JP2012166711A - 車両用ステアリングコラム - Google Patents

車両用ステアリングコラム Download PDF

Info

Publication number
JP2012166711A
JP2012166711A JP2011029798A JP2011029798A JP2012166711A JP 2012166711 A JP2012166711 A JP 2012166711A JP 2011029798 A JP2011029798 A JP 2011029798A JP 2011029798 A JP2011029798 A JP 2011029798A JP 2012166711 A JP2012166711 A JP 2012166711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
latch
tilt
jacket
bracket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011029798A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Maki
和博 牧
Hidetoshi Inayoshi
秀俊 稲吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2011029798A priority Critical patent/JP2012166711A/ja
Publication of JP2012166711A publication Critical patent/JP2012166711A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Abstract

【課題】 簡便なロック機構でステアリングジャケットを保持できる車両用ステアリングコラムを提供すること。
【解決手段】 シャフト後端部11aにステアリングホイール3(把持部材)が固定されるように適合されたステアリングシャフト11と、ステアリングシャフト11を回転自在に支持するとともに、車体に対して揺動軸15まわりに揺動自在に支持され、跳上げ操作時に揺動するステアリングジャケット14と、ステアリングジャケット14の揺動方向16にステアリングジャケット14を解除可能に保持するチルトメモリブラケット24(ラッチ機構、チルト機構)及びアッパブラケット27(ラッチ機構)と、から構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、跳上げ操作可能な車両用ステアリングコラムに関する。
従来技術によるステアリングコラムでは、凹凸嵌合を用いたクランプをブラケットに搭載してステアリングジャケットのチルト角度を調整し、乗降時にはチルト角度を保持したままブラケットごとステアリングジャケットを跳上げているものがある。リンク機構を用いて跳上げ角度を規制するとともに、リンク機構が死点(被支持側からの負荷で支持側が動かない点)となることによってステアリングジャケットを跳上げ状態でロックしている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の従来技術によるステアリングコラムでは、モータを用いた電動ロック機構でステアリングジャケットの跳上げ状態を保持しているものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特公平7−10670号公報 特開2009−029325号公報
しかしながら、特許文献1のステアリングコラムでは往復摺動運動を伴う可動部の多いリンク機構を用いて跳上げ状態を保持する為、リンク機構を構成する部品の寸法精度や表面粗度等を向上しなければならない問題点がある。
また、特許文献2のステアリングコラムでは、跳上げ状態を保持する為にはモータ、ギヤ及びECU等の部品が必要となり、部品点数が増加して装置が複雑となる問題点がある。
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、構成する部品の寸法精度や表面粗度を緩和しつつも、簡便なロック機構でステアリングジャケットを保持できる車両用ステアリングコラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の課題解決手段は、一端に把持部材が固定されるように適合されたステアリングシャフトと、該ステアリングシャフトを回転自在に支持するとともに、車体に対して揺動軸まわりに揺動自在に支持され、跳上げ操作時に揺動するステアリングジャケットと、該ステアリングジャケットの揺動方向に前記ステアリングジャケットを解除可能に保持する少なくとも一つ以上のラッチ機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の課題解決手段は、前記ステアリングジャケットは、前記ラッチ機構と解除可能に係合して前記ステアリングジャケットを保持する少なくとも一つ以上の係合部を有することを特徴とする。
本発明の第3の課題解決手段は、前記ステアリングジャケットは、揺動範囲の両端でそれぞれ異なるラッチ機構に保持されることを特徴とする。
本発明の第4の課題解決手段は、前記ラッチ機構は、前記ラッチ機構に回動自在に支持されるとともに前記ラッチ機構の解除方向に付勢されるラッチ部材と、前記ラッチ機構に回動自在に支持されるとともに前記ラッチ部材の係合方向に前記ラッチ部材を押圧して係合状態に保持するよう付勢されるロック部材と、を有することを特徴とする。
本発明の第5の課題解決手段は、前記ステアリングジャケットは、少なくとも一つの前記ラッチ機構に設置されるチルト機構によりチルト調整され、前記ラッチ機構は、チルト角度をメモリしたまま前記ステアリングジャケットを揺動自在に解放することを特徴とする。
本発明の車両用ステアリングコラムでは、ラッチ機構を用いることによって、往復摺動運動を伴うリンク機構を廃止でき、構成する部品の寸法精度や表面粗度に対する要求を緩和することができる。さらに、ラッチ機構は数点の部品のみで構成できる為、電動ロック機構よりも簡便なロック機構でステアリングジャケットを保持することができる。
また、係合部を形成することによりステアリングジャケットを確実に保持することができる。さらに、ステアリングジャケットからラッチ機構を分離することによって可動部であるステアリングジャケットを軽量化できる為、操作性を向上することができる。
また、ラッチ機構を2つ備えることにより、通常状態及び跳上げ状態の両方でステアリングジャケットを保持することができる。
また、解除方向に付勢されたラッチ部材をロック部材が係合方向に押圧する為、ラッチ部材に外力を加えることなくラッチ機構を係合状態に保持し続けることができる。さらに、ラッチ部材が解除方向に付勢される為、ロック部材の押圧を解除すればラッチ部材に外力を加えることなく、ラッチ機構を解放状態とすることができる。
また、チルト機構がラッチ機構に設置され、チルト角度をメモリしたままステアリングジャケットを跳上げることができる為、跳上げ前後でチルト角度を再調整する必要がなく、操作性が向上する。
本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムを備える自動車のステアリング装置を説明する斜視図である。 本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムの左右方向に垂直な面における断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムの図2のA−A断面を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムの図2のB−B断面を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るチルトメモリブラケットの説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムのチルト操作後の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムの跳上げ操作後の状態を示す説明図である。
以下、本発明の車両用ステアリングコラムを備えた車両について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用ステアリングコラムを備える自動車のステアリング装置1を説明する斜視図である。ステアリングコラム2(車両用ステアリングコラム)の一端にステアリングホイール3(把持部材)が固定され、他端には第一自在継手4を介してインタミディエイトシャフト5が接続している。インタミディエイトシャフト5は第二自在継手6を介してラック7のラックアンドピニオン機構7aに接続し、ステアリング操作に伴うステアリングホイール3の回転運動は、ラックアンドピニオン機構7aによりラック7の左右方向の往復直線運動に変換される。また、ラック7には往復直線運動をアシストするためのボールスクリュ式の電動アクチュエータ7bが設置されている。ラック7が往復直線運動することによって、転舵輪8の転舵角が可変し車両の進行方向が変更されるようになっている。
図2は、本発明の実施形態に係るステアリングコラム2の左右方向に垂直な面における断面図である。ステアリングシャフト11は、傾斜して前後方向に延伸する鋼製の円柱状乃至円筒状の部材であり後方のシャフト後端部11aにステアリングホイール3が固定され、前方のシャフト前端部11bには第一自在継手4が接続される。また、シャフト後端部11a及びシャフト前端部11b付近で軸受12、13によって、回転自在となるようステアリングジャケット14に支持されている。ステアリングジャケット14は、傾斜して前後方向に延伸する鋼製の円筒状の部材であり、ステアリングジャケット14のジャケット後端部14aに軸保持部14bが設けられている。軸保持部14bに左右方向に延伸する揺動軸15が嵌合し、ステアリングジャケット14は、揺動軸15を支持軸として図示しない車体に揺動方向16に揺動自在に支持されている。ステアリングジャケット14のジャケット前端部14c付近には、溶接等の手段によりストライカブラケット17がステアリングジャケット14の一部として一体化されている。ストライカブラケット17は、上下方向に延在するとともに左右方向に並んで配置される一対の板状の部材である。ストライカブラケット17のブラケット下端部17aには左右方向に延伸するとともに揺動軸15と平行に配置される円柱状の部材である第一ストライカ18(係合部)が固定され、ブラケット上端部17bには同様の形状である第二ストライカ19(係合部)が固定される。
ストライカブラケット17の前方側には、ステアリングジャケット14を左右方向に挟むように上方から固定ブラケット21が配置され、固定ブラケット21は、車体に対して固定される。固定ブラケット21には、上下方向に延伸する左右一対のチルト案内孔21aが形成される。チルト案内孔21aには左右方向に延伸するチルトロックピン22が挿通され、チルトロックピン22の端部にはチルトロックレバー23が固定される。チルトロックピン22にはチルトメモリブラケット24(ラッチ機構、チルト機構)が共締めされる。チルトメモリブラケット24には第一ラッチ25(ラッチ部材)及び第一ポール26(ロック部材)が回動自在に支持されている。固定ブラケット21の後方側にはアッパブラケット27(ラッチ機構)が車体に対して固定され、アッパブラケット27にはチルトメモリブラケット24と同様に第二ラッチ28(ラッチ部材)及び図示しない第二ポールが回動自在に支持される。
図3は、本発明の実施形態に係るステアリングコラム2の図2のA−A断面を示す断面図である。固定ブラケット21は、車体へ固定する為の固定部21b及び下方に延在する延在部21cから構成され、固定部21bと延在部21cとは互いに溶接により固定される。一対のストライカブラケット17は、上下方向の中央部付近でステアリングジャケット14の外径と適合するように弧を構成してステアリングジャケット14に溶接固定される。それぞれのブラケット下端部17a及びブラケット上端部17bは、鋼製の第一ストライカ18及び第二ストライカ19の左右方向の両端でそれぞれ溶接固定される。
第一ストライカ18付近には、チルトメモリブラケット24がストライカブラケット17に左右方向に挟まれるように配置される。チルトメモリブラケット24は、プレス成形された鋼板により構成されており、図3では左右方向に対向する一対の板状の本体部24aの断面として表される。チルトメモリブラケット24には、第一ラッチ25が第一ラッチピン31回りに回動自在に保持され、第一ラッチピン31は、左右方向を軸方向として揺動軸15と平行に配置される。また、第一ラッチスプリング32が、第一ラッチ25を付勢する為に第一ラッチピン31回りに配置される。第一ラッチ25は、他のブラケットよりも厚い鋼板、鉄系焼結材又は樹脂により成形されている。
図4は、本発明の実施形態に係るステアリングコラム2の図2のB−B断面を示す断面図である。チルトメモリブラケット24は、固定ブラケット21の延在部21cと接して左右方向から挟まれるように配置され、チルトメモリブラケット24のこの断面における左右方向の幅は、図3での幅よりも広くなっている。チルトロックレバー23には四角状のレバー孔部23aが形成され、第一ロックカム33の四角状外形の第一凸部33aがレバー孔部23aに嵌合し、第一ロックカム33にチルトロックピン22が嵌合する。第一ロックカム33と左右方向に対向して第二ロックカム34が配置され、第二ロックカム34にチルトロックピン22が嵌合する。チルトロックレバー23、各ロックカム33、34と嵌合したチルトロックピン22は、左方向から固定ブラケット21のチルト案内孔21aに挿通され、第二ロックカム34に形成された四角状外形の第二凸部34aは、チルトメモリブラケット24の四角状のブラケット孔部24bに嵌合する。チルトロックピン22は、カラー35及びワッシャ36を介して右方向から抜止めの為のナット37と螺合し、弛止めのためナット37はかしめ処理される。また、各ロックカム33、34には第一カム面33b及び第二カム面34bが対向して形成され、各カム面33b、34bは、各ロックカム33、34同士が相対回動する際、互いに離反する左右方向の軸力が増減するよう形成される曲面又は斜面である。各ロックカム33、34に作用する軸力によって、固定ブラケット21の延在部21cは、チルトメモリブラケット24の本体部24aに対して左右方向から押圧され、延在部21cと本体部24aとの間に摩擦力が作用する。固定ブラケット21とチルトメモリブラケット24とは、摩擦力によって相対位置が保持され、チルトロック状態となる。
図5は、本発明の実施形態に係るチルトメモリブラケット24の説明図である。チルトメモリブラケット24の前縁には左右方向に延在する架橋部24cが形成され、架橋部24cによって左右一対の本体部24aが連結する。本体部24aの前方にはブラケット孔部24bが形成され、ブラケット孔部24bには、チルトロックピン22の挿通された第二ロックカム34の第二凸部34aが嵌合する。ブラケット孔部24b及び第二凸部34aは、チルトメモリブラケット24と第二ロックカム34とが互いに相対回動しないよう四角形である。本体部24aの前後方向中央付近に第一ラッチピン31が固定され、第一ラッチピン31に第一ラッチ25が回動自在に嵌合する。第一ラッチピン31回りには捩じりコイルスプリングである第一ラッチスプリング32が配置されるとともに、第一ラッチスプリング32の両端が本体部24a及び第一ラッチ25とそれぞれ係合し、第一ラッチ25をラッチ解放方向41a(解除方向)に付勢する。第一ラッチ25には第一ラッチピン31の半径方向外側に向かって延在する第一アーム部25aと第二アーム部25bが形成される。第一アーム部25aと第二アーム部25bとに挟まれて、第一ラッチピン31の半径方向外側に向かって開口する収容溝25cが形成され、第一ラッチ25は、略U字状の形状になる。本体部24aの後方で第一ポール26の軸部26aが本体部24aに回動自在に嵌合し、軸部26aから軸部26aの半径方向外側に向かってロックアーム部26bが形成される。軸部26aには捩じりコイルスプリングである第一ポールスプリング38が配置され、第一ポールスプリング38の両端が本体部24a及び第一ポール26とそれぞれ係合し、第一ポール26をポール保持方向42aに付勢する。ロックアーム部26bと第一アーム部25aとは、第一ラッチスプリング32及び第一ポールスプリング38の付勢力でアーム先端面26cと第一側面25dとが互いに押圧されあうことにより、それぞれの位置が保持されている。本体部24aの第一ラッチ25と第一ポール26との間には、上方向に開口するガイド溝24dが形成され、ガイド溝24d及び収容溝25aによって第一ストライカ18が挟持される。アッパブラケット27は、チルトメモリブラケット24を上下方向に反転した同様な形状であるが、チルトロックピン22等を挿通するブラケット孔部24bは形成されない。
チルトメモリブラケット24が第一ストライカ18を開放する際の動作について説明する。第一ポール26と連動する図示しないポールレバーを操作することによって、アーム先端面26cが第一側面25dと摺動しながら、第一ポールスプリング38の付勢力に抗して第一ポール26がポール解放方向42bに回動する。第一ポール26の回動に伴ってアーム先端面26cと第一側面25dの接触面積が縮小し、ロックアーム部26bが第一アーム部25aを保持できなくなった時点で、第一ラッチ25が回動し始める。操作レバーへの操作力を解除すると、第一ポール26は、第一ポールスプリング38によってポール保持方向42aに付勢されて、図示しないポールストッパと当接して停止する。第一アーム部25aの第一先端面25eがロックアーム部26bのアーム側面26dと摺動しながら、第一ラッチ25は、第一ラッチスプリング32の付勢力によってラッチ解放方向41aに回動し、図示しないラッチストッパに当接して回動が停止する。第一ラッチ25の回動に伴い収容溝25cの開口方向が上向きになって第一ストライカ18の挟持が解除され、第一ストライカ18は、解放されてチルトメモリブラケット24に対して上方向に相対移動可能となる。
次に、チルトメモリブラケット24が第一ストライカ18を挟持する場合の動作について説明する。第一ストライカ18は、収容溝25cの開口方向である上方から第二アーム部25bに当接し、第一ラッチスプリング32の付勢力に抗して第一ラッチ25をラッチ挟持方向41b(係合方向)に回動させる。第二アーム部25bの第二先端面25fがアーム側面26dと当接して、摺動しながら第一ラッチ25が回動し、第二先端面25fとアーム側面26dとが離れてから第一先端面25eがアーム側面26dと当接し始める。第一先端面25eは、第一ラッチ25の回動に伴い第一ポールスプリング38の付勢力に抗してアーム側面26dを押圧しながら摺動し、アーム先端面26cに達した時点でアーム先端面26cと第一側面25dが当接し始める。アーム先端面26cと第一側面25dとが摺動しながら、第一ポール26は、ポール保持方向42aに回動し、第一側面25dの断差にアーム先端面26cが当接して停止する。第一ストライカ18は、第一ポール26のポールレバーを操作することなく収容溝25cとガイド溝24dとによって挟持され、第一ポールスプリング38の付勢力によってセルフロックされる。アッパブラケット27もチルトメモリブラケット24とほぼ同様の構造であり、チルトメモリブラケット24と同様に第二ストライカ19をセルフロックし、ポールレバーの操作により開放することができる。
ステアリングコラム2のチルト動作について説明する。図6はステアリングコラム2のチルト操作後の状態を示す説明図である。チルト操作時には、第一ストライカ18はチルトメモリブラケット24に挟持され、第二ストライカ19はアッパブラケット27から解放されている。チルトロック状態を解除する為チルトロックレバー23を上方に操作してチルトロックピン22回りに回動させると、チルトロックレバー23に拘束される第一ロックカム33は、チルトメモリブラケット24に拘束される第二ロックカム34に対して相対回動する。第一カム面33bと第二カム面34bとが摺動することによって、第一ロックカム33と第二ロックカム34との間に作用していた互いに離反する軸力が解除され、延在部21cと本体部24aとの間に作用していた摩擦力が解消する。摩擦力の解消によってチルトメモリブラケット24に拘束される第二凸部34aは、チルト案内孔21aに沿って摺動方向16に摺動可能となり、チルトメモリブラケット24は、チルト案内孔21aの範囲内で移動可能となる。但しチルト調整のストローク量を大きく設計する場合、ステアリングジャケット14を上端側にチルト調整した際、第二ストライカ19が第二ラッチ28に当接するものの第二ポールは第二ラッチ28をロックしない半挟持状態となることがあるが、第二ストライカ19は、移動自在であり問題は生じない。ステアリングホイール3を把持してステアリングジャケット14を揺動軸15回りにチルト調整すると、チルトメモリブラケット24は、ストライカブラケット17を介して上下方向に連動する。なお、チルト案内孔21aは円弧状ではなく直線状に形成される為、揺動軸15を保持する軸保持部14bは、揺動軸15の微小な平行移動を許容するよう真円状ではなく長円状に形成される。所望の位置にステアリングジャケット14をチルト調整して、チルトロックレバー23を下方に操作すると、第一ロックカム33と第二ロックカム34とが相対回動し、互いに離反する方向の軸力が生じる。軸力によって延在部21cと本体部24aとの間に摩擦力が作用し、固定ブラケット21とチルトメモリブラケット24とは、相対位置が保持される。第一ロックカム33と第二ロックカム34とは、第一カム面33bと第二カム面34bとの間に作用する摩擦力によって相対位置が保持され、再びチルトロック状態となる。
ステアリングコラム2の跳上げ動作について説明する。図7はステアリングコラム2の跳上げ操作後の状態を示す説明図である。ポールレバーを操作して第一ポール26をポール解放方向42bに回動させることにより、第一ラッチスプリング32の付勢力によって第一ラッチ25がラッチ解放方向41aに回動し、第一ストライカ18の挟持が解除される。第一ストライカ18の解放によって固定ブラケット21とチルトメモリブラケット24の相対位置が保持されつつ、ステアリングジャケット14は、チルト動作時と同様に揺動軸15まわりに揺動可能となる。ステアリングジャケット14は、図示しないばねの付勢力によって揺動方向16に沿って上方へ揺動し、第二ストライカ19がアッパブラケット27の第二ラッチ28に当接する。第二ストライカ19に押圧されて第二ラッチ28が回動し、アッパブラケット27と第二ラッチ28とによって第二ストライカ19が挟持される。アッパブラケット27の図示しない第二ポールスプリングの作用により第二ラッチ28の位置が保持され、第二ポールを操作することなく第二ストライカ19はセルフロックされる。
ステアリングコラム2の跳上げ状態を解除して通常状態である運転操作可能状態に復帰させる際の動作について説明する。アッパブラケット27の第二ポールを操作することにより第二ラッチ28が回動し、第二ストライカ19の挟持が解除され、ステアリングジャケット14が揺動軸15回りに揺動可能となる。ステアリングホイール3を把持してステアリングジャケット14に下方向の操作力を作用させると、ステアリングジャケット14は下方向に揺動し、第一ストライカ18が第一ラッチ25に当接してチルトメモリブラケット24にセルフロックされる。その際、ステアリングジャケット14の跳上げ前後で固定ブラケット21とチルトメモリブラケット24の相対位置は保持される。
本発明のステアリングコラム2では、複雑な往復摺動運動を伴うリンク機構に比べて可動部の少ないラッチ機構でステアリングジャケット14を保持する為、ラッチ機構を構成する各ブラケット24、27、各ラッチ25、28等の加工精度を緩和することができる。さらに、ラッチ機構は、手動で操作でき電動ロック機構に比べて構造が簡素な為部品点数を低減できる。また、従来技術に記載されているように摩擦係数に依存するとともに力の釣合いによって成立する不安定な状態である死点でステアリングジャケット14を保持するのではなく、ラッチ機構でステアリングジャケット14を機械的に保持することによって確実性が向上する。そのため、非舗装路走行が多く強い車両振動に晒されるSUV車や新興国向け車両に適用してもステアリングジャケット14の保持が維持され、安全性を確保できる。そのうえ、ラッチ機構は、自動車のドア保持に一般的に使用されている為、設計及び製造ノウハウが蓄積されており信頼性が高いのみならず、部品共通化によりコストを低減することが可能である。
また、ストライカブラケット17を介してステアリングジャケット14に係合部である第一ストライカ18及び第二ストライカ19を形成することにより、ステアリングジャケット14を確実に保持することができる。さらに、ステアリングジャケット14からラッチ機構であるチルトメモリブラケット24及びアッパブラケット27を別体化することによって可動部であるステアリングジャケット14を軽量化できる為、操作性を向上することができる。
また、ステアリングコラム2は、チルトメモリブラケット24及びアッパブラケット27をそれぞれ備える為、運転操作可能状態及び跳上げ状態でそれぞれ確実にステアリングジャケット14を保持することができる。さらに、従来技術に記載されているようなリンク機構で跳上げのストローク量を規制しない為、跳上げのストローク量を自由に設定することができ、ラッチ機構である各ブラケット24、27を車種間で共通化することができる。
また、第一ラッチ25は、第一ポール26によってラッチ挟持方向41bに押圧される為、第一ストライカ18の当接によって回動する際自動的にロックされ、第一ストライカ18をセルフロックすることができる。そのため、第一ポール26のロック忘れの心配がなくフールプルーフの観点からも好ましい。また、第一ラッチ25が第一ラッチスプリング32によってラッチ解放方向41aに付勢される為、第一ポール26の押圧を解除することによってワンタッチで第一ストライカ18を開放することができる。さらに、第二ラッチ28を第二ポールで機械的にロックする為、ステアリングホイール3を乗降時の支えとして体重をかけてもステアリングジャケット14の跳上げ状態が維持され、乗降性を向上できユニバーサルデザインの観点からも好ましい。
また、チルトメモリブラケット24にそれぞれ独立したラッチ機構とチルト機構とが並列して搭載される為、チルト角度をメモリしたままステアリングジャケット14を跳上げることができ、跳上げ前後でのチルト調整が不要となり操作性が向上する。さらに、チルトメモリブラケット24にラッチ機構とチルト機構とを近接させて搭載する為、跳上げ動作及びチルト動作時の揺動軸15を共通化でき、ステアリングコラム2の構造を簡略化できる。
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、ステアリングコラム2は、ラックアシスト式の電動パワーステアリングに適用されているが、ピニオンアシスト式又はコラムアシスト式の電動パワーステアリングに適用してもよく、油圧式パワーステアリングや非アシストのマニュアルステアリングに適用してもよい。また、ラック7とステアリングシャフト11とが機械的に接続しておらず、ヨーモーメントを統合制御するバイワイヤ式ステアリングの操作部として適用してもよい。
・前記実施形態において、第一ポール26及び第二ポールが各ラッチ25、28を保持しているが、第一ラッチスプリング32等の弾性を適宜設定し、ばねの弾性力のみでステアリングジャケット14を保持する構成としてもよい。
・前記実施形態において、チルトメモリブラケット24及びアッパブラケット27は、ステアリングジャケット14を挟んで上下方向に配置されているが、各ブラケット24、27をステアリングジャケット14の上方又は下方にまとめて配置してもよい。その際、各ラッチ25、28を第一ラッチピン31で同軸に保持してもよい。また、各ブラケット24、27を前後方向、左右方向あるいは上下方向に互いにオフセットして配置してもよい。さらに、第一ラッチピン31の向きも揺動軸15と平行でなくてもよい。
・前記実施形態において、固定ブラケット21及びアッパブラケット27を一体化してもよい。
・前記実施形態において、ラッチ機構は、チルトメモリブラケット24又はアッパブラケット27の双方にそれぞれ独立して設置されているが、どちらか片方のブラケットのみに設置される構成であってもよい。その際、ラッチ機構の設置されないブラケットには他の保持手段が設置されてもよく、ブラケットによらずばねの付勢力のみでステアリングジャケット14が保持される構成であってもよい。
・前記実施形態において、ステアリングジャケット14の上下方向の揺動動作は、ばねの付勢力又は手動によって行われるが、揺動動作を電動化してもよい。
・前記実施形態において、ステアリングジャケット14は、カム推力によって生じる摩擦力でチルト角度を無段階に保持しているが、ねじ式ジャッキアップ等の他の機構でチルト角度を保持してもよい。また、ステアリングジャケット14のチルト機構に、有段階のラチェット機構等の他の機構を用いてもよく、チルト機構そのものを搭載せずに、跳上げ操作及び復帰操作のみ可能な構成であってもよい。
・前記実施形態において、ラッチ機構は、チルト角度をメモリしたまま跳上げ可能なステアリングジャケット14を保持するために使用されているが、ステアリングジャケット14を前後方向にテレスコ調節し、テレスコ位置をメモリしたまま跳上げ可能なステアリングジャケット14の保持に使用されてもよい。
・前記実施形態において、各ラッチ25、28は略U字状に形成されているが、各アーム部25a、25bを平行に配置する等の他の形状であってもラッチ機能を満足すればよく、各ストライカ18、19も円柱状以外の他の形状であってもよい。また、第一ポール26も、第一ラッチピン31と同軸上に配置する構成であってもよい。
・前記実施形態において、ステアリングジャケット14は、跳上げ動作及びチルト動作の際に共通の揺動軸15まわりに揺動するが、それぞれ別の揺動軸回りに揺動する構成であってもよい。
・前記実施形態において、ステアリングジャケット14に各ストライカ18、19が設置され、車体に各ブラケット24、27が設置されているが、逆転させて車体に各ストライカ18、19を設置し、ステアリングジャケット14に各ブラケット24、27を搭載する構成としてもよい。また、ステアリングジャケット14に第一ストライカ18及びアッパブラケット27を設置するような構成としてもよい。
・前記実施形態において、揺動軸15そのものをラッチ機構で揺動自在かつ解放自在に支持して、ステアリングジャケット14の調整範囲を広げる構成としてもよい。
・前記実施形態において、跳上げ操作時に走行できないようにシフトロック等をブラケット24又は27と連動させ、より安全性を向上させる構成としてもよい。
・前記実施形態において、ラッチ機構は、跳上げ操作及び復帰操作の際にステアリングジャケット14を保持する為に適用されているが、ステアリングジャケット14の支持を請求項にある揺動軸15支持からスライド支持に変更し、ステアリングシャフト11を前後方向に移動させるテレスコ機構のロック機構に適用してもよい。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことができる。
1 ステアリング装置
2 ステアリングコラム(車両用ステアリングコラム)
3 ステアリングホイール(把持部材)
11 ステアリングシャフト
14 ステアリングジャケット
15 揺動軸
16 揺動方向
17 ストライカブラケット
18 第一ストライカ(係合部)
19 第二ストライカ(係合部)
21 固定ブラケット
22 チルトロックピン
23 チルトロックレバー
24 チルトメモリブラケット(ラッチ機構、チルト機構)
25 第一ラッチ(ラッチ部材)
26 第一ポール(ロック部材)
27 アッパブラケット(ラッチ機構)
28 第二ラッチ(ラッチ部材)
32 第一ラッチスプリング
38 第一ポールスプリング
41a ラッチ解放方向(解除方向)
41b ラッチ挟持方向(係合方向)

Claims (5)

  1. 一端に把持部材が固定されるように適合されたステアリングシャフトと、
    該ステアリングシャフトを回転自在に支持するとともに、車体に対して揺動軸まわりに揺動自在に支持され、跳上げ操作時に揺動するステアリングジャケットと、
    該ステアリングジャケットの揺動方向に前記ステアリングジャケットを解除可能に保持する少なくとも一つ以上のラッチ機構と、
    を備える車両用ステアリングコラム。
  2. 前記ステアリングジャケットは、前記ラッチ機構と解除可能に係合して前記ステアリングジャケットを保持する少なくとも一つ以上の係合部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ステアリングコラム。
  3. 前記ステアリングジャケットは、揺動範囲の両端でそれぞれ異なるラッチ機構に保持される
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ステアリングコラム。
  4. 前記ラッチ機構は、前記ラッチ機構に回動自在に支持されるとともに前記ラッチ機構の解除方向に付勢されるラッチ部材と、前記ラッチ機構に回動自在に支持されるとともに前記ラッチ部材の係合方向に前記ラッチ部材を押圧して係合状態に保持するよう付勢されるロック部材と、を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用ステアリングコラム。
  5. 前記ステアリングジャケットは、少なくとも一つの前記ラッチ機構に設置されるチルト機構によりチルト調整され、
    前記ラッチ機構は、チルト角度をメモリしたまま前記ステアリングジャケットを揺動自在に解放する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用ステアリングコラム。
JP2011029798A 2011-02-15 2011-02-15 車両用ステアリングコラム Withdrawn JP2012166711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029798A JP2012166711A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 車両用ステアリングコラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029798A JP2012166711A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 車両用ステアリングコラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012166711A true JP2012166711A (ja) 2012-09-06

Family

ID=46971290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011029798A Withdrawn JP2012166711A (ja) 2011-02-15 2011-02-15 車両用ステアリングコラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012166711A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015067222A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 アイシン精機株式会社 車両用スポイラ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015067222A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 アイシン精機株式会社 車両用スポイラ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4567040B2 (ja) チルトテレスコ・ステアリング装置
US8919815B2 (en) Steering apparatus for a vehicle
JP5076908B2 (ja) ステアリングコラム装置
EP3000690B1 (en) Position adjusting-type steering device
JP5716127B2 (ja) ロック装置及び車両シート
WO2015016311A1 (ja) ステアリング装置
US7665704B2 (en) Seat rail apparatus
JPWO2016186144A1 (ja) テレスコピック式ステアリング装置
JP2021024536A (ja) 手押し式運搬車
EP3067249A1 (en) Steering apparatus
US20080245176A1 (en) Steering column assembly having an actuation mechanism for telescoping and tilting movement
JP5229078B2 (ja) ステアリングコラム装置
JP3734788B2 (ja) 調節可能なステアリングコラムのクランプ機構
EP3067248A1 (en) Steering apparatus
JP2005014681A (ja) 車両用ステアリングコラム装置
JP2012166711A (ja) 車両用ステアリングコラム
US8919816B2 (en) Steering apparatus for a vehicle
JP2014015120A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5119796B2 (ja) ステアリングコラム装置
JP2007168625A (ja) ステアリング装置
JP2015137052A (ja) ステアリングコラム装置
JP2005132288A (ja) 車両用ステアリングコラム装置、及び車両用車体艤装品
JP2012131253A (ja) 建設機械におけるチルトステアリング装置
JP5970991B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5708194B2 (ja) 産業車両の操作レバー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140513