JP2012163530A - 計量装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重センサの設置位置が四辺形の四隅位置からずれている場合でも、通常の計量作業を実施する中でいずれかの荷重センサのスパンが異常となったことを、容易にかつ精確に早期に検出する。
【解決手段】四辺形の一辺の両端に配される2個の荷重センサの出力信号の比率と、一辺の対辺の両端に配される2個の荷重センサの出力信号の比率との相対比率を求め、この相対比率に基づいて荷重センサのスパンの異常を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、計量台の四隅を支持する荷重センサのうち、いずれの荷重センサのスパンが異常であるかを検出するようにした計量装置に関するものである。
計量装置の機能を達成する最重要要素である荷重センサ(以下、「ロードセル」という。)が故障した場合に、その故障状態を容易、精確かつ速やかに判定することが必要である。故障の程度が小さいうちにその故障を精確に発見することができれば、新たなロードセルと交換するまで作業を中断せずに計量作業を継続することが可能である。ここで、ロードセルの故障には、零点変動量が異常に大きくなることと、スパンの変動量が異常に大きくなることとがある。これら零点変動量及びスパン変動量の異常については、通常の計量作業中に特別な操作を必要とせずに判定し、異常があれば警報を発するようにすることが求められる。
故障要因のうち零点の変動については、計量作業中、作業者は計量台上に被計量物がないときの重量表示によって零点を確認し、もし零点がシフトしていれば、零点調整スイッチを操作し重量表示値を零点調整してから使用するので、ロードセルの使用範囲における直線性などとの関係で、零点調整が不可能なほど零点変動が大きい場合に、つまり変動量の絶対値が大きい場合に異常警報を発すれば良い。また、零点は、計量台への異物付着など、ロードセルが正常であってもたびたび変動する。
一方、スパンの異常は、通常の作業の中で修正する機能はない上に、変動量の絶対値が小さい場合でも異常が判定できなければならない。例えば、計量装置の精度が1/2000の仕様である場合、厳密にスパンの異常を判定するのであれば、被計量物がほぼ定格荷重に相当する荷重における被計量物の重量測定値として1/2000以上の変動量であればスパン異常を警報するような許容値が設定される。しかし、この値であっても零点変動量として判断すると小さいので単に重量測定値の変動量の大きさを判定して異常警報するようにすると、上述のように零点変動を要因とする不必要な異常警報が出力され、計量装置として使いにくいものとなる。また、反対に、小さい出力変動を無視する大きい許容値による判定であると、精確にスパン異常を検出・警報することができない。
従来、計量台の四隅をロードセルにて支持された計量装置の故障を診断する装置として、特許文献1,2に開示されるものがある。
特開2006−162252号公報 特開2006−226961号公報
上記特許文献1,2に開示された故障診断装置においては、4個のロードセルの中で2個以上の異常品が同時に発生しないとの条件の下で、計量作業中に4個のロードセルのうちでいずれかのロードセルにスパンの異常が生じたことを容易にかつ速やかに判定するように構成されている。しかしながら、上述のようにスパンの異常は零点変動と区別してその異常状態を警報する必要があるものであるが、上記特許文献1,2のものでは、スパンの異常判定のために取り扱う個別のロードセルの出力信号の中に零点変動分が含まれた場合に、零点変動をスパンの異常として判定し、スパンの異常でないにもかかわらず異常判定したり、たびたび異常判定による警報が出力されてしまうという問題点がある。
また、各ロードセルの出力信号の中には個別に零点変動量成分が含まれるので、精確にスパン変動を評価するには個々のロードセルに零点移動量を除去する手段を備える必要があるが、上記特許文献1,2のものでは、通常の使用中に個別ロードセルの零点変動分に対する除去処理方法については何ら考慮されていない。
また、上述した問題点とは別に、仮にロードセルの出力信号の中から零点変動成分が除去されていたとしても、以下に述べるように、精確な異常判定ができないという問題点もある。
図1(a)に示されるように、四辺形の形状をなす計量台5の四隅a,b,c,d点にそれぞれロードセル1A,1B,1C,1Dが設置されていれば、下記式(50)が成立する。しかしながら、実機においては計量台5を支持するロードセルを四辺形の四隅に精確に寸法通りに配置することは困難であり(設置寸法の精度を1/1000にするのも容易ではない。)、a,b,c,d点は極端に表現すれば図1(b)に示されるような配置になる。この場合、例えば被計量物の重心位置Gがy=B/2の線上をx軸に沿って移動するとき、重心位置Gにおける被計量物の荷重Wxのロードセル1A,1Bに分配される荷重の比率と、ロードセル1D,1Cに分配される荷重の比率は、x座標の値、すなわち被計量物の重心位置Gのx座標値によって異なる。したがって、比W1/W2及び比W4/W3はx座標の値、つまり被計量物の計量台5上での載置位置に応じて異なる。また、y軸方向への移動についても同様である。
W1={(A−x)・(B−y)/A・B}Wx
W2={x・(B−y)/A・B}Wx
W3={x・y/A・B}Wx
W4={(A−x)・y/A・B}Wx
W1/W2=W4/W3=(A−x)/x
W1/W4=W2/W3=(B−y)/y ・・・(50)
したがって、特許文献1の段落〔0046〕以下に記載のように、調整時点で計量台上のある一点での被計量物の載置位置を基準に取って被計量物が計量台上の任意の位置に載置される通常の計量時にスパンの異常を評価するとき、R0の値は被計量物の計量台上の重心位置のx座標値又はx,y座標値によって異なるので、仮にロードセルのスパンが変動しなくても、被計量物の重心位置によって精確には(Rt−R0)/R0の値は種々の値を取る。毎回、被計量物の重心位置がほぼ同じ位置になるように載置すれば精確に成り立つが、毎回の通常の計量作業において精確に同じ位置へ載置するのは困難である。
また、特許文献1の段落〔0033〕以下に記載されている方法において、毎回の被計量物の計量台上の位置を精確にDの位置だけ移動させるのは、高い精度(例えば1/1000以上)でスパンの異常を検出しようとする場合には、Dに対してその精度が求められるので通常の作業においては困難であり、毎回の計量作業において同文献1に記載の式(10)のように表わすことができず、いずれかのロードセルのスパンが異常であることを精確に判定することはできない。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、四隅がロードセルにて支持された計量台を備える計量装置において、荷重センサの設置位置が四辺形の四隅位置からずれている場合でも、通常の計量作業を実施する中でいずれかの荷重センサのスパンが異常となったことを、容易にかつ精確に早期に検出することのできる計量装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明による計量装置は、
四辺形の四隅が荷重センサにて支持される計量台上に被計量物を載置してその被計量物の重量を測定するようにした計量装置において、
前記四辺形の一辺の両端に配される2個の荷重センサの出力信号の比率と、前記一辺の対辺の両端に配される2個の荷重センサの出力信号の比率との相対比率を求め、この相対比率に基づいて前記荷重センサのスパンの異常を検出するスパン異常検出手段を備えることを特徴とするものである。
第2発明は、第1発明において、前記四隅を支持する各荷重センサのうちの少なくとも1個の荷重センサの出力信号が零点から変動しているのを識別する零点変動識別手段を備えることを特徴とするものである。
第3発明は、第1発明又は第2発明において、前記荷重センサの零点を個別に手動又は自動的に調整する荷重センサ個別零点調整手段を備えることを特徴とするものである。
第4発明は、第1発明〜第3発明のいずれかにおいて、前記荷重センサから出力される荷重信号の安定判別を行うとともに、前記荷重センサの安定重量値を生成する安定重量値生成手段と、前記安定重量値生成手段によって生成された最新の安定重量値と、この最新の安定重量値の一つ前のタイミングにおいて生成された安定重量値との差を安定荷重変化量として各荷重センサ毎に算出する荷重変化量算出手段とを備え、
前記スパン異常検出手段は、前記荷重変化量算出手段により算出された全ての荷重センサの安定荷重変化量に関する前記相対比率に基づいていずれかの荷重センサのスパンの異常を検出することを特徴とするものである。
また、第5発明は、第1発明〜第4発明のいずれかにおいて、前記計量台の被計量物の載置面がなす平面上の任意の位置に原点を定めるとともに、前記原点を通り前記平面上で互いに直交する二軸のいずれか一方の軸をx軸として定め、前記荷重センサの出力信号に基づいて前記x軸上の前記被計量物の重心位置をx座標値として定める被計量物重心位置算出手段と、全ての荷重センサの出力信号を演算することによって、前記計量台上に載置された前記被計量物の重心位置のx座標値に対する前記相対比率の関係を規定するスパン評価係数を算出するx座標値用スパン評価係数算出手段とを備えることを特徴とするものである。
また、第6発明は、第5発明において、当該計量装置の調整モードにおいて、当該計量装置の通常運転時における前記被計量物の重心位置のx座標値に基づいて前記x座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出するための算出式を決定するx座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段を備えることを特徴とするものである。
また、第7発明は、第6発明において、当該計量装置の通常運転時における荷重センサに基づくx座標値を、前記x座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段により決定された算出式に適用することによって、被計量物の重心位置の前記x座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出することを特徴とするものである。
また、第8発明は、第7発明において、前記スパン異常検出手段は、当該計量装置の通常運転時において、前記x座標値用スパン評価係数算出手段によって算出されるスパン評価係数と、前記x座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段によって算出されるスパン評価係数の基準値とを比較することによっていずれかの荷重センサのスパンの異常を検出することを特徴とするものである。
また、第9発明は、第1発明〜第4発明のいずれかにおいて、前記計量台の被計量物の載置面がなす平面上の任意の位置に原点を定めるとともに、前記原点を通り前記平面上で互いに直交する二軸をそれぞれx軸、y軸として定め、前記荷重センサの出力信号に基づいて前記x軸上及びy軸上の前記被計量物の重心位置をそれぞれx座標値及びy座標値として定める被計量物重心位置算出手段と、全ての荷重センサの出力信号を演算することによって、前記計量台上に載置された前記被計量物の重心位置のx座標値及びy座標値に対する前記相対比率の関係を規定するスパン評価係数を算出するx,y座標値用スパン評価係数算出手段とを備えることを特徴とするものである。
また、第10発明は、第9発明において、当該計量装置の調整モードにおいて、当該計量装置の通常運転時における前記被計量物の重心位置のx座標値及びy座標値に基づいて前記x座標値及びy座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出するための算出式を決定するx,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段を備えることを特徴とするものである。
また、第11発明は、第10発明において、当該計量装置の通常運転時における荷重センサに基づくx座標値及びy座標値を、前記x,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段により決定された算出式に適用することによって、被計量物の重心位置の前記x座標値及びy座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出することを特徴とするものである。
また、第12発明は、第11発明において、前記スパン異常検出手段は、当該計量装置の通常運転時において、前記x,y座標値用スパン評価係数算出手段によって算出されるスパン評価係数と、前記x,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段によって算出されるスパン評価係数の基準値とを比較することによっていずれかの荷重センサのスパンの異常を検出することを特徴とするものである。
前記各発明によれば、荷重センサの設置位置が四辺形の四隅位置から誤差があっても、取り扱う個別荷重センサの出力信号から零点変動分を確実に除去してスパン変動分のみを精確に検出することができ、いずれかの荷重センサのスパン異常であるかの判定を精確に行うことができる。しかも、このスパンの異常判定を特別な作業を要することなく、通常の計量作業を継続する中で容易に実施することができる。
本発明の一実施形態に係る計量装置における計量台の模式図 本実施形態の計量装置の概略システム構成図 x,y座標による比例配分によってスパン評価係数を求める方法を説明する図
次に、本発明による計量装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1(a)(b)には、本発明の一実施形態に係る計量装置における計量台の模式図が示されている。また、図2には、本実施形態の計量装置の概略システム構成図が示されている。
図1(a)に示されるように、計量台5は四辺形の形状をなし、四隅a,b,c,d点がそれぞれロードセル1A,1B,1C,1Dにて支持されている。この計量台5の物品載置面を含む平面に、a点を原点とし、a点とb点とを結ぶ直線の方向をx軸、a点とd点とを結ぶ直線の方向をy軸としてxy座標を設定する。また、計量台5上に載置された被計量物の重心位置Gの座標を(x,y)とし、被計量物の重心位置Gにおける荷重をWxとし、荷重Wxによる各ロードセル1A,1B,1C,1Dの出力信号をW1,W2,W3,W4とする。また、計量台5の寸法を、ab=A、ad=Bとする。
ところで、実際には、各ロードセル1A,1B,1C,1Dの設置位置を精確に四辺形の四隅に配置することは困難であり、その設置位置であるa,b,c,d点は極端に表現すれば図1(b)に示されるような配置になる。
図2に示されるように、各ロードセル1A,1B,1C,1D(LC1,LC2,LC3,LC4)は、個別に同じ負荷荷重に対して同じ大きさの出力信号を取り出すように調整される必要があるため、本実施形態の計量装置は、起歪部を含むロードセル本体に貼付されたストレインゲージ・ブリッジ回路の出力電圧を増幅し、A/D変換した上で、個別ロードセル出力W1〜W4を生成し重量測定装置へ出力する演算回路26を備えている。
演算回路26は、入出力回路(I/O)51と、中央演算処理装置(CPU)52と、メモリブロック(MEM)53とを備えて構成されている。こうして、A/D変換器の出力信号は、入出力回路51から中央演算処理装置52を介してメモリブロック53に読み込まれる。ここで、メモリブロック53は、データを入力、出力、演算のために一次記憶するRAMや設定データを継続記憶するEEPROMや所定プログラムを継続記憶するPROMなどの記憶素子(半導体素子)から成るものである。また、演算回路26には、表示装置(DIS)54やキースイッチ(KEY)55などが付設されており、重量値等は表示装置54に表示され、初期荷重記憶操作や零点調整操作はキースイッチ55によって実施される。
(1)スパンの異常なロードセルの判定
(1.1)ロードセルの出力信号の零点変動処理
各ロードセル1A,1B,1C,1Dの出力にロードセル個別に零点調整、自動零点調整機能を付加する。例えばロードセル1A〜1Dの出力W1,W2,W3,W4について、次式で表す。
W1=K1・(Wa1−Wi1)−Wz1
W2=K2・(Wa2−Wi2)−Wz2
W3=K3・(Wa3−Wi3)−Wz3
W4=K4・(Wa4−Wi4)−Wz4 ・・・(1)
このように4個のロードセルでなる計量装置において、各ロードセルの初期重量、零点重量、スパン係数を独立に管理する。
ロードセル1A(LC1)の調整に関し、予め単体の調整時点では、式(1)において零点メモリWz1を0にリセットし、スパン係数K1=1にセットし、ロードセルを無負荷の状態にして読み取ったA/D変換荷重信号Wa1を初期荷重Wi1として初期荷重記憶メモリに入れる。なお、A/D変換荷重信号はフィルタによって十分安定なように平滑処理する。続いて、重量値が既知である基準負荷荷重(分銅など)をロードセルに負荷し、出力W1の値が基準負荷荷重の値に等しくなるようにスパン係数K1を調整する。
次に、計量装置の計量台5に上述のように単体調整されたロードセルを組み込み、計量装置としての調整モードにて、零点メモリWz1を0にリセットし、初期荷重記憶スイッチを押すと、計量台の荷重のうちでロードセル1Aを支持する分がA/D変換荷重信号Wa1として入力されるので、これを読み取り初期荷重記憶メモリWi1に入り、単体調整時に記憶された初期荷重値を更新記憶させる。
ロードセル1B〜1Dについても同様に行う。ロードセル1A〜1Dを計量台へ組み込んだ後は重量測定装置の初期荷重記憶スイッチをもって、初期荷重の記憶は全てのロードセルに共通に同時に行うようにすれば好適である。計量装置の使用中は、重量測定装置において零点調整スイッチを操作すれば、4個のロードセルは共通に同時に零点調整を実施するようにすれば好適である。
また、各ロードセル個別に零点重量付近での安定状態を判別し、出力が安定状態であって、重量表示値のカウントレベルでは0表示であるが、W1〜W4を表わすカウントレベルでは零から外れているときには、自動的に零点補正機能を各ロードセル毎に個別に実施する。この場合、W1〜W4を、被計量物の重量値としての最小単位の表示重量値の1カウントに対して少なくとも4倍以上大きいカウント数で表せるように高い分解能でもって処理する。
このように処理することによって、通常の計量作業の時点の各ロードセルの出力信号として零点変動分が除去され、負荷荷重の大きさに精確に対応するものが得られるので、スパン異常の検出に対応させることが可能になる。なお、ロードセルの零点の手動調整又は自動調整は、中央演算処理装置52の中の荷重センサ個別零点調整手段において実行される。
(1.2)確実なスパン異常の判定処理
以下に示すロードセルのスパンの異常検出は、中央演算処理装置52の中のスパン異常検出手段において実行される。
被計量物の重量値WTは、4個のロードセル1A〜1Dの出力でもって、次式で表される。
WT=W1+W2+W3+W4 ・・・(2)
計量装置の重量表示は、計量台5上の被計量物の重量測定値であるWTの値が表示レベルのカウント数に換算されて表示される。この表示値を見ながら作業者は計量作業を行う。したがって、例えばロードセル1Aとロードセル1Bの零点が正負方向にそれぞれ同じ大きな値で変動していても、加算値WTとしての零点は0になるから表示値は0になり、零点調整スイッチは押されない。
W1、W2が上述のように変動している場合には、特開2006−162252号公報(特許文献1)に記載された方法では、零点変動を誤ってスパン変動量として計算し、スパン異常として警報を発することになる。この点に鑑み、精確にスパン異常を検出するには、各ロードセル1A〜1Dの零点が個別に調整されていることを認識できる手段又は個別に零点変動を認識できる手段(中央演算処理装置52中に設けられる零点変動識別手段)を設けることが必要である。
このため本実施形態では、作業者の零点調整スイッチ操作に頼る場合には、各ロードセル1A〜1Dの値も個別に、被計量物の重量表示値と同じ分解能レベルに換算して、計量装置としての被計量物の重量とともに重量測定装置に表示させるようにするか、または、いずれかのロードセルの零点が変動している場合に、すなわち、いずれかのロードセルの出力が零点付近の領域にあることを判別する境界重量値として下限値Wzl、上限値Wzuを定め、いずれかのロードセルの出力W1〜W4が定められた零点近傍領域内にある場合に、その旨のサイン(零点変動サイン)を表示装置54に表示させ、作業者に零点調整スイッチを押す必要性の有無を認識させるようにするか、あるいはいずれかのロードセルが定められた零点近傍領域の範囲外にある場合に、零点調整スイッチを押すのを促すようにされる。この場合、上限値Wzu、下限値Wzlとしては、上記WTから換算された被計量物の重量値表示の最小表示量(最小目盛り値)の値が表示される手前の大きさの値が設定されるのが好ましい。
次に、作業者の零点調整操作に頼れない計量装置の場合、あるいは作業者が零点調整操作を忘れる場合の対策について述べる。この対策としては、各ロードセルの出力信号W1〜W4に対して次のように負荷荷重による変動量のみを算出する荷重変動量検出手段を中央演算処理装置52中に設けることにより、自動的に精確にスパン異常を検出できるようにする。
例えばロードセル1Aの出力W1について、このW1は、A/D変換器から読み込まれる荷重信号を平滑処理した後、例えばTa=数100msecの時間間隔で生成されるものとし、この生成順に常に最新のM個のW1が用意されたM個のシフトレジスタに記憶されるようにし、記憶されたM個のW1における最大値−最小値が予め設定された安定限界の許容値以内であれば安定状態にあると判定する。こうして、シフトレジスタの平均値を算出して現在の重量測定用のW1、すなわちロードセルの安定重量値とする。この演算処理は、中央演算処理装置52の中の安定重量値生成手段において実行される。
計量台5に被計量物を載置したとすると、あるタイミングで読み取ったW1の値によってシフトレジスタデータが許容値を外れ安定条件が成立しなくなることがある。しかし、安定条件を外れる1つ手前のタイミングでシフトレジスタに入った最新の値は、大抵は許容範囲の限界値である場合が想定されるので、安定重量値としてW1の値を算出するには、最も新しく入った値を除外し、M−1個でもって平均値を求めるのが適切である。
不安定になる直前の安定重量値(最新の安定重量値)を記憶するための安定重量値記憶レジスタを1個用意し、時間間隔Ta毎に連続的に安定重量値が生成されれば、安定重量値が生成されるたびに最新の安定重量値W1を前回安定重量値W1uとして安定重量値記憶レジスタの内容を更新する。こうして、全てのロードセル1A〜1Dの荷重信号に対して、常に最新の安定重量値を安定重量値記憶レジスタに記憶させて最新の値に更新するようにし、それぞれの値を、W1u,W2u,W3u,W4uとする。そして、最新の値の次に各ロードセル1A〜1DにW1〜W4の安定重量値が揃って生成されたとき、全てのロードセルの安定重量値と現在記憶している安定重量値とより次の荷重変化量W1p〜W4pを算出する。この演算処理は、中央演算処理装置52の中の荷重変化量算出手段において実行される。
W1p=|W1−W1u|
W2p=|W2−W2u|
W3p=|W3−W3u|
W4p=|W4−W4u| ・・・(3)
予め安定重量値の変化幅Whを定め、全てのロードセル1A〜1Dの荷重信号において荷重変化量が変化幅Whを超える大きさであるとき、すなわち次式が同時に成立するときには、各ロードセルにスパン異常を判定するに十分大きい荷重変化量W1p〜W4pであるとして、各ロードセルのスパン異常を判定する。ここで、Whの値としては、計量装置の定格荷重Wsに対して各ロードセルには標準的に最大Ws/4の荷重が負荷されるので、その値の1/4として、Wh=Ws/16等の値が設定される。
W1p〜W4p>Wh ・・・(4)
以下に説明するように、各ロードセルの出力信号W1〜W4の代わりに、ここで求めたW1p〜W4pを用いることによって、新たに計量台上に載置した被計量物の重心の座標値、座標値に対応するスパン評価係数の基準値、現在のスパン評価係数を算出する。W1〜W4は上述の判定を行った後、W1u〜W4uとして安定重量値記憶レジスタに記憶して更新させる。なお、スパンの異常を判定するには十分に大きい荷重変化量である必要がある。この荷重変化量が小さければ、所謂S/N比が小さくなり精確な判定ができない。
本実施形態のスパン異常判定法によれば、荷重信号があるタイミングでの安定から次のタイミングでの安定までの間の荷重変化量によってスパン異常を判定することができる。また、計量台上に被計量物がない場合だけでなく、被計量物が載置されていて荷重信号が安定しているところへ新たな被計量物を載置しても、零点の変動を含まないロードセル毎の荷重変化量を使用してスパンの異常を検出、判定することができる。したがって、作業者が零点操作を忘れていても、零点変動分をスパン変動分として異常判定することを防止できる。
(2)計量台上の任意の位置における各ロードセル出力を関係づける係数について(図1(b)参照)
(2.1)x軸上の任意の位置
以下に述べるロードセル1A〜1Dの出力信号には上記で算出した荷重変化量W1=W1p,W2=W2p,W3=W3p,W4=W4pを用いるのが好ましい。なお、人為的に零点調整された出力を用いても良い。
ロードセルが精確に四辺形の四隅に配置されていなければ、全てのロードセルの出力信号が正常であってもW1/W2の値とW4/W3の値とは等しくない上に、計量台5上での被計量物の重心位置Gの変化に応じて徐々に変化する。トラックスケールのように被計量物(貨物自動車)が、図1に示されるように、計量台5上のほぼ中央のセンターライン(C.L)上付近で重量測定される場合であれば、W1/W2とW4/W3との関係を、次式
W1/W2=r・(W4/W3) ・・・(5)
と置いて、計量台5上に載置された被計量物の重心位置Gのx座標によってr(「スパン評価係数」と呼ぶ。)の値が変化すると考えることができる。ただし、W1/W4=r・(W2/W3)としても良い。そこで、rをxの関数である、
r=f(x) ・・・(6)
で表し、次式の関係に置く。
r=f(x)=(W1/W2)/(W4/W3) ・・・(7)
<調整モード>
調整モードにて、全てのロードセルのスパンが正常な場合のr(スパン評価係数)とxとを関係づける関数r=f(x)を求める。
ロードセルの出力信号から求める被計量物のx,y座標の位置は図1から次式のようになる。
x=[{W2/(W1+W2)}+{W3/(W3+W4)}]・A/2
y=[{W3/(W2+W3)}+{W4/(W1+W4)}]・B/2
・・・(8)
計量台5上に先に何らかの被計量物があって、新たに被計量物を追加的に載置する場合には、上述のように荷重変化量W1p〜W4pを算出してW1〜W4に置き換え計算するので、追加した被計量物の重心位置を求めることになる。
これら被計量物の位置x,y及び各ロードセルの荷重変化量は重量測定装置の表示器に表示させる。
重量測定装置の調整モードにて、分銅又はトラックスケールの場合には貨物自動車などのテストサンプルとなる被計量物を、計量台5の中央付近をxがx<(1/2)・Aにある場合からx>(1/2)・Aにある場合の間で、x座標の表示を確認しながらx=(1/2)・Aを中心に少しの距離ずつ移動させる。
ここで、テストサンプルの荷重としては、任意のものを用いることができるが、計量装置の定格荷重以下の荷重で大きい値のものを用いるのが好ましい。また、x座標の表示値としては、x=A/4〜(3/4)・Aの間で変化するように移動させるのが好ましい。また、テストサンプルはできるだけ図1(a)のy=B/2で表されるセンターラインに沿って移動させながら測定するのが好ましい。つまり、y座標はできるだけy=B/2と表示されるように移動させるのが好ましい。
x=(1/2)・Aを中心に左右に何箇所かにテストサンプルを移動させ、x座標値を適切な間隔に変更し、テストサンプルの位置を変更する度に安定重量値が求まる。各ロードセル1A〜1Dの荷重変化量が求まると、この荷重変化量の表示値を確認して重量測定装置に設けた測定データ記憶スイッチを押す。そうすると、測定データ記憶スイッチが押される度に、各ロードセル1A〜1Dの荷重変化量から式(7)によってスパン評価係数rが算出され、x座標値と共に重量測定装置の演算回路26のメモリブロック53に記憶される。
x=(1/2)・Aを中心にその両側で複数個のx座標に対応するスパン評価係数が求まると、重量測定装置に設けられたスパン評価係数の基準値設定スイッチを押すと、xをx<(1/2)・Aの範囲と、x≧(1/2)・Aの範囲とに分け、最小自乗法等の方法により、rについて、xに関するスパン評価係数の基準値を求める関数fa(x)とfb(x)として、それぞれの範囲別に一次式又は多次式を決定(x座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段)して次式の形で表し、これをスパン評価係数基準値のx座標値に関する関数として演算回路26のメモリブロック53に記憶させる。
ra=fa(x) (x<(1/2)・Aについて)
rb=fb(x) (x≧(1/2)・Aについて) ・・・(9)
いずれか1個のロードセルのスパンがある比率だけ変動すると、4個のロードセルの出力から直接求めるスパン評価係数もロードセルのスパンの変動量と同じ割合で変化する。しかし、ロードセルの四辺形の四隅位置からのズレが小さい場合は、この小さく変化したロードセルの出力から求めたx座標(x座標もロードセル出力の変化割合と同じだけ変化する。)を使用して求められるスパン評価係数の変化量は小さいので(ズレの量が0である場合は被計量物のx座標値が如何に変化しようともスパン評価係数は全く変化しない。)、通常運転時にロードセル出力から求めたx座標によって算出されるスパン評価係数の基準値と、そのときのロードセルの出力から直接求められるスパン評価係数とを比較することによって、4個の中のある1個のロードセル出力のスパンの変動率を求めることができる。
なお、上述の説明では、x=(1/2)・Aを境に2種類の関数を設定するものとしたが、xの値に範囲を設けず、1種類の関数を設定するようにしても良い。さらに、x座標の範囲を細分化して、それぞれの範囲においてスパン評価係数の関数を設定するようにしても良い。
以上は、四隅の各ロードセル出力のスパンが全て正常な場合において、被計量物の重心が任意のx座標位置にある場合のスパン評価係数をスパン評価係数の基準値として求める方法である。
<通常運転時>
通常運転時(通常の計量作業中)には、計量台5に被計量物を載置すると、全てのロードセルについて、荷重変化量W1p〜W4pを揃って取得できた時点で、これらを荷重変化量W1〜W4として、W1/W2とW4/W3とを算出し、被計量物の現在の載置位置でのスパン評価係数rxを、次式にて算出する(x座標値用スパン評価係数算出手段)。
rx=(W1/W2)/(W4/W3) ・・・(10)
通常運転時において、いずれのロードセルも出力のスパンが正常であれば、(W1/W2)/(W4/W3)によって求まるスパン評価係数rxは、そのときの被計量物の重心位置のx座標をロードセル出力から求め(被計量物重心位置算出手段)、求めたx座標から上式によって算出されるスパン評価係数の基準値と略等しい。もしいずれかのロードセルの出力のスパンに異常があれば、スパン評価係数rxは全てのロードセルが正常な場合に比べ、当該ロードセルのスパンの変化率と同じ変化率でもって算出される。
一方、いずれのロードセルのスパンも正常である場合の被計量物の現在の載置位置でのスパン評価係数基準値としては、荷重変化量W1〜W4によって被計量物の重心位置のx座標を求め(被計量物重心位置算出手段)、式(9)に示されるようにxの座標値の範囲に応じてfa(x)またはfb(x)のいずれかに代入して求める。
ロードセルの設置位置の四辺形の四隅位置からのズレが小さいときは、上記で定義したスパン評価係数が、計量台上における被計量物の重心位置の変化に応じて変化する割合は小さいので、ロードセルのスパンの変動があれば同じ割合でx座標が変化しても、x座標値に基づいて算出したスパン評価係数の基準値はロードセルのスパン変動がない場合に算出されるスパン評価係数の基準値にほぼ等しい。したがって、下記のようにしていずれか1個のロードセルのスパン変化率を算出することができる。
例えばx座標値が、x<(1/2)・Aであれば、ra=fa(x)にx座標値を代入して、現在のx座標値に対するスパン評価係数基準値raを算出する。これによって、スパンの基準値からの変化率Sxは、rxとraとを比較し、次式によって算出される。
Sx=|rx−ra|/ra ・・・(11)
スパン変化率Sxに対する許容値Rhを予め設定しておくと、スパン変化率Sxを許容値Rhとを大小比較し、次式が成立すれば計量装置はいずれかのロードセルのスパン係数が異常であると判定し、表示器や、ブザー、外部出力などに、種々の方法で警報信号を出力する。
Sx>Rh ・・・(12)
(2.2)x,y軸上の任意の位置
(2.2.1)x,y座標によってスパン評価係数を求める方法
より精確性を得るために、x,y座標をx,yの値によって4象限に分け、それぞれの象限においてx,y座標に応じたスパン評価係数の基準値を求める関数を決定する(x,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段)。この方式は、計量台5上の任意の位置に被計量物が載置される計量装置に適用することができる。
<調整モード>
調整モードにてx=(1/2)・Aとy=(1/2)・Bを結ぶ直線で計量台面を4等分して、それぞれ第1象限〜第4象限とし、テストサンプルの重心座標をそれぞれの象限に位置させ、象限別にx,y座標値に対応するスパン評価係数の基準値を求める。テストサンプルの計量台上のx,y座標値は各ロードセルの出力信号を測定することによって式(8)により算出し、重量測定装置に表示させる。また、同時に荷重変化量も表示させる。
まず、第1象限用:x<(1/2)・A、y<(1/2)・Bの範囲内でテストサンプルの載置位置を変え、スパン評価係数の基準値r1を、次式
r1=(W1/W2)/(W4/W3) ・・・(13)
を用い、x,y座標値と共に、複数箇所でロードセル1A〜1Dの出力信号を測定することによって算出する。こうして、第1象限内での複数個の測定点での座標値(x,y)に対応するr1を求める。
次に、第1象限のスパン評価係数基準値算出式を、次式
r1=a1・x+b1・y+c1 ・・・(14)
と定め、やはり最小自乗法などの手法でa1,b1,c1の値を求め、第1象限内の任意の重心位置(x,y)に対するスパン評価係数基準値r1の算出式を定める。
同様に、第2象限用:x≧(1/2)・A、y<(1/2)・Bの範囲内の任意の重心位置(x,y)に対するスパン評価係数基準値r2の算出式を定め、第3象限用:x≧(1/2)・A、y≧(1/2)・Bの範囲内の任意の重心位置(x,y)に対するスパン評価係数基準値r3の算出式を定め、第4象限用:x<(1/2)・A、y≧(1/2)・Bの範囲内の任意の重心位置(x,y)に対するスパン評価係数基準値r4の算出式を定める。こうして定められたi象限(i=1,2,3,4)におけるスパン評価係数基準値riの算出式は象限別に演算回路26のメモリブロック53に記憶させる。
<通常運転時>
通常運転時(通常の計量作業中)には、計量台5に被計量物を載置すると、全てのロードセルについて、全てのロードセルの荷重変化量W1p〜W4pを揃って取得できた時点で、これらをW1〜W4として、被計量物の重心位置のx,y座標を算出し(被計量物重心位置算出手段)、被計量物の載値位置が第何象限であるかを定めるとともに、定めた象限に対応する関数をr1〜r4の中から選択し、この選択した関数にx,y座標値を代入して被計量物の載値位置に対応するスパン評価係数基準値を算出する(x,y座標値用スパン評価係数算出手段)。続いて、W1〜W4の値から現在の被計量物のスパン評価係数を算出し、式(11)でもっていずれかのロードセルのスパンが異常であるか否かを判定する。
(2.2.2)x,y座標による比例配分によってスパン評価係数を求める方法
計量台がトラックスケールなどに比べて小型の場合に、調整モードにおいて、図3(a)に示されるe,f,g,h,p点の付近に分銅を置いて四隅誤差の検証を行い、この四隅検証の計量結果を用いて任意の位置におけるスパン評価係数の基準値を定める方法である。
<調整モード>
調整モードにおいて、四隅調整の機会を利用し、調整時点で特定の1個のロードセルのフルブリッジ出力と他の3個のロードセルのフルブリッジ出力の組み合わせ値によって四隅座標e点(A/4,B/2)、f点((3/4)・A,B/2)、g点(A/2,(3/4)・B)、h点(A/2,B/4)及び中央のp点(A/2,B/2)に対応するスパン評価係数の基準点として、それぞれの点に既知の重量の被計量物を載値したときの各ロードセルの出力より、係数re,rf,rg,rh,rpを求め、演算回路26のメモリブロック53に記憶させる。
例えばreについて、図3(a)のe点付近に被計量物の重心が来るように分銅を置いたとき、つまり調整モードにてx,y座標表示値が、x≒A/4、y≒B/2を表示する付近において、係数記憶スイッチを押して、ロードセル1A〜1Dの荷重変化量W1〜W4を測定し、次式によりreを求める。
re=(W1/W2)/(W4/W3) ・・・(15)
e点以外のf点、g点、h点、p点についても同様にして、それぞれrf,rg,rh,rpを求める。そして、これら基準座標値におけるスパン評価係数の基準値を重量測定装置のメモリに記憶させる。
<通常運転時>
通常運転時に、被計量物の重心のx,y座標を、上記のように荷重変化量W1〜W4を揃って取得できた時点で式(8)により算出する。いま、計量台5上の被計量物の重心位置mの座標が図3(a)においてm(x,y)であったとすると、算出したx,y座標値と、x=A/2、y=B/2との大小比較によってm点が座標の上で第何象限にあるかを決定する。そして、m点の所属する象限によって基準位置の座標と、それに対応する評価係数の基準値を選択する。
例えば、図3(b)に示されるように、m点が第4象限にある場合には、p点、g点、e点のスパン評価係数基準値に基づいてm点のスパン評価係数基準値を定めるものとする(他の象限についても同様)。
このとき、まずk1,k2,q1,q2の値を求める。e´点の基準値は、e点、p点の基準値をk1とk2との比率によって、次式にて求める。
re´=(k1・rp+k2・re)/(k1+k2) ・・・(16)
同様に、g´点の基準値は、g点、p点の基準値をq1とq2との比率によって、次式にて求める。
rg´=(q2・rp+q1・rg)/(q1+q2) ・・・(17)
m点のスパン評価係数の基準値rmは、k2とq1の比率によって、次式となる。
rm=(q1・rg´+k2・re´)/(k2+q1) ・・・(18)
そして、一方でW1〜W4によって現在の被計量物によるスパン評価係数を算出し、上記式(11)(12)に基づいてスパンの異常があれば警報信号を出力する。
以上のように、本実施形態の計量装置によれば、零点の変動に影響されず、また被計量物の計量台上での載置位置に影響されず、通常の計量作業の継続中に特別の操作を必要とせず、いずれかのロードセルのスパンに異常が生じた場合に精確に警報することができる。また、荷重信号変化量を用いれば、荷重信号が零点に戻らなくても、計量台上に追加した被計量物によって警報することができる。異常判定がなされると、重量測定装置によっていずれかのロードセルのスパンが異常である旨のサインが、作業者に識別できる表示内容でなされ、且つスパンの変化率も表示される。警報信号としては、ランプ表示、文字表示、音声などの手段を用いることができる。
本発明の計量装置は、コンベヤスケールやホッパスケール、トラックスケール、台秤、料金秤などの計量器で使用されるストレインゲージ式ロードセルに生じるスパンの異常を検出する用途に好適に用いることができる。
1A,1B,1C,1D ロードセル
5 計量台
26 演算回路
52 中央演算処理装置
53 メモリブロック
54 表示装置

Claims (12)

  1. 四辺形の四隅が荷重センサにて支持される計量台上に被計量物を載置してその被計量物の重量を測定するようにした計量装置において、
    前記四辺形の一辺の両端に配される2個の荷重センサの出力信号の比率と、前記一辺の対辺の両端に配される2個の荷重センサの出力信号の比率との相対比率を求め、この相対比率に基づいて前記荷重センサのスパンの異常を検出するスパン異常検出手段を備えることを特徴とする計量装置。
  2. 前記四隅を支持する各荷重センサのうちの少なくとも1個の荷重センサの出力信号が零点から変動しているのを識別する零点変動識別手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
  3. 前記荷重センサの零点を個別に手動又は自動的に調整する荷重センサ個別零点調整手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の計量装置。
  4. 前記荷重センサから出力される荷重信号の安定判別を行うとともに、前記荷重センサの安定重量値を生成する安定重量値生成手段と、前記安定重量値生成手段によって生成された最新の安定重量値と、この最新の安定重量値の一つ前のタイミングにおいて生成された安定重量値との差を安定荷重変化量として各荷重センサ毎に算出する荷重変化量算出手段とを備え、
    前記スパン異常検出手段は、前記荷重変化量算出手段により算出された全ての荷重センサの安定荷重変化量に関する前記相対比率に基づいていずれかの荷重センサのスパンの異常を検出することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の計量装置。
  5. 前記計量台の被計量物の載置面がなす平面上の任意の位置に原点を定めるとともに、前記原点を通り前記平面上で互いに直交する二軸のいずれか一方の軸をx軸として定め、前記荷重センサの出力信号に基づいて前記x軸上の前記被計量物の重心位置をx座標値として定める被計量物重心位置算出手段と、全ての荷重センサの出力信号を演算することによって、前記計量台上に載置された前記被計量物の重心位置のx座標値に対する前記相対比率の関係を規定するスパン評価係数を算出するx座標値用スパン評価係数算出手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の計量装置。
  6. 当該計量装置の調整モードにおいて、当該計量装置の通常運転時における前記被計量物の重心位置のx座標値に基づいて前記x座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出するための算出式を決定するx座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の計量装置。
  7. 当該計量装置の通常運転時における荷重センサに基づくx座標値を、前記x座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段により決定された算出式に適用することによって、被計量物の重心位置の前記x座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出することを特徴とする請求項6に記載の計量装置。
  8. 前記スパン異常検出手段は、当該計量装置の通常運転時において、前記x座標値用スパン評価係数算出手段によって算出されるスパン評価係数と、前記x座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段によって算出されるスパン評価係数の基準値とを比較することによっていずれかの荷重センサのスパンの異常を検出することを特徴とする請求項7に記載の計量装置。
  9. 前記計量台の被計量物の載置面がなす平面上の任意の位置に原点を定めるとともに、前記原点を通り前記平面上で互いに直交する二軸をそれぞれx軸、y軸として定め、前記荷重センサの出力信号に基づいて前記x軸上及びy軸上の前記被計量物の重心位置をそれぞれx座標値及びy座標値として定める被計量物重心位置算出手段と、全ての荷重センサの出力信号を演算することによって、前記計量台上に載置された前記被計量物の重心位置のx座標値及びy座標値に対する前記相対比率の関係を規定するスパン評価係数を算出するx,y座標値用スパン評価係数算出手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の計量装置。
  10. 当該計量装置の調整モードにおいて、当該計量装置の通常運転時における前記被計量物の重心位置のx座標値及びy座標値に基づいて前記x座標値及びy座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出するための算出式を決定するx,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の計量装置。
  11. 当該計量装置の通常運転時における荷重センサに基づくx座標値及びy座標値を、前記x,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段により決定された算出式に適用することによって、被計量物の重心位置の前記x座標値及びy座標値に対応するスパン評価係数の基準値を算出することを特徴とする請求項10に記載の計量装置。
  12. 前記スパン異常検出手段は、当該計量装置の通常運転時において、前記x,y座標値用スパン評価係数算出手段によって算出されるスパン評価係数と、前記x,y座標値用スパン評価係数基準値算出式決定手段によって算出されるスパン評価係数の基準値とを比較することによっていずれかの荷重センサのスパンの異常を検出することを特徴とする請求項11に記載の計量装置。
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