使用されることが好ましい。
また、水不溶性樹脂の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)としては、1〜6の範囲が好ましく、1〜4の範囲がより好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、インクの分散安定性、吐出安定性を高められる。
数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定され、標準物質としてポリスチレンを用いて換算することにより求められる分子量である。
(水)
本発明におけるインク組成物は、水を含有して水系に調製される。水の含有量は、特に制限はないが、10〜99質量%の範囲が好ましく、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
(樹脂粒子)
本発明におけるインク組成物は、水不溶性樹脂の粒子を含有することができる。水不溶性の樹脂粒子を、顔料を被う前記樹脂以外に含有することにより、インク組成物の記録媒体への定着性及び画像の耐擦過性をより向上させることができる。
ここでの水不溶性樹脂とは、樹脂を105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、インクの連続吐出性及び吐出安定性が向上する観点から、その溶解量は好ましくは5g以下であり、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
水不溶性の樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、又はフッ素系の樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系材料、あるいはそれらの共重合体又は混合物などの樹脂の粒子が挙げられる。これらのうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(アニオン性基含有アクリルモノマー)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。前記アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン酸基からなる群より選ばれる1以上を有するアクリルモノマーが挙げられる。中でも、カルボキシル基を有するアクリルモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特にはアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
水不溶性の樹脂粒子としては、吐出安定性及び顔料を含む系の液安定性(特に分散安定性)の観点から、自己分散性樹脂粒子が好ましい。自己分散性樹脂とは、界面活性剤の不存在下、転相乳化法により分散状態としたとき、ポリマー自身の官能基(特に酸性基又はその塩)により、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーをいう。
水不溶性樹脂の主鎖骨格としては、特に制限はなく、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース、ポリエーテル、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネート等)が挙げられる。中でも、特にビニルポリマーが好ましい。ビニルポリマー及びビニルポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−181549号公報及び特開2002−88294号公報に記載されているものを挙げることができる。また、解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する連鎖移動剤や重合開始剤、イニファーターを用いたビニルモノマーのラジカル重合や、開始剤或いは停止剤のどちらかに解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する化合物を用いたイオン重合によって高分子鎖の末端に解離性基を導入したビニルポリマーも使用できる。また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
自己分散性樹脂の粒子は、自己分散性の観点から、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含む水不溶性ポリマーを含むことが好ましい。
自己分散性樹脂は、(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含むアクリル系樹脂が好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含むアクリル系樹脂が好ましく、更には、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
自己分散性樹脂の粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で3000〜20万が好ましく、5000〜15万がより好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定され、標準物質としてポリスチレンを用いて換算することにより求められる分子量である。
自己分散性樹脂の粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましい。
樹脂粒子のインク組成物(例えばインク組成物)中における含有量としては、インク組成物の全質量に対して、0.5〜10質量%が好ましい。樹脂粒子の含有量は、0.5質量%以上であると、画像の耐擦過性が向上し、また10質量%以下であると、インク組成物を調製したときに長期に亘る吐出安定性が向上する点で有利である。
(その他成分)
本発明におけるインク組成物としてインクジェット記録用のインク組成物等を調製する場合には、上記成分に加え、必要に応じて、例えば、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤などの他の成分を含むことができる。具体的には、特開2007−100071号公報の段落番号[0153]〜[0162]に記載のその他の添加剤などが挙げられる。
インク組成物の物性としては、以下に示す態様が好ましい。すなわち、
「粘度」は、インクの付与をインクジェット方式で行なう場合、打滴安定性と凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて20℃で測定される。
「pH」としては、インク安定性と凝集速度の観点から、pH7.5〜10.0が好ましく、pH8.0〜9.5がより好ましい。pHは、東亜DKK(株)製のpHメータWM−50EGにより25±1℃で測定される。また、インク組成物のpHは、47質量%硫酸などの酸性化合物又は50質量%水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物を用いて調製することができる。
上記のインク組成物及び処理液は、一体的に若しくは独立に収容したインクカートリッジの形態でインクセットとして用いることができ、取り扱いが便利である等の点で好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
[処理液の調製]
以下の成分を混合して、処理液101を調製した。
処理液のpHを測定したところ、1.0であった。pHの測定は、東亜DKK(株)製のpHメータWM−50EGを用い、処理液を原液のまま25℃±1℃にて行なった。
<組成>
・マロン酸 ・・・20.0質量%
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル ・・・4質量%
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル ・・・4質量%
・ベンゾトリアゾール ・・・1質量%
・イオン交換水 ・・・全体で100質量%となる量
上記で得られた処理液を、コダマ樹脂製のタマカンKM−331に充填し、撥水性膜を有するキャップとして、コダマ樹脂製のKC−6053を接続して処理液カートリッジを作製した。撥水性膜には、ゴアテックス(登録商標)オレオ ベントフィルタ(ジャパンゴアテックス(株)製のポリテトラフルオロエチレン製フィルタ)を取り付けた。また、フィルタを有さない比較例キャップとして、コダマ樹脂製のKC−6038/中栓OP-5009を使用した。
前記処理液101において、処理液中におけるマロン酸の含有比率を20質量%から下記表1に記載の比率[質量%]に変更するか、又はマロン酸の一部を下記表1に示すようにリン酸又は/及びリンゴ酸に置き換えたこと以外は、処理液101と全く同様にして処理液102〜110を調製し、画像形成に供した。
[評価1]
以下に示すように、作製された処理液カートリッジについて試験、評価を行なった。試験、評価の結果は、下記表1に示す。
−1.容器膨張性−
調製した処理液を、コダマ樹脂製のタマカンKM−331に10リットル充填し、撥水性膜を有するキャップとして、コダマ樹脂製のKC−6053を接続して処理液カートリッジを作製した。その後、この容器の幅方向中央部における幅長Wをノギスで測り、その後45℃の恒温条件下に1ヶ月間保管した。保管後、この容器の同じ場所の幅長Wをノギスで測り、増加率(%;=W/W×100)を算出して容器膨張の程度を評価した。
容器の膨張は、外観、積荷したときの荷崩れや破損などの点で、3%以下に抑えられていると良好であり、製品品質上は2%以下に抑えられていることが望ましい。
−2.液漏れ−
容器膨張を評価するのと同様にして処理液カートリッジを作製し、横倒しにして7日間室温にて放置することにより、液漏れの有無を評価した。
<評価基準>
○:目視にて液漏れが全く見られなかった。
×:目視にて液漏れが見られた。
前記表1に示すように、本発明では、マロン酸を含有する処理液において、液漏れを防ぎつつ、カートリッジ容器の変形が抑制された。
(実施例2)
以下に示すように、インクジェット記録装置を用い、実施例1の処理液カートリッジから処理液を塗布した後、乾燥し、インクを打滴した後、下記の評価(凝集性、光沢ムラ)を行なった。
[インクの調製]
−水不溶性ポリマー1の合成−
攪拌機及び冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加え、窒素雰囲気下で72℃に加熱した。これに、メチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.86g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させた後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.40gを溶解した溶液を加え、80℃に昇温し、4時間加熱した。得られた反応溶液を大過剰量のヘキサンに2回再沈殿させ、析出した樹脂を乾燥させることにより、96gの水不溶性ポリマー1を得た。得られた水不溶性ポリマーの組成をH−NMRにより確認した。また、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は、43300であった。更に、JIS規格(JIS K 0070:1992)に記載の方法で水不溶性ポリマーの酸価を求めたところ、64.6mgKOH/gであった。
−樹脂被覆マゼンタ顔料分散体の調製−
以下に示す組成中の成分を混合し、ビーズミルでφ0.1mmジルコニアビーズを用いて3〜6時間分散した。続いて、得られた分散体を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、マゼンタ顔料の濃度が15.0質量%である樹脂被覆マゼンタ顔料分散体を調製した。
<樹脂被覆マゼンタ顔料分散体の組成>
・C.I.ピグメント・レッド122顔料粉末 ・・・10.0部
(Cromophtal Jet Magenta DMQ、チバ・ジャパン社製;マゼンタ顔料)
・前記水不溶性ポリマー1(水不溶性樹脂) ・・・4.0部
・メチルエチルケトン(有機溶剤) ・・・30.5部
・1mol/lNaOH水溶液(中和剤) ・・・5.6部
・イオン交換水 ・・・98.7部
−ポリマー分散体の調製−
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、メチルメタクリレート158.4g、メトキシエチルアクリレート54.0g、ベンジルメタクリレート126.0g、メタクリル酸21.6g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬工業(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で3時間攪拌した後、さらに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2.5時間攪拌を続けることにより、重合体溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、68000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))であった。
次に、得られた重合体溶液668.3gを秤量し、イソプロパノール388.3g、1モル/LのNaOH水溶液145.7ml(中和度60%)を加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に、蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化した。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧し、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及び蒸留水を合計で913.7g留去し、以下に示す固形分濃度28.0%のポリマー分散体Cを得た。なお、以下に示すポリマー分散体C中の各構成単位の右下に付した数字は「質量比」を表す。
−マゼンタインクの調製−
上記で得られた分散体を用いて、下記に示す組成を有するインクを調液し、さらに0.2μmのメンブレンフィルターで濾過することにより、マゼンタインクを調製した。得られたマゼンタインクのpHを以下に示す方法で測定したところ、8.5であった。
<マゼンタインクの組成>
・前記マゼンタ顔料分散体 ・・・5質量%(マゼンタ顔料の固形分)
・サンニックスGP−250 ・・・10質量%
(ニューポールGP−250 三洋化成工業(株)製)
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル・・・3質量%
・ジプロピレングリコール ・・・5質量%
・前記ポリマー分散体C ・・・7質量%(共重合体の固形分)
・EM46D(カルナバワックス) ・・・1質量%
・尿素 ・・・5質量%
・オルフィン E1010 ・・・0.5質量%
(ノニオン系界面活性剤、日信化学工業(株)製)
・プロキセルXL2 ・・・0.3質量%
(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、AVECIA社製)
・イオン交換水 ・・・残量
得られたマゼンタインクも、処理液を収容したものと同様の容器に収容し、不図示のカートリッジを作製すると共にさらにカートンユニットを作製した。
[画像形成]
インクジェット記録装置として、特開2010−155928号公報の図1に記載のインクジェット記録装置と同様の構成を有する装置を用意し、これを下記の設定条件(符号は、同公報の図1中に記載の番号を示す)に設定した。
<設定条件>
・サブタンク102内のインク温度:35℃
・フィルタ122のメッシュサイズ:5μm
・ヘッドユニット51:ノズル径18μm、1200dpi、1ユニット2cmの長さ
・圧電素子68 :チタン酸ジルコン酸鉛(ピエゾ)
・共通流路52を流れるインク量:2〜4ml/sec
次いで、記録媒体(Nシルバーダイヤ(坪量104.7g/m)、日本製紙(株)製、塗工紙(マット))を500mm/秒で所定方向に直線的に移動可能なステージ上に固定し、これに上記で得た処理液をワイヤーバーコーターで約1.5g/mの塗布量となるように塗布し、塗布直後に50℃で2秒間乾燥させた。その後、前記インクジェット記録装置を固定配置し、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量2.4pL、解像度1200dpi×1200dpiの吐出条件にて、上記で得たマゼンタインクをライン方式で吐出し、ベタ画像を描画した。画像の描画直後、50℃で3秒間乾燥させ、更に50℃に加熱された一対の定着ローラ間を通過させ、ニップ圧0.20MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施し、評価サンプルを得た。
なお、定着ローラは、内部にハロゲンランプが内装されたSUS製の円筒体の芯金の表面がシリコーン樹脂で被覆された加熱ロールと、該加熱ローラに圧接する対向ロールとで構成されたものである。
[評価2]
−3.凝集性−
上記マゼンタインクについて、インクジェット記録装置を用いてインクを打滴し、王子計測機器株式会社製のドットアナライザーDA−6000を用いてマゼンタドットのドット径を測定した。処理液101を用いたときのドット径を100で規格化したときの他の各処理液を使用した場合のドット径を相対値で示し、評価した。値は小さいほど凝集性に優れていることを意味する。
−4.光沢ムラ−
マゼンタのベタ画像を描画し、その画像に対し指触試験を行い指跡の光沢ムラを目視にて評価した。
<評価基準>
○:光沢ムラが見られなかった。
△:僅かに光沢ムラが発生しているが、実用上許容内であった。
×:指跡状に光沢ムラが発生し、実用上支障を来す範囲であった。

Claims (6)

  1. 顔料を含むインク組成物と共に用いられ、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分として液全質量に対する含有比率が1〜30質量%のマロン酸を含有するインクジェット記録用処理液を収容する処理液収容部と、
    多孔質構造を有する気体透過性かつ液体非透過性のフィルタ基材を備え、前記処理液収容部のインクジェット記録用処理液を給排する給排口を閉塞する蓋部と、
    を備えた処理液収容容器。
  2. 前記フィルタ基材は、撥油撥水性を有する請求項1に記載の処理液収容容器。
  3. 前記フィルタ基材は、ポリテトラフルオロエチレンを含む請求項1又は請求項2に記載の処理液収容容器。
  4. 顔料を含むインク組成物と共に用いられ、該インク組成物中の成分を凝集させる凝集成分として液全質量に対する含有比率が1〜30質量%のマロン酸を含有するインクジェット記録用処理液が、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の処理液収容容器に収容された処理液カートリッジ。
  5. 前記インクジェット記録用処理液は、更に、リン酸基を有する化合物を含む請求項4に記載の処理液カートリッジ。
  6. マロン酸の前記インクジェット記録用処理液中における含有比率が処理液全質量に対して1〜20質量%であり、リン酸基を有する化合物の前記インクジェット記録用処理液中における含有比率が処理液全質量に対して0.5〜10質量%である請求項5に記載の処理液カートリッジ。
JP2011043176A 2011-02-28 2011-02-28 処理液収容容器及び処理液カートリッジ Abandoned JP2012179758A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011043176A JP2012179758A (ja) 2011-02-28 2011-02-28 処理液収容容器及び処理液カートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011043176A JP2012179758A (ja) 2011-02-28 2011-02-28 処理液収容容器及び処理液カートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012179758A true JP2012179758A (ja) 2012-09-20

Family

ID=47011416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011043176A Abandoned JP2012179758A (ja) 2011-02-28 2011-02-28 処理液収容容器及び処理液カートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012179758A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017218543A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 日本化薬株式会社 インク及びインクジェット記録方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1088044A (ja) * 1996-08-30 1998-04-07 E I Du Pont De Nemours & Co カルボン酸添加剤を使用する印刷要素のにじみを軽減するための顔料添加インクセットおよび方法
JP2001328339A (ja) * 2000-05-22 2001-11-27 Minolta Co Ltd 画像形成方法
JP2007119676A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Pilot Ink Co Ltd 変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セット
JP2009029145A (ja) * 2008-11-13 2009-02-12 Nitto Denko Corp インクカートリッジ
JP2010188661A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Fujifilm Corp インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット画像記録方法
JP2010202773A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fujifilm Corp インクジェット用インク組成物、インクセットおよび画像形成方法
JP2010241050A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
JP2011038025A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1088044A (ja) * 1996-08-30 1998-04-07 E I Du Pont De Nemours & Co カルボン酸添加剤を使用する印刷要素のにじみを軽減するための顔料添加インクセットおよび方法
JP2001328339A (ja) * 2000-05-22 2001-11-27 Minolta Co Ltd 画像形成方法
JP2007119676A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Pilot Ink Co Ltd 変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セット
JP2009029145A (ja) * 2008-11-13 2009-02-12 Nitto Denko Corp インクカートリッジ
JP2010188661A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Fujifilm Corp インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット画像記録方法
JP2010202773A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fujifilm Corp インクジェット用インク組成物、インクセットおよび画像形成方法
JP2010241050A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
JP2011038025A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Fujifilm Corp インクセット及び画像形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017218543A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 日本化薬株式会社 インク及びインクジェット記録方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6475316B2 (ja) インクセット及び画像形成方法
US8678544B2 (en) Ink set and image recording method
JP5408997B2 (ja) インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
JP5448934B2 (ja) インク組成物、インクセット、及びこれを用いた画像形成方法
JP5346521B2 (ja) クリアインク、インクセット、及びインクジェット記録方法
JP4902711B2 (ja) インク組成物、インクセットおよび画像形成方法
US8449100B2 (en) Inkjet recording method
JP4633833B2 (ja) インク組成物、インクセット、及びインクジェット記録方法
US8236096B2 (en) Ink set for inkjet recording
US20100196604A1 (en) Ink set for ink-jet recording and ink-jet recording method using the same
JP6765434B2 (ja) インクジェット記録用水性インク組成物、及び、画像形成方法
JP2009173867A (ja) 自己分散ポリマー、水性分散物、水性インク組成物、及びインクセット、並びに画像形成方法
JP5111316B2 (ja) 画像形成方法
JP5566741B2 (ja) インクジェット記録用インクセット及び画像形成方法
JP5355001B2 (ja) インクジェット記録方法
JP5489490B2 (ja) インクジェットインク組成物、インクセットおよび画像形成方法
US9200169B2 (en) Inkjet recording ink, ink cartridge, and inkjet recording method
JP6225581B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インク記録物
JP6146700B2 (ja) インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、記録物の製造方法、及び記録物
WO2020054290A1 (ja) インク組成物、インクセット及び画像記録方法
JP2010188696A (ja) インクジェット記録用インクセット及び画像記録方法
CN112752657A (zh) 预处理液、油墨组及图像记录方法
JP2012179758A (ja) 処理液収容容器及び処理液カートリッジ
JP2011195686A (ja) インクジェット記録用インクセット及び画像形成方法
JP2010155907A (ja) インクジェットインク組成物、インクセットおよび画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130613

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141028

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20141218