JP2012170570A - 棒状化粧料容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 棒状化粧料容器(1)のキャップ(3)を上半側の胴部(12)と下半側のダイアル部(13)とで構成し、胴部とダイアル部にはガイド溝(17)が形成されたガイド筒(14)と、該ガイド溝に対応する縦孔(19a)が形成された身筒部(19)とを設け、胴部の上端部には、ガイド溝および縦孔に係合する係合突起(21a)が形成されたインナー筒(21)を設けて、胴部に対してダイアル部を相対回動することにより、容器本体(2)をキャップから突出させ、容器本体をキャップに押し込むことで、容器本体をキャップに収容させる。
【選択図】図1
Description
このように容器本体上端部からキャップを外嵌させることで化粧料を収容する棒状化粧用容器にあっては、キャップの内側最奥端部に縦軸方向の付勢力を有した弾性部材を装着し、該弾性部材の付勢力を利用してキャップと容器本体との係脱を行うよう構成したものがある。
例えば特許文献1のものでは、キャップの内側奥端部に該キャップの開口部に向けて付勢するばね材と、該ばね材によって容器本体に付勢される塗布部材とを備え、キャップ内側の奥端部から容器本体に向けて突出している塗布部材を容器本体側に向けて付勢し、キャップで容器本体上端部を覆蓋する場合には、まず塗布部材の先端が容器本体の奥端部に当接するまで押し込み、さらに該押し込むことによってばね材が収縮した状態でキャップの係合突起が容器本体の係合部に係合して収容姿勢に維持される。そしてキャップを容器本体から取り外すべく離間姿勢にするには、容器本体に対してキャップを周方向に捻ることで前記係合が解かれてばね材の付勢力によってキャップが容器本体から離間する方向に移動するよう構成している。
また、例えば特許文献2のものでは、キャップ内を移動自在な中筒体(インナー筒)を設けると共に、該中筒体に容器本体が摺動自在に外嵌し、中筒体の下端に揺動自在な係合突起を設けたものとし、そして容器本体をキャップに収納する収納姿勢にするには、中筒体に内嵌した状態の容器本体を押し込んでキャップ内底部に設けた係合部に対して、ガイド部のガイドによって係合突起を係合せしめることで行い、容器本体をキャップから突出させて取り出すことができる取り出し姿勢にするには、再度容器本体をキャップ奥側に押し込んで中筒体をキャップ奥側に押し込み、これによって係合突起がガイド部のガイドによって係合部から外れて中筒体がキャップ開口側に移動して容器本体が取り外し姿勢となるよう構成している。そしてこのものでは、前記収納姿勢に維持するため、キャップの底部と中筒体の下面とのあいだにばね材を設け、該ばね材の付勢力で係合突起の係合部からの係合が解除されないようにしている。
また特許文献1のものは、ばね材によって係合突起を係合部に係合させる際にはばね材が戻り移動することになり、その移動分のスペースを確保した設計とならざるを得ないうえ、ばね材の付勢力を利用して突出させるものであるため、意図しない突然の突出となる虞がある。また容器本体とキャップとのあいだに間隙を設けた化粧料容器となってしまって、外観上好ましくないばかりでなく、キャップ着脱の操作に無駄な動きが発生して操作の快適性が損なわれるという問題があり、これらに本発明が解決せんとする課題がある。
請求項2の発明は、ガイド溝には、縦溝下端および縦溝上端に位置する係合突起の逆戻り防止をするための段差部が設けられている請求項1記載の棒状化粧料容器である。
請求項3の発明は、インナー筒は、係合突起の段差部越えの補助をすべく可撓性を有していることを特徴とする請求項2記載の棒状化粧料容器である。
請求項4の発明は、段差部は、係合突起が縦溝下端および縦溝上端に位置するときにクリック音を発生させるものであることを特徴とする請求項2または3記載の棒状化粧料容器である。
請求項5の発明は、縦溝は複数あり、螺旋溝は、隣接する縦溝同士の一方の上端から他方の下端へと周回り方向一方向で連結するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器である。
また、使用による化粧料の減小や容器本体を新しいものに交換した場合等の容器本体の重量の増減があっても、ばね材を用いた場合のように収容姿勢から突出姿勢に変姿するときの突出速度が変化してしまうといった不具合がない。
さらに、ばね材を用いた場合のように、係合突起を係合部に係合させる際のばね材の戻り移動のためのスペースを考慮する必要がなく、設計の自由度が高まる。またばね材を用いることによって容器本体或いはキャップが意図せずして突然突出したりする虞もなく、操作性の良い棒状化粧料容器とすることが出来る。
請求項2の発明とすることによって、キャップに容器本体を押し込んで収容姿勢にする場合に、縦溝の上端に位置した係合突起が下端に戻ってしまうことによる容器本体の収容姿勢から突出姿勢への逆戻りを防ぐことが出来る。また、胴部とダイアル部を相対回動させて容器本体を突出姿勢にする場合に、螺旋溝の下端に位置した係合突起が螺旋溝の下端から上端に戻ってしまうことによる容器本体の突出姿勢から収容姿勢への逆戻りを防ぐことが出来る。従って、ばね材を用いることなくして収容姿勢および突出姿勢における係合突起の縦溝上端及び下端の係合を維持することが出来る。
請求項3の発明とすることによって、係合突起がガイド溝を摺動する際に段差部をスムーズに超えることが出来るインナー筒とすることが出来る。従って、収容姿勢から突出姿勢への変姿、突出姿勢から収容姿勢への変姿をスムーズに行うことが出来る。
請求項4の発明とすることによって、収容姿勢から突出姿勢に変姿するとき、また突出姿勢から収容姿勢に変姿するときに「カチッ」というクリック音が発生することによって使用者の耳に心地よく、また収容姿勢および突出姿勢に完全に変姿したことを使用者が認識出来るため、使用者に安心感を与えることが出来る。
請求項5の発明とすることによって、縦溝の数に応じて螺旋溝の距離を異ならしめることができ、これによって収納姿勢から突出姿勢に変姿させるときの胴部とダイアル部との相対回動の回動量を異なるものにすることが出来る。
図1、2に示されるように、1は棒状化粧料が収容される化粧料容器であって、化粧料容器1は、上面が開口しており、装填される化粧料が昇降操作される容器本体2と、容器本体2を開口部2a側から覆蓋するキャップ3とからなる。
容器本体2は、有底筒状の袴筒4と該袴筒4の内周面側に固着される縦軸方向に長い一組のガイド孔5aが対向して穿設された円筒状の本体側の身筒5と、下端部が袴筒4の下端部に内嵌する円筒状の中具6とを備えて構成される。これら袴筒4、身筒5、中具6は容器本体2の縦軸周りに一体回動するようになっている。
さらに前記身筒5の内周面側には、前記ガイド孔5aを貫通して螺旋溝8aに係合する本体側の突起9aが突設された中皿9が身筒5内を上下方向移動自在となるように設けられている。この中皿9には、棒状化粧料(図示省略)を収容するための収容部9bが形成されており、前記螺旋筒8と身筒5とは相対回動に伴う中皿9の昇降によって、棒状化粧料が容器本体2の上端の開口部2aから繰出し繰戻しされるようになっている。
尚、11は、身筒5に外嵌し、螺旋筒8の下端部に摺接するリングである。
胴部12の上端部内周面側には、筒状のガイド筒14が胴部12に対して一体的に止着されている。該ガイド筒14の内周面には、図3、図4に示されるように、軸心を挟んで対向位置に形成された縦軸方向に長い一対の縦溝15、15と、隣接する一方の縦溝15の上端部15aと他方の縦溝15の下端部15bとを周方向一方向で連結する螺旋溝16、16とからなるガイド溝17が形成されている。尚、本発明の実施の形態では、螺旋溝16は図面視で右方向に回るように連結されているが、左回りでも構わないことは勿論である。また、縦溝15は一対である2本としたが1本であっても、また3本以上であっても良い。さらにまた、本実施の形態では、ガイド溝17は胴部12の内周面に一体的に設けたガイド筒14の内周面に形成したが、これに限定されることなく胴部12の内周面に直接形成しても良い。
また、係合突起21a及びガイド溝17は、係合突起21aが第一、第二段差部17a、17bを乗り越えて上端部15a(螺旋溝上端部16a)および下端部15b(螺旋溝下端部16b)に落下するようにして移動した瞬間に、係合突起21aと上端部15a又は下端部15bとが衝突して「カチッ」というクリック音が発生するようになっている。
尚、本実施の形態のダイアル部13の下端縁13aは側面視したときに傾斜状となっているが、これは容器本体1をキャップ10から取り出し易くするためおよびデザイン性を良くするためのものであって、特にこの形状に限定されるものではない。
尚、このとき容器本体2の中皿9は、中皿9の収容部9bに収容される化粧料が容器本体上端部2aから上に突出しないよう下方に繰り戻された状態となっている。
このようにダイアル部13に対して胴部12を回動させると、収容姿勢において縦孔19aの上端部19bを貫通して縦溝15の上端部15aに位置していた係合突起21aは、縦孔19aに回動規制された状態で縦溝上端部15aである螺旋溝上端部16aから他方の縦溝15の下端部15bである螺旋溝下端部16bに向けて移動し、第二段差部17bを超えることによって逆戻りしない状態で他方の縦溝15の下端部15bに位置する。この係合突起21aのガイド溝17に添う移動によって係合突起21aは、身筒部19の縦孔19aを上端部19bから下端部19cへと移動し、インナー筒21は縦溝15の溝長さだけキャップ3に対して下方に相対移動する。すると、容器本体2の上端部2bは突き当たり部21bの下方移動によって下方に押出されることになり、これによって容器本体2は、図8(B)、図9(B)に示されるように、下端部2cがキャップ3の下端部3aから突出する突出姿勢となる。
尚、収納姿勢への変姿は、インナー筒21と容器本体2の把持筒7との摺動抵抗と、インナー筒21と支持筒18との摺動抵抗の大小によって、インナー筒21と把持筒7との摺動とインナー筒21と支持筒18との摺動の後先、あるいは同時かが決まることになるが、何れであっても勿論良い。
また、本実施の形態では、容器本体2をキャップ3に収容する際、インナー筒21の内周面と容器本体2の把持筒7とが摺動するものに構成したが、これに限定されるものではなく、インナー筒21の内周面と中具6の外周面とが摺動するものとしても良いし、またインナー筒21の内周面と袴筒4の外周面とが摺動するものとしても良い。
さらにはインナー筒21を下端縁部に突き当たり部21bが形成されたものとして、把持筒7の外周面と身筒部19の内周面とが摺動するものに構成しても良く、また中具6の外周面と身筒部19の内周面とが摺動するものに構成しても良く、さらには袴筒4と身筒部19とが摺動するものに構成しても良い。このように、把持筒7と身筒部19、中具6と身筒部19、袴筒4と身筒部19とが摺動するよう構成した場合には、インナー筒21は容器本体2の上端部2bが突き当たり部21bに当接することによってキャップ3の上端部へと押し上げられて収容姿勢となる。
また、本発明が実施されたものは、胴部12とダイアル部13との相対回動や押し込みによる突出姿勢や収容姿勢への変姿を使用者自らが操作することにより行うことになるので、使用者の意図に添った変姿ができ、ばね材を用いたもののように意図しない速度で突然変姿してしまうようなことがない。
さらに、ばね材を用いた場合のように、係合突起を係合部に係合させる際のばね材の戻り移動のためのスペースを考慮する必要がなく、従って設計の自由度が高まる。
そのうえ、係合突起21aが第一、第二段差部17a、17bを超えるときに「カチッ」というクリック音が発生することによって使用者の耳に心地よく、また収容姿勢および突出姿勢に完全に変姿したことを使用者が認識することが出来て、使用者に安心感が与えられる。
2 容器本体
3 キャップ
12 胴部
13 ダイアル部
15 縦溝
15a 上端部
15b 下端部
16 螺旋溝
17 ガイド溝
19 身筒部
19a 縦孔
21 インナー筒
21a 係合突起
21b 突き当たり部
Claims (5)
- 棒状化粧料が収容される容器本体と、該容器本体の上側から外嵌して容器本体の被覆蓋部を覆蓋するキャップとを備えて構成される棒状化粧料容器において、
前記キャップは、有天筒状をした上半側の胴部と、下端が開口した筒状であって、前記胴部に対して縦軸周りに回動自在な下半側のダイアル部とで構成され、
前記胴部とダイアル部とは、縦軸方向を向いた縦溝と該縦溝の上下端部間を周回り方向に連通する螺旋溝とからなるガイド溝と、前記縦溝対応位置に位置していて縦溝長さに対応する縦孔が形成された身筒部とがそれぞれ形成されたものであり、
前記身筒部に上下方向摺動自在に内嵌されるインナー筒には、容器本体が最上端に摺動したとき容器本体が突き当たる突き当たり部と、前記ガイド溝および身筒部の縦孔に移動自在に係合する係合突起とが形成されていて、
前記係合突起がガイド溝の縦溝上端に位置し、かつ容器本体がインナー筒の突き当たり部に突き当たっていて容器本体がキャップに収容される収容姿勢の状態で、胴部に対してダイアル部を相対回動することにより、係合突起がガイド溝の縦溝上端から螺旋溝を経由して縦溝下端に至る移動をすることでインナー筒が容器本体と共に下動して、該容器本体がキャップ下端から突出して容器本体をキャップから取り出し操作できる突出姿勢に変姿させる一方、該突出姿勢で容器本体をキャップ下端から上方に押し込むことで、係合突起の縦溝下端から上端への移動と容器本体の突き当たり部に突き当たるまでの移動とがなされて、容器本体をインナー筒と共に前記収容姿勢に変姿させるようにしたことを特徴とする棒状化粧料容器。 - ガイド溝には、縦溝下端および縦溝上端に位置する係合突起の逆戻り防止をするための段差部が設けられている請求項1記載の棒状化粧料容器。
- インナー筒は、係合突起の段差部越えの補助をすべく可撓性を有していることを特徴とする請求項2記載の棒状化粧料容器。
- 段差部は、係合突起が縦溝下端および縦溝上端に位置するときにクリック音を発生させるものであることを特徴とする請求項2または3記載の棒状化粧料容器。
- 縦溝は複数あり、螺旋溝は、隣接する縦溝同士の一方の上端から他方の下端へと周回り方向一方向で連結するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の棒状化粧料容器。
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